JP2023516701A - ピストンリングアセンブリ、ピストン圧縮機、および、圧縮室を密閉する方法 - Google Patents

ピストンリングアセンブリ、ピストン圧縮機、および、圧縮室を密閉する方法 Download PDF

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Abstract

ピストンリングアセンブリ1は第1および第2無端シールリング2、4と弾性リングキャリア3を備える。シールリング2、4は周方向Uに延びてそれぞれ外周面2a、4aを有する。シールリング2、4は外周面2a、4aに対して第1、第2中心点M1、M2を有する。シールリング2、4はそれぞれ周方向Uに対して垂直に延びる長手方向軸線Lを有する。リングキャリア3は周方向Uに拡がる。シールリング2、4がリングキャリア3において長手方向軸線Lの方向に次々と配置されるように、リングキャリア3ならびにシールリング2、4は相互に適合して設計される。シールリング2、4の中心点M1、M2は、長手方向軸線Lに対して径方向に互いに距離を置いて配置される。ピストンリングアセンブリ1の使用時、シールリング2、4はシリンダ11の内壁11aに対して互いに反対方向に押圧される。

Description

本発明は、ピストンリングアセンブリに関する。本発明はさらに、ピストンリングアセンブリを備えているピストン圧縮機に関する。本発明はさらに、圧縮室を密閉(シール)する方法としての圧縮室密閉方法に関する。
シリンダと、そのシリンダの中で直線的に移動可能なピストンと、を備えているピストン圧縮機が知られている。1つの可能な実施形態では、ピストンリングがピストン上に配置されており、ピストンリングは、シリンダと可動ピストンとによって囲まれた圧縮室を密封(シール)するように、シリンダ壁に沿って摺動する。特許文献1は、図6において、ピストン上に配置されるとともにシリンダ壁に擦り付けられるピストンリングを有している乾式走行ピストン圧縮機を開示している。この公知のピストンリングは、負荷時に顕著なコールドフローを示しており、その結果、ピストンリングの摩耗が急速に進むので、高圧力差での使用には限られた範囲でしか適さない。特許文献2は、ピストン圧縮機のピストンロッドのためのシール配置(アレンジメント)を開示している。このシール配置は、摩耗補償のためにピストンロッドの走行方向に対して横方向に共通のリングキャリアに移動可能に取り付けられる2つの無端(エンドレス)シールリングを備えて構成されている。しかし、このシール配置は、シリンダと可動ピストンとによって囲まれた圧縮室の密閉には寄与していない。
国際公開第98/055783号 米国特許出願公開第2013/0154197号明細書 欧州特許出願公開第1275888号明細書 国際公開第2018/108464号
本発明の目的は、より有利な作動特性を有しているピストンリングアセンブリおよびピストン圧縮機を提供することにある。
この目的は、請求項1の特徴を有しているピストンリングアセンブリによって解決される。従属請求項2~11は、本発明のさらに有利な実施形態に関する。この目的はさらに、請求項12の特徴を有しているピストン圧縮機によって解決される。従属請求項13および14は、更なる有利な実施形態に関わる。この目的はさらに、請求項15の特徴を備えている、圧縮室を密封する方法によって解決される。従属請求項16は、更なる有利な方法に関する。この目的はさらに、動的な圧力成分(動圧コンポーネント)を密封するための圧力遮断器(圧力ブレーカ)としての、請求項17に記載のピストンリングアセンブリの使用によって解決される。
この目的は、特に、第1および第2無端シールリングと弾性リングキャリアとを備えている、ピストンリングアセンブリによって解決される。第1および第2シールリングは周方向に延びるとともに、それぞれが外周面を有している。第1シールリングは、その第1シールリングの外周面に対して第1中心点を有している。第2シールリングは、その第2シールリングの外周面に対して第2中心点を有している。ここで、第1および第2シールリングはそれぞれ、周方向に対して垂直に延びる長手方向軸線を有している。リングキャリアは、周方向に拡がっている。リングキャリアならびに第1および第2シールリングは、第1および第2シールリングがリングキャリア内で長手方向軸線の方向に連続して配置されているとともに、それら第1および第2シールリングの第1および第2中心点が長手方向軸線に対して径方向に相互に離間して配置されているように、相互に適合させるように設計されている。
この目的はさらに、シリンダを備えているピストン圧縮機によって解決される。ピストン圧縮機は、シリンダ内に配置されたピストンと、ピストン上に配置された本発明による少なくとも1つのピストンリングアセンブリと、を備えている。
ピストン圧縮機は、圧縮室を区画するシリンダとピストンとを備えている。ピストンは、有利には、圧縮室から出発して、長手方向軸線の方向に、第1部分セクションと、その第1部分セクションに続く第2部分セクションと、を有している。第1部分セクションに沿って、少なくとも1つのピストンリングアセンブリが配置されている。第2部分セクションに沿って、好ましくは静圧(静的圧力)を密封する少なくとも1つのピストンリングが配置されている。ピストンリングアセンブリは、好ましくは動圧成分を密封している。
