JP2023505500A - ディスクカッタ - Google Patents

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Abstract

本開示は、カッタ胴体と、複数の工具ホルダと、工具ホルダに取り付けられた複数の切削要素と、を備えたディスクカッタに関する。工具ホルダおよび切削要素は、カッタ胴体について少なくとも1つのセットで設けられ、各セットは、予め定められた構成の順序で配置された2つ以上の工具ホルダおよび2つ以上の切削要素を含む。

Description

本開示は、採掘機および掘削機、あるいは溝堀機(trenching machine)で使用されるディスクカッタに関する。特に、多結晶ダイヤモンドなどの超硬質材料で構成される切削要素を有するディスクカッタに関する。
世界中には、一般的にスラブと呼ばれる、多くの種類の岩石層が、大きな堆積物として存在している。地上の採石場では、地上からスラブを抽出するために様々なタイプの採掘装置が配備されている。スラブは専用の装置を使用して回収され、通常は大型で非常に強力な車両で載置場から取り出される。岩石スラブの重量は40トン(40、000キロ)になる場合もある。研磨等の加工は現場で行われる場合があり、あるいは、家庭用や工業用に適切な大きさに切削するために現場から搬出される場合もある。
地上で使用されている同じ装置が、地下鉱山の限られたスペースでそのまま使用できるとは限らない。
本発明の目的は、特定の岩石層の幾何学的または非幾何学的形状のブロックの採掘および抽出を容易にするためのコンパクトで汎用性の高い切削アセンブリを提供することであり、地上または地下で使用することができる切削アセンブリを提供することである。
本出願人の共同出願であるWO 2019/180164 A1、WO 2019/180169 A1、WO 2019/180170 A1は、水平と垂直の切削方向との間で移動可能な円形ディスクカッタを含む切削アセンブリを開示している。円筒形の切削要素および対応する数の工具ホルダが、ディスクカッタの円周面の周囲に配置され、着座している。各工具ホルダは、円形胴体に対して少なくとも部分的に横方向にオフセットされている。このような配置の欠点は、岩石層を切削するために、依然としてかなりの切削力が要求されることである。
本発明の目的は、切削力が低減された切削アセンブリを提供することである。
本発明の第1の態様によれば、カッタ胴体と、複数の工具ホルダと、工具ホルダに取り付けられた複数の切削要素と、を備えたディスクカッタであって、工具ホルダおよび切削要素は、カッタ胴体について少なくとも1つのセットで設けられ、各セットは、2つ以上の工具ホルダおよび2つ以上の切削要素を含み、2つ以上の切削要素は工具ホルダに予め定められた順序で配置され、工具ホルダの全てが同じ方向を向いている、ディスクカッタが提供される。
ディスクカッタは、カッタ胴体の円周面の周囲に複数のセットを含んでいてもよい。
複数のセットは、同一であってもよい。あるいは、複数のセットは、非同一であってもよい。
ディスクカッタは、1つのセットに3つ以上の工具ホルダで構成されていてもよい。
ディスクカッタは、1つのセットに4つの工具ホルダで構成されていてもよい。
ディスクカッタは、1つ以上の工具ホルダに単一の切削要素で構成されてもよい。この実施の形態では、単一の切削要素は、任意に、工具ホルダの中央に取り付けられる。
ディスクカッタは、1つ以上の工具ホルダに2つの切削要素で構成されてもよい。このような実施の形態では、2つの切削要素は、工具ホルダに、互いに隣接して並べて配置されていてもよい。あるいは、2つの切削要素は、工具ホルダに、互いに間隔をあけて配置されていてもよい。任意に、2つの切削要素は、その間の凹状チャネルで間隔をあけて配置されている。
切削要素は、多結晶ダイヤモンドコンパクト(PDC)であってもよい。任意に、PDCは三面取り(triple chamfer)を有する。
好ましくは、工具ホルダは、胴体部と、間隔をあけて配置された一対の脚部と、を含む。工具ホルダは、任意に、切削要素または各切削要素に近接する第1の端部から第2の端部に向かって内側にテーパになっている。
カッタ胴体は、一連のスロットを含んでいてもよい。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に係るディスクカッタを含む溝切りカッタ(trench cutter)が提供される。任意に、カッタ胴体は、900~1200mmの範囲の直径を有する。好ましくは、カッタ胴体は、20~30mmの範囲の厚さを有する。好ましくは、ディスクカッタは、約60mmの有効切削幅を有する。
