JP2023181111A - 毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤 - Google Patents

毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤 Download PDF

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淳一 古川
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Abstract

【課題】乾燥状態及び湿潤状態のいずれの毛髪又は頭飾製品用繊維に対しても良好な感触を付与することができ、スタイリング時に優れたボリューム感の付与性及び熱セット性を示し、洗髪後にもボリューム感の付与性及び熱セット性の低下を抑制できる毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤を提供する。【解決手段】下記成分(A)~(C):(A)(R1)3SiO1/2(R1はフッ素置換されていてもよい炭素数1以上12以下の炭化水素基又はヒドロキシ基を示す。複数のR1は互いに同一でもよく、異なっていてもよい。)で表されるM単位及びSiO4/2で表されるQ単位を含む皮膜形成性ポリマー(B)前記成分(A)以外の皮膜形成性ポリマー(C)重合度が2,200以上20,000以下の高分子量オルガノポリシロキサンを含有し、水の含有量が10質量%以下である、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤。【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪処理剤、又はかつら、エクステンション等の頭飾製品用繊維処理剤に関する。
近年、化粧料分野において、皮膚、毛髪等のケラチン物質に対し光沢、良好な感触等の各種性能を付与する方法として、疎水性皮膜を形成する技術が検討されている。
疎水性皮膜形成用ポリマーとして、シリコーン系の皮膜形成性ポリマーを用いた技術が知られている。例えば特許文献1には、ポリシロキサングラフト化粘着性ポリマー;上記ポリシロキサングラフト化ポリマー用の揮発性非水溶性溶媒;45℃で上記溶媒に可溶性であり、25℃で非水溶性であり、1~100のシロキシ単位を有するシリコーン流体及びワックス、シラン、シリコーン樹脂とそれらの混合物からなる群より選択される、上記ポリシロキサングラフト化ポリマー用の不揮発性乾燥助剤;を含んでなり、上記ポリシロキサングラフト化粘着性ポリマー対上記乾燥助剤の重量比が所定値以下である、ヘアスタイリング組成物等に用いられる局所パーソナルケア組成物が開示されている。そして、該組成物は、完全に乾燥されるときにヘア保持性能のいかなる実質的喪失もなく、ヘアスタイリング組成物の乾燥時間を減少できることが開示されている。
また、化粧料によりケラチン物質に付与された性能あるいは繊維処理剤により頭飾製品用繊維に付与された性能は、日常行動により生じる摩擦、あるいは1回の洗浄で失われるものが多いことから、効果の持続性に優れる化粧料又は繊維処理剤が求められている。一般にシリコーン系皮膜形成性ポリマーにより形成される皮膜は硬く脆いため、感触及び耐久性の改良検討がなされている。
例えば特許文献2、3には、構成単位(R SiO1/2)、(R SiO2/2)、(RSiO3/2)、及び(SiO4/2)(式中、R、R及びRは、独立して、炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数1~8のフッ素置換アルキル基から選ばれる基である)からなり、各構成単位の割合及び重量平均分子量が所定の範囲にあるシリコーン樹脂を配合することを特徴とする化粧料が、塗布時べたつくことがなく、のびが良く、使用感触に優れ、耐水性が良好で、皮膚への密着性が良いことから化粧持続性に優れ、衣服等へ付着すること(2次付着)を防止できることが開示されている。
特許文献4には、ケラチン物質への適用後に多層構造を形成することができる化粧用組成物であって、60℃未満の少なくとも1つのガラス転移温度を有する少なくとも1つのシリコーン及び/又は炭化水素含有膜形成剤と、約1,000cStから22,000,000cStの粘度を実現するのに十分な量の一又は複数のシリコーン化合物を所定の重量比で含む化粧用組成物が開示され、該組成物が、適用時に改善された美容特性、特に良好な耐久性、感触、輝き、明るさ、及び/又はマット感の特性を有することが記載されている。
特許文献5には、所定の組成式で表され、重量平均分子量と、被膜の屈折率とがそれぞれ所定の範囲にあるフェニルシリコーン樹脂が、シリコーン油、炭化水素油等の有機系の油性成分に可溶で、均一な連続被膜が得られ、該被膜はべたつき及び脆さがなく、紫外線吸収剤との相溶性が良いことが開示されている。また、該フェニルシリコーン樹脂を配合した化粧料は、使用感が良く、衣服等へ付着すること(2次付着)を防止できる旨記載されている。
特表平9-501934号公報 特開2018-2643号公報 特開2021-134166号公報 特表2019-513712号公報 特表2021-526180号公報
毛髪処理剤やウィッグ等の頭飾製品用繊維処理剤には、乾燥状態の毛髪や頭飾製品用繊維だけでなく、湿潤状態の毛髪や頭飾製品用繊維に対しても良好な感触を付与できることが望まれる。
また特許文献1にも記載されているように、毛髪処理剤や頭飾製品用繊維処理剤の中でも、スタイリング剤においては、毛髪又は頭飾製品用繊維の形状保持性能の向上が望まれる。毛髪又は頭飾製品用繊維の形状保持性能として、具体的には、スタイリング時にボリュームのあるスタイルを作りやすいこと(ボリューム感の付与性)、ヘアアイロン等を用いた、加温を伴うスタイリング時に、はっきりした形付けが可能であること(熱セット性)、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤を適用した後に洗髪を行ってもボリューム感の付与性、及び熱セット性等の効果が失われ難いこと等が挙げられる。しかしながら特許文献1~5には、これらの効果をすべて発現し得る毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は開示されていない。
本発明の課題は、乾燥状態及び湿潤状態のいずれの毛髪又は頭飾製品用繊維に対しても良好な感触を付与することができ、スタイリング時に優れたボリューム感の付与性及び熱セット性を示し、洗髪後にもボリューム感の付与性、熱セット性等の効果の低下を抑制できる、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤を提供することにある。
本発明者らは、特定の構成単位を有するシリコーン系皮膜形成性ポリマー及び他の皮膜形成性ポリマー、並びに、重合度が特定の範囲にある高分子量オルガノポリシロキサンを含有し、且つ、水の含有量が所定量以下である毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記に関する。
[1]下記成分(A)~(C):
(A)(RSiO1/2(Rはフッ素置換されていてもよい炭素数1以上12以下の炭化水素基又はヒドロキシ基を示す。複数のRは互いに同一でもよく、異なっていてもよい。)で表されるM単位及びSiO4/2で表されるQ単位を含む皮膜形成性ポリマー
(B)前記成分(A)以外の皮膜形成性ポリマー
(C)重合度が2,200以上20,000以下の高分子量オルガノポリシロキサン
を含有し、水の含有量が10質量%以下である、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤。
[2]上記[1]に記載の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤を毛髪又は頭飾製品用繊維に適用し、次いで乾燥させる工程を有する、毛髪又は頭飾製品用繊維の処理方法。
本発明の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤によれば、乾燥状態及び湿潤状態のいずれの毛髪又は頭飾製品用繊維に対しても良好な感触を付与することができ、スタイリング時に優れたボリューム感の付与性及び熱セット性を示し、洗髪後にもボリューム感の付与性、熱セット性等の効果の低下を抑制することができる。
[定義]
「ポリマー」は、本明細書で用いる場合、1種又は複数の単位(これらの単位は、モノマーとして知られる化合物から誘導される)の繰返しに相当する化合物を意味する。この又はこれらの単位は、少なくとも2回、好ましくは少なくとも3回繰り返される。
「毛髪」は、本明細書で用いる場合、主として頭髪を意味し、頭飾製品に用いられる毛髪も包含する。
「頭飾製品」は、本明細書で用いる場合、例えば、ヘアーウィッグ、かつら、ウィービング、ヘアーエクステンション、ブレードヘアー、ヘアーアクセサリー、ドールヘアー等を意味する。
「頭飾製品用繊維」は、本明細書で用いる場合、前記頭飾製品に用いられる繊維を意味する。
「疎水性」は、本明細書で用いる場合、ある物質の水中溶解度が、25℃で1質量%未満であることを意味する。
「皮膜形成」は、本明細書で用いる場合、それを適用した基材上に、好ましくは固体の膜を残すことを意味する。
「耐久性」は、本明細書で用いる場合、主として、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤を適用した後に洗髪を行っても、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤により付与された効果が持続すること(耐洗髪性)を意味する。なお本明細書の記載における「洗髪」は、頭飾製品用繊維を洗浄することも包含する。また、以下の記載において、毛髪処理剤と頭飾製品用繊維処理剤とをまとめて「処理剤」ということがある。
「湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維における良好な感触」とは、毛髪又は頭飾製品用繊維に処理剤を適用し乾燥後、洗浄し、すすぎを行う際の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触が良好であることを意味する。
