JP2023509383A - レトロインベルソペプチド - Google Patents

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Abstract

本発明は、非定型神経栄養因子の分野および変性、慢性または進行性疾患および障害ならびに病原性因子としてERストレスを有する単遺伝子遺伝性疾患を処置する分野に関する。より具体的に本発明は、修飾ペプチド、特にレトロインベルソペプチドに関する。本発明は、該ペプチドを含む、医薬組成物にも関する。さらに、本発明は、医薬として使用するおよび変性、慢性または進行性疾患および障害ならびに病原性因子としてERストレスを有する単遺伝子遺伝性疾患の処置における該ペプチドおよび医薬組成物ならびに該疾患および障害を処置する方法にも関する。

Description

発明の分野
本発明は、非定型神経栄養因子および小胞体(ER)に位置するタンパク質の分野および変性、慢性または進行性疾患および障害の処置の分野に関する。より具体的に本発明は、レトロインベルソペプチドを処置する分野に関する。本発明は、該ペプチドを含む、医薬組成物にも関する。さらに、本発明は、医薬として使用するおよび変性、慢性または進行性疾患および障害ならびに病原性因子としてERストレスを有する単遺伝子遺伝性疾患の処置における該ペプチドおよび医薬組成物ならびに該疾患および障害を処置する方法にも関する。
発明の背景
神経栄養因子(NTF)は、ニューロンの生存および分化を促進し、神経保護および神経回復性質を有する増殖因子のサブグループである(Hefti, 1994)。NTFは、発達中および成熟したニューロンの増殖、生存および分化を支持し、傷害および毒素から保護する小タンパク質である。脳ドパミン神経栄養(CDNF)は、その最も近い近縁中脳星状細胞由来神経栄養因子(MANF)と共に、他の増殖因子と構造的および機構的いずれでも異なる非定型NTFの新規ファミリーを形成する(Lindholm and Saarma, 2010; Huttunen and Saarma, 2019)。CDNFおよびMANFは、中枢神経系だけでなく、非神経組織にも発現される、それぞれ161および158アミノ酸の約18kDaの小分子量の成熟タンパク質の小モノマータンパク質である。CDNFおよびMANFは、主に小胞体(ER)管腔に局在化する。それらは、それらをERに向けるN末端シグナルペプチドを含む。CDNFおよびMANF両者は、分泌される増殖因子では概して存在しないC末端KDEL(配列番号31)様ER保持シグナルも含む。それらは、BiP/GRP78などのERタンパク質と相互作用し、小胞体ストレス応答(UPR)シグナル伝達を調節し、ERストレス誘導細胞死から保護する。CDNFおよびMANF両者は健常細胞においてER管腔に蓄積され、C末端ER保持シグナルの破壊が分泌をもたらす。検出可能なレベルのCDNFおよびMANFは正常ヒト血清で見られ、MANFはまた脳脊髄液(CSF)でも見られる。これらの特徴に基づき、CDNFおよびMANFは、高度に特異的な神経栄養因子ではなく、一般的ストレス保護タンパク質であると考えられている(Huttunen and Saarma, 2019)。MANFは、カルディオマイオカインとしても記載されている(Glembotski, 2011)。
CDNFおよびMANFは、パーキンソン病のラット6-OHDAモデルで、変性ドパミンニューロンの処置のために現在最も効率的なタンパク質である(Lindholm and Saarma, 2010)。両因子とも、毒素の前に適用したとき、6-OHDA誘導ドパミンニューロン喪失およびパーキンソン病様運動症状を、強く予防する(Lindholm et al., 2007; Voutilainen et al., 2009)。より重要なことに、いずれの因子の破壊後投与も、パーキンソン病の6-OHDA誘導症状が既に広範囲に及んだ段階で適用したとき、正常運動行動および線条体のドパミン作動性神経支配を効率的に回復させる(Lindholm et al., 2007; Voutilainen et al., 2011)。CDNFは、パーキンソン病のマウスMPTPモデルにおいてもドパミンニューロンを保護および修復し(Airavaara et al., 2012)、重度6-OHDAモデルにおいて、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)より有効である(Airavaara et al., 2012; Voutilainen et al 2011)。これらの因子が神経保護する機構は完全には明らかではないが、酸化的およびERストレスを軽減し、アポトーシス細胞死を抑制することを目的とする経路を活性化することが示唆されている。糖尿病ならびにパーキンソン病、アルツハイマー病(AD)および筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患を含む多くの病態生理学的状態は、ERストレスと関連する。従って、CDNFおよびMANFの効果は、種々の中枢神経系疾患で示されている(WO2009133247;WO2007068803;およびAiravaara et al, 2009)。免疫およびグリア細胞の応答調節を含む非細胞自律的機構は、CDNFおよびMANFの細胞保護効果に寄与することが示されている(Sousa-Victor et al, 2018)。
具体的に、CDNFおよびMANFは、CNS疾患および傷害の全てではないにしても、大部分の病態生理学に関与する神経炎症を抑制することが示されている(Nadella et al, 2014; Zhao et al, 2013)。
CDNFおよびMANFは、約60%のアミノ酸配列相同性を共有するだけでなく、三次元構造が非常に類似している。CDNFおよびMANFの何れも、柔軟性ループ領域により接続された2個の独立して折りたたまれたドメインからなる(Lindholm and Saarma, 2010)。二次構造は主にα-らせんであり、N末端ドメインに5個のα-らせんおよびC末端ドメインに3個のα-らせんがある。3個のジスルフィド架橋がN末端ドメインを安定化し、CDNFのC末端CRAC(配列番号32)配列、MANFのCKGC(配列番号33)が内部ジスルフィド架橋を形成する。このCXXC(配列番号34)ジスルフィド架橋はCDNFおよびMANF両者で見られ、これらタンパク質の細胞保護活性の中心的役割を有する。
CDNFは、脳だけでなく、例えば骨格筋、肝臓、心臓、肺、膵臓、精巣、唾液腺および腸管神経系を含む多数の他の組織でも発現される(Lindholm et al, 2007)。MANFは、脳だけでなく、膵臓および心臓などの末梢組織でも発現される。
公報WO2013/3034805およびWO2018/202957に開示されるものなどの天然ペプチドは、ほとんど医薬品として使用できない。
文献WO2013/3034805A1は、配列CKGC(配列番号33)またはCRAC(配列番号32)を含む4~40アミノ酸長のMANFおよびCDNFフラグメントを開示する。文献WO2018/202957A1は、少なくとも50アミノ酸長を有するCDNFフラグメントを開示する。Hellmann et al., 2011は、残基96~158を含むMANFの活性C末端フラグメントを開示する。Fletcher and Hughes 2006は、ループ作成のためにシステインが操作されたCRAC(配列番号32)含有脳由来神経栄養因子(BDNF)由来ペプチドを開示する。それ故、代謝安定性および分布性質が改善された、治療剤について必要性がまだある。
発明の概要
本発明の目的は、新規の修飾レトロインベルソペプチドの提供である。本発明の他の目的は、該新規ペプチドの使用の提供である。
本発明は、ペプチド、特にレトロインベルソペプチドの新規かつ革新的方法での利用により、これら前記性質を備えたツールを提供する。
本発明者らは、線形天然CDNFおよびMANFペプチドは、特に非経腸投与でヒトまたは動物に投与したとき、その速い代謝および分布の悪さのために、薬物分子に適さないことを発見した。それ故、先行文献に開示されるような天然非修飾ペプチドは、ほとんど医薬品として使用できない。本発明者らは、CDNFおよびMANFの細胞保護効果を再現するが、非侵襲性末梢投与に十分に適する、CDNFおよびMANF由来の新規安定化ペプチドを開発した。本発明者らは、本明細書のデータにより示されるとおり、CDNFおよびMANFペプチドのレトロインベルソ異性化が、細胞保護活性を喪失することなく代謝安定性および分布性質を改善することを発見した。また、本修飾ペプチドは、先行文献に開示のものより短い。
CDNF/MANFの生物学的活性は、タンパク質のC末端ドメインに局在化する。本発明は、特にレトロインベルソ異性化の形態の、CDNFおよびMANFのC末端ドメインに由来する8~32アミノ酸ペプチドを開示する。CXXC(配列番号34)モチーフ周囲の短非修飾オクタペプチドは、ここに開示するとおり、インビトロで完全長CDNF/MANFタンパク質および細胞膜を通過する能力を示した。
本発明者らは、CXXC(配列番号34)モチーフまたは特定のタイプのCXXXC(配列番号21)モチーフを有するCDNF/MANFペプチドのレトロインベルソ異性化が顕著に改善された医薬性質、例えば代謝安定性、血液脳関門(BBB)浸透およびインビボ薬物動態を有することを初めて示した。これらのレトロインベルソ異性化ペプチドを、変性、慢性および/または進行性疾患および障害または病原性因子としてERストレスを有する単遺伝子遺伝性疾患のための医薬の開発に使用し得る。
本発明は、C-X-X-X-C(配列番号21)
〔式中、
はR、K、I、G、AおよびSからなる群から選択され;
は存在しないかまたはG、A、R、K、IおよびSからなる群から選択され;そして
はA、GおよびSからなる群から選択される。〕
のレトロインベルソ形態のアミノ酸配列を含む、8~32アミノ酸の長さを有するペプチドまたはその薬学的に許容される塩を提供する。
ある態様において、ペプチドはシュードペプチドである。ある例において、ペプチドは、次の性質の少なくとも1個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個または7個)を有する:(i)ペプチドは、TH陽性ニューロンをMPP毒性から用量依存的に保護できる;(ii)ペプチドは、TH陽性ニューロンにおけるアルファ-シヌクレイン封入体の数を減少させる;(iii)ペプチドは、その親対応物と比較して改善された血漿での安定性を有する;(iv)ペプチドは、その親対応物と比較して改善された肝細胞での安定性を有する;または(v)ペプチドは、その親対応物と比較して改善された血液脳関門を通過する能力を有する。
本発明は、医薬として使用するための該ペプチドをさらに提供する。
本発明は、神経変性疾患または障害などの変性疾患または障害、慢性疾患または障害または進行性疾患または障害または病原性因子としてERストレスを有する単遺伝子遺伝性疾患の処置に使用するための、該ペプチドをさらに提供する。
本発明は、該ペプチドおよび次の薬学的に許容される担体、薬学的に許容される添加物、防腐剤、安定化剤および/または希釈剤の少なくとも1個を含む、医薬組成物をさらに提供する。
本発明は、医薬として使用するための医薬組成物をさらに提供する。
本発明は、神経変性疾患または障害などの変性、慢性または進行性疾患または障害または病原性因子としてERストレスを有する単遺伝子遺伝性疾患の処置に使用するための、医薬組成物をさらに提供する。
本発明は、処置を必要とする対象における神経変性疾患または障害などの変性、慢性または進行性疾患または障害または病原性因子としてERストレスを有する単遺伝子遺伝性疾患を処置する方法対象に前記ペプチドを含む医薬組成物を投与することを含む、方法をさらに提供する。
次に、本発明を好ましい実施態様の手段により、さらに詳細に記載する。
試験した化合物の一覧を示す。化合物番号、配列番号、Cys-Cysジスルフィド結合、配列の長さ、修飾の説明およびモノアイソトピック質量(Da)を示す、アミノ酸配列を示す。カラム5はMSスペクトルで見られる荷電質量ピークの詳細を示し、カラム6は化合物のモノアイソトピック質量を示す。
図2A~2Bは、CDNFの、MPP+(1-メチル-4-フェニルピリジニウム)で傷害させたドパミン作動性TH(チロシンヒドロキシラーゼ)陽性ニューロンに対する神経保護効果およびTH陽性ニューロンにおけるアルファ-シヌクレイン凝集に対する効果を示す。データは、対照非傷害状態のパーセンテージとして平均±SEMで表す(n=4~6;MPP+陰性対照n=122~127複数試験にまたがり集めた)。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001 ブラウン・フォーサイスおよびウェルチANOVA検定と、ウェルチ相関一対比較を用いる事後独立t検定で対MPP+陰性対照。
存在するrhCDNFの濃度を増加させてMPP+傷害した後の中脳細胞の一次培養におけるTHニューロン数、THニューロンの総神経突起ネットワークおよびTH神経突起のシナプス数を示す。上部点線は、非傷害細胞から得たパラメータの対照レベル(100%)を示す;下部点線は、化合物でさらに処置しないMPP+傷害細胞から得たパラメータの陰性対照レベルを示す。
存在するrhCDNFの濃度を増加させてMPP+傷害した後の中脳細胞の一次培養のTHニューロンにおけるアルファ-シヌクレイン(aSyn)凝集を示す。上部点線は、CDNFでさらに処置しないMPP+傷害細胞から得たパラメータの陰性対照レベルを示す;下部点線は非傷害細胞から得たパラメータ(100%)の陰性対照レベルを表す。
図3A~3Hは、MPP+(1-メチル-4-フェニルピリジニウム)で傷害させたドパミン作動性TH(チロシンヒドロキシラーゼ)陽性ニューロンに対する親およびレトロインベルソ化合物(それぞれ配列番号1~8を有する化合物1~8)の神経保護効果およびTH陽性ニューロンにおけるアルファ-シヌクレイン凝集に対する効果を示す。データは、対照非傷害状態のパーセンテージとして平均±SEMで表す(n=4~6;MPP+陰性対照n=122~127複数試験にまたがり集めた)。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001 ブラウン・フォーサイスおよびウェルチANOVA検定と、ウェルチ相関一対比較を用いる事後独立t検定で対MPP+陰性対照。#p<0.05、##p<0.01、###p<0.001、####p<0.0001 ブラウン・フォーサイスおよびウェルチANOVA検定とウェルチ相関一対比較を用いる事後独立t検定で、同じ濃度の親および対応するレトロインベルソ化合物間。
化合物1(配列番号1)および化合物2(配列番号2)存在下、MPP+傷害後の中脳細胞の一次培養におけるTHニューロン数、THニューロンの総神経突起ネットワークおよびTH神経突起のシナプス数を示す。上部点線は、非傷害細胞から得たパラメータの対照レベル(100%)を示す;下部点線は、化合物でさらに処置しないMPP+傷害細胞から得たパラメータの陰性対照レベルを示す。
化合物1(配列番号1)および化合物2(配列番号2)存在下、中脳細胞の一次培養のTHニューロンにおけるMPP+傷害後のアルファ-シヌクレイン(aSyn)凝集を示す。上部点線は、化合物でさらに処理していないMPP+傷害細胞から得たパラメータの陰性対照レベルを示す;下部点線は非傷害細胞から得たパラメータ(100%)の陰性対照レベルを表す。
化合物3(配列番号3)および化合物4(配列番号4)存在下、MPP+傷害後の中脳細胞の一次培養におけるTHニューロン数、THニューロンの総神経突起ネットワークおよびTH神経突起のシナプス数を示す。
化合物3(配列番号3)および化合物4(配列番号4)存在下、中脳細胞の一次培養のTHニューロンにおけるMPP+傷害後のアルファ-シヌクレイン(aSyn)凝集を示す。
化合物5(配列番号5)および化合物6(配列番号6)存在下、MPP+傷害後の中脳細胞の一次培養におけるTHニューロン数、THニューロンの総神経突起ネットワークおよびTH神経突起のシナプス数を示す。
化合物5(配列番号5)および化合物6(配列番号6)存在下、中脳細胞の一次培養のTHニューロンにおけるMPP+傷害後のアルファ-シヌクレイン(aSyn)凝集を示す。
化合物7(配列番号7)および化合物8(配列番号8)存在下、MPP+傷害後の中脳細胞の一次培養におけるTHニューロン数、THニューロンの総神経突起ネットワークおよびTH神経突起のシナプス数を示す。
化合物7(配列番号7)および化合物8(配列番号8)存在下、中脳細胞の一次培養のTHニューロンにおけるMPP+傷害後のアルファ-シヌクレイン(aSyn)凝集を示す。