本発明の第3の態様によれば、カッタ胴体と、複数の工具ホルダと、複数の切削要素と、少なくとも1つの工具ホルダに取り付けられた少なくとも1つの切削要素と、を備え、複数の工具ホルダおよび複数の切削要素はカッタ胴体の外周面に沿って設けられ、工具ホルダおよび切削要素はカッタ胴体について少なくとも1つのセットで設けられ、各セットは予め定められた構成の順序で配置された2つ以上の工具ホルダおよび2つ以上の切削要素で構成され、カッタ胴体は少なくとも一つの軽量化開口部を含む、ディスクカッタが提供される。
ディスクカッタは、カッタ胴体の外周面の周囲に複数のセットを含んでいる。
複数のセットは、同一であってもよい。あるいは、複数のセットは、非同一であってもよい。
ディスクカッタは、1つのセットに3つ以上の工具ホルダで構成されていてもよい。
ディスクカッタは、1つのセットに4つの工具ホルダで構成されていてもよい。
ディスクカッタは、1つ以上の工具ホルダに単一の切削要素で構成されていてもよい。この実施の形態では、単一の切削要素は、任意に、工具ホルダの中央に取り付けられている。
ディスクカッタは、1つ以上の工具ホルダに設けられた2つの切削要素で構成されてもよい。このような実施の形態では、2つの切削要素は、工具ホルダに互いに隣接して並べて配置されていてもよい。あるいは、2つの切削要素は、工具ホルダに互いに間隔をあけて配置されていてもよい。任意に、2つの切削要素は、その間の凹状チャネルで間隔をあけて配置されている。
切削要素は、多結晶ダイヤモンドコンパクト(PDC)であってもよい。任意に、PDCは、三面取りを有する。
好ましくは、工具ホルダは、胴体部と、間隔をあけて配置された一対の脚部と、を含む。工具ホルダは、任意に、切削要素または各切削要素に近接する第1の端部から第2の端部に向かって内側にテーパになっている。
図1は、長壁式採掘システムの一部としての切削アセンブリの第1の実施の形態を組み込んだ地下鉱山の概略平面図であって、特に、水平配向の切削アセンブリを示す図である。 図2は、図1の長壁式採掘システムの概略端面図である。 図3は、長壁式採掘システムの一部としての切削アセンブリの第2の実施の形態を組み込んだ地下鉱山の概略平面図であって、特に、垂直配向の切削アセンブリを垂直方向に示す図である。 図4は、図3の長壁式採掘システムの概略端面図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係るディスクカッタを示す斜視図である。 図6は、図5のディスクカッタの一部を形成するカッタ胴体の第1の実施の形態を示す側面図である。 図7は、図5のディスクカッタの一部を構成する工具ホルダと切削要素のセットの正面図である。 図8は、図5のディスクカッタの分解部分斜視図である。 図9は、図5のディスクカッタの正面図である。 図10は、図5のディスクカッタの上面図である。 図11は、図5の切削要素の斜視図である。 図12は、図7の切削要素を有する工具ホルダの1つを示す側面図である。 図13は、図5のディスクカッタで切削された岩石のコンピュータシミュレーションによる模式図である。 図14は、図5のディスクカッタを組み込んだ溝切りカッタを示す透視図である。 図15は、図15の溝切りカッタの上面図である。 図16は、図5のディスクカッタの一部を形成するカッタ胴体の第2の実施の形態を示す側面図である。 図17は、図5のディスクカッタの一部を形成するカッタ胴体の第3の実施の形態を示す側面図である。 図18は、図5のディスクカッタの一部を形成するカッタ胴体の第4の実施の形態を示す側面図である。 図19は、図5のディスクカッタの一部を形成するカッタ胴体の第5の実施の形態を示す側面図である。
本発明は、添付した図面を参照して、例示のためだけに、より具体的に説明される。
図面では、同様の部品には、同様の参照番号が割り当てられる。
まず、図1から図2を参照すると、地下の自然の地層2にスライスするための切削アセンブリ(cutting assembly)が、10で概略的に示されている。
