JP2023507515A - 三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を低減させるための方法 - Google Patents

三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を低減させるための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023507515A
JP2023507515A JP2022538252A JP2022538252A JP2023507515A JP 2023507515 A JP2023507515 A JP 2023507515A JP 2022538252 A JP2022538252 A JP 2022538252A JP 2022538252 A JP2022538252 A JP 2022538252A JP 2023507515 A JP2023507515 A JP 2023507515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trivalent chromium
electroplating bath
chromium electroplating
ions
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022538252A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021123059A5 (ja
Inventor
ミヒャエル・ミュイク
アンケ・ヴァルター
ゼバスティアン・キューネ
Original Assignee
アトテック ドイチェランド ゲーエムベーハー ウント コ カーゲー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アトテック ドイチェランド ゲーエムベーハー ウント コ カーゲー filed Critical アトテック ドイチェランド ゲーエムベーハー ウント コ カーゲー
Publication of JP2023507515A publication Critical patent/JP2023507515A/ja
Publication of JPWO2021123059A5 publication Critical patent/JPWO2021123059A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D21/00Processes for servicing or operating cells for electrolytic coating
    • C25D21/16Regeneration of process solutions
    • C25D21/18Regeneration of process solutions of electrolytes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D15/00Separating processes involving the treatment of liquids with solid sorbents; Apparatus therefor
    • B01D15/08Selective adsorption, e.g. chromatography
    • B01D15/26Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by the separation mechanism
    • B01D15/36Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by the separation mechanism involving ionic interaction
    • B01D15/361Ion-exchange
    • B01D15/362Cation-exchange
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D21/00Processes for servicing or operating cells for electrolytic coating
    • C25D21/10Agitating of electrolytes; Moving of racks
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D21/00Processes for servicing or operating cells for electrolytic coating
    • C25D21/16Regeneration of process solutions
    • C25D21/22Regeneration of process solutions by ion-exchange
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D3/00Electroplating: Baths therefor
    • C25D3/02Electroplating: Baths therefor from solutions
    • C25D3/04Electroplating: Baths therefor from solutions of chromium
    • C25D3/06Electroplating: Baths therefor from solutions of chromium from solutions of trivalent chromium

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)

Abstract

本発明は、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を低減させるための方法であって、(i)(a)三価クロムイオン、及び(b)鉄イオンを含む三価クロム電気めっき浴を準備する工程、(ii)三価クロム電気めっき浴の少なくとも一部を空気撹拌に供して、三価クロム電気めっき浴の少なくとも空気撹拌部分を得る工程、(iii)三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分をイオン交換樹脂と接触させて、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分を得る工程、及び(iv)三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分を三価クロム電気めっき浴に戻す工程を含み、- 工程(i)で準備される三価クロム電気めっき浴が、18A/dm2以上の陰極電流密度を印加し、少なくとも1つの基材にクロム層を電着させるために利用されたものである又は利用され、- 工程(iii)の後、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分中の鉄イオンが、三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分中より低い濃度を有し、- 工程(iv)の後、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが、三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき50mg/L未満の濃度を有することを条件とする、方法に言及する。

Description

本発明は、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を低減させるための方法に関する。特に、本発明の方法に供された三価クロム電気めっき浴は、硬質クロム層とも呼ばれる機能クロム層の、基材、特に鉄系基材、最も詳細にはニッケル又はニッケル合金でコーティングされた鉄系基材への電解堆積を可能にする。
機能クロム層は通常、典型的に1μmを大幅に下回る(500nmさえも下回る)装飾クロム層と比べ、典型的に少なくとも1μmから数百マイクロメートルまでのはるかに高い平均層厚さを有し、優れた硬度及び耐摩耗性によって特徴付けられる。
六価クロムを含有する電気めっき浴から得られる機能クロム層は、従来技術で公知であり、十分に確立された基準である。
ここ数十年の間、六価クロムに依存するクロム堆積方法は、三価クロムに依存する堆積方法によってますます置き替えられている。そのような三価クロムベースの方法は、はるかに健康及び環境に優しい。
WO2015/110627A1は、クロムを堆積するための電気めっき浴、及び前記電気めっき浴を使用してクロムを基材に堆積させるための方法に言及している。
US2,748,069は、非常に良好な物理的及び機械的特性のクロムコーティングを非常に迅速に得ることを可能にするクロムの電気めっき溶液に関する。クロムめっき溶液は、スポット又はプラギング又はペンシリング電鋳として公知のもの等の特別な電解方法に使用することができる。このような特別な方法では、基材は、典型的にそれぞれの電気めっき溶液に浸されない。
WO2018/185154A1は、クロム又はクロム合金層を基材に電解堆積させるための方法を開示している。
EP0455403B1は、三価クロム浴を再生する方法を開示しており、更に50ppm~100ppmの浴中の第二鉄カチオンの所望の量を維持することを教示している。
