JP2023519815A - スピロ環含有キナゾリン化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、一般式(1)の化合物およびその調製方法、並びに、腫瘍などのRas関連疾患に抵抗するための医薬品の調製における、K-Ras G12C変異タンパク質に対する不可逆的阻害剤としての、式(1)の化合物、並びに、その異性体、結晶形態物、および、薬学的に許容可能な塩の使用に関する。【化1】TIFF2023519815000059.tif67168

Description

本出願は中国特許出願第CN202010222766Xが2020年3月25日に出願したものを優先するものであり、本件は、その全体を参考として盛り込んでいる。
技術分野
本発明は医薬化学の分野に属し、特に、スピロ環含有キナゾリン化合物、その調製方法、および抗腫瘍薬の調製におけるK-Ras G12C阻害剤としての化合物の使用に関する。
背景
Rasタンパク質ファミリーメンバーは細胞における重要なシグナル伝達分子であり、成長と発達に重要な役割を果たす。in vitro腫瘍細胞、動物モデルおよびヒト腫瘍試料の広範な分析および研究は、Rasファミリータンパク質の過剰活性化がヒト腫瘍の発生における初期事象であり、多くのタイプの癌の発生および進行の重要な原因の1つことを示す。Rasタンパク質を標的とし、Rasタンパク質活性を阻害することは、関連した腫瘍を治療するための重大な手段である。Rasタンパク質は2つの形態で存在する。GDPと結合していると不活性な休止状態にあり、細胞が成長因子の刺激などのシグナルを受け取ると、GTPと結合して活性化される。活性化されたRasタンパク質は様々なシグナル伝達アダプタータンパク質を動員して、ERKやS6などの下流のシグナル伝達分子のリン酸化を促進し、それによってRasシグナル伝達経路を活性化し、細胞の増殖、生存、遊走および分化を調節する。Rasタンパク質はGTPase活性のためにGTPをGDPに加水分解することができる。その上、細胞内のGTPase活性化タンパク質(GAP)はRasと相互作用し、RasのGTPase活性を大幅に向上させ、それによってRasタンパク質が過剰に活性化されるのを妨げる。
Rasタンパク質ファミリーのK-Ras、H-RasおよびN-Rasタンパク質の変異は様々な腫瘍における一般的な遺伝子変異の1つであり、腫瘍におけるRasタンパク質の過剰活性化をもたらす主要な因子である。野生型Rasタンパク質と比較して、これらの変異をもつRasタンパク質は調節されていない活性をもっている。GTPに安定に結合し、常に活性化されているので、腫瘍細胞の増殖、遊走、分化が促進される。これらの変異の中で、K-Rasタンパク質におけるものは最も一般的なものであり、全Ras変異の85%を占めるが、N-Ras(12%)およびH-Ras(3%)におけるものは比較的まれである。K-Ras変異は、膵癌(95%)、大腸癌(45%)、肺癌(25%)など多くの種類の癌で非常に多くみられるが、乳癌、卵巣癌、脳腫瘍では比較的まれ(2%未満)である。K-Ras変異は主にG12位に起こり、G12C変異が最も一般的なものである。例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)では、K-Ras変異の約50%がK-Ras G12Cであり、G12VとG12Dが2番目に多い変異である。ゲノム研究から、非小細胞肺癌におけるK-Ras変異は一般にEGFR、ALK、ROS1、RETおよびBRAF変異と共在しないが、STK11、KEAP1、TP53および他の変異と共在することが示され、K-Ras変異はSTK11、KEAP1、TP53および他の変異と相乗的に細胞の悪性転換、増殖および浸潤に関与する可能性が示唆された。腫瘍に加えて、Rasタンパク質の異常な活性化は、糖尿病、神経変性疾患などを含む非腫瘍疾患にも関与する。したがって、Rasタンパク質を標的とする低分子化合物は、特定の遺伝子変異を有する多数の癌患者およびRas経路の過剰活性化を有する非癌患者に恩恵をもたらすことができる。
40年前の腫瘍のRas変異の発見以来、Ras経路が関与する病因についてより深い洞察が得られているが、Rasタンパク質変異およびRas経路の過剰活性化を有する多数の患者に対して、Rasタンパク質を標的とする臨床的に有効な治療アプローチはまだ市場に出ていない。したがって、Rasタンパク質、特に変異頻度の高いK-Ras G12Cタンパク質を標的とした高活性低分子阻害剤の開発は、臨床的意義が大きい。
主要な治療標的としてのK-Ras G12C変異体は、現在広く研究されておらず、AmgenのAMG510およびMiratiのMRTX849のような少数の化合物のみが臨床研究中である。2018年には、K-Ras G12C変異標的共有結合阻害剤ARS-1620がCellで報告された(Cell、2018、172: 578-589)。マウスにおけるK-Ras G12C活性および抗腫瘍活性を有するスピロ化合物のクラスは、特許:国際公開第2018/143315号に報告されており、一般式Aおよびその代表的な化合物B(特許中の実施例35)は、以下の構造として示されている(式中の記号の定義については特許を参照のこと)。
Figure 2023519815000002
国際公開第2018/143315号
現在、良好なK-Ras G12C活性および優れた薬物動態特性を有する化合物を研究および発見する緊急の必要性が存在する。
発明の概要
本発明は、一般式(1)の化合物、若しくは、その異性体、結晶形態物、薬学的に許容可能な塩、水和物、または、溶媒和物を提供することを目的とする。
Figure 2023519815000003
ここで、一般式(1)において、
mは、1または2の整数であり、
nは、1または2の整数であり、
は、H、ハロゲン、C1~C3アルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニルまたはC3~C6シクロアルキルであり、
は、C1~C3アルキルまたはハロゲン化C1~C3アルキルであり、
は、
Figure 2023519815000004
であり、
ここで、Rは、HまたはFであり、Rは、H、F、ClまたはMeであり、Rは、H、F、ClまたはMeであり、Rは、F、Cl、NH、Meまたはシクロプロピルであり、R、R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、F、Cl、OH、OMe、NH、CF、C1~C3アルキルまたはC3~C6シクロアルキルであり、
は、
Figure 2023519815000005
であり、
