JP2023508147A - フィルタ逆投影(fbp)のためにコンピュータ断層撮影(ct)データを処理する方法 - Google Patents

フィルタ逆投影(fbp)のためにコンピュータ断層撮影(ct)データを処理する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、CTデータから再構成されたCT画像における画像コーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するためにCTデータを処理する方法に関するものである。再構成には、周波数分割法が使用される。しかしながら、この方法を直裁に使用すると、画像ドメインのノイズ除去方法を適用した後に、基底画像に残る残留低周波ノイズの望ましくない増加につながり得る。この残留ノイズは、スペクトル結果にかなり直線的に伝播する。このノイズの増加を回避するために、ここに提示される方法は、FS法を選択的に、それでいて効果的に使用する。このように、本発明の第1の態様においては、コンピュータ断層撮影(CT)データから再構成されるべきCT画像内の画像コーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するように該CTデータを処理する方法が提供される。該方法は、患者のCTスキャンの間に生成されたCTデータを取得するステップS1、該取得されたCTデータを投影ドメインで分解して、複数の分解されたサイノグラムを生じさせるステップS2、及び画像コーンビームアーチファクトにつながるであろうノイズ及び/又は不整合を、前記分解されたサイノグラムの間で不均一に分散させるステップS3を有する。

Description

本発明は、コンピュータ断層撮影(CT)データから再構成されるべきCT画像における画像コーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するように該CTデータを処理する方法、CT画像における画像コーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するようにCTデータを処理するためのシステム、コンピュータプログラム要素及びコンピュータ可読媒体に関する。
コーンビームコンピュータ断層撮影(CT)システムの導入は、幾つかの利点を提供する。単一スライスCTシステムと比較して、データ取得のための時間を短縮でき、X線管の出力が一層効率的に使用されることによりX線管の熱管理が簡単になり、許容可能なスキャン時間を達成するために、最早、z分解能を妥協する必要がない。しかしながら、コーンビームCTシステムを使用する主な課題は、適切な再構成アルゴリズムを見つけることである。多数の出版物が、線源-検出器システムの螺旋経路の間に取得されたコーンビーム投影の再構成の問題に取り組んでいる。
例えば、国際特許出願公開第WO2019/096600号は、複数の異なるタイプの投影データに対してボクセル当たり1つのジオメトリ計算を用いた単一CT逆投影を提案し、これにより再構成システムのコストを低減し、処理時間を改善している。
しかしながら、これまでのところ、正確又は準正確なアルゴリズムは、PI及び3-PI取得に対してしか存在しない。しかしながら、実用的な観点からは、特に任意の量の冗長データを使用できる場合、近似法は中間サイズのコーン角度に対して依然として利点を有している。冗長データを使用することは、z方向のサンプリングアーチファクトが大幅に低減すると共に患者の動きに対する感度を低減することが知られているからである。
更に、ほとんどの近似法は、全検出器領域を任意のピッチ値で、したがって患者に供給される全線量を用いて使用でき、解像度向上のためにX線オフセット技術を使用する可能性をサポートする。他の利点は、計算労力の減少から生じ得る。これが、本発明の発明者が周波数分割法を共同発明者と共同で発明した理由であり、該方法は、2004年に論文“The frequency split method for helical cone beam reconstruction”, Gilad Shechter, Thomas Koehler, Ami Altman and Roland Proksa, Medical Physics 31, No. 8,2004で公開された。それ以来、周波数分割(FS)法は、CT開業医の間で人気を博し、CTイメージングを改善するよく知られた技術である。
周波数分割(FS)法は、非ゲートヘリカルスキャンから再構成されたCT画像のコーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するための実用的な方法を提供する。しかしながら、この方法の使用は画像の低周波ノイズ成分を増加させている。このノイズの増加は、投影ドメイン分解後に再構成されるスペクトルCT画像において扱い難くなる(論文“Energy-selective reconstructions in X-ray computerized tomography”, Robert E. Alvarez and Albert Macovski, Phys. Med. Biol.21,p-733,1796及び論文“K-edge imaging in x-ray computed tomography using multi-bin photon counting detectors”, Ewald Roessl and Roland Proksa, Physics in medicine and biology,52,2007参照)。これは、これらの画像が文献“Quantization of Liver Tissue in Dual kVp Computed Tomography using Linear Discriminant Analysis”, J.Eric Tkaczyk et al, Proceedings of SPIE 7258,2009に記載されているように、強い反相関ノイズの影響を受けることが知られているからである。
このノイズの増加は、画像からほとんど全ての高周波ノイズ成分を一掃することができる進んだ画像ドメインノイズ除去方法の存在下でも一層強調される。
このように、本発明の発明者は、広コーン角スペクトルCTにおけるCBAの問題を更に低減する必要性を認識した。
したがって、広コーン角スペクトルCTにおいてCBAを抑圧するための実用的な方法及びシステムの必要性が存在し得る。
