JP2023519872A - ナノギャップデバイスに直接結合される酵素変異体 - Google Patents

ナノギャップデバイスに直接結合される酵素変異体 Download PDF

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Abstract

本発明は、生体分子の電子感知のためのナノギャップデバイスに関する。本発明は、生体分子を感知するために酵素の活性を直接的にモニターする電子デバイスを提供する。図1に示されるように、上記デバイスは、ナノギャップ(102)を形成するために、数ナノメートルだけ分離された2個の電極(101)を有する回路を含む。各電極は、その楔状の端部を除いて誘電性層(103)で不動態化される。酵素(104)(これは、その野生型の変異体である)は、電極に共有結合的に直接結合され、上記ナノギャップを架橋する。

Description

相互参照
本出願は、2020年3月25日出願の米国仮特許出願第62/994,712号(これは、その全体において、本明細書に参考として援用される)の利益を主張する。
分野
本発明は、生体分子を検知およびシーケンシングするためのナノデバイスに関する。より具体的には、本発明は、デバイス、方法、およびタンパク質で架橋されたナノギャップデバイスの構築のための組成物を提供する。
発明の背景
1個のタンパク質分子を、数ナノメートルの距離だけ分離された2個の電極に接続する場合に、その分子のコンダクタンスが測定され得る。このような配列は、その金属先端および金属基材を、リガンドまたは抗原それぞれの同族タンパク質を認識するリガンドまたは抗原で官能化することによって、走査型トンネル顕微鏡(STM)を使用して達成された。さらに、上記STM機構は、酵素、例えば、Φ29 DNAポリメラーゼの生化学的反応を、抵抗性パルスから感知し得る。これらの科学的発見は、電気シグナルを測定することによって、酵素のコンホメーション移動を検出する電子的技術を開発する可能性を強く示唆する。しかし、電極とタンパク質との間の共有結合的接続は、接触を非共有結合的なものより安定にし、改善された電流を生じる。
図1は、酵素の活性をモニターするための電子ナノデバイスを図示する。
図2は、その構造領域およびシステイン残基が示された、Φ29 DNAポリメラーゼの結晶構造(PDB # 1XHX)を示す。
図3は、プライマー-テンプレートDNAおよび入来する、ヌクレオシド基質と複合体化したΦ29 DNAポリメラーゼの結晶構造(PDB #: 2PYL)に基づいて、本発明における野生型Φ29 DNAポリメラーゼ中の変異部位を図示する。
図4は、ナノギャップを製作するプロセスを示す。
図5は、垂直ナノギャップのアレイを製作するプロセスを示す。
図6は、プライマー-テンプレートDNAおよび入来するヌクレオチド基質と複合体化したΦ29 DNAポリメラーゼの結晶構造(PDB #: 2PYL)に基づいて、本発明におけるΦ29 DNAポリメラーゼのシステイン変異体の構造を示す。
図7は、プライマー-テンプレートDNAおよび入来するヌクレオチド基質と複合体化したΦ29 DNAポリメラーゼの結晶構造(PDB #: 2PYL)に基づいて、本発明におけるΦ29 DNAポリメラーゼのセレノシステイン変異体の構造を示す。
図8は、プライマー-テンプレートDNAおよび入来するヌクレオチド基質と複合体化したΦ29 DNAポリメラーゼの結晶構造(PDB #: 2PYL)に基づいて、本発明におけるΦ29 DNAポリメラーゼの4-(アジドメチル)-L-フェニルアラニン変異体の構造を示す。
図9aおよび9bは、(a)4-(アジドメチル)-L-フェニルアラニン変異体におけるアジドと、上記電極上にコーティングされた単層中のトリフェニルホスフィフィンエステルとの反応;(b)上記ナノギャップを架橋するためにアミド結合の形成を通じた、電極への上記タンパク質の直接接続を図示する。
図10は、熱化学リソグラフィー法(TCNL)を使用してナノギャップを製作するプロセスを示す。
発明の要旨
本発明は、生体分子を感知するために酵素の活性を直接的にモニターする電子デバイスを提供する。図1に示されるように、上記デバイスは、ナノギャップ(102)を形成するために、数ナノメートルだけ分離された2個の電極(101)を有する回路を含む。各電極は、その楔状の端部を除いて誘電性層(103)で不動態化される。酵素(104)(これは、その野生型の変異体である)は、電極に共有結合的に直接結合され、上記ナノギャップを架橋する。上記共有結合は、上述の非共有結合的接触と比較して、オーム抵抗を低減する。上記酵素の活性は、バイアス(106)の下で、電気シグナル記録デバイス(105)で電気シグナルを記録することによってモニターされ得る。
本発明はまた、その天然の機能に影響を及ぼすことなく、電極への結合のための官能基を有するように変異された2つの部位を有する酵素変異体を提供する。上記酵素は、天然であるか、変異されているか、合成されているか、およびこれらの組み合わせのいずれかの、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、DNAヘリカーゼ、DNAリガーゼ、DNAエキソヌクレアーゼ、逆転写酵素、RNAプライマーゼ、リボソーム、スクラーゼ、ラクターゼであり得る。上記酵素はまた、天然であるか、変異されているか、または合成されているかのいずれかの、レセプター、リガンド、抗原、および抗体などによって置換され得る。バクテリオファージΦ29 DNAポリメラーゼが、本開示で提示される発明の長所および新規性を示すために例として選択される。