JP2023513437A - 解釈可能な機械学習によるアンチセンスオリゴヌクレオチド送達ペプチドの設計 - Google Patents

解釈可能な機械学習によるアンチセンスオリゴヌクレオチド送達ペプチドの設計 Download PDF

Info

Publication number
JP2023513437A
JP2023513437A JP2022545053A JP2022545053A JP2023513437A JP 2023513437 A JP2023513437 A JP 2023513437A JP 2022545053 A JP2022545053 A JP 2022545053A JP 2022545053 A JP2022545053 A JP 2022545053A JP 2023513437 A JP2023513437 A JP 2023513437A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
conjugate
peptides
oligonucleotide
alkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022545053A
Other languages
English (en)
Inventor
カーリー・シッセル
ソメシュ・モハパトラ
ジャスティン・ウォルフ
コリン・ファドゼン
チャ-リン・ウ
アンニカ・マルムバーグ
ガンナー・ハンソン
ブラッドレー・ペンテルート
ラファエル・ゴメス-ボムバレッリ
エヴァ・マリア・ロペス・ヴィダル
Original Assignee
サレプタ セラピューティクス, インコーポレイテッド
マサチューセッツ・インスティトュート・オブ・テクノロジー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by サレプタ セラピューティクス, インコーポレイテッド, マサチューセッツ・インスティトュート・オブ・テクノロジー filed Critical サレプタ セラピューティクス, インコーポレイテッド
Publication of JP2023513437A publication Critical patent/JP2023513437A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/50Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
    • A61K47/51Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent
    • A61K47/62Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being a protein, peptide or polyamino acid
    • A61K47/64Drug-peptide, drug-protein or drug-polyamino acid conjugates, i.e. the modifying agent being a peptide, protein or polyamino acid which is covalently bonded or complexed to a therapeutically active agent

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

本明細書では、オリゴヌクレオチド、三量体ペプチド、及びペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートが提供される。また、本明細書では、本明細書に記載のオリゴヌクレオチド、三量体ペプチド、及びペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを対象に投与することを含む、それを必要とする対象の筋疾患を治療する方法が提供される。合成法は、アンチセンスオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされた細胞透過性ペプチドのライブラリの生成、及びコンジュゲートのライブラリからのオリゴヌクレオチドカーゴの送達を強化できる新規ペプチド配列の生成のための機械学習ベースのジェネレータ-プレディクタ-オプティマイザループを提供する。

