JP2023519148A - 伝導性炭素骨格を有する硫化炭素カソード - Google Patents

伝導性炭素骨格を有する硫化炭素カソード Download PDF

Info

Publication number
JP2023519148A
JP2023519148A JP2022552655A JP2022552655A JP2023519148A JP 2023519148 A JP2023519148 A JP 2023519148A JP 2022552655 A JP2022552655 A JP 2022552655A JP 2022552655 A JP2022552655 A JP 2022552655A JP 2023519148 A JP2023519148 A JP 2023519148A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sulfur
carbon
electrode
layer
nanofibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022552655A
Other languages
English (en)
Inventor
サルバティエラ,ロドリゴ,ヴィレガス
ラジ,アブドゥル-ラーマン,オラボデ
ワン,トゥオ
Original Assignee
ゼータ エナジー コーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ゼータ エナジー コーポレーション filed Critical ゼータ エナジー コーポレーション
Publication of JP2023519148A publication Critical patent/JP2023519148A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
    • H01M4/624Electric conductive fillers
    • H01M4/625Carbon or graphite
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/38Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of elements or alloys
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/04Processes of manufacture in general
    • H01M4/0471Processes of manufacture in general involving thermal treatment, e.g. firing, sintering, backing particulate active material, thermal decomposition, pyrolysis
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • H01M10/0525Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/13Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
    • H01M4/139Processes of manufacture
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/58Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic compounds other than oxides or hydroxides, e.g. sulfides, selenides, tellurides, halogenides or LiCoFy; of polyanionic structures, e.g. phosphates, silicates or borates
    • H01M4/583Carbonaceous material, e.g. graphite-intercalation compounds or CFx
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/64Carriers or collectors
    • H01M4/66Selection of materials
    • H01M4/663Selection of materials containing carbon or carbonaceous materials as conductive part, e.g. graphite, carbon fibres
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M2004/021Physical characteristics, e.g. porosity, surface area
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M2004/026Electrodes composed of, or comprising, active material characterised by the polarity
    • H01M2004/028Positive electrodes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

カソード活性表面は、絡み合いナノファイバーの伝導性骨格を含み、その骨格内にアモルファス炭素-硫黄の塊が分布する。アモルファス炭素-硫黄塊は、炭素-硫黄化学結合を介して硫黄に、且つ化学結合を介してナノファイバーに結合された炭素からなる。化学結合の強度により硫黄原子が電極内に固定され、電解質に接触したときに望ましくない多硫化物の形成が抑制される。絡み合いナノファイバーは、アモルファス炭素-硫黄塊をバインドし、熱及び電気伝導率を増強する。