典型的に、三価クロムに依存する堆積方法は、クロム層を鉄系基材、特にニッケル又はニッケル合金でコーティングされた鉄系基材に電解堆積させるために使用され、多くの場合、鉄から作製される及び/又は銅を含む装置部品が、典型的に、例えば基材を保持するために堆積方法中に使用される。
典型的には、三価クロム電気めっき浴は通常、クロム層を複数の鉄系基材に堆積させるために複数回使用され、それによりプロセス効率を高め、大幅な費用低減を可能にする。
しかし、三価クロム電気めっき浴を、鉄系基材、特にニッケル又はニッケル合金でコーティングされた鉄系基材及び鉄含有装置部品とともに複数回使用した後、そのような三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度が常に増加することが多く観察されている。そのような鉄イオンの濃度の増加は、三価クロム電気めっき浴中の鉄系基材及び/又はそれぞれの装置部品の部分的な溶解に起因する可能性がある。
三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度の増加は、多くの場合基材の所望されない黒変をもたらし、例えば堆積クロム層の品質を変化させることにより、堆積クロム層の硬度を低減することにより、及び/又はクロム堆積プロセスそれ自体を阻害する若しくは少なくとも厳格に抑制することにより、クロム層を基材に堆積させるプロセスを大幅に損なう可能性もある。
更に、そのような三価クロム電気めっき浴を複数回使用した後、一部の場合では、三価クロム電気めっき浴中の銅及びニッケルイオンの濃度が増加し、クロムの基材への堆積プロセスに対する悪影響、例えば所望されない黒変ももたらされることも観察される。
WO2015/110627A1 US2,748,069 WO2018/185154A1 EP0455403B1
したがって、本発明の目的は、特にクロム層、特に機能クロム層を電着させるための三価クロム電気めっき浴中の汚染鉄イオンの濃度を低減させるための方法を提供することであった。有利には、妨害鉄イオンの濃度は、銅及び/又はニッケルイオンの濃度とともに低減する。そのような方法は、機能クロム層の品質を悪化させることなく(例えば、硬度及び耐摩耗性に関して)、それぞれの三価クロム電気めっき浴が長時間にわたって、最も好ましくは寿命全体にわたって利用できることを保証する。
上述の目的は、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を低減させるための方法であって、
(i)(a)三価クロムイオン、及び
(b)鉄イオン
を含む三価クロム電気めっき浴を準備する工程、
(ii)三価クロム電気めっき浴の少なくとも一部を空気撹拌に供して、三価クロム電気めっき浴の少なくとも空気撹拌部分を得る工程、
(iii)三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分をイオン交換樹脂と接触させて、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分を得る工程、及び
(iv)三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分を三価クロム電気めっき浴に戻す工程
を含み、
- 工程(i)で準備される三価クロム電気めっき浴が、18A/dm以上の陰極電流密度を印加し、少なくとも1つの基材にクロム層を電着させるために利用されたものである又は利用され、
- 工程(iii)の後、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分中の鉄イオンが三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分中より低い濃度を有し、
- 工程(iv)の後、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが、三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき50mg/L未満の濃度を有する
ことを条件とする方法によって解決される。
三価クロム電気めっき浴をイオン交換樹脂と接触させることにより(本発明の方法の工程(iii)等)、イオン交換樹脂は、三価クロム電気めっき浴に経時的に蓄積したカチオン、特に鉄イオンに結合し、それにより三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を低減させる。
しかし、三価クロム電気めっき浴を空気撹拌に供し(本発明の方法の工程(ii)等)、その後鉄イオン交換樹脂との接触を実行すると、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を低減させる効率を大幅に高めることができることが観察された。
結果として、本発明の方法は、両方の有益な工程を組み合わせ、鉄イオンの濃度を低減させる効率を相乗的に増加させる。この組合せは、三価クロム電気めっき浴の寿命の延長、及び電着クロム層の安定な品質を経時的に保証し、ひいては廃棄物及び廃水をそれぞれ最低限に抑えるのに役立つ。
工程(iv)で、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分を三価クロム電気めっき浴に戻すことにより、好ましくは連続的又は少なくとも非連続的(半連続的)な流れのサークルが提供され、これが方法の間の継続的な処理を保証し、それにより設置されたばかりの三価クロム電気めっき浴に十分に匹敵する高品質の電着クロム層が経時的に保証される。
工程(i)で、三価クロム電気めっき浴が、
(c)銅イオン及び/又は
(d)ニッケルイオン
を更に含み(すなわち、鉄イオンに加え)、
- 工程(iii)の後、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分中の銅イオン及び/又はニッケルイオンが、それぞれ三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分中より低い濃度を有し、好ましくは三価クロム電気めっきの樹脂処理部分中の銅イオン及び/又はニッケルイオンが、それぞれ50mg/L以下の濃度を有する
ことを条件とする、本発明の方法が好ましい。
したがって、本発明の方法を利用することにより、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を低減させる他に、ニッケル及び/又は銅イオンの濃度も効率的に低減させることができる(且つそれによって比較的低濃度で維持することができる)。
表の簡単な説明
Table 1(表1)は、電着クロム層の得られる光学的外観に対する鉄イオンの濃度間の相関の概略を示す。さらなる詳細は、本文書の以下の「実施例」セクションに示す。
本発明の文脈では、用語「少なくとも1つ」又は「1つ若しくは複数」は、「1、2、3以上」及び「1、2、3若しくは3より多い」をそれぞれ表す(且つそれと交換可能である)。更に、「三価クロム」は、酸化数+3のクロムを指す。用語「三価クロムイオン」は、遊離又は錯化形態のCr3+イオンを指す。同様に、「六価クロム」は、酸化数+6のクロムを指し、六価クロムを含有するイオンを含む化合物がこれに関連する。
工程(i)で準備され、少なくとも1つの基材にクロム層を電着させるために利用されたものである又は利用される三価クロム電気めっき浴中に、六価クロムは意図的に添加されない。したがって、工程(i)で準備される三価クロム電気めっき浴は、六価クロムを実質的に有さない又は含まない(陽極に形成され得る非常に少量を除く)。
工程(iii)で利用されるイオン交換樹脂は、三価クロムイオンの濃度が、三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分に比べ、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分で大幅に低減しないように、三価クロムイオンに対して低い選択性を有する。対照的に、工程(iii)で利用されるイオン交換樹脂は、鉄イオンを交換するよう実質的に選択的であり、好ましくは銅及び/又はニッケル及び/又は亜鉛イオンにも選択的である。
本発明の方法は、工程(i)、(ii)、(iii)及び(iv)を含み、順序は、好ましくは(i)、次いで(ii)、次いで(iii)、次いで(iv)である。方法が閉ループサイクルに言及する場合、工程(iv)の後に工程(i)が再び、続いて工程(ii)が再び、続いて工程(iii)が再び、続いて工程(iv)が再び実行される。好ましくは、本発明の方法は、工程(i)、(ii)、(iii)及び(iv)の複数の繰り返しを含む。
好ましくは、三価クロム電気めっき浴は、三価クロムイオン及び鉄イオンを含む水性三価クロム電気めっき浴である。一部の場合、あまり好ましくはないが、三価クロム電気めっき浴は、水とは異なる溶媒、好ましくは有機溶媒を含む。最も好ましくは、水が唯一の溶媒である。
本発明は、三価クロム電気めっき浴の少なくとも一部を空気撹拌に供し、次いで三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分をイオン交換樹脂と接触させ、これにより次に三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分から鉄イオンを少なくとも部分的に除去し、それにより三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を低減させるという知見に依存する。
三価クロム電気めっき浴は、好ましくは連続プロセス中に、好ましくは複数の異なる基材にクロム層を堆積させるために、好ましくは1回より多く使用される。好ましくは、三価クロム電気めっき浴は、好ましくは三価クロム電気めっき浴1リットルあたり少なくとも100Ah、好ましくは1リットルあたり少なくとも150Ah、より好ましくは1リットルあたり少なくとも200Ah、最も好ましくは1リットルあたり少なくとも300Ahの使用のために、電気めっき中に繰り返し利用される。