切削アセンブリは、地下鉱山で一般的に見られる長壁式採掘システム(long wall mining system)1の一部を形成する。切削アセンブリは、一連の調節可能な屋根支持体6の中で、坑内床(mine floor)4上で動作する既知の剪断機(shearer)技術の代替品である。剪断機が採掘方向に進むと、屋根支持体6が、剪断機のすぐ後ろで坑内天盤(mine roof)8を支えるように位置付けられる。屋根支持体6の背後では、坑内天盤6は比較的制御された態様で崩壊する。典型的には、収集アームが、切削面で採掘された岩石を収集し、鉱山からの後続の除去のために搬送システム上に移送する。
図1および図2に示されているように、切削アセンブリ10は、ベースユニット12と、ベースユニット12から延びる一対の間隔をあけて配置された支持アーム14と、一対の可動支持アーム14の間に延び、かつ一対の可動支持アーム14に回転可能に取り付けられた駆動スピンドル16と、駆動スピンドル16の周囲に固定された複数のディスクカッタ18と、を含む。
図3および図4に示される第2の実施の形態では、単一の支持アーム14がベースユニット12から延びている。駆動スピンドル16は、単一の支持アーム14によって中央で支持され、複数のディスクカッタ18は、単一の支持アーム14の両側に分散して駆動スピンドル16に取り付けられている。
図示しない代替実施形態では、単一のディスクカッタ18のみが使用される。
好ましくは、ディスクカッタ18または各ディスクカッタ18は、駆動スピンドル16についての中心に(すなわち中央に)取り付けられる。しかしながら、このことは本質的ではなく、ディスクカッタ18または各ディスクカッタ18は、代替的に、駆動スピンドル16についてその中心からずれて取り付けられてもよい。任意に、2つの配置の組み合わせを代わりに使用してもよい。例えば、複数のディスクカッタ18が直列に、すなわち駆動スピンドル16に沿って互いに隣接して並列に使用される場合、交互に配置されたディスクカッタ18は、駆動スピンドル16について中央に取り付けられてもよい。残りのディスクカッタ18の各中心は、ディスクカッタ18が駆動スピンドル16について取り付けられている位置から半径方向にずれていてもよい。他の組み合わせが想定される。
ベースユニット12は、ディスクカッタ18の運搬システムとして機能する。ベースユニット12は、ディスクカッタ18を、切削される岩石層2に近接して、動作位置に前進させるとともに動作位置から後退させるために移動可能である。ベースユニット12が岩石層2に接近する速度は、切削アセンブリ10の岩石層2への送り速度を決定するいくつかの変数のうちの1つである。(屋根支持体6と協働する)ベースユニット12はまた、採掘される岩石層2の長壁に沿って、左から右へ、またはその逆へ、横方向に移動可能である。
各支持アーム14は、第1の切削配向および第2の切削配向に移動可能に構成されている。図1および図2に最も良く示されているように、第1の切削配向では、駆動スピンドル16は水平である。その結果、ディスクカッタ18によってなされる岩石層2の切削は、それに対応して垂直である。図3および図4に最も良く示されているように、第2の切削配向では、駆動スピンドル16は垂直である。その結果、ディスクカッタ18によってなされる岩石層2の切削は、それに対応して水平である。第1の切削配向および第2の切削配向は、上述した第1の実施形態または第2の実施形態のいずれかで可能である。
任意に、駆動スピンドル16が前述の垂直と水平との間の任意の切削配向で操作可能であるように、支持アーム14が移動可能であってもよいが、このことは本質的ではない。代替的に、支持アーム14は、第1の切削配向および第2の切削配向の間で移動可能であるが、第1の切削配向および第2の切削配向では完全に動作可能(すなわち、岩石の切削または粉砕を容易にするために回転するディスクカッタ)であるように構成されてもよい。
各支持アーム14は、要求される切削の深さに応じて、第1の操作可能な位置と第2の操作可能な位置との間で、任意には第1の切削配向と第2の切削配向の各々で、移動可能である。これは、図2の両矢印Aによって示されている。例えば、第1の操作位置では、駆動スピンドル16は、坑内床4に近接するように下降し、第2の操作位置では、駆動スピンドル16は、坑内天盤8に近接するように上昇する。
任意に、各支持アーム14は、ピボットジョイント(または代替的にユニバーサルジョイント)によって第2のアーム部分に接続された第1のアーム部分を有していてもよい。第1のアーム部分および第2のアーム部分の各々は、互いに独立して相対的に移動可能である。この配置は、切削アセンブリ10が動作する自由度を増大させ、有利にはその操縦性を向上させる。
