JP2023507905A - 洗濯用の別個の成分を有する液体洗浄組成物およびそのキットならびに自動洗濯機用の洗浄方法 - Google Patents

Abstract

４つの別個の成分を有する流体洗浄組成物およびその洗濯洗浄キットが開示される。４つの成分は、選択、用量付与および差異化送給のためのプログラムを備えた洗濯機の各々の独立タンクに収容され、別個の成分は、以下の配合物、すなわち、成分１－ ｐＨの範囲が４．０～１２．０であり、４０℃～６０℃の温度範囲での洗浄プログラムにおいて高い洗浄効果があり、かつ、綿繊維、特に白色の衣類品に対して特異作用を有する洗浄配合物と、成分２－ ｐＨの範囲が８．０～１２．０であり、１５℃～４０℃の温度範囲での洗浄プログラムにおいて高い洗浄効果があり、かつ、合成繊維、着色繊維および動物由来繊維に対して特異作用を有する洗浄配合物と、成分３－ ｐＨの範囲が５．０～６．０、好ましくは５．０～５．５である少なくともプロテアーゼおよびリパーゼ、ならびに場合によっては、アミラーゼをベースとし、かつ、ソルビトールおよび塩化カルシウムで安定化された酵素ベースのシミ除去配合物と、成分４－ ｐＨの範囲が２．０～４．０である、洗浄後のコンディショニング配合物と、を有する。

Description

本発明は、複数の別個の濃縮成分を含む液体洗浄組成物に関する。該組成物は、自動洗濯機における洗濯洗浄用であることを意味し、自動洗濯機は、ユーザーが必要とする個々の洗濯物の様々な特徴に応じた、洗浄組成物の前記別個の成分それぞれ用の独立タンクを備え、ならびに洗浄組成物の様々な別個の成分の選択および計量のためのプログラムを備えている。

洗浄組成物は、前記洗濯機が備えている適切な選択デバイス、計量デバイス、および送給デバイスによって、洗浄サイクルの所定の時間に、様々な別個の成分を該洗濯機の洗浄チャンバーに導入できるように配置される。

本明細書および以下において、「別個の成分を有する液体洗浄組成物」という用語は、ある組成物が、洗浄された品目の繊維の洗浄およびその後のコンディショニングを得るために、同時および／または順次に、洗濯機内で完全な洗濯洗浄サイクルを実施する際に使用される少なくとも２つの液相成分からなることを意味する。

先進国市場における家庭洗濯は、今ではほとんど洗濯機のサポートによって行われている。

このような洗濯機用に、適切な洗剤製品が長い間市場に存在しており、それら製品は、流体または粉末のような、複合的かつ万能的な調合物を有し、手動または自動プログラミングを備えた送給デバイスによって該洗濯機の洗浄チャンバーに導入することができる。

しかし、消費者はしばしば、特殊な材料で作られた品目を洗わなければならず、それら品目は万能型洗剤がほとんど効果をもたらさず、および／または繊維に有害であることに気付いている。

したがって、家庭用洗濯洗剤の市場では、特定のグループの布地、および／または品目の色に対して最適化された性能を有する多くの種類の製品が拡大している。

したがって、ほとんどの消費者は、すべての要求を満たすために、複数の製品、例えば、白い品目用、色付きの品目用、羊毛品用、合成品用、スポーツ品用の製品を購入して使用することを余儀なくされている。

上記に対して、単一の製品の使用は、一方では、より傷みやすい繊維からなる品目を損傷させ得るリスクを示すことがあり得るもので、実際、洗浄効果および漂白効果のより高い製品による著しい劣化の結果であり、他方では、頑固な汚れジミが付いた傷みにくい品目に対しては効果が低減してしまう。

この第１のグループの洗剤製品は、最も頑固なシミもしくは有機的性質のシミを取り除くためのシミ抜き剤、柔軟剤、香料、または天然繊維のコンディショニング用の特殊な添加剤など、洗浄中に特定の機能を実施するために使用される他のタイプの製品によってさらに拡張される。

この多様な洗浄製品が、一方では、様々な種類の布地および汚れに対して効果的な洗浄を実行可能な場合、それは当然のことながら他方では、次のようないくつかの欠点を暗に含むものであり、例えば、消費者による供給の複雑さの増大、洗浄が行われる家庭内の部屋のかさばりの増大、使用方法の特定のスキル、特に洗剤の酵素成分の洗浄効果が失われる結果となる最適ではない長期保存、といったことであり、最終的には、利用可能な在庫が完全でないにもかかわらず、それでもなお洗濯洗浄を実行する緊急性がある場合に、不適当な製品を使用するリスクへとつながる。

洗濯洗浄製品を使用するこの従来のモードにおける別の欠点は、今日、洗濯物の洗浄が過去よりもはるかに高い頻度で行われているという事実に由来し、ゆえに高い洗浄力が必要なケースの頻度は、これまでになく少ない。したがって、市場に出回っている洗剤の一部の構成要素が、通常の洗濯の要件に対して過剰用量付与されているため、製品の環境への影響を無用に増大させる結果となる。

さらに、洗剤を形成する各個別の界面活性剤の最も高い脱脂効果は、明確に規定された異なる温度領域で生じることに注意すべきであり、したがって、市場で入手可能な万能洗浄製品組成物は、洗浄されるべき様々な品目の考えうる全温度範囲にわたって洗浄活性を果たせなければならず、必然的に複数の界面活性剤を含まなければならない。しかしながら、それにより、それら界面活性剤の一部は、消費者によって選択された洗浄プログラムの温度に基づく場合、効果が乏しいかまたは役に立たないことが判明するおそれがあり、したがって無用な消費を意味する。

これらの様々な問題に対処するために、近年、複数の別個のタンクを備えた洗濯機が市場に拡大し始めており、これら複数の別個のタンクは、個々の濃縮成分が配置され、構成がより簡単であり、それぞれが異なる機能を有している。したがって、この区分けにより、多数の洗浄サイクルが可能になり、そこでは様々な成分の用量付与が、洗浄サイクルの様々な時間で自動的に実行され（既知の、すでに普及している例として、Ｍｉｅｌｅの洗濯機 ＴｗｉｎＤｏｓ（登録商標）がある）、実行された洗浄のタイプおよび洗浄される品目のタイプに基づいて（その時間が）較正されている。したがって、個々の成分は、ユーザーの無作為な介入を必要とせずに正しい量で使用され得、個々の洗浄サイクルに対して最適化された効果を得ることができる。

特許文献１～９（中国特許公開第１０８９５１００７号、独国特許公開第１０２０１６１０６７７７号、国際公開第２０１５／１４３８２０号、欧州特許公開第２５６６９４３号、欧州特許公開第２５２４０７９号、欧州特許公開第２１９６５７４号、欧州特許公開第１９９５３６８号、米国特許第７７８４３１０号、欧州特許４７４８４８号）は、洗濯機または洗濯機の使用方法の解決法を開示しており、別個の洗浄成分用の複数のタンクを提供し、これら成分は、順次洗浄サイクル中に自動的に用量付与される。