Description

関連出願
本出願は、2020年1月24日に出願された米国仮特許出願第62/965,555号、及び2021年1月6日に出願された米国仮特許出願第63/134,405号の優先権を主張し、これらの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
アンチセンス技術は、選択的スプライシングの産物を含む1つ以上の特定の遺伝子産物の発現を調節する手段を提供し、多くの治療、診断、及び研究用途において比類無く有用である。アンチセンス技術の背後にある原理は、標的核酸にハイブリダイズするアンチセンス化合物、例えばオリゴヌクレオチドが、多数のアンチセンス機構のいずれかを介して転写、スプライシング、又は翻訳等の遺伝子発現活性を調節することである。アンチセンス化合物の配列特異性は、標的の検証及び遺伝子の機能化のためのツールとして、また、疾患に関与する遺伝子の発現を選択的に調節するための治療薬としても、それらを魅力的なものとする。
アンチセンス技術の分野では著しい進歩が見られているものの、当技術分野では、向上したアンチセンス又はアンチジーン性能を有するオリゴヌクレオチド及びペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートが依然として必要とされている。
米国特許第5698685号 米国特許第5217866号 米国特許第5142047号 米国特許第5034506号 米国特許第5166315号 米国特許第5185444号 米国特許第5521063号 米国特許第5506337号 米国特許出願第12/271036号 米国特許出願第12/271040号 PCT国際公開パンフレット第WO/2009/064471号 PCT国際公開パンフレット第WO/2012/043730号
T.W. Greene、P.G.M. Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley & Sons (1999) Chiu and Rana、RNA、2003年、9、1034~1048頁、Limbach et al.、Nucleic Acids Research、1994年、22、2183~2196頁 Revankar and Rao、Comprehensive Natural ProductsChemistry、7巻、313頁 Glen Researchカタログ(www.glenresearch.com) Krueger ATら、Acc.Chem. Res.、2007年、40、141~150頁 Kool、ET、Acc.Chem. Res.、2002年、35、936~943頁 Benner S.A.ら、Nat. Rev. Genet.、2005年、6、553~543頁 Romesberg, F.E..ら、Curr. Opin.Chem. Biol.、2003年、7、723~733頁 Hirao, I.、Curr. Opin.Chem. Biol.、2006年、10、622~627頁 Remington's Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack PublishingCompany、Easton、Pa.、1985年、1418頁及びJournal of Pharmaceutical Science、66、2(1977年) Hamesら、Nucleic Acid Hybridization、IRL Press、1985年、107~108頁 MiyadaC. G.とWallace R. B.、1987年、Oligomer Hybridization Techniques, Methods Enzymol.、154巻、94~107頁 Summertonら、1997年、Antisense and Nucleic Acid DrugDevelopment、7、187~195頁
本明細書において提供されるものは、ペプチドに共有結合したオリゴヌクレオチドを含むペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートである。また、本明細書に記載のペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを対象に投与することを含む、それを必要とする対象の疾患を治療する方法も本明細書において提供される。機械学習を使用して最適な活性を有する1つ以上の細胞透過性ペプチドを同定するための方法もまた本明細書において提供される。
したがって、一態様では、本明細書で提供されるものは、式Iのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲート:
Figure 2023513437000001
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
A'は、-N(H)CH2C(O)NH2、-N(C1~6-アルキル)CH2C(O)NH2
Figure 2023513437000002
から選択され、
R5は、-C(O)(O-アルキル)x-OHであり、xは3~10であり、各アルキル基は、出現ごとに独立して、C2~6-アルキルであり、
又は、R5は、-C(O)C1~6-アルキル、トリチル、モノメトキシトリチル、-(C1~6-アルキル)-R6、-(C1~6-ヘテロアルキル)-R6、アリール-R6、ヘテロアリール-R6、-C(O)O-(C1~6-アルキル)-R6、-C(O)O-アリール-R6、-C(O)O-ヘテロアリール-R6、及び
Figure 2023513437000003
から選択され;
R6は、OH、SH、及びNH2から選択されるか、又はR6は、O、S、又はNHであり、これらのそれぞれが固体支持体に共有結合しており;
各R1は、OH及び-N(R3)(R4)から独立して選択され、各R3及びR4は、出現ごとに独立して、-C1~6-アルキルであり;
各R2は、独立して出現ごとに、H、核酸塩基、及び化学的保護基で官能化された核酸塩基から選択され、核酸塩基は、出現ごとに、独立して、ピリジン、ピリミジン、トリアジナン、プリン、及びデアザプリンから選択されるC3~6-複素環を含み;
zは8~40であり;
E'は、H、-C1~6-アルキル、-C(O)C1~6-アルキル、ベンゾイル、ステアロイル、トリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル、トリメトキシトリチル、
Figure 2023513437000004
から選択され;
Qは、-C(O)(CH2)6C(O)-又は-C(O)(CH2)2S2(CH2)2C(O)-であり;
R7は、-(CH2)2OC(O)N(R8)2であり、R8は、-(CH2)6NHC(=NH)NH2であり;
Lは、-C(O)(CH2)1~6-C7~15-ヘテロ芳香族-(CH2)1~6C(O)-であり、Lは、アミド結合によってJに共有結合しており;
Jは、キャリアペプチドであり;
Gは、H、-C(O)C1~6-アルキル、ベンゾイル、及びステアロイルから選択され、Gは、Jに共有結合しており;
以下の条件:
1)A'が、
Figure 2023513437000005
であること;又は2)E'が、
Figure 2023513437000006
であること
の少なくとも一方があてはまり;
キャリアペプチドJは、以下の配列から選択され:
Figure 2023513437000007
Figure 2023513437000008
Figure 2023513437000009
式中、Xは、6-アミノヘキサン酸であり、Bは、β-アラニンであり、Cは、L1によって別のCに共有結合しており;
L1
Figure 2023513437000010
であり;
Mは、
Figure 2023513437000011
であり;
R10は、出現ごとに独立して、H又はハロゲンである。
別の態様では、上記の定義を有する式IIの化合物も本明細書において提供され、キャリアペプチドJは、以下の配列から選択される:
Figure 2023513437000012
一実施形態では、式Iのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、式Iaのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲート:
Figure 2023513437000013
又はその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態では、式Iのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、式Ibのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲート:
Figure 2023513437000014
又はその薬学的に許容される塩である。
更に別の態様では、本開示のペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを対象に投与することを含む、神経筋疾患を治療する方法が本明細書において提供される。
別の態様において、本明細書で提供されるものは、機械学習を使用して最適な活性を有する1つ以上の細胞透過性ペプチドを同定するための方法であり、本方法は、以下を含む:
a.)トレーニング用オリゴヌクレオチド-細胞透過性ペプチドコンジュゲートのライブラリを合成する工程;
b.)合成されたライブラリを使用して、入れ子状の(nested)長短期記憶(LSTM)再帰型ニューラルネットワークモデルをトレーニングすることにより、シードペプチド配列を生成する工程;
c.)生成されたシードペプチド配列から、どのペプチド配列がアミノ酸残基の所定の構造活性関係を有するかを予測する工程;及び
活性プレディクタ-遺伝的アルゴリズムオプティマイザループを使用して、予測されたペプチド配列の1つ以上の最適なものを同定する工程。
A) 逆設計モデルを示す図である。活性について試験され、機械学習アルゴリズムをトレーニングして新規な高活性CPPを設計するために使用され、その後、in vitro及びin vivoで活性と毒性について評価されたモジュラーPMO-CPPライブラリ。B) 直交バイオコンジュゲーションを使用して結合された4つのモジュールを示す図である。 A) トポロジカルなフィンガープリントとして表されるアミノ酸残基を示す図である。B) 一連の配列表現を示す図である:Conv1D(フィンガープリントの線形配置、共有結合残基と局所相互作用を表す)、Conv2D(フィンガープリントのペアワイズ接触マップ、完全に接続された分子グラフを表す)、Conv2Dマクロサイクル(環状共有結合に関する明示的な情報を含むフィンガープリントのペアワイズ接触マップ、追加情報を含む完全に接続された分子グラフを表す)、及びDeConv2D(学習された重みを持つペアワイズ変分接触マップ、機能性の値の学習によって捕捉された3D相互作用を表す)。C) 元のConv1Dモデルについて予測されたMFI値と実験的に観測されたMFI値の比較を示す図である。D) トレーニングデータセット(箱型図)と検証データセット(青い点)の配列に対するPMOの改善度を示す図である。E~G) 最適化された重要な特性(長さ、配列内のアルギニン残基のパーセンテージ、配列の正味電荷)をMFIに対するトレーニング及び検証された配列と比較して示している。 A) Mach 3の正の勾配マップを示す図である。B) Mach3中の最も正の残基における正の部分構造(緑色)を示す図である。C, D) 特定の長さ(30、35、40、45、50)の最良の配列に対する正の勾配の活性化は、図3C)残基の位置とD)フィンガープリントインデックスで平均化されていることを示す図である。E) 残基の位置に基づく、最良の性能を発揮する配列におけるアミノ酸のクラスタリングを示す図である。F) 最も活性化されたフィンガープリントインデックスの部分構造を示す図である。 A) 活性(eGFP654HeLa細胞における是正されたスプライシング)に対する用量反応曲線を示す図であり、毒性(RIPTEC細胞におけるLDH放出)がPMO単独、既知の活性ペプチドBpep-Bpep、及び4つのMachペプチドについて示されている。活性は、eGFPアッセイを使用して決定された:フローサイトメトリーによる分析の前に、HeLa 654細胞をPMO-Mach構築物と共に22時間インキュベートした。結果は、PMO単独と比較した増加率として示されており、3組の実験を2回行った。毒性は、同じ方法で処置した腎上皮細胞(RPTEC TH1)を使用して決定し、LDH放出アッセイを使用して分析した(*p<0.01、スチューデントの両側t検定)。B) Mach PMO-ペプチドが炎症誘発性サイトカインの放出を引き起こさないことを示す図であり、これは、ヒトマクロファージの炎症性サイトカインパネルによって決定された。ヒト単球由来マクロファージを、様々な濃度の各PMO-ペプチドで3時間処置し、洗浄し、12時間インキュベートした。放出されたサイトカインは、ビーズベースのイムノアッセイとフローサイトメトリーによって検出した。 概念実証実験のための特定のペプチド配列と名前を示す図である。 A) 各モジュラー構築物で処置されたHeLa-654細胞の平均細胞蛍光を開示するヒートマップを示す図である(n=3複製ウェル)。B) 各モジュラー構築物で処置した後のHeLa-654細胞の総細胞数を開示するヒートマップを示す図である。各実験は5000細胞を上限とした。低い細胞数は、細胞毒性を示唆する。C) モジュラー構築物の2つの最も重要なパラメータを捕捉する単一のメトリックを与える平均蛍光を乗じた細胞数(FxC)を開示するヒートマップを示す図である。 HeLa-654アッセイで試験した600個の構築物のFxCを開示するヒートマップを示す図である(n=1複製ウェル)。最も強力な化合物はPMO-DPV6-SV40-W/Rであり、試験前には、特に注目すべきとは予測されていなかったペプチドの組み合わせである。「X」でマークされた四角は、ゲートされた細胞数がゼロであった構築物である。 HeLa-654アッセイで試験された600個の構築物の平均蛍光強度を示すヒートマップを示す図である(n=1複製ウェル)。「X」でマークされた四角は、ゲートされた細胞数がゼロであった構築物である。 600個の構築物で処置した後の総細胞数を開示するヒートマップを示す図である(n=1複製ウェル)。ゲートされる細胞の数は5,000に制限した。 トレーニング配列のジャロ・ウィンクラー自己類似性を示す図である。A)は、ジェネレータ(入れ子状のLSTM)のトレーニングで使用される配列を示している。B)は、プレディクタ(畳み込みニューラルネットワークベースのモデル)のトレーニングで使用される配列を示している。 トレーニング(データセットの80%)、検証(データセットの20%)の予測及び実験の絶対強度プロットを示す図であり、タイトルに記載されているトレーニング値の範囲内でのモデルの精度がパーセンテージで示されている。128ビットのフィンガープリント、A)Conv1D、B)Conv2D、C)Conv2Dマクロサイクル、及びD)DeConv2Dを使用した様々な表現について、ハイパーパラメータ最適化後に得られたモデル。 A) 実験での強度に対する予測された配列の新規性を示す図である。B) T細胞エピトープを予測するオンラインツール(IEDB)に基づく免疫原性スコアを示す図である。 トレーニングセットの配列の勾配活性をMFIの降順に並べたものであり、A)C末端からの残基位置、及びB)フィンガープリントインデックスで平均化した正の活性化と、C)C末端からの残基位置、及びD)フィンガープリントインデックスで平均化した負の活性化を示す図である。E)アルギニン、F)リジン、G)ヒスチジン、及びH)アミノヘキサン酸についての、元のアミノ酸の化学的部分構造とフィンガープリントインデックスを示す図である。 in vitroエクソンスキッピングアッセイで測定した場合、MachペプチドがPMOの送達を40~50倍増強することを示す図である。実験での活性(青)は、予測された活性(青)と同等である。 A)LDH放出アッセイ及びB)MTTアッセイによって測定した場合、Mach CPPの半分が5μMで毒性がないことを示す図である。細胞毒性は、細胞ライセートと比較したLDH放出のパーセンテージとして報告され、生存率は、無処置に対するパーセンテージとして報告されている。 ヒト単球由来マクロファージで検出されたサイトカインの炎症パネルの結果を示す図である。 G5-DTAへのMach-LPSTGGペプチドのライゲーションのクーマシー染色SDSページゲルを示す図である。 各PMOペプチドコンジュゲートについて3つの異なる生物学的反復において5μMの濃度で測定されたPMO-ペプチドコンジュゲート体の活性(eGFPアッセイ)を示す図である。eGFP蛍光は、非コンジュゲートPMOで処置した細胞に対して正規化した。 その類似体(PMO-P8~PMO-P12)に対して優位なPMO-P7の活性を示す図である。 ペプチドのC末端のKXXCモチーフが、KXXCの非存在下での類似体PMO-ペプチドコンジュゲートに対して、PMO送達の増加をもたらさないことを示す図である。ペプチドのC末端のKXXCモチーフの非存在下及び存在下でのPMO-ペプチドコンジュゲートのペアの活性(eGFPアッセイ)。 PMO-P7誘導体、PMO-P21、PMO-P22及びPMO-P23の5μMにおける活性を示す図である。 A) PMO-P7(酢酸塩)についての用量応答曲線(eGFP及びLDH)の描写を示す図である。B) PMO-P21(酢酸塩)の用量反応曲線(eGFP及びLDH)の描写を示す図である。C) PMO-P23(酢酸塩)の用量反応曲線(eGFP及びLDH)の描写を示している。 ペプチド6のポリリシンバックボーンが、PMO送達における向上した活性の主要な原因であることを示す図である。長方形2300の内側は、KXXCモチーフ中にAla置換を含むPMO-ペプチドコンジュゲート(PMO-8からPMO-11)の活性である。長方形2302の内側は、ポリリシンバックボーンにAla置換を含むPMO-ペプチドコンジュゲート(PMO-12からPMO-17)の活性である。破線2304の内側は、C末端にCys残基を有さない2つのPMO-ペプチドコンジュゲート(PMO-8及びPMO-18)の活性である。1つのアスタリスク(*)は、p値が0.005より小さいことを示す(p<0.005)。2つのアスタリスク(**)は、p値が0.0005より小さいことを示す(p<0.0005)。3つのアスタリスク(***)は、p値が0.00005より小さいことを示す(p<0.00005)。4つのアスタリスク(***)は、p値が0.000005より小さいことを示す(p<0.000005)。 P7が腎毒性を示さない一方で、大腿四頭筋、横隔膜、及び心臓においてGFPタンパク質レベルを増強することを示す図である。A)は、7日後におけるBUN(血中尿素窒素)レベルに有意な変化がないことを示し、B)は、7日後におけるクレアチニンレベルに有意な変化がないことを示し、C)は、7日後におけるシスタチンCレベルに有意な変化がないことを示している。D) 大腿四頭筋におけるGFPタンパク質のレベルを示す図である(30mg/kgで1300pg GFP/μgタンパク質、及び60mg/kgで4000pg GFP/μgタンパク質);生理食塩水、N=6、10mg/kg、N=6、30mg/kg、N=7、60mg/kg、N=4。E) 横隔膜におけるGFPタンパク質のレベルを示す図である(30mg/kgで1100pg GFP/μgタンパク質、及び60mg/kgで2500pg GFP/μgタンパク質);生理食塩水、N=6、10mg/kg、N=6、30mg/kg、N=6、60mg/kg、N=4。F) 心臓におけるGFPタンパク質のレベルを示す図である(30mg/kgで2000pg GFP/μgタンパク質、及び60mg/kgで2200pg GFP/μgタンパク質);生理食塩水、N=6、10mg/kg、N=7、30mg/kg、N=8、60mg/kg、N=4。(Nは、使用したマウスの数に言及している)。 本明細書において説明されている技法を実装するために使用できるコンピューティングデバイスの例を示す図である。 機械学習を使用して最適な活性を有する1つ以上の細胞透過性ペプチドを同定するための、本明細書に記載の方法に従って使用されるライブラリシンセサイザ-ジェネレータ-プレディクタ-アイデンティファイアにモジュール化されたシステムのブロック図を示す図である。 A, B, C) 図26のライブラリシンセサイザ-ジェネレータ-プレディクタ-アイデンティファイアモジュールの使用方法を示すフローチャートを示す図である。
ホスホロジアミダートモルホリノオリゴヌクレオチド(PMO)は、遺伝性疾患の魅力的な治療分子である。PMOはワトソン-クリック塩基対によって標的を認識し、その相補的なヌクレオチド配列に対して高い特異性を示すように設計される。標的とする配列の種類に応じて、PMOは、タンパク質の翻訳のブロック又は遺伝子スプライシングの変更を含む、様々な効果を媒介できる。デュシェンヌ型筋ジストロフィーを治療するためにFDAによって承認されたPMOであるエテプレルセンは、ジストロフィンをコードするpre-mRNAの変異を含むエクソンを最終的なタンパク質転写物から除外し、タンパク質の機能を回復させる。
構造的には、PMOは、リボシル環がモルホリノ環に置き換えられている中性のオリゴヌクレオチド類似体であり、負に荷電したホスホジエステルバックボーンが、荷電していないホスホロジアミダートに置き換えられている。変更されたバックボーン構造は、血清中における分解及び細胞内ヌクレアーゼによる分解を防ぐ。しかしながら、PMOの比較的大きなサイズと中性の電荷は、サイトゾル及び核への非効率的な送達を導きうる。
細胞透過性ペプチド(CPP)は、核へのPMOの送達を向上させるための有望な戦略である。CPPは、理想的にはサイトゾルにアクセスし、積荷の細胞内送達を促進することができる5~40アミノ酸の比較的短い配列である。CPPは、その物理化学的特性に基づいて様々なグループに分類できる。一般的なCPPクラスの1つは、R12及びBpep(RXRRβRRXRRβR、ここでXはアミノヘキサン酸であり、βはβ-アラニンである)等のアルギニンベースの反復ペプチドから成る。これらのオリゴアルギニンペプチドは、しばしばランダムコイルである。PMOにコンジュゲートされた場合、オリゴアルギニンペプチドは、PMOの送達を促進することにおいて最も効果的なペプチドの一部である。ペネトラチン、pVEC、メリチン等の他のCPPは、本質的に、より両親媒性である。これらの配列はカチオン性残基を含んでいるが、荷電残基と疎水性残基の明確化された分離が、両親媒性ヘリックスの形成を促進することができる。しかしながら、両親媒性CPPが、PMOの有効性を有意に向上させることは実証されていない。
CPP又はCPP-PMOコンジュゲートには、普遍的な細胞侵入のメカニズムは存在しない。メカニズムはしばしば、処置濃度及び結合した積荷のタイプに大きく依存する。特定の閾値濃度(通常は低マイクロモル濃度)を超えると、エネルギーに依存しない細胞質への取り込みが、エンドサイトーシス及び細胞表面リサイクリングの時間尺度よりも速く観察されうる。取り込み速度が速いことは、低分子で観察されるものと同様な直接的移行メカニズムの証拠を提供する。しかしながら、生理学的に関連する低濃度では、取り込みは主にエンドサイトーシスによるものである。エンドサイトーシスのカテゴリー内でも、CPP及びCPP-PMOコンジュゲートは、1つ又は複数のエンドサイトーシスのメカニズムを使用して細胞に侵入することができる。これらのエンドサイトーシスのメカニズムは、マイクロピノサイトーシス、クラスリン媒介エンドサイトーシス、カベオラ媒介エンドサイトーシス、及びクラスリン/カベロエ非依存性エンドサイトーシスを含む。CPP-PMOコンジュゲートは、低濃度では主にエンドサイトーシスによって取り込まれ、PMOの送達には不十分なCPPは、エンドソーム内に閉じ込められているか、核コンパートメントから除外されている可能性が高い。
本明細書では、PMO送達を向上させるためのペプチド-PMOコンジュゲートが提供される。本明細書には、特にコンジュゲートしていないPMO及び単一のCPP-PMOコンジュゲートと比較した場合の、オリゴヌクレオチドの細胞内取り込みの増加が記載される。機械学習を使用して最適な活性を有する1つ以上の細胞透過性ペプチドを同定するための方法もまた本明細書において提供される。
定義
以下に、本開示を説明するために使用される様々な用語の定義が列挙される。これらの定義は、個別に又はより大きな群の一部として特定の場合に限定されない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体で使用される用語に適用される。
「約」という用語は、当業者によって理解され、それが使用される文脈によってある程度変動するであろう。本明細書において使用される場合、量、時間的持続時間等の測定可能な値に言及する際、「約」という用語は、変動が開示された方法を実施するために適切となるように、指定の値から±5%、±1%及び±0.1%を含む±20%又は±10%の変動を包含することが意図されている。
「アルキル」という用語は、特定の実施形態において、それぞれ1~6個、又は1~8個の炭素原子を含む、飽和した直鎖状又は分枝状の鎖炭化水素部分を指す。C1~6-アルキル部分の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル部分を含むが、これらに限定はされず;そして、C1~8-アルキル部分の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、ヘプチル、及びオクチル部分を含むが、これらに限定はされない。
アルキル置換基中の炭素原子の数は、接頭辞「Cx~y」で指し示すことができ、xは置換基中の最小炭素原子数であり、yは最大炭素原子数である。同様に、Cx鎖は、x個の炭素原子を含むアルキル鎖を意味する。
「ヘテロアルキル」という用語は、それ自体で又は他の用語との組み合わせで、別段の記載がない限り、記載された数の炭素原子と、O、N、及びSから成る群から選択される1つ又は2つのヘテロ原子から成る安定な直鎖又は分枝鎖状のアルキル基を意味し、窒素原子及び硫黄原子は場合により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は場合により四級化されていてもよい。ヘテロ原子は、ヘテロアルキル基の残りの部分とそれが結合しているフラグメントとの間を含む、ヘテロアルキル基の任意の位置に配置されてもよく、また、ヘテロアルキル基の最も遠位の炭素原子に結合されていてもよい。例は以下を含む:-O-CH2-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH2-OH、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、及び-CH2-CH2-S(=O)-CH3。例えば、-CH2-NH-OCH3、又は-CH2-CH2-S-S-CH3のように、2つまでのヘテロ原子が連続していてもよい。
単独で、又は他の用語と組み合わせて使用される「アリール」という用語は、別段の記載がない限り、1つ以上の環(典型的には、1つ、2つ、又は3つの環)を含む炭素環式芳香族系を意味し、そのような環は、ビフェニル等のようにペンダント方式で一緒に結合されていても、又はナフタレン等のように縮合されていてもよい。アリール基の例は、フェニル、アントラシル、及びナフチルを含む。様々な実施形態において、アリール基の例は、フェニル(例えば、C6-アリール)及びビフェニル(例えば、C12-アリール)を含みうる。いくつかの実施形態において、アリール基は、6から16個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、アリール基は、6から12個の炭素原子を有する(例えば、C6~12-アリール)。いくつかの実施形態において、アリール基は、6個の炭素原子を有する(例えば、C6-アリール)。
本明細書で使用される「ヘテロアリール」又は「ヘテロ芳香族」という用語は、芳香族特性を有する複素環を指す。ヘテロアリール置換基は、炭素原子の数によって定義することができ、例えば、C1~15-ヘテロアリールは、ヘテロ原子の数を含めずに、ヘテロアリール基に含まれる炭素原子の数を示す。例えば、C1~9-ヘテロアリールは、追加の1~4個のヘテロ原子を含むであろう。多環式ヘテロアリールは、部分的に飽和している1つ以上の環を含みうる。ヘテロアリールの非限定的な例は、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル(例えば、2-及び4-ピリミジニルを含む)、ピリダジニル、チエニル、フリル、ピロリル(例えば、2-ピロリルを含む)、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル(例えば、3-及び5-ピラゾリルを含む)、イソチアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3-シアジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,3,4-シアジアゾリル及び1,3,4-オキサジアゾリルを含む。
多環式複素環及びヘテロアリールの非限定的な例は、インドリル(例えば、3-、4-、5-、6-及び7-インドリルを含む)、インドリニル、キノリル、テトラヒドロキノリル、イソキノリル(例えば、1-及び5-イソキノリルを含む)、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル、シノリニル、キノキサリニル(例えば、2-及び5-キノキサリニルを含む)、キナゾリニル、フタルジニル、1,8-ナフチリジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、クマリン、ジヒドロクマリン、1,5-ナフチリジニル、ベンゾフリル(例えば、3-、4-、5-、6-及び7-ベンゾフリルを含む)、2,3-ジヒドロベンゾフリル、1,2-ベンゾイソキサゾリル、ベンゾチエニル(例えば、3-、4-、5-、6-及び7-ベンゾチエニルを含む)、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル(例えば、2-ベンゾチアゾリル及び5-ベンゾチアゾリルを含む)、プリニル、ベンゾイミダゾリル(例えば、2-ベンゾイミダゾリルを含む)、ベンゾトリアゾリル、チオキサンチニル、カルバゾリル、カルボリニル、アクリジニル、ピロリジジニル及びキノリジニルを含む。
本明細書で使用される場合、頭字語DBCOは、8,9-ジヒドロ-3H-ジベンゾ[b,f][1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]アゾシンを指す。