駆動スピンドル16は、特定の速度で回転するようにモータによって駆動される。モータの動力は、選択されたディスクカッタ18のタイプと要求される切削力とに応じて、典型的には、ディスクカッタ18あたり20kWから50kWの間である。
図5に注目すると、本発明の一実施形態では、ディスクカッタ18は、略円形胴体20と、円形胴体20の周囲に周方向に配置された複数の切削要素22と、を含む。駆動スピンドル16の回転は、ディスクカッタ18の対応する回転を引き起こす。ディスクカッタ18は、例えば、そのサイズに応じて、略円形である必要はなく、八角形の形状のカッタが略円形のディスクカッタに近似してもよい。したがって、ディスクカッタ18は、六角形、八角形、十角形などであってもよく、実際には、円周方向に延びる任意の数の側面を有していてもよい。胴体20についてのより詳細な情報は、以下で更に提供される。
好ましい実施形態では、複数のディスクカッタ18が駆動スピンドル16上に配置されている。典型的には、6個以上のディスクカッタ18が設けられてもよい。ディスクカッタ18は、実施形態に応じて、間隔をあけて配置された一対の支持アーム14の間で、または、支持アーム14の両側で、好ましくは駆動スピンドル16の長さに沿って規則的に間隔をあけて配置されている。
ディスクカッタ18の間隔は、要求される切削深さおよび切削される岩石層2の機械的特性、例えば最大抗張力(UTS)に従って選択され、特定の切削エネルギを最適化し、要求される電力消費量を決定する。その目的は、切削された材料が自重で破断する条件を得ることである。例えば、キンバーライトの切削深さが0.4mの場合、隣接するディスクカッタ間の理想的な間隔は約0.3mである。しかしながら、これは、破断に必要な力に応じて増大したり減少したりすることができる。好ましくは、間隔はその場で調整可能であり、自動化されたプロセスであってもよいし、手動プロセスであってもよい。間隔は、遠隔で調整可能であってもよく、例えば、地上のオペレーションオフィスから調整可能であってもよい。くさび形の工具は、このような破断力を適用するために使用されてもよく、岩石の破断を補助する。
ディスクカッタ18は、好ましくは0.01mと2mの間、より好ましくは0.01mと0.5mの間で測定されるギャップによって間隔をあけて配置されている。
ディスクカッタ18の円形胴体20は、典型的には鋼製であり、約1000mmの直径を有し、約10~30mmの厚さ(軸方向に測定され、以下の説明では横方向の大きさともみなされる)を有する。現実的には、そのような直径は、最大400mmの切削深さを可能にする。円形胴体20は、60mmから100mmの間のシャフト直径を有し、駆動スピンドル16を受けるためのサイズおよび形状を有している。
ディスクカッタ18の直径(非円形ディスクカッタの場合は有効直径)および厚さは、切削アセンブリの意図された用途に従って適切に選択される。例えば、ケーブル敷設用途では、より小さい直径のディスクカッタ18が要求されるであろう。ロボットアームのアングルグラインダでは、更に小さな直径が要求されるであろう。しかし、トンネル掘削用途では、かなり大きな直径のディスクカッタ18が要求され、それに応じて適合されるであろう。
本発明によれば、ディスクカッタ18はまた、それぞれが少なくとも1つの切削要素22を受け入れるための複数の工具ホルダ24を含む。この実施の形態では、4つの工具ホルダ24と7つの切削要素22のセットの繰り返しが存在する。PDC切削要素22は、合計で42個ある。各セットは、円形胴体20について同一に繰り返される。各セットにおいて、以下に詳細に説明するように、工具ホルダ24と切削要素22の4つの異なる空間構成が存在する。ディスクカッタ18の回転方向に1つずつ後ろに順番に配置すると、ディスクカッタ18の要求される切削力が著しく低減される。
各セットにおいて、工具ホルダは同じ前方方向を向き、回転方向を向いている。セット内の1つの工具ホルダから次の工具ホルダへと変化する切削要素の配置である。先行技術とは異なる有利な点は、予め定められた切削要素の配列である。
円形胴体20について配置された非同一のセットが用いられてもよい。
すべてのセットが、切削要素を伴った工具ホルダを含む必要はない。切削要素が無い単なる「ブランク」でもよい。
