JP2023520518A - マスクされたil-12サイトカイン及びその切断産物 - Google Patents

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Abstract

【要約書】本発明は、IL-12サイトカイン又はその機能的断片と、マスキング部分と、タンパク質分解的に切断可能なリンカーとを含む、マスクされたIL-12サイトカインに関する。マスキング部分は、IL-12サイトカイン又はその機能的断片をマスクし、それによって、IL-サイトカイン又はその機能的断片のその同族受容体への結合を低減又は防止するが、標的部位における切断可能なリンカーのタンパク質分解切断時に、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、活性化され、その同族受容体への結合が可能又はより可能なものになる。【選択図】図2

Description

関連出願の相互参照
本出願は、それぞれが参照によりその全体で本明細書に組み込まれる、2020年4月1日に出願された米国仮出願第63/003,842号、2020年11月25日に出願された第63/118,579号、及び2020年12月18日に出願された第63/127,893号の優先権の利益を主張する。
ASCIIテキストファイル上の配列表の提出
ASCIIテキストファイル上の以下の提出の内容は、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる:配列表のコンピュータ可読形態(CRF)(ファイル名:737762002840SEQLIST.TXT、記録日:2021年3月26日、サイズ:1,000KB)。
本発明は、マスクされたIL-12サイトカイン、並びにその使用及び製造に関連する方法に関する。本発明はまた、該マスクされたIL-12サイトカインの切断産物、及びその使用に関連する方法に関する。
がんは、米国で第2の主要な死因であり、次の5つの主要な原因(慢性呼吸器疾患、脳卒中、事故、アルツハイマー病、及び糖尿病)よりも多くの死亡を占めている。特に標的療法では大きな進歩が遂げられているが、この分野ではまだ多くの研究が残されている。免疫療法及びこの分野の分科である免疫腫瘍学は、悪性腫瘍を治療するための実行可能で刺激的な治療選択肢を生み出している。特に、がんの1つの特徴は免疫回避であり、顕著な努力が、がんを認識及び治療するために免疫系を再活性化するための標的を識別し、これらの標的に対する療法を開発してきたことが現在では認識されている。
サイトカインは、その三次元構造に基づいてなど、様々な方法で分類されることができる。いくつかのサイトカインは、ヘテロ二量体であるとして分類される。ヘテロ二量体サイトカインの例としては、IL-12及びIL-23が挙げられる。IL-12サイトカインは、p35及びp40サブユニットを含むヘテロ二量体である。
サイトカイン療法は、免疫系を刺激して抗腫瘍細胞傷害を誘発するための有効な方略である。特に、インターロイキン-2(IL-2)の組換え形態であるアルデスロイキンは、転移性腎細胞がん及び黒色腫の治療のためにFDAによって承認されている。残念ながら、患者に投与されるサイトカインは、一般的に非常に短い半減期を有し、それによって、頻繁な投与を必要とする。例えば、Proleukinというブランド名で市販されているアルデスロイキンの製品ラベルは、5分間の静脈内(IV)注入を受けた患者では薬物が85分の半減期を有することが示されたと記載している。加えて、高用量のサイトカインの投与は、全身免疫活性化を通して血管漏出などの有害な健康転帰を引き起こし得る。これらの所見は、全身免疫活性化に関連する副作用を伴わずに腫瘍を効果的に標的化するIL-2サイトカイン治療薬を開発する必要性を例証している。
本明細書で提供されるものは、この必要性に対処するために、マスクされたIL-12サイトカイン、該マスクされたIL-12サイトカインの切断産物、及びその組成物、並びにその使用方法である。
開示される発明は、IL-12サイトカイン又はその機能的断片の1つ以上の受容体結合部位においてマスキング部分によってマスクされるように操作される、IL-12サイトカイン又はその機能的断片に関する。IL-12サイトカインは、タンパク質分解的に切断可能なリンカーを含むことによって、腫瘍微小環境内などの標的部位においてプロテアーゼによって活性化可能であるように操作される。マスクされたサイトカイン構築物では、マスキング部分は、IL-12サイトカイン又はその機能的断片のその同族受容体への結合を低減又は防止する。標的部位における切断可能なリンカーのタンパク質分解切断時に、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、活性化され、その同族受容体への結合が可能又はより可能なものになる。
本明細書で提供されるものは、ヘテロ二量体を含むマスクされたIL-12サイトカインであって、
以下を含む第1のポリペプチド鎖と、
Figure 2023520518000002
以下を含む第2のポリペプチド鎖と、を含み、
Figure 2023520518000003
HL1が、第1の半減期延長ドメインであり、L1が、第1のリンカーであり、MMが、マスキング部分であり、HL2が、第2の半減期延長ドメインであり、L2が、第2のリンカーであり、Cが、IL-12サイトカイン又はその機能的断片であり、
第1の半減期延長ドメインが、第2の半減期延長ドメインと会合しており、
第1のリンカー又は第2のリンカーのうちの1つが、タンパク質分解的に切断可能なペプチドを含む、マスクされたIL-12サイトカインである。
いくつかの実施形態では、IL-12ポリペプチド又はその機能的断片は、IL-12p35ポリペプチド又はその機能的断片に共有結合されたIL-12p40ポリペプチド又はその機能的断片を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p40-IL-12p35リンカーは、長さで5~20個のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、IL-12p40-IL-12p35リンカーは、アミノ酸残基G及びSが豊富である。
いくつかの実施形態では、IL-12p40-IL-12p35リンカーは、配列番号3を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号1、又は配列番号1のアミノ酸配列と比較して少なくとも1つのアミノ酸修飾を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号1を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列と比較して、GAG-結合ドメイン(KSKREKKDRV)に少なくとも1つのアミノ酸修飾を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号57を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号58を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列と比較して1つ以上のサイトカイン置換変異を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号59を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号60を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p35ポリペプチドは、配列番号2、又は配列番号2のアミノ酸配列と比較して少なくとも1つのアミノ酸修飾を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p35ポリペプチドは、配列番号2を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号61を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号62を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号63を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、IL-12サイトカイン受容体、又はそのサブユニット若しくは機能的断片を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、ヒトIL-12Rβ1、又はその断片、一部、若しくはバリアントの細胞外ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ1の残基24~237、すなわち、配列番号5を有する配列を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ1の残基24~545、すなわち、配列番号6を有する配列を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、ヒトIL-12Rβ2、又はその断片、一部、若しくはバリアントの細胞外ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~212、すなわち、配列番号7を有する配列を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~222、すなわち、配列番号8を有する配列を含むか、又はマスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~227、すなわち、配列番号11を有する配列を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号9を有する配列を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、配列番号9の配列と比較して少なくとも1つのアミノ酸修飾を含み、任意選択的に、該修飾は、システイン置換変異である。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、配列番号65を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~622、すなわち、配列番号10の配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、長さで6~10個のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号15のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号41のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号42のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号43のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号44のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号45のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド鎖は、以下を含み、
Figure 2023520518000004
第2のポリペプチド鎖は、以下を含む。
Figure 2023520518000005
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、長さで3~18個のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、長さで3~15個のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、アミノ酸残基G及びSが豊富である。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、[(G)S]を含み、n=4又は5である。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号13に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号14に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号54(GGSGGSGGSGGSGGSSGP)に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号55(PGGSGP)に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号56(GGSPG)に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、スペーサードメイン(SD)が両側に配置されたタンパク質分解的に切断可能なペプチド(CP)を含み、
SD1-CP-SD2
SD1及びSD2は、第1のポリペプチド鎖が以下を含み、
Figure 2023520518000006
第2のポリペプチド鎖が以下を含むように、異なる。
Figure 2023520518000007
いくつかの実施形態では、第1のスペーサードメイン(SD1)は、長さで3~10個のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、SD1は、配列番号16を含む。
いくつかの実施形態では、SD1は、配列番号17を含む。
いくつかの実施形態では、第2のスペーサードメイン(SD2)は、長さで3~6個のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、SD2は、配列番号18を含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質分解的に切断可能なリンカーは、SD1-CP-SD2を含み、SD1は、第1のスペーサードメインであり、CPは、切断可能なペプチドであり、SD2は、第2のスペーサードメインであり、CPは、配列番号44に示されるアミノ酸配列を有し、SD2は、配列番号18に示されるアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、タンパク質分解的に切断可能なリンカーは、SD1-CP-SD2を含み、SD1は、第1のスペーサードメインであり、CPは、切断可能なペプチドであり、SD2は、第2のスペーサードメインであり、CPは、配列番号45に示されるアミノ酸配列を有し、SD2は、配列番号18に示されるアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号19を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号20を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号46(GGSGGSMPYDLYHPSGP)を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号47(GGSGGSGGSMPYDLYHPSGP)を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号48(GGSGGSDSGGFMLTSGP)を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号49(GGSGGSGGSDSGGFMLTSGP)を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号50(GGSGGSRAAAVKSPSGP)を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号51(GGSGGSGGSRAAAVKSPSGP)を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号52(GGSGGSISSGLLSGRSSGP)を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号53(GGSGGSGGSISSGLLSGRSSGP)を含む。
いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメインは、第1のIgG1 Fcドメイン又はその断片を含み、第2の半減期延長ドメインは、第2のIgG1 Fcドメイン又はその断片を含む。
いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2のFcドメインは各々、第1及び第2の半減期延長ドメインの非共有結合性会合を促進する1つ以上の修飾を含む。
いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W、及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメインは、配列番号27(Y349C、T366S、L38A、Y407V、N297A、及びI253A)を含み、前記第2の半減期延長ドメインは、配列番号28(S354C、T366W、N297A、及びI253A)を含む。
いくつかの実施形態では、第1のペプチド鎖は、配列番号34のアミノ酸配列を含み、第2のペプチド鎖は、配列番号40のアミノ酸配列を含む。
本明細書で提供されるものは、IL-12Rに結合することが可能な切断産物であって、本明細書に記載される記述又は実施形態のうちのいずれか1つで定義されるマスクされたIL-12サイトカイン中の切断可能なペプチドのタンパク質分解切断によって調製可能である、IL-12サイトカイン又はその機能的断片を含む、切断産物である。
本明細書で提供されるものは、マスクされたIL-12サイトカインの切断産物であって、切断産物は、IL-12Rに結合することが可能であり、切断産物は、以下を含むポリペプチドを含み、
PCP-SD2-C
PCPは、タンパク質分解的に切断可能なペプチドの一部であり、SD2は、スペーサードメインであり、Cは、IL-12サイトカイン又はその機能的断片である。
いくつかの実施形態では、PCPは、本明細書に記載されるタンパク質分解的に切断可能なペプチドの一部分である。
いくつかの実施形態では、SD2は、本明細書に記載されるスペーサードメインである。
いくつかの実施形態では、Cは、本明細書に記載されるIL-12サイトカイン又はその機能的断片である。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号29からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号29のアミノ酸配列を含む。
本明細書で提供されるものは、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインのうちのいずれか1つをコードする核酸である。
本明細書で提供されるものは、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインのうちのいずれか1つの鎖のうちの1つをコードする核酸である。
本明細書で提供されるものは、本明細書に記載される核酸を含む、ベクターである。
本明細書で提供されるものは、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインをコードする核酸を含む、ベクターである。
本明細書で提供されるものは、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインの鎖のうちの1つをコードする核酸を含む、ベクターである。
本明細書で提供されるものは、本明細書に記載される核酸を含む宿主細胞である。
一実施形態では、宿主細胞は、HEK細胞である。別の実施形態では、宿主細胞は、CHO細胞である。
本明細書で提供されるものは、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインのうちのいずれか1つを含む、組成物である。
本明細書で提供されるものは、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインのうちのいずれか1つと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、単一単位剤形である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、静脈内投与のために製剤化され、単一単位剤形である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、注射のために製剤化され、単一単位剤形である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、液体であり、単一単位剤形である。
本明細書で提供されるものは、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカイン、又は本明細書に記載される組成物、若しくは本明細書に記載される医薬組成物を含む、キットである。
本明細書で提供されるものは、マスクされたIL-12サイトカインを産生する条件下で、本明細書に記載される宿主細胞を培養することを含む、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインを産生する方法である。
本明細書で提供されるものは、本明細書に記載される切断産物をコードする核酸である。
本明細書で提供されるものは、本明細書に記載される切断産物を含む組成物である。
本明細書で提供されるものは、本明細書に記載される切断産物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物である。
本明細書で提供されるものは、薬物で使用するための本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインである。
本明細書で提供されるものは、薬物で使用するための本明細書に記載される切断産物である。
本明細書で提供されるものは、対象においてがんを治療又は予防する方法であって、有効量の本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインを対象に投与することを含む、方法である。
本明細書で提供されるものは、対象においてがんを治療又は予防する方法であって、有効量の本明細書に記載される組成物を対象に投与することを含む、方法である。
本明細書で提供されるものは、対象においてがんを治療又は予防する方法であって、有効量の本明細書に記載される医薬組成物を対象に投与することを含む、方法である。
本明細書で提供されるものは、対象においてがんを治療又は予防する方法であって、有効量の本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインを対象に投与することを含み、それによって、マスクされたサイトカインが、インビボでタンパク質分解的に切断され、本明細書に記載される切断産物を産生する、方法である。
本明細書で提供されるものは、対象においてがんを治療又は予防する方法であって、同族受容体に結合することが可能である切断産物をインビボで産生するステップを含み、切断産物が、本明細書に記載される、方法である。
いくつかの実施形態では、がんは、固形腫瘍である。
本明細書で提供されるものは、がんの治療又は予防に使用するための本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインである。
本明細書で提供されるものは、がんを治療又は予防する方法で使用するための本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインであって、方法が、有効量のマスクされたIL-12サイトカインを対象に投与することを含み、それによって、マスクされたサイトカインが、インビボでタンパク質分解的に切断され、本明細書に記載される切断産物を産生する、マスクされたIL-12サイトカインである。
いくつかの実施形態では、がんは、固形腫瘍である。
本明細書で提供されるものは、がんの治療又は予防に使用するための本明細書に記載される切断産物である。
本明細書で提供されるものは、がんを治療又は予防する方法で使用するための本明細書に記載される切断産物であって、方法が、本明細書に記載されるマスクされたサイトカインを患者に投与し、それによって、インビボでマスクされたサイトカインのタンパク質分解切断によって切断産物を産生するステップを含む、切断産物である。
本明細書で提供されるものは、対象においてがんを治療又は予防する方法で使用するための本明細書に記載される切断産物であって、方法が、対象に投与された本明細書に記載されるマスクされたサイトカインからインビボのタンパク質分解切断によって切断産物を産生するステップを含む、切断産物である。
いくつかの実施形態では、がんは、固形腫瘍である。
本明細書で提供されるものは、がんの治療又は予防に使用するための本明細書に記載される医薬組成物である。
いくつかの実施形態では、がんは、固形腫瘍である。
マスキング部分と、サイトカイン又はその機能的断片(「サイトカイン」)と、半減期延長ドメインと、第1の切断可能なペプチド(「1CP」)、第1のN末端スペーサードメイン(「1NSD」)、及び第1のC末端スペーサードメイン(「1CSD」)を含む、第1のリンカーとを含む、マスクされたサイトカインの例示的実施形態の構造を示す。これらの例示的実施形態はまた、第2の切断可能なペプチド(「2CP」)、第2のN末端スペーサードメイン(「2NSD」)、及び第2のC末端スペーサードメイン(「2CSD」)を含む、第2のリンカーも含む。矢印によって示されるように、例示的実施形態は、第1のリンカーに連結されたマスキング部分を示し、サイトカイン又はその機能的断片は、第1のリンカー及び第2のリンカーに連結されるが、マスキング部分及びサイトカイン又はその機能的断片は、サイトカイン又はその機能的断片が第1のリンカーに連結され、マスキング部分が第1のリンカー及び第2のリンカーに連結されるように、交換され得る。図1は、単量体としてのマスクされたサイトカインの例示的実施形態の構造を示す。 マスキング部分と、サイトカイン又はその機能的断片(「サイトカイン」)と、第1の半減期延長ドメインと、第2の半減期延長ドメインとを含む、マスクされたサイトカインの例示的実施形態の構造を示す。図2に示される例示的実施形態はまた、第1の切断可能なペプチド(「1CP」)、第1のN末端スペーサードメイン(「1NSD」)、及び第1のC末端スペーサードメイン(「1CSD」)を含む、第1のリンカーと、第2の切断可能なペプチド(「2CP」)、第2のN末端スペーサードメイン(「2NSD」)、及び第2のC末端スペーサードメイン(「2CSD」)を含む、第2のリンカーとを含む。例示的な第1及び第2の半減期延長ドメインは、第1の半減期延長ドメイン内の「ホール」及び第2の半減期延長ドメイン内の「ノブ」によって示されるように、第2の半減期延長ドメインとの第1の半減期延長ドメインの会合を促進する「ノブ・イントゥ・ホール(knobs into holes)」修飾を含む。第1の半減期延長ドメイン及び第2の半減期延長ドメインはまた、ジスルフィド結合の形成により、少なくとも部分的に会合するものとして示される。「ホール」は、(マスキング部分に連結された)第1の半減期延長ドメインの一部として描写され、「ノブ」は、(サイトカインに連結された)第2の半減期延長ドメインの一部として描写され、「ホール」及び「ノブ」は、代替的に、「ホール」が(サイトカインに連結された)第2の半減期延長ドメインの一部であり、「ノブ」が(マスキング部分に連結された)第1の半減期延長ドメインの一部であるように、それぞれ、第2の半減期延長ドメイン及び第1の半減期延長ドメインに含まれ得ることを理解されたい。 腫瘍微小環境などにおけるプロテアーゼによる切断の前(左)及び後(右)のマスクされたサイトカインの例示的実施形態を示す。図3A~3Bは、マスクされたIL-2サイトカインの例示的実施形態を示す。プロテアーゼによる切断は、マスキング部分(例えば、図3Bに示されるようなIL-2Rβ)を放出するか、又はIL-2(図3A)を放出する。 IL-2構築物(AK304、AK305、AK307、AK308、AK309、AK310、AK311、AK312、AK313、AK314、及びAK315)の産生及び精製後の、フロースルー(FT)サンプル(すなわち、プロテインAカラムに結合しなかったタンパク質)及び溶出(E)サンプル(すなわち、プロテインAカラムに結合し、そこから溶出されたタンパク質)についてのSDS-PAGE分析を示す。 CD25-Fcへの例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物(AK168)又はrhIL2対照の結合を試験したSPR分析からの結果を示す。図5Aは、AK168とCD25-Fcとの間の相互作用を示し、図5Bは、MMPで活性化されたAK168とCD25-Fcとの間の相互作用を示し、図5Cは、組換えヒトIL-2(rhIL-2)対照とCD25-Fcとの間の相互作用を示す。図5Dは、会合定数(ka)、解離定数(kd)、平衡解離定数(KD)、並びに各相互作用のChi2値及びU値について取得されたデータを要約する表を提供する。 CD122-Fcへの例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物(AK111)又はrhIL-2対照の結合を試験したSPR分析からの結果を示す。図6Aは、AK111とCD122-Fcとの間の相互作用を示し、図6Bは、プロテアーゼで活性化されたAK111とCD122-Fcとの間の相互作用を示し、図6Cは、組換えヒトIL-2(rhIL-2)対照とCD122-Fcとの間の相互作用を示す。図6Dは、会合定数(ka)、解離定数(kd)、平衡解離定数(KD)、並びに各相互作用のChi2値及びU値について取得されたデータを要約する表を提供する。 腫瘍微小環境などにおけるプロテアーゼによる切断の前(左)及び後(右)のマスクされたサイトカインの例示的実施形態を示す。 Fc部分からのIL-2の放出を実証する、MMP10プロテアーゼの非存在下(左レーン)又は存在下(右レーン)でインキュベートされた例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物のSDS-PAGE分析を示す。 対照として構築物AK032、AK035、AK041、又はrhIL-2で治療されたPBMCにおけるSTAT5活性化(%)を示す。STAT5活性化のレベル(%)は、rhIL-2(図8A)、AK032(図8B)、AK035(図8C)、又はAK041(図8D)を用いたインキュベーション後に決定される、NK細胞、CD8+T細胞、エフェクターT細胞(Teff)、及び調節性T細胞(Treg)について示される。 対照として構築物AK032、AK035、AK041、又はrhIL-2で治療されたPBMCにおけるSTAT5活性化(%)を示す。STAT5活性化のレベル(%)は、rhIL-2(図8A)、AK032(図8B)、AK035(図8C)、又はAK041(図8D)を用いたインキュベーション後に決定される、NK細胞、CD8+T細胞、エフェクターT細胞(Teff)、及び調節性T細胞(Treg)について示される。 構築物AK081又はAK032で治療されたPBMCにおけるSTAT5活性化(%)を示す。MMP10への事前曝露の有無別のAK081構築が試験された。アイソタイプ対照並びに無IL-2陰性対照も試験された。STAT5活性化のレベル(%)は、NK細胞(図9A)、CD8+T細胞(図9C)、及びCD4+T細胞(図9B)について示される。 構築物AK081及びAK111、並びにrhIL-2及び抗RSV抗体を含んだ対照を使用した、PBMCにおけるSTAT5活性化研究からの結果を示す。無治療対照も試験された。EC50(pM)もまた、rhIL-2、AK081、及びAK111治療について示される。STAT5活性化(%)が、CD4+FoxP3+CD25+細胞(図10A)、CD8+細胞(図10B)、及びCD4+FoxP3-CD25-細胞(図10C)について示される。図10Dは、AK081、AK111構築物、並びにrhIL-2対照のEC50(pM)及び倍率変化データを提供する。 構築物AK081及びAK111、並びにrhIL-2及び抗RSV抗体を含んだ対照を使用した、PBMCにおけるSTAT5活性化研究からの結果を示す。無治療対照も試験された。EC50(pM)もまた、rhIL-2、AK081、及びAK111治療について示される。STAT5活性化(%)が、CD4+FoxP3+CD25+細胞(図10A)、CD8+細胞(図10B)、及びCD4+FoxP3-CD25-細胞(図10C)について示される。図10Dは、AK081、AK111構築物、並びにrhIL-2対照のEC50(pM)及び倍率変化データを提供する。 構築物AK167及びAK168、並びにrhIL-2及び抗RSV抗体を含んだ対照を使用した、PBMCにおけるSTAT5活性化研究の結果を示す。無治療対照も試験された。EC50(pM)もまた、rhIL-2、AK167、及びAK168治療について示される。STAT5活性化(%)が、CD4+FoxP3+CD25+細胞(図11A)、CD8+細胞(図11B)、及びCD4+FoxP3-CD25-細胞(図11C)について示される。図11Dは、AK167及びAK168構築物、並びにrhIL-2対照についてEC50(pM)及び倍率変化データを提供する。 構築物AK167及びAK168、並びにrhIL-2及び抗RSV抗体を含んだ対照を使用した、PBMCにおけるSTAT5活性化研究の結果を示す。無治療対照も試験された。EC50(pM)もまた、rhIL-2、AK167、及びAK168治療について示される。STAT5活性化(%)が、CD4+FoxP3+CD25+細胞(図11A)、CD8+細胞(図11B)、及びCD4+FoxP3-CD25-細胞(図11C)について示される。図11Dは、AK167及びAK168構築物、並びにrhIL-2対照についてEC50(pM)及び倍率変化データを提供する。 (+MMP10)であったか、又は以前にMMP10プロテアーゼに曝露されなかった、構築物AK165若しくはAK166、又はアイソタイプ対照若しくはIL-2-Fc対照で治療されたPBMCにおけるSTAT5活性化(%)を示す。図12Aに示されるような凡例は、図12Bにも適用され、図12Cに示されるような凡例は、図12Dにも適用される。STAT5活性化(%)が、CD4+FoxP3+T調節性細胞(図12A)、CD4+FoxP3-Tヘルパー細胞(図12B)、CD8+細胞傷害性T細胞(図12C)、及びCD56+NK細胞(図12D)について示される。 (+MMP10)であったか、又は以前にMMP10プロテアーゼに曝露されなかった、構築物AK165若しくはAK166、又はアイソタイプ対照若しくはIL-2-Fc対照で治療されたPBMCにおけるSTAT5活性化(%)を示す。図12Aに示されるような凡例は、図12Bにも適用され、図12Cに示されるような凡例は、図12Dにも適用される。STAT5活性化(%)が、CD4+FoxP3+T調節性細胞(図12A)、CD4+FoxP3-Tヘルパー細胞(図12B)、CD8+細胞傷害性T細胞(図12C)、及びCD56+NK細胞(図12D)について示される。 (+MMP10)であったか、又は以前にMMP10プロテアーゼに曝露されなかった、構築物AK109若しくはAK110、又はアイソタイプ対照若しくはIL-2-Fc対照で治療されたPBMCにおけるSTAT5活性化(%)を示す。図12Bに示されるような凡例は、図13Aにも適用される。STAT5活性化(%)が、NK細胞(図13A)、CD8細胞(図13B)、及びCD4細胞(図13C)について示される。 構築物AK211、AK235、AK253、AK306、AK310、AK314、及びAK316、並びにrhIL-2対照を使用した、PBMCにおけるSTAT5活性化試験からの結果を示す。STAT5活性化(%)が、CD3+CD4+FoxP3+細胞(図14A)、CD3+CD4+FoxP3-細胞(図14B)、及びCD3+CD8+細胞(図14C)について示される。図14Dは、試験された構築物の各々並びにrhIL-2対照のEC50データを提供する。 構築物AK211、AK235、AK253、AK306、AK310、AK314、及びAK316、並びにrhIL-2対照を使用した、PBMCにおけるSTAT5活性化試験からの結果を示す。STAT5活性化(%)が、CD3+CD4+FoxP3+細胞(図14A)、CD3+CD4+FoxP3-細胞(図14B)、及びCD3+CD8+細胞(図14C)について示される。図14Dは、試験された構築物の各々並びにrhIL-2対照のEC50データを提供する。 プロテアーゼによって活性化された構築物AK081、AK167、AK216、AK218、AK219、AK220、及びAK223、並びにrhIL-2対照を使用した、PBMCにおけるSTAT5活性化試験からの結果を示す。STAT5活性化(%)が、CD4+FoxP3+CD25+調節性T細胞(図15A)、CD4+FoxP3-CD25-細胞(図15B)、及びCD8+細胞(図15C)について示される。図15Dは、試験された構築物の各々並びにrhIL-2対照のEC50データを提供する。 プロテアーゼによって活性化された構築物AK081、AK167、AK216、AK218、AK219、AK220、及びAK223、並びにrhIL-2対照を使用した、PBMCにおけるSTAT5活性化試験からの結果を示す。STAT5活性化(%)が、CD4+FoxP3+CD25+調節性T細胞(図15A)、CD4+FoxP3-CD25-細胞(図15B)、及びCD8+細胞(図15C)について示される。図15Dは、試験された構築物の各々並びにrhIL-2対照のEC50データを提供する。 構築物AK081、AK189、AK190、若しくはAK210、又は抗RSV対照で治療されたPBMCにおけるSTAT5活性化(%)を示す。図16Aに示されるような凡例は、図16B及び16Cにも適用される。STAT5活性化(%)が、調節性T細胞(図16A)、CD4ヘルパーT細胞(図16B)、及びCD8細胞(図16C)について示される。 構築物AK167、AK191、AK192、若しくはAK193、又は抗RSV対照で治療されたPBMCにおけるSTAT5活性化に(%)を示す。図17Aに示されるような凡例は、図17B及び17Cにも適用される。STAT5活性化(%)は、調節性T細胞(図17A)、CD4ヘルパーT細胞(図17B)、及びCD8細胞(図17C)について示される。 構築物AK032、AK081、AK111、AK167、若しくはAK168、又は抗RSV対照を使用して担腫瘍マウスで実行された薬物動態研究からの結果を示す。図18Aは、試験された構築物の各々の構造の単純な描写を提供する。図18Bは、ヒトIgGを検出することによって血漿中のFcレベル(μg/mL)を示し、図18Cは、ヒトCD122を検出することによって血漿中のFc-CD122レベル(μg/mL)を示し、図18Dは、ヒトIL-2を検出することによって血漿中のFc-IL2レベル(μg/mL)を示す。検出ステップの前に、抗ヒトIGが、捕捉抗体として使用された。 構築物AK167、AK191、AK197、AK203、AK209、若しくはAK211、又は抗RSV対照を使用して担腫瘍マウスで実行された薬物動態研究からの結果を示す。図19Aは、試験された構築物の各々の構造の単純な描写を提供する。図19Bは、ヒトIgGを検出することによって血漿中のFcレベル(μg/mL)を示し、図19Cは、ヒトIL-2を検出することによって血漿中のFc-IL2レベル(μg/mL)を示し、図19Dは、ヒトCD122を検出することによって血漿中のFc-CD122レベル(μg/mL)を示す。検出ステップの前に、抗ヒトIGが、捕捉抗体として使用された。 構築物AK167、AK191、AK197、AK203、AK209、若しくはAK211、又は抗RSV対照を使用して担腫瘍マウスで実行された薬物動態研究からの結果を示す。図19Aは、試験された構築物の各々の構造の単純な描写を提供する。図19Bは、ヒトIgGを検出することによって血漿中のFcレベル(μg/mL)を示し、図19Cは、ヒトIL-2を検出することによって血漿中のFc-IL2レベル(μg/mL)を示し、図19Dは、ヒトCD122を検出することによって血漿中のFc-CD122レベル(μg/mL)を示す。検出ステップの前に、抗ヒトIGが、捕捉抗体として使用された。 AK032、AK081、AK111、AK167、若しくはAK168構築物、又は抗RSV IgG対照を使用して、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD4、CD8、NK、及びTregのインビボ応答率を試験した研究からの結果を示す。脾臓組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図20A)、CD3細胞のCD4%(図20B)、CD3-細胞のNK細胞%(図20C)、及びCD4細胞のFoxP3%(図20D)が示される。血液については、CD3細胞のCD8細胞%(図20E)、CD3細胞のCD4%(図20F)、CD3-細胞のNK細胞%(図20G)、及びCD4細胞のFoxP3%(図20H)が示される。腫瘍組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図20I)、CD3細胞のCD4%(図20J)、CD3-細胞のNK細胞%(図20K)、及びCD4細胞のFoxP3%(図20L)が示される。 AK032、AK081、AK111、AK167、若しくはAK168構築物、又は抗RSV IgG対照を使用して、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD4、CD8、NK、及びTregのインビボ応答率を試験した研究からの結果を示す。脾臓組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図20A)、CD3細胞のCD4%(図20B)、CD3-細胞のNK細胞%(図20C)、及びCD4細胞のFoxP3%(図20D)が示される。血液については、CD3細胞のCD8細胞%(図20E)、CD3細胞のCD4%(図20F)、CD3-細胞のNK細胞%(図20G)、及びCD4細胞のFoxP3%(図20H)が示される。腫瘍組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図20I)、CD3細胞のCD4%(図20J)、CD3-細胞のNK細胞%(図20K)、及びCD4細胞のFoxP3%(図20L)が示される。 AK032、AK081、AK111、AK167、若しくはAK168構築物、又は抗RSV IgG対照を使用して、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD4、CD8、NK、及びTregのインビボ応答率を試験した研究からの結果を示す。脾臓組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図20A)、CD3細胞のCD4%(図20B)、CD3-細胞のNK細胞%(図20C)、及びCD4細胞のFoxP3%(図20D)が示される。血液については、CD3細胞のCD8細胞%(図20E)、CD3細胞のCD4%(図20F)、CD3-細胞のNK細胞%(図20G)、及びCD4細胞のFoxP3%(図20H)が示される。腫瘍組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図20I)、CD3細胞のCD4%(図20J)、CD3-細胞のNK細胞%(図20K)、及びCD4細胞のFoxP3%(図20L)が示される。 AK167、AK168、AK191、AK197、AK203、AK209、若しくはAK211構築物、又は抗RSV IgG対照を使用して、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD4、CD8、NK、及びTregのインビボ応答率を試験した研究からの結果を示す。脾臓組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図21A)、CD3細胞のCD4%(図21B)、CD3-細胞のNK細胞%(図21C)、及びCD4細胞のFoxP3%(図21D)が示される。血液については、CD3細胞のCD8細胞%(図21E)、CD3細胞のCD4%(図21F)、CD3-細胞のNK細胞%(図21G)、及びCD4細胞のFoxP3%(図21H)が示される。腫瘍組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図21I)、CD3細胞のCD4%(図21J)、CD3-細胞のNK細胞%(図21K)、及びCD4細胞のFoxP3%(図21L)が示される。 AK167、AK168、AK191、AK197、AK203、AK209、若しくはAK211構築物、又は抗RSV IgG対照を使用して、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD4、CD8、NK、及びTregのインビボ応答率を試験した研究からの結果を示す。脾臓組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図21A)、CD3細胞のCD4%(図21B)、CD3-細胞のNK細胞%(図21C)、及びCD4細胞のFoxP3%(図21D)が示される。血液については、CD3細胞のCD8細胞%(図21E)、CD3細胞のCD4%(図21F)、CD3-細胞のNK細胞%(図21G)、及びCD4細胞のFoxP3%(図21H)が示される。腫瘍組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図21I)、CD3細胞のCD4%(図21J)、CD3-細胞のNK細胞%(図21K)、及びCD4細胞のFoxP3%(図21L)が示される。 AK167、AK168、AK191、AK197、AK203、AK209、若しくはAK211構築物、又は抗RSV IgG対照を使用して、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD4、CD8、NK、及びTregのインビボ応答率を試験した研究からの結果を示す。脾臓組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図21A)、CD3細胞のCD4%(図21B)、CD3-細胞のNK細胞%(図21C)、及びCD4細胞のFoxP3%(図21D)が示される。血液については、CD3細胞のCD8細胞%(図21E)、CD3細胞のCD4%(図21F)、CD3-細胞のNK細胞%(図21G)、及びCD4細胞のFoxP3%(図21H)が示される。腫瘍組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図21I)、CD3細胞のCD4%(図21J)、CD3-細胞のNK細胞%(図21K)、及びCD4細胞のFoxP3%(図21L)が示される。 AK235、AK191、AK192、AK193、AK210、AK189、AK190、若しくはAK211構築物、又は抗RSV IgG対照を使用して、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD4、CD8、NK、及びTregのインビボ応答率を試験した研究からの結果を示す。脾臓組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図22A)、CD3細胞のCD4%(図22B)、CD3-細胞のNK細胞%(図22C)、及びCD4細胞のFoxP3%(図22D)が示される。血液については、CD3細胞のCD8細胞%(図22E)、CD3細胞のCD4%(図22F)、CD3-細胞のNK細胞%(図22G)、及びCD4細胞のFoxP3%(図22H)が示される。脾臓組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図22I)、CD3細胞のCD4%(図22J)、CD3-細胞のNK細胞%(図22K)、及びCD4細胞のFoxP3%(図22L)が示される。 AK235、AK191、AK192、AK193、AK210、AK189、AK190、若しくはAK211構築物、又は抗RSV IgG対照を使用して、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD4、CD8、NK、及びTregのインビボ応答率を試験した研究からの結果を示す。脾臓組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図22A)、CD3細胞のCD4%(図22B)、CD3-細胞のNK細胞%(図22C)、及びCD4細胞のFoxP3%(図22D)が示される。血液については、CD3細胞のCD8細胞%(図22E)、CD3細胞のCD4%(図22F)、CD3-細胞のNK細胞%(図22G)、及びCD4細胞のFoxP3%(図22H)が示される。脾臓組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図22I)、CD3細胞のCD4%(図22J)、CD3-細胞のNK細胞%(図22K)、及びCD4細胞のFoxP3%(図22L)が示される。 AK235、AK191、AK192、AK193、AK210、AK189、AK190、若しくはAK211構築物、又は抗RSV IgG対照を使用して、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD4、CD8、NK、及びTregのインビボ応答率を試験した研究からの結果を示す。脾臓組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図22A)、CD3細胞のCD4%(図22B)、CD3-細胞のNK細胞%(図22C)、及びCD4細胞のFoxP3%(図22D)が示される。血液については、CD3細胞のCD8細胞%(図22E)、CD3細胞のCD4%(図22F)、CD3-細胞のNK細胞%(図22G)、及びCD4細胞のFoxP3%(図22H)が示される。脾臓組織については、CD3細胞のCD8細胞%(図22I)、CD3細胞のCD4%(図22J)、CD3-細胞のNK細胞%(図22K)、及びCD4細胞のFoxP3%(図22L)が示される。 AK235、AK191、AK192、AK193、AK210、AK189、AK190、又はAK211構築物を使用した、脾臓、血液、及び腫瘍におけるインビボT細胞活性化からの結果を示す。T細胞活性化が、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD8+T細胞(図23A、図23D、図23G)、CD4+T細胞(図23B、図23E、図23H)、又はFoxp3+細胞(図23C、図23F、図23I)におけるCD25の平均蛍光強度(MFI)として測定された。統計分析が、非切断可能なAK211構築物と比較して、一元配置分散分析を使用して実施された。 AK235、AK191、AK192、AK193、AK210、AK189、AK190、又はAK211構築物を使用した、脾臓、血液、及び腫瘍におけるインビボT細胞活性化からの結果を示す。T細胞活性化が、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD8+T細胞(図23A、図23D、図23G)、CD4+T細胞(図23B、図23E、図23H)、又はFoxp3+細胞(図23C、図23F、図23I)におけるCD25の平均蛍光強度(MFI)として測定された。統計分析が、非切断可能なAK211構築物と比較して、一元配置分散分析を使用して実施された。 AK235、AK191、AK192、AK193、AK210、AK189、AK190、又はAK211構築物を使用した、脾臓、血液、及び腫瘍におけるインビボT細胞活性化からの結果を示す。T細胞活性化が、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD8+T細胞(図23A、図23D、図23G)、CD4+T細胞(図23B、図23E、図23H)、又はFoxp3+細胞(図23C、図23F、図23I)におけるCD25の平均蛍光強度(MFI)として測定された。統計分析が、非切断可能なAK211構築物と比較して、一元配置分散分析を使用して実施された。 例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物AK168(切断可能なペプチド配列:MPYDLYHP)及びAK209(切断可能なペプチド配列:VPLSLY、配列番号15)のインビボ切断を試験した研究からの結果を示す。図24Eは、AK167、AK168、及びAK209構築物の合計レベル、並びに各構築物の非切断形態のレベルについて、総血漿中IgG濃度(μg/mL)の薬物動態研究からの結果を示す。 例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物AK168(切断可能なペプチド配列:MPYDLYHP)及びAK209(切断可能なペプチド配列:VPLSLY、配列番号15)のインビボ切断を試験した研究からの結果を示す。図24Eは、AK167、AK168、及びAK209構築物の合計レベル、並びに各構築物の非切断形態のレベルについて、総血漿中IgG濃度(μg/mL)の薬物動態研究からの結果を示す。 例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物AK111若しくはAK168、又はマスクされていないIL-2ポリペプチド構築物AK081若しくはAK167、又は抗RSV対照を使用して血管漏出を評価したインビボ研究からの結果を示す。図25Aは、体重減少の割合(%)を示し、図25B、25C、及び25Dは、それぞれ、各々について肝臓、肺、及び脾臓の重量をグラムで示す。 AK081、AK111、AK167、若しくはAK168構築物、又は抗RSV対照の投与後の肝臓及び肺組織内への染料漏出の程度を測定することによって示される血管漏出を評価したインビボ研究からの結果を示す。肝臓(図26A)及び肺(図26B)内への染料漏出の程度が、650nmにおける吸光度に基づいて測定された。 AK081、AK111、AK167、若しくはAK168構築物、又は抗RSV対照の投与後の肝臓及び肺組織内への単核細胞血管周囲浸潤の程度を測定することによって示される血管漏出を評価したインビボ研究からの結果を示す。肝臓内の単核細胞の平均数(図27A)及び肺内の単核細胞の平均数(図27B)が、各々について描写される。 AK032、AK081、AK111、AK167、若しくはAK168構築物、又は抗RSV対照を用いた治療過程にわたって腫瘍体積及び体重を評価した同系腫瘍モデル研究からの結果を示す。図28Aは、治療過程にわたる腫瘍体積についてのデータを示し、図28Bは、治療過程にわたる体重の変化率(%)についてのデータを示す。 AK032、AK081、AK111、AK167、若しくはAK168構築物、又は抗RSV対照を用いた治療過程にわたって腫瘍体積及び体重を評価した同系腫瘍モデル研究からの結果を示す。図28Aは、治療過程にわたる腫瘍体積についてのデータを示し、図28Bは、治療過程にわたる体重の変化率(%)についてのデータを示す。 I253A FcRn変異を伴うAK471が、TMEにおいて堅調なCD8 T細胞の拡張を誘発した一方で、周辺では不活性のままであったことを示す。 AK471が、アグリコ-hIgG1と比較して、わずかに短い半減期を有することを示す。 血漿中のAK471で切断又は切除の証拠がないことを示す。 例示的IL-12構築物形式を示す。 例示的分子AK380、AK381、及びAK384(図34A)、並びにAK383、AK386、AK434、AK447、AK448、AK446、AK528、及びAK529(図34B)の例示的切断プロセスを示す。 rhIL-12RB1-Fcへの例示的なマスクされたIL-12ポリペプチド構築物(AK384及びAK386)の結合を試験したSPR分析を使用した、IL-12RB1に向けたIL-12のマスキングを描写する。図34Aは、AK384とIL-12RB1-Fcとの間の相互作用を描写し、図34Bは、AK386とIL-12RB1-Fcとの間の相互作用を描写し、図34Cは、組換えヒトIL-12(rhIL-12)対照と12RB1-Fcとの間の相互作用を描写する。図34Dは、会合定数(ka)、解離定数(kd)、平衡解離定数(KD)、並びに各相互作用のChi値及びU値について取得されたデータを要約する表を提供する。曲線の形状により、正確な速度を決定することができず、したがって、KDは、オンレートに基づいて推定される。これらの結果は、これらの例示的なマスクされたIL-12ポリペプチド構築物(AK384及びAK386)が、IL-12RB1-Fcへの検出可能な結合を実証しなかった一方で、野生型rhIL-12対照が、検出可能な結合を実証したことを実証する。 rhIL-12RB2-Fcへの例示的なマスクされたIL-12ポリペプチド構築物(AK384及びAK386)の結合を試験したSPR分析を使用した、IL-12RB2に向けたIL-12のマスキングを描写する。図35Aは、AK384とIL-12RB2-Fcとの間の相互作用を描写し、図35Bは、AK386とIL-12RB2-Fcとの間の相互作用を描写し、図35Cは、組換えヒトIL-12(rhIL-12)対照とIL-12RB2-Fcとの間の相互作用を描写する。図35Dは、会合定数(ka)、解離定数(kd)、平衡解離定数(KD)、並びに各相互作用のChi値及びU値について取得されたデータを要約する表を提供する。曲線の形状により、正確な速度を決定することができず、したがって、KDは、オンレートに基づいて推定される。これらの結果は、例示的なマスクされたIL-12ポリペプチド構築物(AK386)が、IL-12RB1-Fcへの弱いが検出可能な結合を実証した一方で、野生型rhIL-12対照及び例示的IL-12ポリペプチド構築物(AK384)が、検出可能な結合を実証したことを実証する。 実施例6からの結果を示す。 実施例6からの結果を示す。 実施例6からの結果を示す。 実施例6からの結果を示す。 実施例6からの結果を示す。 実施例7からの結果を示す。 実施例7からの結果を示す。 実施例7からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 実施例8からの結果を示す。 ペプチド基質を含まない例示的IL-15構築物AK904及びAK910、並びにペプチド基質を含む構築物AK932、AK938、AK930、及びAK936を使用した、SDS-PAGE及びHEK-Blue IL-2バイオアッセイの結果を示す。 SDS-PAGEゲルの結果を示す。 SDS-PAGEゲルの結果を示す。 HEK-Blue IL-2バイオアッセイの結果を示す。 HEK-Blue IL-2バイオアッセイの結果を示す。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例11の結果を示す。例示的なマウス化分子AK944、AK945、AK947、及び対照AK948のPK/PDが、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10においてインビボで分析された。 実施例12の結果を示す。例示的分子AK667、AK921、AK923、及び対照AK671のPK、PD、血液、及び血清化学が、カニクイザルで分析された。 実施例12の結果を示す。例示的分子AK667、AK921、AK923、及び対照AK671のPK、PD、血液、及び血清化学が、カニクイザルで分析された。 実施例12の結果を示す。例示的分子AK667、AK921、AK923、及び対照AK671のPK、PD、血液、及び血清化学が、カニクイザルで分析された。 実施例12の結果を示す。例示的分子AK667、AK921、AK923、及び対照AK671のPK、PD、血液、及び血清化学が、カニクイザルで分析された。
マスキング部分を使用することにより、投与されたIL-12サイトカイン又はその機能的断片の全身的副作用は、IL-12サイトカイン又はその機能的断片のその同族受容体への結合能力を妨害することによって低減され得る。
インターロイキン12受容体は、インターロイキン12に結合する、I型サイトカイン受容体である。これは、ベータ1及びベータ2サブユニットからなる。
タンパク質分解的に切断可能なペプチドを含むリンカーを使用して、IL-12サイトカイン又はその機能的断片をマスクすることにより、マスキング部分を使用することによって妨害される結合能力は、腫瘍微小環境における切断可能なペプチドの切断によって復元され得る。したがって、本明細書で提供されるマスクされたIL-12サイトカインは、がんの特徴のうちの1つである、高局所濃度の活性プロテアーゼを活用することによって、腫瘍微小環境に薬理学的活性を正確に標的化するように操作される。腫瘍微小環境のこの特徴は、全身的に不活性な分子を、IL-12切断産物の形態の局所的に活性なIL-12サイトカイン又はその機能的断片に形質転換するために使用される。腫瘍微小環境におけるIL-12サイトカイン又はその機能的断片の活性化は、活性形態で対象に投与される薬物と関連付けられ得る全身毒性を有意に低減する。したがって、本発明のマスクされたIL-2サイトカインは、プロドラッグとみなされ得る。
本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインは、様々な有利な特性を示すことが見出されている。本明細書のいずれかの場所に記載されるマスクされたIL-12サイトカインは、タンパク質分解切断時に、優先的に腫瘍微小環境内で、かつ周辺ではより低いレベルにおいて、免疫細胞を活性化すること(増殖及び拡張)が可能であることが見出されている。本明細書のいずれかの場所に記載されるマスクされたIL-12サイトカインは、腫瘍の根絶の促進(すなわち、抗腫瘍活性を示す)及びタンパク質分解切断時の転移の阻害が可能であることが見出されている。本明細書のいずれかの場所に記載されるマスクされたIL-12サイトカインは、有利な長期薬物曝露を実証することが見出されている。本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインは、有利な安定性を実証することが見出されている。本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインは、有利な忍容性を実証することが見出されている。さらに、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインは、有利な効力を実証することが見出されている。
1.「ヘテロ二量体の」マスクされたサイトカイン
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるものは、第1のポリペプチド鎖内のマスキング部分と、第2のポリペプチド鎖内のIL-12サイトカイン又はその機能的断片とを含む、マスクされたサイトカインである。そのようなマスクされたサイトカインは、「ヘテロ二量体の」マスクされたサイトカインと称され得る。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、
