JP2023515567A - Pbp3結合二環式ペプチドリガンド - Google Patents

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Abstract

本発明は、分子スキャフォールドへ共有結合しているポリペプチドであって、2以上のペプチドループが該スキャフォールドへの取付点の間で伸びているポリペプチドに関する。特に、本発明は、ペニシリン結合タンパク質(PBP)、更に特にPBP3の高親和性バインダーであるペプチドを記述する。本発明は又、該ペプチドリガンドを含む医薬組成物、及び細菌感染によって媒介される疾患若しくは障害の抑制又は治療における該ペプチドリガンドの使用、又は感染のリスクに曝されている対象へ予防を提供するための、該医薬組成物及び該ペプチドリガンドの使用も含む。【選択図】なし

Description

(発明の分野)
本発明は、分子スキャフォールドへ共有結合しているポリペプチドであって、2以上のペプチドループがスキャフォールドへの取付点の間で伸びている(subtended)ポリペプチドに関する。特に、本発明は、ペニシリン結合タンパク質(PBP)、更に特にPBP3の高親和性バインダーであるペプチドを記述する。本発明は又、該ペプチドリガンドを含む医薬組成物、及び細菌感染によって媒介される疾患若しくは障害の抑制又は治療における該ペプチドリガンドの使用、又は感染のリスクに曝されている対象へ予防を提供するための、医薬組成物及び該ペプチドリガンドの使用も含む。
(発明の背景)
環状ペプチドは、高い親和性及び標的特異性でタンパク質標的に結合することができ、それゆえ、治療剤開発のための魅力的な分子種である。実際、幾つかの環状ペプチドは、例えば、抗菌性ペプチドのバンコマイシン、免疫抑制薬のシクロスポリン、又は抗癌薬のオクトレオチドのように、診療所で既に成功裡に使用されている(Driggersらの文献(2008), Nat Rev Drug Discov 7(7), 608-24)。優れた結合特性は、ペプチドと標的との間で形成される比較的大きな相互作用表面からだけでなく、環状構造の立体構造的可撓性の低下からも起因する。通常、大環状分子は、例えば、環状ペプチドCXCR4アンタゴニストCVX15(400Å2;Wuらの文献(2007), Science 330, 1066-71)、インテグリンαVb3へ結合するArg-Gly-Aspモチーフを有する環状ペプチド(355Å2)(Xiongらの文献(2002), Science 296(5565), 151-5)、又はウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子へ結合する環状ペプチド阻害剤ウパイン(upain)-1(603Å2;Zhaoらの文献(2007), J Struct Biol 160(1), 1-10)のように、数百平方オングストロームの表面へ結合する。
その環状立体配置のために、ペプチド大環状分子は、直鎖状ペプチドよりも可撓性が低く、標的へ結合するときのエントロピー損失がより小さくなるため、より高い結合親和性を有する。この低い可撓性は又、標的特異的立体構造の固定をもたらし、直鎖状ペプチドと比較して結合特異性が上昇する。この効果は、マトリックスメタロプロテイナーゼ8(MMP-8)の強力かつ選択的な阻害剤によって例証されており、その環が開環すると他のMMPに対するその選択性は失われる(Cherneyらの文献(1998), J Med Chem 41(11), 1749-51)。大環状化によって達成される有利な結合特性は、例えば、バンコマイシン、ナイシン、及びアクチノマイシン等の、複数のペプチド環を有する多環状ペプチドにおいて更により顕著である。
様々な研究チームが既に、システイン残基を有する複数のポリペプチドを繋いで合成分子構造としている(Kemp及びMcNamaraの文献(1985), J. Org. Chem;Timmermanらの文献(2005), ChemBioChem)。Meloen及び共同研究者らは、トリス(ブロモメチル)ベンゼン及び関連分子を使用して、タンパク質表面の構造的模倣物のために、合成スキャフォールド上で複数のペプチドループの迅速かつ定量的な環化を行った(Timmermanらの文献(2005), ChemBioChem)。候補薬物化合物の作製方法であって、システインを有する複数のポリペプチドを、例えばトリス(ブロモメチル)ベンゼン等の分子スキャフォールドへ結合させることにより、該化合物を作製する方法は、WO 2004/077062号及びWO 2006/078161号に開示されている。
標的対象へのファージディスプレイ法に基づくコンビナトリアルアプローチが、二環式ペプチドの大型ライブラリーを作製並びにスクリーニングするために開発された(Heinisらの文献(2009), Nat Chem Biol 5(7), 502-7及びWO 2009/098450号)。簡潔に述べると、3つのシステイン残基及び、2つのランダムな6アミノ酸領域を含む直鎖状ペプチド(Cys-(Xaa)6-Cys-(Xaa)6-Cys)のコンビナトリアルライブラリをファージ上に提示させ、システイン側鎖を低分子スキャフォールドへ共有結合させることにより環化させた。
(発明の概要)
本発明の第一の態様によれば、少なくとも2つのループ配列によって隔てられた少なくとも3つのシステイン残基を含むポリペプチド、及び、分子スキャフォールドであって、少なくとも2つのポリペプチドループが該分子スキャフォールド上に形成されるように該ポリペプチドのシステイン残基と共有結合を形成する前記分子スキャフォールド、を含む、ペニシリン結合タンパク質3(PBP3)へ結合可能なペプチドリガンドが提供される。
本発明の更なる態様によれば、本明細書で定義されるペプチドリガンドを、1以上の医薬として許容し得る賦形剤と組み合せて含む、医薬組成物が提供される。
本発明の更なる態様によれば、 細菌感染によって媒介される疾患若しくは障害の抑制又は治療において使用するための、又は感染のリスクに曝されている対象へ予防を提供するための、本明細書で定義されるペプチドリガンドが提供される。
(発明の詳細な説明)
1の実施態様では、前記ループ配列は3、4、5又は9つのアミノ酸を含む。
更なる実施態様では、前記ループ配列は、その両方が4つのアミノ酸からなる2つのループ配列によって隔てられた、3つのシステイン残基を含む。
更なる実施態様では、前記ループ配列は、1つが4つのアミノ酸からなり、他方は5つのアミノ酸からなる2つのループ配列によって隔てられた、3つのシステイン残基を含む。
更なる実施態様では、前記ループ配列は、1つが3つのアミノ酸からなり、他方は9つのアミノ酸からなる2つのループ配列によって隔てられた、3つのシステイン残基を含む。
本明細書におけるPBPの言及は、いずれかの細菌種中に存在する可能性のある「ペニシリン結合タンパク質」を含む。1の実施態様では、PBPは1又はそれ以上の病原菌種内に存在するPBPである。更なる実施態様では、この1以上の病原菌種は、アシネトバクター・バウマニ、炭疽菌、百日咳菌、ライム病菌、ウシ流産菌、イヌ流産菌、ヤギ流産菌、ブタ流産菌、カンピロバクター・ジェジュニ菌、クラミジア肺炎、クラミジア・トリコマチス、オウム病クラミジア、ボツリヌス菌、クロストリジウム・ディフィシル、ウェルシュ菌、破傷風菌(Clostrium tetani)、ジフテリア菌、エキノコックス、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、大腸菌(毒素原性大腸菌、腸管病原性大腸菌、腸管出血性(Enterohemorragic)大腸菌若しくは腸管凝集性大腸菌等)、野兎病菌、インフルエンザ菌、ヘリコバクターピロリ菌、肺炎桿菌、レジオネラ・ニューモフィラ、レプトスピラ・インテロガンス、リステリア・モノサイトゲネス、らい菌、結核菌、マイコバクテリウム・ウルセランス、マイコプラズマ肺炎、淋菌、髄膜炎菌、肺炎球菌、緑膿菌、ロッキー山紅斑熱菌、サルモネラ・ボンゴリ、サルモネラ・エンテリカ、サルモネラ・サブテラニアン等のサルモネラ菌、チフス菌若しくはネズミチフス菌、赤痢菌(ソンネイ赤痢菌若しくは志賀赤痢菌等)、黄色ブドウ球菌(MRSA等)、表皮ブドウ球菌、腐性ブドウ球菌、アガラクチア菌、肺炎レンサ球菌、化膿性レンサ球菌、梅毒トレポネーマ、コレラ菌又はペスト菌のいずれかから選択される。
1の実施態様では、PBP3は大腸菌内に存在するPBP3である。
別の実施態様では、PBP3は緑膿菌内に存在するPBP3である。更なる実施態様では、緑膿菌内に存在するPBP3はPBP3及びPBP3aから選択される。より更なる実施態様では、緑膿菌内に存在するPBP3がPBP3である。
別の実施態様では、PBP3はアシネトバクター・バウマニ内に存在するPBP3である。
1の実施態様では、PBP3は、例えばFtsIのような、細胞分裂のために必要とされるものである。更なる実施態様では、FtsIは、大腸菌、アシネトバクター・バウマニ又は緑膿菌内に存在し、PBP3として知られている。従って、本発明の特定の実施態様では、PBP3はFtsIである。
1の実施態様では、PBP3は大腸菌PBP3であり、ペプチドリガンドは:
Figure 2023515567000001
