JP2023507511A - バイオプロセッシング装置 - Google Patents

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Abstract

生体プロセス装置は、バイオプロセシングマイクロ流体装置、リザーバ、流体を一時的に保存するためのバッファータンク、および2つの流体連通システムを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、生体物質、特に生体細胞を処理するための装置および方法に関する。
生体物質の処理は、現在のバイオテクノロジーの開発に強く関連している。増幅、濃縮、精製、遺伝子編集、遺伝子送達、RNA送達、タンパク質送達、分化、脱分化、回収、細胞のソーティング、ならびに回収および精製などの複合的な一連の作業が一般的であり、診断もしくは治療の目的のためまたは他の生体プロセスの原材料として直接使用され得る化合物がもたらされる。
これら生体プロセスにおいて最小量の物質で作業し、高スループットを可能にするために、多くの場合、マイクロ流体装置またはチップが使用される。生体プロセスの間、マイクロ流体装置は、様々な反応物質または栄養素を供給される必要があり;細胞は輸送、保存、回収される必要がある。これら作業は、流体連通を必要とし、マイクロ流体装置および生体プロセスのバリアントの数が増えることにより非常に複雑となり得る。
米国特許第8257964号は、マルチプレキシングシステムを介してポートステーションに連通するウェルを含む、マイクロウェル細胞培養装置を開示する。ポートステーションは、細胞または細胞培養培地を各ウェルに供給するための中間の品目である。マルチプレキシングシステムは、各ポートステーションおよび各ウェルの間の別々に制御された連通を可能にする。
加えて、生体プロセスは、第3および第4世代の薬物(後者は先端医療医薬品(ATMP, advanced therapy medicinal products)を含む)のための生産方法として開発されている。多くの場合、生体プロセスは、スクリーニングによりマイクロ流体システムにおいて最適化されている。実際に、生体細胞の複雑さ自体の結果として、スクリーニングは、モデルに基づく決定論的な手法のみよりもより発展可能な最適化プロセスの手段である。
よって、スクリーニングのバッチの大きさから産業上の製造バッチへのスケールアップは、特に複雑である。特に、スクリーニング段階で最適と同定されたプロトコルを産業上のバッチの大きさへ移行することは、いくつかの困難と関連している:(a)スクリーニング中の生体プロセスの実行における正確性の欠如は、偽陽性または再現不可能な結果をもたらし得る、(b)プロトコルのパラメータの値を同一に維持しながらのバッチのサイズアップは、通常可能ではない。最後に、スクリーニングで同定された高性能の小さなスケールのプロセスは、通常、大きなスケールでは再現できず、よって逆説的に性能(たとえば収率、有効性、生成物の質...)は、バッチの大きさを増大させた場合に生体プロセスにおいて減少し得る。
本発明の目的は、優れた流体連通構造を用いて一定量の目的の化合物を製造するために、多くのマイクロ流体装置がスクリーニングで同定された特定の条件で同時に作動し得る、バイオプロセシング装置を提案することである。あるいは、同じバイオプロセシング装置は、多くのマイクロ流体装置において異なる条件を実行するために優れた流体連通構造により提供される多用途性の利点を利用して、スクリーニングで使用され得る。
よって本開示は、生体粒子を処理するためのシステムであって、
i.少なくとも4つのバイオプロセシングマイクロ流体装置と、
ii.少なくとも3つのリザーバまたはリザーバに連通するように構成されたポートと、
iii.少なくとも1つのバッファータンクと、
iv.少なくとも2つの流体連通システムと
を含む、
システムに関する。
さらに、第1の流体連通システムは、各リザーバまたはリザーバに連通するように構成されたポートが、各バッファータンクと流体連通し得るようなバルブおよびバルブの間の連通手段を含み、第2の流体連通システムは、各バイオプロセシングマイクロ流体装置が、各バッファータンクと流体連通し得るような、バルブおよびバルブの間の連通手段を含む。
本開示の中で、本システムは、たとえば懸濁液中の反応物質、生体粒子、または栄養素を保存するためリザーバを使用する。リザーバは、それ自体がシステムに含まれてもよく、またはリザーバは、システムの外側にあって、ポートを介してシステムに連通されてもよい。
本開示の中で、リザーバは、フローライン上で連通ポートを介して連通および連通切断され得る。このような場合、連通ポートは、好ましくは、フローラインをそれらの環境由来の異物混入から保護する種類のもの、たとえば中隔(septa)またはふき取り可能なバルブである。またリザーバは、たとえばパイプまたは非局在化反応物質供給源または生成物の出口で置き換えられ得る。本開示の中で、フローラインは、連通手段、バルブ、ポート、チップ、システムの構成要素間の1つまたはいくつかの流体連通を画定する入口または出口のまとまりである。
実際に、本システムは、少なくとも3つのリザーバを使用するように構成される必要がある;この構成は、リザーバまたはリザーバに連通するように構成されたポート、またはそれらの組み合わせで達成され得る。本開示では、用語「リザーバ」は、リザーバおよびリザーバに連通するように構成されたポートの両方を包有する。