複数タンク(multiple tank)を備えた前記洗濯機で使用される別個の成分を有する特定タイプの洗浄組成物に関して、現時点における先行技術は、例示的に、以下に簡潔に注釈した特許文献によって表されている。

特許文献１０（国際公開第２０１７／２１１６９７号）は、酵素適合性の課題に対処するために、タンクの組み合わせで供給される洗浄組成物を開示しており、該組成物は、酵素的プロテアーゼベース（protease base）を含有する成分を有する第１タンク、酵素的リパーゼおよび／またはセルラーゼベース（cellulase base）を含有する成分を有する第２タンク、および洗剤を含有する第３タンクに配分される。代案として、上記洗剤は、第１または第２のタンクに加えることができる。

特許文献１１（欧州特許公開第２５２１８１１号）およびこれに対応する特許文献１２（米国公開特許公報第２０１３０３６７７２号）は、これに基づいて本願特許請求の範囲請求項１の特徴部分の前文が起草されたものであるが、これら特許文献は、洗濯機の内部ドラムに接続された外付けの複数タンクを備えた洗濯機を開示している。該複数タンクは、少なくとも酵素、酵素の安定剤、および従来の洗剤の典型的な配合物である界面活性剤を含有する第１タンク；少なくとも漂白剤および錯化剤（これは、次いで、既知のシミ除去および消毒配合物である）を含有する第２タンク；および少なくとも芳香剤および／または光学漂白剤および／または柔軟剤を含有する第３タンクを備える。ここに開示された具体的な組成物は、新規な配合物を有さず、単に異なる複合的な洗浄剤の例を示したにすぎず、要件に従って送給される。各タンクの複合的な内容物は所定条件で送給されるが、構成要素の量を最適化する配合を効果的に構築することはできない。さらに、成分の１つは、酵素および界面活性剤の両方を含有しているため、洗浄サイクルで一緒に送給されるが（これは、一般的な洗剤の従来技術と相違しない）、その点、その２つの構成要素は事前に定められており、使用中の調整は不可能であり、したがって、それらが不要である多くの場合において、（高価な）酵素が無駄となる限界値を超えてしまい、かつ、酵素によって分解される動物由来のタンパク質（羊毛や絹など）ベースの材料の存在下でそのような成分を役に立たなくさせることに注意されたい。最後に、別個の成分を３つの区画に配分、すなわち、該成分を１：４：１の比率（最大量はアルカリ性漂白剤である）にすることは、洗浄要件（通常、より大量の界面活性剤および溶媒が必要）と一致しないため、利用可能体積の不適切な使用を引き起こし、洗濯機の送給システムにおける適用には適していない。特に、特許文献１３（欧州特許公開第３６２３５２４号）に示されているように、洗濯機のポートホールの円形区域に収容されたタンクに成分を統合する必要がある解決法では、洗浄する品目の平均的なタイプを考慮すると、３つの成分へ配分することはスペースの活用には最適ではない。さらには、洗濯機のポートホールは、洗浄熱の一部を洗浄配合物のタンクに伝達し、これにより、もはや該タンクは中性環境ではなくなる（タンクが洗濯機の上に配置されている場合に発生し得る）。特許文献１４（欧州特許公開第２５２１８１０号）は、洗濯機の内部ドラムに接続された外付けの複数タンクを含む洗濯機を開示している。複数タンクは、アミラーゼ、マンナナーゼ、セルラーゼ、リパーゼおよび／またはペクチン酸リアーゼのグループによって選択される少なくとも１つの酵素、および少なくとも１つの界面活性剤および／または１つの錯化剤を含有する第１タンク；少なくとも１つのプロテアーゼおよび１つの界面活性剤および／または錯化剤を含む第２タンク；ならびに、少なくとも１つの芳香剤および／または１つの光学漂白剤および／または１つの柔軟剤を含む第３タンクを備える。

特許文献１５（国際公開第２００９／９５００３号）は、個々のタイプの洗浄成分が各々のタンクに収容されている複数タンクを備えた洗濯機を開示している。これにより、異なるタイプの酵素間の有害な相互作用が完全に回避され、個々の成分の用量付与を正確に行うことができる。しかしながら、バルクの観点ならびに、再充電の頻度および再充電のモードの観点の両方の点から、多数の異なるタンクを管理しなければならないという顕著な欠点が存在する。

上述した先行技術体系から、従来技術による組成物において、別個の成分の非効率性がいかに残存しているかが明らかである。特に、成分を分割することは、多数の別個のタンクを管理できる場合にのみ有効である一方、その分割は、３つの別個のタンクのみに区画するという選択をすると、洗浄が非効率になり、かつ柔軟性がほとんどなくなるという妥協を意味する。

特に、特許文献１６（国際公開第２００９／９５０３号）で提案されたような、各酵素群をそれぞれのタンクに割り当てることを提案する解決法は、システムの良好な効率性および消費者によるそのシステムの迅速な受け入れにとっては、タンクの数が多すぎるという前述した欠点に悩まされており、実際のところ、それぞれの特定の洗濯状況に適した複数の洗浄組成物を使用する現在の状況に関して、十分な利点をそこには見出さないであろう。代わりに、各酵素群を、有害な相互作用効果が発生しない洗浄組成物の他の成分、例えば、界面活性剤、漂白剤または柔軟剤と連携させることが提案された解決法（例えば、特許文献１１（欧州特許公開第２５２１８１１号）で提案されているように）では、異なるタンクを合理的に少ない数に維持することは実際可能であるが、酵素およびそれと連携するする成分を独立して用量付与できないという欠点があり、したがって、過剰用量付与された成分が必然的に無駄になるという結末になる。

これらの課題は、特許文献１３（欧州特許公開第３６２３５２４号）で提案されているように、個々のタンクは事前設定されたジオメトリの区画内に収容されなければならないため、該個々のタンクに寸法上の制約がある場合にさらに深刻になる。

中国特許公開第１０８９５１００７号明細書 独国特許公開第１０２０１６１０６７７７号明細書 国際公開第２０１５／１４３８２０号パンフレット 欧州特許公開第２５６６９４３号明細書 欧州特許公開第２５２４０７９号明細書 欧州特許公開第２１９６５７４号明細書 欧州特許公開第１９９５３６８号明細書 米国特許第７７８４３１０号明細書 欧州特許４７４８４８号明細書 国際公開第２０１７／２１１６９７号パンフレット 欧州特許公開第２５２１８１１号明細書 米国公開特許公報第２０１３０３６７７２号明細書 欧州特許公開第３６２３５２４号明細書 欧州特許公開第２５２１８１０号明細書 国際公開第２００９／９５００３号パンフレット 国際公開第２００９／９５０３号パンフレット

したがって、本発明の基礎となる目的は、洗濯機のポートホールの円形区域において利用可能なスペースを最適化する独立タンクを配置するのに適した様々な成分の中で、全体として合理的に少ない数の別個の成分および関連した相対的分量を維持しているにもかかわらず、広範囲の様々な洗浄可能条件において組成物の主成分を独立して用量付与することができる別個の成分を有する洗浄組成物を提供することである。本発明はまた、洗浄ユニットの包装に使用されるプラスチック材料の使用、およびそれに伴う環境への影響を減らすため、洗濯機とは無関係に、成分を再充填する必要もなく、洗浄サイクルを最大７５回（平均洗濯負荷４．５ｋｇ）まで増加させることができるよう、構成成分の総量を最小限に低減させることを目的としている。