Figure 2023515567000002
(式中、HArgはホモアルギニンを表し、1Nalは1-ナフチルアラニンを表し、2Nalは2-ナフチルアラニンを表し、Ci、Cii、及びCiiiは、第一、第二、及び第三のシステイン残基を表す)から選択されるアミノ酸配列又はその医薬として許容し得る塩を含む。
更なる実施態様では、PBP3は大腸菌PBP3であり、ペプチドリガンドは更にN末端付加及び/又はC末端付加を含むものであり:
Ac-(配列番号1)(本明細書ではBCY12742と称する);
A-(配列番号1)-A-[Sar6]-[KFl] (本明細書ではBCY12806と称する);
[Fl]-G-[Sar5]-A-(配列番号1)-A (本明細書ではBCY12820と称する);
SGH-(配列番号1)-A (本明細書ではBCY13761と称する);
Ac-(配列番号2)(本明細書ではBCY12744と称する);
[Fl]-G-[Sar5]-A-(配列番号2)-A (本明細書ではBCY12822と称する);
A-(配列番号2)-A-[Sar6]-[KFl] (本明細書ではBCY12825と称する);
A-(配列番号3)-A (本明細書ではBCY12123と称する);
Ac-(配列番号4)(本明細書ではBCY12834と称する);
A-(配列番号5)-A (本明細書ではBCY13981と称する);
A-(配列番号6)-A (本明細書ではBCY13226と称する);
A-(配列番号7)-A (本明細書ではBCY13227と称する);
A-(配列番号8)-A (本明細書ではBCY13419と称する);
A-(配列番号9)-A (本明細書ではBCY13420と称する);
A-(配列番号10)-A (本明細書ではBCY13421と称する);
A-(配列番号11)-A (本明細書ではBCY13422と称する);
A-(配列番号12)-A (本明細書ではBCY13424と称する);
A-(配列番号13)-A (本明細書ではBCY13656と称する);
A-(配列番号14)-A (本明細書ではBCY13657と称する);
A-(配列番号15)-A (本明細書ではBCY13658と称する);
A-(配列番号16)-A (本明細書ではBCY13659と称する);
A-(配列番号17)-A (本明細書ではBCY13660と称する);
A-(配列番号18)-A (本明細書ではBCY13663と称する);
A-(配列番号19)-A (本明細書ではBCY13664と称する);
A-(配列番号20)-A (本明細書ではBCY13747と称する);
A-(配列番号21)-A (本明細書ではBCY13748と称する);
A-(配列番号22)-A (本明細書ではBCY13749と称する);
A-(配列番号23)-A (本明細書ではBCY13750と称する);
A-(配列番号24)-A (本明細書ではBCY13751と称する);
A-(配列番号25)-A (本明細書ではBCY13753と称する);
A-(配列番号26)-A (本明細書ではBCY13754と称する);
EDR-(配列番号26)-A (本明細書ではBCY13760と称する);
A-(配列番号27)-A (本明細書ではBCY13755と称する);
A-(配列番号28)-A (本明細書ではBCY13756と称する);
A-(配列番号29)-A (本明細書ではBCY13757と称する);
A-(配列番号30)-A (本明細書ではBCY13758と称する);
A-(配列番号30)-SSI (本明細書ではBCY13762と称する);
ESW-(配列番号31)-A (本明細書ではBCY13759と称する);
A-(配列番号31)-A (本明細書ではBCY13963と称する);
A-(配列番号32)-KVD (本明細書ではBCY13763と称する);
A-(配列番号33)-A (本明細書ではBCY13764と称する);
A-(配列番号34)-A (本明細書ではBCY13765と称する);
A-(配列番号35)-A (本明細書ではBCY13766と称する);
A-(配列番号36)-A (本明細書ではBCY13767と称する);
A-(配列番号37)-A (本明細書ではBCY13768と称する);
A-(配列番号38)-A (本明細書ではBCY13769と称する);
A-(配列番号39)-A (本明細書ではBCY13952と称する);
A-(配列番号40)-A (本明細書ではBCY13953と称する);
A-(配列番号41)-A (本明細書ではBCY13961と称する);
A-(配列番号42)-A (本明細書ではBCY13962と称する);
A-(配列番号43)-A (本明細書ではBCY13965と称する);
A-(配列番号44)-A (本明細書ではBCY13966と称する);
A-(配列番号45)-A (本明細書ではBCY13967と称する);
A-(配列番号46)-A (本明細書ではBCY13968と称する);
A-(配列番号47)-A (本明細書ではBCY13969と称する);
A-(配列番号48)-A (本明細書ではBCY13970と称する);
A-(配列番号49)-A (本明細書ではBCY13971と称する);
A-(配列番号50)-A (本明細書ではBCY13972と称する);
A-(配列番号51)-A (本明細書ではBCY13973と称する);
A-(配列番号52)-A (本明細書ではBCY13975と称する);
A-(配列番号53)-A (本明細書ではBCY13976と称する);
A-(配列番号54)-A (本明細書ではBCY13977と称する);
A-(配列番号55)-A (本明細書ではBCY13978と称する);
A-(配列番号56)-A (本明細書ではBCY13979);及び
A-(配列番号57)-A (本明細書ではBCY13980)、
から選択されるアミノ酸配列を含む。
別途定義されない限り、本明細書で使用される技術的及び科学的用語は全て、当該分野、例えば、ペプチド化学、細胞培養及びファージディスプレイ、核酸化学、並びに生化学分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。標準的な技法が、分子生物学、遺伝学及び生化学の方法に使用される(引用により本明細書中に組み込まれる、Sambrookらの文献、「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」、第3版、2001, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY;Ausubelらの文献、「分子生物学ショートプロトコル(Short Protocols in Molecular Biology)」(1999) 第4版、John Wiley & Sons社を参照)。
(命名法)
(付番)
本発明のペプチド内のアミノ酸残基位置に言及する場合、システイン残基(Ci、Cii、及びCiii)は不変であるので付番から省略する。それゆえ、本発明のペプチド内のアミノ酸残基の付番は、下記のように表す:
Ci-S1-F2-P3-K4-Cii-P5-W6-V7-E8-G9-Ciii (配列番号1)。
本記載の目的において、全ての二環式ペプチドは、1,1',1"-(1,3,5-トリアジナン-1,3,5-トリイル)トリプロパ-2-エン-1-オン(TATA)で環化され、三置換構造を生じていると考えられる。TATAによる環化は、Ci、Cii、及びCiii上で生じる。
(分子フォーマット)
二環コア配列へのN末端又はC末端の伸長は、配列の左側又は右側へ付加されて、ハイフンによって隔てられている。例えば、N末端βAla-Sar10-Alaテールは:
βAla-Sar10-A-(配列番号:X)
と表される。
(逆向きペプチド配列)
Nairらの文献(2003) J Immunol 170(3), 1362-1373における開示を考慮すれば、本明細書に開示されるペプチド配列は、そのレトロ-インベルソ(retro-inverso)形態でも同様に有用性を示すことが想定される。例えば、配列が逆転すると(即ち、N末端がC末端になり、C末端がN末端になる)、その立体化学構造も同様に逆転する(即ち、D-アミノ酸がL-アミノ酸になり、L-アミノ酸がD-アミノ酸になる)。
(ペプチドリガンド)
本明細書において言及されるペプチドリガンドは、分子スキャフォールドに共有結合されるペプチドを指す。典型的には、そのようなペプチドは、スキャフォールドと共有結合を形成することができる2以上の反応基(即ち、システイン残基)及び該反応基の間に挟まれる(subtended)配列を含み、その配列は、ペプチドがスキャフォールドへ結合するとループを形成するのでループ配列と呼ばれる。本発明では、このペプチドは、少なくとも3つのシステイン残基(本明細書において、Ci、Cii、及びCiiiと呼ばれる)を含み、そして少なくとも2つのループをスキャフォールド上に形成する。
(ペプチドリガンドの利点)
本発明の特定の二環式ペプチドは、それを注射、吸入、経鼻、点眼、経口、又は局所投与のための好適な薬物様分子とみなすことができる、多くの有利な特性を有する。そのような有利な特性としては、下記のものが挙げられる:
‐種交差反応性(ある種のリガンドは、異なる細菌種由来のPBP全般にわたる交差反応性を示すために、複数の細菌種によって引き起こされる感染を治療することができる。他のリガンドは、患者の有益な細菌叢に対する付随的損傷なしに感染を治療するために有利な可能性のある特定の細菌種のPBPに対して、高度に特異的であり得る。);
‐プロテアーゼ安定性(二環式ペプチドリガンドは、理想的には、血漿プロテアーゼ、上皮(「膜固定型」)プロテアーゼ、胃腸プロテアーゼ、肺上皮(lung surface)プロテアーゼ、細胞内プロテアーゼ等に対する安定性を示すであろう。プロテアーゼ安定性は、二環式リード候補を動物モデルで開発できるだけでなく、信頼してヒトへ投与できるように、異なる種間で維持される方が良い。);
‐望ましい溶解度プロファイル(これは、「荷電性及び親水性残基」対「疎水性残基」並びに分子内/分子間水素結合の割合の関数であり、製剤及び吸収目的のために重要である。);
‐循環系内での最適な血漿半減期(臨床的兆候及び治療レジメンに応じて、急性疾患管理設定での短期曝露用の二環式ペプチドを開発する要求があるであろうし、又、循環系内での保持性が増強された二環式ペプチドを開発してより慢性的疾患状態の管理に最適であるようにする要求もあるであろう。望ましい血漿半減期を追求する他の要因は、最大治療有効性のための持続的曝露要求と、それとは反対の、薬剤の持続的曝露が随伴する毒性である。);並びに、
‐選択性(本発明の特定のペプチドリガンドは、特別なPBP3アイソフォームに対する選択性を示し、かつ本発明の別の特定のペプチドリガンドは、複数のPBPアイソフォームを阻害するであろう)。
(医薬として許容し得る塩)
塩形態は本発明の範囲内であり、ペプチドリガンドへの言及はそのリガンドの塩形態を含むことが理解されるであろう。
本発明の塩は、従来の化学的方法、例えば、「医薬品塩:特性、選択、及び使用(Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use)」、P. Heinrich Stahl(編者)、Camille G. Wermuth(編者)、ISBN: 3-90639-026-8, Hardcover, 388頁、August 2002に記載されている方法によって、塩基性又は酸性成分を含む親化合物から合成することができる。通常、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸又は遊離塩基形態を、適切な塩基又は酸と、水中若しくは有機溶媒中で、又はこれら2種の混合物中で反応させることにより調製できる。
酸付加塩(モノ塩又はジ塩)は、無機及び有機両方の多種多様な酸で形成することができる。酸付加塩の例には、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(例えば、L-アスコルビン酸)、L-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)カンファー酸、カンファースルホン酸、(+)-(1S)-カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、グルクロン酸(例えば、D-グルクロン酸等)、グルタミン酸(例えば、L-グルタミン酸等)、α-オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、ハロゲン化水素酸(例えば、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸)、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)-L-乳酸、(±)-DL-乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(-)-L-リンゴ酸、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、L-ピログルタミン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、及び吉草酸、並びにアシル化アミノ酸及び陽イオン交換樹脂からなる群から選択される酸で、形成されるモノ塩又はジ塩が含まれる。
塩の特別な一つの群は、酢酸、塩酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、硫酸、メタンスルホン酸(メシル酸)、エタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、吉草酸、プロパン酸、ブタン酸、マロン酸、グルクロン酸、及びラクトビオン酸から形成される塩からなる。特別な塩の一つは塩酸塩である。別の特別な塩は、酢酸塩である。
化合物がアニオン性であるか、又はアニオン性であり得る機能性基を有する場合(例えば、-COOHは-COO-でもよい)、好適なカチオンを生成する有機塩基又は無機塩基で、塩を形成させることができる。好適な無機カチオンの例には、Li+、Na+、及びK+等のアルカリ金属イオン、Ca2+及びMg2+等のアルカリ土類金属カチオン、並びにAl3+又はZn+等の他のカチオンが含まれるが、これらに限定されるものではない。適切な有機カチオンの例には、アンモニウムイオン(即ち、NH4 +)及び置換されたアンモニウムイオン(例えば、NH3R+、NH2R2 +、NHR3 +、NR4 +)が含まれるが、これらに限定されるものではない。幾つかの好適な置換されたアンモニウムイオンの例には、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、及びトロメタミン、並びに、リシン及びアルギニン等のアミノ酸:に由来するものである。一般的な第四級アンモニウムイオンの例は、N(CH3)4 +である。
本発明のペプチドがアミン基を含む場合、それらは、例えば当業者に周知の方法に従ったアルキル化剤との反応によって、第四級アンモニウム塩を形成してもよい。そのような第四級アンモニウム化合物は、本発明のペプチドの範囲内である。
(修飾誘導体)
本明細書で定義されるペプチドリガンドの修飾誘導体は、本発明の範囲内であることが理解されるであろう。そのような好適な修飾誘導体の例には、N末端及び/又はC末端修飾;1以上のアミノ酸残基の、1以上の非天然型アミノ酸残基による置換(例えば、1以上の極性アミノ酸残基の、1以上の立体的に等価のアミノ酸若しくは等電子性アミノ酸による置換;1以上の非極性アミノ酸残基の、他の非天然型立体に等価のアミノ酸若しくは等電子性アミノ酸による置換);スペーサー基の付加;1以上の酸化感受性アミノ酸残基の、1以上の酸化抵抗性アミノ酸残基による置換;1以上のアミノ酸残基の、アラニンによる置換、1以上のL-アミノ酸残基の、1以上のD-アミノ酸残基による置換;二環式ペプチドリガンド内の1以上のアミド結合のN-アルキル化;1以上のペプチド結合の代替的結合による置換;ペプチド骨格長の改変;1以上のアミノ酸残基のα-炭素上の水素の、別の化学基による置換、システイン、リシン、グルタメート/アスパルテート及びチロシン等のアミノ酸の、これらアミノ酸を機能性化するのに好適なアミン、チオール、カルボン酸及びフェノール反応性試薬による修飾、並びに、機能性化に好適なオルソゴナル反応性を導入するアミノ酸、例えば、アルキン若しくはアジド含有成分の機能性化をそれぞれ受けることが可能なアジド基若しくはアルキン基を有するアミノ酸の導入又は置換:から選択される1以上の修飾が含まれる。
1の実施態様では、修飾誘導体は、N末端及び/又はC末端の修飾を含む。更なる実施態様では、修飾誘導体は、好適なアミノ反応化学を用いるN末端修飾、及び/又は好適なカルボキシ反応化学を用いるC末端修飾を含む。更なる実施態様では、前記N末端又はC末端修飾は、限定されるものではないが、細胞毒性剤、放射性キレート剤(radiochelator)、又は発色団を含む、エフェクター基の付加を含む。
更なる実施態様では、修飾誘導体は、N末端修飾を含む。更なる実施態様では、N末端修飾は、N末端アセチル基を含む。この実施態様では、N末端システイン基(本明細書においてCiと呼ばれる基)は、ペプチド合成中に無水酢酸又は他の適切な試薬で封止され、N末端がアセチル化された分子を生じる。この実施態様は、アミノペプチダーゼが認識可能なポイントを除去するという利点を提供し、二環式ペプチドの分解の可能性を回避する。
別の実施態様では、N末端修飾は、エフェクター基のコンジュゲーションを容易にし、かつ二環式ペプチドのその標的に対する効能の保持を促進する分子スペーサー基の付加を含む。
更なる実施態様では、修飾誘導体は、C末端修飾を含む。更なる実施態様では、C末端修飾は、アミド基を含む。この実施態様では、C末端システイン基(本明細書において、Ciiiと呼ばれる基)は、ペプチド合成中にアミドとして合成され、C末端がアミド化された分子を生じる。この実施態様は、カルボキシペプチダーゼが認識可能なポイントを除去するという利点を提供し、二環式ペプチドのタンパク質分解の可能性を低下させる。
1の実施態様では、修飾誘導体は、1以上のアミノ酸残基の、1以上の非天然型アミノ酸残基による置換を含む。この実施態様では、分解性プロテアーゼによって認識されることもなく、目的とする効能に何らかの悪影響を与えることもない、立体的に等価の/等電子性側鎖を有する非天然型アミノ酸を選択することができる。