a)第1のリンカーを介して第1の半減期延長ドメインに連結されたマスキング部分を含む、第1のポリペプチド鎖と、
b)第2のリンカーを介して第2の半減期延長ドメインに連結されたIL-12サイトカイン又はその機能的断片を含む、第2のポリペプチド鎖と、を含む、タンパク質ヘテロ二量体であり、
第1の半減期延長ドメインは、第2の半減期延長ドメインと会合しており、
第1のリンカー又は第2のリンカーのうちの1つは、タンパク質分解的に切断可能なペプチドを含む。
マスキング部分、半減期延長ドメイン、IL-12サイトカイン又はその機能的断片、リンカー、及び第1の半減期延長ドメインと第2の半減期延長ドメインとの間の会合のタイプは、本明細書に記載されるもののうちのいずれか1つ、及び本明細書に記載されるものの任意の組み合わせであり得る。
いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド鎖において、第1の半減期延長ドメインは、第1のリンカーのアミノ末端に連結され、第1のリンカーのカルボキシ末端は、マスキング部分のアミノ末端に連結され、第2のポリペプチド鎖では、第2の半減期延長ドメインは、第2のリンカーのアミノ末端に連結され、第2のリンカーのカルボキシ末端は、IL-12サイトカイン又はその機能的断片のアミノ末端に連結される。これは、以下に概略的に示される:
第1のポリペプチド鎖は、以下を含み、
Figure 2023520518000008
第2のポリペプチド鎖は、以下を含む。
Figure 2023520518000009
HL1は、第1の半減期延長ドメインであり、L1は、第1のリンカーであり、MMは、マスキング部分であり、HL2は、第2の半減期延長ドメインであり、L2は、第2のリンカーであり、Cは、IL-12サイトカイン又はその機能的断片である。
1.1 IL-12サイトカイン
本明細書で提供されるものは、マスクされたサイトカイン又はその切断産物で使用するためのIL-12サイトカイン又はその機能的断片である。サイトカインは、特に免疫系の細胞内で、細胞シグナル伝達において役割を果たす。IL-12は、白血球の活性を調節する免疫系内のサイトカインシグナル伝達分子の一種である、インターロイキンである。
内因性IL-12は、生合成中に細胞内で二量体化する、2つの明確に異なる分子IL-12 p40及びIL-12 p35として存在する。
IL-12 p40及びIL-12 p35の全配列は、以下である(生合成中に切断されたプロペプチドは太字で示される)。
Figure 2023520518000010
Figure 2023520518000011
成熟形態は、以下のとおりである。
IL-12 p40サブユニット:
IWELKKDVYVVELDWYPDAPGEMVVLTCDTPEEDGITWTLDQSSEVLGSGKTLTIQVKEFGDAGQYTCHKGGEVLSHSLLLLHKKEDGIWSTDILKDQKEPKNKTFLRCEAKNYSGRFTCWWLTTISTDLTFSVKSSRGSSDPQGVTCGAATLSAERVRGDNKEYEYSVECQEDSACPAAEESLPIEVMVDAVHKLKYENYTSSFFIRDIIKPDPPKNLQLKPLKNSRQVEVSWEYPDTWSTPHSYFSLTFCVQVQGKSKREKKDRVFTDKTSATVICRKNASISVRAQDRYYSSSWSEWASVPCS
IL-12 p35サブユニット:
RNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNAS
それらは、2つのサブユニット間のジスルフィド結合を通して生合成中に共有結合的に二量体化する、2つの鎖として発現される。p40サブユニットのシステインC199は、p35サブユニットのシステインC96と会合する。
IL-12サイトカインの「機能的断片」は、(例えば、完全長サイトカインタンパク質と比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%活性以内で)サイトカイン受容体結合能を保持するか、又は修飾している、完全長サイトカインタンパク質の一部を含む。サイトカイン受容体結合能は、例えば、サイトカインの同族受容体又はその成分に結合するサイトカインの能力によって示されることができる。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、インターロイキン-12受容体に結合することが可能な任意の天然に存在するインターロイキン-2(IL-12)タンパク質又はその修飾バリアントである。
いくつかの実施形態では、IL-12ポリペプチド又はその機能的断片は、IL-12p35ポリペプチド又はその機能的断片に共有結合されたIL-12p40ポリペプチド又はその機能的断片を含む。
IL-12p40ポリペプチド又はその機能的断片は、第1の半減期延長ドメインに付着し得るため、第1のポリペプチド鎖は、以下を含み、
Figure 2023520518000012
第2のポリペプチド鎖は、以下を含み、
Figure 2023520518000013
「IL-12p40」は、IL-12p40ポリペプチド又はその機能的断片であり、「IL-12p35」は、IL-12p35ポリペプチド又はその機能的断片である。
いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号1を含む。いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチド又はその機能的断片は、配列番号1のアミノ酸配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸修飾を有するアミノ酸配列を含む。少なくとも1つのアミノ酸修飾の各々は、置換、挿入、又は欠失などの任意のアミノ酸修飾であり得る。いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号1のアミノ酸配列と比較して、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、又は少なくとも10個のアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号1のアミノ酸配列と比較して、少なくとも5つのアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含む。
IL-12p40ポリペプチドは、グリコサミノグリカン(GAG)結合ドメインを含む。ヘパリン及びヘパラン硫酸などのGAGは、IL-12を含む多数の成長因子及びサイトカインに結合することが示されている。この結合の生理学的有意性は、2倍である。第一に、GAGは、細胞表面上の共受容体としての役割を果たし、サイトカインの高い局所濃度を維持することができる。第二に、GAGは、二量体化及びタンパク質分解からの防御を含む複数の機序を通して、成長因子及びサイトカインの生体活性を調節することができる。
IL-12 p40サブユニットの成熟形態のGAG結合ドメインが、太字で以下に示される。
Figure 2023520518000014
GAG結合ドメイン(KSKREKKDRV)への修飾は、サイトカイン活性のいずれの減少も伴わずに、変異GAG結合ドメインを伴うIL-12サイトカインを含む構築物のPKプロファイルを増加させることが本明細書で示されている。したがって、いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、GAG結合ドメインへの少なくとも1つのアミノ酸修飾を含む。いくつかの実施形態では、GAG結合ドメインへの修飾は、欠失変異である。いくつかの実施形態では、GAG結合ドメインへの修飾は、欠失変異及び少なくとも1つの置換変異である。
いくつかの実施形態では、GAG結合ドメインは、アミノ酸配列KDNTERVを含む。いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号57のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、GAG結合ドメインは、アミノ酸配列KDNTEGRVを含む。いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号58のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、GAG結合ドメインは、アミノ酸配列KDNTERVからなる。いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、アミノ酸配列の配列番号57を含む。いくつかの実施形態では、GAG結合ドメインは、アミノ酸配列KDNTEGRVからなる。いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、アミノ酸配列の配列番号58を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチド又はその機能的断片は、配列番号1のアミノ酸配列と比較して、1つ以上のシステイン置換を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチド又はその機能的断片は、配列番号1のアミノ酸配列と比較して、位置C252にアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、位置C252におけるアミノ酸置換は、C252Sである。いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号59のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号59のアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号59のアミノ酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列と比較して、1つ以上のシステイン置換を有するアミノ酸配列と、GAG結合ドメインへの少なくとも1つのアミノ酸修飾とを含む。いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列と比較して、位置C252Sにアミノ酸置換を含み、GAG結合ドメインは、アミノ酸配列KDNTERVを含む。いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列と比較して、位置C252Sにアミノ酸置換を含み、GAG結合ドメインは、アミノ酸配列KDNTEGRVを含む。いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号60のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号60のアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-12p40ポリペプチドは、配列番号60のアミノ酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、IL-12p35ポリペプチドは、配列番号2を含む。いくつかの実施形態では、IL-12p35ポリペプチド又はその機能的断片は、配列番号2のアミノ酸配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸修飾を有するアミノ酸配列を含む。少なくとも1つのアミノ酸修飾の各々は、置換、挿入、又は欠失などの任意のアミノ酸修飾であり得る。いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号2のアミノ酸配列と比較して、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、又は少なくとも10個のアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号2のアミノ酸配列と比較して、少なくとも5つのアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p40-IL-12p35リンカーは、長さで5~20個のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、IL-12p40-IL-12p35リンカーは、アミノ酸残基G及びSが豊富である。
いくつかの実施形態では、IL-12p40-IL-12p35リンカーは、G及びSからなる群から選択されるアミノ酸残基タイプのみを含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p40-IL-12p35リンカーは、[(G)S]を含み、n=4又は5である。
いくつかの実施形態では、IL-12p40-IL-12p35リンカーは、(GGGGS)反復を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12p40-IL-12p35リンカーは、配列番号3(GGGGSGGGGSGGGGS)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4を含む。いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号1及び2のアミノ酸配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸修飾を有するアミノ酸配列を含む。少なくとも1つのアミノ酸修飾の各々は、置換、挿入、又は欠失などの任意のアミノ酸修飾であり得る。いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号1及び2のアミノ酸配列と比較して、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、又は少なくとも10個のアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号1及び2のアミノ酸配列と比較して、少なくとも5つのアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号61のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号61のアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号62のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号62のアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号63のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号63のアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
1.2 マスキング部分
本明細書で提供されるものは、マスクされたサイトカインで使用するためのマスキング部分である。マスキング部分は、マスクされたサイトカインから切断されて、その切断産物を形成することを理解されたい。マスキング部分は、マスクされたサイトカイン中のIL-12サイトカイン又はその機能的断片をマスクし、それによって、IL-サイトカイン又はその機能的断片のその同族受容体への結合を低減又は防止する。
IL-12受容体ベータ1、又はIL-12Rβ1は、IL-12受容体複合体のサブユニットである。IL-12Rβ1は、CD212としても知られている。このタンパク質は、低親和性でインターロイキン-12(IL-12)に結合する。このタンパク質は、そのIL-12結合活性に必要とされる、ジスルフィド結合オリゴマーを形成する。IL-12受容体ベータ2、又はIL-12Rβ2は、IL-12受容体複合体のサブユニットである。IL-12Rβ1及びIL-12Rβ2タンパク質の共発現は、高親和性IL-12結合部位の形成につながることが示されている。
タンパク質(例えば、サイトカイン)の同族タンパク質(例えば、サイトカイン受容体)への結合の程度を決定するための方法は、当該技術分野で周知である。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、IL-12サイトカイン受容体、又はそのサブユニット若しくは機能的断片を含む。
CD212とも呼ばれる、インターロイキン12受容体サブユニットベータ-1は、以下の配列を有する。
Figure 2023520518000015
インターロイキン12受容体サブユニットベータ-2は、以下の配列を有する。
Figure 2023520518000016
太字は、プロペプチドを示し、下線付きの斜体は、細胞外ドメインを示し、斜体は、膜貫通ドメインを示し、下線付きの太字は、細胞質ドメインを示す。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、ヒトIL-12Rβ1、又はその断片、一部、若しくはバリアントの細胞外ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1~4個のアミノ酸置換を伴うヒトIL-12Rβ1のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1つ又は2つのアミノ酸置換を伴うヒトIL-12Rβ1のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ1の残基24~237、すなわち、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、配列番号5を有する配列、又はその断片、一部、若しくはバリアントを含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、配列番号5を有するIL-12Rβ1を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、配列番号5のアミノ酸配列のうちのいずれか1つに対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1~4個のアミノ酸置換を伴う配列番号5のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1つ又は2つのアミノ酸置換を伴う配列番号5のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ1の残基24~545、すなわち、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、配列番号6を有する配列、又はその断片、一部、若しくはバリアントを含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、配列番号6を有するIL-12Rβ1を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、配列番号6のアミノ酸配列のうちのいずれか1つに対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1~4個のアミノ酸置換を伴う配列番号6のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1つ又は2つのアミノ酸置換を伴う配列番号6のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、ヒトIL-12Rβ2、又はその断片、一部、若しくはバリアントの細胞外ドメインを含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1~4個のアミノ酸置換を伴うヒトIL-12Rβ2のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1つ又は2つのアミノ酸置換を伴うヒトIL-12Rβ2のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~212、すなわち、配列番号7を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、配列番号7のアミノ酸配列のうちのいずれか1つに対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1~4個のアミノ酸置換を伴う配列番号7のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1つ又は2つのアミノ酸置換を伴う配列番号7のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~222、すなわち、配列番号8を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、配列番号8のアミノ酸配列のうちのいずれか1つに対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1~4個のアミノ酸置換を伴う配列番号8のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1つ又は2つのアミノ酸置換を伴う配列番号8のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号9を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、配列番号9のアミノ酸配列のうちのいずれか1つに対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1~4個のアミノ酸置換を伴う配列番号9のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1つ又は2つのアミノ酸置換を伴う配列番号9のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、1つ以上のシステイン置換を伴う配列番号9を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、位置C242にアミノ酸置換を伴う配列番号9を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、位置C242におけるアミノ酸置換は、C242Sである。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、配列番号65のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、配列番号65のアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、配列番号65のアミノ酸からなる。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、IL-12Rβ2の残基24~622、すなわち、配列番号10を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、配列番号10のアミノ酸配列のうちのいずれか1つに対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1~4個のアミノ酸置換を伴う配列番号10のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1つ又は2つのアミノ酸置換を伴う配列番号10のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~227、すなわち、配列番号11を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、配列番号11のアミノ酸配列のうちのいずれか1つに対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1~4個のアミノ酸置換を伴う配列番号11のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、マスキング部分は、1つ又は2つのアミノ酸置換を伴う配列番号11のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含む。
1.3 リンカー
本明細書で提供されるものは、マスクされたサイトカイン又はその切断産物で使用するためのリンカーである。本明細書で提供されるリンカーは、本明細書に記載されるマスクされたサイトカインにおいて2つの機能的成分をともに連結するために使用される、さらに2つのアミノ酸のペプチドを指す。
マスクされたサイトカインは、第1のリンカー及び第2のリンカーを含み、第1のリンカー又は第2のリンカーのうちの1つは、タンパク質分解的に切断可能なペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、第2のリンカーは、タンパク質分解的に切断可能なペプチドを含み(本明細書では「タンパク質分解的に切断可能なリンカー」と称されるリンカー)、第1のリンカーは、タンパク質分解的に切断可能なペプチドを含まない(本明細書では「非タンパク質分解的に切断可能なリンカー」と称されるリンカー)ため、第1のポリペプチド鎖は、以下を含み、
Figure 2023520518000017
第2のポリペプチド鎖は、以下を含む。
Figure 2023520518000018
いくつかの実施形態では、第1のリンカーは、タンパク質分解的に切断可能なペプチドを含み(本明細書では「タンパク質分解的に切断可能なリンカー」又は「切断可能なリンカー」と称されるリンカー)、第2のリンカーは、タンパク質分解的に切断可能なペプチドを含まない(本明細書では「非タンパク質分解的に切断可能なリンカー」又は「非切断可能なリンカー」と称されるリンカー)ため、第1のポリペプチド鎖は、以下を含み、
Figure 2023520518000019
第2のポリペプチド鎖は、以下を含む。
Figure 2023520518000020
いくつかの実施形態の非切断可能なリンカー及び切断可能なリンカーは、以下でより詳細に記載される。
1.3.1 非タンパク質分解的に切断可能なリンカー
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、長さで3~18個のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、長さで3~15個のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、アミノ酸残基G及びSが豊富である。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、G及びSからなる群から選択されるアミノ酸残基タイプのみを含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、[(G)S]を含み、n=4又は5である。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号12(GGGGS)に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号13(GGGGSGGGGS)に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号14(GGSGGGSGGGGGS)に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号54(GGSGGSGGSGGSGGSSGP)に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号55(PGGSGP)に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号56(GGSPG)に示されるアミノ酸配列を含む。
第2のリンカーがタンパク質分解的に切断可能なリンカーであるように、第2のリンカーがタンパク質分解的に切断可能なペプチドを含み、第1のリンカーが非タンパク質分解的に切断可能なリンカーであるように、第1のリンカーがタンパク質分解的に切断可能なペプチドを含まない、いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、長さで3~18個のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号12(GGGGS)に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号13(GGGGSGGGGS)に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号14(GGSGGGSGGGGGS)に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号54(GGSGGSGGSGGSGGSSGP)に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号55(PGGSGP)に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号56(GGSPG)に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド鎖及び第2のポリペプチド鎖は、第1の半減期延長ドメインが第2の半減期延長ドメインと会合すること、及びマスキング部分が集合構築物中のIL-12サイトカイン又はその機能的断片をマスクすることを促進するために、同じ又は類似の長さであることが望ましい。したがって、マスキング部分が、IL-12サイトカイン又はその機能的断片よりも短いアミノ酸配列である場合、長さの差は、より長いリンカーL1を使用することによって完全又は部分的に補償され得る。
1.3.2 タンパク質分解的に切断可能なリンカー
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、長さで10~25個のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、以下に示されるスペーサードメイン(SD)が両側に配置されたタンパク質分解的に切断可能なペプチド(CP)を含む。
SD-CP-SD
切断可能なペプチド
切断可能なリンカーは、切断可能なペプチドを含む。
切断可能なペプチドは、切断可能なペプチドがタンパク質分解的に切断可能であるようにプロテアーゼ切断部位を含む、ポリペプチドである。プロテアーゼは、標的基質タンパク質の2つの特異的アミノ酸残基間のペプチド結合を切断及び加水分解する酵素である。本明細書で使用される場合の「切断部位」は、本明細書に記載される切断可能なペプチドを含むリンカーのいずれかで見出される、切断可能なペプチドの一部の切断のための認識可能な部位を指す。したがって、切断部位は、本明細書に記載される切断可能なペプチドの配列で見出され得る。いくつかの実施形態では、切断部位は、切断剤によって認識及び切断されるアミノ酸配列である。
いくつかの実施形態では、プロテアーゼ切断部位は、腫瘍関連プロテアーゼ切断部位である。本明細書で提供される「腫瘍関連プロテアーゼ切断部位」は、プロテアーゼによって認識されるアミノ酸配列であり、その発現は、腫瘍細胞若しくはその腫瘍細胞環境に特異的であるか、又は上方調節される。
腫瘍細胞環境は、複雑であり、複数の異なるプロテアーゼを含むことができる。したがって、所与の切断可能なペプチドが腫瘍細胞環境内で切断される正確な部位は、腫瘍型の間、同じ腫瘍型を有する患者の間、及び特定の腫瘍細胞環境に依存する同じ腫瘍に形成された切断産物の間でさえも変化し得る。さらに、切断後でさえも、例えば、1つ又は2つの末端アミノ酸の除去による、初期切断産物のさらなる修飾は、腫瘍細胞環境内のプロテアーゼのさらなる作用によって生じ得る。したがって、切断産物の分布は、本明細書に記載されるマスクされたサイトカインの単一構造の投与後に、患者の腫瘍細胞環境内に形成されることが予期され得る。
本明細書で参照される切断部位は、腫瘍細胞環境と関連することが知られているプロテアーゼの標的である切断可能なペプチド内の2つの特異的アミノ酸残基の間の部位を指すことを理解されたい。この意味で、異なるプロテアーゼが、異なる切断部位において切断可能なペプチドを切断する、本明細書に記載される切断可能なペプチド内に1つを超える切断部位が存在し得る。また、1つを超えるプロテアーゼが、切断可能なペプチド内の同じ切断部位に作用し得る可能性もある。プロテアーゼ切断部位についての考察は、当該技術分野で見出され得る。
したがって、本明細書に開示される切断可能なペプチドは、1つ以上のプロテアーゼによって切断され得る。
いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、IL-12サイトカイン受容体を発現する領域又は組織内で共局在化されるプロテアーゼのための基質である。
いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、5mer(すなわち、長さで5個のアミノ酸のペプチド)、6mer(すなわち、長さで6個のアミノ酸のペプチド)、7-mer(すなわち、長さで7個のアミノ酸のペプチド)、8mer(すなわち、長さで8個のアミノ酸のペプチド)、9mer(すなわち、長さで9個のアミノ酸のペプチド)、10mer(すなわち、長さで10個のアミノ酸のペプチド)、11mer(すなわち、長さで11個のアミノ酸のペプチド)、12mer(すなわち、長さで12個のアミノ酸のペプチド)、13mer(すなわち、長さで13個のアミノ酸のペプチド)、14mer(すなわち、長さで14個のアミノ酸のペプチド)、15mer(すなわち、長さで15個のアミノ酸のペプチド)、16mer(すなわち、長さで16個のアミノ酸のペプチド)、17-mer(すなわち、長さで17個のアミノ酸のペプチド)、又は18mer(すなわち、長さで18個のアミノ酸のペプチド)である。
いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、長さで5~18個のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、長さで6~10個のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカー内の切断可能なペプチドは、以下からなる群から選択されるアミノ酸を含む。
Figure 2023520518000021
純粋に一例として、上記の表では、*は、切断可能なペプチド内の既知の又は観察されたプロテアーゼ切断部位を示す。
いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号15(VPLS*LY)のアミノ酸配列を含み、例えば、切断可能なペプチドは、配列番号210(VPLSLYSG)のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号41(MPYD*LYHP)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号42(DSGG*FMLT)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号43 43(RAAA*VKSP)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号44(ISSGLL*SGRS)のアミノ酸配列を含み、例えば、切断可能なペプチドは、配列番号211(ISSGLLSGRSDQP)のアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号45(DLLA*VVAAS)のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号15(VPLS*LY)のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号210(VPLSLYSG)のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号41(MPYD*LYHP)のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号42(DSGG*FMLT)のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号43(RAAA*VKSP)のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号44(ISSGLL*SGRS)のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号211(ISSGLLSGRSDQP)のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、切断可能なペプチドは、配列番号45(DLLA*VVAAS)のアミノ酸配列からなる。
配列番号44又は45に示されるアミノ酸配列を有する切断可能なペプチドは、非腫瘍細胞環境と比較して、腫瘍細胞環境内で非常に特異的な切断を実証することが見出されている。したがって、これらの切断可能なペプチドが、本明細書のいずれかの場所で開示されるようにマスクされたIL-12サイトカインに組み込まれるとき、投与されたIL-12サイトカイン又はその機能的断片の任意の全身性副作用は、さらに低減され得る。
スペーサードメイン
スペーサードメインは、1つ以上のアミノ酸からなり得る。スペーサードメインの機能は、存在する場合、タンパク質分解的に切断可能なペプチド(CP)を本明細書に記載される構築物中の他の機能的成分に連結することである。
スペーサードメインは、腫瘍細胞環境又は非腫瘍細胞環境内のプロテアーゼとのタンパク質分解的に切断可能なペプチドの生物学的相互作用を改変しないことを理解されたい。言い換えれば、スペーサードメインの存在下でさえも、本明細書に開示される本発明のタンパク質分解的に切断可能なペプチドは、その有利な腫瘍特異性を保持する。
いくつかの実施形態では、タンパク質分解的に切断可能なペプチドに隣接するスペーサードメインは、異なる。
いくつかの実施形態では、スペーサードメインは、アミノ酸残基G、S、及びPが豊富である。
いくつかの実施形態では、スペーサードメインは、G、S、及びPからなる群から選択されるアミノ酸残基タイプのみを含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、以下を含み、
Figure 2023520518000022
SD1は、第1のスペーサードメインであり、SD2は、第2のスペーサードメインである。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、以下を含む。
Figure 2023520518000023
いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド鎖は、以下を含み、
Figure 2023520518000024
第2のポリペプチド鎖は、以下を含む。
Figure 2023520518000025
いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド鎖は、以下を含み、
Figure 2023520518000026
第2のポリペプチド鎖は、以下を含む。
Figure 2023520518000027
いくつかの実施形態では、SD1のN末端は、グリシン(G)である。
いくつかの実施形態では、第1のスペーサードメイン(SD1)は、長さで3~10個のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、第1のスペーサードメイン(SD1)は、長さで5~9個のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、SD1は、配列番号16(GGSGGS)を含む。
いくつかの実施形態では、SD1は、配列番号17(GGSGGSGGS)を含む。
いくつかの実施形態では、SD2のC末端配列は、
Figure 2023520518000028
である。
いくつかの実施形態では、第2のスペーサードメイン(SD2)は、長さで3~6個のアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、SD2は、配列番号18(SGP)を含む。
切断可能なリンカーにおけるSD1及びSD2の例示的な組み合わせが、以下に示される。
Figure 2023520518000029
いくつかの実施形態では、タンパク質分解的に切断可能なリンカーは、SD1-CP-SD2を含み、SD1は、第1のスペーサードメインであり、CPは、切断可能なペプチドであり、SD2は、第2のスペーサードメインであり、CPは、配列番号44に示されるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、スペーサードメインは、アミノ酸残基G、S、及びPが豊富である。いくつかの実施形態では、スペーサードメインは、G、S、及びPからなる群から選択されるアミノ酸残基タイプのみを含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質分解的に切断可能なリンカーは、SD1-CP-SD2を含み、SD1は、第1のスペーサードメインであり、CPは、切断可能なペプチドであり、SD2は、第2のスペーサードメインであり、CPは、配列番号45に示されるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、スペーサードメインは、アミノ酸残基G、S、及びPが豊富である。いくつかの実施形態では、スペーサードメインは、G、S、及びPからなる群から選択されるアミノ酸残基タイプのみを含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質分解的に切断可能なリンカーは、SD1-CP-SD2を含み、SD1は、第1のスペーサードメインであり、CPは、切断可能なペプチドであり、SD2は、第2のスペーサードメインであり、CPは、配列番号44に示されるアミノ酸配列を有し、SD2は、配列番号18に示されるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、SD1は、長さで3~6個のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、スペーサードメインは、アミノ酸残基G、S、及びPが豊富である。いくつかの実施形態では、スペーサードメインは、G、S、及びPからなる群から選択されるアミノ酸残基タイプのみを含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質分解的に切断可能なリンカーは、SD1-CP-SD2を含み、SD1は、第1のスペーサードメインであり、CPは、切断可能なペプチドであり、SD2は、第2のスペーサードメインであり、CPは、配列番号45に示されるアミノ酸配列を有し、SD2は、配列番号18に示されるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、SD1は、長さで3~6個のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、スペーサードメインは、アミノ酸残基G、S、及びPが豊富である。いくつかの実施形態では、スペーサードメインは、G、S、及びPからなる群から選択されるアミノ酸残基タイプのみを含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000030
を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000031
を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000032
を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000033
を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000034
を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000035
を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000036
を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000037
を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000038
を含む。
いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000039
を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号12(GGGGS)に示されるアミノ酸配列を含み、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000040
を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号13(GGGGSGGGGS)に示されるアミノ酸配列を含み、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000041
を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号14(GGSGGGSGGGGGS)に示されるアミノ酸配列を含み、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000042
を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号12(GGGGS)に示されるアミノ酸配列を含み、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000043
を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号13(GGGGSGGGGS)に示されるアミノ酸配列を含み、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000044
を含む。
いくつかの実施形態では、非切断可能なリンカーは、配列番号14(GGSGGGSGGGGGS)に示されるアミノ酸配列を含み、切断可能なリンカーは、
Figure 2023520518000045
を含む。
第2のリンカーがタンパク質分解的に切断可能なリンカーであるように、第2のリンカーがタンパク質分解的に切断可能なペプチドを含み、第1のリンカーが非タンパク質分解的に切断可能なリンカーであるように、第1のリンカーがタンパク質分解的に切断可能なペプチドを含まない、いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号46を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号55を含む。いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号47を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号55を含む。いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号48を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号55を含む。いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号49を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号56を含む。いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号50を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号55を含む。いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号50を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号14を含む。いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号51を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号56を含む。いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号51を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号14を含む。いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号52を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号55を含む。いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号52を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号14を含む。いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号53を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号56を含む。いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、配列番号53を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号14を含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質分解的に切断可能なリンカーは、配列番号44(ISSGLL*SGRS)のアミノ酸配列からなる切断可能なペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質分解的に切断可能なリンカーは、配列番号45(DLLA*VVAAS)のアミノ酸配列からなる切断可能なペプチドを含む。
本明細書で開示され、かつ例示的AK分子で開示されるリンカーの組み合わせは、本明細書で開示される任意のIL-12サイトカイン又はその断片とともに使用され得る。本明細書で開示され、かつ例示的AK分子で開示されるリンカーの組み合わせは、本明細書で開示される任意のマスキング部分とともに使用され得る。本明細書で開示され、かつ例示的AK分子で開示されるリンカーの組み合わせは、任意の半減期延長ドメインとともに使用され得る。言い換えれば、例示的AK分子で開示されるリンカーは、本明細書に開示されるIL-12サイトカイン若しくはその断片、本明細書に開示されるマスキング部分、及び/又は本明細書に開示される半減期延長ドメインとの組み合わせで使用され得る。
1.4 半減期延長ドメイン
本明細書で提供されるものは、マスクされたサイトカイン又はその切断産物で使用するための半減期延長ドメインである。インビボでの長い半減期は、治療用タンパク質にとって重要である。残念ながら、対象に投与されるサイトカインは、通常、腎臓によるクリアランス及びエンドサイトーシス分解を含む機序によって対象から急速に取り除かれるため、一般的に短い半減期を有する。したがって、本明細書で提供されるマスクされたサイトカインでは、半減期延長ドメインは、インビボでのサイトカインの半減期を延長する目的で、マスクされたサイトカインに連結される。
「半減期延長ドメイン」という用語は、血清中の標的成分の半減期を延長するドメインを指す。「半減期延長ドメイン」という用語は、例えば、抗体及び抗体断片を包含する。
本明細書で提供されるマスクされたサイトカインは、第2の半減期延長ドメインと会合している第1の半減期延長ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメイン及び第2の半減期延長ドメインは、非共有結合的に会合している。
いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメイン及び第2の半減期延長ドメインは、共有結合される。
いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメインは、1つ以上のジスルフィド結合を介して第2の半減期延長ドメインに連結される。
いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメインは、半減期延長ドメインリンカー(HLDL)を介して第2の半減期延長ドメインに連結される。
いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメイン及び第2の半減期延長ドメインは、非共有結合的に会合しており、さらに、第1の半減期延長ドメインは、ジスルフィド結合を介して第2の半減期延長ドメインに連結されている。
いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメインは、第1の抗体又はその断片を含み、第2の半減期延長ドメインは、第2の抗体又はその断片を含む。
FcRn介在性再循環が可能である抗体又はその断片は、対象からのマスクされたサイトカインのクリアランスを低減するか、又は別様に遅延させ、それによって、投与されたマスクされたサイトカインの半減期を延長し得る。いくつかの実施形態では、抗体又はその断片は、FcRn介在性再循環が可能である任意の重鎖ポリペプチド又はその一部(例えば、Fcドメイン又はその断片)などのFcRn介在性再循環が可能である任意の抗体又はその断片である。
抗体又はその断片は、任意の抗体又はその断片であり得る。しかしながら、第1の半減期延長ドメインと、第2の半減期延長ドメインとを含む、マスクされたサイトカインのいくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメイン又は第2の半減期延長ドメインのいずれかは、軽鎖ポリペプチドなどのFcRn受容体に結合しない抗体又はその断片を含み得る。例えば、マスクされたサイトカインのいくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメインは、FcRn受容体と直接相互作用しない軽鎖ポリペプチド又はその一部を含む、抗体又はその断片を含むが、それにもかかわらず、マスキング型サイトカインは、重鎖ポリペプチドを含むことなどによって、FcRn受容体と相互作用することが可能である第2の半減期延長ドメインを含むことにより、延長した半減期を有する。FcRn介在性再循環は、抗体又はその断片のFc領域へのFcRn受容体の結合を必要とすることが、当該技術分野で認識されている。例えば、研究は、残基I253、S254、H435、及びY436(Kabat EUインデックス番号付けシステムに従って番号付けされる)が、ヒトFc領域とヒトFcRn複合体との間の相互作用のために重要であることを示している。例えば、Firan,M.,et al.,Int.Immunol.13(2001)993-1002、Shields,R.L.,et al,J.Biol.Chem.276(2001)6591-6604)を参照されたい。残基248~259、301~317、376~382、及び424~437(Kabat EUインデックス番号付けシステムに従って番号付けされる)の様々な変異体も調査及び報告されている。Yeung,Y.A.,et al.(J.Immunol.182(2009)7667-7671)。
いくつかの実施形態では、抗体又はその断片は、重鎖ポリペプチド又は軽鎖ポリペプチドのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその断片は、重鎖ポリペプチド又は軽鎖ポリペプチドのいずれかの一部を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその断片は、Fcドメイン又はその断片を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその断片は、CH2及びCH3ドメイン又はその断片を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその断片は、重鎖ポリペプチドの定常ドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその断片は、軽鎖ポリペプチドの定常ドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその断片は、重鎖ポリペプチド又はその断片(例えば、Fcドメイン又はその断片)を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその断片は、軽鎖ポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメインは、第1のFcドメイン又はその断片を含み、第2の半減期延長ドメインは、第2のFcドメイン又はその断片を含む。
いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2のFcドメインは各々、第1及び第2の半減期延長ドメインの非共有結合性会合を促進する1つ以上の修飾を含む。いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメインは、第1の半減期延長ドメインに「ホール」を形成する変異Y349C、T366S、L38A、及びY407Vを含む、IgG1 Fcドメイン又はその断片を含み、第2の半減期延長ドメインは、第2の半減期延長ドメインに「ノブ」を形成する変異S354C及びT366Wを含む、IgG1 Fcドメイン又はその断片を含む。
いくつかの実施形態では、第1及び第2の半減期延長ドメインは各々、IgG1、IgG2、若しくはIgG4 Fcドメイン又はその断片である。いくつかの実施形態では、第1及び第2の半減期延長ドメインは各々、IgG1 Fcドメイン又はその断片である。ヒトIgG1免疫グロブリン重鎖定常ガンマ1は、以下の配列を有する。
Figure 2023520518000046
いくつかの実施形態では、第1及び第2の半減期延長ドメインは、第1及び第2の半減期延長ドメインが各々、1つ以上のアミノ酸修飾を伴う配列番号21又はその断片を含むように、配列番号21を有するヒトIgG1免疫グロブリン重鎖定常ガンマ1の配列(「親配列」)に由来する。
いくつかの実施形態では、第1及び第2の半減期延長ドメインは各々、任意選択的に1つ以上のアミノ酸修飾を伴って、上記に太字で示される配列番号21の部分を含み、すなわち、以下である。
DKTHTCPPCPAPELLGG
PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYN
STYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDE
LTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRW
QQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
(配列番号22)
いくつかの実施形態では、第1及び第2の半減期延長ドメインは、「ノブ・イントゥ・ホール(knob into holes)」アプローチに従って第1及び第2の半減期延長ドメインの会合を促進するために、アミノ置換を伴う配列番号22を含む。いくつかの実施形態では、配列配列番号22は、第1の半減期延長ドメインに「ホール」を形成する変異Y349C、T366S、L38A、及びY407V(Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされる)と、第2の半減期延長ドメインに「ノブ」を形成する変異S354C及びT366W(Kabat EU番号付けシステムに従って番号付される)とを含む。これらの修飾配列は、以下に示される配列番号23及び24を有する。
第1の半減期延長ドメイン(Y349C、T366S、L38A、及びY407V)配列番号23:
DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHE
DPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWL
NGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSRDELTKNQ
VSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKL
TVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
第2の半減期延長ドメイン(S354C及びT366W)配列番号24:
DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSH
EDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDW
LNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCRDELTK
NQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFL
YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
いくつかの実施形態では、第1及び第2の半減期延長ドメインは各々、Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされたアミノ置換N297Aをさらに含む。
第1の半減期延長ドメイン(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)配列番号25:
DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHE
DPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYASTYRVVSVLTVLHQDWL
NGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSRDELTKNQ
VSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKL
TVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