このシステムは、特に、生体細胞、たとえば白血球、T細胞、NK細胞、造血幹細胞(HSC)、全能性幹細胞、多能性幹細胞(pluripotent stem cell)、複能性幹細胞(複能性幹細胞)、非付着性細胞、および付着性細胞株の処理に適している。
様々な生体プロセス、たとえば増幅、濃縮、精製、遺伝子編集、遺伝子送達、RNA送達、タンパク質送達、分化、脱分化、回収、細胞のソーティング、ならびに回収および精製は、単独で実施されてもよく、またはこのシステムと組み合わされてもよい。
第1および第2の流体連通システムは、生体プロセスの管理における多用途性の改善を可能にする。実際に、全ての反応物質は、制御された方法で各マイクロ流体装置に分布されてもよく、大きさが減少され、連通手段および分布手段の効力のない部分(dead portion)が低減され得る。本開示の中で、効力のない部分は、構成要素、すなわちマイクロ流体装置、バッファータンク、またはリザーバの中でかまたはこれらから流れる間に液体で充填または液体を流す必要のある連通手段の体積に関連する。上記液体は、構成要素の外側に留まり、変換(translation)において失われる。
本開示の中で、バルブは、流量を阻止または許容するための手段である。限定されるものではないが、バルブは、中隔(septa)またはふき取り可能なバルブ(たとえば米国特許6651956号に開示)、ピンチバルブ、たとえば弾性チューブの挟み込みに基づくピンチバルブ、膜の変形によるマイクロ流体チャネルの閉鎖に基づくピンチバルブ(たとえば米国特許第6929030号に開示)、他の種類の膜ベースのバルブ、相転移バルブ、たとえばチューブの中の液体含有量を凍結することにより作動するバルブ、機械的なバルブ(たとえば1/4回転栓、ボールバルブ)、表面張力に基づくバルブ(たとえば、低圧の適用において、流路を構成する2つの部分を単純に連通切断して空気-液体の表面エネルギーによるエネルギー障壁をもたらす)であり得る。故障のリスクおよび望ましくない流れを低減するために、安定した閉鎖された状態を呈するバルブ、たとえば正常に閉鎖されたバルブまたは双安定バルブが好ましい。単回使用の流体エレメント(たとえば反応物質の流れと接触する部品)と適合可能なバルブが、完全に使い捨ての流体エレメントを有することが、生物学的生産器具で作製される連続するバッチ間でのクロスコンタミネーションのリスクを下げることが分かっており、また費用を下げるためにも、一般に好ましい。縮小型のバルブおよびマイクロ流体装置に統合され得るバルブは、効力のない部分の体積を低減し、高密度のマイクロ流体装置を可能にし、より高いスループットを可能にする点で、好適である。またバルブは、全システムの構成要素間の限界を画定する。特に、マイクロ流体装置、リザーバ、およびバッファータンクは、流体のための入口および/または出口を含む。これら入口および/または出口は、バルブで終結する。連通手段は、1つの構成要素から別の構成要素への液体流通を画定するようにバルブ間に設計されている。
一実施形態では、バイオプロセシングマイクロ流体装置は、生体粒子が保存および操作され得る少なくとも1つのチャンバー;チャンバーに充填するための少なくとも1つの入口およびチャンバーから排出するための出口を含む。入口および出口により、流れは、その体積を変えることなくマイクロ流体チャンバーに課され得る。さらに、入口および出口は、特定の連通手段を介してシステムの他の構成要素と流体連通し得る。たとえば、全ての反応物質は、第1のフローラインに連通した入口を介してマイクロ流体装置に充填され得、全ての生成物は、第1のフローラインとは異なる第2のフローラインに連通した出口を介して、マイクロ流体装置から排出され得る:反応物質および生成物は、いずれの連通手段でも混合されない。
一実施形態では、マイクロ流体装置を受領するチャンバーは、たとえばオートクレーブ、γ線、またはH2O2蒸気により、殺菌を持続し得る。
マイクロ流体装置は、少なくとも1つのポート、通常は少なくとも2つのポートを含む。これらポートは、マイクロ流体装置と第2の流体連通システムとの間に流体連通を確立するように構成されている。ポートの数を増やすことにより、複雑な生体プロセスを管理することが可能ではあるが、システムにおける連通の複雑性は増大する。
特定の実施形態では、1つの入口および1つの出口、すなわち2つのポートが、シーディングフローを画定するように構成されている。本開示の中で、シーディングフローは、マイクロ流体装置へと流れる液体からマイクロ流体装置のチャンバーに生体粒子を捕捉する流れであり、シーディングフローの間マイクロ流体装置から流れる液体は、装置内へ流れた生体粒子を欠いている。これら実施形態のうちの1つでは、生体粒子の捕捉は沈降に依存し、生体粒子は沈殿する。また様々な他の手段、たとえばフロートラップ(たとえば生体粒子よりも小さな流れにおける開口部、マイクロウェル)、またはコーティング(たとえば細胞外マトリックスコーティング、抗体コーティング、細胞接着ポリマーコーティングなど)が、マイクロ流体装置での生体粒子の捕捉を促進するために使用され得る。
別の特定の実施形態では、1つの入口および1つの出口、すなわち2つのポートが、回収フローを画定するように構成されている。本開示の中で、回収フローは、マイクロ流体装置の液体培地を流すように意図されたフローであり、これによりマイクロ流体装置の含有量は、排出されて回収(recoverまたはharvest)される。回収フローは、マイクロ流体装置にある生体粒子が変位しないように十分に穏やかであり得:排出される液体は、目的の生成物を含み得、最終的に回収される。回収フローは、生体粒子が変位および回収されるように強くてもよい。回収フローの強度を決定する主要なパラメータは、マイクロ流体装置の幾何学、液体粘度、および流速である。補助的な手段、たとえば振動または超音波、化学的および/または酵素的処置が、目的の生成物および/または生体粒子の回収を支援するために適用され得る。
