JP2023506542A - 対象者の酸素飽和度を特定するためのデバイス、システム、及び方法 - Google Patents

対象者の酸素飽和度を特定するためのデバイス、システム、及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、対象者のSpO2 160を特定するためのデバイス100、システム500、及び方法に関する。2つのタイプのPPG測定、すなわち、均一な照射及び/又はスポットパターンを使用した広視野PPG、及び、スポット照射を使用したラジアルPPGが、赤色スペクトル範囲及び赤外線スペクトル範囲における電磁放射波に対する侵入深さの違いを定量化するために使用される。この侵入深さの違いは次に、より安定した比RR、ひいてはより正確なSpO2 160を導出するために使用される。

Description

本発明は、対象者の酸素飽和度を特定するためのデバイス、システム、及び方法に関する。
脈波型酸素飽和度計は、非侵襲的手法により動脈酸素飽和度(SpO2)を連続的に測定し、現在多くの臨床業務において日常的に使用されている。更に、脈波型酸素飽和度測定は、人工酸素供給が一般的である新生児ケアを含む一般的なヘルスケアの様々な態様において広く利用可能になってきている。
脈波型酸素飽和度測定の精度は、臨床的に最も安全な飽和度レベルが大人における100%の代わりに約95%と考えられる早産児(多くの場合新生児集中治療室(NICU)の患者)に対して典型的には不十分である。例えば、A.Hellstromら:Retinopathy of prematurity、The Lancet 382(9902)、2013、及び、O.D.Saugstad及びD.Aune:Optimal Oxygenation of Extremely Low Birth Weight Infants:A Meta-Analysis and Systematic Review of the Oxygen Saturation Target Studies、Neonatology 105、2014において調査されているように、未熟児網膜症(ROP)のリスクを伴う過度に多くの酸素を供給することと、脳損傷又は死をもたらし得る過度に少ない酸素を供給することとの間で、新生児における非常に繊細なバランスが必要とされる。
脈波型酸素飽和度計の比較的不正確なことに部分的に起因して、実際の対象者の飽和度レベルは高い精度では把握されず、これを特定するために非常に大規模な国際的研究が行われている。概して、より高い精度をもつ脈波型酸素飽和度計が早急に必要とされている。
従来の脈波型酸素飽和度測定における基本的な問題は、使用される波長が同じ脈動する細動脈血管を「見ている」こと、及び、相対フォトプレチスモグラフィ(PPG)振幅が細動脈血管における血液の飽和度を反映することが暗黙のうちに仮定されていることである。(例えば非脈動性静脈血による吸収に起因して)赤色光及び近赤外光が異なる侵入深さをもつ場合、相対PPG振幅における結果として得られる差は、異なるSpO2レベルによりもたらされたと誤って解釈される。
米国特許出願公開第2017/188919(A1)号は、生きている対象者の組織部位に装着するように適応された複数のセンサーを含む患者モニターを開示している。センサーは、組織部位内における脈動する血液による減弱後に、少なくとも2つの波長の光学的放射波に応答したセンサー信号を生成する。
対象者の例えばSpO2といった生命兆候を取得するための更なるデバイス及び方法が、米国特許出願公開第2019/167124(A1)号、米国特許出願公開第2019/286233(A1)号、及び米国特許出願公開第2013/006074(A1)号に見られ得る。
対象者のSpO2を特定するための、より正確なデバイス、方法、及びシステムを提供することが本発明の目的である。
本発明の第1の態様によると、
- スポット照射により照射された対象者の皮膚領域を通して透過された、又は皮膚領域から反射された種々異なる波長で検出された電磁放射波から導出された第1の検出信号と第2の検出信号とを取得することと、
- 均一な照射により及び/又はスポットパターンの照射により、照射された対象者の皮膚領域を通して透過された、又は皮膚領域により反射された種々異なる波長で検出された電磁放射波から導出された第3の検出信号と第4の検出信号とを取得することであって、第3の検出信号が、第1の検出信号と同じ波長で検出された電磁放射波から導出され、第4の検出信号が、第2の検出信号と同じ波長で検出された電磁放射波から導出され、スポットパターンの照射の場合、第3の検出信号と第4の検出信号と(103、104)が、皮膚領域(12)を通して透過された、又は皮膚領域(12)から反射された電磁放射波(90)の空間積分により導出される、第3の検出信号と第4の検出信号とを取得することと、
- 第1の検出信号と第2の検出信号とからの第1の比(RR1)、及び、第3の検出信号と第4の検出信号とからの第2の比(RR2)を特定することと、
- 第3の検出信号に対する第1の検出信号の比を計算することにより第1の正規化された信号を特定すること、及び、第4の検出信号に対する第2の検出信号の比を計算することにより第2の正規化された信号を特定することと、
- 第2の正規化された信号に対する第1の正規化された信号の比を計算することにより侵入深さ比(PDR)を特定することと、
- 種々異なる波長間の侵入深さの違いを補償するために、PDRを使用してRR1とRR2とを修正することと、
- 修正されたRR1及び/又は修正されたRR2からSpO2を特定することと、
をするように構成された処理ユニットを備える、対象者のSpO2を特定するためのデバイスが提示される。
本発明の別の一態様によると、上述のデバイスに加えて、スポット照射により対象者の皮膚領域を照射するために、電磁放射波の狭いビームを出射するように構成された照射ユニットと、照射ユニットの出射された光の経路内又は経路外に選択的に配置され得る光拡散器であって、光拡散器が対象者の皮膚領域を均一に、及び/又はスポットパターンにより照射するために、照明ユニットにより出射された電磁放射波を拡散させるように構成された、光拡散器と、対象者の皮膚領域を通して透過された、又は皮膚領域から反射された電磁放射波を検出するように、及び、検出された電磁放射波から検出信号を導出するように構成された検出ユニットとを備える、対象者のSpO2を特定するためのシステムが提示される。
本発明の更に異なる更なる態様において、対応する方法、コンピュータにおいてコンピュータプログラムが実行されたとき、本明細書において開示されている方法のステップを実施することをコンピュータにさせるためのプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム、及びプロセッサにより実行されたとき、本明細書において開示されている方法が実施されることをもたらすコンピュータプログラムプロダクトを中に記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
本発明の好ましい実施形態が、従属請求項において定義される。請求項に記載された方法、システム、コンピュータプログラム、及び媒体が、特に従属請求項において規定されている、及び本明細書において開示されているような、請求項に記載されたデバイスと同様の、及び/又は同一の好ましい実施形態を包含することが理解されなければならない。
本発明は、異なるスペクトル範囲における電磁放射波に対する侵入深さの違いを定量化するために、2つのタイプのPPG測定(広視野PPG及びラジアルPPG)を組み合わせるというアイデアに基づいている。この違いは次に、より安定したRR、ひいては上述の不正確さにほとんど関係なくより正確なSpO2レベルを導出するために使用され得る。SpO2の特定のために、SpO2とRRとの間の線形関係を使用することの標準モデルが使用される。より詳細な説明が図面の説明において以下のように説明される。
広視野PPGは、説明されるコンテキストにおいて、対象者の皮膚が均一に、及び/又は構築された光(ドット、円、ストライプなどのスポットパターン)により照射される測定タイプを意味するのに対し、ラジアルPPGは、本コンテキストにおいて、対象者の皮膚が(例えばレーザーにより)スポット照射により照射される測定タイプを意味する。