概して、他の酵素にも同じ原理が適用可能である。上記Φ29 DNAポリメラーゼは、高い処理能力およびDNAを効率的に合成する鎖置換能力を有する酵素である。それはまた、重合エラーを校正するために6,7、その高いヌクレオチド挿入識別値(nucleotide insertion discrimination value)(10~10および3’から5’エキソヌクレアーゼ活性に起因して、他のポリメラーゼより高い忠実度を有する。これらの全ては、その構造の特有さに原因がある。その結晶構造に基づいて、Φ29 DNAポリメラーゼは、5個の構造的サブドメイン-それぞれ、エキソヌクレアーゼ、TPR1およびTRP2、パーム(palm)、サム(thumb)、フィンガー(finger)、を含む(図2)。そのパーム、サム、およびフィンガーは、半開きの右手に類似であり得る。末端タンパク質領域(Terminal Protein Region)1(TPR1)および(TPR2)といわれるタンパク質でプライミングされるDNAポリメラーゼサブグループに特異的に存在する2個の挿入がまた存在する。上記TPR1サブドメインは、タンパク質でプライミングされる開始のための末端タンパク質(TP)との相互作用に関与する。TPR2、サム、およびパームサブドメインは、重合活性部位において上流の二重鎖DNAをとり囲む内部の環様構造を形成し、上記酵素にその固有の高い処理能力を提供する。上記TPR2、パームおよびフィンガーサブドメインは、エキソヌクレアーゼドメインと一緒に、下流のテンプレート鎖を包むトンネルを形成する。このトンネルの狭い寸法は、dsDNA結合が起こらないようにし、上記2個の鎖の融解を強要して、上記テンプレートが活性部位に達することを可能にし、上記ポリメラーゼに鎖置換能力を提供する。システインのチオール側鎖が金属表面と反応することは周知である。Φ29 DNAポリメラーゼは、7個のシステイン残基を有するが、それらは、タンパク質の内部に位置し(図2に示される)、それらが金属電極と反応することを有効に防止する。本発明において、上記Φ29 DNAポリメラーゼ変異体は、エキソヌクレアーゼおよびTPR1ドメイン両方のループにおいて2個のアミノ酸変異を含む(部位301および302、図3)。上記変異は、上記酵素の生化学的機能に影響を及ぼさず、上記2個の変異部位は、上記ナノギャップを架橋し得る距離で分離されている。
本発明は、生体分子(例えば、天然であるか、合成されているか、改変されているか、およびこれらの組み合わせのいずれかの、核酸、タンパク質、ポリサッカリドが挙げられるが、これらに限定されない)の感知およびシーケンシングのためのナノデバイスを提供する。
発明の詳細な説明
1つの実施形態において、本発明は、3nm~20nmの範囲に及ぶ距離だけ分離された2個のナノ電極によって形成されたナノギャップを提供する。これらの2個の電極の端部は、それらのナノギャップ側において楔形にされ、それらの頂部表面は、誘電性層および/または化学的不動態化分子の単層によって覆われる。ナノギャップを製作するプロセスは、図4に示され、方法1において詳細に記載される。
別の実施形態において、本発明は、誘電性層によって1個の底部電極から垂直に分離された電極のアレイを提供する(図5)、このタイプの形式は、ナノギャップのより高い充填密度を可能にする。他に、上記頂部電極の全ては、同じ電気的極性を有し、これは、上記荷電した分子を、頂部電極の間を架橋する側方の接触から防止する手段を提供する。上記頂部電極間の側方の距離は、数ナノメートル(nm)から数マイクロメートル(μm)、および数ミリメートル(mm)までの垂直ギャップサイズに匹敵するかまたはこれより大きく、基本的に上限はない。
いくつかの実施形態において、上記ナノギャップを架橋するために使用されるタンパク質は、2~7個のシステイン(両端を含む)が変異した、野生型Φ29 DNAポリメラーゼのCからXへの変異体である。ポリメラーゼ操作プロセスは、方法3に記載される。表1に示されるように、C22AおよびC290Aを有する変異体(M-2)、ならびにC22A、C290A、およびC455Vを有する変異体(M-4)は、野生型と同じ活性を有する。他の変異体は、野生型と比較して、活性が低い。
Figure 2023519872000002
いくつかの実施形態において、上記ナノギャップを架橋するために使用されるタンパク質は、G111CおよびV276Cの変異を有する野生型Φ29 DNAポリメラーゼの変異体である(図6)。新たに導入されるシステインは、約6.4nmの距離だけ隔てられる、上記タンパク質のループに位置する。それらは、天然システインと比較してより迅速にアクセスされ得る。上記2個の操作されたシステインのこのチオール基は、それぞれ、金属電極と反応して、ナノギャップを共有結合的に架橋する。
いくつかの実施形態において、上記金属表面は、酵素が結合した後に上記電極上の非特異的吸着を防止するために、ω-メルカプトPEG(以下に示されるSR-1)によって不動態化される:
Figure 2023519872000003
いくつかの実施形態において、上記タンパク質は、G111UおよびV276U(Uは、セレノシステインである)の変異を有する野生型Φ29 DNAポリメラーゼの変異体である。Se-Au結合は、類似のSAMsにおけるS-Au結合と比較して、電荷キャリアトンネル現象(charge carrier tunneling)の全体的な類似する確率をともに有するものの、より安定である。セレノシステインは、約5.2のpKaを有し、これは、その側鎖セレノールが、生理学的pHにおいて脱プロトン化されることを意味する10