Description

背景
[0001] 電気バッテリーは1つ以上の電気セルを含む。各セルは、正極(カソード)と、イオン伝導体(電解質)により物理的に分離された負極(アノード)と、を含む。セルを放電して外部回路にパワー供給するとき、アノードは、外部回路を介して負電荷担体(電子)をカソードに、且つ内部電解質を介して正電荷担体(カチオン)をカソードに供給する。充電時、外部パワー源は、電子をカソードからアノードに駆動し、得られた電荷インバランスは、電解質を介してカチオンをカソードからアノードに引き寄せる。
[0002] リチウムイオン(Liイオン)バッテリーは、電荷をLiカチオン(Liイオンとしても知られる)としてアノードに貯蔵する。Liイオンバッテリーは、再充電可能であり、モバイル通信デバイス及び電気車両に広く普及している。というのは、エネルギー密度が高く、メモリー効果がほとんどなく、且つ自己放電レートが低いからである。リチウム金属バッテリーは、電荷をリチウム金属としてアノードに貯蔵する。このリチウム金属は、理論比容量がより高く、電気化学ポテンシャルがより低く、且つ密度がより低いので、Liイオンよりも優れている。残念ながら、充電式リチウム金属バッテリーは、いまだ商品化されていない。その主な理由は、アノードからカソードに伸長して破壊的な且つ潜在的に危険な内部短絡をもたらす可能性のある、電気伝導性リチウムデンドライトの成長にある。また、リチウム金属が、電解質との副反応を生じて両者を消費するとともにセルインピーダンスを増加させることも問題である。デンドライト及びリチウム副反応は両方とも、重要な市場で商業的に実現可能なレベル未満にセル寿命を低減する。
[0003] ほとんどの普及しているリチウム系バッテリーのカソードは、コバルト、マンガン、及びニッケルを含み、それらはすべて、かなりの財務及び環境コストで採掘される。また重要なこととして、これらの材料は地球全体に一様に分布していないので、欠乏、供給断絶、並びに付随する政治的及び経済的不安定性への懸念を生じる。コバルトは、供給が主に紛争で引き裂かれたコンゴ民主共和国に特定され、且つ供給が少数の会社により支配されるので、とくに厄介である。したがって、コバルト及びニッケルの必要性を低減又は排除するバッテリーコンポーネントに対する強い需要が存在する。
図面の簡単な説明
[0004] 添付図面の図では、限定を目的としたものではなく例として本発明を例示する。その場合、同じ参照は類似の要素を意味する。
[0005]電極100(エネルギー貯蔵デバイスでの使用のためのカソード)の活性表面の80,000×倍率でのSEM画像である。 [0006]1,000×倍率での電極100の活性表面のSEM画像である。 [0007]4,000×倍率での電極100の断面のSEM画像である。 [0008]エネルギー貯蔵デバイス用カソードなどを作製するために電極100を形成する方法400を描くフローチャートである。 [0009]40,000×倍率でカーボンナノチューブ500を描く。 [0010]図4の工程405からの前駆体混合物の熱重量測定(TG)プロット600及び示差走査熱量測定(DSC)プロット605を描く。 [0011]図4の工程405からの前駆体混合物のラマンスペクトルを描く。 [0012]図4の工程435からの出力(図3の実施形態に係る活性カソード層300)のTGプロット700及びDSCプロット705を描く。 [0013]炭素硫黄(C-S)ピーク、硫黄(S)ピーク、D、G、及び2Dピークを示す硫化炭素の伝導性骨格のラマンスペクトルである。 [0014]一実施形態に係る電極のサイクリング性能(充放電)をプロットする。 [0015]他の一実施形態に係る電極(ハーフセル)のレート性能(充放電)をプロットする。 [0016]電解質915と多孔性ポリマーなどの任意のセパレーター(図示せず)とにより分離されたカソード905とアノード910とを有するエネルギー貯蔵デバイス900(電気化学セル)を描く。 [0017]アノード910の断面の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。 [0018]個別CNT1100と、層930のCNTが界面層940に接続する根元領域1105と、を解像する倍率レベルでのアノード910のSEM画像である。 [0019]一実施形態に係るアノード910を作製する方法を例示するフローチャート1200である。 [0020]30Wのタングステンフィラメントパワー及び30秒間の暴露時間、続いて10分間のCNT成長時間を用いて成長させたCNTカーペット1300の活性部分のSEM画像である。 [0021]約200cm-1、250cm-1、480cm-1、及び2700cm-1にRBM、D、G、及び2Dモードを示すカーボンナノチューブカーペットのラマンスペクトルである。 [0022]約1mA/cmの電流密度又は約0.5Cのレートでのカーボンナノチューブの上及びその間のLi金属の電気化学プレーティング及びストリッピングを示す充放電カーブのプロット1500である。 [0023]約2mAh/cmの容量、約1mA/cmの電流密度、又は約0.5CのレートでのLi金属めっきされたカーボンナノチューブカーペットの安定なサイクリングを示すサイクリング実験のプロット1600である。 [0024]CNTカーペット1705の複数の層を互いに重ねた活性電極表面1700の側面のSEM画像である。 [0025]50Wのタングステンフィラメントパワー及び30秒間の暴露時間、続いて10分間のCNT成長時間を用いて成長させたCNTカーペットの活性部分のSEM画像1805及び1810である。 [0026]図12との関連で以上に詳述されたものに類似したプロセスに従って図9のアノード910を形成するためのシステム1900を描く。 [0027]安定な高容量の充電式エネルギー貯蔵セル2000を描く。 [0028]充電及び放電の各種状態の図20のセル2000の3つの断面を示す。 [0029]同一又は類似の同様に同定される要素を有する図20のセル2000と同様なセル2200の3つの断面を示す。 [0030]同一又は類似の同様に同定される要素を有する図20の貯蔵セル2000に類似した充電式エネルギー貯蔵セル2300を描く。
詳細な説明
[0031] 図1は、電極100(エネルギー貯蔵デバイスでの使用のためのカソード)の活性表面の80,000×倍率でのSEM画像である。電極100の活性表面は、電解質とリチウムイオンを交換する(図示せず)。電極100は、絡み合いナノファイバー105(この例ではカーボンナノチューブ)の伝導性骨格を含むとともに、絡み合いナノファイバー内に分配されたアモルファス炭素-硫黄塊110を有する。アモルファス炭素-硫黄塊110は、炭素-硫黄化学結合を介して硫黄に、且つ化学結合を介してナノファイバー105に結合された炭素からなる。化学結合の強度により電極100内に硫黄原子が固定されるので、セル寿命を低減するおそれのある望ましくない多硫化物の形成が抑制される。絡み合いナノファイバー105は、活性層の熱及び電気伝導率を増強しつつ電極100内に活物質をバインドする。
[0032] 図2は、1,000×倍率での電極100の活性表面のSEM画像である。各種サイズの塊110は、この倍率レベルで見えるが、伝導性ネットワークのカーボンナノチューブは、細すぎて解像できない。カーボンナノチューブ(ナノメートル単位で測定される直径を有する炭素のチューブ)は、引張り強度がとくに高く、且つ優れた熱的及び電気的性質を呈する。他の実施形態では、異なるサイズ及びタイプのナノファイバーを使用可能である。例えば、絡み合いナノファイバーは、ナノチューブ、ナノリボン、グラフェン、カーボンファイバー、アルミニウムナノファイバー、及びニッケルナノファイバーの1つ又は組合せを含みうる。
[0033] 図3は、4,000×倍率での電極100の断面のSEM画像である。ナノファイバーの伝導性ネットワーク内に分布する塊110の活性層300(図1)は、電極100がキャパシターや電気化学セルなどに組み込まれたときに集電体の働きをするアルミニウム基材305に物理的且つ電気的に接続される。活性層300は厚さ約50μmであり、且つ基材305は約20μmであるが、この例に限定されるものではない。活性層300は、相対的に緻密でありうるので、有利には電解質容積ひいてはセル容積を低減する。いくつかの実施形態は、0.4~1.2g/cmの密度、20~70%の多孔度、及び0.2~1.8cm/gの細孔容積のセルカソード活物質を有する。
[0034] 塊110は、ナノファイバーの伝導性ネットワークと反応して化学結合された硫黄を含む。塊110はまた、sp2及びsp3混成炭素原子の両方のアモルファス炭素を含み、硫黄と同様にナノファイバーの伝導性ネットワークに化学結合される。sp2炭素原子対sp3炭素原子の比は、芳香環の指標となるsp2が10~50at.%であるのに対して、sp3炭素原子が50~90at.%である。ナノファイバー105に塊110を固定する化学結合は、主に共有結合である。得られる材料は、主に、絡み合いナノファイバーの伝導性骨格に密に結合された硫化アモルファス炭素であるが、いくつかの実施形態は、20wt%程度の遊離硫黄、つまり、直接的にも1個又は複数個の中間原子を介しても(例えば、少なくとも1個が炭素に結合された1個以上の硫黄原子を介しても)炭素に化学結合されていない硫黄を含む。
[0035] 活性層300の化学的安定性により多硫化物形成が抑制されるので、相対的に高い硫黄レベル及び付随するリチウム貯蔵が可能である。いくつかの実施形態において、例えば、活性層300は30~80wt%の硫黄を含む。活性層300は、10wt%未満などの低い酸素レベルを有しうるので、熱暴走を伴うリスクを低減する。活性層300の形成に使用されるポリマーは、一例では、活性層の5~20原子パーセントの濃度で水素を与える。
[0036] 塊110は、主に、sp3炭素原子のマトリックス内に分散された20nm未満の平均最大寸法を有するsp2芳香族炭素クラスターのアモルファス炭素-硫黄からなる。電解質又は溶媒の伝導率及び湿潤性を改善するために、窒素や酸素のようなドーパントを添加することが可能である。アモルファス炭素-硫黄は、単環式又はヘテロ環式芳香環の1つ又は組合せを含みうるとともに、ヘテロ環式環は、酸素、窒素、及び硫黄の少なくとも1つを含みうる。
[0037] 図4は、エネルギー貯蔵デバイス用カソードなどを作製するために電極100を形成する方法400を描くフローチャートである。最初に、工程405において、ナノファイバーは、硫黄と100,000ダルトン~1,000,000ダルトンの分子量のポリマーとの粉末と混合される。この実施例において、カーボンナノチューブ500(図5)は、150,000ダルトンの平均分子量のポリ(アクリロニトリル-co-ビニル酸)又はPANの粉末及び硫黄の粉末と、それぞれ、1.5wt%:16.4wt%:82.1wt%の質量比で混合される。この混合は、プラネタリーミキサーを用いて600rpmで10min、次いで1,500rpmで10minにわたりジルコニアビーズを含有するポリエチレン容器内で行うことが可能であり、融合/凝集粉末が生成される。カーボンナノチューブ500は、例えば、500nm~10μmの長さ及び5~100ナノメートルの直径である。いくつかの実施形態において、硫黄は、粉末ではなく蒸気の形態で混ぜ合わせられる。
[0038] 次に、工程410において、工程405からの凝集粉末は、例えば1,500rpmで少なくとも追加の10分間にわたりさらに混合することにより、架橋及び硬化される。架橋するとは、ポリマー鎖を相互連結する結合である架橋の形成を意味する。架橋は、共有結合又はイオン結合でありうる。工程410では、混合物を加熱して前駆体の架橋を引き起こし、熱は、40℃~90℃の温度に達するようにする。カーボンナノチューブは、架橋硬化剤として作用する。架橋ポリマー鎖及び絡み合いナノファイバーは、後続の加熱時に架橋硬化混合物の物理的完全性を維持する伝導性炭素骨格又は足場を生成する。工程410からの混合物は、取り出されてチャンク又はペレットに分割される。工程410からのチャンク又はペレットは、乳鉢や乳棒などを用いて粉砕される(工程415)。