本発明の目的は、独立請求項の主題により解決され、更なる実施形態は従属請求項に含まれる。本発明の以下に記載される態様は、コンピュータ断層撮影(CT)データから再構成されるべきCT画像における画像コーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するように該CTデータを処理する方法、システム、プログラム要素及びコンピュータ可読媒体にも等しく当てはまることに留意されたい。
本発明の第1の態様によれば、コンピュータ断層撮影(CT)データから再構成されるべきCT画像における画像コーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するように前記CTデータを処理する方法が提供される。該方法は:
- 患者のCTスキャン中に生成されるCTデータを取得するステップ(ステップS1);
- 前記取得されたCTデータを投影ドメインで分解して、複数の分解されたサイノグラムを生成するステップ(ステップS2);
- 前記分解されたサイノグラム間で、画像コーンビームアーチファクトにつながるであろうノイズ及び/又は不整合(不一致)を不均一に分散させるステップ(ステップS3);及び
- ステップS3において前記不均一な分散が適用された前記分解されたサイノグラムにフィルタ逆投影(FBP)を適用し、これにより周波数分割(FS)法を使用して1以上の基底(ベース)画像を再構成するステップ(ステップS4);
を有する。
言い換えると、ここでは、CTにおいて画像CBAを抑圧するための実用的な方法が提案される。前述したFS法を紹介する論文に基づいて当業者により今日適用される元々のFS法とは反して、本発明の方法は、以下で更に詳細に説明されるように、これらCT画像における低周波ノイズを抑圧する。
本発明の方法は、好ましくは、CT画像を再構成するために通常使用されるコンピュータ、例えば再構成サーバ上で実行されることに留意されたい。
更に、ここに提示される該方法の可能性のあるアプリケーションは、デュアルレイヤ検出器、高速kVpスイッチング又はデュアルソース等のデュアルエネルギシステムなどの種々の広コーン角スペクトルCTシステム、並びにフォトンカウンティングシステムにおける全ての非ゲートヘリカルスキャンである。
更に、本発明のコンテキストにおいて、「再構成されるべきCT画像」は、以下に更に詳細に説明されるように「ベース画像」又は「基底画像」である。本発明の方法を使用することにより元々の取得されたCTデータから再構成される基底画像は、例えば図2に見ることができ、該図において参照記号206で示されている。
前記取得されたCTデータを投影ドメインで分解して、複数の分解されたサイノグラムを生成するステップに関し、当業者はこの方法ステップに精通していることに留意されたい。このことは、長年にわたってCT再構成の分野で頻繁に行われているからである。これに関する詳細は、例えば前述した刊行物により開示されており、本発明の特定の実施形態のコンテキストにおいて以下でも説明されるであろう。
前述した方法ステップS1~S3の結果はサイノグラムであり、これらサイノグラムにおいて、画像コーンビームアーチファクトにつながるであろうノイズ及び/又は不整合は不均一に分散される。好ましくは、該ノイズ及び/又は不整合は可能な限り不均一に、すなわち、画像コーンビームアーチファクトにつながるであろう前記ノイズ及び/又は不整合の最大の不均一分布を伴って、分散される。これについては、以下で更に詳しく説明する。
更に、本発明により斯様にして提供されたサイノグラムは、次いで、すなわちステップS1~S3が適用された後、よく知られた周波数分割(FS)法が適用されるデータとして使用される。このように、既にステップS1~S3は改善されたデータを提供しており、該データを、次いで、ステップS3で不均一な分散が適用された分解されたサイノグラムにフィルタ逆投影(FBP)を適用することにより、1以上のベース画像の再構成において使用及び処理できる。このフィルタ逆投影(FBP)において、周波数分割(FS)法を使用できる。
本発明のコンテキストにおいて、「周波数分割(FS)法」とは、CT再構成において当業者により一般的に行われるように、論文“The frequency split method for helical cone beam reconstruction”, Gilad Shechter, Thomas Koehler, Ami Altman and Roland Proksa, Medical Physics 31, No.8,2004に詳細に記載されている良く知られた方法として理解されるべきである。本発明の方法のステップS1~S3から得られたサイノグラム/データが上記方法において使用されると、改善されたCT画像が再構成され得る。これについては、以下で更に詳しく説明する。
本発明のコンテキストで使用される周波数分割(FS)法は、ベース画像の少なくとも幾つかの低周波は、供給されたCTデータの全てのデータは使用しないで再構成される一方、該ベース画像の高周波は該CTデータのより多くの、好ましくは全てのデータを使用して再構成されるフィルタ逆投影(FBP)として理解され得る。このように、本明細書に提示される当該方法は、フィルタ逆投影のためにCTを処理する方法と見なすことができる。
このように、ステップS1~S3を使用する本明細書で上述された方法によれば、広コーン角スペクトルCTにおいてCBAを抑圧するための実際的な方法が提供される。オリジナルのFS法とは反して、ここに提示される方法は、本開示から明らかになるように、これらの画像における低周波ノイズを抑圧するのに役立つ。
一例示的実施形態において、先ず、投影ドメインで分解された異なるサイノグラムに対してユニタリ基底変換を適用することができる。このようにして、これらのサイノグラム間でノイズ(及び/又は画像CBAにつながる不整合)を可能な限り不均一に分散させることができる。次に、FS法を使用し、これにより、他のものよりもノイズが多い及び/又はコーン角不整合により余り汚染されていないことが分かっているサイノグラムに対して該FS法の攻撃性を減らすことにより、各サイノグラムを再構築できる。
言い換えると、この実施形態においては、異なるサイノグラムに対しFS法を異なるように選択的に適用するという意味で、選択的な使用が示唆される。このFS法の選択的な使用は、デュアルソーススペクトルシステムにも適用できる。
勿論、ステップS3で必要とされる斯様な不均一な分散は様々な異なる方法で達成でき、幾つかの例示的実施形態を、特定の数学的に定式化された実施形態を用いて以下に更に詳細に解説する。