図4A~4Lは、MPP+(1-メチル-4-フェニルピリジニウム)で傷害させたドパミン作動性TH(チロシンヒドロキシラーゼ)陽性ニューロンに対する親およびレトロインベルソ化合物(それぞれ配列番号9~20を有する化合物9~20)の神経保護効果およびTH陽性ニューロンにおけるアルファ-シヌクレイン凝集に対する効果。データは、対照非傷害状態のパーセンテージとして平均±SEMで表す(n=4~6;MPP+陰性対照n=122~127複数試験にまたがり集めた)。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001 ブラウン・フォーサイスおよびウェルチANOVA検定と、ウェルチ相関一対比較を用いる事後独立t検定で対MPP+陰性対照。#p<0.05、##p<0.01、###p<0.001、####p<0.0001 ブラウン・フォーサイスおよびウェルチANOVA検定とウェルチ相関一対比較を用いる事後独立t検定で、同じ濃度の親および対応するレトロインベルソ化合物間。
化合物9(配列番号9)および化合物10(配列番号10)存在下、MPP+傷害後の中脳細胞の一次培養におけるTHニューロン数、THニューロンの総神経突起ネットワークおよびTH神経突起のシナプス数を示す。上部点線は、非傷害細胞から得たパラメータの対照レベル(100%)を示す;下部点線は、化合物でさらに処置しないMPP+傷害細胞から得たパラメータの陰性対照レベルを示す。
化合物9(配列番号9)および化合物10(配列番号10)存在下、中脳細胞の一次培養のTHニューロンにおけるMPP+傷害後のアルファ-シヌクレイン(aSyn)凝集を示す。上部点線は、化合物でさらに処理していないMPP+傷害細胞から得たパラメータの陰性対照レベルを示す;下部点線は非傷害細胞から得たパラメータ(100%)の陰性対照レベルを表す。
化合物11(配列番号11)および化合物12(配列番号12)存在下、MPP+傷害後の中脳細胞の一次培養におけるTHニューロン数、THニューロンの総神経突起ネットワークおよびTH神経突起のシナプス数を示す。
化合物11(配列番号11)および化合物12(配列番号12)存在下、中脳細胞の一次培養のTHニューロンにおけるMPP+傷害後のアルファ-シヌクレイン(aSyn)凝集を示す。
化合物13(配列番号13)および化合物14(配列番号14)存在下、MPP+傷害後の中脳細胞の一次培養におけるTHニューロン数、THニューロンの総神経突起ネットワークおよびTH神経突起のシナプス数を示す。
化合物13(配列番号13)および化合物14(配列番号14)存在下、中脳細胞の一次培養のTHニューロンにおけるMPP+傷害後のアルファ-シヌクレイン(aSyn)凝集を示す。
化合物15(配列番号15)および化合物16(配列番号16)存在下、MPP+傷害後の中脳細胞の一次培養におけるTHニューロン数、THニューロンの総神経突起ネットワークおよびTH神経突起のシナプス数を示す。
化合物15(配列番号15)および化合物16(配列番号16)存在下、中脳細胞の一次培養のTHニューロンにおけるMPP+傷害後のアルファ-シヌクレイン(aSyn)凝集を示す。
化合物17(配列番号17)および化合物18(配列番号18)存在下、MPP+傷害後の中脳細胞の一次培養におけるTHニューロン数、THニューロンの総神経突起ネットワークおよびTH神経突起のシナプス数を示す。
化合物17(配列番号17)および化合物18(配列番号18)存在下、中脳細胞の一次培養のTHニューロンにおけるMPP+傷害後のアルファ-シヌクレイン(aSyn)凝集を示す。
化合物19(配列番号19)および化合物20(配列番号20)存在下、MPP+傷害後の中脳細胞の一次培養におけるTHニューロン数、THニューロンの総神経突起ネットワークおよびTH神経突起のシナプス数を示す。
化合物19(配列番号19)および化合物20(配列番号20)存在下、中脳細胞の一次培養のTHニューロンにおけるMPP+傷害後のアルファ-シヌクレイン(aSyn)凝集を示す。
化合物14と複合体化したGRP78(GRP78-NBD)のヌクレオチド結合ドメインのコンピューターによる分子モデルを示す。GRP78-NBDを、その模式的トレースと共に半透明表面モデルで示す。化合物14(配列番号14)におけるCys-Cys結合は灰色棒で示す。
代表的な一連のペプチドのGRP78-NBDの結合親和性(Kd、μMで)を表で示す。結合親和性を、マイクロスケール熱泳動ベースの無細胞アッセイにより得る。
化合物14(配列番号14)および20(配列番号20)の神経保護活性の小胞体ストレス応答(UPR)経路シグナル伝達活性への依存を示す。GSK2606414をPERKシグナル伝達阻害に、そしてKIRA6をIRE1アルファシグナル伝達阻害に使用した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001一元配置ANOVA検定と事後フィッシャーLSD検定でMPP+陰性対照に対して一対比較。#p<0.05、##p<0.01、###p<0.001、####p<0.0001一元配置ANOVA検定と事後フィッシャーLSD検定で化合物単独およびUPRシグナル阻害剤との組み合わせの間の一対比較。
図6A~6Bは、ラット血漿およびヒト血漿における親(配列番号1~8を有する化合物1~8)およびレトロインベルソ化合物(配列番号1~8、13~14および19~20を有する化合物1~8、13~14および19~20)のインビトロ代謝安定性を示す。
ラット血漿における化合物消失に基づき計算した半減期を示す。
ヒト血漿における化合物消失に基づき計算した半減期を示す。カラム上の角括弧および数字はレトロインベルソ化合物の半減期の変化を、対応する親化合物と比較して示す。ND、技術的問題によりアッセイで検出されず。789分の最高計算半減期は、実験カットオフ時間限界を示す。
図7A~7Bは、ラット肝細胞およびヒト肝細胞における親(配列番号1~8を有する化合物1~8)およびレトロインベルソ化合物(それぞれ配列番号1~8、13~14および19~20を有する化合物1~8、13~14および19~20)のインビトロ代謝安定性を示す。
ラット肝細胞における化合物消失に基づき計算した半減期を示す。
ヒト肝細胞における化合物消失に基づき計算した半減期を示す。カラム上の角括弧および数字はレトロインベルソ化合物の半減期の変化を、対応する親化合物のパーセンテージとして示す。395分の最高計算半減期は、実験カットオフ時間限界を示す。
血液脳関門の3Dインビトロモデルを通る親およびレトロインベルソ化合物(それぞれ配列番号1~14および17~20を有する化合物1~14および17~20)の浸透を示す。人工血液脳関門を通過する化合物の量を、最初に適用した濃度のパーセンテージで表す。データは平均±SEMで示す(n=3~4)。****p<0.0001、n.s. 非有意、ブラウン・フォーサイスおよびウェルチANOVA検定とウェルチ相関一対比較を用いる事後独立t検定で親および対応するレトロインベルソ化合物の間。
5mg/kg用量でラットに静脈内投与した後2分、5分、15分、30分、1時間、2時間および4時間後に測定したレトロインベルソ化合物6、12、14および20(配列番号6、12、14および20)、天然化合物13(配列番号13)および天然対照化合物の血漿濃度を示す。データは平均±SEMで示す(n=3)。
10mg/kg静脈内ボーラス注射後の化合物20(配列番号18)の脳間質液(ISF;線条体)分布動態を示す。ISF濃度は微小透析フィルターリカバリー-%により正規化されている(インビトロ実験により決定)。化合物をLC-MS/MSを使用してISFおよび血漿から検出した。
CDNFおよびMANFのC末端ドメインのペアワイズアラインメントを示す。アラインメントを次のGenbank読み出し配列を使用して実施した:ヒトCDNFについて、受託番号NP_001025125.2およびヒトMANFについて、受託番号NP_006001.5。CXXCモチーフを灰色背景で示し、3個のα-らせんの位置を示す。
10の異なる種(それぞれ配列番号47~66)からのCDNFおよびMANF(61-63aa)のC末端ドメインのClustalW多重配列アラインメントを示す。Genbank受託番号を配列アラインメントに示す。CXXCモチーフを灰色背景で示し、3個のα-らせんの位置を示す。これら代表的配列(CDNFおよびMANF両者内)間で保存されているこれら塩基を太字で示す。配列アラインメントの下、代表的10種で見られる各位置毎の天然バリアントを示す。示す配列および種の一覧を使用して、保存的および可変的位置を同定でき、大部分の非必須アミノ酸残基について限定的な変動しか可能ではないことが示される。
化合物17~20(それぞれ配列番号17~20)の構造式を示す。標準的略語としてのアミノ酸名を、配列順と共に式の下に示す(天然ペプチドでNH→COOHおよびレトロインベルソペプチドでCOOH→NH)。灰色矢印は、L-アミノ酸からなる線形ペプチドのアミドペプチド結合におけるアミン基およびカルボニル基とD-アミノ酸からなるレトロインベルソペプチドの異なる順番を説明するために、各化合物で単一ペプチド結合を刺す。
配列表
配列番号1 MRVAELKQILHSWGEECRACAEK
配列番号2 KEACARCEEGWSHLIQKLEAVRM
配列番号3 LRVKELKKILDDWGETCKGCAEK
配列番号4 KEACGKCTEGWDDLIKKLEKVRL
配列番号5 GEECRACAEKT
配列番号6 TKEACARCEEG
配列番号7 GETCKGCAEKS
配列番号8 SKEACGKCTEG
配列番号9 GEECRGACAEKT
配列番号10 TKEACAGRCEEG
配列番号11 GETCKGGCAEKS
配列番号12 SKEACGGKCTEG
配列番号13 EECRACAEK
配列番号14 KEACARCEE
配列番号15 ETCKGCAEK
配列番号16 KEACGKCTE
配列番号17 EECRACAE
配列番号18 EACARCEE
配列番号19 ETCKGCAE
配列番号20 EACGKCTE
配列番号21 C-X-X-X-C
配列番号22 E-X-C-X-X-X-C-A-E
配列番号23 X-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X-X10-X11
配列番号24 X12-X13-X14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-V-X24-E-L-K-X25-I-L-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X-X10-X11
配列番号25 RVAELKQILHSWGEECRACAEKTDYVNLIQELAPKYA、天然ヒトCDNFペプチド
配列番号26 RVKELKKILDDWGETCKGCAEKSDYIRKINELMPKYA、天然ヒトMANFペプチド
配列番号27 X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-V-X24-E-L-K-X25-X26-L-X-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X-X10-X11
配列番号28 X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-V-X24-E-L-K-X25-X26-L-X-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X-X10
配列番号29 X14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-V-X24-E-L-K-X25-X26-L-X-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X
配列番号30 X13-X14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-V-X24-E-L-K-X25-X26-L-X-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E
配列番号31 KDEL
配列番号32 CRAC
配列番号33 CKGC
配列番号34 CXXC
配列番号35 ETCKGCAE
配列番号36 TCKGCA
配列番号37 MWCASPVAVV AFCAGLLVSH PVLTQGQEAG GRPGADCEVC KEFLNRFYKS LIDRGVNFSL DTIEKELISF CLDTKGKENR LCYYLGATKD AATKILSEVT RPMSVHMPAM KICEKLKKLD SQICELKYEK TLDLASVDLR KMRVAELKQI LHSWGEECRA CAEKTDYVNL IQELAPKYAA THPKTEL 完全長CDNF(NCBI参照配列: NP_001025125.2)
配列番号38 MRRMWATQGL AVALALSVLP GSRALRPGDC EVCISYLGRF YQDLKDRDVT FSPATIENEL IKFCREARGK ENRLCYYIGA TDDAATKIIN EVSKPLAHHI PVEKICEKLK KKDSQICELK YDKQIDLSTV DLKKLRVKEL KKILDDWGET CKGCAEKSDY IRKINELMPK YAPKAASART DL 完全長MANF(NCBI参照配列: NP_006001.5)
配列番号39 TLDLASVDLRKMRVAELKQILHSWGEECRACAEKTDYVNLIQELAPKYA(49aa CDNF)
配列番号40 RVAELKQILHSWGEECRACAEKTDYVNLIQELAPKYA(37aa CDNF)
配列番号41 TLDLASVDLRKMRVAELKQILHSWGEECRACAEKT(35aa CDNF)
配列番号42 LASVDLRKMRVAELKQILHSWGEECRACAEKT(32 CDNF)
配列番号43 QIDLSTVDLKKLRVKELKKILDDWGETCKGCAEKSDYIRKINELMPKYA(49aa MANF)
配列番号44 RVKELKKILDDWGETCKGCAEKSDYIRKINELMPKYA(37aa MANF)
配列番号45 QIDLSTVDLKKLRVKELKKILDDWGETCKGCAEKS(35aa MANF)
配列番号46 LSTVDLKKLRVKELKKILDDWGETCKGCAEKS(32aa MANF)
配列番号47 KYEKTLDLASVDLRKMRVAELKQILHSWGEECRACAEKTDYVNLIQELAPKYA ATHPKTEL、ヒトCDNF(NP_001025125.2)
配列番号48 KYEKKLDLASVDLLKMRVAELKQILNSWGEECRACAEKSDYVNLIKELAPKYA AMHPKTEL、ウマCDNF(XP_001498617.2)
配列番号49 KYEKKLDLASVDLSKMRVAELKQILHGWGEECRACAEKTDYVNLIKELAPKYA ATHPQTEL、バイソンCDNF(XP_010858254.1)
配列番号50 KYEKKLDLASVDLSKMRVAELQILYSWGEECRACAEKTDYVNLIKELAPKYTE TPPQTEL、ブタCDNF(XP_003130787.1)
配列番号51 KYEKKLDLASVDLSKMRVAELKQILHSWGEECIACAEKTDYVNLITELAPKYAA AHPKTEL、イヌCDNF(XP_848954.2)
配列番号52 KYGKKLDLASVDLWKMRVAELKQILQRWGEECRACAEKSDYVNLIRELAPKY VEIYPQTEL、マウスCDNF(NP_808315.1)
配列番号53 NYEKKLDLASVDLWKMRDAELKQILHSWGEECRACAEKNDYVNLIKELAPKY VEIHPQIEL、ハムスターCDNF(XP_027261009.1)
配列番号54 KYERKLDLTSVDLSKMRVAELRKILDSWGEVCKACIEKTEFVNLIKELAPKYA PPNSRADL、アリゲーターCDNF(XP_019343086.1)
配列番号55 KYEKKLDLASVDLSKMRVAELKQILYSWGEECRACVEKTDYVNLIKELAPKYT ATYPKTEL、イルカCDNF(XP_026977721.1)
配列番号56 RYERLVLDWSTDALSKMRALELKRVLASWGEECRACLEKSEFIALIQEVAPKH SASEHRAHTEEF、ゼブラフィッシュCDNF(NP_001116753.1)
配列番号57 KYDKQIDLSTVDLKKLRVKELKKILDDWGETCKGCAEKSDYIRKINELMPKYAP KAASARTDL、ヒトMANF(NP_006001.5)
配列番号58 KYDKQIDLSTVDLKKLRVKELKKILDDWGETCKGCAEKSDYIRKINELMPKYAP KAASSRTDL、ウマMANF(NP_001184244.1)
配列番号59 KYDKQIDLSTVDLKKLRVKELKKILDDWGETCKGCAEKSDYIRKINELMPKYAP KAASSRTDL、バイソンMANF(XP_010850093.1)
配列番号60 KYDKQIDLSTVDLKKLRVKELKKILDDWGETCKGCAEKSDYIRKINELMPKYAP KAASSRTDL、ブタMANF(NP_001231584.1)