或いは、近傍のペプチド結合のタンパク質分解性加水分解が立体構造的にかつ立体的に妨害されるような、拘束されたアミノ酸側鎖を有する非天然型アミノ酸を使用してもよい。これらは特に、プロリン類似体、嵩高い側鎖、Cα-二置換誘導体(例えば、アミノイソ酪酸、Aib)、及びシクロアミノ酸に関し、単純な誘導体はアミノ-シクロプロピルカルボン酸である。
1の実施態様では、修飾誘導体は、スペーサー基の付加を含む。更なる実施態様では、修飾誘導体は、N末端システイン(Ci)及び/又はC末端システイン(Ciii)へのスペーサー基の付加を含む。
1の実施態様では、修飾誘導体は、1以上の酸化感受性アミノ酸残基の、1以上の酸化抵抗性アミノ酸残基による置換を含む。
1の実施態様では、修飾誘導体は、1以上の荷電性アミノ酸残基の、1以上の疎水性アミノ酸残基による置換を含む。別の実施態様では、修飾誘導体は、1以上の疎水性アミノ酸残基の、1以上の荷電性アミノ酸残基による置換を含む。「荷電性アミノ酸残基」対「疎水性アミノ酸残基」の正しいバランスは、二環式ペプチドリガンドの重要な特性である。例えば、疎水性アミノ酸残基は、血漿タンパク質結合の程度、従って、血漿中の利用可能な遊離画分の濃度に影響を及ぼし、一方、荷電性アミノ酸残基(特に、アルギニン)は、ペプチドと細胞表面のリン脂質膜との相互作用に影響を及ぼすであろう。この2つの組み合せは、ペプチド薬の半減期、分布容積、及び曝露に影響を及ぼすであろうし、臨床的終点に合わせて調整することができる。更に、「荷電性アミノ酸残基」対「疎水性アミノ酸残基」の正しい組み合せ及び数は、注射部位(ペプチド薬が皮下投与される場合)での刺激を軽減するであろう。
1の実施態様では、修飾誘導体は、1以上のL-アミノ酸残基の1以上のD-アミノ酸残基による置換を含む。この実施態様は、立体障害により及びβ-ターン立体構造を安定化させるD-アミノ酸の性質により、タンパク質分解の安定性を高めると考えられる(Tugyiらの文献(2005) PNAS, 102(2), 413-418)。
1の実施態様では、修飾誘導体は、任意のアミノ酸残基の除去、及び、アラニンによる置換を含む。この実施態様は、タンパク質分解攻撃を受ける可能性のある部位(複数可)を除去するという利点を有する。
上述の修飾のそれぞれは、ペプチドの効能又は安定性を計画的に向上させる役割を果たすことに留意すべきである。修飾に基づく更なる効能向上は、下記メカニズムによって達成することができるであろう:
‐より高い親和性が達成されるように、疎水性効果を利用して解離速度を低下させる疎水性成分を組み込むこと;
‐長距離イオン相互作用を利用して会合速度を増大させ、より高い親和性をもたらす荷電性基を組み込むこと(例えば、Schreiberらの文献、「タンパク質の迅速な静電的支援会合(Rapid, electrostatically assisted association of proteins)」(1996)、Nature Struct. Biol. 3, 427-31を参照);並びに
‐例えば、エントロピー損失が標的結合時に最小になるように、アミノ酸側鎖を正確に拘束すること、エントロピー損失が標的結合時に最小になるように骨格のねじれ角度を限定すること、及び、同じ理由のために分子内に更なる環化を導入することにより、更なる制約をペプチドに組み込むこと(総説については、Gentilucciらの文献、Curr. Pharmaceutical Design, (2010), 16, 3185-203、及びNestorらの文献、Curr. Medicinal Chem (2009), 16, 4399-418を参照)。
(同位体バリエーション)
本発明は、全ての医薬として許容し得る(放射性)同位体標識された、本発明のペプチドリガンドであって、1以上の原子が、同じ原子番号を有するが、天然で通常見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置き換えられているもの、及び本発明のペプチドリガンドであって、関連する(放射性)同位体を保持することができる金属キレート基(「エフェクター」と呼ばれる)が取り付けられているもの、及び本発明のペプチドリガンドであって、特定の機能性基が関連する(放射性)同位体又は同位体標識された機能性基で共有的に置換されているもの、を含む。
本発明のペプチドリガンドに含めるのに好適な同位体の例は、水素同位体、例えば2H(D)及び3H(T)、炭素同位体、例えば11C、13C及び14C、塩素同位体、例えば36Cl、フッ素同位体、例えば18F、ヨウ素同位体、例えば123I、125I及び131I、窒素同位体、例えば13N及び15N、酸素同位体、例えば15O、17O及び18O、リン同位体、例えば32P、硫黄同位体、例えば35S、銅同位体、例えば64Cu、ガリウム同位体、例えば67Ga又は68Ga、イットリウム同位体、例えば90Y、並びにルテチウム同位体、例えば177Lu、並びにビスマス同位体、例えば213Biを含む。
ある種の同位体標識された本発明のペプチドリガンド、例えば、放射性同位体が組み込まれているものは、薬物及び/又は基質の組織分布研究において有用である。本発明のペプチドリガンドは、標識された化合物と他の分子、ペプチド、タンパク質、酵素又は受容体との間の複合体の形成を検出又は同定するために使用できる点で、価値ある診断特性を更に有することができる。この検出又は同定方法は、例えば、放射性同位体、酵素、蛍光物質、発光物質(例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、イクオリン及びルシフェラーゼ)等の標識剤で標識されている化合物を使用することができる。放射性同位体である、トリチウム、即ち3H(T)、及び炭素14、即ち14Cは、その組み込みの容易さ及び検出手段が用意されていることを考慮すると、本目的のために特に有用である。
重水素、即ち2H(D)等の重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性、例えばインビボ半減期の延長又は必要投薬量の減少の結果として生じる特定の治療的利点をもたらすであろうから、状況によっては好適であろう。
11C、18F、15O及び13N等の陽電子放出同位体での置換は、標的占有率を調べるための陽電子放出トポグラフィー(PET)試験において利用できる。
本発明のペプチドリガンドの同位体標識された化合物は、通常、当業者に公知の従来技術によるか、又は既に利用されている非標識試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を使用している下記実施例に記載されているものと類似のプロセスによって調製することができる。
(分子スキャフォールド)
1の実施態様では、分子スキャフォールドは非芳香族分子スキャフォールドを含む。「非芳香族分子スキャフォールド」という用語への本明細書における言及は、芳香族(即ち、不飽和)炭素環式又は複素環式環系を含有しない、本明細書で定義される任意の分子スキャフォールドを指す。
非芳香族分子スキャフォールドの好適な例は、Heinisらの文献(2014) Angewandte Chemie, International Edition 53(6) 1602-1606に記載されている。
前記文書に挙げられているように、分子スキャフォールドは、有機低分子等の低分子でもよい。
1の実施態様では、分子スキャフォールドは、高分子でもよい。1の実施態様では、分子スキャフォールドは、アミノ酸、ヌクレオチド、又は炭水化物から構成される高分子である。
1の実施態様では、分子スキャフォールドは、ポリペプチドの機能性基(複数可)と反応して、共有結合を形成することができる反応基を含む。
分子スキャフォールドは、ペプチドとの結合を形成する化学基、例えば、アミン、チオール、アルコール、ケトン、アルデヒド、ニトリル、カルボン酸、エステル、アルケン、アルキン、アジド、無水物、スクシンイミド、マレイミド、ハロゲン化アルキル及びハロゲン化アシルを含み得る。
αβ不飽和カルボニル含有化合物の例は、1,1',1"-(1,3,5-トリアジナン-1,3,5-トリイル)トリプロパ-2-エン-1-オン(TATA)である(Angewandte Chemie, International Edition(2014), 53(6), 1602-1606)。
(合成)
本発明のペプチドは、標準技術によって合成的に製造し、その後インビトロで分子スキャフォールドと反応させることができる。これを実施する場合、標準的な化学的手法を使用することができる。これにより、更なる下流での実験又は検証のための可溶性材料の迅速な大規模調製が可能になる。そのような方法は、Timmermanらの文献(上記)に開示されているような従来の化学的手法を用いて達成できる。
従って、本発明は又、本明細書に記載されているように選択されるポリペプチドの製造に関するものであり、その製造は、下記に説明されるような任意の更なる工程を含む。1の実施態様では、これらの工程は、化学合成によって製造された最終生成物ポリペプチドに対して実施される。
ペプチドは又、伸長させて、例えば別のループ等を組み込み、その結果、複数の特異性を導入することもできる。