2つの異なる波長に対してラジアルPPG振幅を広視野PPG振幅と組み合わせることにより、相対侵入指数(PDRと呼ばれる)が取得され得、次に標準的な脈波型酸素飽和度計に比べてはるかに高い精度を伴ってSpO2レベルを演算するために使用される。
これは、心拍出量又は動脈硬化度によりもたらされる個体差に依存しないPPG源に対する深さ尺度を提供する新規な手法を更に提供する。この尺度は、創傷治癒、又は脈管手術前及び脈管手術後における集中化、脈管拡張、又は狭窄を評価するために重要性であり得る。
既に説明したように、RR1は、第1の検出信号と第2の検出信号とから特定される。したがって、第1の検出信号と第2の検出信号との両方がラジアルPPG測定タイプにより導出されるので、このRR1はラジアルRRとも呼ばれる。RR2は、第3の検出信号と第4の検出信号とから特定される。したがって、第3の検出信号と第4の検出信号との両方が広視野PPG測定タイプにより導出されるので、RR2は広視野RRとも呼ばれる。
更に、第1の正規化された信号は、第3の検出信号に対する第1の検出信号の比を計算することにより特定される。これらの2つの検出信号は、例えば近赤外スペクトル範囲における例示的な電磁放射波といった同じ波長をもつ電磁放射波から導出される。したがって、この第1の正規化された信号は、近赤外スペクトル範囲における電磁放射波に関連した正規化された信号を示す。本コンテキストにおいて、第1の正規化された信号は、対象者の皮膚における近赤外スペクトル範囲における電磁放射波の侵入深さに対する尺度である。
第2の正規化された信号は、第4の検出信号に対する第2の検出信号の比を計算することにより特定される。これらの2つの検出信号は、更に、同じ波長をもつ電磁放射波から導出されるが、この波長は、第1の検出信号及び第3の検出信号の基礎となる使用される波長と異なる必要がある。したがって、第2の検出信号及び第4の検出信号は、赤色スペクトル範囲における電磁放射波から例示的に導出される。したがって、第2の正規化された信号は、赤色スペクトル範囲における電磁放射波に関連した正規化された信号を示す。本コンテキストにおいて、第2の正規化された信号は、対象者の皮膚における赤色スペクトル範囲における電磁放射波の侵入深さに対する尺度である。
PDRは、第2の正規化された信号に対する第1の正規化された信号の比を計算することにより特定され、したがって、相対侵入深さに対する尺度である。
処理ユニットは、スポットパターンの照射の場合には、皮膚領域を通して透過された、又は皮膚領域から反射された電磁放射波の空間積分により第3の検出信号と第4の検出信号とを導出するように構成される。好ましくは、スポットパターンの照射により皮膚領域を通して透過された、又は皮膚領域から反射された全ての電磁放射波が、第3の検出信号と第4の検出信号とをそれぞれ取得するために、空間積分のために使用される。このスポットパターンの照射は幾つかの照射スポットを含んでもよいが、ただ1つの照射スポット、例えば、ただ1つのレーザースポットを含んでもよい。したがって、1つのレーザースポットから反射により戻された全ての光の空間積分が、例えば、第3の検出信号と第4の検出信号とを取得するために使用される。この場合において、少なくとも2つの異なる波長において出射するように構成された1つのレーザー、又は、それぞれ1つの波長において出射するように構成された2つの異なるレーザーが使用される。
広視野PPGは典型的には、対象者の皮膚領域に電磁放射波を均一に出射する光源を使用することにより測定される。しかし、構築された光、すなわち、ドット、ストライプ、円などのパターンを使用することも同様に機能する。実際、大きいデコンボリューション作用を伴うが、任意の非一様照明パターンが機能し得る。
更に、スポット照射(すなわち、対象者の皮膚に1つのレーザースポット)のみを使用すること、及び、対象者の皮膚から反射により戻された全ての光の空間積分を特定することもまた、広視野PPGを提供することに適している。
均一な照射を使用することと比較すると、構築されたパターン又はただ1つの照射スポットを使用することは、幾つかのピクセルにおいて、より大きな信号強度を取得することに対して利点を提供し、このことは、より正確なPPG信号を取得するために適切である。
したがって、均一な照射及びスポット照射又は構築された光による照射の組み合わせを使用することも実行可能な選択肢である。均一な照射はひいてはスポット照射又は構築された光による照射に比べてより良い空間分解能を提供するので、処理ユニットがPPGイメージングのために更に使用される場合にこれは興味深い。
一実施形態によると、処理ユニットは、基準となる比(RRref)及び基準侵入深さ比(PDRref)の使用により、RR1及び/又はRR2を修正するように構成される。
これらの基準となる比は、モデル、数値シミュレーションにより特定されてもよいが、多数の個人における経験的な測定結果により特定されてもよい。好ましくは、特定されたRR1又はRR2と対応する特定されたPDRとの両方が、RRref及びPDRrefと比較される。
更に、ラジアルPPGから特定された比と広視野PPGから特定された比とが典型的には異なるので、RRrefは好ましくは、それぞれRR1に対する、及びRR2に対する基準となる比に分割されることが理解されなければならない。
別の実施形態によると、処理ユニットはRR1及び/又はRR2及びPDRを、基準となる比RRref及び基準侵入深さ比PDRrefの参照テーブルと比較することにより、RR1値及び/又はRR2値を修正するように構成される。好ましくは、参照テーブルは、RR1(ラジアルRR)に対する基準となる比に対する参照テーブルと、RR2(広視野RR)に対する基準となる比に対する参照テーブルとに分割される。
別の実施形態によると、処理ユニットは、PDR値及びRR1値及び/又はRR2値を校正曲線と比較するために、異なるSpO2値に対する基準となる比RRrefと基準侵入深さ比PDRrefとの間の関係性を表す校正曲線を使用するように構成される。
これらの校正曲線は好ましくはRR1(ラジアルRR)及びRR2(広視野RR)に対するそれぞれの参照テーブルに記憶されたRRrefから、及びPDRrefから特定される。したがって、これらの参照テーブルは3つの列を含み、第1の列はRRrefを含み、第2の列はPDRrefを含み、第3の列は正しいSpO2値を含む。これらの参照テーブルに基づいて、校正曲線は、ユーザーにより手動で、又は処理ユニットにより自動的に特定される。更に、校正曲線は好ましくは縦軸及び横軸をもつ図により可視化され、縦軸はRRrefを示し、横軸はPDRrefを示す。更に、異なるSpO2値に対する様々な校正曲線が、1つの図において可視化される。より詳細な説明が図の説明を参照しながら以下に示される。
別の実施形態によると、処理ユニットは、1に等しいPDRrefに適合した校正曲線を外挿することにより、及び、対応するRRrefにRR1及び/又はRR2を設定することにより、RR1及び/又はRR2を修正するために適合した校正曲線を選択するように構成される。
特定されたRR1又は特定されたRR2及び対応するPDRが、更に複数の校正曲線と比較され、適合した校正曲線が処理ユニットにより選択される。これは単に、特定されたRR1又は特定されたRR2及び対応するPDRが図における1つのデータ点として可視化されたときに上記の図において取得されたデータ点に最も近い適合した曲線を選択することにより行われる。適合した曲線を選択すること、及び、1に等しいPDRrefに曲線を外挿すること、及び、RR1又はRR2を修正されたRR1又は修正されたRR2として対応するRRrefに設定することにより、比が、赤色及び赤外線スペクトル範囲における電磁放射波の等しくない侵入深さに対して修正される。
請求項に記載されているシステムは、1つの照射ユニット又は1つの検出ユニットの使用に限定されない。それにもかかわらず、少なくとも1つの照射ユニットは、ラジアルPPG測定を実施する可能性を提供するために点照射光源(例えばレーザー)である必要がある。
システムの上述の実施形態は、1つの照射ユニットしか必要とされないという利点を提供する。光拡散器は照射ユニットの出射された光の経路内又は経路外に選択的に配置され得、広視野PPG又はラジアルPPG測定が実施され得る。したがって、正確なSpO2測定のための小型システムが提供される。電磁放射波の狭いビームは対象者の皮膚において離散したスポットを実現することを可能にし、スポットは、ドット、円、線などである。