この目的はさらに、シリンダと、そのシリンダの中に配置されて長手方向軸線の方向に移動可能なピストンと、によって区画される圧縮室を密封する方法で解決される。第1および第2無端シールリングを備えているピストンリングアセンブリは、ピストン上に配置される。第1および第2無端シールリングは、横方向にアイドル状態で押圧される。特に長手方向軸線に対して垂直な方向で、シリンダの内壁に対して互いに反対方向に、第1および第2無端シールリングは押圧される。シリンダの圧縮室内で上昇する内圧によって、ピストンの圧縮段階で、第1および第2無端シールリングは、シリンダの内壁に対してさらに互いに反対方向に押圧されることを特徴としている。
有利な実施形態では、本発明によるピストンリングアセンブリは、長手方向において完全に密閉されておらず、部分的にのみ密閉されている。このようなピストンリングアセンブリは、動圧成分を密封するための、圧力遮断器(圧力ブレーカ)として特に適している。
本発明によるピストンリングアセンブリは、極めて安定した設計が可能であり、高い印加圧力差、例えば500bar(50MP)までの圧力に適しており、特に水素を圧縮するのに適しているという利点を有している。本発明によるピストンリングアセンブリが極めて安定している理由の1つは、シールリングが無端(エンドレス)かつワンピース(一部品、一体)設計であるとともに、シールリングは、好ましくは摩耗性材料、特に青銅、ネズミ鋳鉄(グレーキャストアイロン)、または焼結鉄などの金属で、もしくはPTFEまたは充填PTFE、もしくはPEEK、PI、またはエポキシなどの高温ポリマーなどのプラスチックで、構成されていることである。本発明によるピストンリングアセンブリは、シリンダ内壁に互いに反対方向に押し付けられる2つのシールリングを備えて構成されている。その結果、各シールリングは、一方の側でシリンダの内壁に押し付けられるので、長手方向軸線に関して、特にシールリングが既に何らかの摩耗を示す場合、シールリングと、反対側のシリンダ内壁と、の間に小さな隙間が形成される。本発明によるピストンリングアセンブリは、長手方向に連続して配置された2つのシールリング、すなわち第1シールリングおよび第2シールリングを備えている。第1シールリングは、長手方向軸線に対して一方の側でシリンダ内壁に押し付けられており、第2シールリングは、長手方向軸線に対して反対側でシリンダ内壁に押し付けられている。これによって、長手方向において非常に良好なシール効果が得られるが、本発明によるピストンリングアセンブリは、シールリングとシリンダ内壁との間に発生し得る小さな隙間によって、必ずしも長手方向軸線方向において完全にシールされるわけではない。したがって、本発明によるピストンリングアセンブリは、いわゆる圧力遮断器(圧力ブレーカ)配置として特に適しており、そのタスク(課題)は、圧縮中に発生する圧力ピークを破壊または封鎖することであるが、そのような圧力遮断器配置は、長手方向軸線の方向に一定の漏れを有していてもよい。したがって、本発明によるピストンリングアセンブリは、動的に作用する圧力の力をかなり低減することができるという特別な利点を有しており、その結果、好ましくは本質的に静圧のみがピストンの第2セクションに沿って配置されて静圧を封鎖するピストンリングに作用している。もはや高い圧力成分を有している動圧はなく、かなり小さな圧力の力が、静圧を封鎖するピストンリングに作用しているので、ピストンリングの耐用期間またはサービス寿命はかなり増加することになる。
以下、本発明をいくつかの実施形態に基づき詳細に説明する。
実施形態の説明に用いる図面には、以下のものが示されている。
ピストンリングアセンブリの斜視分解図。 図1に示すリングキャリアの上面図。 図1に示されたシールリングの上面図。 図2に示されたリングキャリアの底面図。 交差線A-Aに沿ったリングキャリアを通る断面図。 図4の中央部の詳細図。 弛緩状態にあるピストンリングアセンブリを通る縦断面図。 シリンダと、ピストンと、および、ピストン内に配置されたピストンリングアセンブリと、を通る縦断面図。 図7に示すピストンリングアセンブリの上面図。 図7によるピストンリングアセンブリの交差線B-Bに沿った断面図。 図8によるピストンリングアセンブリの交差線D-Dに沿った断面図。 図8によるピストンリングアセンブリの交差線C-Cに沿った断面図。 図8による長手方向断面の詳細な特徴図。 ピストンリングアセンブリが中に配置されたピストンの側面図。 弛緩状態におけるピストンリングアセンブリの更なる実施形態を通る縦断面図。 弛緩状態にあるピストンリングアセンブリの更なる実施形態の上面図。 ピストンリングアセンブリの更なる実施形態を通る断面の詳細図。 ピストンリングアセンブリの更なる実施形態を通る断面の詳細図。 図2に示されるリングキャリアの更なる実施形態の底面図。 シールリングの更なる実施形態の上面図。 弛緩した状態の更なるピストンリングアセンブリを通る縦断面図。
原則として、図面において、同じ部品には同じ参照符号が付されている。
図1は、第1無端シールリングとしての第1シールリング2と、第2無端シールリングとしての第2シールリング4と、および、ワンピースまたは1部品リングキャリアとしてのリングキャリア3と、を備えているピストンリングアセンブリ1の第1実施形態を示している。
