JP2023519398A - 電気クリアリング方法に使用される電気泳動装置 - Google Patents

電気クリアリング方法に使用される電気泳動装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、透明な生体試料(2)を製造するためのプロセスにおいて使用するための電気泳動装置(1)に関し、反応フレーム(3)を備え、反応フレーム(3)は、開放された上側(4)および上側(4)の反対側の底側(5)を有し、底側(5)が少なくとも部分的に開口(6)を備える。また、本発明は、電気泳動法のための試料カセット(19)の使用に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、透明な生体試料の製造方法において使用するための電気泳動装置に関する。
病理学および組織学においては、準備された組織を、例えば、光シート顕微鏡検査によって、例えば、3次元的に画像化できるように、透明な生体試料(以下、「標本」、「組織」などともいう。)が必要とされる。この目的のために標本の透明性を十分に確保するには、高い吸収を示す成分、または、検査する組織の屈折率と乖離した屈折率を持つ成分を調製品から除去する必要がある。これらの成分には、主に血色素であるヘモグロビンのヘム基および生体組織由来の脂質が含まれる。組織から透明でない物質および成分を取り除く処理は、クラリファイングまたはクラリフィケーション(「クリアリング」としても知られる。)と呼ばれ、よく知られている。この目的のために、いくつかの電気泳動法が利用され、したがって、この処理は「電気クリアリング」とも呼ばれている。
従来の電気泳動においては、検査される成分(分析物)が適当な担体材料の固相内において、その大きさや電荷に応じて分離されて検出され、電気泳動バッファの導電率conductivityが、あらかじめバッファの中に溶けているイオンによって実質的に決定される。バッファ(「反応液」ともいう。)は、高いイオン強度を有する。この場合には、分析対象物によるバッファの汚染と、その結果の電界の変化は、通常起こらない。
これに対し、組織標本のクラリフィケーションのための予備の電気泳動法は、DE 10 2016 123 458 B3から知られており、この場合には、電気泳動バッファは低いイオン強度を有する。ここで、固相とは、電界の作用下において「汚染」成分が除去される組織のことである。正に帯電したイオンはカソードへ、負に帯電したイオンはアノードへ移動する。組織から放出される間、イオンは実質的に電気泳動バッファの導電率を決定する。電気泳動中のバッファの導電率変化に基づいて、クリアリングプロセスを定量的に監視することができる。邪魔な成分や除去される成分にできるだけ大きな割合の電気泳動力を作用させるためには、バッファのイオン濃度concentrationを適切に低く、一定に保つ必要がある。イオン濃度が低いと、電流およびそれによる発熱が最小化され、それによって組織に対する熱損傷を防ぐことができる。
DE 10 2016 123458 B3からは、鉛直軸に関して回転対称であり、電気泳動溶液を充填することができる、括れた反応室と、反応室への下向きに開いた環状チャネルと、反応室内の第1の環状電極と、括れの上方の反応室内の第2の環状電極とを有する電気泳動室も公知である。これに対応する電気泳動法のために、バッファのイオン濃度を適切に低く、かつ一定に保つ必要がある。そのため、クラリファイング処理中に、汚染された電極バッファを、汚染されていない新しいバッファと交換する必要がある。この場合には、バッファは、上部が開いている反応室の外部に古いバッファを捨て、その後、新しいバッファを導入することにより交換される。この処理は、しばしば機械的効果に非常に敏感な組織に損傷を与えることがあり、そのために、バッファ交換前に反応フレームから組織を取り出す必要がある。しかし、試料を取り出すステップにおいて、意図しない組織品質へのダメージが発生することもある。しかも、この追加作業ステップには時間がかかる。
したがって、本発明は、先行技術における欠点を解消し、とりわけ、反応液の交換を簡単かつ迅速に行うことができる、透明な生体試料の製造方法に用いる電気泳動装置を提供するという目的に基づいている。特に、提供される電気泳動装置は、生体試料にできるだけ優しい反応液の変更を確保することを意図している。
本発明の主な特徴は、請求項1の特徴的な部分に特定されている。特別な設計は、請求項2から請求項15によって提供される。本発明のさらなる態様は、請求項16および請求項17に特定される。
目的を達成するために、本発明は、透明な生体試料の製造方法に使用するための電気泳動装置であって、反応フレームを備え、反応フレームが、開放された上側と開放された上側に対向する底側とを有する電気泳動装置を提供する。この装置は、底側の少なくとも一部が開口を備えることを特徴とする。好ましくは、下側全体が開口として構成された反応フレームが提供される。したがって、そのような反応フレームには、反応フレームに接続する底部がない。この場合の反応フレームの上側は、反応フレームの水平な中心軸よりも上方に配置されている側であると理解される。したがって、下側は反応フレームの水平な中心軸よりも下に配置されている。
