JP2023516536A - 色域による投影システム及び方法 - Google Patents
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Abstract
第1のプロジェクションデバイスと、第2のプロジェクションデバイスと、少なくとも1つの空間変調器と、電子プロセッサとに関するプロジェクションシステム及び方法であって、電子プロセッサは、2次元ビデオデータを受信し、第1の色域の第1の複数の強度値と、第2の色域の第2の複数の強度値とを生成し、複数の正の画素値と複数の負の画素値とを生成するため、第2の色域の複数の画素値から輝度閾値を減算し、第2の色域の残差を取得するため、複数の画素値の各々を所定の値に設定し、残差を第1の色域に加算し、出力色域を生成するため、第1の色域及び第2の色域に最大化された画素値を加算し、合成された色域を生成するため、負の色域と出力色域とを合成する。
Description
[関連出願の相互参照]
本出願は、参照によってここに援用される、2020年1月30日に出願された米国仮特許出願第62/967,821号、及び2020年12月14日に出願された米国仮特許出願第63/125,160号に対する優先権を主張する。
本出願は、参照によってここに援用される、2020年1月30日に出願された米国仮特許出願第62/967,821号、及び2020年12月14日に出願された米国仮特許出願第63/125,160号に対する優先権を主張する。
[1.本開示の技術分野]
本出願は、一般に画像をレンダリング及び投影するためのシステム及び方法に関する。
本出願は、一般に画像をレンダリング及び投影するためのシステム及び方法に関する。
[2.関連技術の説明]
3次元(3D)画像を表示可能なディスプレイは、一緒に閲覧されるとき、3D画像の外観を与える2つの異なる原色(primary)セット(“6つの原色”又は6P)を利用して、左目画像と右目画像とを表示してもよい。そのようなディスプレイはまた、2次元(2D)画像を表示するのに利用されうる。
3次元(3D)画像を表示可能なディスプレイは、一緒に閲覧されるとき、3D画像の外観を与える2つの異なる原色(primary)セット(“6つの原色”又は6P)を利用して、左目画像と右目画像とを表示してもよい。そのようなディスプレイはまた、2次元(2D)画像を表示するのに利用されうる。
本開示の各種態様は、広範な色域画像をレンダリングするための装置、システム及び方法に関する。
本開示の一例となる態様では、プロジェクションシステムであって、第1のプロジェクションデバイスと、第2のプロジェクションデバイスと、少なくとも1つの空間変調器と、電子プロセッサと、を有し、前記電子プロセッサは、2次元ビデオデータを受信し、前記ビデオデータから、第1の色域の仮想原色の第1の複数の強度値と、第2の色域の仮想原色の第2の複数の強度値とを生成し、複数の正の画素値と複数の負の画素値とを生成するため、前記第2の色域の複数の画素値から輝度閾値を減算し、前記第2の色域の残差を取得するため、前記第2の色域の前記複数の負の画素値の各々を所定の値に設定し、前記第2の色域の残差を前記第1の色域に加算し、出力色域を生成するため、2次元の画像データ内の前記第1の色域及び前記第2の色域に最大化された画素値を加算し、合成された色域を生成するため、前記プロジェクションシステムの本来の色域と前記出力色域とを合成し、前記合成された色域に基づいて前記第1のプロジェクションデバイスと前記第2のプロジェクションデバイスとを駆動する、よう構成される、プロジェクションシステムが提供される。
本開示の他の一例となる態様では、第1のプロジェクションデバイスと、第2のプロジェクションデバイスと、少なくとも1つの空間変調器とを含むプロジェクションシステムによる広範な色域画像をレンダリングする方法であって、2次元ビデオデータを受信することと、前記ビデオデータから、第1の色域の仮想原色の第1の複数の強度値と、第2の色域の仮想原色の第2の複数の強度値とを生成することと、複数の正の画素値と複数の負の画素値とを生成するため、前記第2の色域の複数の画素値から輝度閾値を減算することと、前記第2の色域の残差を取得するため、前記第2の色域の前記複数の負の画素値の各々を所定の値に設定することと、前記第2の色域の残差を前記第1の色域に加算することと、出力色域を生成するため、2次元の画像データ内の前記第1の色域及び前記第2の色域に最大化された画素値を加算することと、合成された色域を生成するため、前記プロジェクションシステムの本来の色域と前記出力色域とを合成することと、前記合成された色域に基づいて前記第1のプロジェクションデバイスと前記第2のプロジェクションデバイスとを駆動することと、を有する、方法が提供される。
本開示の他の一例となる態様では、第1のプロジェクションデバイスと、第2のプロジェクションデバイスと、少なくとも1つの空間変調器とを含むプロジェクションシステムのプロセッサによって実行されると、2次元ビデオデータを受信することと、前記ビデオデータから、第1の色域の仮想原色の第1の複数の強度値と、第2の色域の仮想原色の第2の複数の強度値とを生成することと、複数の正の画素値と複数の負の画素値とを生成するため、前記第2の色域の複数の画素値から輝度閾値を減算することと、前記第2の色域の残差を取得するため、前記第2の色域の前記複数の負の画素値の各々を所定の値に設定することと、前記第2の色域の残差を前記第1の色域に加算することと、出力色域を生成するため、2次元の画像データ内の前記第1の色域及び前記第2の色域に最大化された画素値を加算することと、合成された色域を生成するため、前記プロジェクションシステムの本来の色域と前記出力色域とを合成することと、前記合成された色域に基づいて前記第1のプロジェクションデバイスと前記第2のプロジェクションデバイスとを駆動することと、を有する処理をプロジェクションシステムに実行させる命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体が提供される。
このようにして、本開示の各種態様は、ハイダイナミックレンジ、高解像度及び広範な色域を有する画像の表示を提供し、画像プロジェクション、ホログラフィ、信号処理などの少なくとも技術領域における効果的な改善を提供する。
同様の参照番号が同一又は機能的に類似する要素を示す添付の図面は、以下の詳細な記載と共に、別々の図全体を通して、本明細書に組み込まれ、その一部を形成し、概念の実施例をさらに例示し、それらの実施例の様々な原理及び効果を説明するのに役立つ。
当業者は、図中の要素が簡略化及び明瞭化のために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解するであろう。例えば、図中の要素のいくつかのサイズは、本開示の実施例の理解を向上させるのを助けるために、他の要素に対して誇張されうる。
装置及び方法の構成要素は、適宜、図面のシンボルによって表されており、ここでの記載の恩恵を受ける当業者に容易に明らかとなる詳細によって本開示を不明瞭にしないように、本開示の実施例を理解するのに関連する具体的な詳細のみを示している。