一般的に、当該提示される方法は、周波数分割法が適用されるが、画像の低周波ノイズ成分が増加するという欠点をもたらすCT画像を再構成する従来技術の問題を解決する。このノイズの増加は、投影ドメイン分解後に再構成されるスペクトルCT画像において更に厄介となる。これらの不利な点は、前述したステップS1~S3によるサイノグラムの提供により克服される。これらをFS法で処理した後、再構成されるべき画像における低周波ノイズ成分の増加は回避され又は少なくとも減少されるからである。
本発明の発明者は、図5の(a)~(c)に示される試験において、本明細書に提示される方法により提供される利点を実証することもできた。図5の(a)~(c)に示される矢状脳画像は、回転中心における8cmのビーム開口、0.3のピッチ係数及び340mAのシミュレーションされたデュアルエネルギヘリカルスキャンから再構成されている。図5の(a)に示されるように、当該再構成にFS法が適用されない場合、許容できない帯状のCBAが小脳の周囲に現れる。図5の(b)において、発明者は、FS法を使用して、元の基底要素Lα=1,2を、cmあたり4ライン対においてゼロまで役割を果たす低周波フィルタ(LPP)を用いて再構築した。ここでは、CBAの抑圧は、残留低周波ノイズの増加により犠牲にされている。このノイズの増加は、灰白質と白質との区別を妨害し、当該画像を元のCBAよりも多く損なっている。該残留低周波ノイズ(x-yにおける)は、小脳周辺の画像のぼやけの原因ともなる。図5の(c)において、発明者は、分解されたサイノグラムの間において、画像コーンビームアーチファクトにつながるであろうノイズ及び/又は不整合を不均一に分散させている。一例として、後の式(3)に記載されるUβαを使用して新たな基底に切り替えた。図5の(b)を得るためにFS法構成が使用されてLβ=2のサイノグラムを再構築する一方、Lβ=1サイノグラムはFS法を使用せずに再構成された。図5の(c)の試験におけるFSの選択的な使用により、図5の(a)に対して残留低周波ノイズの増加は観察されない。同時に、CBAの明確な抑圧が依然として達成されている。このように、これらの試験により確認されるように、コンピュータ断層撮影(CT)データから再構成されるべきCT画像における画像コーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するために該CTデータを処理する当該方法は、従来技術と比較して改善された再構成結果を提供する。
産業用デュアルエネルギCTスキャナは、2つのエネルギビンで信号を収集することからなる。フォトンカウンティングCTシステムにおいて、nbinで示されるビンの数は、例えば5まで増加し得る。投影ドメイン分解により、n個の等価経路が数値的に分解され、ここで、n≦nbinである。このことは、分析式を反転するか、又は尤度関数を最大化することにより実行できる。これらの等価経路を、Aα(α=1,2…n)により表わす。便宜上、上記等価経路を、以下のように、Lαで表される無次元線積分に変換する。ここで、μαは、或る固定エネルギにおける(例えば、70keVにおける)Aαに対応する材料の減衰係数である。
Figure 2023508147000002
次いで、Iαで示される基底画像が、これらの線積分のサイノグラムからフィルタ逆投影(FBP)法により再構成される。
したがって、例示的実施形態によれば、投影ドメイン分解は、n個の等価経路を数値的に分解するために使用される。
本発明の他の例示的実施形態によれば、画像コーンビームアーチファクトにつながるであろう前記ノイズ及び/又は不整合は、前記分解されたサイノグラム間で可能な限り不均一に分散される。
本発明によれば、当該方法は、更に、ステップS3において前記不均一な分散が適用された前記分解されたサイノグラムにフィルタ逆投影(FBP)を適用し、これにより周波数分割(FS)法を使用することにより1以上のベース画像を再構成するステップ(ステップS4)を有する。
言い換えると、1以上のベース画像は、当該ベース画像の少なくとも一部の低周波は取得されたCTデータの全てのデータは使用せずに再構成される一方、該画像の高周波は該CTデータのより多く、好ましくは全てのデータを使用して再構成されるようなフィルタ逆投影(FBP)を適用することにより再構成される。このように、この実施形態によれば、当該画像の低周波は当該投影のごく一部のみを使用して再構成され、これらの間の2D一貫性を高める。
当該FS法は、ヘリカルコーンビームCTにおける冗長データを利用するための近似法である。これは、元のWEDGE法は逆投影に180°をわずかに超えるデータが使用される場合に優れた画質を提供する一方、大量の冗長データが使用される場合に著しい低周波アーチファクトが現れるという観察に基づいている。この劣化は、周波数分割法により補償される。画像の低周波部分は180°をわずかに超えるデータを使用して再構成できる一方、高周波部分はより多くの、好ましくは全てのデータを使用して再構成される。FS法は再構成される画像の信号対雑音比をほとんど劣化させることはなく、動きの存在下でもロバストに動作することが知られている。
本発明の他の例示的実施形態によれば、前記周波数分割(FS)法は、前記ベース(基底)画像の少なくとも幾つかの低周波が前記取得されたCTデータのうちの全てのデータは使用しないで再構成される一方、前記基底画像の高周波は前記CTデータのうちのより多く、好ましくは全てのデータを使用して再構成される、ことを特徴とする。
本発明の他の例示的実施形態によれば、前記周波数分割(FS)法は前記複数のサイノグラムに選択的に適用される。
このように、以下で詳細に説明されるように、少なくとも2つの異なるサイノグラムについて、当該FS法のパラメータは、異なるサイノグラムに対して変化される。
本発明の他の例示的実施形態によれば、前記周波数分割(FS)法の攻撃性(積極性)は異なるサイノグラムに対して変化される。
当業者により理解されるように、FS法は(以前の再構成法とは対照的に)取得されたCTデータに対して少なくとも2つの再構成、すなわち、取得されたCTデータの全て又は多くが使用される高周波のための1つの再構成、及び全体のCTデータは使用されない(ここでは、冗長データが無視されるため)低周波のための1つの再構成、を適用する。このように、FS法の「攻撃性」は、本発明のコンテキストにおいては、当該FS法を適用することによりどれだけ多くの冗長データが無視されるかを記述する又は示すパラメータ/指標と理解されるべきである。