「保護基」又は「化学的保護基」という用語は、化合物の一部又は全ての反応性部分をブロックし、保護基が除去されるまでそのような部分が化学反応に関与するのを防ぐ化学的部分、例えば、T.W. Greene、P.G.M. Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley & Sons (1999)に列挙され、説明されているそれらの部分を指す。異なる保護基が使用される場合、各(異なる)保護基が異なる手段によって除去可能であることが有利でありうる。完全に異なる反応条件下で切断される保護基は、そのような保護基の他と異なる除去を可能とする。例えば、保護基は、酸、塩基、及び水素化分解によって除去されうる。トリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル、アセタール、及びtert-ブチルジメチルシリル等の基は、酸に不安定であり、水素化分解によって除去可能なCbz基及び塩基に不安定なFmoc基で保護されたアミノ基の存在下で、カルボキシ及びヒドロキシ反応性部分を保護するために使用されうる。カルボン酸部分は、限定はされないが、メチル又はエチル等の塩基に不安定な基でブロックされていてもよく、ヒドロキシ反応性部分は、tert-ブチルカルバメート等の酸に不安定な基で、又は酸及び塩基に安定だが加水分解的に除去可能なカルバメートでブロックされたアミンの存在下で、アセチル等の塩基に不安定な基でブロックされていてもよい。
カルボン酸及びヒドロキシル反応性部分は、ベンジル基等の加水分解的に除去可能な保護基でブロックされていてもよく、一方、アミン基は、Fmoc等の塩基に不安定な基でブロックされていてもよい。式(I)の化合物の合成に特に有用なアミン保護基は、トリフルオロアセトアミドである。カルボン酸反応性部分は、2,4-ジメトキシベンジル等の酸化的に除去可能な保護基でブロックされていてもよく、共存するアミノ基は、フッ化物に不安定なシリルカルバメートでブロックされていてもよい。
アリルブロック基は、酸及び塩基保護基の存在下で有用であるが、これは、前者が安定であり、その後、金属又はパイ酸触媒によって除去できるためである。例えば、アリルでブロックされたカルボン酸は、酸に不安定なカルバミン酸t-ブチル又は塩基に不安定な酢酸アミン保護基の存在下において、パラジウム(0)触媒反応で脱保護されうる。保護基の更に別の形態は、化合物又は中間体が結合されうる樹脂である。残基が樹脂に結合している限り、その官能基はブロックされ、反応できない。樹脂から放出されると、官能基は反応できるようになる。
「核酸塩基」、「塩基対形成部分」、「核酸塩基対形成部分」、又は「塩基」という用語は、ヌクレオシド、ヌクレオチド、及び/又はモルホリノサブユニットの複素環部分を指す。核酸塩基は、天然に存在するものであるか、又は修飾されているものであるか、又はこれらの天然に存在する核酸塩基の類似体であってもよく、例えば、核酸塩基の1つ以上の窒素原子が、出現ごとに独立して炭素に置き換えられていてもよい。例示的な類似体は、ヒポキサンチン(ヌクレオシドであるイノシンの塩基成分);2,6-ジアミノプリン;5-メチルシトシン;C5-プロピニル修飾ピリミジン;10-(9-(アミノエトキシ)フェノキサジニル)(G-クランプ)等を含む。
塩基対形成部分のさらなる例は、アシル保護基によって保護されたそれぞれのアミノ基を有するウラシル、チミン、アデニン、シトシン、グアニン並びにヒポキサンチン、2-フルオロウラシル、2-フルオロシトシン、5-ブロモウラシル、5-ヨードウラシル、2,6-ジアミノプリン、アザシトシン、プソイドイソシトシン及びプソイドウラシル等のピリミジン類似体、並びに8-置換プリン、キサンチン、又はヒポキサンチン(後者2つは天然の分解生成物)等の修飾核酸塩基を含む。Chiu and Rana、RNA、2003年、9、1034~1048頁、Limbach et al.、Nucleic Acids Research、1994年、22、2183~2196頁及びRevankar and Rao、Comprehensive Natural Products Chemistry、7巻、313頁に開示されている修飾核酸塩基もまた考えられ、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
塩基対形成部分のさらなる例は、1つ以上のベンゼン環が付加された拡大されたサイズの核酸塩基を含むが、それらに限定はされない。Glen Researchカタログ(www.glenresearch.com);Krueger ATら、Acc.Chem. Res.、2007年、40、141~150頁;Kool、ET、Acc.Chem. Res.、2002年、35、936~943頁;Benner S.A.ら、Nat. Rev. Genet.、2005年、6、553~543頁;Romesberg, F.E..ら、Curr. Opin.Chem. Biol.、2003年、7、723~733頁;Hirao, I.、Curr. Opin.Chem. Biol.、2006年、10、622~627頁に記載されている核酸塩基置換は、本明細書に記載のオリゴマーの合成に有用であると考えられ、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。拡張されたサイズの核酸塩基の例は、以下に示されている:
Figure 2023513437000015
「オリゴヌクレオチド」又は「オリゴマー」という用語は、結合した複数のヌクレオシド、ヌクレオチド、又はヌクレオシドとヌクレオチドの両方の組み合わせを含む化合物を指す。本明細書で提供される特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドはモルホリノオリゴヌクレオチドである。
「モルホリノオリゴヌクレオチド」又は「PMO」という語句は、1つのサブユニットのモルホリノ窒素を隣接するサブユニットの5'環外炭素に連結する、ホスホロアミダート又はホスホロジアミダート結合によって一緒に連結されたモルホリノサブユニットを有する修飾オリゴヌクレオチドを指す。各モルホリノサブユニットは、核酸塩基特異的な水素結合によって、標的中の核酸塩基に結合するのに有効な核酸塩基対形成部分を含む。
「アンチセンスオリゴマー」、「アンチセンス化合物」及び「アンチセンスオリゴヌクレオチド」という用語は、互換的に使用され、それぞれが塩基対形成部分を担持し、塩基対形成部分が、ワトソン-クリック塩基対形成により核酸(典型的にはRNA)中の標的配列にハイブリダイズして、標的配列内に核酸:オリゴマーヘテロ二重鎖を形成することを可能とする、サブユニット間の結合によって連結されたサブユニットの配列を指す。オリゴマーは、標的配列に対して正確な(完全な)又は近い(十分な)配列相補性を有しうる;オリゴマーの末端近くの配列における変動は、内部における変動よりも一般に好ましい。
そのようなアンチセンスオリゴマーは、mRNAの翻訳をブロック若しくは阻害するか、又は天然の若しくは異常なプレmRNAのスプライシング処理を阻害/変更するように設計することができ、それがハイブリダイズする標的配列に対して「向けられた」又は「標的化された」と言うことができる。標的配列は、典型的には、mRNAのAUG開始コドン領域、翻訳抑制オリゴマー、又は前処理されたmRNAのスプライス部位領域、スプライス抑制オリゴマー(SSO)である。スプライス部位の標的配列は、前処理されたmRNA中の正常なスプライスアクセプター接合部の1から約25塩基対下流にその5'末端を有するmRNA配列を含みうる。様々な実施形態において、標的配列は、スプライス部位を含む、又はエクソンコード配列内に完全に含まれる、又はスプライスアクセプター若しくはドナー部位にわたる、前処理されたmRNAの任意の領域でありうる。オリゴマーは、上記の様式で標的の核酸を標的とする場合、タンパク質、ウイルス、又は細菌等の生物学的に関連する標的を「標的化する」と、より一般的に言われる。
アンチセンスオリゴヌクレオチド及び標的RNAは、オリゴヌクレオチドと標的との間に安定且つ特異的な結合が生じるように、互いに水素結合することができるヌクレオチドによって各分子内の十分な数の対応する位置が占有されている場合、互いに相補的である。よって、「特異的にハイブリダイズ可能である」及び「相補的である」とは、オリゴヌクレオチドと標的との間に安定且つ特異的な結合が起こるような、十分な程度の相補性又は正確な対合を指し示すために用いられる用語である。オリゴヌクレオチドの配列は、特異的にハイブリダイズ可能であるために、その標的配列の配列と100%相補的である必要はないことが当技術分野で理解されている。オリゴヌクレオチドの標的分子への結合が、標的RNAの正常な機能を阻害し、特異的結合が望まれる条件下、すなわち、in vivoアッセイ又は治療処置の場合には生理学的条件下、in vitroアッセイの場合には、アッセイが行われる条件下で、非標的配列へのアンチセンスオリゴヌクレオチドの非特異的結合を避けるのに十分な程度の相補性が存在する場合、オリゴヌクレオチドは特異的にハイブリダイズ可能である。
オリゴヌクレオチドはまた、核酸塩基(当技術分野ではしばしば、単に「塩基」と呼ばれる)の修飾又は置換を含んでいてもよい。修飾又は置換された塩基を含むオリゴヌクレオチドは、核酸で最も一般的に見られる1つ以上のプリン塩基又はピリミジン塩基が、より一般的でない塩基又は非天然塩基で置換されているオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、核酸塩基は、プリン塩基のN9原子で、又はピリミジン塩基のN1原子で、ヌクレオチド又はヌクレオシドのモルホリン環に共有結合している。
プリン塩基は、以下の一般式で表されるように、イミダゾール環と縮合したピリミジン環を含む:
Figure 2023513437000016
アデニンとグアニンは、核酸で最も一般的に見られる2つのプリン核酸塩基である。これらは、N6-メチルアデニン、N2-メチルグアニン、ヒポキサンチン、及び7-メチルグアニンを含むが、これらに限定されない他の天然に存在するプリンで置換されうる。
ピリミジン塩基は、以下の一般式で表されるように、6員環のピリミジン環を含む:
Figure 2023513437000017
シトシン、ウラシル、及びチミンは、核酸で最も一般的に見られるピリミジン塩基である。これらは、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、シュードウラシル、4-チオウラシルを含むが、これらに限定されない他の天然に存在するピリミジンで置換されていてもよい。一実施形態では、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドは、ウラシルの代わりにチミン塩基を含む。
他の修飾又は置換塩基は、2,6-ジアミノプリン、オロト酸、アグマチジン、リシジン、2-チオピリミジン(例えば、2-チオウラシル、2-チオチミン)、G-クランプ及びその誘導体、5-置換ピリミジン(例えば、5-ハロウラシル、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、5-アミノメチルウラシル、5-ヒドロキシメチルウラシル、5-アミノメチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、スーパーT)、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、7-アザ-2,6-ジアミノプリン、8-アザ-7-デアザグアニン、8-アザ-7-デアザアデニン、8-アザ-7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、スーパーG、スーパーA、及びN4-エチルシトシン、又はその誘導体;N2-シクロペンチルグアニン(cPent-G)、N2-シクロペンチル-2-アミノプリン(cPent-AP)、N2-プロピル-2-アミノプリン(Pr-AP)、シュードウラシル又はその誘導体;及び2,6-ジフルオロトルエンのような縮退又は普遍的な塩基、又は脱塩基部位のような不在の塩基(例えば、1-デオキシリボース、1,2-ジデオキシリボース、1-デオキシ-2-O-メチルリボース、又は環の酸素が窒素で置換されたピロリジン誘導体(アザリボース))を含むが、これらに限定はされない。シュードウラシルは、ウリジンにおけるような通常のN-グリコシドではなく、C-グリコシドを持つ、天然に存在するウラシルの異性化バージョンである。
特定の修飾又は置換核酸塩基は、本開示のアンチセンスオリゴヌクレオチドの結合親和性を高めるのに特に有用である。これらは、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、及び5-プロピニルシトシンを含む、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、並びにN-2、N-6、及びO-6置換プリンを含む。様々な実施形態において、核酸塩基は、核酸二本鎖安定性を0.6~1.2℃上昇させることが示されている5-メチルシトシン置換を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、修飾又は置換された核酸塩基は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの精製を容易にするために有用である。例えば、特定の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、3つ以上(例えば、3、4、5、6又はそれ以上)の連続したグアニン塩基を含みうる。特定のアンチセンスオリゴヌクレオチドでは、3つ以上の連続した一連のグアニン塩基は、オリゴヌクレオチドの凝集を生じさせ、精製を複雑化しうる。そのようなアンチセンスオリゴヌクレオチドでは、連続するグアニンの1つ以上をヒポキサンチンで置換することができる。3つ以上の連続する一連のグアニン塩基における1つ以上のグアニンをヒポキサンチンで置換すると、アンチセンスオリゴヌクレオチドの凝集を低減させ、それによって精製を容易にすることができる。
本明細書で提供されるオリゴヌクレオチドは合成されたものであり、生物由来のアンチセンス組成物は含まない。本開示の分子はまた、取り込み、分布、又は吸収、又はそれらの組み合わせを補助するために、例えば、リポソーム、受容体標的化分子、経口、直腸、局所又は他の製剤のような、他の分子、分子構造、又は化合物の混合物と混合、カプセル化、コンジュゲート、又はその他の方法で結合されていてもよい。
「相補的」及び「相補性」という用語は、塩基対形成規則によって関連付けられたオリゴヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチドの配列)を指す。例えば、配列「T-G-A(5'-3')」は、配列「T-C-A(5'-3')」に相補的である。相補性は「部分的」であってもよく、この場合、塩基対形成規則に従って核酸の塩基の一部のみがマッチする。又は、核酸間に「完全な」、「総合的な」、又は「完璧な」(100%)相補性が存在していてもよい。核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率と強度に有意な影響を与える。完全な相補性がしばしば望まれるが、いくつかの実施形態は、標的RNAに関して、1つ以上、好ましくは6、5、4、3、2、又は1つのミスマッチを含みうる。そのようなハイブリダイゼーションは、標的配列に対するアンチセンスオリゴマーの「近い」又は「実質的な」相補性、並びに正確な相補性で起こりうる。いくつかの実施形態では、オリゴマーは、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%の相補性で標的配列にハイブリダイズしうる。オリゴマー内の任意の場所における変動が含まれる。特定の実施形態では、オリゴマーの末端付近の配列の変動は、内部の変動よりも一般に好ましく、存在する場合、典型的には、5'末端、3'末端、又は両末端の約6、5、4、3、2、又は1ヌクレオチドの範囲内である。
「ペプチド」という用語は、連結した複数のアミノ酸を含む化合物を指す。本明細書で提供されるペプチドは、細胞透過性ペプチドであるとみなすことができる。
「細胞透過性ペプチド」及び「CPP」という用語は、交換可能に使用され、輸送ペプチド、キャリアペプチド、又はペプチド伝達ドメインとも呼ばれるカチオン性細胞透過性ペプチドを指す。本明細書で提供されるペプチドは、所与の細胞培養集団の細胞の100%以内に細胞浸透を誘導する能力を有し、全身投与によりin vivoで複数の組織内に高分子を移行させることを可能とする。様々な実施形態において、本開示のCPPの実施形態は、以下で更に説明するアルギニンに富んだペプチドを含みうる。
本明細書で使用される「キメラペプチド」という用語は、異なるペプチド又はそのフラグメントである第2の部分に融合された、第1のペプチド又はそのフラグメントである第1の部分を含むポリペプチドを指す。キメラペプチドは、共有結合した2つ以上のペプチドを含むことができる。ペプチドは、アミノ酸側鎖、N末端、C末端、又はそれらの任意の組み合わせを介して共有結合されうる。特定の実施形態において、ペプチドは、一方のペプチドのN末端を介して他方のC末端に共有結合している。特定の実施形態では、共有結合リンカーはアミド結合である。
本明細書で使用される「三量体ペプチド」という用語は、異なるペプチド又はそのフラグメントである第2の部分と融合され、異なるペプチド又はそのフラグメントである第3の部分と融合された、第1のペプチド又はそのフラグメントである第1の部分を含むポリペプチドを指す。三量体ペプチドは、共有結合した3つ以上のペプチドを含むことができる。ペプチドは、アミノ酸側鎖、N末端、C末端、又はそれらの任意の組み合わせを介して共有結合されうる。特定の実施形態において、ペプチドは、一方のペプチドのN末端を介して他方のC末端に共有結合している。特定の実施形態では、共有結合リンカーはアミド結合である。
本明細書で使用される「MACHペプチド」という用語は、輸送ペプチド、キャリアペプチド、又はペプチド伝達ドメインとも呼ばれるカチオン性細胞透過性ペプチドを含むポリペプチドを指す。本明細書で提供されるペプチドは、所与の細胞培養集団の細胞の100%以内に細胞浸透を誘導する能力を有し、全身投与によりin vivoで複数の組織内に高分子を移行させることを可能とする。MACHペプチドは、共有結合した3つ以上のペプチドを含むことができる。ペプチドは、アミノ酸側鎖、N末端、C末端、又はそれらの任意の組み合わせを介して共有結合されうる。特定の実施形態において、ペプチドは、一方のペプチドのN末端を介して他方のC末端に共有結合している。特定の実施形態では、共有結合リンカーはアミド結合である。特定の実施形態では、MACHペプチドは、機械学習法を使用して細胞送達のために最適化されたペプチドから構成される。MACHペプチドの例は、本明細書に提供されるTable 4に見出すことができる。
本明細書で使用される「両親媒性ペプチド」という用語は、本質的に荷電したアミノ酸と本質的に荷電していないアミノ酸の分離された領域を有するペプチドを指す。これらの領域は、それぞれ親水性ペプチドセグメント、疎水性ペプチドセグメントとして知られている。
本明細書で使用される「オリゴアルギニンペプチド」という用語は、ペプチドが全てアルギニンであるか、又はほとんどがアルギニンアミノ酸残基から構成されるペプチドを指す。特定の実施形態では、ペプチドは全体的にアルギニンアミノ酸残基から構成される。特定の実施形態では、ペプチドは、アミノヘキサン酸又はベータ-アラニン等であるがこれらに限定されないアミノ酸リンカーが介在する50~99%のアルギニンアミノ酸残基から構成される。特定の実施形態では、ペプチドは、アミノヘキサン酸又はベータ-アラニン等であるがこれらに限定されないアミノ酸リンカーが介在する75%のアルギニンアミノ酸残基から構成される。
本明細書で使用される「核標的化ペプチド」という用語は、ペプチドが核輸送によってタンパク質が細胞核に移入することを可能にする核局在化配列を含むペプチドを指す。特定の実施形態では、この配列は、タンパク質表面に露出した1つ以上の正に荷電したアミノ酸から成る。
本明細書で使用される「エンドソーム破壊ペプチド」という用語は、ペプチドが細胞の細胞質への薬剤の放出を助けうるペプチドを指す。特定の実施形態では、この配列は、1つ以上の正に荷電したアミノ酸から成る。
「治療」という用語は、疾患の改善に使用される1つ以上の特定の手順の適用を指す。特定の実施形態では、特定の手順は、1つ以上の医薬品の投与である。個体(例えば、ヒト等の哺乳動物)又は細胞の「治療」は、個体又は細胞の自然な経過を変える試みにおいて使用される任意のタイプの介入である。治療は、医薬組成物の投与を含むが、これに限定はされず、予防的に、又は病理学的事象の開始又は病因物質との接触の後に行われうる。治療は、疾患又は状態の症状又は病状に対する任意の望ましい効果を含み、例えば、治療される疾患又は状態の1つ以上の測定可能なマーカーの最小限の変化又は改善を含みうる。また、治療される疾患又は状態の進行速度を低下させる、その疾患又は状態の発症を遅らせる、又はその発症の重症度を軽減することに向けられうる「予防的」治療も含まれる。
「有効量」又は「治療上有効量」は、所望の治療効果を生じるのに効果的な、単回投与又は一連の投与の一部として哺乳動物対象に投与されるアンチセンスオリゴマー等の治療化合物の量を指す。
「改善」という用語は、状態又は疾患の少なくとも1つの指標の重症度の軽減を意味する。特定の実施形態では、改善は、状態又は疾患の1つ以上の指標の進行の遅延又は緩徐化を含む。指標の重症度は、当業者に知られている主観的又は客観的な尺度によって決定されうる。
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」は、親オリゴヌクレオチドが既存の酸又は塩基部分をその塩の形に変換することによって修飾されている、開示されたオリゴヌクレオチドの誘導体を指す。好適な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、1985年、1418頁及びJournal of Pharmaceutical Science、66、2(1977年)に見出され、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲート
本明細書では、細胞透過性ペプチドに化学的に結合されたオリゴヌクレオチドが提供される。細胞透過性ペプチドは、オリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、又は細胞取り込みを増強する。
一実施形態において、細胞透過性ペプチドは、MACHペプチドから構成される。
一実施形態において、細胞透過性ペプチドは、機械学習法を用いて最適化されたMACHペプチドである。
オリゴヌクレオチドは更に、オリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、又は細胞取り込みを更に増強する1つ以上のヘテロアルキル部分(例えば、ポリエチレングリコール)に化学的に結合されうる。一つの例示的な実施形態では、細胞透過性ペプチドは、そのN末端又はC末端残基で、オリゴヌクレオチドのいずれかの末端、又は両末端に共有結合している。
よって、一態様では、本明細書で提供されるものは、式Iのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲート:
Figure 2023513437000018
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
A'は、-N(H)CH2C(O)NH2、-N(C1~6-アルキル)CH2C(O)NH2
Figure 2023513437000019
から選択され、
R5は、-C(O)(O-アルキル)x-OHであり、xは3~10であり、各アルキル基は、出現ごとに独立して、C2~6-アルキルであり、
又は、R5は、-C(O)C1~6-アルキル、トリチル、モノメトキシトリチル、-(C1~6-アルキル)-R6、-(C1~6-ヘテロアルキル)-R6、アリール-R6、ヘテロアリール-R6、-C(O)O-(C1~6-アルキル)-R6、-C(O)O-アリール-R6、-C(O)O-ヘテロアリール-R6、及び
Figure 2023513437000020
から選択され;
R6は、OH、SH、及びNH2から選択されるか、又はR6は、O、S、又はNHであり、これらのそれぞれが固体支持体に共有結合しており;
各R1は、OH及び-N(R3)(R4)から独立して選択され、各R3及びR4は、出現ごとに独立して、-C1~6-アルキルであり;
各R2は、独立して、出現ごとに、H、核酸塩基、及び化学的保護基で官能化された核酸塩基から選択され、核酸塩基は、出現ごとに、独立して、ピリジン、ピリミジン、トリアジナン、プリン、及びデアザプリンから選択されるC3~6-複素環を含み;
zは8~40であり;
E'は、H、-C1~6-アルキル、-C(O)C1~6-アルキル、ベンゾイル、ステアロイル、トリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル、トリメトキシトリチル、
Figure 2023513437000021
から選択され;
Qは、-C(O)(CH2)6C(O)-又は-C(O)(CH2)2S2(CH2)2C(O)-であり;
R7は、-(CH2)2OC(O)N(R8)2であり、R8は、-(CH2)6NHC(=NH)NH2であり;
Lは、-C(O)(CH2)1~6-C7~15-ヘテロ芳香族-(CH2)1~6C(O)-であり、Lは、アミド結合によってJに共有結合しており;
Jは、キャリアペプチドであり;
Gは、H、-C(O)C1~6-アルキル、ベンゾイル、及びステアロイルから選択され、Gは、Jに共有結合しており;
以下の条件:
1)A'が、
Figure 2023513437000022
であること;又は2)E'が、
Figure 2023513437000023
であること
の少なくとも一方があてはまり;
キャリアペプチドJは、以下の配列から選択され:
Figure 2023513437000024
Figure 2023513437000025
Figure 2023513437000026
式中、Xは、6-アミノヘキサン酸であり、Bは、β-アラニンであり、Cは、L1によって別のCに共有結合しており;
L1は、
Figure 2023513437000027
であり;
Mは、
Figure 2023513437000028
であり;
R10は、出現ごとに独立して、H又はハロゲンである。
一実施形態では、zは8~30である。別の実施形態では、zは10~30である。さらなる実施形態では、zは15~25である。別の実施形態では、zは20~25である。一実施形態では、zは、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30である。
更に別の実施形態では、E'は、H、-C1~6-アルキル、-C(O)C1~6-アルキル、ベンゾイル、ステアロイル、トリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル、トリメトキシトリチル、及び
Figure 2023513437000029
から選択される。
別の実施形態では、A'は、-N(C1~6-アルキル)CH2C(O)NH2
Figure 2023513437000030
から選択される。
更に別の実施形態では、E'は、H、-C(O)CH3、ベンゾイル、ステアロイル、トリチル、4-メトキシトリチル、及び
Figure 2023513437000031
から選択される。
更に別の実施形態では、A'は、-N(C1~6-アルキル)CH2C(O)NH2
Figure 2023513437000032
から選択され;そして
E'は、
Figure 2023513437000033
である。
別の実施形態において、A'は、
Figure 2023513437000034
であり、
E'は、H、-C(O)CH3、トリチル、4-メトキシトリチル、ベンゾイル、及びステアロイルから選択される。
一実施形態では、式Iのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、式Iaのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートである。
Figure 2023513437000035
一実施形態では、式Iのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、式Ibのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートである。
Figure 2023513437000036
式中、E'は、H、C1~6-アルキル、-C(O)CH3、ベンゾイル、及びステアロイルから選択される。
式I、Ia、及びIbの実施形態において、各R1はN(CH3)2である。
式I、Ia、及びIbの更に別の実施形態では、各R2は核酸塩基であり、核酸塩基は、出現ごとに独立して、ピリジン、ピリミジン、トリアジナン、プリン、及びデアザプリンから選択されるC4~6複素環を含む。
式I、Ia、及びIbの別の実施形態において、各R2は核酸塩基であり、核酸塩基は、出現ごとに独立して、ピリミジン、プリン、及びデアザプリンから選択されるC4~6複素環を含む。
式I、Ia、及びIbの更に別の実施形態では、各R2は、出現ごとに独立して、アデニン、2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-アデニン、グアニン、7-デアザ-グアニン、ヒポキサンチン、シトシン、5-メチル-シトシン、チミン、ウラシル、及びヒポキサンチンから選択される核酸塩基である。
式I、Ia、及びIbの更に別の実施形態では、各R2は、出現ごとに独立して、アデニン、グアニン、シトシン、5-メチル-シトシン、チミン、ウラシル、及びヒポキサンチンから選択される核酸塩基である。
式I、Ia、及びIbの別の実施形態において、Lは、-C(O)(CH2)1~6-DBCO-(CH2)1~6C(O)-である。
式I、Ia、及びIbの別の実施形態において、Lは、
Figure 2023513437000037
である。
式I、Ia、及びIbの別の実施形態において、Mは、
Figure 2023513437000038
である。
式I、Ia、及びIbの更に別の実施形態において、Mは、
Figure 2023513437000039
である。
式I、Ia、及びIbの別の実施形態では、L1は、P1及びP2上の末端システインの側鎖に共有結合して、次の構造を形成する:
Figure 2023513437000040
式I、Ia、及びIbの別の実施形態において、Gは、H、C(O)CH3、ベンゾイル、及びステアロイルから選択される。
式I、Ia、及びIbの更に別の実施形態において、GはH又は-C(O)CH3である。
式I、Ia、及びIbの更に別の実施形態において、GはHである。