好ましくは、照射ユニットは、少なくとも2つの異なる波長において電磁放射波を出射するように、及び/又は赤色光と赤外光とを交互に出射するように更に構成される。したがって、第1の測定は赤色光を使用してラジアルPPGを測定することにより実施され、第2の測定は赤外光を使用してラジアルPPGを測定することにより実施される。次に、光拡散器は、対象者の皮膚における構築されたパターンの照射及び/又は均一な照射を実現するために、光を拡散するために、出射された光の経路の内部に配置される。次に、第3の測定が赤色光を使用して広視野PPGを測定することにより実施され、第4の測定が赤外光を使用して広視野PPGを測定することにより実施される。赤色光及び赤外光ではなく、可視光が望ましくない用途において(例えば、可視光が睡眠中の人を起こす可能性のある睡眠の監視のために)2つ以上の赤外線波長を選択してもよいことに留意されなければならない。それにもかかわらず、この波長ではSpO2に対するコントラストが赤外線波長の組み合わせの場合より大きいので、赤色光が多くの場合に好ましい。
別の実施形態によると、照射ユニット及び検出ユニットの一方又は両方が、対象者の皮膚に直接的に物理的に接触し、又は、対象者の皮膚に直接的に物理的に接触しない。
したがって、システムは、照射ユニット及び検出ユニットが(例えば指クリップとして)対象者の皮膚に直接装着される接触式PPGとしても使用され得るので、システムはリモートPPG構成として使用されることに限定されないことが理解されなければならない。
更に、広視野PPG信号が、非常に小さいラジアル(源とディテクターとの)距離をもつ信号により置き換えられてもよく、その理由は、それが(広視野PPG信号として)主に上部の皮膚層を探索するという意味でこの信号は非常に類似しているからであることも理解されなければならない。
更なる態様によると、システムがスポット照射により対象者の皮膚領域を照射するために電磁放射波の狭いビームを出射するように構成された第1の照射ユニットだけでなく、均一に、及び/又は構築された光により対象者の皮膚領域を照射するために、均一な照射プロファイルの電磁放射波及び/又は構築された光を出射するように構成された第2の照射ユニットを備えるように、上述のシステムが修正されてもよい。構築された光は本コンテキストでは、電磁放射波のパターン、すなわち、ドット、円、ストライプなどのパターンを意味する。
この態様によると、ラジアルPPG測定が第1の照射ユニットの使用により実施され、及び、広視野PPGが、第2の照射ユニットの使用により実施されるので、光拡散器が必要とされない。
修正されたシステムは、1つの照射ユニットのみを含むシステムを参照しながら説明されている同じ実施形態を含むことが理解されなければならない。
別の実施形態によると、検出ユニットは光センサーであり、複数の検出要素、特にフォトダイオードアレイ、CCDアレイ、又はCMOSアレイを備える。検出ユニットが接触デバイスとして対象者の皮膚に接触する場合、広視野PPG測定が、ただ1つではなく検出ユニットアレイが使用されることを更に必要とする。
更なる利点が、説明及び添付図面によりもたらされる。上述の及び後述の特徴は、示される組み合わせで使用されるだけでなく、本発明の枠組みから離れずに、他の組み合わせにより、又は全体として使用されてもよいことが理解されなければならない。
本発明のこれらの態様及び他の態様が、以下で説明される実施形態から明らかとなり、以下で説明される実施形態を参照しながら説明される。
対象者の皮膚を通して透過された、又は対象者の皮膚により反射された電磁放射波の波長に応じて対象者の血液吸収係数を示す図である。 RRに応じた対象者の基準SpO2値を示す図である。 脈波型酸素飽和度測定における暗黙の仮定を示す概略図である。 赤色及び赤外線電磁放射波の侵入深さにおける静脈血の増加の影響を示す概略図である。 SpO2測定における赤色及び赤外線電磁放射波の等しい侵入深さの影響を示す概略図である。 SpO2測定における赤色放射光及び赤外線放射光の等しくない侵入深さの影響を示す概略図である。 広視野PPG及びラジアルPPGに対する対象者の皮膚を通る電磁放射波の経路を示す概略図である。 広視野PPG及びラジアルPPGの検出された反射光を示す概略図である。 ラジアルPPGに対する対象者の皮膚を通る光子の経路のモンテカルロシミュレーションの概略図である。 本発明による対象者のSpO2を特定するためのシステムの概略図である。 本発明による対象者のSpO2を特定するためのデバイスにより実行する方法を示すフローチャートである。 デバイスにより取得された検出信号の第1の処理ステップを示す概略図である。 測定された信号における異なる皮膚層の影響を示す概略図である。 半径方向距離に応じたPDRを示す図である。 PDRに応じたRR1を示す図である。 PDRに応じたRR2を示す図である。 様々なパラメータに対するPDRに応じたRR1を示す図である。 様々なパラメータに対するPDRに応じたRR2を示す図である。 RR1の修正の例を示す図である。 RR1の修正の例を示す参照テーブルの図である。 一定の修正されたRR1を示す図である。 RR2の修正の例を示す図である。 一定の修正されたRR2を示す図である。 特定されたSpO2対RRを示す図である。
図1は、対象者の皮膚を通して透過された、又は対象者の皮膚により反射された電磁放射波の波長に応じた対象者の血液吸収係数を示す図である。この目的のために、縦軸511は血液吸収係数を示し、横軸512は(近赤外スペクトル範囲に対して可視状態の)500nmから1100nmのスペクトル範囲における電磁放射波の波長を示す。第1の曲線513はヘモグロビン(Hb)の吸収を示し、第2の曲線514は酸素化(HbO2)の吸収を示す。両方の構成が、皮膚の脈管に含まれる血液の一部である。
脈波型酸素飽和度測定は、HbO2及びHbが図1における異なる曲線513、514により示されるように、異なる形態により赤色及び赤外線スペクトル範囲における電磁放射波を吸収する簡単な原理に基づいている。動脈血のみのSpO2を検出する脈波型酸素飽和度測定の能力は、動脈血液ボリュームが収縮中に大きくなり拡張期中に小さくなることから赤色(λ1)及び赤外光(λ2)吸収量が心周期に伴って変動する原理に更に基づく。(PPGとして知られる)結果として得られる変調された光の強度から、比(RR)が次の式
Figure 2023506542000002
により計算され、ここで、一方の特定の波長λ1の脈動する信号(AC)及び非脈動性の信号(DC)の比が、他方の波長λ2の脈動する信号及び非脈動性の信号の比に対して正規化される。
このRRは、対象者のSpO2に対しておおむね線形であると考えられ得る。
SpO=C-CRR (2)
ここで、C1及びC2は一次方程式の係数である。したがって、SpO2はRRを測定することにより取得され得る。これは、対象者のSpO2値を特定する標準モデルであり、本明細書においても使用される。線形関係(2)はSpO2とRRとの間の関係性を表す最も単純な形態である。異なる関連性、例えば例として、二次以上の多項式、又は更には参照テーブルが使用されてもよい。
図2は、RR値に応じた対象者の基準SpO2(SpO2,ref)値を示す図である。この目的のために、縦軸521はパーセント(%)によりSpO2値を示し、横軸522はRRを示す。RR値に対するSpO2値の線形依存性が明確に視認可能である。円により表されたフィルタリングされた測定されたデータ523のみが線形回帰525のために使用される。破線526は対応する99%信頼区間を表し、校正において使用されない測定された破棄されたデータ点524が更に示されている。
図3A及び図3Bは、脈波型酸素飽和度測定における2つの暗黙の仮定を示す概略図を示す。第1の仮定は、動脈血液ボリュームのみが脈動することである。対象者の皮膚の表皮13及び下の細静脈14及び細動脈16が図3Aに示されている。細動脈16の脈動成分がそれぞれの細動脈から離れる方向を指す細動脈16の周囲の矢印により示されている。
脈波型酸素飽和度測定において継続的に設定される第2の仮定は、使用される波長λ1及びλ2が同じ脈管構造を「見る」ことである。これは、赤色(λ1)及び近赤外(λ2)スペクトル範囲における電磁放射波90a、90bを示す図3Bにおける大きい矢印により示され、ここで、矢印の長さはそれぞれの侵入深さ20を示す。特に、この第2の仮定は、従来の脈波型酸素飽和度測定により発生する、及び本発明により解決される、及び後続の図を参照しながら更に説明される一貫した問題である。