第1の例においては、ユーザ又はシステムにより設定できると共に、異なる再構成が適用される高周波と低周波とを区別する境界が、当該FS法の「攻撃性」を調整する方法である。ユーザ又はシステムにより例えば高い境界値を設定し、したがって、多くの周波数を、再構成の間に一定量の冗長データが無視される「低周波」として分類する場合、このことは、当業者によりFS法を適用する攻撃的(積極的)な方法と理解されるであろう。したがって、供給されたCTデータの高周波と低周波とを分離するかなり低い境界値は、当業者によれば、当該FS法に、かなり低い「攻撃性の」値を適用するものと理解されるであろう。
上記第1の例と勿論組み合わせることができる第2の例において、ユーザ/システムは、低周波の再構成における供給されたCTデータの角度スペクトルの使用を制限する角度パラメータを使用して、当該FS法の“攻撃性”を設定できる。供給されたCTデータが患者のスキャンの360°度を含むと仮定すると、前記角度パラメータは、例えば、低周波の再構築のために、180°、185°、190°、200°、又は240°のみが使用されると定義する。このように、この角度パラメータも、前述した境界値と共に、当該FS法がどの程度攻撃的に適用されるかを決定する。
本発明の他の例示的実施形態によれば、前記周波数分割(FS)法の攻撃性は、大きな低周波ノイズを持つ少なくとも1つのサイノグラム、好ましくは全てのサイノグラムに対して低下される。
この方法を実行するユーザ及び/又はシステムは、例えばユーザ入力により、これを超えたなら大きな低周波ノイズと見なされる低周波ノイズレベルを決定することができる。この構成は、本方法の例示的実施形態の一部と見なされ得る。この場合、当該方法は、供給されたCTデータが投影ドメインで分解されたサイノグラムから、この基準を満たすサイノグラムを自動的に選択できる。このことは、詳細な実施形態のコンテキストの下で後に詳細に説明される。
本発明の他の例示的実施形態によれば、前記周波数分割(FS)法の攻撃性は、低レベルのコーン角不整合を持つ少なくとも1つのサイノグラム、好ましくは全てのサイノグラムに対して低下される。
この方法を実行するユーザ及び/又はシステムは、例えば、ユーザ入力により、それ以下では低レベルのコーン角不整合であると見なされるようなコーン角不整合のレベルを決定できる。この構成は、当該方法の例示的実施形態の一部と見ることができる。この場合、当該方法は、取得されたCTデータが投影ドメインで分解されたサイノグラムから、この基準を満たすサイノグラムを自動的に選択できる。このことは、詳細な実施形態のコンテキストの下で、後に詳細に説明される。
本発明の他の例示的実施形態によれば、異なるサイノグラムに対する前記周波数分割(FS)法の攻撃性の変化は、該周波数分割(FS)法で使用される低周波フィルタのカットオフ及び/又は形状を変化させることにより制御される。
この変化は、コンピュータにより自動的に実行でき、又は、ユーザにより、当該周波数分割(FS)法で使用される低周波フィルタのカットオフ及び/又は形状を各サイノグラム若しくはサイノグラムのグループに関して個別に制御/調整することにより実行できる。このことは、詳細な実施形態のコンテキストにおいて後に詳細に説明される。
本発明の他の例示的実施形態によれば、異なるサイノグラムに対する前記周波数分割(FS)法の攻撃性の変化は、低周波画像を生成するために使用される逆投影(BP)加重構成を変更することにより制御される。
この逆投影(BP)加重構成の変更は、コンピュータにより自動的に実行できるか、又は、ユーザにより、各サイノグラム又はサイノグラムのグループに関して逆投影(BP)加重構成を個別に制御/調整することにより実行できる。このことは、詳細な実施形態のコンテキストにおいいて、後に詳細に説明される。
本発明の他の例示的実施形態によれば、前記CTデータは前記患者の身体の非ゲートヘリカルスキャンに由来する。このように、提示される当該方法は、CT撮像装置を用いて患者の身体の非ゲートヘリカルスキャンを実行すると共に、形成される画像データを本明細書に示される該方法のステップS1で使用される「CTデータ」として生成するステップも有し得る。
本発明の第2の態様によれば、コンピュータ断層撮影(CT)データから再構成されるべきCT画像における画像コーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するように前記CTデータを処理するためのシステムが提供される。該システムは計算ユニットを有し、該計算ユニットは:
- 患者のCTスキャン中に生成されるCTデータを受信し;
- 前記受信されたCTデータを投影ドメインで分解して、複数の分解されたサイノグラムを生成し;
- 前記分解されたサイノグラム間で、画像コーンビームアーチファクトにつながるであろうノイズ及び/又は不整合を不均一に分散させ;及び
- 前記不均一な分散が適用された前記分解されたサイノグラムにフィルタ逆投影(FBP)を適用し、これにより周波数分割(FS)法を使用して1以上のベース画像を再構成する;
ように構成される。
上記システムは、CT画像の再構成に通常使用されるコンピュータ、例えば再構成サーバとして具現化され得る。しかしながら、該システムは、ステップS1~S3で説明されたCTデータの処理が実行されるCT撮像装置によっても構成され得る。
当該システムの一部又は全ての要素は、適切にプログラムされたFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)において又は配線ICチップとして等のように、ハードウェアで構成できる。該システムの一部の要素は、ソフトウェアで、ハードウェアで、又は両方により構成できる。本明細書に開示される1以上のフィーチャは、コンピュータ可読媒体内に符号化された回路、及び/又はそれらの組み合わせとして/により構成され又は実施化され得る。回路には、個別の及び/又は集積化された回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SOC)、これらの組み合わせ、マシン、コンピュータシステム、プロセッサ及びメモリ、コンピュータプログラムが含まれ得る。
本発明の他の例示的実施形態によれば、前記計算ユニットは、ステップS3の不均一な分散が適用された分解されたサイノグラムにフィルタ逆投影(FBP)を適用し、これにより周波数分割(FS)法(ステップS3)を使用することによりベース画像を再構成するように構成され、ここで、前記周波数分割(FS)法は、好ましくは、前記複数のサイノグラムに選択的に適用される。
本発明の他の態様によれば、コンピュータ断層撮影(CT)データから再構成されるべきCT画像における画像コーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するように前記CTデータを処理するためのCTシステムが提供される。該システムは、CT撮像システム及び前述したシステムを有する。