上述のように、3D画像を投影するように構成されたいくつかの6Pディスプレイは、2D画像を投影/表示するために利用されうる。3D画像を投影するとき、6つの原色が、左目画像のための3つの原色(赤色、緑色及び青色)の1つのセットと、右目画像のための3つの原色の他のセットとを使用して、左目画像及び右目画像を表示するために使用される。そのようなディスプレイと共に使用される3Dメガネは、各目が適切な画像を見ることを可能にするため、対応するフィルタ(帯域通過フィルタなど)を有しうる。2次元画像は、観察者が3Dメガネを着用する必要なく、同じデータを用いて原色光源の各ペアを駆動することによって、3Dディスプレイによって表示することができる。例えば、2D赤色データ値は、red1及びred2原色の双方を駆動するのに使用される。同様に、2D緑色データ値は、green1原色とgreen2原色の双方を駆動するのに使用され、2D青色データ値は、blue1原色とblue2原色の双方を駆動するのに使用される。システムは、組み合わされた原色で較正され、画像を生成することができる。しかしながら、結果として生じる色域は、所望の色域に関して著しく制限されうる(例えば、制作及び国際的な番組交換のための超高精細テレビジョンシステムのための確立された勧告ITU-R BT.2020(08/2012)パラメータ値、以後Rec2020色域と呼ばれる)。3Dカラーボリュームの結果として生じる色域を増加させることは、クロマクリッピングなどの色度誤差の入射角の低減をもたらすことができ、3Dカラーボリューム内に適合しないピクセルをクリッピングするときに色相を保持することができる。
本開示及びその態様は、コンピュータによって実現される方法、コンピュータプログラムプロダクト、コンピュータシステム及びネットワーク、ユーザインタフェース及びアプリケーションプログラミングインタフェースによって制御されるハードウェア又は回路と共に、ハードウェアにより実現される方法、信号処理回路、メモリアレイ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイなどを含む、様々な形態で実施することができる。上記の概要は、本開示の様々な態様の一般的な概念を与えることのみを意図しており、本開示の範囲を限定するものではない。
以下の説明では、本開示の1つ以上の態様の理解を提供するため、回路構成、波形タイミング、回路動作などの多くの詳細が記載される。これらの特定の詳細は単なる例示であり、本出願の範囲を限定することを意図しないことは、当業者には容易に明らかであろう。
さらに、本開示は、受信されたビデオデータがRec2020のものである具体例に主として着目するが、これは、実施の一例にすぎず、他のカラー空間が利用されうることが理解されよう。開示されるシステム及び方法は、6原色ディスプレイ上の2D画像のレンダリングを向上させるため、任意のプロジェクションシステムにおいて使用されうることがさらに理解されるであろう。
[プロジェクタシステム]
説明を容易にするために、ここに提示される例示的なシステムの一部又は全ては、その構成要素のそれぞれの単一の例示とともに示される。いくつかの具体例は、システムの全ての構成要素を説明又は図示しなくてもよい。他の例示的な実施例は、図示の構成要素の各々をより多く又はより少なく含んでもよいし、いくつかの構成要素を組み合わせてもよいし、あるいは、追加の構成要素又は代替の構成要素を含んでもよい。例えば、いくつかの実施例では、図1B及び図1Cのシステム100は、複数の光源102を含む。
説明を容易にするために、ここに提示される例示的なシステムの一部又は全ては、その構成要素のそれぞれの単一の例示とともに示される。いくつかの具体例は、システムの全ての構成要素を説明又は図示しなくてもよい。他の例示的な実施例は、図示の構成要素の各々をより多く又はより少なく含んでもよいし、いくつかの構成要素を組み合わせてもよいし、あるいは、追加の構成要素又は代替の構成要素を含んでもよい。例えば、いくつかの実施例では、図1B及び図1Cのシステム100は、複数の光源102を含む。
上述のように、6Pシステムと呼ばれるいくつかの3Dディスプレイは、原色の2つの別個のセットを使用して、左目画像と右目画像とを同時に表示する。図1Aは、いくつかの実施例による6Pシステムのスペクトル図1である。スペクトル図1は、3つの短い波長2A、3A及び4A(ここでは短原色と呼ばれる)と、3つの長い波長2B、3B及び4B(ここでは長原色と呼ばれる)とを含む。ここで説明される例示的なディスプレイシステムは、(例えば、指定された左プロジェクタを介して)左目画像のために短原色2A、3A及び4Aと、(例えば、指定された右プロジェクタを介して)右目画像のために長原色2B、3B及び4Bとを利用するよう構成される。しかしながら、他の実現形態では、短原色2A、3A及び4Aが右目画像のために使用され、長原色2B、3B及び4Bが左目画像のために使用されてもよい。短原色2A、3A及び4Aは、例えば、それぞれ第1の青色波長、第1の緑色波長及び赤色青色波長であってもよい。長原色2B、3B及び4Bは、例えば、それぞれ第2の青色波長、第2の緑色波長及び第2の赤色波長であってもよい。第1の赤色波長は第2の赤色波長よりも短く、第1の緑色波長は第2の緑色波長よりも短く、第1の青色波長は第2の青色波長よりも短い。さらなる実施例では、短原色と長原色との組合せが、各目画像のために利用されうることを理解されたい。以下でより詳細に説明するように、各プロジェクタは、(プロジェクタの指定された原色の)変調光出力をディスプレイ又はビューイングスクリーン上に出力する。ここで説明される実施例では、左目画像と右目画像との両方が同時に表示される。
図1B及び図1Cはそれぞれ、いくつかの実施例による例示的なディスプレイシステム100のブロック図である。各システムは、ラベル付けされた、少なくともいくつかの同様に構成された構成要素を含む。ディスプレイシステム100は、ビデオデータソース101から受信した3D及び2Dビデオデータを表示するよう構成される。ディスプレイシステム100は、画像を表示するよう構成された任意のタイプのシステム、例えば、プロジェクションシステム又は発光ダイオード(LED)ディスプレイシステムであってもよい。ディスプレイシステム100は、光源102、照明光学系104、セパレータ106、1つ以上の変調器108、合成器110、プロジェクション光学系112及びコントローラ114を含む。図1B及び図1Cは、1つの光源102を示しているが、いくつかの実施例によるディスプレイシステム100は、複数の光源102を含んでもよい。システム100の構成要素は、単一プロジェクションデバイス(単一のプロジェクタなど)に収容されてもよいし、あるいは、いくつかの実施例では、複数のデバイスに収容されてもよい。例えば、いくつかの実施例では、ディスプレイシステム100の光源、変調器及び他の構成要素は、2つ以上の別個の連携するプロジェクションデバイスに分離されうる。そのような実施例では、別個の連携するプロジェクションデバイスの各々は、1つの波長セットを扱いうる。例えば、第1の別個の連携するプロジェクションデバイスは、短原色2A、3A及び4Aを分離、変調及び合成してもよく、一方、第2の別個の連携するプロジェクションデバイスは、長原色2B、3B及び4Bを分離、変調及び合成してもよい。