各工具ホルダ24は、胴体部分26と、胴体部分26から延びる一対の間隔をあけた脚部28と、を含む。胴体部分26は、略立方体状である。胴体部分26は、切削要素22または各切削要素22を支える。一対の脚部の各脚部28は、板状である。脚部28は、隙間30によって間隔をあけており、これにより、円形胴体20の両側で工具ホルダ24を結合することができる。複数のスロット32は、図6に示すように、略円形胴体20の円周面34に沿って周期的に配置されている。各スロット32は、工具ホルダ24が円形胴体20に取り付けられると、隙間30で占有される。スロット32は、使用中にボルトにかかる剪断力を減少させる。隣り合うスロット32の間に延びる円形胴体20の円周面34により、工具ホルダ24は円形胴体20の周囲で規則的に間隔をあけて配置される。この実施の形態では、24個の工具ホルダ24に対して24個のスロットが設けられている。
工具ホルダ24は、切削要素22または各切削要素22に近接する第1の端部36から、各脚部28の自由端に近接する第2の端部38に向かって内側にテーパになっている。
工具ホルダ24の第1の実施の形態が図7a)に示されており、このホルダは、単一の、(軸方向の)中央に取り付けられた、切削要素22を着座させるように構成されている。
工具ホルダの第2の実施の形態が図7bに示されており、この工具ホルダは、2つの隣接する切削要素22を着座させるように構成されている。
工具ホルダ24の第3の実施の形態が図7c)に示されており、このホルダは、2つの間隔をあけて配置された切削要素22を着座させるように構成される。
工具ホルダ24の第4の実施の形態が図7d)に示されており、これは、2つの切削要素22の間に中央凹状チャネル40を有する2つの間隔をあけて配置された切削要素22を着座させるように構成されている。細長いチャネル36は、ディスクカッタ18の意図された回転方向に延びている(図10参照)。
好ましくは、図8に示すように、工具ホルダは、a)、d)、c)、b)の順序で配置される。しかしながら、4つの工具ホルダの構成がすべて使用されるのであれば、順序は問わない。例えば、以下の表1を参照されたい。
Figure 2023505500000002
また、2つ、3つ、またはそれ以上の構成の工具ホルダおよび切削要素を含むセットを使用することも可能である。1つ以上の切削要素が特定の工具ホルダ24で使用される場合、各切削要素22のサイズと切削要素間の間隔は、それに応じて調整される必要がある。
好ましくは、各工具ホルダ24は、鋼から作られているが、代替的に、70HV(ビッカース硬さ)を超える硬さを有する任意の金属系材料、炭化物系材料またはセラミック系材料を含んでいてもよい。各工具ホルダ24は、(例えば、ろう付けまたは溶接を使用して)カッタ胴体20に恒久的に接続されてもよく、または、図5~図15に示す実施の形態のように、例えば、胴体20の開口部44および脚部28の開口部46内の2対のナットおよびボルト42等のような保持機構を使用してカッタ胴体20に着脱可能に取り付けられる。ろう付け、溶接、および/または機械的接続の組み合わせを使用することができる。あるいは、工具ホルダ24は、例えば、鍛造、粉末冶金等によって、ディスクカッタ18の胴体20と一体的に形成されてもよい。
一実施形態では、各切削要素22は、工具ホルダ24の1つによって堅くまたは固定的に支持されている。各工具ホルダ24は、好ましくは、カッタ胴体20の円周面の周囲に等しい角度で間隔をあけて配置されている。各切削要素22は、ろう付けを用いて、工具ホルダ24内または工具ホルダ24上の所定の位置に固定されてもよい。あるいは、工具ホルダ24または各工具ホルダ24は、切削要素22を回転可能に受容するように構成されてもよい。そのような実施形態では、切削要素22または各切削要素22および工具ホルダ24は、切削要素22または各切削要素22が工具ホルダ24内で自由に、例えばすきま嵌めで回転するように構成されていてもよく、または代替的に、切削要素22が採掘/掘削されている岩石層と接触するときにのみ、例えば中間嵌めで工具ホルダ24内で回転できるように構成されてもよい。
切削要素22の各々は、130HV以上の硬さを有する硬い耐摩耗性材料を含む。切削要素22は、好ましくは、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンド、ダイヤモンドライク材料、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される超硬質材料(superhard material)で構成されるが、代わりにタングステンカーバイドのような硬質材料であってもよい。切削要素22は、超硬質材料が結合された超硬合金(cemented carbide)基板を含んでいてもよい。
