JP2023510105A - 化学分析用モバイルデバイスおよび関連方法 - Google Patents

Abstract

本開示は、化学組成物を分析するためのモバイルデバイス、および化学組成物を分析するための関連する方法に関する。本明細書に開示される実施形態の利点は、発光化学センサアレイの簡単かつ迅速な分析を提供する携帯可能かつ経済的なデバイスを含み得る。本明細書に開示される方法の利点は、広範な化学組成物の成分の高精度の定性および定量分析を提供するための具現化されたデバイスの使用を含むことができる。本明細書に開示される方法の利点は、化学組成物中に存在する微量化学物質の迅速、単純、かつ正確な分析を含むことができる。【選択図】図１Ｂ

Description

関連出願との相互参照
[0001]本出願は、２０１９年１２月１７日に出願された「Ｍｏｂｉｌｅ Ｄｅｖｉｃｅｓ Ｆｏｒ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ａｎａｌｙｓｉｓ ａｎｄ Ｒｅｌａｔｅｄ Ｍｅｔｈｏｄｓ（化学分析用モバイルデバイスおよび関連方法）」と題する米国仮特許出願第６２／９４９，１０４号の優先権を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

[0002]本開示は、化学組成物を分析するためのモバイルデバイス、および化学組成物を分析するための関連する方法に関する。本明細書に開示される実施形態の利点は、発光化学センサアレイの簡単かつ迅速な分析を提供する携帯可能で経済的なデバイスを含むことができる。本明細書に開示される方法の利点は、広範な化学組成物の成分の高精度の定性および定量分析を提供するための具現化されたデバイスの使用を含むことができる。本明細書に開示される方法の利点は、化学組成物中に存在する微量化学物質の迅速、単純、かつ正確な分析を含むことができる。

[0003]化学組成物中の様々な成分の同一性および濃度の分析は、多くの産業にとって中心的な重要性を持っている。しかしながら、化学組成物を分析する従来の方法は、通常、現場でサンプルを採取し、サンプルを遠隔地の試験施設に輸送し、高度に訓練された高価な人員によって操作される大型で高価な装置を用いて、それらのサンプルが採取されてから数時間から数カ月後に試験結果を提供することを必要とする。また、一般的に、組成物中の化学的不純物に関する普遍的な検査は存在しない。その代わりに、通常、試験される分析物とバルク材料中の分析物の濃度に応じて、様々な個別の試験を実施する必要がある。化学組成物をリアルタイムでオンサイト分析する必要性が残っている。多種多様な不純物を検査できる、化学分析技術を行うための、コンパクトで携帯可能で安価なデバイスへのニーズが依然としてある。５分から２時間のトレーニングを受けた現場作業員が迅速かつ容易に実行できる方法を用いて、迅速かつ正確な化学分析結果を提供できるデバイスに対するニーズが依然として存在する。

[0004]本開示は、モバイル化学センサデバイスに関する。様々な実施形態において、そのようなモバイル化学センサデバイスは、カートリッジ開口を含むハウジングを含む。様々な実施形態において、モバイル化学センサデバイスは、発光化学センサのアレイを含むセンサ支持面を有する少なくとも１つの化学センサプローブを配置するように構成されたカートリッジを含み、カートリッジは、カートリッジがカートリッジ開口に挿入されたときにハウジングの内部に光密閉された囲いを形成する。様々な実施形態において、モバイル化学センサデバイスは、ある入射角で少なくとも１つの化学センサプローブのセンサ支持面上に光を導くように構成された少なくとも１つの光源を含み、光源は、約２８０ｎｍから約４００ｎｍの波長を有する光を放出することができる。様々な実施形態は、光密閉された囲いに取り付けられ、少なくとも１つの化学センサプローブからの放出光を検出するように構成されたカメラモジュールも含む。

[0005]特定の実施形態では、モバイル化学センサデバイスは、少なくとも１つの化学センサプローブからの放出光をカメラモジュールに反射するように構成された光学ミラーをさらに含む。特定の実施形態では、光学ミラーは、保護銀コーティングを含む。特定の実施形態では、光学ミラーは、放出された光の約７０％から１００％を反射することができる。

[0006]特定の実施形態では、光源は、発光ダイオード、水銀ランプ、ハロゲンランプ、またはレーザを含む。特定の実施形態では、センサ支持面に向けられる光の入射角は、約５度から約９０度である。

[0007]特定の実施形態では、カメラモジュールは、電荷結合素子を含む。特定の実施形態では、カメラモジュールは、相補型金属酸化膜半導体（ＣＯＭＳ）イメージセンサを含む。特定の実施形態では、カメラモジュールは、マイクロレンズ、Ｍ１２レンズ、Ｓマウントレンズ、またはレンズの表面から、約１０ｃｍから約１６ｃｍを含む、約５ｃｍから約２５ｃｍの距離で光を集束するように構成されたレンズを有するカメラを含む。いくつかの実施形態では、カメラモジュールは、カメラと少なくとも１つの化学センサプローブとの間に光透過性の保護カバーを含む。

[0008]特定の実施形態では、モバイル化学センサデバイスは、ハウジングの内部に取り付けられたバッテリを含む。特定のそのような実施形態において、バッテリステーションは、ハウジングの内部に取り付けられる。

[0009]特定の実施形態では、カートリッジは、モバイル化学センサデバイスのハウジングから取り外し可能である。いくつかの実施形態では、カートリッジは、少なくとも１つの化学センサプローブを収容するように構成され、トラックに沿ってカートリッジ開口におよび前記カートリッジ開口から可逆的にスライドするように構成された少なくとも１つのトレイ凹部を含む。

[0010]特定の実施形態では、モバイル化学センサデバイスのカートリッジは、化学センサプローブのセンサ支持面の領域を表示するように構成される。いくつかの実施形態では、センサ支持面は、約１５ｍｍから約５０ｍｍの表示長さと、約１ｍｍから約２０ｍｍの表示幅と、を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも１つの化学センサプローブは、約０．１ｍｍから約２ｍｍのプローブ厚さ、約２０ｍｍから約６０ｍｍのプローブ長さ、および約２ｍｍから約３０ｍｍのプローブ幅を有する。

[0011]モバイル化学センサデバイスの特定の実施形態では、ハウジングは、約３ｃｍから約７ｃｍのハウジング高さ、約７ｃｍから約１１ｃｍのハウジング幅、および約１０ｃｍから約２０ｃｍのハウジング長さを有する。特定の実施形態では、モバイル化学センサデバイスは、約４５グラムから約１２，０００グラムの重量を有する。

[0012]特定の実施形態では、タグ読取センサは、モバイル化学センサデバイスのハウジングの内部に取り付けられ、いくつかのそのような実施形態では、タグ読取センサは、化学センサプローブの１つまたは複数に位置する光学タグまたは無線周波数識別（ＲＦＩＤ）タグを読み取るように構成される。

[0013]特定の実施形態では、カートリッジおよびハウジングの少なくとも一方は、ガス吸気口およびガス排気口を含み、ガス吸気口およびガス排気口は、サンプルガスが少なくとも１つの化学センサのセンサ支持面を横切って流れることができるように構成される。いくつかの実施形態では、ハウジングおよび光密閉された囲いの少なくとも一方は、ガス吸気口およびガス排気口を含み、ガス吸気口およびガス排気口は、サンプルガスが少なくとも１つの化学センサプローブのセンサ支持面を横切って流れることができるように構成される。

[0014]特定の実施形態では、モバイル化学センサデバイスは、光密閉された囲いに取り付けられたシングルボードコンピュータまたはマルチボードコンピュータを含む。特定の実施形態では、モバイル化学センサは、光密閉された囲いに取り付けられ、シングルボードコンピュータまたはマルチボードコンピュータに接続されたプリント回路基板アセンブリ（ＰＣＢＡ）を含む。特定の実施形態では、ＰＣＢＡとシングルボードコンピュータは、ピンコネクタまたはケーブルアセンブリによって接続される。特定の実施形態では、ＰＣＢＡは、アダプタボードによってシングルボードコンピュータに接続される。特定の実施形態では、ＰＣＢＡは、シングルボードコンピュータに直接接続される。特定の実施形態では、光源は、ＰＣＢＡに取り付けられる。特定の実施形態において、カートリッジ検出センサは、ＰＣＢＡに取り付けられる。

[0015]特定の実施形態では、光源ボードは、ＰＣＢＡ上の調整可能な位置に取り付けられ、少なくとも１つの光源は光源ボードに取り付けられ、光源ボードは、少なくとも１つの光源と化学センサプローブのセンサ支持面との間の入射角を調整するように構成される。

[0016]特定の実施形態では、モバイル化学センサデバイスは、シングルボードコンピュータまたはマルチボードコンピュータと、少なくとも１つのユーザインターフェースと、の間の少なくとも１つの通信リンクを含む。特定の実施形態では、少なくとも１つの通信リンクは、短距離無線接続、ユニバーサルシリアルバス（ＵＳＢ）接続、メモリカード接続、またはそれらの組合せを含む。特定の実施形態では、少なくとも１つのユーザインターフェースは、ダウンロードしたアプリケーションを実行できるオペレーティングシステムを有するモバイルデバイス、モバイル電話、コンピュータ、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態において、ハウジングは、外部ＵＳＢポート、外部メモリカードコネクタ、外部シャッターボタン、外部短距離無線コネクタ、外部電源スイッチ、またはこれらの組合せを含む。

[0017]特定の実施形態では、モバイル化学センサデバイスは、シングルボードまたはマルチボードコンピュータに含まれるコンピュータ可読コードによって動作し、コンピュータ可読コードは、カメラモジュールから少なくとも１つのデジタル信号を受信して処理するように構成される。特定の実施形態では、少なくとも１つのデジタル信号は、少なくとも１つの化学センサプローブからの放出光から得られる複数のＲＧＢ値、複数のＲＧＢ値から得られる複数のＸＹＺ値、複数のＸＹＺ値から得られる複数のｘｙ値、時間、日付、ユーザ名、試験名、サンプル名の１つもしくは複数を含むデータパケット、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、少なくとも１つのデジタル信号は、画像ファイルを含む。

[0018]特定の実施形態では、コンピュータ可読コードは、ベースライン読み取りステップ、制御読み取りステップ、およびサンプル読み取りステップの少なくとも１つを含むテストプロトコルステップの必須のシーケンスを含む。

[0019]本開示は、化学組成物を分析する方法に関するものである。様々な実施形態において、方法は、モバイル化学センサデバイスと化学センサプローブを提供するステップであって、化学センサプローブは、センサ支持面に発光化学センサのアレイを含む、ステップと、化学センサプローブを、試験時間の間、化学組成物に接触させるステップと、化学センサプローブを保持するカートリッジをモバイル化学センサデバイスに挿入するステップと、化学センサプローブを試験範囲の光に曝露するステップと、発光化学センサのアレイの色および発光の強さを検出するステップと、を含む。そのような実施形態では、モバイル化学センサデバイスは、化学センサプローブを保持するカートリッジを配置するように構成されたカートリッジ開口を含むハウジングであって、カートリッジは、カートリッジがカートリッジ開口に挿入されたときにハウジングの内部に光密閉された囲いを形成する、ハウジングと、ある入射角で化学センサプローブのセンサ支持面に光を向けるように構成される少なくとも１つの光源であって、光源は、約２８０ｎｍから約４００ｎｍの波長を有する光を放出することができる、少なくとも１つの光源と、光密閉された囲いに取り付けられ、化学センサプローブからの放出光を検出するように構成されるカメラモジュールと、を含む。

[0020]特定の実施形態では、化学組成物中に少なくとも１つの化学物質が存在することを条件として、方法は、発光化学センサのアレイの色および発光の強度を測定することによって化学組成物中の少なくとも１つの化学物質を特定するステップをさらに含む。特定の実施形態では、化学組成物中に少なくとも１つの化学物質が存在することを条件として、方法は、発光化学センサのアレイの色および発光の強度を測定することによって、化学組成物中の化学物質の濃度を測定するステップを含む。

[0021]特定の実施形態では、本方法は、試験時間中、化学センサプローブを化学組成物と接触させる前に、ベースライン読み取りステップで発光化学センサのアレイをプレスキャンするステップをさらに含む。特定の実施形態では、本方法は、試験サンプルによって放出される発光の波長と濃度標準によって放出される発光の波長との比を比較することによって、化学組成物中の少なくとも１つの化学物質の濃度を測定するステップをさらに含む。

