JP2023181155A - 締結具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボルトに螺着したナットが弛緩してしまうのを抑制すること。【解決手段】本発明では、ボルト2とナット3、4とからなる締結具1において、ボルト2の基端部(頭部)側に、第1のナット3を螺着するための第1のネジ部9を形成するとともに、ボルト2の先端具側に、第2のナット4を螺着するための第2のネジ部10を形成し、第2のネジ部10の呼び径を,第1のネジ部9の谷径よりも小さくするとともに、第2のネジ部1の螺旋方向を、第1のネジ部9とは逆向きにし、第1のナット3と第2のナット4とを連結具5で連結することとした。また、第2のナット4の外寸を、第1のナット3の外寸と同一又は第1のナット3の外寸よりも小さくし、連結具5に第1及び第2のナット3、4と嵌合する挿通孔12、13を形成することにした。また、連結具5の脱落を防止するための脱落防止具6を設けることとした。【選択図】図1
Description
本発明は、ボルトとナットとからなる締結具に関するものである。
従来より、締結具としては、ボルトと、ボルトに形成したネジ部に螺着するナットとで形成したものが広く利用されている。
このボルトとナットとからなる締結具では、締結後に振動等の影響によってナットがボルトのネジ部で回転して弛緩してしまうおそれがあった。
そのため、これまでにナットの弛緩を抑制するために様々な構造の締結具が開発されており、その中には、ボルトに2個のナットを螺着する構造の締結具も開発されている(たとえば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記従来のボルトとナットとからなる締結具では、振動等の影響によってボルトに螺着した2個のナットが交互に弛緩することがあり、ナットの弛緩を良好に抑制することができないものであった。
そこで、請求項1に係る本発明では、ボルトとナットとからなる締結具において、ボルトの基端部(頭部)側に、第1のナットを螺着するための第1のネジ部を形成するとともに、ボルトの先端部側に、第2のナットを螺着するための第2のネジ部を形成し、第2のネジ部の呼び径を、第1のネジ部の谷径より小さくするとともに、第2のネジ部の螺旋方向を、第1のネジ部とは逆向きにし、第1のナットと第2のナットとを連結具で連結することにした。
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記第2のナットの外寸を、第1のナットの外寸と同一又は第1のナットの外寸よりも小さくし、連結具に第1及び第2のナットと嵌合する挿通孔を形成することにした。
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記連結具の脱落を防止するための脱落防止具を設けることにした。
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
すなわち、本発明では、ボルトとナットとからなる締結具において、ボルトの基端部(頭部)側に、第1のナットを螺着するための第1のネジ部を形成するとともに、ボルトの先端部側に、第2のナットを螺着するための第2のネジ部を形成し、第2のネジ部の呼び径を、第1のネジ部の谷径よりも小さくするとともに、第2のネジ部の螺旋方向を、第1のネジ部とは逆向きにし、第1のナットと第2のナットとを連結具で連結することにしているため、振動等の影響を受けても第1のナットと第2のナットとが連結具で連結されていることによって第1のナットと第2のナットとが交互に弛緩することが無く、第1のナット及び第2のナットの弛緩を良好に抑制することができる
特に、前記第2のナットの外寸を、第1のナットの外寸と同一又は第1のナットの外寸よりも小さくし、連結具に第1及び第2のナットと嵌合する挿通孔を形成することにした場合には、第1のナットと第2のナットとを連結具で被覆することができ、第1のナットや第2のナットの螺着部分に雨水や油等の侵入を防止することができ、より一層、第1のナット及び第2のナットの弛緩を良好に抑制することができる。
また、前記連結具の脱落を防止するための脱落防止具を設けることとした場合には、連結具の脱落によって第1のナットや第2のナットが弛緩してしまうのを防止することができ、これによっても、より一層、第1のナット及び第2のナットの弛緩を良好に抑制することができる。
以下に、本発明に係るボルトとナットとからなる締結具の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、締結具1は、ボルト2と、第1のナット3と、第2のナット4と、連結具5と、脱落防止具6とで構成している。