このように設計された電気泳動装置は、反応液を容易かつ迅速に交換できるので、クリアリング法に有利である。この目的のために、例えば、反応フレームが反応液またはバッファで満たされた受け容器内に受け入れられてもよく、そのために、受け容器はベースプレートを有する必要がある。この場合の受け容器は、例えば、タンクまたは中空の円筒でよい。受け容器に入れられる反応フレームは、最初に受け容器のベースプレートとともに、一側に開いた反応室を形成し、その開いた側は反応フレームの上側、すなわち、ベースプレートとは反対側である。そして、反応フレームの底側は、受け容器のベースプレートと向かい合う側である。したがって、フレームの上側は、受け容器のベースプレートとは反対側を向く側である。また、反応フレームが、ベースプレート側の開口の領域にグリッドまたはメッシュ構造を有することも考えられる。
汚染された反応液を大量に移し替えることなく、いつでも反応フレームを受け容器から取り出し、新鮮な反応液で満たされた別の受け容器に移し替えることができる。その後、古い反応液は、フレームの底側の開口を通して排出することができる。このように、反応フレームと受け容器とを備えるモジュール構造の装置は、バッファを簡単に交換することを可能にする。特に、バッファを交換する際に装置を傾ける必要がない。
反応フレームは、反応フレームの上側に固定的に、または着脱可能に接続されるカバープレートを有していてもよく、カバープレートは、反応フレームおよび受け容器の上側を実質的に完全に覆ってもよい。着脱可能な接続は、例えば、プラグ接続によって実現されてもよい。カバープレートが反応フレームと、場合によっては、受け容器を覆うと同時に、反応室は完全に密閉される。これにより、反応室に異物が混入したり、電気泳動中にユーザがバッファに接触したりすることを防止できる。
特定の実施形態によれば、水平な反応フレームが提供される。水平な反応フレームは、互いに関連して直方体形状に配置される4つの内側側壁を備えている。この場合には、同様に互いに関連して直方体形状に配置された4つの外側側壁を備える、対応する受け容器が提供されてもよい。内側側壁は、それぞれ同じ長さであってもよいし、2つの長い側壁と2つの短い側壁とを備えていてもよい。したがって、反応フレームは正方形または長方形の形状を有していてもよい。外側側壁および受け容器にも同じことが同様に適用できる。このような実施形態においては、受け容器の4つの外側側壁は、反応フレームの内側側壁の共通の外周よりも大きな共通の内周を有している必要がある。内側側壁および外側側壁はそれぞれ、互いに接着されていてもよいし、互いに挿入されていてもよい。受け容器の外側側壁は、反応フレームの内側側壁の少なくとも半分の高さを有することが望ましい。しかし、受け容器の外側側壁が、少なくとも反応フレームの内側側壁と同じ高さである実施形態が好ましい。また、フレームをタンクから迅速かつ容易に出し入れできるように、受け容器の外側側壁と反応フレームの内側側壁の間に十分に大きな距離があることが望ましい。この距離は少なくとも0.5cmであることが好ましい。
反応フレームが内側中空円筒を備える、鉛直の実施形態が提供されてもよい。対応する受け容器は、外側中空円筒として構成され、受け容器の外側中空円筒は、反応フレームの内側中空円筒の外周よりも大きい内周を有する。受け容器の外側中空円筒は、反応フレームの内側中空円筒の高さの少なくとも半分の高さを有することが望ましい。しかし、受け容器の外側中空円筒の高さが、少なくとも反応フレームの内側中空円筒の高さと同じである実施形態が好ましい。また、フレームを受け容器に迅速かつ容易に出し入れできるように、内側中空円筒と外側中空円筒との間に十分に大きな同心円の距離が存在することが望ましい。この距離は少なくとも0.5cmであることが好ましい。
好ましい設計によれば、電気泳動装置は、第1の電極と第2の電極とを備える。第1の電極と第2の電極とは、電界を発生させるために電圧源に接続される。この場合には、対向配置された電極間にほぼ均一な電界が集中するため、生体組織は、反応室の実質的に中心に配置される。特に、この場合には、第1の電極と第2の電極とは、それぞれプレート電極またはグリッド電極として実現される。このように設計された電極は、電界が反応室全体に均一に分布し、反応液内の特定の領域に限定されないという利点を有する。しかし、ジグザグ状の電極など、他の電極形状も考えられる。また、第1の電極と第2の電極が、それぞれ電気導入端子を介して電源と電気的に接触する場合も有利である。電気導入端子は、電極を電圧装置に、特に簡単に接続することができる。
この場合には、導入端子を電流源に接続するための電気接点が反応フレームのカバープレートに埋め込まれていてもよく、装置を電源に接続するために反応フレームにカバープレートを取り付けるか配置する必要がある。この場合には、電気接点は同時に、カバーを反応フレームに固定するためのプラグ接続として機能することができる。これにより、カバーが反応フレームに接続されているとき、すなわち反応室が閉じているときにのみ、反応室に電流が流れることが可能となる。
また、水平な実施形態によれば、第1の電極は、反応フレームの一方の内側側壁の反応室側に配置され、第2の電極は、第1の電極と対向する内側側壁の反応室側に配置されている。2つの電極は平行に配置され、同じ水平な中心軸上に位置することが望ましい。このような電極の配置により、電流が水平方向に流れることになる。この場合には、試料は、電極の間に配置されることが望ましい。
鉛直な実施形態によれば、第1の電極は反応フレームのカバープレート上の反応室側に配置され、第2の電極は受け容器のベースプレート上の反応室側に配置されることが望ましい。2つの電極は、同じ鉛直な中心軸上に位置することが望ましい。このような電極の配置により、電流が鉛直方向に流れることになる。この場合には、試料は、電極の間に配置されることが望ましい。
また、電気泳動装置は、試料が固定され、電極間の反応室内に試料を配置可能な試料カセットを備えていてもよい。