三価クロム電気めっき浴は、好ましくは複数の基材に、特に鉄系基材にクロム層を堆積させるために使用されるため、基材から、特に鉄系基材からの鉄イオンが基材から溶解する場合があり、経時的に三価クロム電気めっき浴に蓄積する場合があり、それにより三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を常に増加させる。本発明の方法を実行することによって三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を低減させることにより、電気めっきの間に基材からの鉄イオンの溶解の平衡を保つことができ、それにより許容限界を下回る三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を維持することができる。
本発明の方法は、設置されたばかりの三価クロム電気めっき浴に匹敵する高品質のクロム層を維持することを可能にする。
さらなる重要な知見は、空気撹拌が利用される場合、イオン交換樹脂による鉄イオン除去の効率が大幅に増加し得ることであった。
好ましくは、空気撹拌後の三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分は、イオン交換樹脂と即座に接触する。好ましくは、空気撹拌後に、三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分は、遮断又は遅延なくイオン交換樹脂に移動する。これは、特に三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分とイオン交換樹脂を接触させる前に、三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分に大量の酸素が存在し、それにより鉄イオンの除去効率を増加させることを保証する。好ましくは、工程(ii)で、三価クロム電気めっき浴は、少なくとも5分間空気撹拌に供される。
本発明による別の重要な知見は、18A/dm以上の陰極電流密度による高電流電気めっきプロセスを使用すると、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度の低減が本質的になることであった。
三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの特定の濃度は、典型的に15A/dm以下の陰極電流密度による低電流電気めっきプロセスを使用する場合に制御可能であるが(装飾用途の場合は望ましいことさえある)、これは、18A/dm以上の陰極電流密度による上述の高電流電気めっきプロセスには当てはまらない。そのような高電流電気めっきプロセスでは、三価クロム電気めっき浴中の比較的高い鉄イオン濃度で、鉄が電気めっきの間に堆積クロム層に組み込まれる場合があり、それにより対応する場所における耐食性を損ない、更に前記堆積クロム層の所望されない黒変をもたらす。
したがって、そのような高電流電気めっきプロセス、すなわち18A/dm以上の陰極電流密度を用いる場合、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオン濃度を50mg/Lの限界未満に維持することが本質的である。
本発明の方法に使用される文言に対応して、好ましくは工程(i)の前に、
- 18A/dm以上の陰極電流密度を印加し、三価クロム電気めっき浴を利用することにより、クロム層を少なくとも1つの基材に電着する工程
を含む、本発明の方法が好ましい。
これは、本発明の文脈で上記で定義された第1の条件の好ましい対応する文言であり、好ましくは第1の条件に代わることができる。好ましくは、電気めっき中、鉄イオンは三価クロム電気めっき浴に蓄積している。好ましくは、鉄イオンの所望されない量に到達した後、前記電気めっき浴は本発明の方法の工程(i)~(iv)に供される。
工程(i)で、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが、三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき40mg/L以下、好ましくは30mg/L以下、より好ましくは20mg/L以下、更により好ましくは15mg/L以下、最も好ましくは11mg/L以下の濃度を有する本発明の方法が好ましい。
工程(iv)の後、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが、三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき35mg/L以下、好ましくは25mg/L以下、より好ましくは18mg/L以下、更により好ましくは13mg/L以下、最も好ましくは10mg/L以下の濃度を有する本発明の方法が好ましい。
それぞれ三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき、工程(i)で三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが40mg/Lより高い濃度を有し、工程(iv)の後に三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが40mg/L以下の濃度を有し、好ましくは工程(i)で三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが30mg/Lより高い濃度を有し、工程(iv)の後に三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが30mg/L以下の濃度を有し、より好ましくは工程(i)で三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが20mg/Lより高い濃度を有し、工程(iv)の後に三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが20mg/L以下の濃度を有する、本発明の方法が好ましい。
それぞれ三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき、工程(i)で三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが10mg/Lより高い濃度を有し、工程(iv)の後に三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが10mg/L以下の濃度を有する、本発明の方法が好ましい。
工程(iii)で、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分中の鉄イオンが、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分の全体積に基づき9mg/L以下、好ましくは8mg/L以下、より好ましくは7mg/L以下、更により好ましくは6mg/L以下、また更により好ましくは5mg/L以下、最も好ましくは4mg/L以下の濃度を有する、本発明の方法が好ましい。
工程(iii)における三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を、50mg/L未満の濃度、特に35mg/L以下、25mg/L以下、18mg/L以下、13mg/L以下、10mg/L以下、又は更には10mg/L未満の濃度に低減することにより、三価クロム電気めっき浴の品質が典型的に維持され、設置されたばかりの三価クロム電気めっき浴から得られるクロム層に匹敵する高品質のクロム層を基材に堆積させることが可能になる。
特に、イオン交換樹脂の高い鉄イオン除去効率は、高い初期鉄イオン濃度、すなわち工程(i)で、三価クロム電気めっき中の鉄イオン濃度が40mg/Lより高い(40mg/Lよりはるかに高い濃度を含む)場合と、更に低い初期鉄イオン濃度、すなわち工程(i)で、三価クロム電気めっき中の鉄イオン濃度が40mg/L以下、30mg/L以下、20mg/L以下、好ましくは15mg/L以下、又は更には11mg/Lである場合の両方で維持することができる。
工程(i)で、三価クロム電気めっき浴が、
(c)銅イオン及び/又は
(d)ニッケルイオン
を更に含み、
- 工程(iii)の後、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分中の銅イオン及び/又はニッケルイオンが、それぞれ三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分中より低い濃度を有する
ことを条件とする、本発明の方法が好ましい。
イオン交換樹脂の有利なカチオン結合特性により、イオン交換樹脂は、工程(iii)で三価クロム電気めっき浴から鉄イオンを除去できるだけでなく、銅イオン及び/又はニッケルイオンも除去できる。
したがって、イオン交換樹脂が鉄イオン及び三価クロムイオンに親和性を有し、鉄イオンへの親和性が三価クロムイオンへの親和性より高い本発明の方法が好ましい。イオン交換樹脂が、鉄イオン、銅イオン及びニッケルイオン及び三価クロムイオンに親和性を有し、鉄イオン、銅イオン及びニッケルイオンへの親和性が三価クロムイオンへの親和性より高い本発明の方法がより好ましい。
電気めっき中、典型的に装置部品が使用され、これにより前記装置部品から特定の程度まで溶解する場合があり、したがって三価クロム電気めっき浴中の銅イオンの濃度も、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度と同様に経時的に増加する場合がある。