[0039] 絡み合いカーボンナノチューブを用いて作製された前駆体ミックスは、そのカーボンナノチューブなしのものよりもはるかに硬質且つ耐摩耗性であることから、カーボンナノチューブは、塊110を支持する剛性骨格を提供することにより硬化された剛性材料を生成する役割を果たすことが示唆される。工程415からの前駆体ミックスの融合硬化された性質から、変換がポリマー鎖の単なる分岐ではなく硫黄及び熱により補助されたポリマー鎖の架橋を伴って、後続の高温処理時に鎖の可動性を制限することが示唆される。
[0040] 次に、工程420において、粉砕された凝集粉末混合物は、空気が排出されて不活性ガス(例えばアルゴン又は窒素)が充填された炉に移され、分割管状炉を用いて石英チューブ内の不活性ガス下で6時間にわたり450℃の反応温度で加熱される。この熱処理では、PANポリマーのガラス転移温度超且つ分解温度未満でPANを熱分解して、PANからの炭素をナノファイバー及び硫黄に化学結合することによりナノファイバーに化学結合されたアモルファス炭素-硫黄を形成する。そのほか、加熱により成分の水素及び窒素が排出されるが、一部の水素及び窒素は、プロセス後に残留する可能性がある。工程405~420は、硫化炭素顆粒を作製するためにナノチューブの一部又は全部の不在下で行うことが可能である。次いで、混合及び加熱を介して炭素ナノ材料又は同一若しくは異なるタイプ(例えば、同一又は異なる長さのチューブに対してリボン)の追加の炭素ナノ材料を硫化炭素顆粒に組み込むことが可能である。次いで、材料は、例えば、ファンを活用して1時間にわたり冷却される(工程425)。
[0041] 工程425からの冷却材料は、熱重量測定-質量分析(TG-MS)により特性評価され、室温から1,000℃に加熱したところ、約65wt%の有意な質量損失が観測され、残りの35wt%は主に炭素からなっていた。損失質量は、主に硫黄であり、硫化炭素を有する伝導性骨格に結合された窒素、酸素、及び水素をさらに含んでいた。加熱前の硫黄含有率を測定したところ、工程425からの冷却材料の約40wt%であった。
[0042] 冷却工程425からの材料は、スラリーを形成するために粉末状炭素(例えばアセチレンブラック)、バインダー、及び有機溶媒又は水と混合される(工程430)。工程425からの材料中の硫黄は、炭素に強く結合される。得られる化学的安定性により、有毒、腐食性、及び引火性の硫化水素を有意レベルで生成することなく、材料を、安価で環境に優しい水と組み合わせることが可能である。例えば、水を用いてスラリーを形成する一実験では、0.4ppmの検出限界の検出器により硫化水素を検出できなかった。硫化水素形成に対する耐性は、硫黄と炭素との強い結合に起因する。
[0043] スラリーは、1種以上の水溶性バインダー、例えば、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、又はスチレンブタジエンゴムを含有可能である。バインダー及び炭素添加剤は、例えば、固形質量の2~30wt%から構成可能である。スラリーは、伝導体(例えばアルミニウム箔)の上に展延され、例えば凍結乾燥及び/又は乾燥空気中での加熱により乾燥される(工程435)。乾燥カソード層は、例えば、ローラー間に箔を通すことにより圧縮される。乾燥スラリー及び下側の箔が全体で約100ミクロンである実施形態では、圧縮により、箔にほとんど影響を及ぼすことなく、質量負荷に依存して、カソード層厚さは50~90ミクロンに低減される。硫化炭素カソードの質量負荷は、例えば2~10mg/cmでありうるとともに、最終硫黄含有率は、例えば30~80wt%である。
[0044] 「乾燥電極」の実施形態において、工程430及び435は省略される。液体を添加してスラリーを形成するのではなく、工程425からの材料は、集電体の上に乾燥フィルムとして圧縮可能であるか、又は集電体への適用前に乾燥フィルムとして圧縮可能である。そのため、乾燥工程は省略可能である。工程435又は乾式電極プロセスからの乾燥圧縮層を有するカソードは、リチウム金属セルに組込み可能である。放電時、アノードで酸化されたリチウム金属は、電解質を介してカソードにリチウムイオンを放出する。任意のリチウム化プロセス(工程440)を使用可能である。リチウム箔などから供給されるリチウムイオンは、例えば、セル組み立ての前に、炭素アノード層中に電気化学的に挿入することが可能であるか又はその上にめっきすることが可能である。リチウム化の他の方法は、以下に詳述される。方法400からのカソードは、活性金属(例えば、Li、Mg、Al、Na、及びK)並びにそれらのイオンを貯蔵するために多孔性炭素及びケイ素が組み込まれたものをはじめとする他のタイプのアノードに適合可能である。
[0045] 図4に戻ると、活性層300の硫黄含有率は、加熱工程420の反応温度を300℃~600℃に調整することにより変動させた。450℃未満の温度では、TG-MS分析時の加熱による質量損失は、約65wt%超であった。450℃超の温度では、TG-MS分析時の加熱による質量損失は、約65wt%未満である。300℃未満及び600℃超では、材料から作製された電極のリチウム貯蔵容量は、300℃~600℃で生成された材料から得られるよりも低い。
[0046] 塊110のサイズ及び活性層300の伝導率は変動可能である。図4の方法に類似した合成では、混合前駆体材料を100℃~250℃に加熱して前駆体材料を架橋した。架橋された材料を今度は300℃~500℃に再び加熱して硫化炭素を生成し、さらに再び500℃~600℃に加熱してさらなる炭化及び/又はグラファイト化を促進し、それにより硫化炭素中のグラファイト状ドメインのサイズを増加させた。グラファイト状ドメインをより大きくすると、sp3炭素に対するsp2炭素の比が増加するので、sp3炭素に対する芳香族sp2炭素の比が増加する。
[0047] 工程420の材料は、硫化炭素中にグラファイト状ドメイン又はクラスター化芳香族炭素環を含む。ドメイン又はクラスターのサイズは、改善された電気伝導率を得るために増加させることが可能である。例えば、一実施形態では、1マイクロ秒間~1分間の時間にわたり材料を少なくとも600℃の温度までの熱処理に付すことによりドメイン又はクラスターを拡大した。少なくとも600℃の温度に反応器を予熱して硫化炭素をコールドゾーンからホットゾーンに移すことにより、迅速熱処理を引き起こした。また、こうした熱処理により、sp3炭素に対するsp2炭素の比が増加し、水素含有率が低減する。1時間超にわたる600℃超での熱処理は、材料のリチウム貯蔵容量の著しい減少をもたらす。
[0048] 電極を作製する上記の方法は限定されるものではない。他の個別又は連続プロセスも使用可能である。例えば、一実施形態において、図4の個別プロセスは、アルミニウム箔のロールの片側又は両側に活物質を形成する連続ロールトゥロールプロセス(roll-to-roll process)に適合化される。
[0049] 図6Aは、図4の工程405からの前駆体混合物の熱重量測定(TG)プロット600及び示差走査熱量測定(DSC)プロット605を描く。架橋しないと材料は約300℃超で迅速に硫黄を失う。
[0050] 図6Bは、図4の工程405からの前駆体混合物のラマンスペクトルを描く。約500cm-1未満のラマンシフトは、単体硫黄の存在を示唆する。
[0051] 図7Aは、図4の工程435からの出力(図3の実施形態に係る活性カソード層300)のTGプロット700及びDSCプロット705を描く。架橋及び後続の熱処理を行うと、材料は、工程450からの前駆体の300℃をはるかに超えても硫黄を保持する。一例では、硫黄の94.4%が450℃まで保持された。このことから、この材料の活性カソード層が多硫化物に簡単に分解して電解質中に逃散することを防止する化学的安定性が実証される。
[0052] 図7Bは、炭素硫黄(C-S)ピーク、硫黄(S)ピーク、D、G、及び2Dピークを示す硫化炭素の伝導性骨格のラマンスペクトルである。C-Sピークは、アモルファス炭素及び硫化炭素の伝導性骨格のカーボンナノチューブへの硫黄の結合に起因する炭素-硫黄化学結合の指標となる。Sピークは、炭素に付着された硫黄鎖の硫黄-硫黄化学結合の指標となる。そのため、硫黄原子の一部は、硫黄原子のみに結合され(S-S)、一部は、硫黄及び炭素原子の両方に結合される(C-S-S)。D、G、及び2Dモードは、アモルファス炭素及び硫化炭素の伝導性骨格のカーボンナノチューブからの寄与を含む。6員環の存在を起源とするDモードは、欠陥の存在により活性化される。Gモードは、カーボンナノチューブのsp2炭素構造を確定する。2Dモードは、Dモードの倍音であり、6員環の存在を示唆するとともに、その形状は、硫化炭素の伝導性骨格の周りの組織的及び電子構造を提供する。2Dモードは、他のピークと比べてかなり顕著であるので、硫化炭素を有する伝導性骨格の伝導率を提供するクラスター化芳香環の存在の指標となる。2Dピークの広がりは、それによって短距離オーダー(数ナノメートル程度)を構成する6員環のクラスターとしてsp2炭素原子が組織化され、sp3炭素、非炭素原子、5員環、及び/又は7員環などの欠陥を生じる前の硫化炭素中のアモルファス炭素を確定する。
[0053] 図8Aは、一実施形態に係る電極のサイクリング性能(充放電)をプロットする。この例において、電極材料は、水性(水)スラリーから炭素被覆アルミニウム箔上に被覆された硫化炭素(硫化骨格内の活物質)、カーボンブラック(伝導性添加剤)、及びポリアクリル酸(PAAバインダー)を95:5:5の比で含む。一実施形態において、炭素被覆アルミニウムは、0.5g/mの面積密度の炭素の1um層で両側が被覆された厚さ16umのアルミニウム箔を含む。炭素は、フッ素化電解質に起因する腐食からアルミニウムを保護する。それはまた、集電体とカソード材料との接着を促進する。電極の重量測定容量(mAh/g)は、活物質の質量に基づく。電極材料の質量は5mg/cmであり、0.2Cでの面積容量は約2.4mAh/cmである。
[0054] 図8Bは、他の一実施形態に係る電極(ハーフセル)のレート性能(充放電)をプロットする。x軸は充電サイクルを表し、且つy軸は硫化炭素の重量測定容量を表す。この例において、電極活物質は、硫化炭素を有する伝導性骨格、カーボンブラック(伝導性添加剤)、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)バインダーを95:5:5の比で含む。この組成物は、集電体の働きをする炭素被覆アルミニウム箔上にN-メチルピロリドン(NMP)スラリーから被覆された。電極材料の質量は4.5mg/cmであり、0.2Cでの面積容量は約2.2mAh・cm-2である。これらのデータから、0.2Cでのハーフセルの重量測定容量は、2Cでの充電及び放電の繰返しサイクル後に回復することが示される。
[0055] 図9は、電解質915と多孔性ポリマーなどの任意のセパレーター(図示せず)とにより分離されたカソード905とアノード910とを有するエネルギー貯蔵デバイス900(電気化学セル)を描く。カソード905及びアノード910は、各々、相対的に多くの量のリチウムを貯蔵するように設計される。カソード905は、アルミニウムなどのカソード集電体925の上に、以上に詳述したように、硫化炭素の伝導性骨格を含む活性層920にリチウムを貯蔵する。アノード910は、アノード活性層930のカーボンナノチューブ(CNT)内及びその間にリチウム金属を貯蔵する。CNTは、CNT成長用触媒を含む界面層940を用いて銅集電体935から成長するとともにそれに固定される。