式I、Ia、及びIbの更に別の実施形態において、Gは-C(O)CH3である。
式I、Ia、及びIbの更に別の実施形態では、オリゴヌクレオチド-ペプチドコンジュゲートは、コンジュゲートしていないオリゴヌクレオチドと比較して、取り込みにおいて少なくとも40倍の向上を示す。
式I、Ia、及びIbのさらなる実施形態において、オリゴヌクレオチド-ペプチドコンジュゲートは、コンジュゲートしていないオリゴヌクレオチドと比較して、取り込みにおいて少なくとも5倍の向上を示す。
一実施形態では、オリゴヌクレオチド-ペプチドコンジュゲートは非毒性である。
別の実施形態では、オリゴヌクレオチド-ペプチドコンジュゲートは非免疫原性である。
別の態様において、本明細書で提供されるものは、式IIのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲート:
Figure 2023513437000041
又はその薬学的に許容される塩であり、
式中、
A'は、-N(H)CH2C(O)NH2、-N(C1~6-アルキル)CH2C(O)NH2
Figure 2023513437000042
から選択され、
R5は、-C(O)(O-アルキル)x-OHであり、xは3~10であり、各アルキル基は、出現ごとに独立して、C2~6-アルキルであり、
又は、R5は、-C(O)C1~6-アルキル、トリチル、モノメトキシトリチル、-(C1~6-アルキル)-R6、-(C1~6-ヘテロアルキル)-R6、アリール-R6、ヘテロアリール-R6、-C(O)O-(C1~6-アルキル)-R6、-C(O)O-アリール-R6、-C(O)O-ヘテロアリール-R6、及び
Figure 2023513437000043
から選択され;
R6は、OH、SH、及びNH2から選択されるか、又はR6は、O、S、又はNHであり、これらのそれぞれが固体支持体に共有結合しており;
各R1は、OH及び-N(R3)(R4)から独立して選択され、各R3及びR4は、出現ごとに独立して、-C1~6-アルキルであり;
各R2は、独立して、出現ごとに、H、核酸塩基、及び化学的保護基で官能化された核酸塩基から選択され、核酸塩基は、出現ごとに、独立して、ピリジン、ピリミジン、トリアジナン、プリン、及びデアザプリンから選択されるC3~6-複素環を含み;
zは8~40であり;
E'は、H、-C1~6-アルキル、-C(O)C1~6-アルキル、ベンゾイル、ステアロイル、トリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル、トリメトキシトリチル、
Figure 2023513437000044
から選択され;
Qは、-C(O)(CH2)6C(O)-又は-C(O)(CH2)2S2(CH2)2C(O)-であり;
R7は、-(CH2)2OC(O)N(R8)2であり、R8は、-(CH2)6NHC(=NH)NH2であり;
Lは、-C(O)(CH2)1~6-C7~15-ヘテロ芳香族-(CH2)1~6C(O)-であり、Lは、アミド結合によってJに共有結合しており;
Jは、キャリアペプチドであり;
Gは、H、-C(O)C1~6-アルキル、ベンゾイル、及びステアロイルから選択され、Gは、Jに共有結合しており;
以下の条件:
1)A'が、
Figure 2023513437000045
であること;又は2)E'が、
Figure 2023513437000046
であること
の少なくとも一方があてはまり;
キャリアペプチドJは、以下の配列から選択され:
Figure 2023513437000047
Figure 2023513437000048
Figure 2023513437000049
Figure 2023513437000050
式中、Xは、6-アミノヘキサン酸であり、Bは、β-アラニンであり、Cは、L1によって別のCに共有結合しており;
L1
Figure 2023513437000051
であり;
Mは、
Figure 2023513437000052
であり;
R10は、出現ごとに独立して、H又はハロゲンである。
一実施形態では、zは8~30である。別の実施形態では、zは10~30である。さらなる実施形態では、zは15~25である。別の実施形態では、zは20~25である。一実施形態では、zは、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30である。
更に別の実施形態では、E'は、H、-C1~6-アルキル、-C(O)C1~6-アルキル、ベンゾイル、ステアロイル、トリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル、トリメトキシトリチル、及び
Figure 2023513437000053
から選択される。
別の実施形態では、A'は、-N(C1~6-アルキル)CH2C(O)NH2
Figure 2023513437000054
から選択される。
更に別の実施形態では、E'は、H、-C(O)CH3、ベンゾイル、ステアロイル、トリチル、4-メトキシトリチル、及び
Figure 2023513437000055
から選択される。
更に別の実施形態では、A'は、-N(C1~6-アルキル)CH2C(O)NH2
Figure 2023513437000056
から選択され;そして
E'は、
Figure 2023513437000057
である。
別の実施形態において、A'は、
Figure 2023513437000058
であり、
E'は、H、-C(O)CH3、トリチル、4-メトキシトリチル、ベンゾイル、及びステアロイルから選択される。
一実施形態では、式IAのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、式Iaのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートである。
Figure 2023513437000059
一実施形態では、式IAのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、式Ibのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートであり:
Figure 2023513437000060
式中、E'は、H、C1~6-アルキル、-C(O)CH3、ベンゾイル、及びステアロイルから選択される。
式II、I、Ia、及びIbの実施形態において、各R1は、N(CH3)2である。
式II、I、Ia、及びIbの更に別の実施形態では、各R2は核酸塩基であり、核酸塩基は、出現ごとに独立して、ピリジン、ピリミジン、トリアジナン、プリン、及びデアザプリンから選択されるC4~6複素環を含む。
式II、I、Ia、及びIbの別の実施形態において、各R2は核酸塩基であり、核酸塩基は、出現ごとに独立して、ピリミジン、プリン、及びデアザプリンから選択されるC4~6複素環を含む。
式II、I、Ia、及びIbの更に別の実施形態では、各R2は、出現ごとに独立して、アデニン、2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-アデニン、グアニン、7-デアザ-グアニン、ヒポキサンチン、シトシン、5-メチル-シトシン、チミン、ウラシル、及びヒポキサンチンから選択される核酸塩基である。
式II、I、Ia、及びIbの更に別の実施形態では、各R2は、出現ごとに独立して、アデニン、グアニン、シトシン、5-メチル-シトシン、チミン、ウラシル、及びヒポキサンチンから選択される核酸塩基である。
式II、I、Ia、及びIbの別の実施形態において、Lは、-C(O)(CH2)1~6-DBCO-(CH2)1~6C(O)-である。
式II、I、Ia、及びIbの別の実施形態において、Lは、
Figure 2023513437000061
である。
式II、I、Ia、及びIbの別の実施形態において、Mは、
Figure 2023513437000062
である。
式II、I、Ia、及びIbの更に別の実施形態において、Mは、
Figure 2023513437000063
である。
式II、I、Ia、及びIbの別の実施形態では、L1は、P1及びP2上の末端システインの側鎖に共有結合して、次の構造を形成する:
Figure 2023513437000064
式II、I、Ia、及びIbの別の実施形態において、Gは、H、C(O)CH3、ベンゾイル、及びステアロイルから選択される。
式II、I、Ia、及びIbの更に別の実施形態において、GはH又は-C(O)CH3である。
式II、I、Ia、及びIbの更に別の実施形態において、GはHである。
式II、I、Ia、及びIbの更に別の実施形態において、Gは-C(O)CH3である。
式II、I、Ia、及びIbの更に別の実施形態では、オリゴヌクレオチド-ペプチドコンジュゲートは、コンジュゲートしていないオリゴヌクレオチドと比較して、取り込みにおいて少なくとも40倍の向上を示す。
式II、I、Ia、及びIbのさらなる実施形態において、オリゴヌクレオチド-ペプチドコンジュゲートは、コンジュゲートしていないオリゴヌクレオチドと比較して、取り込みにおいて少なくとも5倍の向上を示す。
一実施形態では、オリゴヌクレオチド-ペプチドコンジュゲートは非毒性である。
別の実施形態では、オリゴヌクレオチド-ペプチドコンジュゲートは非免疫原性である。
三量体ペプチド
特定の実施形態では、三量体ペプチドは、トレーニング用のオリゴヌクレオチド細胞透過性ペプチドコンジュゲートのライブラリを作成するのに有用である。
そのような三量体ペプチドの非限定的な表現を以下に示す:
Figure 2023513437000065
式中、C末端はオリゴヌクレオチドに共有結合している。
一実施形態において、各三量体ペプチドは、3つの共有結合した細胞透過性ペプチドであり、細胞透過性ペプチドは、独立して、両親媒性ペプチド、核標的化ペプチド、エンドソーム破壊ペプチド、キメラペプチド、環状ペプチド、二環式ペプチド又はオリゴアルギニンペプチドである。
別の実施形態では、各三量体ペプチドは、3つの共有結合した細胞透過性ペプチドであり、細胞透過性ペプチドの1つは両親媒性ペプチドであり、細胞透過性ペプチドの1つは核標的化ペプチドであり、ペプチドの1つは追加の細胞透過性ペプチドである。
更に別の実施形態では、各三量体ペプチドは、3つの共有結合した細胞透過性ペプチドであり、3つの細胞透過性ペプチドは、1つの両親媒性ペプチド、1つの核標的化ペプチド、及び1つの追加の細胞透過性ペプチドを含み、両親媒性ペプチドは、三量体ペプチドのN末端、核標的化ペプチドは中間のペプチド、そして追加の細胞透過性ペプチドは三量体ペプチドのC末端である。
更に別の実施形態では、両親媒性ペプチドは、疎水性ペプチドセグメント及び親水性ペプチドセグメントを含み、疎水性ペプチドセグメントは、グリシン、イソロイシン、アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、又はトリプトファンから独立して選択される2~10個のアミノ酸の配列を含み、親水性ペプチドセグメントは、荷電アミノ酸、非荷電の極性アミノ酸、又は疎水性アミノ酸から独立して選択される2~20個のアミノ酸の配列を含み、親水性ペプチジルセグメントは、少なくとも1つの非疎水性アミノ酸を含む。
一実施形態では、親水性ペプチドセグメントは、アルギニン、リジン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、セリン、スレオニン、トリプトファン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、バリン、プロリン、又はグリシンから独立して選択される2~20個のアミノ酸の配列を含み、親水性ペプチドセグメントは、少なくとも1つの非疎水性アミノ酸を含む。
三量体ペプチドのペプチドの様々な非限定的な実施形態をTable 2(表5)に提供する:
Figure 2023513437000066
Figure 2023513437000067
太字のシステインはデカフルオロビフェニルと結合している。斜体のシステインは、1,3,5-トリスブロモメチルベンゼンと結合している。
本開示の代表的なペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、とりわけ、以下の構造の三量体ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲート:
Figure 2023513437000068
又はその薬学的に許容される塩を含み、式中、
Gは、H又は-C(O)CH3であり;
R2は、出現ごとに独立して、アデニン、グアニン、シトシン、5-メチル-シトシン、チミン、ウラシル、及びヒポキサンチンから選択される核酸塩基であり;
Kは、-C(O)(CH2)1~6-C7~15-ヘテロ芳香族-(CH2)1~6C(O)-であり;
Mは、
Figure 2023513437000069
であり、
そして、R10は、出現ごとに独立して、H又はハロゲンであり、L1は、P1及びP2上の末端又は内部システインの側鎖に共有結合しており;
zは8~40であり;
P1、P2、及びP3はそれぞれ独立して細胞透過性ペプチドであり、P1及びP2はそれぞれ少なくとも1つのシステインアミノ酸残基を含み、細胞透過性ペプチドのそれぞれは独立して、両親媒性ペプチド、核標的化ペプチド、エンドソーム破壊ペプチド、キメラペプチド、環状ペプチド、二環式ペプチド、又はオリゴアルギニンペプチドである。
一実施形態では、式(IV)の構造は、式(IVa)である:
Figure 2023513437000070
本開示の三量体ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートの一実施形態では、GはHである。
本開示の三量体ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートの別の実施形態では、Gは-C(O)CH3である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の三量体ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、溶媒和されていない。他の実施形態では、三量体ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートの1つ以上が溶媒和形態である。当技術分野で知られているように、溶媒和物は、水、エタノール等の薬学的に許容される溶媒のいずれかでありうる。
式I、II、Ia、Ib、IV、及びIVaのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、それらの中性形態で示されているが、いくつかの実施形態では、これらのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、薬学的に許容される塩の形態で使用される。
オリゴヌクレオチド
モルホリノベースのサブユニットの重要な特性は、以下を含む:1)安定な、荷電していない、又は正に荷電したバックボーン結合によってオリゴマー形態で結合する能力;2)形成されたポリマーが標的RNAを含む相補的塩基の標的核酸とハイブリダイズできるように、ヌクレオチド塩基(例えば、アデニン、シトシン、グアニン、チミジン、ウラシル、5-メチルシトシン及びヒポキサンチン)を支持する能力、比較的短いオリゴヌクレオチド(例えば10~15塩基)において約45℃以上のTM値;3)哺乳動物細胞内に能動的又は受動的に輸送されるオリゴヌクレオチドの能力;4)オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド:RNAヘテロ二本鎖がそれぞれRNAse及びRNase H分解に抵抗する能力。
オリゴマーと標的配列との間に形成される二本鎖の安定性は、結合TM及び細胞内の酵素的切断に対する二本鎖の感受性の関数である。相補配列RNAに関するオリゴマーのTMは、従来的な方法、例えば、Hamesら、Nucleic Acid Hybridization、IRL Press、1985年、107~108頁に記載されている方法、又はMiyadaC. G.とWallace R. B.、1987年、Oligomer Hybridization Techniques, Methods Enzymol.、154巻、94~107頁に記載されている方法で測定することができる。特定の実施形態では、アンチセンスオリゴマーは、相補配列RNAに関して、体温より高く、いくつかの実施形態では約45℃又は50℃より高い結合TMを有しうる。60~80℃以上の範囲のTMも含まれる。よく知られている原理によれば、オリゴマーのTMは、相補性に基づくRNAハイブリッドに関して、二本鎖のC:G対合塩基の比率を増加させることによって、又はヘテロ二本鎖の(塩基対の)長さを増加させることによって、又はその両方によって、増加させることができる。同時に、細胞への取り込みを最適化するために、オリゴマーのサイズを制限することが有利となりうる。この理由から、本開示の化合物は、25塩基以下の長さで高いTM(45~50℃以上)を示す化合物を含む。
オリゴヌクレオチドの長さは、プレmRNA分子内の意図された位置に選択的に結合できる限り、変動しうる。そのような配列の長さは、本明細書に記載の選択手順に従って決定されうる。一般的に、オリゴヌクレオチドは約8ヌクレオチドの長さから約50ヌクレオチドまでの長さであろう。例えば、オリゴヌクレオチドの長さ(z)は、8~38、8~25、15~25、17~21、又は約18でありうる。しかし、この範囲内の任意の長さのヌクレオチドが本明細書に記載の方法で使用されうることが理解されるであろう。
いくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、塩基の修飾又は置換を含む。例えば、特定の核酸塩基を選択して、本明細書に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドの結合親和性を高めることができる。これらは、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、及び2,6-ジアミノプリンを含む、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、並びにN-2、N-6、及びO-6置換プリンを含む。5-メチルシトシン置換は、核酸二本鎖の安定性を0.6~1.2℃上昇させることが示されており、本明細書に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドに組み込まれうる。一実施形態では、オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのピリミジン塩基は、5-置換ピリミジン塩基を含み、ピリミジン塩基は、シトシン、チミン及びウラシルからなる群から選択される。一実施形態では、5-置換ピリミジン塩基は5-メチルシトシンである。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのプリン塩基は、N-2、N-6置換プリン塩基を含む。一実施形態では、N-2,N-6置換プリン塩基は2,6-ジアミノプリンである。
モルホリノベースのオリゴマー(アンチセンスオリゴマーを含む)は、例えば、米国特許第5,698,685号;及び5,217,866号;5,142,047号;5,034,506号;5,166,315号;5,185,444号;5,521,063号;5,506,337号及び係属中の米国特許出願第12/271,036号;12/271,040号;及びPCT国際公開パンフレット第WO/2009/064471号及びWO/2012/043730号並びにSummertonら、1997年、Antisense and Nucleic Acid Drug Development、7、187~195頁に詳述されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
式I、II、Ia、Ib、IV、及びIVaの実施形態において、R2は、出現ごとに独立して、アデニン、2,6-ジアミノプリン、グアニン、ヒポキサンチン、シトシン、5-メチル-シトシン、チミン、ウラシル、及びヒポキサンチンであり;
各R1は-N(CH3)2である。
本明細書に記載のヌクレオチド部分の様々な実施形態がTable 1(表6)に提供される。
Figure 2023513437000071
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの配列リストは、GCTATTACCTTAACCCAG(配列番号56)である。
一実施形態では、以下の構造を有する化合物が本明細書において提供される:
Figure 2023513437000072
式中、zは18であり、R2は、GCTATTACCTTAACCCAG(配列番号56)の配列を有する核酸塩基の配列である。この化合物は、本明細書において「PMO IVS2-654」とも呼ばれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドは溶媒和されていない。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドの1つ以上が溶媒和形態である。当技術分野で知られているように、溶媒和物は、水、エタノール等の薬学的に許容される溶媒のいずれかでありうる。
本発明の別の態様は、イメージングのみならず、ヒトを含む組織サンプル中の標的を局在化及び定量化するためのin vitro及びin vivoの両方のアッセイ、並びに標識化合物の阻害性結合による標的領域の同定にも有用となるであろう本発明の蛍光色素、スピンラベル、重金属又は放射性標識化合物に関する。
本発明は更に、本発明のコンジュゲートの同位体標識ペプチドを含む。「同位体」又は「放射性標識」コンジュゲートは、1つ以上の原子が、自然界で典型的に見られる(すなわち、天然に生じる)原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置換又は代替されている、本発明のコンジュゲートである。本発明の化合物に組み込まれうる適切な放射性核種は、2H(重水素のDとも書かれる)、3H(トリチウムのTとも書かれる)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I及び131Iを含むが、これらに限定はされない。本放射性標識化合物に組み込まれる放射性核種は、その放射性標識化合物の具体的な用途に依存するであろう。例えば、in vitroのIDO酵素標識及び競合アッセイでは、3H、14C、82Br、125I、131I、又は35Sを組み込んだ化合物が一般的に最も有用となるであろう。放射線イメージングの用途では、11C、18F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Br、又は77Brが一般的に最も有用となるであろう。
「放射性標識」又は「標識化合物」は、少なくとも1つの放射性核種を組み込んだ化合物であることが理解される。いくつかの実施形態では、放射性核種は、3H、14C、125I、35S及び82Brからなる群から選択される。
放射性同位体を有機化合物に組み込むための合成方法は、本発明の化合物に適用可能であり、当技術分野で周知である。
本発明の放射性標識化合物は、化合物を同定/評価するためのスクリーニングアッセイで使用されうる。したがって、試験化合物が結合に関して放射性標識化合物と競合する能力は、その結合親和性と直接的に相関する。
式I、II、Ia、Ib、IV、及びIVaのオリゴヌクレオチドは、それらの中性形態で示されているが、いくつかの実施形態では、これらのオリゴヌクレオチドは、薬学的に許容される塩形態で使用される。
機械学習の方法
1つの態様において、本明細書で提供されるものは、機械学習を使用して最適な活性を有する1つ以上の細胞透過性ペプチドを同定するためのシステム及び方法であり、本方法は、以下を含む:
a.)トレーニング用オリゴヌクレオチド-細胞透過性ペプチドコンジュゲートのライブラリを合成する工程;
b.)合成されたライブラリを使用して、入れ子状の長短期記憶(LSTM)再帰型ニューラルネットワークモデルをトレーニングすることにより、シードペプチド配列を生成する工程;
c.)生成されたシードペプチド配列から、どのペプチド配列がアミノ酸残基の所定の構造活性関係を有するかを予測する工程;及び
d.)活性プレディクタ-遺伝的アルゴリズムオプティマイザループを使用して、予測されたペプチド配列の1つ以上の最適なものを同定する工程。
この方法を具現化する機能的なシステムは、図26に示されており、ライブラリシンセサイザモジュール2602、ジェネレータネットワークモジュール2604、プレディクタネットワークモジュール2606、及び最適化ツールモジュール2608を含み、それぞれが本明細書に記載のそれぞれの機能を実行する。
LSTMの出力ゲートは、現時点の工程では関係のない記憶であっても、覚えておく価値があるかもしれないという直感を符号化する。入れ子状のLSTMは、この直感を使用して、記憶の一時的な階層を作成する。内側の記憶へのアクセスは、まったく同じ方法でゲート制御されるため、状況に応じてのみ関連する長期的な情報に選択的にアクセスできる。代替的な態様では、生成の工程は、スタックドLSTM及びゲート付き再帰型ユニット(GRU)アーキテクチャ等、時系列データに基づいて予測を行うための他のフィードバック接続を有する代替的な再帰型ニューラルネットワーク(RNN)構造によって実行されてもよい。
一実施形態において、予測は、シード配列をアミノ酸残基の化学的フィンガープリントと比較する工程を含む。
さらなる実施形態では、予測する工程は、トポロジカルフィンガープリントの活性をConv1D、Conv2D、Conv2Dマクロサイクル、及びDeConv2Dコンボリューションとして表すことを含む。
別の実施形態では、活性は平均蛍光強度である。
一実施形態では、Conv1Dコンボリューションは、ペプチド配列の一次元表現においてアミノ酸フィンガープリントの行マトリクスでトレーニングされる。
さらなる実施形態では、Conv2Dコンボリューションは、ペプチド配列の二次元表現において個々のフィンガープリント間のOR演算でトレーニングされる。
別の実施形態では、Conv2Dマクロサイクルコンボリューションは、ペプチド配列の2次元表現においてオフダイアゴナル(off-diagonal)インデックス中の明示的なリンカーフィンガープリントでトレーニングされる。
さらなる実施形態では、DeConv2Dコンボリューションは、2次元変分表現において各オフダイアゴナルインデックスの相関関係によって決定されるオフダイアゴナル相互作用の重み付けでトレーニングされる。
別の実施形態では、予測する工程は、畳み込みニューラルネットワークモデルを使用して、平均蛍光強度に対してシードペプチド配列をトレーニングする工程を含む。
更に別の実施形態では、同定する工程は、畳み込みニューラルネットワークモデルによって予測される平均蛍光強度を最大化する活性プレディクタ-遺伝的アルゴリズムオプティマイザループの目的関数を含む。
一実施形態では、同定する工程は、配列長及びアルギニン含有量を最小化する活性プレディクタ-遺伝的アルゴリズムオプティマイザループの目的関数を含む。
特定の実施形態では、最小化されたアルギニン含有量は、単一のアルギニン残基である。
別の特定の実施形態では、ペプチドの最小化された配列長は20残基以下である。
別の実施形態では、遺伝的アルゴリズムは、挿入若しくは欠失並びに交換を伴う単一残基の変異、又は挿入及び/又は欠失並びに交換を伴う複数残基の変異を含む。
一実施形態では、遺伝的アルゴリズムは、以下の目的関数:
Figure 2023513437000073
(式中、
Intensity=平均蛍光強度
Rcount=アルギニン残基の数
Length=配列の長さ
Net Charge=対象配列の正味電荷)
を実装する。
一実施形態において、トレーニング用オリゴヌクレオチド-細胞侵入ペプチドコンジュゲートのライブラリは、以下から構成される:
(a)式(III)の化合物
Figure 2023513437000074
を式(IV)
Figure 2023513437000075
の化合物と接触させて、式(V)の化合物
Figure 2023513437000076
を形成する工程
(b)式(VI)の化合物
Figure 2023513437000077
を式(VII)の化合物
Figure 2023513437000078
と接触させて、銅触媒の存在下で、式(VIII)の化合物
Figure 2023513437000079
を形成する工程
(c)式(V)の化合物
Figure 2023513437000080
を式(VIII)の化合物
Figure 2023513437000081
と接触させて、カップリング試薬の存在下で、式(II)の化合物
Figure 2023513437000082
を形成する工程。
一実施形態では、ペプチド1(P1)、ペプチド2(P2)、及びペプチド3(P3)は、それぞれ独立して、細胞透過性ペプチドである。
別の実施形態では、P1、P2、及びP3は、細胞透過性ペプチドであり、細胞透過性ペプチドは、独立して、両親媒性ペプチド、核標的化ペプチド、エンドソーム破壊ペプチド、キメラペプチド、環状ペプチド、二環式ペプチド、システイン結合大環状ペプチド、少なくとも1つの非天然アミノ酸残基を含むペプチド、又はオリゴアルギニンペプチドである。
一実施形態では、工程(a)の酸はトリフルオロ酢酸である。
別の実施形態では、工程(b)の銅触媒は、臭化銅(I)である。
更に別の実施形態では、工程(c)のカップリング試薬は、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)である。
さらなる実施形態では、工程(a)の溶媒は水であり、工程(b)の溶媒は水/DMSOであり、工程(c)の溶媒は水/DMSOである。
別の実施形態では、工程(a)及び(b)の生成物は、工程(c)の反応条件に対して不活性である。
別の実施形態では、工程(a)及び(b)の生成物は、精製することなく工程(c)で使用されうる。
さらなる実施形態では、最終生成物が、即時のin vitro試験に有用である。
図25に示されているのは、本明細書に記載の機械学習方法論を実施するために使用されうる一般化されたコンピューティングデバイス2500の一例である。一般化されたコンピューティングデバイス2500は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、サーバ、メインフレーム、及び他の適切なコンピュータ等、様々な形態のデジタルコンピュータを表すことが意図されている。ここに示されるコンポーネント、それらの接続と関係、及びそれらの機能は、単なる例であり、限定することを意図したものではない。