[0022]特定の実施形態において、本方法は、化学センサプローブに取り付けられた光学タグまたは無線周波数タグをスキャンすることによって化学センサプローブの識別コードを特定するステップと、識別コードをデータベース内の適格な識別コードと照合するステップと、ベースライン読み取りステップで発光化学センサのアレイからの放出光を測定するステップと、化学センサプローブからのベースラインデータを提供してプレスキャンされた化学センサプローブを形成するステップと、プレスキャンされた化学センサプローブに取り付けられた光学タグまたは無線周波数タグをスキャンすることによって、プレスキャンされた化学センサプローブの識別コードを特定するステップと、識別コードをデータベース内のプレスキャンされた化学センサプローブの適格な識別コードと照合するステップと、テスト読み取りステップで発光化学センサのアレイから放出光を測定するステップと、プレスキャンされた化学センサプローブからテストデータを提供するステップと、を含む。

[0023]特定の実施形態において、本方法は、化学センサプローブに取り付けられた光学タグまたは無線周波数タグをスキャンすることによって化学センサプローブの識別コードを特定するステップと、識別コードをデータベース内の不適格コードと照合するステップと、エラー信号を送信するステップと、をさらに含む。

[0025]図１Ａは、本明細書のいくつかの実施形態による、閉じた構成のモバイル化学センサデバイスの上面図および側面図を概略的に示す図である。 [0026]図１Ｂは、本明細書のいくつかの実施形態による、開いた構成における図１Ａのモバイル化学センサデバイスの上面図および側面図を概略的に示す図である。 [0027]図１Ｃは、本明細書のいくつかの実施形態による、カートリッジ内の化学センサプローブ内に装填されたサンプルを有する図１Ｂのモバイルデバイスの拡大図である。 [0028]図２Ａは、本明細書のいくつかの実施形態によるモバイル化学センサデバイスの概略切断側面図である。 [0029]図２Ｂは、本明細書のいくつかの実施形態による図２Ａのモバイル化学センサデバイスの概略切断上面図および側面図である。 [0030]図３Ａは、本明細書のいくつかの実施形態によるモバイル化学センサデバイスの概略切断側面図である。 [0031]図３Ｂは、本明細書のいくつかの実施形態による図３Ａのモバイル化学センサデバイスの概略切断端面図である。 [0032]図３Ｃは、本明細書のいくつかの実施形態による図３Ａおよび図３Ｂのモバイル化学センサデバイスの概略切断上面図である。 [0033]図４Ａは、本明細書のいくつかの実施形態によるモバイル化学センサデバイスの概略的な切断側面図である。 [0034]図４Ｂは、本明細書のいくつかの実施形態による図４Ａのモバイル化学センサデバイスの概略切断上面図である。 [0035]図４Ｃは、本明細書のいくつかの実施形態による図４Ａおよび図４Ｂのモバイル化学センサデバイスの概略切断端面図である。 [0036]図５Ａは、本明細書のいくつかの実施形態によるモバイル化学センサデバイスの概略切断側面図である。 [0037]図５Ｂは、本明細書におけるいくつかの実施形態による図５Ａのモバイル化学センサデバイスの概略切断上面図である。 [0038]図５Ｃは、本明細書のいくつかの実施形態による図５Ａおよび図５Ｂのモバイル化学センサデバイスの概略切断端面図である。 [0039]図６は、本明細書のいくつかの実施形態によるモバイル化学センサデバイスを使用して化学組成物を分析する方法を示すフローチャートである。 [0040]図７は、本明細書におけるいくつかの実施形態によるコンピュータシステムを示す概略図である。 [0041]図８は、本明細書のいくつかの実施形態によるモバイル化学センサデバイスを用いて化学サンプルを分析または拒絶する方法を示すフローチャートである。

[0042]前述の概要、および以下の実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとより良く理解されるであろう。例示の目的で、図面には、好ましいと思われるいくつかの実施形態が示されている。描かれた実施形態は、示された正確な詳細に限定されないことが理解されるべきである。特に断らない限り、図面は縮尺通りではない。

[0043]特に断らない限り、すべての測定は標準メートル単位である。

[0044]特に断らない限り、単語「１つの（ａ）」、「１つの（ａｎ）」、または「その（ｔｈｅ）」のすべてのインスタンスは、それらが修飾する単語または物体の１つまたは複数を指すことができる。

[0045]特に断らない限り、「少なくとも１つの」というフレーズは、物体の１つまたは複数を意味する。例えば、「基線読み取りステップ、制御読み取りステップ、およびサンプル読み取りステップのうちの少なくとも１つ」は、１つの基線読み取りステップ、複数の基線読み取りステップ、１つの制御読み取りステップ、複数の制御読み取りステップ、１つのサンプル読み取りステップ、複数のサンプル読み取りステップ、またはそれらの任意の組合せを意味する。

[0046]特に断らない限り、「約」という用語は、記載されている非パーセント数の±１０％を指し、最も近い整数に四捨五入される。例えば、約２８０ｍｍは、２５２から３０８ｍｍを含むことになる。特に断らない限り、「約」という用語は、パーセント数の±５％を指す。例えば、約７０％には、６５から７５％が含まれる。「約」という用語が範囲の観点から議論される場合、用語は、下限より少なく、上限より多い適切な量を指す。例えば、約１５ｍｍから約５０ｍｍは、１３．５ｍｍから５５ｍｍを含むであろう。

[0047]特に断らない限り、本明細書に記載される特性（高さ、幅、長さ、比率等）は、平均化された測定値であると理解される。

[0048]特に断らない限り、「モバイル」という用語は、４０ｃｍより短い寸法および１５，０００ｇ未満の重量を有する物体を指す。本明細書で使用される「モバイル」デバイスは、デバイスの携帯性を指し、衛星信号または携帯電話信号などの遠隔信号を送受信する能力を有する場合もあれば、有さない場合もある。

[0049]特に断らない限り、「カートリッジ」という用語は、少なくとも１つの化学センサプローブを保持するように構成され、モバイルデバイスに挿入可能であるように構成された保持構成要素を意味する。例えば、カートリッジは、少なくとも１つの化学センサプローブを保持するように構成されたスライド式トレイを含むことができ、カートリッジは、モバイル化学センサデバイスのハウジングのカートリッジ開口にスライドして、分析のためにデバイス内に少なくとも１つの化学プローブを配置することができる。

[0050]特に断らない限り、「提供する」、「提供される」または「提供している」という用語は、本明細書の任意の実施形態の任意の方法またはシステムの任意の要素、量、成分、試薬、量、測定または分析の供給、生産、購入、製造、組立、編成、選択、構成、変換、導入、追加または組入れを意味する。

[0051]化学物質および化学混合物の成分の同一性および濃度の分析は、多くの産業および規制機関にわたって広範な用途がある。これらのうちのほんの一部には、環境規制、エネルギー生産、石油およびガス、医薬品、化学製造、食品生産、水文学、および地球化学が含まれる。様々な化学検査は、化学混合物中に存在する不純物や微量の化学物質を検出するために重要である。例えば、化学物質のバッチ品質の品質保証評価、酸化重水素の精製試験、医薬品製造プロセスのモニタリング、土地や水の汚染物質検査、卸売化学物質の品質管理試験、環境条件のモニタリング、燃料の完全性試験、化学同位体の分析、水分レベルのトラッキングなど、数えきれないほどの種類の試験がある。環境モニタリングは、規制要件を満たし、水供給の安全性を維持するために重要であり、破砕作業による石油およびガス廃水のモニタリング、再生水の検査、飲料水の水質検査などが含まれる。燃料の健全性は、航空燃料に含まれるディーゼル排気ガス（ＤＥＦ）などの一般的な汚染物質について高純度燃料を検査することで維持される。爆発物や爆発性標識物質、フッ化物やシアン化物などの化学兵器副産物など、環境中の危険な化学物質を特定することが可能である。

[0052]従来の化学分析の方法は、一般に、時間と費用がかかる。従来の方法による化学物質の分析の場合、サンプルはしばしばサンプル容器に採取され、その後輸送のために梱包されなければならず、そのプロセスのために数日または数週間が追加されることがある。また、大量のサンプルが必要な場合もあり、サンプル採取と輸送の困難さに拍車をかけている。その後、サンプルを分析し、報告書を作成しなければならないが、これには高度な訓練を受けたラボのスタッフの協力と、遠方のラボにある高価な機器の使用が必要となる場合がある。複雑な分析には、フーリエ変換赤外分光法（ＦＴ－ＩＲ）、核磁気共鳴法（ＮＭＲ）、複合分光光度法（ＵＶ－Ｖｉｓ）、質量分析法（飛行時間型質量分析法など）などがある。このような分析は難しく、高価で、時間がかかる。また、試験施設および装置の設置にも高いコストがかかる。全体として、このプロセスは数日から数週間を要し、数百ドルから数百万ドルの費用がかかる。また、これらの費用には装置だけが含まれることもある。テスト結果を解釈するために、高度な技術を持つ労働者を採用し、訓練し、雇用を維持するための時間とコストは、２倍から３倍になる可能性がある。同時に、新しい規制基準により、企業は、法外に高価であることが判明している化学試験をより多く求めるようになってきている。

[0053]本明細書に開示される実施形態は、以前は困難で、時間がかかり、高価な化学試験を、現場で迅速かつ容易に、従来の分析の数分の一のコストで実行できるようにすることによって、現在の化学分析技術によって示される課題を解決することが可能である。本明細書の実施形態によるモバイル化学センサデバイスは、迅速、低コスト、ポイントオブユースの化学検出および測定という利点を提供することができる。本明細書に開示されたモバイル化学センサデバイスは、現場で化学分析を行うための携帯可能な軽量で耐久性のあるデバイスの利点を提供することができる。

[0054]本明細書に具現化された化学分析方法における開示されたモバイル化学センサデバイスの使用は、モバイル化学センサデバイスと共に化学センサプローブを使用することによって、多種多様な化学物質の高精度な試験を可能にするという利点を提供することができる。ある種のリン系フォトルミネセンス化合物は、化学溶媒または化学組成物中の不純物にさらされると、相対的な発光の強度および波長の変化を示すことが発見されている。このような化合物は、液体、気体、および固体を含む多種多様な溶媒の同定および定量的検出のためのセンサとして機能することが発見された。本開示は、そのようなセンサを組み込んだ化学センサプローブを読み取りまたは分析することができるモバイル化学センサデバイスが、その幅広い感度および特異性を、コンパクトで携帯可能で安価で使いやすい形式で利用し、最小限のサンプル量で化学混合物中に存在する多数の成分を迅速かつ容易に特定および定量し、すべてを１回の試験で行うことができる利益をもたらすことが可能である。このようなモバイル化学センサデバイスは、化学センサプローブを分析して、従来の化学分析方法よりも時間および費用の節約という点で多大な利点を提供することができる。

[0055]モバイル化学センサデバイスのそのような実施形態は、化学混合物中に存在する微量化学物質を特定するための、ユーザフレンドリーかつ迅速、単純かつ安価な方法を提供することができる。モバイル化学センサデバイスのそのような実施形態は、特定の用途に合わせることができるカスタマイズ可能なオプションと、テストあたりわずか数ドルのコストと、わずか１から２分で１０ｐｐｍの濃度まで定量的に正確な結果を得られるという利点を提供することが可能である。モバイル化学センサデバイスのそのような実施形態は、本明細書の方法が５分から２時間の訓練を行ったスタッフによって容易に実行できるような単純性の利点を提供することができる。このような利点により、高価で時間のかかるサンプルの収集、輸送、および高価な人員と実験装置による分析が不要となる。

[0056]本開示は、化学組成物を分析するための化学センサデバイスに関するものである。本明細書のいくつかの実施形態による化学センサデバイスの説明として、図１Ａの上面および側面図を参照すると、閉じた構成の化学センサデバイス１００は、ハウジング１０２と、ハウジングの外側にあるシャッターボタン１０８と、を含み、ハウジング１０２は、カートリッジ開口１０４を含み、カートリッジ開口にはカートリッジ１０６が挿入される。図１Ｂの上面および側面図を参照すると、化学センサデバイス１０１は、開いた構成でカートリッジ１０６を含む。図１Ｃの拡大図を参照すると、モバイル化学センサデバイス１０３は、化学センサプローブ１１０がカートリッジ１０６内に配置され、化学センサプローブは、発光化学センサ１１４のアレイを含むセンサ支持面１１２を有する。

[0057]いくつかの実施形態による化学センサデバイスの説明として、図２Ａの切断側面図を参照すると、化学センサデバイス２００は、カートリッジ２０６がカートリッジ開口２０４に挿入されたときにハウジング２０２の内部に光密閉された囲い２０８を形成するように構成されたカートリッジ開口２０４およびカートリッジ２０６を含むハウジング２０２、カメラモジュール２１０、光ミラー２１２、シングルボードコンピュータ２１４、光密閉された囲い２０８内に取り付けられた光源２１６、およびハウジング２０２の内部に取り付けられたバッテリ２１８、を含む。図２Ｂの切断上面および側面図を参照すると、ハウジング２０２は、光密閉された囲い２０８内に取り付けられたシングルボードコンピュータ２１４、およびカートリッジ２０６内に配置された化学センサプローブ２２０を含む。