配列番号61 KYDKQIDLRTVDLKKLRVRELKKILDDWGETCKGCAEKSDYIRKINELMPKYAP KAASSRTDL、イヌMANF(XP_003639808.2)
配列番号62 KYDKQIDLSTVDLKKLRVKELKKILDDWGEMCKGCAEKSDYIRKINELMPKYAP KAASARTDL、マウスMANF(NP_083379.2)
配列番号63 KYDKQIDLSTVDLKKLRVKELKKILDDWGEMCKGCAEKSDYIRKINELMPKYAP KAASARTDL、ハムスターMANF(RLQ67668)
配列番号64 KYDKQIDLSTVDLKKLRVKELKKILDDWGETCKGCAEKSDYIRKINELMPKYAP KAASSRTDL、アリゲーターMANF(XP_014455597.1)
配列番号65 KYDKQIDLSTVDLKKLRVKELKKILDDWGETCKGCAEKSDYIRKINELMPKYAP KAASSRTDL、イルカMANF(XP_026976745.1)
配列番号66 KYDKQVDLSSVDLKKLKVKDLKKILEEWGESCKGCVEKSDFIRKINELMPKYA PSAAKARTDL、ゼブラフィッシュMANF(NP_001070097.1)
発明の詳細な記載
用語「修飾ペプチド」は、修飾されているまたは合成ペプチドまたはポリペプチドをいう。ペプチド修飾または合成選択肢は、例えばレトロインベルソ異性化ペプチド、環状ペプチド、ペプチド模倣体、クリック化学、ステープルペプチド、N末端修飾、C末端修飾、同位体標識ペプチド、ビオチニル化およびタグ付きペプチド、蛍光色素標識ペプチド、ペプチド二量体、翻訳後修飾、内部消光/FRETペプチド、リンカー/スペーサー/ペグ化、ペプチド貯留、タンパク質コンジュゲート、免疫原性ペプチドおよび不自然アミノ酸の取り込みを含む。「天然でコードされないアミノ酸」は、20の一般的アミノ酸の一つまたはピロリシンまたはセレノシステインではないアミノ酸をいう。用語「天然でコードされないアミノ酸」と同義で使用され得る他の用語は、「非天然アミノ酸」、「不自然アミノ酸」、「天然に存在しないアミノ酸」ならびにその種々のハイフンで結ばれたおよびハイフンで結ばれていないバージョンである。用語「天然でコードされないアミノ酸」は、天然にコードされるアミノ酸(20の一般的アミノ酸またはピロリシンおよびセレノシステインを含むが、これらに限定されない)の修飾(例えば翻訳後修飾)により生ずるが、それ自体、翻訳複合体により伸長中のポリペプチド鎖に天然に取り込まれないアミノ酸も含むが、これに限定されない。このような天然に存在しないアミノ酸の例は、N-アセチルグルコサミニル-L-セリン、N-アセチルグルコサミニル-L-スレオニンおよびO-ホスホチロシンを含むが、これらに限定されない。
用語「レトロインベルソ」は、アミノ酸の1以上がDアミノ酸(インベルソ)でありかつペプチド配列が逆の順番(レトロ)である、ペプチド配列をいう。ある実施態様において、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個または32個のDアミノ酸が存在し得る。ある実施態様において、レトロインベルソペプチドは、交互のキラリティーのアミノ酸を含む。ある実施態様において、レトロインベルソペプチドは、全Dアミノ酸を含む。ここで使用するキラリティーは、アミノ酸のDおよびL異性体をいう。説明のために、配列CXCを有するレトロインベルソペプチドは、配列CXCを有し、ここで、アミノ酸の少なくとも1以上がDアミノ酸である。D-アミノ酸からなるペプチドは、L-アミノ酸からなるタンパク質およびペプチドの分解のために進化したプロテアーゼの基質にほとんどならないため、代謝に安定である。しかしながら、D-ペプチドは、例えばらせん構造の掌性が逆であり、すなわち、アミノ酸側鎖は鏡像として位置する。D-ペプチドの配列順の逆転は、側鎖配向がL-ペプチドアナログを模倣する、換言すればレトロインベルソ異性化の構造を提供する。短非らせんレトロインベルソペプチドは、標的結合でその天然L-タンパク質対応物を機能的に模倣できる。
レトロインベルソ異性化の原則は、例えば線形ペプチドが
NH-Gly-L-Glu-L-Glu-L-Cys-L-Arg-L-Ala-L-Cys-L-Ala-L-Glu-L-Lys-L-Thr-COOH(配列番号5)
であるとき、レトロインベルソ異性化が
NH-D-Thr-D-Lys-D-Glu-D-Ala-D-Cys-D-Ala-D-Arg-D-Cys-D-Glu-D-Glu-Gly-COOH(配列番号6)
であることである。
レトロインベルソ異性化の原則の例は、化合物17~20(それぞれ配列番号17~20)について図12にも示される。
用語「シュードペプチド」は、天然ペプチドまたはタンパク質で生じないアミノ酸のアミド、特にポリペプチド鎖に導入されたものをいう。シュードペプチドまたはアミノ結合サロゲートは、主鎖修飾ペプチドをいうために使用できる、多様な用語の一つである。これらペプチドの合成アナログは多様な用途の可能性があるが、これらの領域で興味が持たれている大部分は、代謝安定かつおそらく経口活性である、生物学的効力が増強したペプチドホルモンアナログまたは酵素阻害剤を開発する可能性に焦点が集まっている。本用語は、当業者に知られるペプチド主鎖修飾(すなわち、アミド結合模倣体)を特に含む。このような修飾は、アミド窒素、α-炭素、アミドカルボニル、アミド結合の完全置換、伸長、欠失または主鎖架橋の修飾を含む。Ψ[CHS]、ψ[CHNH]、ψ[CSNH]、ψ[NHCO]、ψ[COCH]およびψ[(E)または(Z)CH=CH]を含むいくつかのペプチド主鎖修飾が知られる。上記命名法において、ψはアミド結合がないことを示す。アミド基に変わる構造を、括弧内に具体的に示す。
ここで使用するとき、2個の物が互いに「コンジュゲート」されるとき、それらは、直接または間接共有結合的または非共有結合的相互作用により連結される。ある態様において、結合は共有結合的である。他の態様において、結合は非共有結合的である。非共有結合的相互作用は、水素結合、ファンデルワールス力相互作用、疎水性相互作用、磁気相互作用、静電気相互作用などを含む。間接共有結合的相互作用は、所望によりリンカー基を介して、2個の物が共有結合で結合するときである。「コンジュゲート」は、ここでは、検出可能な化学または生化学部分またはPEGまたは血漿半減期の延長のために使用される他の部分コンジュゲートまたは結合されることを意味する。ある例において、ここに開示する1以上のペプチドは、例えば、担体タンパク質にコンジュゲートされ得る。このようなコンジュゲート組成物は、単価でも多価でもよい。例えば、コンジュゲート組成物は、担体タンパク質にコンジュゲートしたここに開示する1個のペプチドを含み得る。あるいは、コンジュゲート組成物は、担体にコンジュゲートしたここに開示する2個以上のペプチドを含み得る。
「血液脳関門」または「BBB」は、中枢神経系における循環血液と脳および細胞外液を分ける、高度に選択的な半透膜関門である。BBBは、毛細血管壁内皮細胞、毛細血管を鞘で覆う星状細胞終足および毛細血管基底膜に包埋される周皮細胞により形成される。本システムは、ある分子の受動拡散による通過ならびに神経機能に重要なグルコース、水およびアミノ酸などの分子の選択的輸送を可能とする。タンパク質などの大型分子は概してBBBを通過できない。しかしながら、一部ペプチドは種々の機構を介してBBBを通過でき、また脳血管内皮細胞表面に存在するトランスポータータンパク質の特異的認識モチーフを含む一部タンパク質もBBBを超える輸送がされる。
ここで使用する「薬学的に許容される担体」は、ヒトに投与するのに適する医薬などの医薬の製剤に使用することが許容される、1以上の溶媒、緩衝液、溶液、分散媒体、コーティング、抗細菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤などを含み得る。薬学的活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は当分野で周知である。補助的活性成分も組成物に包含させ得る。
CDNFおよびMANFは約60%アミノ酸配列相同性を共有するだけでなく(図10および11)、三次元構造が非常に類似している。CDNFおよびMANFの何れも、柔軟性ループ領域により接続された2個の独立して折りたたまれたドメインからなる。二次構造は主にα-らせんであり、N末端ドメインに5個のα-らせんおよびC末端ドメインに3個のα-らせんがある。3個のジスルフィド架橋がN末端ドメインを安定化し、CDNFのC末端CRAC(配列番号32)配列、MANFのCKGC(配列番号33)が内部ジスルフィド架橋を形成する。このCXXC(配列番号34)ジスルフィド架橋はCDNFおよびMANF両者で見られる。CXXCモチーフはMANFおよびCDNFの神経保護活性に有益である。しかしながら、ここに示すデータは、CXXC(配列番号34)モチーフが小アミノ酸(例えばグリシンおよびセリン)の付加などのある修飾を収容できる、すなわち特定のタイプのCXXXCモチーフも使用され得ることを示す。ある態様において、CDNFはNP_001025125.2(配列番号37)に由来する配列を有する。ある態様において、MANFはNP_006001.5(配列番号38)に由来する配列を有する。
MANFおよびCDNFペプチドに由来する天然に存在するアレルバリアントに加えて、コードされるMANF/CDNFペプチドのアミノ酸配列を改変させる変化を、MANF/CDNF配列への変異により導入し得る。「非必須」アミノ酸残基でアミノ酸置換に至るヌクレオチド置換を、MANF/CDNFペプチドの配列に行い得る。1以上の「非必須」置換を含むMANF/CDNFペプチドまたはその機能的フラグメントは、ここに開示する野生型MANF/CDNFペプチドと等価であるとして見られ得る。
各アミノ酸は天然アミノ酸でも非天然アミノ酸でもよい。用語「非天然アミノ酸」は、天然アミノ酸の構造および反応性を模倣するように、天然アミノ酸に類似する構造を有する点で、天然アミノ酸の同類物である有機化合物をいう。非天然アミノ酸は、20の一般に天然に存在するアミノ酸または稀天然アミノ酸セレノシステインまたはピロリシンではない修飾アミノ酸および/またはアミノ酸アナログであり得る。非天然アミノ酸は天然アミノ酸のD-異性体でもよい。
適当なアミノ酸の例は、アラニン、アロイソロイシン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シクロヘキシルアラニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、4-フルオロフェニルアラニン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、ホモプロリン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、ナフチルアラニン、ノルロイシン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、ピペコリン酸、プロリン、ピログルタミン酸、サルコシン、セリン、セレノシステイン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、誘導体またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
用語「薬学的に許容される」は、ここでは、合理的な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答または他の問題または合併症なくヒトおよび動物の組織と接触させる利用に適し、合理的利益/リスク比に釣り合う、化合物、物質、組成物および/または投与形態をいうために用いる。
「薬学的に許容される塩」は、非毒性で、生物学的に忍容性であるまたは他の点で対象への投与に生物学的に適する、ここに示す化合物の遊離酸または塩基の塩を意味することを意図する。一般に、S.M. Berge, et al., “Pharmaceutical Salts,” J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19参照。好ましい薬学的に許容される塩は、薬理学的に有効でありかつ過度の毒性、刺激またはアレルギー性応答なく、対象の組織と接触させるのに適するものである。ここに記載する化合物は、十分に酸性の基、十分に塩基性の基、両タイプの官能基または1を超える各タイプを有し、よって、多数の無機または有機塩基および無機および有機酸と反応して、薬学的に許容される塩を形成し得る。
アミンなどの塩基性基を含むここに記載する化合物について、薬学的に許容される塩は、当分野で利用可能なあらゆる適当な方法により、例えば、遊離塩基を塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸、ホウ酸、リン酸などの無機酸または酢酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸、乳酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、イセチオン酸、コハク酸、吉草酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、グルクロン酸またはガラクツロン酸などのピラノシジル酸、マンデル酸、クエン酸または酒石酸などのアルファ-ヒドロキシ酸、アスパラギン酸またはグルタミン酸などのアミノ酸、安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、ナフトエ酸またはケイ皮酸などの芳香族酸、ラウリルスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸またはエタンスルホン酸などのスルホン酸またはここに例として示すもののなどの酸の適合性のあらゆる混合物および本テクノロジーにおける通常の技術レベルに照らして、等価または許容される代替として認識されるあらゆる他の酸およびそれらの混合物で処理して、製造し得る。
カルボン酸基などの酸性基を含むここに記載する化合物について、塩基付加塩を、当分野で利用可能なあらゆる方法により、例えば、このような化合物を十分量の所望の塩基と、そのまままたは適当な不活性溶媒で処理して、製造できる。薬学的に許容される塩基付加塩の例は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、亜鉛またはマグネシウム塩または他の金属塩;アルキル、ジアルキル、トリアルキルまたはテトラ-アルキルアンモニウム塩などの有機アミノ塩を含むが、これらに限定されない。
薬学的に許容される塩の他の例は、カンシル酸塩、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ベシル酸塩、キシレンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩およびマンデル酸塩を含むが、これらに限定されない。他の適当な薬学的に許容される塩の一覧は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th Edition, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985に見ることができる。
中性形態の化合物を、好ましくは慣用法で塩と塩基または酸を接触させ、親化合物を単離することにより再生する。親形態の化合物は、極性溶媒での溶解度などある物理的性質が種々の塩形態と異なるが、それ以外、塩は本願の目的で親形態の化合物と等価である。
本発明の実施態様において、ペプチドまたはフラグメントの長さは8~32アミノ酸、の範囲であり、ここで、ペプチドまたはそのフラグメントはここに記載するとおり、CXC(配列番号21)を含む。ある実施態様において、好ましいペプチドまたはフラグメントは、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31または32アミノ酸からなり得る。ある実施態様において、ペプチドまたはフラグメントの長さは、8~23、11~23、12~23、8~11または8~12アミノ酸の範囲内である。ある実施態様において、ペプチドまたはフラグメントの長さは、8~31、8~29、8~27、8~25、8~23、8~21、8~19、8~17、8~15、11~27、11~25、11~23、11~21、11~19、11~17、11~15、12~25、12~23、12~21、12~19、12~17、12~15、23~27、24~27または25~27アミノ酸の範囲内である。フラグメントは、アラニン[Ala(A)]、アルギニン[Arg(R)]、アスパラギン[Asn(N)]、アスパラギン酸[Asp(D)]、システイン[Cys(C)]、グルタミン[Gln(Q)]、グルタミン酸[Glu(E))]、グリシン[Gly(G)]、ヒスチジン[His(H)]、イソロイシン[Ile(I)]、ロイシン[Leu(L)]、リシン(Lys(K)]、メチオニン[Met(M)]、フェニルアラニンPhe(F)]、プロリン[Pro(P)]、セリン[Ser(S)]、スレオニン[Thr(T)]、トリプトファン[Trp(W)]、チロシン[Tyr(Y)]およびバリン[Val(V)]ならびに非天然または修飾アミノ酸などの天然に存在するアミノ酸の何れを含んでもよい。