本発明の他の態様によれば、コンピュータプログラム要素が提供され、該コンピュータプログラム要素は、少なくとも1つの処理ユニットにより実行された場合に、該処理ユニットに、
- 患者のCTスキャン中に生成されるCTデータを取得するステップ(ステップS1);
- 前記取得されたCTデータを投影ドメインで分解して、複数の分解されたサイノグラムを生成するステップ(ステップS2);
- 前記分解されたサイノグラム間で、画像コーンビームアーチファクトにつながるノイズ及び/又は不整合を不均一に分散させるステップ(ステップS3);及び
- ステップS3において前記不均一な分散が適用された前記分解されたサイノグラムにフィルタ逆投影(FBP)を適用し、これにより周波数分割(FS)法を使用して1以上の基底画像を再構成するステップ(ステップS4);
を有する方法を実行させるように適合される。
したがって、上記コンピュータプログラム要素は、これも本発明の実施形態の一部でもあり得るコンピュータユニット上に記憶され得る。このコンピュータ(コンピューティング)ユニットは、前述した方法のステップの実行を実施又は誘導するように適合され得る。更に、該コンピューティングユニットは、前述した装置の構成要素を動作させるように適合され得る。該コンピューティングユニットは、自動的に動作するように、及び/又はユーザの指令を実行するように適合できる。コンピュータプログラムは、データプロセッサの作業メモリにロードできる。このように、該データプロセッサは本発明の方法を実行するように装備され得る。
本発明のこの例示的な実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラム、及び更新により既存のプログラムを、本発明を使用するプログラムに変えるコンピュータプログラムの両方をカバーする。
更に、当該コンピュータプログラム要素は、前述した方法の例示的実施形態の手順を遂行するために必要な全てのステップを提供することができる。
本発明の他の態様によれば、上述されたプログラム要素を記憶したコンピュータ可読媒体が提供される。
本発明の他の例示的実施形態によれば、CD‐ROM等のコンピュータ可読媒体が提示され、該コンピュータ可読媒体は、先の段落により説明されたコンピュータプログラム要素を記憶している。
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される光学記憶媒体又は固体媒体等の適切な媒体(必ずしもそうではないが、特に非一時的媒体)により記憶及び/又は配布され得るが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介して等のように、他の形態で配布することもできる。
しかしながら、コンピュータプログラムは、World Wide Web等のネットワークを介して提供することもでき、このようなネットワークからデータプロセッサの作業メモリにダウンロードすることもできる。本発明の他の例示的実施形態によれば、コンピュータプログラム要素をダウンロードのために利用可能にするための媒体も提供され、該コンピュータプログラム要素は本発明の前述した実施形態の1つによる方法を実行するように構成される。
本発明の例示的実施形態によれば、前記取得されたCTデータセットは、広コーン角スペクトルCTデータセットである。
本発明の実施形態は、異なる主題に関して説明されていることに留意されたい。特に、幾つかの実施形態は方法タイプの請求項に関して説明される一方、他の実施形態は装置のタイプの請求項に関して説明されている。しかしながら、当業者であれば、上記及び以下の説明から、別段の記載がない限り、或るタイプの主題に属するフィーチャの任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関連するフィーチャの間の任意の組み合わせも本出願により開示されていると見なされることが分かるであろう。しかしながら、全てのフィーチャは、斯かるフィーチャの単なる寄せ集めを超える相乗効果を提供するように組み合わせることができる。
図1は、本発明の例示的実施形態による、コンピュータ断層撮影(CT)データから再構成されるべきCT画像における画像コーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するように該CTデータを処理する方法のフローチャートを示す。 図2は、本発明の例示的実施形態による、CTデータから再構成されるCT画像におけるCBAを抑圧するように該CTデータを処理する方法の流れ図を示す。 図3は、本発明の例示的実施形態で使用され得るノイズ成分の典型的な散乱プロットを示す。 図4は、本発明の例示的実施形態による、CT画像における画像コーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するようにCTデータを処理するためのCTシステムを示す。 図5の(a)~(c)は、CT画像を再構成する従来技術に対する本発明の方法の例示的実施形態の結果を示す。
図1は、CTデータから再構成されるCT画像における画像コーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するように該CTデータを処理する方法のフローチャートを示している。当該再構成にはFS法が使用される。しかしながら、この方法の直裁的な使用は、画像ドメインノイズ除去方法を適用した後に、基底画像に残る残留低周波ノイズの望ましく増加につながり得る。この場合、この残留ノイズはスペクトル結果にかなりリニアに伝播する。このノイズの増加を回避するために、図1に示す方法は、FS法を選択的に、それでいて効果的に使用する。これを、他の図2~図4と組み合わせて、以下に更に詳細に説明する。
図1の方法は、ステップS1における患者のCTスキャンの間に生成されたCTデータを受信/供給/取得するステップを有する。更なるステップとして、ステップS2において、上記の取得されたCTデータは投影ドメインで分解され、複数の分解されたサイノグラムを生じる。更に、ステップS3において、画像コーンビームアーチファクトにつながるであろうノイズ及び/又は不整合に関して前記分解されたサイノグラムの間での均一でない分散が実行される。ステップS3の後、結果としてのデータ、すなわちノイズ/不整合さが分散されたサイノグラムが、ステップS4において使用される。このステップにおいては、ステップS3において不均一な分散が適用された上記分解されたサイノグラムにフィルタ逆投影(FBP)を適用し、これによりステップS4において周波数分割(FS)法を使用することにより、1以上のベース画像の再構成が実行される。