光源102は、コントローラ114によって駆動され、図示の実施例では、6つの原色を含む照明ビームを生成する。照明ビームは、照明光学系104を通ってカラーセパレータ106に指向される。カラーセパレータ106は、照明ビームを6つの原色ビームに分離し、各原色ビームを空間光変調器(SLM)108の関連する1つに向ける。各変調器108は、以下でより詳細に説明するように、コントローラ114からの入力に基づいて原色照明ビームを変調する。プロジェクション光学系112は、変調されたビームを集束させてイメージングビーム116を形成する。次いで、イメージングビーム116は、例えば、観察面(図示せず)上に画像を生成するために投影される。図1Bの例示的なシステムでは、左目画像と右目画像とが交互に投影されうる(「時分割多重化」とも呼ばれる)。
いくつかの実施例では、各原色は、個々の変調器108に関連付けされてもよい。あるいは、図1Bに示されるように、変調器の数は、例えば、フィールド順次変調方式を利用することによって低減されうる。いくつかの実施例では、変調器は、例えば、二重変調プロジェクタなどと同様に、各原色に対して複数の変調器を含むことができる。いくつかの実施例では、各変調器108は、原色のセットに関連付けられる。例えば、図1Aに関して上述したように、6Pシステムは、図1Cに示すように、左プロジェクタ及び右プロジェクタを含んでもよい。図1Cは、別々のモジュレータ108A及び108B、プロジェクション光学系112A及び112B(例えば、第1のプロジェクションデバイス112A及び第2のプロジェクションデバイス112B)、及びその結果として生ずる2つのイメージングビーム116A及び116Bを含むデュアルヘッドディスプレイシステム100を示し、これらの各セットは、それぞれ左目チャネル及び右目チャネルに対して指定される。変調器108A、プロジェクション光学系112A及びその結果得られるイメージングビーム116Aは、左プロジェクタ(プロジェクションヘッド)の構成要素とみなされてもよく、変調器108B、プロジェクション光学系112B及びその結果得られるイメージングビーム116Bは、右プロジェクタ(プロジェクションヘッド)の構成要素とみなされてもよい。上述のように、両方のチャネルからの光出力は、ディスプレイ又はスクリーン上に単一の結果として生じる画像を生成するよう同時に表示される。さらに、図1B及び図1Cは、ビデオデータソース101をディスプレイシステム100とは別個のものとして示しているが、いくつかの実施例では、ビデオデータソース101は、ディスプレイシステム100の内部(例えば、ディスプレイシステム100に関連付けられたメモリ内)にあってもよい。いくつかの実施例では、セパレータ106、1つ以上の変調器108及び合成器110は、セパレータ106、1つ以上の変調器108及び合成器110の第2の組み合わせがプロジェクション光学系112の前で繰り返されるように、直列に重複されてもよい。さらに、ここで説明する方法は、セパレータ106及び合成器110を含まないデバイスにおいて実行されてもよい。従って、そのようなデバイスは、多数のプロジェクタを使用して、照明ビームをスクリーン上で合成させてもよい。
図2は、いくつかの実施例によるコントローラ114のブロック図である。コントローラ114は、電子プロセッサ205、メモリ210及び入出力インタフェース215を含む。電子プロセッサ205は、(例えば、メモリ210及び/又は入出力インタフェース215から)情報を取得及び提供し、例えば、メモリ210のランダムアクセスメモリ(“RAM”)領域、メモリ210の読み取り専用メモリ(“ROM”)、又は別の非一時的コンピュータ可読媒体(図示せず)に記憶可能である、1つ以上のソフトウェア命令又はモジュールを実行することによって情報を処理する。ソフトウェアは、ファームウェア、1つ以上のアプリケーション、プログラムデータ、フィルタ、ルール、1つ以上のプログラムモジュール、及び他の実行可能命令を含むことができる。電子プロセッサ205は、複数のコア又は個別の処理部を含んでもよい。電子プロセッサ205は、メモリ210から抽出し、特にここに説明される制御処理及び方法に関連するソフトウェアを実行するよう構成される。
メモリ210は、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができ、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含む。プログラム記憶領域及びデータ記憶領域は、ここで説明されるように、異なるタイプのメモリの組み合せを含むことができる。メモリ210は、任意の非一時的コンピュータ可読媒体の形態をとるようにしてもよい。
入出力インタフェース215は、入力を受信し、システム出力を提供するよう構成される。入出力インタフェース215は、ディスプレイシステム100の内部と外部との双方のデバイス、例えば、光源102、変調器108及びビデオデータソース101などとの間で(例えば、1つ以上の有線及び/又は無線接続を介して)情報及び信号を取得及び提供する。
[画像レンダリング方法]
図3は、いくつかの実施例によるプロジェクションシステムを動作させる例示的な方法300を示すフローチャートである。例えば、方法300は、図1B及び図1Cに示されるコントローラ114と、特に図2に示された電子プロセッサ205とによって実行されるものとして説明される。
図3は、いくつかの実施例によるプロジェクションシステムを動作させる例示的な方法300を示すフローチャートである。例えば、方法300は、図1B及び図1Cに示されるコントローラ114と、特に図2に示された電子プロセッサ205とによって実行されるものとして説明される。
ブロック302において、電子プロセッサ205は、図1B及び図1Cに示されるビデオデータソース101などのビデオデータソースからビデオデータを受信する。ビデオデータは、ビデオコンテンツストリーム又はファイルからの三刺激ピクセル値を含みうる。いくつかの実施例では、ビデオデータは、Rec2020(ITU-R勧告BT.2020とも呼ばれる)などのカラー空間(又は色域)における画素値を含む。ブロック304において、電子プロセッサ205は、ビデオデータから、第1の色域の仮想原色の第1の複数の強度値を生成し、ブロック306において、当該ビデオデータから、第2の色域の仮想原色の第2の複数の強度値を生成する。特に、2D画像の色域ボリュームは、2つの仮想色域、すなわち、色域A及び色域Bに分割される。各色域は、所定の原色の特定のブレンドである仮想原色を含む。以下でより詳細に説明されるように、色域Aは、所定の色域、例えば、所定の標準的なカラー空間(例えば、Rec2020)に近づくように選択され、一方、色域Bは、所定の原色からの何れかの残留エネルギーのために利用される。言い換えれば、色域Aは、より低い輝度レベルのために使用され、色域Bは、適用可能な場合、より高い輝度レベルを実現するため追加される。いくつかの実現形態では、色域Aは、可能な限り最大の色域を実現するよう最適化される。
図3に戻って、ブロック308において、電子プロセッサ205は、第1の複数の強度値を、第1の目チャネル(例えば、第1のプロジェクションヘッドのチャネル)の所定の原色の第3の複数の強度値に変換し、第2の複数の強度値を、第2の目チャネル(例えば、第2のプロジェクションヘッドのチャネル)の所定の原色の第4の複数の強度値に変換する。いくつかの実現形態では、第1の目チャネル及び第2の目チャネルは、同じプロジェクションヘッド又はプロジェクションデバイスの別々のチャネルである。