ここで、nおよびnは、独立して、1または2の整数であり、m、m、mおよびmは、独立して、0、1、2、3または4の整数であり、mは、1、2または3の整数であり、Aは、CH-、-O-、-S-、-SO、-SO-または-N(C1~C3アルキル)-であり、Vは、-CH-、-SO-または-CO-であり、Lは、-O-、-S-、-SO-、-SO-または-CO-であり、Xは、5~7員のヘテロアリールまたは部分飽和の5~7員のヘテロシクロアルキルであり、Yは、C3~C6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、(C3~C6)シクロアルキル-(C1~C3)アルキル-またはヘテロシクロアルキル-(C1~C3)アルキル-であり、RおよびRは、独立して、C1~C3アルキル、ハロゲン化C1~C3アルキル、ヒドロキシル置換C1~C3アルキル、シアノ置換C1~C3アルキル、C3~C6シクロアルキル、(C1~C3)アルコキシ-(C2~C3)アルキル-、(ハロゲン化C1~C3)アルコキシ-(C2~C3)アルキル-、(C3~C6)シクロアルキル-(C1~C3)アルキルであり、または、RおよびRは、N原子と共に、3-~8-員のヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記3-~8-員のヘテロシクロアルキルは、OH、ハロゲン、シアノ、C1~C3アルキル、C3~C6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、(C1~C3)アルコキシおよび(ハロゲン化C1~C3)アルコキシから選択される1~3個の置換基で置換され得、Rは、C1~C3アルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル、C3~C6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロゲン化C1~C3アルキル、ヒドロキシル置換C1~C3アルキル、シアノ-置換C1~C3アルキル、(C1~C3)アルコキシ-(C2~C3)アルキル、(ハロゲン化C1~C3)アルコキシ-(C2~C3)アルキル-、(C3~C6)シクロアルキル-(C1~C3)アルキル-またはヘテロシクロアルキル-(C1~C3)アルキル-であり、および、Rは、OH、ハロゲン、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシまたはC3~C6シクロアルキルである。
別の好ましい実施形態では、一般式(1)において、Rは、H、F、Cl、Me、Et、イソプロピル、ビニル、エチニルまたはシクロプロピルである。
別の好ましい実施形態では、一般式(1)において、Rは、CH、CHCH、CFCH、CHFCHまたはCF(CH)CHである。
別の好ましい実施形態では、一般式(1)において、Rは、
Figure 2023519815000006
である。
別の好ましい実施形態では、一般式(1)において、Rは、
Figure 2023519815000007
Figure 2023519815000008
Figure 2023519815000009
Figure 2023519815000010
である。
種々の実施形態では、本発明の代表的な化合物は、以下の構造の1つを有する。
Figure 2023519815000011
Figure 2023519815000012
Figure 2023519815000013
Figure 2023519815000014
Figure 2023519815000015
Figure 2023519815000016
Figure 2023519815000017
Figure 2023519815000018
Figure 2023519815000019
Figure 2023519815000020
本発明の別の目的は、薬学的に許容可能な賦形剤または担体、および、有効成分としての本発明の一般式(1)の化合物、若しくは、その異性体、結晶形態物、薬学的に許容され可能なる塩、水和物、または、溶媒和物を含む医薬組成物を提供することである。
本発明はまた、K-Ras G12C変異タンパク質に関連する疾患を治療、調節および/または予防するための医薬品を調製する際の、上記一般式(1)の化合物、若しくは、その異性体、結晶形態物、薬学的に許容可能なその塩、水和物、または、溶媒和物、或いは、医薬組成物の使用を提供する。
本発明のさらに別の目的は、本発明の上記一般式(1)の化合物、若しくは、その異性体、結晶形態物、薬学的に許容可能な塩、水和物、または、溶媒和物、或いは、本発明の上記医薬組成物を対象体に投与することを含む、K-Ras G12C変異によって媒介される疾患を治療するための方法を提供することである。K-Ras G12C変異によって媒介される疾患は、血液癌と固形腫瘍であり得る。
本発明者らはK-RAS G12C阻害効果を有する種々の新規化合物の合成および慎重な研究により、Rが非芳香族複素環またはスピロ環である場合、一般式(1)の化合物がK-RAS G12Cに対して強い阻害活性を有することを見出した。さらに、この化合物は、また、マウスにおける抗腫瘍活性の評価において、強力なin vivo抗腫瘍活性を示す。
本発明の上記の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は例示的かつ説明的であり、特許請求の範囲に記載の本発明のさらなる説明を提供することが意図されることが理解されるべきである。
化合物の合成
以下、本発明の一般式(1)の化合物の製造方法について詳細に説明するが、これらの具体的な方法は本発明を何ら限定するものではない。
上記の一般式(1)の化合物は、本明細書に記載の方法と組み合わせて、標準的な合成技術または周知の技術を使用して合成され得る。さらに、溶媒、温度、および本明細書に記載される他の反応条件は変更し得る。化合物の合成のための出発物質は、合成的にまたは商業的に得ることができる。本明細書に記載の化合物および異なる置換基を有する他の関連化合物は、March,Advanced Organic Chemistry,4th Ed.,(Wiley 1992);Carey and Sundberg,Advanced Organic Chemistry,4th Ed.,Vols.A and B(Plenum 2000,2001)、および、Green and Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,(Wiley 1999)を含む、周知の技術および出発物質を使用して合成し得る。化合物を調製するための一般的な方法は、本明細書中に提供される式に異なる基を導入するための適切な試薬および条件を使用することによって変更され得る。
一態様では、本明細書に記載の化合物が当技術分野で周知の方法に従って調製される。ただし、反応物、溶媒、塩基、使用する化合物の量、反応温度、反応に要する時間などの、方法に関わる条件は、以下の説明に限定されるものではない。本発明の化合物は、また、本明細書に記載されているか、または、当技術分野で公知の種々の合成方法を任意に組み合わせることによって簡便に調製することができ、そのような組み合わせは、本発明が関連する技術分野の当業者によって容易に決定することができる。一態様では、本発明はまた、以下の一般反応スキーム1を使用して調製される、一般式(1)の化合物を調製するための方法を提供する。
一般反応スキーム1