「揮発性」は、本明細書で用いる場合、常圧で260℃以下の沸点を有するものを意味する。
[毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤]
本発明の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は、下記成分(A)~(C):
(A)(RSiO1/2(Rはフッ素置換されていてもよい炭素数1以上12以下の炭化水素基又はヒドロキシ基を示す。複数のRは互いに同一でもよく、異なっていてもよい。)で表されるM単位及びSiO4/2で表されるQ単位を含む皮膜形成性ポリマー
(B)前記成分(A)以外の皮膜形成性ポリマー
(C)重合度が2,200以上20,000以下の高分子量オルガノポリシロキサン
を含有し、水の含有量が10質量%以下である。
本発明の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は上記構成であることにより、乾燥状態及び湿潤状態のいずれの毛髪又は頭飾製品用繊維に対しても良好な感触を付与することができ、スタイリング時に優れたボリューム感の付与性及び熱セット性を示し、洗髪後にもボリューム感の付与性、熱セット性等の効果の低下を抑制することができる。
本発明の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤が上記効果を奏する理由は定かではないが、以下のように推察される。
本発明の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は、成分(A)及び成分(B)を含有することにより、毛髪又は頭飾製品用繊維に適用すると毛髪又は頭飾製品用繊維の表面に疎水性皮膜を形成することができる。該皮膜形成効果によりスタイリング時のボリューム感の付与性及び熱セット性も向上すると考えられる。
成分(A)は前記Q単位を含むことから硬い皮膜を形成することができるが、該皮膜は硬く脆いため、摩擦、洗浄等により剥離しやすく、さらに、毛髪又は頭飾製品用繊維の感触低下を招くことがある。しかしながら本発明の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は成分(B)を共に含有することにより、成分(A)のみからなる皮膜よりも柔軟な皮膜を形成することができるので、毛髪又は頭飾製品用繊維の感触低下、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の低下も抑制できると考えられる。
成分(C)は、形成される疎水性皮膜中で皮膜表面側(空気側)に多く存在していると考えられ、これにより毛髪表面又は頭飾製品用繊維表面の保護機能を担い、感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、及び耐久性向上にも寄与していると考えられる。特に、成分(C)は所定の重合度を有することで、乾燥状態及び湿潤状態のいずれの毛髪又は頭飾製品用繊維に対してもべたつきの発生を抑え、良好な感触を付与できるとともに、スタイリング時のボリューム感の付与性を向上できると考えられる。
また、本発明の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の水の含有量が10質量%以下であると乾燥速度が向上し、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤を毛髪又は頭飾製品用繊維に適用した際に、成分(C)が表面側(空気側)に偏在した相分離構造を有する皮膜が効率よく形成されることから、本発明の効果がより発現されやすくなると考えられる。
なお、本発明の作用メカニズムは上記に限定されるものではない。
<毛髪又は頭飾製品用繊維>
本発明の処理剤の適用対象は、毛髪又は頭飾製品用繊維である。これらの中でも、毛髪がより好ましい。
本発明の処理剤の適用対象となる頭飾製品用繊維としては、天然由来繊維、合成繊維のいずれでもよいが、天然由来繊維が好ましい。天然由来繊維とは、天然の動植物から採取した繊維、あるいは、コラーゲン、カゼイン、大豆、落花生、トウモロコシ、絹屑、絹蛋白質(例えば絹フィブロイン)等由来の蛋白質や多糖類等のポリマーやオリゴマーを原料として人工的に製造された繊維をいう。これらのうち、獣毛、人毛、又は、ケラチン、コラーゲン、カゼイン、大豆、落花生、トウモロコシ、絹屑、絹蛋白質(例えば絹フィブロイン)等由来の蛋白質や多糖類等のポリマーやオリゴマーを原料として人工的に製造された繊維が好ましく、ケラチン、コラーゲン、カゼイン、大豆蛋白質、落花生蛋白質、トウモロコシ蛋白質、絹蛋白質(例えば絹フィブロイン)等由来の蛋白質を原料とする再生蛋白質繊維がより好ましく、コラーゲンを原料とする再生コラーゲン繊維、絹フィブロインを原料とする再生絹繊維等の再生蛋白質繊維がより好ましく、再生コラーゲン繊維が更に好ましい。
再生コラーゲン繊維は、公知の技術で製造することができる。再生コラーゲン繊維の組成はコラーゲン100%である必要はなく、品質改良のための天然ポリマー、合成ポリマー、添加剤等が含まれていてもよい。更には、再生コラーゲン繊維は後加工又は後処理されたものであってもよい。再生コラーゲン繊維の形態としてはフィラメントが好ましい。フィラメントは一般にボビン巻きしたものや箱詰めした状態から取り出される。また、再生コラーゲン繊維の製造工程で乾燥工程から出てきたフィラメントを直接利用することもできる。
合成繊維としては、合成樹脂を主成分として含む繊維が挙げられる。合成繊維の製造容易性の観点、及び、頭髪に近い風合いを得る観点から、該合成樹脂は、好ましくは熱可塑性樹脂であり、より好ましくはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、及びモダアクリル樹脂(アクリロニトリルと塩化ビニルの共重合体)からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。ここでいう「主成分」とは、合成繊維中の含有量が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上であって、100質量%以下の成分を意味する。
合成繊維は、上記合成樹脂以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に難燃剤、難燃助剤、光又は熱安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、紫外線吸収剤等の各種を含有することができる。
毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤としては、シャンプー等の洗浄剤の他、リンス、コンディショニング剤、トリートメント剤(洗い流さないタイプを含む)、スタイリング剤、染毛剤、育毛剤等が挙げられる。
本発明の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果が得られるという発明の効果の観点から、毛髪又は頭飾製品用繊維に適用した後、洗い流さずに用いるものであることが好ましい。したがって上記の中でも、本発明の処理剤は、好ましくはコンディショニング剤、トリートメント剤、又はスタイリング剤であり、より好ましくはスタイリング剤である。
以下、本発明の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤に含まれる各成分について説明する。
<成分(A):M単位及びQ単位を含む皮膜形成性ポリマー>
本発明の処理剤は、成分(A)として、(RSiO1/2(Rはフッ素置換されていてもよい炭素数1以上12以下の炭化水素基又はヒドロキシ基を示す。複数のRは互いに同一でもよく、異なっていてもよい。)で表されるM単位及びSiO4/2で表されるQ単位を含む皮膜形成性ポリマーを含有する。
成分(A)は前記Q単位を含むため分子中に架橋構造を有している。この構造を有することで、硬い皮膜を形成することができ、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果が得られると考えられる。なお、成分(A)には、不融で軟化点がなく、一般に有機溶剤に不溶性のポリオルガノシロキサン硬化物粉末は含まない。
前記式において、Rはフッ素置換されていてもよい炭素数1以上12以下の炭化水素基又はヒドロキシ基である。当該炭化水素基の炭素数は、皮膜形成性、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、1以上であって、好ましくは9以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下である。
当該炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基のいずれでもよく、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。アルキル基及びアルケニル基は、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよい。
上記の中でも、入手性及び安定性の観点から、前記炭化水素基としてはアルキル基、アリール基、又はアラルキル基が好ましい。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基が挙げられる。なお、該「各種」とは直鎖又は分岐鎖の炭化水素基であることを表し、例えば、「各種ブチル基」とは、「n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基」を含む。
前記アリール基としては、フェニル基、トルイル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