コンピューティングデバイス2500内に含まれるのは、プロセッサ2502、メモリ2504、ストレージデバイス2506、メモリ2504及び複数の高速拡張ポート2510に接続する高速インタフェース2508、並びに低速拡張ポート2514及びストレージデバイス2506に接続する低速インタフェース2512であり、様々なバスを使用して相互接続されている。プロセッサ2502は、高速インタフェース2508に連結されたディスプレイ(図示せず)等の外部入出力デバイスにグラフィカルユーザインタフェース(GUI)のためのグラフィック情報を表示するために、メモリ2504又はストレージデバイス2506に格納された命令を含む、コンピューティングデバイス2500内で実行するための命令を処理することができる。他の実装では、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスが、複数のメモリ及びメモリのタイプと共に、必要に応じて使用されてもよい。更に、複数のコンピューティングデバイスを接続して、各デバイスが必要な動作の一部を提供することもできる(例えば、サーババンクやマルチプロセッサシステムとして)。
メモリ2504は、1つ又は複数の揮発性メモリユニットであってもよく、1つ又は複数の不揮発性メモリユニットから構成されていてもよい。ストレージデバイス2506は、コンピューティングデバイス2500に大容量ストレージを提供することができてもよい。例えば、ストレージデバイス2506は、ハードディスク装置、光ディスク装置、フラッシュメモリ又は他の同様なソリッドステートメモリ装置、又はストレージエリアネットワーク又は他の構成の装置を含むデバイスアレイ等のコンピュータ可読媒体であるか、又はそれらを含みうる。ストレージデバイス2506内に格納された命令は、プロセッサ2502等の1つ以上の処理装置によって実行されると、本明細書において説明されるような1つ以上の方法を実行する。命令はまた、メモリ2504、ストレージデバイス2506、又はプロセッサ2502に結合したメモリによって格納されうる。
高速インタフェース2508は、コンピューティングデバイス2500の帯域幅集約的な動作を管理し、低速インタフェース2512は、より低い帯域幅の集約的な動作を管理する。高速インタフェース2508は、メモリ2504、ディスプレイ(図示せず)、及び様々な拡張カード(図示せず)を受け入れることができる高速拡張ポート2510に結合されうる。低速インタフェース2512は、ストレージデバイス2506及び低速拡張ポート2514に結合されうる。後者は、USB、Bluetooth、及び/又はイーサネット等の様々な通信ポートを含んでいてもよく、これらは1つ以上の入出力デバイスに結合されうる。
コンピューティングデバイス2500は、標準的なサーバ又はそのようなサーバの群等、数多くの異なる形態で実装されうる。更に、ラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータで、又はラックサーバシステムの一部として実装してもよい。代替的に、コンピューティングデバイス2500のコンポーネントは、モバイルコンピューティングデバイス等のモバイルデバイス(図示せず)内の他のコンポーネントと組み合わせてもよい。
方法
本明細書に提供されるものは、治療を必要とする対象において神経筋疾患、筋疾患、ウイルス感染症、又は細菌感染症を治療する方法であって、式I、II、Ia、Ib、IV、又はIVaのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを対象に投与する工程を含む方法である。
したがって、一態様では、本開示のキメラペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象において筋疾患、ウイルス感染、神経筋疾患又は細菌感染を治療する方法が本明細書において提供される。
一実施形態では、神経筋疾患はデュシェンヌ型筋ジストロフィーである。
別の実施形態では、ウイルス感染は、マールブルグウイルス、エボラウイルス、インフルエンザウイルス、及びデングウイルスからなる群から選択されるウイルスによって引き起こされる。
別の実施形態では、細菌感染は結核菌(Mycobacterium tuberculosis)によって引き起こされる。
本明細書で考慮される対象は、典型的にはヒトである。しかしながら、対象は、治療が望まれる任意の哺乳動物でありうる。したがって、本明細書に記載の方法は、ヒト及び獣医学の両方の用途に適用されうる。
投与/用量
治療用組成物の処方及びその後の投与(投薬)は、当業者の技術の範囲内である。投薬は、治療される疾患状態の重症度及び応答性に依存し、治療過程は数日から数か月、又は疾患状態の十分な減少が達成されるまで続く。最適な投薬スケジュールは、患者の体内での薬物蓄積の測定値から計算されうる。
当業者は、最適な投与量、投与方法及び反復率を容易に決定することができる。最適な投与量は、個々のオリゴマーの相対的な効力によって変動しうるが、一般的にin vitro及びin vivoの動物モデルで有効であることが見出されたEC50に基づいて推定されうる。一般に、投薬量は体重1kgあたり0.01μgから100gであり、毎日、毎週、毎月、又は毎年1回以上投与され、2年から20年に1回の投与もありうる。当業者は、測定された滞留時間及び体液若しくは組織中の薬物濃度に基づいて、投薬の反復率を容易に推定することができる。治療が成功した後、疾患状態の再発を防ぐために、患者に維持療法を受けさせることが望ましい場合があり、その場合、オリゴマーは体重1kgあたり0.01μgから100gの範囲で、毎日1回以上から20年に1回までの維持用量で投与される。
いくつかの実施形態において、式I、II、Ia、Ib、IV、又はIVaのコンジュゲートは、単独で投与される。
いくつかの実施形態では、式I、II、Ia、Ib、IV、又はIVaのコンジュゲートは、治療上有効な量又は投与量で投与される。「治療有効量」とは、それ自体を患者に投与した場合に、筋疾患、ウイルス感染、又は細菌感染を効果的に治療する式I、II、Ia、Ib、IV、又はIVaのコンジュゲートの量である。所与の例において特定の対象に「治療上有効な量」であると証明される量が、検討中の疾患又は状態について同様に治療される対象の100%に有効ではない場合があるが、そのような投与量も当業者によって「治療上有効な量」とみなされる。治療有効量に対応するオリゴヌクレオチドの量は、疾患のタイプ、疾患のステージ、治療を受ける患者の年齢、及び他の事実に強く依存する。
異なる実施形態において、式I、II、Ia、Ib、IV、又はIVaのコンジュゲート及び使用される有効量に応じて、オリゴヌクレオチドは、筋疾患、ウイルス感染、又は細菌感染に関与する遺伝子の発現を調節することができる。
式I、II、Ia、Ib、IV、又はIVaのコンジュゲートの量は、筋疾患、ウイルス感染、又は細菌感染の効果的な治療をもたらすべきであるが、その量は患者に対して過度に毒性ではないことが好ましい(すなわち、その量は好ましくは、医療ガイドラインによって確立される毒性限界の範囲内である)。いくつかの実施形態では、筋疾患、ウイルス感染、又は細菌感染の過度の毒性を防止するか、又はより効果的な治療を提供するか、又はその両方を提供するために、総投与量の制限が提供される。典型的には、ここで考慮される量は1日あたりである;しかしながら、ここでは半日及び2日又は3日のサイクルもまた考慮される。
筋疾患、ウイルス感染症、又は細菌感染症を治療するために、異なる投与レジメンが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、上述の例示的な用量のいずれか等の1日量が、1日に1回、2回、3回、又は4回、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、又は10日間投与される。治療される疾患のステージ及び重症度に応じて、より短い治療期間(例えば、最大5日間)を高用量で使用するか、又は、より長い治療期間(例えば、10日以上、又は数週間、又は1か月又はそれ以上)を低用量で使用することができる。いくつかの実施形態では、1日1回又は2回の用量が隔日に投与される。
式I、II、Ia、Ib、IV、又はIVaのコンジュゲート、又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の形態は、純粋な形態又は適切な医薬組成物において、当技術分野で公知の許容される投与様式又は薬剤のいずれかを介して投与されうる。オリゴヌクレオチドは、例えば、経口、経鼻、非経口(静脈内、筋肉内、又は皮下)、局所、経皮、膣内、膀胱内、大槽内、又は直腸内に投与されうる。剤形は、例えば、固体、半固体、凍結乾燥粉末、又は液体剤形、例えば、錠剤、丸薬、軟弾性又は硬ゼラチンカプセル、粉末、溶液、懸濁液、座薬、エアゾール等、例えば、正確な投与量の簡易な投与に適した単位剤形でありうる。一実施形態では、オリゴマーは、薬学的に許容される担体に含まれるホスホロジアミダートモルホリノオリゴマーであり、経口で送達される。別の実施形態では、オリゴマーは、ペプチドにコンジュゲートしたホスホロジアミダートモルホリノオリゴマーであり、薬学的に許容される担体中に含まれ、経口で送達される。
別の実施形態では、オリゴマーは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマーであり、薬学的に許容される担体中に含まれ、静脈(i.v.)送達される。別の実施形態では、オリゴマーは、ペプチドにコンジュゲートしたホスホロジアミダートモルホリノオリゴマーであり、薬学的に許容される担体中に含まれ、静脈送達される。
さらなる投与経路、例えば、皮下、腹腔内、及び肺もまた、本開示では考えられる。
補助剤及びアジュバント剤は、例えば、保存剤、湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、乳化剤、及び分配剤を含みうる。微生物の作用の防止は、一般的にパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の様々な抗菌剤及び抗真菌剤によって提供される。糖、塩化ナトリウム等の等張剤もまた含まれうる。注射可能な医薬形態の長期の吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの使用によってもたらされうる。補助剤はまた、湿潤剤、乳化剤、pH緩衝剤、及び酸化防止剤、例えば、クエン酸、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、ブチル化ヒドロキシトルエン等も含むことができる。
固体剤形は、コーティング及びシェル、例えば腸溶性コーティング及び当技術分野で周知の他のもので調製することができる。それらは、空腹を満たす物質を含むことができ、活性なオリゴヌクレオチドを腸管の特定の部分において遅延様式で放出するような組成物でありうる。使用可能な埋め込み型組成物の例は、高分子物質及びワックスである。活性なオリゴヌクレオチドはまた、適切な場合、上記の賦形剤の1つ以上と共にマイクロカプセル化された形態であってもよい。
経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容されるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシルを含む。そのような剤形は、例えば、本明細書に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩、及び例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノール等の担体中の任意選択の薬学的アジュバント;可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド;油、特に、綿実油、落花生油、コーン胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル;又はこれらの物質の混合物等を溶解、分散等することによって、溶液又は懸濁液を形成することにより調製される。
一般に、意図される投与様式に応じて、薬学的に許容される組成物は、約1%~約99重量%の本明細書に記載のオリゴヌクレオチド、若しくは薬学的に許容されるその塩、並びに99%~1重量%の薬学的に許容される賦形剤を含有するであろう。一例では、組成物は、約5重量%から約75重量%の本明細書に記載のオリゴヌクレオチド又はその薬学的に許容される塩であり、残りが適切な薬学的賦形剤となる。
そのような剤形を調製する実際の方法は、当業者に既知であるか、又は明らかであろう。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版(Mack Publishing Company、ペンシルバニア州イーストン、1990年)が参照される。
キット
他の実施形態では、キットが提供される。本開示によるキットは、本開示のオリゴヌクレオチド、ペプチド、ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲート、又は組成物を含むパッケージを含む。いくつかの実施形態では、キットは、式I、II、Ia、Ib、IV、又はIVaに従うペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲート、又はその薬学的に許容される塩を含む。
「パッケージ」という語句は、本明細書に提示されるオリゴヌクレオチド又は組成物を含む任意の容器を意味する。いくつかの実施形態では、パッケージは、箱又は包装でありうる。医薬品の包装に使用される包装材料は、当業者に周知である。医薬品包装材料の例は、ボトル、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、ボトル、並びに選択された製剤及び意図された投与及び治療の様式に適した任意の包装材料を含むが、これらに限定はされない。
キットは、パッケージ内に含まれていないが、パッケージの外側に取り付けられている品目、例えば、ピペットも含みうる。
キットは更に、本開示のオリゴヌクレオチド又は組成物を患者に投与するための説明書を含むことができる。キットはまた、米国食品医薬品局等の規制当局による本明細書に記載のオリゴヌクレオチドの承認された使用に関する説明書も含みうる。キットはまた、オリゴヌクレオチドのためのラベリング又は添付文書も含みうる。パッケージ又は製品の添付文書、或いはその両方は、それ自体が規制当局によって承認されうる。キットは、パッケージ中の固相又は液相(提供されるバッファー等)中にオリゴヌクレオチドを含みうる。キットはまた、方法を実施するための溶液を調製するためのバッファー、及び液体をある容器から別の容器に移すためのピペットも含みうる。
実施例は、説明の目的で、本開示の特定の具体的な実施形態を説明するために、以下に記載されている。しかし、特許請求の範囲は、本明細書に記載された実施例によって何ら限定されるものではない。開示された実施形態に対する様々な変更及び修正は、当業者には明らかであり、本開示の化学構造、置換基、誘導体、製剤又は方法に関連するものを含むがこれらに限定されないそのような変更及び修正は、本開示の精神及び添付の請求項の範囲から逸脱せずに行われうる。本明細書中の図式における構造中の変数の定義は、本明細書中に示される式中の対応する位置の定義と同等である。
ライブラリの合成
図26、要素2602及び図27Aについては、4つのモジュールを含む構築物に焦点が当てられている:1つはオリゴヌクレオチド、3つは別個のペプチド配列についてのものである。モジュールは、核標的化ペプチド又はエンドソーム破壊ペプチド等の様々な機能性ペプチドを含むことが必要であろうと想定された。構築物を合成するために、モジュール1をモジュール2に連結し、別個にモジュール3をモジュール4に連結する収束アプローチを選択した。次いで、2つの二量体をコンジュゲートして、4モジュール構築物を提供することができた(図1b及び図27A、ステップ2700)。
各反応は特定の官能基に耐性があり、一般的な溶媒及び条件に適合し、ペプチド基質に適しているように最適化する必要があるため、バイオコンジュゲーション反応の選択は重要であった。ペプチドコンジュゲーションの文脈でいくつかの反応を調査し、特定の反応の様々な制限に遭遇した。
Figure 2023513437000083
例えば、テトラジンは樹脂上のペプチドに組み込むことができるが、ペプチドの切断及び側鎖の脱保護中に還元されることが判明した。同様に、市販のDBCO試薬に存在する3級アミドはトリフルオロ酢酸中で切断されるため、DBCOを樹脂外の基質に組み込む必要がある。更に、マレイミドとアジドは、同じペプチド上に存在する場合には反応するであろう。
いくつかの潜在的な反応を調査した後、最終的な合成スキームは、2つのアジド-アルキン環状付加を1つのSNAr反応と組み合わせている(図1b)。反応1では、PMO-DBCOがアジドペプチドと結合して、モジュール1と2を連結する。アジドペプチドは、中性条件下ではDBCOと反応しない遊離のチオールも含むであろう。これとは別に、反応2では、銅触媒によるアジド-アルキン付加環化により、モジュール3と4が連結される。モジュール3は、デカフルオロビフェニルに連結したN末端システイン残基とC末端アジドリジンを含むであろう。パーフルオロアレーンは、反応3を可能にし、遊離チオールがアジド/アルキン付加環化を妨害するのを防ぐ役割も果たす。モジュール4は、ペプチドの大環状化等のほとんどの反応に対して安定であるアルキンのみを含んでいる。最後に、反応3において、モジュール1-2と3-4をチオール-パーフルオロアレーンSNAr反応によってコンジュゲートすることができる。アジドはすでにアルキンと反応しているため、意図しないアジドの還元を心配することなく、TCEPを使用してジスルフィドの形成を防ぐことができる。
選択した合成スキームは、コンビナトリアルライブラリの合成のための数多くの利点がある。第一に、全ての反応が以前に生物学的アッセイで使用され、安定した不可逆的な連結が生成されている。第二に、反応は副生成物を生成せず、理論的に定量的であるため、精製の必要性が低減する。第三に、全ての試薬が比較的良性であり、細胞培養実験に悪影響を及ぼさないはずである。銅は存在するであろうが、低マイクロモル濃度の銅は、このスクリーニングの目的では細胞の生存率に影響を与えないことが判明している。最後に、反応は全て非常に小規模なスケール(例えば、5μL未満の容量)で行うことができる。特に、高収量と少容量の組み合わせは、反応を高濃度で実行し、各反応を個別に精製する必要なく、細胞培養処置用の培地中にすぐに希釈できることを示唆する。
個々の反応条件を最適化した後、36の概念実証の構築物のセットをモジュラーライブラリのために合成した。モジュール1のオリゴヌクレオチドについては、改変したHeLa細胞株の核への送達が成功すると、eGFP蛍光を誘導するPMOIVS2-654(配列番号56)が使用された。モジュール2は、ペネトラチン、pVEC、TP10、及びDPV6の4つの異なるCPPのセットを含んでいた。モジュール3は、KRVK及びSV40核局在配列(NLS)と、脳へのウイルス送達を改善することが最近報告された配列であるペプチドPHP.eBが含まれていた。モジュール4は、Bpep、DPV6、及びPPC3の3つのCPPを含んでいた(図5)。
アジド-歪み-アルキン環化付加反応を用いて、モジュール1と2のコンジュゲーションから合成を開始した。水中で、5mMのPMO-DBCOを5mMのアジド-モジュール2ペプチド-cysと共にインキュベートした。1時間後、反応物を液体窒素中で急速冷凍し、溶媒を凍結乾燥により除去した。各反応について、LC-MS分析は、生成物へのほぼ完全な変換を示し、反応が精製の必要なくきれいに進行したことを指し示した。
モジュール3と4は、銅触媒アジド-アルキン付加環化を使用してコンジュゲートした。デカフルオロビフェニル-モジュール3ペプチド-アジド及びアルキン-モジュール4ペプチドを水に溶解して、各モジュールの10mMストック溶液を作成した。別に、臭化銅(I)を不活性雰囲気下でDMSOに溶解させた。ペプチドを組み合わせ(それぞれ最終濃度3.3mM)、臭化銅溶液(最終濃度6.7mM)を添加して反応を開始させた。2時間後、水中の100mMリン酸二ナトリウムを添加して反応をクエンチした。反応3の準備として、溶媒を真空下で除去した。
最後に、モジュール1-2と3-4を組み合わせた。5mMのTCEPを含むDMSO中で、モジュール1-2(最終濃度0.63mM)をモジュール3-4(最終濃度1.25mM、2当量)と混合した。モジュール1は細胞アッセイの活性成分であるため、制限試薬として使用した。2時間後、反応液を瞬間凍結し、希釈及び細胞の処置まで-80℃で保存した。反応コンポーネントの個別の試験は、銅の存在が反応を妨害することを示唆しており、最適化のかなりの試みにもかかわらず、反応変換が約70%を超えることはなかった。
合成された36の構築物を使用して、改変したHeLa細胞アッセイを使用してPMO活性を調節する能力を試験した。HeLa-654細胞を安定的にトランスフェクトして、非蛍光のeGFPタンパク質を発現させた。このeGFP遺伝子は、ヒトβ-グロビン遺伝子(IVS2-654)由来の変異イントロンによって中断されている。この挿入はプレmRNAスプライシングを変更し、成熟mRNA中におけるフラグメントの保持を引き起こして、非蛍光タンパク質を生成する。PMOIVS2-654は、β-グロビン挿入と塩基対を形成し、mRNAスプライシングを改変して、それにより蛍光性のeGFPの発現を導く。
処置のために、粗反応混合物を培地で5μMに希釈した。モジュラー構築物の濃度は、反応において混合されたモジュール1-2コンジュゲートの元の濃度に基づいて計算した。10%ウシ胎児血清(FBS)を含む培地を使用して、細胞を各構築物と共に22時間処置した後、細胞の蛍光をフローサイトメトリーで測定した。
異なるモジュールは、細胞の蛍光レベルにいくつかの顕著な傾向を導いた(図6)。モジュール2がDPV6の場合、モジュール3及び4に配置されたペプチドに関係なく、構築物全体が一貫して高い蛍光を示した。しかしながら、pVEC又はTP10のいずれかがモジュール2に配置された場合、マイナーな細胞蛍光が観察された。化合物の毒性を管理するための間接的な読取り値として、フローサイトメトリー中にゲートされた細胞のカウントを使用した。毒性の高い化合物は、全体的な細胞数の減少をもたらし、生存不能な細胞は、ヨウ化プロピジウム染色に基づいてゲートアウトされた。この実験では、モジュール3ペプチドが核局在化配列KRVKである場合、一貫して低い細胞数が測定されることが観察された。好ましい化合物は、活性が高く非毒性であるため、細胞の蛍光と細胞数の読取り値を掛け合わせて、化合物全体の有効性(FxC)の測定値を得た。
概念実証実験の成功を受けて、HeLa-654細胞で試験するための600のコンジュゲートのライブラリを合成した。モジュール4のペプチドの数を3から50に増やすことが選択された。ライブラリ内のペプチドのタイプの多様性を高め、修飾ペプチドと独特な官能基を組み込む可能性を強調するために、キメラペプチド、環状ペプチド、及び二環式ペプチドの混合物が含められた。環状ペプチドは、R12、Bpep、及びモジュラー反応に適合性の安定したペプチド大環状分子を形成するために2つのシステイン残基が連結された波形縁のバリアントを含んでいた。二環式バリアントは、二重大環状R12と、3つの側鎖が1,3,5-トリスブロモメチルベンゼンで連結された別のR12配列を含んでいた。他のペプチドは、以前に報告されたいくつかのCPP、有効なPMOキャリア(PPC)であると計算で予測されたペプチド、及び付加されたNLS配列を持つペプチドを含んでいた(Table 2を参照)。
追加の化合物を使用して、反応2には今回、150の異なる生成物が含まれていた点を除き、反応1及び2を前述のようにして実行した。反応3では、多数の化合物を処理するために、前述の条件を使用して、384ウェルプレートで2日間にわたって合成を実施した。合成後、化合物をPBSで100μMに希釈し、次に10% FBSを含む培地で5μMに希釈した。再度、HeLa-654細胞を構築物で22時間処置し、細胞の蛍光をフローサイトメトリーで分析した(図7)。
機械学習モデル
図27Aの工程2700に関して定義されているように、モジュラーライブラリからの配列及び活性情報を使用して、新規でより効果的な配列を予測するための一連の解釈可能な機械学習モデルが訓練された。モデルは、図25に示されるような一般化されたコンピュータシステムによって、又はカスタム構成されたコンピューティングプラットフォームにおいて実装されうる。機械学習の重要な考慮事項は、入力する特徴と出力パラメータの適切な表現である。アミノ酸の化学構造と配列の位置を細胞透過性と相関付ける定義済みの定量的な配列-活性関係の欠如を考えると、この分野における以前のヒューリスティックな研究は、限られた成功しか収めていない。更に、計算的アプローチの制限はしばしば、標準化されていないデータセットとペプチドの物理化学的記述子を無関係な機能パラメータに対する機械学習の特徴として使用することに由来する。これらの制限を克服するために、ペプチド配列のトポロジー表現を使用して、上記で提案したような均一なデータセットから情報を抽出する逆設計モデルが開発された。
この逆設計モデルは、ジェネレータ-プレディクタ-オプティマイザ機械学習モデルとも呼ばれうる。ジェネレータネットワークは、現実的なペプチドを生成し、プレディクタネットワークは、分子のトポロジー表現を使用して配列と活性の関係に対処し、そして、オプティマイザツールは長さとアルギニン含有量を最小限に抑えながら活性を最大化させた。このような機械学習モデルは、図26に機能ブロック形式でまとめられている。生物活性とその他の設計上の制約の組み合わせは、非毒性且つ非免疫原性であり、PMOの送達を有意に向上した最適化された合成ペプチドをもたらした。
各ペプチドから化学的情報を抽出するために、ペプチドを様々な物理化学的特性のビンに配置するのではなく、各アミノ酸配列の原子結合性の特徴付けを行った。まず、図2aに関して、アミノ酸とそのモジュラーリンカーを、隣接する原子と結合のトポロジカルな探索を符号化したフィンガープリントとして表現した。次に、配列を線形(1D)及び完全なグラフ(2D)として扱う一連の1D及び2Dペプチド配列表現を開発した。1D表現は、ペプチドバックボーンに沿った共有結合の線形相互作用を捉え、2D表現は、大環状配列のフォールディング、空間を介した相互作用、及び共有結合を表現するために、オフダイアゴナル要素を導入している。上記のライブラリ合成セクションで説明したようにして開発されたトレーニングデータセットは、eGFPアッセイで以前に試験された600のペプチド及び他の配列を含むモジュラーライブラリから構成されていた。毒性のために低い細胞数をもたらした配列は排除された。このアッセイからの出力は、それぞれのグラフ表現にリンクされた平均蛍光強度(MFI)であった。
逆設計のために、上記で説明されたように、機械学習ベースのジェネレータ-プレディクタ-オプティマイザループが開発された。ジェネレータは、細胞透過性ペプチド配列を記述する文法的直感を捉える入れ子状の長期短期記憶(RNN-Nested LSTM)アーキテクチャを使用した再帰型ニューラルネットワークに基づいている(図27A、工程2702)。これは、同様な見た目の新規な細胞透過性ペプチド配列の生成を可能とした。プレディクタでは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデルを使用して、MFIに対して配列表現をトレーニングした(図27B、ステップ2704)。最後に、遺伝的アルゴリズム(GA)を使用して最適化を行ったが、目的関数には、CNNモデルによって予測されたMFIの最大化と、水溶性を維持しつつの長さ及びアルギニン含有量の最小化を含めた(図27C、工程2706)。これらのアルゴリズム設計は、いくつかのイテレーションを経て進化し、最終的には、変分ピクセルマップと、システイン結合を含む重み付けされた空間を介した相互作用が組み込まれた(DeConv2D)。最適化された予測ペプチド配列が提供されている(図27C、工程2708)。
Conv1Dアーキテクチャに基づく元の機械学習モデルは、予測値がトレーニング値の範囲(0.32~19.5)内にある場合、89%の正解率でMFIを予測できた。ハイパーパラメータの最適化とモデルの開発の後、正解率は92%に向上した。
新たな配列を予測するために、トレーニング済みの入れ子状LSTMモデルを使用してシード配列を生成し、そして、MFIを最大化し、配列の長さとアルギニン含有量を最小化するために、目的関数に対する活性プレディクタ遺伝的アルゴリズムオプティマイザループでそれらを最適化した。更に、特定の活性のペプチドを予測するモデルの能力を観察するために、陰性対照の検証用に活性の低い配列を意図的に予測し、「Mach11」と呼ばれる合成ペプチドのクラスが得られた。
予測された配列は、タンパク質間基本局所アライメント検索ツール(BLASTp)のホモロジーサーチによって決定されたところでは、以前に報告されたCPP又は天然に存在するペプチド及びタンパク質と有意な配列類似性を共有しないことが決定された。最後に、オンラインツール(IEDB)を使用して、予測された配列が免疫原性T細胞エピトープである確率を予測し、設定された確率スコアに従って予測される免疫原性が低いことが見出された。
アルゴリズムによって発見された設計原理を解釈するために、Conv1Dプレディクタの学習を活性化する化学的特徴を調査した。これを達成するために、最初の畳み込み層の出力(MFI)に対する入力の特徴(配列)の正の勾配活性化を調べた。レイヤー内のより活性化された領域は、特定の予測を行うようにニューラルネットワークを導いた特定の特徴を指し示す。プレディクタは主にペプチドのC末端に向かうアミノ酸によって活発化されることが観察され、また、カチオン性残基の優先も注目された。非常に活性な予測された配列であるMach3の詳細な分析は、アルギニン内のグアニジニウム部分構造に対する優先性を明らかにした。これらのモチーフは、細胞透過に関する以前の経験的所見と一致している。
モデルがどのように予測を生成しているかをよりよく理解するために、長さの異なる5つのランダムな配列を選択し、それらをオプティマイザに供給して、最良の予測を視覚化した。正の活性化は、残基の位置(図3c)と化学的フィンガープリント(図3d)で平均化された。更に、アミノ酸のタイプを、配列中の残基の位置に基づき(図3e)、また、残基間のフィンガープリントで強調された部分構造に基づき(図3f)、分析した。Mach3と同様な傾向が、より高性能なトレーニング配列で観察された。
MachペプチドはPMOの送達を増強する
何百もの予測されたペプチド配列のリストから、長さ、電荷、及び予測される活性が異なる20の候補を選択し、合成及び試験した。PMO-ペプチドライブラリと同様に、PMO-Mach構築物をまず、HeLa 654 アッセイにおいて完全培地中5μMで22時間PMO送達について試験し、フローサイトメトリーで分析した(図14)。実験は3つの技術的な3つ組と、2つ又は3つの生物学的な反復を用いて実施した。得られた活性をトレーニングデータセットと比較すると、ほぼ全ての配列が、最も性能の高いライブラリペプチドを上回っていることが判明した(図2d)。