特定の実施形態では、シーディングフローを画定するように構成された入口および出口は、回収フローを画定するように構成された入口および出口と同じである。この実施形態では、入口および出口の1つの幾何学が、シーディングまたは回収を実現するために、異なるフロー条件、たとえば流速を用いて使用される。
先行する実施形態は両方とも、欧州特許出願番号第18305786号または同第19306568号に開示されるように、単一のマイクロ流体装置に組み合わされてよく、いくつかのチャンバーおよびこれらチャンバーをシーディングかつ回収することを可能にする流体チャネルを伴うマイクロ流体装置をもたらし得る。
一実施形態では、バッファータンクは、圧力供給源により制御されている。上記圧力供給源は、高圧をもたらし、部分的にまたは全体的にバッファータンクの排出をもたらし得る。上記圧力供給源は、低圧をもたらし、部分的または全体的にバッファータンクへの充填をもたらし得る。圧力供給源ならびに第1および第2の流体連通システムにより、本システムの構成要素間の流れは、全て圧力供給源で制御され得る。
特定の実施形態では、バッファータンクは、たとえばらせん状のチューブまたはコイルの形態の、少なくとも1つのチャンバー;圧力供給源、およびチャンバーの中の液体の体積を制御するための手段を含む。この構成により、バッファータンク中の体積は、マイクロ流体装置もしくはリザーバへ流れるかまたはマイクロ流体装置もしくはリザーバから流れる体積に継続的にアクセスして、モニタリングされる。単一の圧力供給源および体積のモニタリングは、このシステムにおいて全ての体積交換を制御することを可能にする。この実施形態では、チャンバーは、0.1mm~9mmの平均断面を有し得、これは、バッファータンクの保存含有量および水圧耐性の間の良好な妥協案である。
特定の実施形態では、生体物質を処理するためのシステムは、少なくとも2つのバッファータンク、特には2、3、4、または5つのバッファータンクを含む。
別の実施形態では、生体粒子を処理するためのシステムは、少なくとも2つのバッファータンクを含み、その液体体積は、これらのうちの少なくとも1つでモニタリングされる。このような構成では、第1のバッファータンクから第2の流体連通システムを介してマイクロ流体装置へ第1の液体のある体積を流すことが可能である。次に、第2のバッファータンクから第2の液体が、同じマイクロ流体装置に流され、これにより、第2の流体連通システムの効力のない部分を充填し、マイクロ流体装置に充填される第1の液体の全ての体積を有することを可能にする。これは、低量で入手可能な反応物質または生体物質にとって、かつ貴重な生体物質を本システムの連通手段または不活性な構成要素へ廃棄することを回避するため好適である。あるいは、このような構成を用いた場合、液体を第1のバッファータンクから流すことにより、マイクロ流体装置の内容物を回収することが可能であり、この内容物は、マイクロ流体装置の体積が本質的に一定であり続けるため、同時に第2のバッファータンクに移される。
一実施形態では、バッファータンクは、特にマイクロ流体装置のシーディングの間、変位した生体粒子の数をモニタリングすることを可能にする生体粒子検出器を備え得る。実際に、生体プロセスでシーディングされる生体粒子の数は、最も影響が強く制御が困難なパラメータの1つである。この数を制御することは、たとえば粒子あたりの生体プロセスの収率を決定することを可能にし、これは最も期待できるプロセスを選択するためにスクリーニングにおいて重要である。
適切なバッファータンクは、欧州特許出願番号第18306872号に記載されている。
一実施形態では、生体粒子を処理するためのシステムは、各リザーバ、各バッファータンク、および各バイオプロセシングマイクロ流体装置が第1の流体連通システムおよび/または第2の流体連通システムを介して廃液タンクと流体連通し得るような廃液タンクをさらに含む。
一実施形態では、連通システムは、廃棄コンテナから、特定の手段、たとえば1方向のチェックバルブ(one-way check valve)により分離され得る。このような実施形態では、廃液タンクに連通した連通システムは、部分的に再利用されてもよく、化学分析モジュール、粒子懸濁分析モジュール、またはいずれかの種類の分析モジュールなどの分析手段を備えてよい。実際に、廃棄コンテナへの流れは、生体プロセス期間にわたり非常に高頻度であり、よってこのような実施形態は、品質制御プロセスの一部であり得、生体プロセスを最適化するために利用され得る広範囲にわたる情報を提供する生体プロセスの出力流体の定期的な分析を可能にし、たとえば一部の反応物質が特定の閾値を超えるかまたは閾値未満である場合、是正措置がプログラム化され得る。このような分析モジュールの分離は、再利用可能な分析セル、たとえば分光測定のセルを使用して、費用の低下をもたらすことを可能にする。