[0056] 電解質915は、液状又は固形でありうる。液状としての電解質915は、例えば、5μmポリエチレンなどの多孔性セパレーターを用いた4Mリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドでありうる。固形電解質は、カソードからアノードを分離するために使用可能であり、その場合、活性層920及び930の一方又は両方に、固形電解質と活物質との間のイオンフローを促進する液状、ペースト状、又はゼリー状電解質を組込み可能である。固形電解質の両側の電解質は、アノード及びカソード活物質に最もよく適したものに依存して、同一であっても異なっていてもよい。固形又は「固形状態」電解質は、無機物(例えば、リチウムリンオキシ窒化物(LIPON)、チオリン酸リチウム、又は窒化リチウム)又はポリマー(例えば、ポリエチレンオキサイド)でありうる。
[0057] リチウム-硫黄カソードは、カソードとアノードとの間で輸送される単体硫黄が電解質中のリチウムイオンと反応して可溶性多硫化リチウムを形成したとき、硫黄を失いうる。シャトル効果といわれることもあるこの有害プロセスにおいて、リチウム化多硫化物は、充電時に電解質を介して活性カソード材料から硫黄を輸送してアノード層の上にめっきする。シャトル効果は、貯蔵容量の低減及び内部抵抗の増加の両方をもたらす。情報及び信念によれば、理論に限定されるものではないが、活性カソード層920は、初期に単体硫黄を欠如するか又は実質的に欠如する。デバイス900が最初に放電されたとき、硫化炭素は、リチウムにより還元されて硫化リチウムを形成する。電解質915の成分もまた、炭素-硫黄塊110内及びその間で還元して、カソード活性層920を介して伸長するSEIマトリックスを形成する。SEIマトリックスは、多硫化物をトラップするがイオン伝導体である。充電時、SEIマトリックスは、硫黄を保持し、電解質915を介してリチウムイオンを逃散してカソード活性層910に戻すことが可能である。SEIマトリックスは、後続の充放電サイクリングの間、硫黄を継続して保持する。
[0058] アノード活性層930中のリチウムは、セル放電時にイオン化されてリチウムイオン及び電子を生成する。電子は、外部負荷945にパワー供給し、集電体925及び935並びに負荷を介してアノード910からカソード905に流れる。同時に、リチウムカチオン(Li)は、電解質915を介してアノード910からカソード905に流れる。電解質からのLiカチオンは、カソード活性層920内の硫黄を還元し、硫化リチウムを形成する。充電は、リチウムカチオン及び電子をカソード活性層920から奪ってそれらをアノード活性層930に戻すことによりこのプロセスを逆転し、この際、CNTが電気めっきされてCNTの上及びその間にリチウム金属層が形成される。
[0059] アノード910の容量は、活性層930に貯蔵可能なリチウム金属の量の関数であり、一方、電気インピーダンスは、電荷担体(Liカチオン及び電子)の出入りを可能にする容易さの関数である。貯蔵のために、CNTカーペットは、1グラム当たり何百又は何千平方メートル程度の大面積密度を有し、これをLiプレーティングに利用可能であるので、何百又は何千wt%のリチウム貯蔵容量(Li質量/CNT質量)が得られる。イオンインピーダンスに関して、CNTは、界面層940からほぼ平行に伸長するので、層930に対する出入り通路は、相対的に短く直線的である。電子通路もまた、低いインピーダンスである。CNTは、集電体935及び界面層940の銅及び銅合金と同様に優れた伝導体である。アノード910の層間の界面は、両方向への容易な電荷の流れを可能にする低抵抗オーミック接触である。
[0060] 集電体935は、主に銅のベース層であるか又はそれを含む。一実施形態において、集電体935は、純度99.9%の8um銅箔である。アノード910の製造時に形成される界面層940は、アノード活性層930のCNTを触媒し、且つそのアンカーとなる沈殿物粒子を有する銅合金からなる。界面層940は、CNT成長を触媒してもしなくてもよい他の元素、例えば酸素を含みうる。酸素は、ネイティブ(native)又は成長表面酸化銅に由来しうる。他の元素としては、Ag、Ni、Cr、Al、Fe、Znなどの金属が挙げられうる。他の元素は、非意図的ネイティブ痕跡不純物又は製造痕跡不純物に由来しうるか又は意図的に導入されうる。他の元素は、CNT成長を触媒してもしなくてもよい。一実施形態において、他の元素は、銅表面の20wt.%未満である。情報及び信念に基づいて、CNTは、界面層940の触媒沈殿物粒子から伸長する根元構造を有し、金属結合及び共有結合により支持された有利に低い熱及び電気インピーダンスとの強い関連性を確立する。
[0061] 図10は、アノード910の断面の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。集電体935と活性アノード層930との間の界面層940は、見ることが困難である。活性層930のCNTカーペットの上のグレー領域は、空きスペースであるが、組み立てられたセルの電解質で充填されるであろう。「活性」という用語は、リチウムイオンを交換する電解質に接触する材料を意味する。
[0062] 図11は、個別CNT1100と、層930のCNTが界面層940に接続する根元領域1105と、を解像する倍率レベルでのアノード910のSEM画像である。
[0063] 図12は、一実施形態に係るアノード910を作製する方法を例示するフローチャート1200である。最初に、約5×10-6mBarの圧力で、eビーム蒸発などを介して、鉄ターゲットから25μm銅箔上に厚さ約5nmの鉄層を堆積する(工程1205)。以下に詳述されるように、プロセスのより後の段階で、工程1205からの鉄は、下側の銅に取り込まれて沈殿物CNT核形成サイトを形成する。このレシピにおいて、厚さ1nm未満の鉄層は、所望の量及び密度の核形成サイトを生成するのに十分な鉄を含まない。鉄層の厚さは、このレシピにおいて3~15ナノメートルである。鉄と共に、又は鉄の代わりに、ニッケルなどの鉄以外のCNT触媒を使用可能である。これに関連して、CNT触媒は、CNT成長を触媒するいずれかの材料である。
[0064] 次に、約1.6×10-4mBarの圧力でeビーム蒸発を介して酸化アルミニウムターゲットから鉄層の上に厚さ約3ナノメートルの酸化アルミニウム層を堆積する(工程1210)。酸化アルミニウム層は、CNTが界面層から平行に成長するようにCNT成長を保護及び制限する。3ナノメートルよりもかなり薄い酸化アルミニウム層は、この例では適正なCNT成長を支持できない。
[0065] いくつかの実施形態において、触媒及びバッファー層は、eビーム蒸発、スパッタリング、熱蒸発、原子層堆積、分子ビームエピタキシー、電解堆積、溶液相堆積、ナノ粒子堆積の1つ以上により堆積される。
[0066] 工程1215において、触媒層と保護層とを有する銅箔は、スリーチャンバー管型反応器のロードロックチャンバーに挿入され、反応器はCNT成長に備える。反応器(図示せず)は、ローディングチャンバー、コールドゾーン、及びホット(成長)ゾーンを含む。ロードロックチャンバーは、それ自体のポンピングシステム(pumping system)及びベンティングシステム(venting system)を備え、コールドゾーンがロードロックチャンバーとホットゾーンとの間にある状態で、ゲートバルブにより反応器のコールドゾーン及びホットゾーンから分離される。ホットゾーンは、炉の真下の反応器の一部であり、一方、コールドゾーンは、炉の外側にある。ホットゾーン及びコールドゾーンは両方とも、同一ポンピングシステムを共有可能である。ホットゾーンは、4sccmアセチレン、200sccm水素、及び水シリンダーに通してバブリングされた200sccm水素の質量流量下で750℃に予熱され、約10Torrの合計圧力を有するCNT原料ガスの前駆体混合物を与える。被覆Cu箔基材は、ロードロックチャンバーに導入され、真空ポンプを用いてロードロックチャンバー内で0.1Torr未満の圧力まで排気される。
[0067] ガス前駆体混合物は、ホットゾーンに位置する加熱タングステンフィラメントを用いて活性化され(工程1220)、タングステンフィラメントは、電源からの約30Wの電力供給により約2000℃の温度にジュール加熱される(工程1220)。次いで、ゲートバルブが開けられ、基材はコールドゾーンを介して反応器のホットゾーンに輸送される。タングステンフィラメントは、特徴的なアンバーグロー(amber glow)を生成することから、アセチレン、水素、及び水の周囲ガス混合物が、各種炭化水素、水素、酸素、及びヒドロキシルラジカル並びに中性フラグメント、例えば、原子状水素、アセチレンラジカルに活性化されることが示唆される。ホットゾーンに基材を約30秒間導入した後、タングステンフィラメントの電源を切る。30秒間の暴露時、基材は、加熱タングステンフィラメントにより発生される熱エネルギー及び活性化化学種と相互作用する。
[0068] 工程1220において、活性化ガス前駆体への基材の暴露時、タングステンフィラメントからの熱は、基材の温度を例えば30秒間にわたり750℃以上にさらに上昇させる。この熱処理により、鉄は銅中に拡散して銅-鉄界面層を生成する。下側の銅に溶解する鉄は、最終的に銅を飽和させて沈澱物CNT核形成サイトを形成する。そのため、工程1220の暴露後に生成される基材は、表面が銅-鉄界面、鉄触媒層、及び酸化アルミニウムのバッファー層で覆われた初期箔からの銅を含む。界面層は、約5~20ナノメートルであるが、この層は、明瞭に分割されず、むしろ、鉄の界面濃度は、相対的に高く(例えば、主に鉄の材料)、銅のバルク中に入ると減少する。
[0069] 次に、工程1225では、タングステンフィラメントヒーターをオフにして、炭素源ガス(例えばアセチレン)を用いてCNTカーペットの所望の性質に依存する時間(約20μmの高さ及び約0.1~0.3mg/cmの単位面積当たり質量を有するCNTカーペットでは10分間)にわたりCNTを成長させる。面積質量は、触媒厚さ、CNT成長時間、合計圧力、及び/又は炭素源濃度若しくは分圧を減少又は増加させることにより、それぞれ、約0.1~0.3mg/cm未満に減少させるか又は0.1~0.3mg/cm超に増加させることが可能である。この例において、源ガスは、工程1220及び1225の両方に対して同一のものである。CNT成長時、主に銅の基材の上の連続した銅-鉄界面は、主にカーボンナノチューブカーペットのベースに表面鉄を固定し、一方、酸化アルミニウムバッファー層の一部は、その界面に存在しうるか、又は鉄沈殿物により核形成され、且つ触媒された界面層からCNTが成長する際にカーボンナノチューブカーペットのトップと共に持ち上げられうる。鉄の一部もまた、成長したカーボンナノチューブカーペットと共に持ち上げられうる。次いで、アノード構造体は、ホットゾーンからコールドゾーンに取り出されてファンなどを活用して急速に冷却される(工程1230)。任意の工程1235では、CNT層上にリチウム金属を堆積又はめっきすることが可能である。
[0070] いくつかの実施形態では、酸化アルミニウムなどのバッファー層なしで銅上で鉄の触媒層(例えば5nm)が利用される。かかる一実施形態において、鉄層は、酸化鉄で覆われ(例えば3nm)、後者は、酸化アルミニウムの代わりをする。他の一実施形態において、鉄(例えば5nm)は、酸化アルミニウム(例えば3nm)で覆われる。さらに他の一実施形態において、鉄層及び酸化鉄層(例えば5nm)は、酸化アルミニウム(例えば3nm)で覆われる。いくつかさらなる実施形態では、銅のすぐ上に酸化鉄(例えば5nm)が層状化される。
[0071] 工程1225において、CNT長さは、プロセス時間、圧力、又はその両方を増加させることにより増加可能である。CNTカーペットのモルフォロジーは、合金形成/核形成工程1220でタングステンフィラメントに印加される電力を調整することにより制御可能である。CNTカーペットの密度は、加熱タングステンフィラメントへの基材の暴露の持続時間を調整することにより制御可能である。他の成長パラメーターを等しくして暴露時間を30秒間から1分間に増加させたところ、CNTカーペット密度は減少した。