[0058]いくつかの実施形態による化学センサデバイスの説明として、図３Ａの切断側面図を参照すると、化学センサデバイス３００は、ケーブルアセンブリ３０６によってシングルボードコンピュータ３０４に接続されたプリント回路基板アセンブリ（ＰＣＢＡ）３０２、およびＰＣＢＡ３０２に取り付けられた１つまたは複数の発光ダイオード３０８、を含む。図３Ｂの切断端面図を参照すると、ＰＣＢＡ３０２およびシングルボードコンピュータ３０４は、ケーブルアセンブリ３０６によって接続されている。本明細書のいくつかの実施形態による図３Ｃのモバイル化学センサデバイスの代替実施形態の概略切断上面図を参照すると、ＰＣＢＡ３０２およびシングルボードコンピュータ３０４は、ピンコネクタ３１０によって接続されている。

[0059]本明細書のいくつかの実施形態による化学センサデバイスの説明として、図４Ａの切断側面図を参照すると、化学センサデバイス４００は、アダプタボード４０６によってシングルボードコンピュータ４０４に接続されたプリント回路基板アセンブリ（ＰＣＢＡ）４０２、およびＰＣＢＡ４０２に取り付けられた１つまたは複数の発光ダイオード４０８を含む。図４Ｂの切断上面図を参照すると、アダプタボード４０６は、シングルボードコンピュータ４０４をＰＣＢＡ４０２に接続する。図４Ｃの概略切断端面図を参照すると、ＰＣＢＡ４０２とシングルボードコンピュータ４０４は、アダプタボード４０６によって接続され、ＵＳＢポート４１０はハウジング４１２の上面近傍に配置される。

[0060]本明細書のいくつかの実施形態による化学センサデバイスの説明として、図５Ａの切断側面図を参照すると、化学センサデバイス５００は、シングルボードコンピュータ５０４に直接接続されたＰＣＢＡ５０２、ＰＣＢＡ５０２の調整可能な位置に取り付けられた光源ボード５０６、および光源ボード５０６に取り付けられた少なくとも一つの光源５０８、を含む。図５Ｂの切断上面図を参照すると、ＰＣＢＡ５０２はシングルボードコンピュータ５０４に直接接続されており、光源ボード５０６はＰＣＢＡ５０２の調節可能な位置に取り付けられている。図５Ｃの切断端面図を参照すると、ＰＣＢＡ５０２はシングルボードコンピュータ５０４に直接接続され、光源ボード５０６はＰＣＢＡ５０２の調節可能な位置に取り付けられ、ＵＳＢポート５１０はハウジング５１２の上面から離れた位置にあり、カートリッジ検出センサ５１４はＰＣＢＡ５０２に取り付けられる。

[0061]本開示は、化学組成物を分析する方法に関するものである。本明細書のいくつかの実施形態による方法の一般的な概要として、図６のフローチャートを参照すると、方法６００は、モバイル化学センサデバイスを提供するステップ６０２と、化学センサプローブを提供するステップ６０４であって、化学センサプローブは、センサ支持面上に発光化学センサのアレイを含む、ステップ６０４と、化学センサプローブを、試験時間の間、化学組成物に接触させるステップ６０６と、化学センサプローブを保持するカートリッジをモバイル化学センサデバイスに挿入するステップ６０８と、化学センサプローブを試験範囲の光に曝露するステップ６１０と、発光化学センサのアレイの色および発光の強さを検出するステップ６１２と、を含む。実施形態において、本方法は、試験時間中、化学センサプローブを化学組成物と接触させる前に、ベースライン読み取りステップで発光化学センサのアレイをプレスキャンするステップ６１４を含むことができる。実施形態において、本方法は、試験サンプルによって放出される発光の波長と濃度標準によって放出される発光の波長との比を比較することによって、化学組成物中の少なくとも１つの化学物質の濃度を測定するステップ６１６をさらに含むことができる。実施形態において、本方法は、化学センサプローブに取り付けられた光学タグまたは無線周波数タグをスキャンすることによって化学センサプローブの識別コードを特定するステップ６１８と、識別コードをデータベース内の不適格コードと照合するステップと、エラー信号を送信するステップ６２０と、をさらに含むことができる。

[0062]本開示は、化学組成物を分析する方法において使用するためのコンピュータシステムに関するものである。本明細書のいくつかの実施形態によるコンピュータシステムの説明として、図７の概略図を参照すると、コンピュータシステム７０１は、中央処理ユニット７０５、メモリまたはメモリロケーション７１０、電子記憶ユニット７１５、通信インターフェース７２０、および周辺デバイス７２５を含む。メモリ７１０、記憶ユニット７１５、インターフェース７２０、および周辺デバイス７２５は、通信バス（実線）を介してＣＰＵ７０５と通信する。コンピュータシステム７０１は、通信リンク７２０の助けによりコンピュータネットワーク７３０に動作可能に結合される。コンピュータシステム７０１は、ユーザインターフェース（ＵＩ）７４０を含む電子ディスプレイ７３５を含むか、またはこれと通信する。

[0063]本開示は、化学組成物を分析する方法に関するものである。本明細書のいくつかの実施形態による方法の一般的な概要として、図８のフローチャートを参照すると、方法８００は、化学センサプローブ８０２に取り付けられた光学タグまたは無線周波数タグをスキャンすることによって化学センサプローブの識別コードを特定するステップ８０２と、識別コードをデータベース内の適格な識別コードと照合するステップ８０４と、ベースライン読み取りステップで化学センサプローブ内の発光化学センサのアレイからの放出光を測定するステップと、化学センサプローブからのベースラインデータを提供してプレスキャンした化学センサプローブを形成するステップ８０６と、光学タグまたは無線周波数タグをスキャンすることによって、プレスキャンされた化学センサプローブの識別コードを特定するステップ８０８と、識別コードをデータベース内のプレスキャンされた化学センサプローブの適格な識別コードと照合するステップ８１０と、試験読み取りステップにおいて発光化学センサのアレイからの放出光を測定するステップ８１２と、プレスキャンされた化学センサプローブから試験データを提供するステップと、を含む。あるいは、方法８００は、光学タグまたは無線周波をスキャンすることによって化学センサプローブの識別コードを特定するステップ８０２と、識別コードをデータベース内の不適格コードと照合してエラー信号を送信するステップ８１４と、または識別コードをデータベース内の不適格コードと照合してエラー信号を送信するステップ８１６と、を含む。この設計の利点は、エラーコードが誤った測定を防止する場所が２つあることである。まず、エラーコード８１４は、以前の測定から汚染されたプローブを使用する可能性を防止または低減するために、以前に使用されたプローブをプレスキャンしようとするときに受信されるであろう。実施形態では、システムおよび／または方法は、適格なプローブが挿入されるまで、さらなる処理を阻止する。第二に、制御測定の欠如による質の劣る測定の可能性を防止または低減するために、プレスキャンが実行されなかったプローブを分析しようとするとき、エラーコード８１６が受け取られるであろう。実施形態において、システムおよび／または方法は、プレスキャンされるまで、したがって、適格なプローブがデバイスに挿入されるまで、さらなる処理を阻止するであろう。

モバイル化学センサデバイスの実施形態
[0064]本開示は、モバイル化学センサデバイスに関するものである。様々な実施形態において、モバイル化学センサデバイスは、ハウジングを含み、ハウジングは、カートリッジ開口を含む。様々な実施形態において、モバイル化学センサデバイスは、少なくとも１つの化学センサプローブを配置するように構成されたカートリッジを含み、化学センサプローブは、発光化学センサのアレイを含むセンサ支持面を有する。様々な実施形態において、カートリッジは、カートリッジがカートリッジ開口に挿入されたときに、ハウジングの内部に光密閉された囲いを形成する。光密閉された囲いは、より高い精度で化学分析を行うための遮光環境または暗黒環境の利点を提供し、化学サンプル間の交差汚染の防止を支援することができる。

[0065]様々な実施形態において、モバイル化学センサデバイスは、ある入射角で少なくとも１つの化学センサプローブのセンサ支持面上に光を導くように構成された少なくとも１つの光源を含む。いくつかの実施形態では、光源は、約２８０ｎｍから約４００ｎｍの波長を有する光を放出することができる。特定の実施形態では、光源は、約３００ｎｍから約３８０ｎｍの波長を有する光を放出することができる。特定の実施形態では、光源は、約３２０ｎｍから約３６０ｎｍの波長を有する光を放出することが可能である。実施形態において、デバイスは、約４００ｎｍから約８００ｎｍの波長を有する光を放出することが可能な光源または第２の光源または可視光源を含むことができる。様々な実施形態において、モバイル化学センサデバイスは、可視光源を含む。様々な実施形態において、モバイル化学センサデバイスは、白色光（４００ｎｍから７００ｎｍ）の光源である、またはそれを含む、可視光源を含む。可視光源の利点は、特定のモバイル化学センサデバイスに接続されたシリアル番号、バーコード、または他の番号若しくは記号の読み取りまたはスキャンを補助するなど、モバイルデバイスが紫外線に感応しない機能または白色光若しくは可視光によって実行することができるようにすることを含むことができる。特定の実施形態では、光源は、発光ダイオード（ＬＥＤ）、水銀ランプ、ハロゲンランプ、レーザ、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、光源は、１つまたは複数の紫外線ＬＥＤを含む。特定の実施形態では、１つまたは複数の紫外線ＬＥＤは、３４０ｎｍの紫外線ＬＥＤ、３６５ｎｍの紫外線ＬＥＤ、またはそれらの組み合わせを含むことができる。特定の実施形態において、センサ支持面上に向けられる光の入射角は、約５度から約９０度である。特定の実施形態において、センサ支持面上に向けられる光の入射角は、約１５度から約７５度である。特定の実施形態では、センサ支持面上に向けられる光の入射角は、約３０度から約６０度である。

[0066]モバイル化学センサデバイスの様々な実施形態は、光密閉された囲いに取り付けられ、少なくとも１つの化学センサプローブからの放出光を検出するように構成されたカメラモジュールも含む。特定の実施形態では、カメラモジュールは、電荷結合素子カメラを含む。特定の実施形態では、カメラモジュールは、相補型金属酸化膜半導体（ＣＯＭＳ）イメージセンサを含む。特定の実施形態では、カメラモジュールは、マイクロレンズ、Ｍ１２レンズ、またはＳ－マウントレンズを有するカメラを含む。特定の実施形態では、カメラモジュールは、レンズの表面から、約１０ｃｍから約１６ｃｍを含む、約５ｃｍから約２５ｃｍの距離で光を集束させるように構成されたレンズを有するカメラを含む。このような実施形態は、手持ち使用に適した携帯型モバイル化学センサデバイスにおいて、少なくとも１つの化学センサプローブから適度な距離でカメラモジュールによって撮影された鮮明な画像という利益を、低コストで提供することが可能である。いくつかの実施形態では、カメラモジュールは、カメラと少なくとも１つの化学センサプローブとの間に光透過性の保護カバーを含む。このような実施形態は、カメラモジュールを清潔に保ち、サンプル間の交差汚染を防止するという利点を提供し得る。

[0067]特定の実施形態において、モバイル化学センサデバイスは、少なくとも１つの化学センサプローブからの放出光をカメラモジュールに反射するように構成された光学ミラーをさらに含む。特定の実施形態では、光学ミラーは、保護銀コーティングを含む。特定の実施形態では、光学ミラーは、放出された光の約７０％から１００％を反射することができる。特定の実施形態において、光学ミラーは、放出された光の約７５％から約９５％を反射することができる。特定の実施形態において、光学ミラーは、放出された光の約８０％から約９０％を反射することが可能である。様々な実施形態において、光学ミラーは、放出された光の波長範囲に対して所望の反射率を提供するように選択され得る。

[0068]特定の実施形態では、モバイル化学センサデバイスは、ハウジングの内部に取り付けられたバッテリを含む。特定のそのような実施形態において、バッテリステーションは、ハウジングの内部に取り付けられる。特定の実施形態では、バッテリは、再充電可能または再充電不能であり得る。特定の実施形態では、バッテリは、可逆的に取り外すことができ、または恒久的に取り付けることができる。