図4A及び図4Bは、赤色及び赤外線電磁放射波の侵入深さにおける静脈血の増加の影響を示す概略図を示す。図4Aに示されている図は、縦軸531にPPG信号の脈動成分対非脈動成分の比(AC/DC)を示し、横軸532に時間を示す。第1の曲線533が近赤外放射波に対する比AC/DC(又はPPG信号の相対振幅)を示すのに対し、第2の曲線534は赤色スペクトル範囲における電磁放射波に対する比AC/DC(又はPPG信号の相対振幅)を示す。
図4Aにおける縦の破線535により示される特定の時点において、(静的であり脈動しない)静脈血の増加が、赤色放射光と赤外線放射光との両方の侵入深さに影響を与えているが、同程度ではない。これは、静脈血の増加の前(図4Bの左側)及び後(図4Bの右側)における、赤色スペクトル範囲における電磁放射波90a及び赤外線スペクトル範囲における電磁放射波90bの侵入深さ20を示す図4Bにおける矢印の長さを比較することにより確認され得る。赤外光がより深い脈動する脈管にもはや達しなくなることが確認され得、このことが、縦の破線535により示される時点より後の期間にわたって図4Aに示されているように、より小さい相対PPG振幅をもたらす。これに対し、赤色PPG振幅は、図4Bの左側及び右側における対応する矢印の長さを比較することにより理解され得るように、はるかに小さい影響を受ける。
波長が異なる侵入深さをもつ場合でも、脈管の脈動する強度が皮膚の深さにわたって一様であるときには問題は小さい。しかし、脈動する脈管が別個の層に存在する場合、それは問題をもたらし得る。これは、後の図5A、図5B、及び図6A、図6Bにおいて示される。
図5A及び図5Bは、SpO2測定における赤色及び赤外線電磁放射波の等しい侵入深さの影響を示す概略図を示す。(それぞれ図5A及び図5Bの右側における)縦軸541、551は相対PPG振幅を示し、横軸542、552は時間を示す。図5Aの第1の曲線543及び図5Bの第1の曲線553が、対象者の皮膚領域12を通して透過された、又は対象者の皮膚領域12により反射された赤色電磁放射波90aから導出されたPPG振幅を示すのに対し、図5Aの第2の曲線544及び図5Bの第2の曲線554は、対象者の皮膚領域12を通して透過された、又は対象者の皮膚領域12により反射された近赤外線電磁放射波90bから導出されたPPG振幅を示す。
図5A及び図5Bに示されている両方の測定結果から0.5のRRが計算され、これが100%のSpO2をもたらす。図5Aと図5Bとの間の差は、図5Aの中央の列に示される脈動するプロファイル555aは、図5Bに示されている脈動するプロファイル555bよりはるかに一様であることだけであり、このことは、図5Aの中央の列に示されている脈動する脈管が、図5Bの中央の列に示されている脈動する脈管に比べて、電磁放射波90の侵入深さに沿って、より均一に分布していることを意味する。しかし、これは、等しい侵入深さの場合のSpO2の結果に影響を与えない。脈動するプロファイル555a、555bが一様であるか否かによらず、又は別個の深さにおいて、SpO2が正確に測定される。
これは、図6A及び図6Bにおいて明確に異なり、このことは、SpO2測定における赤色及び赤外線電磁放射波90a、bの等しくない侵入深さの影響を示す概略図を示す。
縦軸561、571はPPG振幅を示し、横軸562、572は同様に時間を示す。図6Aの第1の曲線563及び図6Bの第1の曲線573が、対象者の皮膚12を通して透過された、又は対象者の皮膚12により反射された赤色電磁放射波90aのPPG振幅を示すのに対し、図6Aの第2の曲線564及び図6Bの第2の曲線574は、対象者の皮膚12を通して透過された、又は対象者の皮膚12により反射された近赤外線電磁放射波90bのPPG振幅を示す。
図6Aと図6Bとの間の差は、図5A及び図5Bを参照しながら既に説明したものと同じである。図6Aの中央の列に示されている脈動するプロファイル555aは、図6Bに示されている脈動するプロファイル555bより電磁放射波の侵入深さに沿ってはるかに均一に分布している。
90%のSpO2値をもたらす図6Aに示される例示的なシナリオに対して、0.6のRRが計算されるのに対し、90%より大きいSpO2をもたらす図6Bに示される例示的なシナリオに対して、0.6より大きいRRが計算される。したがって、侵入深さが等しくない場合、SpO2における誤りが発生し得る。これは、脈動するプロファイル555a、555bが著しく異なる場合に特に発生する。
本発明者らは本課題に気づき、比較的悪い精度の標準的な脈波型酸素飽和度計が、説明されている等しくない/変化する侵入深さにより、少なくとも部分的にもたらされるという仮説を立てた。
図7A及び図7Bは、広視野PPG及びラジアルPPGのための対象者の皮膚領域12を通る電磁放射波90の経路を示す概略図を示す。
広視野PPGは、長年にわたってカメラモードにおいて一般的に使用されるモードであり、電磁放射波90による照射は皮膚領域12にわたって均一に分散され、PPG信号が同じ皮膚エリアにわたって測定される。この手法は、図7Aに示されている。電磁放射波90は例えばカメラといった検出ユニット300により検出される前に様々な細静脈14及び細動脈16を含む皮膚領域12を通って伝播する。検出された電磁放射波及び導出されたPPG信号は、カメラ300により検出された全ての電磁放射波90の平均である。
図7Bは、ラジアルPPGモードを示す。ラジアルPPGは、従来の接触プローブPPG測定と原理的に非常に似ている。皮膚領域12はスポット(例えば円、ストライプ、ドットなど)により照射され、PPG信号は、皮膚領域12におけるその照射スポットから数ミリメートル離れて測定される。皮膚領域12における照射スポットとPPG信号が測定されるスポットとの間のこの半径方向距離15が、図7Bにおいて1つの反射されたビームに対して例示的に示されている。したがって、radPPG信号は概して半径方向距離15に依存した信号であり、言い換えると、対象者の皮膚領域12から反射された電磁放射波は、照射ユニット200の照射スポットにおける表皮を通して皮膚領域12に入ること、皮膚領域12の構成要素により反射されること、及び、照射スポットから半径方向距離15において表皮13を通って皮膚領域12から出射することにより皮膚領域12から反射される。言い換えると、検出ユニット300により検出される電磁放射波は、皮膚領域12から戻るように散乱され、表皮13の下方の皮膚領域12に位置する異なる細静脈14及び細動脈16から脈動の情報を収集する。
本発明が、これらの2つの異なる測定モード(ラジアルPPG及び広視野PPG)により取得された結果を組み合わせることが以下に示される。
図8A及び図8Bは、広視野PPG及びラジアルPPGの検出された反射光を示す概略図を示す。図8A及び図8Bの上部における概略図は、前述の図7A及び図7Bを参照しながら既に説明したものと同じである。
図8Aは(下部に)、広視野PPG設定の検出された反射光を示す図を示す。この目的のために、縦軸571は反射された検出された光を示し、横軸572は測定時間を示す。曲線573は、DC成分575とAC成分574とを含む反射された検出された光を示す。AC成分574は、脈動する動脈血から生じる光学吸収の脈動成分を表し、DC成分575は、非脈動性動脈血、静脈血、及び他の組織による寄与を含む非脈動成分を表す。
図8Bは中央の行に、ラジアルPPG設定の検出された反射光を示す3つの図を示す。この目的のために、縦軸581は反射された検出された光を示し、横軸582は測定時間を示す。3つの曲線583、584、585から、光が対象者の皮膚12を通ってより長く伝播するほど、(及び、半径方向距離15がより大きいほど(図7Bを参照されたい))、反射された検出された光のDC成分が小さいことが明らかになる。これは、それぞれ曲線583、584、585のオフセットにより概略的に示されている。この理由は、光がより長い経路にわたって皮膚を通って伝播するとき、より多くの光又は電磁放射波90が皮膚領域12により吸収されることである。
この依存性は、図8Bの下部における最も下の図に更に示される。この図は、縦軸591に反射された検出された光のAC又はDC成分を示し、横軸592に半径方向距離15を示す。第1の曲線593は、反射された検出された光のDC成分を示し、第2の曲線594は、反射された検出された光の比AC/DCを示す。既に説明されている傾向が明らかである。更に、半径方向距離15が大きいほど、比AC/DCが大きくなる(相対脈動成分が大きくなる)ことが明確になる。