いくつかの実施例では、ビデオデータのカラー空間(本例では、Rec2020)に近づくように各色域を最適化するため、色域A及び色域Bにブレンディング機能が適用される。言い換えれば、これらの実施例では、電子プロセッサ205は、例えば、1つ以上のブレンディング機能を介して、第1の複数の強度値及び第2の複数の強度値を第1の目チャネル(例えば、第1のプロジェクションヘッドのチャネル)の所定の原色の第3の複数の強度値に変換する。電子プロセッサ205はまた、例えば、1つ以上のブレンディング機能を介して、第1の複数の強度値及び第2の複数の強度値を第2の目チャネル(例えば、第2のプロジェクションヘッドのチャネル)の所定の原色の第4の複数の強度値に変換する。以下の式[1]及び[2]は、それぞれ左目チャネル及び右目チャネルに対してブロック308において実行されるブレンディング機能を示す。
RLGLBLのベクトルは、第3の複数の強度値、例えば、右目チャネルの原色に対応し、RSGSBSのベクトルは、第4の複数の強度値、例えば、左目チャネルの原色に対応し、ここで、Rは赤色の原色を指し、Gは緑色の原色を指し、Bは青色の原色を指し、下付き文字Lは、“長(ロング)”波長の原色を指し、下付き文字Sは、“短(ショート)”波長の原色を指す。いくつかの実施例では、右目チャネルは短波長原色を含み、一方、左目チャネルは長波長原色を含んでもよい。両方の式において、各チャネルの色域A(RAGABAを含む行列)及び色域B(RBGBBBを含む行列)は、混合行列(BAL、BBL、BAS及びBBSの行列)によってスケーリングされる。混合行列の特定の値は、原色の位置及び所定のカラー空間に基づいて決定される所定の値であってもよい。特定の値はまた、使用されるプロジェクション/ディスプレイシステム(例えば、プロジェクタヘッドのタイプ)に依存しうる。各混合行列の決定の例示的な方法は、以下でより詳細に説明される。本例では、以下の混合行列の値が使用される。
図3に戻ると、ブロック310において、電子プロセッサ205は、第3の複数の強度値及び第4の複数の強度値に基づいて、図1B及びCに示される変調器108など、少なくとも1つの空間変調器の画素レベルを動的に調整する。システム100がデュアルヘッドプロジェクションシステムである実施例では、各プロジェクションヘッドの変調器の画素レベルが調整される。
上述のように、色域Aは、所定の色域、例えば、所定の標準的なカラー空間(例えば、Rec2020)に近づくように最適化され、一方、色域Bは、所定の原色からの何れかの残留エネルギーのために利用される。以下では、受信されたビデオデータを色域A及びBに処理するためプロセッサ205によって実現される2つの例示的な方法が説明される。
色域Aを最適化する1つの方法は、ここで色域スケーリングと呼ばれる、光源102の達成可能な色域ボリューム内に適合するようビデオデータの色度をスケーリング(例えば、圧縮)することによるものである。色域スケーリング方法では、2つの関数が定義される。
変数Pは、ここでは三刺激Rec2020データであると想定される、受信されたビデオデータの画素値を表す。関数fl(P)は、色域Aのルックアップテーブルを表し、関数fu(P)は、色域Bのルックアップテーブルを表す。本実施例では、関数fl(P)は、0から0.5まで増加する線形ランプと、0.5以上では平坦な直線を定義し、関数fu(P)は、0から0.5までは平坦な直線であり、0.5から増加する線形ランプを定義する。0.5の値は、輝度閾値に対応する。いくつかの実施例では、異なる輝度閾値が利用されてもよい。
言い換えると、入力ビデオデータR2020,G2020及びB2020の各原色チャネルについて、0.5未満の輝度レベルを有する画素値(システム100のトータルの輝度範囲の50%と、色域Aの輝度範囲の100%とに対応する)は、色域A内に含まれる一方、0.5を超える画素値(色域Aの輝度範囲外にあることを意味する)は、色域Bに割り当てられる。そして、導出された色域A及び色域Bの信号は、上記のブロック308と式[1]及び[2]に関して上記で説明されたように規定された原色に変換される。
受信されたビデオデータを色域Aに処理するための別の方法は、光源102の達成可能な色域ボリューム内に適合させるため色域A及びB内に適合させるよう色度をクリッピングすることによる。まず、ソース102のカラー空間から色域A及び色域Bのそれぞれへの変換関係[C]A及び[C]Bが定義される。当該導出は、以下のように実行されてもよい。
左チャネル及び右チャネルの正規化された原色行列を把握すると、双方のチャネルにおける任意の点は、以下のように定義されうる。
ただし、X,Y及びZのベクトルは、任意の点に対応し、NPMLLL及びNPMSSSの行列はそれぞれ、右目チャネル及び左目チャネルの正規化された原色行列に対応し、RL,GL及びBLと、RS,GS及びBSとの行列はそれぞれ、右目チャネルと左目チャネルとの非正規化された行列に対応する。
上述のように、色域Aは、より低い輝度レベルのために使用される一方、色域Bは、適用可能な場合、より高い輝度レベルを達成するために使用される。全チャネルにわたって色域Aの輝度範囲が同じである色域スケーリング方法とは対照的に、ここでは閾値ベクトルが輝度閾値として利用され、これは色域Aの輝度範囲がチャネルごとに変化することを意味する。Rec2020空間における“A”色域と“B”色域との間の遷移を表す閾値ベクトルは、以下のように見出すことができる。
変数Pは、ここでは三刺激Rec2020データであると想定される、受信されたビデオデータの画素値を表す。上述した色域スケーリングの関数fl(P)及びfu(P)と同様に、関数fl(P)は、再び色域Aのためのルックアップテーブルを表し、関数fu(P)は、色域Bのためのルックアップテーブルを表す。本例では、関数fl(P)は、閾値ベクトルにおいて定義されるように、0から特定のチャネルの閾値まで増加する線形ランプと、特定の閾値以上における平坦な直線を規定する一方、関数fu(P)は、0から特定の閾値までの平坦な直線と、特定の閾値から増加する線形ランプとを規定する。ここでもまた、特定の閾値はそれぞれ、色域Aの各チャネルの輝度閾値に対応する。いくつかの実施例では、関数fl(P)及びfu(P)は、(これら関数の合計が1に等しい限り)上述の線形ランプ以外の遷移を規定してもよい。例えば、関数fl(P)及びfu(P)の一方又は双方は、平坦な直線への曲線を規定してもよい。
言い換えれば、入力ビデオデータR2020、G2020及びB2020の各原色チャネルに対して、(色域Aの特定の輝度範囲に対応する)閾値ベクトルTR、TG及びTBの対応する閾値未満の輝度レベルを有する画素値は、色域A内に含まれる一方、特定の閾値を超える画素値が、色域Bに割り当てられる(それらは、色域Aの輝度範囲外にあることを意味する)。
いくつかの実現形態では、負の値は、0ではなく1(又は白色)にクリッピングされる。導出される色域A及びBの信号は、その後に上記のブロック308と式[1]及び[2]に関して上述したように、規定された原色に変換される。