更に、三価クロム電気めっきは、典型的に電気めっき中にニッケル又はニッケル合金でコーティングされた基材にクロム層を堆積させるために使用されるため、前記ニッケル又はニッケル合金でコーティングされた基材からニッケルも溶解する場合があり、したがって三価クロム電気めっき浴中のニッケルイオンの濃度も、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオン及び/又は銅イオンの濃度と同様に経時的に増加する場合がある。
電気めっき中にそのような三価クロム電気めっき浴を使用すると、銅イオン及び/又はニッケルイオンの比較的高い濃度が、一部の場合でクロム層の電着に悪影響を及ぼす。したがって、高品質のクロム層の基材への堆積を可能にするために、三価クロム電気めっき浴中の銅イオン及び/又はニッケルイオンの濃度を低減させることも有益である。
- 工程(iv)の後、三価クロム電気めっき浴中の銅イオンが、三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき50mg/L以下、好ましくは40mg/L以下、より好ましくは30mg/L以下、更により好ましくは20mg/L以下、また更により好ましくは10mg/L以下、最も好ましくは5mg/L以下の濃度を有する
ことを条件とする、本発明の方法が好ましい。
工程(i)で三価クロム電気めっき浴中の銅イオンが10mg/Lより高い濃度を有し、工程(iv)の後に三価クロム電気めっき浴中の銅イオンが10mg/L以下の濃度を有する、本発明の方法が好ましい。
- 工程(iv)の後、三価クロム電気めっき浴中のニッケルイオンが、三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき50mg/L以下、好ましくは40mg/L以下、より好ましくは30mg/L以下、更により好ましくは20mg/L以下、最も好ましくは10mg/L以下の濃度を有する
ことを条件とする、本発明の方法が好ましい。
工程(i)で三価クロム電気めっき浴中のニッケルイオンが20mg/Lより高い濃度を有し、工程(iv)の後に三価クロム電気めっき浴中のニッケルイオンが20mg/L以下の濃度を有する、本発明の方法が好ましい。
- 工程(i)で準備される三価クロム電気めっき浴が、20A/dm以上、好ましくは24A/dm以上、より好ましくは28A/dm以上、更により好ましくは32A/dm以上、なおも更により好ましくは36A/dm以上、また更により好ましくは39A/dm以上、最も好ましくは42A/dm以上の陰極電流密度を印加し、少なくとも1つの基材にクロム層を電着させるために利用されたものである又は利用される
ことを条件とする、本発明の方法が好ましい。
用語「クロム層を電着させるために利用されたものである又は利用される」における単語「ために」は、好ましくは「際に」と解釈され、したがって「クロム層を電着させる際に利用されたものである又は利用される」と読まれてもよい。いずれの場合も、本発明の文脈では、電着が行われる又は行われており、規定の電流密度が実際に電気めっき浴に印加される又は印加されたことを表す。これは、本発明の方法に全体的に適用される。
好ましくは、工程(i)で準備される三価クロム電気めっき浴は、直流(DC)を印加することによって電着に利用されたものである又は利用される。
好ましくは、直流(DC)は遮断のない直流であり、より好ましくは、直流はパルス化されていない(非パルス化DC)。更に、直流は、好ましくは逆パルスを含まない。
- 工程(i)で準備される三価クロム電気めっき浴が、18A/dm~75A/dm、好ましくは24A/dm~71A/dm、より好ましくは28A/dm~68A/dm、更により好ましくは32A/dm~65A/dm、なおも更により好ましくは36A/dm~61A/dm、また更により好ましくは39A/dm~58A/dm、最も好ましくは42A/dm~55A/dmの範囲の陰極電流密度を印加し、少なくとも1つの基材にクロム層を電着させるために利用されたものである又は利用される
ことを条件とする、本発明の方法が好ましい。
クロム層が0.5μm以上、好ましくは0.75μm以上、より好ましくは0.9μm以上、更により好ましくは1.0μm以上、なおも更により好ましくは1.5μm以上、最も好ましくは2.0μm以上の厚さを有する、本発明の方法が好ましい。
一部の場合では、クロム層が1.1μm~500μm、好ましくは2μm~450μm、より好ましくは4μm~400μm、更により好ましくは6μm~350μm、なおも更により好ましくは8μm~300μm、最も好ましくは10μm~250μmの範囲の厚さを有する、本発明の方法が好ましい。
一部のさらなる場合では、クロム層が15μm以上、好ましくは20μm以上の厚さを有する本発明の方法が好ましい。
既に上述されたように、電気めっき中にクロム層を堆積させる場合、優れた機能特徴を有するクロム層が得られることが好ましく、これはしばしば硬質クロム層と称され、好ましくは装飾クロム層ではない。
好ましくは、18A/dm以上の陰極電流密度を印加し(好ましくは上述の陰極電流密度を用いて)、少なくとも1つの基材にクロム層を電着させるために利用される三価クロム電気めっき浴は、電気めっきセクションで利用される/位置する。
三価クロム電気めっき浴が電気めっきセクションに位置し、工程(ii)及び/又は(iii)が、電気めっきセクションから分離されるが電気めっきセクションに流体連結される処理セクションで実施される、本発明の方法が好ましい。
したがって、本発明の方法は、好ましくは電気めっきセクションから分離された処理セクションで利用されることが好ましい。最も好ましくは、電気めっきセクションはめっき槽である。
電気めっきセクションと処理セクションが、1つ又は1つより多くの導管によって互いに流体連結される本発明の方法が好ましい。
工程(i)、(ii)、(iii)及び(iv)が連続的又は非連続的に実施される本発明の方法が好ましい。
一部の場合では、工程(i)、(ii)、(iii)及び(iv)が連続的に、更により好ましくは閉ループで実施される本発明の方法が好ましい。これは、好ましくは一般的に、工程(i)の三価クロム電気めっき浴の準備の後に工程(ii)で実行される空気撹拌が続き、次に工程(iii)で実行される樹脂処理が続き、次に工程(iv)で定義される三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分を戻すことが続き、ここで工程(iv)の後に工程(i)が再び実行され、次に工程(ii)、(iii)及び(iv)がそれぞれ続き、以下同様であることを意味する。
好ましくは閉ループでの工程(i)、(ii)、(iii)及び(iv)のそのような連続的な実施は、鉄イオンの、好ましくは更に銅及び/又はニッケルイオンの濃度の非常に効率的な制御を可能にする。
しかし、他の場合では、このシーケンスが、最も好ましくは工程(iv)の後に一時的に遮断され、非連続的又は半連続的に実施されることが好ましい。これは特に、鉄イオンが緩慢に上昇し、比較的長時間後に初めて臨界濃度に到達する濃度を有する場合に当てはまる。そのような状況下では、本発明の方法は、好ましくは鉄イオンが三価クロム電気めっき浴中の所望される濃度(好ましくは10mg/L未満)に到達するまで一時的に、より好ましくは繰り返し実施される。その後、本発明の方法は、鉄イオンが臨界濃度に再び到達するまで遮断/停止される。このようにして、資源及びエネルギーがより良好に保存される。
好ましくは、本発明の方法の工程(i)で、三価クロム電気めっき浴の少なくとも一部が、処理セクションの第1の区画、好ましくはオーバーフロー区画に準備される。この第1の区画では、好ましくは三価クロム電気めっき浴の一部が、好ましくは文書全体で規定される期間にわたって空気撹拌に供され、それにより三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分が得られる(工程(ii))。処理セクションの第2の区画では、好ましくは本発明の方法の工程(iii)が実行される。好ましくは、第2の区画は、イオン交換樹脂が充填されたカラムであり、三価クロム電気めっき浴の一部が、ある流速で、好ましくは一定の流速でイオン交換樹脂と接触する。工程(iii)が実行された後、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分が得られ、これが本発明の方法の工程(iv)に定義されるように戻される。最も好ましくは、三価クロム電気めっき浴の一部は、少なくとも1つのポンプによって第1の区画から第2の区画に圧送され、三価クロム電気めっき浴に戻る。この時点で、本発明の方法は連続的又は非連続的に実行される(上述のように)。各場合において、これにより電気めっきセクションでの少なくとも1つの基材へのクロム層の電着を継続的に行う、すなわち電着を遮断することなく行うことが可能になる。言い換えると、本発明の方法は、同時に、すなわち電着も実行されている間に実行される。しかし、一部の場合では、本発明の方法が実行される間に電気めっきセクションでの電着が遮断され、しかし本発明の方法は処理セクションで実行されることが好ましい。
したがって、工程(iii)で、イオン交換樹脂がイオン交換カラムに設けられ、その中を三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分が通る本発明の方法が好ましい。イオン交換カラムは、電気めっきセクション及び/又は処理セクションの第1の区画から独立して交換、再生及び/又は修正が実行されるように、イオン交換樹脂のための閉鎖空間を画定する。