図9は、ラジアルPPGに対する対象者の皮膚12を通る光路のモンテカルロシミュレーションの概略図を示す。皮膚12内の配光が、異なる侵入深さ20を示すように可視化されている。
図10A及び図10Bは、本発明による対象者のSpO2値を特定するためのシステム500を示す。システム500は、広視野PPG測定の結果(図10Aを参照されたい)とラジアルPPG測定(図10Bを参照されたい)とを組み合わせることにより上述の課題を解決するように構成される。
図10Aに示されているように、システム500は対象者のSpO2を特定するための照射ユニット200、検出ユニット300、及びデバイス100を少なくとも備える。デバイス100のより詳細な説明が、後の図11を参照しながら以下のように説明される。
照射ユニット200は、対象者の皮膚12を照射するために電磁放射波90を出射するように構成される。好ましくは、照射ユニット200は、電磁放射波90の制御可能な狭いビームを出射するように構成される。電磁放射波90は、好ましくは、可視光及び赤外線スペクトル範囲内に位置する。したがって、照射ユニット200は、少なくとも2つの異なる波長において電磁放射波90を出射するように、及び/又は、電磁放射波90として赤色光と赤外光とを交互に出射するように構成される。
図10Aに示される実施形態によると、システム500は、対象者の皮膚領域12を、測定される制限された皮膚エリアに制限するための支持体250を更に備える。この支持体250は、図10Aに示されているように対象者の皮膚に位置し、好ましくは入来電磁放射波90に対して非透過性の物質から作られる。したがって、好ましくは、測定のために使用される皮膚領域12は、測定されるエリアに沿って一様な表面をもつ皮膚領域12を含むエリアに制限される。
更に、システム500は、拡散器220を更に備える。拡散器220は、対象者の皮膚領域12において均一な照射プロファイル及び/又は構築された光を生成するために、照明ユニット200により出射された電磁放射波90の制御可能な狭いビームを拡散するように構成される。
検出ユニット300は、好ましくは可視光及び赤外線スペクトル範囲内において電磁放射波90を検出するように構成されたカメラである。照明ユニット200により照射された皮膚12のエリアを視野310がカバーするように、カメラ300が配置される。
広視野PPGは、対象者の皮膚12が均一に照射される場合に測定され得るだけではないことに留意されなければならない。構築された光により、例えばスポットパターン(ドット、円、ストライプなど)により皮膚12が照射される場合にも、広視野PPGが同様に機能する。この場合において、PPG信号は、対象者の皮膚12を通して透過された、又は対象者の皮膚12により反射された全ての電磁放射波90の空間積分により導出される。処理ユニット100は、空間積分を実施するように構成される。
更に、対象者の皮膚領域12における均一な照射プロファイルの生成は、制御可能な狭いビーム(例えばレーザー)を出射するように構成された照射ユニット200及び狭いビームを拡散するための拡散器220を使用して取得され得るだけでなく、均一な照射プロファイルを直接出射する1つ又は更に多くの照射ユニットを使用することによっても取得され得ることに留意されなければならない。
図10Bは、ラジアルPPGモードのための本発明による説明されているシステム500の例を示す。図10Aに示されているシステム500の実施形態と異なり、図10Bに示されているシステム500は、拡散器220を備えていない。したがって、照明ユニット220により出射された電磁放射波90の制御可能な狭いビームは、拡散されずに対象者の皮膚12に向けて直接調節される。この目的のために、ラジアルPPGモードと広視野PPGモードとの間において切り替えるために、照射ユニット200の出射された電磁放射波90の経路に拡散器220が任意選択的に配置されるように、拡散器220が構成されてもよい。
図10A及び図10Bのはめ込みは対象者の皮膚領域12における広視野PPG(図10A)及びラジアルPPG(図10B)の照射プロファイルの写真を示す。
システム500が電磁放射波90の狭いビームを出射するように構成された1つの照射ユニット200のみを備えるという点で、図10A及び図10Bに示されている実施形態が例示にすぎないことが理解されなければならない。既にここまでに説明されているように、本発明は広視野PPG及びラジアルPPGの結果を組み合わせるというアイデアに基づいている。したがって、本発明の別の一態様によると、システム500は、狭い放射波ビームを出射するように構成された1つの照射ユニットだけでなく、均一な照射プロファイル、及び/又は、構造化された、すなわち照射スポットのパターンを出射するように構成された別の照射ユニットを更に備える。
本態様によると、光拡散器220はもはや必要とされない。したがって、システム500は、第1の照射ユニット200aと第2の照射ユニット200bとを備え、照射ユニット200a、bはそれ自体でそれぞれの照射プロファイル(すなわち、スポット照射、及び均一な照射プロファイル、及び/又は構築されたパターン)を生成するように構成される。
図11は、本発明による、対象者のSpO2値を特定するためにデバイス100により実行される方法を示すフローチャートを示す。
デバイス100は処理ユニット110を備え、処理ユニット110は、第1のステップS10において、スポット照射により照射された対象者の皮膚領域12を通して透過された、又は対象者の皮膚領域12により反射された種々異なる波長で検出された電磁放射波90から導出された第1の検出信号101及び第2の検出信号102を取得する。これらの検出信号101、102は、図10Bに示されているようラジアルPPG設定から導出される。
更に、次のステップS20において、処理ユニット110は、均一な照射及び/又は構築された光により照射された対象者の皮膚領域12を通して透過された、又は対象者の皮膚領域12から反射された種々異なる波長で検出された電磁放射波90から導出された第3の検出信号103及び第4の検出信号104を取得するように構成され、第3の検出信号103は、第1の検出信号101と同じ波長で検出された電磁放射波から導出され、第4の検出信号104は、第2の検出信号102と同じ波長で検出された電磁放射波から導出される。検出信号103、104は、図10Bに示されている広視野PPG設定から導出され、第3の検出信号101及び第1の検出信号103は、赤外線スペクトル範囲における電磁放射波から導出されるのに対し、第2の検出信号102及び第4の検出信号104は、赤色スペクトル範囲における電磁放射波から導出される。
次のステップS30において、処理ユニット110は、第1の検出信号101と第2の検出信号102とから第1の比(RR1)121を特定し、第3の検出信号103と第4の検出信号104とから第2の比(RR2)122を特定するように構成される。比121、122の特定は、式(1)においてここまでに既に説明されている手法により行われる。
次のステップS40において、処理ユニット110は、第3の検出信号103に対する第1の検出信号101の比を計算することにより第1の正規化された信号131を特定し、第4の検出信号104に対する第2の検出信号102の比を計算することにより第2の正規化された信号132を特定する。これらの正規化された信号131、132は、それぞれの波長(赤外線スペクトル範囲における電磁放射波及び赤色スペクトル範囲における電磁放射波)の侵入深さ20に対する尺度である。
次に、処理ユニット110は、別のステップS50において、第2の正規化された信号132に対する第1の正規化された信号131の比を計算することにより侵入深さ比(PDR)140を特定する。PDRは、赤色スペクトル範囲における電磁放射波及び赤外線スペクトル範囲における電磁放射波の貫通深さの違いを反映する。このPDRは典型的には値だけでなく曲線PDR(r)でもあり、ここで、rは、ラジアルPPG信号が測定される皮膚におけるスポットと、皮膚における照射スポットとの間の半径方向距離15である(図7Bにおける半径方向距離15を参照されたい)。曲線PDR(r)が比較的平坦であり、したがって、ある値であると想定されることが以下の図を参照した説明から明らかとなる。
次のステップS60において、処理ユニット110は、種々異なる波長間の侵入深さ20の違いを補償するために、PDR140を使用してRR1 121とRR2 122とを修正する。