1つの実施形態において、本発明は、金属電極上の単層の形成のための化学的試薬(CR-1)を合成する方法を提供する(スキーム1、詳細については方法4を参照のこと)。CR-1のトリフェニルホスファネイルエステルは、アジド官能基(azido function)と反応して、アミド結合を形成する11
別の実施形態において、本発明は、金属電極上の単層の形成のための方法4に記載されるものと類似の方法で化学的試薬(CR-2)を合成する方法を提供する(スキーム2)。CR-2のトリフェニルホスファネイルエステルは、アジド官能基と反応して、アミド結合を形成する。
Figure 2023519872000004
Figure 2023519872000005
いくつかの実施形態において、電極の表面は、CR-1、CR-2、またはSR-1とCR-1もしくはCR-2との混合物の単層によって覆われる。本発明は、上記単層を形成する方法を提供する(方法5)。
1つの実施形態において、本発明は、上記ナノギャップを架橋するために、G111XおよびV276X(Xは、4-(アジドメチル)-L-フェニルアラニンである)の変異したΦ29 DNAポリメラーゼを提供する(図8)。上記変異したタンパク質は、方法6に記載されるとおりの方法によって発現される。
いくつかの実施形態において、本発明は、Staudinger反応を介して上記ナノギャップを架橋するためのCR-1またはCR-2でコーティングされた電極にアジド変異体を結合するための方法を提供する。図9aに示されるように、アジドは、トリフェニルホスファネイルエステルと痕跡の無い(traceless)Staudinger反応を介して反応して、図9bに示されるアミド結合を形成して、上記タンパク質を電極に接続する。
別の実施形態において、関連のないタンパク質(非限定的な例としては、Saccharomyces cerevisiaeに由来するSmt3およびSchistosoma japonicumに由来するグルタチオン-S-トランスフェラーゼが挙げられる)が、Φ29 DNAポリメラーゼの2個の二次構造エレメント(残基K110およびG111、K150およびE151、ならびにY156およびK157が挙げられるが、これらに限定されない)の間に遺伝子的に挿入される。触媒活性を保持するこのようなタンパク質は、伸長されたギャップ(これは野生型Φ29 DNAポリメラーゼにとっては広すぎる)を架橋するために上記の実施形態とともに使用され得る。
別の実施形態において、関連のないタンパク質(非限定的な例としては、Saccharomyces cerevisiaeに由来するSmt3およびSchistosoma japonicumに由来するグルタチオン-S-トランスフェラーゼが挙げられる)は、Φ29 DNAポリメラーゼのN末端に挿入され、硬いペプチド(1つの非限定的な例は、配列PAPAPである)によって接続する。触媒活性を保持するこのようなタンパク質は、伸長されたギャップ(これは野生型Φ29 DNAポリメラーゼにとっては広すぎる)を架橋するために上記の実施形態とともに使用され得る。
1つの実施形態において、本発明は、熱化学リソグラフィー法(TCNL)12,13を使用して導電性層上に単一のナノギャップまたは複数のナノギャップを提供する(方法7を参照のこと)。
方法論
方法1は、以下の手順に従うことによって、上記ナノギャップを生成する、図4に描写されたワークフローに関する。
P1: 半導体または絶縁(ガラス)基材を調製する(401)。
P2: SiN、SiO、または他の誘電性材料の絶縁層(402)を、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、物理蒸着(PVD)、分子層蒸着(molecular vapor deposition)(MVD)、電気めっき、またはスピンコーティングによって堆積させる。好ましい方法は、プラズマ強化CVD(PECVD)または減圧CVD(LPCVD)である。
P3: SiN、SiO、または任意の誘電性材料の別の絶縁層(403)を、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、物理蒸着(PVD)、分子層蒸着(MVD)、電気めっき、またはスピンコーティングによって堆積させる。好ましい方法は、プラズマ強化CVD(PECVD)または減圧CVD(LPCVD)である。
P4: 10,000~500,000μC/cmの線量を用いるEBLによって、続いて、マスクとしてフォトレジスト(404)を使用してフォトリソグラフによって電極ラインパターン形成(electrode line patterning)のプロセスを行う。
P5: RIEまたはIBEを使用してラインエッチングを行い、続いて、反応性イオンエッチング(RIE)またはイオンビームエッチング(IBE)を行い、絶縁層402上でまたはわずかにオーバーエッチングさせて停止させ、続いて、フォトレジストマスクを除去する。
P6: 導電性材料(例えば、Au、Pt、Pd、W、Ti、Ta、TiNx、TaNx、Al、Ag、もしくは他の金属複合材、および/または半導体において使用される一般的なHK/MG材料)の電極層(405)を堆積させる。それはまた、良好な接着および電気的/化学的特性を提供するために2またはこれより多くの層の組み合わせであり得る。それは、P2で言及される方法によって調製され得、最も好ましい方法は、ALDである。
P7: 化学的機械的研磨、続いて、平坦化(CMP)のプロセスを行う。
P8: CMP仕上げを完了させる。