この場合において、試料カセットは標準化されていてもよい。本発明に係る試料カセットを使用することにより、電気泳動法の実行が容易になる。例えば、各カセットにバーコードおよび/またはカラーコードを付けて、カセットを識別できるようにすることも可能である。このようなコード化は、電気泳動の方向に対する試料カセットの向きを示すという利点もある。これにより、試料カセットを別の受け容器に交換する際に、正しい電気泳動の方向に容易に挿入することができる。さらに、試料カセットをクランプするカセットホルダが設けられてもよい。
好ましい実施形態によれば、試料カセットは、試料を収容するカセットを形成するために一緒に差し込むことができるベース部材とカバー部材とを備え、ベース部材およびカバー部材が、特に柔軟な接続(例えば、ヒンジ)を介して互いに回転可能に接続されていてもよい。好ましい実施形態によれば、試料カセットまたはカセットが少なくとも部分的に穿孔されており、特に、ベース部材およびカバー部材がそれぞれ、グリッド状に配置された複数の穿孔を有することが望ましい。穿孔は、バッファが組織試料に到達することを許容し、電流に試料から目的の物質を確実に除去させることができる。このような試料カセットは、標準化が容易であるため、特に、クリアリング方法において使用するのに適している。
反応フレームが、試料カセットを受け入れるための(または、カセットホルダを受け入れるための)少なくとも1つの受入形状部をさらに備えていてもよい。この装置の水平の設計によれば、この目的のために溝が設けられ、各溝は、対向する2つの内側側壁の反応室側に形成され、鉛直方向に延びている。有利には、少なくとも1つの受入形状部は、反応室側において受け容器のベースプレートに形成される水平方向に形成された溝をさらに備えていてもよい。この解決策によれば、試料カセットを鉛直方向にスライドさせることにより、溝に挿入することができる。このような受入形状部は、試料カセットを容易かつ確実に挿入できるという利点がある。この構造の結果として、試料カセットまたはカセットホルダが受入形状部に受け入れられるときに、反応室が第1の反応区画と第2の反応区画とに分割される。試料カセットまたはカセットホルダが反応室を2つの反応区画に分割するために、試料カセットまたはカセットホルダは、反応室の受入形状部に受け入れられたときに反応液の表面よりも上方にそれぞれ突出するように構成されている。これにより、電気泳動クリアリング方法の実行中に、電極間を流れる電流が、試料カセットまたはカセットホルダ、特に組織試料のみを確実に通過することができる。
有利な態様によれば、電気泳動装置の水平の実施形態において、受入形状部が鉛直な中心軸に沿って配置されていてもよい。試料カセットと受入形状部は、試料カセットが受入形状部に直接受け入れられるときに、生体試料が水平な中心軸に実質的に直交し、したがって、電極に平行に向けられるように構成されることもできる。したがって、カセットホルダは、カセットホルダが受入形状部に受け入れられるときに、生体試料が水平な中心軸に対して実質的に直交して配置されるように設計されることも望ましい。これにより、電極間にほぼ均一な電界が集中する反応室内に生体試料を配置することができる。また、試料カセットを電気泳動装置から上方に取り出し、新鮮な、または新しいバッファで満たされた反応室に挿入することによって、反応室内においてバッファの交換を行うことも考えられる。これにより、バッファの変更をさらに簡略化することができる。好ましくは、受入形状部は、試料カセットまたはカセットホルダが反応フレームに対して特定の位置にロックされることができるロック機構を有する。この機構は、例えば、反応フレームの下側に向かう少なくとも1つの溝におけるテーパとすることができ、これにより、試料カセットまたはカセットホルダが反応フレームの受入形状部を通って下方に、すなわち底側に向かってスライドすることを防止できる。ロック機構により、試料カセットまたはカセットホルダを紛失することなく、反応フレームを迅速かつ安全に一の受け容器から他の容器に移し替えることができる。
鉛直な実施形態によれば、受入形状部が、内側中空円筒の反応室側に配置され、試料カセット(またはカセットホルダ)が受け入れられる環状の支持体であってもよい。この場合には、試料カセットまたはカセットホルダが受入形状部に受け入れられるとき、反応室が第1の反応区画と第2の反応区画とに分割される。鉛直の電気泳動を行うために、カセットホルダまたは受入形状部が、2つの反応区画を接続する少なくとも1つの通気孔を有していてもよい。通気孔は、反応室がバッファで満たされるときに、下部において発生したガスまたは気泡を上方に排出するために提供される。通気孔は、これらの気泡を通過させることにより、気泡が水面まで妨げられずに上昇することを可能にする。さらに、受入形状部は、水平な中心軸に対して傾斜していてもよい。この傾きには、カセットホルダまたは試料カセットを水平な中心軸に対して傾いて受け入れることができるという利点もある。また、通気孔は、カセットホルダまたは受入形状部の最高位点に形成されることが考えられ、最高位点とは、反応液の表面に最も近いカセットホルダまたは受入形状部の領域であると理解される。このようにして、有利なことに、下部反応室が満たされたときに、形成された気泡が通気孔の近傍に集まり、通気孔を通って反応液の表面の方向に排出されることができる。
さらに、内側側壁、外側側壁およびベースプレートが、化学的に不活性かつ電気的に絶縁性の材料、特にガラスまたはプラスチックによって作られていてもよい。例えば、受け容器およびフレームがアクリルガラスによって作られることが考えられる。試料カセットおよびカセットホルダも化学的に不活性かつ電気的に絶縁性の材料により作られ、試料カセットおよびカセットホルダは、好ましくはプラスチック、特に好ましくはポリオキシメチレンによって作られることが好ましい。これにより、電気泳動クリアリング処理中に電極間を流れる電流を、試料カセットまたはカセットホルダを通さずに、組織試料のみに通過させることができる。