最後に、さらなる目的は、様々な高温洗浄サイクルにさらされている間の洗濯機のポートホールとの接触で気付くことができるように、臨界温度条件でさえも長期間にわたって良好な効果を維持するのに特に適した成分グループを提案することである。

上記の目的は、特許請求の範囲の請求項１に定義された特徴を有する複数の別個の成分を含む洗浄組成物によって達成される。前記洗浄組成物の他の好ましい特徴は、従属請求項に定義されている。

特に、本発明は、任意なタイプの天然繊維または合成繊維でできており、また任意な汚れ状況またはシミ状況にある、すべてのあり得る衣類品目および身近に使用される他の繊維製品を処理するための洗浄組成物の配合に存する。

本発明によれば、かかる洗浄組成物は、液相中において４つの別個の成分からなり、それらはそれぞれに対応する容器で消費者に販売され、かつ、それらは洗濯機で所定の量に従って、布地のタイプ、汚れの程度またはシミの存在に応じて互いに組み合わせて使用される場合、他の洗濯製品、シミ除去剤または柔軟剤を追加または代替使用する必要がなく、あらゆる種類の繊維および品目を最適に洗浄および処理できるようになり、したがって、効果的な家庭洗濯の課題を解決するために提案された解決法の万能性を保証する。

自動用量付与システムを備えた洗濯機における本発明の別個の成分を有する洗浄組成物の統合は、したがって、洗濯に使用しなければならない製品の数だけでなく、そのような製品の在庫を維持することを目的とした家庭内エリアの劇的な低減を可能にする。

本発明のさらなる特徴および利点は、いずれの場合も、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明白になり、これら実施形態は純粋に非限定的な例として提示され、本発明に係る成分のための４つのタンクを備えた洗濯機のポートホールの概略図を表す添付の図面でも示されている。
本発明に係る成分のための４つのタンクを備えた洗濯機のポートホールの概略図である。

上記の重要課題を解決するために、本願出願人は、様々な素材を無駄なく処理する必要、および円形区域における区画内の限られたスペースを占める必要があることを考慮して、保存中の酵素の安定性について、および異なる洗浄成分の区分および分量を最適化する機会について幅広い研究を実施した。

このような実験の終了時に、４つの異なる成分に区分することにより、図１に示された成分１、２、３、４の差異化した体積はそれぞれ、５：４：１：２～４：３：１：３の比率、好ましくは４.２：３.３：１：２.５の比率で円形領域の区画（図１）を最適に占有できることが見出された。

さらに、特定のｐＨ条件では、異なる酵素群、特にプロテアーゼおよびリパーゼを、著しい活性損失なしに安定した混合酵素として維持することが可能であることが浮き彫りにされた。

これらの研究結果は、上述した従来技術を克服することを可能にし、必要なすべての酵素が単一の成分の中に収集された液体洗浄組成物を発明した。これにより、他の成分を新規な方法で使用できるようになり、界面活性剤をその活性温度の最適な場に応じて、繊維と界面活性剤との適合性に応じて２つの成分に分け、繊維の最終的なコンディショニングのために第４の成分を追加し、このようにして本発明の別個の成分を有する液体洗浄組成物を発明した。

実際のところ、それによって減少した容積（図１の成分３の体積）の単一の容器に、プロテアーゼおよびリパーゼをベースとする２つの酵素、ならびにシミを除去する力を最適化するために必要と思われる他の酵素を入れたままにして置き、利用可能な容器の容積全体を占め、界面活性剤成分をより大きな容積を有する別個の独立した容器に移動させることが可能となる。それにより、（既知の技術と比較して）様々な成分を４つの異なる独立した容積にわたってよりよく分配することができ、好ましくは様々な洗浄条件で使用されなければならない成分（典型的には、酵素および界面活性剤）を有利に分離する。

したがって、本発明の液体洗浄組成物を構成する４つの別個の成分は、以下の一般的な配合を有する：すなわち、
成分１ － 綿製品目、特に白い品目に対して特異作用を有する、ｐＨ範囲が４．０～１２．０である洗浄配合物；
成分２ － 合成、着色、および動物由来の繊維に対して特異作用を有する、ｐＨ範囲が８．０～１２．０である洗浄配合物；
成分３ － ｐＨ範囲が４．０～６．０である、酵素ベースのシミ除去配合物；
成分４ － ｐＨ範囲が１．０～４．０である、洗浄操作終了時における繊維コンディショニング用配合物。

成分は、図１において１、２、３および４と称されるそれぞれに対応する容積を占有する。

図１に図式化されているように、成分は、その平均使用頻度を考慮に入れて、５０～１００の範囲の洗浄サイクル数を実行するのに十分な量で、濃縮形態でカートリッジに収納されており、市場に出回っている従来の液体洗浄製品の平均よりも高い効果を備えている。

本発明の洗浄組成物の４つのカートリッジ１～４は、（特許文献１３に記載されているように）４つのカートリッジ用の別個の引き込み（drawing）ユニットがある受容着座部を装備した特別な洗濯機に設置される。洗濯機はさらに、汚れの種類およびユーザーにより製造された布地のタイプに関する選択に応じて、個々の構成成分それぞれの用量付与を規定するソフトウェアプログラムを備えた、４つの構成成分の自動かつ独立した引き込みシステムおよび用量付与システムを備えている。容器の蓋キャップは、それ自体が洗濯機に搭載されている分配ラインとの接続を表しており、内圧のバランスをとるための通気システムが備えられている。

本発明は、いくつかのタイプのプロテアーゼ酵素であって、これら酵素が６．０より低いｐＨであり、かつまた特定の溶媒混合物を使用する配合物に組み入れられるときの、該プロテアーゼ酵素との混合物におけるリパーゼカテゴリーの酵素の安定性および相対的洗浄効果を維持することが可能であるという実験的観察に基づく。好ましくは、配合物のｐＨは４より大きく、さらにより好ましくは５より大きいものでなければならない。

特に、洗浄サイクル中に潜在的に温度上昇に曝される位置に構成要素の容器が収容される可能性があることに起因して、経時的安定性は、洗剤の標準的な保管条件に関連する限界温度のパラメータとしてその区域で通常識別される温度（３７℃）のみならず、最大約４０℃でさえも保証されなければならない。

洗浄界面活性剤を含有するものに関して、この成分（上記のように第３成分として識別される）の分離は、処理すべき布地のタイプに対する必要性及び適合性のある場合にのみ正確な用量付与を可能にする。他の洗浄成分を含まずに単一の容器内で維持される酵素は、時間単位でこの第３の成分をより多く用量付与することが可能となるより多くの容積を利用可能となり、それにより、優れたシミ除去作用を可能にし、前処理剤の使用または洗浄添加剤の使用に取って代わることができる。それに加えて、動物由来の材料（羊毛、絹）の品目の回復洗浄を（例えば第２界面活性剤ベースの成分を使用することによって）、有機物由来のシミの存在下でのみ必須である酵素を使用して必然的な損傷を与えることなく実施することが可能である。