[0069]特定の実施形態では、カートリッジは、モバイル化学センサデバイスのハウジングから取り外し可能である。ある実施形態では、少なくとも１つのカートリッジは、ハウジングから可逆的に取り外して分離することができる。そのような実施形態は、カートリッジの洗浄を容易にするための利点を提供することができる。そのような実施形態はまた、異なる設計を有していてもいなくてもよい複数のカートリッジを、デバイスのカートリッジ開口に切り替える能力の利点を提供することができる。いくつかの実施形態では、カートリッジは、トラックに沿ってカートリッジ開口におよび前記カートリッジ開口から可逆的にスライドするように構成される。そのような実施形態は、誤配置するためのより少ない別個の構成要素を提供することができる。いくつかの実施形態において、カートリッジは、少なくとも１つの化学センサプローブを収容するように構成された少なくとも１つのトレイ凹部を含む。そのような実施形態は、少なくとも１つの化学センサプローブに触れる必要なく、本明細書に開示される化学分析方法の１つまたは複数のステップを実行する能力という利点を提供することができる。そのような実施形態は、モバイル化学センサデバイスのカメラモジュール、光学ミラー、および光源との適切な位置合わせのために１つまたは複数の化学センサプローブの位置を安定化させるという利点も提供することができる。そのような実施形態は、分析のための化学センサプローブの装填または切り替えまたは交換を容易にする利点も提供することができる。

[0070]特定の実施形態では、モバイル化学センサデバイスのカートリッジは、化学センサプローブのセンサ支持面のエリアを表示するように構成される。いくつかの実施形態では、センサ支持面は、約１５ｍｍから約５０ｍｍの表示長さを有する。いくつかの実施形態では、センサ支持面は、約２０ｍｍから約４５ｍｍの表示長さを有する。いくつかの実施形態では、センサ支持面は、約２５ｍｍから約４０ｍｍの表示長さを有する。いくつかの実施形態では、センサ支持面は、約１ｍｍから約２０ｍｍの表示幅を有する。いくつかの実施形態では、センサ支持面は、約５ｍｍから約１５ｍｍの表示幅を有する。いくつかの実施形態では、センサ支持面は、約８ｍｍから約１２ｍｍの表示幅を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも１つの化学センサプローブは、約０．１ｍｍから約２ｍｍのプローブ厚さを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも１つの化学センサプローブは、約２０ｍｍから約６０ｍｍのプローブ長を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも１つの化学センサプローブは、約２５ｍｍから約５５ｍｍのプローブ長を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも１つの化学センサプローブは、約３５ｍｍから約４５ｍｍのプローブ長を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも１つの化学センサプローブは、約２ｍｍから約３０ｍｍのプローブ幅を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも１つの化学センサプローブは、約７ｍｍから約２５ｍｍのプローブ幅を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも１つの化学センサプローブは、約１５ｍｍから約２０ｍｍのプローブ幅を有する。そのような実施形態は、本明細書に開示されるような携帯可能でコンパクトなモバイル化学センサデバイスでの使用に適した小型化学センサプローブサイズという利点を提供することができる。

[0071]モバイル化学センサデバイスの特定の実施形態では、ハウジングは、約３ｃｍから約７ｃｍのハウジング高さを有する。モバイル化学センサデバイスの特定の実施形態では、ハウジングは、約３．５ｃｍから約６．５ｃｍのハウジングの高さを有する。モバイル化学センサデバイスの特定の実施形態では、ハウジングは、約４ｃｍから約６ｃｍのハウジングの高さを有する。特定の実施形態では、ハウジングは、約７ｃｍから約１１ｃｍのハウジング幅を有する。特定の実施形態では、ハウジングは、約７．５ｃｍから約１０．５ｃｍのハウジング幅を有する。特定の実施形態では、ハウジングは、約８ｃｍから約１０ｃｍのハウジング幅を有する。特定の実施形態では、ハウジングは、約１０ｃｍから約２０ｃｍのハウジング長を有する。特定の実施形態では、ハウジングは、約１２ｃｍから約１８ｃｍのハウジング長を有する。特定の実施形態では、ハウジングは、約１４ｃｍから約１６ｃｍのハウジング長を有する。特定の実施形態において、モバイル化学センサデバイスは、約４５グラムから約１２，０００グラムの重量を有する。特定の実施形態では、モバイル化学センサデバイスは、約２５０グラムから約７，５００グラムの重量を有する。特定の実施形態では、モバイル化学センサデバイスは、約１，０００グラムから約５，０００グラムの重量を有する。そのような実施形態は、コンパクトなサイズおよび携帯可能な重量を有するモバイル化学センサデバイスの利点を提供することができる。

[0072]特定の実施形態では、タグ読取センサは、モバイル化学センサデバイスのハウジングの内部に取り付けられる。いくつかの実施形態では、タグ読取センサは、化学センサプローブの１つまたは複数に位置する光学タグまたは無線周波数識別（ＲＦＩＤ）タグを読み取るように構成される。このような実施形態は、個々の化学センサプローブを識別し、個々の化学センサプローブについて較正またはサンプル読み取りが行われたかどうかを検出し、サンプル処理におけるエラーを防止するという利点を提供することができる。

[0073]特定の実施形態では、カートリッジおよびハウジングの少なくとも一方は、ガス吸気口およびガス排気口を含み、ガス吸気口およびガス排気口は、サンプルガスが少なくとも１つの化学センサのセンサ支持面を横切って流れることができるように構成される。いくつかの実施形態では、ハウジングおよび光密閉された囲いの少なくとも一方は、ガス吸気口およびガス排気口を含み、ガス吸気口およびガス排気口は、サンプルガスが少なくとも１つの化学センサプローブのセンサ支持面を横切って流れることができるように構成される。いくつかの実施形態では、サンプルガスは、空気を含む。

[0074]特定の実施形態では、カートリッジおよびハウジングの少なくとも一方は、液体取入口および液体排出口または排液口を含み、液体取入口および液体排出口は、サンプル液体が少なくとも１つの化学センサのセンサ支持面を横切って流れることができるよう構成される。いくつかの実施形態では、ハウジングおよび光密閉された囲いの少なくとも一方は、液体取入口および液体排出口を含み、液体取入口および液体排出口は、サンプル液体が少なくとも１つの化学センサプローブのセンサ支持面を横切って流れることができるように構成される。

[0075]ある実施形態では、モバイル化学センサデバイスは、光密閉された囲いに取り付けられたシングルボードコンピュータまたはマルチボードコンピュータを含む。ある実施形態では、シングルボードコンピュータは、コンパクトなサイズを有する低コストのコンピュータを含むことができる。特定の実施形態では、シングルボードコンピュータは、ラズベリーパイ（Ｒａｓｐｂｅｒｒｙ Ｐｉ）コンピュータまたは他の適切な市販のシングルボードコンピュータを含むことができる。特定の実施形態において、モバイル化学センサは、光密閉された囲いに取り付けられ、シングルボードコンピュータまたはマルチボードコンピュータに接続されたプリント回路基板アセンブリ（ＰＣＢＡ）を含む。特定の実施形態では、ＰＣＢＡは、本明細書に開示されるようなコンパクトなモバイル化学センサデバイスにおいてシングルボードコンピュータと接続するように構成されたカスタムＰＣＢＡを含むことができる。

[0076]特定の実施形態では、ＰＣＢＡとシングルボードコンピュータは、ピンコネクタまたはケーブルアセンブリによって接続される。特定の実施形態では、ピンコネクタは、４０ピンコネクタを含むことができる。特定の実施形態では、ＰＣＢＡは、アダプタボードによってシングルボードコンピュータに接続される。特定の実施形態では、アダプタボードは、汎用入力／出力（ＧＰＩＯ）アダプタボードを含むことができる。特定の実施形態では、ＰＣＢＡは、シングルボードコンピュータに直接接続される。特定の実施形態では、光源は、ＰＣＢＡに取り付けられる。特定の実施形態において、カートリッジ検出センサは、ＰＣＢＡに取り付けられる。カートリッジ検出センサを含む実施形態は、カートリッジがモバイル化学センサデバイスハウジングのカートリッジ開口に適切に挿入されたときに検出する利点を提供することができる。

[0077]特定の実施形態では、光源ボードは、ＰＣＢＡ上の調整可能な位置に取り付けられる。そのような実施形態では、少なくとも１つの光源は、光源ボードに取り付けられ、光源ボードの位置は、少なくとも１つの光源と化学センサプローブのセンサ支持面との間の入射角を調整するように構成されることができる。特定の実施形態では、光源ボードは、ＵＶＬＥＤボードを含むことができる。特定の実施形態では、１つまたは複数のＵＶＬＥＤがＵＶＬＥＤボードに取り付けられる。光源ボードを含む実施形態は、少なくとも１つの化学センサプローブの照明を改善するように入射角を調整する利点を含むことができる。そのような実施形態は、化学分析精度を向上させるための光源の位置決めにおける汎用性という利点を提供することができる。そのような実施形態はまた、モバイル化学センサデバイス内の光源ボードを交換またはアップグレードする能力の利点を提供し得る。

[0078]特定の実施形態では、モバイル化学センサデバイスは、シングルボードコンピュータまたはマルチボードコンピュータと、少なくとも１つのユーザインターフェースと、の間の少なくとも１つの通信リンクを含む。このような実施形態は、本明細書の実施形態によるモバイル化学センサデバイスを使用する場合、化学分析データの保存および通信における汎用性の利点を提供することができる。特定の実施形態では、少なくとも１つの通信リンクは、短距離無線接続、ユニバーサルシリアルバス（ＵＳＢ）接続、メモリカード接続、またはそれらの組合せを含む。特定の実施形態では、短距離無線接続は、「ブルートゥース」接続を含むことができる。そのような実施形態は、化学分析データを転送またはエクスポートする能力という利点を提供することができる。

[0079]特定の実施形態では、少なくとも１つのユーザインターフェースは、ダウンロードされたアプリケーションを実行することができるオペレーティングシステムを有するモバイルセンサデバイス、モバイル電話、コンピュータ、またはそれらの組合せを含む。そのような実施形態は、ユーザのモバイル電話、コンピュータ、またはそれらの組み合わせと通信することができるモバイルセンサデバイスの利点を提供することができる。そのような実施形態は、ユーザのモバイル電話を交換する技術的リスクを回避し、異なるモバイル電話に不慣れであることによるユーザの混乱を回避するという利点を提供することができる。特定の実施形態では、ハウジングは、外部ＵＳＢポート、外部メモリカードコネクタ、外部シャッターボタン、外部短距離無線コネクタ、外部電源スイッチ、またはこれらの組合せを含む。

[0080]特定の実施形態では、モバイル化学センサデバイスは、シングルボードまたはマルチボードコンピュータに含まれるコンピュータ可読コードによって動作し、コンピュータ可読コードは、カメラモジュールから少なくとも１つのデジタル信号を受信して処理するように構成される。特定の実施形態では、少なくとも１つのデジタル信号は、少なくとも１つの化学センサプローブからの放出光から得られる複数のＲＧＢ値、複数のＲＧＢ値から得られる複数のＸＹＺ値、複数のＸＹＺ値から得られる複数のｘｙ値、時間、日付、ユーザ名、試験名、サンプル名の１つもしくは複数を含むデータパケット、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、少なくとも１つのデジタル信号は、画像ファイルを含む。

[0081]特定の実施形態では、コンピュータ可読コードは、ベースライン読み取りステップ、制御読み取りステップ、およびサンプル読み取りステップの少なくとも１つを含むテストプロトコルステップの必須のシーケンスを含む。そのような実施形態は、ユーザエラー、例えば、化学センサプローブ上で最初に較正ステップを実行することなくサンプルを読み取ろうとすること、または「使用済み」化学センサプローブ上で第２のサンプル読み取りを行おうとすることを回避する利点を提供することが可能である。このような実施形態は、使用が簡単で、ユーザエラーに強く、数分から２時間のトレーニングで現場スタッフが容易に効果的に使用できるモバイル化学センサデバイスの利点を提供することができる。

様々な実施形態の化学センサプローブ
[0082]本開示は、化学組成物を分析するための化学センサプローブに関する。様々な実施形態において、化学センサプローブは、センサ支持面を含み、センサ支持面は、発光化学センサのアレイを含む。そのような実施形態において、発光化学センサのアレイは、少なくとも１つの制御センサおよび少なくとも１つの検出センサを含むことができる。そのような実施形態では、少なくとも１つの制御センサは、制御プラットフォームの制御領域上に取り付けられた制御ランタニド含有リン化合物を含むことができ、少なくとも１つの検出センサは、検出プラットフォームの検出領域上に取り付けられた２つ以上の検出ランタニド含有リン化合物の組合せを含むことができる。特定の実施形態では、制御プラットフォームおよび検出プラットフォームは、センサ支持面に固着される。

[0083]特定の実施形態では、発光化学センサのアレイは、１から３個の制御センサと１から６個の検出センサを含む。他の実施形態では、発光化学センサのアレイは、２つの制御センサと１から５０の検出センサを含む。