鉛直に構成された電気泳動装置によれば、受け容器は、ベースプレートと外側中空円筒とを備えている。反応フレームは、内側中空円筒を備えている。この場合には、両中空円筒は鉛直の中心軸回りに回転対称である。この配置は、内側中空円筒の外周が外側中空円筒の内周よりも小さく、それによって、反応フレームが受け容器に受け入れられたときに、内側中空円筒と外側中空円筒との間に環状の隙間が形成されることに特徴がある。このような電気泳動装置は、迅速かつ容易に製造および組立が可能であり、したがって、特に使い易い。
さらに、一実施形態によれば、内側中空円筒は、カバープレートに接続され、ベースプレートに向かって鉛直に延びている。外側中空円筒は、ベースプレートからカバープレートに向かって鉛直に延びており、内側中空円筒の第1の高さは、外側中空円筒の第2の高さよりも小さく、それによって、内側中空円筒のベースプレート側の端部とベースプレートとの間に隙間が形成される。
第1の電極が、中心水平軸を起点として上側室部材におけるカバープレートの方向における反応フレームに、すなわち、内側中空円筒の反応室に面する側に取り付けられていてもよい。この場合には、第1の電極の中心水平軸までの距離は、第1の電極とカバープレートとの間の距離よりも大きいことが望ましい。一方、第2の電極は、受け容器に同心円状に、ベースプレートの反応室に面する側、外側中空円筒の反応室に面する側、または、内側中空円筒の外側中空円筒に面する側のいずれかに取り付けられていてもよい。後者2つの場合には、内側中空円筒のベースプレート側の端部とベースプレートとの間に隙間が形成されることが望ましい。これは、内側中空円筒が取り付けられるカバープレートを使用することにより実現できる。内側中空円筒は、ベースプレートの方向に鉛直に延び、外側中空円筒の第2の高さよりも小さい第1の高さを有していてもよい。特に、第2(下部)電極が隙間よりもやや上方に配置されていてもよい。下部電極が外側中空円筒と内側中空円筒との間の環状空間に配置されているため、電気泳動中に第2の電極において発生した気泡が上昇し、試料カセットの下またはカセットホルダの下に溜まることがない。このようにして形成された気泡を電気泳動装置から逃がすために、外側中空円筒は、例えば、カバープレートの近傍の領域に、気泡を外部環境へ放出するための穿孔を備えていてもよい。また、カバープレートが外側中空円筒に接触しないようにし、カバープレートが内側中空円筒に載ったときに外側中空円筒とカバープレートの間にわずかな隙間が残るようにしてもよい。これにより、この隙間から気泡が外に出ていく。第1の電極と第2の電極は、それぞれ環状であってもよい。これにより、電界が反応室全体に均一に分布するようになる。この実施形態の反応室においては、試料と電極は実質的に同じ鉛直面内に配置される。鉛直な電気泳動装置には、試料カセットと組織試料を水平に配置できるという利点がある。
カバープレートが、カセットホルダまたは受入形状部の通気孔を閉じたり開いたりするための鉛直ピンを備え、鉛直ピンが、反応室の外側から操作できるように、カバープレートの対応する孔を貫通していてもよい。特に、鉛直ピンは、反応液の充填時に試料カセットまたはカセットホルダ下の下部反応室に溜まった気泡が、開放状態の通気孔を通して排出されるように、選択的に開閉するために設けられていてもよい。反応室が完全に反応液で満たされ、気泡が排出された後、通気孔は鉛直ピンによって閉じられる。
有利には、カバープレートは、反応室を反応液で満たすための貫通孔を有していてもよく、この貫通孔は、好ましくは、閉鎖可能である。さらに、貫通孔はカバープレートの実質的な中心部に設けられていてもよい。電気泳動装置には、カバープレートの貫通孔を経由して簡単に反応液またはバッファを充填することができる。2つの反応区画を別々に、すなわち、互いに別々に反応液を充填することができることは、特に試料に優しいことである。
鉛直設計の場合には、反応フレームの内側中空円筒を試料とともに受け容器の外側中空円筒から取り出し、未使用のバッファで満たされた第2の受け容器に挿入することにより、バッファを交換することができる。反応液は、円筒状のフレームの底側の開口から排出することができる。このことは、特に、クリアリング処理中に迅速にバッファを交換することを可能にする。反応液を交換することにより、もともと低く、組織からの物質の溶出により増加した電流を、初期の低い値まで下げることができる。バッファの交換時期は、電流電圧特性に応じて、電源によって示される。
他の実施形態において、第1の電極が電源に接触するための第1の電気導入端子を有し、第2の電極が電源に接触するための第2の電気導入端子を有していてもよい。有利には、電源への第1の導入端子はカバープレートに、第2の導入端子はカバープレートまたはベースプレートに配置されていてもよい。
さらに、内側中空円筒、外側中空円筒およびベースプレートは、化学的に不活性かつ電気的に絶縁性の材料、特にガラスまたはプラスチック(例えば、アクリルガラス)で作られることが考えられる。さらに、試料カセットおよびカセットホルダが、化学的に不活性かつ電気的に絶縁性の材料で作られ、試料カセットおよびカセットホルダは、好ましくはプラスチック、特に好ましくはポリオキシメチレンで作られてもよい。最後に、試料カセットが少なくとも部分的に穿孔されていることも考えられ、特にベース部材およびカバー部材はそれぞれ、グリッド状に配置された複数の穿孔を有する。これにより、電気泳動クリアリング処理中に電極間を流れる電流を、試料カセットまたはカセットホルダに通さず、組織試料に通すことができる。例えば、反応液、または、試料カセットまたはカセットホルダの各部などを通過して、試料を通過する電流は回避されることが望ましい。試料カセットが、試料を封入するカセットを形成するために相互に接続できるベース部材およびカバー部材をさらに備えていてもよく、ベース部材およびカバー部材は、特に柔軟な接続またはヒンジによって、相互に回転可能に接続されている。