ボルト2は、六角柱状の頭部7の前側(先端側)に概略円柱状のネジ部8を前後に伸延させた状態で形成している。
このボルト2のネジ部8は、ボルト2の基端部(頭部7)側に第1のナット3を螺着するための第1のネジ部9を形成するとともに、ボルト2の先端部側に第2のナット4を螺着するための第2のネジ部10を形成している。
第1のネジ部9は、谷径がD1で、呼び径がD2で、螺旋方向(螺着方向)が右回りに形成されている。
第2のネジ部10は、谷径がd1で、呼び径がd2で、螺旋方向(螺着方向)が左回りに形成されている。
ここで、第2のネジ部10は、呼び径d2を第1のネジ部9の谷径D1よりも小さくするとともに、第2のネジ部10の螺旋方向を第1のネジ部9とは逆向きにしている。なお、第1のネジ部9の螺旋方向を左回りに形成するとともに第2のネジ部10の螺旋方向を右回りに形成してもよい。
また、ボルト2は、ネジ部8(第2のネジ部10)の先端部に脱落防止具6を取付けるための上下に貫通する貫通孔11を形成している。
第1のナット3は、六角柱の頭部の外寸がD3で、頭部の中央にボルト2の第1のネジ部9に螺着されるネジ部が形成されている。
第2のナット4は、六角柱の頭部の外寸がd3で、頭部の中央にボルト2の第2のネジ部10に螺着されるネジ部が形成されている。
ここで、第2のナット4は、頭部の外寸d3を第1のナット3の頭部の外寸D3よりも小さくしている。なお、第2のナット4の頭部の外寸d3を第1のナット3の頭部の外寸D3と同一にしてもよい。
連結具5は、前後に伸延させた円柱状の外形を有し、中央に前後に貫通する挿通孔を形成している。この挿通孔は、後側(基端側)の第1の挿通孔12が第1のナット3の頭部と嵌合する外寸がD3の六角形断面となっており、前側(先端側)の第2の挿通孔13が第2のナット4の頭部と嵌合する外寸がd3の六角形断面となっている。なお、連結具5は、上記構造に限られず、第1のナット3と第2のナット4とを連結して、いずれか一方のナット3、4だけがボルト2に対して単独で回転することができないような構造であればよい。
脱落防止具6は、ボルト2に形成した貫通孔11に装着されるスナップピンを用いている。小野田暗く防止具6は、ボルト2に装着することで、連結具5の前端(先端)に当接して、連結具5が第1のナット3や第2のナット4から脱落してしまうのを防止している。なお、脱落防止具6は、上記構造に限られず、連結具5の脱落を防止することができる構造であればよい。
締結具1は、以上に説明したように構成しており、この締結具1を用いて2個の部材14、15を締結するには、まず、図3(a)に示すように、部材14、15に形成した挿通孔にボルト2のネジ部8を挿通させる。
次に、図3(b)に示すように、ボルト2の第1のネジ部9に第1のナット3を螺着する。その際に、第1のナット3は、ボルト2の第1のネジ部9に強固に(適正な締め付けトルクで)螺着する。なお、第2のネジ部10の呼び径d2を第1のネジ部の谷径D1よりも小さくしているために、第1のナット3を第2のネジ部10を通過させた後に第1のネジ部9に螺着することができる。
次に、図3(c)に示すように、ボルト2の第2のネジ部10に第2のナット4を螺着する。その際に、第2のナット4は、ボルト2の第2のネジ部10に強固に(適正な締め付けトルクで)螺着する。
次に、図3(d)に示すように、連結具5を第1のナット3及び第2のナット4に装着する。その際には、連結具5の第1の挿通孔12に第1のナット3の頭部を嵌合させるとともに、第2の挿通孔13に第2のナット4の頭部を嵌合させる。なお、第2のナット4の外寸d3を第1のナット3の外寸D3と同一又は第2のナット3の外寸D3よりも小さくしているために、連結具5の第1の挿通孔12を第2のナット4を通過させた後に第1のナット3の頭部と嵌合させることができる。ここで、連結具5の第1及び第2の挿通孔12、13は、ボルト2に第1及び第2のナット3、4を強固に(適正な締め付けトルクで)螺着させた状態で第1及び第2のナット3、4の頭部が良好に嵌合するように予め形成されている。連結具5は、予め第1及び第2の貫通孔12、13を形成したものに限られず、ボルト2に第1及び第2のナット4を螺着した後に、溶融状態の樹脂を第1及び第2のナット3、4の頭部の外周に付着させ、その後、樹脂が硬化することによって、第1及び第2の挿通孔12、13が形成された連結具5となるようにしてもよい。
最後に、図3(e)に示すように、ボルト2の貫通孔11に脱落防止具6(スナップピン)を挿入してボルト2の先端に脱落防止具6を連結具5の先端に当接(近接)させた状態で取り付ける。