P9: SiN、SiO、Al、HfO、または他の誘電性材料の誘電性層(406)を、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、物理蒸着(PVD)、分子層蒸着(MVD)、電気めっき、またはスピンコーティングなどによって堆積させる。好ましい方法は、ALDである。
P10: 10,000~500,000μC/cmの線量を用いるEBLを使用する電極ギャップパターン形成、続いて、フォトリソグラフィーのプロセスを行う。
P11: RIEまたはIBEを使用する、ギャップエッチングのプロセスを行い、絶縁層402上でまたはわずかにオーバーエッチングさせて停止させる。
P12: フォトレジストを剥離する。
P13. 相互接続のリフトオフおよびパッドパターン形成、続いて、削除。
方法2は、以下の手順に従うことによって、上記ナノギャップのアレイを生成する、図5に描写されたワークフローに関する。
P1: 半導体または絶縁(例えば、ガラス)基材を調製する(501)。
P2: SiN、SiO、Al、HfO、または他の誘電性材料の絶縁層(502)を、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、物理蒸着(PVD)、分子層蒸着(MVD)、電気めっき、またはスピンコーティングによって堆積させる。好ましい方法は、プラズマ強化CVD(PECVD)または減圧CVD(LPCVD)である。
P3およびP4: 一般的な金属、導電性材料、例えば、Au、Pt、Pd、W、Ti、Ta、TiN、TaN、Al、Ag、他の金属、金属複合材、および/または半導体産業において使用される一般的なHK/MG材料の底部電極層(503)を、P2において言及される方法によって堆積させる。好ましい方法は、ALDである。さらに、上記電極層を、1nmより大きな電極幅を有するように、ラインパターン形成法(EBL、EUV、DUV、コンタクトマスク)によってパターン形成し得る。
P5: 誘電性層(504)を、CVD、ALD、PVD、MVD、電気めっき、またはスピンコーティングによって、SiN、SiO、Al、HfO、または他の誘電性材料のナノギャップとして機能するように堆積させる(504)。好ましい方法は、ALDである。上記ギャップサイズは、タンパク質分子の直径に概して匹敵する。
P6およびP7: P2において言及される方法によって、導電性材料、Au、Pt、Pd、W、Ti、Ta、TiN、TaN、Al、Ag、他の金属、金属複合材、および/または半導体産業において使用される一般的なHK/MG材料を含む頂部電極アレイ(505)を製作する。好ましい方法は、ALDである。電極アレイの製作は、ラインパターン形成-EBL、EUV、DUV、またはコンタクトマスク、およびエッチング方法を使用して行われる。各電極の幅および厚みは、1nmより大きい。
P8: SiN、SiO、Al、HfO、または他の誘電性材料のキャップ誘電性層を、CVD、ALD、PVD、MVD、電気めっき、またはスピンコーティングによって堆積させる。好ましい方法は、ALDである。
方法3: システイン残基のコドンを、テンプレートとしてΦ29 DNAポリメラーゼの遺伝子を有するプラスミドを使用して、他の残基(アラニン、バリン、セリン、グリシン、およびロイシンが挙げられるが、これらに限定されない)のコドンへと部位指向性変異誘発によって変異させる14。全ての変異を、ジデオキシ(Sanger)シーケンシングによって検証する。所望の変異体遺伝子を有するプラスミドを、BL-21(DE3)細胞へと形質転換する。液体培養物を増殖させ、上記タンパク質の発現を、IPTGで誘導する。30℃で3時間の増殖後、上記細胞を採取し、溶解し、上記組換えタンパク質を、Ni-NTAクロマトグラフィーによって精製する。上記タンパク質を、ヘパリンカラムを使用してさらに精製する。タンパク質を、後の使用のために-80℃で貯蔵する。十分な発現および触媒活性を示すタンパク質変異体の遺伝子を有するプラスミドを、さらなるラウンドの部位指向性変異誘発のためのテンプレートとして使用する。
方法4: 無水DMF中の4-(アセチルチオ)安息香酸の溶液に、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、および触媒量のジメチルアミノピリジン(DMAP)を添加する。上記溶液を、0℃で30分間撹拌し、続いて、無水DMF中の(2-ヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィンの溶液を添加し、一晩撹拌する。次いで、その溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、その残渣を、ジクロロメタン中5%メタノールを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を得た。
方法5: エタノール中のCR-1またはCR-2の溶液を、先ず、ピロリジンで1時間処理して、窒素下でアセチル保護基を除去する。次いで、その溶液を、ナノギャップ基材に添加し、1時間インキュベートし、続いて、その基材をエタノールですすぐ。
方法6: Φ29 DNAポリメラーゼの特定の位置(33、111、276、および369が挙げられるが、これらに限定されない)のコドンを、テンプレートとしてΦ29 DNAポリメラーゼの遺伝子を有するプラスミドを使用して、部位指向性変異誘発によってTAGへと変異させる14。全ての変異を、ジデオキシ(Sanger)シーケンシングによって検証する。所望の変異遺伝子を有するプラスミドを、pEVOL-pAzF15とともにBL-21(DE3)細胞へと形質転換する。液体培養物を増殖させ、上記タンパク質の発現を、IPTGおよびアラビノースで誘導する。方法3に記載されるように、さらなる増殖およびタンパク質を行う。