Figure 2023519815000021
一般式(1)の化合物の実施形態において、調製は、一般反応スキーム1に従って実行し得、ここで、m、n、R、R、RおよびRが上記のように定義され、PGが保護基を表し、Xがホウ酸、ホウ酸塩またはトリフルオロホウ酸塩を表す。一般反応スキーム1に示すように、化合物A1(WO2018/143315に従って合成)を塩基性条件下で化合物A2と反応させて化合物A3を得、化合物A3を塩基性条件下でRHと反応させて化合物A4を得、化合物A4を塩基性条件下でROHと反応させて化合物A5を得、化合物A5およびR-Xをカップリング反応に供して化合物A6を得、化合物A6およびR3-Xを別のカップリング反応に供して化合物A7を得、化合物A7から保護基を除去して化合物A8を得、化合物A8を塩化アクリロイルまたは無水アクリル酸と反応させて標的化合物A9を得る。
化合物のさらなる形態
本明細書中で「薬学的に許容可能な」とは、化合物にその生物学的活性または特性を失わせない物質(例えば、担体または希釈剤)をいう。それは比較的非毒性であり、例えば、個体に物質を与える場合、それは望ましくない生物学的効果を引き起こさず、または、有害な様式でその中に含まれる任意の成分と相互作用しない。
用語「薬学的に許容可能な塩」は、薬物投与のために生物に有意な刺激を引き起こさないか、または、化合物の生物学的活性および特性を排除しない化合物の形態をいう。特定の態様において、薬学的に許容可能な塩は、一般式(1)の化合物を、酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、リン酸および硝酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸などの有機酸、並びにアスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性アミノ酸と反応させることによって得られる。
薬学的に許容可能な塩への言及は、溶媒付加形態物または結晶形態物、特に溶媒和物または多形体を含むことを理解されたい。溶媒和物は化学量論的または非化学量論的量のいずれかの溶媒を含み、水およびエタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒との結晶化の間に選択的に形成される。水和物は溶媒が水である場合に形成され、または、アルコラートは溶媒がエタノールである場合に形成される。一般式(1)の化合物の溶媒和物は、本明細書に記載の方法に従って簡便に調製または形成される。例えば、一般式(1)の化合物の水和物は簡便には水/有機溶媒の混合溶媒からの再結晶によって調製され、ここで使用される有機溶媒は、テトラヒドロフラン、アセトン、エタノールまたはメタノールを含むが、これらに限定されない。さらに、本明細書に記載の化合物は、非溶媒和形態および溶媒和形態の両方で存在することができる。一般に、溶媒和形態は本明細書中に提供される化合物および方法の目的のためには、非溶媒和形態と同等であると考えられる。
他の特定の例では、一般式(1)の化合物は、非晶質、粉砕、およびナノ粒子形態を含むがこれらに限定されるものではない、異なる形態に調製される。さらに、一般式(1)の化合物は結晶形態物を含み、多形であってもよい。多形は、化合物の同じ元素の異なる格子配置を含む。多形は、通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形、光学特性および電気特性、安定性および溶解性を有する。再結晶溶媒、結晶化速度および保存温度のような様々な要因により、単結晶形態が優位となり得る。
別の態様では、一般式(1)の化合物は、軸不斉および/またはキラル中心を有し、したがって、ラセミ体、ラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー化合物および単一ジアステレオマーの形態で存在する。これらの軸不斉の各々は2つの光学異性体を独立して生成し、全ての可能な光学異性体、ジアステレオマー混合物、および純粋または部分的に純粋な化合物は、本発明の範囲内に含まれる。本発明は、これらの化合物の全てのそのような異性体形態を含むことを意味する。
本発明の化合物は、化合物を構成する1個以上の原子に不自然な割合の原子同位体を含んでいてもよい。例えば、トリチウム(H)、ヨウ素-125(125I)、およびC-14(14C)などの放射性同位体を用いて、この化合物を標識することができる。別の例として、化合物の水素原子を重水素で置き換えて重水素化化合物を形成することができ、重水素および炭素によって形成される結合は、一般的な水素原子および炭素によって形成される結合よりも強固である。重水素化薬物は非重水素化薬物と比較して、一般に、毒性および副作用を減少させ、薬物安定性を増加させ、有効性を増強し、薬物の生体内半減期を延長するなどの利点を有する。放射性であろうとなかろうと、本発明の化合物の全ての同位体変異体は、本発明の範囲内に包含される。
用語
特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲における用語を含む、本出願において使用される用語は、以下のように定義される。明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」および「an」は文脈上他の意味を明確に示さない限り、複数の意味を含むことに留意しなければならない。特に明記しない限り、慣用の質量分析、核磁気共鳴分光、HPLC、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技術および薬理学の方法が使用される。本明細書において、「または」または「および」は特に明記しない限り、「および/または」を意味するために使用される。
特に明記しない限り、「アルキル」は、1~6個の炭素原子を含む直鎖および分枝鎖の基を含む飽和脂肪族炭化水素基を指す。メチル、エチル、プロピル、2-プロピル、n-ブチル、イソブチルまたはtert-ブチルのような1~4個の炭素原子を含む低級アルキルが好ましい。本明細書中で使用される場合、「アルキル」は非置換および置換アルキル、特に、1つ以上のハロゲンで置換されたアルキルを含む。好適なアルキルは、CH、CHCH、CF、CHF、CFCH、Pr、Pr、Bu、Bu、および、Buから選択される。
特に明記しない限り、「アルケニル」は炭素-炭素二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を指し、1~6個の炭素原子を含む直鎖および分枝鎖の基を含む。1~4個の炭素原子を含む低級アルケニル、例えばビニル、1-プロペニル、1-ブテニルまたは2-メチルプロペニルが好ましい。
特に明記しない限り、「アルキニル」は炭素-炭素三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を指し、1~6個の炭素原子を含む直鎖および分枝鎖の基を含む。1~4個の炭素原子を含む低級アルケニル、例えばエチニル、1-プロピニルまたは1-ブチニルが好ましい。