シクロチドは、植物から単離される小さなジスルフィドに富むペプチドである。シクロチドは、概して28~37アミノ酸を含み、頭-尾環化ペプチド主鎖および3個のジスルフィド結合の連動式配置を有する。植物シクロチドのファミリーは潜在的CXXCおよびCXXXCモチーフを伴う環状ペプチドを含み得るが、哺乳動物細胞でCDNFおよびMANFがするのに類似する細胞保護的性質を有する、すなわちERストレス誘導細胞機能不全または細胞死、例えばアポトーシスから保護することは知られていない。
ある実施態様において、本願発明ペプチドは、植物シクロチドまたは植物シクロチドのファミリーと関連しない。
好ましくは、本明細書に開示するペプチドは、チオレドキシンおよび/またはタンパク質ジスルフィドイソメラーゼファミリーのタンパク質由来ではない。
本発明は、C-X-X-X-C(配列番号21)
〔式中、
はR、K、I、G、AおよびSからなる群から選択され;
は存在しないかまたはG、A、R、K、IおよびSからなる群から選択され;そして
はA、GおよびSからなる群から選択される。〕
のレトロインベルソ形態のアミノ酸配列を含む8~32アミノ酸の長さのペプチドまたはその薬学的に許容される塩を提供する。
好ましい実施態様において、ペプチドは、E-X-C-X-X-X-C-A-E(配列番号22)
〔式中、
はR、K、I、G、AおよびSからなる群から選択され;
は存在しないかまたはG、A、R、K、IおよびSからなる群から選択され;
はA、GおよびSからなる群から選択され;そして
はE、T、V、D、MおよびGからなる群から選択される。〕
のレトロインベルソ形態のアミノ酸配列を含む。
異なる種におけるCDNFおよびMANF配列の天然バリエーションに基づき(ヒト、ウマ、バイソン、ブタ、イヌ、マウス、ハムスター、アリゲーター、イルカおよびゼブラフィッシュCDNFおよびMANFが図11で配列例として使用される)、ヒト配列と比較してX基に関してペプチド配列における限定的変化が生物学的活性を失うことなく収容され得る。
他の好ましい実施態様において、ペプチドは、X-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X-X10-X11(配列番号23)
〔式中、
はR、K、I、G、AおよびSからなる群から選択され;
は存在しないかまたはG、A、R、K、IおよびSからなる群から選択され;
はA、GおよびSからなる群から選択され;
はE、T、V、D、MおよびGからなる群から選択され;
は存在しないかまたはH、D、Q、R、Y、NおよびSからなる群から選択され;
は存在しないかまたはS、D、G、NおよびRからなる群から選択され;
は存在しないかまたはWであり;
は存在しないかまたはGであり;
は存在しないかまたはKであり;
10は存在しないかまたはT、S、A、IおよびNからなる群から選択され;そして
11は存在しないかまたはDおよびEから選択される。〕
のレトロインベルソ形態のアミノ酸配列を含む。
他の好ましい実施態様において、ペプチドは、X12-X13-X14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-V-X24-E-L-K-X25-X26-L-X-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X-X10-X11(配列番号24)
〔式中、
はR、K、I、G、AおよびSからなる群から選択され;
は存在しないかまたはG、A、R、K、IおよびSからなる群から選択され;
はA、GおよびSからなる群から選択され;
は存在しないかまたはG、A、R、K、IおよびSからなる群から選択され;
はA、GおよびSからなる群から選択され;
はE、T、V、D、MおよびGからなる群から選択され;
は存在しないかまたはH、D、Q、R、Y、NおよびSからなる群から選択され;
は存在しないかまたはS、D、G、NおよびRからなる群から選択され;
は存在しないかまたはWであり;
は存在しないかまたはGであり;
は存在しないかまたはKであり;
10は存在しないかまたはT、S、A、IおよびNからなる群から選択され;そして
11は存在しないかまたはDおよびEから選択され;
12は存在しないかまたはL、IおよびVからなる群から選択され;
13は存在しないかまたはDであり;
14は存在しないかまたはLおよびWから選択され;
15は存在しないかまたはA、S、T、EおよびNからなる群から選択され;
16は存在しないかまたはSおよびTから選択され;
17は存在しないかまたはVおよびDから選択され;
18は存在しないかまたはDおよびAから選択され;
19は存在しないかまたはLであり;
20は存在しないかまたはR、K、SおよびWからなる群から選択され;
21は存在しないかまたはKであり;
22は存在しないかまたはM、L、IおよびVからなる群から選択され;
23は存在しないかまたはRであり;
24はA、K、T、LおよびVからなる群から選択され;
25はQ、KおよびRからなる群から選択され;そして
26は存在しないかまたはIおよびVから選択される。〕
のアミノ酸配列内である、レトロインベルソ形態のアミノ酸配列を含む。
ある実施態様において、ペプチドは、配列番号24内の8~23アミノ酸長ペプチドを含み、ここで、ペプチドはCXC(配列番号21)モチーフを含む。
他の好ましい実施態様において、ペプチドは、
16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-V-X24-E-L-K-X25-X26-L-X-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X-X10-X11(配列番号35)、
15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-V-X24-E-L-K-X25-X26-L-X-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X-X10(配列番号36)、
14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-V-X24-E-L-K-X25-X26-L-X-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X(配列番号37)および
13-X14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-V-X24-E-L-K-X25-X26-L-X-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E(配列番号38)。〕
からなる群から選択されるアミノ酸配列内である、レトロインベルソ形態のアミノ酸配列を含む。ある実施態様において、ペプチドは、配列番号35~38内の何れか内の8~23アミノ酸長ペプチドを含み、ここで、ペプチドはCXC(配列番号21)モチーフを含む。
ある例において、ペプチドは、アミノ酸配列の配列番号39内またはアミノ酸配列の配列番号43内である、アミノ酸配列を含む。
好ましくは、ペプチド、特に-ペプチドは、KEACARCEEGWSHLIQKLEAVRM(配列番号2)、KEACGKCTEGWDDLIKKLEKVRL(配列番号4)、TKEACARCEEG(配列番号6)、SKEACGKCTEG(配列番号8)、TKEACAGRCEEG(配列番号10)、SKEACGGKCTEG(配列番号12)、KEACARCEE(配列番号14)、KEACGKCTE(配列番号16)、EACARCEE(配列番号18)およびEACGKCTE(配列番号20)からなる群から選択される配列からなり、ここで、ペプチドの全アミノ酸はD-アミノ酸である。
ある実施態様において、ペプチドは、小胞体(ER)ストレス誘導細胞機能不全または細胞死、例えばアポトーシスから保護する。
ある実施態様において、ペプチドのN末端はアセチル化される。ある実施態様において、ペプチドのC末端はアミド化され得る。ある実施態様において、ペプチドのN末端はアセチル化され、ペプチドのC末端はアミド化され得る。
ある実施態様において、ペプチドはシュードペプチドである。
ある実施態様において、ペプチドは環状である。
ある例において、ペプチドは11~32アミノ酸長である。ある例において、ペプチドは12~32アミノ酸長である。ある例において、ペプチドは12~23アミノ酸長である。ある例において、ペプチドは8~23アミノ酸長である。ある例において、ペプチドは8~13アミノ酸長である。ある例において、ペプチドは8~12アミノ酸長である。
好ましい実施態様において、修飾ペプチドシステイン(C)は、還元形態またはジスルフィド架橋形態である。
ある実施態様において、ここに記載するペプチドはGRP78に結合する。
ある態様において、ここに記載するペプチドは、その親対応物より少なくとも1.5倍安定である。ある実施態様において、ここに記載するペプチドは、その親対応物より少なくとも2倍、3倍または4倍安定である。ある態様において、ペプチドdescribedは、その親対応物より少なくとも1.5倍長い半減期を有する。ある実施態様において、ここに記載するペプチドは、その親対応物より少なくとも2倍、3倍または4倍長い半減期を有する。
ある態様において、ペプチドは、ペプチドのN末端からC末端へ接続させる結合を含み得る。
ある態様において、ペプチドのN末端はアセチル化され得る。ある態様において、ペプチドのC末端はアミド化され得る。ある態様において、ペプチドのN末端はアセチル化されてよく、ペプチドのC末端はアミド化されてよい。
他の好ましい実施態様において、ペプチドは、検出可能な部分、化学部分または生化学部分またはポリエチレングリコール(PEG)にコンジュゲートされる。
ペプチドは、フルオロフォア(例えばフルオレセインまたはローダミン)などの検出可能な化学または生化学部分にコンジュゲートされ得る。例えばSPECTまたはPET造影に使用するために、ペプチドの放射標識を使用し得る。ここで使用する「検出可能な化学または生化学部分」は、可視、蛍光、化学発光または他の検出可能な化学タグ;基質存在下検出可能である酵素、例えば、NBTとBCIPと組み合わせたアルカリホスファターゼまたは適当な基質と組み合わせたペルオキシダーゼ;検出可能なタンパク質、例えば、緑色蛍光タンパク質から選択される検出可能な分子などの、ペプチドの検出を容易にする目的のアミノ酸配列または検出可能な化学または生化学部分を示す化学タグを意味する。好ましくは、タグはフラグメントの標的細胞への浸透を阻止または妨害せずまたは他に化合物の生物学的活性を変えない。
ペプチドまたはフラグメントの安定性および/または細胞透過性をさらに増加させるためのC末端CDNFフラグメントまたはC末端MANFフラグメントのNおよび/またはC末端修飾も好ましい。CDNFフラグメントまたはMANFフラグメントの末端のアセチル化-アミド化(すなわちN末端アセチル化およびC末端アミド化)は、当分野で知られる選択肢の一つである(例えばMarino et al. 2015, ACS Chem. Biol. 10: 1754-1764参照)。
ある例において、ここに記載するペプチドは、次の性質の少なくとも1個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個または7個)を有する:(i)ペプチドは、TH陽性ニューロンをMPP毒性から用量依存的に保護できる;(ii)ペプチドは、TH陽性ニューロンにおけるアルファ-シヌクレイン封入体の数を減少させる;(iii)ペプチドは、その親対応物と比較して改善された血漿での安定性を有する;(iv)ペプチドは、その親対応物と比較して改善された肝細胞での安定性を有する;または(v)ペプチドは、その親対応物と比較して改善された血液脳関門を通過する能力を有する。
ある実施態様は、医薬として使用するためのここに記載するペプチドを提供する。
CDNF/MANFペプチドがドパミンニューロンを死滅から強力に保護するため、WO2009133247およびEP1969003などの先行技術は、該ペプチドがアルツハイマー病、パーキンソン病(PD)、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、前頭側頭葉変性、レヴィ小体型認知症、軽度認知機能障害、ハンチントン病(HD)、外傷性脳傷害、薬物嗜癖および卒中などの中枢神経系(CNS)疾患の処置に使用できることを示している。
CDNFおよびMANFは小胞体ストレス応答(UPR)経路のシグナル伝達を調節し、細胞をERストレス関連細胞死から保護する。ERストレスは、神経変性および代謝疾患などの種々の慢性疾患ならびに急性傷害に重要な病態生理学的役割を演ずることが知られている(Wang and Kaufman, 2016)。GRP78(別名BiPおよびHSPA5)は主要ER管腔シャペロンであり、UPRの主要制御因子である(Bertolotti et al, 2000; Wang and Kaufman, 2016)。GRP78とUPR受容体IRE1α、PERKおよびATF6の動的会合および解離は、ERストレス下のUPR受容体のシグナル伝達活性を制御する重要な段階である。MANFとGRP78の相互作用は、その細胞活性を制御する(Yan et al, 2019)。
従って、本発明は、CNS疾患または障害などの変性、慢性または進行性疾患または障害または病原性因子としてERストレスを有する単遺伝子遺伝性疾患を処置する方法であって、配列C-X-X-X-C(配列番号21)、E-X-C-X-X-X-C-A-E(配列番号22)、X-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X-X10-X11(配列番号23)またはX12-X13-X14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-V-X24-E-L-K-X25-X26-L-X5--X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X-X10-X11(配列番号24))を含む8~32アミノ酸ペプチドであって、該アミノ酸配列のレトロインベルソ形態であるペプチドの薬学的有効量を、患者に投与することを含む、方法に関する。
他の実施態様は、神経変性疾患または障害などの変性、慢性または進行性疾患または障害の処置に使用するための、ペプチドを提供する。
該神経変性疾患または障害は、好ましくはパーキンソン病、アルツハイマー病、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、前頭側頭葉変性、レヴィ小体型認知症、軽度認知機能障害、ハンチントン病、外傷性脳傷害、外傷性脊髄傷害、進行性核上性麻痺、ピック病、純粋自律神経不全症、大脳皮質基底核変性症、慢性外傷性脳症、脊髄小脳失調症、双極性障害および末梢ニューロパチーならびにその疾患および障害のスペクトルからなる群から選択される中枢神経系疾患である。
神経変性疾患は、広範な脳タンパク質症に帰する一部重複する、動的非線形進行性「次元」であり得る。中枢神経系内の複数タンパク質のいくつかの組み合わせの発現において可変性が生じ得る。故に、患者で、混合型神経病理の併存が観察され得る。神経変性疾患の遺伝的スペクトルは変わり得て、例えば、同じ遺伝子型を有する一卵性双子で異なる疾患が顕在化し得る。
他の実施態様は、ウォルコット・ラリソン症候群、ウォルフラム症候群、マリネスコ・シェーグレン症候群、マシャド・ジョセフ病および網膜色素変性症などの変性網膜疾患および一次性ネフローゼ症候群および常染色体優性多嚢胞性腎臓疾患などの遺伝性ネフローゼ症候群からなる群から選択される単遺伝子遺伝性疾患の処置に使用するための、ペプチドを提供する。該単遺伝子遺伝性疾患は、病原性因子としてERストレスを有する疾患である。
ある実施態様は、本発明に従い使用するためのペプチドを提供し、ここで、該ペプチドは、静脈内、動脈内、皮下、鼻腔内、眼内、鼓室内または局所投与などの末梢投与、経口、直腸、舌下または頬側投与、腹腔内、筋肉内、関節内、経皮、蝸牛内、局所眼または吸入投与を含む経腸、非経腸または局所経路または吸入投与または頭蓋内、髄腔内、硬膜外または病巣内投与により投与される。
ある実施態様において、ペプチドは皮下投与により投与される。
医薬組成物
ここに開示するペプチドの1以上を、医薬組成物として使用するためにまた医薬組成物に製剤化し得る。このような組成物は、何れかの経路、例えば、適切な当局により承認された何れかの経路により、対象に投与するために製剤化するまたはそれに適応させることができる
ある実施態様は、ここに記載するペプチドおよび次の薬学的に許容される担体、薬学的に許容される添加物、防腐剤、安定化剤および/または希釈剤の少なくとも1個を含む、医薬組成物を提供する。