前記アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられ、好ましくはフェニルプロピル基である。
がフッ素置換されている場合、前記炭化水素基における少なくとも1つの水素原子がフッ素原子に置換されていればよい。
は、皮膜形成性、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、フッ素置換されていてもよい炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数6以上12以下のアリール基、又は炭素数7以上12以下のアラルキル基であることが好ましく、フッ素置換されていてもよい炭素数1以上8以下のアルキル基、又はフェニル基であることがより好ましく、フッ素置換されていてもよい炭素数1以上6以下のアルキル基、又はフェニル基であることが更に好ましい。フッ素置換されたアルキル基は、好ましくは、CF-R-(式中、Rは炭素数2以上7以下、好ましくは2以上5以下のアルキレン基である。)で表される基である。
は、トリフルオロプロピル基、炭素数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基であることがより更に好ましく、トリフルオロプロピル基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、又はn-ブチル基であることがより更に好ましく、トリフルオロプロピル基、メチル基又はn-プロピル基であることがより更に好ましく、メチル基であることがより更に好ましい。
成分(A)は、さらに、RSiO3/2で表されるT単位、及び(RSiO2/2で表されるD単位からなる群から選ばれる1種以上の単位を含んでいてもよい。Rは前記と同じである。
但し、皮膜形成性、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、成分(A)を構成する全単位中のM単位及びQ単位の割合は高い方が好ましい。具体的には、成分(A)中のM単位、Q単位、T単位及びD単位の合計モル数に対するM単位及びQ単位の合計モル数の割合は、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上、より更に好ましくは90%以上であり、また、100%以下である。
成分(A)としては、トリメチルシロキシケイ酸、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、フッ素変性アルキルジメチルシロキシケイ酸、又はこれらシロキシケイ酸類をジメチコノール等により架橋したクロスポリマー等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。フッ素変性アルキルジメチルシロキシケイ酸としては、トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸が挙げられ、INCI名「トリフルオロプロピルジメチル/トリメチルシロキシシリケート(Trifluoropropyldimethyl/Trimethylsiloxysilicate)」の、トリフルオロプロピルジメチルトリメチルシロキシケイ酸等が挙げられる。また、シロキシケイ酸類をジメチコノール等により架橋したクロスポリマーとしては、INCI名「(トリメチルシロキシケイ酸/ジメチコノール)クロスポリマー」等が挙げられる。
中でも、皮膜形成性、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点からは、成分(A)としてはトリメチルシロキシケイ酸、トリフルオロプロピルジメチルトリメチルシロキシケイ酸及び(トリメチルシロキシケイ酸/ジメチコノール)クロスポリマーからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、トリメチルシロキシケイ酸及びトリフルオロプロピルジメチルトリメチルシロキシケイ酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、トリメチルシロキシケイ酸が更に好ましい。
トリメチルシロキシケイ酸としては種々のものが用いられるが、有効成分であるトリメチルシロキシケイ酸を、ジメチコンKF-96L-2cs(信越化学工業(株)製)に溶解させた50質量%溶液の粘度が、10mm/s以上であることが好ましく、15mm/s以上であることがより好ましく、20mm/s以上であることが更に好ましく、50mm/s以上であることがより更に好ましい。なお、これらの粘度は、後述する成分(C)の粘度と同様の方法により、25℃において測定した値である。
成分(A)のうちトリメチルシロキシケイ酸の市販品としては、KF-7312J(50質量%-デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、KF-9021(50質量%-デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、X-21-5249(50質量%-デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、X-21-5595(60質量%-イソドデカン溶液)、X-21-5616(60質量%-イソドデカン溶液)(以上、信越化学工業(株)製)、SS4267(35質量%-ジメチルポリシロキサン溶液)、SR1000、SS4230(45質量%-シクロペンタシロキサン溶液)、SS4267(35質量%-ジメチルポリシロキサン溶液)、Silsoft74(75質量%-イソドデカン溶液)(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、BY11-018(30質量%-シクロペンタシロキサン溶液)、MQ-1600 Solid Resin(以上、ダウ・東レ(株)製)、BELSIL TMS 803(旭化成ワッカーシリコーン(株)製)等が挙げられる。
フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸の市販品としては、SilShine 151(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等が挙げられる。
フッ素変性アルキルジメチルシロキシケイ酸の市販品としては、INCI名「トリフルオロプロピルジメチル/トリメチルシロキシシリケート(Trifluoropropyldimethyl/Trimethylsiloxysilicate)」である、XS66-B8226(50質量%-シクロペンタシロキサン溶液)、XS66-C1191、XS66-B8636(50質量%-ジメチコン溶液)(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等が挙げられる。
また、トリメチルシロキシケイ酸のクロスポリマーの市販品としては、DOWSIL FC-5002 IDD Resin Gum((トリメチルシロキシケイ酸/ジメチコノール)クロスポリマーの40質量%-イソドデカン溶液)(ダウ・東レ(株)製)等が挙げられる。
<成分(B):成分(A)以外の皮膜形成性ポリマー>
成分(B)は、前記成分(A)以外の皮膜形成性ポリマーである。成分(B)は、通常化粧料に用いられる皮膜形成性ポリマーを使用することができるが、25℃で固体のものが好ましい。
成分(B)としては、シリコーン系皮膜形成性ポリマー、非シリコーン系皮膜形成性ポリマーのいずれも用いることができる。
成分(B)として用いられるシリコーン系皮膜形成性ポリマーとしては、RSiO3/2で表されるT単位を含み、SiO4/2で表されるQ単位を実質的に含まないシリコーン樹脂(Rは前記と同じである。)、ポリシロキサン部分と、非シリコーン有機鎖からなる部分とを含むシリコーンポリマー、等が挙げられる。なお、Q単位を実質的に含まないシリコーン樹脂とは、シリコーン樹脂中のQ単位の構成比が1モル%未満であることを意味する。
SiO3/2で表されるT単位を含み、SiO4/2で表されるQ単位を実質的に含まないシリコーン樹脂(Rは前記と同じである。)としては、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリプロピルシルセスキオキサン、ポリフェニルシルセスキオキサン、ポリメチルフェニルシルセスキオキサン、フッ素変性アルキルジメチルポリシルセスキオキサン等のポリシルセスキオキサン類が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。フッ素変性アルキルジメチルポリシルセスキオキサンとしては、INCI名「(トリフルオロプロピルジメチルシロキシ/トリメチルシロキシ)シルセスキオキサン(Trifluoropropyldimethylsiloxy/Trimethylsiloxy Silsesquioxane)」等が挙げられる。
成分(B)として用いられる非シリコーン系皮膜形成性ポリマーとしては、非シリコーン系カチオン性ポリマー、非シリコーン系アニオン性ポリマー、非シリコーン系ノニオン性ポリマー、及び非シリコーン系両性ポリマーが挙げられる。これらのポリマーは、疎水性ポリマーであることが好ましい。
上記カチオン性ポリマーとしては、例えば、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩(ポリクオタニウム-11)(ガフカット734(Ashland Specialty Ingredients社製)、H.C.ポリマー(大阪有機化学工業(株)製))、ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体(スタイラーゼW-20(Ashland Specialty Ingredients社製))、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム(マーコート100(ルブリゾール社製))、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(マーコート550(ルブリゾール社製))、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(ガフカット440(Ashland Specialty Ingredients社製))、アンモニウム変性ヒドロキシエチルセルロース(ソフトキャット SL-30 ポリマー(ダウケミカル社製))、アクリルアミド・アクリル酸DMAPA・メタクリル酸メトキシPEGコポリマー等が挙げられる。