[0072] CNT成長プロセスの他の一実施形態では、触媒化された銅箔が750℃の反応器のホットゾーンに挿入されるとき、以上に記載のタングステンフィラメント処理は省略される。タングステンフィラメント処理なしでも、銅中への鉄の拡散が起こって銅-鉄界面層が生成される。下側の銅に溶解する鉄は、最終的に銅を飽和させて沈澱物CNT核形成サイトを形成する。そのため、熱暴露後に生成される基材は、表面が銅-鉄界面、鉄触媒層、及び酸化アルミニウムのバッファー層で覆われた初期の箔からの銅を含む。界面層は、約5~20ナノメートルであるが、この層は、明瞭に分割されず、むしろ、鉄の界面濃度は、相対的に高く(例えば、主に鉄の材料)、銅のバルク中に入ると減少する。
[0073] CNT成長プロセスの他の実施形態において、成長温度は550℃~700℃である。プロセスの他の一実施形態では、CNTの両側成長のために銅の両側が触媒化される。触媒化された銅は、プラットフォーム上に位置することなくエッジのみで保持された状態で反応器内に浮遊可能であるので、銅の両側でのCNTの同時成長を促進する。銅のエッジに張力又は力を加えることにより、反応器を介してそれを移動させることが可能である。
[0074] 他の一実施形態において、触媒化された銅は、反応器内で垂直に配向され、銅の両側でのCNTの同時成長を促進する。
[0075] 電極を作製する上記の方法は限定されるものではない。他の個別又は連続プロセスも使用可能である。例えば、一実施形態において、図12の個別プロセスは、ロール状金属(例えば銅)箔の片側又は両側に活物質を形成するロールトゥーロールプロセスに適合化される。
[0076] 図13は、30Wのタングステンフィラメントパワー及び30秒間の暴露時間、続いて10分間のCNT成長時間を用いて成長させたCNTカーペット1300の活性部分のSEM画像である。
[0077] 図14は、約200cm-1、250cm-1、480cm-1、及び2700cm-1にRBM、D、G、及び2Dモードを示すカーボンナノチューブカーペットのラマンスペクトルである。RBM(ラジアルブリージングモード)は、シングルウォールカーボンナノチューブの指標となる。6員環の存在を起源とするDモードは、欠陥の存在により活性化される。Gモードは、カーボンナノチューブのsp2炭素構造を確定する。2Dモードは、Dモードの倍音であり、カーボンナノチューブの6員環の存在並びに十分に進歩した電子構造及び伝導率の指標となる。
[0078] 図15は、約1mA/cmの電流密度又は約0.5Cのレートでのカーボンナノチューブの上及びその間のLi金属の電気化学プレーティング及びストリッピングを示す充放電カーブのプロット1500である。電極面積は約2cmである。試験対象は、以上に記載のように銅上で成長させたCNTカーペットであり、対向電極及び参照電極のLi金属チップ、5μmポリエチレンセパレーター、及び4Mリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド電解質を有する標準的2032コインセル内に配置された。
[0079] 図16は、約2mAh/cmの容量、約1mA/cmの電流密度、又は約0.5CのレートでのLi金属めっきされたカーボンナノチューブカーペットの安定なサイクリングを示すサイクリング実験のプロット1600である。電極面積は約2cmである。
[0080] 図17は、CNTカーペット1705の複数の層を互いに重ねた活性電極表面1700の側面のSEM画像である。表面1700は、30秒間の暴露時間にわたる50Wのタングステンフィラメントパワー、続いて10分間のCNT成長時間を用いて成長させた。
[0081] 図18は、50Wのタングステンフィラメントパワー及び30秒間の暴露時間、続いて10分間のCNT成長時間を用いて成長させたCNTカーペットの活性部分のSEM画像1805及び1810である。画像1805及び1810は、同一材料からなるが、異なる倍率レベルで得たものである。
[0082] 図19は、図12との関連で以上に詳述されたものに類似したプロセスに従って図9のアノード910を形成するためのシステム1900を描く。10kWで動作するEビーム蒸発器1905を用いて、最初に鉄、次いでアルミナを各々10-4Torr未満の蒸気圧で銅箔上に逐次堆積する。得られた基材を反応器/炉1910(直径2.54cmのチューブ)に移し、750℃で化学気相堆積(CVD)プロセスを行う。
[0083] 100℃に加熱された加熱パイプ1915は、反応器/炉1910用の反応剤を予熱する。この例において、反応剤は、4sccm、0.5Torrのアセチレン、200sccm及び4.4Torrの水素、並びに200sccm及び2.9Torrの水素と水との組合せである。反応器/炉1910は、ローディングチャンバー、コールドゾーン、及びホット(成長)ゾーンを含む。ロードロックチャンバーは、それ自体のポンピングシステム及びベンティングシステムを備え、コールドゾーンがロードロックチャンバーとホットゾーンとの間にある状態でゲートバルブにより反応器のコールドゾーン及びホットゾーンから分離される。ホットゾーンは、炉の真下の反応器の一部であり、一方、コールドゾーンは、炉の外側にあり、ホットゾーン及びコールドゾーンは両方とも、同一ポンピングシステムを共有する。
[0084] ホットゾーンは、4sccmアセチレン、200sccm水素、及び水シリンダーに通してバブリングされた200sccm水素の質量流量下で750℃に予熱され、約8~10Torrの合計圧力を与える。触媒層とバッファー層とで被覆された銅箔は、反応器/炉1910に導入され、真空ポンプ1920を用いてロードロックチャンバー内で0.1Torr未満の圧力まで排気される。ホットゾーンのタングステンフィラメントは、約30Wの供給により約2,000℃の温度にジュール加熱される。タングステンフィラメントは、アセチレン、水素、及び水の周囲ガス混合物を各種炭化水素、水素、酸素、及びヒドロキシルラジカル並びに中性フラグメント、例えば、原子状水素、アセチレンラジカルに活性化する。箔基材は、フィラメントに電力供給しながらホットゾーンに移される。
[0085] タングステンフィラメントは、ホットゾーンへの基材の導入の約30秒後に電源を切られる。30秒間の暴露時、基材は、加熱タングステンフィラメントにより発生される熱エネルギー及び活性化化学種と相互作用する。タングステンフィラメントからの熱は、基材の温度を750℃超にさらに上昇させる。この熱処理により、鉄は銅中に拡散して銅-鉄界面層を生成する。下側の銅に溶解する鉄は、最終的に銅を飽和させて沈澱物CNT核形成サイトを形成する。次に、同一ゾーン内で、ただし、タングステンフィラメントをパワーダウンして、界面層からCNTカーペットを成長させる。得られたアノード910、未消費反応剤、及び反応副生成物を冷却チューブ1925に搬送する。真空ポンプ1920により未消費反応剤及び反応副生成物(総称して「流出物」)を取り出して、それらをリサイクリング用加熱パイプ1915に戻す。次いで、冷却アノード910をシステムから取り出す。
[0086] 以上に詳述されたタイプのアノードは、硫黄系カソードと共に使用可能である。従来のリチウム-硫黄電池は、その比エネルギーが高いことで注目されるが、サイクル寿命が相対的に短いことから採用が限られる。いくつかの実施形態に係るセルは、高容量アノードと高安定性硫化炭素カソードとを兼備する。
[0087] 本明細書に開示される構造、方法、及び材料の多くの変更形態及び修正形態が可能であり、本発明の範囲内にある。例えば、電気化学セルのアノードの活性部分として利用されるCNT材料はまた、他の高表面積用途、例えば、VANTABLACKコーティング、又はキャパシター若しくは電気化学セル用の他の電極に使用可能である。
[0088] CNTカーペット及びその成長方法は、下記番号付き項目のいずれかに係る材料、電極、エネルギー貯蔵デバイス、及び方法を提供する。
1. 以下:
主に第1の濃度の銅からなるベース層と、
ベース層上の界面層であって、第2の濃度の銅とカーボンナノチューブ触媒とを含む、界面層と、
界面層からのカーボンナノチューブと、
を含む電極。
2. 界面層が第2の濃度の銅と鉄との合金を含む、項目1に記載の電極。
3. カーボンナノチューブ触媒が鉄の沈殿物を含む、項目2に記載の電極。
4. カーボンナノチューブが鉄の沈殿物から伸長する、項目3に記載の電極。
5. 第2の濃度が第1の濃度よりも低い、項目1に記載の電極。
6. 界面層がベース層に対向する触媒層を含む、項目1に記載の電極。
7. 触媒層が主に銅以外の金属からなる、項目6に記載の電極。
8. 銅以外の金属が鉄を含む、項目7に記載の電極。
9. 界面層が3~20ナノメートルの厚さである、項目1に記載の電極。
10. カーボンナノチューブが第2の金属をさらに含む、項目1に記載の電極。
11. 第2の金属がアルミニウムを含む、項目10に記載の電極。
12. 第2の金属が、界面層からの距離に応じて変動するカーボンナノチューブ中の濃度である、項目10に記載の電極。
14. カーボンナノチューブ触媒が、界面層中で、ある界面濃度を、且つベース層中でより低い濃度を有する金属からなる、項目1に記載の電極。
15. 界面層がベース層とオーミック接触する、項目1に記載の電極。
16. 界面層がカーボンナノチューブとオーミック接触する、項目4に記載の電極。
17. カーボンナノチューブのほとんどが、少なくとも1つの金属結合により界面層に結合される、項目1に記載の電極。
18. 界面層に対向するベース層を支持する基材をさらに含む、項目1に記載の電極。
19. 銅表面がネイティブ又は成長酸化銅層を含む、項目1に記載の電極。
20. 銅表面が、銅表面の20wt.%未満を構成する他の元素を含む、項目1に記載の電極。
21. 主に銅からなるベース層と、ベース層上のナノチューブ触媒の触媒層と、触媒層の上の保護層と、を含む電極上にナノチューブを形成する方法であって、
ナノチューブ原料ガスに保護層を暴露することと、
電極を加熱することであって、加熱することによりベース層上に界面層が生成され、界面層が銅とナノチューブ触媒との合金を含む、ことと、
界面層と保護層との間でナノチューブを成長させることと、
を含む、方法。
22. 成長させた結果としてナノチューブが界面層から保護層を持ち上げる、項目21に記載の方法。
23. ベース層の上に触媒層を形成することと、触媒層の上に保護層を形成することと、により電極を得ることをさらに含む、項目21に記載の方法。
24. 触媒層が鉄を含む、項目21に記載の方法。
25. 保護層がアルミニウムの酸化物を含む、項目21に記載の方法。
26. 成長させるときにナノチューブ中に保護層を吸収することをさらに含む、項目21に記載の方法。
27. ナノチューブがカーボンナノチューブである、項目21に記載の方法。
[0089] 図20は、図9のセル900に類似した安定な高容量の充電式エネルギー貯蔵セル2000を描く。ただし、同様に同定される要素は、同一又は類似のものでありうる。金属アノード2005(第1の電極)は、硫黄系カソード2010(第2の電極)にマッチする。電極は、多孔性ポリマーなどの2017を用いて電解質2015により分離される。アノード2005は、有機液状電解質2015で飽和された多孔性炭素のアノード層2025に物理的且つ電気的に接続された銅などの集電体2020を含む。一実施形態において、アノード層2025は、カーボンナノチューブ(CNT)カーペットを含む。CNTのカソード層を形成するのに好適な方法は、以上に詳述されている。カソード2010は、電解質2015で飽和されうる多孔性カソード層2035に物理的且つ電気的に接続されたアルミニウムなどの集電体2030を含む。セパレーター2017の片側又は両側のどちらかの電解質2015中且つ電極2005及び2010間のアルカリ金属層2037(例えばリチウムのもの)は、多孔性層2025及び2035の少なくとも1つの外表面に接触するが、初期には両方の多孔性層の内表面(細孔中又は間隙中)から分離される。層2037のリチウム金属は、セル2000が充電且つ放電されるとき、イオン化されてアノード2005とカソード2010との間で移動する。