一実施の形態では、切削要素22は、石油・ガス掘削の分野でより一般的に見られる多結晶ダイヤモンドコンパクト(PDC)である。このようなPDCは、しばしば円筒形であり、通常、鋼または炭化物基板に結合されたダイヤモンド層焼結体を含む。
PDCは、6mmから30mmの間の直径を有し、好ましくは8mmから25mmの間の直径を有する。例えば、PDCは、6mm、11mm、12mm、13mmの直径を有していてもよく、16mmまたは19mmの直径を有していてもよい。ディスクカッタでは、直径の組み合わせが使用されてもよい。
各PDCは、面取り、二面取り、多面取りのいずれでもよい。図11には、切削要素22の早期破損のリスクを低減するために三面取り(47で示す)されたPDCが描かれている。
各PDCは、研磨されたカッタ表面を含んでいてもよく、少なくとも部分的に研磨されていてもよい。
あるいは、従来のPDCであるよりもむしろ、切削要素22は、3次元形状のカッタであってもよい。切削要素22のストライクチップは、円錐形、角錐形、弾道形、ノミ形、または半球形であってもよい。ストライクチップは、平坦な頂点を有する切頭形であってもよく、非切頭形であってもよい。ストライクチップは、軸対称であってもよいし、非対称であってもよい。切削要素22の任意の形状は、本発明の任意の態様と組み合わせて使用することができる。そのような形状のカッタの例は、WO2014/049162およびWO2013/092346に記載されている。
任意に、(PDCタイプの)切削要素のすくい角(rake angle)は、15度から30度の間である。任意に、すくい角は約20度である。任意に、すくい角は、正または負であってもよい。図12には、切削要素22が工具ホルダ24からどのように突出するかが示されている。
岩石掘削用途では、ディスクカッタ18が岩石層2と接触し、駆動スピンドル16、したがってそのディスクカッタ18の回転が、岩石層2のスライスを引き起こす。切削アセンブリ10は、岩石層2をスライスして、選択された切削要素22のサイズに応じて、例えば、約16mmのきれいな直交カットを形成する。カットされた岩石は、自重で破断したり、または二次的なくさびの力で、例えばくさび形の工具を使用して破断したりする。各セットの切削要素22は、図13に示すように、岩石に、一般に48で示される重なり合ったカットを生じさせる。これにより、切削スロットへの切削力が均等に分散される。
主要な実施の形態におけるオーバーラップカットは60mmであり、これは各セット内の4つの工具ホルダと切削要素の組み合わせに基づいている。より大きなオーバーラップカットが要求される場合、工具ホルダと切削要素の組み合わせが、例えば、6、8、10、12等のより多い数で使用される。より小さなオーバーラップカットが要求される場合、工具ホルダと切削要素の組み合わせは、2つまたは3つ等のより少ない数で要求される。
図14および図15を参照すると、溝掘り作業は、切削アセンブリの、特にディスクカッタ18の、重要な潜在的用途である。典型的には、単一のディスクカッタ18が駆動スピンドル16の周りに取り付けられ、使用時には、矢印で示される方向に回転される。ディスクカッタ18とスピンドルは、ハウジング50内に取り付けられて、収容されている。ディスクカッタ18が回転され、地面と接触させられると、ディスクカッタ18は、それをスライスする。
スケールが小さい変形例は、例えば、小径の光ファイバーケーブルの敷設のために、道路や舗装に微細な溝を掘るために使用することも可能である。この場合、切削アセンブリ10は、岩石ではなく、アスファルトやコンクリートを切削する。このような実施の形態では、カッタ胴体20の直径は300mmのオーダーであり、カッタ胴体の横方向の厚さは20mmまでであり、切削要素はそれに対応した大きさになる。その意図は、50mmから100mm程度の切削深さを達成することである。
いくつかの溝掘り作業では、カッタ胴体の直径は約1100mm、(切削要素22を含む)ディスクカッタの横方向の厚さは約60mmになる。