本例では、変数Pは、ここでは三刺激Rec2020データであると想定される受信したビデオデータの画素値を表す。関数fu(P)は、システムのクリッピング動作に対する上方色域の影響を計算し、閾値ベクトルに規定される特定のチャネルの閾値から正の方向増加し、同じ閾値から負の方向に減少する線形ランプを規定する。
言い換えれば、負の値である導出された色域Bの任意の強度値はまず、0にクリッピングされる。そして、導出された色域Bのそれぞれの強度値は、(1)クリッピング動作に続く強度値、又は(2)所定の閾値Lの何れかの最小値に設定される。所定の閾値は、0.5などの0と1の間の任意の値であってもよい。一例として、所定の閾値が0.5である場合、0.5を超える任意の強度値は0.5に設定され、0.5を下回る任意の強度値は同じ値のままである。
クリッピングされた色域Bの強度値は、その後に所定の標準的なカラー空間(例えば、REC2020)に変換され、以下に規定されるように、初期的なビデオデータから差し引かれる。
ここで、R2020、G2020及びB2020は、規定された標準的なカラー空間におけるビデオデータのR,G及びB値である。
その後、最大化された画素値が、色域Aに加算されて、実現された色相を維持しながら、白色を追加し、任意の負の強度値をそれぞれの色域に戻すため加えられる。いくつかの実現形態では、負の値である導出された色域Bの任意の強度値を0にクリッピングするのではなく、白色を追加するため、最大化された画素値が色域Bに追加されてもよい。ソース白色点は、以下の式に従って色域Aにおいて計算されてもよい。
上記の(1)式と(2)式はそれぞれ、第1のプロジェクションデバイス112Aと第2のプロジェクションデバイス112Bとの駆動値を計算するのに用いられる。これらの駆動値は、プロジェクタシステムの出力色域を規定する。
色域クリッピング方法は、任意のプロジェクタシステムに対してほぼ同様に作成可能な色域A及びBのエッジにカラーをクリッピングする。言い換えれば、1つのプロジェクタによって生成されたカラーは、ソース原色が同じであるか否かにかかわらず、他の任意のタイプのプロジェクタによって忠実に再現されうる。
あるいは、混合関数は、負の値をクリッピングする前に、色域A及びBに適用されてもよい。混合関数を各色域に適用することによって、各色域の値は、受信されたビデオデータのカラー空間の所定の原色の項に変換される。その後、以下に示すようにクリッピングが適用されてもよい。
当該方法は、任意のプロジェクタシステムの特定の原色に対する色域カバレッジを最大化する。
出力色域は、低輝度で3つの原色を使用し、高輝度で6つの原色を主として使用する。しかしながら、そのようなシステムは、観察者が輝度に基づいてカラーを異なって知覚するメタメリック障害を起こしやすい。例えば、色域Bのより多くが混合されるほど、プロジェクションシステムによって出力されるスペクトルの形状が変更される。これは、可能な限り6つの原色を使用し、ターゲット色域の一部に対して3つの原色の使用を制限することによって緩和されうる。いくつかの実現形態では、これは、出力色域をプロジェクションシステムの本来の色域と混合することによって実現される。本来の色域は、プロジェクタシステムに固有の色域であってもよく、プロジェクションシステムの特定の構成に基づくものであってもよい。従って、それはプロジェクタ間で変化しうる。本来の色域は、長原色と短原色との双方を等しく駆動する3つの原色Rc,Gc及びBcのセットとして規定される。例えば、以下である。
長い、短い及び本来の色域(L,S及びC色域)が同一の白色点(例えば、D65)を共有する事例があってもよい。これらの例では、白色点及び白色点の逆数との双方が[1,1,1]に等しく、白色を本来の駆動値に加える計算は、以下に還元される。
他の実現形態では、出力される色域及び本来の色域は、出力された色域の計算中に直接混合される。例えば、[BAL]+[BAS]=I3及び[BBL]+[BBS]=I3である場合(例えば、最大光が利用される)、以下となる。
従って、色域A及びBを等しく駆動することは、長い色域と短い色域とを等しく駆動することと等しい。規定される標準的なカラー空間は、関数fl(P)及びfu(P)をレンダンリングすることによって、色域AとBとの間で均等に分割されてもよい。
図4は、色度図400を示す。図400は、ディスプレイシステム100に関連付けされる色域と、ターゲット色域(ここでは、Rec2020)とを含む。色域402は、Rec2020色域である。色域404は、右目チャネルの(長)原色RL、GL及びBL(LLL原色)によって定義される色域であり、色域406は、左目チャネルの(短)原色RS、GS及びBS(SSS原色)によって定義される色域である。色域416は、同じ値(“WCG”色域)により右目チャネル及び左目チャネルの両方の原色を駆動することによって規定される色域である。図示されるように、色域408は、Rec2020色域402とは有意に異なる。色域410は仮想色域Aであり、色域412は仮想色域Bである。上述されるように、色域Aは、Rec2020色域402を可能な限り近くに近似するための仮想原色の組み合わせとして規定され、色域Bは、色域Aに利用されるエネルギーが減算された後の仮想原色の残りのエネルギー出力によって規定される。図示されるように、色域A(色域410)は、トータルの色域408と比較して、Rec2020色域402により密接に一致する。
図5Aは、図4に関して上述された色域402、404、406、408、410及び412を含む色度図500Aを説明する。色度図500Aは、入力色度(黒色でマークされた色度)と、上述された色域クリッピング方法を使用して実現される結果としての出力色度(グレー)とを含む。何れかの入力色度ポイントを出力色度ポイントに接続する直線(例えば、入力ポイント502Aと出力ポイント502Bとを接続する直線)は、入力カラーが(必要に応じて)どのように変更されたかを示す。なお、図示された図500Aでは、最大入力が輝度閾値より大きく、従って、色域Bは利用されず、上述した第2のクリッピング方法が利用された。
図5Bは、図4に関して上述された色域402、404、406、408、410及び412を含む色度図500Bを示す。色度図500Bは、入力色度(黒色)と、上述された色域クリッピング方法を使用して実現される結果としての出力色度(グレー)とを含む。図示された図500Bでは、最大入力は、輝度閾値未満であり、従って、色域Bが利用される。
上述されるように、混合行列は、Rec2020と比較した原色の位置に基づいて決定される導出値である。混合行列は、特に、右目チャネル及び左目チャネルの短原色及び長原色をそれぞれ特定の所望の位置に配置するように規定される。各原色の混合行列を決定するための例示的な方法が、以下に説明される。
図6Aは、図4の色度図400の拡張された図600Aを示す。図600Aに示されるように、短い赤色の原色RSと長い赤色の原色RLとの双方が、Rec2020色域402の外側にある。従って、Rec2020色域402内に色域Aをもたらしうる。赤色原色Rの混合行列を決定するため、1つの方法は、原色をRec2020色域に混合することである。これは、短赤色波長(RS)と色域Aの長緑色波長とを混合し、短赤色波長と赤色波長(RL)とを混合することによって行われてもよい。長短赤色波長とRec2020境界との間の距離は、得られる色度とRec2020境界との間の最小距離点又は交点を求めることによって最小化される。そして、この位置は、混合行列を規定するのに利用される。例えば、拡張された図600Aの直線は、長赤色波長と短緑色波長との混合を表す。点Aは、混合がRec2020色域と交差する場所を表す。