代わりに、第１成分の洗浄配合物は、植物由来の繊維に対して活性が高い陰イオン性界面活性剤が優位に存在することを特徴とし、中高温、例えば６０℃で有効性がピークとなる。このような配合物はさらに、酸素ベースの漂白剤（brighteners）を加えて酸化性のシミに対する効果を増大させ、かつ蛍光増白剤を加えて白色度を最大限に強調することができる。

第２成分の洗浄配合物は、非イオン性界面活性剤が優位に存在することを特徴とし、１５℃～３０℃の範囲の温度でそれらの効果が最大となる。該配合物は、合成品および最新技術を使用した品目の最適な洗浄を可能にするために、動物由来の繊維の全体的な水和を改善するための色安定化成分および植物タンパク質、ならびに臭気除去のための構成要素を加えることができる。

以下、本発明の洗浄組成物の個々の別個の成分の配合をより詳細に説明する。

［成分１］
成分１は、４０℃以上の温度で最大の効果を発揮する濃縮洗剤をベースとする。洗浄効果を有する界面活性剤系は、主に陰イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤の混合物からなり、活性剤の総量は２０％～５０％の範囲内である。その混合物は、活性剤の比率が７５：２５～５０：５０の範囲内にあるよう陰イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を含有しなければならない。本出願の文脈では、界面活性剤（または考慮されるべき他の物質）は、通常、水または洗浄目的に関して「非活性」成分と見なされるアルコールまたはグリコールのような他の媒剤で処理および希釈されて市場で入手可能となっているため、活性剤の量が参照される。

セルロース繊維の品目に対して、かつ広範囲のシミにわたって、等しい活性剤で最大の効果を与えるために、混合物は、好ましくは、少なくとも４つの異なる分子の組み合わせからなるものでなければならない。

好ましい陰イオン性界面活性剤のタイプは、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩およびアルキル硫酸塩からなるグループに属する。

好ましいアルキルベンゼンスルホン酸塩は、Ｃ_１０～Ｃ_１５の範囲のアルキル鎖を有し、また商品名「ＴＥＮＳＡＲＩＬ（商標）」（ＫＬＭ Ｏｌｅｏ製）、商品名「ＳＯＬＰＨＯＤＡＣ（商標）」（ＳＡＳＯＬ製）、商品名「ＭＡＲＬＯＮ（商標）」（ＳＡＳＯＬ製）および商品名「ＣＡＦＬＯＮ（商標）」（ＵＮＩＶＡＲ製）で市販されている。アルキルベンゼンスルホン酸塩は、通常、酸性形態で配合物に組み入れられ、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミンまたはトリエタノールアミンなどの強塩基を用いてその場で中和される。そのような塩基の添加はまた、配合物のｐＨを所望の値に調整する機能も有する。

アルキルエーテル硫酸塩の中では、鎖長がＣ_１０～Ｃ_１６の範囲であり、エトキシル化モル数（ethoxylation moles）が１～３の範囲である界面活性剤が好ましい。使用可能な原材料の例は、商品名「ＺＥＴＥＳＯＬ（商標）」（Ｚｓｃｈｉｍｍｅｒ＆Ｓｃｈｗａｒｚ製）、商品名「ＥＭＰＩＣＯＬ（商標）」（ＩＮＮＯＳＰＥＣ製）、商品名「ＴＥＮＳＡＧＥＸ（商標）」（ＫＬＭ Ｏｌｅｏ製）で市販されている。

界面活性剤の混合物はさらに、商品名「ＳＵＬＦＯＰＯＮ（商標）」（ＢＡＳＦ製）、商品名「ＳＵＬＦＥＴＡＬ（商標）」（Ｚｓｃｈｉｍｅｒ＆Ｓｃｈｗａｒｚ製）、商品名「ＳＴＥＰＡＮＯＬ（商標）」（ＳＴＥＰＡＮ製）で市販されている、Ｃ_１０～Ｃ_１６の範囲のアルキル鎖を有するアルキル硫酸塩を含有し得る。

非イオン性界面活性剤の中では、一級および二級双方のエトキシル化脂肪アルコールが好ましく、エトキシル化度は７モル以上であり、アルキル鎖は例えば、ＬＵＴＥＮＳＯＬ（商標）（ＢＡＳＦ製）、ＣＡＦＬＯＮ（商標）（ＵＮＩＶＡＲ製）、またはＥＭＰＩＬＡＮ（商標）（ＩＮＮＯＳＰＥＣ製）で市販されている、Ｃ_１０～Ｃ_１８の範囲である。

他の非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシドまたはアルキルポリペントシドのカテゴリーの中から選択され得る。

界面活性剤の混合物に対して、活性剤濃度が１～１０％の範囲内となるよう、石鹸を最終的に加えることができる。好ましい石鹸は、オリーブオイルおよびココナッツオイルから得られる。

上記の界面活性剤の混合物に、粘度またはその発泡力を安定させるために他のタイプの界面活性剤を添加することができるが、そのような追加の界面活性剤は、セルロース由来繊維の洗浄性能の改善に顕著な影響を及ぼさない。

該混合物はさらに、既知の技術による洗浄配合物に準拠する方法で、キレート分子、金属イオン封鎖剤および溶媒を添加されなければならない。

洗浄効果を高めるためには、分散機能、再付着防止機能および汚れ除去機能を有するポリマーをさらに導入すべきである。かかる成分は、ＳＯＫＡＬＡＮ（商標）（ＢＡＳＦ製）、ＴＥＸＣＡＲＥ（商標）（ＣＬＡＲＩＡＮＴ製）、またはＲＥＰＥＬ－Ｏ－ＴＥＸ（商標）（ＳＯＬＶＡＹ製）で市場に出回っている製品の中から選択され得る。かかる成分は、配合物において２～１０％の割合の範囲内であり得る。

白色セルロース繊維で作られた布地に使用するための成分１の主要な目的を考慮すると、この配合は、例えば、ＴＩＮＯＰＡＬ（商標）（ＢＡＳＦ製）として市場に提供されているものなど、４，４’－ジスチリルビフェニル（ＤＳＢＰ）の派生製品の中から選択されることが好ましい蛍光増白剤で強化されている。そのような原材料の濃度は、０．０５％～１％の範囲である。

配合は水により完了し、その混合物には、香料、レオロジー調整剤、防腐剤および着色料などの他の機能性原料が含有されてもよい。

成分１の配合において、易酸化性のシミに対する漂白作用を増大し、かつ特定の消毒作用も得るために、過酸化水素を最終的に添加することもできる。ｐＨレベルを約４～約１２の間で維持する場合において、酸性タイプのｐＨ調整剤が不可欠である。

［成分２］
成分２は、低温で活性のある濃縮洗剤をベースとし、羊毛および絹などの動物由来の繊維に対する極上な柔軟化作用が特徴である。

成分１と同様に、成分２もまた、活性剤の総量が３０％～６０％の範囲内にある陰イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤の混合界面活性剤系をベースとしている。陰イオン性界面活性剤は、低温では最大効果を発揮しないにもかかわらず、超濃縮配合物を安定化させるのに有用である。混合物は、ゆえに、活性剤の割合が２５：７５～５０：５０の範囲となるように、陰イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を含有しなければならない。