ペプチドを伸長させるには、それを、単純に、標準的な固相又は液相化学を用いて、オルソゴナル的に保護されたリシン(及び類似体)を用いて、そのN末端若しくはC末端で又はループ内で、化学的に伸長してもよい。標準的な(バイオ)コンジュゲーション技法を用いて、活性化された又は活性化可能なN末端又はC末端を導入してもよい。或いは、付加を、断片縮合によるか、若しくは例えば(Dawsonらの文献、1994、「ネイティブケミカルライゲーションによるタンパク質の合成(Synthesis of Proteins by Native Chemical Ligation)」Science 266:776-779)に記載されているネイティブケミカルライゲーションによるか、又は、例えば(Changらの文献、Proc Natl Acad Sci U S A. 1994 Dec 20;91(26):12544-8若しくはHikariらの文献、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、第18巻、第22号、2008年11月15日、6000~6003頁)に記載されているサブチリガーゼを用いて、酵素により行ってもよい。
或いは、ペプチドを、ジスルフィド結合を介する更なるコンジュゲーションによって伸長又は修飾してもよい。これは、第一及び第二のペプチドが細胞の還元環境下で互いに一度解離することを可能にする追加的な利点を有する。本発明の場合、分子スキャフォールド(例えば、TATA)を第一のペプチドの化学合成中に添加して、3つのシステイン基と反応させ;次に、第一のペプチドのN末端若しくはC末端に更なるシステイン又はチオールを付加して、その結果、このシステイン又はチオールが第二のペプチドの遊離のシステイン又はチオールとのみ反応し、ジスルフィド結合した二環式ペプチド-ペプチドコンジュゲートを形成することができる。
類似の技術を、2つの二環式二重特異性大環状分子の合成/カップリングに同様に適用して、四重特異性分子を作製することが可能である。
更に又、他の機能性基又はエフェクター基の付加を、適切な化学手法である、N末端若しくはC末端での又は側鎖を介したカップリングを用いて、同様に達成してもよい。1の実施態様では、カップリングは、いずれかの実体の活性を遮断しないような様式で実行する。
(医薬組成物)
本発明の更なる態様によれば、本明細書で定義されるペプチドリガンドを1以上の医薬として許容し得る賦形剤と組み合せて含む、医薬組成物が提供される。
通常、本ペプチドリガンドを、薬理学的に適切な賦形剤又は担体と一緒の精製された形態で使用してもよい。典型的には、これらの賦形剤又は担体は、生理食塩水及び/若しくは緩衝化媒体を含む、水溶液若しくはアルコール性/水溶液、エマルジョン又は懸濁液を含む。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、リンゲルブドウ糖液、ブドウ糖及び塩化ナトリウム液、並びに乳酸加リンゲル液が含まれる。生理学的に許容し得る好適なアジュバントは、ポリペプチド複合体を懸濁液中に保つために必要な場合、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン及びアルギネート等の増粘剤から選択されてもよい。
静脈内ビヒクルには、輸液(fluid)並びに栄養補液及び電解質補液、例えば、ブドウ糖加リンゲルベースのものが含まれる。保存剤並びに他の添加物、例えば抗微生物薬、抗酸化剤、キレート剤及び不活性ガスも又、存在可能である(Mackの文献(1982)、「レミントンの医薬品化学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第16版)。
本発明の化合物は、単独で又は別の薬剤(単数若しくは複数)と組み合わせて使用することができる。組み合わせて使用するための他の薬剤は、例えば、別の抗生物質、又は抗生物質「アジュバント」、例えばグラム陰性菌内への透過性向上剤、耐性決定因子の阻害剤、若しくは病毒性メカニズムの阻害剤等でもよい。
本発明の化合物と組み合わせて使用するための好適な抗生物質には、下記のものが含まれるが、これらに限定されるものではない:
ペニシリン類、セファロスポリン類、カルバペネム類又はモノバクタム類等のβラクタム類であって、好適なペニシリン類には、オキサシリン、メチシリン、アンピシリン、クロキサシリン、カルベニシリン、ピペラシリン、トリカルシリン(tricarcillin)、フルクロキサシリン及びナフシリンが含まれ;好適なセファロスポリン類には、セファゾリン、セファレキシン、セファロチン、セフタジジム、セフェピム、セフトビプロール、セフタロリン、セフトロザン及びセフィデロコルが含まれ;好適なカルバペネム類には、メロペネム、ドリペネム、イミペネム、エルタペネム、ビアペネム及びテビペネムが含まれ;好適なモノバクタム類には、アズトレオナムが含まれる;
クリンダマイシン及びリンコマイシン等のリンコサミド類;
アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、テリスロマイシン及びソリスロマイシン等のマクロライド類;
チゲサイクリン、オマダサイクリン、エラバサイクリン、ドキシサイクリン、及びミノサイクリン等のテトラサイクリン類;
シプロフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、及びデラフロキサシン等のキノロン類;
リファンピシン、リファブチン、リファラジル、リファペンチン、及びリファキシミン等のリファマイシン類;
ゲンタマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、アミカシン及びプラゾマイシン等のアミノグリコシド類;
バンコマイシン、テイコプラニン、テラバンシン、ダルババンシン、及びオリタバンシン等のグリコペプチド類;
レファムリン等のプレウロムチリン類;
リネゾリド又はテジゾリド等のオキサゾリジノン類;
ポリミキシンB又はコリスチン等のポリミキシン類;
トリメトプリム、イクラプリム、スルファメトキサゾール;
メトロニダゾール;
フィダキソマイシン;
ムピロシン;
フシジン酸;
ダプトマイシン;
ムレパビジン(Murepavidin);
ホスホマイシン;並びに
ニトロフラントイン。
好適な抗生物質「アジュバント」には、以下のものが含まれるが、これらに限定されるものではない:
外膜透過化剤又は排出ポンプ阻害剤等の、細菌への取込みを改善することが知られている薬剤;外膜透過化剤は、ポリミキシンBノナペプチド若しくは他のポリミキシン類似体、又はエデト酸ナトリウムを含むことができる;
β-ラクタマーゼ阻害剤等の耐性メカニズムの阻害剤;好適なβ-ラクタマーゼ阻害剤は、クラブラン酸、タゾバクタム、スルバクタム、アビバクタム、レレバクタム及びナクバクタムを含む;並びに
抗体を含む、毒素及び分泌系等の病毒性メカニズムの阻害剤。
本発明の化合物は又、核酸ベース療法、抗体、バクテリオファージ又はファージリシン等の生物学的療法と組み合わせて使用することもできる。
本発明の医薬組成物の投与経路は、当業者に一般的に公知のもののいずれでもよい。療法のために、本発明のペプチドリガンドは、標準技術に従って任意の患者へ投与することができる。投与経路には、経口(例えば、摂取による);口腔内頬側;舌下;経皮(例えば、パッチ、膏薬等によるものを含む);経粘膜(例えば、パッチ、膏薬等によるものを含む);鼻腔内(例えば、鼻腔スプレーによるもの);経眼(例えば、点眼薬によるもの);経肺(例えば口又は鼻経由の、例えばエアロゾルを介するものを用いる、例えば吸入又は吹送療法によるもの);経腸(例えば、坐剤又は浣腸剤によるもの);経膣(例えば、ペッサリーによるもの);非経口、例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内、脊髄内、関節包内、被膜下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節内、くも膜下、及び胸骨内を含む、注射によるもの;例えば皮下若しくは筋肉内への、デポ又はリザーバのインプラントによるものが含まれるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、本発明の医薬組成物は、非経口投与されるであろう。投薬量及び投与頻度は、患者の年齢、性別及び状態、他の薬物の同時的な投与、禁忌、並びに臨床医によって考慮される他のパラメーターに依存する。
本発明のペプチドリガンドは、貯蔵用に凍結乾燥し、使用前に適切な担体キャリア中で再構成することができる。この技術は、効果的であることが示されており、当分野で公知の凍結乾燥及び再構成技術を利用することができる。凍結乾燥及び再構成は様々な程度の活性損失を生じる可能性があり、濃度レベルを上方に調整してその損失を補う必要があり得ることは、当業者に認識されるであろう。
本ペプチドリガンド又はそのカクテルを含む組成物を、治療的処置のために投与することができる。特定の治療用途において、選択した細胞集団の少なくとも部分的な阻害、抑制、調節、死滅化、又は何らかの他の測定可能なパラメーターを達成するために適切な量を、「治療有効用量」として定義する。この投薬量を達成するために必要とされる量は、疾患の重症度及び患者自身の免疫系の全般的な状態に依存するが、概ね、体重1キログラム当たり選択したペプチドリガンド10μg~250mgの範囲であり、100μg~25mg/kg/用量の範囲の用量がより一般的に使用されるであろう。