長さ、電荷、及び構造が多様な予測されたペプチドを意図的に選択した。Mach1からMach11までは線形のPMO-ペプチド構築物であった。Mach12とMach13は、デカフルオロビフェニルによって連結された2つのシステインを含み、内部に大環状分子を形成していた。配列の長さは33から80アミノ酸の範囲で、正味の電荷は+11から+22であった。更に、アルゴリズムが設計原理を把握していることを確認するために、性能が低下する配列を予測するようにした。この目的のために、高性能なペプチドであるMach1は、予測される活性が減少するように、アルゴリズムに配列を再配置させ、Mach7が得られた。しかしながら、2つの構築物の実験活性はほぼ同じであった。次に、アルゴリズムは、活性が低いと予測される独特なペプチドを設計し、結果としてMach11が得られた。実際、Mach11はPMOの送達を有意に向上しなかった。特に、Mach5はPMO活動を有意に増加させなかったが、Mach2から4までと同様な活性があると予測されていた。
いくつかの高活性Machペプチドを用いて、用量反応実験を行った(図4a)。上記と同じ形式で、HeLa 654細胞を様々な濃度のMach2、3、4、及び7で22時間処置し、フローサイトメトリーで分析した。各構築物のEC50値は1μMに近く、細胞数とPI染色によって決定されるように、試験した濃度では細胞毒性は示されなかった。
(実施例1)
ペプチドの調製と精製の一般的な方法
ファストフローペプチド合成
ペプチドは、自動化されたフローペプチドシンセサイザを使用して0.1-mmolスケールで合成した。ChemMatrix Rink Amide HYR樹脂200mgを、90℃に維持した反応器に装填した。全ての試薬を、反応器に導入する前に90℃に維持したステンレス鋼のループを通してHPLCポンプで80mL/分で流した。カップリングごとに、DMF中に0.2Mのアミノ酸と0.17MのHATUを含む溶液10mLをジイソプロピルエチルアミン200μLと混合し、反応器に送った。Fmocの除去は、10.4mLの20%(v/v)ピペリジンを使用して達成した。各工程の間に、DMF(15mL)を使用して反応器を洗い流した。アルギニンには特殊なカップリング条件を使用し、流速を40mL/分に下げ、0.2MのFmoc-L-Arg(Pbf)-OHと0.17MのPyAOPを含むDMF溶液10mLをジイソプロピルエチルアミン200μLと混合して、反応器に送った。非天然アミノ酸をカップリングするため、又はペプチドをキャップするために(例えば4-ペンチン酸で)、樹脂を室温で30分間、ジイソプロピルエチルアミン500μLを含むDMF中、2.5mLの0.4MのHATUに溶解した4-ペンチン酸(1mMol)と共にインキュベートした。合成の完了後、樹脂をDCMで3回洗浄し、真空下で乾燥させた。
ペプチドの切断と脱保護
各ペプチドを60℃で7分間、5mLの94%トリフルオロ酢酸(TFA)、2.5%の1,2-エタンジチオール(EDT)、2.5%の水、及び1%のトリイソプロピルシラン(TIPS)(v/v)で処理して、全体的な側鎖の脱保護と樹脂からの切断を同時に行った。アルギニンが豊富な配列の場合は、樹脂を82.5%のTFA、5%のフェノール、5%のチオアニソール、5%の水、及び2.5%のEDT(v/v)から成る切断カクテルを用いて室温で14時間処理した。混合物にN2をバブリングすることにより、TFAを蒸発させた。次に、約40mLの冷エーテル(-80℃に冷却)を加えてペプチドを沈殿させ、洗浄した。粗生成物を4,000rpmで3分間遠心分離してペレット化し、エーテルをデカントした。エーテル沈殿及び遠心分離を更に2回繰り返した。3回目の洗浄後、ペレットを50%水及び0.1%TFAを含有する50%アセトニトリルに再溶解させ、フリットシリンジで濾過して樹脂を除去し、凍結乾燥した。
ペプチド精製
ペプチドを水及び0.1%TFAを含有するアセトニトリルに再溶解させ、0.22μmのナイロンフィルターを通して濾過し、質量分析計直結セミ分取逆相HPLCによって精製した。溶媒Aは、0.1%のTFA添加剤を含む水であり、溶媒Bは、0.1%のTFA添加剤を含むアセトニトリルであった。0.5%/分の速度で変化する直線勾配を使用した。ほとんどのペプチドは、Agilent Zorbax SBC3カラム(9.4×250mm、5μm)で精製した。アルギニンに富む配列等の非常に親水性のペプチドは、Agilent Zorbax SBC18カラム(9.4×250mm、5μm)で精製した。各画分に関する機器からの質量データを使用して、純粋な画分のみをプールし、凍結乾燥した。画分プールの純度は、LC-MSによって確認した。
実施例1のプロトコルを使用して、Table 2のペプチドを合成した。
(実施例2)
PMO-DBCO合成
PMO IVS-654(50mg、8μmol)を150μLのDMSOに溶解させた。この溶液に、40μLのDMF中のHBTU(DMF中、37.5μLの0.4MのHBTU、15μmol)とDIEA(2.8μL、16μmol)で活性化した2当量ジベンゾシクロオクチン酸(5.3mg、16μmol)を含む溶液を加えた(最終反応容量=0.23mL)。反応を25分間進行させた後、1mLの水及び2mLの水酸化アンモニウムでクエンチした。水酸化アンモニウムは、反応の過程で形成されたエステルを加水分解するであろう。1時間後、溶液を40mLに希釈し、逆相HPLC(Agilent Zorbax SBC3カラム:21.2×100mM、5μm)及び2から60% Bの直線勾配(溶媒A:水;溶媒B:アセトニトリル)を使用し、58分(1% B/分)にわたって精製した。各画分に関する機器からの質量データを使用して、純粋な画分のみをプールし、凍結乾燥した。画分プールの純度は、LC-MSによって確認した。
(実施例3)
ライブラリ合成条件
反応1
PMO-DBCOを10mMの濃度(重量測定により決定)で水に溶解させた。モジュール2ペプチドを0.1%トリフルオロ酢酸を含む水に10mMの濃度で溶解させた(重量測定により決定;分子量は、リジン、アルギニン、及びヒスチジン残基あたり0.5個のトリフルオロ酢酸対イオンを含むように計算した)。微量遠心管中で、50μLのPMO-DBCO溶液を50μLのモジュール2ペプチドと混合した。溶液を混合し、反応を1時間進行させた。その後、生成物をLC-MSで分析し、溶媒を凍結乾燥により除去した。最後に、生成物を100μLのDMSOに再懸濁して5mMの溶液を調製し、-20℃で保存した。
反応2
ストック溶液は、モジュール3ペプチド及びモジュール4ペプチドを水に10mMの濃度(重量測定で決定)で溶解させることにより調製した。各反応について、4μLのモジュール3ペプチドを4μLのモジュール4ペプチドとPCRチューブ中で混合した。別に、脱気した1mLのDMSOをN2下で臭化銅(I)2.8mgと混合して臭化銅溶液を調製し、20mMの溶液を得た。周囲条件下で、4μLのCuBr溶液をモジュールペプチド3及び4の混合物に添加した。反応に蓋をし、反応を2時間進行させた;反応のセットアップ中に存在する少量のO2は、反応の進行を実質的に妨げない。2時間後、Na2HPO4の100mM溶液2μLを添加した。次に、PCRチューブを超音波処理し、ボルテックスにかけ、遠心分離した。溶媒を除去するために、35℃に設定したSavant SPD121P Speed-Vacを使用して、PCRチューブを真空下で2時間遠心分離した。最後に、生成物を16μLのDMSOに再懸濁して5mMの溶液を調製し、-80℃で保存した。生成物をLC-MSで分析した。
反応3
最終的なモジュラー構築物は、モジュール1-2とモジュール3-4の組み合わせによって合成した。まず、1.6μLの反応2を384ウェルプレートに加えた。別に、30μLの反応1を15μLのTCEP溶液(400mMのNaOHを含む50/50水/DMSO中の100mM TCEP-HCl)及び75μLのDMSOと混合した。次に、1.6μLの反応1の溶液を384ウェルプレートの反応2に加えた。個々の各反応は、最終的に0.4μLの反応1(DMSO中5mM)、1.6μLの反応2(DMSO中5mM)、0.2μLのTCEP溶液(水/DMSO中100mM)、及び1μLのDMSOを含んでいた。過剰な反応2を使用して、反応を強制的に完了させた;銅の存在は、このコンジュゲーションの効率を妨げる。反応1は、細胞培養アッセイの活性成分であるPMOが過剰となることを避けるための制限試薬として使用された。反応を2時間進行させた後、プレートを-80℃で保存した。反応物をLC-MSで分析した。
(実施例4)
HeLa-654 eGFPアッセイ
HeLa 654細胞を、10%(v/v)ウシ胎児血清(FBS)及び1%(v/v)ペニシリン-ストレプトマイシンを添加したMEM中で37℃及び5% CO2で維持した。処置の18時間前に、細胞を10% FBS及び1%ペニシリン-ストレプトマイシンを添加したMEM中に96ウェルプレート1ウェルあたり5,000細胞の密度で播種した。実験当日、3.2μLの反応混合物に16.8μLのPBSを添加することにより、DMSO中に粗反応混合物を含む384ウェルプレートを100μMに希釈した。次に、各構築物を10% FBS及び1%ペニシリン-ストレプトマイシンを添加したMEM中で5μMに希釈した。各コンジュゲートを5μMの濃度で、37℃、5% CO2で細胞を22時間インキュベートした。次に、処置培地を吸引し、細胞を0.25%のトリプシン-EDTAと共に37℃及び5% CO2で15分間インキュベートし、PBSで1回洗浄し、2%のFBS及び2μg/mLのヨウ化プロピジウムを含むPBSに再懸濁した。BD LSRIIフローサイトメーターでフローサイトメトリー分析を実施した。ゲートをデータに適用して、ヨウ化プロピジウムに対して非常に陽性であった細胞、又は主要な細胞集団とは十分に異なる前方/側方散乱測定値を示した細胞は除外されるようにした。各サンプルは上限を5,000ゲートイベントに制限した。
Graphpad Prism 7を使用して分析を行った。各サンプルについて、平均蛍光強度とゲートされた細胞の数を測定し(図8及び9)、細胞数を乗じた強度を計算した(図7)。
更に、3つの異なる生物学的反復を用いて実施したeGFPアッセイで測定されたPMO-P1からPMO-P7までのエクソンスキッピング活性の分析(図18)は、PMO-P7が最高の活性を示すコンジュゲートであり、コンジュゲートされていないPMOに対して14倍に増加することを指し示したが、これはPMO-Bpepの活性と同等であった。これらの7つの予測されたペプチドとPMOのコンジュゲートの中で2番目と3番目に優れた性能を有するものは、コンジュゲートされていないPMOと比較して、それぞれ9倍と7倍の活性増加を有するPMO-P2とPMO-P4であった。コンジュゲートの残り、PMO-P1、PMO-P3、PMO-P5及びPMO-P6は、4倍の増加又は更に低い活性を示した。PMO-P7は、PMO-P8からPMO-P12の類似体よりも優れた活性を示した(図19)。ペプチドのC末端のKXXCモチーフは、PMO送達の増加を導かない(図20)。PMO-P21からPMO-P23まで(図21)、及びP30からP40まで(図23)も試験した。
(実施例5)
MTTアッセイ
処置後の細胞生存率は、MTTを使用して決定した(図15bを参照)。HeLa 654細胞を37℃、5% CO2で22時間、様々な濃度のPMO-ペプチド構築物で処置した。培地のみを含む2つのウェルをブランクとして使用し、未処置の細胞を含む2つのウェルを陰性対照として使用し、そしてSDSで処理した細胞を含む2つのウェルを陽性対照として使用した。上清を新しい96ウェルプレートに移し、フェノールレッドを含まない完全培地と交換した。10μLのMTTストック溶液を各ウェルに添加し、4時間インキュベートした。100μLのSDS-HClを各ウェルに添加し、十分に混合し、4時間インキュベートした。各サンプルを再び混合し、その吸光度を570nmで読み取った。各測定値からブランクの測定値を差し引き、細胞生存率を以下のようにして計算した:%生存率=100×実験(OD570)/処置なし(OD570)。
(実施例6)
LDH放出アッセイ
細胞毒性アッセイは、HeLa 654細胞及びヒトRPTEC(ヒト腎近位尿細管上皮細胞、ECH001、Kerafast、図4a及び図15aを参照)の両方で実施した。RPTECを10%(v/v)ウシ胎児血清(FBS)及び1%(v/v)ペニシリン-ストレプトマイシンを添加した高グルコースDMEM中、37℃、5% CO2で維持した。RPTECの処置は、HeLa 654細胞と同様に行った。処置後、上清を新しい96ウェルプレートに移した。
上述の上清を含む96ウェルプレートの各ウェルにCytoTox 96 Reagent(Promega)を添加した。プレートを遮光し、室温で30分間インキュベートした。等量の停止液を各ウェルに加えて混合し、各ウェルの吸光度を490nmで測定した。ブランクの測定値を各測定値から差し引き、%LDH放出を、%細胞毒性=100×実験のLDH放出(OD490)/最大LDH放出(OD490)として計算した。
(実施例7)
炎症パネルアッセイ
THP-1由来マクロファージの処置後における炎症性サイトカイン放出をプロファイリングすることによって、PMO-ペプチドコンジュゲートによって誘発される炎症反応をアッセイした(図4b及び図16を参照)。THP-1細胞(ATCC TIB-202)を10%(v/v)FBS、1%(v/v)ペニシリン-ストレプトマイシン、L-グルタミン、非必須アミノ酸、ピルビン酸ナトリウムを添加したRPMI1640培地中、37℃及び5% CO2で増殖させた。実験の2日前に、THP-1細胞(450k/mL)を37℃及び5% CO2において25nMのホルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA)で24時間処置して、マクロファージへの分化を誘発した。次に、培地を新しいRPMI培地と交換し、細胞を更に24時間インキュベートした。この時点で、表現型は浮遊細胞から強力な接着細胞に変化した。実験の朝、上清を除去し、酵素を含まない細胞解離バッファー(Thermo)中で5分間インキュベートすることにより、マクロファージをリフトした。次に、細胞を収集し、スピンダウンし、完全RPMI培地で500k/mLの細胞密度まで増殖させた。96ウェルプレートの各ウェルに100K個の細胞を播種し、最初の2列は空のままにした。処置前に細胞を再接着させた。2つ組のウェルを様々な濃度のPMO-ペプチドコンジュゲートで37℃、5% CO2で2時間処置した。培地のみ及び未処置のウェルを陰性対照として使用し、10μg/mLの細菌リポ多糖(LPS)処置を陽性対照として使用した。処置後、各ウェルを3回洗浄し、新鮮な培地を与え、12時間インキュベートした。上清をV底プレートに移し、4000 rcfでスピンダウンして、デブリを除去した。上清中の炎症性サイトカインは、蛍光ビーズベースのアッセイであるLEGENDplex Human Inflammation panel(BioLegend)を使用してアッセイした。アッセイしたサイトカインは、IL-1ベータ、IFN-アルファ2、IFN-ガンマ、TFN-アルファ、MCP-1、IL-6、IL-8、IL-10、IL-12p70、IL-17A、IL-18、IL-23、及びIL-33であった。BD LSRIIフローサイトメーターで分析を行い、BioLegendの付属ソフトウェアを使用してデータを分析した。
(実施例8)
組換え発現
His6-SUMO-G5-DTA(C186S)を大腸菌BL21(DE3)細胞で過剰発現させた(図17参照)。約10gの細胞ペレットを、30mgのリゾチーム、2mgのDNAase I、及び1錠の完全プロテアーゼ阻害剤カクテルを含む20mM Tris、150mM NaCl、pH 7.5のバッファー50mL中で超音波処理により溶解させた。懸濁液を16,000rpmで30分間遠心分離して、細胞破片を除去した。上清を5mLHisTrap FF Ni-NTAカラム(GE Healthcare、英国)にローディングし、20mM Tris、150mM NaCl、pH 8.5中の100mMイミダゾール30mLで洗浄した。タンパク質を20mM Tris、150mM NaCl、pH 8.5中の300mMイミダゾールを含むバッファーでカラムから溶出させた。Millipore遠心フィルターユニット(10K)での遠心分離によりタンパク質からイミダゾールを除去した。次に、20mM Tris、150mM NaCl、pH 7.5中、1:1000のプロテアーゼ:タンパク質比で一晩、4℃でインキュベートすることにより、SUMOプロテアーゼ(以前に組換え発現させたもの)を使用して、His6-SUMOタグをタンパク質から切断した。混合物を5mLのHisTrap FF Ni-NTAカラムに流すことにより、所望のタンパク質をHis6-SUMOタグから分離した。最終的に精製されたタンパク質は、20mM Tris、150mM NaCl、pH 7.5のバッファー中、HiLoad 26/600 Superdex 200 prepグレードサイズ排除クロマトグラフィーカラム(GE Healthcare、英国)を使用したサイズ排除クロマトグラフィーによって分離した。
SDS-PAGEゲルを用いてタンパク質を分析した。更に、タンパク質をESI-QTOF LCMSで分析して、分子量と純度を確認した。タンパク質の電荷状態エンベロープは、Agilent Mass Hunter Bioconfirmを使用し、最大エントロピーを使用してデコンボリュートした(Agilent Zorbax 300SBC3カラム: 150×2.1mM ID、5μM、1% B0~2分、1%から91% B 2~11分、91%から9% B 11~12分;流速:0.8mL/分段階的に増加)。
(実施例9)
免疫原性
配列の免疫原性(図12を参照)は、オンラインサーバを使用して計算した。スコアは任意の数値であり、正の値が高いほど、ペプチドが免疫原性である確率が高いことを指し示し、その逆もしかりである。非天然残基については、検索操作のために、B(β-アラニン)及びX(6-アミノヘキサン酸)をそれぞれa(アラニン)及びL(ロイシン)に置き換えた。いずれのペプチドも免疫応答を誘発するとは予想されないことが分かった。
(実施例10)
逆設計モデル
ジェネレータ-再帰型ニューラルネットワーク。ジェネレータは、「細胞透過性ペプチドのオントロジー」に従う新たなペプチド配列を生成するためのデータドリブンなツールである。基本的なルールを捕捉するために、再帰型ニューラルネットワーク(入れ子状のLSTMベースのモデル)をトレーニングした(図1a及び図10を参照)。トレーニングデータセットは、ライブラリの作成に使用された固有の(非モジュラー)配列とCPPSite2.0からの配列を含む1150個の配列から構成されていた。(図26の要素2604及び図27Aの工程2702も参照)。
プレディクタ-畳み込みニューラルネットワーク。プレディクタは、HeLa 654 アッセイで測定される、所与のペプチド配列によるPMO送達からの蛍光強度を推定する。初期モデル(オリジナル:Conv1D)を、アミノ酸フィンガープリントの行マトリクスを使用して、ペプチド配列の1D表現でトレーニングした(図2、図3、及び図13を参照)。次に、長距離相互作用を捕捉するための一連の2D表現を開発した:(i)Conv2D - 個々のフィンガープリント間のOR演算に基づく2D表現;(ii)Conv2Dマクロサイクル - オフダイアゴナルインデックスにおいて明示的なリンカーフィンガープリントを使用した2D表現;(iii)DeConv2D - 各オフダイアゴナルインデックスの関数によって決定されるオフダイアゴナル相互作用の重みを使用した2D変分表現(図11を参照)。RDKitを使用して、全てのフィンガープリントを生成した。この研究からのCPPライブラリと、以前の研究からのCPPのコレクションを組み合わせることにより、トレーニング用の640個のPMOペプチド配列をまとめた。(図26の要素2606、及び図27Bの工程2704も参照)。
オプティマイザ。最適化は、遺伝的アルゴリズム(GA)を使用して行い、単一残基の変異は、挿入、欠失、及び交換を含み、複数残基の変異は、ハイブリダイゼーションを使用して行った。単一残基の変異は、残基のインデックスを選択して、欠失するか、挿入/交換の場合は、別の残基を追加することを含み、全ての工程をランダムに行った。ハイブリダイゼーションでは、ハイブリダイズする配列の長さと位置、及びハイブリダイズした配列(全CPPのリストからのもの)を全てランダムに選択した。全てのLSTM生成配列に対し、以下の目的関数について、1000進化工程のGAを実装した:
Figure 2023513437000084
(図26の要素2608、及び図27Cの工程2708を参照)。
ベンチマークモデル。フィンガープリントとワンホットエンコーディングを使用して、ベンチマークモデルをトレーニングした:サポートベクター回帰、ガウス過程回帰、カーネルリッジ回帰、k最近傍回帰、及びXGBoost回帰。
ハイパーパラメータの最適化。ジェネレータモデルとプレディクタモデルの全てのハイパーパラメータをSigOptを使用して最適化した。
このモデルを使用して、13個のペプチドのリストが作成された。
Figure 2023513437000085
Figure 2023513437000086
Figure 2023513437000087
Figure 2023513437000088
式中、Xは、6-アミノヘキサン酸であり、Bは、β-アラニンであり、Cは、L1によって別のCに共有結合しており;
L1は、
Figure 2023513437000089
であり;
Mは、
Figure 2023513437000090
であり;
R10は、出現ごとに独立して、H又はハロゲンである。
(実施例11)
PMO-P7の活性及び毒性、用量反応曲線
PMO-P7の半値有効濃度(EC50)を、PMOに対するこのコンジュゲートのeGFP蛍光(HeLa654細胞を使用)を濃度範囲(0.1~100μM)に沿って測定することによって計算した。得られたEC50の値は4μMであり、最大有効濃度は、コンジュゲートしていないPMOに対して45倍の増加を示した。
LDHアッセイでは、10%(v/v)FBS及び1%(v/v)Pen Strepを添加したDMEM-高グルコース中でTH1細胞を37℃、5%のCO2で維持した。処置の18時間前に、TH1細胞を96ウェルプレートに1ウェルあたり8,000細胞の密度で播種した。翌日、PMO-ペプチドコンジュゲートのそれぞれの新鮮な10mMストックをPBS(1X)で調製した。ストックの濃度は、260nmで吸光度を測定し、168,700L mol-1Cm-1の吸光係数を使用して決定した。細胞から増殖培地を吸引し、10% FBS及び1% Pen Strepを添加したDMEM-高グルコース中の異なる濃度(1~200μM)の各コンジュゲートを処置培地に添加した。処置剤を含む培地と共に細胞を37℃、5% CO2で22時間インキュベートした。次に、上澄み処置培地を、アッセイのために別の透明底96ウェルプレートに移した。CytoTox 96(登録商標)Non-Radioactive Cytotoxicity Assay(Promega)を用いて、付属の技術情報に従い、規定量の半分(各上清25μL、LDH試薬25μL、停止溶液25μL)を使用したことのみが異なるアッセイを実施した。吸光度は、490nmにおいてBioTek Epoch Microplate Spectrophotometerで測定した。陽性対照と陰性対照はそれぞれ、最大限の細胞溶解と未処置の細胞に対応している。データは、細胞溶解を含む全ての処置条件から未処置細胞の吸光度を差し引き、補正された溶解の値で割ることによって処理した。細胞毒性の%は次のようにして計算した:
Figure 2023513437000091
細胞生存率は、損傷した細胞によって細胞培養上清に放出された乳酸脱水素酵素(LDH)の量を測定することによって評価した。乳酸がピルビン酸に変換されるとNADHが生成し、次いで、NADHは黄色のテトラゾリウム塩(ヨードニトロテトラゾリウムバイオレット;INT)を490及び492nmで吸収する赤色のホルマザン色へと還元する。その結果、上清中のLDHの量はホルマザンの量に比例し、溶解した細胞(死んだ細胞又は損傷した細胞)の数に関する情報を与える。
LDH放出は、TH1細胞を使用して評価し、1~200μMの間のPMO-P7、PMO-P21、及びPMO-P23で測定した(図22)。
(実施例12)
エンドトキシンアッセイ
PMO-P7のエンドトキシン量を測定した。細菌エンドトキシンの検出及び定量化のための発色LAL(Limulus Amebocyte Lysate)アッセイを使用した。LALは、大西洋カブトガニ由来の血液細胞(アメーバ細胞)の抽出物である。このアッセイは、グラム陰性菌の膜コンポーネントである細菌内毒素リポ多糖(LPS)とLALの反応に基づいている。この方法では、LAL試薬を発色試薬(黄色の着色剤であるp-ニトロアニリンに結合したペプチド)と混合して、合成発色基質を生成させる。インキュベーション前に、サンプルをこの発色基質に添加した。サンプル中にエンドトキシンが存在すると、LAL試薬において一連の酵素反応が生じ、ペプチド結合が切断されてp-ニトロアニリン分子が放出され、したがって、黄色が生じる。エンドトキシンの濃度は、405~410nmにおける吸光度を測定することによって定量化される。動物試験のためのPMO-P7のロットを使用して、1mLのPBS(1X)に溶解した酢酸塩として0.5mgのPMO-P7を使用し、PMO-P7溶液を調製した。使用したカートリッジは、Charles River Endosafe nexgen-PTSの0.01であった。25μLのサンプルを、カートリッジの4つのサンプルリザーバーのそれぞれに入れた。読取り装置が、サンプルをLAL(Limulus Amebocyte Lysate)試薬と混合した。サンプルを発色性基質と組み合わせ、次にインキュベートした。混合後、ウェルの光学密度を測定し、内部のアーカイブされた標準曲線と比較して分析した。読取り値は0.0471EU/mgであった(EU:エンドトキシン単位)。
そのトリフルオロ酢酸塩としてのPMO-P7の分子量は10,069g/molであり、その酢酸塩としては9,529g/molである。
(実施例13)
動物試験
この研究で使用したマウスは、実施例4のHeLa654細胞と同様な導入遺伝子を含んでいる。このマウスモデルは、ニワトリβ-アクチンプロモーターの下で全身にEGFP-654トランスジーンを遍在的に発現する。ヒトβ-グロビン遺伝子のイントロン2における変異ヌクレオチド654は、EGFP-654コード配列を中断し、EGFPタンパク質の適切な翻訳を妨げるEGFP-654配列中に含まれている。PMOのアンチセンス活性は、異常なスプライシングをブロックし、HeLa 654アッセイと同様にEGFP発現をもたらした。この研究では、Charles River Laboratoryで飼育された6~8週齢のオスのEGFP-654マウスを使用した。これらのマウスは、餌と水に自由にアクセスできるようにして集団で飼育された。
注入前に、PMO-ペプチドのエンドトキシンレベルが最小であることが確認された。動物実験に使用されたPMO-P7のロットを使用したエンドトキシンアッセイの測定では、酢酸塩として0.5mgのPMO-P7を1mLのPBS(1X)に溶解させた。使用したカートリッジは、Charles River Endosafe nexgen-PTSの0.01であった。25μLのサンプルを、カートリッジの4つのサンプルリザーバーのそれぞれに入れた。動物実験に使用したPMO-P7(酢酸塩として63mg)のロットは、0.0471EU/mgを示した(EUはエンドトキシン単位を指す)。
3日間の馴化後、マウスを無作為に、生理食塩水又はPMO-P7のいずれかを指示された用量(5、10、30mg/kg)で尾静脈に単回i.v.投与する群に割り付けた。注射の7日後、マウスを安楽死させて血清及び組織サンプルを採取した。大腿四頭筋、横隔膜、心臓を迅速に解剖し、液体窒素で急速冷凍し、分析まで-80℃で保存した。
全ての群からの血清を注射後7日目に採取し、Vet Axcel臨床化学システム(Alfa Wassermann Diagnostic Technologies, LLC)を使用して腎障害マーカーについて試験した。具体的には、血清BUN、クレアチニン、及びシスタチンCレベルを、ACE(登録商標)Creatinine Reagent(Alfa Wassermann、カタログ番号SA1012)、ACE(登録商標)Blood Urea Nitrogen Reagent(Alfa Wassermann、カタログ番号SA2024)、及びDiazyme Cystatin Cイムノアッセイ(Diazyme Laboratories、Cat# DX133C-K)を用いて、それぞれメーカーの推奨に従って測定した(図24A~Cを参照)。
Fast PreP24-5G装置(MP Biomedical)を使用して、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche、04693124001)を含むRIPAバッファー(Thermo Fisher、カタログ番号89900)で20~25mgのマウス組織をホモジナイズした。ホモジネートを12,000gで10分間、4℃で遠心分離した。得られた上清ライセートを、Pierce BCA Protein Assay Kit(Thermo Fisher、カタログ番号23225)で定量化し、EGFP発現測定用に保存した。具体的には、80μgのライセートを、壁面が黒く底が透明な96ウェルマイクロプレート(Corning)の各ウェルに分注した。各サンプルのEGFP蛍光強度は、デフォルトの設定でSpectraMAx i3xマイクロプレートリーダー(Molecular devices)を使用して2回測定した。次に、各サンプルの平均EGFP蛍光強度を、組換えEGFPタンパク質(Origen、カタログ番号TP790050)によって構築された標準曲線に対してプロットし、タンパク質ライセート1μgあたりのEGFPタンパク質レベルを定量化した(図24D~Fを参照)。
参照による組み込み
本出願において引用された全ての文献(参考文献、発行済み特許、公開済み特許出願、同時係属中の特許出願を含む)の内容は、その全体が本明細書に明示的に組み込まれる。本明細書で使用される全ての技術的及び科学的な用語には、他に定義されない限り、当業者に一般的に知られている意味が与えられる。
等価物
当業者は、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記載の本開示の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識又は確認することができるであろう。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。