特に明記しない限り、「シクロアルキル」は3~6員の全炭素単環式脂肪族炭化水素基を指し、ここで、環の1つ以上は1つ以上の二重結合を含み得るが、それらのいずれも完全に共役したπ電子系を有さない。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキサン、およびシクロヘキサジエンである。
特に明記しない限り、「アルコキシ」は、エーテル酸素原子を介して分子の残りの部分に結合するアルキル基を指す。代表的なアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシおよびtert-ブトキシなどの1~6個の炭素原子を有するものである。本明細書中で使用される場合、「アルコキシ」は、非置換および置換アルコキシ、特に1つ以上のハロゲンで置換されたアルコキシを含む。好適なアルコキシは、OCH、OCF、CHFO、CFCHO、i-PrO、n-PrO、i-BuO、n-BuO、および、t-BuOから選択される。
特に明記しない限り、「ヘテロアリール」は、1つ以上のヘテロ原子(O、SまたはN)を含む芳香族基を指し、それは単環式または多環式であり、例えば、単環式ヘテロアリール環は、1つ以上の炭素環式芳香族基または他の単環式ヘテロシクリル基と縮合する。ヘテロアリールの例としては、ピリジル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾピリジル、および、ピロロピリミジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
特に明記しない限り、「ヘテロシクロアルキル」は、1つ以上のヘテロ原子(O、SまたはN)を含む飽和または部分不飽和環系基を指し、ここで、窒素および硫黄原子は任意に酸化され、窒素原子は任意に環原子として4級化される。特に明記しない限り、「ヘテロシクロアルキル」環系は、単環式、二環式、スピロ、または、多環式の環系であってもよい。「ヘテロシクロアルキル」は、1個以上の環炭素またはヘテロ原子を介して分子の残りの部分に連結し得る。「ヘテロシクロアルキル」の例としては、ピロリジン、ピペリジン、N-メチルピペリジン、テトラヒドロイミダゾール、ピラゾリジン、ブチロラクタム、バレロラクタム、イミダゾリジノン、ヒダントイン、ジオキソラン、フタルイミド、ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、1,4-ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン-S-オキシド、チオモルホリン-S,S-オキシド、ピペラジン、ピラン、ピリドン、3-ピロリン、チオピラン、ピロン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、キヌクリジン、2-アザスピロ[3.3]ヘプタンを含む。
特に明記しない限り、「ハロゲン」(またはハロ)は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。基名の前の用語「ハロ」(または「ハロゲン化」)は基が部分的または完全にハロゲン化されていること、すなわち、F、Cl、BrまたはI、好ましくはFまたはClによって任意の組合せで置換されていることを示す。
特定の薬学・医学用語
本明細書で使用される「許容可能」という用語は、製剤の構成成分または有効成分が一般的な治療標的の健康に過度に悪影響を及ぼさないことを意味する。
本明細書中で使用される用語「治療」、「治療経過」または「治療」は、疾患の症状または状態を緩和、阻害または改善すること、合併症の発症を阻害すること、根底にあるメタボリックシンドロームを改善または予防すること、疾患または症状の発症を阻害すること、例えば、疾患または状態の進行を制御すること、疾患または症状を緩和すること、疾患または症状を軽減すること、疾患または症状により引き起こされる合併症を緩和すること、または、疾患または症状により引き起こされる徴候を予防または治療することを含む。本明細書中で使用される場合、化合物または医薬組成物は投与される場合、疾患、症状または状態を改善することができ、特に、重症度を改善すること、発症を遅延させること、進行を遅らせること、または、疾患の持続時間を減少させることを意味する。定期的または一時的な投与、若しくは、連続的または断続的な投与は、投与に起因するか、または、投与に関連し得る。
「有効成分」は、一般式(1)~(3)の化合物、および一般式(1)~(3)の化合物の薬学的に許容可能な無機または有機塩を指す。本発明の化合物は1つ以上の不斉中心(軸不斉)を含むことができ、したがって、ラセミ体、ラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー化合物および単一ジアステレオマーの形態で存在する。存在し得る不斉中心は、分子上の種々の置換基の性質に依存する。これらの不斉中心の各々は2つの光学異性体を独立して生成し、全ての可能な光学異性体、ジアステレオマー混合物、および純粋または部分的に純粋な化合物は、本発明の範囲内に含まれる。本発明は、これらの化合物の全てのそのような異性体形態を含むことを意味する。
「化合物」、「組成物」、「薬剤」または「医薬品(medicine)または医薬品(medicament)」などの用語は本明細書では互換的に使用され、すべて、個体(ヒトまたは動物)に投与された場合に、局所的および/または全身的作用によって所望の薬理学的および/または生理学的応答を誘導することができる化合物または組成物を指す。
「投与された(administered)、投与する(administering)または投与(administration)」という用語は、本明細書において、化合物または組成物の直接投与、または活性化合物のプロドラッグ、誘導体、アナログなどの投与を指す。
本発明の広い範囲を規定する数値範囲およびパラメータは近似値であるが、特定の実施例に記載された関連する数値は本明細書において可能な限り正確に提示されている。しかしながら、任意の数値は本質的に、特定の試験方法から必然的に生じる標準偏差が含まれている。本明細書において、「約」とは、一般に、実際の値が特定の値または±10%、5%、1%または0.5%の範囲内であることを意味する。或いは、用語「約」が当業者によって考慮されるように、実際の値が平均の許容可能な標準誤差内に収まることを示す。本明細書で使用される全ての範囲、量、値、およびパーセンテージ(例えば、材料の量、時間の長さ、温度、作動条件、定量比などを記述するために)は、実験例において、または、明示的に示される場合を除いて、「約」という語によって改変されると理解されるべきである。したがって、特に明記しない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータはすべて近似値であり、所望に応じて変更し得る。少なくとも、これらの数値パラメータは、示された有効数字または従来の丸め規則を使用して得られた数値として解釈されるべきである。