一実施形態では、連通手段は、チューブ、または液体の流れのためのチャネルを含む機能的に同等なエレメントを含む。適切なチューブは、3mm未満の内径を有し得、マイクロ流体装置の大きさおよび構成に応じて、1.6mm未満かつ0.1mm超の内径が好ましい。この内径の範囲は、連通手段の内部体積および水圧耐性の間の良好な妥協案である。大きな内径のチューブは、好ましくは長い連通(メートルの単位)で使用され、内径が小さいチューブは、それらが少数のリザーバまたはマイクロ流体装置の連通に特有である場合に好ましい。様々な種類のチューブの材料が使用されてよく、医学的グレードの材料および比較的不活性の物質が全般的に好ましい。シリコーン、特には白金硬化シリコーンまたは他のUSPクラスVIに準拠したシリコーンは、その気体への透過性は考慮すべきであり、特にチューブの壁を介した関連する蒸発を考慮すべきではあるが、適切な選択である。PTFEまたは他のフッ素化したポリマーは、特に連通手段への生体粒子の接着を低減するための、良好な性能を呈する。圧力に対するチューブの耐性は、マイクロ流体装置は比較的高いかん流圧力を必要とし得るため、検証すべきである。挟み込み型のチューブバルブと適合しないPTFEなどの物質が選択される場合、挟み込み型のチューブバルブは、バルブに結合したセグメントに対し専用の白金硬化したシリコーンなどのごく一部の変形可能なチューブを使用することにより、依然として使用され得る。このような部分は最小限にされており、上記考慮に対し大きな内径がこの部分で使用され得、特にこの部分の内径は、他の種類のチューブよりも大きくてよい。この実施形態は、第1および第2の流体連通システムにおいて複合的な提示システムを必要としないバルブ間の連通手段の一定したトポロジーを画定する。またこの実施形態は、周辺の連通手段に存在し得る空気中の粒子などの作用物質により連通手段で操作される流体のコンタミネーションのリスクを下げる。
一実施形態では、バルブは、2つのチップが接触する際に流体連通を開口するように構成し、チップが別のチップと接触しない際に流体連通を閉鎖するように構成されたチップである。適切なチップは、たとえば、ふき取り可能なバルブの1つの側部の他の側部上のふき取り可能なバルブと適合可能なコネクタとの組み合わせである。コネクタは、電子工学的に制御されたピンチバルブまたは相転移バルブ、すなわちコネクタの遠位部に可能な限り近くにて流れを阻止するための手段にカップリングされる。この例では、電子工学的に制御されたピンチバルブまたは相転移バルブは、統合するためにより複合的かつ広範囲であり、ここでふき取り可能なバルブおよびコネクタの配置は、コネクタの数を最小限にし、ふき取り可能なバルブの数を最大限にする。たとえば、ふき取り可能なバルブは、マイクロ流体装置に直接結合したチップであり、電子工学的に制御されたバルブにカップリングしたコネクタは、バッファータンクに直接結合したチップである。この実施形態は、連通手段のトポロジーが動的に確立されており、チューブなどの固定された連通手段の排除を可能にし、よって連通手段の体積を低減し、本システムの連通手段が占める効力のない部分および/または体積を低減するため、特に好適である。
動的なトポロジーを伴う実施形態では、バッファータンクに対するマイクロ流体装置の全ての種類の機械的な発動は、単独または組み合わせて使用され得る。マイクロ流体装置1D、2D、または3Dのアレイを配置することを可能にする組み合わせは、高密度の組み込みのため好適である。
生体粒子を処理するためのシステムは、1つのパートでは一定したトポロジーを使用してよく、別のパートでは動的なトポロジーを使用し得る。
一実施形態では、第2の連通システムの内部体積は、全てのバイオプロセシングマイクロ流体装置の体積の300%未満である。このような体積は、システムの活動的な構成要素、すなわちマイクロ流体装置へ進む代わりに連通手段に留まる貴重な反応物質または生体粒子を回避するために望ましい。本開示の中で、エレメントの内部体積は、このエレメントに含まれ得る液体の体積である。第2の連通システムの内部体積は、連通システムに含まれる各連通手段の体積の合計である。
一実施形態では、第1の流体連通システムのバルブの数は、バッファータンクの数の3倍、好ましくはバッファータンクの数の2倍、より好ましくはバッファータンクの数で乗算したリザーバの数未満である。
一実施形態では、第2の流体連通システムのバルブの数は、バッファータンクの数で乗算した全てのバイオプロセシングマイクロ流体装置のポートの数未満である。特定の実施形態では、第2の流体連通システムのバルブの数は、バッファータンクの数で乗算したバイオプロセシングマイクロ流体装置の数未満である。
通常のマルチプレキシングシステムでは、各リザーバは、バルブにより制御された連通手段を介して各マイクロ流体装置に連通される。よって、必要とされるバルブの数は、リザーバの数で乗算したマイクロ流体装置の数である。6つのマイクロ流体装置および10のリザーバでは、60のバルブが必要とされる。実際に、これらは各マイクロ流体装置上の複数のポートであるため、通常のマルチプレキシングシステムは、各マイクロ流体装置の各ポートをいずれかのリザーバに個別に連通することを可能にする。よって必要とされるバルブの数は、リザーバの数で乗算した各マイクロ流体装置のポートの数である。通常、マイクロ流体装置は、少なくとも2つのポート、多くの場合4つのポートを有する。
バッファータンクの導入は、バルブの数を少なくすることを可能にし、これは、全てのマイクロ流体装置および少数のバッファータンクの間、ならびに全てのリザーバおよび少数のバッファータンクの間に連通を確立することのみを必要とするためである。
前述の実施形態の両方では、バルブの数の低減は、これが、複雑性、すなわちシステムのエレメントの数の減少、およびバルブ間の連通手段の全体的な体積の減少に対応するため、望ましい。