言い換えると、ここでは、広コーン角スペクトルCTにおいて画像CBAを抑圧するための実用的な方法が提案される。元々のFS法とは反して、本発明の方法は、特に図2に示される実施形態のコンテキストにおいて以下で更に詳細に説明されるように、これらの画像における低周波ノイズを制限する助けとなる。
図1の方法は、好ましくは、コンピュータ上で、例えばCT画像を再構成するために通常使用される再構成サーバ上で実行されることに留意されたい。更に、ここに提示される該方法の可能な適用は、デュアルレイヤ検出器、高速kVpスイッチング、デュアルソース等のデュアルエネルギシステム等の種々の広コーン角スペクトルCTシステム、及びフォトカウンティング(光子計数)システムにおける全ての非ゲートヘリカルスキャンである。
前述した方法ステップS1~S3の結果は、画像コーンビームアーチファクトにつながるであろうノイズ及び/又は不整合が不均一に、すなわち不均等に分散されたサイノグラムをもたすであろう。好ましくは、ノイズ及び/又は不整合は、可能な限り不均一に、すなわち、画像コーンビームアーチファクトにつながるであろう前記ノイズ及び/又は不整合の不均一な分布が最大となるように分散される。これについては、図2の前後関係で更に詳しく説明されるであろう。
ここでも、図1のコンテキストで使用される周波数分割(FS)法は、図2及び図3のコンテキストで説明されるように、ベース画像の少なくとも一部の低周波は取得されたCTデータの全データを用いることなく再構成される一方、該ベース画像の高周波は該CTデータの一層多くのデータ、好ましくは全てのデータを使用して再構成されるフィルタ逆投影(FBP)として理解できる。
図2は、本発明の例示的実施形態による、前記CTデータから再構成されるCTベース画像のCBAを抑圧するためのCTデータを処理する方法の流れ図を示す。以下の説明から明らかなように、図2は広コーン角スペクトルCTにおける画像CBAを抑圧するための実際的な方法を示している。該方法が、これらの画像における低周波ノイズを抑圧する助けとなるからである。図2に示される実施形態は、デュアルレイヤ検出器等のデュアルエネルギシステム、高速kVpスイッチング法又はデュアル線源、並びにフォトカウンティングシステム等の種々の広コーン角スペクトルCTシステムにおける全ての非ゲートヘリカルスキャンに適用できる。
図2の方法200において、事前に計算された変換のための基底201が、分解されたサイノグラム202の間において、画像コーンビームアーチファクトにつながるノイズ及び/又は不整合を不均一に分散させるために使用される。この結果、以下に続く詳述される例示的実施形態で説明されるように、基底が変更される。もちろん、基底変換201を事前計算するための種々の方法が存在する。例えば、異なるサイノグラム間でノイズを不均一な態様で分散させることを意図した先験的知識を使用することができる。ここでの考え方は、当該FS法を各基本要素に対し選択的に使用して各サイノグラムを画像に再構成する、すなわち、他のものよりも大きい低周波ノイズを有することが分かっているFSサイノグラムの攻撃性を低減することである。他の例として、これらの異なるサイノグラム間で広コーン角に起因する不整合さを不均一な態様で分散させることを目的として、異なる先験的知識を使用することもできる。この場合、他のものより少ないコーン角不整合を含むことがわ分かっているものに対してFSの攻撃性を減少させてサイノグラムを再構築すべきである。これらの2つのアプローチのいずれか、又は両方の組み合わせを使用して、CBAの満足のゆく低減を得ると同時に、スペクトル結果における残留低周波ノイズの増加を回避できる。
図2には、分解されたサイノグラム202の間でノイズ及び/又は不整合を不均一に分散させるために基底の変更が適用される複数の分解されたサイノグラム204a、205a及び206aも示されている。更に、図2は、FS法が該FS法の攻撃性に関して異なるサイノグラムに対し異なるように適用されることも示している(204b、205b、206b参照)。この結果、スペクトル結果を生成するために使用できる再構成された基底画像206が得られる。図2に示される実施形態の原理を、以下、詳細な他の実施形態により解明する。
[詳細な例示的実施形態]
産業用デュアルエネルギCTスキャナは、2つのエネルギビンで信号を収集することからなる。フォトンカウンティングCTシステムにおいて、nbinで示されるビンの数は、例えば5まで増加し得る。投影ドメイン分解により、n個の等価経路が数値的に分解され、ここで、n≦nbinである。このことは、分析式を反転するか、又は尤度関数を最大化するかの何れかにより実行できる。これらの等価経路を、Aα(α=1,2…n)により表わす。
便宜上、上記等価経路を、以下のように、Lαで表される無次元線積分に変換する。ここで、μαは、或る固定エネルギにおける(例えば、70keVにおける)Aαに対応する材料の減衰係数である。
Figure 2023508147000003
次いで、Iαで示される基底画像が、これらの線積分のサイノグラムからフィルタ逆投影(FBP)法により再構成される。これらの画像は、全てのスペクトル結果、例えば仮想単色エネルギ画像、ヨード密度強調画像、K吸収端材料画像等を提供する。正確な定量的画像化を可能にするために、これらの画像はCBAがないものでなければならない。ここでは、FS法を使用できる。しかしながら、この方法の直裁的な使用は、画像ドメインのノイズ除去方法を適用した後に、Iαに残る残留低周波ノイズの望ましくない増加につながり得る。この場合、この残留ノイズはスペクトル結果にかなりリニアに伝播する。このノイズの増加を回避するために、この実施形態は、FS法を選択的に、それでいて効果的に使用することを提案する。この目的のために、この例示的実施形態においては、最初にLαにユニタリ基底変換を適用する。
Figure 2023508147000004
基底変換行列Uβαは、異なるサイノグラムLβ間でノイズを不均一に分散させることを目的とする先験的知識を使用して選択できる。ここでの考え方は、当該FS法を各基底要素βに対して選択的に使用して各サイノグラムLβを画像Iβに再構成する、すなわち、他のものよりも大きな低周波ノイズを有することが分かっているLβサイノグラムに対してFSの攻撃性を低減するということである。
変換行列Uβαは、これらの異なるサイノグラム間で広コーン角に起因する不整合を不均一な態様で分散させることを目的とする異なる先験的知識を使用して選択することもできる。この場合、他のものよりも少ないコーン角の不整合を含むことが分かっているものに対してFSの攻撃性を低減してLβサイノグラムを再構成する。