本明細書で特に定義されない限り、本明細書で使用される科学用語および技術用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、本明細書で使用される単数形の名詞は文脈によって矛盾しない限り、それらの複数形を包含し、使用される複数形の名詞もそれらの単数形を包含する。
治療用途
本発明はG12C K-Ras、G12C H-Rasおよび/またはG12C N-Ras変異(例えば、癌)を含むがこれらに限定されない状態を含む疾患を治療するために、本発明の化合物または医薬組成物を使用する方法を提供する。
いくつかの実施形態では癌を治療するための方法が提供され、この方法は保護された一般式(1)~(3)の構造の上記化合物のいずれかの有効量の医薬組成物を、それを必要とする個体に投与することを含む。いくつかの実施形態において、癌は、K-Ras、H-Rasおよび/またはG12C N-Ras変異によって媒介される。他の態様において、癌は、肺癌、膵臓癌、結腸癌、MYH関連ポリポーシスまたは結腸直腸癌である。
投与経路
本発明の化合物およびその薬学的に許容可能な塩は、安全かつ有効な量の範囲の本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能な賦形剤または担体を含む種々の調製物に調製することができ、「安全かつ有効な量」は、化合物の量が重篤な副作用を引き起こすことなく状態を有意に改善するのに充分であることを意味する。化合物の安全かつ有効な量は、治療される対象の年齢、状態、治療の経過、および他の特定の状態に従って決定される。
「薬学的に許容可能な賦形剤または担体」は、ヒトでの使用に適しており、十分な純度および十分に低い毒性でなければならない、1つ以上の適合可能な固体または液体の充填剤またはゲル物質を指す。「適合可能な」とは、組成物の成分が化合物の薬効を有意に低下させることなく、本化合物と、および、互いに混合することができることを意味する。薬学的に許容可能な賦形剤または担体の例は、セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースナトリウムまたは酢酸セルロース)、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤(例えば、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウム)、硫酸カルシウム、植物油(例えば、大豆油、ゴマ油、落花生油またはオリーブ油)、ポリオール(例えば、プロピレングリコール、グリセロール、マンニトールまたはソルビトール)、乳化剤(例えば、Tween(登録商標))、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、着色剤、香料、安定剤、抗酸化剤、保存剤、パイロジェンフリー水などである。
本発明の化合物を投与する場合、経口、直腸、非経口(静脈内、筋肉内または皮下)または局所的に投与することができる。
経口投与のための固体剤形には、カプセル、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が含まれる。これらの固体剤形において、活性化合物は、少なくとも1つの従来の不活性賦形剤(または担体)(例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム)と混合されるか、若しくは、以下の成分、(a)充填剤または増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および、ケイ酸)、(b)結合剤(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および、アカシア)、(c)保湿剤(例えば、グリセロール)、(d)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定の複合ケイ酸塩、および、炭酸ナトリウム)、(e)溶液遅延剤(例えば、パラフィン)、(f)吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物)、(g)湿潤剤(例えば、セチルアルコール、および、モノステアリン酸グリセロール)、(h)吸着剤(例えば、カオリン)、および(i)潤滑剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコールおよびラウリル硫酸ナトリウムまたはこれらの混合物)、と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形には、緩衝剤も含み得る。
錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤および顆粒剤のような固体剤形は、腸溶コーティングなどのコーティングおよびシェル、および、当技術分野で周知の他の材料を使用して調製することができる。それらは乳白剤を含んでもよく、そのような組成物中の活性化合物または化合物は消化管の特定の部分において遅延様式で放出されてもよい。使用することができる埋め込み成分の例は、ポリマー物質およびワックスベースの物質である。必要であれば、活性化合物は、1つ以上の上記賦形剤を含むマイクロカプセル形態であってもよい。
経口投与に適した液体剤形は、医薬として許容可能なエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤を含む。活性化合物に加えて、液体剤形は、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジメチルホルムアミド、および油、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油、または、これらの物質の混合物などの当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含むことができる。
このような不活性希釈剤に加えて、組成物は、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味料、香味剤、および芳香剤などのアジュバントを含むこともできる。
懸濁液は、活性化合物に加えて、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメチレートおよび寒天、または、これらの物質の混合物などの懸濁化剤を含むことができる。
非経口注射のための組成物は、生理学的に許容可能な無菌の水性または無水溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、および無菌の注射可能な溶液または分散液に再溶解するための無菌粉末を含み得る。適切な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒または賦形剤には、水、エタノール、ポリオールおよびそれらの適切な混合物が含まれる。