上記では切削アセンブリのいくつかの用途が述べられたが、トンネル掘削は特に魅力的な用途である。一般的には、地下に新たなトンネルを形成するために、トンネルボーリングマシン(TBM)が使用される。TBMは、公知の方法で円筒形のトンネルを形成する。トンネルの目的が車両または歩行者の交通のためであり、円形の横方向の断面のみが可能である場合には、トンネルの下部内に新しい水平床が含まなければならない。事実上、トンネルの直径が大きくなりすぎる。トンネル上部に実際に要求される使用可能な空間を形成するためには、余剰の岩石材料が抽出されなければならない。より大きなTBMが、より小さなTBMよりも多くの消耗品である切削チップを必要とするだけでなく、トンネル掘削作業にかなりの時間がかかるため、トンネル掘削コストが増加する。更に、新しい床の建設には追加の材料が要求される。本明細書に記載された切削アセンブリにより、より小さい横方向の断面でトンネルを形成することができ、それにより、上部トンネルの所望の形状を作成することができる。また、切削アセンブリは、より小さいTBMに従ってトンネルの下半分を形成し、壁に垂直な床を作成し、より大きいTBMを使用した場合よりも除去する材料を著しく少なくする。
円形胴体20は、駆動スピンドル16を受け入れるための中心の(またはオフセットされた)シャフト開口部のみを有する中実ディスクであることがすでに示された。図16から図19には、本明細書に記載された特徴のうちの任意の組み合わせで使用され得る、円形胴体20の代替形態が示されている。図16および図17では、4つの開口部を残すために4つのパネルが胴体から取り除かれ、同様に、図18および図19では、5つのパネルが取り除かれている。典型的には、これらのパネルはレーザーで除去されるが、どのような機械加工も用いることができる。開口部のパターンは、構造強度を維持しながら、ディスク全体の重量を減らすことができる。さまざまな用途に応じた重量に対する最適な強度比を、さまざまな幾何学的設計で実現することが可能である。
図16を参照すると、カッタ胴体の第2の実施の形態が100で示されている。胴体は、4つの放射状スポーク102と、4つの軽量化開口部104と、を含み、1つの開口部104は、隣接する一対のスポーク102の間にある。スポーク102は、駆動スピンドル16を受け入れる中心シャフト開口部106の周りに規則的に間隔をあけて対称に配置されている。スポーク102は、胴体100の中心から胴体100の外周面34に向かって円周方向に外側にテーパしている。その結果、各開口部104は、一対の円弧状内面および外面108と、円弧状面108に隣接する一対の直線状面110と、を有する略台形状である。円弧状面108は円周方向に延び、一方、直線状面110は半径方向に延びる。
図17において、カッタ胴体の第3の実施の形態が200で示されている。胴体は、4つの放射状スポーク202と、4つの軽量化開口部204と、を含み、隣り合う一対のスポーク202の間に1つの開口部204がある。スポーク202は、中心シャフト開口部106の周りに規則的に間隔をあけて配置されている。しかしながら、スポーク202は中心でオフセットされており、胴体200はその回転軸であるシャフト開口部106に対して非対称である。スポーク202の幅は、胴体100の中心から胴体200の外周面34に向かって大きく変化していない。各開口部204は、略半径方向に延びる2つの隣接面208と、略円周方向に延びる対向する一対の隣接面210とを有する四角形である。
図18において、カッタ胴体の第3の実施の形態が300で示されている。胴体は、5本の放射状スポーク302と、5つの軽量化開口部304と、を含み、隣り合う一対のスポーク302の間に1つの開口部304がある。スポーク302は、中心シャフト開口部106の周りに規則的に間隔をあけて配置されている。しかしながら、スポーク302は中心でオフセットされており、胴体300は、その回転軸であるシャフト開口部106に対して非対称である。スポーク202の幅は、胴体100の中心から胴体300の外周面34に向かって大きく変化していない変化していない。各開口部304は、角が丸くなった三角形である。2つの面308は略半径方向に延び、第3の面310は略円周方向に延びている。
図19を参照すると、カッタ胴体の第4の実施の形態が400で示されている。胴体は、5つの放射状スポーク402と、5つの軽量化開口部404と、を含み、1つの開口部404は、隣り合う一対のスポーク402の間にある。スポーク402は、駆動スピンドル16を受け入れる中心シャフト開口部106の周りに規則的に間隔をあけて対称に配置されている。スポーク402は、胴体400の中心から胴体400の外周面34に向かって円周方向に外側にテーパしている。このように、各開口部404は、概台形状であり、一対の円弧状内外面408と、円弧状面408に隣接する一対の直線状面410と、を有する。円弧状面408は円周方向に延び、一方、直線状面410は半径方向に延びている。