このように締結された状態では、振動等の影響を受けて第1のナット3が弛緩する方向に回転しようとしても、第1のナット3に連結具5を介して連結されている第2のナット4が強固に螺着されていてそれ以上回転することができないために、第1のナット3が弛緩する方向に回転しようとするのを阻止することができる。なお、振動等の影響を受けて第2のナット4が弛緩する方向に回転しようとしても、第2のナット4に連結具5を介して連結されている第1のナット3が強固に螺着されていてそれ以上回転することができないために、第2のナット4が弛緩する方向に回転しようとするのを阻止することができる。
次に他の実施形態について説明する。尚、これまで説明した実施態様と共通する部分については説明を省略する。本実施形態では、第1のナット3と第2のナット4の六角柱の頭部の外寸を、その形状及び寸法が互いに同一である合同とすることが望ましい。すなわち、ここでいう合同とは、図4及び5に示したように、第1及び第2のナットの頭部を同一形状、同一外寸とすることを意味する。また、図5において、第1及び第2のナット3、4の頭部中央孔として表現されているネジ部は、それぞれボルト2の第1及び第2のネジ部9、10に螺着されるため適合した大きさとなる。すなわち、第1のナット3のネジ部は、ボルト2の第1のネジ部9に螺着される大きさに形成され、第2のナット4のネジ部は、ボルト2の第2のネジ部10に螺着される大きさに形成される。このように、第1及び第2のナットの頭部を合同とすることで、連結具5の中央を貫通する挿通孔12として形成される孔の形状を、第1及び第2のナット頭部が嵌合する同一径の単純な六角柱形状に形成することができる。これにより、連結具5の挿通孔12を形成するための加工が極めて容易となり、より安価に連結具5を製造することができる。また、ボルト2に第1及び第2のナットを締結した後の連結具を嵌合させる作業においても、嵌合させる方向を考慮する必要がなく、より容易に行うことができ、作業効率の向上が期待できる。更に、連結具5の挿通孔12が同一径の単純な六角柱形状とできることで、より汎用性のある連結具となる。すなわち、これまで説明したように、第1及び第2のナットのそれぞれが挿通孔内のどの位置で固定されるかは、固定される素材や使用するナット頭部の厚みによって異なることとなるため、第1及び第2のナットが合同でない場合には、それぞれのナットの固定位置を考慮して挿通孔の径を変化させる個所(すなわち、前述の実施態様における第1及び第2の挿通孔12、13の接続箇所)を予め決める必要が生じる。しかし、2つのナットを合同とし、挿通孔が同一径の単純な六角柱形状の場合には、どの位置に第1及び第2ナットが固定されるのかを考慮する必要がなくなる。これにより、1つの連結具で、様々な素材の厚みやナット頭部の厚みに容易に対応できる利点がある。
このように第1及び第2のナットの頭部を合同とする場合でも、本発明の締結具を用いた締結方法は、前述の実施態様の場合の手順と同様である。参考までに図6、7に、2つのナット頭部が合同である場合の締結状態、締結方法を示した。このようにして締結された本発明の締結具は、頭部が合同である第1及び第2のナットをそれぞれネジ部の螺旋方向を逆向きにして締結し、連結具で連結することにより、第1及び第2のナットは同じ方向へのみ回転することとなる。これにより、第1のナット及び第2のナットの弛緩を良好に抑制することができる。この作用について次に詳説する。
本発明の締結具を用いて素材を締結した後、本発明の締結具がナットを緩めようとする力に対してどのように作用するかを以下に説明する。まず、第1のナット3を緩めようとする力が働いた場合、第1のナット3が右締めの場合には、左に回るときに第1のナット3が緩んでしまうことになる。このような第1のナット3を左へ回そうとする力が働く場合、その左に回ろうとする動きが連結具5に伝わるため、第2のナット4に対しても左へ回ろうする力が働くこととなる。しかし、第2のナット4が左へ回る場合、それは第2のナット4を締めようとする動きとなる。このように、左に回転しようとする力が働くと、第1のナット3と第2のナット4は、図の左右方向からそれぞれ押し合う形となって、第1のナット3は左方向へ、第2のナット4は右方向へ互いに圧力を加える形となる。このため、どちらも回転が抑止されることなって回ることができない。このような作用により、第1のナット3を緩めようとする力が働いた場合でも、第1のナット3が緩むことはない。