第2の半減期延長ドメイン(S354C、T366W、及びN297A)配列番号26:
DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSH
EDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYASTYRVVSVLTVLHQDW
LNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCRDELTK
NQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFL
YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
いくつかの実施形態では、第1及び第2の半減期延長ドメインは各々、Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされたアミノ置換I253Aをさらに含む。
いくつかの実施形態では、第1及び第2の半減期延長ドメインは各々、Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされた両方のアミノ置換N297A及びI253Aをさらに含む。
第1の半減期延長ドメイン(Y349C、T366S、L38A、Y407V、N297A、及びI253A)配列番号27:
DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMASRTPEVTCVVVDVSHEDP
EVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYASTYRVVSVLTVLHQDWLNGKE
YKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSRDELTKNQVSLSCA
VKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRW
QQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
第2の半減期延長ドメイン(S354C、T366W、N297A、及びI253A)配列番号28:
DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMASRTPEVTCVVVDVSHEDP
EVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYASTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEY
KCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCRDELTKNQVSLWCLVK
GFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRW
QQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメインは、配列番号22、23、25、及び27のうちのいずれか1つのアミノ酸配列のうちのいずれか1つに対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、第2の半減期延長ドメインは、配列番号22、24、26、及び28のうちのいずれか1つのアミノ酸配列のうちのいずれか1つに対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメインは、配列番号22、23、25、及び27のうちのいずれか1つのアミノ酸配列と比較して、1つ以上のアミノ酸置換、付加、又は欠失などの1つ以上の修飾を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の半減期延長ドメインは、配列番号22、24、26、及び28のうちのいずれか1つのアミノ酸配列と比較して、1つ以上のアミノ酸置換、付加、又は欠失などの1つ以上の修飾を有するアミノ酸配列を含む。1つ以上の修飾は、いくつかの実施形態では、ポリペプチド鎖のヘテロ二量体化を促進し、及び/又はポリペプチド鎖のホモ二量体化を抑制するか、エフェクター機能を改変するか、若しくはエフェクター機能を強化する、任意の修飾又は改変を含む、本明細書に記載される任意の修飾又は改変であり得る。
いくつかの実施形態では、Fcドメイン又はその断片は、エフェクター機能を改変する1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、半減期延長ドメインは、IgG1 Fcドメイン又はその断片であり、Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされた、N297A、N297G、N297Q、L234A、L235A、C220S、C226S、C229S、P238S、E233P、L234V、L234F、L235E、P331S、S267E、L328F、D265A、及びP329Gからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、半減期延長ドメインは、IgG2 Fcドメイン又はその断片であり、アミノ置換:Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされた、V234A及びG237A、H268Q、V309L、A330S、及びA331S、並びに/又はV234A、G237A、P238S、H268A、V309L、及びA330Sを含む。いくつかの実施形態では、半減期延長ドメインは、IgG2 Fcドメイン又はその断片であり、Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされた、V234A、G237A、H268Q、V309L、A330S、A331S、P238S、H268A、及びV309Lからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、半減期延長ドメインは、IgG4 Fcドメイン又はその断片であり、アミノ置換:Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされた、L235A、G237A、及びE318A、S228P、L234A、及びL235A、H268Q、V309L、A330S、及びP331S、並びに/又はS228P及びL235Aを含む。いくつかの実施形態では、半減期延長ドメインは、IgG2 Fcドメイン又はその断片であり、Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされた、L235A、G237A、E318A、S228P、L234A、H268Q、V309L、A330S、及びP331Sからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。
いくつかの実施形態では、半減期延長ドメインは、エフェクター機能を強化する1つ以上のアミノ酸置換を含む、Fcドメイン又はその断片を含む。いくつかの実施形態では、半減期延長ドメインは、IgG1 Fcドメイン又はその断片であり、アミノ置換:Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされた、S298A、E333A、及びK334A;S239D及びI332E;S239D、A330L、及びI332E;P247I及びA339D又はA339Q;D280H及びK290S;D280H、K290S、及びS298D又はS298Vのいずれか;F243L、R292P、及びY300L;F243L、R292P、Y300L、及びP396L;F243L、R292P、Y300L、V305I、及びP396L;G236A、S239D、及びI332E;K326A及びE333A;K326W及びE333S;K290E、S298G、及びT299A;K290E、S298G、T299A、及びK326E;K290N、S298G、及びT299A;K290N、S298G、T299A、及びK326E;K334V;L235S、S239D、及びK334V;K334V及びQ331M、S239D、F243V、E294L、又はS298T;E233L、Q311M、及びK334V;L234I、Q311M、及びK334V;K334V及びS298T、A330M又はA330F;K334V、Q311M、及びA330M又はA330Fのいずれか;K334V、S298T、及びA330M又はA330Fのいずれか;K334V、S239D、及びA330M又はS298Tのいずれか;L234Y、Y296W、及びK290Y、F243V又はE294L;Y296W及びL234Y又はK290Yのいずれか;S239D、A330S、及びI332E、V264I;F243L及びV264I;L328M;I332E;L328M及びI332E;V264I及びI332E;S239E及びI332E;S239Q及びI332D;S239E;A330Y;I332D;L328I及びI332E;L328Q及びI332E;V264T;V240I;V266I;S239D;S239D及びI332D;S239D及びI332N;S239D及びI332Q;S239E及びI332D;S239E及びI332N;S239E及びI332Q;S239N及びI332D;S239N及びI332E;S239Q及びI332D;A330Y及びI332E;V264I、A330Y及びI332E;A330L及びI332E;V264I、A330L、及びI332E;L234E、L234Y、又はL234I;L235D、L235S、L235Y、又はL235I;S239T;V240M;V264Y;A330I;N325T;I332E及びL328D、L328V、L328T、又はL328I;V264I、I332E、及びS239E又はS239Qのいずれか;S239E、V264I、A330Y、及びI332E;A330Y、I332E、S239D又はS239Nのいずれか;A330L、I332E、S239D又はS239Nのいずれか;V264I、S298A、及びI332E;S298A、I332E、S239D又はS239Nのいずれか;S239D、V264I、及びI332E;S239D、V264I、S298A、及びI332E;S239D、V264I、A330L、及びI332E;S239D、I332E、及びA330I;P230A、P230A、E233D、及びI332E;E272Y;K274T、K274E、K274R、K274L、又はK274Y;F275W;N276L;Y278T;V302I;E318R;S324D、S324I又はS324V;K326I又はK326T;T335D、T335R、又はT335Y;V240I及びV266I;S239D、A330Y、I332E、及びL234I;S239D、A330Y、I332E、及びL235D;S239D、A330Y、I332E、及びV240I;S239D、A330Y、I332E、及びV264T;並びに/若しくはS239D、A330Y、I332E、及びK326E又はK326Tのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、半減期延長ドメインは、IgG1 Fcドメイン又はその断片であり、P230A、E233D、L234E、L234Y、L234I、L235D、L235S、L235Y、L235I、S239D、S239E、S239N、S239Q、S239T、V240I、V240M、F243L、V264I、V264T、V264Y、V266I、E272Y、K274T、K274E、K274R、K274L、K274Y、F275W、N276L、Y278T、V302I、E318R、S324D、S324I、S324V、N325T、K326I、K326T、L328M、L328I、L328Q、L328D、L328V、L328T、A330Y、A330L、A330I、I332D、I332E、I332N、I332Q、T335D、T335R、及びT335Yからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。
いくつかの実施形態では、半減期延長ドメインは、FcRnへの半減期延長ドメインの結合を強化する1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、酸性pHにおけるFcRnへのFc含有ポリペプチド(例えば、重鎖ポリペプチド又はFcドメイン若しくはその断片)の結合親和性を増加させる。いくつかの実施形態では、半減期延長ドメインは、M428F、T250Q及びM428F;M252Y、S254T、及びT256E;P257I及びN434H;D376V及びN434H;P257I及びQ3111;N434A;N434W;M428F及びN434S;V259I及びV308F;M252Y、S254T、及びT256E;V259I、V308F、及びM428F;T307Q及びN434A;T307Q及びN434S;T307Q、E380A、及びN434A;V308P及びN434A;N434H;並びにV308Pからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。
製造目的で、シグナルペプチドは、タンパク質の分泌を改善するように半減期ドメインの上流で操作され得る。シグナルペプチドは、当該技術分野で公知であるような細胞株の要件に従って選択される。シグナルペプチドは、精製され、医薬品として製剤化されるタンパク質の一部として発現されないことを理解されたい。
1.4.1 ヘテロ二量体化修飾
本明細書に記載される半減期延長ドメインは、2つの異なる半減期延長ドメインのヘテロ二量体化を促進する1つ以上の修飾を含み得る。いくつかの実施形態では、その正しいヘテロ二量体形態でのマスクされたサイトカインの産生が効率的に産生されるように、第1及び第2の半減期延長ドメインのヘテロ二量体化を促進することが望ましい。したがって、Klein et al.(2012),MAbs,4(6):653-663に記載されているような任意の方略を含む、当該技術分野で利用可能な任意の方略を使用して、1つ以上のアミノ酸修飾が、第1の半減期延長ドメインに行われることができ、1つ以上のアミノ酸修飾が、第2の半減期延長ドメインに行われることができる。例示的方略及び修飾が、以下で詳細に記載される。
ノブ・イントゥ・ホールアプローチ
2つの異なる半減期延長ドメインのヘテロ二量体化を促進するための1つの方略は、「ノブ・イントゥ・ホール(knobs-into-holes)」と呼ばれるアプローチである。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、各々がCH3ドメインを含む、第1の半減期延長ドメインと、第2の半減期延長ドメインとを含む。いくつかの実施形態では、CH3ドメインを含む半減期延長ドメインは、重鎖ポリペプチド又はその断片(例えば、Fcドメイン又はその断片)である。2つの半減期延長ドメインのCH3ドメインは、例えば、「ノブ・イントゥ・ホール」技術によって改変されることができ、これは、例えば、WO 1996/027011、Ridgway,J.B.et al,Protein Eng.(1996)9(7):617-621、Merchant,A.M.,et al,Nat.Biotechnol.(1998)16(7):677-681に、いくつかの例とともに詳細に記載されている。また、Klein et al.(2012),MAbs,4(6):653-663も参照されたい。ノブ・イントゥ・ホール法を使用して、2つのCH3ドメインの相互作用表面は、改変され、2つの改変されたCH3ドメインを含有する2つの半減期延長ドメインのヘテロ二量体化を増加させる。これは、「ノブ」として作用する、半減期延長ドメインのうちの1つのCH3ドメインにかさばる残基を導入することによって生じる。次いで、かさばる残基を収容するために、ノブを収容することができる「ホール」が、他の半減期延長ドメインに形成される。改変されたCH3ドメインのいずれかが、「ノブ」であり得る一方で、他方は、「ホール」であり得る。ジスルフィド架橋の導入は、ヘテロ二量体をさらに安定化する(Merchant,A.M.,et al,Nat.Biotechnol.(1998)16(7)、Atwell,S.,et al,J.Mol.Biol.(1997)270(1):26-35)とともに、収率を増加させる。
97%を超えるヘテロ二量体化収率は、重鎖にS354C変異及びT366W変異を導入して「ノブ」を作成することによって、かつ重鎖にY349C、T366S、L368A、及びY407V変異を導入して「ホール」を作成することによって(Kabat EU番号付けシステムによる残基の番号付け)、達成され得ることが報告されている。Carter et al.(2001),J.Immunol.Methods,248:7-15、Klein et al.(2012),MAbs,4(6):653-663。
第1の半減期延長ドメインと、第2の半減期延長ドメインとを含む、いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメインは、アミノ酸変異S354C及びT366W(Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされる)を含む重鎖ポリペプチド又はその一部(例えば、Fcドメイン又はその断片)を含み、第2の半減期延長ドメインは、アミノ酸変異Y349C、T366S、L368A、及びY407V(Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされる)重鎖ポリペプチド又はその一部(例えば、Fcドメイン又はその断片)を含む。第1の半減期延長ドメインと、第2の半減期延長ドメインとを含む、いくつかの実施形態では、第1の半減期延長ドメインは、アミノ酸変異Y349C、T366S、L368A、及びY407V(Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされる)を含む重鎖ポリペプチド又はその一部(例えば、Fcドメイン又はその断片)を含み、第2の半減期延長ドメインは、アミノ酸変異S354C及びT366W(Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされる)重鎖ポリペプチド又はその一部(例えば、Fcドメイン又はその断片)を含む。
ノブ及びホールを形成するために作製され得る置換の追加的な例には、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、US20140302037A1に記載されるものが含まれる。例えば、いくつかの実施形態では、以下のアミノ酸置換のうちのいずれかが、各々、Fcドメインを含有する、第1の半減期延長ドメイン(「第1のドメイン」)及び対になった第2の半減期延長ドメイン(「第2のドメイン」)に行われることができる:Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされた、(a)第1のドメイン内のY407T及び第2のドメイン内のT366Y、(b)第1のドメイン内のY407A及び第2のドメイン内のT366W、(c)第1のドメイン内のF405A及び第2のドメイン内のT394W、(d)第1のドメイン内のF405W及び第2のドメイン内のT394S、(e)第1のドメイン内のY407T及び第2のドメイン内のT366Y、(f)第1のドメイン内のT366Y及びF405A、並びに第2のドメイン内のT394W及びY407T、(g)第1のドメイン内のT366W及びF405W、並びに第2のドメイン内のT394S及びY407A、(h)第1のドメイン内のF405W及びY407A、並びに第2のドメイン内のT366W及びT394S、又は(i)第1のドメイン内のT366W、並びに第2のドメイン内のT366S、L368A、及びY407V。
いくつかの実施形態では、以下のアミノ酸置換のうちのいずれかが、各々、Fcドメインを含有する、第1の半減期延長ドメイン(「第1のドメイン」)及び対になった第2の半減期延長ドメイン(「第2のドメイン」)に行われることができる:Kabat EU番号付けシステムに従って番号付けされた、(a)第2のドメイン内のY407T及び第1のドメイン内のT366Y、(b)第2のドメイン内のY407A及び第1のドメイン内のT366W、(c)第2のドメイン内のF405A及び第2のドメイン内のT394W、(d)第2のドメイン内のF405W及び第1のドメイン内のT394S、(e)第2のドメイン内のY407T及び第1のドメイン内のT366Y、(f)第2のドメイン内のT366Y及びF405A、並びに第1のドメイン内のT394W及びY407T、(g)第2のドメイン内のT366W及びF405W、並びに第1のドメイン内のT394S及びY407A、(h)第2のドメイン内のF405W及びY407A、及び第1のドメイン内のT366W及びT394S、又は(i)第2のドメインのT366W、並びに第1のドメイン内のT366S、L368A、及びY407V。
各々、Fcドメインを含む、第1の半減期延長ドメインと、第2の半減期延長ドメインとを含む、実施形態では、本明細書に記載されるヘテロ二量体化改変のうちのいずれかが、本明細書に記載されるマスクされたサイトカインのうちのいずれかのヘテロ二量体形成を促進するためにFcドメインで使用されることができる。
1.5 例示的なマスクされたサイトカイン
本開示によるマスクされたサイトカインは、本明細書のいずれかの場所に記載されるIL-12サイトカイン又はその機能的断片、本明細書のいずれかの場所に記載されるマスキング部分、本明細書のいずれかの場所に記載される第1及び第2の半減期ドメイン、並びに本明細書のいずれかの場所に記載される切断可能及び非切断可能なリンカーを組み合わせることができる。
さらに、ある実施形態では、本明細書に開示される任意の特定の配列は、任意選択的に、1つ、2つ、又は3つの置換などのさらなるアミノ酸置換を含み得る。別の実施形態では、マスクされたサイトカインのドメインについて本明細書に開示される任意の特定の配列に対して少なくとも90%、好ましくは95%、より好ましくは99%の相同性を有する配列も、本発明によって包含される。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、ヒトIL-12Rβ1又はその断片、一部、若しくはバリアントを含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ1の残基24~237、すなわち、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、配列番号5を有する配列、又はその断片、一部、若しくはバリアントを含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ1の残基24~545、すなわち、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、配列番号6を有する配列、又はその断片、一部、若しくはバリアントを含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、ヒトIL-12Rβ2又はその断片、一部、若しくはバリアントを含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号61のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、ヒトIL-12Rβ2又はその断片、一部、若しくはバリアントを含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号62のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、ヒトIL-12Rβ2又はその断片、一部、若しくはバリアントを含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号63のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、ヒトIL-12Rβ2又はその断片、一部、若しくはバリアントを含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、第1の半減期延長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、ヒトIL-12Rβ2又はその断片、一部、若しくはバリアントを含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~212、すなわち、配列番号7を有する配列を含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~222、すなわち、配列番号8を有する配列を含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号9を有する配列を含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号63のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~622、すなわち、配列番号10を有する配列を含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~227、すなわち、配列番号11を有する配列を含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、ヒトIL-12Rβ1又はその断片、一部、若しくはバリアントを含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号27(Y349C、T366S、L38A、Y407V、N297A、及びI253A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号28(S354C、T366W、N297A、及びI253A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ1の残基24~237、すなわち、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、配列番号5を有する配列、又はその断片、一部、若しくはバリアントを含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号27(Y349C、T366S、L38A、Y407V、N297A、及びI253A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号28(S354C、T366W、N297A、及びI253A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ1の残基24~545、すなわち、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、配列番号6を有する配列、又はその断片、一部、若しくはバリアントを含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号27(Y349C、T366S、L38A、Y407V、N297A、及びI253A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号28(S354C、T366W、N297A、及びI253A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、ヒトIL-12Rβ2又はその断片、一部、若しくはバリアントを含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号27(Y349C、T366S、L38A、Y407V、N297A、及びI253A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号28(S354C、T366W、N297A、及びI253A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~212、すなわち、配列番号7を有する配列を含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号27(Y349C、T366S、L38A、Y407V、N297A、及びI253A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号28(S354C、T366W、N297A、及びI253A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~222、すなわち、配列番号8を有する配列を含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号27(Y349C、T366S、L38A、Y407V、N297A、及びI253A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号28(S354C、T366W、N297A、及びI253A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号9を有する配列を含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号27(Y349C、T366S、L38A、Y407V、N297A、及びI253A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号28(S354C、T366W、N297A、及びI253A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~622、すなわち、配列番号10を有する配列を含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号27(Y349C、T366S、L38A、Y407V、N297A、及びI253A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号28(S354C、T366W、N297A、及びI253A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~227、すなわち、配列番号11を有する配列を含み、第1の半減期伸長ドメインは、配列番号27(Y349C、T366S、L38A、Y407V、N297A、及びI253A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号28(S354C、T366W、N297A、及びI253A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号14のアミノ酸配列を含み、第1の半減期延長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号55のアミノ酸配列を含み、第1の半減期延長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号56のアミノ酸配列を含み、第1の半減期延長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、切断可能なリンカーは、配列番号41のアミノ酸配列を含み、第1の半減期延長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、切断可能なリンカーは、配列番号43のアミノ酸配列を含み、第1の半減期延長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、切断可能なリンカーは、配列番号44のアミノ酸配列を含み、第1の半減期延長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、切断可能なリンカーは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1の半減期延長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、切断可能なリンカーは、配列番号53のアミノ酸配列を含み、第1の半減期延長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、切断可能なリンカーは、配列番号46のアミノ酸配列を含み、第1の半減期延長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号56のアミノ酸配列を含み、切断可能なリンカーは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、第1の半減期延長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号14のアミノ酸配列を含み、切断可能なリンカーは、配列番号53のアミノ酸配列を含み、第1の半減期延長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
いくつかの実施形態では、IL-12サイトカイン又はその機能的断片は、配列番号64のアミノ酸配列を含み、マスキング部分は、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号65を有する配列を含み、非切断可能なリンカーは、配列番号55のアミノ酸配列を含み、切断可能なリンカーは、配列番号46のアミノ酸配列を含み、第1の半減期延長ドメインは、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、第2の半減期延長ドメインは、配列番号26(S354C、T366W及びN297A)を含む。
マスクされたサイトカインのいくつかの実施形態では、第1のポリペプチド鎖は、以下を含み、
Figure 2023520518000047
第2のポリペプチド鎖は、以下を含み、
Figure 2023520518000048
「IL-12p40」は、IL-12p40ポリペプチド又はその機能的断片であり、「IL-12p35」は、IL-12p35ポリペプチド又はその機能的断片である。第1の半減期伸長ドメイン(HL1)、第1のリンカー(L1)、マスキング部分(MM)、第2の半減期伸長ドメイン(HL2)、第2のリンカー(L2)、及びIL-12サイトカイン又はその断片([IL-12p35-リンカー-IL-12p40])は、本明細書のいずれかの場所で定義されるとおりであり得る。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号34のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号40のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号81のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号40のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号34のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号88のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号81のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号88のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号82のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号89のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号83のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号90のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号83のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号91のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号82のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号92のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号83のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号93のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号82のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号94のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号84のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号93のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号84のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号94のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号83のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号95のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号82のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号96のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号83のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号97のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号82のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号98のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号84のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号97のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、配列番号84のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号98のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖とを含む。
2.切断産物
本明細書で提供されるものは、本明細書に記載される「二量体の」マスクされたIL-12サイトカインの切断産物である。
本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインは、切断可能なリンカーを含む。切断部位における切断可能なリンカーのタンパク質分解切断時に、IL-12サイトカイン又はその機能的断片を含む切断産物が形成される。切断産物中のIL-12サイトカイン又はその機能的断片は、もはやマスキング部分によってマスクされなくなるため、活性化される。したがって、切断産物中のIL-12サイトカイン又はその機能的断片は、標的タンパク質に結合することが可能である。
腫瘍細胞環境は、複雑であり、複数の異なるプロテアーゼを含むことができる。したがって、マスクされたIL-12サイトカイン内の所与の切断可能なペプチドが腫瘍細胞環境内で切断される正確な部位は、腫瘍型の間、同じ腫瘍型を有する患者の間、及び同じ腫瘍に形成された切断産物の間でさえも変化し得る。さらに、切断後でさえも、例えば、1つ又は2つの末端アミノ酸の除去による、初期切断産物のさらなる修飾は、腫瘍細胞環境内のプロテアーゼのさらなる作用によって生じ得る。したがって、切断産物の分布は、本明細書に記載されるマスクされたサイトカインの投与後に、患者の腫瘍細胞環境内に形成されることが予期され得る。
本明細書で提供されるものは、IL-12Rに結合することが可能な切断産物であって、本明細書のいずれかの場所に記載されるマスクされたIL-12サイトカイン中の切断可能なペプチドのタンパク質分解切断によって調製可能である、IL-12サイトカイン又はその機能的断片を含む、切断産物である。
また、本明細書で提供されるものは、マスクされたIL-12サイトカインの切断産物であり、切断産物は、IL-12Rに結合することが可能であり、切断産物は、本明細書のいずれかの場所に定義されるIL-2サイトカイン又はその機能的断片を含む。また、本明細書で提供されるものは、マスクされたIL-12サイトカインの単一構造から取得されるか、又は取得可能である切断産物の分布であり、切断産物の分布内の各切断産物は、(i)IL-12Rに結合することが可能であり、(ii)本明細書のいずれかの場所に定義されるIL-12サイトカイン又はその機能的断片を含む。
本明細書で提供されるものは、マスクされたIL-12サイトカインの切断産物であり、切断産物は、IL-12Rに結合することが可能であり、切断産物は、
Figure 2023520518000049
PCPは、タンパク質分解的に切断可能なペプチドの一部であり、SDは、スペーサードメインであり、Cは、IL-12サイトカイン又はその機能的断片である。
さらに、本明細書で提供されるものは、マスクされたIL-12サイトカインの切断産物であり、切断産物は、IL-12Rに結合することが可能であり、切断産物は、
a)第1の半減期延長ドメインを含む、第1のポリペプチド鎖と、
b)式5を含むポリペプチドを含む、第2のポリペプチド鎖と、
Figure 2023520518000050
を含む、タンパク質ヘテロ二量体を含み、HL2は、第2の半減期延長ドメインであり、L2は、非切断可能なリンカーであり、Cは、IL-12サイトカイン又はその機能的断片であり、第1の半減期延長ドメインは、第2の半減期延長ドメインと会合している。また、本明細書で提供されるものは、マスクされたIL-12サイトカインの単一構造から取得されるか、又は取得可能である切断産物の分布であり、切断産物の分布内の各切断産物は、(i)IL-12Rに結合することが可能であり、(ii)
a)第1の半減期延長ドメインを含む、第1のポリペプチド鎖と、
b)式5を含むポリペプチドを含む、第2のポリペプチド鎖と、
Figure 2023520518000051
を含む、タンパク質ヘテロ二量体を含み、HL2は、第2の半減期延長ドメインであり、L2は、非切断可能なリンカーであり、Cは、IL-12サイトカイン又はその機能的断片であり、第1の半減期延長ドメインは、第2の半減期延長ドメインと会合している。
さらに、本明細書で提供されるものは、マスクされたIL-12サイトカインの切断産物であり、切断産物は、IL-12Rに結合することが可能であり、切断産物は、
a)第1のポリペプチド鎖であって、
Figure 2023520518000052
HL1が、第1の半減期延長ドメインであり、SDが、スペーサードメインであり、PCPが、タンパク質分解的に切断可能なペプチドの一部である、第1のポリペプチド鎖と、
b)第2のポリペプチド鎖であって、
Figure 2023520518000053
HL2が、第2の半減期延長ドメインであり、L2が、リンカーであり、Cが、IL-12サイトカイン又はその機能的断片である、第2のポリペプチド鎖とを含む、タンパク質ヘテロ二量体を含み、
第1の半減期延長ドメインは、第2の半減期延長ドメインと会合している。
切断産物内で、マスキング部分、半減期延長ドメイン、IL-12サイトカイン又はその機能的断片、リンカー、スペーサードメイン、及び第1の半減期延長ドメインと第2の半減期延長ドメインとの間の会合のタイプは、本明細書に記載されるもののうちのいずれか1つ、及び本明細書に記載されるものの任意の組み合わせであり得る。
切断可能なペプチドの位置は、IL-12サイトカインを含む、結果として生じる切断産物の構造を決定する。
「タンパク質分解的に切断可能なペプチドの一部」は、切断部位における切断が生じた後の元のタンパク質分解的に切断可能なペプチド配列の一部を指す。切断後に、例えば、1つ又は2つの末端アミノ酸の除去による、初期切断産物のさらなる修飾もまた、腫瘍細胞環境内のプロテアーゼのさらなる作用によって生じ得る。したがって、マスクされたサイトカインの投与後に患者の腫瘍細胞環境に形成され得る切断産物の分布内の切断産物は、タンパク質分解的に切断可能なペプチドのいかなる部分も含有しない場合がある。
いくつかの実施形態では、「一部」は、元のタンパク質分解的に切断可能なペプチド配列の1つのアミノ酸、2つのアミノ酸、3つのアミノ酸、4つのアミノ酸、5つのアミノ酸、又は6つのアミノ酸を指す。いくつかの実施形態では、「一部」は、元のタンパク質分解的に切断可能なペプチド配列の2つのアミノ酸を指す。いくつかの実施形態では、「一部」は、元のタンパク質分解的に切断可能なペプチド配列の3つのアミノ酸を指す。いくつかの実施形態では、「一部」は、元のタンパク質分解的に切断可能なペプチド配列の4つのアミノ酸を指す。
いくつかの実施形態では、タンパク質分解的に切断可能なペプチドの「一部」は、長さで3~6個のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、タンパク質分解的に切断可能なペプチドの「一部」は、長さで3又は4個のアミノ酸である。
本明細書に開示される切断可能なリンカーのための切断部位が、以下に開示される。
Figure 2023520518000054
純粋に一例として、上記の表では、*は、切断可能なペプチド内の既知の又は観察されたプロテアーゼ切断部位を示す。
したがって、本明細書に開示されるものは、本明細書に開示されるマスクされたサイトカインのうちのいずれか1つの切断産物である。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号29からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号29を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号66からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号66を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号67からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号67を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号68からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号68を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号69からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号69を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号70からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号70を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号71からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号71を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号72からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号72を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号73を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号74からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号74を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号75からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号75を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号76からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。76を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号76を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号77からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号77を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号78のアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号78を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号79のアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号79を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号80のアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、切断産物は、配列番号80を含むアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を含む。
3.結合アッセイ
サイトカイン又はその機能的断片が特異的である、サイトカイン又はその機能的断片と結合パートナー(例えば、サイトカイン受容体などの標的タンパク質)との間のものなどの免疫学的結合相互作用の強度又は親和性は、相互作用の解離定数(Kd)の観点から表されることができ、より小さいKdは、より大きい親和性を表す。IL-12サイトカイン受容体へのIL-12サイトカインの結合は、Kdの観点から表されることができる。いくつかの実施形態では、免疫学的結合相互作用は、マスクされたサイトカイン(プロテアーゼの存在下又は非存在下)と、サイトカイン受容体などの標的タンパク質との間のものである。タンパク質の免疫学的結合特性は、当該技術分野で周知の方法を使用して定量化されることができる。例えば、1つの方法は、サイトカイン受容体(例えば、IL-12R)/サイトカイン(例えば、IL-12)複合体形成及び解離の速度を測定することを含み、これらの速度は、複合体パートナーの濃度、相互作用の親和性、及び両方向の速度に等しく影響する幾何学的パラメータに依存する。「オンレート定数」(Kon)及び「オフレート定数」(Koff)の両方は、濃度並びに会合及び解離の実際の速度の計算によって決定されることができる。Koff/Konの比は、親和性に関連しないすべてのパラメータの削除を可能にし、解離定数Kdと等しい。Davies et al.,Annual Rev Biochem.59:439-473,(1990)を参照されたい。
いくつかの態様では、本明細書に記載されるマスクされたサイトカインは、マスキング部分を含むが切断可能なペプチドを含まない親サイトカインと比較して、プロテアーゼによる切断時に、ほぼ同じ又はより高い親和性で標的タンパク質に結合する。標的タンパク質は、任意のサイトカイン受容体であり得る。
いくつかの実施形態では、リンカー中に切断可能なペプチドを含まない、本明細書で提供されるマスクされたサイトカインは、標的タンパク質と≦1M、≦150nM、100nM、≦50nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば、10-8M以下、例えば、10-8M~10-13M、例えば、10-9M~10-13M)の解離定数(Kd)を有する。いくつかの実施形態では、リンカー中に切断可能なペプチドを含む、本明細書で提供されるマスクされたサイトカインは、プロテアーゼによって切断可能である前の標的タンパク質と≦1M、≦150nM、≦100nM、≦50nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば、10-8M以下、例えば、10-8M~10-13M、例えば、10-9M~10-13M)の解離定数(Kd)を有する。いくつかの実施形態では、リンカー中に切断可能なペプチドを含む、本明細書で提供されるマスクされたサイトカインは、プロテアーゼによる切断時の標的タンパク質と≦1M、≦150nM、100nM、≦50nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば、10-8M以下、例えば、10-8M~10-13M、例えば、10-9M~10-13M)の解離定数(Kd)を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるマスクされたサイトカインのサイトカイン又はその機能的断片は、マスクされたサイトカインのマスキング部分と≧500M、≧250M、≧200M、≧150M、≧100M、≧50M、≧10M、≧1M、≧500nM、≧250nM、≧150nM、≧100nM、≧50nM、≧10nM、≧1nM、≧0.1nM、≧0.01nM、又は≧0.001nMの解離定数(Kd)を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるマスクされたサイトカインのサイトカイン又はその機能的断片は、約若しくは少なくとも約175M、約若しくは少なくとも約150M、約若しくは少なくとも約125M、約若しくは少なくとも約100M、約若しくは少なくとも約75M、約若しくは少なくとも約50M、約若しくは少なくとも約25M、約若しくは少なくとも約5M、約若しくは少なくとも約1M、約若しくは少なくとも約750nM、約若しくは少なくとも約500nM、約若しくは少なくとも約250nM、約若しくは少なくとも約150nM、約若しくは少なくとも約100nM、約若しくは少なくとも約75nM、又は約若しくは少なくとも約50nMなどの約200M~約50nMである解離定数(Kd)を有する。結合親和性を評価するためのアッセイは、当該技術分野で周知である。
いくつかの態様では、所望の閉塞比を示すマスクされたサイトカインが提供される。本明細書で使用される場合の「閉塞比」という用語は、(a)第1の条件セットの下でのパラメータの最大検出レベルと、(b)第2の条件セットの下でのそのパラメータの最小検出値との比を指す。マスクされたIL-12ポリペプチドの文脈では、(a)マスクされたIL-12ポリペプチドの切断可能なペプチドを切断することが可能な少なくとも1つのプロテアーゼの存在下でマスクされたIL-12ポリペプチドに結合する標的タンパク質(例えば、IL-12Rタンパク質)の最大検出レベルと、(b)プロテアーゼの非存在下でマスクされたIL-12ポリペプチドに結合する標的タンパク質(例えば、IL-12Rタンパク質)の最小検出値との比を指す。したがって、マスクされたサイトカインの閉塞比は、切断前のマスクされたサイトカインのEC50を切断後のマスクされたサイトカインのEC50で割ることによって、計算されることができる。マスクされたサイトカインの閉塞比はまた、プロテアーゼによる切断前のマスクされたサイトカインの解離定数と、プロテアーゼによる切断後のマスクされたサイトカインの解離定数との比として計算されることもできる。いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインのより大きい閉塞比は、マスクされたサイトカインによって結合された標的タンパク質が、マスクされたサイトカインの切断可能なペプチドを切断することが可能なプロテアーゼの存在下で、プロテアーゼの非存在下よりも大きい程度に生じる(例えば、大部分が生じる)ことを示す。
いくつかの実施形態では、最適な閉塞比を伴うマスクされたサイトカインが本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインの最適な閉塞比は、マスクされたサイトカインが、本明細書に企図される方法又は組成物に有用な望ましい特性を有することを示す。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるマスクされたサイトカインは、約2対約10,000、例えば、約80対約100の最適な閉塞比を示す。本明細書で提供されるマスクされたサイトカインのうちのいずれかのさらなる実施形態では、閉塞比は、約2対約7,500、約2対約5,000、約2対約2,500、約2対約2,000、約2対約1,000、約2対約900、約2対約800、約2対約700、約2対約600、約2対約500、約2対約400、約2対約300、約2対約200、約2対約100、約2対約50、約2対約25、約2対約15、約2対約10、約5対約10、約5対約15、約5対約20、約10対約100、約20対約100、約30対約100、約40対約100、約50対約100、約60対約100、約70対約100、約80対約100、又は約100対約1,000である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるマスクされたサイトカインは、約2対約1,000の最適な閉塞比を示す。プロテアーゼによる切断前及び/又は切断後の標的タンパク質へのマスクされたIL-12ポリペプチドの結合は、ELISAによるものなどの当該技術分野で周知の技術を使用して決定されることができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるマスキング部分は、サイトカイン又はその機能的断片と標的タンパク質(例えば、サイトカイン受容体)との間の親和性よりも低い親和性で、本明細書に記載されるサイトカイン又はその機能的断片に結合する。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるマスキング部分は、
≧500M、≧250M、≧200M、≧150M、≧100M、≧50M、≧10M、≧1M、≧500nM、≧250nM、≧150nM、≧100nM、≧50nM、≧10nM、≧1nM、≧0.1nM、≧0.01nM、又は≧0.001nMの解離定数(Kd)で、本明細書に記載されるサイトカイン又はその機能的断片に結合する。
4.マスクされたIL-12サイトカインの産生
本明細書に記載されるマスクされたサイトカインは、その例示的方法が記載される、当該技術分野で利用可能な技術を使用して調製される。
4.1 抗体産生
マスクされたIL-12サイトカインのいくつかの実施形態は、抗体又はその断片を含む。以下の節は、本明細書で提供されるマスクされたIL-12サイトカインのいくつかの実施形態で使用され得る、抗体、並びにその抗体断片、バリアント、及び誘導体の産生についてさらなる詳細を提供する。いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、ジスルフィド結合を通して会合しているマスクされたIL-12サイトカインの2つのコピーによって産生される二量体の形態である。
1.抗体断片
本発明は、いくつかの実施形態では、抗体断片を包含する。抗体断片は、いくつかの断片の中でも、Fcドメイン、重鎖の一部、軽鎖の一部、Fab、Fv、又はscFvなどの任意の抗体断片であり得る。抗体断片は、酵素消化などの従来の手段によって、又は組換え技術によって生成され得る。ある特定の状況では、抗体断片を全抗体ではなく本明明細書に記載されるマスクされた抗体断片に連結するという利点が存在する。ある特定の抗体断片の概説については、Hudson et al.(2003)Nat.Med.9:129-134を参照されたい。
抗体断片の産生のために様々な技術が開発されてきた。従来、これらの断片は、インタクトな抗体のタンパク質分解的消化を介して導出された(例えば、Morimoto et al.,Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107-117(1992)、及びBrennan et al.,Science,229:81(1985)を参照されたい)。しかしながら、これらの断片は現在、組換え宿主細胞によって直接産生されることができる。Fab、Fv、及びScFv抗体断片はすべて、E.coli並びにHEK293及びCHO細胞などの他の細胞型で発現され、そこから分泌され、したがって、大量のこれらの断片の容易な産生を可能にすることができる。代替的に、Fab-SH断片は、培養培地から直接回収され、F(ab)2断片を形成するように化学的に結合されることができる(Carter et al.,Bio/Technology 10:163-167(1992))。別のアプローチによると、F(ab)2断片は、組換え宿主細胞培養物から直接単離されることができる。FcRN/サルベージ受容体結合エピトープ残基を含む、インビボ半減期の増加を伴うFab及びF(ab)2断片は、米国特許 第5,869,046号に記載されている。マスクされたサイトカインで使用するための抗体断片の産生のための他の技法が、当業者に明らかであろう。ある特定の実施形態では、マスクされた抗体は、一本鎖Fv断片(scFv)を含む。WO93/16185、米国特許 第5,571,894号及び第5,587,458号を参照されたい。scFv融合タンパク質は、scFvのアミノ又はカルボキシ末端のいずれかにおいてエフェクタータンパク質の融合をもたらすように構築され得る。上記のAntibody Engineering,ed.Borrebaeckを参照されたい。また、いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーを介して連結された2つのscFvを含むbi-scFvが、マスクされたサイトカインとともに使用されることができる。
本発明は、いくつかの実施形態では、線形抗体(例えば、米国特許第5,641,870号に記載されるような)、又は適切なリンカーを介して連結された抗体の重鎖及び軽鎖配列を含む一本鎖免疫グロブリンを含む。そのような線形抗体又は免疫グロブリンは、単一特異性又は二重特異性であり得る。そのような一本鎖免疫グロブリンは、二量体化され、それによって、元々四量体である抗体のものと類似する構造及び活性を維持することができる。また、いくつかの実施形態では、抗体又はその断片は、単一の重鎖可変領域を有し、軽鎖の配列を有していない抗体であり得る。そのような抗体は、単一ドメイン抗体(sdAb)又はナノボディと呼ばれる。これらの抗体はまた、本発明による抗体の機能的断片の意味に包含される。抗体断片は、本明細書で提供される指導に従って、本明細書に記載されるマスクされたサイトカインに連結されることができる。