本発明は、特に実施形態を参照しながら示されて説明されたが、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更が行われ得ることは、当業者によって理解されるであろう。
例えば、任意のカッタ胴体の変形を、本明細書に開示された特徴のいずれかと組み合わせて使用することができる。
本明細書で使用される特定の標準用語および概念を以下に簡単に説明する。
本明細書で使用されるように、多結晶ダイヤモンド(PCD)材料は、複数のダイヤモンド粒を含み、そのかなりの数が互いに直接相互に結合しており、ダイヤモンドの含有量が材料の少なくとも約80体積%である。ダイヤモンド粒の間の隙間は、実質的に空であってもよく、またはそれらは、バルク充填材で少なくとも部分的に充填されていてもよく、またはそれらは実質的に空であってもよい。バルク充填材は、焼結促進材を含んでいてもよい。

Claims (21)

  1. カッタ胴体と、複数の工具ホルダと、前記工具ホルダに取り付けられた複数の切削要素と、を備え、前記工具ホルダおよび前記切削要素は、前記カッタ胴体について少なくとも1つのセットで設けられ、各セットは、予め定められた構成の順序で配置された2つ以上の工具ホルダおよび2つ以上の切削要素で構成される、ディスクカッタ。
  2. 前記カッタ胴体の円周面の周囲に複数のセットを含む、請求項1に記載のディスクカッタ。
  3. 前記複数のセットは同一である、請求項2に記載のディスクカッタ。
  4. 前記複数のセットは非同一である、請求項2に記載のディスクカッタ。
  5. 1つのセットに3つ以上の前記工具ホルダで構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のディスクカッタ。
  6. 1つのセットに4つの前記工具ホルダで構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のディスクカッタ。
  7. 1つ以上の工具ホルダに単一の切削要素で構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のディスクカッタ。
  8. 前記単一の切削要素は、前記工具ホルダの中央に取り付けられている、請求項7に記載のディスクカッタ。
  9. 1つ以上の前記工具ホルダに2つの切削要素で構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のディスクカッタ。
  10. 前記2つの切削要素は、前記工具ホルダに互いに隣接して並べて配置されている、請求項9に記載のディスクカッタ。
  11. 前記2つの切削要素は、前記工具ホルダに互いに間隔をあけて配置されている、請求項9に記載のディスクカッタ。
  12. 前記2つの切削要素は、その間の凹状チャネルで間隔をあけて配置されている、請求項11に記載のディスクカッタ。
  13. 前記切削要素が多結晶ダイヤモンドコンパクト(PDC)である、請求項1~12のいずれか一項に記載のディスクカッタ。
  14. 前記PDCが三面取りを有する、請求項13に記載のディスクカッタ。
  15. 前記カッタ胴体が一連のスロットを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のディスクカッタ。
  16. 前記工具ホルダは、胴体部と、間隔をあけて配置された一対の脚部と、を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のディスクカッタ。
  17. 前記工具ホルダは、前記切削要素または各切削要素に近接する第1の端部から第2の端部に向かって内側にテーパになっている、請求項16に記載のディスクカッタ。
  18. 前記請求項1~17のいずれか一項に記載のディスクカッタを備えた、溝切りカッタ。
  19. カッタ胴体は900~1200mmの範囲の直径を有する、請求項18に記載の溝切りカッタ。
  20. 前記カッタ胴体は20~30mmの範囲の厚さを有する、請求項18または19に記載の溝切りカッタ。
  21. ディスクカッタは約60mmの有効切削幅を有する、請求項18、19または20に記載の溝切りカッタ。
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