[0084]特定の実施形態では、制御プラットフォームおよび検出プラットフォームは、繊維状材料を含む。特定の実施形態では、制御プラットフォームおよび検出プラットフォームは、別々の繊維状材料に取り付けられる。特定の実施形態では、繊維状材料は、セルロース系材料、紙材料、シリコーン紙材料、またはそれらの組み合わせを含む。多種多様な化学化合物に対するランタノイド含有リン化合物の高感度および反応性を考慮すると、制御プラットフォームおよび検出プラットフォームが別々の繊維状材料に取り付けられる本開示は、制御センサと検出センサとの間の交差汚染を防止する利点を提供することが可能である。このような利点は、１回の試験で複雑な化学混合物中の複数の成分を分析するためのコンパクトな構成に大きな利点を提示することができる。

[0085]いくつかの実施形態では、制御ランタノイド含有リン化合物は、結合剤なしで制御プラットフォーム上に直接取り付けられ、いくつかの実施形態では、検出ランタノイド含有リン化合物は、結合剤なしで検出プラットフォーム上に直接取り付けられる。本明細書に開示されるランタノイド含有リン化合物は、多種多様な化学化合物に対して強い反応性を有しており、コンパクトで携帯可能なプローブ形式で多数の異なる化学物質を分析するための課題を提起している。本開示は、結合剤を使用せずに制御プラットフォームまたは検出プラットフォームに直接取り付けられ、結合剤材料とランタノイド含有リン化合物との反応を防止するランタノイド含有リン化合物を含む化学センサを提供することによって、この課題を解決するものである。いくつかの実施形態では、化学センサが制御プラットフォームまたは検出プラットフォームの上面に取り付けられる一方で、制御プラットフォームまたは検出プラットフォームの下面をセンサ支持面に接着するために、結合剤を使用することができる。このような実施形態では、化学センサの結合剤との接触が回避されるので、ランタノイド含有リン化合物と結合剤との反応を防止する利点が得られる一方、複数の化学物質を分析するためのコンパクトで携帯可能で安価な使い捨てのテスト形式が可能になる。制御プラットフォームまたは検出プラットフォームが繊維状材料を含む実施形態では、そのような実施形態は、化学センサを別々のまたは離散的な領域または形状に取り付けることを可能にし、異なる化学センサ間の交差汚染の防止をさらに助長するという利点も提供することができる。

[0086]他の実施形態では、接着剤層がセンサ支持面に取り付けられ、発光化学センサのアレイが接着剤層に直接取り付けられる。特定の実施形態では、そのような接着剤層は、センサ支持面に噴霧することができる。特定の実施形態では、発光化学センサのアレイは、接着剤層上に選択的に印刷される。特定の実施形態では、制御ランタニド含有リン化合物および検出ランタニド含有リン化合物のいずれかを、制御プラットフォームまたは検出プラットフォームにそれぞれ順に取り付けられる接着剤層上に取り付けることができる。特定の実施形態では、制御ランタノイド含有リン化合物、検出ランタノイド含有リン化合物、またはそれらの組み合わせは、インクジェット、スクリーン印刷、または他の可変印刷の方法によって接着剤層に直接、またはセンサ支持面に直接噴霧されることが可能である。

[0087]特定の実施形態では、センサ支持面は、プラスチック、紙、または木材で形成され、センサ支持面は、発光化学センサのアレイと同じかそれ以上の長さおよび幅を有している。いくつかの実施形態では、センサ支持面は、ハンドル部分を形成し、このハンドル部分は、発光化学センサのアレイから約１ｍｍから約１０ｍｍ離れた位置にある。特定の実施形態では、ハンドル部分は、発光化学センサのアレイから約３ｍｍから約７ｍｍに位置する。異なる化学物質に対するランタノイド含有リン化合物の幅広い反応性を考慮すると、ユーザの指との接触または他のユーザが導入した汚染は、化学センサの正しい機能を妨害し得る。本明細書に開示されるようなハンドル部分は、センサ支持面の残り、または化学センサのアレイに触れる必要なしにプローブの取り扱いを可能にするという利点を提供することができ、したがって、化学センサの汚染を防止し、潜在的な誤った読み取りを防止することができる。

[0088]特定の実施形態では、制御プラットフォームおよび検出プラットフォームの少なくとも一方は、約０．１ｍｍから約２ｍｍの厚さを有する。特定の実施形態では、制御プラットフォームおよび検出プラットフォームの少なくとも一方は、約０．５ｍｍから約１．５ｍｍの厚さを有する。特定の実施形態では、制御プラットフォームおよび検出プラットフォームの少なくとも一方は、約０．７ｍｍから約１．０ｍｍの厚さを有する。特定の実施形態では、制御プラットフォームおよび検出プラットフォームの少なくとも一方は、約２ｍｍから約６０ｍｍの最長測定値を有する。特定の実施形態では、制御プラットフォームおよび検出プラットフォームの少なくとも一方は、約１０ｍｍから約６０ｍｍの最長測定値を有する。特定の実施形態では、制御プラットフォームおよび検出プラットフォームの少なくとも一方は、約３０ｍｍから約４０ｍｍの最長測定値を有する。ある実施形態では、制御領域および検出領域の少なくとも一方は、正方形形状、長方形形状、円形形状、卵形形状、三角形形状、六角形形状、多角形形状、またはそれらの組合せを有する。特定の実施形態において、制御ランタノイド含有リン化合物および２つ以上の検出ランタノイド含有リン化合物は、制御領域または検出領域に噴霧される、インクジェットされる、凝縮される、または埋め込まれることによって、それぞれ制御領域および検出領域に取り付けられ得る。特定の実施形態において、制御プラットフォームまたは検出プラットフォームの実施形態による繊維状材料は、制御プラットフォームまたは検出プラットフォームを形成するために、制御ランタニド含有リン化合物または２以上の検出ランタニド含有リン化合物を含む１つまたは複数の溶液に接触させ、乾燥させ、切断、刻印、またはマーキングすることが可能である。

[0089]特定の実施形態では、プローブは、センサ支持面に取り付けられた識別タグを含む。特定の実施形態では、識別タグは、光学タグまたは無線周波数タグを含む。特定の実施形態では、識別タグは、プローブの底面またはプローブのハンドルに取り付けられる。化学的なテストの実施には、各プローブでどのようなテストが実施されたかを正確に追跡するという課題がある。例えば、あるプローブはセンサの実行可能性についてプレスキャンされているか、対照テストが実行されているか、検出テストがすでに実行されており、２回目のテストは必要ないか、などである。識別タグを含むプローブのそのような実施形態は、各プローブについて一意の識別タグを使用して特定のプローブを追跡し、各プローブでどの試験ステップが実施されたかを追跡し、任意のプレスキャンまたはベースライン試験の実行をその後の検出測定と一致させることを可能にすることによって、そのような課題に対する解決策を提供することができる。このような実施形態は、検出テストが実行された後のプローブの再使用を防止する利点も提供することができる。

[0090]本開示の実施形態は、化学センサプローブが、化学組成物中に存在する多種多様な化学物質の存在に応答して色および輝度の独特の８因子の特徴を表示することを可能にする、化学センサ構成の利点を提示することができる。様々な実施形態において、発光化学センサのアレイは、非常に異なる様々な化学化合物の存在に応答して、放出された光の色および強度において識別可能な応答を提供するように構成された様々なイオン比の異なるランタニド含有リン化合物を含む。例えば、このような化合物には、メタノール、水、トルエンのように互いに異なる溶媒を含めることができるが、このような溶媒はすべて、単一の分析で質的にも量的にも特定できる可能性がある。また、例えば、水と重水素のように互いによく似た化合物も含まれるが、このような化合物も微量であっても本明細書の化学分析法により識別することが可能である。１つのイオン重量比が化学分析にある程度の特異性と感度を提供するかもしれないところ、化学センサのリン化合物中のランタノイドイオンの重量比を増やすことで、やはりコンパクトな単一分析形式で、分析の感度と特異性を追加することが可能である。一実施形態では、発光化学センサのアレイは、ランタノイド含有リン化合物に含まれる３つの異なるランタノイドイオンの少なくとも４つの異なる重量比の組合せを含む。化学センサのアレイのうちの４つの重量比の組み合わせの各々は、各化学物質および化学濃度の存在に応答して固有の色信号および強度信号を提供し、したがって、各化学物質および化学濃度について固有の８因子の「はっきりした特徴」を提供し、すべては単一のコンパクト分析形式で読み取ることが可能である。

[0091]特定の実施形態では、発光化合物は、化学組成物への曝露の前に精製することができる。特定の実施形態では、発光化合物は、化学組成物への曝露の前に加熱される。特定の実施形態では、発光化合物は、化学組成物への曝露の前に乾燥される。乾燥は、空気乾燥、ヒートガンを用いた乾燥、真空を用いた乾燥、または他の適切な乾燥方法を含んでもよい。特定の実施形態では、化学組成物への曝露前に発光化合物を精製することにより、発光化合物の合成に関連する溶媒または不純物の量が減少または除去される。このような実施形態は、プローブを用いた化学分析の精度および感度を向上させるという利点を提供し得る。

各種実施形態のランタノイド含有リン酸化合物
[0092]本明細書の化学センサプローブの実施形態は、１つまたは複数の金属イオンと配位している１つまたは複数のカルボキシル基を有するリン原子を含む様々な発光化合物を含むことができる。そのような金属イオンは、１つまたは複数のランタノイドイオン、イットリウムイオン、およびそれらの組み合わせを含むことができる。

[0093]特定の実施形態では、発光化合物は、１つまたは複数の光吸収基を含むことができる。特定の実施形態では、光吸収基はカルボキシル基と結合している。ある実施形態では、光吸収基は、１つまたは複数の共役基、芳香族基、ベンゼン基、フェニル基、アリール基、アルケン基、アルキン基、アジド基、およびシアノ基を含むことができる。

[0094]各種実施形態の発光化合物は、様々な種類の金属イオンを含むことができる。いくつかの実施形態では、発光化合物は、単一の金属イオンを含むことができる。いくつかの実施形態では、発光化合物は、複数の同じ金属イオン、または複数の異なる金属イオンを含むことができる。特定の実施形態では、発光化合物は、異なる重量比の複数の金属イオンを含む。特定の実施形態において、そのような重量比は、１：１、２：１、１：３、３：１、１：１：１、２：１：１、１：２：１、１：１：２、５：１、１：５、３：１：１、１：１：３、１：３：１、１０：１：５、５：１：５およびそれらの組み合わせが挙げられる。本明細書の発光化合物は、多種多様な化学化合物に対する反応性を有することができ、様々な化学化合物との反応で放出光の色および強度は、特定の化合物のみならず化学組成物中に存在する化合物の量に基づいて広く変化することができる。本明細書の発光化合物は、発光化合物に含まれる特定の金属イオン、含まれる異なる金属イオンの数、さらに発光化合物に含まれる異なる金属イオンの特定の重量比によって、様々な化学化合物の同一性および濃度に応答して放出光の色および強度が大幅に変化することが可能である。したがって本明細書のプローブの様々な実施形態において、化学組成物中の多種多様な化学化合物の検出のための大幅に増加した特異性および感度の利点を提供するために、発光化合物に含まれる異なる金属イオンの同一性、数、および重量比を変化させることが可能である。

[0095]特定の実施形態では、制御ランタニド含有リン化合物は、Ｌａ、Ｃｅ、Ｐｒ、Ｎｄ、Ｐｍ、Ｓｍ、Ｅｕ、Ｇｄ、Ｔｂ、Ｄｙ、Ｈｏ、Ｅｒ、Ｔｍ、Ｙｂ、Ｌｕ、およびＹからなる群より選択される１つの希土類イオンを含む。ある実施形態では、２種以上の検出ランタノイド含有リン化合物の組み合わせは、少なくとも２種の異なる希土類イオンを含み、希土類イオンは、Ｌａ、Ｃｅ、Ｐｒ、Ｎｄ、Ｐｍ、Ｓｍ、Ｅｕ、Ｇｄ、Ｔｂ、Ｄｙ、Ｈｏ、Ｅｒ、Ｔｍ、Ｙｂ、ＬｕおよびＹからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、２つ以上の検出ランタノイド含有リン化合物の組み合わせは、Ｔｂ、Ｅｕ、およびＴｍを含む。いくつかの実施形態では、２つ以上の検出用ランタニド含有リン化合物の組み合わせは、Ｅｕ、Ｇｄ、およびＴｂを含む。

[0096]発光化合物のリン原子は、様々な形態であり得る。特定の実施形態では、リン原子は、非酸化形態であり得る。特定の実施形態では、リン原子は酸化され得る。特定の実施形態では、リン原子は、合成後の酸化方法によって酸化され得る。