一部の場合では、本発明の方法が電気めっきセクションで実行される本発明の方法が好ましい。そのような状況下では、クロム層の電気めっきは、好ましくはそれぞれ遮断され、一時的に中止される。三価クロム電気めっき浴は、電気めっきセクションに準備される(工程(i))。更に、空気撹拌に供する工程(工程(ii))が電気めっきセクションで実行される。工程(iii)は、イオン交換樹脂を規定の期間添加することによって電気めっきセクションで実行される。その後樹脂が除去され(又は代替的に、三価クロム電気めっき浴が別のめっき槽に移される)、これは樹脂処理された三価クロム電気めっき浴が、三価クロム電気めっき浴に本質的に戻されることを意味する。しかし、イオン交換樹脂の除去は技術的に困難であり、多くの場合、樹脂処理された三価クロム電気めっき浴から樹脂を完全に分離することができないため、そのようなバッチ手法はあまり好ましくない。
一部の場合、イオン交換樹脂が床として設けられ、その中を三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分が通る本発明の方法が好ましい。そのような床は、三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分とイオン交換樹脂の間の接触領域の増加を可能にする。
工程(i)で準備される三価クロム電気めっき浴が、工程(ii)、(iii)及び(iv)が実施される間に前記電着に利用される、
又は
工程(i)で準備される三価クロム電気めっき浴が、工程(ii)、(iii)及び(iv)の前に前記電着に利用されたものである
本発明の方法が好ましい。
これは、好ましくは一部の場合で、三価クロム電気めっき浴が電気めっきと並行して、例えば、本発明の方法が実行されると同時に使用される、本発明の方法が好ましいことを意味する。
しかし、一部の他の場合では、電気めっきが既に終了し、本発明の方法が実行されるまで、それぞれの三価クロム電気めっき浴がそれ以上使用されないことが好ましい。これは、好ましくは本発明の方法を実行するために電気めっき浴を移すことさえも含む。
本発明の方法が実施された後、電着が継続することが好ましい。工程(iv)の後に得られた三価クロム電気めっき浴が、18A/dm以上の陰極電流密度(好ましくは本文書全体で好ましいとして定義される陰極電流密度)を印加し、クロム層を少なくとも1つの基材(好ましくは複数の基材)に電着させるために利用され、その後別の工程(i)で、好ましくは本発明の方法の第2又はそれ以上のシーケンスの工程(i)で準備される、本発明の方法が好ましい。
典型的に、特定の長さの時間の後、イオン交換樹脂がイオンで飽和され、それによりイオン交換樹脂の親和性が減少し始める。したがって、好ましくは本発明の方法を繰り返し実行した後、好ましくはイオン交換樹脂が清掃及び再生される。これは、特に鉄イオン並びに好ましくはニッケル及び銅イオンも(a)樹脂から剥がれ、(b)イオン交換樹脂が、好ましくは本発明の方法のさらなるシーケンスで利用されるように樹脂が再調整されることを意味する。
(v)工程(iii)の後にイオン交換樹脂を酸性及び/又はアルカリ再生溶液と接触させ、好ましくはイオン交換樹脂を再生インターバル中に周期的に酸性再生溶液と接触させ、続いてイオン交換樹脂を再生インターバル後にアルカリ再生溶液と接触させる工程
を更に含む、本発明の方法が好ましい。
工程(v)で、結合されたイオンをイオン交換樹脂から剥がすために、イオン交換樹脂が酸性及び/又はアルカリ再生溶液と接触される。
好ましくは、工程(v)で、イオン交換樹脂は、アルカリ再生溶液よりも頻繁に酸性再生溶液と接触され、少数の場合、イオン交換樹脂は酸性再生溶液のみと接触されることが好ましい。
より好ましくは、工程(v)は、工程(iii)の後にイオン交換樹脂を酸性再生溶液及びアルカリ再生溶液と接触させることによって実施される。最も好ましくは、工程(v)は、工程(iii)の後に、イオン交換樹脂を酸性再生溶液と第1の回数にわたって、次いでアルカリ再生溶液と第2の回数にわたって接触させることによって実施され、第1の回数は第2の回数より多い。代替的に、あまり好ましくない場合、アルカリ再生溶液との接触は、酸性再生溶液との接触の前に実行される。
イオン交換樹脂が1種以上のカチオン交換樹脂を含む本発明の方法が好ましい。好ましくは、1種以上のカチオン交換樹脂は、本発明の方法の工程(iii)で、水素が負荷された形態で利用される。
イオン交換樹脂がポリスチレンポリマーを含む本発明の方法が好ましい。カチオン交換樹脂、好ましくはポリスチレンポリマーを含む樹脂は、典型的に鉄イオンに、好ましくは銅イオン及び/又はニッケルイオンにも高い親和性をもたらす。
イオン交換樹脂がマクロポーラスである本発明の方法が好ましい。
好ましくは、1種以上のカチオン交換樹脂は、2種以上の異なるカチオン交換樹脂を含み、これらは種々のカチオン、好ましくは鉄イオン、ニッケルイオン及び銅イオンに対して異なる形態で選択性である。
一部の場合、2種以上のカチオン交換樹脂は、少なくとも二重床を形成することが好ましい。
イオン交換樹脂(好ましくは、上記で好ましいと記載された)が酸性官能基を含み、酸性官能基が、好ましくはカルボキシル基、ホスホン酸基及びスルホン酸基から選択される1種以上の基を含む本発明の方法が好ましい。
一部の場合では、ホスホン酸基及びスルホン酸基を含むイオン交換樹脂が非常に好ましく、イオン交換樹脂Purolite S-957が最も好ましい。ホスホン酸基がアミノホスホン酸基を含むイオン交換樹脂が好ましい。
他の場合では、カルボン酸基を含む、より好ましくはアセテート基を含む、最も好ましくはイミノ二酢酸基を含むイオン交換樹脂が非常に好ましい。最も好ましいイオン交換樹脂は、Lewatit TP 207及び/又はPurolite S-930である。
上述の好ましいイオン交換樹脂を利用することにより、本発明の方法の工程(iii)が極めて良好に実行される。
好ましくは、電気めっきセクションは、好ましくはグラファイト陽極及び混合金属酸化物陽極(MMO)からなる群から独立して選択される、好ましくはグラファイト陽極及びチタン上の混合金属酸化物の陽極からなる群から選択される少なくとも1つの陽極を含む。そのような陽極は、利用される電気めっき浴中で十分に耐性であることが示された。好ましくは、少なくとも1つの陽極は、鉛もクロムも含まない。
電着クロム層は、好ましくは合金元素を含むクロム合金層である。好ましい合金元素は、炭素、窒素及び酸素、好ましくは炭素及び酸素である。炭素は、典型的に、三価クロム電気めっき浴に通常存在する有機化合物のためにクロム層に存在する。好ましくは、クロム層は、硫黄、ニッケル、銅、アルミニウム、スズ及び鉄からなる群から選択される1種以上又はすべての元素を含まない。より好ましくは、唯一の合金元素は炭素、窒素及び/又は酸素であり、より好ましくは炭素及び/又は酸素であり、最も好ましくは炭素及び酸素である。好ましくは、クロム層は、クロム層の全質量に基づき90質量パーセント以上、より好ましくは95質量パーセント以上のクロムを含有する。
工程(i)で、三価クロム電気めっき浴がホウ酸を本質的に有さない又は含まない、好ましくはホウ素含有化合物を本質的に有さない又は含まない本発明の方法が好ましい。ホウ素含有化合物は、環境上問題があるため望ましくない。ホウ素含有化合物(ホウ酸を含む)を含有する場合、廃水処理は高額であり時間がかかる。更に、ホウ酸は典型的に低い溶解性を示し、したがって沈殿物を形成する傾向がある。そのような沈殿物は、加熱によって可溶化することができるが、この時間中にそれぞれの三価クロム電気めっき浴を電気めっきに利用することはできない。そのような沈殿物がクロム層の品質の低減を促進するという重大なリスクが存在する。
工程(i)で、三価クロム電気めっき浴が二価硫黄を含有する有機化合物を本質的に有さない又は含まない、好ましくは酸化数が+6未満である、硫黄原子を有する硫黄含有化合物を本質的に有さない又は含まない本発明の方法が好ましい。一部の場合、特に18A/dm以上の陰極電流密度で硫黄がクロム層に組み込まれる場合、所望されない変色が観察される。しかし、これは硫酸イオンを除外するものではない。好ましくは、三価クロム電気めっき浴は、一部の場合、三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき、好ましくは50g/L~250g/Lの範囲の全量の硫酸イオンを含む。
三価クロム電気めっき浴から二価硫黄を含有する有機化合物を省くことは、硬質の機能クロム層の堆積に三価クロム電気めっき浴を利用する場合に特に有益である。
用語「含まない」は、それぞれの化合物及び/又は材料が、例えば三価クロム電気めっき浴に意図的に添加されないことを表す。これは、そのような化合物が、他の化学物質の不純物として引き込まれることを除外しない。しかし、典型的に、そのような化合物及び材料の全量は検出範囲未満であり、したがって本発明の方法の間は重要ではない。
工程(i)で、三価クロム電気めっき浴が、
- 1種以上の種類のハロゲンイオン、好ましくは臭化物イオン、
- 1種以上の種類のアルカリ金属カチオン、好ましくはナトリウム及び/又はカリウム、
- 1種以上の有機錯化化合物、好ましくは脂肪族モノカルボン有機酸及び/又はその塩、
- 硫酸イオン、並びに
- アンモニウムイオン
からなる群から選択される1種以上の化合物を更に含む本発明の方法が好ましい。
好ましくは、工程(i)で、三価クロム電気めっき浴は、三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき少なくとも0.06mol/L、より好ましくは少なくとも0.1mol/L、更により好ましくは少なくとも0.15mol/Lの濃度の1種以上の種類のハロゲンイオン、好ましくは臭化物イオンを含む。特に、臭化物アニオンは、少なくとも1つの陽極での六価クロム種の形成を有効に抑制する。