[0090] カソード層2035は、ナノ多孔性炭素-硫黄複合材(多孔性炭素と硫黄との混合物)である。多孔性炭素は、集団でマトリックスを形成する。このマトリックスは、熱及び電気伝導率を改善し、カソード2010からマイグレート(migrate)して離れるおそれのある有害な多硫化物をトラップし、且つリチウムの追加及び枯渇に付随する膨張及び収縮に適応する。カソード層2035に好適なカソード材料の詳細な処理は、以上に詳述されている。
[0091] 炭素又はグラフェンの足場形成構造は、多硫化物をトラップしつつ、リチウムイオン輸送を促進する。この構造は、その構造の形成に干渉するおそれのある混ぜ合わせられたリチウム金属なしで作製される。カソードにおけるリチウムの不在は、リチウム金属アノードに適合可能である。リチウムの不在は、アノード2005に適合可能でないが、初期に形成されるカーボンナノチューブのカーペットは、リチウムが欠けている。
[0092] リチウム層2037は、連続又は有孔リチウム箔でありうるとともに、その金属は、セル2000の活物質になる。層2037の質量は、カソード層2035及びアノード層2025の両方が非多孔性の一実施形態で20~40ミクロンの厚さで全量を貯蔵する容量を有するように選択される。本質的にすべてのリチウムが利用されるので、セル2000は、リチウムの量がリチウムイオンを貯蔵する炭素の量よりも一般に少ない従来のリチウムイオンアノードと比べて改善された比容量及びエネルギー密度を呈する。
[0093] 図21は、充電及び放電の各種状態の図20のセル2000の3つの断面を示す。2000と記された最上側の例から始めて、セル2000内の活物質は、主にリチウム層2037に存在し、一部のリチウムイオンは、電解質に溶解される(セパレーターは示されていない)。例示を容易にするために個別層内にあるが、電解質2015は、多孔性アノード層及びカソード層2025及び2035内の空きスペースを占有可能である。そのため、リチウム層2037の両側は、電解質2015に接触する。リチウム層2037のカソード側は、カソード層2035に物理的且つ電気的に接触し、層2025から物理的且つ電気的に分離される。他の例において、リチウム層2037は、1つのリチウム表面のみを電解質に暴露してアノード層2025又はカソード層2035のどちらかに接触しうる。電解質注入時、一部の電解質は、リチウム層2037に接触するどちらの多孔性層にも進入しうる。層2037が例えば顆粒状又は他の多孔性である実施形態では、下側の層の湿潤が促進される。
[0094] セル2000の中間の例は2000Cと記され、「C」は充電を示す。電源2100は、カソード2010から電子を取り出し、結果としてリチウム金属が酸化されてアノード層2037からリチウムイオンを取り出す。「電気ストリッピング」と呼ばれるプロセスでは、材料がリチウムイオンとしてセパレーター及び電解質2015を介してマイグレートし、アノード層2025の内表面を被覆するので(この改変に気付くように2025Liと記される)、層2037は枯渇する。示されていないが、リチウム層2037は、成分金属が枯渇すると本質的に消失する。示されていないが、不活性化(passivating)SEIは、電解質の分解生成物から層2025LのCNT表面上に生成する。SEIは、リチウムイオンを通し、電子をブロックし、且つ電解質分解を防止する。描かれた実施形態において、アノード層2025Liは、層2037からの本質的にすべてのリチウムをカーボンナノチューブ内及びその間に金属リチウムのコーティングとして支持する。そのため、セル2000Cは完全充電される。電解質注入又はリチウム層枯渇の時のどちらでも多孔性表面に電解質が引き込まれるので、リチウム層2037に隣接する多孔性層をプレウェットする必要がないことを実験は示している。
[0095] セル2000の最下側の例は2000Dと記され、「D」は放電を示す。レジスターとして表された負荷2105は、アノード2005からカソード2010に向けて電子のマイグレーションを許容し、その際、アノード層2025Liからのリチウムイオンは、付随的にカソード2010に向けてマイグレートし、多孔性カソード層内に滞留して硫化リチウムを形成する。リチウム化カソード層は、この改変に気付くように2035Liと記される。アノード層2025Li中のリチウムの、アノード層及びカソード層2025及び2035中の合計リチウムに対する比は、本質的に充電状態を決定し、比が大きいほど、高い充電状態である。後続の充放電サイクル時、層2037は再構成されない。リチウム金属のコーティングは、多孔性アノード層2025内(例えばCNT間)で可逆的に生成する。
[0096] 一実施形態において、アノード及びカソードは、以上の参照特許出願に詳述されるように、電極シート中に個別に作製される。次いで、これらのシートは、アノード2005及びカソード2010を形成するために所望の形状にカットされる。同様に、セパレーター材料及びリチウム箔のシートは、セパレーター及びリチウム層2037を形成するために所望の形状にカットされる。セル2000は、これらの材料から組み立てられ、電解質で充填される。次いで、セル2000Cにより例示されるように、セル2000を充電するために、電気ストリッピング/電解堆積によりリチウム化を進行させる。他の一実施形態において、リチウム層2037は、物理気相堆積などによりアノード又はカソードのどちらかに初期に堆積される。例えば、リチウムの熱蒸発を用いて良好な接着性でターゲット表面にリチウム層を生成可能である。
[0097] 図22は、同一又は類似の同様に同定される要素を有する図20のセル2000と同様なセル2200の3つの断面を示す。主な差は、セル2200が電解質2015のアノード側にリチウム層2205(例えばリチウム箔)を含むことである。図21の例のように、セル2200は、充電及び放電の各種状態で示される。2200と記された最上側の例から始めて、セル2200内の活物質は、主にリチウム層2205に存在し、一部のリチウムイオンは、層2205の両側の電解質に溶解される。リチウム層2205のアノード側は、アノード層2025に物理的且つ電気的に接触し、カソード層2035から物理的且つ電気的に分離される。いくつかの実施形態において、層2205のリチウムは、2つに分割可能である(例えば、セパレーターのどちらの側にも1つの層)。例えば、セルに注入される電解質は、セパレーターの両側に金属の層を形成するリチウム粒子を担持可能である。
[0098] 中間の例は、負荷2105を介して放電するセル2200Dを示す。電子及びリチウムイオンは、アノード層2025からマイグレートして多孔性カソード層2035Liの間隙を占有する。最下側の例は、電源2100に応答して充電するセル2200Cを示す。これは、カソード2010から電子を取り出し、結果としてカソード層2035Liからリチウムイオンを取り出す。材料がアノード層2025Liの内表面にマイグレートしてカーボンナノチューブ内及びその間に金属リチウムのコーティングを形成するので、カソード層2035Liは枯渇する。そのため、セル2000Cは完全充電される。後続の放電サイクル時、層2205は再構成されない。セル2200は、図21との関連で以上に詳述されたように組み立て可能であり、その差は、リチウム箔2205の配置であり、充電ではなく放電(セル2200D)から出発することである。
[0099] 図23は、同一又は類似の同様に同定される要素を有する図20の貯蔵セル2000に類似した充電式エネルギー貯蔵セル2300を描く。この実施形態は、カソード活性層2035とカソード集電体2030とに挟まれた層2305を用いてリチウム化される。セル2300が組み立てられたとき、多孔性カソード層2035は、電解質2015によりリチウム層2305からCNT層2025へのイオン通路の生成を許容する。セル2300が初回充電されたとき、層2305のリチウム金属は、イオン化されてCNT層2025に移動する。後続の放電時、カソード層2035は、通常使用ではリチウム層が不在又はほぼ不在で、リチウム金属を吸収する。
[00100] リチウム層2305は、カソード集電体2030の片側のみに示されているが、両側に存在可能であり、1つ又は複数の個別フィルムとして片側又は両側に適用可能である。例えば、連続プロセスにおいて、有孔20umリチウム箔は、ローラー及び圧力によりアルミニウム集電体の両側に適用される。他の実施形態では、集電体上に1つ又は複数のリチウム層を形成可能である。例えば、一実施形態において、リチウム層2305は、4Mリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドなどの、有機溶媒に溶解されたリチウム塩を含む電解質で20μmの厚さに電着される。一実施形態において、堆積は、約0.4mA・cm-2の電流密度で約10時間にわたり行われ、電解質の分解生成物を含む固体電解質界面相により不活性化された堆積リチウムが生成される。
[00101] 金属化工程及びセルは、下記番号付き項目のいずれかに係るエネルギー貯蔵デバイス及び方法を提供する。
1. 以下:
アノード集電体と、アノード外表面とアノード内表面とを有する多孔性アノード層と、を有するアノードと、
カソード集電体と、カソード外表面とカソード内表面とを有する多孔性カソード層と、を有するカソードと、
アノードとカソードとの間の電解質と、
アノードとカソードとの間で電解質に接触するアルカリ金属層と、
を含む、エネルギー貯蔵デバイス。
2. 電解質が多孔性アノード層及び多孔性カソード層の少なくとも1つを介して延在する、項目1に記載のデバイス。
3. アルカリ金属層がカソードの多孔性カソード層とカソード集電体との間に配設される、項目1に記載のデバイス。
4. アルカリ金属層が本質的にリチウムからなる、項目1に記載のデバイス。
5. 電解質中且つアノードとカソードとの間にセパレーターをさらに含む、項目1に記載のデバイス。
6. アルカリ金属層がセパレーターと多孔性アノード層及び多孔性カソード層の1つとの間に配設される、項目5に記載のデバイス。
7. アルカリ金属層がカソード外表面及びアノード外表面から分離される、項目6に記載のデバイス。
8. アルカリ金属層とカソード外表面及びアノード外表面の1つとの間に結合層をさらに含む、項目7に記載のデバイス。
9. セパレーターがアルカリ金属層と多孔性アノード層及び多孔性カソード層の1つとの間に配設される、項目5に記載のデバイス。
10. 第2のアルカリ金属層をさらに含み、セパレーターが第2のアルカリ金属層と多孔性アノード層及び多孔性カソード層の他の1つとの間に配設される、項目9に記載のデバイス。
11. アルカリ金属層がメタリック粒子、ワイヤ、及びロッドの少なくとも1つを含む、項目1に記載のデバイス。
12. 多孔性アノード層が炭素を含む、項目1に記載のデバイス。
13. 多孔性アノード層が炭素ナノ材料を含む、項目12に記載のデバイス。
[00102] 上記考察は、電荷担体としてリチウムイオンを利用する電気化学セルに焦点を当てる。他のアルカリ金属(例えば、ナトリウム及びカリウム)も使用可能である。さらに、上記例ではリチウム層は連続フィルムであるが、金属層は、有孔シート、スクリーン、又はデバイス組み立て時に層に組み立てられる粗い若しくは凝集した粒子、ワイヤ、若しくはロッドなどとして導入可能である。金属粒子と電解質とのスラリーは、電解質の代わりに又は電解質と共に使用可能である。
[00103] これらの実施形態の変形形態は、当業者には明白であろう。したがって、添付の特許請求の趣旨及び範囲は、上記説明に限定されるべきでない。「means for(~のための手段)」又は「step for(~のための工程)」を具体的に列挙する請求項のみが、米国法典第35編第112条第6項に必要とされるものとして解釈されるべきである。