上記アニオン性ポリマーとしては、例えば、(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー(プラスサイズL-9540B、プラスサイズL-9600U、プラスサイズL-53等(互応化学工業(株)製))、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマー(プラスサイズL-9909B、プラスサイズL-9900(互応化学工業(株)製))、アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体(Dermacryl 79(アクゾノーベル社製))、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体(RESYN 28-2930(アクゾノーベル社製))、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体(ウルトラホールド8、ウルトラホールドStrong(BASF社製))、アクリル酸アルキル共重合体(アニセットNF-1000、アニセットHS-300等(大阪有機化学工業(株)製))、イソホロンジイソシアネート・ジメチロールプロピオン酸・(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)4,4’-イソプロピリデンジフェノール共重合体(DynamX(アクゾノーベル社製))等が挙げられる。
上記ノニオン性ポリマーとしては、例えば、(アクリレーツ/メタクリル酸メトキシPEG-23)コポリマー(プラスサイズL-188K(互応化学工業(株)製))、(ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー(プラスサイズL-2700、プラスサイズL-2714(互応化学工業(株)製))、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー(プラスサイズL-2200(互応化学工業(株)製))、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK17、ルビスコールK30、ルビスコールK90(BASF社製))、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA73E、ルビスコール37E(BASF社製))、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体(ガントレッツA-425、ガントレッツES-225(Ashland Specialty Ingredients社製))、ビニルピロリドン・メタクリルアミド・ビニルイミダゾール共重合体(ルビセットクリア(BASF社製))、ポリビニルカプロラクタム(ルビスコールプラス(BASF社製))等が挙げられる。
上記両性ポリマーとしては、例えば、アクリレーツ・アクリル酸ラウリル・アクリル酸ステアリル・メタクリル酸エチルアミンオキシド共重合体(ダイヤフォーマーZ651(三菱ケミカル(株)製))、メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(ユカフォーマーM75、ユカフォーマーR205(三菱ケミカル(株)製))、オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(アンフォーマー28-4910(アクゾノーベル社製))、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(アンフォーマーSH30(アクゾノーベル社製))等が挙げられる。
乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、成分(B)は、好ましくはシリコーン系皮膜形成性ポリマーであり、より好ましくは、ポリシロキサン部分と、非シリコーン有機鎖からなる部分とを含むシリコーンポリマーである。非シリコーン有機鎖からなる部分を構成する非シリコーン有機モノマーは、市場での入手のしやすさの観点から、好ましくはラジカル重合性のエチレン性不飽和モノマー、重縮合-重合性モノマー(例えば、ポリアミド、ポリエステル又はポリウレタンを生成するもの)、及び開環性モノマー(例えば、オキサゾリン又はカプロラクトン型のもの)から選択され得るものである。
成分(B)として用いられる、ポリシロキサン部分と、非シリコーン有機鎖からなる部分とを含むシリコーンポリマーとしては、下記成分(B-1)~(B-5)からなる群から選ばれる1種以上を含むものが好ましく挙げられる。
(B-1)アクリルシリコーンポリマー
(B-2)シリコーン変性脂環構造含有ポリマー
(B-3)シリコーン変性プルラン
(B-4)ポリウレア/ウレタンシリコーン
(B-5)オキサゾリン変性シリコーン
〔アクリルシリコーンポリマー(B-1)〕
成分(B-1)であるアクリルシリコーンポリマーとしては、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するアクリル系重合体、アクリル-シリコーン系グラフト共重合体、ポリシロキサン基よりなる構成単位及び不飽和単量体の重合体よりなる構成単位がスルフィド結合を介して結合された、グラフト型共重合体又は交互ブロック型共重合体等が挙げられる。
カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するアクリル系重合体としては、シリコーンデンドリマー・アクリル共重合体等が挙げられ、例えば、特開平11-1530号公報、特開2000-63225号公報等に記載された製造方法に従って製造できるものである。
カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するアクリル系重合体としては、INCI名「(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー(Acrylates/Polytrimethylsiloxymethacrylate Copolymer)」が好ましい。その市販品としては、DOWSIL FA 4001 CM Silicone Acrylate(30質量%-デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、DOWSIL FA 4002 ID Silicone Acrylate(40質量%-イソドデカン溶液)、DOWSIL FA 4003 DM Silicone Acrylate(40質量%-ジメチコン溶液)、DOWSIL FA 4004 ID Silicone Acrylate(40質量%-イソドデカン溶液)(以上、ダウ・東レ(株)製)等が挙げられる。
アクリル-シリコーン系グラフト共重合体は、分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物とアクリレート及び/又はメタクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとのラジカル重合体等が挙げられる。
分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物とアクリレート及び/又はメタクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとのラジカル重合体は、例えば、特開平2-25411号公報、特開平2-132141号公報等に記載されているものや、特開平3-162442号公報、特開2003-104825号公報等に記載のアクリル-シリコーン系グラフト共重合体を使用することができる。
アクリル-シリコーン系グラフト共重合体としては、INCI名「(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー(Acrylates/Dimethicone Copolymer)」が好ましい。その市販品としては、KP-545(30質量%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、KP-549(40質量%-メチルトリメチコン溶液)、KP-550(40質量%-イソドデカン溶液)(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
ポリシロキサン基よりなる構成単位及び不飽和単量体の重合体よりなる構成単位がスルフィド結合を介して結合された、グラフト型共重合体又は交互ブロック型共重合体としては、特開平6-92825号公報に記載されるグラフト型共重合体又は交互ブロック型共重合体等が挙げられる。
中でも、皮膜形成性、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点からは、成分(B-1)としては、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するアクリル系重合体及びアクリル-シリコーン系グラフト共重合体からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー及び(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマーからなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマーが更に好ましい。
〔シリコーン変性脂環構造含有ポリマー(B-2)〕
シリコーン変性脂環構造含有ポリマーとしては、例えば、シリコーン変性された環状ポリオレフィンが挙げられ、下記一般式(B-2-1)で表されるシリコーン変性ポリノルボルネンが好ましいものとして挙げられる。