好ましくは、工程(i)で、三価クロム電気めっき浴は、三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき0mol/L~0.5mol/L、より好ましくは0mol/L~0.3mol/L、更により好ましくは0mol/L~0.1mol/L、最も好ましくは0mol/L~0.08mol/Lの範囲の全濃度の1種以上の種類のアルカリ金属カチオン、好ましくはナトリウム及び/又はカリウムを含む。典型的に、ルビジウム、フランシウム及びセシウムイオンは、三価クロム電気めっき浴で利用されない。したがって、ほとんどの場合、アルカリ金属カチオンの全量は、リチウム、ナトリウム及びカリウム、最も好ましくはナトリウム及び/又はカリウムの金属カチオンを含む。
三価クロム電気めっき浴は、好ましくは三価クロムイオンを錯化するための1種以上の有機錯化化合物を含むことが更に好ましい。好ましくは、1種以上の有機錯化化合物(及びその好ましい変異体)は、1~10個の炭素原子、好ましくは1~5個の炭素原子、更により好ましくは1~3個の炭素原子を有する。錯化化合物は、主に三価クロム電気めっき浴中で三価クロムイオンと錯体を形成し、浴の安定性を高める。好ましくは、三価クロムイオン及び1種以上の有機錯化化合物は、1:0.5~1:10の範囲のモル比を形成する。
アンモニウムイオンは、好ましくはNHOH及び/又はNHによってのみ提供される。
少なくとも1つの基材にクロム層を電着させるために利用される(且つ好ましくは更に、本発明の方法の工程(i)で準備される)三価クロム電気めっき浴が、4.1~7.0、好ましくは4.6~6.8、より好ましくは5.1~6.5、更により好ましくは5.2~6.2、なおも更により好ましくは5.3~6.0、最も好ましくは5.4~5.9の範囲のpHを有する、本発明の方法が好ましい。
工程(i)で、三価クロム電気めっき浴が、三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき10g/L~30g/L、好ましくは14g/L~27g/L、より好ましくは17g/L~24g/Lの範囲の濃度の三価クロムイオンを含む、本発明の方法が好ましい。
工程(i)で、三価クロム電気めっき浴中の三価クロムイオンが、可溶性の三価クロムイオンを含有する供給源、典型的に、前記三価クロムイオンを含む水溶性の塩から得られる本発明の方法が好ましい。好ましくは、可溶性の三価クロムイオンを含有する供給源は、硫酸クロム、より好ましくは酸性硫酸クロム、更により好ましくは一般式Cr(SO及び分子量392g/molの硫酸クロムを含む又はそれらである。他の場合では、供給源が、三価クロムイオンの対イオンとして有機アニオン、好ましくは有機カルボン酸アニオン、最も好ましくは10個以下の炭素原子(好ましくは5個以下の炭素原子)を有することが好ましい脂肪族モノカルボン酸アニオンを含む、可溶性の三価クロムイオンを含有する供給源が好ましい。
三価クロムイオンの全量が10g/Lを大幅に下回ると、多くの場合、クロム層の不十分な堆積が観察され、堆積クロム層は通常低品質である。全量が30g/Lを大幅に上回ると、電気めっき浴は多くの場合もはや安定でなく、これには望ましくない沈殿物の形成が含まれる。
少なくとも1つの基材にクロム層を電着させるために利用される三価クロム電気めっき浴が、20℃~90℃、好ましくは30℃~70℃、より好ましくは40℃~60℃、最も好ましくは45℃~60℃の範囲の温度を有する、本発明の方法が好ましい。好ましい温度範囲内で、最適な電着を得ることができる。温度が90℃を大幅に超える場合、望ましくない蒸発が発生し、これが浴成分の濃度に悪影響を及ぼし得る。更に、六価クロムの望ましくない陽極形成の抑制は、大幅に少ない。温度が20℃を大幅に下回る場合、堆積は多くの場合不十分である。
少なくとも1つの基材が金属又は金属合金を含む、好ましくは銅、鉄、ニッケル及びアルミニウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む、より好ましくは銅、鉄及びニッケルからなる群から選択される1種以上の金属を含む、最も好ましくは少なくとも鉄を含む本発明の方法が好ましい。
少なくとも1つの基材が、鉄、好ましくは前記基材の少なくとも1つの表面に露出された鉄を含む本発明の方法が好ましい。しかし、特に少なくとも1つの表面に露出された鉄を含む基材は、鉄イオンが三価クロム電気めっき浴中に溶解され、経時的に蓄積し始めるという傾向を示す。
工程(i)で、鉄イオンの供給源が少なくとも1つの基材である、及び/又は少なくとも1つの基材を電気めっきセクションに位置付けるための手段である本発明の方法が好ましい。
クロム層が前記少なくとも1つの基材の表面に電着され、表面がニッケル又はニッケル合金を含む(ニッケル又はニッケル合金でコーティングされた基材、好ましくはニッケル又はニッケル合金でコーティングされた鉄系基材)、本発明の方法が好ましい。しかし、そのような状況下で、そのような基材は、ニッケルイオンが三価クロム電気めっき浴中に溶解され、経時的に蓄積し始めるという特定の傾向を示す。
コーティングされた基材は、好ましくは半光沢ニッケルコーティングでコーティングされた基材である。ニッケル又はニッケル合金層、好ましくは半光沢コーティングでコーティングされた鋼基材が特に好ましい。しかし、好ましくは、他のコーティングが代替的又は追加的に存在する。多くの場合、そのようなコーティングは、そのようなコーティングのない金属基材と比べ、耐食性を大幅に増加させる。しかし、一部の場合では、少なくとも1つの基材は、腐食不活性環境(例えば、油浴中)のために腐食の影響を受けにくい。そのような場合、コーティング、好ましくはニッケル層又はニッケル合金層は必ずしも必要ではない。
工程(ii)が最低5分以上、より好ましくは10分以上、更により好ましくは15分以上、最も好ましくは20分以上実行される本発明の方法が好ましい。独自の実験により、5分を(大幅に)下回る期間は、多くの場合本発明の方法の工程(iii)を顕著に改善することはないことが示された。しかし、工程(ii)で少なくとも5分の期間を用いると、工程(iii)で十分な効率が得られる。
工程(ii)が最大120分以下、好ましくは100分以下、より好ましくは70分以下、更により好ましくは50分以下、最も好ましくは40分以下実行される本発明の方法が好ましい。独自の実験により、工程(iii)の期間を更に延長させると、さらなる効率は得られないことが示された。
本発明の方法の工程(ii)で定義される空気撹拌は、好ましくは周囲空気の強力な吹き込み、すなわち強力な空気撹拌であることが好ましい。これは、電気めっき中の一定の浴の動きを達成するために、好ましくは従来的に使用される穏やかな空気撹拌より強力である。
本発明は、以下の非限定的な例によってより詳細に記載される。
1.三価クロム電気めっき浴の調製:
それぞれ10g/L~30g/Lの三価クロムイオン(供給源:塩基性硫酸クロム)、50g/L~250g/Lの硫酸イオン、少なくとも1種の有機錯化化合物(脂肪族モノカルボン有機酸)、アンモニウムイオン、及び臭化物イオンを含有する試験三価クロム電気めっき浴(A)(体積1L)及び(B)(体積500L)を調製した。電気めっき浴は、ホウ酸もホウ素含有化合物も、二価硫黄を含む有機化合物も含有しなかった。pHは、5.4~5.9の範囲であった。
本発明の方法の工程(ii)及び(iii)前の鉄イオンの初期濃度は、それぞれの試験浴で以下の通りであった:
(A)100mg/L、
(B)20mg/L。
工程(ii)及び(iii)の前に、各試験三価クロム電気めっき浴を利用し、50℃で40A/dmの陰極電流密度を印加し、クロム層を直径10mm~30mmの軟鋼棒基材に電着させ、ここで試験浴(A)で電着を15分間、試験浴(B)で少なくとも120分間実行した。各場合において、電着クロム層は少なくとも1μm、多くの場合少なくとも5μmの厚さを有する。電着後、基材を目視で点検及び評定した。
電着後、試験浴(A)を、以下の時間の長さ:1分(A-1)、5分(A-5)、15分(A-15)、30分(A-30)、60分(A-60)、180分(A-180)にわたって工程(ii)の強力な空気撹拌(周囲空気による)に供し、それぞれ個別の空気撹拌試験三価クロム電気めっき浴(A-1)、(A-5)等を得た。
比較試験浴(Ac0)では、工程(i)後に空気撹拌を施さず、すぐに(すなわち0時間後)工程(iii)に進んだ。さらなる比較試験浴では、工程(i)後の各浴をかき混ぜながら指定の時間(3時間、6時間及び12時間)にわたって放置し、その後工程(iii)を行った。したがって、各比較試験浴で工程(ii)は実行されなかった。したがって、以下の対応するさらなる比較試験浴が得られた:(Ac3)、(Ac6)及び(Ac12)。
試験浴(B)を、周囲空気による工程(ii)の強力な空気撹拌に15分間供し、それぞれの空気撹拌試験浴(B-15)を得た。比較試験浴では空気撹拌を施さず、工程(i)の直後(すなわち、0時間の放置後)に工程(iii)を実行した。比較試験浴(Bc0)が得られた。
本発明の方法の工程(iii)では、試験浴(A-1)、(A-5)、(A-15)、(A-30)、(A-60)、(A-180)、(Ac0)、(Ac3)、(Ac6)、(Ac12)、(Bc0)及び(B-15)をイオン交換樹脂(Lewatit TP207、Lanxess社、マクロポーラス、イミノ二酢酸官能基、ビーズサイズ:0.4~1.25mm)と接触させ、それぞれの樹脂処理試験浴を得た。
40mlの樹脂を試験浴のそれぞれに添加することにより、試験浴(A)、すなわち(A-1)、(A-5)等を樹脂と接触させ、60分間わずかにかき混ぜた。その後、樹脂を沈降させ、上清をデカントし、鉄イオン濃度について分析した。
試験浴を、およそ175L/時間の流速で9時間にわたって25Lの樹脂を含有するカラムに圧送することにより、試験浴(B)、すなわち(B-15)及び(Bc0)を樹脂と接触させ、試験浴に戻した。その後、鉄イオン濃度を決定した。