ある実施態様において、本発明は、さらに配列C-X-X-X-C(配列番号21)、E-X-C-X-X-X-C-A-E(配列番号22)、X-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X-X10-X11(配列番号23)またはX12-X13-X14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-V-X24-E-L-K-X25-X26-L-X-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X-X10-X11(配列番号24)を含む、8~32アミノ酸の長さのペプチドであって、前記配列の何れかのアミノ酸配列のレトロインベルソ形態であるペプチドを含む、医薬組成物に関する。
ある例において、医薬組成物は、有効量の1以上のペプチドを含み得る。ここで使用する用語「有効量」および「処置に有効」は、その投与の状況内において、意図する効果または生理学的アウトカムをもたらすのに有効である、一定期間利用される(急性または慢性投与および定期的または連続的投与を含む)1以上のここに記載する化合物または医薬組成物の量または濃度をいう。
本発明のある実施態様において、ペプチドは医薬組成物に組み込まれ得る。このような本発明の組成物は、所望の純度のペプチドと、所望の生理学的に許容される担体(例えばナノ担体)、添加物、緩衝液または安定化剤(Remington's Pharmaceutical Sciences, 22nd edition, Allen, Loyd V., Jr, Ed., (2012))の混合により、凍結乾燥ケーキまたは水溶液で保存するために調製される。許容される担体、添加物または安定化剤は、用いる投与量および濃度でレシピエントに非毒性であり、リン酸、クエン酸および他の有機酸の緩衝液;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリシンなどのアミノ酸;グルコース、マンノースまたはデキストリンを含む単糖、二糖および他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;マンニトールまたはソルビトールなどの糖アルコール;ナトリウムなどの塩形成カウンターイオン;および/またはTween、Pluronics、ポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤またはキトサン、メチル化ペクチン、アルキル糖類ベースの粘膜吸収増強剤およびPEGのヒドロキシ脂肪-アシルエステルなどの鼻から脳への送達を増強する添加物を含む。
患者に投与するペプチドの実際の投与量(例えば、有効量)は、体重、状態の重症度、処置する疾患のタイプ、以前のまたは現在の治療介入、患者が特発的に示す応答(idiopathy)および投与経路などの身体的および生理学的因子により決定され得る。投与を行う実施者は、個々の対象について組成物中の活性成分の濃度および適切な用量を決定できる。
ペプチドを、例えば、慣用技術または界面重合(例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン-マイクロカプセルおよびポリ-(メチルメタシラート)マイクロカプセル)により製造したマイクロカプセル、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)またはマクロエマルジョンに封入し得る。このような技術は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 22nd edition, Allen, Loyd V., Jr, Ed., (2012)に開示される。制御放出ゲル製剤も適用され得る。
ある実施態様において、医薬組成物は、例えば、少なくとも約0.1%の活性化合物を含み得る。他の実施態様において、活性化合物は、重量単位で約2%~約75%または、例えば約25%~約60%およびこの間に入る何らかの範囲で含まれ得る。
他の非限定的例において、医薬組成物または製剤の1用量は、約1ng/kg/体重、約5ng/kg/体重、約10ng/kg/体重、約50ng/kg/体重、約100ng/kg/体重、約200ng/kg/体重、約350ng/kg/体重、約500ng/kg/体重、1μg/kg/体重、約5μg/kg/体重、約10μg/kg/体重、約50μg/kg/体重、約100μg/kg/体重、約200μg/kg/体重、約350μg/kg/体重、約500μg/kg/体重、約1mg/kg/体重、約5mg/kg/体重、約10mg/kg/体重、約50mg/kg/体重、約100mg/kg/体重、約200mg/kg/体重、約350mg/kg/体重、約500mg/kg/体重のペプチド~約1000mg/kg/体重またはそれ以上のペプチド(この間に入る何らかの範囲)を、投与あたり含み得る。ここに挙げる数値範囲に入る非限定的例において、約5mg/kg/体重~約100mg/kg/体重、約5μg/kg/体重~約500mg/kg/体重のペプチドなどの範囲を、上記数値に基づき投与し得る。
ここでの方法は、所望のまたは記載する効果を達成するために、有効量の化合物または複合組成物の投与を意図する。概して、本発明の医薬組成物は、1日約1~約6回、例えば1日1~2回、1~3回、1~4回、1~5回、2~3回、2~4回または2~5回または連続的点滴として投与される。医薬組成物を、1日あたり例えば1回、2回、3回、4回、5回または6回投与し得る。このような投与を慢性または急性治療として使用できる。単一剤形を産生するために担体物質と組み合わせ得る活性成分の量は、処置する宿主および特定の投与方法により変わる。典型製剤は、約5%~約95%の活性化合物(w/w)を含む。あるいは、このような製剤は、約20%~約80%の活性化合物を含む。
投与は、種々の技術を使用して決定され得る。選択する投与量レベルは、例えば、用いる特定の化合物の活性、投与経路、投与時間、用いる特定の化合物の排泄もしくは代謝速度、処置期間、用いる特定の化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または物質、処置患者の年齢、性別、体重、状態、一般的健康状態および/または病歴および医学分野で周知のこのような因子を含む、多様な因子に依存し得る。投与量値はまた軽減すべき状態の重症度によっても変わり得る。ある特定の対象について、具体的投与量レジメンは、個々の必要性および組成物を投与するまたは投与を監督する者の専門的判断により、経時的に調節され得る。
ある態様において、本発明化合物の適当な1日用量は、治療効果をもたらすのに有効な最低用量である化合物の用量であり得る。このような有効用量は、一般に上記因子に依存する。ある患者で最も有効な処置をもたらすであろう特定の化合物の厳密な投与時間および量は、特定の化合物の活性、薬物動態およびバイオアベイラビリティ、患者の生理学的状態(年齢、性別、疾患タイプおよびステージ、一般的身体状態ある投与量への応答および投薬タイプを含む)、投与経路などに依存する。
医師または獣医師は、必要な医薬組成物の有効量を処方できる。例えば、医師または獣医師は、医薬組成物における本発明の化合物を、所望の治療効果を達成するために必要であるより低いレベルの投与で開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増やす。
ここに記載する医薬組成物は、厳密な投与量の単回投与に適する単位剤形であり得る。単位剤形において、製剤を、適切な量の1以上の化合物を含む単位用量に分割する。単位投与量は、個別の量の製剤を含むパッケージの形態であり得る。非限定的例は、バイアルまたはアンプル中の液体である。水性懸濁液組成物は、単回用量の再密封できないコンテナに包装され得る。複数用量再封可能コンテナは、例えば、防腐剤と組み合わせて使用され得る。非経腸注射用製剤は、例えば、アンプルまたは多回用量コンテナに防腐剤と共に単位剤形で提供され得る。
用語「薬学的に許容される担体またはアジュバント」は、本発明の化合物と共に患者に投与でき、化合物の治療量の送達に十分な用量で投与したとき、その薬理学的活性を破壊せずかつ非毒性である、担体またはアジュバントをいう
本発明の医薬組成物で使用され得る薬学的に許容される担体、アジュバントおよび媒体は、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化薬物送達系(SEDDS)、例えばD-アルファ-トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート、Tweensなどの医薬剤形で使用される界面活性剤または他の類似ポリマー送達マトリクス、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸などの緩衝剤、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸塩、蝋、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂を含むが、これらに限定されない。
本発明の医薬組成物は、あらゆる慣用の非毒性薬学的に許容される担体、アジュバントまたは媒体を含み得る。ある場合、製剤のpHを、薬学的に許容される酸、塩基または緩衝液で調節して、製剤化した化合物またはその送達形態の安定性を増強し得る。ここで使用する用語非経腸は、非経腸、硬膜外、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、病巣内および頭蓋内注射または点滴技術を含む。
本発明の化合物の有効量を、単回または複数回投与、例えば、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または投与方法の何れかにより許容される何らかの適当な回数で投与し得る。投与回数は、上記値の任意の2つにより定義された範囲内であり得る。選択した投与経路に関わらず、本発明の化合物および/または本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される投与形態に製剤化される。本発明の化合物を、他の医薬と同様、ヒトまたは動物用医薬に使用する何らかの慣用法において投与のために製剤化し得る。
ある態様において、本発明は、1以上の薬学的に許容される担体(添加物)および/または希釈剤と共に製剤化された、上記化合物の1以上の治療有効量を含む、医薬製剤を提供する。ある態様において、ここに記載する化合物の1以上を非経腸投与用に製剤化し、ここに開示する化合物の1以上を、水性または非水溶液、分散剤、懸濁液またはエマルジョンまたは使用直前に無菌注射用溶液または分散体で再構成され得る無菌粉末として製剤化し得る。このような製剤は、糖、アルコール、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、製剤を意図されるレシピエントの血液と等張にするための溶質または懸濁もしくは濃化剤を含み得る。これら組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントも含み得る。対象化合物に対する微生物の影響を、種々の抗細菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などの包含により確実に阻止し得る。組成物に糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を入れることが望まれることもある。さらに、注射用医薬形態の長期吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなど吸収を遅延させる薬剤を入れることによりもたらされ得る。所望により、製剤を、使用前に、例えば、等張食塩水溶液またはデキストロース溶液で希釈し得る。ある例において、化合物を水溶液として製剤化し、静脈内投与する。
医薬組成物は注射用溶液または粉末の形態であり得る。このような組成物は、適当な分散または湿潤剤(例えば、Tween 80など)および懸濁化剤を使用して当分野で知られる技術により製剤化され得る。無菌注射用製剤は、非毒性の非経腸的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液または懸濁液、例えば、1,3-ブタンジオール溶液であり得る。特に用いられ得る許容される媒体および溶媒は、マンニトール、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌、固定油は、溶媒または懸濁媒体として慣用的に用いられる。この目的で、合成モノまたはジグリセリドを含むあらゆる非刺激固定油を用い得る。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、注射用製剤に有用であり、オリーブ油またはヒマシ油、特にそのポリオキシエチル化バージョンなどの天然の薬学的に許容される油と同様である。これら油溶液または懸濁液は、エマルジョンおよびまたは懸濁液などの薬学的に許容される投与形態の製剤で一般に使用される長鎖アルコール希釈剤または分散剤またはカルボキシメチルセルロースまたは類似分散剤も含み得る。TweensまたはSpansなどの他の一般的に使用される界面活性剤および/または薬学的に許容される固体、液体または他の投与形態の製造に一般に使用される他の類似乳化剤またはバイオアベイラビリティ増強剤も、製剤の目的で使用され得る。
医薬組成物は、カプセル、錠剤、エマルジョンおよび水性懸濁液、分散剤および溶液を含むが、これらに限定されないあらゆる経口に許容される剤形で経口投与され得る。経口使用の錠剤の場合、一般的に使用される担体はラクトースおよびトウモロコシデンプンを含む担体である。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も概して添加される。カプセル形態の経口投与について、有用な希釈剤はラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンを含む。水性懸濁液および/またはエマルジョンを経口投与するとき、活性成分を、乳化および/または懸濁化剤と組み合わせて油相に懸濁または溶解させ得る。所望により、ある甘味剤および/または風味剤および/または着色剤を加え得る。
本発明の医薬組成物は、直腸投与用坐薬の形態でも投与され得る。これら組成物は、本発明の化合物と、室温で固体であるが、直腸温度で液体であり、それ故に直腸で溶解して活性内容物を放出する適当な非刺激性添加物を混合することにより調製し得る。このような物質は、カカオバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールを含むが、これらに限定されない。
これとは別にまたはこれに加えて、医薬組成物を、経鼻エアロゾルまたは吸入により投与し得る。このような組成物を、医薬製剤の分野で周知の技術により調製し、当分野で知られるベンジルアルコールまたは他の適当な防腐剤、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤、フッ化炭素および/または他の可溶化または分散剤を用いて、食塩水中の溶液として調製し得る。
ある例において、ここに開示する1以上のペプチドは、例えば、担体タンパク質にコンジュゲートされ得る。このようなコンジュゲート組成物は、単価でも多価でもよい。例えば、コンジュゲート組成物は、担体タンパク質にコンジュゲートしたここに開示する1個のペプチドを含み得る。あるいは、コンジュゲート組成物は、担体にコンジュゲートしたここに開示する2個以上のペプチドを含み得る。
ここに提供されるのは、ここに記載するペプチドを使用する方法である。例えば、ここに提供する方法は、患者にここに記載するペプチドを投与することを含む。患者は、哺乳動物および非哺乳動物両者を含み得る。
薬学的に許容される担体は、選択した投与経路および標準的薬務に基づき、選択され得る。例えば、組成物を、経口投与用溶液剤、懸濁液剤、錠剤、分散性錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、持続放出製剤またはエリキシル剤または非経腸投与および腹腔内注射用無菌溶液無菌溶液または懸濁液または懸濁液剤ならびに経皮パッチ製剤に経皮パッチ製剤、乾燥粉末吸入器および軟膏剤などの、適当な医薬製剤に製剤化し得る(例えば、Ansel, Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms, Fourth Edition 1985, 126参照)。ペプチドおよび/または免疫グロブリンは、医薬製剤の分野で標準的な実施に従い剤形に製剤化し得る。Alphonso Gennaro, ed., Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition (1990), Mack Publishing Co., Easton, Pa参照。