成分２で使用される陰イオン性界面活性剤は、成分１においてすでに引用されているものと同カテゴリーから選択される。しかしながら、本願出願人は、アルキル硫酸塩およびアルキルエーテル硫酸塩カテゴリーの陰イオン性界面活性剤を完全に除去し、それらをスルホン化オレフィンに置き換えると、品目の柔らかさおよび弾力性がはっきりと認識できる様態で（消費者パネルテストを通じて実験的に検証されるような）改善され、かつ羊毛の化学的脱水によるフェルト化が回避されることを認めた。例えば、使用可能なスルホン化オレフィンは、ＨＯＳＴＡＰＵＲ（商標）（ＣＬＡＲＩＡＮＴ製）、ＷＥＹＬＣＬＥＡＮ（ＷＥＹＬＣＨＥＭ製）、またはＭＥＲＳＯＬＡＴ（商標）（ＬＡＮＸＥＳＳ製）の範囲の製品から選択され得る。

上記成分にとって好ましい非イオン性界面活性剤は、成分１と同様に、７モル以上のエトキシル化度およびＣ_１０～Ｃ_１８の範囲のアルキル鎖を有する、一級および二級双方のエトキシル化脂肪アルコールであり、例えば、ＵＴＥＮＳＯＬ（商標）（ＢＡＳＦ製）、ＣＡＦＬＯＮ（商標）（ＵＮＩＶＡＲ製）、ＥＭＰＩＬＡＮ（商標）（ＩＮＮＯＳＰＥＣ製）、および不特定製造元製品のアルキルポリグルコシドが市販されている。

本願出願人はさらに、オレフィンと組み合わせたグルカミドの好ましい使用が、羊毛繊維の柔軟性維持を支援することを確認した。

好ましくは、配合物はさらに、１％～５％の範囲の活性剤の濃度になるようカプリロイルグルタミン酸二ナトリウムを含み、これは、汗および他の体液に由来する臭気の除去に対する静菌性機能および補助（adjuvant）機能を発揮する。

成分１に関するのと同様に、成分２の混合物は、好ましくは、キレート分子および金属イオン封鎖分子と共に添加されるべきである。

洗浄効果を改善するために、好ましくは、成分１に示された市販製品と同様の範囲にわたって選択可能な、分散機能、再付着防止機能および汚れ除去機能を有するポリマーがさらに導入されるべきであり、さらに、使用濃度もまた同等なものとすることができ、２～１０％の範囲である。

成分２は、色付き品の洗浄処理に優先的に必要とされるため、さらに色移り防止機能を有する添加剤と共に統合されている。有効な溶液は、ポリビニルピロリドンの誘導体、陽イオン性脂肪族ポリアミンの誘導体、例えば、ＳＯＫＡＬＡＮ（商標）（ＢＡＳＦ製）、ＴＥＸＣＡＲＥ（商標）（ＣＬＡＲＩＡＮＴ製）、ＲＥＩＬＬＩＮＥ（商標）（ＶＥＲＴＥＬＬＵＳ製）の商標名で市販されているものの中から選択され得る。

配合は水で完了し、溶媒、香料、レオロジー調整剤、防腐剤、着色料、ｐＨ調整剤などの他の機能性原料を混合物に含有することができる。

［成分３］
この成分には、上記のように、酵素電荷（enzyme charge）が実質的に含有されている。電荷の酵素ベース（enzyme base）は、本発明の洗浄組成物のシミ（特に有機由来のシミ）除去力を保証するための根本となる酵素の混合物を含有する。混合物は通常、少なくともプロテアーゼ、アミラーゼ、およびリパーゼを含有する。該ベースはさらに好ましくはセルラーゼおよび／またはマンナナーゼを含有し得る。

混合物は、４０℃まで、したがって３７℃を超える温度の条件で安定しなければならず、この温度で、酵素の安定性が酵素製造者によってテストされる。これは、容器をポートホールの近くに収容すると、高温洗浄の場合に、混合物が液体の内部温度の上昇に曝露され、酵素の分解が促進され得るためである。

プロテアーゼの中では、本出願においてスブチリシンの使用が特に推奨される。一部のタイプ、特に事前に安定化されていない形態で製造者から提供されたタイプのみが、成分３の時間的な最大安定性を得ることができる。実際のところ、原材料がすでに活性を安定させる構成要素を含有している場合、必要な全酵素の相互安定性の全体的なバランスをとることができず、洗浄効果に悪影響を及ぼす。

特に、４０℃で１２週間コンディショニングした後は、有効性の損失を２０％未満にできるということが、実験的な加速安定性の最適な結果として定義されている。

本発明に至った実験的研究により、同じ配合物中、特にプロテアーゼとリパーゼとの間のこれら酵素の安定した共存が、ｐＨが４～６の間、またはさらに良好に５～６の間で維持されるときに最適であることが証明された。

最適な安定化のためには、考えられる利用可能なスブチリシン酵素を注意深く選択する必要があることがわかっており、このような選択は、製造業者によって市販の原材料に導入された酵素の補助配合物質（co-formulants）、特定のシミ除去効果、およびリパーゼに与えられた分解力を考慮して行われた。実際のところ、酵素が適切に混合されない場合、これらのｐＨレベルでは、酵素間に適合性の問題が生じ、この問題が時間の経過によるその不安定性および有効性の喪失を左右する。

血液、イネ科植物（grass）、ココア、オリーブオイル、皮脂のシミに対する特定モニタリングによる、ゼロ時間および４０℃での最大１２週間にわたる加速経時変化期間における実証的洗浄テストによって、好ましくはＰｒｅｆｅｒｅｎｚ（商標） Ｐ１００（ＤＵ ＰＯＮＴから入手可能）またはＬＡＶＥＲＧＹ（商標） ＰＲＯ １０４Ｌ（ＢＡＳＦから入手可能）の商品名で市販されているスブチリシンタイプの酵素との混合を達成することで、最大の安定性および有効性が得られることが浮き彫りにされ、一方、市場に最近出現し、普通の洗剤用途でより優れた性能を発揮する酵素でさえ一層速く劣化することが判明した。

配合物中におけるプロテアーゼは、活性酵素タンパク質（頭字語でａｅｐ）を、最大３％まで、好ましくは最大２％ａｅｐまで含有することができる。

プロテアーゼに加えて、配合物は、例えば、ＮＯＶＯＺＹＭＥＳから入手可能なＬＩＰＥＸ（商標）およびＬＩＰＥＸ ＥＶＩＴＹ（商標）、ならびにＤＵＰＯＮＴから入手可能なＰＲＥＦＥＲＥＮＺ（商標） Ｌの商品名で市販されているものの中から選択されたリパーゼを含有する。配合物は、最大１％ａｅｐまでのリパーゼを含有することができる。