結果をTable 1(表1)に要約する。
Figure 2023507515000001
実験結果は、本発明の方法によって鉄イオンの濃度が大幅に低減し、特に10mg/L未満になり得ることを明確に示す。実施例(Ac0)は、工程(ii)が、許容可能な電着結果を得るために、鉄イオンの濃度を低減させる効率を本質的に増加させることを示す。基本的に比較例である実施例(A-1)及び(A-5)は、50mg/Lが許容限界であることを示す。したがって、工程(ii)は、許容限界を少なくとも下回るように十分な時間施される。50mg/Lを上回ると、典型的に全く許容されない電着結果が得られる。50mg/Lをわずかに下回ると(実施例(A-5))、電着結果が改善するが、望ましくない変色が頻繁に観察される。実施例(A-15)~(A-180)は、鉄イオン濃度が10mg/L未満の場合、優れた電着結果が得られることを明確に示す。鉄イオン汚染がそれぞれの三価クロム電気めっき浴中に存在する場合、10mg/Lが許容可能な限界であるように思われる。これは、試験浴(B)、特に(B-15)で確認される。(Bc0)からの電着物は、(B)よりわずかに良好であるが、少数の場合に(Bc0)でわずかな変色が観察される。そのような変色は、(B-15)ではもはや観察されなかった。
追加の試験実験(データは示さず)では、ニッケル及び銅イオンの除去を研究した。ニッケルイオン及び銅イオンの濃度は、これらの追加の試験実験で大幅に低減した(Cu:20mg/L~10mg/L未満、Ni:43mg/L~20mg/L未満、更には10mg/L未満)。
さらなる試験実験では、代替的な樹脂、例えば(i)S-950、Purolite社、マクロポーラス、アミノホスホン酸官能基、ビーズサイズ:およそ1.2mm、(ii)S-957、Purolite社、マクロポーラス、ホスホン酸及びスルホン酸官能基、ビーズサイズ:0.55~0.75mm)、及び(iii)S-930、Purolite社、マクロポーラス、イミノ二酢酸官能基、ビーズサイズ:およそ0.6nm~0.85mmを試験した。代替的な樹脂で、鉄イオンの除去、並びにニッケル及び銅イオンの除去に関して同様の結果が得られた(データは示さず)。
2.イオン交換樹脂清掃/再生:
実施例(B-0)後、樹脂を一連の酸性(HCl)及びアルカリ(NaOH)溶液と繰り返し接触させることにより、イオン交換樹脂を清掃及び再生する必要があった。これは、本発明の方法の工程(ii)が初めて実行される場合、典型的にすぐには必要とされない激しい清掃/再生であった。例えば、実施例(B-15)後、酸性溶液(HCl)での清掃前に、イオン交換樹脂を少なくとも第2の工程(ii)に再び利用した。その後、清掃された樹脂を再び利用した。これを複数回繰り返した後、一連のアルカリ溶液(NaOH)に続く酸性溶液(HCl)が必要であった。したがって、本発明の方法(すなわち工程(ii))は、イオン交換樹脂の清掃/再生に肯定的な影響を及ぼす。

Claims (15)

  1. 三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を低減させるための方法であって、
    (i)(a)三価クロムイオン、及び
    (b)鉄イオン
    を含む三価クロム電気めっき浴を準備する工程、
    (ii)三価クロム電気めっき浴の少なくとも一部を空気撹拌に供して、三価クロム電気めっき浴の少なくとも空気撹拌部分を得る工程、
    (iii)三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分をイオン交換樹脂と接触させて、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分を得る工程、及び
    (iv)三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分を三価クロム電気めっき浴に戻す工程
    を含み、
    - 工程(i)で準備される三価クロム電気めっき浴が、18A/dm以上の陰極電流密度を印加し、少なくとも1つの基材にクロム層を電着させるために利用されたものである又は利用され、
    - 工程(iii)の後、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分中の鉄イオンが、三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分中より低い濃度を有し、
    - 工程(iv)の後、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが、三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき50mg/L未満の濃度を有する
    ことを条件とする、方法。
  2. 工程(i)で、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが、三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき40mg/L以下、好ましくは30mg/L以下、より好ましくは20mg/L以下、更により好ましくは15mg/L以下、最も好ましくは11mg/L以下の濃度を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(iv)の後、三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが、三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき35mg/L以下、好ましくは25mg/L以下、より好ましくは18mg/L以下、更により好ましくは13mg/L以下、最も好ましくは10mg/L以下の濃度を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. それぞれ三価クロム電気めっき浴の全体積に基づき、工程(i)で三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが10mg/Lより高い濃度を有し、工程(iv)の後に三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンが10mg/L以下の濃度を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 工程(iii)で、三価クロム電気めっき浴中の樹脂処理部分中の鉄イオンが、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分の全体積に基づき9mg/L以下、好ましくは8mg/L以下、より好ましくは7mg/L以下、更により好ましくは6mg/L以下、また更により好ましくは5mg/L以下、最も好ましくは4mg/L以下の濃度を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 工程(i)で、三価クロム電気めっき浴が、
    (c)銅イオン及び/又は
    (d)ニッケルイオン
    を更に含み、
    - 工程(iii)の後、三価クロム電気めっき浴の樹脂処理部分中の銅イオン及び/又はニッケルイオンが、それぞれ三価クロム電気めっき浴の空気撹拌部分中より低い濃度を有する
    ことを条件とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. - 工程(i)で準備される三価クロム電気めっき浴が、20A/dm以上、好ましくは24A/dm以上、より好ましくは28A/dm以上、更により好ましくは32A/dm以上、なおも更により好ましくは36A/dm以上、また更により好ましくは39A/dm以上、最も好ましくは42A/dm以上の陰極電流密度を印加し、少なくとも1つの基材にクロム層を電着させるために利用されたものである又は利用される
    ことを条件とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. クロム層が0.5μm以上、好ましくは0.75μm以上、より好ましくは0.9μm以上、更により好ましくは1.0μm以上、なおも更により好ましくは1.5μm以上、最も好ましくは2.0μm以上の厚さを有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程(i)、(ii)、(iii)及び(iv)が連続的又は非連続的に実施される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 工程(i)で準備される三価クロム電気めっき浴が、工程(ii)、(iii)及び(iv)が実施される間に前記電着に利用される、
    又は
    工程(i)で準備される三価クロム電気めっき浴が、工程(ii)、(iii)及び(iv)の前に前記電着に利用されたものである、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 三価クロム電気めっき浴が電気めっきセクションに位置し、工程(ii)及び/又は(iii)が、電気めっきセクションから分離されるが電気めっきセクションに流体連結される処理セクションで実施される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. (v)工程(iii)の後にイオン交換樹脂を酸性及び/又はアルカリ再生溶液と接触させ、好ましくはイオン交換樹脂を再生インターバル中に周期的に酸性再生溶液と接触させ、続いてイオン交換樹脂を再生インターバル後にアルカリ再生溶液と接触させる工程