Claims (22)

  1. 絡み合いナノファイバーの伝導性骨格と、
    前記絡み合いナノファイバー内に分布するアモルファス炭素-硫黄であって、炭素-硫黄化学結合を介して硫黄に、且つ化学結合を介して前記ナノファイバーに結合された炭素を含む、前記アモルファス炭素-硫黄と、
    を含む電極。
  2. 前記伝導性骨格及び前記アモルファス炭素-硫黄が10wt%未満の酸素を含む、請求項1に記載の電極。
  3. 前記伝導性骨格及び前記アモルファス炭素-硫黄が30wt%よりも多い硫黄を含む、請求項1に記載の電極。
  4. 前記伝導性骨格及び前記アモルファス炭素-硫黄が約40wt%の硫黄を含む、請求項1に記載の電極。
  5. 前記伝導性骨格及び前記アモルファス炭素-硫黄が30wt%~80wt%の硫黄を含む、請求項1に記載の電極。
  6. 前記アモルファス炭素-硫黄がsp2炭素原子及びsp3炭素原子を含み、且つsp2炭素原子の、sp3炭素原子に対する比が、10~50%に対して50~90%のsp3炭素原子である、請求項1に記載の電極。
  7. 前記アモルファス炭素-硫黄が水素を含み、且つ前記水素が元素数基準で5~20%である、請求項6に記載の電極。
  8. 前記アモルファス炭素-硫黄が、sp3炭素原子のマトリックス内に分散された20nm未満の平均最大寸法を有するsp2芳香族炭素クラスターを含有する、請求項1に記載の電極。
  9. 前記伝導性骨格及びアモルファス炭素-硫黄の少なくとも1つがドーパントを含む、請求項1に記載の電極。
  10. 炭素以外の原子に結合された硫黄をさらに含む、請求項1に記載の電極。
  11. 前記炭素に結合されていない遊離硫黄をさらに含み、前記遊離硫黄が、前記炭素に結合された前記硫黄及び前記遊離硫黄の合計の20wt%未満である、請求項1に記載の電極。
  12. 前記アモルファス炭素-硫黄が芳香環を含む、請求項1に記載の電極。
  13. 前記芳香環が単環式環を含む、請求項12に記載の電極。
  14. 前記芳香環がヘテロ環式環を含む、請求項12に記載の電極。
  15. 前記ヘテロ環式環が酸素、窒素、及び硫黄の少なくとも1つを含む、請求項14に記載の電極。
  16. 前記絡み合いナノファイバーがナノチューブ、ナノリボン、グラフェン、及びカーボンファイバーの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の電極。
  17. 前記アモルファス炭素-硫黄が主に共有結合を介して前記ナノファイバーに結合される、請求項16に記載の電極。
  18. 前記絡み合いナノファイバーがアルミニウムナノファイバー及びニッケルナノファイバーの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の電極。
  19. ナノファイバーと硫黄及びポリマーとを混合して、ナノファイバーと硫黄と前記ポリマーとの混合物を生成することと、
    ナノファイバーと硫黄と前記ポリマーとの前記混合物を加熱して前記ポリマーを熱分解するとともに、前記熱分解が行われたポリマーからの炭素を前記ナノファイバー及び前記硫黄に化学結合することと、
    を含む方法。
  20. 前記加熱の前に、前記ナノファイバーで前記ポリマー鎖を架橋して凝集粉末混合物を形成することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記ポリマーを熱分解するためにナノファイバーと硫黄と前記ポリマーとの前記混合物を加熱することにより、前記混合物が前記混合物のガラス転移温度超になり、且つ前記架橋が、ナノファイバーと硫黄と前記ポリマーとの前記混合物を、前記混合物の前記ガラス転移温度未満の、より低い温度にすることを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記硫黄が蒸気として混合される、請求項19に記載の方法。
JP2022552655A 2020-03-26 2021-03-25 伝導性炭素骨格を有する硫化炭素カソード Pending JP2023519148A (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063000423P 2020-03-26 2020-03-26
US63/000,423 2020-03-26
US202163133745P 2021-01-04 2021-01-04
US202163133752P 2021-01-04 2021-01-04
US63/133,752 2021-01-04
US63/133,745 2021-01-04
PCT/US2021/024259 WO2021195450A1 (en) 2020-03-26 2021-03-25 Sulfurized-carbon cathode with conductive carbon framework