本発明のペプチドリガンドを含有する組成物は、微生物感染の治療のための、又は感染のリスクに曝されている、例えば、外科手術、化学療法、人工呼吸、若しくは他の状態下にある又は計画的介入を受けている対象への予防を提供するための、治療的な設定で使用することができる。更に、本明細書に記載されるペプチドリガンドは、体外で又はインビトロで、細胞の異成分集合体から標的細胞集団を選択的に、死滅、枯渇、若しくは効果的に除去するために使用することができる。哺乳動物由来の血液を、選択したペプチドリガンドと体外で組み合わせて、それにより、望ましくない細胞を死滅させるか、そうでなければその血液から除去して、標準技術に従い哺乳動物へ戻してもよい。
(治療的使用)
本発明の二環式ペプチドは、PBP3バインダー又はPBP3aバインダーとして特に有用である。
ペニシリン結合タンパク質(PBP)は、ペニシリンへの親和性及びペニシリンとの結合を特徴とするタンパク質群であり、多くの細菌種中に存在する。全てのβ-ラクタム抗生物質(グルタミンシンセターゼを阻害するタブトキシニン-β-ラクタムを除く)は、細菌細胞壁の合成に必須であるPBPへ結合する。PBPは、トランスペプチダーゼと呼ばれる酵素のサブグループメンバーである。具体的には、幾つかのPBPはDD-トランスペプチダーゼであり、二機能性PBPはトランスグリコイラーゼ(transglycoylase)活性を有する。PBPは全て、細菌細胞壁の主構成要素であるペプチドグリカンの合成最終段階に関与している。細菌の細胞壁合成は、細菌の成長、細胞分裂(従って、増殖)及び細胞構造の維持に必須である。PBPの阻害は、細胞壁構造の変調、例えば伸長、病変、選択的透過性の喪失等を生じさせ、最終的に細胞死及び溶解が起こる。PBPの総説は、Macheboeufらの文献、(2006) FEMS Microbiology Reviews 30(5), 673-691により提供されている。
以上より、理論により拘束されるものではないが、本発明のペプチドリガンドは、PBPに結合し、細胞壁の合成を阻害することにより、細菌増殖の阻害、細胞死及び溶解を引き起こすことができると考えられる。治療標的としてのPBPの総説は、Silverの文献、(2007)Nature Reviews Drug Discovery 6、41-55及びZervosenらの文献、(2012) Molecules 17(11)、12478-12505によって提供されている。本発明のペプチドリガンドは、前記PBPの作用機序を妨害することができるいずれかの部位でPBPに結合し得ることが認識されるであろう。例えば、本ペプチドリガンドは、前記PBPの活性部位へ結合して、トランスペプチダーゼ又はトランスグリコシラーゼを阻害し得る。或いは、このペプチドリガンドは、PBP上のいずれかの場所に結合してその作用機序を妨害する可能性もある。
本発明の方法で選択されたポリペプチドリガンドは、インビボでの治療用途、インビトロ及びインビボでの診断用途、インビトロでの分析及び薬剤用途、その他に利用することができる。ワクチン用途等の幾つかの用途において、所定の範囲の抗原に対する免疫反応を誘発する能力を利用して、ワクチンを特定の疾患及び病原体に対するものとして調整するために利用することができる。
少なくとも90~95%の均質性を有する実質的に純粋なペプチドリガンドが哺乳動物への投与に好ましく、98~99%又はそれを超える均質性が、医薬用途に、特に哺乳動物がヒトである場合に最も好ましい。所望に応じて部分的に又は均質になるまで精製すれば、選択したポリペプチドを、診断的に若しくは治療的に(体外を含む)、又はアッセイ手順、免疫蛍光染色等の開発及び実施において使用することができる(Lefkovite及びPernisの文献(1979及び1981)、Immunological Methods、第I巻及び第II巻、Academic Press, NY)。
本発明の更なる態様によれば、細菌感染によって媒介される疾患若しくは障害の抑制又は治療において使用するための、又は感染のリスクに曝されている対象へ予防を提供するための、本明細書で定義されるペプチドリガンドが提供される。
本発明の更なる態様によれば、細菌感染によって媒介される疾患若しくは障害の抑制方法又は治療方法、又は感染のリスクに曝されている対象へ予防を提供する方法であって、それを必要とする患者へ本明細書で定義されるペプチドリガンドを投与することを含む方法が提供される。
本発明のペプチドリガンド又はそのペプチドリガンドを含む医薬組成物は、皮膚及び軟組織感染症、消化管感染症、尿路感染症、肺炎、敗血症、腹腔内感染症及び産科/婦人科感染症の治療に有用である。感染症は、肺炎レンサ球菌等のグラム陽性菌、又は大腸菌、緑膿菌及びアシネトバクター・バウマニ等のグラム陰性菌によって引き起こされるか、又は複数種の細菌によるものでもよい。
1の実施態様では、細菌感染によって媒介される疾患又は障害は、下記から選択される:
‐百日咳(百日咳菌によって引き起こされ得る);
‐破傷風(破傷風菌によって引き起こされ得る);
‐ジフテリア(ジフテリア菌によって引き起こされ得る);
‐エキノコックス病(エキノコックスによって引き起こされ得る);
‐下痢、溶血性尿毒症症候群若しくは尿路感染症(大腸菌によって引き起こされ得る);
‐呼吸器感染症若しくは髄膜炎(インフルエンザ菌によって引き起こされ得る);
‐胃炎、消化性潰瘍疾患若しくは胃腫瘍(ヘリコバクターピロリ菌によって引き起こされ得る);
‐結核(結核菌によって引き起こされ得る);
‐髄膜炎、肺炎、菌血症若しくは中耳炎(肺炎球菌によって引き起こされ得る);
‐食中毒(サルモネラ菌によって引き起こされ得る);
‐細菌性赤痢若しくは胃腸炎(赤痢菌によって引き起こされ得る);及び
‐コレラ(コレラ菌によって引き起こされ得る)。
「抑制」という用語への本明細書における言及は、誘導事象の後であるが、疾患の臨床的出現の前の組成物の投与を指す。「治療」は、疾患症状が顕在化した後の防御的な組成物の投与を含む。
疾患に対する防御又は疾患の治療におけるペプチドリガンドの有効性をスクリーニングするために使用することができる動物モデル系が利用可能である。
本発明を、下記の実施例を参照して更に説明する。
(実施例)
(材料及び方法)
(ペプチド合成)
ペプチド合成はFmoc化学に基づき、Peptide Instruments社製Symphonyペプチド合成装置及びMultiSynTech社製のSyro II合成装置を用いた。適切な側鎖保護基を付けた標準的なFmoc-アミノ酸(Sigma、Merck社)を利用し:適用可能な標準的なカップリング条件を各々の場合に使用し、その後、標準的な方法を用いて脱保護を行った。
或いは、HPLCを用いてペプチドを精製し、次に単離し、これを1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(TATA、Sigma社)で修飾した。このために、直鎖状ペプチドを50:50のMeCN:H2Oで約35mLとなるまで希釈し、約500μLアセトニトリル中の100mM TATAを添加し、5mLの1M NH4HCO3水溶液で反応を開始させた。反応を室温(RT)で約30分~60分間進行させておき、(MALDIにより判定して)反応が完了したら、凍結乾燥した。完了後、1mlの1M L-システイン塩酸塩一水和物(Sigma社)水溶液を反応液へ室温で約60分間かけて添加して余分なTATAをクエンチした。
凍結乾燥後、修飾されたペプチドを、Luna C8カラムをGemini C18カラム(Phenomenex社)と交換し、酸を0.1%トリフルオロ酢酸へ変更して、上記のように精製した。正確なTATA修飾材料を含む純粋画分をプールし、凍結乾燥させ、-20℃を維持して貯蔵した。
別途特記しない限り、全てのアミノ酸はL-立体配置のものを使用した。
場合によっては、ペプチドを活性化ジスルフィドに変換した後、下記の方法を用いて、毒素のフリーチオール基とカップリングさせる;4-メチル(スクシンイミジル-4-(2-ピリジルチオ)ペンタノエート)(100mM)の無水DMSO溶液(1.25mol当量)をペプチド(20mM)の無水DMSO溶液(1mol当量)へ添加した。反応液をよく混合し、DIPEA(20mol当量)を添加した。反応が完了するまでLC/MSによりモニタリングした。
(生物学的データ)
(蛍光偏光直接結合アッセイ)
蛍光偏光法を、未修飾PBPタンパク質を有するフルオレセイン標識したペプチドを使用して実施し、FP 485520520光学モジュールを備えたBMG Labtech社製PHERAstar FSを使用して測定した。
蛍光ペプチド(10 mM)のDMSO溶液を、結合バッファ(10mM HEPES、pH8、300 mM NaCl、2%グリセロール)で2.5 nMとなるように希釈した。次に、PBPタンパク質の2倍希釈系列を12ウェルにわたり結合バッファで、最大濃度21μMかつ最小濃度17 nMとして作製した。