本発明のさらなる特徴、詳細および利点は、特許請求の範囲および図面を参照した実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
水平な実施形態に係る電気泳動装置を示す概略平面図である。 試料カセットおよび受け容器を備える水平な実施形態に係る電気泳動装置を示す概略平面図である。 受け容器とカバープレートとを備える水平な実施形態に係る電気泳動装置を示す縦断面図である。 受け容器とカバープレートとを備える水平な実施形態に係る電気泳動装置を示す縦断面図である。 鉛直な実施形態に係る電気泳動装置を示す縦断面図である。 隙間を備える他の実施形態に係る電気泳動装置を示す縦断面図である。 他の鉛直な実施形態に係る電気泳動装置を示す縦断面図である。 他の鉛直な実施形態に係る電気泳動装置を示す縦断面図である。 試料カセットの好ましい実施形態を示す斜視図である。
図1は、水平な実施形態に係る電気泳動装置1の概略平面図である。図示された電気泳動装置1は、透明な生体試料2を製造するための方法において使用することを目的とし、好ましくは、試料カセット(図示せず)19と、反応フレーム3とを備えている。反応フレーム3は、4つの内側側壁13a~13dから構成され、内側側壁13a~13dは、2方向に開口する平行六面体、したがって、2方向に開口する反応室9を形成するように互いに接続されている。反応フレーム3は、上側4(図3)と底側5(図3)において開口するように設計されている。この場合には、反応フレーム3の上側4は、反応フレーム3の水平中心軸B(図3)よりも上方に配置され、底側5は、水平中心軸Bよりも下方に配置されている。図1に示すような反応フレーム3において、試料標本2(図示せず)と電極11,12とは、実質的に同じ水平面に配置されている。これにより、簡単な操作で反応液27を交換することができる。特に、古い反応液27を反応フレーム3の外に捨てる必要はない。同時に、例えば、バッファ溶液27を変えることにより、電流の強さに影響を与えることができる。
図1に示す反応フレーム3は、反応室9内に、電源と接触するための第1の電気導入端子36を有する第1の電極11と、電源と接触するための第2の電気導入端子37を有する第2の電極12とを備えている。第1の電極11および第2の電極12は、電界を発生させるために、電気導入端子36,37を介して直流電圧源に接続され得る。
さらに、図1には、溝33の形をした受入形状部24が示されている。受入形状部24は、試料カセット19を受け入れるため、またはカセットホルダ20を受け入れるように機能する。図示された実施形態によれば、受入形状部24は、2つの対向する内側側壁13a,13cの反応室側にそれぞれ形成され、実質的に鉛直方向に延びる溝33を備えている。この場合には、溝33が反応フレーム3の底側5に向かって先細りになり、それによって、試料カセット19またはカセットホルダ20が反応フレーム3の溝33を通って下方に(すなわち、底側5に向かって)スライドすることを防止するようにしてもよい。このようなロック機構は、試料カセット19またはカセットホルダ20を紛失する危険性なく、反応フレーム3を一の受け容器7から他の受け容器へ迅速かつ安全に移すことを可能にする。したがって、このように設計された受入形状部24は、受入形状部24に、試料カセット19またはカセットホルダ20を容易かつ確実に挿入することができるという利点を有する。
図2は、試料カセット19と受け容器7とを備えた水平な実施形態に係る電気泳動装置1を模式的に示す平面図である。受け容器7は、水平な実施形態においては、好ましくは、4つの外側側壁14a~14dを有し、ベースプレート8(図3)と共に、上側に向かって開放された直方体を形成するタンクである。フレーム3の上側4は、タンク7のベースプレート8とは反対側を向いた側であると理解される。これに対応して、反応フレーム3の底側5は、タンク7のベースプレート8と対向する側である。外側側壁14a~14dは、同じく直方体形状の反応フレーム3の外周16aよりも大きな内周15aを備える。その結果、タンク7の外側側壁14a~14dと反応フレーム3の内側側壁13a~13dとの間には隙間が存在する。この距離は、フレーム3のタンク7への挿入および取り出しを迅速かつ容易に行うことができるように十分に大きいことが望ましい。好ましくは、その距離は、少なくとも0.5cmである。タンク7にバッファ27を充填すると、反応フレーム3とボトムプレート8とが一側に開放された反応室9を形成する。それによって、反応フレーム3はいつでも受け容器7から取り出し、古い反応液27を移し替えることなく新鮮な反応液27を充填した別の受け容器7に移すことができる。反応液27は、その後、フレーム3の下側に設けられた開口6から排出することができる。これにより、簡単な操作でバッファを変更することができる。特に、装置1が傾けられる必要はない。
図2に示されるように、試料カセット19は溝33に挿入される。この場合には、反応室9は、試料カセット19が溝33に受け入れられたとき、第1の反応区画25と第2の反応区画26とに分割される。その結果、生体試料2は、電極11,12の間にほぼ均一な電界が集中する反応室9の実質的な中心に配置される。この場合には、電流は、電極11,12の一方(陽極)から他方(陰極)へ流れ、試料2を通過する。このようにして、試料2から汚染成分が除去され、負電荷イオンは陽極へ、正電荷イオンは陰極へ移行する。