図2は、図1に示すリングキャリア3の平面図である。リングキャリア3は、リングキャリア中心点Mを中心として周方向Uに円状に拡がっている。リングキャリア3は、リングキャリア中心点Mを通るとともに周方向Uに対して垂直に延びる長手方向軸線Lを有している。リングキャリア3は、周方向Uの両側のそれぞれに端部3aを有している。両方の端部3aは、周方向Uに互いに離間することで、突部(バット)または隙間(ギャップ)Sを形成している。隙間Sは、好ましくは、周方向Uにおける幅が、第1シールリング2の外周長さ(アウターサーカムファレンシャル)の1%以上5%以下の範囲にある。第1シールリング2は、好ましくは、30mm以上250mm以下の範囲の直径を有しており、従って、好ましくは、94mm以上785mm以下の範囲の外周長さを有している。リングキャリア3は、長手方向軸線Lの方向に延びる第1リングキャリアウェブ3eを備えて構成されている。第1リングキャリアウェブ3eは、周方向Uにおいてリングキャリア中心点Mと同心に拡がる(延びる)とともに、一定の壁厚Dを有している。第1リングキャリアウェブ3eの凹状内面3gは、内半径Rを有している。第1リングキャリアウェブ3eの凸状外面3iは、第1外半径Rを有している。リングキャリア3は、第1リングキャリアウェブ3eを超えて長手方向軸線Lに対して径方向に突出する中間ウェブ3dも備えている。第1リングキャリアウェブ3eと中間ウェブ3dは、第1シールリング2を受け入れるための第1凹部3bを形成している。第1凹部3bは、長手方向軸線Lに対して垂直に拡がる軸受面3l(3エル)と、凸状外面3iと、によって境界を形成している。
図3は、第1中心点Mを有しているとともに内半径RD1および外半径RD2を有している、第1シールリング2の上面図である。任意選択的に、第1シールリング2は、例えば、図3に破線で示すように、第1中心点Mに向かって突出するノーズ(鼻)状などの、固定部または回転防止装置2cを構成することも可能にされている。図3はまた、第2シールリング4の上面図であり、図示の実施形態では、第2シールリング4は第1シールリング2と同一の設計である。第2シールリング4は、第2中心点Mを有しているとともに、順に内半径RD1および外半径RD2を有しており、また任意に固定部(4c)を有していることができる。さらに、両第1および第2シールリング2、4は、端面において外周面2a、4aと内周面2d、4dとを有している。好ましくは、図3に示すように、第1および第2シールリング2、4は、同一デザインである。しかし、第1シールリング2および第2シールリング4は、それぞれ異なる内半径RD1を有していることも可能にされている。
図4は、図2に示すリングキャリア3の、背面側を示す平面図である。リングキャリア3は、第1および第2シールリング2、4が長手方向軸線Lの方向に次々と配置されているとともに、第1および第2シールリング2、4の第1および第2中心点M、Mが長手方向軸線Lに対して径方向および横方向に互いに距離を置いてまたはオフセットして配置されるように、第1および第2シールリング2、4を受け入れるように設計されている。リングキャリア3は、第2リングキャリアウェブ3fを備えている。第2リングキャリアウェブ3fの凹状内面3gは、リングキャリア中心点Mに対して同心状に周方向Uに拡がっているので、第1リングキャリアウェブ3eと第2リングキャリアウェブ3fとの共通の凹状内面3gは、それぞれ長手方向軸線Lの方向に同一の凹状コースを有しているかまたは同一のコースを有しているように、リングキャリア中心点Mに対して周方向に拡がっている。第2リングキャリアウェブ3fは、長手方向軸線Lに対して周方向Uに拡がる(延びる)とともに、さらに長手方向軸線Lの方向に延びている。リングキャリア3は順に、第2リングキャリアウェブ3fを越えて長手方向軸線Lに対して径方向に突出する中間ウェブ3dを備えて構成されている。第2リングキャリアウェブ3fは中間ウェブ3dと同様に、第2無端シールリングとしての第2シールリング4を受け入れるための第2凹部3cを形成している。第2凹部3cは、長手方向軸線Lに対して垂直に拡がる中間ウェブ3dの軸受面3kと、第2リングキャリアウェブ3fの凸状外面3hと、によって境界が形成されている。第2リングキャリアウェブ3fの凹状内面3gは、図2でも分かるように、リングキャリア中心点Mに対して同心円状に拡がっており、第1リングキャリアウェブ3eと同じ内半径Rを有している。図2に示す第1リングキャリアウェブ3eは、周方向Uに沿って一定の壁厚Dを有している。一方、図4に示す第2リングキャリアウェブ3fは、周方向Uに変化する壁厚を有している。第2リングキャリアウェブ3fの凸状外面3hが第3中心点Mに対して同心円状に拡がるように、第2リングキャリアウェブ3fは設計されている。第3中心点Mは、図4に示すようにおよび図6にさらに詳しく示すように、リングキャリア中心点Mに対してわずかに左方にズレている。図4は、リングキャリア3が対称となる対称面Nを示す。第3中心点Mがリングキャリア中心点Mに対してわずかに左にズレているので、第2リングキャリアウェブ3fは、対称面Nとリングキャリア3との交点の領域において、第1リングキャリアウェブ3eの壁厚Dよりも狭い壁厚Dを有している。さらに第2リングキャリアウェブ3fの壁厚は、対称面Nにおける狭い壁厚Dから始まって、周方向Uにおいて隙間(ギャップ)Sに向けて広い壁厚Dへと増加するようになっている。図4は、第1補助線Nと第2補助線Nを示しており、第1補助線Nはリングキャリア中心点Mを通り、第2補助線Nは第3中心点Mを通る。よって、特に図6から分かるように、第1補助線Nと第2補助線Nとのオフセットは、リングキャリア中心点Mと第3中心点Mとの間の中心距離Mを表すことになる。第1および第2シールリング2、4の第1および第2中心点M、M間の中心距離Mは、好ましくは0.1mm~10mmの範囲である。