非経腸投与について、医薬組成物は、適当な担体または希釈剤、例えば水、油(特に植物油)、エタノール、食塩水溶液、水性デキストロース(グルコース)および関連糖溶液、グリセロールまたはグリコール、例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールを含み得る。非経腸投与用溶液は、好ましくはペプチドおよび/または活性剤の水溶性塩を含む。安定化剤、抗酸化剤および防腐剤も加え得る。適当な抗酸化剤は、亜硫酸、アスコルビン酸、クエン酸およびその塩およびナトリウムEDTAを含む。適当な防腐剤は、塩化ベンザルコニウム、メチル-またはプロピル-パラベンおよびクロロブタノールを含む。非経腸投与用添え遺物は、水性または非水溶液、分散体、懸濁液またはエマルジョンの形をとり得る。
経口投与について、医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤またはその他適当な経口剤形の製造のための1以上の固体不活性成分を含み得る。例えば、医薬組成物は、充填剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、溶解遅延剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸収剤または滑沢剤などの少なくとも1個の添加物を含み得る。
本発明はまた神経細胞をさらに含み得る医薬組成物にも関する。神経細胞は、例えば、ニューロン、神経幹細胞または神経前駆体細胞であり得る。
本発明は、医薬として使用するための、ここに記載するペプチドおよび次の薬学的に許容される担体、添加物、防腐剤、安定化剤および/または希釈剤の少なくとも1個を含む医薬組成物に関する。
処置方法において、薬学的有効量のここに定義するペプチドが患者に投与される。換言すると、本発明のペプチドは、CNS疾患または障害などの変性、慢性または進行性疾患または障害、病原性因子としてERストレスを有する単遺伝子遺伝性疾患の処置に使用するためである。
医薬組成物は、神経変性疾患または障害などの変性、慢性または進行性疾患または障害の処置に使用するためである。
該神経変性疾患または障害は、パーキンソン病、アルツハイマー病、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、前頭側頭葉変性、レヴィ小体型認知症、軽度認知機能障害、ハンチントン病、外傷性脳傷害、外傷性脊髄傷害、進行性核上性麻痺、ピック病、純粋自律神経不全症、大脳皮質基底核変性症、慢性外傷性脳症、脊髄小脳失調症および末梢ニューロパチーからなる群から選択される中枢神経系疾患である。
ある実施態様において、医薬組成物は皮下投与により投与される。
ペプチドの投与経路は、既知の方法ならびに静脈内、動脈内、皮下、鼻腔内、眼内、鼓室内または局所投与による注射または注入、経腸、非経腸または経口、直腸、舌下または頬側投与を含む局所経路、頭蓋内、髄腔内または硬膜外、腹腔内、筋肉内、関節内、経皮、蝸牛内、局所眼、病巣内または吸入投与または下記のとおり持続放出系の一般的経路による。
持続性製剤の適当な例は、ペプチドを含む固体疎水性ポリマーの半透過性マトリクスを含み、そのマトリクスは成型品、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの形態である。持続放出マトリクスの例は、ポリエステル、Langer et al., J. Biomed. Mater. Res., 15: 167-277 (1981)およびLanger, Chem. Tech., 12:98-105 (1982)に記載のヒドロゲルまたはポリビニルアルコール、ポリラクチド(米国特許3,773,919、EP58,481)または分解不可能なエチレン-ビニルアセテート(Langer et al., supra)を含む。
本発明はまたCNS疾患または障害などの変性、慢性または進行性疾患または障害、病原性因子としてERストレスを有する単遺伝子遺伝性疾患を処置する方法にも関し、ここで、薬学的有効量のここに定義するペプチドが患者に投与される。好ましくは、該フラグメントは末梢性に投与される。経口投与も好ましい投与形態である。
本発明は、CNS疾患または障害などの変性、慢性または進行性疾患または障害または病原性因子としてERストレスを有する単遺伝子遺伝性疾患の処置用医薬の製造のための、ここに定義するペプチドの使用にも関する。
本発明はまた処置を必要とする対象における神経変性疾患または障害などの変性、慢性または進行性疾患または障害を処置する方法であって、対象にここに記載するペプチドを含む医薬組成物を投与することを含む、方法に関する。
ある実施態様において、パーキンソン病、アルツハイマー病、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、前頭側頭葉変性、レヴィ小体型認知症、軽度認知機能障害、ハンチントン病、外傷性脳傷害、外傷性脊髄傷害、進行性核上性麻痺、ピック病、純粋自律神経不全症、大脳皮質基底核変性症、慢性外傷性脳症、脊髄小脳失調症および末梢ニューロパチーからなる群から選択される中枢神経系疾患などの神経変性疾患または障害を処置する方法は、対象にここに記載するペプチドを含む医薬組成物を投与することを含む。
本発明は、ウォルコット・ラリソン症候群、ウォルフラム症候群、マリネスコ・シェーグレン症候群、マシャド・ジョセフ病および網膜色素変性症などの変性網膜疾患および一次性ネフローゼ症候群および常染色体優性多嚢胞性腎臓疾患などの遺伝性ネフローゼ症候群からなる群から選択される単遺伝子遺伝性疾患を処置する方法であって、対象にここに記載するペプチドを含む医薬組成物を投与することを含む、方法に関する。該単遺伝子遺伝性疾患は、病原性因子としてERストレスを有する。
処置を必要とする対象はヒトであり得る。
本発明のペプチドまたは該ペプチドを含む医薬組成物は、点滴により連続的にまたはボーラス注射により投与され得る。一般に、障害から可能であるならば、部位特異的送達のためにフラグメントを製剤化し、投与すべきである。投与は連続的または定期的であり得る。投与は、定量またはプログラムされた流量のインプラント可能ポンプまたは定期的注射により達成され得る。本発明により、レトロインベルソペプチドが神経細胞膜ならびにインビトロおよびインビボで血液-脳-関門(BBB)を効率的に浸透できることが示されたため、末梢または全身投与が好ましい(それぞれ図8および9B)。他の好ましい投与経路は皮下、髄腔内、脳室内、鼻腔内または経皮投与である。
他の実施態様において、本発明は、ドパミン作動性ニューロンと、配列番号21、配列番号22、配列番号23または配列番号24の配列を、該アミノ酸配列のレトロインベルソ形態で含む、8~32アミノ酸のペプチドを接触させる段階を含む、ドパミン作動性ニューロンの生存を促進する方法を提供する。好ましくは、方法は、下の実験の章に示すとおり、インビトロで実施する。該ドパミン作動性ニューロンは、好ましくはマウスまたはラット交感ニューロンなどの培養非ヒトニューロンまたは誘導多能性細胞(iPSC)由来ヒトニューロンである。
本明細書に提供する結果に基づき、本発明はまた、CNS疾患または障害などの変性、慢性または進行性疾患または障害または障害、病原性因子としてERストレスを有する単遺伝子遺伝性疾患の処置に使用するための、配列番号21、配列番号22、配列番号23または配列番号24の配列を、該アミノ酸配列のレトロインベルソ形態で含む、8~32アミノ酸のペプチドにも関する。
ペプチドの製造方法
本発明の化合物を合成する方法は、当分野で知られる。次の例示的方法が使用され得る。種々の工程を、所望の化合物を得るために別の順序または順番で実施し得ることは認識される。ここに記載する化合物の合成に有用な合成化学変換および保護基方法論(保護および脱保護)は当分野で知られ、例えば、R. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989); T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3d. Ed., John Wiley and Sons (1999); L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthes;およびL. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995)およびそれらのその後の版に記載されているものなどを含む。
本発明のペプチドは、当業者に周知の化学合成方法により製造され得る。例えば、Fields et al., Chapter 3 in Synthetic Peptides: A User's Guide, ed. Grant, W. H. Freeman & Co., New York, N.Y., 1992, p. 77参照。
Oここに記載するペプチドを製造する一つの方法は、固相ペプチド合成(SPPS)の使用である。C末端アミノ酸を、リンカー分子を用いて酸不安定結合を介して架橋ポリスチレン樹脂に結合させる。この樹脂は合成に使用する溶媒に不要性であり、比較的単純で速く、過剰の試薬および副産物を洗い流すことができる。N末端を、酸に安定であるが、塩基で除去可能なFmoc基で保護する。あらゆる側鎖官能基を、塩基安定、酸不安定基で保護する。
本発明の背景を明らかにする、特に、実施についてさらなる詳細を提供するためにここで使用した刊行物および他の資料を、引用により本明細書に包含させる。
技術の進歩に連れて、本発明の基本的考えが種々の方法で実施され得ることは、当業者には明らかである。従って、本開示およびその実施態様は、下記実施例に限定されず、特許請求の範囲の範囲内で変化し得る。
実施例1
MPP+傷害パミン作動性TH陽性ニューロンに対する親およびレトロインベルソ化合物の神経保護効果
化合物1~20(配列番号1~20、親およびレトロインベルソ)の神経保護効果を、ラット胚中脳ニューロンの一次培養物を、神経毒1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(MPTP)の活性代謝物であるMPP+で負荷したインビトロモデルで試験した。MPP+は、ミトコンドリア機能不全、ペルオキシナイトライトの産生、酸化的ストレス、ERストレスおよびアポトーシスの誘導を含む多様な毒性機構でドパミン作動性(TH陽性)ニューロンを死滅させる。CDNFおよびMANFのC末端ドメイン由来のペプチドがレトロインベルソペプチドに修飾されたため、神経保護活性を、完全長CDNFタンパク質がMPP+誘導傷害(図2A)およびTH+ニューロンにおけるアルファ-シヌクレイン凝集体の蓄積減少(図2B)からTH+ドパミンニューロン、シナプスおよび神経突起ネットワークを神経保護的に保護することが示されている、モデルで試験した
材料および方法
ペプチドの合成および特徴づけの材料および方法。
標準固相ペプチド合成方法を、線形(L-aa)およびレトロインベルソ(D-aa)ペプチドの産生に使用した。
ペプチド-SPPS合成に使用した一般的プロトコール
固相ペプチド合成を、自動ペプチド合成装置で実施した(Biotage Initiator+ AlstraまたはActivotec Activo-P11)。ペプチド伸長のために標準Fmoc保護アミノ酸を使用した:Ala、Arg(Pbf)、Asp(tBu)、Gln(Trt)、Glu(OtBu)、Gly、His(Trt)、Ile、Lys(Boc)、Leu、Met、Ser(tBu)、Thr(tBu)、Trp(Boc)、ValおよびCys(StBu)。20%ピペリジンのDMF溶液を使用してFmoc基を除去し、マイクロ波照射下、4当量の対応するアミノ酸、3.9当量のHBTU、4当量のHOBtおよび8当量のDIPEAを使用してキャッピングした。粗製ペプチドを脱保護し、TFA/HO/iPrSiHで2時間の処理により樹脂から開裂させ、続いて冷EtOで沈殿させた。
レトロインベルソペプチドの場合、Fmoc保護L-アミノ酸の代わりに標準Fmoc保護D-アミノ酸を使用した。必要なレトロインベルソペプチドが得られるように、Biofage Initiatorペプチドシンセサイザーでの開始前に逆配列に留意すべきである。
ペプチドの品質対照を、標準液体クロマトグラフィー-マススペクトロメトリー方法を使用して得た。図1(カラム5)は、ペプチドのMS分析で同定したピークを示す
中脳ニューロンの培養。
ラットドパミン作動性ニューロンを、Visanji et al., 2008により記載のとおり培養した。簡潔には、15日齢ラット胚(Janvier, France)から得た中脳を切除し、ドパミン作動性ニューロンに富む脳の発達中の領域である中脳弯曲部の腹側部分を、細胞調製のために使用した。中脳細胞を、20分間、37℃でトリプシン処理することにより解離させた(最終濃度0.05%トリプシンおよび0.02%EDTAの溶液)。DNAase IグレードII(0.5mg/mL)および10%のウシ胎児血清(FCSを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を加えて、反応を停止させた。次いで、10mlピペットを3回通すことにより、細胞を機械的に解離させた。次いで、細胞をL15中BSA(3.5%)の層上で180×gで10分間、+4℃で遠心分離した。細胞ペレットをB27(2%)、L-グルタミン(2mM)および2%のPS溶液および10ng/mlの脳由来神経栄養因子(BDNF)および1ng/mLのグリア由来神経栄養因子(GDNF)を添加したNeurobasal(Invitrogen)からなる規定の培養無血清培地に再懸濁した。生存可能細胞を、トリパンブルー排除試験を使用して、Neubauer血球計算器で計数した。細胞を、96ウェルプレート(ポリ-L-リシンでプレコート)中40000細胞/ウェルの密度で播種し、37℃で5%CO/95%空気雰囲気の加湿インキュベーターに維持した。培地の半分を、2日毎に新鮮培地に交換した。96ウェルプレートで、60ウェルのみ使用する。何らかの縁効果を回避するために、第一列および行は培養に使用せず、無菌水で満たした
試験化合物およびMPP+暴露。
培養6日目、CDNFまたは化合物1~20(配列番号1~20、親およびレトロインベルソ)、を培養培地に溶解し、次いで中脳ニューロンと4時間プレインキュベートし、その後MPP+を適用した。化合物のプレインキュベーション4時間後、MPP+を、対照培地で希釈した4μMの最終濃度で、なお化合物存在下、48時間加えた。
免疫染色:THニューロン生存、THニューロンにおける神経突起ネットワークおよびα-syn凝集。
中毒させた48時間後、細胞を、4%パラホルムアルデヒドのPBS溶液、pH7.3で20分間、室温で固定した。細胞をPBSで2回洗浄し、透過性処理し、非特異的部位を、0.1%のサポニンおよび1%FCSを含むPBS溶液で15分間、室温で遮断した。次に、細胞を、(a)マウスで産生したモノクローナル抗体抗チロシンヒドロキシラーゼ(TH)の1:10000希釈および(b)ウサギで産生したポリクローナル抗体抗アルファ-シヌクレイン(aSyn)抗体の1%FCS、0.1%サポニン含有PBS中1:400希釈でと2時間、室温でインキュベートした。これら抗体を、1:800希釈した二次抗体Alexa Fluor 488ヤギ抗マウスIgGおよび1%FCS、0.1%サポニン含有PBSで1:400希釈したAlexa 568ヤギ抗ウサギIgGで、1時間、室温で確認した。
シナプス免疫染色:THニューロンおよびPSD-95(TH/PSD-95ニューロン間の重複)。
中毒させた48時間後、細胞培養上清を除去し、4%パラホルムアルデヒドのPBS溶液、pH7.3で20分間、室温で細胞を固定させた。細胞をPBSで2回洗浄し、透過性処理し、非特異的部位を、0.1%のサポニンおよび1%FCSを含むPBS溶液で15分間、室温で遮断した。次いで、細胞を、a)1%FCS、0.1%サポニン含有PBSで1:10000希釈したモノクローナル抗チロシンヒドロキシラーゼ(TH)抗体と2時間、室温およびb)1%FCS、0.1%サポニン含有PBS溶液で1:200希釈したポリクローナル抗シナプス後膜肥厚タンパク質-95(PSD-95)抗体で2時間、室温とインキュベートした。この抗体はシナプスを特異的に染色する。これら抗体を、1:800希釈のAlexa Fluor 488ヤギ抗マウスIgGおよび1%FCS、0.1%サポニン含有PBSで1:400希釈したAlexa Fluor 568ヤギ抗ウサギIgGで、1時間、室温で確認した。
各条件について、全ウェル領域を表す画像を、ImageXpress(Molecular Devices)で10倍(20図、THおよびα-synについて)または40倍(60図、THおよびPSD-95について)倍率を使用して自動的に取得した。次の読出しを、Custom Module Editor(Molecular Devices)を使用して、自動的に決定した:
- THニューロン総数の分析(TH陽性ニューロン)、
- TH陽性ニューロンの総神経突起ネットワーク(μm)
- aSyn凝集(THおよびaSyn染色の重複)
- TH陽性ニューロン中の陽性シナプス数(THおよびPSD95の重複、μm2)。