プロテアーゼおよびリパーゼに加えて、第３成分の配合物は、例えば、ＮＯＶＯＺＹＭＥＳから入手可能なＡＭＰＬＹＦＹ ＰＲＩＭＥ、ＳＴＡＩＮＺＹＭＥ、ＴＥＲＡＭＭＹＬ（商標）、ＴＥＲＭＡＭＹＬ ＵＬＴＲＡ（商標）、およびＤＵ ＰＯＮＴから入手可能なＰＲＥＦＥＲＥＮＺ（商標） Ｓの商品名で市販されているものの中から選択されるアミラーゼ酵素も含有することができる。配合物は、１％ａｅｐまで、好ましくは０．５％ａｅｐまでのアミラーゼを含有することができる。さらにこのシステムは、セルラーゼおよびマンナナーゼを両方とも最大０．５％ａｅｐの濃度で含有することもできる。

第３成分の配合物は、好ましくはグリセロールまたはさらに良好なソルビトールなどのポリオール、および塩化カルシウムおよびギ酸ナトリウムの間で選択される塩を添加することによって最終的に安定化される。安定化システムの選択は、配合物からモノプロピレングリコール（ＭＰＧ）の使用を除外しなければならない。ＭＰＧは、配合物に意図的に添加されていないにしろ市販の原材料の派生的成分に由来するものは、活性剤の１０％を超えてはならない。実際のところ、全体で１０％を超えるＭＰＧ濃度は、溶液の化学・物理的不安定性の発端となり、その結果、混合物が濁り、変性酵素が沈殿し、シミ除去効果が劇的に低下する結果を招くことがわかっている。

［成分４］
本発明の洗浄組成物の第４成分は、繊維コンディショニング用の製品であり、天然繊維品の柔らかさを増大し、かつ、合成品の静電気付着を大幅に低減するために研究された。この成分の配合物は、典型的には、少なくとも陽イオン性界面活性剤、好ましくはエステルクワットカテゴリーのものを含有する。このような界面活性剤は、ポリプロピレングリコールまたはアルコールと一緒に加えられ得る。陽イオン性界面活性剤は、活性剤の濃度が５％～２０％の間における範囲内で存在し得る。

ｐＨおよびエマルジョンの安定性を調整するために、最大２％の濃度の乳酸を随意的に配合物に添加することができる。乳酸の添加は、製品に静菌性を付与し、さらなる防腐剤の添加を避ける。

本発明によれば、好ましくは、品目の柔軟性を増大し、かつセルロース繊維の粗さをかなりの程度まで除去するために、官能化イヌリンポリマーを成分４に添加した場合、陽イオン性界面活性剤の濃度が２０％高いイヌリンフリーの配合物に匹敵する結果を達成することが可能である。布繊維への過度な高濃度陽イオン性界面活性剤は、望ましくない副作用として、過度の油性およびその結果生じる撥水性を伴うため（ハンドタオルおよびバスローブなどの吸水を目的とした品目では特に厄介である）、陽イオン性界面活性剤の付与を制限し、官能化イヌリン誘導体を添加する機会は、洗浄および調整された品目の感覚的な外観をかなり改善させる結果となる。イヌリンは、活性剤の量が０．２％～２％の範囲内となるよう成分４に付与され、ＱＵＡＴＩＮ（登録商標）（ＲＯＹＡＬ ＣＯＳＵＮ製）の商標で市販されている製品の中から選択され得る。

小麦および絹に由来する加水分解または官能化された植物ベースのタンパク質の中には、活性原材料の量が０．１％～３％の範囲となるように添加されるとき、ラノリンよりも繊維類に対する柔軟作用を発揮するものがあることが知られている。しかしながら、本願出願人は、化粧品部門においてのみ従来技術として使用されているイネに由来する植物ベースのタンパク質を使用することで、ケラチン繊維の水和性および柔軟性に影響を与えることに加えて、セルロース繊維の水和性ならびに絹繊維および綿繊維の弛緩性（relaxation）の改善（消費者のパネルテストによって明確に浮き彫りにされ得る）も可能にし、製品のアイロン掛けを支援することを実証した。イネに由来するこれらの植物ベースのタンパク質は、活性剤の量が０．２％～３．０％の範囲内となるよう配合物に付与され、市販の製品、例えば、ＧＬＵＡＤＩＮ（登録商標）（ＢＡＳＦ製）およびＯＲＹＳＯＬ（商標）（ＫＥＬＩＳＥＭＡ製）の商標で選択され得る。

動物繊維で製造された品目の成分４による処理は、洗浄操作の最後に、通常は洗浄プロセスによって引き起こされる脱水に対抗し、摩耗による繊維のエイジングを低減させる。

成分４の配合物はまた、シリコン、セルラーゼカテゴリーの酵素、および臭気中和に活性のある構成要素などの二次活性剤も含有し得る。

［別個の成分１～４の用量付与］
上述した別個の成分１～４は、そのプログラム中に独立して用量付与することができる。洗浄サイクルごとに、洗浄効果のある成分１および２の少なくとも１つを常に用量付与しなければならず、随意的に、以下に記述する基準で成分３および４を追加することができる。

特に、約４．５Ｋｇの標準的な洗濯負荷に関して、本発明の洗浄組成物の別個の成分の付与用量は、好ましくは、以下の通りである：
・成分１および２の総量は、１０ｍｌ～４０ｍｌの範囲内に含まれるものとする；
・成分３の量は、１ｍｌ～１０ｍｌの範囲内に含まれるものとする；
・成分４の量は、５ｍｌ～２０ｍｌの範囲内に含まれるものとする。

成分１、２および３は、主な洗浄ステップで用量付与され、洗浄プログラムに応じて、同時にまたは異なるステップで洗浄液に追加することができる。

さらに、成分１および２は、洗浄以前のステップ中にも用量付与することができる。最終的に、成分４は、最後のすすぎで用量付与されなければならない。

好ましい実施形態による成分組成は、洗濯機の使用において平均して検出される相対的な用量付与要件を考慮に入れて、全体積で４リットル未満、好ましくは３．２５リットルを必要とし、以下のように体積が分割される：
成分１：１２５０ｍｌ
成分２：１０００ｍｌ
成分３：３００ｍｌ
成分４：７００ｍｌ
このような体積の選択により、家電製品に設けられたハウジング内の容器の最適な分配が可能となり、最大７５回の洗浄サイクルを実行でき、ユーザーにとって補充の困難さを伴う、時差が過剰に生じる成分の消費を回避できる。

以下において、本発明による個々の液体洗浄成分のいくつかの好ましい実施例を、詳細かつ概略的な方法で報告する。次いで、洗濯機の操作サイクル中に、要件に応じて４つの成分を選択、用量付与および送給するための該洗濯機に搭載されたプロセスを通じて、当業者の本来的に想到する範囲の技術的な方法で、洗浄組成物の複雑な配合が作成される。