一実施形態では、第1および第2の流体連通システムのバルブの数は、リザーバの数で乗算した全てのバイオプロセシングマイクロ流体装置のポートの数未満である。特定の実施形態では、第1および第2の流体連通システムのバルブの数は、リザーバの数で乗算したバイオプロセシングマイクロ流体装置の数未満である。
一実施形態では、生体粒子を処理するためのシステムの一部の構成要素は、与圧チャンバー、特にマイクロ流体装置、ならびに任意選択でバッファータンクおよび第2の流体連通システムに含まれている。この実施形態では、空気圧クランプ力が、本システムに存在する各マイクロ流体装置に適用され、すなわちシステム中のクランプ流体の圧力とマイクロ流体装置中の流体の圧力(ポンプおよび流れにより課される)との間の圧力差からもたらされる。エラストマーのバックプレートおよび/またはエラストマーのカバープレートを含むマイクロ流体装置の場合、クランピング圧力はまた、使用する際にマイクロ流体装置の内側および外側の間の圧力差を低減し得、よってエラストマー材料の変形を低減し、マイクロ流体装置の幾何学のバリエーションを限定する点で好適である。さらに、このような圧力差は、マイクロ流体装置での漏出の場合に、流れがマイクロ流体装置から出ないようにできることを確保し、これは、流体が危険または希少な物質を含む場合に特に好適である。最後に、空気圧クランピングは、マイクロ流体装置の末梢部へのアクセスを限定または妨げる、ボルト、Cクランプ、磁石、またはシャフトおよびレバーを含む剛性プレートなどの機械的なクランピングシステムと比較して非常に好適である。対して、空気圧クランピングを用いる場合、マイクロ流体装置へのアクセスは、その全周囲に提供され、流体連通を確立するためまたはマイクロ流体装置の内容物を光学的にモニタリングするための可能性を上げる。
適切な与圧チャンバーは、欧州特許出願番号第19306048号に記載されている。
また本開示は、上述のシステムを使用して生体粒子を処理するための方法であって、
i.生体粒子を含む液体を少なくとも1つのリザーバから第1の流体連通システムを介して少なくとも1つのバッファータンクへ流すステップと、
ii.生体粒子を含む液体を少なくとも1つのバッファータンクから第2の流体連通システムを介して少なくとも1つのバイオプロセシングマイクロ流体装置へ流すステップと
を含む、方法に関する。
この方法は、生体細胞、特に生体細胞、たとえば白血球、T細胞、NK細胞、造血幹細胞(HSC)、全能性幹細胞、多能性幹細胞、複能性幹細胞、非付着性細胞、付着性細胞株の処理に適している。
本発明の特性および利点は、以下の本開示に係るシステムおよび方法の実施形態の説明から明らかであり、この説明は、単なる例として、かつ添付の図面を参照して、提供されている。
連通手段の一定したトポロジー構成で生体粒子を処理するためのシステムの概略的な構造である。 一定したトポロジーの連通手段の一部および動的なトポロジーの連通手段の別の一部で生体粒子を処理するための概略的な構造である。 連通手段の動的なトポロジーが、マイクロ流体装置を移動することにより達成される生体粒子を処理するためのシステムの概略的な構造である。
図1は、生体粒子を処理するように意図された、本開示の第1の実施形態に係るシステム(1)を示す。6つのマイクロ流体装置(20)が、システム(1)のチャンバー(2)に配置されている。各マイクロ流体装置は、入口および出口(すなわち2つのポート)を含み、両方とも、バルブ(502)で終結している。10個のリザーバ(40)が、システム(1)に配置されており、バルブ(502)で終結する出口を含む。ここで、リザーバ(40)は、冷蔵チャンバー(4)で冷蔵されている。4つのバッファータンク(30)が、システム(1)に配置されており、バルブ(502)で終結する入口/出口を含む。ここで、バッファータンク(30)は、通常生体細胞を処理する温度で、チャンバー(30)で温度制御されている。バルブ(502)の間に、チューブの形態の連通手段(501)が配置されている。開口および閉鎖したバルブの適切な構成により、各リザーバは、各バッファータンクと流体連通し得、各バッファータンクは、各マイクロ流体装置と流体連通し得る。
本出願では、バッファータンクは、液体を導入し、一時的に保存し、その後排出する流体用のエレメントである。バッファータンクは、たとえばチャンバーまたは細長いチューブであり得る。
ここで、第1の流体連通システムは、リザーバ(40)に結合したバルブ(502)およびバッファータンク(30)およびこれらバルブ間の連通手段(501)を含む。28のバルブ(502)が、10のリザーバ(40)を4つのバッファータンク(30)と連通するために使用される。第2の流体連通システムは、マイクロ流体装置(20)と結合したバルブ(502)およびバッファータンク(30)およびこれらバルブ(502)の間の連通手段(501)を含む。バッファータンク(30)と結合したバルブ(502)は、第1および第2の流体連通システムの両方の一部である。
マイクロ流体装置(20)は、チャンバー(2)内の温度および溶解した気体の濃縮のための制御モジュール(22,23)にさらに連結している。マイクロ流体装置の水含有量は、必要に応じて、マイクロ流体装置中の水の喪失を測定し、結果的に水を追加または除去するためのモジュール(24)によりさらに制御される。水の喪失が蒸発によりもたらされる場合、水蒸気が、マイクロ流体装置(20)を含むチャンバーに追加される。