2.ヒト化抗体
本発明は、いくつかの実施形態では、ヒト化抗体又はその抗体断片を包含する。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、任意の抗体断片を含む、任意の抗体であり得る。非ヒト抗体をヒト化するための様々な方法が当該技術分野で既知である。例えば、ヒト化抗体は、非ヒトである源から導入される1つ以上のアミノ酸残基を有することができる。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、典型的には「輸入」可変ドメインから取り込まれる、「輸入」残基と称される。ヒト化は、ヒト抗体の対応する配列に超可変領域の配列を置換することによって、Winterの方法(Jones et al.(1986)Nature 321:522-525、Riechmann et al.(1988)Nature 332:323-327、Verhoeyen et al.(1988)Science 239:1534-1536)に従って本質的に行われ得る。したがって、そのような「ヒト化」抗体は、キメラ抗体であり(米国特許第4,816,567号)、実質的にインタクトとは言えないヒト可変ドメインが、非ヒト種からの対応する配列によって置換されている。実際には、ヒト化抗体は、典型的には、いくつかの超可変領域残基及び場合によりいくつかのFR残基が、げっ歯類抗体の類似部位からの残基によって置換されている、ヒト抗体である。ヒト化抗体は、本明細書で提供される指導に従って、本明細書に記載されるマスクされたサイトカインに連結されることができる。
3.ヒト抗体
本発明のいくつかの実施形態のヒト抗体は、ヒト由来ファージディスプレイライブラリから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を、既知のヒト定常ドメイン配列と組み合わせることによって、構築されることができる。代替的に、本発明のいくつかの実施形態のヒトモノクローナル抗体は、例えば、ヒトモノクローナル抗体を産生するために、例えば、マウス、ラット、ウシ(例えば、乳牛)、又はウサギ細胞を使用することによる、ハイブリドーマ法によって作製されることができる。いくつかの実施形態では、ヒト抗体及びヒトモノクローナル抗体は、任意の抗原に結合する抗体であり得る。いくつかの実施形態では、本発明のヒトモノクローナル抗体は、標的抗原でヒト免疫グロブリン座位を含む非ヒト動物を免疫化し、抗体を免疫動物又は免疫動物に由来する細胞から単離することによって、作製されることができる。好適な非ヒト動物の例としては、HuMAb Mouse(登録商標)(Medarex,Inc.)、KM Mouse(登録商標)、「TCマウス」、及びXenomouse(商標)などのトランスジェニック又はトランスクロモソミック動物が挙げられる。例えば、Lonberg,et al.(1994)Nature 368:856-859、Fishwild,D.et al.(1996)Nature Biotechnology 14:845-851、WO2002/43478、米国特許第 5,939,598号、第6,075,181号、第6,114,598号、第6,150,584号、第6,162,963号、及びTomizuka et al.(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:722-727を参照されたい。
ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫及びマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株は、例えば、Kozbor J.Immunol.,133:3001(1984)、Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987)、及びBoerner et al.,J.Immunol.,147:86(1991)によって記載されている。ヒト抗体は、本明細書で提供される指導に従って、本明細書に記載されるマスクされたサイトカインに連結されることができる。
4.二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、ヒト又はヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、結合特異性のうちの1つは、第1の抗原に対するものであり、他方の結合特異性は、第2の抗原に対するものであり、これは、同じ標的タンパク質上の2つの異なるエピトープ、又は2つの異なる標的タンパク質上の2つの異なるエピトープのいずれかであり得る。二重特異性抗体はまた、第1の抗原及び/又は第2の抗原を発現する細胞に細胞傷害性薬剤を局在化するために使用され得る。二重特異性抗体はまた、特定の細胞、例えば、がん細胞を死滅させるために、T細胞又はナチュラルキラー細胞などの細胞を動員するために使用され得る。二重特異性抗体は、完全長抗体又は抗体断片(例えば、F(ab’)2二重特異性抗体)として調製されることができる。二重特異性抗体は、本明細書で提供される指導に従って、本明細書に記載されるマスクされたサイトカインに連結されることができる。
二重特異性抗体を作製するための方法は、当該技術分野で既知である。Milstein and Cuello,Nature,305:537(1983)、1993年5月13日に公開されたWO93/08829、Traunecker et al.,EMBO J.,10:3655(1991)、Kontermann and Brinkmann,Drug Discovery Today,20(7):838-847を参照されたい。二重特異性抗体の生成のさらなる詳細については、例えば、Suresh et al.,Methods in Enzymology,121:210(1986)を参照されたい。二重特異性抗体には、架橋又は「ヘテロ複合体」抗体が含まれる。例えば、ヘテロ複合体内の抗体の一方は、アビジンに結合され、他方は、ビオチンに結合され得る。ヘテロ複合体抗体は、任意の好都合な架橋方法を使用して作製され得る。好適な架橋剤は、当該技術分野で周知であり、いくつかの架橋技法とともに、米国特許 第4,676,980号に開示されている。
5.単一ドメイン抗体
いくつかの実施形態では、単一ドメイン抗体は、本明細書で提供される指導に従ってマスクされたサイトカインに連結される。単一ドメイン抗体は、任意の抗体であり得る。単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインのすべて若しくは一部、又は軽鎖可変ドメインのすべて若しくは一部を含む、単一ポリペプチド鎖である。ある特定の実施形態では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis,Inc.,Waltham,Mass.、例えば、米国特許第6,248,516B1を参照されたい)。いくつかの実施形態では、単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインのすべて又は一部からなる。いくつかの実施形態では、単一ドメイン抗体は、標的抗原によるラクダ科の免疫化によって得られたラクダ科由来抗体である。いくつかの実施形態では、単一ドメイン抗体は、標的抗原によるサメの免疫化によって得られたサメ由来抗体である。いくつかの実施形態では、単一ドメイン抗体は、ナノボディである(例えば、WO2004041865A2及びUS20070269422A1を参照されたい)。
6.抗体バリアント
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗体又はその断片のアミノ酸配列修飾が企図される。例えば、抗体のFcRn結合親和性及び/又はpH依存性FcRn結合親和性を改善することが望ましくあり得る。また、特定のアミノ酸修飾を導入することによって、抗体重鎖のヘテロ二量体化を促進することも望ましくあり得る。ヘテロ二量体化を促進するために行われ得る特定の修飾を含む、抗体鎖のヘテロ二量体化を促進するための方法は、Klein et al.(2012),MAbs,4(6):653-663に記載されている。
抗体のアミノ酸配列バリアントは、抗体をコードするヌクレオチド配列に適切な変化を導入することによって、又はペプチド合成によって調製され得る。そのような修飾は、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基からの欠失、及び/又はそれへの挿入、及び/又はその置換を含む。欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせを行い、最終構築物に達することができるが、但し、最終構築物が所望の特徴を保有していることを条件とする。アミノ酸改変は、配列が作製されるときに対象の抗体アミノ酸配列に導入され得る。
変異誘発のための好ましい位置である抗体のある特定の残基又は領域の識別のための有用な方法は、Cunningham and Wells(1989)Science,244:1081-1085により記載されるように、「アラニンスキャニング変異誘発」と呼ばれる。ここで、残基又は標的残基の群が識別され(例えば、arg、asp、his、lys、及びgluなどの荷電残基)、中性又は負に荷電したアミノ酸(例えば、アラニン又はポリアラニン)によって置換されて、アミノ酸と抗原の相互作用に影響を及ぼす。次いで、置換に対する機能的感受性を示すそれらのアミノ酸位置は、置換部位に、又は置換部位のために、さらなる又は他のバリアントを導入することによって精製される。したがって、アミノ酸配列変異を導入するための部位は、予め決められているが、変異自体の性質は、予め決められる必要はない。例えば、所与の部位での変異の性能を分析するために、alaスキャニング又はランダム変異誘発が標的コドン又は領域において行われ、発現された免疫グロブリンが所望の活性についてスクリーニングされる。
アミノ酸配列挿入には、1つの残基から100個以上の残基を含有するポリペプチドの長さの範囲のアミノ末端融合及び/又はカルボキシル末端融合、並びに単一又は複数のアミノ酸残基の配列間挿入を含む。末端挿入の例としては、N末端メチオニル残基を有する抗体が挙げられる。抗体分子の他の挿入バリアントには、抗体の血清半減期を延長する、酵素又はポリペプチドに対する抗体のN末端又はC末端への融合が含まれる。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、ヒンジ領域近くのプロテアーゼ切断を排除、低減、又は別様に妨害するように修飾される。IgGの「ヒンジ領域」は、一般的に、E216を含み、KabatのようなEUインデックスに従ってヒトIgGlのP230で終端するものとして定義されるが、機能的には、鎖の可撓性部分は、E216~G237などの上部及び下部ヒンジ領域と称される追加の残基を含むとみなされ得(Roux et al.,1998 J Immunol 161:4083)、下部ヒンジは、FcyR結合が一般的に起因したFc領域の残基233~239と称されている。本明細書に記載されるマスクされたサイトカインのうちのいずれかに対する修飾は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるUS 20150139984A1に記載される方法に従って、並びに本明細書に記載される修飾のうちのいずれかを組み込むことによって、実施されることができる。
いくつかの実施形態では、薬物動態を改善するFcRn変異には、これらに限定されないが、M428L、T250Q/M428L、M252Y/S254T/T256E、P257I/N434H、D376V/N434H、P257I/Q3111、N434A、N434W、M428L/N434S、V259I/V308F、M252Y/S254T/T256E、V259I/V308F/M428L、T307Q/N434A、T307Q/N434S、T307Q/E380A/N434A、V308P/N434A、N434H、V308Pが含まれる。いくつかの実施形態では、そのような変異は、低いpHではFcRnへの抗体結合を強化するが、中性pHでは抗体親和性を変化させない。
ある特定の実施形態では、抗体又はその断片は、抗体がグリコシル化される程度を増加又は減少させるように改変される。ポリペプチドのグリコシル化は、典型的には、N結合型又はO結合型のいずれかである。N結合型とは、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の付着を指す。Xがプロリン以外の任意のアミノ酸である、トリペプチド配列のアスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-スレオニンは、アスパラギン側鎖への炭水化物部分の酵素的付着のための認識配列である。したがって、ポリペプチド中のこれらのトリペプチド配列のいずれかの存在は、潜在的グリコシル化部位を作成する。O結合型グリコシル化とは、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリン又はスレオニンへの糖、すなわち、N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又はキシロースのうちの1つの付着を指すが、5-ヒドロキシプロリン又は5-ヒドロキシリシンも使用され得る。
マスクされたサイトカインへのグリコシル化部位の付加又は欠失は、(N結合型グリコシル化部位のための)上記に記載されるトリペプチド配列のうちの1つ以上が作成又は除去されるように、アミノ酸配列を改変することによって、便宜的に達成される。改変はまた、(O結合型グリコシル化部位のための)元の抗体の配列への1つ以上のセリン残基又はスレオニン残基の付加、欠失、又は置換によって行われ得る。
抗体又はその断片がFc領域を含む場合、それに付着した炭水化物は、改変され得る。例えば、抗体のFc領域に付着したフコースを欠く成熟炭水化物構造を有する抗体は、米国特許出願第US2003/0157108号(Presta,L.)に記載されている。US2004/0093621(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)も参照されたい。抗体のFc領域に付着した炭水化物中の二等分N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)を有する抗体は、WO 2003/011878,Jean-Mairet et al.、及び米国特許 第6,602,684号,Umana et al.で参照されている。抗体のFc領域に付着したオリゴ糖中に少なくとも1つのガラクトース残基を有する抗体は、WO 1997/30087,Patel et al.に報告されている。また、そのFc領域に付着した改変炭水化物を有する抗体に関するWO1998/58964(Raju,S.)及びWO1999/22764(Raju,S.)も参照されたい。修飾グリコシル化を有する抗原結合分子に関するUS2005/0123546(Umana et al.)も参照されたい。
ある特定の実施形態では、グリコシル化バリアントは、Fc領域を含み、Fc領域に付着した炭水化物構造は、フコースを欠くか、又は低減されたフコースを有する。そのようなバリアントは、改善されたADCC機能を有する。任意選択的に、Fc領域は、その中に、ADCCをさらに改善する1つ以上のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の位置298、333、及び/又は334(残基のEU番号付け)における置換をさらに含む。「脱フコシル化」抗体又は「フコース欠損」抗体に関連する刊行物の例には、US2003/0157108、WO2000/61739、WO2001/29246、US2003/0115614、US2002/0164328、US2004/0093621、US2004/0132140、US2004/0110704、US2004/0110282、US2004/0109865、WO2003/085119、WO2003/084570、WO2005/035586、WO2005/035778、WO2005/053742、Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239-1249(2004)、Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87.614(2004)が挙げられる。脱フコシル化抗体を産生する細胞株の例としては、タンパク質フコシル化を欠損したLee 13 CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533-545(1986)、米国特許出願第US2003/0157108A1号,Presta,L、及びWO2004/056312A1,Adams et al.、特に実施例11)、及びアルファ-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞(Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004))などのノックアウト細胞株、並びに(31,4-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnT-III)及びゴルジp-マンノシダーゼII(ManII)を過剰発現する細胞が挙げられる。
本明細書の実施形態のうちのいずれかでは、マスクされたサイトカインは、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)活性を改善するように操作され得る。いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、アルファ1,6-フコシルトランスフェラーゼ(Fut8)ノックアウトを有する細胞株で産生され得る。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、低減した内因性アルファ1,6-フコシル化活性を有するように修飾されている。哺乳動物宿主細胞内のフコシル化経路を修飾するための方法の例は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、Yamane-Ohnuki and Satoh,MAbs,1(3):230-236(2009)で見出され得る。FUT8遺伝子の発現を部分的又は完全に不活化するための方法及び組成物の例は、例えば、米国公開 第20160194665A1号、WO2006133148A2に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、CHO細胞のLecl3バリアント(例えば、Shields et al.,J.Biol.Chem.,277(30):26733-40(2002)を参照されたい)、低減したFUT8活性を有するYB2/0細胞株(例えば、Shinkawa et al.,J.Biol.Chem.,278(5):3466-73(2003)を参照されたい)で産生される。いくつかの実施形態では、アルファ1,6-フコシル化に関連する遺伝子に対する低分子干渉RNA(siRNA)が導入され得る(例えば、Mori et al.,Biotechnol.Bioeng.88(7):901-908(2004)、Imai-Nishiya et al.,BMC Biotechnol.7:84(2007)、Omasa et al.,J.Biosci.Bioeng.,106(2):168-173(2008)を参照されたい)。いくつかのさらなる実施形態では、マスクされたサイトカインは、|31,4-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnT-III)を過剰発現する細胞株で産生され得る。さらなる実施形態では、細胞株は、加えて、ゴルジp-マンノシダーゼII(ManII)を過剰発現する。本明細書の実施形態のうちのいくつかでは、マスクされたサイトカインは、ADCC活性を改善するFc領域に少なくとも1つのアミノ酸置換を含み得る。
いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、その血清半減期を改善するように改変される。抗体の血清半減期を増加させるために、例えば、米国特許第 第5,739,277号に記載されるように、連結された抗体(特に抗体断片)にFcRN/サルベージ受容体結合エピトープを組み込み得る。本明細書で使用される場合、「サルベージ受容体結合エピトープ」という用語は、IgG分子のインビボ血清半減期を増加する要因となるIgG分子(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)のFc領域のエピトープを指す(US2003/0190311、米国特許第6,821,505号、米国特許第6,165,745号、米国特許第5,624,821号、米国特許第5,648,260号、米国特許第6,165,745号、米国特許第5,834,597号)。
バリアントの別のタイプは、アミノ酸置換バリアントである。これらのバリアントは、異なる残基により置き換えられた抗体分子中の少なくとも1つのアミノ酸残基を有する。置換変異誘発についての目的の部位としては、超可変領域が挙げられるが、FRの改変もまた企図される。保存的置換は、「好ましい置換」の見出しの下で表3に示されている。そのような置換が生物活性に望ましい変化をもたらす場合、表3において「例示的置換」で表示されるか、又はアミノ酸のクラスに関して以下にさらに記載される、より大きな置換変化が導入され得、生成物がスクリーニングされ得る。
Figure 2023520518000055
抗体の生物学的特性における置換修飾は、(a)例えば、シート又はヘリカル立体構造としての置換領域中のポリペプチド主鎖の構造、(b)標的部位における分子の荷電若しくは疎水性、又は(c)側鎖の体積の維持に対する効果が有意に異なる置換を選択することにより実現される。アミノ酸は、それらの側鎖の特性の類似性に従ってグループ化され得る(A.L.Lehninger,in Biochemistry,second ed.,pp.73-75,Worth Publishers,New York(1975)):
(1)非極性:Ala(A)、Val(V)、Leu(L)、Ile(I)、Pro(P)、Phe(F)、Trp(W)、Met(M)
(2)非荷電極性:Gly(G)、Ser(S)、Thr(T)、Cys(C)、Tyr(Y)、Asn(N)、Gin(Q)
(3)酸性:Asp(D)、Glu(E)
(4)塩基性:Lys(K)、Arg(R)、His(H)
代替的に、天然に存在する残基は、以下の一般的な側鎖の特性に基づいてグループに分けられ得る:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、he、
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gin、
(3)酸性:Asp、Glu、
(4)塩基性:His、Lys、Arg、
(5)鎖の方向性に影響を与える残基:Gly、Pro、
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスのものに交換することを伴う。そのような置換残基はまた、保存的置換部位、又は残りの(非保存的)部位に導入され得る。
別のタイプの置換バリアントは、天然に存在するアミノ酸残基の天然に存在しないアミノ酸残基への置換を伴う。天然に存在しないアミノ酸残基は、例えば、tRNA再コードを通して、又は例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO2016154675A1に記載される方法のうちのいずれかを通して、組み込まれることができる。
置換バリアントの1つのタイプは、親抗体(例えば、ヒト化抗体又はヒト抗体)の1つ以上の超可変領域残基を置換することを伴う。概して、さらなる開発のために選択された結果として生じるバリアントは、それらが生成される親抗体に対して、修飾された(例えば、改善された)生物学的特性を有する。そのような置換バリアントを生成するための便宜的な方法は、ファージディスプレイ、酵母ディスプレイ、又は哺乳動物ディスプレイを使用する親和性成熟を伴う。簡潔には、いくつかの超可変領域部位(例えば、6~7つの部位)が変異され、各部位ですべての可能なアミノ酸置換を生成する。このようにして生成された抗体は、各粒子内にパッケージングされたファージコートタンパク質(例えば、M13の遺伝子III生成物)の少なくとも一部への融合として、繊維状ファージ粒子からディスプレイされる。次いで、ファージディスプレイバリアントが、その生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングされる。修飾のための超可変領域部位候補を識別するために、スキャニング変異誘発(例えば、アラニンスキャニング)を実施し、抗原結合に有意に寄与する超可変領域残基を識別することができる。代替的に、又は加えて、抗体と抗原との間の接触点を識別するために、抗原-抗体複合体の結晶構造を分析することが有益であり得る。そのような接触残基及び隣接残基は、本明細書に詳述されるものを含む、当該技術分野で既知の技術による置換の候補である。そのようなバリアントが生成されると、バリアントのパネルは、本明細書に記載されるものを含む、当該技術分野で既知の技法を使用したスクリーニングを受け、1つ以上の関連アッセイにおいて優れた特性を有する抗体は、さらなる開発のために選択され得る。
マスクされたサイトカインのアミノ酸配列バリアントをコードする核酸分子は、当該技術分野で既知の様々な方法によって調製される。これらの方法には、天然源からの単離(天然に存在するアミノ酸配列バリアントの場合)、又は例えば、抗体の以前に調製されたバリアント若しくは非バリアントバージョンのオリゴヌクレオチド媒介性(若しくは部位指向型)変異誘発、PCR変異誘発、及びカセット変異誘発による調製が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の抗体のFc領域に1つ以上のアミノ酸修飾を導入し、それによって、Fc領域バリアントを生成することが望ましくあり得る。Fc領域バリアントは、ヒンジシステインのアミノ酸位置を含む1つ以上のアミノ酸位置にアミノ酸修飾(例えば、置換)を含む、ヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4 Fc領域)を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるマスクされたサイトカインは、エフェクター機能が強化されたIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4アイソタイプを有する、抗体又はその断片を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるマスクされたサイトカインは、エフェクター機能が強化されたIgG1アイソタイプを有する、抗体又はその断片を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるマスクされたサイトカインは、エフェクター機能が強化されたIgG1アイソタイプを有する。いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、脱フコシル化される。いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、増加したレベルのマンノース部分を有する。いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、増加したレベルの二等分グリカン部分を有する。いくつかの実施形態では、IgG1は、アミノ酸変異を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるマスクされたサイトカインは、IgG1アイソタイプ(例えば、ヒトIgG1アイソタイプ)を有する抗体を含む。いくつかの実施形態では、IgG1は、エフェクター機能を強化する1つ以上のアミノ酸置換を含む。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換S298A、E333A、及びK334Aを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換S239D及びI332Eを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換S239D、A330L、及びI332Eを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換P247I及びA339D又はA339Qを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換D280H、S298Dの有無別のK290S、又はS298Vを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換F243L、R292P、及びY300Lを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換F243L、R292P、Y300L、及びP396Lを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換F243L、R292P、Y300L、V305I、及びP396Lを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換G236A、S239D、及びI332Eを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換K326A及びE333Aを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換K326W及びE333Sを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、K326Eの有無を問わず、アミノ酸置換K290E、S298G、T299Aを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、K326Eの有無を問わず、アミノ酸置換K290N、S298G、T299Aを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換K334Vを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換L235S、S239D、及びK334Vを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換K334V及びQ331M、S239D、F243V、E294L、又はS298Tを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換E233L、Q311M、及びK334Vを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換L234I、Q311M、及びK334Vを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換K334V及びS298T、A330M、又はA330Fを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換K334V、Q311M、及びA330M又はA330Fのいずれかを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換K334V、S298T、及びA330M又はA330Fのいずれかを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換K334V、S239D、及びA330M又はS298Tのいずれかを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換L234Y、Y296W、及びK290Y、F243V、又はE294Lを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換Y296W及びL234Y又はK290Yのいずれかを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換S239D、A330S、及びI332Eを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。
いくつかの実施形態では、IgG1は、エフェクター機能を減少させるか、又は阻害する、1つ以上のアミノ酸置換を含む。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換N297A、N297G、又はN297Qを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換L234A又はL235Aを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換C220S、C226S、C229S、及びP238Sを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換C226S、C229S、E233P、L234V、及びL235Aを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換L234F、L235E、及びP331Sを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。一実施形態では、IgG1は、アミノ酸置換S267E及びL328Fを含み、アミノ酸残基は、KabatのようなEUインデックスに従って番号付けされる。
この説明及び当該技術分野の教示によれば、いくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインの抗体又はその断片は、例えば、Fc領域内に、野生型の対応する抗体と比較して、1つ以上の改変を含み得ることが企図される。例えば、例えば、WO99/51642に記載されるように、改変された(すなわち、改善されたか、又は減少したかのいずれかである)C1q結合及び/又は補体依存性細胞傷害(CDC)をもたらすであろう、特定の改変がFc領域に行われ得ることが考えられる。また、Fc領域バリアントの他の例に関して、Duncan & Winter Nature 322:738-40(1988)、米国特許 第5,648,260号、米国特許 第5,624,821号、及びWO94/29351も参照されたい。WO00/42072(Presta)及びWO2004/056312(Lowman)は、FcRへの結合が改善されたか、又は減少した抗体バリアントを説明する。これらの特許刊行物の内容は、参照により本明細書に具体的に組み込まれる。また、Shields et al.J.Biol.Chem.9(2):6591-6604(2001)も参照されたい。増加した半減期と、母体のIgGの胎児への移入の要因となる新生児Fc受容体(FcRn)への改善された結合とを有する抗体(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))は、US2005/0014934A1(Hinton et al.)に記載されている。これらの抗体は、FcRnへのFc領域の結合を改善する、その中に1つ以上の置換を有するFc領域を含む。改変Fc領域アミノ酸配列を有し、C1q結合能が増加又は減少したポリペプチドバリアントは、米国特許 第6,194,551B1号、WO99/51642に記載されている。これらの特許刊行物の内容は、参照により本明細書に具体的に組み込まれる。また、Idusogie et al.J Immunol.164:4178-4184(2000)も参照されたい。
4.2 マスクされたIL-12サイトカイン・薬物複合体
本発明はまた、1つ以上の薬剤に複合体化された本明細書に開示される任意のIL-12マスクされたサイトカインであり得る、本明細書で提供されるマスクされたIL-12サイトカインを含む、マスクされたIL-12サイトカイン・薬物複合体(MCDC)も提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬剤は、化学療法剤若しくは薬、成長阻害剤、毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌、真菌、植物、若しくは動物起源の酵素的に活性な毒素、又はその断片)、又は放射性同位元素を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬剤は、免疫刺激剤である。
いくつかの実施形態では、マスクされたIL-12サイトカインに複合体化された1つ以上の薬物には、メイタンシノイド(米国特許第5,208,020号、第5,416,064号、及び欧州特許EP0425235B1を参照されたい)、モノメチルオーリスタチン薬物部分DE及びDF(MMAE及びMMAF)などのオーリスタチン(米国特許第5,635,483号及び第5,780,588号、並びに第7,498,298号を参照されたい)、ドラスタチン、カリチアマイシン又はその誘導体(米国特許第5,712,374号、第5,714,586号、第5,739,116号、第5,767,285号、第5,770,701号、第5,770,710号、第5,773,001号、及び第5,877,296号、Hinman et ak,Cancer Res.53:3336-3342(1993)、並びにLode et ak,Cancer Res.58:2925-2928(1998)を参照されたい)、ダウノマイシン又はドキソルビシンなどのアントラサイクリン(Kratz et ak,Current Med.Chem.13:477-523(2006)、Jeffrey et ak,Bioorganic & Med.Chem.Letters 16:358-362(2006)、Torgov et ak,Bioconj.Chem.16:717-721(2005)、Nagy et ak,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:829-834(2000)、Dubowchik et ak,Bioorg.& Med.Chem.Letters 12:1529-1532(2002)、King et ak,J.Med.Chem.45:4336-4343(2002)、及び米国特許第6,630,579号を参照されたい)、メトトレキサート、ビンデシン、ドセタキセル、パクリタキセル、ラロタキセル、テセタキセル、及びオルタタキセルなどのタキサン、トリコテセン、並びにCC1065が含まれるが、これらに限定されない。
別の実施形態では、マスクされたIL-12サイトカインに複合体化された1つ以上の薬物には、チューブリン重合の阻害剤(例えば、メイタンシノイド及びオーリスタチン)、DNA損傷剤(例えば、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)二量体、カリチアミシン、デュオカルマイシン、及びインド-リノベンゾジアゼピン二量体)、並びにDNA合成阻害剤(例えば、エキサテカン誘導体Dxd)が含まれるが、これらに限定されない。
別の実施形態では、マスクされたIL-12サイトカイン・薬物複合体は、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、エキソトキシンA鎖(Pseudomonas aeruginosa由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシンA鎖、アルファ-サルシン、Aleurites fordiiタンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、Phytolaca americanaタンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP-S)、momordica charantia阻害剤、クルシン、クロチン、sapaonaria officinalis阻害剤、ジェロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、及びトリコテセンを含むが、これらに限定されない、酵素的に活性な毒素又はその断片に複合体化された本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインを含む。
別の実施形態では、マスクされたIL-12サイトカイン・薬物複合体は、放射性原子に複合体化された本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインを含み、放射性複合体を形成する。様々な放射性同位体が、放射性複合体の産生に利用可能である。例としては、At211、1131、1125、Y90、Rel86、Rel88、Sml53、B1212、P32、Pb212、及びLuの放射性同位元素が挙げられる。放射性複合体が検出に使用されるとき、これは、例えば、tc99m若しくは1123などのシンチグラフィー研究検査用の放射性原子、又は再びヨウ素-123、ヨウ素-131、インジウム-111、フッ素-19、炭素-13、窒素-15、酸素-17、ガドリニウム、マンガン、若しくは鉄などの核磁気共鳴(NMR)画像法(磁気共鳴画像法、MRIとしても知られる)用のスピン標識を含み得る。
いくつかの実施形態では、マスクされたIL-12サイトカイン・薬物複合体は、1つ以上の免疫刺激剤に複合体化された本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインを含む。いくつかの実施形態では、免疫刺激剤は、インターフェロン遺伝子(STING)アゴニスト又はtoll様受容体(TER)アゴニストの刺激剤である。
STINGアゴニストは、STINGの任意のアゴニストであり得る。いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、環状ジヌクレオチド(CDN)である。CDNは、任意のCDN又はその誘導体若しくはバリアントであり得る。いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、cGAMP、c-di-AMP、c-di-GMP、cAIMP、及びc-di-IMPからなる群から選択されるCDNである。いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、cGAMP、c-di-AMP、c-di-GMP、cAIMP、及びc-di-IMPからなる群から選択されるCDNの誘導体又はバリアントである。いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、4-(2-クロロ-6-フルオロベンジル)-N-(フラン-2-イルメチル)-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-カルボキサミド、又はその誘導体若しくはバリアントである。例えば、Sali et al.(2015)PloS Pathog.,11(12):e!005324を参照されたい。
TLRアゴニストは、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、又はTLR10などの任意のTLRのアゴニストであり得る。いくつかの実施形態では、TLRアゴニストは、TLR1、TLR2、TLR4、又はTLR5などの細胞表面上で発現されるTLRのアゴニストである。いくつかの実施形態では、TLRアゴニストは、TLR3、TLR7、TLR8、TLR9、又はTLR10などの細胞内で発現されるTLRのアゴニストである。
マスクされたIL-12サイトカイン及び細胞傷害性薬剤の複合体は、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチルアジピミジン酸塩HClなど)、活性エステル(スベリン酸ジスクシンイミジルなど)、アルデヒド(グルタルアルデヒドなど)、ビス-アジド化合物(ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミンなど)、ビス-ジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミンなど)、ジイソシアネート(トルエン2,6-ジイソシアネートなど)、及びビス-活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンなど)などの様々な二官能性タンパク質結合剤を使用して作製され得る。例えば、リシンイムノトキシンは、Vitetta et ah,Science 238:1098(1987)に記載されるように調製されることができる。炭素-14-標識1-イソチオシアネートベンジル-3-メチルジエチレントリアミンペンタ酢酸(MX-DTPA)は、抗体への放射性ヌクレオチドの複合体化のための例示的キレート剤である。W094/11026を参照されたい。リンカーは、細胞における細胞傷害性薬物の放出を促進する「切断可能なリンカー」であり得る。例えば、酸不安定リンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、光不安定リンカー、ジメチルリンカー、又はジスルフィド含有リンカー(Chari et ah,Cancer Res.52:127-131(1992)、米国特許第5,208,020号)が、使用され得る。
本明細書のMCDCは、BMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC-SMCC、
MBS、MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ-EMCS、スルホ-GMBS、スルホ-KMUS、スルホ-MBS、スルホ-SIAB、スルホ-SMCC、及びスルホ-SMPB、並びにSVSB((例えば、Pierce Biotechnology,Inc.,Rockford,IL.,U.S.Aから)市販されているスクシンイミジル-(4-ビニルスルホン安息香酸))を含むが、これらに限定されない、架橋試薬を用いて調製されるそのような複合体を明示的に企図するが、これらに限定されない。
4.3 ベクター、宿主細胞、及び組換え方法
本発明のIL-12マスクされたサイトカインの組換え産生については、それをコードする1つ以上の核酸は、さらなるクローニング(DNAの増幅)のため、
又は発現のために、単離され、複製可能なベクターに挿入される。その成分を含む、マスクされたIL-12サイトカインをコードするDNAは、従来の手順を使用して容易に単離及び配列決定される。多くのベクターが利用可能である。ベクターの選択は、使用される宿主細胞に部分的に依存する。概して、宿主細胞は、原核細胞又は真核細胞(概して哺乳動物)起源のいずれかである。適用可能であるときに、IgG、IgM、IgA、IgD、及びIgE定常領域を含む、抗体又はその断片の任意のアイソタイプの定常領域が、この目的で使用され得、そのような定常領域は、任意のヒト又は動物種から取得され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、1つのベクターが、IL-12マスクされたサイトカインをコードするために使用される。いくつかの実施形態では、1つを超えるベクターが、マスクされたIL-12サイトカインをコードするために使用される。
1.原核宿主細胞を使用したマスクされたIL-12サイトカインの生成
a.ベクター構築
本発明のマスクされたサイトカインのポリペプチド成分をコードするポリヌクレオチド配列は、標準的な組換え技法を使用して取得されることができる。抗体又はその抗体断片の所望のポリヌクレオチド配列は、ハイブリドーマ細胞などの抗体産生細胞から単離され、配列決定され得る。代替的に、ポリヌクレオチドは、ヌクレオチド合成器若しくはPGR技法を使用して合成されるか、又は他の供給源から取得されることができる。取得されると、マスクされたサイトカインの成分をコードする配列は、原核宿主において異種ポリヌクレオチドを複製及び発現することが可能な組換えベクターに挿入される。当該技術分野で利用可能かつ既知の多くのベクターが、本発明の目的で使用されることができる。適切なベクターの選択は、主に、ベクターに挿入される核酸のサイズ、及びベクターで形質転換される特定の宿主細胞に依存するであろう。各ベクターは、その機能(異種ポリヌクレオチドの増幅若しくは発現、又はその両方)、及びそれが常駐する特定の宿主細胞とのその適合性に応じて、様々な成分を含有する。ベクター成分には、一般的に、複製起点、選択マーカー遺伝子、プロモーター、リボソーム結合部位(RBS)、シグナル配列、異種核酸挿入、及び転写ターミネーター配列が含まれるが、これらに限定されない。
一般に、宿主細胞と適合する種に由来するレプリコン及び制御配列を含有するプラスミドベクターが、これらの宿主に関連して使用される。ベクターは、通常、複製部位、並びに形質転換細胞において表現型選択を提供することが可能なマーキング配列を担持する。例えば、E.coliは、典型的には、E.coli種に由来するプラスミドであるpBR322を使用して形質転換される。pBR322は、遺伝子コードアンピシリン(Amp)及びテトラサイクリン(Tet)耐性を含有し、したがって、形質転換細胞を識別するための容易な手段を提供する。pBR322、その誘導体、又は他の微生物プラスミド若しくはバクテリオファージもまた、内因性タンパク質の発現のために微生物によって使用され得るプロモーターを含有し得るか、又は含有するように修飾され得る。特定の抗体の発現に使用されるpBR322誘導体の例は、Carter et ah,米国特許 第5,648,237号に記載されている。
加えて、宿主微生物と適合するレプリコン及び制御配列を含有するファージベクターが、これらの宿主に関連して形質転換ベクターとして使用されることができる。例えば、E.coli LE392などの感受性宿主細胞を形質転換するために使用され得る組換えベクターを作製する際に、7GEM.TM.-11などのバクテリオファージが利用され得る。
本発明の発現ベクターは、ポリペプチド成分の各々をコードする、2つ以上のプロモーター-シストロン対を含み得る。プロモーターは、その発現を調節するシストロンの上流(5’)に位置する非翻訳調節配列である。原核プロモーターは、典型的には、誘導性及び恒常性の2つのクラスに分類される。誘導性プロモーターは、培養条件の変化、例えば、栄養素の存在若しくは非存在又は温度の変化に応答して、その制御下でシストロンの転写のレベルの増加を開始するプロモーターである。
様々な潜在的宿主細胞によって認識される多数のプロモーターが周知である。選択されたプロモーターは、制限酵素消化を介してプロモーターをソースDNAから除去し、単離されたプロモーター配列を本発明のベクターに挿入することによって、マスクされたサイトカインのいずれかの鎖をコードするシストロンDNAに動作可能に連結されることができる。天然プロモーター配列及び多くの異種プロモーターの両方が、標的遺伝子の増幅及び/又は発現を指示するために使用され得る。
いくつかの実施形態では、異種プロモーターは、それらが、天然標的ポリペプチドプロモーターと比較して、発現された標的遺伝子のより大きな転写量及びより高い収率を一般的に許容するため、利用される。
原核宿主とともに使用するために好適なプロモーターには、PhoAプロモーター、[3-ガラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系、トリプトファン(trp)プロモーター系、及びtac又はtrcプロモーターなどのハイブリッドプロモーターが挙げられる。しかしながら、細菌において機能する他のプロモーター(他の既知の細菌又はファージプロモーターなど)も同様に好適である。それらのヌクレオチド配列が公開されており、それによって、当業者が、任意の必要な制限部位を供給するためのリンカー又はアダプターを使用して、例えば、軽鎖及び重鎖を含むマスクされたサイトカインのための標的軽鎖及び重鎖をコードするシストロンにそれらを動作可能にライゲーションすることを可能にしている(Siebenlist et al.(1980)Cell 20:269)。
本発明の一態様では、組換えベクター内の各シストロンは、膜にわたって発現ポリペプチドの転座を配向する分泌シグナル配列成分を含む。一般に、シグナル配列は、ベクターの成分であり得るか、又はベクターに挿入される標的ポリペプチドDNAの一部であり得る。本発明の目的のために選択されるシグナル配列は、宿主細胞によって認識及び処理される(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断される)ものであるべきである。異種ポリペプチドに対して天然のシグナル配列を認識及び処理しない原核宿主細胞については、シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、Ipp、又は熱安定性エンテロトキシンII(STII)リーダー、LamB、PhoE、PelB、OmpA、及びMBPからなる群から選択される原核生物シグナル配列によって置換される。本発明の一実施形態では、発現系の両方のシストロンで使用されるシグナル配列は、STIIシグナル配列又はそのバリアントである。
別の態様では、本発明によるポリペプチド成分の産生は、宿主細胞の細胞質内で生じ得るため、各シストロン内の分泌シグナル配列の存在を必要としない。この点に関して、免疫グロブリン軽鎖及び重鎖を含む実施形態については、例えば、軽鎖及び重鎖は、マスキング部分、リンカー配列の有無を問わず発現され、例えば、フォールディング及びアセンブリされて、細胞質内に機能的免疫グロブリンを形成する。ある特定の宿主株(例えば、E.coli trxB株)は、ジスルフィド結合形成に好ましい細胞質条件を提供し、それによって、発現されたタンパク質サブユニットの適切なフォールディング及びアセンブリを可能にする。Proba and Pluckthun Gene,159:203(1995)を参照されたい。
本発明のマスクされたサイトカインはまた、本発明の分泌及び適切にアセンブリされた抗体の収率を最大化するために、発現ポリペプチド成分の定量的比が調節され得る、発現系を使用することによって産生されることができる。そのような調節は、ポリペプチド成分の翻訳強度を同時に調節することによって少なくとも部分的に達成される。
本発明のマスクされたサイトカインを発現するために好適な原核宿主細胞には、例えば、グラム陰性又はグラム陽性生物などの古細菌及び真正細菌が含まれる。有用な細菌の例としては、Escherichia(例えば、E.coli)、Bacilli(例えば、B.subtilis)、Enterobacteria、Pseudomonas種(例えば、P.aeruginosa)、Salmonella typhimurium、Serratia marcescans、Klebsiella、Proteus、Shigella、Rhizobia、Vitreoscilla、又はParacoccusが挙げられる。一実施形態では、グラム陰性細胞が使用される。一実施形態では、E.coli細胞が、本発明の宿主として使用される。E.coli株の例としては、遺伝子型W3110 AfhuA(AtonA)ptr3 lac Iq lacL8 AompTA(nmpc-fepE)degP41 kanR(米国特許第5,639,635号)を有する33D3株を含む、W3110株(Bachmann,Cellular and Molecular Biology,vol.2(Washington,D.C.:American Society for Microbiology,1987),pp.1190-1219;ATCC Deposit No.27,325)及びその誘導体が挙げられる。E.coli 294(ATCC 31,446)、E.coli B、E.coli 1776(ATCC 31,537)、及びE.coli RV308(ATCC 31,608)などの他の株及びその誘導体も好適である。これらの例は、限定するものではなく例示的なものである。定義された遺伝子型を有する上述の細菌のうちのいずれかの誘導体を構築するための方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、Bass et ah,Proteins,8:309-314(1990)に記載されている。細菌の細胞内のレプリコンの複製可能性を考慮して、適切な細菌を選択することが一般的に必要である。例えば、pBR322、pBR325、pACYC177、又はpKN410などの周知のプラスミドを使用してレプリコンを供給する場合、E.coli、Serratia、又はSalmonella種を宿主として好適に使用することができる。典型的には、宿主細胞は、最小限の量のタンパク質分解酵素を分泌するべきであり、追加のプロテアーゼ阻害剤は、望ましくは、細胞培養に組み込まれ得る。
b.マスクされたサイトカインの産生
宿主細胞は、上記に記載される発現ベクターで形質転換され、プロモーターを誘導するか、形質転換体を選択するか、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために、適宜に修飾された従来の栄養素培地中で培養される。
形質転換とは、DNAが、染色体外要素として、又は染色体統合体によってのいずれかで複製可能であるように、原核宿主にDNAを導入することを意味する。使用される宿主細胞に応じて、形質転換は、そのような細胞に適切な標準的な技術を使用して行われる。塩化カルシウムを用いるカルシウム処理は、実質的な細胞壁障壁を含有する細菌細胞に一般的に使用される。形質転換のための別の方法は、ポリエチレングリコール/DMSOを用いる。使用されるさらに別の技法は、電気穿孔法である。
本発明のマスクされたサイトカインを産生するために使用される原核細胞は、当該技術分野で既知の培地中で増殖され、選択された宿主細胞の培養に好適である。好適な培地の例としては、必要な栄養補助剤を加えたルリアブロス(LB)が挙げられる。いくつかの実施形態では、培地はまた、発現ベクターの構築に基づいて選択される選択剤を含有し、発現ベクターを含有する原核細胞の増殖を選択的に許容する。例えば、アンピシリン耐性遺伝子を発現する細胞の増殖のために、アンピシリンが培地に添加される。
炭素、窒素、及び無機リン酸源以外の任意の必要な補助剤もまた、単独で、又は別の補助剤若しくは複合窒素源などの培地との混合物として、適切な濃度で含まれ得る。任意選択的に、培養培地は、グルタチオン、システイン、シスタミン、チオグリコレート、ジチオエリスリトール、及びジチオスレイトールからなる群から選択される1つ以上の還元剤を含有し得る。
原核宿主細胞は、好適な温度で培養される。ある特定の実施形態では、E.coliの増殖については、増殖温度は、約20℃~約39℃、約25℃~約37℃、又は約30℃の範囲である。培地のpHは、主に宿主生物に応じて、約5~約9の範囲の任意のpHであり得る。ある特定の実施形態では、E.coliについては、pHは、約6.8~約7.4、又は約7.0である。
誘導性プロモーターが本発明の発現ベクターで使用される場合、タンパク質発現は、プロモーターの活性化に好適な条件下で誘導される。本発明の一態様では、PhoAプロモーターは、ポリペプチドの転写を制御するために使用される。したがって、形質転換された宿主細胞は、誘導のためにリン酸制限培地中で培養される。ある特定の実施形態では、リン酸制限培地は、C.R.A.P.培地である(例えば、Simmons et ah,J.Immunol.Methods(2002),263:133-147を参照されたい)。当該技術分野で既知であるように、用いられるベクター構築物に従って、様々な他の誘導剤が使用され得る。
一実施形態では、本発明の発現されたマスクされたサイトカインは、宿主細胞の周辺質に分泌され、そこから回収される。タンパク質回収は、典型的には、一般に浸透圧ショック、超音波処理、又は溶解などの手段によって微生物を破壊することを伴う。細胞が破壊されると、細胞片又は細胞全体が、遠心分離又は濾過によって除去され得る。タンパク質は、例えば、親和性樹脂クロマトグラフィーによってさらに精製され得る。代替的に、タンパク質は、培養培地に輸送され、その中で単離されることができる。細胞は、培養物から除去され得、培養上清は、産生されたタンパク質のさらなる精製のために濾過及び濃縮される。発現されたポリペプチドは、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)及びウェスタンブロットアッセイなどの一般的に既知の方法を使用して、さらに単離及び識別されることができる。
本発明の一態様では、マスクされたサイトカイン産生は、発酵プロセスによって大量に行われる。組換えタンパク質の産生には、様々な大規模な流加発酵手順が利用可能である。大規模な発酵は、少なくとも1000リットルの容量を有し、ある特定の実施形態では、約1,000~100,000リットルの容量を有する。これらの発酵槽は、酸素及び栄養素、特にグルコースを分配するために撹拌器インペラーを使用する。小規模の発酵とは、一般的に、体積容量が約100リットル以下であり、かつ約1リットル~約100リットルの範囲であり得る、発酵槽内の発酵を指す。
発酵プロセスでは、タンパク質発現の誘導は、典型的には、細胞が好適な条件下で、所望の密度、例えば、約180~220のOD550まで増殖させられた後に開始され、その段階で、細胞は初期静止期にある。様々な誘導剤が、当該技術分野で既知であり、上記に記載されるように、用いられるベクター構築物に従って使用され得る。細胞は、誘導の前により短い期間にわたって増殖され得る。細胞は通常、約12~50時間誘導されるが、より長い又はより短い誘導時間が使用されてもよい。
本発明のポリペプチドの産生収率及び品質を改善するために、様々な発酵条件が修正され得る。例えば、分泌抗体ポリペプチドの適切なアセンブリ及びフォールディングを改善するために、Dsbタンパク質(DsbA、DsbB、DsbC、DsbD、及び/又はDsbG)又はFkpA(カペロン活性を有するペプチジルプロリルシス,トランス-イソメラーゼ)などのシャペロンタンパク質を過剰発現する追加のベクターが、宿主原核細胞を共形質転換するために使用されることができる。シャペロンタンパク質は、細菌宿主細胞中で産生される異種タンパク質の適切なフォールディング及び溶解性を促進することが実証されている。Chen et al.(1999)J.Biol.Chem.274:19601-19605、Georgiou et ak,米国特許 第6,083,715号、Georgiou et ak,米国特許 第6,027,888号、Bothmann and Pluckthun(2000)J.Biol.Chem.275:17100-17105、Ramm and Pluckthun(2000)J.Biol.Chem.275:17106-17113、Arie et ak(2001)Mol.Microbiol.39:199-210.