［成分１］
［実施例１］
１７％ Ｃ_１０～_１３－ｓｅｃ－アルキルベンゼン４－スルホン酸
２．５％ ＮａＯＨ
８％ ラウリル硫酸塩（ＭＥＡラウリル硫酸塩）
８％ エトキシル化脂肪アルコール（Ｃ_１３－Ｃ_１５アルコール、７ＥＯ）
６％ エトキシル化脂肪アルコール（イソトリデカノール ８ＥＯ）
５％ ココナッツ酸カリウム
５％ ＭＭＢ
２％ ＭＧＤＡ（Ｔｒｉｌｏｎ Ｍ ｌｉｑｕｉｄ）
５％ ＥＰＥＩ（Ｓｏｋａｌａｎ ＨＰ２０)
２％ 香料
０．４％ 蛍光増白剤（Ｔｉｎｏｐａｌ ＣＢＳ－Ｘ）
必要に応じて１００％に達するまでの防腐剤および水
ｐＨ ９．５～１０．５
［実施例２］
２０％ Ｃ_１０～_１３－ｓｅｃ－アルキルベンゼン４－スルホン酸
３．９％ ＭＥＡ
５％ ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、３ＥＯ
１０％ エトキシル化脂肪アルコール（Ｃ_１３－Ｃ_１５アルコール、７ＥＯ）
８％ Ｃ_１０－Ｃ_１６アルキルポリグルコシド
５％ ココナッツ酸カリウム
５％ ＭＭＢ
２％ ＭＧＤＡ（Ｔｒｉｌｏｎ Ｍ ｌｉｑｕｉｄ）
６％ ＥＰＥＩ（Ｓｏｋａｌａｎ ＨＰ２０)
２％ 香料
０．４％ 蛍光増白剤（Ｔｉｎｏｐａｌ ＣＢＳ－Ｘ）
必要に応じて１００％に達するまでの防腐剤および水
ｐＨ ８．５～９．５

［成分２］
［実施例１］
１０％ Ｃ_１０～_１３－ｓｅｃ－アルキルベンゼン４－スルホン酸
５．０５％ ＴＥＡ
６％ Ｃ_１４～_１７－ｓｅｃ－アルキルスルホン酸、ナトリウム塩
１５％ エトキシル化脂肪アルコール（Ｃ_１３－Ｃ_１５分岐鎖状および直鎖状アルコール、７ＥＯ）
１０％ Ｄ－グルシトール、１－デオキシ－１－（メチルアミノ）－、Ｎ－Ｃ_８～_１０ アシル誘導体（D-Glucitol, 1-deoxy-1-(methylamino)-, N-C8-10 acyl derivs）
５％ ココナッツ酸カリウム
５％ ＭＭＢ
０．５％ ＭＧＤＡ（Ｔｒｉｌｏｎ Ｍ ｌｉｑｕｉｄ）
４％ ＥＰＥＩ（Ｓｏｋａｌａｎ ＨＰ２０）
２％ ポリビニルピロリドン（Ｓｏｋａｌａｎ ＨＰ５６）
２％ 香料
必要に応じて１００％に達するまでの防腐剤および水
ｐＨ ８．０～９．０
［実施例２］
１０％ Ｃ_１０～_１３－ｓｅｃ－アルキルベンゼン４－スルホン酸
５．０５％ ＴＥＡ
６％ Ｃ_１４～_１７－ｓｅｃ－アルキルスルホン酸、ナトリウム塩
２０％ エトキシル化脂肪アルコール（Ｃ_１３－Ｃ_１５アルコール、７ＥＯ）
５％ Ｄ－グルシトール、１－デオキシ－１－（メチルアミノ）－、Ｎ－Ｃ_８～_１０ アシル誘導体
５％ カプリロイルグルタミン酸二ナトリウム
５％ ココナッツ酸カリウム
５％ ＭＭＢ
２％ ＭＧＤＡ（Ｔｒｉｌｏｎ Ｍ ｌｉｑｕｉｄ）
２％ ＥＰＥＩ（Ｓｏｋａｌａｎ ＨＰ２０）
２％ ポリビニルピロリドン（Ｓｏｋａｌａｎ ＨＰ５６）
２％ 香料
必要に応じて１００％に達するまでの防腐剤および水
ｐＨ ８．０～８．５

［成分３］
［実施例１］
３％ ギ酸ナトリウム
４５％ ソルビトール
２％ａｅｐ プロテアーゼ（Ｌａｖｅｒｇｙ ＰＲＯ １０４Ｌ）
０．８０％ａｅｐ リパーゼ（Ｐｒｅｆｅｒｅｎｚ Ｌ１００）
０．５０％ａｅｐ アミラーゼ（Ｐｒｅｆｅｒｅｎｚ Ｓ１１０）
０．０３％ クエン酸
必要に応じて１００％に達するまでの水
ｐＨ ４．５～５．０
［実施例２］
３％ 塩化カルシウム
４５％ ソルビトール
２％ａｅｐ プロテアーゼ（Ｌａｖｅｒｇｙ ＰＲＯ １０４Ｌ）
０．６０％ａｅｐ リパーゼ（Ｌｉｐｅｘ ｅｖｉｔｙ １００Ｌ）
０．４５％ａｅｐ アミラーゼ（Ａｍｐｌｉｆｙｐｒｉｍｅ １００Ｌ）
０．３０％ａｅｐ セルラーゼ（Ｍｅｄｌｅｙ Ｇｌｏｗ ２００Ｌ）
０．１５％ａｅｐ マンナナーゼ（Ｍａｎｎａｗａｙ）
０．０３％ クエン酸
必要に応じて１００％に達するまでの水
ｐＨ ５．０～５．５

［成分４］
［実施例１］
１５％ エステルクワット（ＴＥＴＲＡＮＹＬ Ｌ１／９０Ｓ）
２％ 加水分解イネタンパク質（ＯＲＹＳＯＬ）
２％ ヒドロキシプロピルトリモニウムイヌリン（ＱＵＡＴＩＮ ６８０ ＴＱ－Ｄ）
３％ シリコンエマルジョン（Ｅｒｓｉｌ ６６）
３％ 香料
０．６％ 乳酸（２－ヒドロキシプロパン酸）
必要に応じて１００％に達するまでの水
ｐＨ ２．０～３．０
［実施例２］
２０％ エステルクワット（ＴＥＴＲＡＮＹＬ Ｌ１／９０Ｓ）
１％ 加水分解イネタンパク質（ＯＲＹＳＯＬ）
３％ 加水分解小麦タンパク質（ＣＯＬＴＩＤＥ（商標） ＨＳＩ）
３％ シリコンエマルジョン（Ｅｒｓｉｌ ６６）
３％ 香料
０．６％ 乳酸（２－ヒドロキシプロパン酸）
必要に応じて１００％に達するまでの水
ｐＨ ２．０～３．０

成分の用量は、様々な洗浄サイクルの特定の要件に基づいて、表１に示す量で洗濯機に搭載された論理ユニットによって決定され得る。

上記の説明から理解され得るように、４つの成分への分割および各成分の特定の配合により、非常に効果的な洗浄組成物を得ることができ、かつ、序文に記載された目的を達成することができる。

実際のところ、円形領域の区画を効率的に占めるようなバルクで、複数のタイプの品目に対して最も効果的な洗浄配合を自動的に達成するための適切な成分が供給される。４つの成分の特定の組成により、個々の配合物の性質および量を最適化し、活性のある構成要素の長期保存、洗浄サイクルにおける廃棄物および環境汚染の削減、ならびにユーザーの管理責任を可能な限り最小限にすることを獲得することができる。