図6は、図4の中心を拡大した詳細図であり、前述した特徴、すなわち、リングキャリア中心点Mと第3中心点Mが、中心距離Mだけ相互に離間していることが示されている。図4に示すリングキャリア3に第1シールリング2と第2シールリング4とを配置した場合、第1シールリング2の第1中心点Mはリングキャリア中心点Mと同一であり、第2シールリング4の第2中心点Mは第3中心点Mと同一である。このようにして、リングキャリア3に一緒に配置される第1シールリング2と第2シールリング4は、リングキャリア3において、長手方向軸線Lに対して径方向に、リングキャリア3によって予め定められた相互距離で相互に保持される。図1、図2、図4は、リングキャリア3が弛緩した状態を示している。後述するように、リングキャリア3は弾性変形可能にされているので、リングキャリア3の弾性変形の程度に応じて、リングキャリア中心点Mと第3中心点Mとの間の中心距離Mが変化し得ることを意味する。
図5は、図4による交差線A-Aに沿ったリングキャリア3を通る断面を示している。これは特に、第1リングキャリアウェブ3eが壁厚Dを有しており、第2リングキャリアウェブ3fが交差線A-Aでより狭い壁厚Dを有していること、を示している。言い換えれば、第3中心点Mに対して同心円状に拡がる凸状外面3hが、選択した表現において、リングキャリア中心点Mに対して同心円状に拡がる凸状外面3iに対して左方にズレていることを示す。選択された表現において、リングキャリア中心点Mに対して同心円状に拡がる凸状外面3iは、中心距離Mだけ、左にズレている。2つの凸状外面3h、3iのコースが、第1および第2シールリング2、4の中心の位置を決定しているので、第1シールリング2の第1中心点Mおよび第2シールリング4の第2中心点Mは、同様に中心距離Mに対応する相互間隔を有している。
図7は、図4に示す対称面Nに沿った、ピストンリングアセンブリ1の実施形態を通る縦断面を示しており、ピストンリングアセンブリ1は、リングキャリア3と第1および第2シールリング2、4とを備えて構成されている。リングキャリア3および第1および第2シールリング2、4をより良く表現するために、図7~図12に示すピストンリングアセンブリ1では、図1~図6による実施形態と比較して、リングキャリア3ならびに第1および第2シールリング2、4が拡大して示されており、一方、内半径Rは縮小されて示されている。第1および第2シールリング2、4またはそれらの第1および第2中心点M、Mは、リングキャリア3において中心距離(中心点距離)Mだけ相互にオフセットされている。図7に示すリングキャリア3および図1、図2、図4、図5、図9、図10に示すリングキャリア3は、いずれも弛緩した状態である。図7はまた、長手方向軸線Lに関して互いに反対側に配置された外面同士、すなわち、第1シールリング2の2つの外周面(外面)2a、2bと、第2シールリング4の2つの外周面(外面)4a、4bと、および、リングキャリア3および中間ウェブ3dの2つの外周面(外面)3m、3nと、をそれぞれ示している。
図9は、図7に示されたピストンリングアセンブリ1の上面図を示しており、それによって、第2シールリング4にわたって長手方向軸線Lに対して径方向で右方に突出するリングキャリア3の中間ウェブ3dは、示されていない。さらに、図9は、リングキャリア中心点M、第1中心点M、第2中心点M、ならびに第3中心点M、および中心距離M、を示している。
図10は、交差線B-Bに沿って図7に示すピストンリングアセンブリ1を通る断面を示している。第1リングキャリアウェブ3eおよび第1シールリング2は、それぞれリングキャリア中心点Mおよび長手方向軸線Lに対して、同心円状に拡がる。
図7に示すように、中間ウェブ3dは、周方向Uに拡がっている外周面3m、3nを有している。外周面3m、3nは、長手方向軸線Lに対して径方向外方に向けられている。第1凹部3bは、長手方向軸線Lに対して径方向に、第1凹部3bに配置すべき第1シールリング2と同じ幅を有している。よって、右方に示す図において、外周面3mと、第1シールリング2の外周面2bと、の両方はシリンダ11の内壁に対して一緒に耐えることができる。外周面3m、2bの両方は、ピストン10の動作中にシリンダ11の内壁としてのシリンダ内壁11aに対して耐える領域で、摩耗を受けることが可能にされている。
図8は、往復動圧縮機を通る縦断面図である。往復動圧縮機は、シリンダ内壁11aを有しているシリンダ11を備えているとともに、このシリンダ11内に長手方向軸線L方向に移動可能に配置されているピストン10を備えている。ピストン10は、いわゆるビルドピストンとして構成されており、第1ピストン部品10aと第2ピストン部品10bとを備えている。第1ピストン部品10aと第2ピストン部品10bとは、ピストンリングアセンブリ1が配置される中間空間を形成している。ピストン10は、複数のピストン部品(10a、10b)と、特に長手方向軸線Lの方向にそれら複数のピストン部品の中間空間に連続して配置された複数のピストンリングアセンブリ1と、を備えて構成されてもよい。図7に示すピストンリングアセンブリ1をシリンダ11の内部に導入するべく、図7に示すように、ピストンリングアセンブリ1の両側で、第1および第2シールリング2、4および/またはリングキャリア3に力Fを作用させる。