非限定的な例で示されるように、システム(1)は、各リザーバ(40)、各バッファータンク(30)、および各マイクロ流体装置(20)と流体連通し得る廃液タンク(42)を含む。例示した実施形態では、リザーバ(40)、バッファータンク(30)、およびマイクロ流体装置(20)の最も近くに(入口を介し)位置した連通手段(501)のセットが、リザーバ(40)の含有量をバッファータンク(30)での一時的な保存を介してマイクロ流体装置(20)へ流すために使用され、第1のフローラインを画定する。リザーバ(40)、バッファータンク(30)、およびマイクロ流体装置(20)の最も離れて(出口を介し)配置された連通手段(501)のセットは、液体を廃棄物(42)へと流すために使用され、第2のフローラインを画定する。このような構成で、廃棄物(42)へ廃棄可能な液体は、マイクロ流体チャネル(20)への液体送達と同じ連通手段(501)を使用しない。
加えて、例示した実施形態では、連通システムは、マイクロ流体装置(20)をバッファータンク(30)または廃液タンク(42)に連通する2つの独立したフローラインを含む。このような構成では、液体を第1のバッファータンク(30)から流し、マイクロ流体装置(20)の含有量を回収することが可能であり、この含有量は、マイクロ流体装置の含有量が依然として本質的に一定であるため、第2のバッファータンク(30)に同時に移される。異なるフローラインを介して単一のマイクロ流体装置(20)に連通され得る少なくとも2つのバッファータンク(30)を有することは、ポートを介して連通される出口の容器またはリザーバ(40)へのこれらの移動のため、目的の生成物または生体粒子を含む場合に特に、液体をマイクロ流体装置から再度回収することを可能にする。
図1に示される実施例では、バッファータンク(30)は、圧力供給源(311)、ここでは圧力制御器により制御されている。圧力供給源(311)の抑制により、液体の流れが、リザーバ(40)またはマイクロ流体装置(20)からバッファータンク(30)へ誘導される。圧力供給源(311)の圧力が上がると、液体の流れは、バッファータンク(30)からマイクロ流体装置(20)、リザーバ(40)、または廃棄物(42)へ誘導される。低圧により誘導される泡の形成を回避するために、圧力供給源の圧力の増大を使用することが好ましい。上記マイクロ流体装置(20)の含有量を第2のバッファータンク(30)へ回収するため第1のバッファータンク(30)からマイクロ流体装置(20)へ課される流れの特定の場合では、第1のバッファータンク(30)は、加圧され、第2のバッファータンク(30)は、泡の形成を回避するために十分高い圧力で保持される。
このシステム(1)の実施形態では、ユーザインターフェース(11)および中央コンピュータ(101)を伴う制御器(10)は、企図される生体プロセスに係るシステム中の流れの設定を可能にする。制御器は、パラメータ:マイクロ流体装置の温度、圧力、湿度、気体の濃度、マイクロ流体装置の水の喪失、処理ステップの時間および期間をモニタリングし、流速および変位した体積の観点からシステムの全ての構成要素間の流れを画定する。
バリアントでは、システム(1)は、各チャンバー(2)が少なくとも4つのバイオプロセシングマイクロ流体装置を含む複数のチャンバー(2)で編成されてよく;各チャンバーが少なくとも3つのリザーバ(40)またはリザーバに連通するように構成されたポートを含む複数のチャンバー(4)で編成されてよく、;および各チャンバー(3)が少なくとも1つのバッファータンク(30)を含む複数のチャンバーで編成されてもよい。
このバリアントは、通常、2つのサブシステム間の流体連通の追加により得られ、各サブシステムは図1に例示されている。たとえば、1つのリザーバー(40)は、両サブシステム間の流体連通で置き換えられ得る。
このバリアントで、システムの多用途性が増大される。バイオプロセシングマイクロ流体装置は、同じリザーバを使用しつつ、異なる温度で保存され得る。いくつかのリザーバのチャンバーはまた、保存される化学物質に応じて、異なる温度で制御され得る。いくつかのバッファーは、液体の流れの特定のステップのために使用され得、クロスコンタミネーションを回避し得る。最後ではあるが重要なことに、この並列化バリアントは、要求に応じて、同様の条件で使用されるバイオプロセシングマイクロ流体装置の数の増大を可能にする。
図2は、生体粒子を処理するように意図された、本開示の第2の実施形態に係るシステム(1)を示す。第1の実施形態の同様のエレメントは、同一の言及を有する。6つのマイクロ流体装置(20)が、システム(1)のチャンバー(2)に配置されている。各マイクロ流体装置は、2つのポート:バルブとして作用する入口チップ(505)および出口チップ(505)を含む。10個のリザーバ(40)が、システム(1)に配置されており、バルブとして作用するチップ(505)を含む。ここで、リザーバ(40)は、冷蔵チャンバー(4)で冷蔵されている。4つのバッファータンク(30)が、システム(1)に配置されており、バルブ(502)で終結する入口/出口を含む。ここで、バッファータンク(30)は、通常生体細胞を処理する温度で、チャンバー(3)で温度制御される。バルブの間(502)に、チューブの形態の連通手段(501)が配置されている。バルブとして作用する2つのチップ(505)が、2つのインジェクター(506)の中のチューブに配置されている。第1の流体連通システムは、バルブ(502)、インジェクター(506)、バッファータンク(30)に結合したチップ(505)およびリザーバに結合したチップ(505)、ならびにこれらバルブ/チップ間の連通手段(501)を含む。第2の流体連通システムは、バルブ(502)、インジェクター(506)、およびバッファータンク(30)に結合したチップ(505)およびマイクロ流体装置(20)に結合したチップ(505)、ならびにこれらバルブ/チップの間の連通手段(501)を含む。