方法7は、熱化学リソグラフィー法(TCNL)を使用してナノセンサを生成する、図10において描写されたワークフローに関する。
P1: 半導体または絶縁(例えば、ガラス)基材を調製する(1001)。
P2: SiN、SiOx、Al、HfO、または他の誘電性材料の絶縁層(1002)を、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、物理蒸着(PVD)、分子層蒸着(MVD)、電気めっき、またはスピンコーティングによって堆積させる。好ましい方法は、プラズマ強化CVD(PECVD)または減圧CVD(LPCVD)である。
P3:一般的な金属、導電性材料、例えば、Au、Pt、Pd、W、Ti、Ta、TiN、TaN、Al、Ag、他の金属、金属複合材、および/または半導体産業において使用される一般的なHK/MG材料の底部電極層(1003)を、P2において言及される方法によって堆積させる。好ましい方法は、ALDである。
P4: 電極層(1003)を、ラインパターン形成法(EBL、EUV、DUV、コンタクトマスク)によってパターン形成し、続いて、電極層をより大きくエッチングして、所定の幅を有するギャップを作製する。
P5: 温度応答性(TCNLと適合性)である保護キャップ層(1004)(例えば、ポリフタルアルデヒドポリマー(PPA)が挙げられるが、これらに限定されない)をスピンコーティングする
P6-1: 所定の容積のキャップ層(1004)を熱化学的に除去し、1個の対になった電極(1003)の所望の面積を露出する。
P6-2: 所定の容積のキャップ層(1004)を熱化学的に除去し、多数の対になった電極(1003)を露出する。
以下は、本発明のいくつかの特許請求可能な重要な点である:
1. 生体ポリマーの同定、特徴付けまたはシーケンシングのためのシステムであって、上記システムは、
(a)3nm~20nmの範囲に及ぶ距離だけ(平面ナノギャップ)または2nm~20nmの間の厚みを有する誘電性絶縁層によって(垂直ナノギャップ)分離された、第1の電極および第2の電極によって形成されるナノギャップ;
(b)2個の官能基を有するタンパク質変異体であって、上記2個の官能基は、第1の官能基が上記第1の電極と、および上記第2の官能基が上記第2の電極と共有結合的に反応することによって、上記ナノギャップを架橋するために、上記ナノギャップに匹敵するかまたはこれより大きい距離だけ分離された、タンパク質変異体;
(c)上記第1の電極と上記第2の電極との間に印加されるバイアス電圧;
(d)上記タンパク質が化学反応を行う間に、上記タンパク質によって生成される電気シグナルを記録するデバイス;および
(e)データ分析のためのソフトウェア、
を含むシステム。
2. 酵素の活性をモニターするための方法であって、前記方法は、
(a)3nm~20nmの範囲に及ぶ距離だけ(平面ナノギャップ)または2nm~20nmの厚みを有する誘電性絶縁層によって(垂直ナノギャップ)分離された、第1の電極および第2の電極によって形成されるナノギャップを提供する工程;
(b)電極への結合のために上記ナノギャップサイズに匹敵するかまたはこれより大きい距離だけ分離された、天然または非天然アミノ酸の側鎖に由来する少なくとも2個の官能基エーテルを有する酵素変異体を提供する工程;
(c)上記第1の官能基が上記第1の電極と、および上記第2の官能基が上記第2の電極と共有結合的に反応することを通じて、上記酵素を結合させることによって上記ナノギャップを架橋する工程;
(d)上記第1の電極と上記第2の電極との間でバイアス電圧を印加する工程;
(e)上記酵素がその基質と反応することによって生成される上記電気シグナルを記録する工程;および
(f)データ分析のためのソフトウェアを提供する工程、
を包含する方法。
3. 生体ポリマーの同定、特徴付けまたはシーケンシングのための方法であって、上記方法は、
(a)3nm~20nmの範囲に及ぶ距離だけ(平面ナノギャップ)または2nm~20nmの間の厚みを有する誘電性絶縁層によって(垂直ナノギャップ)分離された、第1の電極および第2の電極によって形成されるナノギャップを提供する工程;
(b)電極への結合のために上記ナノギャップサイズに匹敵するかまたはこれより大きい距離だけ分離された、天然または非天然アミノ酸の側鎖に由来する少なくとも2個の官能基エーテルを有するポリメラーゼ変異体を提供する工程;
上記第1の官能基が上記第1の電極と、および上記第2の官能基が上記第2の電極と共有結合的に反応することを通じて、上記酵素を結合させることによって上記ナノギャップを架橋する工程;
(c)上記第1の電極と上記第2の電極との間でバイアス電圧を印加する工程;
(d)上記酵素がその基質と反応することによって生成される上記電気シグナルを記録する工程;および
(e)データ分析のためのソフトウェアを提供する工程、
を包含する方法。
4. 熱化学リソグラフィー法(TCNL)を使用して、ナノギャップおよびナノギャップのアレイを製作する方法。
5. 電極の表面上に単層を形成して、生物学的分子の非特異的吸着を防止する方法。
6. 混合された単層の形成のために。化学的試薬CR-1およびCR-2を合成するアプローチ。
7. アミド結合を形成することによって、CR-1またはCR-2とタンパク質変異体との反応を介して、上記ナノギャップを架橋する方法。