Claims (54)

  1. 式IIの化合物を含むペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲート:
    Figure 2023513437000092
    又はその薬学的に許容される塩
    (式中:
    A'は、-N(H)CH2C(O)NH2、-N(C1~6-アルキル)CH2C(O)NH2
    Figure 2023513437000093
    から選択され、
    R5は、-C(O)(O-アルキル)x-OHであり、xは3~10であり、各アルキル基は、出現ごとに独立して、C2~6-アルキルであり、
    又は、R5は、-C(O)C1~6-アルキル、トリチル、モノメトキシトリチル、-(C1~6-アルキル)-R6、-(C1~6-ヘテロアルキル)-R6、アリール-R6、ヘテロアリール-R6、-C(O)O-(C1~6-アルキル)-R6、-C(O)O-アリール-R6、-C(O)O-ヘテロアリール-R6、及び
    Figure 2023513437000094
    から選択され;
    R6は、OH、SH、及びNH2から選択されるか、又はR6は、O、S、又はNHであり、これらのそれぞれが固体支持体に共有結合しており;
    各R1は、OH及び-N(R3)(R4)から独立して選択され、各R3及びR4は、出現ごとに独立して、-C1~6-アルキルであり;
    各R2は、独立して、出現ごとに、H、核酸塩基、及び化学的保護基で官能化された核酸塩基から選択され、核酸塩基は、出現ごとに、独立して、ピリジン、ピリミジン、トリアジナン、プリン、及びデアザプリンから選択されるC3~6-複素環を含み;
    zは8~40であり;
    E'は、H、-C1~6-アルキル、-C(O)C1~6-アルキル、ベンゾイル、ステアロイル、トリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル、トリメトキシトリチル、
    Figure 2023513437000095
    から選択され;
    Qは、-C(O)(CH2)6C(O)-又は-C(O)(CH2)2S2(CH2)2C(O)-であり;
    R7は、-(CH2)2OC(O)N(R8)2であり、R8は、-(CH2)6NHC(=NH)NH2であり;
    Lは、-C(O)(CH2)1~6-C7~15-ヘテロ芳香族-(CH2)1~6C(O)-であり、Lは、アミド結合によってJに共有結合しており;
    Jは、キャリアペプチドであり;
    Gは、H、-C(O)C1~6-アルキル、ベンゾイル、及びステアロイルから選択され、Gは、Jに共有結合しており;
    以下の条件:
    1)A'が、
    Figure 2023513437000096
    であること;又は2)E'が、
    Figure 2023513437000097
    であること
    の少なくとも一方があてはまり;
    キャリアペプチドJは、以下の配列から選択され:
    Figure 2023513437000098
    Figure 2023513437000099
    Figure 2023513437000100
    Figure 2023513437000101
    式中、Xは、6-アミノヘキサン酸であり、Bは、β-アラニンであり、Cは、L1によって別のCに共有結合しており;
    L1
    Figure 2023513437000102
    であり;
    Mは、
    Figure 2023513437000103
    であり;
    R10は、出現ごとに独立して、H又はハロゲンである)。
  2. E'が、H、-C1~6-アルキル、-C(O)C1~6-アルキル、ベンゾイル、ステアロイル、トリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル、トリメトキシトリチル、及び
    Figure 2023513437000104
    から選択される、請求項1に記載のコンジュゲート。
  3. A'が、-N(C1~6-アルキル)CH2C(O)NH2
    Figure 2023513437000105
    から選択される、請求項1に記載のコンジュゲート。
  4. E'が、H、-C(O)CH3、ベンゾイル、ステアロイル、トリチル、4-メトキシトリチル、及び
    Figure 2023513437000106
    から選択される、請求項1に記載のコンジュゲート。
  5. A'が、-N(C1~6-アルキル)CH2C(O)NH2
    Figure 2023513437000107
    から選択され;そして
    E’が、
    Figure 2023513437000108
    である、請求項1に記載のコンジュゲート。
  6. A'が、
    Figure 2023513437000109
    であり、
    E'が、H、-C(O)CH3、トリチル、4-メトキシトリチル、ベンゾイル、及びステアロイルから選択される、請求項1に記載のコンジュゲート。
  7. 式IAのペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートが、
    Figure 2023513437000110
    ;及び
    Figure 2023513437000111
    から選択されるペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートであり、
    式中、E'は、H、C1~6-アルキル、-C(O)CH3、ベンゾイル、及びステアロイルから選択される、請求項1に記載のコンジュゲート。
  8. ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートが、式(Ia)のものである、請求項1又は請求項7に記載のコンジュゲート。
  9. ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートが、式(Ib)のものである、請求項1又は項7に記載のコンジュゲート。
  10. 各R1が、N(CH3)2である、請求項1~9のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  11. 各R2が、出現ごとに独立して、アデニン、グアニン、シトシン、5-メチル-シトシン、チミン、ウラシル、及びヒポキサンチンから選択される核酸塩基である、請求項1~10のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  12. Lが、-C(O)(CH2)1~6-DBCO-(CH2)1~6C(O)-である、請求項1~11のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  13. Lが、
    Figure 2023513437000112
    である、請求項1~12のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  14. L1が、
    Figure 2023513437000113
    であり;
    Mが、
    Figure 2023513437000114
    である、請求項1~13のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  15. L1が、
    Figure 2023513437000115
    であり;
    Mが、
    Figure 2023513437000116
    である、請求項1~14のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  16. L1が、2つのシステインの側鎖に共有結合して、構造:
    Figure 2023513437000117
    を形成している、請求項1~15のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  17. Gが、H、C(O)CH3、ベンゾイル、及びステアロイルから選択される、請求項1~16のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  18. Gが、H又は-C(O)CH3である、請求項1~17のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  19. Gが、Hである、請求項1~18のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  20. Gが、-C(O)CH3である、請求項1~19のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  21. ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートが、コンジュゲートしていないオリゴヌクレオチドと比較して、取り込みにおいて少なくとも40倍の向上を示す、請求項1に記載のコンジュゲート。
  22. ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートが、コンジュゲートしていないオリゴヌクレオチドと比較して、取り込みにおいて少なくとも5倍の向上を示す、請求項1に記載のコンジュゲート。
  23. ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートが非毒性である、請求項1に記載のコンジュゲート。
  24. ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートが非免疫原性である、請求項1に記載のコンジュゲート。
  25. 請求項1~24のいずれか一項に記載のコンジュゲートと、少なくとも1種の薬学的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物。
  26. 機械学習を使用して最適な活性を有する1つ以上の細胞透過性ペプチドを同定するための方法であって、
    a.)トレーニング用オリゴヌクレオチド-細胞透過性ペプチドコンジュゲートのライブラリを合成する工程;
    b.)合成されたライブラリを使用して、入れ子状の長短期記憶(LSTM)再帰型ニューラルネットワークモデルをトレーニングすることにより、シードペプチド配列を生成する工程;
    c.)生成されたシードペプチド配列から、どのペプチド配列がアミノ酸残基の所定の構造活性関係を有するかを予測する工程;及び
    d.)活性プレディクタ-遺伝的アルゴリズムオプティマイザループを使用して、予測されたペプチド配列の1つ以上の最適なものを同定する工程
    を含む方法。
  27. 予測する工程が、シードペプチド配列をアミノ酸残基のトポロジカルフィンガープリントと比較する工程を含む、請求項26に記載の方法。
  28. 予測する工程が、トポロジカルフィンガープリントの活性をConv1D、Conv2D、Conv2Dマクロサイクル、及びDeConv2Dコンボリューションとして表すことを含む、請求項27に記載の方法。
  29. 活性が平均蛍光強度である、請求項28に記載の方法。
  30. Conv1Dコンボリューションが、ペプチド配列の一次元表現においてアミノ酸フィンガープリントの行マトリクスでトレーニングされる、請求項28に記載の方法。
  31. Conv2Dコンボリューションが、ペプチド配列の二次元表現において個々のフィンガープリント間のOR演算でトレーニングされる、請求項28に記載の方法。
  32. Conv2Dマクロサイクルコンボリューションが、ペプチド配列の2次元表現においてオフダイアゴナルインデックスにおける明示的なリンカーフィンガープリントでトレーニングされる、請求項28に記載の方法。
  33. DeConv2Dコンボリューションが、2次元変分表現において各オフダイアゴナルインデックスの相関関係によって決定されるオフダイアゴナル相互作用の重み付けでトレーニングされる、請求項28に記載の方法。
  34. 予測する工程が、畳み込みニューラルネットワークモデルを使用して、平均蛍光強度に対してシードペプチド配列をトレーニングする工程を含む、請求項26に記載の方法。
  35. 同定する工程が、畳み込みニューラルネットワークモデルによって予測される平均蛍光強度を最大化する活性プレディクタ-遺伝的アルゴリズムオプティマイザループの目的関数を含む、請求項26に記載の方法。
  36. 同定する工程が、配列長及びアルギニン含有量を最小化する活性プレディクタ-遺伝的アルゴリズムオプティマイザループの目的関数を含む、請求項26に記載の方法。
  37. 最小化されたアルギニン含有量が、単一のアルギニン残基である、請求項36に記載の方法。
  38. ペプチドの最小化された配列長が20残基以下である、請求項36に記載の方法。
  39. 遺伝的アルゴリズムが、挿入若しくは欠失並びに交換を伴う単一残基の変異、又は挿入及び/又は欠失並びに交換を伴う複数残基の変異を含む、請求項26に記載の方法。
  40. 遺伝的アルゴリズムが、以下の目的関数:
    Figure 2023513437000118
    (式中、
    Intensity=平均蛍光強度
    Rcount=アルギニン残基の数
    Length=配列の長さ
    Net Charge=対象配列の正味電荷)
    を実装する、請求項26に記載の方法。
  41. トレーニング用オリゴヌクレオチド-細胞透過性ペプチドコンジュゲートのライブラリの合成が、
    (a)式(III)の化合物
    Figure 2023513437000119
    を式(IV)
    Figure 2023513437000120
    の化合物と接触させて、式(V)の化合物
    Figure 2023513437000121
    を形成する工程
    (b)式(VI)の化合物
    Figure 2023513437000122
    を式(VII)の化合物
    Figure 2023513437000123
    と接触させて、銅触媒の存在下で、式(VIII)の化合物
    Figure 2023513437000124
    を形成する工程
    (c)式(V)の化合物
    Figure 2023513437000125
    を式(VIII)の化合物
    Figure 2023513437000126
    と接触させて、カップリング試薬の存在下で、式(II)の化合物
    Figure 2023513437000127
    を形成する工程
    から構成される、請求項26に記載の方法。
  42. ペプチド1、ペプチド2及びペプチド3のそれぞれが、それぞれ独立して、細胞透過性ペプチドである、請求項41に記載の方法。
  43. ペプチド1、ペプチド2及びペプチド3が、細胞透過性ペプチドであり、細胞透過性ペプチドが、独立して、両親媒性ペプチド、核標的化ペプチド、エンドソーム破壊ペプチド、キメラペプチド、環状ペプチド、二環式ペプチド、システイン結合大環状ペプチド、少なくとも1つの非天然アミノ酸残基を含むペプチド、又はオリゴアルギニンペプチドである、請求項41に記載の方法。
  44. 工程(a)が、水中で実施される、請求項41に記載の方法。
  45. 工程(b)の銅触媒が、臭化銅(I)である、請求項41に記載の方法。
  46. 工程(c)のカップリング試薬が、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)である、請求項41に記載の方法。
  47. 工程(a)の溶媒が、水であり、工程(b)の溶媒が、水/DMSOであり、工程(c)の溶媒が、水/DMSOである、請求項41に記載の方法。
  48. 工程(a)及び(b)の生成物が、工程(c)の反応条件に対して不活性である、請求項41に記載の方法。
  49. 工程(a)及び(b)の生成物が、精製することなく工程(c)で使用されうる、請求項41に記載の方法。
  50. 最終生成物が、さらなる精製を必要としない、請求項41に記載の方法。
  51. 最終生成物が、即時のin vitro試験に有用である、請求項41に記載の方法。
  52. 請求項1に記載の組成物の治療有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象において疾患を治療する方法。
  53. 疾患が、神経筋疾患である、請求項52に記載の方法。
  54. 神経筋疾患が、デュシェンヌ型筋ジストロフィーである、請求項53に記載の方法。
JP2022545053A 2020-01-24 2021-01-22 解釈可能な機械学習によるアンチセンスオリゴヌクレオチド送達ペプチドの設計 Pending JP2023513437A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202062965555P 2020-01-24 2020-01-24
US62/965,555 2020-01-24
US202163134405P 2021-01-06 2021-01-06
US63/134,405 2021-01-06
PCT/US2021/014575 WO2021150867A1 (en) 2020-01-24 2021-01-22 Designing antisense oligonucleotide delivery peptides by interpretable machine learning