10μlの希釈蛍光ペプチド(2.5 nM)を、384-Well NBS(商標)小容量マイクロプレート(Fisher Scientific社)の12ウェルへ添加した。次に、10μlのPBP希釈系列を蛍光ペプチドが存在するウェルへ加え、5μlの結合バッファを加えて総量を25μlとし、ペプチドトレーサーの最終濃度を1 nMとした。PBPタンパク質の無い対照ウェルを、結合バッファ内のペプチド最終濃度1 nMで最終体積25μlとなるように作製した。蛍光偏光を、室温で1時間、5分ごとに測定した。ゲイン及び焦点高さは、タンパク質無し対照ウェルを使用して最適化した。ウェルを485nmで励起光照射し、発光検出は520nmに設定した。
データをGraphPadソフトウェアで解析し、解離定数の値を導き出した。実験は、少なくとも3回繰り返した。
本発明の特定のペプチドリガンドを上記結合アッセイで試験し、その結果を、表示されたPBPへの結合について表1に示す。
(表1:選択された本発明のペプチドリガンドに関する直接結合データ)
Figure 2023515567000003
対照阻害剤であるボシリンは、大腸菌のPBP3へ、Kd 0.44μMで結合した。従って、このデータは、本発明のペプチドリガンドが、PBPへ高い親和性で選択的に結合することを示す。本明細書で提示された直接結合値は、蛍光トレーサー分子へ結合されたペプチドリガンドを使用することに注目すべきである。
(蛍光偏光競合結合アッセイ)
BODIPY標識したペニシリントレーサー及び非標識ペプチドを使用して、非修飾PBPタンパク質への競合に関する蛍光偏光競合法を実施した。偏光は、FP 485520520光学モジュールを備えたBMG Labtech社製PHERAstar FSを使用して測定した。
BODIPY蛍光標識したペニシリン(5 mM)のDMSO溶液を、6.25 nMとなるように結合バッファ(10mM HEPES、pH8、300 mM NaCl、2%グリセロール)で希釈した。非修飾PBPを、2μMとなるように結合バッファで希釈した。非修飾ペプチドの2倍希釈系列を12ウェルにわたり結合バッファで、最終最大ウェル濃度60μMかつ最小濃度50 nMとして作製した。5μlの非修飾ペプチド希釈系列又はカルベニシリンを、384-Well NBS(商標)小容量マイクロプレート(Fisher Scientific社)の12ウェルへ添加した。次に、10μlの希釈化BODIPY蛍光標識されたペニシリン(6.25 nM)を非修飾ペプチド希釈液が存在する12ウェルへ添加した。次に10μlの非修飾PBP(2μM)を、非修飾ペプチド及びBODIPY蛍光標識されたペニシリンが存在する12ウェルへ加えて総量を25μlとし、BODIPY蛍光標識されたペニシリンの最終濃度2.5 nM、非修飾PBPの最終濃度800 nMとした。
非修飾ペプチド無しの対照ウェルを、結合バッファ内のBODIPY蛍光標識されたペニシリンの最終濃度2.5 nMかつ非修飾PBPの最終濃度800 nMで、最終体積25μlとなるように作製した。非修飾ペプチド及び非修飾PBP無しの第二対照ウェルを、結合バッファ内でBODIPY蛍光標識されたペニシリンの最終濃度2.5 nMかつ最終体積25μlとなるように作製した。
蛍光偏光を、室温で1時間、5分ごとに測定した。ゲイン及び焦点高さは、非修飾ペプチド及び非修飾PBP無しの対照ウェルを使用して最適化した。ウェルを485nmで励起光照射し、発光検出は520nmに設定した。
データをGraphPadソフトウェアで解析し、阻害定数(inhibition constant)の値を導き出した。実験は、少なくとも3回繰り返した。
本発明の特定のペプチドリガンドを上記競合アッセイで試験し、その結果を表2に示す。
(表2:選択された本発明のペプチドリガンドに関する競合結合データ)
Figure 2023515567000004
本明細書で提示されたデータから分かるように、試験した本発明のペプチドリガンドは、PBPのβラクタム結合へ選択的に結合して阻害する。
更に蛍光偏光競合研究を、トレーサーとしてBCY12820を使用して実施し、その結果を表3に示す。
(表3: 選択された本発明のペプチドリガンドに関する競合結合データ)
Figure 2023515567000005
Figure 2023515567000006
Figure 2023515567000007
(最小発育阻止濃度及び最小致死濃度アッセイ)
最小発育阻止濃度(MIC)アッセイを、外膜を透過性にするために誘導可能な細孔を備えるように遺伝子操作されているZgurskaya labから入手した大腸菌株を使用して実施した(Krishnamoorthyらの文献、(2016) doi: https://doi.org/10.1128/AAC.01882-16)。使用した株は、GKCW101、 GKCW102、GKCW103、及びGKCW104である。
最初に細菌の一晩培養物を、単一の細菌コロニーを、カナマイシンを50μg/mLで追加してある5 mLのカチオン調整ミューラー・ヒントンブロス(CA-MHB)内に移すことにより調製した。翌日、一晩培養物を、カナマイシンを50μg/mLで含む25mL CA-MHBで1/100に希釈し、分光計により600nmで測定して光学密度が0.3に達するまで培養した。
次に、フィルター滅菌したアラビノースを濃度0.1%w/vになるように添加し、続いて600nmでの光学密度が1に等しくなるまで培養した。
次に、培養培地を、0.1%w/vアラビノース及び50μg/ mLカナマイシンを追加したCA-MHBで1×106 CFU mL-1まで希釈した。
96ウェルマイクロタイタープレート内で、100μLのCA-MHBをカラム2~12のウェル中に分注し、カラム1のウェルへは200μLを添加して2倍段階希釈液を調製した。
次に、最大8μlのペプチドリガンドをカラム1のウェルに添加し、そのプレートを2倍に希釈した。陽性対照(有効な抗生物質)及びDMSO対照を、G列とH列にそれぞれ含めた。次に、プレートを気体透過性シールで密封し、37℃で18時間インキュベートした。次に、PheraStar FSxプレートリーダーを使用して、各ウェルの600nmでの光学密度を測定した。MIC値を、視覚的な細菌増殖及び増殖なしの間のカットオフ濃度として決定した。
最小致死濃度(MBC)を、各ウェルから5μLのMIC培養液を大型LB寒天プレート(100 mL)上に分注し、次に37℃で一晩インキュベートすることによって決定した。MBCは、寒天上でコロニーが検出されなかった時点での抗生物質濃度として計算した。
それとは別に、ペプチドリガンドのMICは、大腸菌(ATCC 25922)、ネズミチフス菌(ATCC 19585)及びエンテロバクター・クロアカ(NCTC 13405)を使用して行った10μlのMICアッセイを使用して評価した。試験化合物を必要な溶媒中に高濃度で溶解させた。DMSOを使用して試験化合物を溶解させる場合、同じDMSO濃度を有するDMSO対照を各試験生物(菌)のために含めた。各試験生物について、対照抗生物質(その試験生物の感受性が既知であるもの)を並行して試験した。これにより、試行間の結果の比較が可能になり、試験手順及び試験生物が検証された。
無菌操作を使用して、試験化合物の連続2倍希釈(10ポイント範囲にわたる)を、5μlのカチオン調整ミューラー・ヒントンブロス(CA-MHB)で、96ウェルプレートの逆さにした蓋(inverted lid)上で行った。各試験生物の種菌は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)でマクファーランド標準濁度0.5に一致するように作製し、次に100倍に希釈した。各ウェル(陰性対照ウェルを除く)に5μlの種菌を接種した。各試験抗生物質について、CA-MHBのみからなる陰性対照(細菌無し)を、CA-MHB及び細菌のみを有する陽性対照(抗生物質無し)と共に含めた。96ウェルプレートの底部を蓋として使用して、蒸発を減らすためにそのプレートを保湿ケース内でインキュベートした。保湿ケースは、PBSで濡らしたティッシュを内包して予熱されたプラスチック箱内に、試験プレートを密封することにより構築した。試験プレートを、MIC測定のためのCLSIガイドラインで指示された温度及び時間でインキュベートした。プレート底部を透過する白色光で液滴を照射して、濁度に基づきMICを評価した。
本発明のペプチドが大腸菌 GKCW102 (WT-pore)を特異的に阻害するかを分析し、その結果を、表4に示す。
(表4: 選択された本発明のペプチドリガンドに関するMICデータ)
Figure 2023515567000008
Figure 2023515567000009
これらのデータは、大腸菌の細菌増殖を阻害する、本発明のペプチドリガンドの能力を提示する。

Claims (10)

  1. 少なくとも2つのループ配列によって隔てられた少なくとも3つのシステイン残基を含むポリペプチド、及び、分子スキャフォールドであって、少なくとも2つのポリペプチドループが該分子スキャフォールド上に形成されるように該ポリペプチドのシステイン残基と共有結合を形成する前記分子スキャフォールド、を含む、ペニシリン結合タンパク質3(PBP3)へ結合可能なペプチドリガンド。
  2. 前記ループ配列は3、4、5又は9つのアミノ酸を含む、請求項1に記載のペプチドリガンド。