概論: 別段定義されなければ、本明細書で言及される全ての技術的刊行物、特許、および他の文書は、それらの全体において参考として援用され、本明細書で私用される科学用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本発明は、種々の実施形態の記載によって例証されており、かつこれらの実施形態はかなり詳細に記載されているが、本出願の範囲を制限するまたは何らかの方法で限定することは、本出願の意図するところではない。さらなる利点および改変は、当業者に容易に明らかである。従って、その最も広い局面の発明は、具体的な詳細、代表的なデバイス、装置および方法、ならびに示されかつ記載される例証的な例に限定されない。よって、出願人の包括的な発目の概念の趣旨から逸脱することなく、このような詳細からの逸脱が行われ得る。
Figure 2023519872000006
Figure 2023519872000007

Claims (44)

  1. 生体ポリマーの同定、特徴付けまたはシーケンシングのためのシステムであって、前記システムは、
    a.非導電性基材上でナノメートルの距離だけ(平面ナノギャップ)またはナノメートルの厚さを有する誘電性絶縁層によって(垂直ナノギャップ)分離された、第1の電極および第2の電極によって形成されるナノギャップ;ならびに
    b.少なくとも2個の官能基を有するように操作されたタンパク質であって、前記少なくとも2個の官能基は、前記少なくとも2個の官能基のうちの第1の官能基を通じて前記第1の電極に、および前記少なくとも2個の官能基のうちの第2の官能基を通じて前記第2の電極に共有結合的に結合させることによって前記ナノギャップを架橋する、前記ナノギャップサイズに匹敵した距離だけ分離されており、ここで前記2個の官能基は、互いに異なるかまたは同じである、タンパク質、
    を含む、システム。
  2. a.前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加されるバイアス電圧;
    b.前記タンパク質が前記生体ポリマーと相互作用するかまたは生化学的反応を行うときに、前記タンパク質によって引き起こされる電流変動を記録するデバイス;および
    c.前記生体ポリマーまたは前記生体ポリマーのサブユニットを同定するかまたは特徴付けるデータ分析のためのソフトウェア、
    をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記生体ポリマーは、天然であるか、合成されているか、改変されているか、およびこれらの組み合わせのいずれかの、DNA、RNA、タンパク質、炭水化物、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、ポリサッカリド、およびそれらのアナログからなる群より選択される、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記タンパク質は、天然であるか、変異されているか、合成されているか、およびこれらの組み合わせのいずれかの、酵素、レセプター、リガンド、抗原、および抗体からなる群より選択される、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記酵素は、天然であるか、変異されているか、合成されているか、およびこれらの組み合わせのいずれかの、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、DNAヘリカーゼ、DNAリガーゼ、DNAエキソヌクレアーゼ、逆転写酵素、RNAプライマーゼ、リボソーム、スクラーゼ、ラクターゼからなる群より選択される、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記DNAポリメラーゼは、Φ29 DNAポリメラーゼである、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記官能基は、チオール、セレノール、アジドおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記タンパク質は、(a)C22AおよびC290A変異;(b)C22A、C290A、およびC455V変異;(c)G111XおよびV276X変異であって、ここでXは、システインもしくはセレノシステインまたは4-(アジドメチル)-L-フェニルアラニン、またはこれらの組み合わせである変異;(d)G111CおよびV276C変異;(e)G111UおよびV276U変異;(f)G111XおよびV276X変異であって、ここでXは、4-(アジドメチル)-L-フェニルアラニンである変異;ならびに(g)これらの組み合わせからなる群より選択される変異を有する野生型Φ29 DNAポリメラーゼの変異体である、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記ナノギャップにおける前記電極の端部表面は、1’-トリフェニルホスファネイル 4-(アセチルチオ)ベンゾエート(CR-1)もしくは1’-トリフェニルホスファネイル 4-((アセチルチオ)メチル)ベンゾエート(CR-2)またはチオール化オリゴ(エチレングリコール)(SR-1)もしくはチオール化ポリ(エチレングリコール)、または前記SR-1と前記CR-1もしくは前記CR-2との混合物で官能化するように構成される、請求項1に記載のシステム。
  10. 前記タンパク質上の前記2個の官能基間の距離は、別の関連のないタンパク質および/またはペプチドを、前記タンパク質へと遺伝子的に挿入することによって延ばされる、請求項1に記載のシステム。