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023513437A true JP2023513437A (ja) 2023-03-31

Family

ID=76993091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022545053A Pending JP2023513437A (ja) 2020-01-24 2021-01-22 解釈可能な機械学習によるアンチセンスオリゴヌクレオチド送達ペプチドの設計

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP4093441A1 (ja)
JP (1) JP2023513437A (ja)
TW (1) TW202146053A (ja)
WO (1) WO2021150867A1 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI677350B (zh) * 2012-09-25 2019-11-21 美商健臻公司 治療強直性肌失養症之經胜肽連結之嗎啉基反義寡核苷酸
JP7320500B2 (ja) * 2017-10-17 2023-08-03 サレプタ セラピューティクス, インコーポレイテッド アンチセンス送達のための細胞透過性ペプチド

Also Published As

Publication number Publication date
EP4093441A1 (en) 2022-11-30
TW202146053A (zh) 2021-12-16
WO2021150867A1 (en) 2021-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10675356B2 (en) Peptide oligonucleotide conjugates
JP7320500B2 (ja) アンチセンス送達のための細胞透過性ペプチド
US20210290772A1 (en) Trimeric peptides for antisense delivery
US20120295862A1 (en) Nucleobase-functionalized conformationally restricted nucleotides and oligonucleotides for targeting of nucleic acids
JP4624104B2 (ja) オリゴヌクレオチド結合体
Vondenhoff et al. Microcin C and Albomycin Analogues with Aryl‐tetrazole Substituents as Nucleobase Isosters Are Selective Inhibitors of Bacterial Aminoacyl tRNA Synthetases but Lack Efficient Uptake
ES2901772T3 (es) Conjugados de péptido oligonucleótido
JP2023138661A (ja) 二環式ペプチドオリゴヌクレオチドコンジュゲート
JP2023513437A (ja) 解釈可能な機械学習によるアンチセンスオリゴヌクレオチド送達ペプチドの設計
Largy et al. Base‐Pairing Behavior of a Carbocyclic Janus‐AT Nucleoside Analogue Capable of Recognizing A and T within a DNA Duplex
US20210260206A1 (en) Chimeric peptides for antisense deliver
TWI837102B (zh) 用於反義遞送之細胞穿透肽
EA039716B1 (ru) Пептид-олигонуклеотидные конъюгаты
Ma Nucleic acid triggered catalytic drug release: A new concept for the design of disease-specific chemotherapeutic agents

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240115