本発明の化合物の局所投与のための剤形には、軟膏、散剤、パッチ、スプレーおよび吸入剤が含まれる。有効成分は、無菌条件下で、生理学的に許容可能な担体、および必要に応じて必要とされ得る任意の保存剤、緩衝剤または噴射剤と混合される。
本発明の化合物は、単独で、または、他の薬学的に許容可能な化合物と組み合わせて投与され得る。
医薬組成物が使用される場合、本発明の化合物の安全かつ有効な量が、治療される哺乳動物(ヒトなど)に投与され、ここで、投与量は薬学的に有効な投与量である。体重60kgのヒトの場合、1日当たりの投与量は、通常、1~2000mg、好ましくは50~1000mgである。特定の用量を決定する際に、投与経路、患者の健康状態などのような因子も考慮され、これは当業者に周知である。
なお、上記した本発明の特徴および実施例の特徴は、任意に組み合わせることができる。本明細書に開示された全ての特徴は任意の構成形態で使用されてもよく、本明細書に開示された様々な特徴は、同一、同等、または、同様の目的を提供する任意の代替的な特徴で置き換えられてもよい。したがって、特に明記しない限り、開示された特徴は、単に、同等または類似の特徴の一般的な例に過ぎない。
詳細な説明
上記の化合物、方法および医薬組成物の種々の特定の態様、特徴および利点は以下の説明において詳細に記載され、これは本発明を明確にする。以下の詳細な説明および実施例は、参照のためだけに特定の実施形態を説明していることを理解されたい。本発明の説明を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または改変を加えることができ、そのような均等物も本明細書で定義される本発明の範囲内に含まれている。
全ての実施例において、1H-NMRスペクトルは、Vian Mercury 400核磁気共鳴分光計を用いて記録され、化学シフトはδ(ppm)で表され、分離用のシリカゲルは特定されない場合、200~300メッシュシリカゲルであり、溶離剤の比は体積比である。
本発明において、以下の略語を使用する。MeCNはアセトニトリルを表し、DCMはジクロロメタンを表し、DIPEAはジイソプロピルエチルアミンを表し、ジオキサンは1,4-ジオキサンを表し、DMFはジメチルホルムアミドを表し、hは時間を表し、KPOはリン酸カリウムを表し、minは分を表し、MSは質量分析を表し、NaHは水素化ナトリウムを表し、NMRは核磁気共鳴を表し、Pd(dba)はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを表し、Pd(dppf)Clは[1,1´-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドを表し、TFA(CF COOH)はトリフルオロ酢酸を表し、TLCは薄層クロマトグラフィを表し、THFはテトラヒドロフランを表し、キサントホスは4,5-ビス(ジフェニルホスファン)-9,9-ジメチルキサンテンを表す。
実施例1.1-(7-(6-シクロプロピル-2-(3-((ジメチルアミノ)メチル)アゼチジン-1-イル)-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノン-2-イル)プロプ-2-エン-1-オン(化合物1)の合成
Figure 2023519815000022
ステップ1:化合物1-3の合成
化合物1-1(5.53g、13.1mmol)をジオキサン(80mL)に懸濁した。DIPEA (10.1g、78.6mmol)を氷浴中に添加し、続いて1~2(2.96g、13.1mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、次いで室温に温め、室温で1時間撹拌した。TLCで検出した反応終了後、反応混合物に水を添加してEAで抽出した。有機相を乾燥、濃縮し、残渣をEAでスラリー化して黄色固体1-3(4.52g、収率56.3%)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:8.26(d,J=1.5Hz,1H),3.79(s,4H),3.65(s,4H),1.86(t,J=5.3Hz,4H)、1.39(s,9H);MS(ESI):MS(ESI):611.2[M+1]
ステップ2:化合物1-4の合成
化合物1-3(4.28g、7.0mmol)をDMF(40mL)およびTHF(40mL)の混合溶液に溶解した。1-(アゼチジン-3-イル)-N,N-ジメチルメチルアミン(1.60g、14.0mmol)およびDABCO(155mg、1.4mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。反応終了後、反応混合物に水を添加してEAで抽出した。有機相を乾燥、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して化合物1-4(3.62g、収率75.1%)を得た。MS(ESI): 689.2 [M+1]
ステップ3:化合物1-5の合成
トリフルオロエタノール(0.75g、7.5mmol)を無水DMF(10mL)に溶解した。NaH (60%、0.60g、15.0mmol)を氷浴中で添加した。混合物を室温で5分間撹拌して、ナトリウムトリフルオロエトキシドを得た。化合物1-4(3.45g、5.0mmol)を無水THF(40mL)に溶解した。上記で調製したDMF中のトリフルオロエトキシナトリウム溶液を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。反応終了後、反応混合物に水を添加してEAで抽出した。有機相を乾燥、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して化合物1-5(3.54g、収率92.1%)を得た。MS(ESI):769.2[M+1]
ステップ4:化合物1-6の合成
1つ口フラスコに、化合物1-5(3.08g、4.0mmol)、シクロプロピルボロン酸(0.43g、5.0mmol)、Pd(dppf)Cl(0.59g、0.8mmol)およびK PO(0.85g、4.0mmol)を添加し、続いてMeCN(40mL)、ジオキサン(40mL)およびHO(16.5mL)を添加した。混合物を窒素雰囲気下で100℃にて5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物1-6(1.78g、収率65.2%)を得た。MS(ESI):683.3[M+1]
ステップ5:化合物1-7の合成
一つ口フラスコに、化合物1-6(1.37g、2.0mmol)、5-メチル-1H-インダゾール-4-ボロン酸(0.53g、3.0mmol)、Pd(dba)(0.27g、0.3mmol)、キサントホス(0.35g、0.6mmol)およびK PO(0.85g、4.0mmol)、続いてジオキサン(30mL)およびHO(3mL)を添加した。混合物を窒素下で120℃にて一晩撹拌した。反応終了後、カラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物1-7(557mg、収率26.4%)を得た。MS(ESI):735.4[M+1]