図3は、受け容器7とカバープレート10とを備えた水平な実施形態に係る電気泳動装置1を縦断面によって示している。この場合には、試料カセット19は、カセットホルダ20に保持され、そのカセットホルダ20は溝33によって受け入れられる。試料カセット19が収容されたカセットホルダ20が、反応室9を2つの反応区画25,26に分割できるように、カセットホルダ20は、フレーム3の受入形状部24に受け入れられたとき、反応液27の表面よりも上方に突出するように構成されている。これにより、電気泳動クリアリング処理中に電極11,12間を流れる電流は、組織試料2のみを通過することになる。
図3は、さらに、反応フレーム3が受け容器7にどのように受け入れられるかを示している。内側側壁13a~13dがベースプレート8と共にどのように反応室9を形成し、反応室9は、カセットホルダ20が溝33に受け入れられると、第1の反応区画25と第2の反応区画26とに分割されるのかを見ることができる。さらに、カバープレート10が示されている。
図4は、受け容器7とカバープレート10を備えた水平な実施形態に係る電気泳動装置1を縦断面によって示している。図示の実施形態によれば、第1の電極11および第2の電極12は、それぞれ棒状電極の形態を有する。しかし、プレート電極11,12あるいはグリッド電極11,12を設けることも可能である。プレート電極11,12は、電界が反応室9全体に均一に分布し、反応液27内の特定の領域のみに限定されないという利点を有する。第1の電極11および第2の電極12が、それぞれ電気導入端子36,37を介して電源と電気的に接触する場合にはさらに有利である。電気導入端子36,37は、電極11,12を電圧装置に接続することを特に容易にする。
図3および図4からさらに分かるように、図示の装置1は、反応フレーム3の上側4に取り付け可能なカバープレート10を有している。カバー10は、例えば、フレーム3上に載置され、または、差し込まれてもよい。カバー10は、反応フレーム9および受け容器7を完全に密閉し、それによって、反応室9内に異物が侵入することはない。これにより、安全で清潔なクリアリング方法が可能となる。この場合には、特に、電気導入端子36,37を電源に接続するための少なくとも1つの電気接点がカバープレート10に埋め込まれ、装置1を電源に接続するためにカバープレート10を反応フレーム3に取り付けまたは反応フレーム3上に配置する必要がある。この場合には、電気接点は、カバープレート10を反応フレーム3に取り付けるためのコネクタとしても同時に機能することができる。これにより、カバープレート10が反応フレーム3を閉じたときのみ、反応室9に電流が流れるようになり、さらなる安全面として機能する。
さらに、試料カセット19がカセットホルダ20に収容された状態のカセットホルダ20および試料カセット19が、図4に示される。しかし、例示的な実施形態として、カセットホルダ20を追加で設けることなく、試料カセット19を溝33に直接挿入することも考えられる。実施形態によれば、カセットホルダ20が受入形状部24の溝33に挿入され、それによって試料2が反応フレーム3の中心、したがって電界内に固定される。試料カセット19は、グリッドの形態に形成された穿孔23を備える。これらの穿孔23は、バッファ27が組織試料2に到達することを許容し、それによって、電流が試料2から所望の物質を除去する。
図5は、鉛直な実施形態に係る電気泳動装置1を縦断面によって示している。本実施形態の場合には、第1の電極11、試料2および第2の電極12は、互いに対して実質的に鉛直方向に配置されている。図示された電気泳動装置1は、ベースプレート8と、ベースプレート8に対して直交する外側中空円筒18とを備える受け容器7を備え、外側中空円筒18は鉛直中心軸A回りに回転対称である。鉛直な電気泳動装置1は、内側中空円筒17を有する反応フレーム3と、カバープレート10とをさらに備え、内側中空円筒17も鉛直中心軸A回りに回転対称である。この場合には、内側中空円筒17の外周16bは、外側中空円筒18の内周15bよりも小さい。図示された実施形態によれば、内側中空円筒17と外側中空円筒18との間に環状の空間31が形成されている。これにより、フレーム3を受け容器7内に容易かつ円滑に挿入することができる。
図5に示すような鉛直な電気泳動装置1は、試料カセット19を組織試料2とともに水平に配置することができ、それによって、カセットホルダ20または試料カセット19が電気泳動装置1に収容されたときに、反応室9が、上側の第1の反応区画25と下側の第2の反応区画26とに分割される。カセットホルダ20または試料カセット19を受け入れるために、内側中空円筒17は、その反応室9に面する側に受入形状部24を有し、受入形状部24は、図5に示す実施形態によれば、試料カセット19の環状の支持体として実現されている。
図5に示す実施形態は、簡単なバッファ交換も可能にする:この目的のために、内側中空円筒17とカバープレート10とを備える反応フレーム3は、試料カセット19と共に受け容器7の外側中空円筒18から取り外され、新鮮なバッファ27で満たされた第2の受け容器7の外側中空円筒18内に挿入される。汚染された反応液27は、その後、開口した通気孔28および円筒状のフレーム3の底側5の開口6を介して排出され得る。通気孔28を開けるには、鉛直ピン29を通気孔28から引き抜くだけでよい。