TH+ニューロン総数、TH+ニューロンの総神経突起ネットワークおよびTH+ニューロンのシナプス数を、図2A(CDNF)、図3A(化合物1および2)、図3C(化合物3および4)、図3E(化合物5および6)、図3G(化合物7および8)、図4A(化合物9および10)および図4C(化合物11および12)、図4E(化合物13および14)、図4G(化合物15および16)、図4I(化合物17および18)、図4K(化合物19および20)に示す。
MPP+傷害後中脳細胞の一次培養のTH陽性ニューロンにおけるα-シヌクレイン凝集を、図2B(CDNF)、図3B(化合物1および2)、図3D(化合物3および4)、図3F(化合物5および6)、図3H(化合物7および8)、図4B(化合物9および10)および図4D(化合物11および12)、図4F(化合物13および14)、図4H(化合物15および16)、図4J(化合物17および18)、図L(化合物19および20)に示す。
データは、多くのレトロインベルソペプチドがMPP+毒性からTH陽性ニューロンならびにその神経突起およびシナプスを保護することを示す。さらに、これらレトロインベルソ化合物は、TH陽性ニューロンにおいてMPP+により蓄積が強く誘導されるaSyn封入体の数を有効に減らした。ほとんどの場合、レトロインベルソペプチド(化合物2、4、6、8、10、12、14、16、18および20)の効力は、その親化合物(それぞれ化合物1、3、5、7、9、11、13、15、17および19)および完全長CDNFタンパク質(図2)と同等であった。
実施例2
ERストレス応答経路との相互作用
CDNFおよびMANFは、ERストレスに対する細胞応答を調節することにより、細胞をRストレス誘導細胞機能不全または細胞死、例えばアポトーシスから保護する。Yan et al (2019)は、MANFのC末端がGRP78のヌクレオチド結合ドメイン(NBD)に結合し、その細胞活性を制御することを示した。データは、MANF(およびCDNF)は、MANF(およびCDNF)が、ER管腔で最も豊富なシャペロンタンパク質であるGRP78と、基質様相互作用ではなく、制御性相互作用を有することを示唆する。化合物のGRP78-NBDへの結合を、精製組み換えGRP78-NBDおよび合成ペプチドを使用する無細胞結合アッセイで評価した。GRP78が小胞体ストレス応答(UPR)経路の3個の受容体、IRE1α、PERKおよびATF6の重要なリガンドとして作用するため、化合物の神経保護効果のUPRシグナル伝達に対する依存性も試験した。図5Aは、GRP78-NBDのMANF結合ポケットにおける分子モデリングを示す。図5Bは、選択化合物の無細胞結合アッセイにおけるGRP78-NBDとの結合親和性を示す。図5Cは、化合物14および20の神経保護効果がPERK(GSK2606414)およびIRE1アルファ(KIRA6)の薬理学的阻害剤存在下で消失することを示す。
材料および方法
分子モデリング
ここに記載した種々の化合物(図5B)との複合体のGRP78-NBDを、MAESTROインターフェースを介するSchrodinger suiteバージョン2018-4のPRIMEモジュール(Schroedinger Llc, USA)を使用して、先に解析されたGRP78-NBD:MANF複合体の構造をもとにモデル化した。作成されたモデルを、鋳型構造を使用して、手動で確認した(PDB:6HAB、Yan et al, 2019)。モデルを、そのラマチャンドラン図を調べることによっても検証した。
無細胞結合アッセイ。
His-タグ付きGRP78-NBDを組み換えにより大腸菌細胞で過発現させ、精製し、NHS-Red色素(Nanotemper Technologies GmbH)を使用して標識した。HisタグをTEVプロテアーゼを使用してタンパク質から開裂した。タグがないGRP78-NBDを標識するための種々のペプチド(連続希釈)の結合を、PBS環境で高出力でMonolith N.A.デバイス(Nanotemper Technologies GmbH)を使用するMonolith N.T標準キャピラリーで測定した。図5Bは、MST結合実験から得たデータの表を示す。
中脳ニューロンの培養。
神経細胞培養、MPP+中毒、免疫染色および化合物の神経保護効果の分析を、実施例1におけるとおりに実施した。PERK阻害剤GSK2606414(2μM、Sigma)またはIRE1アルファ阻害剤KIRA6(2μM、Sigma)を、試験化合物添加1時間前に培養物に加えた。
このデータは、レトロインベルソ異性化化合物が重要なERストレス調節標的分子GRP78に結合し、レトロインベルソ異性化化合物の神経保護効果がUPRシグナル伝達活性に依存することを示す。
実施例3
ラット血漿における親およびレトロインベルソ化合物のインビトロ代謝安定性
レトロインベルソおよび天然対照ペプチドの代謝安定性を、ラット血漿を使用して初期試験濃度1μMで、120分間にわたり試験した。サンプルを、LC/QE-orbitrap-MSを使用して分析した。計算半減期は、ラット血漿における化合物消失に基づく。
材料および方法
親またはレトロインベルソ化合物1~8、13~14および19~20(配列番号1~8、13~14および19~20)を、1μM濃度で、ラット血漿(Sprague-Dawley、雄;400μl)と種々の時点(0分、20分、40分、60分または120分)、37℃でインキュベートした。アセトニトリルによりインキュベーションを停止させた。集めたサンプルを20分間、2272×gで遠心分離し、分析した。原液を50%DMSOを使用して調製し、化合物を0.5%の最終DMSO含量とするためインキュベーションのために1/100で加えた。サンプルを、化合物の消失をモニターするために、高解像度マススペクトロメトリー(DDIモードのQE-Orbitrap-MS)を伴うUHPLC/PDAにより分析した。化合物13~14および19~20の分析のために、原液をPBSで調製し、サンプルをUHPLC-ToFマススペクトロメトリーにより分析した。エナラプリル1μMを、消失速度対照として使用した。分析方法を、最適なクロマトグラフ性質(ピーク形状および保持)および質量分光学イオン化について親化合物を使用して最適化した。イオンクロマトグラムを、5mDa幅の計算モノアイソトピック精密質量を使用する総イオンクロマトグラムから抽出した。消失は、0分を100%とするLC/MSピーク面積に基づいた。代謝の一次速度定数k(分-1)を、Excelソフトウェアを使用する、時間対対数(残存化合物%)プロットの傾斜から得た。試験化合物のインビトロ半減期(t1/2)を、t1/2=ln2/kとして定義した。
図6Aにおいて、各バーのペアは、非修飾ペプチド(親)および対応する修飾ペプチド(レトロインベルソ)からのデータを示す。一部試験したレトロインベルソペプチド(化合物8、14および20)は、その親化合物(それぞれ化合物7、13および19)と比較して、ラット血漿で安定性の有意な改善を示した。
実施例4
ヒト血漿における親およびレトロインベルソ化合物のインビトロ代謝安定性
代謝安定性を、ヒト血漿を使用して初期試験濃度1μMで、120分間にわたり試験した。サンプルを、LC/QE-orbitrap-MSを使用して分析した。計算半減期は、ヒト血漿における化合物の消失に基づく。
材料および方法
親またはレトロ逆化合物1~8(配列番号1~8)を、1μM濃度で、ヒト血漿(性別混合、400μl)と種々の時点(0分、20分、40分、60分または120分)、37℃でインキュベートした。アセトニトリルによりインキュベーションを停止させた。集めたサンプルを20分間、2272×gで遠心分離し、分析した。サンプルを、化合物の消失をモニターするために、高解像度マススペクトロメトリー(DDIモードのQE-Orbitrap-MS)を伴うUHPLC/PDAにより分析した。プロパンテリン臭化物1μMを、消失速度対照として使用した。分析方法を、最適なクロマトグラフ性質(ピーク形状および保持)および質量分光学イオン化について親化合物を使用して最適化した。イオンクロマトグラムを、5mDa幅の計算モノアイソトピック精密質量を使用する総イオンクロマトグラムから抽出した。消失は、0分を100%とするLC/MSピーク面積に基づいた。代謝の一次速度定数k(分-1)を、Excelソフトウェアを使用する、時間対対数(残存化合物%)プロットの傾斜から得た。試験化合物のインビトロ半減期(t1/2)を、t1/2=ln2/kとして定義した。
図6Bにおいて、各バーのペアは、非修飾ペプチド(親)および対応する修飾ペプチド(レトロインベルソ)からのデータを示す。
ヒト血漿におけるペプチド安定性は、報告されるヒト血漿における最半減期により示されるとおり、ラット血漿における安定性と比較して線形およびレトロインベルソペプチド両者で良好であった(試験特異的最大半減期は795分)。一つの試験したレトロインベルソ化合物(化合物8)は、その親化合物(化合物7)と比較して、ラットおよびヒト血漿において安定性の改善を示した。
実施例5
ラット肝細胞における親およびレトロ逆化合物のインビトロ代謝安定性
代謝安定性を、ラット(Sprague-Dawley、雄)肝細胞を0~60分(n=2)、初期試験濃度1μMを使用して試験した。サンプルを、LC/QE-orbitrap-MSを使用して分析した。計算半減期は、化合物消失に基づく。
材料および方法
親またはレトロ逆化合物1~8、13~14および19~20(配列番号1~8、13~14および19~20)を、1μM濃度で、プールされた凍結保存ラット肝細胞(Sprague-Dawley、雄;化合物1~8について400μl、100万生存可能細胞/mlまたは化合物13~14および19~20について100μl、10万生存可能細胞/ml)と種々の時点(0分、10分、20分、40分または60分)、37℃でインキュベートした。細胞密度および生存能をトリパンブルー排除方法により決定した。アセトニトリルによりインキュベーションを停止させた。集めたサンプルを20分間、2272×gで遠心分離し、分析した。サンプルを、化合物の消失をモニターするため、高解像度マススペクトロメトリー(DDIモードのQE-Orbitrap-MS)(化合物1~8)またはHHPLC-ToFマススペクトロメトリー(化合物13~14および19~20について)を伴うUHPLC/PDAで分析した。ベラパミル1μMを、消失速度対照として使用した。分析方法を、最適なクロマトグラフ性質(ピーク形状および保持)および質量分光学イオン化について親化合物を使用して最適化した。イオンクロマトグラムを、5mDa幅の計算モノアイソトピック精密質量を使用する総イオンクロマトグラムから抽出した。消失は、0分を100%とするLC/MSピーク面積に基づいた。代謝の一次速度定数k(分-1)を、Excelソフトウェアを使用する、時間対対数(残存化合物%)プロットの傾斜から得た。試験化合物のインビトロ半減期(t1/2)を、t1/2=ln2/kとして定義した。
図7Aにおいて、各バーのペアは、非修飾ペプチド(親)および対応する修飾ペプチド(レトロインベルソ)からのデータを示す。
全ての試験したレトロインベルソペプチド(化合物2、4、6、8、14および20)は、その親化合物(それぞれ化合物1、3、5、7、13および19)と比較して、ラット肝細胞で安定性の有意な改善を示した。
実施例6
ヒト肝細胞における親およびレトロインベルソ化合物のインビトロ代謝安定性
代謝安定性を、ラット(性別混合、雄)肝細胞で0~60分(n=2)、初期試験濃度1μMを使用して試験した。サンプルを、LC/QE-orbitrap-MSを使用して分析した。計算半減期は、化合物消失に基づく。
材料および方法
親またはレトロ逆化合物1~8(配列番号1~8)を、1μM濃度で、プールされた凍結保存ヒト肝細胞(性別混合;400μl、100万生存可能細胞/ml)と種々の時点(0分、10分、20分、40分または60分)、37℃でインキュベートした。細胞密度および生存能をトリパンブルー排除方法により決定した。アセトニトリルによりインキュベーションを停止させた。集めたサンプルを20分間、2272×gで遠心分離し、分析した。サンプルを、化合物の消失をモニターするために、高解像度マススペクトロメトリー(DDIモードのQE-Orbitrap-MS)を伴うUHPLC/PDAにより分析した。ベラパミル1μMを、消失速度対照として使用した。分析方法を、最適なクロマトグラフ性質(ピーク形状および保持)および質量分光学イオン化について親化合物を使用して最適化した。イオンクロマトグラムを、5mDa幅の計算モノアイソトピック精密質量を使用する総イオンクロマトグラムから抽出した。消失は、0分を100%とするLC/MSピーク面積に基づいた。代謝の一次速度定数k(分-1)を、Excelソフトウェアを使用する、時間対対数(残存化合物%)プロットの傾斜から得た。試験化合物のインビトロ半減期(t1/2)を、t1/2=ln2/kとして定義した。
図7Bにおいて、各バーのペアは、非修飾ペプチド(親)および対応する修飾ペプチド(レトロインベルソ)からのデータを示す。
全ての試験したレトロインベルソペプチド(化合物2、4、6および8)は、その親化合物(それぞれ化合物1、3、5および7)と比較して、ヒト肝細胞で安定性の有意な改善を示した。
実施例7
血液脳関門の3Dインビトロモデルにおける親およびレトロインベルソ化合物の浸透性
末梢投与経路でCNS疾患を処置するためのCDNFおよびMANF由来ペプチドの開発が興味深いため、化合物が血液脳関門を通過する能力を、確立された血液脳関門のインビトロモデルで試験した。この目的で、レトロインベルソおよび親化合物1~14および17~20(配列番号1~14および17~20)を、500nMで2時間、2区画インビトロ血液脳関門モデル(n=4)でインキュベートし、続いてサンプル取得およびLC-MS/MS分析した。
図8において、各バーのペアは、非修飾ペプチド(親)および対応する修飾ペプチド(レトロインベルソ)からのデータを示す。親化合物と比較して、良好なBBB通過がレトロインベルソ化合物2、4、6および12(配列番号2、4、6および12)で観察された。
4個の試験したレトロインベルソ化合物(化合物2、4、6および12)は、その親化合物(それぞれ化合物1、3、5および11)と比較して、インビトロ血液脳関門を通過する能力の改善を示した。
材料および方法
星状細胞一次培養。
ラット星状細胞を、E15胚から調製した。簡潔には、妊娠15日目の妊娠雌ラット(Wistar, Janvier Labs)を(COチャンバー)で深く麻酔し、頚椎脱臼により屠殺した。胎児を集め、2%ペニシリン(10,000U/mL)およびストレプトマイシン(10mg/mL)溶液(PS)および1%ウシ血清アルブミン(BSA)添加氷冷L15ライボビッツ培地にすぐに入れた。完全脳を、最終濃度0.05%トリプシンおよび0.02%EDTAのトリプシン-EDTA溶液で20分間、37℃で処理した。解離細胞を、DMEM10%ウシ胎児血清で培養した。精製星状細胞を継代4(P4)で使用した。
ヒト内皮細胞の培養。HBMEC(一次ヒト脳マイクロ血管内皮細胞、ACBRI 376)のバイアルを、特定の継代8(P8)で使用した。
皮質ニューロンの一次培養。ラット皮質ニューロンを、Callizot et al., 2013の記載に修飾を加えて、培養した。簡潔には、妊娠15日目の妊娠雌ラット(Wistar, Janvier Labs)を(COチャンバー)で深く麻酔し、頚椎脱臼により屠殺した。胎児を集め、2%ペニシリン(10,000U/mL)およびストレプトマイシン(10mg/mL)溶液(PS)および1%ウシ血清アルブミン(BSA)添加氷冷L15ライボビッツ培地にすぐに入れた。皮質を、最終濃度0.05%トリプシンおよび0.02%EDTAのトリプシン-EDTA溶液で20分間、37℃で処理した。解離を、DNAse IグレードII(最終濃度0.5mg/mL)および10%ウシ胎児血清(FCS)を含む4.5g/Lのグルコース添加ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を加えて停止させた。細胞を、10mlピペットの先端を3回通すことにより、機械的に解離させた。次いで、細胞を515×gで10分間、4℃で遠心分離した。ペレットを、B27サプリメントの2%溶液、2mmol/LのL-グルタミン、2%のPS溶液、10ng/mLの脳由来神経栄養因子(BDNF)を含むNeurobasal培地からなる規定の培養培地に再懸濁した。生存可能細胞を、トリパンブルー排除試験を使用して、Neubauer血球計算器で計数した。皮質ニューロンを、24ウェルプレートのウェルあたり255,000密度で、インサートと共にポリ-L-リシンでプレコートしたウェルの底に播種し、空気(95%)-CO(5%)インキュベーターで37℃で培養した。培養培地を隔日で交換した。