別の手法は、Rec2020色域に拘束されないようにするため、結果として生じる色域のカバレッジを最大化するものである。図6Bは、図4の色度図400の拡張された図600Bを示す。ここで、Rec2020色域の青色原色と緑色原色との間の直線から、長赤色(RL)波長と短赤色(RS)波長との混合までの最長距離の点である。これは、色域Aに対する長赤色と、色域Bに対する短赤色とを利用させた。
図7Aは、図4の色度図400の拡張された図700Aを示す。図700Aに示されるように、短緑色原色GSと長緑色原色GLとの双方が、Rec2020色域402を取り囲んでいる。このようにして、再度、色域AをRec2020色域402内にしてもよい。ここで、原色は、Rec2020境界を有する2つの緑色原色間の直線Bの交点を規定することによって、Rec2020色域402に拘束される。そして、この位置を使用して、混合行列が規定される。緑色の点Cは、色域Aの緑色原色が位置する点を示す。
他の方法は、Rec2020色域に拘束されないようにするため、結果として生じる色域のカバレッジを最大化するものである。図7Bは、図4の色度図400の拡張された図700Bを示す。ここで、Rec2020色域の赤色原色と青色原色との間の直線から長緑色(GL)波長と短緑色(GS)波長との混合までの最長距離の点がある。これは、短緑色波長を使用してもたらされた。
図8Aは、図4の色度図400の拡張された図800Aを示す。図800Aに示されるように、短青色原色BSと長青色原色BLとの双方が、Rec2020色域402の外側に位置している。両方の原色は、Rec2020色域402の境界に向かう。ここで、これらの原色は、長青色原色と短緑色波長との間の直線DとRec2020境界との交点を規定することによって、Rec2020色域402に拘束される。次に、この位置を使用して、混合行列が規定される。点Eは、色域Aの青色原色が位置する点を示す。
他の方法は、例えば、結果として生じる色域のカバレッジを最大化するために、青色原色をRec2020色域に拘束しないことである。図8Bは、図4の色度図400の拡張された図800Bを示す。ここで、Rec2020色域の赤色原色と緑色原色との間の直線から、長青色(BL)波長と短緑色(GS)波長との混合までの最長距離の点がある。次に、この位置を使用して、混合行列が規定される。図示のように、長青色原色は色域Aに使用され、短青色原色は色域Bに使用される。
以前の段落で開示されたいくつかの実施例では、閾値は、“A”色域と“B”色域との間で画素RGBコードワード範囲を分割するため使用されうる。次いで、“B”色域内の画素は、当該色域のエッジに対してクリッピングすることができる。残差(クリッピングによって失われた部分)は、処理のため“A”色域に加算されて戻される。一方、いくつかの他の実施例では、閾値は、正及び負の値を生成するため、入力画素から減算されてもよい。次に、当該処理はそれらを“B”色域に押下し、結果をクリッピングし、その残差を“A”色域に押下する。この技術は、全体的にクリッピングを低減する“B”色域をより多く利用する。以下のセクション3~3.2は、開示された実施例の具体例を示す。
以前の段落で開示されたいくつかの実施例では、ソースをターゲット(“A”又は“B”色域)に変換するため、行列が適用され、これにより、負のRGB値がクリッピングされることになりうる。また、色相シフトは、管理することが困難でありうる。一方、他のいくつかの実施例では、3次元カラーボリュームに適合しない色を表すため、クリッピング法が使用される。この技術は、色相を保存し、クリッピングされた画素の彩度を単に低下させる。これは、カラーグレーディング処理をはるかに容易にする。カラーリストが輝度又は彩度を押下し、3次元カラーボリュームのエッジに当たると、識別するのに直感的な彩度低下が見えるだけである。
上記のプロジェクションシステム及び方法は、広範な色域イメージングのレンダリングを提供しうる。本開示によるシステム、方法及び装置は、以下の構成の何れか1つ以上をとりうる。
(1)プロジェクションシステムであって、第1のプロジェクションデバイスと、第2のプロジェクションデバイスと、少なくとも1つの空間変調器と、電子プロセッサと、を有し、前記電子プロセッサは、2次元ビデオデータを受信し、前記ビデオデータから、第1の色域の仮想原色の第1の複数の強度値と、第2の色域の仮想原色の第2の複数の強度値とを生成し、複数の正の画素値と複数の負の画素値とを生成するため、前記第2の色域の複数の画素値から輝度閾値を減算し、前記第2の色域の残差を取得するため、前記第2の色域の前記複数の負の画素値の各々を所定の値に設定し、前記第2の色域の残差を前記第1の色域に加算し、出力色域を生成するため、2次元の画像データ内の前記第1の色域及び前記第2の色域に最大化された画素値を加算し、合成された色域を生成するため、前記プロジェクションシステムの本来の色域と前記出力色域とを合成し、前記合成された色域に基づいて前記第1のプロジェクションデバイスと前記第2のプロジェクションデバイスとを駆動する、よう構成される、プロジェクションシステム。
(2)前記電子プロセッサは更に、第2の複数の正の画素値と第2の複数の負の画素値とを生成するため、前記第1の色域の複数の画素値から輝度閾値を減算し、前記第1の色域の残差を取得するため、前記第1の色域の前記第2の複数の負の画素値の各々を所定の値に設定する、よう構成される、(1)に記載のプロジェクションシステム。
(3)前記第1の色域は、第1の赤色波長、第1の緑色波長及び第1の青色波長から構成され、前記第2の色域は、第2の赤色波長、第2の緑色波長及び第2の青色波長から構成され、前記第1の赤色波長は、前記第2の赤色波長と異なり、前記第1の緑色波長は、前記第2の緑色波長と異なり、前記第1の青色波長は、前記第2の青色波長と異なる、(1)又は(2)に記載のプロジェクションシステム。
(4)前記プロジェクションシステムの本来の色域は、前記プロジェクションシステムが前記第1の色域と前記第2の色域との双方を等しく駆動する色域である、(1)から(3)の何れか1つに記載のプロジェクションシステム。
(5)前記第1のプロジェクションデバイスは、前記第1の色域の第1の混合から構成される第1の画像を投影し、前記第2のプロジェクションデバイスは、前記第2の色域の第2の混合から構成される第2の画像を投影する、(1)から(4)の何れか1つに記載のプロジェクションシステム。
(6)前記電子プロセッサは更に、前記輝度閾値との比較に基づいて、第1の仮想色域の仮想原色の第1の複数の強度値と、第2の仮想色域の第2の複数の強度値とを生成するよう構成される、(1)から(5)の何れか1つに記載のプロジェクションシステム。