(式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1以上12以下のアルキル基であり、Xは下記式(i)で表される基である。a1は1以上3以下の整数である。b1、c1は繰り返し単位数であり、それぞれ独立に1以上の整数である。)

(式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、d1は1以上5以下の整数である。)
前記一般式(B-2-1)中、Rはメチル基、エチル基、n-プロピル基、ブチル基、又はペンチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
Xは前記式(i)で表される基であり、式(i)中、Rはそれぞれ独立に炭素数1以上12以下の炭化水素基である。Rは好ましくは炭素数1以上12以下のアルキル基又はフェニル基であり、より好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基、よりさらに好ましくはメチル基である。d1は1以上5以下の整数であり、汎用性の観点から、d1=1が好ましい。すなわちXは、好ましくはトリメチルシロキシ基である。
a1は1以上3以下の整数であり、例えばa1=2の繰り返し単位とa1=3の繰り返し単位が混合して存在する重合体であってよい。汎用性の観点から、a1は3であることが好ましい。
前記一般式(B-2-1)中のb1とc1の割合は、好ましくはb1/c1=20/80~90/10(mol/mol)、より好ましくは30/70~80/20(mol/mol)であり、さらに好ましくは50/50~70/30(mol/mol)である。b1とc1の割合は、H-NMR測定により求めることができる。
シリコーン変性ポリノルボルネンとしては、下記式(B-2-2)で表されるシリコーン変性ポリノルボルネンがより好ましい。

(式中、b1、c1は前記と同じである。)
式(B-2-2)で表されるシリコーン変性ポリノルボルネンとしては、INCI名「(ノルボルネン/トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネン)コポリマー(NORBORNENE/TRIS(TRIMETHYLSILOXY)SILYLNORBORNENE COPOLYMER)」で表記される化合物が挙げられる。
市販のシリコーン変性ポリノルボルネンとしては、NBN-30-ID((ノルボルネン/トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネン)コポリマーのイソドデカン溶液)(信越化学工業(株))等が挙げられる。
〔シリコーン変性プルラン(B-3)〕
シリコーン変性プルランとしては、側鎖にシリコーン構造を有するプルランが挙げられ、具体的には、プルラン中のOH基の水素原子の少なくとも一部が下記一般式(ii)で表される基で置換されたシリコーン変性プルランが好ましい。

式中、Rは単結合又は2価の有機基である。R、X、a1は前記と同じであり、汎用性の観点から、Xは好ましくはトリメチルシロキシ基、a1は好ましくは3である。
一般式(ii)において、Rは2価の有機基であることが好ましく、下記一般式(iii)又は(iv)で表される2価の基がより好ましく、下記一般式(iv)で表される2価の基がより好ましい。

式中、Rは炭素数1以上10以下のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が例示される。これらの中でもエチレン基、トリメチレン基、プロピレン基が好ましく、トリメチレン基又はプロピレン基がより好ましい。
市販のシリコーン変性プルランとしては、TSPL-30-ID(トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルランのイソドデカン溶液)、TSPL-30-D5(トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルランのシクロペンタシロキサン溶液)(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
〔ポリウレア/ウレタンシリコーン(B-4)〕
成分(B-4)であるポリウレア/ウレタンシリコーンとしては、ポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタンブロックターポリマーが挙げられる。例えば、INCI名「ポリ尿素ジメチコーン」の、ジメチルポリシロキサン/尿素コポリマー等である。
該ポリマーは、α,ω-アミノシリコーンとジイソシアネートとの共重合により得ることができる。市販のポリウレア/ウレタンシリコーンとしては、例えば、Wacker-Belsil UD 60、Wacker-Belsil UD 80、Wacker-Belsil UD 140及びWacker-Belsil UD 200(以上、Wacker社製)等が挙げられる。
〔オキサゾリン変性シリコーン(B-5)〕
成分(B-5)であるオキサゾリン変性シリコーンとしては、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(B-5-1):

(式中、Rは水素原子、炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数7以上22以下のアラルキル基又は炭素数6以上22以下のアリール基を示し、nは2又は3である。)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンが挙げられる。
ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントは、オルガノポリシロキサンセグメントを構成する任意のケイ素原子に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して少なくとも2つ結合することが可能であるが、両末端を除く1以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることが好ましく、両末端を除く2以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることがより好ましい。
ヘテロ原子を含むアルキレン基は、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの連結基として機能する。かかるアルキレン基としては、例えば、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1~3個含む、炭素数2以上20以下のアルキレン基が例示される。
一般式(B-5-1)中のRにおいて、炭素数1以上22以下のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上22以下の、直鎖、分岐又は環状アルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ドコシル基等が例示される。これらの中でも、炭素数1以上10以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上6以下のアルキル基がより好ましい。
一般式(B-5-1)中のRにおいて、炭素数7以上22以下のアラルキルとしては、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、トリチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基等が例示される。これらの中でも、毛髪又は頭飾製品用繊維へのボリューム感の付与性の観点から、炭素数7以上14以下のアラルキル基が好ましく、炭素数7以上10以下のアラルキル基がより好ましい。
一般式(B-5-1)中のRにおいて、炭素数6以上22以下のアリール基としては、具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基等が例示される。これらの中でも、毛髪又は頭飾製品用繊維へのボリューム感の付与性の観点から、炭素数6以上14以下のアリール基が好ましく、炭素数6以上12以下のアリール基がより好ましい。
上記の中でも、一般式(B-5-1)中のRは、好ましくは炭素数1以上22以下、より好ましくは炭素数1以上10以下、更に好ましくは炭素数1以上6以下、より更に好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基である。
成分(B-5)であるオキサゾリン変性シリコーンとしては、ポリ(N-ホルミルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N-アセチルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)オルガノシロキサン等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。中でも、INCI名「ポリシリコーン-9」で表記されるポリマーが好ましく用いられる。
成分(B)は1種又は2種以上を用いることができる。上記の中でも、皮膜形成性、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、成分(B)としては、前記成分(B-1)~(B-5)からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、成分(B-1)であるアクリルシリコーンポリマー、及び、成分(B-5)であるオキサゾリン変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、成分(B-1)であるアクリルシリコーンポリマーを含むことが更に好ましい。