そうすることによってリングキャリア3を弾性変形させることで、第1および第2シールリング2、4の中心同士の相互距離としての中心距離M、すなわち長手方向軸線Lに対して径方向における第1シールリング2の第1中心点Mと第2シールリング4の第2中心点Mとの間の距離、をシリンダ11内に収容することができるようにする。リングキャリア3の弾性変形によって、第1および第2シールリング2、4に対して反力が作用する。図8に示す実施形態では、リングキャリア3は、第2シールリング4に対して径方向に作用する第1力FR1を作用させるとともに、同時に、リングキャリア3は、径方向に作用する第1力FR1とは逆方向に作用する力、すなわち第1シールリング2に対して径方向に作用する第2力FR2を作用させる。また、第2シールリング4は、凸状外面3hを介して左方のリングキャリア3に接触しているので、第2シールリング4は、左方に示す図において、シリンダ内壁11aに径方向に作用する力FR3を作用させる。リングキャリア3の弾性変形によって、凸状外面3hと第2シールリング4との間には、右方に隙間が形成されている。第1シールリング2は、凸状外面3iを介して右方のリングキャリア3に接触しているので、第1シールリング2には、図示右方の図においてシリンダ内壁11aに径方向に作用する力FR4が作用している。このとき、リングキャリア3の弾性変形によって、凸状外面3iと第1シールリング2との間には左方に隙間が形成されている。このように、本発明によるピストンリングアセンブリ1は、第1シールリング2がその第1シールリング2の外周面2bでシリンダ内壁11aに押し付けられるとともに、第2シールリング4がその第2シールリング4の外周面4bでシリンダ内壁11aに反対側に押し付けられる、という特徴を有している。図11は、図8に示すピストンリングアセンブリ1をD-D方向から見た上面図であるので、これによって、第1ピストン部品10a、第2ピストン部品10b、およびシリンダ11、は図11に図示されていない。リングキャリア3の変形によって、第2シールリング4と凸状外面3hとの間に右方に隙間が形成されるので、長手方向軸線Lに対して垂直に拡がる軸受面3kが視認可能になっている。図12は、交差線C-Cに沿って図8に示すピストンリングアセンブリ1を通る断面を示しているので、第1ピストン部品(部分)10a、第2ピストン部品(部分)10b、およびシリンダ11、は示されていない。リングキャリア3の変形によって、第1シールリング2と凸状外面3iとの間の左方に、隙間が形成される。なお、図11および図12では、リングキャリア3の変形を縮尺して示さず、表示のみとしている。
図13は、図8に示す縦断面を若干拡大した拡大断面図を示す。新品時、第1および第2シールリング2、4は、シリンダ11の内径(インサイドダイアミタ)と同じ外径(アウトサイドダイアミタ)、好ましくはシリンダ11の内径よりも小さい外径、のいずれかを有している。第1および第2シールリング2、4の外径は、シリンダ11の内径よりも0.1%以上小さいことが好ましく、特に好ましくは3%以上小さいことである。シリンダ11は、好ましくは、30mm以上250mm以下の範囲内の内径を有している。図8で説明したように、リングキャリア3は、図示の図において、第2シールリング4を左方のシリンダ内壁11aに押し付けるので、図13に示すように、右方のシリンダ内壁11aと、第2シールリング4の外周面4aと、の間に隙間Sが形成される。また、図8で説明したように、第1シールリング2は、リングキャリア3によって右方のシリンダ内壁11aに対して反対方向に押圧されているので、図13には図示しない左方のシリンダ内壁11aと、第1シールリング2と、の間には、図示しない隙間Sが形成される。
本発明によるピストンリングアセンブリ1をシリンダ11の内部に挿入する前に、リングキャリア3を弾性変形させることで、ピストンリングアセンブリ1がシリンダ11の内部に収まるようにする必要がある。シリンダ11の内部に挿入された後、図8および図13に示すように、ピストンリングアセンブリ1は、シリンダ11の内壁であるシリンダ内壁11aの間に挟み込まれた状態になっている。往復圧縮機の減圧状態、すなわち圧縮機が停止しているとき、およびピストン10が静止しているとき、それぞれ、図8に示すように、第1シールリング2および第2シールリング4は、力FR3およびFR4でそれぞれ反対方向にシリンダ内壁11aに押し当てられる。リングキャリア3の設計と、シリンダ11内でのリングキャリアの弾性変形と、によって、第1シールリング2と第2シールリング4は、静止状態でシリンダ内壁11aに押圧されるようになっている。このように、第1シールリング2および第2シールリング4は、静止状態において、その後の圧縮工程にとって重要な初期位置をとる。図8に示すピストン10が上方に移動した場合、またはピストン10の移動によって圧縮室14が縮小されることで、圧縮室14の内容物が圧縮された場合、結果、圧縮室14内に位置する流体の圧力が上昇する。この圧力上昇によって、第1シールリング2および第2シールリング4がそれぞれさらに大きな力FR3、FR4でシリンダ内壁11aに押し付けられるので、圧縮される流体の圧力が高くても、シリンダ内壁11aに対する第1および第2シールリング2、4の十分に大きな接触力を確保することができる。