これとは逆に、第2ナット4を緩めようとする力が働く場合、第2のナット4が左締めであれば、右に回ってしまうと第2のナット4が緩んでしまうことになる。このように、第2のナット4を右へ回そうとする力が働くと、その右に回ろうとする動きが連結具5に伝わるため、第1のナット3に対しても右へ回ろうする力が働くこととなるが、第1のナット3が右へ回る場合、それは第1のナット3を締めようとする動きとなる。更に、そもそも第1のナット3は、締結時において、少なくとも素材がしっかり固定され動かない程度に締められているはずである。すなわち、第1のナット3は、それ以上、締める方向(右方向)へは回ることができない状態となっていることとなる。このように第1のナット3が右へ回転できない以上、連結器によって同じ方向へしか回転できない状態である第2のナット4も緩む方向である右方向へ回転することができない。すなわち、このような作用により、第2のナット4を緩めようとする力が働いた場合でも、第2のナット4が緩むことはない。
本発明の締結具を用いる場合、固定される素材の厚みによって、締結後の第1のナット3と第2のナット4の固定位置が異なることとなる。しかし、素材の厚みの違いがあっても、これまで説明した本発明の締結具が有する緩まない効果に差異が生じることがないことを次に説明する。まず、素材の厚みが薄い場合について、図8(a)を参照しつつ説明する。この場合、素材の厚みと第1ナット3の厚みの合計よりも、ボルト2の第1のネジ部9の長さが長いため、第1のネジ部9が余った状態で第1のナット3が固定されることとなる。そして、第2のナット4は、自己の内径と適合しない第1のネジ部9へと進むことができないため、ボルト2の第2のネジ部10の根本(ボルト2の頭部側)で止まることとなる。よって、図8(a)のように、締結後の第1のナット3と第2のナット4は互いに離れた位置で固定されることとなる。すなわち、第1のナット3と第2のナット4の間にはスペースS1が生じる。しかし、この状態においても、本発明の締結具では連結具5によって第1のナット3と第2のナット4が連結されているため、一方の回転しようとする力は、他方へも同方向へ回転しようとする力として伝わることとなる。すなわち、前述の説明のように、第1のナット3が右締めの場合、第1のナット3を緩める方向(左方向)へ回転させようとする力は、連結器を通じて第2ナット4を同方向(左)へ回転させようとする力となって伝わる。しかし、左締めとなる第2のナット4が左回転(すなわち締まる方向)へ回転しようとしても、内径が適合しない第1のネジ部9へと進むことはできないため、第2のネジ部根本で止まった状態が維持される。すちわち、連結器を通じて第2のナット4を左へ回転させ締めようとする力が働いたとしても、それ以上は図の右方向へ進むことができないのであるから、右へ進むために必要な左回転ができないこととなる。このように、第2のナット4の左回転が抑止される限り、その回転を抑止する力は連結器を通じて第1のナット3へも伝わり、第1のナット3の左回転も抑止されることなる。従って、第1のナットは緩む方向である左回転ができないため、緩むことはない。
逆に、第2ナット4を緩めようとする力(右回転)が働いたとしても、連結器を通じて第1のナット3を右回転(締める方向)させる力となるため、既に素材を固定するまでに締め付けられている第1のナット3をそれ以上締めることが難しいため、第1のナット3はほとんど回転できないこととなる。このように第1のナット3の右回転を抑止する力は連結器を通じて第2のナット4に伝わるため、第2のナット4が緩もうとする力(右回転)は抑止され、第2ナット4が緩むことはない。尚、図8(a)の状態において生じるスペースS1は、図のように連結具5で覆われた密閉空間となるため、雨水等の侵入がなく耐久性に問題が生じる心配がないことは前述のとおりである。
次に、図8(b)に示した素材が厚い場合について説明する。この場合、素材の厚みと第1ナット3の厚みの合計は、ボルト2の第1のネジ部9の長さよりも長くなるため、第1のナット3は、その一部が第1のネジ部9からはみ出て、第2のネジ部にかかった状態で固定されることとなる。この状態で第2のナット4を締めると、第2のナット4は第1のナット3に接触したところでそれ以上は進む(締める)ことができずに固定されることとなる。この状態では、図8(b)のように、第1のナット3の内径内部に、第1のナット3が第2のネジ部にはみ出た部分についてスペースS2が生じることとなる。このスペースS2は、図のようにボルトのネジ部と第1のナット3の内径、第2のナット4の底面部(図の右側)で密閉された空間となるため、雨水等の侵入がないことは素材が薄い場合と同様である。この場合、第1のナット3が右締めの場合、第1のナット3を緩める方向(左)へ回転させようとする力が働いたとしても、連結具5を通じて、左締めである第2のナット4を左回転させる力(締めようとする力)として伝わることになる。従って、第1のナット3は左へ、第2のナット4は右へと押し合う状態となって、互いに回転を抑止することとなる。よって、第1のナット3は緩むことがない。また、この状態で第2のナット4を緩めようとする力が働く場合も、素材が薄い場合と同様に、連結具5によって一体に接続されている第1のナット3が回転を抑止することにより、第2のナット4が緩むことはない。