ステップ6:化合物1-8の合成
化合物1-7(515mg、0.7mmol)をDCM(10mL)に溶解した。TFA (3mL)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を濃縮し、飽和炭酸ナトリウムで塩基性化し、EAで抽出した。有機相を乾燥、濃縮して化合物1-8(445mg、収率100%)を得た。MS(ESI): 635.4 [M+1]
ステップ7:化合物1の合成
化合物1-8(318mg、0.4mmol)を乾燥DCM(15mL)に溶解した。DIPEA(65mg、0.5mmol)を氷塩浴中で添加し、続いて塩化アクリロイル(43mg、0.48mmol)をゆっくり添加した。混合物を氷浴中で2時間反応させた。反応混合物を飽和食塩水で洗浄した。有機相を乾燥、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物1(181mg、収率65.8%)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.93(s,1H),7.43-7.45(m,2H),7.31(d,J=8.4Hz,1H),7.10(s,1H),6.34(dd,J=16.9,10.3Hz,1H),6.09-6.14(m,1H),5.67-5.70(m,1H),4.80-4.90(m,1H),4.49-4.59(m,1H),4.02-4.10(m,4H),3.83-3.87(m,2H),3.74(s,2H),3.57(s,4H),2.10-2.15(m,12H),1.92-2.02(m,4H),1.26-1.29(m,1H),0.48-0.61(m,4H),MS(ESI):689.4[m+1]
キラルカラム上での分離および精製により、化合物1の2つの軸不斉キラル異性体を得ることができる。
Figure 2023519815000023
実施例2~132.化合物2~132の合成
標的化合物2~132は、実施例1と同様の合成方法に従って、異なる出発物質を用いて得られた。
Figure 2023519815000024
Figure 2023519815000025
Figure 2023519815000026
Figure 2023519815000027
Figure 2023519815000028
Figure 2023519815000029
Figure 2023519815000030
Figure 2023519815000031
Figure 2023519815000032
Figure 2023519815000033
Figure 2023519815000034
Figure 2023519815000035
実施例133.化合物73のキラル分割
本明細書の化合物は、軸不斉を有し得る。軸不斉を有する化合物は、2つのキラル異性体を得るために分割することができる。
サンプルをエタノールに溶解して25mg/mLの濃度とし、注入量は500μLであった。分取クロマトグラフィーの条件:CHIRALPAK AD-H(20×250mm、5μm)クロマトグラフィーカラム;移動相:エタノール-n-ヘキサン(40:60);流速:12mL/分;検出波長:254nm。段階的溶離液を回転蒸発によって濃縮し、乾燥させて生成物73-aおよび73-bを得た。
第1の軸不斉異性体:73-a;クロマトグラフィーカラムでのリテンションタイム:8.532分;および第2の軸不斉異性体:73-b;クロマトグラフィーカラムでのリテンションタイム:10.126分。
化合物67を同様の分割法によってキラル分割して、それらの2つのキラル異性体67-aおよび67-bを得た。クロマトグラフィーカラムでのリテンションタイムは以下の通りであった。第1の軸不斉異性体:67-a;クロマトグラフィーカラムでのリテンションタイム:5.413分;および第2の軸不斉異性体:67-b;クロマトグラフィーカラムでのリテンションタイム:7.938分。
本明細書における他の化合物も、同様の方法を用いてキラルに分割することができる。
実施例134.化合物によるH358細胞におけるpERKおよびERKタンパク質含量アッセイ
H358細胞を24ウェルプレートに播種した。増殖の1日後、試験化合物(1μMの濃度)を添加した。化合物の24時間の作用後、細胞を溶解し、細胞溶解物を96ウェルELISAプレートに移した。溶解物におけるpERKおよびERKのレベルを、ELISAキット(abcam 176660)を用いて測定した。ERKに対するpERKの比を計算し、DMSOグループと比較し、化合物によるpERK活性の阻害のパーセンテージを計算した。結果を下記の表2に示す。
Figure 2023519815000036
Figure 2023519815000037
実施例135.H358細胞に対する化合物の抗増殖活性
2500のH358細胞を96ウェルの超低接着表面プレート(コーニング、7007)に播種した。増殖1日後、連続希釈した化合物(最大濃度5μM、5倍希釈、合計5用量)を添加した。化合物を添加してから3日後に、Cell Titer Glow(Promega、G9681)を添加して、ペレットの増殖を評価し、IC50を計算した。結果を下記の表3に示す。
Figure 2023519815000038
Figure 2023519815000039
Figure 2023519815000040
表2および表3から分かるように、H358細胞に対する抗増殖活性は0.3μM未満であり、Rが非芳香族複素環またはスピロ環である場合、RAS経路のERKリン酸化に対して強い阻害活性を有し、K-RAS G12C変異を有するH358腫瘍細胞の増殖に対して強い阻害活性を有する。
実施例136.マウスにおける抗腫瘍活性の評価
ヒト膵癌Mia PaCa-2細胞を、37℃/5% COインキュベーターで、10%ウシ胎仔血清を含む1640培地で従来通りに培養した。継代培養後、細胞が所望の数に達した時点で細胞を回収した。1×10のMia PaCa-2細胞を各ヌードマウスの左側背面に注射し、腫瘍が150mmに成長した後、動物を投与のために無作為にグループ分けした。グループは以下の通りである。1)溶媒対照グループ、8匹のマウス、2)化合物6グループ、化合物14グループ、化合物28グループ、化合物44グループ、化合物60グループ、化合物103グループおよび対照薬物B(WO2018/143315の実施例35)、各グループは8匹のマウスである。溶媒対照グループのマウスには0.5% CMC-Naを1日1回胃内投与し、化合物グループのマウスには0.5% CMC-Na懸濁液を1日1回胃内投与した。毎週火曜日と木曜日に、マウスの腫瘍体積と体重を測定し、ヌードマウスを治療期間中21日目に屠殺した。試験結果を下記の表4に示す。
Figure 2023519815000041
上記表のデータから分かるように、本発明の化合物は強いin vivoでの抗腫瘍活性を有し、10mg/kg/日の用量での連続投与の21日後に腫瘍退縮を生じることができる。化合物6、14、28、60および103は、対照薬物Bよりも強いin vivo活性を有する。