本発明によるピストンリングアセンブリ1は、第1シールリング2と第2シールリング4とを備えており、両第1および第2シールリング2、4は環状で無端(エンドレス)、すなわち周方向に360°拡がっており、隙間を有しない。この環状(リング状)設計は、第1および第2シールリング2、4を特に安定して設計することができるという利点を有しているとともに、第1および第2シールリング2、4の強度は、作用圧力に適合した材料の選択によって高めることもできるので、第1および第2シールリング2、4のコールドフローを回避することが可能にされている。したがって、本発明によるピストンリングアセンブリ1は、例えば500bar(50MP)までの非常に高い最終圧力まで流体を圧縮することに適しているので、特に水素を圧縮するためにも特に適している。このようなシールリングは、摩耗性材料、特に青銅、ネズミ鋳鉄、または焼結鉄などの金属で、もしくはPTFEまたは充填PTFE、もしくはPEEK、PI、またはエポキシなどの高温ポリマーなどのプラスチックで、作られる。
リングキャリア3は、摩耗性材料で作られてもよいが、そうである必要はない。リングキャリア3は、好ましくは金属、特に鋼、ステンレス鋼、青銅、またはネズミ鋳鉄、もしくはプラスチック、特にPTFEまたは充填PTFE、もしくはPEEK、PI、またはエポキシなどの高温ポリマーで作られる。
図14は、長手方向軸線Lの方向に延びるピストン10の側面図である。図示しないシリンダ11と、ピストン10と、は圧縮室14を区画している。圧縮室14から出発して、ピストン10は、長手方向軸線Lの方向において、第1部分セクションA1と、その第1部分セクションA1に続く第2部分セクションA2と、を有している。第1部分セクションA1に沿って、少なくとも1つのピストンリングアセンブリ1が配置されている。図示の実施形態例では、長手方向軸線Lの方向に相互に間隔をあけて、4つのピストンリングアセンブリ1が存在する。第2部分セクションA2に沿って、静圧を密封する少なくとも1つのピストンリング13が配置されている。図示の実施形態例では、長手方向軸線Lの方向に相互に間隔を置いて5つのピストンリング13が存在する。さらに、ピストン10には、ガイドリング15も配設されている。このような静圧を密封するピストンリング13は、例えば、特許文献3または特許文献4に開示されている。好ましくは、少なくとも1つのピストンリングアセンブリ1は、少なくとも動圧成分を低減する。好ましくは、圧縮室14内に存在する圧力は、2種類の方法で、ピストン10に沿って長手方向軸線Lの方向に低減される。2種類の方法は、長手方向軸線Lの方向において、圧縮室14から始まって、ピストン10の第1部分セクションA1に沿って動圧成分が低減されることと、第1部分セクションA1に続く第2部分セクションA2において静圧成分(静的圧力コンポーネント)が低減されることと、である。
図15は、ピストンリングアセンブリ1の更なる実施形態を示している。図7に示す実施形態とは対照的に、図15に示す実施形態におけるリングキャリア3は、外周面3mが長手方向軸線Lに向かって変位するように、より小さい外径を有している。リングキャリア3の外径は、ピストンリングアセンブリ1の外径よりも小さくなっている。この実施形態には、第1シールリング2および第2シールリング4のみがシリンダ内壁11aに接触できることと、または、シリンダ内壁11aによる反力(F)が第1シールリング2および第2シールリング4を介してのみピストンリングアセンブリ1に導入されることと、が確保されるという利点がある。
図15に示されるように、ピストンリングアセンブリ1に、リングキャリア3に対して長手方向軸線Lに対して径方向外方に作用する力を及ぼすバネ12を設けることが有利であることが判明する場合がある。図15に示す実施形態例は、周方向Uに延びるバネ12を示している。このバネ12は、周方向に延びてリングキャリア3の凹状内面3gに設けられた溝3oに、周方向Uに配置されることが好ましい。バネ12は、凹状内面3gの一部円周に沿って延びることも、全周に沿って延びることも、できる。
図16は、リングキャリア3の更なる実施形態の上面図である。このリングキャリア3は、無端またはワンピース(一体)設計、特に環状設計であり、したがって図2に示す実施形態とは対照的に、突部または隙間Sを有しない。弾性材料の適切な選択によって、リングキャリア3に対して突部(S)を省略できるような弾性特性を与えることが可能にされている。
図17および図18はそれぞれ、ピストンリングアセンブリ1の更なる実施形態を通る断面の詳細図を示している。第1シールリング2および第2シールリング4は、長手方向軸線Lの進行方向に直列(1つの直ぐ次にもう1つが続くよう)に配置されているとともに、リングキャリア3内に配置されている。好ましくは、第1および第2シールリング2、4は、長手方向軸線Lの方向において互いに接触している。
ピストンリングアセンブリ1の第1シールリング2および/または第2シールリング4は、好ましくは、長手方向軸線Lに対して径方向での全周に沿って同じ幅を有している。更なる可能な実施形態では、周方向における幅も変化することが可能にされている。