最終ステップS70において、処理ユニットは、修正されたRR1 151及び/又は修正されたRR2 152からSpO2 160を特定する。修正された比からのSpO2 160の特定は、図1を参照して既に説明した手法により行われる。
デバイス100の処理ユニット110により実行されるステップS10~ステップS70が、以下の図を参照しながら詳細に説明される。
図12は第1の正規化された信号131及び第2の正規化された信号132を特定するステップS40を示すことにより、デバイス100により取得された検出信号の第1の処理ステップを示す概略図を示す。図12の左図は、半径方向距離15の関数として検出信号101、102、103、104を示す(半径方向距離15の詳細な説明については図7Bを参照されたい)。
第1の検出信号101は、スポット照射(ラジアルPPG)により照射された対象者の皮膚領域を通して透過された、又は対象者の皮膚領域により反射された赤外線スペクトル範囲における電磁放射波から導出される。第2の検出信号102は、スポット照射(ラジアルPPG)により照射された対象者の皮膚領域を通して透過された、又は対象者の皮膚領域により反射された赤色スペクトル範囲における電磁放射波から導出される。第3の検出信号103は、均一な照射及び/又は構築された光(広視野PPG)により照射された対象者の皮膚領域を通して透過された、又は対象者の皮膚領域により反射された赤外線範囲における電磁放射波から導出される。第4の検出信号104は、均一な照射及び/又は構築された光(広視野PPG)により照射された対象者の皮膚領域を通して透過された、又は対象者の皮膚領域により反射された赤外線範囲における電磁放射波から導出される。
広視野PPGから導出された第3の検出信号103及び第4の検出信号104は、一定であり、半径方向距離15から独立しているのに対し、第1の検出信号101及び第2の検出信号102は、半径方向距離15に応じた関数である。
上述のように、処理ユニット110は、ステップS40において、第3の検出信号103に対する第1の検出信号101の比を計算することにより第1の正規化された信号131を特定し、第4の検出信号104に対する第2の検出信号102の比を計算することにより第2の正規化された信号132を特定する。したがって、図12は右図に、それぞれ、半径方向距離15に対する、赤外線スペクトル範囲における電磁放射波から導出された第1の正規化された信号131、及び赤色スペクトル範囲における電磁放射波から導出された第2の検出信号132を示す。
図12に示されている図、及び後の図13~図23に示される図は好ましくは全て、対象者のSpO2を特定するためにデバイス100に接続されたモニターにおいて可視化される。
図13A及び図13Bは、測定された信号における異なる皮膚層631~636の影響を示す概略図を示す。1つ、2つ、又は3つの脈動する層611と1つの表皮層13とを含む皮膚層631~636が図13Bに概略的に示されている。6つの異なる皮膚層631~636が、異なる色又はグレーの陰影を含む6つの異なるカラーコード623により更に示される。これらのグレーの陰影は、図13Aにおける対応する曲線にも使用される。
図13Aは1行目に、6つの異なる皮膚形状に対するラジアルPPG曲線(radPPG(r))を示す。適切な場合には、半径方向距離15は、以下で「r」により表記される。図13Aにおける半径方向距離15の単位はセンチメートルである。
6つの異なる皮膚層631~636に対して、図13Aの1行目の左図が第2の検出信号102を示し、右図が第1の検出信号101を示す。曲線はPPG皮膚形状と明確な関連性をもたないことが左図から明らかになる。第5の皮膚層635は、1つ又は2つの代わりに3つの脈動する層611に対してモデル化されるので、最上部の曲線は第5の皮膚層635に属する。したがって、この曲線は最大強度を含む。
曲線がPPG源の光学的深さに非常に強く依存することも更に確認され得る。本曲線は、第1の皮膚層631に関連した皮膚形状よりも、第3の皮膚層633に関連した皮膚形状に対して、はるかに大きい値を示す。更に、赤外線範囲における電磁放射波に属する曲線は、赤色スペクトル範囲における電磁放射波に属する曲線よりもわずかに大きい値を示す。これは、赤外光が赤色光より皮膚内にわずかに浅く侵入することにより説明され得る。したがって、脈動する層611は、赤色光に対するより赤外線に対して光学的により深い。
右図の1行目に示される赤外線に対する値は、赤色に対する値に比べておおむね2倍の大きさであり、赤外線スペクトル範囲における脈動する血液のより大きい吸収係数を反映している。
図13Aの2行目における左図は、第2の正規化された信号132を示し、右図は6つの異なる皮膚層631~636に対する第1の正規化された信号131を示す。これらの曲線は、脈動する層611の物理的な深さが大きいほど値が大きいことを示す。これは、第3の皮膚層633に属する最も上の曲線を第1の皮膚層631に属する最も下の曲線と比較することにより確認され得る。
光学的深さ指数(ODI)は、r=1cmに対して第1の正規化された信号131の値及び第2の正規化された信号132の値を取得することにより規定される。このODIは真の物理的な深さではなく、PPGの源、すなわち、1つ又は複数の脈動する層(図13Bを参照されたい)の相対光学的深さの表現である。「相対」という語句は、ODIが異なる波長に対するODIを比較するために使用され得るだけでなく、ODIが異なる解剖学的位置に対する相対光学的深さを比較するために更に使用され得ることを意味する。
赤色と比べたときの赤外線に対する大きいODI値(図13Aにおけるr=1cmにおける第2の正規化された信号132の値に対する第1の正規化された信号131の値を参照されたい)は明らかに、これらの波長に対する異なる侵入深さによりもたらされる。脈動する層の実際の物理的な深さは、両方の波長に対して同じである。赤外線はより小さい侵入深さを伴うので、それは、赤外線に対してのみ、より深いと(より大きいODIであると)「感じられる」。侵入深さは、ODIに反比例する。
図11を参照して既に説明されているように、処理ユニット110は、第2の正規化された信号132に対する第1の正規化された信号131の比を計算することにより侵入深さ比(PDR)140を特定する(S50)ように更に構成される。PDR140は、赤色スペクトル範囲における電磁放射波及び赤外線スペクトル範囲における電磁放射波の貫通深さの違いを反映している。正規化された信号131、132が波長の侵入深さに対する尺度であるという知識情報を使用して、これらの正規化された信号131、132は、更に、相対侵入深さに対する尺度、すなわちPDR140を取得するために使用される。これは後述の図14において示される。
図14は、半径方向距離15に応じたPDR140を示す。PDR140が同様に6つの異なる皮膚層631~636に対して計算される。PDR(r)140が常に1未満であり、赤色が赤外線より深くを「見る」ことを示すことが理解されるようになる。赤色放射光と赤外線放射光との間の侵入深さの違いが従来の脈波型酸素飽和度測定のSpO2の不正確さ(上述の図6A及び図6Bを参照した説明を参照されたい)の原因であると考えられるので、それはここで、以下で更に詳細に説明される、より正確なSpO2値を取得するために使用される。
図14に示されているように、PDR(r)140は曲線であり、PDR(r)140は(皮膚領域12における照射スポットとPPG信号が測定されるスポットとの間の)半径方向距離15の関数である(更なる詳細については図7Bを参照した説明を参照されたい)。しかし、全ての皮膚形状に対して曲線PDR(r)140が比較的平坦であることが図14において確認される。したがって、以下で、PDR140が一定値であることが仮定される。これは、単にPDR(r)140の中央値を取得することにより、又は、単にODI値の比(PDI=ODI(λ1)/ODI(λ2))を使用することにより行われ得る。
処理ユニット110は好ましくは、図12~図23に示されている図を可視化するモニター(図示されていない)に接続されるので、処理ユニット110は、PDR140が所定の範囲内にない場合にモニターにおいて可視化するために警告信号を生成するように構成される。これは、使用される波長が同じ深さ及び関連する脈動する脈管構造を探索するとは見受けられないことをユーザーに示す。更に、それは、修正されていない比121、122に基づく通常の修正されていないSpO2が、正確なSpO2を与えない可能性があることを示す。