Claims (10)

  1. 一般式(1)の化合物、若しくは、その異性体、結晶形態物、薬学的に許容可能な塩、水和物、または、溶媒和物。
    Figure 2023519815000042
    一般式(1)において、
    mは、1または2の整数であり、
    nは、1または2の整数であり、
    は、H、ハロゲン、C1~C3アルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニルまたはC3~C6シクロアルキルであり、
    は、C1~C3アルキルまたはハロゲン化C1~C3アルキルであり、
    は、
    Figure 2023519815000043
    であり、
    ここで、Rは、HまたはFであり、Rは、H、F、ClまたはMeであり、Rは、H、F、ClまたはMeであり、Rは、F、Cl、NH、Meまたはシクロプロピルであり、R、R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、F、Cl、OH、OMe、NH、CF、C1~C3アルキルまたはC3~C6シクロアルキルであり、
    は、
    Figure 2023519815000044
    であり、
    ここで、nおよびnは、独立して、1または2の整数であり、m、m、mおよびmは、独立して、0、1、2、3または4の整数であり、mは、1、2または3の整数であり、Aは、-CH-、-O-、-S-、-SO-、-SO-または-N(C1~C3アルキル)-であり、Vは、-CH-、-SO-または-CO-であり、Lは、-O-、-S-、-SO-、-SO-または-CO-であり、Xは、5~7員のヘテロアリールまたは部分飽和の5~7員のヘテロシクロアルキルであり、Yは、C3~C6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、(C3~C6)シクロアルキル-(C1~C3)アルキル-またはヘテロシクロアルキル-(C1~C3)アルキル-であり、RとRは、独立して、C1~C3アルキル、ハロゲン化C1~C3アルキル、ヒドロキシル置換C1~C3アルキル、シアノ置換C1~C3アルキル、C3~C6シクロアルキル、(C1~C3)アルコキシ-(C2~C3)アルキル-、(ハロゲン化C1~C3)アルコキシ-(C2~C3)アルキル-、(C3~C6)シクロアルキル-(C1~C3)アルキル-であり、または、RおよびRは、N原子と共に3~8員のヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記3~8員のヘテロシクロアルキルは、OH、ハロゲン、シアノ、C1~C3アルキル、C3~C6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、(C1~C3)アルコキシおよび(ハロゲン化C1~C3)アルコキシから選択される1~3置換基で置換され得、Rは、C1~C3アルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル、C3~C6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロゲン化C1~C3アルキル、ヒドロキシル置換C1~C3アルキル、シアノ置換C1~C3アルキル、(C1~C3)アルコキシ-(C2~C3)アルキル-、(ハロゲン化C1~C3)アルコキシ-(C2~C3)アルキル-、(C3~C6)シクロアルキル-(C1~C3)アルキル-またはヘテロシクロアルキル-(C1~C3)アルキル-であり、Rは、OH、ハロゲン、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシまたはC3~C6シクロアルキルである。
  2. 前記一般式(1)において、Rは、H、F、Cl、Me、Et、イソプロピル、ビニル、エチニルまたはシクロプロピルである請求項1に記載の化合物。
  3. 前記一般式(1)において、Rは、CH、CHCH、CFCH、CHFCHまたはCF(CH)CHである請求項1または2に記載の化合物。
  4. 前記一般式(1)において、Rは、
    Figure 2023519815000045
    である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 前記一般式(1)において、Rは、
    Figure 2023519815000046
    Figure 2023519815000047
    Figure 2023519815000048
    Figure 2023519815000049
    である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 前記化合物は、以下の構造
    Figure 2023519815000050
    Figure 2023519815000051
    Figure 2023519815000052
    Figure 2023519815000053
    Figure 2023519815000054
    Figure 2023519815000055
    Figure 2023519815000056
    Figure 2023519815000057
    Figure 2023519815000058
    の1つを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩。
  7. 薬学的に許容可能な賦形剤または担体、および、有効成分として請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物、若しくは、その異性体、結晶形態物、薬学的に許容可能な塩、水和物、または、溶媒和物を含む、医薬組成物。
  8. K-Ras G12C変異タンパク質に関連する疾患の治療、調節、および/または、予防用の医薬品の調製における、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物、若しくは、その異性体、結晶形態物、薬学的に許容可能な塩、水和物、または、溶媒和物、或いは、請求項7に記載の医薬組成物の使用。
  9. K-Ras G12C変異によって媒介される疾患を治療するための方法であって、対象体に、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物、若しくは、その異性体、結晶形態物、薬学的に許容可能な塩、水和物、または、溶媒和物、或いは、請求項7に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
  10. 前記疾患は癌であり、前記癌は血液癌および固形腫瘍である請求項9に記載の方法。
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