図19は、リングキャリア3の更なる実施形態の底面図であり、そのリングキャリア3の上側は図2に示されるように設計されている。したがって、このようなリングキャリア3の上側と下側とは、同一である。図20は、第2シールリング4の更なる実施形態の上面図である。内周面4dと外周面4aとが同じ第2中心点Mを有している図3による第2シールリング4とは対照的に、図20による実施形態では、内周面4dまたはその内周面4dの第4中心点Mは、外周面4aまたはその外周面4aの第2中心点Mに対して、ズラされている。従って、内周面4dは、外周面4aに対して偏心して拡がる。図21は、弛緩状態のピストンリングアセンブリ1を通る縦断面を示している。ここでは、リングキャリア3の2つの側面は、図19および図2に示すように同一形状である。第1シールリング2は、図3に示すような形状である。第2シールリング4は、図20に示すような形状である。リングキャリア3は、リングキャリア中心点Mと長手方向軸線Lと、を有している。第1シールリング2の第1中心点Mは、長手方向軸線L方向においてリングキャリア中心点Mと同一位置にあるのに対し、第2シールリング4の第2中心点Mは、図示の図において中心距離(中心点間距離)M(M)だけ左方にズレて配置されている。このようにして、第1および第2シールリング2、4の第1および第2中心点M、Mが長手方向軸線Lに対して相互に径方向に間隔をおいて配置されるという技術的効果は、図7に示すように、第1および第2凹部3b、3cとその第1および第2凹部3b、3cの凸状外面3h、3iとがそれぞれ長手方向軸線Lに対して径方向にズレていることと、および/または、図20に示すように、第1シールリング2および/または第2シールリング4がそれぞれ、長手方向軸線Lに対して径方向にズレている内周面4dおよび外周面4aを有していることと、によって達成される。図7および図21は、ピストンリングアセンブリ1の2つの実施形態を示している。ピストンリングアセンブリ1の2つの実施形態の外周面2a、4aは同一に拡がるとともに、外周面2a、4aは長手方向軸線Lに対して径方向に同一の中心距離M(M)を有している。図21に示すピストンリングアセンブリ1は、図8に示すのと同じ方法でシリンダ11の内部に配置することが可能にされている。別の可能な実施形態では、第1および第2シールリング2、4の両方が、図20に示すように偏心的に構成されていてもよい。好ましくは、第1シールリング2および/または第2シールリング4は、回転防止装置4cを備えて構成されている。この回転防止装置4cは、図20に示すように、例えば、ノーズ状の構成を有していてもよい。更なる実施形態では、第1シールリング2および/または第2シールリング4の内周面2d、4dと、リングキャリア3の凸状外面3i、3hと、は図示のような円形コースを有していなくてもよく、例えば楕円形、多角形、または歯形、のコースを有していてもよい。したがって、リングキャリア3と第1および/または第2アライメントリング(2、4)と、のこのような相互成形によって回転防止装置が形成される。

Claims (17)

  1. 第1および第2無端シールリングとしての第1および第2シールリング(2、4)と、弾性リングキャリアとしてのリングキャリア(3)と、を備えているピストンリングアセンブリ(1)であって、
    前記第1および第2シールリング(2、4)は周方向(U)に延びているとともにそれぞれ外周面(2a、4a)を有しており、
    前記第1シールリング(2)はその前記外周面(2a)に対して第1中心点(M)を有しており、
    前記第2シールリング(4)はその前記外周面(4a)に対して第2中心点(M)を有しており、
    前記第1および第2シールリング(2、4)はそれぞれ前記周方向(U)に対して垂直に延びる長手方向軸線(L)を有しており、
    前記リングキャリア(3)は前記周方向(U)に拡がっており、
    前記リングキャリア(3)および前記第1および第2シールリング(2、4)は、前記第1および第2シールリング(2、4)が前記リングキャリア(3)内で前記長手方向軸線(L)の方向に次々と配置されるように相互に適合されるように設計されており、
    前記第1および第2シールリング(2、4)の前記第1および第2中心点(M、M)は、前記長手方向軸線(L)に対して径方向に互いに距離を置いて配置されており、
    前記ピストンリングアセンブリ(1)の意図された使用において、前記第1および第2シールリング(2、4)はシリンダ(11)の内壁(11a)に対して反対方向に押圧される、
    ピストンリングアセンブリ。
  2. 前記リングキャリア(3)はワンピースで設計されている、
    請求項1に記載のピストンリングアセンブリ。
  3. 前記リングキャリア(3)は、前記周方向(U)に、突合せクリアランスを有している突部(S)を有している、
    請求項1または2に記載のピストンリングアセンブリ。
  4. 前記リングキャリア(3)は、前記長手方向軸線(L)に対して径方向に拡がる中間ウェブ(3d)を有しており、
    前記第1および第2シールリング(2、4)は、前記長手方向軸線(L)の方向に相互距離を置いて前記中間ウェブ(3d)に対して耐えられる、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のピストンリングアセンブリ。
  5. 前記リングキャリア(3)は、前記第1シールリング(2)を受け入れるための第1凹部(3b)と、前記第2シールリング(4)を受け入れるための第2凹部(3c)と、を備えており、
    前記第1凹部(3b)および前記第2凹部(3c)は、前記長手方向軸線(L)の方向と、前記長手方向軸線(L)に対する径方向と、の両方において、相互にオフセットされている、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のピストンリングアセンブリ。