[0097]特定の実施形態では、発光化合物は、様々な構造を有することができる。特定の実施形態では、発光化合物は多孔質であり、または結晶格子の形態である。特定の実施形態では、発光化合物中の金属イオンは、隣接する発光化合物上のカルボキシル基と配位して、結晶格子を形成する。ある実施形態では、発光化合物は、ハニカム状構造を有し、二次元ハニカムシートの形態であり、大きな六角形チャネルを有する三次元固体をもたらすように偏平配置で積層され、またはそれらの組合せである。

[0098]特定の実施形態では、発光化合物は、様々な表面積を有する。特定の実施形態では、発光化合物は、約５０ｍ^２／ｇから約１０００ｍ^２／ｇの表面積を有する。特定の実施形態では、発光化合物は、約２５０ｍ^２／ｇから約８００ｍ^２／ｇの表面積を有する。特定の実施形態では、発光化合物は、約５００ｍ^２／ｇから約７５０ｍ^２／ｇの表面積を有する。特定の実施形態では、発光化合物は、約５００ｍ^２／ｇから約６００ｍ^２／ｇの表面積を有する。

[0099]発光化合物は、様々な量子収率を有することができる。いくつかの実施形態では、発光化合物は、約２０％から約９５％の範囲にある光ルミネセンスＷＯの絶対量子収率を有する。特定の実施形態では、発光化合物は、約３５％から約９５％の範囲にあるＯＰＬ値を有する。特定の実施形態では、発光化合物は、約５０％から約９０％の範囲にあるＯＰＬ値を有する。特定の実施形態では、発光化合物は、約８０％から約９０％の範囲にあるＯＰＬ値を有する。

[0100]特定の実施形態では、発光化学センサのアレイは、低波長制御センサおよび高波長制御センサを含む。そのような実施形態では、低波長制御センサは、低波長イオンＸを含み、高波長制御センサは、高波長イオンＺを含み、ＸおよびＺは、異なる。そのような実施形態では、発光化学センサのアレイは、低波長イオンＸと高波長イオンＺの重量比を含む少なくとも１つの検出センサを含み、重量比は約１０：１（Ｘ：Ｚ）から約１：１０（Ｘ：Ｚ）の範囲である。特定の実施形態では、重量比は、約８：１（Ｘ：Ｚ）から約１：８（Ｘ：Ｚ）の範囲である。特定の実施形態において、重量比は、約５：１（Ｘ：Ｚ）から約１：５（Ｘ：Ｚ）の範囲である。

[0101]特定の実施形態において、少なくとも１つの検出センサは、Ｅｕ、Ｇｄ、およびＴｂからなる群から選択される少なくとも２つのランタニドイオンを含み、少なくとも２つのランタニドイオンの重量比は、約５：１（Ｔｂ：Ｅｕ）、約１：５（Ｔｂ：Ｅｕ）、約１：１：１（Ｅｕ：Ｇｄ：Ｔｂ）、約３：１：１（Ｅｕ：Ｇｄ：Ｔｂ）、約１：１：３（Ｅｕ：Ｇｄ：Ｔｂ）、または約１：３：１（Ｅｕ：Ｇｄ：Ｔｂ）を含んでいる。特定の実施形態では、少なくとも２つのランタノイドイオンの重量比は、約４：１（Ｔｂ：Ｅｕ）、約３：１（Ｔｂ：Ｅｕ）、約２：１（Ｔｂ：Ｅｕ）、約１：１（Ｔｂ：Ｅｕ）、約１：４（Ｔｂ：Ｅｕ）、約１：３（Ｔｂ：Ｅｕ）、約１：２（Ｔｂ：Ｅｕ）、約２：１：１（Ｅｕ：Ｇｄ：Ｔｂ）、約１：２：１（Ｅｕ：Ｇｄ：Ｔｂ）、約１：１：２（Ｅｕ：Ｇｄ：Ｔｂ）またはそれらの組合せを含む。

化学組成物を分析する方法の実施形態
[0102]本開示は、化学組成物を分析する方法に関するものである。様々な実施形態において、本方法は、モバイル化学センサデバイスを提供するステップと、化学センサプローブを提供するステップとを含む。様々な実施形態において、化学センサプローブは、センサ支持面上の発光化学センサのアレイを含む。様々な実施形態において、本方法は、化学センサプローブを、試験時間の間、化学組成物と接触させるステップと、化学センサプローブを保持するカートリッジをモバイル化学センサデバイスに挿入するステップと、化学センサプローブを試験範囲の光に曝露するステップと、発光化学センサのアレイの色および発光の強さを検出するステップと、を含む。そのような実施形態において、モバイル化学センサデバイスは、化学センサプローブを保持するカートリッジを配置するように構成されたカートリッジ開口を含むハウジングを含み、カートリッジは、カートリッジがカートリッジ開口に挿入されたときにハウジングの内部に光密閉された囲いを形成する。そのような実施形態において、少なくとも１つの光源は、ある入射角で化学センサプローブのセンサ支持面に光を向けるように構成される。特定の実施形態では、光源は、約２８０ｎｍから約４００ｎｍの波長を有する光を放出することができる。特定の実施形態では、光源は、約３００ｎｍから約３８０ｎｍの波長を有する光を放出することができる。特定の実施形態では、光源は、約３２０ｎｍから約３６０ｎｍの波長を有する光を放出することが可能である。このような実施形態では、カメラモジュールは、光密閉された囲いに取り付けられ、化学センサプローブからの放出光を検出するように構成される。

[0103]本明細書の方法は、化学センサプローブを提供するステップを含む。特定の実施形態では、化学センサプローブは、センサ支持面または基層に取り付けられた発光化学センサのアレイを含み、発光化学センサのアレイは、少なくとも１つの制御センサおよび少なくとも１つの検出センサを含み、少なくとも１つの制御センサは、制御プラットフォームの制御領域に取り付けられた制御ランタノイド含有リン化合物を含み、少なくとも１つの検出センサは、検出プラットフォームの検出領域に取り付けられた２以上の検出ランタノイド含有リン化合物の組み合わせを含み、制御プラットフォームおよび検出プラットフォームはセンサ支持面に付着している。

[0104]本明細書における方法は、化学センサプローブを化学組成物と接触させるステップを含む。プローブは、様々な化学組成物と接触させることができる。特定の実施形態では、化学組成物は、液相若しくは気相、またはそれらの組み合わせである。特定の実施形態では、化学組成物は、固体を含む。液体化学組成物を含む特定の実施形態では、液体は、溶液、溶媒原料、環境水溶液、貯水池、廃水、およびこれらの組み合わせを含むことができる。特定の実施形態では、化学組成物は、空気を含む。特定の実施形態では、化学組成物は、その天然型のサンプルである。特定の実施形態では、化学組成物は、溶媒を含む。このような溶媒は、環境からの様々な溶媒、または工業用若しくは実験室用の溶媒を含むことができる。特定の実施形態では、溶媒は、単一の溶媒または２つ以上の溶媒を含む。特定の実施形態では、溶媒は、液体、気体、固体、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、溶媒は、有機溶媒、無機溶媒、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態において、溶媒は、水、アルコール、ジオキサン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ヘキサン、クロロホルム、アセトニトリル、ピリジン、重水素酸化物、およびこれらの組み合わせのうちの１つまたはそれ以上を含む。特定の実施形態では、溶媒は、Ｄ２Ｏ、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、ｎ－プロパノール、ブタノン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ヘキサン、およびこれらの組み合わせのうちの１つまたは複数を含む。特定の実施形態では、化学組成物は、１つまたは複数の溶質を含む。そのような溶質は、限定されないが、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、およびそれらの組み合わせを含むことができる。特定の実施形態では、１つまたは複数の溶媒は、化学組成物中に微量化学物質または微量汚染物質を含む。このような実施形態は、多相流体、有機物、液体、蒸気、および気体の高容量分析の利点を提供することができる。

[0105]本明細書における方法の実施形態は、化学センサプローブを試験持続時間の間、化学組成物と接触させるステップを含む。様々な実施形態におけるそのような試験持続時間は、約１秒から２０分の範囲とすることができる。一般に、試験があまりに速く実施されると、材料が分析物で浸透されない可能性があり、誤った読み取りをもたらす。例えば、いくつかの純度試験において、読み取りが速すぎると、材料が分析物と適切に反応する時間がないため、より高い純度の読み取り値を与えることになる。

[0106]特定の実施形態では、１つまたは複数の化学組成物を、１つまたは複数の試験時間、プローブと接触させることができる。特定の実施形態において、本明細書の方法は、プローブと化学組成物との接触時に肉眼で見える色の変化により、溶媒を即座に識別することを可能にする。特定の実施形態において、本方法は、試験持続時間の間、プローブを化学組成物と接触させる前に、発光化学センサのアレイをプレスキャンするステップを含む。そのような実施形態は、化学組成物と反応させる前に化学センサの較正または「ベースライン」読み取りを提供するという利点を提供し、したがって、化学分析を行う前にプローブの汚染がないことおよび化学センサが必要な実行可能性を有することを保証するのに役立ち得る。

[0107]本明細書における方法の実施形態は、プローブを試験範囲の光に曝露するステップを含み、実施形態において、試験範囲の光は、約２８０ｎｍから約４００ｎｍの範囲の光を含む。特定の実施形態では、試験範囲の光は、約３００ｎｍから約３８０ｎｍの範囲の光を含む。特定の実施形態では、試験範囲の光は、約３２０ｎｍから約３５０ｎｍの範囲の光を含む。そのような実施形態では、発光化学センサと化学組成物中の１つまたは複数の化学物質との間の相互作用は、プローブを試験範囲の光に曝露する際に、発光化学センサによる可視光の特定の特徴色および強度の発光をもたらす。特定の実施形態において、化学組成物中の特定の化学物質は、色および明るさの固有の８因子の特徴を生成し、この光の特徴は、化学組成物中に存在する化学物質を識別および定量化するために使用され得る。

[0108]特定の実施形態では、化学組成物中に少なくとも１つの化学物質が存在することを条件として、方法は、発光化学センサのアレイの色および発光の強度を測定することによって化学組成物中の少なくとも１つの化学物質を特定するステップをさらに含む。特定の実施形態では、化学組成物中に少なくとも１つの化学物質が存在することを条件として、方法は、発光化学センサのアレイの色および発光の強度を測定することによって、化学組成物中の化学物質の濃度を測定するステップを含む。そのような実施形態は、化学的標的を検出するだけでなく、測定するという利点を提供することができる。他の実施形態では、そのような方法は、数日ではなく数分で結果をもたらす広範囲の溶媒と互換性のある、単純な分光光度計による定量的化学分析を可能にし得る。特定の実施形態では、化学組成物は、液相または気相にある。特定の実施形態において、少なくとも１つの化学物質は、重水素を含み、化学組成物は、水を含む。このような実施形態は、溶媒中の低レベルの水の検出という利点を提供し、様々な品質保証試験を可能にすることができる。

[0109]特定の実施形態では、本方法は、試験サンプルによって放出される発光の波長と濃度標準によって放出される発光の波長との比を比較することによって、化学組成物中の少なくとも１つの化学物質の濃度を測定するステップを含む。特定の実施形態において、濃度標準が発する発光の波長は、可視光の範囲にある。特定の実施形態では、比率は、可視光の波長の比率である。特定の実施形態において、試験サンプルによって放出される発光の波長の比率は、５４３ｎｍ／６１６ｎｍの比率を含む。特定の実施形態では、試験サンプルによって放出される発光の波長の比率は、５４３ｎｍ／６１６ｎｍ／５１０ｎｍの比率を含む。

[0110]実施形態において、本方法は、カメラモジュールによってキャプチャされたテストストリップのＲＧＢ（赤、緑、青）強度を平均し、これらの平均された強度値を使用して、ＸＹＺ色空間（またはより具体的にはＹｘｙ）に変換して、ＣＩＥ１９３１色票（１９３１年に国際照明委員会（ＣＩＥ）によって作成）上にマッピングすることができる。

[0111]特定の実施形態において、本方法は、カメラモジュールによってキャプチャされたテストストリップのＲＧＢ（赤、緑、青）強度を平均し、異なるデバイス上の測定色値が一致するように、それらを較正色空間へ変換することができる。この変換のパラメータは、デバイスの組み立て中に決定されてもよく、および／または較正手順の一部としてエンドユーザによって更新されてもよい。

[0112]特定の実施形態では、本方法は、化学センサプローブを試験期間中化学組成物と接触させる前に、ベースラインまたは較正読み取りステップで発光化学センサのアレイをプレスキャンするステップをさらに含む。特定の実施形態では、本方法は、試験サンプルによって放出される発光の波長と濃度標準によって放出される発光の波長との比を比較することによって、化学組成物中の少なくとも１つの化学物質の濃度を測定するステップをさらに含む。