  11. 前記関連のないタンパク質は、Saccharomyces cerevisiaeに由来するSmt3またはSchistosoma japonicumに由来するグルタチオン-S-トランスフェラーゼであり、前記ペプチドは、PAPAPである、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記タンパク質は、野生型か、変異されているかまたは合成されているかのいずれかの、Φ29 DNAポリメラーゼであり、前記関連のないタンパク質および/またはペプチドの挿入の位置は、N末端にあるか、または残基K110とG111、もしくはK150とE151、もしくはY156とK157との間にあるか、あるいはこれらの組み合わせである、請求項10に記載のシステム。
  13. 前記電極は、Au(金)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、W(タングステン)、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Al(アルミニウム)、Ag(銀)、TiNx、TaNx、他の金属複合材、半導体において使用される一般的なHK/MG材料、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される金属材料を含む、請求項1に記載のシステム。
  14. 前記ナノギャップサイズは、約3nm~20nmである、請求項1に記載のシステム。
  15. 平面ナノギャップにおける前記2個の電極の端部は、前記ナノギャップにおいて実質的に楔形または実質的にテーパー状にされている、請求項1に記載のシステム。
  16. 前記ナノギャップにおける端部表面を除く前記電極の頂部表面は、誘電性層および/または化学的不動態化分子の単層によって実質的に覆われている、請求項1に記載のシステム。
  17. 前記不動態化分子は、ω-メルカプトPEG(SR-1)を含む、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記垂直ナノギャップは、ナノギャップのアレイを含み、前記ナノギャップのアレイは、誘電性層によって分離された第1の電極のアレイおよび単一の第2の電極によって形成される、請求項1に記載のシステム。
  19. 前記誘電性層は、SiN、SiO、Al、HfO、および他の誘電性材料ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む、請求項1に記載のシステム。
  20. 前記2個の電極は、熱化学リソグラフィー法(TCNL)を使用して連続導電性ワイヤを切断することによって製作され、前記ギャップおよび前記電極は、TCNL適合性材料の層によって充填されているかまたは覆われており、前記ギャップを横断する一対の露出されたナノアイレットは、前記ナノギャップを形成する前記2個の電極の端部表面を表す、請求項1に記載のシステム。
  21. 前記TCNL適合性材料は、ポリフタルアルデヒドポリマー(PPA)を含む、請求項20に記載のシステム。
  22. 前記ナノギャップは、複数の露出されたナノアイレット対とともに同じ電極対上に形成された複数のナノギャップを含む、請求項20に記載のシステム。
  23. 生体ポリマーを同定、特徴付け、またはシーケンシングするための方法であって、前記方法は、
    a.第1の電極および第2の電極を、非導電性基材上に互いに隣り合って(平面ナノギャップ)、または一方を誘電性絶縁層によって分離された他方の頂部に(垂直ナノギャップ)配置することによってナノギャップを形成する工程、
    b.前記電極への結合のために前記ナノギャップサイズに匹敵する距離だけ分離された少なくとも2個の官能基を有するように操作されたタンパク質を提供する工程;
    c.前記タンパク質を、前記少なくとも2個の官能基のうちの第1の官能基を通じて前記第1の電極に、および前記少なくとも2個の官能基のうちの第2の官能基を通じて前記第2の電極に共有結合させることによって、前記ナノギャップを架橋する工程;
    d.前記第1の電極と前記第2の電極との間にバイアス電圧を印加する工程;
    e.前記タンパク質が前記生体ポリマーと相互作用するかまたは生化学的反応を行うときに、前記タンパク質によって引き起こされる電流変動を記録するデバイスを提供する工程;および
    f.前記生体ポリマーまたは前記生体ポリマーのサブユニットを同定するかまたは特徴付けるデータ分析のためのソフトウェアを提供する工程、
    を包含する、方法。
  24. 前記生体ポリマーは、天然であるか、合成されているか、改変されているか、およびこれらの組み合わせのいずれかの、DNA、RNA、タンパク質、炭水化物、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、ポリサッカリド、およびそれらのアナログからなる群より選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記タンパク質は、天然であるか、変異されているか、合成されているか、およびこれらの組み合わせのいずれかの、酵素、レセプター、リガンド、抗原、および抗体からなる群より選択される、請求項23に記載の方法。
  26. 前記酵素は、天然であるか、変異されているか、合成されているか、およびこれらの組み合わせのいずれかの、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、DNAヘリカーゼ、DNAリガーゼ、DNAエキソヌクレアーゼ、逆転写酵素、RNAプライマーゼ、リボソーム、スクラーゼ、ラクターゼからなる群より選択される、請求項23に記載の方法。