より具体的には、皮膜形成性、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、成分(B)は、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー及びオキサゾリン変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー及びオキサゾリン変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマーを含むことが更に好ましい。
成分(B)中の成分(B-1)及び成分(B-5)の合計含有量は、皮膜形成性、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%以下である。
<成分(C):高分子量オルガノポリシロキサン>
本発明の処理剤は、成分(C)として、重合度が2,200以上20,000以下の高分子量オルガノポリシロキサンを含有する。
成分(C)の重合度は、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、2,200以上であり、好ましくは2,600以上、より好ましくは2,900以上、更に好ましくは3,200以上であり、入手性の観点から、20,000以下であり、好ましくは10,000以下、より好ましくは4,500以下、更に好ましくは4,000以下、より更に好ましくは3,900以下である。そして、成分(C)の重合度は、2,200以上20,000以下であり、好ましくは2,600以上10,000以下、より好ましくは2,600以上4,500以下、より更に好ましくは2,900以上4,000以下、より更に好ましくは3,200以上3,900以下である。
より詳細には、成分(C)は、下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。

(式中、R11はそれぞれ独立に、炭素数1以上6以下の炭化水素基を示し、R12はそれぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素数1以上6以下の炭化水素基を示す。R13は炭素数1以上6以下の炭化水素基、又は第一級~第三級アミノ基含有基を示す。mは重合度を示し、2,200以上20,000以下の数である。m個のR13は互いに同一でもよく、異なっていてもよい。)
一般式(1)中、R11における炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基のいずれでもよく、例えば、アルキル基、アルケニル基、フェニル基等が挙げられる。アルキル基及びアルケニル基は、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよい。
上記の中でも、R11は、好ましくは炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基であり、より好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基又はフェニル基であり、更に好ましくはメチル基又はフェニル基であり、より更に好ましくはメチル基である。
一般式(1)中、R12はそれぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素数1以上6以下の炭化水素基を示す。
12におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
12における炭化水素基は、R11と同じであり、好ましくは炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基であり、より好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基又はフェニル基であり、更に好ましくはメチル基又はフェニル基であり、より更に好ましくはメチル基である。
12は、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、好ましくはヒドロキシ基、炭素数1以上6以下のアルキル基、又はフェニル基であり、より好ましくはヒドロキシ基、炭素数1以上3以下のアルキル基、又はフェニル基であり、更に好ましくはヒドロキシ基、メチル基、又はフェニル基であり、より更に好ましくはメチル基である。
一般式(1)中、R13は炭素数1以上6以下の炭化水素基、又は第一級~第三級アミノ基含有基を示す。
13における炭化水素基は、R11と同じであり、好ましくは炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基であり、より好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基又はフェニル基であり、更に好ましくはメチル基又はフェニル基であり、より更に好ましくはメチル基である。
13における第一級~第三級アミノ基含有基(以下、単に「アミノ基含有基」ともいう)は、-N(R14、-NR14(CHN(R14、又は-NR14(CHN(R15)CO-R16で示される基であることが好ましい。ここで、R14は水素原子又は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示し、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基である。R15は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示し、好ましくはメチル基又はエチル基である。R16は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示す。pは2以上6以下の数を示し、好ましくは2以上4以下の数である。
13における好ましいアミノ基含有基は、-(CH-NH、-(CH-N(CH、-(CH-NH-(CH-NH、又は-(CH-NH-(CH-N(CHであり、より好ましくは-(CH-NHである。
13は、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、好ましくは炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基であり、更に好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基又はフェニル基であり、より更に好ましくはメチル基又はフェニル基であり、より更に好ましくはメチル基である。
一般式(1)中、mは重合度を示し、2,200以上20,000以下の数である。乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、mは、好ましくは2,600以上、より好ましくは2,900以上、より更に好ましくは3,200以上であり、入手性の観点から、好ましくは10,000以下、より好ましくは4,500以下、更に好ましくは4,000以下、より更に好ましくは3,900以下である。そして、一般式(1)中のmは、2,200以上20,000以下であり、好ましくは2,600以上10,000以下、より好ましくは2,600以上4,500以下、更に好ましくは2,900以上4,000以下、より更に好ましくは3,200以上3,900以下である。
成分(C)の粘度は、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、好ましくは100万mm/s以上、より好ましくは300万mm/s以上、更に好ましくは500万mm/s以上、より更に好ましくは1,000万mm/s以上である。また、入手性の観点から、好ましくは12,500万mm/s以下、より好ましくは5,000万mm/s以下、更に好ましくは4,000万mm/s以下である。
そして、成分(C)の粘度は、好ましくは100万mm/s以上12,500万mm/s以下、より好ましくは300万mm/s以上12,500万mm/s以下、更に好ましくは500万mm/s以上5,000万mm/s以下、より更に好ましくは1,000万mm/s以上4,000万mm/s以下である。
上記粘度は、JIS Z8803:2011「液体の粘度測定方法」に基づき、25℃において測定した値である。例えば、細管粘度計、落球式粘度計、回転式粘度計、振動式粘度計から適切なものを選択して測定することができる。また、粘度計の常用測定範囲を超える場合には、下記の方法により、成分(C)の希釈溶液から求めることができる。
1g/100mL濃度の成分(C)のトルエン溶液を調製し、下記数式(1)により比粘度ηsp(25℃)を求める。次に下記数式(2)に示すHugginsの関係式に代入し、固有粘度〔η〕を求める。さらに〔η〕を下記数式(3)に示すA.Kolorlovの式に代入し、分子量Mを求める。最後に、Mを下記数式(4)に示すA.J.Barryの式に代入し、成分(C)の粘度ηを求めることができる(例えば、信越化学工業(株)、シリコーンオイルKF-96性能試験結果4.2参照)。
ηsp=(η/η0)-1 (1)
(但し、η0:トルエンの粘度、η:溶液の粘度)
ηsp=〔η〕+K’〔η〕2 (2)
(但し、K’:Huggins定数は、中牟田、日化、77588[1956]に記載のものを用いる。)
〔η〕=0.215×10-40.65 (3)
logη=1.00+0.0123M0.5(4)
成分(C)として用いられるジメチルポリシロキサンの市販品としては、X-25-9074(粘度3,000万mm/s)(信越化学工業(株)製)、Silsoft B3020(粘度2,000万mm/s)(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等が挙げられる。
成分(C)は、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、好ましくは重合度が前記範囲である、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノプロピルメチルポリシロキサン、及びジメチコノールからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは重合度が前記範囲であるジメチルポリシロキサンである。