[0113]特定の実施形態において、本方法は、化学センサプローブに取り付けられた光学タグまたは無線周波数タグをスキャンすることによって化学センサプローブの識別コードを特定するステップと、識別コードをデータベース内の適格な識別コードと照合するステップと、ベースライン読み取りステップで発光化学センサのアレイからの放出光を測定するステップと、化学センサプローブからのベースラインデータを提供してプレスキャン化学センサプローブを形成するステップと、プレスキャンされた化学センサプローブに取り付けられた光学タグまたは無線周波数タグをスキャンすることによって、プレスキャンされた化学センサプローブの識別コードを特定するステップと、識別コードをデータベース内のプレスキャンされた化学センサプローブの適格な識別コードと照合するステップと、テスト読み取りステップで発光化学センサのアレイから放出光を測定するステップと、プレスキャンされた化学センサプローブからテストデータを提供するステップと、を含む。特定の実施形態において、本方法は、化学センサプローブに取り付けられた光学タグまたは無線周波数タグをスキャンすることによって化学センサプローブの識別コードを特定するステップと、識別コードをデータベース内の不適格コードと照合するステップと、エラー信号を送信するステップと、をさらに含む。そのような実施形態は、ユーザエラー、例えば、化学センサプローブ上で最初に較正ステップを実行することなくサンプルを読み取ろうとすること、または「使用済み」化学センサプローブ上で第２のサンプル読み取りを行おうとすることを回避する利点を提供することが可能である。このような実施形態は、使用が簡単で、ユーザエラーに強く、最小限のトレーニングで現場スタッフが容易に効果的に使用できるモバイル化学センサデバイスの利点を提供することができる。

コンピュータ、通信回線、およびユーザインターフェースの実施形態
[0114]いくつかの実施形態では、本開示は、本開示の方法を実施するようにプログラムされたコンピュータシステム、例えば、化学センサデバイスを動作させるコンピュータ可読コードを含むシングルボードコンピュータまたはマルチ－ボードコンピュータなどを提供することができる。様々な実施形態において、コンピュータ可読コードは、化学センサデバイスのカメラモジュールから少なくとも１つのデジタル信号を受信し処理するように構成される。図７は、シングルコアまたはマルチコアプロセッサ、または並列処理用の複数のプロセッサであり得る中央処理ユニット（ＣＰＵ、本明細書では「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」でもあり得る）７０５を含むコンピュータシステム７０１を示す。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム７０１はまた、メモリまたはメモリロケーション７１０（例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ）、電子記憶ユニット７１５（例えば、ハードディスク、メモリカード、ＵＳＢ記憶デバイス）、短距離無線接続、ユニバーサルシリアルバス（ＵＳＢ）接続、メモリカード接続、またはそれらの組み合わせなど、１つまたは複数の他のシステムと通信するための通信リンク７２０（例えば、ネットワークアダプタ）、および、例えばキャッシュ、他のメモリ、データストレージおよび／または電子ディスプレイアダプタなどの周辺デバイス７２５を含む。いくつかの実施形態では、メモリ７１０、記憶ユニット７１５、通信リンク７２０および周辺デバイス７２５は、マザーボードなどの通信バス（実線）を介してＣＰＵ７０５と通信する。いくつかの実施形態では、記憶ユニット７１５は、データを格納するためのデータ格納ユニット（またはデータリポジトリ）とすることができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム７０１は、通信リンク７２０の助けを借りて、コンピュータネットワーク（「ネットワーク」）７３０に動作可能に結合されることができる。いくつかの実施形態では、ネットワーク７３０は、インターネット、インターネットおよび／またはエクストラネット、またはインターネットと通信しているイントラネットおよび／またはエクストラネットとすることができる。いくつかの実施形態では、場合によっては、ネットワーク７３０は、電気通信ネットワークおよび／またはデータネットワークである。いくつかの実施形態では、ネットワーク７３０は、１つまたは複数のコンピュータサーバを含むことができ、これにより、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、ネットワーク７３０は、場合によってはコンピュータシステム７０１の助けを借りて、ピアツーピアネットワークを実装することができ、これは、コンピュータシステム７０１に結合されたデバイスがクライアントまたはサーバとして動作することを可能にし得る。

[0115]いくつかの実施形態では、ＣＰＵ７０５は、機械可読命令のシーケンスを実行することができ、これは、プログラムまたはソフトウェアで具現化され得る。いくつかの実施形態では、命令は、メモリ７１０などのメモリロケーションに格納され得る。いくつかの実施形態では、命令は、ＣＰＵ７０５に指示することができ、ＣＰＵ７０５は、その後、本開示の方法を実施するためにＣＰＵ７０５をプログラムするか、または他の方法で構成することができる。ＣＰＵ７０５によって実行される動作の例としては、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを挙げることができる。

[0116]いくつかの実施形態では、ＣＰＵ７０５は、集積回路などの回路の一部とすることができる。いくつかの実施形態では、システム７０１の１つまたは複数の他の構成要素が、回路に含まれ得る。いくつかの態様では、回路は、特定用途向け集積回路（ＡＳＩＣ）である。

[0117]いくつかの実施形態では、記憶ユニット７１５は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラムなどのファイルを格納することができる。いくつかの実施形態では、記憶ユニット７１５は、ユーザデータ、例えば、ユーザプリファレンスおよびユーザプログラムを格納することができる。いくつかの実施形態では、場合によっては、コンピュータシステム７０１は、イントラネットまたはインターネットを介してコンピュータシステム７０１と通信しているリモートサーバ上に位置するなど、コンピュータシステム７０１の外部にある１つまたは複数の追加のデータ記憶ユニットを含むことができる。

[0118]いくつかの実施形態では、コンピュータシステム７０１は、ネットワーク７３０を介して１つまたは複数のリモートコンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム７０１は、ユーザのリモートコンピュータシステムと通信することができる。リモートコンピュータシステムの例としては、パーソナルコンピュータ（例えば、ポータブルＰＣ）、スレートまたはタブレットＰＣ（例えば、ＡＰＰＬＥ（登録商標）のｉＰａｄ、ＳＡＭＳＵＮＧ（登録商標）のＧａｌａｘｙＴａｂ）、電話、スマートフォンまたはモバイル電話（例えば、ＡＰＰＬＥ（登録商標）のｉＰｈｏｎｅ、Ａｎｄｒｏｉｄ対応デバイス、ＢＬＡＣＫＢＥＲＲＹ（登録商標））、他のモバイルデバイス、またはパーソナルデジタルアシスタントが含まれる。いくつかの実施形態では、ユーザは、ネットワーク７３０を介してコンピュータシステム７０１にアクセスすることができる。

[0119]いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような方法は、例えばメモリ７１０または電子記憶ユニット７１５上など、コンピュータシステム７０１の電子記憶場所上に記憶された機械（例えば、コンピュータプロセッサ）実行可能コードによって実施することができる。いくつかの実施形態では、機械実行可能コードまたは機械可読コードは、ソフトウェアの形態で提供され得る。使用中、コードは、プロセッサ７０５によって実行され得る。いくつかの状況では、コードは、記憶ユニット７１５から取得され、プロセッサ７０５によってすぐにアクセスできるようにメモリ７１０に格納され得る。いくつかの状況では、電子記憶ユニット７１５を排除することができ、機械実行可能な命令がメモリ７１０に記憶される。

[0120]コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械と共に使用するために予めコンパイルされ構成されることができ、またはランタイム中にコンパイルされることができる。コードは、コードがプリコンパイルまたはアズコンパイルされた様式で実行できるように選択できるプログラミング言語で供給することができる。

[0121]コンピュータシステム７０１など、本明細書で提供されるシステムおよび方法の態様は、プログラミングで具現化することができる。本技術の様々な態様は、典型的には、一種の機械可読媒体に支援されるかまたは具現化される機械（またはプロセッサ）実行可能コードおよび／または関連データの形態における「製品」または「製造品」として考えることができる。機械実行可能コードは、メモリ（例えば、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ）またはハードディスクなどの電子記憶ユニットに格納することができる。いくつかの実施形態では、「記憶」型媒体は、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリ、またはその関連モジュール、例えば、様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどのいずれかまたはすべてを含み、ソフトウェアプログラミングのためにいつでも非一時的記憶を提供し得る。いくつかの実施形態では、ソフトウェアのすべてまたは一部は、時に、インターネットまたは他の様々な電気通信ネットワークを通じて通信されてもよい。このような通信は、例えば、管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへの、あるコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータへのソフトウェアのロードを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を支援し得る別のタイプの媒体には、ローカルデバイス間の物理的インターフェースを横切って、有線および光固定回線ネットワークを介して、および様々なエアリンクを介して使用されるような、光、電気および電磁波が含まれる。有線または無線リンク、光リンクなどのような、そのような波を運ぶ物理的要素もまた、ソフトウェアを支援するメディアとして考慮されることがある。本明細書で使用する場合、非一時的の有形の「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサへの命令を提供する任意の媒体を指す。

[0122]したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形の記憶媒体、搬送波媒体または物理的伝送媒体を含むがこれらに限定されない、多くの形態をとることができる。不揮発性記憶媒体には、例えば、図面に示されたデータベースなどを実装するために使用され得るような、任意のコンピュータにおける記憶デバイスなどの光ディスクまたは磁気ディスクが含まれる。揮発性記憶媒体には、このようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどの動的メモリが含まれる。有形伝送媒体には、同軸ケーブル、銅線および光ファイバーが含まれ、コンピュータシステム内のバスを含むワイヤも含まれる。搬送波伝送媒体は、電気信号または電磁信号、あるいは無線周波数（ＲＦ）および赤外線（ＩＲ）データ通信中に発生するような音響波または光波の形態をとることができる。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、ＣＤ－ＲＯＭ、ＤＶＤまたはＤＶＤ－ＲＯＭ、その他の光媒体、パンチカード紙テープ、穴のパターンを有するその他の物理的記憶媒体、ＲＡＭ、ＲＯＭ、ＰＲＯＭおよびＥＰＲＯＭ、Ｆｌａｓｈ－ＥＰＲＯＭ、その他のメモリチップまたはカートリッジ、データまたは指示を伝送する搬送波、かかる搬送波を伝送するケーブルまたはリンク、あるいはコンピュータがプログラミングコードおよび／またはデータを読むことができるその他の媒体を挙げることができる。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のためにプロセッサに１つまたは複数の命令のシーケンスを運ぶことに関与することができる。

[0123]いくつかの実施形態では、コンピュータシステム７０１は、例えば、少なくとも１つの化学組成物の試験データを提供するためのユーザインターフェース（ＵＩ）７４０を含む電子ディスプレイ７３５を含むか、またはそれと通信することができる。ＵＥの例としては、限定されないが、グラフィカルユーザインターフェース（ＧＵＩ）およびウェブベースのユーザインターフェースが挙げられる。

[0124]本開示の方法およびシステムは、１つまたは複数のアルゴリズムの方法で実装することができる。アルゴリズムは、中央処理ユニット７０５による実行時にソフトウェアの方法によって実装され得る。アルゴリズムは、例えば、少なくとも１つの化学組成物について試験データを収集するための方法を実装することができる。

[0125]本開示の様々な実施形態は、以下の例によって例示されるが、これによって限定されるものではない。当業者は、本明細書に列挙されたステップまたはステップの一部を達成するための多くの等価な技術を認識するであろう。

実施例１：「ＬａｎｔｈａＨＤ」アプリケーションを用いた化学分析方法

１．アプリケーションメニューで「ＬａｎｔｈａＨＤ」プログラムを選択する。

２．ユーザ名、テスト名、サンプル名などの必要事項を入力する。

３．カートリッジにセットしたテストストリップをモバイル化学センサデバイスハウジングのカートリッジ開口に挿入し、プログラムメニューから「較正」機能を選択することによって、活性化した化学センサプローブテストストリップを較正する。「較正」ステップの間、デバイスはテストストリップの画像を記録し、各ステップの平均ＲＧＢ値を処理する必要がある。これは必ずしもエンドユーザが見る必要はないが、テストストリップが劣化していないことを確認するために、ＲＧＢ値を事前にプログラムされたＲＧＢ値に参照する必要がある。

４．較正に問題がある場合、すなわちＵＶランプがオフの場合、テストストリップがカメラと位置がずれている場合、テストストリップが劣化している場合などには、エラーメッセージが表示される。表示されたエラーに対処し、必要に応じて較正のステップを繰り返す。

５．較正読み取りに成功したら、カートリッジ内のテストストリップをデバイスから取り外し、較正済みのテストストリップをサンプルに接触させる。アプリケーションで「スタートタイマー」機能を選択した後、必要な試験時間だけ待つ。