  27. 前記DNAポリメラーゼは、Φ29 DNAポリメラーゼである、請求項23に記載の方法。
  28. 前記官能基は、チオール、セレノール、アジドおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される。請求項23に記載の方法。
  29. 前記タンパク質は、(a)C22AおよびC290A変異;(b)C22A、C290A、およびC455V変異;(c)G111XおよびV276X変異であって、ここでXは、システインまたはセレノシステインまたは4-(アジドメチル)-L-フェニルアラニン、またはこれらの組み合わせである変異;(d)G111CおよびV276C変異;(e)G111UおよびV276U変異;(f)G111XおよびV276X変異であって、ここでXは、4-(アジドメチル)-L-フェニルアラニンである変異;ならびに(g)これらの組み合わせからなる群より選択される変異を有する野生型Φ29 DNAポリメラーゼの変異体である、請求項23に記載の方法。
  30. 前記ナノギャップにおける前記電極の端部表面は、1’-トリフェニルホスファネイル 4-(アセチルチオ)ベンゾエート (CR-1)もしくは1’-トリフェニルホスファネイル 4-((アセチルチオ)メチル)ベンゾエート(CR-2)またはチオール化オリゴ(エチレングリコール)(SR-1)もしくはチオール化ポリ(エチレングリコール)、または前記SR-1と前記CR-1もしくは前記CR-2との混合物で官能化するように構成される、請求項23に記載の方法。
  31. 前記タンパク質上の前記2個の官能基間の距離は、別の関連のないタンパク質および/またはペプチドを、前記タンパク質へと遺伝子的に挿入することによって延ばされる、請求項23に記載の方法。
  32. 前記関連のないタンパク質は、Saccharomyces cerevisiaeに由来するSmt3またはSchistosoma japonicumに由来するグルタチオン-S-トランスフェラーゼであり、前記ペプチドは、PAPAPである、請求項31に記載の方法。
  33. 前記タンパク質は、野生型か、変異されているかまたは合成されているかのいずれかの、Φ29 DNAポリメラーゼであり、前記関連のないタンパク質および/またはペプチドの挿入の位置は、N末端にあるか、または残基K110とG111、もしくはK150とE151、もしくはY156とK157との間にあるか、あるいはこれらの組み合わせである、請求項31に記載の方法。
  34. 前記電極は、Au(金)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、W(タングステン)、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Al(アルミニウム)、Ag(銀)、TiNx、TaNx、他の金属複合材、半導体において使用される一般的なHK/MG材料、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される金属材料から作製される、請求項23に記載の方法。
  35. 前記ナノギャップサイズは、約3nm~20nmである、請求項23に記載の方法。
  36. 平面ナノギャップにおける前記2個の電極の端部は、前記ナノギャップにおいて実質的に楔形または実質的にテーパー状にされている、請求項23に記載の方法。
  37. 前記ナノギャップにおける端部表面を除く前記電極の頂部表面は、誘電性層および/または化学的不動態化分子の単層によって実質的に覆われている、請求項23に記載の方法。
  38. 前記不動態化分子は、ω-メルカプトPEG(SR-1)を含む、請求項37に記載の方法。
  39. 前記垂直ナノギャップは、ナノギャップのアレイを含み、前記ナノギャップのアレイは、誘電性層によって分離された第1の電極のアレイおよび単一の第2の電極によって形成される、請求項23に記載の方法。
  40. 前記誘電性層は、SiN、SiO、Al、HfO、および他の誘電性材料ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される材料で製作される、請求項23に記載の方法。
  41. 前記2個の電極は、熱化学リソグラフィー法(TCNL)を使用して連続導電性ワイヤを切断することによって製作され、前記ギャップおよび前記電極はTCNL適合性材料の層によって充填されているかまたは覆われており、前記ギャップを横断する一対の露出されたナノアイレットは、前記ナノギャップを形成する前記2個の電極の端部表面を表す、請求項23に記載の方法。
  42. 前記TCNL適合性材料は、ポリフタルアルデヒドポリマー(PPA)を含む、請求項41に記載の方法。
  43. 前記ナノギャップは、複数の露出されたナノアイレット対とともに同じ電極対上に形成された複数のナノギャップを含む、請求項41に記載の方法。
  44. 前記タンパク質は、少なくとも1個のアジド官能基を有するように変異され、前記電極端部表面のうちの少なくとも一方は、1’-トリフェニルホスファネイル 4-(アセチルチオ)ベンゾエート(CR-1)もしくは1’-トリフェニルホスファネイル 4-((アセチルチオ)メチル)ベンゾエート(CR-2)で官能化され;ここで前記変異されたタンパク質は、前記CR-1または前記CR-2官能化電極に、Staudinger反応を通じて、共有結合される、請求項23に記載の方法。
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