    を更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. イオン交換樹脂が酸性官能基を含み、酸性官能基が、好ましくはカルボキシル基、ホスホン酸基及びスルホン酸基から選択される1種以上の基を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 工程(i)で、三価クロム電気めっき浴が、
    - 1種以上の種類のハロゲンイオン、好ましくは臭化物イオン、
    - 1種以上の種類のアルカリ金属カチオン、好ましくはナトリウム及び/又はカリウム、
    - 1種以上の有機錯化化合物、好ましくは脂肪族モノカルボン有機酸及び/又はその塩、
    - 硫酸イオン、並びに
    - アンモニウムイオン
    からなる群から選択される1種以上の化合物を更に含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 少なくとも1つの基材にクロム層を電着させるために利用される三価クロム電気めっき浴が、4.1~7.0、好ましくは4.6~6.8、より好ましくは5.1~6.5、更により好ましくは5.2~6.2、なおも更により好ましくは5.3~6.0、最も好ましくは5.4~5.9の範囲のpHを有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
JP2022538252A 2019-12-18 2020-12-17 三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を低減させるための方法 Pending JP2023507515A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP19217608.9 2019-12-18
EP19217608 2019-12-18
PCT/EP2020/086882 WO2021123059A1 (en) 2019-12-18 2020-12-17 Method for reducing the concentration of iron ions in a trivalent chromium eletroplating bath

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023507515A true JP2023507515A (ja) 2023-02-22
JPWO2021123059A5 JPWO2021123059A5 (ja) 2023-12-26

Family

ID=69137673

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022538252A Pending JP2023507515A (ja) 2019-12-18 2020-12-17 三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を低減させるための方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US20220389607A1 (ja)
EP (1) EP4077773A1 (ja)
JP (1) JP2023507515A (ja)
KR (1) KR20220116462A (ja)
CN (1) CN114746587A (ja)
BR (1) BR112022008879A2 (ja)
CA (1) CA3162202A1 (ja)
MX (1) MX2022007692A (ja)
WO (1) WO2021123059A1 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL75772C (ja) 1948-03-20
US4432843A (en) * 1982-07-29 1984-02-21 Omi International Corporation Trivalent chromium electroplating baths and processes using thiazole addition agents
AU638121B2 (en) 1990-04-30 1993-06-17 Atochem North America, Inc. Apparatus and process to regenerate a trivalent chromium bath
US5269905A (en) * 1990-04-30 1993-12-14 Elf Atochem North America, Inc. Apparatus and process to regenerate a trivalent chromium bath
FR2705958B1 (fr) * 1993-06-04 1995-08-04 Atochem Elf Sa Procédé pour le traitement des effluents générés par les procédés de traitement des métaux, en particulier les procédés de nickelage .
EP1845176A4 (en) * 2004-10-18 2011-06-29 Yamaha Motor Co Ltd ENGINE PIECE
JP2009091610A (ja) * 2007-10-05 2009-04-30 Nippon Filter Kk 3価クロム化成皮膜処理廃液の精製方法
EP2899299A1 (en) 2014-01-24 2015-07-29 COVENTYA S.p.A. Electroplating bath containing trivalent chromium and process for depositing chromium
CN115961315A (zh) * 2017-04-04 2023-04-14 安美特德国有限公司 在至少一个基底上电解沉积铬或铬合金层的方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20220116462A (ko) 2022-08-23
BR112022008879A2 (pt) 2022-08-23
CA3162202A1 (en) 2021-06-24
WO2021123059A1 (en) 2021-06-24
CN114746587A (zh) 2022-07-12
MX2022007692A (es) 2022-07-19
EP4077773A1 (en) 2022-10-26
US20220389607A1 (en) 2022-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101650647B1 (ko) 반-광택 니켈 또는 니켈 합금의 증착을 위한 갈바닉 니켈 또는 니켈 합금 전기도금 배스, 전기도금 방법 및 이를 위한 상기 배스 및 화합물의 용도
JP7502375B2 (ja) 少なくとも1つの基板上にクロム層またはクロム合金層を堆積するための制御された方法
JP2023090747A (ja) 基材上に装飾ニッケルコーティングを堆積させるためのニッケル電気メッキ浴
CN110446802B (zh) 在至少一个基底上电解沉积铬或铬合金层的方法
US20030085130A1 (en) Zinc-nickel electrolyte and method for depositing a zinc-nickel alloy therefrom
JP2023507515A (ja) 三価クロム電気めっき浴中の鉄イオンの濃度を低減させるための方法
CA2908478C (en) Functional chromium layer with improved corrosion resistance
JP4027320B2 (ja) 非シアン化合物を用いた亜鉛物体及び亜鉛合金物体への銅メッキ方法
TWI448590B (zh) 用於鋅與鋅合金鑄模構件之新穎無氰化物電鍍方法
WO2022224901A1 (ja) 3価クロムメッキ液およびこれを用いたクロムメッキ方法
WO2023041711A1 (en) Method for depositing a chromium layer on a surface of a round-shaped substrate including laser pre-treating
US20230015534A1 (en) Electroplating composition and method for depositing a chromium coating on a substrate
WO2023213866A1 (en) Method for depositing a zinc-nickel alloy on a substrate, an aqueous zinc-nickel deposition bath, a brightening agent and use thereof
KR20240122442A (ko) 기판으로부터 금속 침착물을 전해 제거하기 위한 수성 스트리핑 조성물
JPH11106984A (ja) リン酸塩処理性および耐水密着性に優れたZn−Ni系電気めっき鋼板の製造方法
JP2014009369A (ja) ニッケルタングステンめっき液およびニッケルタングステンめっき方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231215

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231215