６．カートリッジ内のテストストリップをデバイスのカートリッジ開口に挿入し、アプリケーションで「データ収集」機能を選択する。アプリケーションはセンサから読み取り、個々の化学センサから収集したデータに基づいて計算を実行する。「確認／新規テスト」ボタンの選択は、ユーザがキャプチャした画像に満足していることを確認するために必要である。データ解析画面では、指定された領域の画素を高速にサンプリングし、それぞれのＲＧＢ値をとり、平均化して報告することが求められる。データ解析画面では、ＲＧＢの平均値や赤と緑の光の比率を表示し、既知の材料の表と比較して、発光の色と強度に基づいて照合することができる。また、ユーザは、キャプチャした画像を確認し、ＲＧＢの平均値や赤と緑の比率の結果を見ることができる。

７．他方で、赤と緑の光の比率を較正曲線と比較する。較正曲線は、既知の濃度を特定の色の値に対応付け、化学サンプル中のＯ－Ｄ結合の割合を決定するために使用される。

８．化学サンプル中のＯ－Ｄ結合の割合は、リザルト画面の結果に報告され、主材料の純度、すなわちサンプル中のＨ２ＯとＤ２Ｏの割合が表示される。較正曲線からの出力に基づき、この画面では単に、純度パーセントと、測定の不確かさに基づく誤差パーセントが報告される。エンドユーザが、純度の証明としてこの画面を出荷時に添付できるように保存して印刷できるようにする必要がある。「テスト保存」または「新規テスト」ボタンを適宜選択することができる。

Claims (21)

1. カートリッジ開口を含むハウジングと；
   発光化学センサのアレイを含むセンサ支持面を有する少なくとも１つの化学センサプローブを配置するように構成されたカートリッジであって、前記カートリッジは、前記カートリッジが前記カートリッジ開口に挿入されたときに前記ハウジングの内部に光密閉された囲いを形成する、カートリッジと；
   ある入射角で前記少なくとも１つの化学センサプローブの前記センサ支持面上に光を導くように構成された少なくとも１つの光源であって、前記光源は、約２８０ｎｍから約４００ｎｍの波長を有する光を放出することができる、光源と；
   前記光密閉された囲いに取り付けられ、前記少なくとも１つの化学センサプローブからの放出光を検出するように構成されたカメラモジュールと；
   を含む、
   モバイル化学センサデバイス。
2. 前記少なくとも１つの化学センサプローブからの放出光を前記カメラモジュールに反射するように構成された光学ミラー；
   前記光密閉された囲いに取り付けられたシングルボードコンピュータまたはマルチボードコンピュータ；または、
   シングルボードコンピュータまたはマルチボードコンピュータと、少なくとも１つのユーザインターフェースとの間の少なくとも１つの通信リンク；
   をさらに含む、
   請求項１に記載のモバイル化学センサデバイス。
3. 前記カートリッジは、約１５ｍｍから約５０ｍｍの表示長さおよび約１ｍｍから約２０ｍｍの表示幅を有する前記センサ支持面の領域を表示するように構成されており、且つ、
   前記少なくとも１つの化学センサプローブは、約０．１ｍｍから約２ｍｍのプローブ厚さ、約２０ｍｍから約６０ｍｍのプローブ長さ、約２ｍｍから約３０ｍｍのプローブ幅を有する、または、
   前記ハウジングおよび前記光密閉された囲いの少なくとも一方は、ガス吸気口およびガス排気口を含み、前記ガス吸気口および前記ガス排気口は、サンプルガスが前記少なくとも１つの化学センサプローブの前記センサ支持面を横切って流れることができるように構成される、
   請求項１に記載のモバイル化学センサデバイス。
4. 前記カメラモジュールは、電荷結合素子または相補型金属酸化膜半導体（ＣＯＭＳ）イメージセンサを含む；
   前記カメラモジュールは、マイクロレンズ、Ｍ１２レンズ、Ｓマウントレンズ、またはレンズの表面から約５ｃｍから約２５ｃｍの距離で光を集束するように構成されたレンズ、を有するカメラを含む；または、
   カメラモジュールは、カメラと前記少なくとも１つの化学センサプローブとの間に光透過性の保護カバーを含む；
   請求項１に記載のモバイル化学センサデバイス。
5. 前記少なくとも１つの通信リンクは、短距離無線接続、ユニバーサルシリアルバス（ＵＳＢ）接続、メモリカード接続、またはそれらの組合せを含む；または、
   前記少なくとも１つのユーザインターフェースは、ダウンロードしたアプリケーションを実行できるオペレーティングシステムを有するモバイルデバイス、モバイル電話、コンピュータ、またはそれらの組み合わせを含む；
   請求項２に記載のモバイル化学センサデバイス。
6. 前記カートリッジは、前記ハウジングから取り外し可能である；または、
   前記カートリッジは、前記少なくとも１つの化学センサプローブを収容するように構成されてトラックに沿って前記カートリッジ開口におよび前記カートリッジ開口から可逆的にスライドするように構成された少なくとも１つのトレイ凹部を含み、
   オプションとして、前記カートリッジおよび前記ハウジングの少なくとも一方は、ガス吸気口およびガス排気口を含み、前記ガス吸気口および前記ガス排気口は、サンプルガスが前記少なくとも１つの化学センサの前記センサ支持面を横切って流れることができるように構成される；
   請求項１に記載のモバイル化学センサデバイス。
7. 前記光源は、発光ダイオード、水銀ランプ、ハロゲンランプ、またはレーザを含む；または、
   前記入射角は、約５度から約９０度である；
   請求項１に記載のモバイル化学センサデバイス。
8. 前記光密閉された囲いに取り付けられ、前記シングルボードコンピュータまたは前記マルチボードコンピュータに接続されたプリント回路基板アセンブリ（ＰＣＢＡ）をさらに含み；
   前記ハウジングの内部に取り付けられたバッテリ、または前記ハウジングの内部に取り付けられたバッテリステーション、をさらに含む、
   請求項２に記載のモバイル化学センサデバイス。
9. 前記ＰＣＢＡおよび前記シングルボードコンピュータは、ピンコネクタまたはケーブルアセンブリによって接続され、または、前記ＰＣＢＡはアダプタボードによって前記シングルボードコンピュータに接続され、または、前記ＰＣＢＡは前記シングルボードコンピュータに直接接続され、または、前記光源は、前記ＰＣＢＡに取り付けられる、
   請求項８に記載のモバイル化学センサデバイス。
10. 前記ＰＣＢＡ上の調整可能な位置に取り付けられた光源ボードをさらに含み、前記少なくとも１つの光源は前記光源ボードに取り付けられ、前記光源ボードは、前記少なくとも１つの光源と前記化学センサプローブの前記センサ支持面との間の前記入射角を調整するように構成される、
    請求項８に記載のモバイル化学センサデバイス。
11. 前記ＰＣＢＡに取り付けられたカートリッジ検出センサをさらに含む、
    請求項８に記載のモバイル化学センサデバイス。
12. 前記ハウジングは、約３ｃｍから約７ｃｍのハウジング高さ、約７ｃｍから約１１ｃｍのハウジング幅、および約１０ｃｍから約２０ｃｍのハウジング長さを有する；
    前記モバイル化学センサデバイスは、約４５ｇから約１２０００ｇの重量を有する；
    タグ読取センサは前記ハウジングの内部に取り付けられ、前記タグ読取センサは、前記化学センサプローブの１つまたは複数に位置する光学タグまたは無線周波数識別（ＲＦＩＤ）タグを読み取るように構成される；または、
    前記ハウジングおよび前記光密閉された囲いの少なくとも１つは、ガス吸気口およびガス排気口を含み、前記ガス吸気口および前記ガス排気口は、サンプルガスが前記少なくとも１つの化学センサプローブの前記センサ支持面を横切って流れることができるように構成される；
    請求項１に記載のモバイル化学センサデバイス。
13. 前記ハウジングは、外部ＵＳＢポート、外部メモリカードコネクタ、外部シャッターボタン、外部短距離無線コネクタ、外部電源スイッチ、またはこれらの組合せを含む、
    請求項２に記載のモバイル化学センサデバイス。
14. 前記光学ミラーは、保護銀コーティングを含む、または、前記光学ミラーは放出された光の約７０％から１００％を反射することができる、
    請求項２に記載のモバイル化学センサデバイス。
15. 前記化学センサデバイスは、前記シングルボードまたは前記マルチボードコンピュータに含まれるコンピュータ可読コードによって動作し、前記コンピュータ可読コードは、前記カメラモジュールから少なくとも１つのデジタル信号を受信して処理するように構成される、
    請求項２に記載の化学センサデバイス。
16. 前記少なくとも１つのデジタル信号は、前記少なくとも１つの化学センサプローブからの放出光から得られる複数のＲＧＢ値、前記複数のＲＧＢ値から得られる複数のＸＹＺ値、前記複数のＸＹＺ値から得られる複数のｘｙ値、時間、日付、ユーザ名、試験名、サンプル名の１つもしくは複数を含むデータパケット、またはそれらの組み合わせを含む；
    前記コンピュータ可読コードは、ベースライン読み取りステップ、制御読み取りステップ、およびサンプル読み取りステップの少なくとも１つを含むテストプロトコルステップの必須のシーケンスを含む；または、
    前記少なくとも１つのデジタル信号は画像ファイルを含む；
    請求項１５に記載のモバイル化学センサデバイス。
17. モバイル化学センサデバイスと化学センサプローブを提供するステップであって、前記化学センサプローブは、センサ支持面に発光化学センサのアレイを含む、ステップと、
    前記化学センサプローブを、試験時間の間、化学組成物に接触させるステップと、
    前記化学センサプローブを保持するカートリッジを前記モバイル化学センサデバイスに挿入するステップと、
    前記化学センサプローブを試験範囲の光に曝露するステップと、
    前記発光化学センサのアレイの色および発光の強さを検出するステップと、
    を含み、
    前記モバイル化学センサデバイスは、
    前記化学センサプローブを保持する前記カートリッジを配置するように構成されたカートリッジ開口を含むハウジングであって、前記カートリッジは、前記カートリッジが前記カートリッジ開口に挿入されたときに前記ハウジングの内部に光密閉された囲いを形成する、ハウジングと；
    ある入射角で前記化学センサプローブの前記センサ支持面に光を向けるように構成される少なくとも１つの光源であって、前記光源は、約２８０ｎｍから約４００ｎｍの波長を有する光を放出することができる、少なくとも１つの光源と；
    前記光密閉された囲いに取り付けられ、前記化学センサプローブからの放出光を検出するように構成されるカメラモジュールと；
    を含む、
    化学組成物を分析する方法。
18. 前記化学組成物中に少なくとも１つの化学物質が存在することを条件とする方法であって、
    前記発光化学センサのアレイの色および発光の強度を測定することによって前記化学組成物中の前記少なくとも１つの化学物質を特定するステップ；または、
    前記発光化学センサのアレイの色および発光の強度を測定することによって、前記化学組成物中の化学物質の濃度を測定するステップ；
    をさらに含む、
    請求項１７に記載の方法。
19. 前記試験時間中、前記化学センサプローブを前記化学組成物と接触させる前に、ベースライン読み取りステップで前記発光化学センサのアレイをプレスキャンするステップをさらに含む；または、
    試験サンプルによって放出される発光の波長と濃度標準によって放出される発光の波長との比を比較することによって、前記化学組成物中の少なくとも１つの化学物質の濃度を測定するステップをさらに含む；
    請求項１７に記載の方法。
20. 前記化学センサプローブに取り付けられた光学タグまたは無線周波数タグをスキャンすることによって前記化学センサプローブの識別コードを特定するステップと；
    前記識別コードをデータベース内の適格な識別コードと照合するステップと；
    ベースライン読み取りステップで前記発光化学センサのアレイからの放出光を測定し、前記化学センサプローブからのベースラインデータを提供して、プレスキャンされた化学センサプローブを形成するステップと；
    前記プレスキャンされた化学センサプローブに取り付けられた前記光学タグまたは前記無線周波数タグをスキャンすることによって、前記プレスキャンされた化学センサプローブの識別コードを特定するステップと；
    前記識別コードを前記データベース内のプレスキャンされた化学センサプローブの適格な識別コードと照合するステップと；
    テスト読み取りステップで前記発光化学センサのアレイからの放出光を測定し、前記プレスキャンされた化学センサプローブからのテストデータを提供するステップと；
    をさらに含む、請求項１７に記載の方法。
21. 前記化学センサプローブに取り付けられた光学タグまたは無線周波数タグをスキャンすることによって前記化学センサプローブの識別コードを特定するステップと；
    前記識別コードをデータベース内の不適格コードと照合するステップと；
    エラー信号を送信するステップと；
    をさらに含む、請求項１７に記載の方法。
    

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