  6. 前記リングキャリア(3)は、前記第1シールリング(2)を受け入れるための第1凹部(3b)と、前記第2シールリング(4)を受け入れるための第2凹部(3c)と、を備えており、
    前記第1凹部(3b)および前記第2凹部(3c)は、前記長手方向軸線(L)の方向にのみオフセットして配置されており、前記長手方向軸線(L)に対して径方向にはオフセットして配置されず、
    前記第1および第2シールリング(2、4)のうちの少なくとも1つは、前記外周面(2a、4a)に対して偏心して拡がる内周面(2d、4d)を有している、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のピストンリングアセンブリ。
  7. 前記第1および第2中心点(M、M)は、前記長手方向軸線(L)に対して径方向に0.1mm~10mmの間の範囲の相互距離を有している、
    請求項1~6のいずれか1項に記載のピストンリングアセンブリ。
  8. 前記ピストンリングアセンブリはさらに、前記周方向(U)に延びるスプリング(12)を備えており、
    前記スプリングは、前記長手方向軸線(L)に関して外方に働く力を前記リングキャリア(3)に対して及ぼす、
    請求項1~7のいずれか1項に記載のピストンリングアセンブリ。
  9. 前記第1および第2シールリング(2、4)は摩耗性材料、特に青銅、ネズミ鋳鉄、焼結鉄のような金属、またはPTFEまたは充填PTFE、もしくはPEEKのような高温ポリマーのようなプラスチック、からなることと、
    前記リングキャリア(3)は、金属、特に鋼、ステンレス鋼、青銅、ネズミ鋳鉄からなるか、プラスチック、特にPTFEまたは充填PTFE、もしくはPEEK、PI、エポキシのような高温ポリマー、からなることと、
    のうちの少なくとも一方が成立する、
    請求項1~8のいずれか1項に記載のピストンリングアセンブリ。
  10. 前記第1および第2シールリング(2、4)のうちの少なくとも1つは、前記長手方向軸線(L)の方向で前記リングキャリア(3)を越えて突出している、
    請求項1~9のいずれか1項に記載のピストンリングアセンブリ。
  11. 前記第1および第2シールリング(2、4)は、前記長手方向軸線(L)の進行方向においてすぐ続くように配置されている、
    請求項1~3および5~6のうちのいずれか1項に記載のピストンリングアセンブリ。
  12. シリンダ(11)を備えるピストン圧縮機であって、前記ピストン圧縮機は、
    前記シリンダ(11)内に配置されたピストン(10)と、
    前記ピストン(10)上に配置された少なくとも1つの請求項1~11のいずれか1項に記載のピストンリングアセンブリ(1)と、
    を備えている、ピストン圧縮機。
  13. 新しい状態における前記第1および第2シールリング(2、4)は、前記シリンダ(11)の内半径よりも少なくとも0.1%小さい、好ましくは少なくとも3%小さい、外半径(RD2)を有している、
    請求項12に記載のピストン圧縮機。
  14. 前記シリンダ(11)および前記ピストン(10)は圧縮室(14)を画定しており、
    前記ピストン(10)は、前記圧縮室(14)から出発して前記長手方向軸線(L)の方向に、第1部分セクション(A1)と、前記第1部分セクション(A1)に続く第2部分セクション(A2)と、を有しており、
    前記少なくとも1つのピストンリングアセンブリ(1)は、前記第1部分セクション(A1)に沿って配置されており、
    静圧を密封する少なくとも1つのピストンリング(13)は、前記第2部分セクション(A2)に沿って配置されている、
    請求項12または13に記載のピストン圧縮機。
  15. 圧縮室(14)を密封する方法であって、前記圧縮室(14)はシリンダ(11)と、前記シリンダ(11)の中に配置されているピストン(10)と、によって画定されており、前記ピストン(10)は長手方向軸線(L)の方向に移動可能にされており、
    第1および第2無端シールリング(2、4)は前記ピストン(10)上に配置されており、
    前記第1および第2無端シールリング(2、4)は、静止状態において、前記長手方向軸線(L)に対して横方向に互いに反対方向に前記シリンダ(11)の内壁(11a)に押し付けられており、
    前記シリンダ(11)の前記圧縮室(14)内で上昇する内圧によって、前記ピストン(10)の圧縮段階において、前記第1および第2無端シールリング(2、4)は互いに反対方向に前記シリンダ(11)の内壁(11a)に対してさらに押し付けられる、
    方法。
  16. 前記ピストン(10)に沿った圧力は2つの異なる方法で低減されており、
    前記長手方向軸線(L)の方向において、前記圧縮室(14)から始まって、動圧成分は、前記ピストン(10)の第1部分セクション(A1)に沿って低減されており、
    前記第1部分セクション(A1)に続く第2部分セクション(A2)において静圧成分は低減される、
    請求項15に記載の方法。
  17. 動圧成分を密封するための圧力遮断器としての、
    請求項1~11のいずれか1項に記載のピストンリングアセンブリの使用。
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