非限定的な例で例示されるように、バッファータンク(30)および圧力供給源(311)は、移動ヘッド(510)に配置され、この変位は、アーム(511)により制御されている。移動ヘッド(510)の適切な移動により、1つのインジェクター(506)のチップ(505)は、リザーバ(40)のチップ(505)との接触をもたらし、よって、第1の流体連通システムの流体連通を開口する。その後、移動ヘッド(510)の別の移動の後、1つのインジェクター(506)のチップ(505)は、マイクロ流体装置(20)のチップ(505)との接触をもたらし、よって、第2の流体連通システムの流体連通を開口する。
図2に示される例では、2つの流体連通が、マイクロ流体装置(20)および2つのインジェクター(506)の間に同時に実現される。1つの流体連通が、液体を第1のバッファータンク(30)からマイクロ流体装置(20)へ流すために使用され、第2の流体連通が、液体をマイクロ流体装置(20)から第2のバッファータンク(30)へ流すために使用され、これによりマイクロ流体装置(20)の体積が一定に保たれる。マイクロ流体装置(20)から除去される液体は、バッファータンク(30)に保存され、廃棄物(42)へ廃棄されてもよく、または別のマイクロ流体装置(20)での生体プロセスでさらに使用されてもよく、または最終生成物としてリザーバ(40)に保存されてもよい。
この実施形態では、連通手段(501)の体積は、連通手段(501)のトポロジーが、移動ヘッド(510)の変位と要求に応じて動的に適合されるため、非常に強く限定される。特に、第2の連通システムの内部体積は、マイクロ流体装置(20)の数ともそれらの間の距離とも無関係である。よって、バッファータンク(30)からマイクロ流体装置まで伝達される体積は、効力のない部分に液体を残すことなくほぼ完全に移される。さらに、20のバルブ/チップのみが、4つのバッファータンクと10のリザーバを連通するために使用される。また、22のバルブ/チップが、6つのマイクロ流体装置をそれぞれが4つのバッファータンクを備える2つのポートと連通するために使用される。合計32のバルブ/チップが、流れおよびプロセスの優れた多用途性を伴い、10のリザーバおよび6つのマイクロ流体装置を連通するために十分である。
この実施形態では、チャンバー(2)が、チャンバー(2)の圧力がマイクロ流体装置(20)の圧力よりも高くなるように加圧される。この過剰な圧力は、チップ(505)を介したいずれの漏出のリスクをも回避する。2つのチップ(505)が接触する場合、圧力供給源(311)によりもたらされる高圧または低圧は、チップ(505)を介して液体を流すために十分である。
図3は、生体粒子を処理するために意図された、本開示の第3の実施形態に係るシステムを示す。第1および第2の実施形態と同様のエレメントは、同一の参照番号を有する。12のマイクロ流体装置(20)が、システム(1)のチャンバー(2)に配置されている。各マイクロ流体装置は、2つのポート:バルブとして作用する入口チップ(505)および出口チップ(505)を含む。10のリザーバ(40)が、システム(1)に配置されており、バルブ(502)で終結する出口を含む。ここで、リザーバ(40)は、冷蔵チャンバー(4)で冷蔵される。4つのバッファータンク(30)が、システム(1)に配置されており、バルブ(502)で終結する入口/出口を含む。ここで、バッファータンク(30)は、通常生体細胞を処理する温度で、チャンバー(3)において温度制御される。バルブ(502)の間に、チューブの形態の連通手段(501)が配置されている。バルブとして作用する2つのチップ(505)が、固定されている2つのインジェクター(506)の中のチューブに配置されている。第1の流体連通システムは、バッファータンク(30)と結合したバルブ(502)およびリザーバ、インジェクター(506)、およびチップ(505)、およびこれらバルブ/チップの間の連通手段(501)を含む。第2の流体連通システムは、バルブ(502)、インジェクター(506)、およびバッファータンク(30)と結合したチップ(505)およびマイクロ流体装置(20)と結合したチップ(505)、ならびにこれらバルブ/チップの間の連通手段(501)を含む。
非限定的な例で提示されるように、変位がアーム(511)により制御されている移動ヘッド(510)は、チャンバー(1)において異なる位置でマイクロ流体装置(20)を保持および移動し得る。移動ヘッド(510)の適切な移動により、両インジェクター(506)のチップ(505)は、マイクロ流体装置(20)の2つのチップ(505)との接触をもたらし、よって、第2の実施形態と同様に、第2の流体連通システムの流体連通を開口する。インジェクター(506)は、機械的なアクチュエーター上に搭載されてもよく、かつ/または接触もしくは圧力センサーなどの検出器を備えてもよく、これによりフィードバックでカップリングを調節することを可能にする。第2の流体連通システムのトポロジーは、要求に応じて動的に適合される。他方で、第1の流体連通システムは、第1の実施形態と同様である。この実施形態は、たとえば100超といった多数のマイクロ流体装置(20)が使用され、システム(1)で僅かなリザーバ(40)しか使用されない場合、特に関連している。