(7)前記電子プロセッサは更に、前記第1の複数の強度値をディスプレイシステムの第1のプロジェクションヘッドの所定の原色の第3の複数の強度値に変換し、前記第2の複数の強度値を前記ディスプレイシステムの第2のプロジェクションヘッドの所定の原色の第4の複数の強度値に変換するよう構成される、(6)に記載のプロジェクションシステム。
(8)本来の色域と前記出力色域とを混合することは、前記本来の色域に最大化された画素値を加算することを含む、(1)から(7)の何れか一項に記載のプロジェクションシステム。
(9)前記輝度閾値は、所定のカラー空間における前記第1の色域と前記第2の色域との間の関係に基づくベクトルである、(1)から(8)の何れか一項に記載のプロジェクションシステム。
(10)本来の色域と前記出力色域とを混合することは、前記2次元ビデオデータの色相を維持するか、又は前記2次元ビデオデータの色度を保存する、(1)から(9)の何れか1つに記載のプロジェクションシステム。
(11)第1のプロジェクションデバイスと、第2のプロジェクションデバイスと、少なくとも1つの空間変調器とを含むプロジェクションシステムによる広範な色域画像をレンダリングする方法であって、2次元ビデオデータ、第1の色域の仮想原色の第1の複数の強度値、及び第2の色域の仮想原色の第2の複数の強度値を受信することと、複数の正の画素値と複数の負の画素値とを生成するため、前記第2の色域の複数の画素値から輝度閾値を減算することと、前記第2の色域の残差を取得するため、前記第2の色域の前記複数の負の画素値の各々を所定の値に設定することと、前記第2の色域の残差を前記第1の色域に加算することと、出力色域を生成するため、2次元の画像データ内の前記第1の色域及び前記第2の色域に最大化された画素値を加算することと、合成された色域を生成するため、前記プロジェクションシステムの本来の色域と前記出力色域とを合成することと、前記合成された色域に基づいて前記第1のプロジェクションデバイスと前記第2のプロジェクションデバイスとを駆動することと、を有する、方法。
(12)前記方法は更に、第2の複数の正の画素値と第2の複数の負の画素値とを生成するため、前記第1の色域の複数の画素値から輝度閾値を減算することと、前記第1の色域の残差を取得するため、前記第1の色域の前記第2の複数の負の画素値の各々を所定の値に設定することと、を含む、(11)に記載の方法。
(13)前記第1の色域は、第1の赤色波長、第1の緑色波長及び第1の青色波長から構成され、前記第2の色域は、第2の赤色波長、第2の緑色波長及び第2の青色波長から構成され、前記第1の赤色波長は、前記第2の赤色波長と異なり、前記第1の緑色波長は、前記第2の緑色波長と異なり、前記第1の青色波長は、前記第2の青色波長と異なる、(11)又は(12)に記載の方法。
(14)前記プロジェクションシステムの本来の色域は、前記プロジェクションシステムが前記第1の色域と前記第2の色域との双方を等しく駆動する色域である、(11)から(13)の何れか1つに記載の方法。
(15)前記第1のプロジェクションデバイスは、前記第1の色域の第1の混合から構成される第1の画像を投影し、前記第2のプロジェクションデバイスは、前記第2の色域の第2の混合から構成される第2の画像を投影する、(11)から(14)の何れか1つに記載の方法。
(16)前記方法は更に、前記輝度閾値との比較に基づいて、第1の仮想色域の仮想原色の第1の複数の強度値と、第2の仮想色域の第2の複数の強度値とを生成することを含む、(11)から(15)の何れか1つに記載の方法。
(17)前記方法は更に、前記第1の複数の強度値をディスプレイシステムの第1のプロジェクションヘッドの所定の原色の第3の複数の強度値に変換し、前記第2の複数の強度値を前記ディスプレイシステムの第2のプロジェクションヘッドの所定の原色の第4の複数の強度値に変換することを含む、(16)に記載の方法。
(18)前記本来の色域と前記出力色域とを混合することは、前記本来の色域に最大化された画素値を加算することを含む、(11)から(17)の何れか1つに記載の方法。
(19)前記輝度閾値は、所定のカラー空間における前記第1の色域と前記第2の色域との間の関係に基づくベクトルである、(11)から(18)の何れか1つに記載の方法。
(20)プロジェクションシステムのプロセッサによって実行されるとき、請求項11に記載の方法を含む処理を前記プロジェクションシステムに実行させる命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体。
ここに記載される処理、システム、方法、ヒューリスティックなどに関して、そのような処理などのステップは、特定の順序付けられたシーケンスに従って行われるものとして説明されているが、そのような処理は、ここに記載される順序以外の順序で実行される説明されるステップを用いて実施されうることを理解されたい。さらに、特定のステップが同時に実行されうること、他のステップが追加されうること、又は、ここに説明される特定のステップが省略されうることが理解されるべきである。言い換えれば、ここでの処理の説明は、特定の実施例を例示するために提供され、特許請求の範囲を限定するように決して解釈されるべきではない。
従って、上記の説明は、例示的なものであり、限定的なものではないことが意図されることを理解されたい。上記の説明を読めば、提供された実施形態以外の多くの実施例及び用途が明らかになるであろう。その範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、代わりに、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等の完全な範囲と共に決定されるべきである。ここで説明される技術おいて将来の発展が起こり、開示されるシステム及び方法がそのような将来の実施例に組み込まれることが予期及び意図される。要するに、本出願は、修正及び変更が可能であることを理解されたい。
特許請求の範囲で使用される全ての用語は、反対に対する明示的な指示がここで行われない場合、ここに記載される技術に精通している者によって理解されるように、それらの最も広い合理的な構成及びそれらの通常の意味が与えられることが意図される。特に、“a”、“the”、“said”などの単数形の冠詞の使用は、請求項がそれとは反対の明確な限定を列挙しない限り、示された要素の1つ以上を記載するように読まれるべきである。
本開示の要約は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするために提供される。それは、特許請求の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないことを理解されたい。さらに、上記の詳細な説明では、本開示を簡素化するために、様々な特徴が様々な実施例にまとめられていることが分かる。この開示の方法は、請求される実施例が請求項に明示的に記載された特徴を含むという意図を反映するものと解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の主題は、単一の開示された実施例の全ての特徴よりも少ない特徴にある。従って、以下の請求項は、詳細な説明に含まれ、各請求項は別々に請求される主題として独立している。
Claims (20)
- プロジェクションシステムであって、
第1のプロジェクションデバイスと、