図11を参照して説明されているように、処理ユニット110はステップS30において、第1の検出信号101と第2の検出信号102とから第1の比(RR1)121を更に特定し、第3の検出信号103と第4の検出信号104とから第2の比(RR2)122を特定する。比121、122の特定は式(2)においてここまでに既に説明されている手法により行われる。
図15は、PDR140に対するRR1 121を示す図である。図16は、PDR140に対するRR2 122を示す図である。PDR140は、それぞれPDR(r)曲線に対する一定値(図14を参照されたい)を取得することにより、全ての6つの異なる皮膚層631~636に対して抽出される。
図15及び図16において、ラジアルPPGに対する変動(RR1=0.54~0.57)は、広視野PPGにおける変動(RR2=0.63~0.82)より大幅に小さいことが確認され得る。RR1とRR2との両方が、PDR140とある程度の線形関係をもつことが更に確認され、PDR140を使用することの有望な可能性を示す。
図17及び図18は、PDR140に対するRR1 121及びRR2 122を示す更なる図を示す。図15及び図16に示されているデータ点とは対称的に、図17及び図18は、異なる個人及び更には異なる生理学的状態をシミュレーションした、広範囲の皮膚特性に対する更に多くの結果を示す。異なる程度の静脈酸素化(例えば、非脈動層における0.02から0.08)、及び様々な組み合わせの散乱係数(150及び250cm-1)、及び異方性係数(0.7及び0.74)が使用され、及び検査された。図17と図18とを比較することにより、RR1(ラジアルRR)121対PDR140が、RR2(広視野RR)122対PDR140に比べて、PDR140とはるかに小さい相関を示すことが確認され得る。これは、RR1のはるかに小さい変動によるものである(図15及び図16を更に参照されたい)これは、RR1から導出されたSpO2 160が、図16及び図18において大幅な変動を示すRR2からのものより正確である可能性があることを意味する。
以下で、より高い精度で対象者のSpO2 160を特定することを可能にする修正されたRR1 151及び/又は修正されたRR2 152に到達するために、最後の図に示されるRR1 121及び/又はRR2 122とPDR140の間の関連性をどのように使用するのかが説明される。
図19は、RR1の修正の例を示す図(図19A)及び参照テーブル135(図19B)を示す。RR1 121は、PDR140に対して示される。基準となる比(RRref)125と基準侵入深さ(PDRref)145との間の関係性を表す3つの異なる校正曲線136が、異なるSpO2及び異なるRR値に対して示される。これらの校正曲線136は、図19Bに示されている参照テーブル135に記憶されたRRref125及びPDRref145に基づく。図19Aに示されている曲線は、現実に即した範囲における皮膚成分濃度及び光学特性に対する値を使用してモンテカルロシミュレーションにより生成される。
処理ユニット110は、適合した校正曲線を1に等しいPDRrefに外挿すること、及びRR1 121を対応するRRref125に設定することにより、RR1 121を修正するために適合した校正曲線136を選択するように構成される。したがって、修正されたRR1は、図19Aに示される適合した校正曲線136と垂直な線611との交差点におけるRR1値を抽出することにより取得される。適合した校正曲線136は好ましくは特定されたRR1 121及び特定されたPDR140が図において可視化されたと仮定した場合に図19Aにおいて取得されるデータ点に最も近い曲線を選択することにより選択される。
図20は、一定の修正されたRR1 151を示す対応する図を示す。この一定の修正されたRR1 151は、上述の図19Aを参照して説明される工程により取得される。
図21及び図22は、修正されたRR2 152を取得するためのRR2 122に対する同じ修正工程を示す。好ましくは、修正工程は更に、RR2 122をRRref125及びPDRref145の参照テーブル135(図示されていない)と比較することにより、及び、RR1に対して図19A及び図20を参照しながら説明されているものと同じ外挿工程により行われる。
図23A~図23Dは、特定されたSpO2対RRを示す図を示す。図23A及び図23Bは、RR1 121及びRR2 122に応じて特定されたSpO2 160を示す図を示す。図23C及び図23Dは、修正されたRR1 151及び修正されたRR2 152に応じて特定されたSpO2 160を示す図を示す。
修正されたRR1 151及び修正されたRR2が(修正されていない)RR1 121及びRR2 122に比べてはるかに小さい広がりを示すことが確認され得る。これは、はるかにタイトなSpO2校正曲線をもたらす。これは、修正されたRR1 151及び修正されたRR2 152を使用することが、特に比較的不正確であって典型的には様々なスタンド脈波型酸素飽和度計のために使用されるRR2(広視野RR)に比べて、より正確なSpO2を取得することを可能にすることを意味する。
様々なRRref125とSpO2 160との間の関連性は、モデル、数値シミュレーションだけでなく、多数の個人、異なる解剖学的位置、及び様々な実際のSpO2レベルに対する経験的な測定結果によっても特定される。
通常の脈波型酸素飽和度測定工程と同様に、一連の広視野RR(RR2)、ラジアルRR(RR1)、及び血液ガス分析からのSpO2が、関連性を特定するために獲得される。そうするための校正手順は、参照データRRref125及びPDRref145を提供する。
現在の校正手順の場合と同様に、複数のボランティアが、通常(95%~100%)より低いSpO2値(例えば70%~95%)をもたらす変動するO2濃度をもつ混合体を呼吸するように要求される。脈波型酸素飽和度計を使用して1つの測定結果のみを取得するのではなく、広視野PPGとラジアルPPGとの両方が赤色及び赤外線電磁放射波90を使用して測定される。各測定に対して、対応するPDR140が計算される。
このような校正曲線136又は校正参照テーブル135が生成された後、脈波型酸素飽和度計デバイス100は、PDRモードを更新するために、時々広視野PPG測定を使用して連続ラジアルPPGモードにおいて測定し得る。代替的に、脈波型酸素飽和度計デバイス100は、更に時々ラジアルPPG測定を使用して連続的広視野PPGを測定し得る。
いずれにしても、結果として得られるSpO2出力は、RR1 121及び/又はRR2ではなく、修正されたRR1 151及び/又は修正されたRR2に基づき、対象者のより正確なSpO2値をもたらす。
図面及び上述の説明において本発明が例示され、詳細に説明されているが、このような例示及び説明は例示又は一例と考えられ、限定とは考えられず、本発明は開示されている実施形態に限定されない。開示されている実施形態に対する他の変形例が、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲の考察により、請求項に記載された発明を実施する当業者により理解され、及び実現され得る。
特許請求の範囲において、「備える(含む、有する、もつ)」という表現は、他の要素もステップも排除せず、単数形の表現は複数を排除しない。1つの要素又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されている幾つかの項目の機能を実現してもよい。単に特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているということが、利点を得るためにこれらの手段の組み合わせが使用不可能なことを示すわけではない。
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一体的に、又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な非一時的媒体に記憶されてもよい/適切な非一時的媒体に格納して配布されてもよいが、例えばインターネット又は他の有線又は無線電気通信システムを介して他の形態で配布されてもよい。
特許請求の範囲における参照符号は、いずれも特許請求の範囲を限定するように解釈されてはならない。

Claims (13)