これら2つのアプローチの何れか、又はこれら両方の組み合わせを使用して、CBAの満足のゆく低減を得ると同時に、スペクトル結果の残留低周波ノイズの増加を回避することができる。
この例示的方法によるFS攻撃性の制御は、先に引用されたFS法の論文で述べられているように、FS法により使用される低周波フィルタのカットオフ又は形状を変化させることにより実行される。代わりに、該攻撃性は、低周波画像の生成に使用されるBP加重構成を修正することによっても変更できる。
基底LαからLβへの変換は線形的に行われるので、IβからIαを得るために後に逆変換を適用する必要はない。代わりに、Iβからスペクトル結果を直接抽出できる。これのフローチャートが図2に示されている。以下、この方法の例示的実施形態をより詳細に示す。
この方法は、様々な数の分解された等価経路用に設計される。それでも、これを視覚的に示すために、ここでは、例示としてn=nbin=2であるデュアルエネルギシステムを取り上げる。Lα=1が水中のコンプトン散乱メカニズムの減衰プロファイルに類似したエネルギ依存性減衰プロファイルを持つ仮想材料を経る線積分を表すように、基底Lαを選択する。Lα=2を水中のレイリー散乱及び光電メカニズムの減衰プロファイルの和に類似したエネルギ依存性減衰プロファイルを持つ仮想材料を経る線積分として選択して、当該基底を完成させる。
図3に、Lαのノイズ成分の典型的な散乱プロットを示す。これらを得るために、NCAT数学ファントムスキャンのシミュレーションを使用する。ノイズ成分は、ノイズ性のLαから無ノイズシミュレーションにより得られた値を削除した後に得られる。図3の(a)には、所与の検出器行のLα=1+Lα=2の水様のサイノグラムを示す。該図内に2つの関心領域(ROI)を定義する(楕円状輪郭を参照)。図3の(b)に、これらのROIに属する測定値のノイズ成分を示す。図3は、2つの重要な所見を提供している。第1に、主要な主軸が約-45°に向けられた、
Figure 2023508147000005
の間の明確な反相関的挙動である。第2に、この軸の当該サイノグラム内の測定値の位置に対する不感性である。実際に、2つのエネルギビンにおける当該システムの所与のスペクトルに関して、この軸は異なるスキャンされた物体のサイノグラム間で殆ど変化することもない。この考えに従って、式(3)におけるようにUβαを選択する。これにより、ノイズをLβサイノグラム間で最も不均一な態様で分散させることができる。
Figure 2023508147000006
これらの所見をn≧2に戻り一般化して、異なるLα間のノイズ相関を記述する、Σαα´により表される共分散行列を導入する。式(2)で使用されたユニタリ変換行列Uβαが、UΣUを対角化する助けとなる。その列は、Σαα´の右固有ベクトルとされる。これらを固有値に従って降順で並べると、経路Lβのサイノグラム内のノイズは、設計どおりにβを減少させている。
共分散行列Σαα´に従って行列Uβαを選択することは、異なるパスのサイノグラムLβを介してスペクトル結果に分散する広コーン角不整合の量は大凡同じであるという基となる仮定に基づいている。しかしながら、先に簡単に述べたように、他のアプローチは、患者の解剖学的構造に関する先験的知識を使用して、異なる量の広コーン角不整合を含むLβのサイノグラムを慎重に構成するというものである。このような先験的知識の例は、画像CBAのほとんどが、回転軸zに沿った患者の皮質骨含有量の強い勾配に由来するという事実である。ここでは、横隔膜領域における空気と軟組織との境界面を無視する。皮質骨のX線減衰は、2つのベースモデルに含まれる近似内で、デュアルエネルギ基底要素Lα=1,2を定義する前述した2つの仮想材料の線形結合として記述できる。この入力によれば、式(5)で与えられる基底変換行列
Figure 2023508147000007
を使用できる。
Figure 2023508147000008
Figure 2023508147000009
本発明の発明者は、図5の(a)~(c)に示される試験において、本明細書に提示される方法により提供される利点を実証することもできた。図5の(a)~(c)に示される矢状脳画像は、回転中心における8cmのビーム開口、0.3のピッチ係数及び340mAのシミュレーションされたデュアルエネルギヘリカルスキャンから再構成されている。図5の(a)に示されるように、当該再構成にFS法が適用されない場合、許容できない帯状のCBAが小脳の周囲に現れる。図5の(b)において、発明者は、FS法を使用して、元の基底要素Lα=1,2を、cmあたり4ライン対においてゼロまで役割を果たす低周波フィルタ(LPP)を用いて再構築した。ここでは、CBAの抑圧は、残留低周波ノイズの増加により犠牲にされる。このノイズの増加は、灰白質と白質との区別を妨害し、当該画像を元のCBAよりも多く損なっている。該残留低周波ノイズ(x-yにおける)は、小脳周辺の画像のぼやけの原因ともなる。図5の(c)において、発明者は、分解されたサイノグラムの間において、画像コーンビームアーチファクトにつながるノイズ及び/又は不整合を不均一に分散させている。一例として、式(3)に記載されたUβαを使用して新たな基底に切り替えた。図5の(b)を得るためにFS法構成が使用されてLβ=2のサイノグラムを再構築する一方、Lβ=1サイノグラムはFS法を使用せずに再構成された。図5の(c)の試験におけるFSの選択的な使用により、図5の(a)に対して残留低周波ノイズの増加は観察されない。同時に、CBAの明確な抑圧が依然として達成されている。このように、これらの試験により確認されるように、コンピュータ断層撮影(CT)データから再構成されるべきCT画像における画像コーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するために該CTデータを処理する当該方法は、従来技術と比較して改善された再構成結果を提供する。
図4は、本発明の例示的実施形態による、CT画像における画像コーンビームアーチファクト(CBA)を抑圧するようにCTデータを処理するためのCTシステム400を示している。システム400は、CT撮像システム401、402、及び計算ユニット406を備えたシステム403を有し、該計算ユニットは:
- 患者のCTスキャン中に生成されたCTデータを受信し;
- 供給された該CTデータを投影ドメインで分解して、複数の分解されたサイノグラムを生成し;及び
- 前記分解されたサイノグラム間でノイズ及び/又は不整合を不均一に分散させる;