第2のプロジェクションデバイスと、
少なくとも1つの空間変調器と、
電子プロセッサと、
を有し、
前記電子プロセッサは、
2次元ビデオデータを受信し、
前記ビデオデータから、第1の色域の仮想原色の第1の複数の強度値と、第2の色域の仮想原色の第2の複数の強度値とを生成し、
複数の正の画素値と複数の負の画素値とを生成するため、前記第2の色域の複数の画素値から輝度閾値を減算し、
前記第2の色域の残差を取得するため、前記第2の色域の前記複数の負の画素値の各々を所定の値に設定し、
前記第2の色域の残差を前記第1の色域に加算し、
出力色域を生成するため、2次元の画像データ内の前記第1の色域及び前記第2の色域に最大化された画素値を加算し、
合成された色域を生成するため、前記プロジェクションシステムの負の色域と前記出力色域とを合成し、
前記合成された色域に基づいて前記第1のプロジェクションデバイスと前記第2のプロジェクションデバイスとを駆動する、
よう構成される、プロジェクションシステム。 - 前記電子プロセッサは更に、
第2の複数の正の画素値と第2の複数の負の画素値とを生成するため、前記第1の色域の複数の画素値から輝度閾値を減算し、
前記第1の色域の残差を取得するため、前記第1の色域の前記第2の複数の負の画素値の各々を所定の値に設定する、
よう構成される、請求項1に記載のプロジェクションシステム。 - 前記第1の色域は、第1の赤色波長、第1の緑色波長及び第1の青色波長から構成され、
前記第2の色域は、第2の赤色波長、第2の緑色波長及び第2の青色波長から構成され、
前記第1の赤色波長は、前記第2の赤色波長と異なり、
前記第1の緑色波長は、前記第2の緑色波長と異なり、
前記第1の青色波長は、前記第2の青色波長と異なる、請求項1又は2に記載のプロジェクションシステム。 - 前記プロジェクションシステムの本来の色域は、前記プロジェクションシステムが前記第1の色域と前記第2の色域との双方を等しく駆動する色域である、請求項1から3の何れか一項に記載のプロジェクションシステム。
- 前記第1のプロジェクションデバイスは、前記第1の色域の第1の混合から構成される第1の画像を投影し、
前記第2のプロジェクションデバイスは、前記第2の色域の第2の混合から構成される第2の画像を投影する、請求項1から4の何れか一項に記載のプロジェクションシステム。 - 前記電子プロセッサは更に、前記輝度閾値との比較に基づいて、第1の仮想色域の仮想原色の第1の複数の強度値と、第2の仮想色域の第2の複数の強度値とを生成するよう構成される、請求項1から5の何れか一項に記載のプロジェクションシステム。
- 前記電子プロセッサは更に、前記第1の複数の強度値をディスプレイシステムの第1のプロジェクションヘッドの所定の原色の第3の複数の強度値に変換し、前記第2の複数の強度値を前記ディスプレイシステムの第2のプロジェクションヘッドの所定の原色の第4の複数の強度値に変換するよう構成される、請求項6に記載のプロジェクションシステム。
- 前記本来の色域と前記出力色域とを混合することは、前記本来の色域に最大化された画素値を加算することを含む、請求項1から6の何れか一項に記載のプロジェクションシステム。
- 前記輝度閾値は、所定のカラー空間における前記第1の色域と前記第2の色域との間の関係に基づくベクトルである、請求項1から8の何れか一項に記載のプロジェクションシステム。
- 前記本来の色域と前記出力色域とを混合することは、前記2次元ビデオデータの色相を維持するか、又は前記2次元ビデオデータの色度を保存する、請求項1から9の何れか一項に記載のプロジェクションシステム。
- 第1のプロジェクションデバイスと、第2のプロジェクションデバイスと、少なくとも1つの空間変調器とを含むプロジェクションシステムによる広範な色域画像をレンダリングする方法であって、
2次元ビデオデータを受信することと、
前記ビデオデータから、第1の色域の仮想原色の第1の複数の強度値と、第2の色域の仮想原色の第2の複数の強度値とを生成することと、
複数の正の画素値と複数の負の画素値とを生成するため、前記第2の色域の複数の画素値から輝度閾値を減算することと、
前記第2の色域の残差を取得するため、前記第2の色域の前記複数の負の画素値の各々を所定の値に設定することと、
前記第2の色域の残差を前記第1の色域に加算することと、
出力色域を生成するため、2次元の画像データ内の前記第1の色域及び前記第2の色域に最大化された画素値を加算することと、
合成された色域を生成するため、前記プロジェクションシステムの負の色域と前記出力色域とを合成することと、
前記合成された色域に基づいて前記第1のプロジェクションデバイスと前記第2のプロジェクションデバイスとを駆動することと、
を有する、方法。 - 第2の複数の正の画素値と第2の複数の負の画素値とを生成するため、前記第1の色域の複数の画素値から輝度閾値を減算することと、
前記第1の色域の残差を取得するため、前記第1の色域の前記第2の複数の負の画素値の各々を所定の値に設定することと、
を更に含む、請求項11に記載の方法。 - 前記第1の色域は、第1の赤色波長、第1の緑色波長及び第1の青色波長から構成され、
前記第2の色域は、第2の赤色波長、第2の緑色波長及び第2の青色波長から構成され、
前記第1の赤色波長は、前記第2の赤色波長より短く、
前記第1の緑色波長は、前記第2の緑色波長より短く、
前記第1の青色波長は、前記第2の青色波長より短い、請求項11又は12に記載の方法。 - 前記プロジェクションシステムの本来の色域は、前記プロジェクションシステムが前記第1の色域と前記第2の色域との双方を等しく駆動する色域である、請求項11から13の何れか一項に記載の方法。
- 前記第1のプロジェクションデバイスは、前記第1の色域の第1の混合から構成される第1の画像を投影し、
前記第2のプロジェクションデバイスは、前記第2の色域の第2の混合から構成される第2の画像を投影する、請求項11から14の何れか一項に記載の方法。 - 前記方法は更に、
前記輝度閾値との比較に基づいて、第1の仮想色域の仮想原色の第1の複数の強度値と、第2の仮想色域の第2の複数の強度値とを生成することを含む、請求項11から15の何れか一項に記載の方法。 - 前記方法は更に、
前記第1の複数の強度値をディスプレイシステムの第1のプロジェクションヘッドの所定の原色の第3の複数の強度値に変換し、前記第2の複数の強度値を前記ディスプレイシステムの第2のプロジェクションヘッドの所定の原色の第4の複数の強度値に変換することを含む、請求項16に記載の方法。 - 前記本来の色域と前記出力色域とを混合することは、前記本来の色域に最大化された画素値を加算することを含む、請求項11から17の何れか一項に記載の方法。
- 前記輝度閾値は、所定のカラー空間における前記第1の色域と前記第2の色域との間の関係に基づくベクトルである、請求項11から18の何れか一項に記載の方法。
- プロジェクションシステムのプロセッサによって実行されるとき、請求項11に記載の方法を含む処理を前記プロジェクションシステムに実行させる命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体。
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