発現された異種タンパク質(特に、タンパク質分解感受性であるタンパク質)のタンパク質分解を最小化するために、タンパク質分解酵素を欠損したある特定の宿主株が、本発明に使用されることができる。例えば、宿主細胞株は、プロテアーゼIII、OmpT、DegP、Tsp、プロテアーゼI、プロテアーゼMi、プロテアーゼV、プロテアーゼVI、及びそれらの組み合わせなどの既知の細菌プロテアーゼをコードする遺伝子内の遺伝的変異に影響するように修飾され得る。いくつかのE.coliプロテアーゼ欠損株が、利用可能であり、例えば、上記のJoly et ak(1998)、Georgiou et ak,米国特許 第5,264,365号、Georgiou et ak,米国特許 第5,508,192号、Kara et ak,Microbial Drug Resistance,2:63-72(1996)に記載されている。
一実施形態では、タンパク質分解酵素を欠損し、かつ1つ以上のシャペロンタンパク質を過剰発現するプラスミドで形質転換されたE.coli株は、本発明の発現系において宿主細胞として使用される。
c.マスクされたサイトカインの精製
いくつかの実施形態では、本明細書で産生されるマスクされたサイトカインは、さらなるアッセイ及び使用のために実質的に均質である調製物を取得するためにさらに精製される。当該技術分野で既知の標準的なタンパク質精製方法を用いることができる。以下の手順は、好適な精製手順の例である:免疫親和性カラム又はイオン交換カラム上の分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上又はDEAEなどの陽イオン交換樹脂上のクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、硫酸アンモニウム沈殿、及び例えば、Sephadex G-75を使用するゲル濾過。
いくつかの実施形態では、固相上に固定化されたプロテインAは、本発明のマスクされたサイトカインの免疫親和性精製に使用される。プロテインAは、抗体のFc領域に高い親和性で結合する、Staphylococcus aureas由来の41kD細胞壁タンパク質である。Lindmark et al(1983)J.Immunol.Meth.62:1-13。プロテインAが固定化される固相は、ガラス若しくはシリカ表面を含むカラム、又は制御細孔ガラスカラム若しくはケイ酸カラムであり得る。いくつかの用途では、カラムは、グリセロールなどの試薬でコーティングされ、汚染物質の非特異的な付着を防止する可能性がある。
精製の第1のステップとして、上記に記載される細胞培養に由来する調製物が、プロテインA固定化固相に適用され、プロテインAへの目的の抗体の特異的結合を可能にすることができる。次いで、固相が洗浄され、固相に非特異的に結合された汚染物質を除去する。最後に、目的のマスクされたサイトカインは、溶出によって固相から回収される。
マスクされたサイトカインの成分への高い親和性結合を提供する精製の他の方法は、当技術分野で既知の標準的なタンパク質精製方法に従って用いられることができる。
2.真核宿主細胞を使用したマスクされたサイトカインの生成
真核宿主細胞で使用するためのベクターには、概して、以下の非限定的な構成要素、すなわち、シグナル配列、複製起点、1つ以上のマーカー遺伝子、エンハンサー要素、プロモーター、及び転写終結配列のうちの1つ以上が含まれる。
a.シグナル配列成分
真核宿主細胞で使用するためのベクターはまた、シグナル配列、又は成熟タンパク質若しくは目的のポリペプチドのN末端に特定の切断部位を有する他のポリペプチドを含有し得る。選択される異種シグナル配列は、宿主細胞によって認識及び処理される(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断される)ものであり得る。哺乳動物細胞発現では、哺乳動物シグナル配列及びウイルス分泌リーダー、例えば、単純ヘルペスgDシグナルが利用可能である。
そのような前駆体領域のDNAは、リーディングフレーム内でマスクされたサイトカインをコードするDNAにライゲーションされる。
b.複製起点
概して、複製起点成分は、哺乳動物発現ベクターに必要とされない。例えば、SV40起点は、典型的には、早期プロモーターを含むためにのみ使用され得る。
c.選択遺伝子成分
発現ベクター及びクローニングベクターは、選択可能マーカーとも称される、選択遺伝子を含有し得る。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質若しくは他の毒素、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、若しくはテトラサイクリンに対する耐性を付与するタンパク質、(b)関連する場合、栄養要求性欠損を相補するタンパク質、又は(c)複合培地から利用可能ではない重要な栄養素を供給するタンパク質をコードする。
選択スキームの1つの例は、宿主細胞の増殖を停止するための薬物を利用する。異種遺伝子で正常に形質転換することに成功したそれらの細胞は、薬物抵抗性を付与するタンパク質を産生し、したがって、選択レジメンを生き延びる。そのような優性選択の例は、ネオマイシン、ミコフェノール酸、及びハイグロマイシンという薬物を使用する。
哺乳動物細胞のための好適な選択可能マーカーの別の例は、DHFR、チミジンキナーゼ、メタロチオネイン-I及び-II、霊長類メタロチオネイン遺伝子、アデノシンデアミナーゼ、オルニチンデカルボキシラーゼなどの核酸をコードするマスクされたサイトカインを取り込む能力がある細胞の識別を可能にするものである。
例えば、いくつかの実施形態では、DHFR選択遺伝子で形質転換された細胞は、最初に、DHFRの競合的アンタゴニストであるメトトレキサート(Mtx)を含有する培養培地中ですべての形質転換体を培養することによって識別される。いくつかの実施形態では、野生型DHFRが用いられるときの適切な宿主細胞は、DHFR活性が欠損したチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株(例えば、ATCC CRL-9096)である。
代替的に、マスクされたサイトカイン、野生型DHFRタンパク質、及びアミノグリコシド3’-ホスホトランスフェラーゼ(APH)などの別の選択可能マーカーをコードするDNA配列で形質転換又は共形質転換された宿主細胞(特に、内因性DHFRを含有する野生型宿主)は、アミノグリコシド系抗生物質、例えば、カナマイシン、ネオマイシン、またG418などの選択可能マーカーの選択剤を含有する培地中の細胞増殖によって、選択されることができる。米国特許 第4,965,199号を参照されたい。宿主細胞は、グルタミン合成酵素(GS)を欠損した細胞株を含む、NS0を含み得る。哺乳動物細胞用の選択可能マーカーとしてのGSの使用のための方法は、米国特許 第5,122,464号及び米国特許 第5,891,693号に記載されている。
d.プロモーター成分
発現ベクター及びクローニングベクターは、通常、宿主生物によって認識され、本明細書に記載される任意のマスクされたサイトカインであり得る、目的のマスクされたサイトカインをコードする核酸に動作可能に連結される、プロモーターを含有する。プロモーター配列は、真核生物について既知である。例えば、ほぼすべての真核遺伝子は、転写が開始される部位からおよそ25~30塩基上流に位置するAT豊富領域を有する。多くの遺伝子の転写の開始から70~80塩基上流に見出される別の配列は、Nが任意のヌクレオチドであり得る、CNCAAT領域である。ほとんどの真核遺伝子の3’末端に、コード配列の3’末端へのポリAテールの付加のためのシグナルであり得るAATAAA配列がある。ある特定の実施形態では、これらの配列のうちのいずれか又はすべては、真核生物発現ベクターに好適に挿入され得る。
哺乳動物宿主細胞中のベクターからの転写は、例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(アデノウイルス2など)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、及びシミアンウイルス40(SV40)などのウイルスのゲノムから、異種哺乳動物プロモーター、例えば、アクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーターから、熱ショックプロモーターから取得されるプロモーターによって制御されるが、但し、そのようなプロモーターが宿主細胞系と適合性であることを条件とする。
SV40ウイルスの早期及び後期プロモーターは、SV40ウイルス複製起点も含有するSV40制限断片として便宜的に取得される。ヒトサイトメガロウイルスの即時早期プロモーターは、HindIII E制限断片として便宜的に取得される。ウシパピローマウイルスをベクターとして使用して哺乳動物宿主においてDNAを発現するための系は、米国特許 第4,419,446号に開示されている。この系の修飾は、米国特許 第4,601,978号に記載されている。また、単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼプロモーターの制御下でのマウス細胞におけるヒト[3-インターフェロンcDNAの発現を記載している、Reyes et ah,Nature 297:598-601(1982)も参照されたい。代替的に、ラウス肉腫ウイルス長末端反復をプロモーターとして使用することができる。
e.エンハンサー要素成分
高等真核生物による本発明のマスクされたサイトカインをコードするDNAの転写は、しばしば、エンハンサー配列をベクターに挿入することによって増加される。多くのエンハンサー配列は、現在、哺乳動物遺伝子(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、a-フェトプロテイン、及びインスリン)から既知である。しかしながら、典型的には、真核細胞ウイルス由来のエンハンサーが使用されるであろう。例としては、複製起点の後期側のSV40エンハンサー(bp100~270)、ヒトサイトメガロウイルス早期プロモーターエンハンサー、マウスサイトメガロウイルス早期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー、及びアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。また、Yaniv,Nature 297:17-18(1982)(真核生物プロモーターの活性化のためのエンハンサー要素について記載している)も参照されたい。エンハンサーは、マスクされたサイトカインコード配列に対する位置5’又は3’においてベクターにスプライスされ得るが、一般的に、プロモーターから5’の部位に位置する。
f.転写終結成分
真核宿主細胞で使用される発現ベクターはまた、転写の終結のため、及びmRNAの安定化のために必要な配列を含有し得る。そのような配列は、真核若しくはウイルスDNA又はcDNAの5’及び場合により3’の非翻訳領域から一般的に利用可能である。これらの領域は、マスクされたサイトカインをコードするmRNAの非翻訳部分にポリアデニル化断片として転写されたヌクレオチドセグメントを含有する。1つの有用な転写終結成分は、ウシ成長ホルモンポリアデニル化領域である。WO94/11026及びその中に開示される発現ベクターを参照されたい。
g.宿主細胞の選択及び形質転換
本明細書のベクター中でDNAをクローニング又は発現するための好適な宿主細胞は、脊椎動物宿主細胞を含む、本明細書に記載される高等真核生物細胞を含む。培養(組織培養)における脊椎動物細胞の増殖は、日常的な手順となっている。有用な哺乳動物宿主細胞株の例としては、SV40(COS-7、ATCC CRL 1651)によって形質転換されたサル腎臓CV1株、ヒト胚腎臓株(懸濁培養での増殖用にサブクローニングされた293又は293細胞、Graham et ah,J.Gen Virol.36:59(1977))、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10)、チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO、Urlaub et ah,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980))、マウスセルトリ細胞(TM4、Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980))、サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76、ATCC CRL-1587)、ヒト子宮頸がん細胞(HELA、ATCC CCL 2)、イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝臓細胞(BEL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB 8065)、マウス乳腺腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51)、TRI細胞(Mather et ah,Annals N.Y.Acad.Sci.383:44-68(1982))、MRC5細胞、FS4細胞、及びヒト肝がん株(Hep G2)が挙げられる。
宿主細胞は、マスクされたサイトカインの産生のために上記に記載される発現又はクローニングベクターで形質転換され、プロモーターを誘導するために、形質転換体を選択するために、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために、適宜に修飾された従来の栄養素培地中で培養される。
h.宿主細胞の培養
本発明のマスクされたサイトカインを産生するために使用される宿主細胞は、様々な培地中で培養され得る。Ham’s F10(Sigma)、最小必須培地((MEM)、Sigma)、RPMI-1640(Sigma)、及びダルベッコ改変イーグル培地((DMEM)、Sigma)などの市販の培地は、宿主細胞を培養するために好適である。加えて、Ham et ah,Meth.Enz.58:44(1979)、Barnes et ah,Anal.Biochem.102:255(1980)、米国特許 第4,767,704号、第4,657,866号、A,921,162¥第4,560,655号、又は第5,122,469号、WO 90/03430、WO 87/00195、又は米国特許 再発行第30,985号に記載される培地のうちのいずれかが、宿主細胞の培養培地として使用され得る。これらの培地のうちのいずれかは、必要な場合、ホルモン及び/又は他の成長因子(インスリン、トランスフェリン、又は上皮成長因子など)、塩(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、及びリン酸塩など)、緩衝剤(HEPESなど)、ヌクレオチド(アデノシン及びチミジンなど)、抗生物質(GENTAMYCIN(商標)薬物など)、微量元素(通常、マイクロモル範囲内の最終濃度で存在する無機化合物として定義される)、及びグルコース又は同等のエネルギー源で補充され得る。任意の他の補助剤も、当業者に既知であろう適切な濃度で含まれ得る。温度、pH、及び同等物などの培養条件は、発現のために選択された宿主細胞で以前に使用されたものであり、当業者には明らかであろう。
i.マスクされたサイトカインの精製
組換え技法を使用するとき、マスクされたサイトカインは、細胞内で産生されるか、又は培地中に直接分泌されることができる。マスクされたサイトカインが第1のステップとして細胞内で産生される場合、宿主細胞又は溶解断片のいずれかである微粒子状破片が、例えば、遠心分離又は限外濾過によって除去され得る。マスクされたサイトカインが培地中に分泌されるとき、そのような発現系由来の上清は、最初に、市販のタンパク質濃度フィルター、例えば、Amicon又はMillipore Pellicon限外濾過ユニットを使用して濃縮され得る。PMSFなどのプロテアーゼ阻害剤が、タンパク質分解を阻害するための前述のステップのうちのいずれかに含まれ得、抗生物質が、外来性汚染物質の増殖を防止するために含まれ得る。
細胞から調製されたマスクされたサイトカイン組成物は、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及び親和性クロマトグラフィーを使用して精製されることができ、親和性クロマトグラフィーが便宜的な技法である。親和性リガンドとしてのプロテインAの好適性は、もしあれば、マスクされたサイトカインに存在する任意の免疫グロブリンFcドメインの種及びアイソタイプに依存する。プロテインAが、ヒトIgGl、IgG2、又はIgG4重鎖に基づく抗体を精製するために使用されることができる(Lindmark et ak,J.Immunol.Methods 62:1-13(1983))。プロテインGが、すべてのマウスアイソタイプ及びヒトy3について推奨される(Guss et ak,EMBO J.5:15671575(1986))。親和性リガンドが付着しているマトリックスは、アガロースであり得るが、他のマトリックスも利用可能である。制御細孔ガラス又はポリ(スチレンジビニル)ベンゼンなどの機械的に安定したマトリックスは、アガロースで達成され得るよりも速い流量及び短い処理時間を可能にする。マスクされたサイトカインがCH3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX(商標)樹脂(J.T.Baker,Phillipsburg,N.J.)が精製に有用である。
イオン交換カラム上の分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上のクロマトグラフィー、ヘパリンSEPHAROSE(商標)上のクロマトグラフィー、陰イオン又は陽イオン交換樹脂(ポリアスパラギン酸カラムなど)上のクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、及び硫酸アンモニウム沈殿などのタンパク質精製のための他の技法もまた、回収されるマスクされたサイトカインに応じて利用可能である。
任意の予備的精製ステップに続いて、目的のマスクされたサイトカイン及び汚染物質を含む混合物は、例えば、低塩濃度(例えば、約0~0.25M塩)で実施される、約2.5~4.5のpHにおける溶出緩衝液を使用した低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーによって、さらなる精製を受け得る。
一般に、研究、試験、及び臨床用途における使用のためのマスクされたサイトカインを調製するための様々な方法論は、上記に記載される方法論と一致し、及び/又は特定の目的のマスクされたサイトカインについて当業者によって適切であるとみなされるように、当該技術分野で定着している。
5.組成物
いくつかの態様では、また、本明細書で供されるものは、本明細書に記載されるIL-12マスクされたサイトカインのうちのいずれかを含む組成物である。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインの例示的実施形態のうちのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインのうちのいずれかの二量体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、医薬組成物である。いくつかの実施形態では、組成物は、マスクされたIL-12サイトカインを含み、以下に詳細に記載される構成要素のうちの1つ以上をさらに含む。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤、安定剤、緩衝剤、防腐剤、等張剤、非イオン性界面活性剤若しくは洗剤、又は他の治療剤若しくは活性化合物、又はそれらの組み合わせを含む。組成物の様々な実施形態は、本明細書では製剤と称されることもある。
治療用製剤は、所望の純度を有する活性成分を、任意選択的な薬学的に許容される担体、賦形剤、又は安定剤と混合することによって、保管のために調製される(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,Lippincott Williams & Wiklins,Pub.,Gennaro Ed.,Philadelphia,Pa.2000)。許容される担体、賦形剤、又は安定剤は、用いられる投与量及び濃度でレシピエントにとって非毒性であり、緩衝剤、アスコルビン酸、メチオニン、ビタミンE、メタ重亜硫酸ナトリウムを含む酸化防止剤、防腐剤、等張剤、安定剤、金属複合体(例えば、Znタンパク質複合体)、EDTAなどのキレート剤、及び/又は非イオン性界面活性剤を含む。
緩衝剤を使用して、特に安定性がpH依存性である場合に、治療有効性を最適化する範囲内でpHを調整することができる。緩衝剤は、約50mM~約250mMの範囲の濃度で存在し得る。本発明とともに使用するための好適な緩衝剤は、有機酸及び無機酸の両方並びにその塩を含む。例えば、クエン酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酢酸塩である。加えて、緩衝剤は、トリスなどのヒスチジン塩及びトリメチルアミン塩からなり得る。
防腐剤は、微生物の増殖を防止するために添加されることができ、典型的には、約0.2%~1.0%(w/v)の範囲内で存在する。治療剤とともに一般的に使用される好適な防腐剤の例としては、オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、ベンザルコニウムハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、塩化ベンゼトニウム、チメロサール、フェノール、ブチル又はベンジルアルコール、メチル又はプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、m-クレゾール、o-クレゾール、p-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸ブチル、2-フェニルエタノール、エタノール、クロロブタノール、チオメロサル、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロロヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、及びクロルフェネシン(3p-クロルフェノキシプロパン-1,2-ジオール)が挙げられる。
「安定剤」として知られることもある等張剤は、組成物中の液体の等張性を調整又は維持するために存在し得る。タンパク質及び抗体などの大きな荷電生体分子とともに使用されたとき、それらはアミノ酸側鎖の荷電群と相互作用し、それによって、分子間及び分子内相互作用の可能性を低減することができるため、しばしば「安定剤」と称される。
等張剤は、他の成分の相対量を考慮に入れて、約0.1重量%~約25重量%又は約1~約5重量%の任意の量で存在し得る。いくつかの実施形態では、等張剤としては、多価糖アルコール、グリセリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、及びマンニトールなどの三価又は高級糖アルコールが挙げられる。
追加の賦形剤には、(1)増量剤、(2)溶解性エンハンサー、(3)安定剤、及び(4)変性又は容器壁への付着を防止する薬剤のうちの1つ以上として作用し得る薬剤が含まれる。そのような賦形剤には、多価糖アルコール(上記に列挙)、アラニン、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、オルニチン、ロイシン、2-フェニルアラニン、グルタミン酸、スレオニンなどのアミノ酸、スクロース、ラクトース、ラクチトール、トレハロース、スタキオース、マンノース、ソルボース、キシロース、リボース、リビトール、ミオイニシトース、ミオイニシトール、ガラクトース、ガラクチトール、グリセロール、シクリトール(例えば、イノシトール)、ポリエチレングリコールなどの有機糖又は糖アルコール、尿素、グルタチオン、チオクト酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリセロール、a-モノチオグリセロール、及びチオ硫酸ナトリウムなどの硫黄含有還元剤、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ゼラチン、又は他の免疫グロブリンなどの低分子量タンパク質、ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー、単糖類(例えば、キシロース、マンノース、フルクトース、グルコース、二糖類(例えば、ラクトース、マルトース、スクロース)、ラフィノースなどの三糖類、並びにデキストリン又はデキストランなどの多糖類が含まれる。
非イオン性界面活性剤又は洗剤(「湿潤剤」としても知られる)は、治療剤を可溶化すること、並びに撹拌誘導凝集から治療用タンパク質を保護することを助けるために存在し得、これはまた、活性治療用タンパク質又は抗体の変性を引き起こすことなく、製剤がせん断表面応力に曝露されることを可能にする。非イオン性界面活性剤は、約0.05mg/ml~約1.0mg/ml又は約0.07mg/ml~約0.2mg/mlの範囲内で存在する。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、約0.001%~約0.1%w/v、又は約0.01%~約0.1%w/v、又は約0.01%~約0.025%w/vの範囲内で存在する。
好適な非イオン性界面活性剤には、ポリソルベート(20、40、60、65、80など)、ポリオキサマー(184、188など)、PLURONIC(登録商標)ポリオール、TRITON(登録商標)、ポリオキシエチレンソルビタンモノエーテル(TWEEN(登録商標)-20、TWEEN(登録商標)-80など)、ラウロマクロゴール400、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、50、及び60、モノステアリン酸グリセロール、ショ糖脂肪酸エステル、メチルセルロース、並びにカルボキシメチルセルロースが挙げられる。使用され得る陰イオン性洗剤には、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、及びジオクチルスルホン酸ナトリウムが含まれる。陽イオン性洗剤には、ベンザルコニウム塩化物又はベンゼトニウム塩化物が含まれる。
製剤をインビボでの投与に使用するためには、製剤は滅菌でなければならない。製剤は、滅菌濾過膜を通した濾過によって滅菌され得る。本明細書の治療用組成物は、概して、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、静注液バッグ、又は皮下注射針により穿孔可能なストッパーを有するバイアルに入れられる。
投与経路は、例えば、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内、病変内、若しくは関節内経路、局所投与、吸入による、又は徐放性若しくは持続放出手段による、注射又は注入などの好適な様式で、単回若しくは複数回のボーラス、又は長期間にわたる注入によるものなどの既知の許容された方法に従う。
本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインのうちのいずれかは、単独で、又は本明細書に記載される方法であるような他の治療剤と組み合わせて使用されることができる。「と組み合わせて」という用語は、同一又は別個の製剤に含まれる2つ以上の治療剤(例えば、マスクされたIL-12サイトカイン)を包含する。いくつかの実施形態では、「と組み合わせて」とは、「同時」投与を指し、その場合、本発明のマスクされたIL-12サイトカインの投与は、1つ以上の追加の治療剤の投与に同時に(例えば、同じ時間に、又はマスクされたIL-12サイトカインの投与と1つ以上の追加の治療剤の投与との間で1時間以内に)生じる。いくつかの実施形態では、「と組み合わせて」とは、逐次的投与を指し、その場合、本発明のマスクされたIL-12サイトカインの投与は、1つ以上の追加の治療剤の投与の前及び/又は後に(例えば、マスクされたIL-12サイトカインの投与と1つ以上の追加の治療剤の投与との間で1時間を超えて)生じる。本明細書で企図される薬剤には、細胞傷害性薬剤、サイトカイン、免疫チェックポイント分子を標的とする薬剤、免疫刺激分子を標的とする薬剤、成長阻害剤、免疫刺激剤、又は抗がん剤が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書の製剤はまた、治療されている特定の適応症、好ましくは、互いに悪影響を及ぼさない相補的な活性を有する適応症のために必要に応じて、1つを超える活性化合物を含有し得る。代替的に、又は加えて、組成物は、細胞傷害性薬剤、サイトカイン、免疫チェックポイント分子若しくは刺激分子を標的とする薬剤、増殖阻害剤、免疫刺激剤、抗炎症剤、又は抗がん剤を含み得る。そのような分子は、意図される目的に有効な量で、組み合わせて好適に存在する。
製剤は、液体製剤、固体(凍結乾燥)製剤、又は凍結製剤などの任意の好適な状態で提示され得る。治療使用のためのこれらのタイプの製剤の各々を調製するためのアプローチは、当該技術分野で周知である。
6.治療の方法
本明細書で提供されるものは、有効量の本明細書に記載される任意のマスクされたIL-12サイトカイン又はその組成物を対象に投与することを含む、対象における疾患を治療又は予防するための方法である。いくつかの態様では、本明細書に記載される任意の組成物を対象に投与することを含む、対象における疾患を治療するために方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象(例えば、ヒト患者)は、がんと診断されたか、又はそのような障害を発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、有効量の本明細書に記載される任意のマスクされたIL-12サイトカイン又はその組成物を対象に投与することを含む、対象において疾患を治療又は予防するために方法が提供され、マスクされたIL-12サイトカインは、酵素による切断時に活性化される。いくつかの実施形態では、マスクされたIL-12サイトカインは、腫瘍微小環境で活性化される。マスクされたIL-12サイトカインは、切断された後に治療的に活性である。したがって、いくつかの実施形態では、活性薬剤は、切断産物である。
疾患の予防又は治療について、活性薬剤の適切な投与量は、上記に定義されるような治療される疾患のタイプ、疾患の重症度及び経過、薬剤が予防又は治療目的で投与されるかどうか、以前の治療法、対象の臨床歴及び薬剤に対する応答、並びに担当医師の裁量に依存する。薬剤は、一度に、又は一連の治療にわたって、対象に好適に投与される。
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインの投与の間の間隔は、約1週間以上である。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインの投与間の間隔は、約2日以上、約3日以上、約4日以上、約5日以上、又は約6日以上である。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインの投与間の間隔は、約1週間以上、約2週間以上、約3週間以上、又は約4週間以上である。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカインの投与間の間隔は、約1か月以上、約2か月以上、又は約3か月以上である。本明細書で使用される場合、投与の間の間隔とは、マスクされたIL-12サイトカインの1回の投与とマスクされたIL-12サイトカインの次の投与との間の期間を指す。本明細書で使用される場合、約1か月の間隔は、4週間を含む。いくつかの実施形態では、治療は、マスクされたIL-12サイトカインの複数の投与を含み、投与の間の間隔は、変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の投与と第2の投与との間の間隔は、約1か月であり、後続の投与の間の間隔は、約2週間である。いくつかの実施形態では、第1の投与と第2の投与との間の間隔は、約2日、3日、4日、又は5日、若しくは6日であり、後続の投与の間の間隔は、約1週間である。
いくつかの実施形態では、マスクされたIL-12サイトカインは、ある期間にわたって複数回投与される。対象に複数回投与される投与量は、いくつかの実施形態では、各投与について同じ投与量であり得るか、又はいくつかの実施形態では、マスクされたサイトカインは、2つ以上の異なる投与量で対象に投与されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、マスクされたIL-12サイトカインは、最初に、1つの投与量で1回以上投与され、後に、以降の時点で開始して第2の投与量で1回以上投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるマスクされたIL-12ポリペプチドは、一律の用量で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるマスクされたIL-12ポリペプチドは、1回用量当たり約25mg~約500mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、マスクされたIL-12ポリペプチドは、1回用量当たり約25mg~約50mg、約50mg~約75mg、約75mg~約100mg、約100mg~約125mg、約125mg~約150mg、約150mg~約175mg、約175mg~約200mg、約200mg~約225mg、約225mg~約250mg、約250mg~約275mg、約275mg~約300mg、約300mg~約325mg、約325mg~約350mg、約350mg~約375mg、約375mg~約400mg、約400mg~約425mg、約425mg~約450mg、約450mg~約475mg、又は約475mg~約500mgの投与量で対象に投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるマスクされたIL-12ポリペプチドは、対象の体重又は体表面積(BSA)に基づく投与量で対象に投与される。疾患の種類及び重症度に応じて、約1μg/kg~15mg/kg(例えば、0.1mg/kg~10mg/kg)のマスクされたIL-12ポリペプチドは、例えば、1つ以上の別個の投与によって、又は連続注入によってにかかわらず、患者への投与のための初期候補投与量であり得る。1つの典型的な1日投与量は、上述の要因に応じて、約1μg/kg~約100mg/kg以上の範囲であり得る。数日以上にわたる反復投与については、状態に応じて、治療は、概して、疾患症状の所望の抑制が生じるまで維持されるであろう。マスクされたIL-12ポリペプチドの1つの例示的な投与量は、約0.05mg/kg~約10mg/kgの範囲内であろう。したがって、約0.5mg/kg、約2.0mg/kg、4.0mg/kg、又は10mg/kg(若しくはそれらの任意の組み合わせ)のうちの1つ以上の用量が、患者に投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるマスクされたIL-12ポリペプチドは、約0.1mg/kg~約10mg/kg又は約1.0mg/kg~約10mg/kgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるマスクされたIL-12ポリペプチドは、約0.1mg/kg、約0.5mg/kg、約1.0mg/kg、約1.5mg/kg、約2.0mg/kg、約2.5mg/kg、約3.0mg/kg、約3.5mg/kg、約4.0mg/kg、約4.5mg/kg、約5.0mg/kg、約5.5mg/kg、約6.0mg/kg、約6.5mg/kg、約7.0mg/kg、約7.5mg/kg、約8.0mg/kg、約8.5mg/kg、約9.0mg/kg、約9.5mg/kg、又は約10.0mg/kgのうちのいずれかの投与量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるマスクされたIL-12ポリペプチドは、約若しくは少なくとも約0.1mg/kg、約若しくは少なくとも約0.5mg/kg、約若しくは少なくとも約1.0mg/kg、約若しくは少なくとも約1.5mg/kg、約若しくは少なくとも約2.0mg/kg、約若しくは少なくとも約2.5mg/kg、約若しくは少なくとも約3.0mg/kg、約若しくは少なくとも約3.5mg/kg、約若しくは少なくとも約4.0mg/kg、約若しくは少なくとも約4.5mg/kg、約若しくは少なくとも約5.0mg/kg、約若しくは少なくとも約5.5mg/kg、約若しくは少なくとも約6.0mg/kg、約若しくは少なくとも約6.5mg/kg、約、又は少なくとも約7.0mg/kg、約若しくは少なくとも約7.5mg/kg、約若しくは少なくとも約8.0mg/kg、約若しくは少なくとも約8.5mg/kg、約若しくは少なくとも約9.0mg/kg、約若しくは少なくとも約9.5mg/kg、約若しくは少なくとも約10.0mg/kg、約若しくは少なくとも約15.0mg/kg、約若しくは少なくとも約20mg/kg、約若しくは少なくとも約30mg/kg、約若しくは少なくとも約40mg/kg、約若しくは少なくとも約50mg/kg、約若しくは少なくとも約60mg/kg、約若しくは少なくとも約70mg/kg、約若しくは少なくとも約80mg/kg、約若しくは少なくとも約90mg/kg、又は約若しくは少なくとも約100mg/kgの投与量で対象に投与される。上記に記載される投与頻度のうちのいずれかが、使用され得る。
本明細書で企図される治療の方法は、本明細書に記載されるマスクされたIL-12サイトカイン又は組成物のうちのいずれかを用いたがんなどの障害又は疾患の治療である。本発明の製剤を用いて治療可能である障害又は疾患には、白血病、リンパ腫、頭頸部がん、結腸直腸がん、前立腺がん、膵臓がん、黒色腫、乳がん、神経芽細胞腫、肺がん、卵巣がん、骨肉腫、膀胱がん、子宮頸がん、肝臓がん、腎臓がん、皮膚がん(例えば、メルケル細胞がん)、又は精巣がんが含まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるものは、本明細書に記載される任意のマスクされたIL-12サイトカイン又は組成物の投与による、がんの治療又は予防の方法である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるものは、抗がん剤と組み合わせた本明細書に記載される任意のIL-12マスクされたサイトカイン又は組成物の投与による、がんの治療又は予防の方法である。抗がん剤は、がん増殖を低減すること、がん細胞複製を妨害すること、がん細胞を直接的若しくは間接的に死滅させること、転移を低減すること、腫瘍血液供給を低減すること、又は細胞生存を低減することが可能な任意の薬剤であり得る。いくつかの実施形態では、抗がん剤は、PD-1阻害剤、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、VEGFR阻害剤、CTLA-4阻害剤、BTLA阻害剤、B7H4阻害剤、B7H3阻害剤、CSFIR阻害剤、HVEM阻害剤、CD27阻害剤、KIR阻害剤、NKG2A阻害剤、NKG2Dアゴニスト、TWEAK阻害剤、ALK阻害剤、CD52標的化抗体、CCR4標的化抗体、PD-L1阻害剤、KIT阻害剤、PDGFR阻害剤、BAFF阻害剤、HD AC阻害剤、VEGFリガンド阻害剤、CD19標的化分子、FOFR1標的化分子、DFF3標的化分子、DKK1標的化分子、MUC1標的化分子、MUG16標的化分子、PSMA標的化分子、MSFN標的化分子、NY-ES0-1標的化分子、B7H3標的化分子、B7H4標的化分子、BCMA標的化分子、CD29標的化分子、CD151標的化分子、CD123標的化分子、CD33標的化分子、CD37標的化分子、CDH19標的化分子、CEA標的化分子、クローディン18.2標的化分子、CFEC12A標的化分子、EGFRVIII標的化分子、EPCAM標的化分子、EPHA2標的化分子、FCRH5標的化分子、FLT3標的化分子、GD2標的化分子、グリピカン3標的化分子、gpA33標的化分子、GPRC5D標的化分子、IL-123R標的化分子、IL-1RAP標的化分子、MCSP標的化分子、RON標的化分子、ROR1標的化分子、STEAP2標的化分子、TfR標的化分子、CD166標的化分子、TPBG標的化分子、TROP2標的化分子、プロテアソーム阻害剤、ABE阻害剤、CD30阻害剤、FLT3阻害剤、MET阻害剤、RET阻害剤、IL-1(3阻害剤、MEK阻害剤、ROS1阻害剤、BRAE阻害剤、CD38阻害剤、RANKE阻害剤、B4GALNT1阻害剤、SLAMF7阻害剤、IDH2阻害剤、mTOR阻害剤、CD20標的化抗体、BTK阻害剤、PI3K阻害剤、FLT3阻害剤、PARP阻害剤、CDK4阻害剤、CDK6阻害剤、EGFR阻害剤、RAF阻害剤、JAK1阻害剤、JAK2阻害剤、JAK3阻害剤、IL-6阻害剤、IL-17阻害剤、平滑化阻害剤、IL-6R阻害剤、BCL2阻害剤、PTCH阻害剤、PIGF阻害剤、TGFB阻害剤、CD28アゴニスト、CD3アゴニスト、CD40アゴニスト、GITRアゴニスト、0X40アゴニスト、VISTAアゴニスト、CD137アゴニスト、LAG3阻害剤、TIM3阻害剤、TIGIT阻害剤、及びIL-12R阻害剤からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるものは、抗炎症剤と組み合わせた本明細書に記載される任意のマスクされたIL-12サイトカインの投与による、がんの治療又は予防の方法である。抗炎症剤は、炎症を予防、対抗、阻害、又は別様に低減することが可能な任意の薬剤であり得る。
いくつかの実施形態では、抗炎症剤は、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤である。COX阻害剤は、COX-1及び/又はCOX-2の活性を阻害する任意の薬剤であり得る。いくつかの実施形態では、COX阻害剤は、COX-1を選択的に阻害する(すなわち、COX阻害剤は、COX-2の活性を阻害するよりもCOX-1の活性を阻害する)。いくつかの実施形態では、COX阻害剤は、COX-2を選択的に阻害する(すなわち、COX阻害剤は、COX-1の活性を阻害するよりもCOX-2の活性を阻害する)。いくつかの実施形態では、COX阻害剤は、COX-1及びCOX-2の両方を阻害する。