あるいは、2つの反応区画25,26を別々に、すなわち互いに別々に、反応液27で満たすこともできる。このため、カバープレート10は、上側の反応区画25を反応液27で満たすための貫通孔30を有する。貫通孔30は、カバープレート10の中央部に設けられ、基本的に閉塞可能に設計されている。しかし、電気泳動中に、電極11,12において発生したガスが抜けるように開放しておくことが望ましい。好ましくは、下側の電極12(図5)において発生したガス34を上側の反応区画25に排出できるように、試料カセット19またはカセットホルダ20が通気孔28を有する。
第1の電極11は、上側4またはカバープレート10に近い内側中空円筒17の端部領域、すなわち、内側中空円筒17の反応室9に面する側に取り付けられている。図5によれば、第2の電極12は、ベースプレート8の反応室9に面する側に、受け容器7に実質的に同心円状に取り付けられている。図5に示す実施形態によれば、第1の電極11および第2の電極12は、それぞれ環状である。これにより、電界が反応室9の全体に均一に分布するようになる。
図6は、隙間32を有するさらなる鉛直な実施形態に係る電気泳動装置1を縦断面によって示している。隙間32は、カバープレート10に接続されてベースプレート8に向かって鉛直方向に延びる内側中空円筒17と、ベースプレート8からカバープレート10に向かって鉛直方向に延びる外側中空円筒18とにより形成されており、内側中空円筒17は外側中空円筒18の第2の高さDよりも小さい第1の高さCを有している。図6に示す実施形態は、第2の電極12が、受け容器7内において、内側中空円筒17の反応室9から離れる方向を向いた側に取り付けられている点において、図5に示す実施形態と異なっている。この場合には、特に、第2の電極12は、内側中空円筒17のベースプレート側の端部、すなわち隙間32のやや上方に取り付けられてもよい。電気泳動中に第2の電極12に形成された気泡が電気泳動装置1から抜けるように、外側中空円筒18は、カバープレート10に近い領域に開口または穿孔(図示せず)を備えていてもよく、これを介して気泡を外部環境へ放出することができる。また、カバープレート10が外側中空円筒18に部分的にしかかからないようにして、カバープレート10を内側中空円筒17に取り付けたときに、外側中空円筒18とカバープレート10との間に小さな隙間が残るようにすることも同様に考えられる。その後、この上側の隙間から気泡を逃がすことができる。図6に示す実施形態によれば、第1の電極11および第2の電極12は、それぞれ環状である。本実施形態の電気導入端子36,37は、いずれもカバープレート10に配置されている。
図7は、さらなる鉛直な実施形態に係る電気泳動装置1を縦断面によって示している。図6に示す電気泳動装置1と異なるのは、第2の電極12が外側中空円筒18の内側に取り付けられている点のみである。この場合には、内側とは、内側中空円筒17に面する側をいう。また、第2の電極も、隙間32よりもやや上方の外側中空円筒18のベースプレート側の端部に取り付けられている。図7に示す実施形態によれば、第2の電気導入端子37は、ベースプレート8に配置されている。
さらに、カセットホルダ20が、第1の反応区画25と第2の反応区画26とを接続する通気孔28(図7、図8)を備えていてもよい。しかしながら、例示的な実施形態においては、追加のカセットホルダ20を設けることなく、試料カセット19を受入形状部24に直接挿入することも同様に考えられる。この場合には、試料カセット19自体に通気孔28を設けてもよい。さらに、受入形状部24が通気孔28を備えることも考えられる。通気孔28は、主に下側の区画26にバッファ27を充填する際に発生する気体または気泡34を除去する役割を果たす。したがって、通気孔28は、これらの気泡34の通過を許容するので、気泡は邪魔されずに反応液27の表面に到達することができる。さらに、通気孔28を閉鎖および開放するための鉛直ピン29が設けられ、鉛直ピン29は反応室9の外部から操作できるようにカバープレート10の対応する孔を貫通している。電気泳動処理中には、鉛直ピン29が通気孔28を閉じているので、通気孔28を通過する電流が試料2には流れない。
図8は、さらなる鉛直な実施形態に係る電気泳動装置1を縦断面によって示している。図7に示す実施形態とは対照的に、図8の電気泳動装置1によれば、受入形状部24が、水平中心軸Bに対して傾斜して試料カセット19またはカセットホルダ20を受け入れている。通気孔28は、カセットホルダ20の最高位点に形成されている。この場合には、通気孔28はカセットホルダ20の最高位点に形成され、最高位点は、反応液27の表面に最も近いカセットホルダ20の領域であると理解される。有利には、下側の反応室26がバッファ27で満たされるときに形成された気泡34は、通気孔28の近傍に集まり、通気孔28を通して反応液27の表面に向かって排出され得る。
図9は、試料カセット19の好ましい実施形態を示す。試料カセット19は、ベース部材21とカバー部材22とを備え、これらはヒンジによって折り畳むことができ、試料2を収容したカセットを形成することができる。図示された好ましい実施形態によれば、試料カセット19が少なくとも部分的に穿孔されており、特にベース部材21およびカバー部材22がそれぞれ、グリッド状に配置された複数の穿孔23を有していてもよい。この穿孔23により、反応液27が組織試料2に到達し、その結果、電流により試料2から所望の物質が確実に除去される。また、異なる試料2の識別を容易にするために、試料カセット19には、それらを識別することができるバーコード35が設けられていてもよい。最後に、試料カセット19が化学的に不活性かつ電気的に絶縁性の材料で作られていてもよく、この場合には、好ましくは、絶縁材料としてポリオキシメチレンが使用されてもよい。