図3に示される例では、さらなるバイオプロセシングモジュール(7)が、チャンバーに配置されている。このさらなるモジュールは、洗浄、セルソーティング(光学的、磁性的、または分子ふるいによる)、エレクトロポレーション、濾過、溶解、マイクロインジェクション、精製、イオン交換、またはいずれかの通常のバイオプロセシングのステップ、たとえば増幅、濃縮、精製、遺伝子編集、遺伝子送達、RNA送達、タンパク質送達、分化、脱分化、回収、細胞のソーティング、ならびに回収および精製などの、移動ヘッド(510)により移動される1つのマイクロ流体装置(20)での選択的なプロセスのために、使用され得る。
図3に示される例では、さらなる分析モジュール(8)が、システム(1)に配置されている。マイクロ流体装置(20)は、移動ヘッド(510)により分析モジュール(8)に移動されてもよく、次に、マイクロ流体装置(20)自体またはその中に含まれる液体が、顕微鏡、分光法、質量分析、化学分析、レオロジー、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写PCR(RT-PCR)、ELISA、遺伝子のシーケンシング、またはいずれかの通常の分析プロトコルにより分析される。具体的には、マイクロ流体装置(20)は、分析モジュール(8)への移動およびその後の分析のため少ない体積のリザーバとして使用され得る。マイクロ流体装置(20)は、特定の分析のために構成され得る。

Claims (12)

  1. 生体粒子、特に生体細胞を処理するためのシステムであって、
    i.少なくとも4つのバイオプロセシングマイクロ流体装置(20)と、
    ii.少なくとも3つのリザーバ(40)またはリザーバに連通するように構成されたポートと、
    iii.少なくとも1つのバッファータンク(30)と、
    iv.少なくとも2つの流体連通システムと
    を含み、
    第1の流体連通システムが、各リザーバ(40)またはリザーバに連通するように構成されたポートが各バッファータンク(30)と流体連通し得るようなバルブ(502)およびバルブ(502)の間の連通手段(501)を含み、
    第2の流体連通システムが、各バイオプロセシングマイクロ流体装置(20)が各バッファータンク(30)と流体連通し得るようなバルブ(502)およびバルブ(502)の間の連通手段(501)を含む、
    システム。
  2. 各リザーバ(40)、各バッファータンク(30)、および各バイオプロセシングマイクロ流体装置(20)が、前記第1の流体連通システムおよび/または前記第2の流体連通システムを介して廃液タンク(42)と流体連通し得るような、廃液タンク(42)をさらに含む、請求項1に記載の生体粒子を処理するためのシステム。
  3. 連通手段(501)がチューブを含む、請求項1または2に記載の生体粒子を処理するためのシステム。
  4. バルブが、2つのチップ(503)が接触している場合に流体連通を開口するように構成され、チップ(503)が別のチップ(503)と接触していない場合に流体連通を閉鎖するように構成されたチップ(503)である、請求項1~3のいずれか1項に記載の生体粒子を処理するためのシステム。
  5. 前記第2の連通システムの内部体積が、全てのバイオプロセシングマイクロ流体装置(20)の300%未満である、請求項1~4のいずれか1項に記載の生体粒子を処理するためのシステム。
  6. 前記第1の流体連通システムのバルブ(502)の数が、前記バッファータンク(30)の数の3倍で乗算した前記リザーバー(40)の数よりも少ない、請求項1~5のいずれか1項に記載の生体粒子を処理するためのシステム。
  7. 前記第2の流体連通システムのバルブ(502)の数が、前記バッファータンク(30)の数で乗算した全てのバイオプロセシングマイクロ流体装置(20)のポートの数よりも少ない、請求項1~6のいずれか1項に記載の生体粒子を処理するためのシステム。
  8. 前記第1および第2の流体連通システムのバルブ(502)の数が、リザーバー(40)の数で乗算した全てのマイクロ流体装置(20)のポートの数よりも少ない、請求項1~6のいずれか1項に記載の生体粒子を処理するためのシステム。
  9. バッファータンク(30)が、圧力供給源(311)により制御されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の生体粒子を処理するためのシステム。
  10. システムが、少なくとも2つのバッファータンクを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の生体粒子を処理するためのシステム。
  11. 前記マイクロ流体装置(20)が、与圧チャンバー(2)に含まれている、請求項1~10のいずれか1項に記載の生体粒子を処理するためのシステム。
  12. 先行する請求項のいずれか1項に記載のシステムを使用して生体粒子、特に生体細胞を処理するための方法であって、
    i.生体粒子を含む液体を少なくとも1つのリザーバ(40)から前記第1の流体連通システムを介して少なくとも1つのバッファータンク(30)へ流すステップと、
    ii.生体粒子を含む液体を少なくとも1つのバッファータンク(30)から前記第2の流体連通システムを介して少なくとも1つのバイオプロセシングマイクロ流体装置(20)へ流すステップと
    を含む、方法。
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