  1. 対象者の酸素飽和度を特定するためのデバイスであって、前記デバイスが、
    スポット照射により照射された前記対象者の皮膚領域を通して透過された、又は前記対象者の皮膚領域により反射された種々異なる波長で検出された電磁放射波から導出された第1の検出信号及び第2の検出信号を取得することと、
    均一な照射により及び/又はスポットパターンの照射により、照射された前記対象者の前記皮膚領域を通して透過された、又は前記対象者の前記皮膚領域から反射された前記種々異なる波長で検出された電磁放射波から導出された第3の検出信号及び第4の検出信号を取得することとであって、前記第3の検出信号が、前記第1の検出信号と同じ波長で検出された電磁放射波から導出され、前記第4の検出信号が、前記第2の検出信号と同じ波長で検出された電磁放射波から導出され、スポットパターンの照射の場合、前記第3の検出信号及び前記第4の検出信号が、前記皮膚領域を通して透過された、又は前記皮膚領域から反射された前記電磁放射波の空間積分により導出される、前記第3の検出信号及び前記第4の検出信号を取得することと、
    前記第1の検出信号と前記第2の検出信号とから第1の比を特定すること、及び、前記第3の検出信号と前記第4の検出信号とから第2の比を特定することと、
    前記第3の検出信号に対する前記第1の検出信号の比を計算することにより第1の正規化された信号を特定すること、及び、前記第4の検出信号に対する前記第2の検出信号の比を計算することにより第2の正規化された信号を特定することと、
    前記第2の正規化された信号に対する前記第1の正規化された信号の比を計算することにより侵入深さ比を特定することと、
    前記種々異なる波長間の侵入深さの違いを補償するために前記侵入深さ比を使用して前記第1の比及び前記第2の比を修正することと、
    修正された前記第1の比及び/又は修正された前記第2の比から酸素飽和度を特定することと、
    をする処理ユニットを備える、
    デバイス。
  2. 前記処理ユニットが、基準となる比及び基準侵入深さ比の使用により、前記第1の比及び/又は前記第2の比を修正する、
    請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記処理ユニットが、前記第1の比及び/又は前記第2の比及び前記侵入深さ比を、基準となる比及び基準侵入深さ比の参照テーブルと比較することにより、前記第1の比及び/又は前記第2の比を修正する、
    請求項1又は請求項2に記載のデバイス。
  4. 前記処理ユニットが、前記侵入深さ比及び前記第1の比及び/又は前記第2の比を校正曲線と比較するために、種々異なる酸素飽和度値に対する基準となる比と基準侵入深さ比との間の関係性を表す前記校正曲線を使用する、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のデバイス。
  5. 前記処理ユニットが、適合した校正曲線を1に等しい前記基準侵入深さ比に外挿することと、前記第1の比及び/又は前記第2の比を対応する前記基準となる比に設定することとにより、前記第1の比及び/又は前記第2の比を修正するために、前記適合した校正曲線を選択する、
    請求項4に記載のデバイス。
  6. 前記処理ユニットが、前記第1の比及び/又は前記第2の比を修正するために、異なる校正曲線を使用する、
    請求項4又は請求項5に記載のデバイス。
  7. 対象者の酸素飽和度を特定するためのシステムであって、前記システムが、
    スポット照射により前記対象者の皮膚領域を照射するために、電磁放射波の狭い放射波ビームを出射する照射ユニットと、
    前記照射ユニットの出射された光の経路内又は前記経路外に選択的に配置され得る光拡散器であって、前記光拡散器が、前記対象者の前記皮膚領域を均一に及び/又はスポットパターンにより照射するために、前記照明ユニットにより出射された前記電磁放射波を拡散させる、光拡散器と、
    前記対象者の前記皮膚領域を通して透過された、又は前記対象者の前記皮膚領域から反射された前記電磁放射波を検出し、検出された前記電磁放射波から検出信号を導出する検出ユニットと、
    前記検出信号に基づいて前記対象者の酸素飽和度を特定するための請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のデバイスと、
    を備える、システム。
  8. 前記照射ユニットが、少なくとも2つの種々異なる波長において電磁放射波を出射する、及び/又は、電磁放射波として赤色光と赤外光とを交互に出射する、
    請求項7に記載のシステム。
  9. 前記照射ユニット及び前記検出ユニットの一方又は両方が、前記対象者の皮膚に直接的に物理的に接触する、又は、前記対象者の皮膚に直接的に物理的に接触しない、
    請求項7又は請求項8に記載のシステム。
  10. 対象者の酸素飽和度を特定するためのシステムであって、前記システムが、
    スポット照射により前記対象者の皮膚領域を照射するために、電磁放射波の狭い放射波ビームを出射する第1の照射ユニットと、
    前記対象者の前記皮膚領域を均一に及び/又はスポットパターンにより照射するために、均一な照射プロファイルの電磁放射波及び/又はスポットパターンを出射する第2の照射ユニットと、
    前記対象者の前記皮膚領域を通して透過された、又は前記対象者の前記皮膚領域から反射された前記電磁放射波を検出し、検出された前記電磁放射波から検出信号を導出する検出ユニットと、
    前記検出信号に基づいて前記対象者の酸素飽和度を特定するための請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のデバイスと、
    を備える、システム。
  11. 前記検出ユニットが、光センサーであり、複数の検出要素、特にフォトダイオードアレイ、CCDアレイ、又はCMOSアレイを備える、
    請求項7から請求項10のいずれか一項に記載のシステム。
  12. 対象者の酸素飽和度を特定する方法であって、前記方法が、
    スポット照射により照射された前記対象者の皮膚領域を通して透過された、又は前記対象者の皮膚領域により反射された種々異なる波長で検出された電磁放射波から導出された第1の検出信号と第2の検出信号とを取得するステップと、
    一様な照射及び/又はスポット照射により照射された前記対象者の前記皮膚領域を通して透過された、又は前記対象者の前記皮膚領域から反射された前記種々異なる波長で検出された電磁放射波から導出された第3の検出信号と第4の検出信号とを取得するステップであって、前記第3の検出信号が、前記第1の検出信号と同じ波長で検出された電磁放射波から導出され、前記第4の検出信号が、前記第2の検出信号と同じ波長で検出された電磁放射波から導出され、スポットパターンの照射の場合、前記第3の検出信号及び前記第4の検出信号が、前記皮膚領域を通して透過された、又は前記皮膚領域から反射された前記電磁放射波の空間積分により導出される、前記第3の検出信号と第4の検出信号とを取得するステップと、
    前記第1の検出信号と前記第2の検出信号とから第1の比RR1を特定するステップ、及び、前記第3の検出信号と前記第4の検出信号とから第2の比を特定するステップと、
    前記第3の検出信号に対する前記第1の検出信号の比を計算することにより第1の正規化された信号を特定するステップ、及び、前記第4の検出信号に対する前記第2の検出信号の比を計算することにより第2の正規化された信号を特定するステップと、
    前記第2の正規化された信号に対する前記第1の正規化された信号の比を計算することにより、侵入深さ比を特定するステップと、
    前記種々異なる波長間の侵入深さの違いを補償するために、前記侵入深さ比を使用して前記第1の比と前記第2の比とを修正するステップと、
    修正された前記第1の比及び/又は修正された前記第2の比から酸素飽和度を特定するステップと、
    を有する、方法。
  13. コンピュータにおいてコンピュータプログラムが実行されたとき、請求項12に記載の方法のステップを前記コンピュータに実行させるプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラム。
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