本発明は、上述したいずれの実施形態にも限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
構造上の詳細、空間的配置および処理のステップを含む、特許請求の範囲、説明および図面から明らかなすべての特徴および利点は、個別に、かつ多種多様な組み合わせで、本発明に対して本質であってもよい。
1 電気泳動装置
2 試料
3 反応フレーム
4 上側
5 底側
6 開口
7 受け容器
8 ベースプレート
9 反応室
10 カバープレート
11 第1の電極
12 第2の電極
13a~13d 内側側壁
14a~14d 外側側壁
15a,15b 内周
16a,16b 外周
17 内側中空円筒
18 外側中空円筒
19 試料カセット
20 カセットホルダ
21 ベース部材
22 カバー部材
23 穿孔
24 受入形状部
25 第1の反応区画
26 第2の反応区画
27 反応液
28 通気孔
29 鉛直ピン
30 貫通孔
31 環状の空間
32 隙間
33 溝
34 気泡
35 バーコード
36 第1の電気導入端子
37 第2の電気導入端子
A 鉛直中心軸
B 水平中心軸
C 第1の高さ
D 第2の高さ

Claims (17)

  1. 透明な生体試料(2)を製造するためのプロセスにおいて使用するための電気泳動装置(1)であって、
    反応フレーム(3)を備え、
    該反応フレーム(3)は、開放された上側(4)および該上側(4)の反対側の底側(5)を備え、
    該底側(5)が、少なくとも部分的に開口(6)を備える電気泳動装置(1)。
  2. 前記反応フレーム(3)が、受け容器(7)内に挿入可能であり、
    該受け容器(7)が、ベースプレート(8)を有し、
    前記反応フレーム(3)が、前記受け容器(7)とともに反応室(9)を形成する請求項1に記載の電気泳動装置(1)。
  3. 前記反応フレーム(3)が、該反応フレーム(3)の前記上側(4)に固定的または着脱可能に接続されるカバープレート(10)を備え、
    該カバープレート(10)が、前記反応フレーム(3)の前記上側(4)を実質的に完全に覆う請求項1または請求項2に記載の電気泳動装置(1)。
  4. 第1の電極(11)および第2の電極(12)を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気泳動装置(1)。
  5. 前記反応フレーム(3)が、互いに関連して直方体形状に配置された4つの内側側壁(13a~13d)を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電気泳動装置(1)。
  6. 前記受け容器(7)が、互いに関連して直方体形状に配置された4つの外側側壁(14a~14d)を備え、該4つの外側側壁(14a~14d)が、前記内側側壁(13a~13d)の外周(16a)よりも大きな内周(15a)を有する請求項4に記載の電気泳動装置(1)。
  7. 前記反応フレーム(3)が、内側中空円筒(17)を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電気泳動装置(1)。
  8. 前記受け容器(7)が、外側中空円筒(18)を備え、該外側中空円筒(18)が、前記内側中空円筒(17)の外周(16b)よりも大きな内周(15b)を有する請求項7に記載の電気泳動装置(1)。
  9. 前記第1の電極(11)が、前記内側側壁(13a~13d)の内の1つの前記反応室側に配置され、前記第2の電極(12)が、前記第1の電極(11)とは反対側の前記内側側壁(13a~13d)上の前記反応室側に配置されている請求項5または請求項6に記載の電気泳動装置(1)。
  10. 前記第1の電極(11)が、前記内側中空円筒(17)の前記反応室側に配置されている請求項7または請求項8に記載の電気泳動装置(1)。
  11. 試料カセット(19)を備える請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電気泳動装置(1)。
  12. 前記試料カセット(19)を内部にクランプできるカセットホルダ(20)を備える請求項11に記載の電気泳動装置(1)。
  13. 前記試料カセット(19)が、試料(2)を収容するカセットを形成するために一緒に差し込むことができるベース部材(21)とカバー部材(22)とを備え、
    前記ベース部材(21)および前記カバー部材(22)が、それぞれ、グリッド状に配置された複数の穿孔(23)を有する請求項11または請求項12に記載の電気泳動装置(1)。
  14. 前記反応フレーム(3)が、前記試料カセット(19)を受け入れるため、または前記カセットホルダ(20)を受け入れるための受入形状部(24)を有する請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の電気泳動装置(1)。
  15. 前記試料カセット(19)または前記カセットホルダ(20)が前記受入形状部(24)に受け入れられるときに、前記反応室(9)が、第1の反応区画(25)と第2の反応区画(26)とに分割される請求項11から請求項14のいずれか1項に記載の電気泳動装置(1)。
  16. 電気泳動法のための請求項11から請求項15のいずれか1項に記載の試料カセット(19)の使用。
  17. 前記電気泳動法が、透明な生体試料(2)を製造するための電気泳動法である請求項16に記載の試料カセット(19)の使用。
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