このように、本発明の締結具では、互いに逆ネジとなっている第1のナット3と第2のナット4がしっかりと締められた状態で、その外側を連結具5で覆われ、第1のナット3と第2のナット4が連結された状態となっていれば、第1のナット3と第2のナット4は一方が回転しようとしても、他方がその方向への回転を抑止する状態で固定されることとなる。このため、連結具が外れない限り、第1のナット3と第2のナット4のいずれも緩むことはなく、振動等の外力を受けたとしても、本発明の締結具はその固定された「緩まない」状態を維持することとなる。逆に言えば、本発明の締結具では、連結具が振動等の外力によって外れることがない状態であることが望まれる。本明細書では、実施態様の一例として、ボルト2に脱落防止具6を固定する挿通孔13を設ける例を開示したが、これに限らず、連結器が外れて脱落することを防止できる固定手段であればどのような方法であってもいいことは前述のとおりである。金具で固定する方法の他、樹脂で固着する方法、接着剤等で接着する方法等、公知の方法で固定することができる。
以上に説明したように、上記締結具1は、ボルト2の基端部(頭部)側に、ナット3を螺着するための第1のネジ部9を形成するとともに、ボルト2の先端部側に、第2のナット4を螺着するための第2のネジ部10を形成し、第2のネジ部10の呼び径d2を、第1のネジ部9の谷径D1よりも小さくするとともに、第2のネジ部10の螺旋方向を、第1のネジ部9とは逆向きにし、第1のナット3と第2のナット4とを連結具5で連結する構成となっている。
そのため、上記構成の締結具1では、振動等の影響を受けても第1のナット3と第2にナット4とが連結具5で連結されていることによって第1のナット3と第2のナット4とが交互に弛緩することが無く、第1のナット3及び第2のナット4の弛緩を良好に抑制することができる。
また、上記締結具1は、第2のナット4の外寸d3を、第1のナット3の外寸D3と同一又は第1のナット3の外寸D3よりも小さくし、連結具5に第1及び第2のナット3、4と嵌合する挿通孔(第1の挿通孔12及び第2の挿通孔13、又は第1の挿通孔12のみ)を形成した構成となっている。
そのため、上記構成の締結具1では、第1のナット3と第2のナット4とを連結具5で被覆することができ、第1のナット3や第2のナット4の螺着部分に雨水や油等の侵入を防止することができ、より一層、第1のナット3及び第2のナット4の弛緩を良好に抑制することができる。
また、上記締結具1は、連結具5の脱落を防止するための脱落防止具6を設けた構成となっている。
そのため、上記締結具1では、連結具5の脱落によって第1のナット3や第2のナット4が弛緩してしまうのを防止することができ、これによっても、より一層、第1のナット3及び第2のナット4の弛緩を良好に抑制することができる。
以上に説明した構成により、本発明の締結具1は、締結後に、振動等の緩めようとする外力が働いたとしても絶対に緩まない締結具となる。
1 締結具
2 ボルト
3 第1のナット
4 第2のナット
5 連結具
6 脱落防止具
7 頭部
8 ネジ部
9 第1のネジ部
10 第2のネジ部
11 貫通孔
12 第1の挿通孔
13 第2の挿通孔
14、15 部材
2 ボルト
3 第1のナット
4 第2のナット
5 連結具
6 脱落防止具
7 頭部
8 ネジ部
9 第1のネジ部
10 第2のネジ部
11 貫通孔
12 第1の挿通孔
13 第2の挿通孔
14、15 部材
Claims (3)
- ボルトとナットとからなる締結具において、
ボルトの基端部(頭部)側に、第1のナットを螺着するための第1のネジ部を形成するとともに、ボルトの先端部側に、第2のナットを螺着するための第2のネジ部を形成し、 第2のネジ部の呼び径を、第1のネジ部の谷径よりも小さくするとともに、第2のネジ部の螺旋方向を、第1のネジ部とは逆向きにし、
第1のナットと第2のナットとを連結具で連結したことを特徴とする締結具。 - 前記第2のナットの外寸を、第1のナットの外寸と同一又は第1のナットの外寸よりも小さくし、連結具に第1及び第2のナットと嵌合する挿通孔を形成したことを特徴とする請求項1に記載の締結具。
- 前記連結具の脱落を防止するための脱落防止具を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の締結具。
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