いくつかの実施形態では、COX阻害剤は、選択的COX-1阻害剤であり、SC-560、FR122047、P6、モフェゾラク、TFAP、フルルビプロフェン、及びケトプロフェンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、COX阻害剤は、選択的COX-2阻害剤であり、セレコキシブ、ロフェコキシブ、メロキシカム、ピロキシカム、デラコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ、エトリコキシブ、クロメン誘導体、クロマン誘導体、N-(2-シクロヘキシルオキシニトロフェニル)メタンスルホンアミド、パレコキシブ、ルミラコキシブ、RS 57067、T-614、BMS-347070、JTE-522、S-2474、SVT-2016、CT-3、ABT-963、SC-58125、ニメスリド、フロスリド、NS-398、L-745337、RWJ-63556、L-784512、ダルブフェロン、CS-502、LAS-34475、LAS-34555、S-33516、ジクロフェナク、メフェナム酸、及びSD-8381からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、COX阻害剤は、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトロラク、インドメタシン、アスピリン、ナプロキセン、トルメチン、ピロキシカム、及びメクロフェナマートからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、COX阻害剤は、SC-560、FR122047、P6、モフェゾラク、TFAP、ルルビプロフェン、ケトプロフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、メロキシカム、ピロキシカム、デラコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ、エトリコキシブ、クロメン誘導体、クロマン誘導体、N-(2-シクロヘキシルオキシニトロフェニル)メタンスルホンアミド、パレコキシブ、ルミラコキシブ、RS 57067、T-614、BMS-347070、JTE-522、S-2474、SVT-2016、CT-3、ABT-963、SC-58125、ニメスリド、フロスリド、NS-398、L-745337、RWJ-63556、L-784512、ダルブフェロン、CS-502、LAS-34475、LAS-34555、S-33516、ジクロフェナク、メフェナム酸、SD-8381、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトロラク、インドメタシン、アスピリン、ナプロキセン、トルメチン、ピロキシカム、及びメクロフェナマートからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、抗炎症剤は、NF-kB阻害剤である。NF-kB阻害剤は、NF-kB経路の活性を阻害する任意の薬剤であり得る。いくつかの実施形態では、NF-kB阻害剤は、IKK複合体阻害剤、IkB分解阻害剤、NF-kB核転座阻害剤、p65アセチル化阻害剤、NF-kB DNA結合阻害剤、NF-kBトランス活性化阻害剤、及びp53誘導阻害剤からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、IKK複合体阻害剤は、TPCA-1、NF-kB活性化阻害剤VI(BOT-64)、BMS-345541、アンレキサノクス、SC-514(GK-01140)、IMD-0354、及びIKK-16からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、IkB分解阻害剤は、BAY-11-7082、MG-115、MG-132、ラクタシスチン、エポキソマイシン、パルテノリド、カルフィルゾミブ、及びMLN-4924(ペボネジスタット)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、NF-kB核内転座阻害剤は、JSH-23及びロリプラムからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、p65アセチル化阻害剤は、没食子酸及びアナカルド酸からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、NF-kBDNA結合阻害剤は、GYY-4137、p-XSC、CV-3988、及びプロスタグランジンE2(PGE2)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、NF-kBトランス活性化阻害剤は、LY-294002、ウォルトマンニン、及びメサラミンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、p53誘導阻害剤は、キナクリン及びフラボピリドールからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、NF-kB阻害剤は、TPCA-1、NF-kB活性化阻害剤VI(BOT-64)、BMS-345541、アムレキサノクス、SC-514(GK-01140)、IMD-0354、IKK-16、BAY-11-7082、MG-115、MG-132、ラクタシスチン、エポキシシン、パルテノリド、カルフィルゾミブ、MLN-4924(ペボネジスタット)、JSH-23ロリプラム、没食子酸、アナカルド酸、GYY-4137、p-XSC、CV-3988、プロスタグランジンE2(PGE2)、LY-294002、ウォルトマンニン、メサラミン、キナクリン、及びフラボピリドールからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるものは、抗がん治療用タンパク質と組み合わせた本明細書に記載される任意のマスクされたIL-12サイトカイン又は組成物の投与による、がんの治療又は予防の方法である。抗がん治療用タンパク質は、がん増殖を低減すること、がん細胞複製を妨害すること、がん細胞を直接的若しくは間接的に死滅させること、転移を低減すること、腫瘍血液供給を低減すること、又は細胞生存を低減することが可能な任意の治療用タンパク質であり得る。例示的抗がん治療用タンパク質は、抗体若しくはその断片、抗体誘導体、二重特異性抗体、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、融合タンパク質、又は二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE)の形態で生じ得る。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるものは、CAR-NK(ナチュラルキラー)細胞と組み合わせた本明細書に記載される任意のマスクされたIL-2サイトカイン又は組成物の投与による、がんの治療又は予防の方法である。
7.製造物品又はキット
別の態様では、本明細書に記載される任意のマスクされたIL-12サイトカインを含む、製造品又はキットが提供される。製造物品又はキットは、本発明の方法におけるサイトカインの使用のための説明書をさらに含み得る。したがって、ある特定の実施形態では、製造品又はキットは、有効量のマスクされたサイトカインを個体に投与することを含む、個体において障害(例えば、がん)を治療又は予防するための方法におけるマスクされたサイトカインの使用のための説明書を含み得る。例えば、ある特定の実施形態では、製造品又はキットは、有効量のマスクされたIL-12ポリペプチドを個体に投与することを含む、個体において障害(例えば、がん)を治療又は予防する方法におけるマスクされたIL-12ポリペプチドの使用のための説明書を含む。ある特定の実施形態では、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、個体は、白血病、リンパ腫、頭頸部がん、結腸直腸がん、前立腺がん、膵臓がん、黒色腫、乳がん、神経芽細胞腫、肺がん、卵巣がん、骨肉腫、膀胱がん、子宮頸がん、肝臓がん、腎臓がん、皮膚がん、又は精巣がんからなる群から選択される疾患を有する。
製造物品又はキットは、容器をさらに含み得る。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル(例えば、デュアルチャンバーバイアル)、シリンジ(シングル又はデュアルチャンバーシリンジなど)、試験管、及び静注(IV)バッグが挙げられる。容器は、ガラス又はプラスチックなどの様々な材料から形成され得る。容器は、製剤を保持する。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結乾燥製剤である。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結製剤である。いくつかの実施形態では、製剤は、液体製剤である。
製造物品又はキットは、容器上にあるか、又は容器と関連付けられる、ラベル又は添付文書をさらに含み得、製剤の再構成及び/又は使用のための指示を示し得る。ラベル又は添付文書は、製剤が、個体における障害(例えば、がん)を治療又は予防するための皮下、静脈内、若しくは他の投与様式に有用であるか、又は意図されていることをさらに示し得る。製剤を保持する容器は、単回使用バイアル又は複数回使用バイアルであってもよく、これは再構成された製剤の反復投与を可能にする。製造物品又はキットは、好適な希釈剤を含む第2の容器をさらに含み得る。製造物品又はキットは、他の緩衝剤、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用説明書を伴う添付文書を含む、商業的、治療的、及びユーザーの観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
具体的な実施形態では、本発明は、単回用量投与ユニット用のキットを提供する。そのようなキットは、治療用サイトカインの水性製剤の容器を含み、
シングル又はマルチチャンバープレフィルドシリンジの両方を含む。例示的事前充填シリンジは、Vetter GmbH(Ravensburg,Germany)から入手可能である。
本明細書の製造物品又はキットは、任意選択に、第2の薬剤を含む容器をさらに含み、マスクされたサイトカインは、第1の薬剤であり、その物品又はキットは、有効量における第2の薬剤で対象を治療するためのラベル又は添付文書上の説明書をさらに含む。
別の実施形態では、本明細書で提供されるものは、自動注射器装置での投与のための本明細書に記載される製剤を含む、製造物品又はキットである。自動注射器は、起動時に、患者又は投与者からの追加の必要な措置なしにその内容物を送達する、注射装置として説明され得る。これらは、送達速度が一定でなければならず、かつ送達時間が数瞬よりも長い場合、治療用製剤のセルフメディケーションに特に適している。
8.定義
別段に定義のない限り、本明細書で使用されるすべての専門用語、表記、並びに他の技術用語及び科学用語は、請求される主題が関連する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有することを意図している。場合によっては、一般的に理解される意味を伴う用語は、明確性及び/又は容易な参照のために本明細書で定義され、本明細書のそのような定義の包含は、当該技術分野で一般的に理解されるものに対する実質的な差異を表すと必ずしも解釈されるべきではない。
本発明は、当然のことながら変化し得る特定の組成物又は生物学系に限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのものであるに過ぎず、制限を意図するものではないことを理解されたい。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が他に別様に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「an IL-12 polypeptide(IL-12ポリペプチド)」の言及は、任意選択的に、2つ以上のそのようなポリペプチド及び同等物の組み合わせを含む。
本明細書で使用される場合の「約」という用語は、この技術分野の当業者に容易に知られているそれぞれの値に対する通常の誤差範囲を指す。本明細書の「約」の値又はパラメータの言及は、その値又はパラメータを本質的に対象とする実施形態を含む(及び記載する)。
本明細書に記載される本発明の態様及び実施形態は、態様及び実施形を「を含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」を含むことを理解されたい。
本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、用語が関連する項目のうちのいずれか1つ、項目の任意の組み合わせ、又は項目のすべてを指す。例えば、「A、B、及び/又はC」という語句は、以下の実施形態の各々を包含することを意図している:A、B、及びC、A、B、又はC、A又はB、A又はC、B又はC、A及びB、A及びC、B及びC、A及びB又はC、B及びA又はC、C及びA又はB、A(単独)、B(単独)、並びにC(単独)。
「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(イムノグロブリンFc領域を有する完全長抗体を含む)、ポリエピトープ特異性を有する抗体組成物、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体、ダイアボディ、及び一本鎖分子、並びに抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)2、及びFv)を含む。「イムノグロブリン(Ig)」という用語は、本明細書では「抗体」と同義的に使用される。
「抗体」という用語は、同じポリペプチド鎖(VH-VL)中の軽鎖可変(VL)ドメインに接続された重鎖可変(VH)ドメインを含む、2つの抗原結合部位を伴う小さな抗体断片を指す。
塩基性4本鎖抗体ユニットは、2つの同一の軽(L)鎖及び2つの同一の重(H)鎖から構成されるヘテロ四量体糖タンパク質である。IgM抗体が、J鎖と呼ばれる追加のポリペプチドとともに、5個の塩基性ヘテロ四量体ユニットからなり、10個の抗原結合部位を含有する一方で、IgA抗体は、J鎖と組み合わせて多価集合体を形成するように重合することができる、2~5個の塩基性4本鎖ユニットを含む。IgGの場合、4本鎖ユニットは、概して、約150,000ダルトンである。各L鎖が、1つの共有結合ジスルフィド結合によってH鎖に連結される一方で、2つのH鎖は、H鎖アイソタイプに応じて、1つ以上のジスルフィド結合によって互いに連結される。各H鎖及びL鎖はまた、規則的な間隔を置いた鎖内ジスルフィド架橋を有する。各H鎖は、N末端に可変ドメイン(VH)を有し、続いてa鎖及びy鎖の各々に対して3つの定常ドメイン(CH)、並びにp及びsアイソタイプに対して4つのCHドメインを有する。各L鎖は、N末端に可変ドメイン(VL)を有し、続いてその他方の末端に定常ドメインを有する。VLは、VHと整列し、CLは、重鎖の第1の定常ドメイン(CHI)と整列する。特定のアミノ酸残基は、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間に界面を形成すると考えられる。VH及びVLの対合は、ともに単一の抗原結合部位を形成する。抗体の異なるクラスの構造及び特性については、例えば、Basic and Clinical Immunology,8th Edition,Daniel P.Sties,Abba I.Terr and Tristram G.Parsolw(eds),Appleton & Lange,Norwalk,CT,1994,page 71 and Chapter 6を参照されたい。
任意の脊椎動物種由来のL鎖は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ及びラムダと呼ばれる、2つの明確に異なるタイプのうちの1つに割り当てられることができる。その重鎖の定常ドメイン(CH)のアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンを異なるクラス又はアイソタイプに割り当てることができる。免疫グロブリンの5つのクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがあり、それぞれ、a、8、e、y、及びpと指定された重鎖を有する。y及びaクラスは、CH配列及び機能における比較的軽微な差異に基づいてサブクラスにさらに分割され、例えば、ヒトは、以下のサブクラスを発現する:IgGl、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2。IgG1抗体は、アロタイプと称される複数の多型バリアント(Jefferis and Lefranc 2009.mAbs Vol 1 Issue 4 1-7で論評される)で存在することができ、そのうちのいずれかが、本発明で使用するために好適である。ヒト集団における一般的なアロタイプバリアントは、a、f、n、zという文字で指定されるものである。
「単離された」抗体は、その産生環境(例えば、天然又は組換え)の成分から識別、分離、及び/又は回収された抗体である。いくつかの実施形態では、単離されたポリペプチドは、その産生環境からの他のすべての成分と無関連である。組換えトランスフェクト細胞から生じるものなどのその産生環境の汚染成分は、典型的には、抗体の研究、診断、又は治療用途に干渉する材料であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質性若しくは非タンパク質性溶質を含み得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、(1)例えば、Lowry法によって決定される抗体の95重量%超まで、及びいくつかの実施形態では、99重量%超まで、(1)回転カップシークエンサーの使用によってN末端若しくは内部アミノ酸配列の少なくとも15個の残基を得るために十分な程度まで、又は(3)クマシーブルー若しくはシルバー染色を使用した非還元若しくは還元条件下でのSDS-PAGEによる均質性まで、精製される。抗体の天然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、単離された抗体は、組換え細胞内でインサイチュに抗体を含む。しかしながら、通常、単離されたポリペプチド又は抗体は、少なくとも1つの精製ステップによって調製される。
本明細書で使用される場合の「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、わずかな量で存在し得る可能な天然に存在する変異及び/又は翻訳後修飾(例えば、異性化、アミド化)を除き、同一である。いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体は、重鎖及び/又は軽鎖にC末端切断を有する。例えば、1、2、3、4、又は5個のアミノ酸残基は、重鎖及び/又は軽鎖のC末端で切断される。いくつかの実施形態では、C末端切断は、重鎖からC末端リジンを除去する。いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体は、重鎖及び/又は軽鎖にN末端切断を有する。例えば、1、2、3、4、又は5個のアミノ酸残基は、重鎖及び/又は軽鎖のN末端で切断される。いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体の短縮型形態は、組換え技術によって作製され得る。いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原部位に配向されている。いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、複数の抗原部位(例えば、二重特異性抗体又は多重特異性抗体など)に配向されている。「モノクローナル」という修飾語句は、実質的に均質な抗体群から取得されるものとして抗体の特徴を示すが、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするとはみなされないものとする。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ技術、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座の一部若しくはすべて又はヒト免疫グロブリン配列をコードする遺伝子を有する動物においてヒト又はヒト様抗体を産生するための技術を含む、様々な技法によって作製され得る。
「完全長抗体」、「インタクトな抗体」、又は「全抗体」という用語は、抗体断片とは対照的に、その実質的にインタクトな形態の抗体を指すために同義的に使用される。具体的には、全抗体は、Fc領域を含む重鎖及び軽鎖を有するものを含む。定常ドメインは、天然配列定常ドメイン(例えば、ヒト天然配列定常ドメイン)又はそのアミノ酸配列バリアントであってもよい。場合によっては、インタクトな抗体は、1つ以上のエフェクター機能を有し得る。
「抗体断片」は、インタクトな抗体の抗原結合領域及び/又は可変領域、並びに/若しくはインタクトな抗体の定常領域などのインタクトな抗体の一部を含む。抗体断片の例としては、抗体のFc領域、Fc領域の一部、又はFc領域を含む抗体の一部が挙げられる。抗原結合抗体断片の例としては、ドメイン抗体(dAbs)、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片、抗体、線形抗体(米国特許第5,641,870号、実施例2、Zapata et ah,Protein Eng.8(10):1057-1062 [1995]を参照されたい)、一本鎖抗体分子、及び抗体断片から形成された多重特異性抗体が挙げられる。単一重鎖抗体若しくは単一軽鎖抗体は、操作されることができるか、又は重鎖の場合には、単一重鎖分子を産生するように操作されたラクダ科、サメ、ライブラリ、若しくはマウスから単離されることができる。
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片と、容易に結晶化する能力を反映する名称である残留「Fc」断片とを産生した。Fab断片は、H鎖の可変領域ドメイン(VH)、及び1つの重鎖の第1の定常ドメイン(CHI)とともに、L鎖全体からなる。各Fab断片は、抗原結合に関して一価であり、すなわち、単一の抗原結合部位を有する。抗体のペプシン処理は、異なる抗原結合活性を有する2つのジスルフィド連結Fab断片にほぼ対応し、依然として抗原を架橋することが可能である、単一の大きなF(ab’)2断片を産出する。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域由来の1つ以上のシステインを含むCHIドメインのカルボキシ末端に数個の追加の残基を有することによって、Fab断片とは異なる。Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を持つ、Fab’の本明細書における名称である。F(ab’)2抗体断片は、元々、それらの間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として産生された。抗体断片の他の化学結合も既知である。Fc断片は、ジスルフィドによって一緒に保持される両方のH鎖のカルボキシ末端部分を含む。抗体のエフェクター機能は、Fc領域内の配列及びグリカンによって決定され、Fc受容体(FcR)によっても認識される領域は、ある特定の細胞型上に見られる。
参照ポリペプチド配列に対する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列を整列させ、必要であればギャップを導入して配列同一性の最大パーセントを達成した後の、参照ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基の割合として定義され、配列同一性の一部としての任意の保存的置換を考慮していない。アミノ酸配列同一性パーセントを決定するための整列は、当該技術分野の技術範囲内にある種々の方法、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公開されている入手可能なコンピュータソフトウェアを用いて達成することができる。当業者であれば、比較される配列の完全長にわたる最大整列を達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、配列を整列するための適切なパラメータを決定することができる。例えば、所与のアミノ酸配列Bに対する、所与のアミノ酸配列Bとの、又は所与のアミノ酸配列Bに対した、所与のアミノ酸配列Aのアミノ酸配列同一性%(所与のアミノ酸配列Bに対する、所与のアミノ酸配列Bとの、又は所与のアミノ酸配列Bに対した、ある特定のアミノ酸配列同一性%を有するか、又は含む、所与のアミノ酸配列Aと代替的に称され得る)は、以下のように計算される。
100×画分X/Y
式中、Xは、そのプログラムのA及びBの整列における配列によって同一の一致としてスコア付けされたアミノ酸残基の数であり、Yは、Bにおけるアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、A対Bのアミノ酸配列同一性%は、B対Aのアミノ酸配列同一性%と等しくないことを理解されたい。
抗体「エフェクター機能」は、抗体のFc領域(天然配列のFc領域又はアミノ酸配列バリアントのFc領域)に起因する生物学的活性を指し、抗体アイソタイプによって変化する。抗体エフェクター機能の例としては、Clq結合及び補体依存性細胞傷害、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、貪食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方調節、並びにB細胞活性化が挙げられる。
本明細書で使用される場合の「結合親和性」は、分子(例えば、サイトカイン)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば、サイトカイン受容体)との間の非共有相互作用の強度を指す。いくつかの実施形態では、結合タンパク質(例えば、サイトカイン)の親和性は、概して、平衡解離定数(Kd)によって表されることができる。親和性は、本明細書に記載されるものを含む、当該技術分野で既知の一般的な方法によって測定されることができる。
本明細書に記載されるサイトカインポリペプチドをコードする「単離された」核酸分子は、それが産生された環境で通常関連する、少なくとも1つの汚染核酸分子から識別及び分離される核酸分子である。いくつかの実施形態では、単離された核酸は、産生環境と関連付けられたすべての成分と無関連である。本明細書のポリペプチド及びサイトカインポリペプチドをコードする単離された核酸分子は、それが天然に見出される形態又は環境以外の形態である。したがって、単離された核酸分子は、細胞内に天然に存在する本明細書のポリペプチド及びサイトカインポリペプチドをコードする核酸と区別される。
「薬学的製剤」という用語は、活性成分の生物学的活性が効果的であることを可能にするような形態であり、かつ製剤が投与される対象に対して許容できない毒性を有する追加の成分を含有しない、調製物を指す。
そのような製剤は、滅菌されている。
本明細書で使用される場合の「担体」は、用いられる投与量及び濃度でそれに曝露される細胞又は哺乳動物に非毒性である、薬学的に許容される担体、賦形剤、又は安定剤を含む。生理学的に許容される担体は、水性pH緩衝溶液であることが多い。生理学的に許容される担体の例としては、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸などの緩衝液、アスコルビン酸を含む酸化防止剤、低分子量(約10個未満の残基)ポリペプチド、血清アルブミン、ゼラチン、若しくは免疫グロブリンなどのタンパク質、ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、若しくはリジンなどのアミノ酸、単糖類、二糖類、及びグルコース、マンノース、若しくはデキストリンを含む他の炭水化物、EDTAなどのキレート剤、マンニトール若しくはソルビトールなどの糖アルコール、ナトリウムなどの塩形成対イオン、並びに/又はTWEEN(商標)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(商標)などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、臨床病理の経過中に治療されている個体又は細胞の自然経過を改変するように設計された臨床介入を指す。治療の望ましい効果には、疾患進行の速度の低下、疾患状態の改善若しくは緩和、及び寛解又は予後の改善が含まれる。個体は、例えば、障害(例えば、新生物性疾患)に関連する1つ以上の症状が軽減又は除去される場合、首尾よく「治療される」。例えば、治療が、疾患を患う個体の生活の質の向上、疾患の治療に必要な他の薬剤の用量の減少、疾患の再発頻度の低減、疾患の重症度の低減、疾患の発症若しくは進行の遅延、及び/又は個体の生存の延長をもたらす場合、個体は、首尾よく「治療される」。
本明細書で使用される場合、「と併用して」又は「と組み合わせて」は、別の治療モダリティに加えて、1つの治療モダリティの投与を指す。したがって、「と併用して」又は「と組み合わせて」は、個体への他の治療モダリティの投与の前、その間、又はその後の、1つの治療モダリティの投与を指す。
本明細書で使用される場合、「予防」という用語は、個体における疾患の発生又は再発に関して予防を提供することを含む。個体は、障害の素因があるか、障害にかかりやすいか、又は障害を発症するリスクがあり得るが、障害と診断されていない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるマスクされたサイトカインは、障害の発症を遅延させるために使用される。
本明細書で使用される場合、障害を発症する「リスクがある」個体は、検出可能な疾患若しくは疾患の症状を有し得るか、又は有しない場合があり、本明細書に記載される治療方法の前に、検出可能な疾患若しくは疾患の症状を示している場合があるか、又は示していない場合がある。「リスクがある」とは、当該技術分野で既知であるように、個体が、疾患の発症と相関する測定可能なパラメータである1つ以上のリスク因子を有することを示す。これらのリスク因子のうちの1つ以上を有する個体は、これらのリスク因子のうちの1つ以上がない個体よりも、障害を発症する確率が高い。
「有効量」は、少なくとも、治療結果又は予防的結果を含む、所望の又は指示された効果を達成するために必要な投与量及び期間で有効な量を指す。
有効量は、1回以上の投与で提供されることができる。「治療的有効量」は、少なくとも、特定の障害の測定可能な改善に影響を与えるために必要な最小濃度である。本明細書における治療的有効量は、患者の疾患状態、年齢、性別、及び体重などの因子、並びに個体において所望の応答を誘発する抗体の能力に応じて変化し得る。治療的有効量はまた、治療的に有益な効果がマスクされたサイトカインの任意の毒性又は有害な効果を上回る量であり得る。「予防的有効量」は、所望の予防的結果を達成するために必要な投与量及び期間で有効な量を指す。典型的には、必ずしもではないが、予防用量が、疾患の前に、又は疾患の早期の段階で対象で使用されるため、予防的有効量は、治療的有効量よりも少なくあり得る。
「慢性」投与は、長期間にわたる初期治療効果(活性)を主流にするように、急性モードとは対照的な連続モードでの薬剤の投与を指す。「断続的」投与は、中断することなく連続的に行われるのではなく、むしろ本質的に周期的である治療である。
本明細書で使用される場合、「個体」又は「対象」は、哺乳動物である。治療の目的のための「哺乳動物」には、ヒト、家畜及び農場動物、並びにイヌ、ウマ、ウサギ、ウシ、ブタ、ハムスター、スナネズミ、マウス、フェレット、ラット、ネコなどの動物園、スポーツ、又はペット動物が含まれる。いくつかの実施形態では、個体又は対象は、ヒトである。
9.実施例
本発明は、以下の実施例を参照することにより、より十分に理解されるであろう。しかしながら、それらは、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に記載される実施例及び実施形態は、例示目的のためのみであり、それを考量したその様々な修飾又は変更が当業者に提案され、本出願の趣旨及び目的、並びに添付の特許請求の範囲に含まれるべきであることを理解されたい。
いくつかの実施例は、IL-2ポリペプチド構築物の「マスクされた」バージョンの操作、産生、及び/又は試験を説明するが、いくつかの実施例はまた、比較のためなどのIL-2ポリペプチド構築物の親「マスクされていない」バージョン、又は比較のための対照として試験される本明細書に記載される成分のうちの1つ以上を含む他の構築物も用いる。したがって、例えば、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物に行われた試験の説明は、構築物のマスクされていないバージョンも試験されなかったことを必ずしも意味するわけではない。
実施例1:マスクされたIL-2ポリペプチドの操作
マスクされたIL-2ポリペプチドが、本明細書の教示に従って生成される。後続の実施例では、いくつかの実験は、単量体形態のマスクされたIL-2ポリペプチド構築物の使用を伴い、いくつかの実験は、同じマスクされたポリペプチド構築物の2つのコピーを連結するジスルフィド結合を通して形成された二量体(ホモ二量体)、又は2つの異なるポリペプチドによって形成されたヘテロ二量体などの二量体形態のマスクされたIL-2構築物の使用を伴う(例えば、表5を参照されたい)。
IL-2ポリペプチド又はその機能的断片、マスキング部分、及び抗体又はその断片(例えば、Fc領域、重鎖、及び/又は軽鎖)などの半減期延長ドメインを含む、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物が生成される。マスキング部分も含むことなく、半減期延長ドメインに連結されたIL-2ポリペプチド又はその機能的断片を含む、いくつかのIL-2ポリペプチド構築物も生成される。構築物のうちのいくつかはまた、切断可能なペプチドを含み、マスキング部分をIL-2ポリペプチド又はその機能的断片に連結し、それによって、活性化可能なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物をもたらす、リンカーも含む。構築物のうちのいくつかはまた、IL-2ポリペプチド又はその機能的断片を半減期延長ドメインに連結するリンカーも含む。構築物のうちのいくつかはまた、IL-2ポリペプチド又はその機能的断片をマスキング部分に連結するリンカーも含む。IL-2ポリペプチド又はその機能的断片をマスキング部分に連結するリンカー内に切断可能なペプチドを含まないマスクされたIL-2ポリペプチド構築物は、切断可能なペプチドを含まないため、非活性化可能なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物又は非活性化可能なIL-2ポリペプチド構築物とも称される。例示的IL-2ポリペプチド構築物の構造及び組成物が、表3に提供される。
Figure 2023520518000056
また、IL-2ポリペプチド又はその機能的断片、第1のマスキング部分、第2のマスキング部分、及びアルブミン、抗体若しくはその断片(例えば、Fc領域、重鎖、及び/又は軽鎖)、アルブミン結合ペプチド、IgG結合ペプチド、又はポリアミノ酸配列などの半減期延長ドメインを含む、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物も生成される。構築物のうちのいくつかはまた、第1のマスキング部分をIL-2ポリペプチド又はその機能的断片に連結するリンカーも含む。構築物のうちのいくつかはまた、第2のマスキング部分をIL-2ポリペプチド又はその機能的断片に連結するリンカーも含む。構築物のうちのいくつかは、第1のマスキング部分をIL-2ポリペプチド若しくはその機能的断片に連結するリンカー、及び/又は第2のマスキング部分をIL-2ポリペプチド若しくはその機能的断片に連結するリンカー内に切断可能なペプチドを含み、それによって、活性化可能なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物をもたらす。 構築物のうちのいくつかはまた、第2のマスキング部分を半減期延長ドメインに連結するリンカーも含む。IL-2ポリペプチド又はその機能的断片を第1のマスキング部分又は第2のマスキング部分に連結するリンカーのいずれかに切断可能なペプチドを含まないマスクされたIL-2ポリペプチド構築物は、切断可能なペプチドを含まないため、非活性化可能なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物又は非活性化可能なIL-2ポリペプチド構築物とも称される。例示的IL-2ポリペプチド構築物の構造及び組成物が、表4に提供される。
Figure 2023520518000057
また、IL-2ポリペプチド又はその機能的断片、マスキング部分、第1の半減期延長ドメイン、及び第2の半減期延長ドメイン、抗体又はその断片(例えば、Fc領域、重鎖、及び/又は軽鎖)を含む、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物も生成される。マスキング部分は、第1の半減期延長ドメインに連結され、IL-2ポリペプチド又はその機能的断片は、第2の半減期延長ドメインに連結され、第1の半減期延長ドメイン及び第2の半減期延長ドメインは、第1及び第2の半減期延長ドメインの会合を促進する修飾を含む。1つの例示的実施形態では、マスキング部分は、第1の半減期延長ドメインに連結され、IL-2ポリペプチド又はその機能的断片は、第2の半減期延長ドメインに連結され、第1の半減期延長ドメイン及び第2の半減期延長ドメインは、第1及び第2の半減期延長ドメインの関連付けを促進する修飾を含む。マスクされていないIL-2ポリペプチド構築物の1つの例示的実施形態では、実施形態は、第1の半減期延長ドメインに連結されたIL-2ポリペプチド又はその機能的断片を含み、第2の半減期延長ドメインを含み、IL-2ポリペプチド又はその機能的断片は、第1の半減期延長ドメイン及び第2の半減期延長ドメインに連結される。構築物のうちのいくつかはまた、マスキング部分を第1の半減期延長ドメインに連結するリンカー、及び/又はIL-2ポリペプチド若しくはその機能的断片を第2の半減期延長ドメインに連結するリンカーを含む。構築物のうちのいくつかの第1及び第2の半減期延長ドメインもまた、連結される。いくつかの構築物では、構築物のうちのいくつかの第1及び第2の半減期延長ドメインは、リンカーによって連結される。構築物のうちのいくつかは、マスキング部分を第1の半減期延長ドメインに連結するリンカー、及び/又はIL-2ポリペプチド若しくはその機能的断片を第2の半減期延長ドメインに連結するリンカー内に切断可能なペプチドを含み、それによって、活性化可能なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物をもたらす。IL-2ポリペプチド若しくはその機能的断片を第2の半減期延長ドメインに連結するリンカー、又はマスキング部分を第1の半減期延長ドメインに連結するリンカーのいずれかに切断可能なペプチドを含まないマスクされたIL-2ポリペプチド構築物は、切断可能なペプチドを含まないため、非活性化可能なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物又は非活性化可能なIL-2ポリペプチド構築物とも称される。例示的IL-2ポリペプチド構築物の構造及び組成物が、表5に提供される。
Figure 2023520518000058
Figure 2023520518000059
実施例2:マスクされたIL-2のインビトロ特性評価
実施例1で生成されたマスクされたIL-2ポリペプチド構築物は、インビトロでいくつかの細胞アッセイ及び機能的アッセイを使用して特性評価される。
産生
構築物(例えば、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物)をコードするプラスミドを、Expi293細胞(Life Technologies A14527)又はHEK293-6E細胞(National Research Council;NRC)のいずれかにトランスフェクトした。トランスフェクションは、PEIpro(Polyplus Transfection、115-100)を使用した1mgの総DNAを使用して、総DNAと1:1の比率で実施された。DNA及びPEIを各々、50mLのOptiMem(Life Technologies 31985088)培地に添加し、滅菌濾過した。DNA及びPEIを10分間組み合わせ、それぞれ、expi293細胞又はHEK293細胞について、1.8~2.8×10細胞/mL又は0.85~1.20×10細胞/mの細胞密度、及び少なくとも95%の生存率でExpi293細胞に添加した。HEK293-6Eトランスフェクションは、Expi293トランスフェクションに使用されたものと同じプロトコルに従って、少なくとも95%の細胞密度及び生存率で実施された。5~7日後、細胞を3000×gで遠心分離することによってペレット化し、上清を0.2μmの膜を通して濾過した。プロテインA樹脂(CaptivA、Repligen CA-PRI-0005)を、濾過された上清に添加し、振とうしながら4℃で少なくとも2時間インキュベートした。樹脂をカラムの中に充填し、15カラム体積の20mMクエン酸塩(pH6.5)で洗浄し、次いで、15カラム体積の20mMクエン酸塩、500mM塩化ナトリウム(pH6.5)で洗浄した。結合タンパク質を、20mMのクエン酸塩、100mMのNaCl(pH2.9)でカラムから溶出した。
親(例えば、マスクされていない)及びマスクされた構築物を含む、産生された例示的構築物の力価(mg/L)が、以下の表6に提供される。
Figure 2023520518000060
SDS-PAGE分析
SDS-PAGE分析については、タンパク質サンプルを4x Laemmliサンプル緩衝液(BioRadカタログ番号1610747)を用いて作製した。還元サンプルについては、0.1MのBond Breaker TCEP溶液(Thermo Scientific 77720)を添加し、サンプルを65℃で5分間加熱した。タンパク質を12ウェル NuPage 4~12% Bis-Tris Protein Gel(Invitrogen NP0322BOX)に装填し、ウェル当たり4μgのタンパク質を装填した。SimplyBlue SafeStain(Invitrogen LC6065)を使用して、ゲルを染色した。
図4に描写されるように、SDS-PAGE分析は、例示的構築物(AK304、AK305、AK307、AK308、AK309、AK310、AK311、AK312、AK313、AK314、及びAK315)の産生及び精製後に、フロースルー(FT)サンプル(すなわち、プロテインAカラムに結合しなかったタンパク質)及び溶出(E)サンプル(すなわち、プロテインAカラムに結合し、そこから溶出されたタンパク質)に実施された。この例示的データは、本明細書に記載される構築物が、正常に産生及び精製され得ることを示す。
レポーターバイオアッセイ
レポーターバイオアッセイは、JAK-STAT経路などの下流経路の活性化を監視するために、マスクされていない親構築物又は他の対照とともに、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物に実施される。
いくつかの研究では、HEK-Blue IL-2レポーター細胞(Invivogen)が、以下の方法に従ってJAK-STAT経路の活性化を試験するために使用された。HEK-Blue IL-2細胞6代継代(p6)(97%生細胞)を、アッセイ培地(DMEM+10%熱不活化FBS)で2回洗浄し、150uL中のアッセイ培地中に5e4細胞/ウェルにおいて3つのプレート内で播種し、約2時間アッセイ培地中で静置して、プレートへの接着を可能にした。試験された各構築物をアッセイ培地中で300pMに希釈し、次いで、プレートを1:2まで希釈した。75pMの最終開始濃度のために、50uLの各希釈を添加した。HEK-Blue IL-2細胞上清を24時間後に採取し、3ウェル/プレートのアッセイ培地を加えたQuantiblue(180uL+20uL上清)と37℃で1時間インキュベートした。625nmにおいてBiotek Neo2を使用して、吸光度を読み取った。
いくつかの研究では、CTLL2細胞が、以下の方法に従ってJAK-STAT経路の活性化を試験するために使用された。CTLL2細胞を、10%のFBSを伴うRPMI中にウェル当たり40,000個の細胞で播種した。目的の構築物の希釈物を添加し、37度でインキュベートした。6時間後、Bio-Glo試薬を添加し、BioTek Synergy Neo2プレートリーダーを用いて発光を測定した。
受容体結合
実施例1で生成されたマスクされたIL-2ポリペプチド構築物の結合が評価される。マスクされたIL-2ポリペプチド構築物については、いくつかの実験では、ELISAプレートは、IL-2Rα(CD25とも呼ばれる)、IL-2Rβ(CD122とも呼ばれる)、若しくはIL-2Rγ(CD132とも呼ばれる)、又はそれらの組み合わせなどの受容体サブユニットでコーティングされる。マスクされたIL-2ポリペプチド構築物の希釈物は、受容体サブユニットに結合させられ、抗huFc-HRP検出抗体を使用して検出される。マスクされたIL-2ポリペプチド構築物の結合は、プロテアーゼ切断の有無別の条件で決定される。
細胞上受容体結合
実施例1で生成されたマスクされたIL-2ポリペプチド構築物の細胞上受容体結合が評価される。マスクされたIL-2ポリペプチド構築物の希釈物は、CTLL2細胞などの末梢血リンパ球又は組織培養細胞に結合させられ、抗huFc-FITC又は抗アルブミン-FITC検出抗体を使用して蛍光活性化細胞分類(FACS)によって検出される。マスクされたIL-2ポリペプチド構築物の結合は、プロテアーゼ切断の有無別の条件で決定される。
受容体結合親和性
マスクされた及びマスクされていないIL-2ポリペプチド構築物の結合を試験するSPR研究については、Reichertカルボキシメチルデキストランヒドロゲル表面センサチップが、EDC及びNHSとのアミン結合を介して、10mM酢酸ナトリウム(pH5.0)中の30ug/mlにおいて目的の構築物(例えば、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物又はマスクされていないIL-2ポリペプチド構築物)でコーティング及び固定化された。PBST中のCD25-Fc又はFc-CD122の希釈物(CD25:16nM、8nM、4nM、2nM、1nM及びCD122:500nM、250nM、125nM、62.5nM、31.25nM)を調製した。Reichert 4Channel SPRを使用して、CD25又はCD122の希釈物を、固定化構築物を伴うクリップ上に流し、25℃でのオンレートを決定した。平衡時(約3~4分)、流動緩衝液をPBSTに変更し、6分間にわたってオフレートを決定した。各実行の合間に、チップを10mMのグリシン(pH2.0)で再生した。
図5A~5Dは、CD25-Fcへの例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物(AK168)の結合を試験したSPR分析を使用して、そのアルファ受容体への結合を防止するIL-2上の変異の有効性を描写する。図5Aは、AK168とCD25-Fcとの間の相互作用を描写し、図5Bは、MMPで活性化されたAK168とCD25-Fcとの間の相互作用を描写し、図5Cは、組換えヒトIL-2(rhIL-2)対照とCD25-Fcとの間の相互作用を描写する。図5Dは、会合定数(ka)、解離定数(kd)、平衡解離定数(KD)、並びに各相互作用のChi2値及びU値について取得されたデータを要約する表を提供する。これらの結果は、この例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物(AK168)が、CD25-Fcへの検出可能な結合を実証しなかった一方で、野生型rhIL-2対照が、検出可能な結合を実証したことを実証する。