内皮細胞、星状細胞および一次皮質ニューロンの共培養。先に公開されたとおりの手順を実施した(Callizot et al., 2017により改変されたXue et al., 2013)。すなわち、0日目、精製星状細胞(P4)を、37℃の水浴で迅速に解凍した。細胞を、10%のFCS含有DMEMにすぐに入れた。細胞懸濁液を、515×gで5分間、4℃で遠心分離し、ペレットを10%のFCS含有DMEM F12に懸濁した。細胞を、インサートあたり45,000細胞の密度でインサート膜(PET、1μm)の外面に播種し、空気(95%)-CO(5%)インキュベーターで37℃で培養した。星状細胞播種36時間後、HBMEC(P8)を37℃の水浴で迅速に解凍し、10%のFCS含有DMEMにすぐに入れた。細胞懸濁液を515×gで5分間、4℃で遠心分離し、ペレットを、5%のFCS、1%のPS溶液、1.4μMのヒドロコルチゾン、5μg/mLのアスコルビン酸、1%の脂質混合物、10mMのHEPES、1ng/mLのbFGFを含むEGM-2 bullet kitに懸濁した。細胞を、インサートあたり50,000細胞の密度でインサート膜(PET、1μm)の内側に播種し、37℃で空気(95%)-CO(5%)インキュベーターでインキュベートした。HBMEC播種36時間後(星状細胞播種72時間後)、皮質ニューロンを、ウェルあたり170,000の密度でポリ-L-リシンでプレコートしたウェルの底に播種し、空気(95%)-CO(5%)インキュベーターで37℃で培養した。
親またはレトロインベルソ化合物適用。
HBMEC播種5日後、内皮細胞層の完全性の最初の試験後、試験化合物1~14および17~20(配列番号1~14および17~20)を管腔区画に加え、2時間、500nM濃度でインキュベートした。
試験化合物の定量。
反管腔側上清における各化合物の検出および定量を、マススペクトロメトリー(MS)分析でさらに実施した。サンプル解凍後、各細胞培養サンプルの100μL量を、質量分析によるペプチドの定量により分析した。
計算した通過パーセンテージは、適用の最後に反管腔側区画で測定された反管腔側区画における、適用された化合物のパーセンテージを表す。
実施例8
ラットへの末梢投与後のレトロインベルソ化合物のインビボ薬物動態プロファイル
ペプチドのクリアランスおよび除去は、代謝および腎臓排泄を含む複数のインビボ過程により介在され得る(Li et al, 2015; Lin et al, 2009)。インビトロ試験で、レトロインベルソペプチドの安定性の改善が示唆されたため、薬物動態性質を、化合物を末梢(静脈内)に単回用量レベルで投与し、次いで、血漿中の化合物の存在を、末梢投与後種々の時点で決定することにより試験した。
図9Aは、静脈内投与後種々の時点でのレトロインベルソ化合物、1個の天然化合物および1個の天然27アミノ酸対照化合物の血漿濃度を表す。全ての試験したレトロインベルソ化合物は、天然化合物と比較して、血漿保持時間の延長を示した。
表1は、ラットに静脈内投与後のレトロインベルソ化合物および天然27アミノ酸対照化合物のインビボ薬物動態性質を示す。
Figure 2023509383000001
図9Bは、雄Sprague-Dawleyラットにおける化合物20の脳分布動態を示す。マイクロダイアリシスプローブを、ラットの腹側線条体にインプラントしたガイドカニューレをとおして挿入し、CSFにより潅流した。化合物18を、単回10mg/kg静脈内ボーラス注射として投与し、マイクロダイアリシスサンプルを20分間隔で4時間集めた。化合物の脳間質液(ISF)濃度を、LC-MS/MSにより決定し、マイクロダイアリシス膜の回収%に対して正規化した(インビトロ実験により決定)。
全の試験したレトロインベルソ化合物は、27L-アミノ酸からなる対照天然ペプチドと比較して、血漿半減期、分布容積および平均滞在時間の改善を示した。さらに、脳マイクロダイアリシス試験は、単回静脈内ボーラス注射後、化合物20の脳実質への浸透を示した。
材料および方法
試験化合物を、雄Sprague-Dawleyラット(約6週齢、化合物あたりn=3)に、5mg/kgで静脈内(i.v.)投与した。血液サンプを、化合物投与後2分、5分、15分、30分、1時間、2時間および4時間に抗凝血材(ヘパリン)を含む、ラベルしたポリプロピレンにインプラントした内在カテーテル(250μl血液)を介して頸静脈から集め、最大30分間ウェットアイス上に維持した。血液サンプルを、血漿分離のために遠心分離した(4℃、21100G、5分間)。アセトニトリルまたはMeCN中の10%TFA含有トルブタミド500ng/mlを、内部標準溶液として使用した。標準サンプルを、ラット血漿にそれぞれ2~10000ng/ml濃度の検体をマトリクスに添加し、その他サンプルと同じに処理して調製した。サンプル血漿50μl量に、内部標準200μlを加えた。サンプルを混合し(150rpm、15分間)、遠心分離(3000rpm、15分間)した。分析方法を、クロマトグラフ(ピーク形状&保持)シフトおよびマススペクトル性質(イオン化効率、MS/MS検出)の反応モニタリングに最適化させた。上清を、エレクトロスプレーイオン化を使用するUHPLC-TOFマススペクトロメトリーにより分析した。
試験化合物を、雄Sprague-Dawleyラット(n=3)に0.5mg/kgで静脈内(i.v.)投与した。投与化合物は、化合物6(配列番号6)、化合物12(配列番号12)、化合物13(配列番号13)、化合物14(配列番号14)、化合物20(配列番号18)および27個のL-アミノ酸からなる親対照化合物であった。血漿サンプルを集め、続いてLC-MS/MS分析した。薬物動態パラメータを、種々のデータ点で血漿濃度から計算した。
脳マイクロダイアリシス試験を、化合物20(配列番号20)で静脈内処置した覚醒動物の別の群で実施した。マイクロダイアリシス実験1週間前、Sprague-Dawleyラットに、次の連携で、ガイドカニューレを線条体にインプラントした:AP+0.6mm;L-3.0mm;マイクロダイアリシスプローブのチップに最終V-6.8mmを提供する、V-2.8mm。実験当日、マイクロダイアリシスプローブ(Eicom A-I:0.22mm O.D.、4mm膜長でカットオフ50kDa)をガイドカニューレに挿入し、人工脳脊髄液(aCSF)溶液で0.1μL/分の一定流速で潅流した。120~150分間の安定化期間後、化合物18を、単回10mg/kg静脈内ボーラス注射として投与し、サンプルを20分間隔で4時間採った。化合物の脳間質液濃度をUHPLC-MS/MSにより分析した。インビボ試験に類似した条件下でaCSFで潅流したときの管類、コネクターおよびマイクロダイアリシスプローブからの試験化合物の回収を決定するためのさらなるインビトロ試験を実施した。決定された回収パーセンテージ(27.4%)を、マイクロダイアリシス試験で得たデータの補正に使用した。
EP58,481; US3,773,919; WO2007068803; WO2009133247; WO2013/3034805; WO2018/202957
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Claims (28)

  1. C-X-X-X-C(配列番号21)
    〔式中、
    はR、K、I、G、AおよびSからなる群から選択され;
    は存在しないかまたはG、A、R、K、IおよびSからなる群から選択され;そして
    はA、GおよびSからなる群から選択される。〕
    のレトロインベルソ形態のアミノ酸配列を含む、8~32アミノ酸の長さからなるペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  2. E-X-C-X-X-X-C-A-E(配列番号18)
    〔式中、
    はR、K、I、G、AおよびSからなる群から選択され;
    は存在しないかまたはG、A、R、K、IおよびSからなる群から選択され;
    はA、GおよびSからなる群から選択され;そして
    はE、T、V、D、MおよびGからなる群から選択される。〕
    のレトロインベルソ形態のアミノ酸配列を含む、請求項1のペプチド。
  3. -X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X-X10-X11(配列番号23)
    〔式中、
    はR、K、I、G、AおよびSからなる群から選択され;
    は存在しないかまたはG、A、R、K、IおよびSからなる群から選択され;
    はA、GおよびSからなる群から選択され;
    はE、T、V、D、MおよびGからなる群から選択され;
    は存在しないかまたはH、D、Q、R、Y、NおよびSからなる群から選択され;
    は存在しないかまたはS、D、G、NおよびRからなる群から選択され;
    は存在しないかまたはWであり;
    は存在しないかまたはGであり;
    は存在しないかまたはKであり;
    10は存在しないかまたはT、S、A、IおよびNからなる群から選択され;そして
    11は存在しないかまたはDおよびEから選択される。〕
    のレトロインベルソ形態のアミノ配列を含む、請求項1または2のペプチド。
  4. 12-X13-X14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-V-X24-E-L-K-X25-X26-L-X-X-X-E-X-C-X-X-X-C-A-E-X-X10-X11(配列番号24)
    〔式中、
    はR、K、I、G、AおよびSからなる群から選択され;
    は存在しないかまたはG、A、R、K、IおよびSからなる群から選択され;
    はA、GおよびSからなる群から選択され;
    はE、T、V、D、MおよびGからなる群から選択され;
    は存在しないかまたはH、D、Q、R、Y、NおよびSからなる群から選択され;
    は存在しないかまたはS、D、G、NおよびRからなる群から選択され;
    は存在しないかまたはWであり;
    は存在しないかまたはGであり;
    は存在しないかまたはKであり;
    10は存在しないかまたはT、S、A、IおよびNからなる群から選択され;そして
    11は存在しないかまたはDおよびEから選択され;
    12は存在しないかまたはL、IおよびVからなる群から選択され;
    13は存在しないかまたはDであり;
    14は存在しないかまたはLおよびWから選択され;
    15は存在しないかまたはA、S、T、EおよびNからなる群から選択され;
    16は存在しないかまたはSおよびTから選択され;
    17は存在しないかまたはVおよびDから選択され;
    18は存在しないかまたはDおよびAから選択され;
    19は存在しないかまたはLであり;
    20は存在しないかまたはR、K、SおよびWからなる群から選択され;
    21は存在しないかまたはKであり;
    22は存在しないかまたはM、L、IおよびVからなる群から選択され;
    23は存在しないかまたはRであり;
    24はA、K、T、LおよびVからなる群から選択され;
    25はQ、KおよびRからなる群から選択され;そして
    26は存在しないかまたはIおよびVから選択される。〕
    のレトロインベルソ形態のアミノ酸配列を含む、請求項1~3の何れかのペプチド。
  5. KEACARCEEGWSHLIQKLEAVRM(配列番号2)、
    KEACGKCTEGWDDLIKKLEKVRL(配列番号4)、
    TKEACARCEEG(配列番号6)、
    SKEACGKCTEG(配列番号8)、
    TKEACAGRCEEG(配列番号10)、
    SKEACGGKCTEG(配列番号12)、
    KEACARCEE(配列番号14)、
    KEACGKCTE(配列番号16)、
    EACARCEE(配列番号18)および
    EACGKCTE(配列番号20)、
    からなる群から選択される配列からなり、ここで、ペプチドの全アミノ酸はD-アミノ酸である、請求項1~4の何れかのペプチド。
  6. ペプチドが小胞体(ER)ストレス誘導細胞機能不全または細胞死から保護する、請求項1~5の何れかのペプチド。
  7. ペプチドがGRP78に結合する、請求項1~6の何れかのペプチド。
  8. システインが還元形態またはジスルフィド架橋形態である、請求項1~7の何れかのペプチド。
  9. ペプチドのN末端がアセチル化される、請求項1~8の何れかのペプチド。
  10. ペプチドのC末端がアミド化される、請求項1~9の何れかのペプチド。
  11. ペプチドのN末端がアセチル化され、ペプチドのC末端がアミド化される、請求項1~10の何れかのペプチド。
  12. ペプチドがシュードペプチドである、請求項1~11の何れかのペプチド。
  13. ペプチドが環状ペプチドである、請求項1~12の何れかのペプチド。
  14. 検出可能な化学部分、生化学部分またはポリエチレングリコール(PEG)にコンジュゲートした、請求項1~13の何れかのペプチド。
  15. ペプチドが、次の性質
    (i)TH陽性ニューロンをMPP毒性から用量依存的に保護できる;
    (ii)TH陽性ニューロンにおけるアルファ-シヌクレイン封入体の数を減少させる;
    (iii)その親対応物と比較して改善された血漿での安定性を有する;
    (iv)その親対応物と比較して改善された肝細胞での安定性を有する;または
    (v)その親対応物と比較して改善された血液脳関門を通過する能力を有する
    の少なくとも1個を有する、請求項1~14の何れかのペプチド。
  16. 医薬として使用するための、請求項1~15の何れかのペプチド。
  17. 神経変性疾患または障害などの変性疾患または障害、慢性疾患または障害または進行性疾患または障害の処置に使用するための、請求項1~15の何れかのペプチド。
  18. 該神経変性疾患または障害がパーキンソン病、アルツハイマー病、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、前頭側頭葉変性、レヴィ小体型認知症、軽度認知機能障害、ハンチントン病、外傷性脳傷害、外傷性脊髄傷害、進行性核上性麻痺、ピック病、純粋自律神経不全症、大脳皮質基底核変性症、慢性外傷性脳症、脊髄小脳失調症および末梢ニューロパチーならびにその疾患および障害のスペクトルからなる群から選択される中枢神経系疾患である、請求項17の使用のためのペプチド。
  19. ウォルコット・ラリソン症候群、ウォルフラム症候群、マリネスコ・シェーグレン症候群、マシャド・ジョセフ病および網膜色素変性症などの変性網膜疾患および一次性ネフローゼ症候群および常染色体優性多嚢胞性腎臓疾患などの遺伝性ネフローゼ症候群からなる群から選択される、病原性因子として小胞体(ER)ストレスを有する単遺伝子遺伝性疾患の処置に使用するための、請求項1~15の何れかのペプチド。
  20. 該ペプチドが静脈内、動脈内、皮下、鼻腔内、眼内、鼓室内または局所投与などの末梢投与、経腸、非経腸または経口、直腸、舌下または頬側投与を含む局所経路、腹腔内、筋肉内、関節内、経皮、蝸牛内、局所眼または吸入投与または頭蓋内、髄腔内、硬膜外または病巣内投与により投与される、請求項16~19の何れかの使用のためのペプチド。
  21. 該ペプチドが皮下投与により投与される、請求項20の使用のためのペプチド。
  22. 請求項1~15の何れかのペプチドおよび次の薬学的に許容される担体、薬学的に許容される添加物、防腐剤、安定化剤および/または希釈剤の少なくとも1個を含む、医薬組成物。
  23. 医薬として使用するための、請求項22の医薬組成物。
  24. 神経変性疾患または障害などの変性、慢性または進行性疾患または障害の処置に使用するための、請求項22の医薬組成物。
  25. 該神経変性疾患または障害がパーキンソン病、アルツハイマー病、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、前頭側頭葉変性、レヴィ小体型認知症、軽度認知機能障害、ハンチントン病、外傷性脳傷害、外傷性脊髄傷害、進行性核上性麻痺、ピック病、純粋自律神経不全症、大脳皮質基底核変性症、慢性外傷性脳症、脊髄小脳失調症および末梢ニューロパチーならびにその疾患および障害のスペクトルからなる群から選択される中枢神経系疾患である、請求項24の使用のための医薬組成物。
  26. ウォルコット・ラリソン症候群、ウォルフラム症候群、マリネスコ・シェーグレン症候群、マシャド・ジョセフ病および網膜色素変性症などの変性網膜疾患および一次性ネフローゼ症候群および常染色体優性多嚢胞性腎臓疾患などの遺伝性ネフローゼ症候群からなる群から選択される病原性因子として小胞体(ER)ストレスを有する単遺伝子遺伝性疾患の処置に使用するための、請求項22の医薬組成物。
  27. 該組成物が静脈内、動脈内、皮下、鼻腔内、眼内、鼓室内または局所投与などの末梢投与、経腸、非経腸または経口、直腸、舌下または頬側投与を含む局所経路、腹腔内、筋肉内、関節内、経皮、蝸牛内、局所眼または吸入投与または頭蓋内、髄腔内、硬膜外または病巣内投与により投与される、請求項22~26の何れかの使用のための医薬組成物。
  28. 該組成物が皮下投与により投与される、請求項27の使用のための医薬組成物。
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