  3. 前記PBP3は、1以上の病原菌種内に存在するPBP3である、請求項1又は2に記載のペプチドリガンド。
  4. 前記1以上の病原菌種は、アシネトバクター・バウマニ、炭疽菌、百日咳菌、ライム病菌、ウシ流産菌、イヌ流産菌、ヤギ流産菌、ブタ流産菌、カンピロバクター・ジェジュニ菌、クラミジア肺炎、クラミジア・トリコマチス、オウム病クラミジア、ボツリヌス菌、クロストリジウム・ディフィシル、ウェルシュ菌、破傷風菌、ジフテリア菌、エキノコックス、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、大腸菌(毒素原性大腸菌、腸管病原性大腸菌、腸管出血性大腸菌若しくは腸管凝集性大腸菌等)、野兎病菌、インフルエンザ菌、ヘリコバクターピロリ菌、肺炎桿菌、レジオネラ・ニューモフィラ、レプトスピラ・インテロガンス、リステリア・モノサイトゲネス、らい菌、結核菌、マイコバクテリウム・ウルセランス、マイコプラズマ肺炎、淋菌、髄膜炎菌、肺炎球菌、緑膿菌、ロッキー山紅斑熱菌、サルモネラ・ボンゴリ、サルモネラ・エンテリカ、サルモネラ・サブテラニアン等のサルモネラ菌、チフス菌若しくはネズミチフス菌、赤痢菌(ソンネイ赤痢菌若しくは志賀赤痢菌等)、黄色ブドウ球菌(MRSA等)、表皮ブドウ球菌、腐性ブドウ球菌、アガラクチア菌、肺炎レンサ球菌、化膿性レンサ球菌、梅毒トレポネーマ、コレラ菌又はペスト菌のいずれかから選択される、請求項3に記載のペプチドリガンド。
  5. 前記PBP3は大腸菌PBP3であり、かつ前記ペプチドリガンドは:
    Figure 2023515567000010
    Figure 2023515567000011
    (式中、HArgはホモアルギニンを表し、1Nalは1-ナフチルアラニンを表し、2Nalは2-ナフチルアラニンを表し、Ci、Cii、及びCiiiは、それぞれ第一、第二、及び第三のシステイン残基を表す)から選択されるアミノ酸配列又はそれらの医薬として許容し得る塩を含み、例えば:
    Ac-(配列番号1)(本明細書ではBCY12742と称する);
    A-(配列番号1)-A-[Sar6]-[KFl] (本明細書ではBCY12806と称する);
    [Fl]-G-[Sar5]-A-(配列番号1)-A (本明細書ではBCY12820と称する);
    SGH-(配列番号1)-A (本明細書ではBCY13761と称する);
    Ac-(配列番号2)(本明細書ではBCY12744と称する);
    [Fl]-G-[Sar5]-A-(配列番号2)-A (本明細書ではBCY12822と称する);
    A-(配列番号2)-A-[Sar6]-[KFl] (本明細書ではBCY12825と称する);
    A-(配列番号3)-A (本明細書ではBCY12123と称する);
    Ac-(配列番号4)(本明細書ではBCY12834と称する);
    A-(配列番号5)-A (本明細書ではBCY13981と称する);
    A-(配列番号6)-A (本明細書ではBCY13226と称する);
    A-(配列番号7)-A (本明細書ではBCY13227と称する);
    A-(配列番号8)-A (本明細書ではBCY13419と称する);
    A-(配列番号9)-A (本明細書ではBCY13420と称する);
    A-(配列番号10)-A (本明細書ではBCY13421と称する);
    A-(配列番号11)-A (本明細書ではBCY13422と称する);
    A-(配列番号12)-A (本明細書ではBCY13424と称する);
    A-(配列番号13)-A (本明細書ではBCY13656と称する);
    A-(配列番号14)-A (本明細書ではBCY13657と称する);
    A-(配列番号15)-A (本明細書ではBCY13658と称する);
    A-(配列番号16)-A (本明細書ではBCY13659と称する);
    A-(配列番号17)-A (本明細書ではBCY13660と称する);
    A-(配列番号18)-A (本明細書ではBCY13663と称する);
    A-(配列番号19)-A (本明細書ではBCY13664と称する);
    A-(配列番号20)-A (本明細書ではBCY13747と称する);
    A-(配列番号21)-A (本明細書ではBCY13748と称する);
    A-(配列番号22)-A (本明細書ではBCY13749と称する);
    A-(配列番号23)-A (本明細書ではBCY13750と称する);
    A-(配列番号24)-A (本明細書ではBCY13751と称する);
    A-(配列番号25)-A (本明細書ではBCY13753と称する);
    A-(配列番号26)-A (本明細書ではBCY13754と称する);
    EDR-(配列番号26)-A (本明細書ではBCY13760と称する);
    A-(配列番号27)-A (本明細書ではBCY13755と称する);
    A-(配列番号28)-A (本明細書ではBCY13756と称する);
    A-(配列番号29)-A (本明細書ではBCY13757と称する);
    A-(配列番号30)-A (本明細書ではBCY13758と称する);
    A-(配列番号30)-SSI (本明細書ではBCY13762と称する);
    ESW-(配列番号31)-A (本明細書ではBCY13759と称する);
    A-(配列番号31)-A (本明細書ではBCY13963と称する);
    A-(配列番号32)-KVD (本明細書ではBCY13763と称する);
    A-(配列番号33)-A (本明細書ではBCY13764と称する);
    A-(配列番号34)-A (本明細書ではBCY13765と称する);
    A-(配列番号35)-A (本明細書ではBCY13766と称する);
    A-(配列番号36)-A (本明細書ではBCY13767と称する);
    A-(配列番号37)-A (本明細書ではBCY13768と称する);
    A-(配列番号38)-A (本明細書ではBCY13769と称する);
    A-(配列番号39)-A (本明細書ではBCY13952と称する);
    A-(配列番号40)-A (本明細書ではBCY13953と称する);
    A-(配列番号41)-A (本明細書ではBCY13961と称する);
    A-(配列番号42)-A (本明細書ではBCY13962と称する);
    A-(配列番号43)-A (本明細書ではBCY13965と称する);
    A-(配列番号44)-A (本明細書ではBCY13966と称する);
    A-(配列番号45)-A (本明細書ではBCY13967と称する);
    A-(配列番号46)-A (本明細書ではBCY13968と称する);
    A-(配列番号47)-A (本明細書ではBCY13969と称する);
    A-(配列番号48)-A (本明細書ではBCY13970と称する);
    A-(配列番号49)-A (本明細書ではBCY13971と称する);
    A-(配列番号50)-A (本明細書ではBCY13972と称する);
    A-(配列番号51)-A (本明細書ではBCY13973と称する);
    A-(配列番号52)-A (本明細書ではBCY13975と称する);
    A-(配列番号53)-A (本明細書ではBCY13976と称する);
    A-(配列番号54)-A (本明細書ではBCY13977と称する);
    A-(配列番号55)-A (本明細書ではBCY13978と称する);
    A-(配列番号56)-A (本明細書ではBCY13979);及び
    A-(配列番号57)-A (本明細書ではBCY13980)、から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のペプチドリガンド。
  6. 前記分子スキャフォールドは1,1',1"-(1,3,5-トリアジナン-1,3,5-トリイル)トリプロパ-2-エン-1-オン(TATA)である、請求項1~5のいずれか1項に記載のペプチドリガンド。
  7. 前記医薬として許容し得る塩は、遊離酸、又はナトリウム、カリウム、カルシウム及びアンモニウムの塩から選択される、請求項1~6のいずれか1項に記載のペプチドリガンド。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のペプチドリガンドを、1以上の医薬として許容し得る賦形剤と組み合せて含む、医薬組成物。
  9. 1以上の治療剤を更に含む、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 細菌感染によって媒介される疾患若しくは障害の抑制又は治療において使用するための、又は感染のリスクがある対象へ予防を提供するための、請求項1~7のいずれか1項に記載のペプチドリガンド、又は請求項8若しくは9に記載の医薬組成物。
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