図6A~6Dは、CD122-Fcへの例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物(AK111)の結合を試験したSPR分析を使用して、そのベータ受容体に向けたIL-2のマスキング、並びにプロテアーゼを用いた活性化後の結合の復元を描写する。図6Aは、AK111とCD122-Fcとの間の相互作用を描写し、図6Bは、MMPで活性化されたAK111とCD122-Fcとの間の相互作用を描写し、図6Cは、組換えヒトIL-2(rhIL-2)対照とCD122-Fcとの間の相互作用を描写する。図6Dは、会合定数(ka)、解離定数(kd)、平衡解離定数(KD)、並びに各相互作用のChi2値及びU値について取得されたデータを要約する表を提供する。これらの結果は、この例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物(AK111)が、プロテアーゼで活性化されていない限り、CD122-Fcへの検出可能な結合を実証しなかった一方で、rhIL-2対照が、検出可能な結合を実証したことを実証する。追加の例示的SPRデータが、マスクされた及びマスクされていない構築物を含む、試験された様々な構築物について、以下の表7に提供される。いくつかの構造については、適用可能である場合、KDは、プロテアーゼによって以前に切断されていることの有無別に構築物について決定された。
Figure 2023520518000061
切断
マスクされたIL-2ポリペプチド構築物の切断速度は、上記に記載されるように、プロテアーゼの存在下又は非存在下で、マスクされたIL-2ペプチド構築物のインキュベーション後に、受容体結合アッセイを行うことによって評価され、プロテアーゼが存在する場合、EDTAの添加などによって、様々な時点で不活化される。切断速度はまた、還元及び非還元ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)を使用して、並びに質量分析全質量及びペプチドマップ分析によって評価される。切断速度はまた、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物が、ヒト、マウス、若しくはカニクイザル末梢血リンパ球、又は正常なヒト組織若しくはヒト腫瘍組織に曝露される、エクスビボアッセイを使用して評価される。
いくつかのプロテアーゼ活性化研究については、MMP10をMMP切断緩衝液中で50ng/uLに希釈し、1mMのAPMAで37℃において2時間活性化した。活性化プロテアーゼのうちの5μLのプロテアーゼ(合計250ng)を、1uMのマスクされたサイトカイン構築物(例えば、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物)とインキュベートし、37度で2時間インキュベートした。切断は、AnykD(商標)Criterion(商標)TGX Stain-Free(商標)タンパク質ゲルを使用してSDS-PAGEによって評価された。類似アプローチが、他のプロテアーゼによる切断を試験するためにとられた。
図7Aは、腫瘍環境に関連するプロテアーゼなどのプロテアーゼによる切断の前(左)及び後(右)のマスクされたIL-2ポリペプチドの例示的構造を描写する。図7Bは、MMP10プロテアーゼの非存在下(左レーン)又は存在下(右レーン)でインキュベートされた例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物のSDS-PAGE分析を描写する。
増殖
実施例1で生成されたマスクされたIL-2ポリペプチド構築物を用いた治療後のCTLL2、YT、TF1B、LGL、HH、及びCT6などのIL-2応答性組織培養細胞株の増殖が評価される。マスクされたIL-2ポリペプチド構築物を伴う実験については、細胞が、IL-2を欠いた培地中で96ウェル組織培養プレートに2~4時間播種され、次いで、様々な濃度においてマスクされたIL-2ポリペプチド構築物で治療される。37度における24~48時間のインキュベーション後、細胞数は、MTS、アラマーブルー、ルシフェラーゼ、又は類似の代謝検出試薬の添加、及びプレート分光光度計リーダーによって検出される比色、蛍光、又はルシフェラーゼの読み出しによって決定される。
実施例1で生成されたマスクされたIL-2ポリペプチド構築物を用いた治療後の免疫細胞の増殖も評価される。ヒト、マウス、又はカニクイザル末梢血単核細胞(PBMC)は、様々な濃度における構築物で治療され、ナチュラルキラー(NK)細胞、CD8+T細胞、CD4+T細胞、及び/又はTreg細胞などの細胞型の増殖は、特定の細胞型の染色及び蛍光活性化細胞分類(FACS)を通した分析によって決定される。いくつかの実験では、いくつかのPBMCは、比較のために対照で治療される。いくつかの実験では、いくつかのPBMCは、マスクされたIL-2ポリペプチド治療のための対照としてのアルデスロイキンで治療される。いくつかの実験では、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物は、プロテアーゼ切断(例えば、活性化)の有無別の条件で試験される。いくつかの実験では、NK細胞は、CD45+CD3-CD56+として染色され、CD8+T細胞は、CD45+CD3+CD8+として染色され、CD4+T細胞は、CD45+CD3+CD4+CD25-として染色され、Treg細胞は、CD45+CD3+CD4+CD25+FOXP3+として染色される。いくつかの実験では、PBMCは、5日の期間にわたって治療される。いくつかの実験では、PBMCはまた、細胞増殖のマーカーであるKi67で染色される。いくつかの実験では、PBMCは、治療前にCFSE(Sigma-Aldrich)で標識され、増殖は、CFSE希釈の程度を決定することによって測定される。いくつかの実験では、各構築物、並びにアルデスロイキン及び/又は他の対照は、0.0001nM~500nMの範囲の1つ以上の濃度などの1つ以上の濃度で投与される。
STAT5活性化
実施例1で生成されたマスクされたIL-2ポリペプチド構築物を用いた治療後のシグナル伝達兼転写活性化因子5(STAT5)の活性化も評価される。PBMCは、指定された期間にわたって構築物で治療され、次いで、STAT5などのタンパク質のリン酸化状態を維持するために即時に固定される。いくつかの実験では、いくつかのPBMCは、比較のために対照で治療される。いくつかの実験では、いくつかのPBMCは、マスクされたIL-2ポリペプチド治療のための対照としてのアルデスロイキンで治療される。いくつかの実験では、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物は、プロテアーゼ切断(例えば、活性化)の有無別の条件で試験される。いくつかの実験では、PBMCは、10分、15分、20分、又は25分間治療される。いくつかの実験では、各構築物、並びにアルデスロイキン及び/又は他の対照は、0.0001nM~500nMの範囲の1つ以上の濃度などの1つ以上の濃度で投与される。いくつかの実験では、固定及び透過化PBMCは、次いで、リン酸化STAT5(ホスホ-STAT5)に特異的な抗体で染色され、フローサイトメトリーによって分析される。いくつかの実験では、STAT5の合計レベル及びリン酸化レベルが測定される。NK細胞、CD8+T細胞、CD4+T細胞、及び/又はTreg細胞などの特定の細胞型のホスホ-STAT5状態は、特定の細胞型の染色によって決定される。いくつかの実験では、NK細胞は、CD45+CD3-CD56+として染色され、CD8+T細胞は、CD45+CD3+CD8+として染色され、CD4+T細胞は、CD45+CD3+CD4+CD25-として染色され、Treg細胞は、CD45+CD3+CD4+CD25+FOXP3+として染色される。
実施例1で生成されたマスクされたIL-2ポリペプチド構築物を用いた治療後のCTLL-2細胞などのマウス細胞株内のSTAT5の活性化も評価される。いくつかの実験では、いくつかのCTLL-2細胞は、比較のために対照で治療される。いくつかの実験では、いくつかのCTLL-2細胞は、マスクされたIL-2ポリペプチド治療のための対照としてのアルデスロイキンで治療される。いくつかの実験では、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物は、プロテアーゼ切断(例えば、活性化)の有無別の条件で試験される。いくつかの実験では、CTLL-2細胞は、10分、15分、20分、又は25分間治療され、次いで、STAT5などのタンパク質のリン酸化状態を維持するために固定される。いくつかの実験では、各構築物、並びにアルデスロイキン及び/又は他の対照は、1つ以上の濃度で投与される。いくつかの実験では、STAT5の合計レベル及びリン酸化レベルが測定される。
いくつかの研究では、IL-2によって誘導された細胞内STAT5活性化(pSTAT5シグナル)のレベルは、以下の方法によって決定された。凍結されたヒトPBMCを、水浴中で解凍し、39mLの事前加温培地(10%FBS、1%P/S、1%NEAを加えたRPMI1640培地)に添加し、10E6細胞/mLにおいて培地中で回転及び再構成した。細胞を、96ウェルプレート中にウェル当たり5E5細胞で播種した。培地中で希釈されたIL-2(例えば、rhIL-2又は例示的IL-2含有ポリペプチド構築物)を各ウェルに添加し、37℃で20分間インキュベートした。次いで、細胞を、200ul/ウェルの固定緩衝液(eBiosciences)を用いて4℃で一晩固定した。遠心分離後、固定細胞を、200ulの冷たいBD Phosflow緩衝液中に再懸濁し、4℃で30分間インキュベートした。細胞を2回洗浄した後、Biolegend Human TruStain FcX(染色緩衝液中のサンプル当たり合計50uLで2.5uL)を用いて氷上で5分間治療した。染色抗体、すなわち、5ulのpSTAT5-APC(pY694、BD)、10ulのCD56-BV421(5.1H11、Biolegend)、10ulのCD4-PerCP/Cy5.5(A161A1、Biolegend)、及び10ulのCD3-FITC(UCHT1、Biolegend)を添加し、氷上で30分間、光から保護してインキュベートした。細胞を2回洗浄し、再懸濁し、フローサイトメトリーによって分析した。
図8A~8Dは、例示的構築物AK032、AK035、AK041、又は対照としてのrhIL-2を使用した、上記に記載されるSTAT5活性化研究からの結果を描写する。STAT5活性化のレベル(%)が、NK細胞、CD8+T細胞、エフェクターT細胞(Teff)、及び調節性T細胞(Treg)について示される。AK032及びAK035構築物は、Fcドメインに連結されたIL-2ポリペプチドを含み、AK041構築物は、CD25ドメイン及びCD122ドメインに連結されたIL-2ポリペプチドを含む。示されるように、操作されたIL-2ポリペプチド構築物は、いくつかの実施形態では、CD8+T細胞及びNK細胞の活性化を保持又は強化しながら、Treg細胞の活性化を低減することができる。
図9A~9Cは、例示的構築物AK081及びAK032を使用した、上記に記載されるSTAT5活性化研究からの結果を描写する。MMP10への以前の曝露の有無別のAK081構築物が試験された。アイソタイプ対照並びに無IL-2陰性対照も試験された。STAT5活性化のレベル(%)は、NK細胞、CD8+T細胞、及びCD4+T細胞について示される。AK032及びAK081構築物は、Fcドメインに連結されたIL-2ポリペプチドを含み、AK081構築物は、IL-2ポリペプチドをFcドメインに接続するリンカー内に切断可能なペプチドを含む。示されるように、マスクされていない単量体AK081 IL-2ポリペプチド構築物は、マスクされていない二量体AK032 IL-2ポリペプチド構築物と同様に、プロテアーゼ活性化の有無別にPBMCのSTAT5活性化を刺激する。
図10A~10Dは、例示的構築物AK081及びAK111、並びにrhIL-2及び抗RSV抗体を含んだ対照を使用した、上記に記載されるSTAT5活性化研究からの結果を描写する。無治療対照も試験された。AK111構築物は、(C125A変異を除く)IL-2ポリペプチドの野生型を含む、例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物である。図10A~10Dに示されるように、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物AK111は、マスクされていないIL-2ポリペプチド構築物AK081と比較して、STAT5活性化の低減を実証した。図10Dは、AK081、AK111構築物、及びrhIL-2対照のEC50(pM)及び倍率変化データを提供する。
図11A~11Dは、例示的構築物AK167及びAK168、並びにrhIL-2及び抗RSV抗体を含んだ対照を使用した、上記に記載されるSTAT5活性化研究からの結果を描写する。無治療対照も試験された。AK168構築物は、CD25結合を排除又は低減するIL-2ポリペプチドの変異形態を含む、例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物である。AK167構築物は、同じ変異IL-2ポリペプチドを含むAK168構築物の親のマスクされていない形態である。図11A~11Cに示されるように、マスクされていないAK167構築物は、rhIL-2対照と比較してSTAT5活性化の低減を実証し、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物AK168は、検出可能なSTAT5活性化を誘導しなかった。図11Dは、AK167、AK168構築物、並びにrhIL-2対照のEC50(pM)及び倍率変化データを提供する。AK168構築物のEC50は、検出不能(n.d.)であった。
図12A~12Dは、(+MMP10)であったか、又は以前にMMP10プロテアーゼに曝露されなかった、例示的構築物AK165及びAK166、並びにアイソタイプ対照及びIL-2-Fc対照を使用した、上記に記載されるSTAT5活性化研究からの結果を描写する。AK166構築物は、(C125A変異を除く)IL-2ポリペプチドの野生型を含む例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物である。AK165構築物は、同じIL-2ポリペプチドを含むAK166構築物の親のマスクされていない形態である。図12Aに示されるような凡例は、図12Bにも適用され、図12Cに示されるような凡例は、図12Dにも適用される。図12A~12Dに示されるように、STAT5活性化は、マスクされたAK166構築物(プロテアーゼ切断なし)について大幅に減少したが、活性化プロテアーゼMMP10への曝露後にIL2-Fc対照に類似するレベルに回復した。
図13A~13Cは、(+MMP10)であったか、又は以前にMMP10プロテアーゼに曝露されなかった、例示的構築物AK109及びAK110、並びにアイソタイプ対照及びIL-2-Fc対照を使用した、上記に記載されるSTAT5活性化研究からの結果を描写する。AK109及びAK110構築物は、異なるヘテロ二量体形成変異を有する半減期延長ドメインを含む、例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物である。図13Bに示されるような凡例は、図13Aにも適用される。図13A~13Cに示されるように、STAT5活性化は、マスクされたAK109及びAK110構築物(プロテアーゼ切断なし)について大幅に減少したが、活性化プロテアーゼMMP10への曝露後にIL2-Fc対照に類似するレベルまで大幅に増加した。
図14A~14Dは、構築物AK211、AK235、AK253、AK306、AK310、AK314、及びAK316、並びにrhIL-2対照を使用した、上記に記載されるSTAT5活性化試験からの結果を描写する。これは、CD25結合を調節する様々な変異を含む、親のマスクされていない構築物(AK235、AK253、AK306、AK310、AK314)である構築物を含む。図14Dは、試験された構築物の各々並びにrhIL-2対照のEC50データを提供する。
図15A~15Dは、プロテアーゼによって活性化された構築物AK081、AK167、AK216、AK218、AK219、AK220、及びAK223、並びにrhIL-2対照を使用した、上記に記載されるSTAT5活性化試験からの結果を描写する。無治療対照も試験された。これは、CD25結合を調節する様々な変異を含む、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物(AK216、AK218、AK219、AK220、及びAK223)を含む。構築物は、STAT5を活性化する能力を試験する前に、活性化プロテアーゼに前もって曝露された。図15Dは、試験された構築物の各々並びにrhIL-2対照のEC50データを提供する。
図16A~16Cは、構築物AK081、AK189、AK190、及びAK210、並びに抗RSV対照を使用した、上記に記載されるSTAT5活性化研究からの結果を描写する。これは、C125A変異を有するIL-2ポリペプチドを含み、同じ切断可能なペプチド配列(RAAAVKSP)を含むが、プロテアーゼ切断配列のN末端上のアミノ酸残基の差異により、異なるリンカー配列を有する、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物(AK189、AK190、AK210)を含む。図16Aに示されるような凡例は、図16B及び16Cにも適用される。
図17A~17Cは、構築物AK167、AK191、AK192、及びAK193、並びに抗RSV対照を使用した、上記に記載されるSTAT5活性化試験からの結果を描写する。これは、R38A、F42A、Y45A、E62A、及びC125A変異を有するIL-2ポリペプチドを含み、同じ切断可能なペプチド配列(RAAAVKSP、配列番号27)を含むが、プロテアーゼ切断配列のN末端上のアミノ酸残基の差異により、異なるリンカー配列を有する、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物(AK189、AK190、AK210)を含む。図17Aに示されるような凡例は、図17B及び17Cにも適用される。
実施例3:マスクされたIL-2のインビボ特性評価
薬物動態
実施例1で生成されたマスクされたIL-2ポリペプチド構築物の薬物動態が、マウスモデルを使用してインビボで評価される。
マウスが、構築物を用いて静脈内又は皮下で治療され、血漿中の構築物の濃度が、経時的に測定される。いくつかの実験では、数匹のマウスが、比較のために対照で治療される。いくつかの実験では、数匹のマウスが、マスクされたIL-2ポリペプチド治療のための対照としてのアルデスロイキンで治療される。いくつかの実験では、治療されるマウスは、腫瘍を有する。いくつかの実験では、治療されるマウスは、腫瘍を含まない。いくつかの実験では、マウスが、構築物で治療され、血液が、治療過程にわたって様々な時点で採取され、これには、治療の開始前に血液を採血し、血漿を取得するためにそれを処理することが含まれ得る。いくつかの実験では、血液が、2週間、3週間、若しくは4週間又はそれ以上の治療過程にわたって様々な時点で採取される。いくつかの実験では、投与された構築物並びにアルデスロイキン及び/又は他の対照の平均血漿中濃度が測定される。マスクされたIL-2ポリペプチド構築物は、IL-2及びヒトFc特異的ELISAを用いて、PBS Tweenへの希釈後に血漿サンプル中で検出され、各構築物について生成された標準曲線を使用して定量化される。完全長及び切断構築物の割合は、抗huFc-HRP及び抗huIL-2-HRPを用いたウェスタンブロットによって、並びに全質量及びペプチド質量分析によって決定される。
腫瘍におけるマスクされたIL-2ポリペプチド構築物の薬物動態も、マウスモデルを使用してインビボで評価される。腫瘍を有するマウスが、構築物を用いて静脈内又は皮下で治療され、マウスの腫瘍内の構築物の濃度が、評価される。いくつかの実験では、数匹のマウスが、比較のために対照で治療される。いくつかの実験では、数匹のマウスが、マスクされたIL-2ポリペプチド治療のための対照としてのアルデスロイキンで治療される。腫瘍は、構築物の存在、及び特定のプロテアーゼの存在について分析される。いくつかの実験では、腫瘍は、完全長及び切断構築物の存在及び割合について分析される。
いくつかの薬物動態研究は、以下の方法に従って実行された。C57BL/6メスマウスが、Charles River Laboratoriesから購入され、試験開始時に8~10週齢であった。MC38腫瘍細胞(マウス当たり5×10個の細胞)を、各マウスの右脇腹に皮下注射した。約100mmサイズの腫瘍に到達すると(0日目)、マウスは、PBS中の目的の構築物(例えば、マスクされていない親IL-2ポリペプチド構築物、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物、又は非切断可能なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物)の単回の2mg/kg静脈内用量を受けた。試験された構築物としては、例えば、AK032、AK081、AK111、AK167、AK168、AK191、AK197、AK203、AK209、及びAK211が挙げられる。投与後5分、1日目、2日目、及び5日目に血漿を収集した。薬物レベルは、捕捉抗体及び様々な検出抗体として抗ヒトIgG(クローンM1310G05、Biolegend)を利用したELISAを使用して、決定された。ヒトIgG(ab97225、Abcam)又はCD122(クローン9A2、Ancell)及びIL-2(Poly5176、Biolegend)に対するHRP又はビオチン複合検出抗体が、それぞれ、総薬剤レベル及び非切断薬物レベルを検出するために利用された。
図18A~18Dは、構築物AK032、AK081、AK111、AK167、及びAK168、並びに抗RSV対照を使用して、担腫瘍マウスで上記に記載されるように実行された薬物動態研究からの結果を描写する。図18Aは、試験された構築物の各々の構造の単純な描写を提供する。示されるように、AK111及びAK168は、例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物である。AK167及びAK168構築物は、CD25への結合を排除又は低減する変異(R38A、F42A、Y45A、及びE62A)を含む。図18Aは、ヒトIgGを検出することによって血漿中のFcレベル(μg/mL)を示し、図18Cは、ヒトCD122を検出することによって血漿中のFc-CD122レベル(μg/mL)を示し、図18Dは、ヒトIL-2を検出することによって血漿中のFc-IL2レベル(μg/mL)を示す。
図19A~19Dは、構築物AK167、AK191、AK197、AK203、AK209、及びAK211、並びに抗RSV対照を使用して、担腫瘍マウスで上記に記載されるように実行された薬物動態研究からの結果を記載する。図19Aは、試験された構築物の各々の構造の単純な描写を提供する。示されるように、AK168、AK191、AK197、AK203、及びAK209は、各々、IL-2ポリペプチドを半減期延長ドメインに接続するリンカー中に異なる切断可能なペプチド配列を含む、例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物である。図19Bは、ヒトIgGを検出することによって血漿中のFcレベル(μg/mL)を示し、図19Cは、ヒトIL-2を検出することによって血漿中のFc-IL2レベル(μg/mL)を示し、図19Dは、ヒトCD122を検出することによって血漿中のFc-CD122レベル(μg/mL)を示す。図19B、19C、及び19Dに示されるように、血漿中のFcレベル、Fc-IL2レベル、及びFc-CD122レベルは、試験されたマスクされたIL-2ポリペプチド構築物の間で類似する。
マウスにおける生物活性
実施例1で生成されたマスクされたIL-2ポリペプチド構築物のインビボ生物活性が、C57BL/6マウスなどのマウスモデルを使用してインビボで評価される。マウスが構築物で治療され、インビボ生物活性が評価される。いくつかの実験では、数匹のマウスが、比較のために対照で治療される。いくつかの実験では、数匹のマウスが、マスクされたIL-2ポリペプチド治療のための対照としてのアルデスロイキンで治療される。いくつかの実験では、治療されるマウスは、腫瘍を有する。いくつかの実験では、治療されるマウスは、腫瘍を含まない。いくつかの実験では、免疫細胞の用量依存性拡張が、マウスにおいて評価される。いくつかの実験では、マウスは、様々な用量の構築物、アルデスロイキン、又は他の対照で治療される。いくつかの実験では、マウスは、2週間にわたって治療される。血液が、様々な時点でマウスから収集され、次いで、目的の免疫細胞マーカーに対する抗体を使用して染色される。いくつかの実験では、CD8+T細胞、NK細胞、及びTreg細胞などの特定の循環細胞型の増殖及び拡張の長軸方向動態、並びにCD8+T細胞及びNK細胞とCD4+CD25+FoxP3+Treg細胞との比率も決定される。いくつかの実験では、マウスは、器官湿潤重量及び組織学によって決定される肺及び肝臓のような特定の器官における浮腫及びリンパ球浸潤を評価することなどによって、血管漏出について評価される。
いくつかの研究では、以下の方法を実施することによって、IL-2ベースの療法によって媒介される潜在的な毒性関連効果を評価するために、血管漏出が評価された。反復用量毒性研究が、Charles River Laboratoriesから購入され、研究開始時に体重18~22グラムの8~10週齢であったC57BL/6メスマウスを使用して行われた。5匹のマウスの群が、PBS中のマスクされた及びマスクされていないIL-2構築物の腹腔内注射を4日又は5日間にわたって毎日受けた。試験された構築物は、AK081、AK111、AK167、及びAK168を含んだ。対照抗体も、対照として投与された。最終用量の2時間後、すべてのマウスは、PBS中の0.1mlの1%エバンスブルー(Sigma、カタログ番号E2129)の静脈内注射を受けた。エバンスブルー投与の2時間後、マウスを麻酔し、PBS中10U/mlのヘパリンで灌流した。エバンスブルーの血管漏出の指標としてNanoDrop OneC(Thermo Fisher Scientific,Waltham,MA)を用いて650nmにおける上清の吸光度を測定する前に、脾臓、肺、及び肝臓を採取し、3mlの4%PFA中で4℃において2日間固定した。固定された器官をパラフィンに包埋し、切片化し、ヘマトキシリン及びエオシンで染色した。病理組織学的研究及び定量化が、NovoVita Histopath Laboratory,LLC(Allston,MA)によって標準手順に従って実行された。図25A~50Dは、例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物AK111及びAK168、並びにマスクされていないIL-2ポリペプチド構築物AK081及びAK167、並びに抗RSV対照を使用して、血管漏出を評価するための上記に記載されるインビボ研究からの結果を描写する。図25Aは、体重減少の割合(%)を示し、図25B、25C、及び25Dは、それぞれ、各々について肝臓、肺、及び脾臓の重量をグラムで示す。
組織への染料漏出の程度を測定することによって示されるような血管漏出も、抗RSV対照とともに、AK081、AK111、AK167、及びAK168構築物について評価され、結果が、それぞれ、肝臓及び肺について図26A及び26Bに示される。染料漏出の程度が、650nmにおける吸光度に基づいて測定された。
肝臓及び肺への単核細胞血管周辺浸潤の程度を測定することによって示されるような血管漏出も、抗RSV対照とともに、AK081、AK111、AK167、及びAK168構築物について評価され、結果が、それぞれ、肝臓及び肺について図27A及び27Bに示される。肝臓内の単核細胞の平均数(図27A)及び肺内の単核細胞の平均数(図27B)が、各々ついて描写される。図27Bに示されるように、例えば、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物AK111及びAK168は、マスクされていない構築物AK081及びAK167とは異なり、肺内の検出可能な数の単核細胞をもたらさなかった。
浸潤免疫細胞表現型
実施例1で生成されたマスクされたIL-2ポリペプチド構築物で治療されたマウスモデルにおいてインビボで腫瘍に浸潤する免疫細胞の表現型が評価される。マウスが構築物で治療され、腫瘍浸潤性免疫細胞の表現型が評価される。いくつかの実験では、数匹のマウスが、比較のために対照で治療される。いくつかの実験では、数匹のマウスが、マスクされたIL-2ポリペプチド治療のための対照としてのアルデスロイキンで治療される。腫瘍を持つマウスが、構築物、アルデスロイキン、又は別の対照で治療され、腫瘍、肝臓、肺、及び脾臓などの組織、並びに血液が、初回投与の5日後、7日後、又は10日後などの初回投与後の様々な時点で収集される。いくつかの実験では、免疫細胞が、腫瘍、組織、及び血液から単離され、フローサイトメトリーを使用して表現型評価を受ける。いくつかの実験では、単離された免疫細胞は、CD8+T細胞、メモリーCD8+T細胞、活性化NK細胞、CD4+T細胞、及びCD4+Treg細胞のマーカーなどの目的のマーカーを使用して評価される。
いくつかの研究では、インビボで腫瘍に浸潤する免疫細胞の表現型が、以下の方法を使用して評価された。C57BL/6メスマウスが、Charles River Laboratoriesから購入され、試験開始時に8~10週齢であった。MC38腫瘍細胞(マウス当たり5×10個の細胞)を、各マウスの右脇腹に皮下注射した。約100mmサイズの腫瘍に到達すると(0日目)、マウスは、PBS中の目的の構築物(例えば、マスクされていない親IL-2ポリペプチド構築物、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物、又は非切断可能なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物)の単回の2mg/kg静脈内用量を受けた。5日目に、マウスがCO2窒息によって安楽死させられ、腫瘍、肝臓、脾臓、及び血液が採取された。細胞懸濁液が、機械的破損及び40μm細胞ストレーナーを通した通過によって脾臓から調製された。腫瘍組織が、Miltenyi Tumor Dissociation Kit試薬(Miltenyiカタログ番号130-096-730)を使用して酵素的に消化され、gentleMACS Dissociator(Miltenyi)が、機械的解離ステップに使用された。脾臓中の赤血球並びに腫瘍細胞懸濁液及び血液が、ACK緩衝液(Gibcoカタログ番号A10492)を使用して溶解された。細胞懸濁液は、以下の抗体で染色された:CD45(クローン30-F11、eBioscience)、CD3(クローン2C11、Biolegend)、CD8(クローン53-6.7、BD Biosciences)、CD4(クローンRM-45、BD Biosciences)、FOXP3(MF-14、Biolegend)、CD25(3C7、Biolegend)、CD44(クローンIM7、eBioscience)、及びNKp46(29A1.4、eBioscience)。データ収集がMACSQuant Analyzerフローサイトメーター(Milenyi)上で実行され、データがFlowJoを使用して分析された。
AK032、AK081、AK111、AK167、及びAK168構築物、並びに抗RSV IgG対照を使用して上記に記載されるように実行された、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD4、CD8、NK、及びTregのインビボ応答率を試験した研究からの結果が、図20A~20Lに示される。AK111及びAK168は、例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物である。
AK167、AK168、AK191、AK197、AK203、AK209、及びAK211構築物、並びに抗RSV IgG対照を使用して上記に記載されるように実行された、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD4、CD8、NK、及びTregのインビボ応答率を試験した研究からの結果が、図21A~21Lに示される。AK168、AK191、AK197、AK203、及びAK209は、各々、IL-2ポリペプチドを半減期延長ドメインに接続するリンカー中に異なる切断可能なペプチド配列を含む、例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物である。統計分析が、非切断可能なAK211構築物と比較して、一元配置分散分析を使用して実施された。
AK235、AK191、AK192、AK193、AK210、AK189、AK190、及びAK211構築物を使用して上記に記載されるように実行された、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD4、CD8、NK、及びTregのインビボ応答率を試験した研究からの結果が、図22A~22Lに示される。AK191、AK192、AK193、AK210、AK189、及びAK190は、各々、IL-2ポリペプチドを半減期延長ドメインに接続するリンカー中に異なる切断可能なペプチド配列を含む、例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物である。リンカー配列はまた、利用されるリンカー配列に応じて、これらの構築物間で異なる。AK189、AK190、及びAK210は、C125A変異を有するIL-2ポリペプチドを含み、AK191、AK192、及びAK193は、C125A、R38A、F42A、Y45A、及びE62A変異を有するIL-2ポリペプチドを含む。AK235構築物は、マスクされていない構築物であり、AK211構築物は、非切断可能なリンカー配列を含む。統計分析が、非切断可能なAK211構築物と比較して、一元配置分散分析を使用して実施された。
AK235、AK191、AK192、AK193、AK210、AK189、AK190、及びAK211構築物を使用して上記に記載されるように実行された、脾臓、血液、及び腫瘍中のインビボT細胞活性化を試験した研究からの結果が、図23A~23Iに示される。T細胞活性化が、脾臓、血液、及び腫瘍中のCD8+T細胞、CD4+T細胞、又はFoxp3+細胞のCD25の平均蛍光強度(MFI)として測定された。統計分析が、非切断可能なAK211構築物と比較して、一元配置分散分析を使用して実施された。
インビボ切断
マスクされたIL-2サイトカイン構築物(例えば、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物)のインビボ切断が評価される。いくつかの研究では、対照抗体が比較のために投与される。いくつかの研究では、インビボ切断は、マウスにおいて目的の構築物を投与し、一定期間後、ヒトIgGを捕捉し、次いで、例えば、ヒトIgG、CD122、及びIL-2のレベルを測定することによって、評価される。
マスクされたIL-2ポリペプチド構築物のインビボ切断を試験するいくつかの研究では、薬物レベル(すなわち、切断副産物を含む、投与される構築物のレベル)が、捕捉抗体及び様々な検出抗体として抗ヒトIgG(クローンM1310G05、Biolegend)を利用するELISAを使用して決定された。ヒトIgG(ab97225、Abcam)又はCD122(クローン9A2、Ancell)及びIL-2(Poly5176、Biolegend)に対するHRP又はビオチン複合検出抗体が、それぞれ、総薬物レベル及び非切断薬物レベルを検出するために利用された。切断及び放出されたIL-2の濃度が、総薬物濃度から非切断(すなわち、インタクト)薬物濃度を差し引くことによって計算される。図24A~24Dは、例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物AK168(切断可能なペプチド配列:MPYDLYHP)及びAK209(切断可能なペプチド配列:VPLSLY、配列番号15)のインビボ切断を試験した研究からの結果を描写する。AK167構築物は、マスクされたAK168構築物と同じIL-2ポリペプチドを含む、切断可能なマスクされていないIL-2ポリペプチド構築物である。図24A~24Dに示されるように、マスクされた(AK168及びAK209)構築物並びにマスクされていない(AK167)構築物の両方が効果的に切断され、両方の切断可能なペプチド配列の両方が切断された。図24Eは、AK167、AK168、及びAK209構築物の合計レベル、並びに各構築物の非切断形態のレベルについて、総血漿中IgG濃度(μg/mL)の薬物動態研究からの結果を描写する。
腫瘍の根絶及び転移の阻害
腫瘍の根絶を促進し、転移を阻害する実施例1で生成されたマスクされたIL-2ポリペプチド構築物の能力は、同系MC38、CT26、及びB16F10腫瘍モデルなどのマウスモデルを使用してインビボで評価される。
マウスは、腫瘍細胞を皮下に移植され、腫瘍は、触知可能なサイズまで成長させられる。担腫瘍マウスが、マスクされたIL-2構築物で治療され、腫瘍体積が、治療過程にわたって測定される。いくつかの実験では、数匹のマウスが、比較のために対照で治療される。いくつかの実験では、数匹のマウスが、マスクされたIL-2ポリペプチド治療のための対照としてのアルデスロイキンで治療される。腫瘍体積が、治療過程にわたって定期的に測定される。いくつかの実験では、体重もまた、治療過程にわたって定期的に測定される。いくつかの実験では、血漿サンプルが治療過程にわたって生成され、薬物動態、薬力学、切断、並びにCD8+T細胞、メモリーCD8+T細胞、活性化NK細胞、CD4+T細胞、及びCD4+Treg細胞のマーカーなどの血液マーカーについて分析される。
転移を阻害するマスクされたIL-2ポリペプチド構築物の能力もまた、肺転移を評価するための同系CT26腫瘍モデルなどの転移研究に好適なマウスモデルを使用してインビボで評価される。マウスは、腫瘍細胞を皮下に移植される。いくつかの実験では、腫瘍は、治療の前に触知可能なサイズまで成長させられる。いくつかの実験では、治療は、腫瘍が触知可能なサイズに成長する前に開始する。担腫瘍マウスは、マスクされたIL-2構築物で治療され、肺、肝臓、及びリンパ節などの組織への腫瘍細胞転移について評価される。
いくつかの研究では、同系腫瘍モデルが、以下の方法に従って、腫瘍体積を低減するマスクされたIL-2ポリペプチド構築物の能力を評価するために使用された。C57BL/6メスマウスが、Charles River Laboratoriesから購入され、試験開始時に8~10週齢であった。MC38腫瘍細胞(マウス当たり5×105個の細胞)を、各マウスの右脇腹に皮下注射した。約125mm3サイズの腫瘍に到達すると(0日目)、マウスは、PBS中の2mg/kg用量のAK081、AK111、AK167、若しくはAK168、又は対照としての抗RSV抗体を受けるように無作為化された。マウスは、6回の投与のために週に3回腹腔内投与された。腫瘍体積がダイヤルキャリパーを使用して計算され(長さ*(幅^2)/2)、体重が週に2回記録された。図28A及び28Bは、治療過程にわたって腫瘍体積及び体重を評価した同系腫瘍モデル研究からの結果を示す。図28Aに示されるように、マスクされた構築物AK111及びAK168を含む例示的IL-2ポリペプチド構築物を使用した治療は、抗RSV対照と比較して、経時的に腫瘍成長阻害をもたらした。図28Bに示されるように、マウスがマスクされた構築物AK111及びAK168で治療されたときに観察された、体重減少の一般的な欠如があった。
カニクイザルにおける生物活性
実施例1で生成されたマスクされたIL-2ポリペプチド構築物のインビボ生物活性が、カニクイザルにおいてインビボで評価される。カニクイザルが構築物で治療され、インビボ生物活性、薬物動態、及び切断が評価される。いくつかの実験では、数匹のサルが、比較のために対照で治療される。いくつかの実験では、数匹のサルが、マスクされたIL-2ポリペプチド治療のための対照としてのアルデスロイキンで治療される。いくつかの実験では、サルは、様々な用量の構築物、アルデスロイキン、又は他の対照で治療される。血液が、様々な時点でサルから収集され、次いで、CD8+T細胞、メモリーCD8+T細胞、活性化NK細胞、CD4+T細胞、及びCD4+Treg細胞などの特定の細胞型、並びに/又は総リンパ球の用量反応、Ki67+、及び可溶性CD25などの目的のマーカーについて評価される。いくつかの実験では、特定の循環T及びNK細胞型の増殖及び拡張の長軸方向動態が評価される。いくつかの実験では、マスクされたIL-2ポリペプチド構築物の薬物動態及び切断が、ELISA、PAGE、及び質量分析によって決定される。
非ヒト霊長類における例示的なマスクされたIL-2ポリペプチド構築物の安全性プロファイルを試験するために、用量範囲試験が以下の方法に従って実施される。3匹の健康なオスカニクイザル(Macaca fascicularis)の群が、100mMのクエン酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)中の10、30、及び100nmol/kgにおいて、2mL/kgの活性化可能な(すなわち、切断可能な)マスクされたIL-2ポリペプチドタンパク質又は非切断可能なマスクされたIL-2ポリペプチドタンパク質の単回静脈内ボーラス用量を受けるように無作為に割り当てられる。第3の群は、陽性対照として、3、10、及び30nmol/kgにおいて親のマスクされていない切断可能タンパク質を受け取る。この第3の群は、親のマスクされていない分子のより高い効力を説明するために、より低い範囲で投与される。用量は、分子量の差を説明するためにモルで計算される。血液サンプルが、投与前、並びに投与後1、24、48、72、96、168、264、及び336時間で収集される。自動血液分析器が、リンパ球サブセット及び血清化学の変化を監視するために使用される。総薬物レベル及びインタクトな(すなわち、非切断)薬物レベルが、上記に記載されるカスタムELISAを使用して血漿から測定される。可溶性CD25レベルが、免疫刺激を監視するためにELISA(R&D systems、カタログ番号DR2A00)で測定される。炎症性サイトカインの血漿中レベルが、カスタム多重化電気化学発光アッセイ(Meso Scale Discovery)を使用して定量化される。血圧が、血管漏出症候群の指標として監視される。PKが、IL-2を捕捉し、ヒトFcを検出するELISAを使用して、及びヒトFcを捕捉し、ヒトFcを検出するELISAによって、分析される。
実施例4:
C57BL/6メスマウスが、Charles River Laboratoriesから購入され、試験開始時に8~10週齢であった。MC38腫瘍細胞(マウス当たり5×10個の細胞)を、各マウスの右脇腹に皮下注射した。約100mmサイズの腫瘍に到達すると(0日目)、マウスは、PBS中の様々なFc-IL-2構築物の単回高用量腹腔内用量を受けた。血漿が、投与後5分、3日目、5日目、及び7日目に収集された。
使用される構築物は、以下である:
Figure 2023520518000062
免疫表現型検査が、FACSベースの方法を使用して実施された。5日目に、マウスがCO2窒息によって安楽死させられ、腫瘍、肝臓、脾臓、及び血液が採取された。細胞懸濁液が、機械的破損及び40μm細胞ストレーナーを通した通過によって脾臓から調製された。腫瘍組織が、Miltenyi Tumor Dissociation Kit試薬(Miltenyiカタログ番号130-096-730)を使用して酵素的に消化され、gentleMACS Dissociator(Miltenyi)が、機械的解離ステップに使用された。脾臓中の赤血球並びに腫瘍細胞懸濁液及び血液が、ACK緩衝液(Gibcoカタログ番号A10492)を使用して溶解された。
細胞懸濁液は、以下の抗体で染色された:CD45(クローン30-F11、eBioscience)、CD3(クローン2C11、Biolegend)、CD8(クローン53-6.7、BD Biosciences)、CD4(クローンRM-45、BD Biosciences)。データ収集がMACSQuant Analyzerフローサイトメーター(Milenyi)上で実行され、データがFlowJoを使用して分析された。
薬物レベルが、捕捉抗体及び様々な検出抗体として抗ヒトIgG(クローンM1310G05、Biolegend)を利用したELISAを使用して、決定された。ヒトIgG(ab97225、Abcam)又はCD122(クローン9A2、Ancell)及びIL-2(Poly5176、Biolegend)に対するHRP又はビオチン複合検出抗体が、それぞれ、総薬物レベル及び非切断薬物レベルを検出するために利用された。
I253A FcRn変異を伴うAK471は、図29A及び29Bに示されるように、TMEにおいて堅調なCD8 T細胞の拡張を誘発した一方で、周辺では不活性のままであった。
AK471は、図30A、B及びCに示されるように、アグリコ-hIgG1と比較して、わずかに短い半減期を有する。
血漿中のAK471で切断又は切除の証拠がない(図31A、B、及びC)。
実施例5:IL-12ヘテロAK化(Heteroaklusion)
SPRによるIL-12受容体であるIL-12Rb1及びIL-12Rb2への切断及び結合:
センサチップをIL-12受容体でコーティング及び固定化した。IL-12構築物の希釈物を、固定化IL-12受容体を伴うチップ上に流し、25℃でのオンレートを決定した。平衡時(約3分)、流動緩衝液をPBSTに変更し、6分間にわたってオフレートを決定した。各実行の合間に、チップが再生された。表は、SPRデータを表す(図34及び35)。IL-12のマスキングが受容体への結合を妨げたため、NDは「未定」であり、したがって、結合数は決定できなかった。
HEK-Blue IL-12細胞を用いたIL-12分子の試験:
Invivogenによって開発されたHEK-Blue IL-12レポーター細胞は、JAK-STAT経路の活性化を監視するように特異的に設計されている。これらの細胞は、完全に機能的なIL-12シグナル伝達経路を得るために、ヒトJAK2及びSTAT4遺伝子とともに、ヒトIL-12Rβ1及びIL-12Rβ2遺伝子を用いたHEK293細胞の安定したトランスフェクションによって生成された。加えて、STAT4誘発性SEAPレポーター遺伝子も導入された。刺激時に、HEK-Blue(商標)IL-12細胞は、STAT4の活性化及びSEAPの後続の分泌を誘起する。STAT4誘発性SEAPのレベルは、QUANTI-Blue(商標)を使用して容易に監視されることができる。HEK-Blue IL-12細胞は、ヒト又はマウスIL-12の機能性、毒性、及び可変用量投与量効果を検証するために使用されることができる。HEK Blue IL-12細胞を、約80%の密集まで継代培地中で増殖させた。アッセイ培地中の洗浄された単一細胞懸濁液が播種され、アッセイ培地中のIL-12分子の連続希釈物が細胞に添加された。プレートが、37℃で24時間インキュベートされた。24時間後、Quanti-Blue溶液(Invivogen)が調製され、細胞上清がQuanti-Blue溶液に添加され、37℃で1~2時間インキュベートされた。625nmにおける吸光度が測定された。データ分析が、Graphpad Prismのバージョン8.3で実施された。背景が未加工データから差し引かれ、データが非線形に適合された:[アゴニスト]対応答-可変勾配(4つのパラメータ)。各IL-12構築物のEC50値が報告された。
実施例6
本実施例は、IL-12構築物上のGAG結合ドメインの変異がPKを変化させるかどうかを調査し、2つのGAG結合変異バリアント(AK600及びAK601)が、C57BL/6非担腫瘍マウスにおけるWT IL-12構築物(AK598)と比較された。それぞれ、AK600は、KDNTERV GAG結合ドメイン変異体を有し、AK601は、KDNTEGRV GAG結合ドメイン変異体を有する。
AK598、AK600、及びAK601はすべて、以下の構築構造を有する:
Figure 2023520518000063
動物は、静脈内注射を通して、1mg/kg又は10mg/kgのいずれかで単回投与された。血漿中薬物濃度が、ヒトFc捕捉(Southern Biotech IgGカタログ番号2049-01、ヤギ抗ヒトIgG、サルads-UNLB)ヒトFc検出(ab97225)及び/又はヒトFc捕捉/抗ヒトIL-12(ab83448)検出ELISAを使用して、測定された。
Figure 2023520518000064
ELISAから、AK600及びAK601の両方からのGAG結合変異は、AK598と比較して、Cmax及びAUCにおいて薬物曝露を改善することが見出された。AK600とAK601の間でPKプロファイルの差異は観察されなかった。AK600及びAK601の両方は、約2日である、AK598と類似する半減期を有する。
結果が、図36~40に示される。
実施例7
遊離システイン残基は、分子間架橋及び凝集を引き起こし得る。本実施例は、システインからセリンへのアミノ酸変異が、凝集及び安定性に影響を及ぼすかどうかを試験する。
以下の構築物が、この実施例で使用された:
Figure 2023520518000065
AK386、AK604、AK605、及びAK606の配列は、第10節における配列表内にある。
タンパク質を、指定された緩衝液と40℃で3日間又は12日間インキュベートした。次いで、分子を、HPLCサイズ排除クロマトグラフィーによって、並びにSDS-PAGE及びクマシー染色によって分析した。
3日目に、十分な凝集物のみが、AK606が最良にランク付けされた2つの緩衝条件におで安定性をランク付けするために存在した。Cys→Ser変異では、より安定的になる傾向にある。12日目に、AK606は、6つの追加の緩衝条件で最良にランク付けされた。Cys→Ser変異は、安定性を付与すると思われる。SDS-PAGEは、Cys242がCys252よりも多くの共有結合性凝縮を引き起こすことを示す。0/12日目が示され、AK386及びAK605は、AK604及びAK606よりもはるかに多くの共有結合性凝集を示す。
結果が、図41~43に示される。
実施例8
本実施例は、例示的IL-12構築物のマスキング及び切断を示す。
以下の構築物が、この実施例で使用された:
Figure 2023520518000066
AK671は、マスクされていない分子であり、AK663は、サイトカインを含まず、AK664は、非切断可能である。これら3つの分子は、対照としての役割を果たす。
各構築物のための切断ペプチドが、各列の最上部に示される。
AK666、AK667、AK918、AK920、及びAK669は、「バージョン1」構築物である。AK665、AK668、AK919、AK921、AK670は、「バージョン2」構築物である。AK924、AK922、AK925、及びAK923は、「バージョン3」構築物である。
切断可能なリンカー(プロテアーゼ部位リンカー)、すなわち、HL2とIL-12ドメインとの間のリンカー、及びHL1と各バージョンのマスキング部分との間の非切断可能なリンカー(b2受容体リンカー)が、以下に示される。
Figure 2023520518000067
適用可能である場合、これらの構築物のすべては、IL-12p40サブユニットのGAG結合ドメインに対するKDNTEGRV変異、Il-12p40サブユニットのC252S変異、及びIL-12RB2ドメインのC242S変異を含む。各構築物の正確な配列は、第10節における配列表に示される。
i)エクスビボ切断アッセイ(WB/IL-12シグナル伝達)
1uMのIL-12構築物が、37℃において90ulの馴化培地と一晩、又は90ulの血漿と次の時間(d1-d2-d4-d7-d9-d11)の間インキュベートされた。切断速度は、ウェスタンブロット抗ヒトIL-12及び抗ヒトIL-12Rbを使用して、切断された構築物/(切断された構築物+インタクトな構築物)の比率として計算される。ヒト組織馴化培地によるこれらの構築物の活性化は、0.05×106個のHEK-Blue細胞が37.5nMの構築物と24時間インキュベートされる、IL-12受容体後シグナル伝達アッセイを使用して評価される。
Figure 2023520518000068
結果が、図44及び以下の表に示される。
以下の切断部位を伴う分子は、腫瘍上清において容易に検出可能な切断を呈した:
-RAAAVKSP
-ISSGLLSGRS
-MPYDLYHP
切断部位の感受性は、以下の順序で観察された:
RAAAVKSP>ISSGLLSGRS>MPYDLYHP
したがって、これらの切断部位を持つIL-12構築物は、RCC及び他のタイプのがんにおける腫瘍選択的活性化の良好な候補を表す。
Figure 2023520518000069
ii)インビトロ切断分析:HEK Blue IL-12及びSDS-PAGE分析
HEK-Blue IL-12細胞を用いたIL-12分子の試験:
Invivogenによって開発されたHEK-Blue IL-12レポーター細胞は、JAK-STAT経路の活性化を監視するように特異的に設計されている。これらの細胞は、完全に機能的なIL-12シグナル伝達経路を得るために、ヒトTyK2、JAK2、及びSTAT4遺伝子とともに、ヒトIL-12Rβ1及びIL-12Rβ2遺伝子を用いたHEK293細胞の安定したトランスフェクションによって生成された。加えて、STAT4誘発性SEAPレポーター遺伝子も導入された。刺激時に、HEK-Blue(商標)IL-12細胞は、STAT4の活性化及びSEAPの後続の分泌を誘起する。STAT4誘発性SEAPのレベルは、QUANTI-Blue(商標)を使用して容易に監視されることができる。HEK-Blue IL-12細胞は、ヒト又はマウスIL-12の機能性、毒性、及び可変用量投与量効果を検証するために使用されることができる。HEK Blue IL-12細胞を、約80%の密集まで継代培地中で増殖させた。アッセイ培地中の洗浄された単一細胞懸濁液が播種され、アッセイ培地中のIL-12分子の連続希釈物が細胞に添加された。プレートが、37℃で24時間インキュベートされた。24時間後、Quanti-Blue溶液(Invivogen)が調製され、細胞上清がQuanti-Blue溶液に添加され、37℃で1~2時間インキュベートされた。625nmにおける吸光度が測定された。データ分析が、Graphpad Prismのバージョン8.3で実施された。背景が未加工データから差し引かれ、データが非線形に適合された:[アゴニスト]対応答-可変勾配(4つのパラメータ)。各IL-12構築物のEC50値が報告された。
マスキング:
結果が、以下の表、並びに図45、46A及びBに示される。
Figure 2023520518000070
親AK671は、rhIL-12ほど強力ではない(但し、有意ではない、すなわち、3倍)。すべてのマスクされた構築物は、AK386よりも多くAK化される。AK667及びAK918は両方とも、>100倍AK化される。
AK386と比較して、GAG結合ドメイン変異、システインからセリンへの変異、新しい最適化されたリンカー、及び異なる切断部位を有する新しい分子はすべて、改善されたマスキングを示す。
切断
構築物の切断は、例示的プロテアーゼMMP7、9及び10を使用して試験された。
Figure 2023520518000071
結果が、図47A-B及び48A-Kに示される。
Figure 2023520518000072
結果が、図49A-B及び50A-Gに示される。
Figure 2023520518000073
結果が、図51及び52A-Eに示される。
全体的に、異なる切断部位を伴う新しい分子はすべて、インビトロでMMP切断の影響を受けやすい。すべての分子について、切断後の活性の回復がある。これらの化合物は、腫瘍選択的で活性化可能なIL-12分子の良好な候補を表す。
実施例9
i.NAT対RCC培養上清によるペプチドの切断
切断ペプチドを含む配列(以下に太字で示される)が、各ペプチドの切断の特異性を試験するために、「NAT」(正常隣接組織)又は「RCC」(腎細胞がん)培養上清のいずれかでインキュベートされた。
この目的のために、質量分析法によるペプチド配列決定が、質量分析法(MSP-MS)による多重化基質プロファイリングと呼ばれる公開された技法を使用して、以下の表に示される合成ペプチドについて産生された切断断片を識別するために使用された(O’Donoghue A.J.et al.Nat Methods.2012 Nov;9(11):1095-100)。切断は、これらの反応において経時的に監視され、最も早い時点で切断されることが見出されたペプチドは、馴化培地サンプルにおけるタンパク質分解活性に対して最も感受性があるとみなされた。
結果は、以下のとおりである。
Figure 2023520518000074
切断ペプチドDLLAVVA*AS及びISSGLL*SG*RSが、最も特異的であると見出された。これらのペプチドを含む配列は、NAT培養では切断されなかったが、RCC培養では毎回切断された。
実施例10
以下の構築物が、この実施例で使用された:
Figure 2023520518000075
各AK分子のドメイン特徴及び配列の詳細は、以下のとおりである。
Figure 2023520518000076
Figure 2023520518000077
Figure 2023520518000078
重要なことに、AK932及びAK930、並びにそれらの「逆転」対応物AK938及びAK936は、ペプチド基質を含む(その配列は各分子の上方のボックスに描写され、配列表内で太字である)。AK904は、非切断可能なマスクされていない構築物であり、AK910は、非切断可能なマスク構築物であり、両方とも陰性対照として作用する。
上記のAK分子は、IL-15ドメインを含むが、このデータの結果及び結論はIL-2構築物についても同等に関連性があることを理解されたい。
切断がペプチド基質を含むマスクされた構築物について達成された。
構築物が、MMP7、9及び10とインキュベートされた。各構築物の切断が、SDS-PAGEによって分析され、HEK-Blue IL-2バイオアッセイによって確認された。
HEK-Blueアッセイは、以下のように実行された:
条件:細胞プレート:96ウェルプレート。細胞密度:50K細胞/ウェル。HEK Blue検出の時点が試験された:1時間。構築物番号:試験された合計14個の構築物。
アッセイのフローチャート:
Figure 2023520518000079
結果は、「X」が完全には切断されていないことを示し、「√」が切断を示す、以下の表に示される。
Figure 2023520518000080
HEK-Blue IL-2バイオアッセイからの具体的なEC50読み出し結果が、以下の表に示される。
Figure 2023520518000081
SDS-PAGEゲルの結果が、図53A~Dに示される。HEK-Blue IL-2バイオアッセイの結果が、図54A~Fに示される。
実施例11
インビボで例示的な腫瘍標的ハイブリッドマウス化分子の薬物動態及び薬力学プロファイルを理解するために、異なる切断部位を伴うヒトFc及びマウスIL-12で構成された3つの分子が試験された。
AK944(MPYDLYHP)、AK945(ISSGLLSGRS)、AK947(RAAAVKSP)が、2つの腫瘍モデルMB49及びB16F10で使用され、マスキングを伴わない親AK948が、対照として使用された。
この実施例で使用される構築物の詳細は、以下のとおりである。
Figure 2023520518000082
分子で使用される成熟マウスIL-12 p40及びIL-12 p35サブユニット、並びにマウスIL-12Rマスキング部分の配列は、以下のとおりである。
マウスIL-12 p40サブユニット:
MWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQRKKEKMKETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRS
マウスIL-12 p35サブユニット:
RVIPVSGPARCLSQSRNLLKTTDDMVKTAREKLKHYSCTAEDIDHEDITRDQTSTLKTCLPLELHKNESCLATRETSSTTRGSCLPPQKTSLMMTLCLGSIYEDLKMYQTEFQAINAALQNHNHQQIILDKGMLVAIDELMQSLNHNGETLRQKPPVGEADPYRVKMKLCILLHAFSTRVVTINRVMGYLSSA
マウスIL-12Rマスキング部分:
LYHPSGPMWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQRKKEKMKETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRSGGGGSGGGGSGGGGSRVIPVSGPARCLSQSRNLLKTTDDMVKTAREKLKHYSCTAEDIDHEDITRDQTSTLKTCLPLELHKNESCLATRETSSTTRGSCLPPQKTSLMMTLCLGSIYEDLKMYQTEFQAINAALQNHNHQQIILDKGMLVAIDELMQSLNHNGETLRQKPPVGEADPYRVKMKLCILLHAFSTRVVTINRVMGYLSSA
各分子の完全な配列情報が、以下の表に示される(切断可能なリンカーが太字で示され、非切断可能なリンカーが下線で示される):
Figure 2023520518000083
Figure 2023520518000084
Figure 2023520518000085
この研究では、C57BL/6マウスが、1×10個のMB49又は0.5×10個のB16F10腫瘍細胞を皮下に接種された。治療は、腫瘍サイズが300mmに達した時に開始した。分子の投与は、0.5又は3mg/kgの単回静脈内注射を通した。動物は、治療開始後5日目に安楽死させた。体重及び器官重量が記録された:
Figure 2023520518000086
以下の読み出しが分析された:
-腫瘍成長阻害:腫瘍体積が、B16モデルにおけるAK945及びAK947で有意に減少した。
-腫瘍重量:単回投与AK945は、MB49において低用量で腫瘍重量を有意に減少させる。
-体重変化率%:すべてのマスクされた分子は、体重減少に対する保護を示す。
-脾臓重量:脾臓重量は、B16ではなくMB49モデルで増加する。モデル間のビヒクル群からの脾臓重量の差は、腫瘍特異的駆動型であり得る。
-肺重量(MB49モデルのみ):肺重量は、MB49モデルではIL-12バリアントによる影響を受けない。
結果は、図55~59に示される。
FACS分析もまた、血液及び脾臓を含む複数の末梢器官と比較して、腫瘍微小環境における免疫応答を調査するために使用された。腫瘍微小環境におけるCD8 T細胞、CD8 T細胞/T-reg比の活性化及び/又は拡張が、特に興味深い。
以下のPD読み出しが分析された:
-TMEにおけるCD45
-CD8 T細胞:CD8 T細胞は、高用量でAK947を用いると腫瘍微小環境で増加した。AK947もまた、末梢でCD8 T細胞を拡張させる。
-CD8/Treg比:CD8/Treg比は、腫瘍微小環境で増加する。
-CD8 T細胞増殖:TMEにおいてCD8 T細胞増殖の差異がない。CD8 T細胞は、末梢よりもTMEで増殖性である。
-CD8活性化マーカー:CD8 T細胞は、腫瘍微小環境でより活性化される。
結果は、図60~65に示される。
最後に、血清マウスALT測定を5日目に測定し、マウスIFN-γ及びTNF-α ELISAを3日目の血漿を使用して実施し、腫瘍標的分子によって活性化された下流シグナル伝達を調べた。
以下の読み出しが分析された:
-毒性-ALTアッセイ:IL-12バリアントは低用量では肝毒性を誘発しない
-D3血清サイトカイン:血清IFNγ発現は、マスクされたIL-12治療マウスでは有意に低下される。すべてのIL-12バリアントについてIFN-γの用量依存的な増加があるが、マスクされていない親分子よりも有意に低い。高用量IL-12バリアントは、治療が開始してから3日後の親に匹敵する血清TNFα発現を誘発する。
-PK:Fc捕捉、Fc検出:Fc検出PK ELISAは、B16モデルにおける血漿中の薬物蓄積に差異がないことを示す。PK分析は、Fc捕捉、Fc検出ELISAを使用して実施された。
結果は、図66~68に示される。
実施例12
本研究の目的は、安全性を決定し、かつカニクイザルにおける例示的腫瘍標的分子の薬物動態及び薬力学を比較することである。
3つのGAG結合変異含有分子が、異なる切断部位を伴うヒトFc及びヒトIL-12を用いて構築され、それぞれ、切断部位RAAAVKSP、ISSGLLSGRS、及びMPYDLYHPを有するAK921、AK923、AK667が、本研究で試験された。GAG結合変異を伴う親のマスクされていない分子であるAK671が、陽性対照として使用される。これらの分子の構造は、実施例8に示され、正確な配列は、第10節内の配列表に示される。
動物は、合計4回の投与のために約1.0mL/分において、0、7、14、及び21日目に4mL/kgの静脈内注射によって投与される。血漿が、完全PK分析のために様々な時点で(56日目まで)収集される。
PK分析が、Fc捕捉、Fc検出ELISAを使用して実施される。血液学、血清化学も実施される。FACS分析が、以下のマーカーについて、0日目(投与前)、5日目、及び12日目に実施される。CD3、CD4、CD8、CD16、CD25、CD45、CD127、CD278、CD159a、FoxP3、及びKi67。
結果は、図69~71に示される。
-PK:血漿中の被験物質の測定が、捕捉試薬として抗ヒトIgG及び検出試薬として抗ヒトIgGを用いたMeso Scale Discovery(MSD(登録商標))技術を使用して行われた。図69は、最初の7日からの血漿中の薬物レベルを示した。
-フローサイトメトリーを介したPD:フローサイトメトリー分析が、T及びNK細胞の増殖状態について投与前及び投与後の様々な時点で実施された。増殖Ki-67のMFIが、NK細胞及びCD8 T細胞でアクセスされ、ピーク変化が、最初の投与後の14日目に観察された。マスクされていないAK671のKi-67 MFIが、血液中のNK細胞及びCD8 T細胞の両方で有意に増加した一方で、マスクされた分子は、有意な末梢NK又はT細胞の活性化を示さなかった。一元配置分散分析であるBonferonniの多重比較事後検定が、治療対ビヒクルの統計的有意性を決定するために実施された(*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、****P<0.0001)。図70の結果を参照されたい。
-血液学及び血清化学:血液学及び血清化学が、1日目及び5日目に実施された。(a)血液中の絶対リンパ球数(1日目)、RBC(8日目)、及びヘマトクリット(HCT)(8日目)の割合の一時的な減少が、すべての群で観察された。すべての観察結果は、マスクされた分子及びマスクされていない分子の両方について正常範囲内であった。(b)マスクされていないAK671は、最初の投与後の5日目に血清ALT、AST及びTBILI(肝機能検査のバイオマーカー)を増加させた(有意ではない)。AK667、AK921及びAK923のマスクされた分子は、血清中の比較的低いレベルのALT、AST及びTBILIを示す。図71A及び71Bの結果を参照されたい(矢印は投薬の時間を示す)。
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11.構築物のリスト
以下の表は、「AK」参照番号によって標識された分子の完全な配列を示す。配列の構成要素部分、並びにそれらが分子の鎖内で組み立てられる順序も示される。個々の鎖は、「DNA」参照番号によって標識される。
Figure 2023520518000126
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Figure 2023520518000202
Figure 2023520518000203
Figure 2023520518000204

Claims (110)

  1. タンパク質ヘテロ二量体を含む、マスクされたIL-12サイトカインであって、
    以下を含む第1のポリペプチド鎖と、
    Figure 2023520518000205
    以下を含む第2のポリペプチド鎖と、を含み、
    Figure 2023520518000206
    HL1が、第1の半減期延長ドメインであり、L1が、第1のリンカーであり、MMが、マスキング部分であり、HL2が、第2の半減期延長ドメインであり、L2が、第2のリンカーであり、Cが、IL-12サイトカイン又はその機能的断片であり、
    前記第1の半減期延長ドメインが、前記第2の半減期延長ドメインと会合しており、
    前記第1のリンカー又は前記第2のリンカーのうちの1つが、タンパク質分解的に切断可能なペプチドを含む、マスクされたIL-12サイトカイン。
  2. 前記IL-12ポリペプチド又はその機能的断片が、IL-12p35ポリペプチド又はその機能的断片に共有結合されたIL-12p40ポリペプチド又はその機能的断片を含む、請求項1に記載のマスクされたサイトカイン。
  3. IL-12p40-IL-12p35リンカーが、長さで5~20個のアミノ酸である、請求項2に記載のマスクされたサイトカイン。
  4. 前記IL-12p40-IL-12p35リンカーが、アミノ酸残基G及びSが豊富である、請求項2又は3に記載のマスクされたサイトカイン。
  5. 前記IL-12p40-IL-12p35リンカーが、配列番号3(GGGGSGGGGSGGGGS)を含む、請求項2~4のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  6. 前記IL-12p40ポリペプチドが、配列番号1、又は配列番号1のアミノ酸配列と比較して少なくとも1つのアミノ酸修飾を有するアミノ酸配列を含む、請求項2~5のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  7. IL-12p40ポリペプチド鎖が、配列番号1を含む、請求項6に記載のマスクされたサイトカイン。
  8. IL-12p40ポリペプチドが、前記配列番号1のアミノ酸配列と比較して、GAG-結合ドメイン(KSKREKKDRV)に少なくとも1つのアミノ酸修飾を含む、請求項6に記載のマスクされたサイトカイン。
  9. IL-12p40ポリペプチドが、配列番号57を含む、請求項8に記載のマスクされたサイトカイン。
  10. IL-12p40ポリペプチドが、配列番号58を含む、請求項8に記載のマスクされたサイトカイン。
  11. IL-12p40ポリペプチドが、前記配列番号1のアミノ酸配列と比較して1つ以上のサイトカイン置換変異を有するアミノ酸配列を含む、請求項6~10のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  12. 前記IL-12p40ポリペプチドが、配列番号59を含む、請求項11に記載のマスクされたサイトカイン。
  13. 前記IL-12p40ポリペプチドが、配列番号60を含む、請求項11に記載のマスクされたサイトカイン。
  14. 前記IL-12p35ポリペプチドが、配列番号2、又は配列番号2のアミノ酸配列と比較して少なくとも1つのアミノ酸修飾を有するアミノ酸配列を含む、請求項2~13のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  15. 前記IL-12p35ポリペプチドが、配列番号2を含む、請求項14に記載のマスクされたサイトカイン。
  16. 前記IL-12サイトカイン又はその機能的断片が、配列番号4を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  17. 前記IL-12サイトカイン又はその機能的断片が、配列番号61を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  18. 前記IL-12サイトカイン又はその機能的断片が、配列番号62を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  19. 前記IL-12サイトカイン又はその機能的断片が、配列番号63を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  20. 前記IL-12サイトカイン又はその機能的断片が、配列番号64を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  21. 前記マスキング部分が、IL-12サイトカイン受容体又はそのサブユニット若しくはバリアントを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  22. 前記マスキング部分が、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、ヒトIL-12Rβ1又はその断片、一部、若しくはバリアントの細胞外ドメインを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  23. 前記マスキング部分が、ヒトIL-12Rβ1の残基24~237、すなわち、配列番号5を有する配列を含む、請求項22に記載のマスクされたサイトカイン。
  24. 前記マスキング部分が、ヒトIL-12Rβ1の残基24~545、すなわち、配列番号6を有する配列を含む、請求項22に記載のマスクされたサイトカイン。
  25. 前記マスキング部分が、IL-12に対する親和性を保持するか、又は別様に実証する、ヒトIL-12Rβ2又はその断片、一部、若しくはバリアントの細胞外ドメインを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  26. 前記マスキング部分が、ヒトIL-12Rβ2の残基24~212、すなわち、配列番号7を有する配列を含む、請求項25に記載のマスクされたサイトカイン。
  27. 前記マスキング部分が、ヒトIL-12Rβ2の残基24~222、すなわち、配列番号8を有する配列を含むか、又は前記マスキング部分が、ヒトIL-12Rβ2の残基24~227、すなわち、配列番号11を有する配列を含む、請求項25に記載のマスクされたサイトカイン。
  28. 前記マスキング部分が、ヒトIL-12Rβ2の残基24~319、すなわち、配列番号9を有する配列を含む、請求項25に記載のマスクされたサイトカイン。
  29. 前記マスキング部分が、配列番号9の配列と比較して少なくとも1つのアミノ酸修飾を含み、任意選択的に、前記修飾が、システイン置換変異である、請求項28に記載のマスクされたサイトカイン。
  30. 前記マスキング部分が、配列番号65を含む、請求項29に記載のマスクされたサイトカイン。
  31. 前記マスキング部分が、ヒトIL-12Rβ2の残基24~622、すなわち、配列番号10を有する配列を含む、請求項25に記載のマスクされたサイトカイン。
  32. 前記切断可能なペプチドが、長さで6~10個のアミノ酸である、先行請求項のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  33. 前記切断可能なペプチドが、配列番号15のアミノ酸配列を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  34. 前記切断可能なペプチドが、配列番号41のアミノ酸配列を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  35. 前記切断可能なペプチドが、配列番号42のアミノ酸配列を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  36. 前記切断可能なペプチドが、配列番号43のアミノ酸配列を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  37. 前記切断可能なペプチドが、配列番号44のアミノ酸配列を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  38. 前記切断可能なペプチドが、配列番号45のアミノ酸配列を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  39. 前記第1のポリペプチド鎖が、以下を含み、
    Figure 2023520518000207
    前記第2のポリペプチド鎖が、以下を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
    Figure 2023520518000208
  40. 前記非切断可能なリンカーが、長さで3~18個のアミノ酸である、請求項39に記載のマスクされたサイトカイン。
  41. 前記非切断可能なリンカーが、長さで3~15個のアミノ酸である、請求項39に記載のマスクされたサイトカイン。
  42. 前記非切断可能なリンカーが、アミノ酸残基G及びSが豊富である、請求項30~41のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  43. 前記非切断可能なリンカーが、[(G)S]を含み、n=4又は5である、請求項39~42のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  44. 前記非切断可能なリンカーが、配列番号12(GGGGS)に示されるアミノ酸配列を含む、請求項39~43のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  45. 前記非切断可能なリンカーが、配列番号13(GGGGSGGGGS)に示されるアミノ酸配列を含む、請求項39~43のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  46. 前記非切断可能なリンカーが、14(GGSGGGSGGGGGS)に示されるアミノ酸配列を含む、請求項39~43のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  47. 前記非切断可能なリンカーが、54(GGSGGSGGSGGSGGSSGP)に示されるアミノ酸配列を含む、請求項39~42のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  48. 前記非切断可能なリンカーが、55(PGGSGP)に示されるアミノ酸配列を含む、請求項39~42のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  49. 前記非切断可能なリンカーが、56(GGSPG)に示されるアミノ酸配列を含む、請求項39~42のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  50. 前記切断可能なリンカーが、両側にスペーサードメイン(SD)が配置されたタンパク質分解的に切断可能なペプチド(CP)を含み、
    SD1-CP-SD2
    SD1及びSD2は、前記第1のポリペプチド鎖が以下を含み、
    Figure 2023520518000209
    前記第2のポリペプチド鎖が以下を含むように、異なる、請求項39~49のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
    Figure 2023520518000210
  51. 前記第1のスペーサードメイン(SD1)が、長さで3~10個のアミノ酸である、請求項50に記載のマスクされたサイトカイン。
  52. SD1が、配列番号16(GGSGGS)を含む、請求項50又は51に記載のマスクされたサイトカイン。
  53. SD1が、配列番号17(GGSGGSGGS)を含む、請求項50又は51に記載のマスクされたサイトカイン。
  54. 前記第2のスペーサードメイン(SD2)が、長さで3~6個のアミノ酸である、請求項50~53のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  55. SD2が、配列番号18(SGP)を含む、請求項50~54のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  56. 前記タンパク質分解的に切断可能なリンカーが、SD1-CP-SD2を含み、SD1が、第1のスペーサードメインであり、CPが、切断可能なペプチドであり、SD2が、第2のスペーサードメインであり、CPが、配列番号44に示されるアミノ酸配列を有し、SD2が、配列番号18に示されるアミノ酸配列を有する、請求項50に記載のマスクされたIL-2サイトカイン。
  57. 前記タンパク質分解的に切断可能なリンカーが、SD1-CP-SD2を含み、SD1が、第1のスペーサードメインであり、CPが、切断可能なペプチドであり、SD2が、第2のスペーサードメインであり、CPが、配列番号45に示されるアミノ酸配列を有し、SD2が、配列番号18に示されるアミノ酸配列を有する、請求項50に記載のマスクされたIL-2サイトカイン。
  58. 前記切断可能なリンカーが、
    Figure 2023520518000211
    を含む、請求項50~54のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  59. 前記切断可能なリンカーが、
    Figure 2023520518000212
    を含む、請求項50~54のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  60. 前記切断可能なリンカーが、配列番号46(GGSGGSMPYDLYHPSGP)を含む、請求項50に記載のマスクされたサイトカイン。
  61. 前記切断可能なリンカーが、配列番号47(GGSGGSMPYDLYHPSGP)を含む、請求項50に記載のマスクされたサイトカイン。
  62. 前記切断可能なリンカーが、配列番号48(GGSGGSDSGGFMLTSGP)を含む、請求項50に記載のマスクされたサイトカイン。
  63. 前記切断可能なリンカーが、配列番号49(GGSGGSGGSDSGGFMLTSGP)を含む、請求項50に記載のマスクされたサイトカイン。
  64. 前記切断可能なリンカーが、配列番号50(GGSGGSRAAAVKSPSGP)を含む、請求項50に記載のマスクされたサイトカイン。
  65. 前記切断可能なリンカーが、配列番号51(GGSGGSGGSRAAAVKSPSGP)を含む、請求項50に記載のマスクされたサイトカイン。
  66. 前記切断可能なリンカーが、配列番号52(GGSGGSISSGLLSGRSSGP)を含む、請求項50に記載のマスクされたサイトカイン。
  67. 前記切断可能なリンカーが、配列番号53(GGSGGSGGSISSGLLSGRSSGP)を含む、請求項50に記載のマスクされたサイトカイン。
  68. 前記第1の半減期延長ドメインが、第1のIgG1 Fcドメイン又はその断片を含み、前記第2の半減期延長ドメインが、第2のIgG1 Fcドメイン又はその断片を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  69. 前記第1及び/又は第2のFcドメインが各々、前記第1及び第2の半減期延長ドメインの非共有結合性会合を促進する1つ以上の修飾を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  70. 前記第1の半減期延長ドメインが、配列番号25(Y349C、T366S、L38A、Y407V、及びN297A)を含み、前記第2の半減期延長ドメインが、配列番号26(S354C、T366W、及びN297A)を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  71. 前記第1の半減期延長ドメインが、配列番号27(Y349C、T366S、L38A、Y407V、N297A、及びI253A)を含み、前記第2の半減期延長ドメインが、配列番号28(S354C、T366W、N297A、及びI253A)を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカイン。
  72. 前記第1のポリペプチド鎖が、配列番号34のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチド鎖が、配列番号40のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のマスクされたサイトカイン。
  73. IL-12Rに結合することが可能な切断産物であって、前記切断産物が、請求項1~42のいずれかに記載のマスクされたIL-12サイトカイン中の切断可能なペプチドのタンパク質分解切断によって調製可能である、IL-12サイトカイン又はその機能的断片を含む、切断産物。
  74. マスクされたIL-12サイトカインの切断産物であって、前記切断産物が、IL-12Rに結合することが可能であり、前記切断産物が、以下を含むポリペプチドを含み、
    PCP-SD2-C
    PCPが、タンパク質分解的に切断可能なペプチドの一部であり、SD2が、スペーサードメインであり、Cが、IL-12サイトカイン又はその機能的断片である、切断産物。
  75. PCPが、請求項32~38のいずれか一項に記載のタンパク質分解的に切断可能なペプチドの一部である、請求項74に記載の切断産物。
  76. SD2が、請求項54~55のいずれかに定義されるスペーサードメインである、請求項74又は75に記載の切断産物。
  77. Cが、請求項2~20のいずれかに定義されるIL-12サイトカイン又はその断片である、請求項74~76のいずれか一項に記載の切断産物。
  78. 前記切断産物が、配列番号29からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して約若しくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項74~77のいずれか一項に記載の切断産物。
  79. 前記切断産物が、配列番号29のアミノ酸配列を含む、請求項78に記載の切断産物。
  80. 請求項1~72のいずれか一項に記載のマスクされたIL-12サイトカインをコードするか、又は請求項1~72のいずれか一項に記載のマスクされたIL-12サイトカインのペプチド鎖のうちの1つをコードする、核酸。
  81. 請求項80に記載の核酸を含む、ベクター。
  82. 請求項1~72のいずれか一項に記載のマスクされたIL-12サイトカインをコードする核酸を含む、宿主細胞。
  83. 請求項1~72のいずれか一項に記載のマスクされたIL-12サイトカインを含む、組成物。
  84. 請求項1~72のいずれか一項に記載のマスクされたIL-12サイトカインと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
  85. 前記医薬組成物が、単一単位剤形である、請求項84に記載の医薬組成物。
  86. 前記医薬組成物が、静脈内投与のために製剤化され、単一単位剤形である、請求項84に記載の医薬組成物。
  87. 前記医薬組成物が、注射のために製剤化され、単一単位剤形である、請求項84に記載の医薬組成物。
  88. 前記医薬組成物が、液体であり、単一単位剤形である、請求項84に記載の医薬組成物。
  89. 請求項1~41のいずれか一項に記載のマスクされたIL-12サイトカイン、又は請求項83に記載の組成物、若しくは請求項84~88のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む、キット。
  90. 請求項1~72のいずれか一項で定義されるマスクされたIL-12サイトカインを産生する方法であって、前記マスクされたIL-12サイトカインを産生する条件下で、請求項82に記載の宿主細胞を培養することを含む、方法。
  91. 請求項73~79のいずれか一項に記載の切断産物をコードする、核酸。
  92. 請求項73~79のいずれか一項に記載の切断産物を含む、組成物。
  93. 請求項73~79のいずれか一項に記載の切断産物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
  94. 薬物で使用するための請求項1~72のいずれか一項に記載のマスクされたIL-12サイトカイン。
  95. 薬物で使用するための請求項73~79のいずれか一項に記載の切断産物。
  96. 対象においてがんを治療又は予防する方法であって、請求項1~72のいずれか一項に記載の有効量のマスクされたIL-12サイトカインを前記対象に投与することを含む、方法。
  97. 対象においてがんを治療又は予防する方法であって、請求項83又は92に記載の有効量の組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  98. 対象においてがんを治療又は予防する方法であって、請求項84~88又は93のいずれか一項に記載の有効量の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  99. 対象においてがんを治療又は予防する方法であって、請求項1~72のいずれか一項に記載の有効量のマスクされたIL-12サイトカインを前記対象に投与することを含み、それによって、前記マスクされたサイトカインが、インビボでタンパク質分解的に切断され、請求項73~79のいずれか一項に記載の切断産物を産生する、方法。
  100. 対象においてがんを治療又は予防する方法であって、同族受容体に結合することが可能である切断産物をインビボで産生するステップを含み、前記切断産物が、請求項73~79のいずれか一項で定義されるとおりである、方法。
  101. 前記がんが、固形腫瘍である、請求項96~100のいずれか一項に記載の方法。
  102. がんの治療又は予防に使用するための請求項1~72のいずれか一項に記載のマスクされたIL-12サイトカイン。
  103. がんを治療又は予防する方法で使用するための請求項1~72のいずれか一項に記載のマスクされたIL-12サイトカインであって、前記方法が、有効量の前記マスクされたIL-12サイトカインを前記対象に投与することを含み、それによって、前記マスクされたサイトカインが、インビボでタンパク質分解的に切断され、請求項73~79のいずれか一項に記載の切断産物を産生する、マスクされたIL-12サイトカイン。
  104. 前記がんが、固形腫瘍である、請求項103に記載の使用のためのマスクされたIL-12サイトカイン。
  105. がんの治療又は予防に使用するための請求項73~79のいずれか一項に記載の切断産物。
  106. がんを治療又は予防に使用する方法で使用するための請求項73~79のいずれか一項に記載の切断産物であって、前記方法が、請求項1~72のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカインを患者に投与し、それによって、インビボで前記マスクされたサイトカインのタンパク質分解切断によって前記切断産物を産生するステップを含む、切断産物。
  107. 対象においてがんを治療又は予防する方法で使用するための請求項73~79のいずれか一項に記載の切断産物であって、前記方法が、前記対象に投与された請求項1~72のいずれか一項に記載のマスクされたサイトカインからインビボのタンパク質分解切断によって前記切断産物を産生するステップを含む、切断産物。
  108. 前記がんが、固形腫瘍である、請求項105~107のいずれか一項に記載の使用のための切断産物。
  109. がんの治療又は予防に使用するための請求項84~88及び93のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  110. 前記がんが、固形腫瘍である、請求項109に記載の使用のための医薬組成物。
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