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023519148A true JP2023519148A (ja) 2023-05-10

Family

ID=77892444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022552655A Pending JP2023519148A (ja) 2020-03-26 2021-03-25 伝導性炭素骨格を有する硫化炭素カソード

Country Status (6)

Country Link
US (2) US20220209216A1 (ja)
EP (1) EP4128395A1 (ja)
JP (1) JP2023519148A (ja)
KR (1) KR20220156852A (ja)
CA (1) CA3172301A1 (ja)
WO (1) WO2021195450A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220376247A1 (en) * 2021-05-21 2022-11-24 Zeta Energy Llc Anode-Free Electrochemical Cell

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140272592A1 (en) * 2013-03-14 2014-09-18 Energ2 Technologies, Inc. Composite carbon materials comprising lithium alloying electrochemical modifiers
WO2016159878A1 (en) * 2015-03-27 2016-10-06 Nanyang Technological University Biochemistry-derived carbonaceous metallics frameworks for use in batteries
CN109562949B (zh) * 2016-08-11 2022-09-20 瓦克化学股份公司 Si/C复合颗粒的制备
WO2018098506A1 (en) * 2016-11-28 2018-05-31 Sila Nanotechnologies Inc. High-capacity battery electrodes with improved binders, construction, and performance
WO2018140451A1 (en) * 2017-01-24 2018-08-02 Sabic Global Technologies B.V. Multi-layered graphene material having a plurality of yolk/shell structures
US10978735B2 (en) * 2018-01-23 2021-04-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Stretchable polymer electrolyte, stretchable electrode, stretchable polymer, electrocheical device, and method of preparing stretchable polymer
US10862157B2 (en) * 2018-06-18 2020-12-08 Global Graphene Group, Inc. Alkali metal-sulfur secondary battery containing a conductive electrode-protecting layer

Also Published As

Publication number Publication date
US20220359859A1 (en) 2022-11-10
EP4128395A1 (en) 2023-02-08
US20220209216A1 (en) 2022-06-30
CA3172301A1 (en) 2021-09-30
WO2021195450A1 (en) 2021-09-30
KR20220156852A (ko) 2022-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10734653B2 (en) Lithium ion battery and battery materials
Liu et al. Coupling a sponge metal fibers skeleton with in situ surface engineering to achieve advanced electrodes for flexible lithium–sulfur batteries
Huang et al. Sandwich‐like ultrathin TiS2 nanosheets confined within N, S codoped porous carbon as an effective polysulfide promoter in lithium‐sulfur batteries
Oh et al. Development of high‐energy anodes for all‐solid‐state lithium batteries based on sulfide electrolytes
US20190341650A9 (en) Lithium ion battery and battery materials
US9356281B2 (en) Intercalation electrode based on ordered graphene planes
US10090528B2 (en) Cathode unit for an alkaline metal/sulfur battery having an optimised arrester structure
US10847804B2 (en) Carbon nanosphere modified current collector for lithium metal battery and method for preparing the same
Wang et al. Flower‐like NiS2/WS2 heterojunction as polysulfide/sulfide bidirectional catalytic layer for high‐performance lithium− sulfur batteries
JP2006173121A (ja) 陰極活物質、その製造方法及びそれを用いた陰極とリチウム電池
KR101105877B1 (ko) 리튬 이차전지용 음극 활물질 및 그 제조방법과 이를 이용한 리튬 이차전지
KR20230131963A (ko) 리튬 황 배터리용 캐소드 및 캐소드 물질
Bao et al. A three-dimensional hierarchical structure of cyclized-PAN/Si/Ni for mechanically stable silicon anodes
Zou et al. A Highly Efficient Sulfur Host Enabled by Nitrogen/Oxygen Dual‐Doped Honeycomb‐Like Carbon for Advanced Lithium–Sulfur Batteries
US20220359859A1 (en) Carbon nanotube carpet on and grown from copper
US20220376247A1 (en) Anode-Free Electrochemical Cell
Zhang et al. High‐Performance Potassium‐Tellurium Batteries Stabilized by Interface Engineering
Kim et al. Viable post-electrode-engineering for the complete integrity of large-volume-change lithium-ion battery anodes
JP2015230792A (ja) リチウムイオン二次電池用導電材料、リチウムイオン二次電池負極形成用組成物、リチウムイオン二次電池正極形成用組成物、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池
US20210122641A1 (en) Stabilized porous silicon structure for highly stable silicon anode and methods of making
Yang et al. Ultra-Stable Lithium-Sulfur Batteries Using Nickel Phosphide@ Carbon Fabric Interlayer
TW202348559A (zh) 核殼奈米粒子及其製造方法
WO2022217090A9 (en) Long-life lithium-sulfur batteries with high areal capacity based on coaxial cnts@tin-tio2 sponge

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221031

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231027

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240124

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240321

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20240426