ように構成される。
また、コンピュータプログラム要素404も示され、該コンピュータプログラム要素は、少なくとも1つの処理ユニット(PU)により実行された場合に、該処理ユニット(PU)に本明細書に記載の方法を実行させるように適合される。
このような計算ユニット406によれば、周波数分割法が適用されるが画像の低周波ノイズ成分が増加するという欠点をもたらすようなCT画像を再構成する従来技術の問題を解決できる。このノイズの増加は、投影ドメイン分割後に再構成されるスペクトルCT画像において更に面倒になる。これらの欠点は、計算ユニット406により克服される。サイノグラムをFS法で処理した後に、再構成されるべき画像内の低周波ノイズ成分の増加が回避又は少なくとも低減されるからである。
本発明を図面及び上記記載において詳細に図示及び説明したが、そのような図示及び説明は解説的又は例示的であり、限定するものではないと見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示及び従属請求項の精査から、請求項に記載の発明を実施する当業者により理解され、実施され得るものである。
請求項において、「有する(含む)」という語は、他の要素又はステップを除外するものではなく、単数形は、複数を除外するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、請求項に記載されている幾つかの項目の機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属クレームで引用されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせを有利に使用できないということを示すものではない。請求項内の参照記号は、当該範囲を限定するものと解釈されるべきではない。

Claims (14)

  1. コンピュータ断層撮影(CT)データから再構成されるべきCT画像における画像コーンビームアーチファクトを抑圧するように前記CTデータを処理する方法であって、
    患者のCTスキャン中に生成されるCTデータを取得するステップ、
    前記取得されたCTデータを投影ドメインで分解して、複数の分解されたサイノグラムを生成するステップ、
    前記分解されたサイノグラム間で、画像コーンビームアーチファクトにつながるノイズ及び/又は不整合を不均一に分散させるステップ、及び
    前記分散させるステップにおいて前記不均一な分散が適用された前記分解されたサイノグラムにフィルタ逆投影を適用し、これにより周波数分割法を使用して1以上の基底画像を再構成するステップ
    を有する、方法。
  2. 前記投影ドメインで分解された異なるサイノグラムにユニタリ基底変換を適用するステップを更に有し、画像コーンビームアーチファクトにつながるノイズ及び/又は不整合が前記分解されたサイノグラム間で可能な限り不均一に分散される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記周波数分割法は、前記基底画像の少なくとも幾つかの低周波が前記取得されたCTデータのうちの全てのデータを使用しないで再構成される一方、前記基底画像の高周波が前記CTデータのうちのより多く、好ましくは全てのデータを使用して再構成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記周波数分割法が前記複数のサイノグラムに選択的に適用される、請求項1又は請求項3に記載の方法。
  5. 異なるサイノグラムに対して前記周波数分割法の攻撃性を変化させるステップを更に有する、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
  6. 前記周波数分割法の攻撃性が、大きな低周波ノイズを持つ少なくとも1つのサイノグラム、好ましくは全てのサイノグラムに対して低下される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記周波数分割法の攻撃性が、低レベルのコーン角不整合を持つ少なくとも1つのサイノグラム、好ましくは全てのサイノグラムに対して低下される、請求項5又は請求項6に記載の方法。
  8. 異なるサイノグラムに対する前記周波数分割法の攻撃性の変化を該周波数分割法で使用される低周波フィルタのカットオフ及び/又は形状を変化させることにより制御するステップを更に有する、請求項5から7の何れか一項に記載の方法。
  9. 異なるサイノグラムに対する前記周波数分割法の攻撃性の変化を、低周波画像を生成するために使用される逆投影加重構成を変更することにより制御するステップを更に有する、請求項5から8の何れか一項に記載の方法。
  10. 前記CTデータが前記患者の身体の非ゲートヘリカルスキャンに由来する、請求項1から9の何れか一項に記載の方法。
  11. コンピュータ断層撮影(CT)データから再構成されるべきCT画像における画像コーンビームアーチファクトを抑圧するように前記CTデータを処理するためのシステムであって、計算ユニットを有し、該計算ユニットが、
    患者のCTスキャン中に生成されるCTデータを取得し、
    前記取得されたCTデータを投影ドメインで分解して、複数の分解されたサイノグラムを生成し、
    前記分解されたサイノグラム間で、画像コーンビームアーチファクトにつながるノイズ及び/又は不整合を不均一に分散させ、及び
    前記不均一な分散が適用された前記分解されたサイノグラムにフィルタ逆投影を適用し、これにより周波数分割法を使用して1以上の基底画像を再構成する、
    システム。
  12. コンピュータ断層撮影(CT)データから再構成されるべきCT画像における画像コーンビームアーチファクトを抑圧するように前記CTデータを処理するためのCTシステムであって、
    CT撮像システム、及び
    CTデータを処理するための請求項11に記載のシステム
    を有する、CTシステム。
  13. 少なくとも1つの処理ユニットにより実行された場合に、該処理ユニットにCTデータを処理する請求項1から10の何れか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
  14. 請求項13に記載のコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読媒体。
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