有利なことに、本発明の洗浄組成物は、適切な選択プログラム、用量付与プログラムおよび差異化送給プログラムによって制御されることになる４つの独立タンクを備えた任意の洗濯機によって使用され得る。

しかしながら、本発明は、その例示的な実施形態のみを構成する上記の特定の構成に限定されると見なされてはならないが、添付の特許請求の範囲によって排他的に定義される本発明の保護の範囲から逸脱することなく、すべてその分野の当業者の想到する範囲内で、様々な変更が可能であることが理解される。

例えば、おおよそ濃い液体成分に常に言及されてきたが、洗浄組成物は、少なくとも部分的には、例えば粉末状または小粒子状の完全に脱水された成分（したがって、洗濯機の洗浄チャンバーに容易に運搬され得るような、依然として流動体である）に頼ることも除外されない。

Claims (15)

1. 個々の洗濯バッチの様々な特性に従って、４つの別個の成分の選択、用量付与および差異化送給のためのプログラムを備えた洗濯機のそれぞれに対応する独立タンクに収容される該別個の成分を有する流体洗浄組成物であって、該別個の成分は、以下の配合物、すなわち、
   成分１ － ｐＨの範囲が４．０～１２．０であり、４０℃～６０℃の温度範囲での洗浄プログラムにおいて高い洗浄効果があり、かつ、綿繊維、特に白色品目に対して特異作用を有する洗浄配合物と、
   成分２ － ｐＨの範囲が８．０～１２．０であり、１５℃～４０℃の温度範囲での洗浄プログラムにおいて高い洗浄効果があり、かつ、合成繊維、着色繊維および動物由来繊維に対して特異作用を有する洗浄配合物と、
   成分３ － ｐＨの範囲が５．０～６．０、好ましくは５．０～５．５である、少なくともプロテアーゼおよびリパーゼ、ならびに場合によっては、アミラーゼをベースとし、かつ、ソルビトールおよび塩化カルシウムで安定化された酵素ベースのシミ除去配合物と、
   成分４ － ｐＨの範囲が２．０～４．０である、洗浄後のコンディショニング配合物と、
   を有することを特徴とする、流体洗浄組成物。
2. 請求項１に記載の洗浄組成物において、前記成分１は、活性剤の比率が７５：２５～５０：５０の範囲内にある陰イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤の混合物からなり、前記陰イオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩およびアルキル硫酸塩の中から選択され、かつ、前記非イオン性界面活性剤は、一級および二級双方のエトキシル化脂肪アルコール、アルキルポリグルコシドまたはアルキルポリペントシドの中から選択される、洗浄組成物。
3. 請求項２に記載の洗浄組成物において、活性剤の量が２０％～５０％の範囲内にある界面活性剤と、活性剤の量が１％～１０％の範囲内にある石鹸と、全体として活性剤の量が２％～１０％の範囲内にあり、安定化機能、分散機能、再付着防止機能および汚れ除去機能を有する多岐にわたる添加剤と、活性剤の量が０．０５％～１％の範囲内にある酸化漂白剤および蛍光増白剤と、１００％に達するまでの水と、を含有する、洗浄組成物。
4. 請求項１～３のいずれか一項に記載の洗浄組成物において、前記成分２は、活性剤の比率が２５：７５～５０：５０の範囲内にある陰イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤の混合物からなり、前記陰イオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩およびスルホン化オレフィンの中から選択され、任意でグルカミドが添加され、かつ、前記非イオン性界面活性剤は、５モル以上のエトキシル化度およびＣ_１０～Ｃ_１８の範囲内にあるアルキル鎖を有する、一級および二級双方のエトキシル化脂肪アルコールの中から選択される、洗浄組成物。
5. 請求項４に記載の洗浄組成物において、活性剤の量が３０％～６０％の範囲内にある界面活性剤と、活性剤の量が１％～５％の範囲内にあり、静菌機能を有し、かつ臭気除去を補助する添加剤と、全体として活性剤の量が２％～１０％の範囲内にあり、安定化機能、分散機能、再付着防止機能および汚れ除去機能を有する多岐にわたる添加剤と、１００％に達するまでの水と、を含有する、洗浄組成物。
6. 請求項１～５のいずれか一項に記載の洗浄組成物において、前記成分３は、少なくともプロテアーゼ、リパーゼおよびアミラーゼ、ならびに任意でセルラーゼおよび／またはマンナナーゼを含む酵素の混合物からなる、洗浄組成物。
7. 請求項６に記載の洗浄組成物において、前記成分３において、前記プロテアーゼの含有量が最大３％ａｅｐであり、前記リパーゼの含有量が最大１％ａｅｐであり、前記アミラーゼの含有量が最大０．５％ａｅｐであり、および前記セルラーゼおよび前記マンナナーゼの含有量が、それぞれ最大０．５％ａｅｐである、洗浄組成物。
8. 請求項７に記載の洗浄組成物において、前記プロテアーゼはスブチリシンである、洗浄組成物。
9. 請求項７に記載の洗浄組成物において、前記成分３は、さらに、好ましくはグリセロールおよびソルビトールの間で選択されるポリオールからなる安定化添加剤を含有する、洗浄組成物。
10. 請求項９に記載の洗浄組成物において、モノプロピレングリコールの全含有量は、活性剤の１０％を超えない、洗浄組成物。
11. 請求項１に記載の洗浄組成物において、前記成分４は、エステルクワットカテゴリーの陽イオン性界面活性剤を含み、場合によっては、プロピレングリコールまたはアルコールが添加されることもあり得る、洗浄組成物。
12. 請求項１１に記載の洗浄組成物において、前記成分４は、活性剤の量が５％～２０％の範囲内にある前記陽イオン性界面活性剤と、活性剤の量が２％までの範囲内にある乳酸をベースとする静菌性添加剤と、活性剤の量が５％～２０％の範囲内にあるイヌリンベースの柔軟添加剤と、活性剤の量が０．４％～３％の範囲内にあるイネタンパク質をベースとする柔軟添加剤と、１００％に達するまでの水と、を含有する、洗浄組成物。
13. 請求項１～１２のいずれか一項に記載の洗浄組成物において、前記成分１、２、３および４は、５：４：１：２～４：３：１：３の体積比、好ましくは４．２：３．３：１：２．５の体積比で各々のタンクに配置される、洗浄組成物。
14. 各々が洗浄成分を含有する４つの別個のカートリッジを備える洗濯洗浄キットであって、
    前記洗浄成分は、請求項１～１３のいずれか一項に記載の洗浄組成物を構成し、および、
    前記洗浄成分１、２、３および４は、５：４：１：２～４：３：１：３の体積比、好ましくは４．２：３．３：１：２．５の体積比で前記カートリッジ内に分配される、
    ことを特徴とする、洗濯洗浄キット。
15. 洗浄成分の用量が、前記洗浄成分用の別個の複数のカートリッジから発出して洗浄チャンバーに送給される、洗剤による洗浄ステップを備える、洗濯機における洗浄方法であって、前記カートリッジは、前記洗濯機のポートホールによって規定された区画に収容され、また請求項１～１３のいずれか一項に記載の洗浄組成物を構成する成分を含有する、ことを特徴とする、洗浄方法。
    

Images