<含有量>
毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(A)の含有量は、皮膜形成性、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上、より更に好ましくは2.0質量%以上であり、また、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触向上の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは5.0質量%以下である。そして、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(A)の含有量は、好ましくは0.5質量%以上30質量%以下、より好ましくは1.0質量%以上20質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以上10質量%以下、より更に好ましくは2.0質量%以上5.0質量%以下である。
毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(B)の含有量は、皮膜形成性、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、より更に好ましくは1.5質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下である。そして、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(B)の含有量は、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上25質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以上20質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以上15質量%以下である。
毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(A)及び成分(B)の合計含有量は、皮膜形成性、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは4質量%以上である。また、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触向上、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下である。そして、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(A)及び成分(B)の合計含有量は、好ましくは1質量%以上50質量%以下、より好ましくは2質量%以上40質量%以下、更に好ましくは2質量%以上30質量%以下、より更に好ましくは2質量%以上20質量%以下、より更に好ましくは3質量%以上15質量%以下、より更に好ましくは4質量%以上15質量%以下である。
また、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(A)及び成分(B)の合計含有量に対する成分(A)の含有量の質量比〔(A)/{(A)+(B)}〕は、皮膜形成性、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.10以上、更に好ましくは0.15以上、より更に好ましくは0.20以上である。また、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、好ましくは0.98以下、より好ましくは0.90以下、更に好ましくは0.80以下、より更に好ましくは0.60以下である。そして、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(A)及び成分(B)の合計含有量に対する成分(A)の含有量の質量比〔(A)/{(A)+(B)}〕は、好ましくは0.05以上0.98以下、より好ましくは0.10以上0.90以下、更に好ましくは0.15以上0.80以下、より更に好ましくは0.20以上0.60以下である。
毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(C)の含有量は、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは0.10質量%以上であり、また、べたつきを抑制し、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触を維持する観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下、より更に好ましくは3.0質量%以下である。そして、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(C)の含有量は、好ましくは0.01質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.02質量%以上10質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以上5.0質量%以下、より更に好ましくは0.10質量%以上3.0質量%以下である。
また、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(A)及び成分(B)の合計含有量に対する成分(C)の含有量の質量比〔(C)/{(A)+(B)}〕は、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触向上の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.2以上である。また、洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.3以下である。そして、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(A)及び成分(B)の合計含有量に対する成分(C)の含有量の質量比〔(C)/{(A)+(B)}〕は、好ましくは0.01以上3以下、より好ましくは0.05以上2以下、更に好ましくは0.1以上0.5以下、より更に好ましくは0.2以上0.3以下である。
<成分(D):揮発性溶剤>
本発明の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は、前記成分(A)~(C)を溶解又は分散させる観点、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤を毛髪又は頭飾製品用繊維に適用した際の乾燥速度を向上させて、成分(C)が表面側(空気側)に偏在した相分離構造を有する皮膜を効率よく形成する観点、べたつきを抑制し、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触を向上させる観点、並びに、毛髪又は頭飾製品用繊維に適用しやすい粘度に調整する観点から、さらに成分(D)として揮発性溶剤を含有することが好ましい。
揮発性溶剤としては、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、シリコーン系溶剤等が挙げられ、剤型に応じて適宜選択することができる。
成分(D)として用いられるアルコール系溶剤としては、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等が挙げられる。
炭化水素系溶剤としては、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、デカン、イソデカン、ドデカン、イソドデカン、トリデカン、イソトリデカン、テトラデカン、イソテトラデカン、軽質流動イソパラフィン(炭素数8~16のイソパラフィンを主成分とするもの)等が挙げられる。
また、シリコーン系溶剤としては、環状シリコーン、25℃における粘度が10mm/s以下のジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン等のアルキルトリメチコン、25℃における粘度が20mm/s以下のメチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。成分(D)は、上記のうち1種又は2種以上を用いることができる。
成分(A)~(C)の溶解又は分散性の観点、乾燥速度向上の観点、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触向上の観点から、成分(D)としては、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、及びシリコーン系溶剤からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、エタノール、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、デカン、イソデカン、ドデカン、イソドデカン、トリデカン、イソトリデカン、テトラデカン、イソテトラデカン及び軽質流動イソパラフィン、25℃における粘度が10mm/s以下のジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、25℃における粘度が20mm/s以下のメチルフェニルポリシロキサンからなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、25℃における粘度が5mm/s以下のジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、イソデカン、イソドデカン、イソテトラデカン及び軽質流動イソパラフィンからなる群から選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、エタノール、イソデカン、イソドデカン、イソテトラデカン及び軽質流動イソパラフィンからなる群から選ばれる1種以上を含むことが更に好ましく、イソドデカンを含むことがより更に好ましい。
毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤が成分(D)を含有する場合、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(D)の含有量は、成分(A)~(C)の溶解又は分散性の観点、乾燥速度向上の観点、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触向上の観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上であり、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤を毛髪又は頭飾製品用繊維に適用しやすい粘度に調整する観点から、好ましくは98質量%以下、より好ましくは97質量%以下である。そして、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(D)の含有量は、好ましくは40質量%以上98質量%以下、より好ましくは50質量%以上97質量%以下、更に好ましくは60質量%以上97質量%以下である。
<成分(E):カチオン性界面活性剤>
本発明の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は、該処理剤に所望の性能を付与する観点、特に、湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触をより向上させる観点から、さらに成分(E)としてカチオン性界面活性剤を含有することができる。
カチオン性界面活性剤は、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤の態様、所望の性能等に応じ適宜選択することができる。特に、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤がリンス、コンディショニング剤、トリートメント剤、又はスタイリング剤である場合、湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触をより向上させる観点から、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は、成分(E)を含有することが好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、セチルトリメチルアンモニウムクロリド〔セトリモニウムクロリド〕、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド〔ステアルトリモニウムクロリド〕、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド〔ベヘントリモニウムクロリド〕等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド〔ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド〕、ステアロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等のアルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩;ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド等のジアルキルジメチルアンモニウム塩;パルミタミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(パルミタミドプロピルトリモニウムクロリド)等のアルキルアミドアルキルトリメチルアンモニウム塩;N,N-ジメチルベヘニルアミン、N,N-ジメチルステアリルアミン等のアルキルジメチルアミン及びその塩;N,N-ジメチル-3-ヘキサデシルオキシプロピルアミン、N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシプロピルアミン等のアルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩;並びに、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ドコサナミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ステアラミド等のアルキルアミドアルキルジメチルアミン及びその塩等が挙げられ、これらのうち1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の中でも、湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触をより向上させる観点から、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルアミドアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアミン及びその塩、アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、及びアルキルアミドアルキルジメチルアミン及びその塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、及びアルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、アルキルトリメチルアンモニウム塩、及びアルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩からなる群から選ばれる1種以上が更に好ましく、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド〔ステアルトリモニウムクロリド〕、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド〔ベヘントリモニウムクロリド〕、及びステアロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド〔ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド〕からなる群から選ばれる1種以上がより更に好ましい。
毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤が成分(E)を含有する場合、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(E)の含有量は、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触をより向上させる観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上、更に好ましくは0.20質量%以上であり、また、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下、より更に好ましくは2.0質量%以下である。そして、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤中の成分(E)の含有量は、好ましくは0.05質量%以上15質量%以下、より好ましくは0.10質量%以上10質量%以下、更に好ましくは0.10質量%以上5.0質量%以下、より更に好ましくは0.20質量%以上2.0質量%以下である。
本発明の処理剤は、前記成分以外に、通常毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤に用いられる成分、例えば、成分(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)以外の、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、防腐剤、増粘剤、感触向上剤、カチオンポリマー、pH調整剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、保湿剤、清涼剤等を含有することができる。
本発明の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は、毛髪又は頭飾製品用繊維に適用した後の乾燥速度を向上させ、成分(C)が表面側(空気側)に偏在した相分離構造を有する皮膜を効率よく形成し、耐洗髪性を向上する観点から、水の含有量が10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは5質量%未満、更に好ましくは2質量%未満である。
毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、固形油の含有量が少ないことが好ましい。固形油は25℃で固形の油剤であり、固形パラフィン等のパラフィン系ワックス、ポリエチレンワックス等のポリオレフィン系ワックス、蜜蝋等が挙げられる。その含有量は、前記処理剤中、好ましくは50質量%未満、より好ましくは20質量%未満、更に好ましくは10質量%未満、より更に好ましくは5質量%未満、より更に好ましくは1質量%未満である。
毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、成分(C)、(E)以外の不揮発性液状油剤の含有量が少ないことが好ましい。不揮発性液状油剤とは、常圧で260℃を超える沸点を有し且つ25℃において液状の油剤であり、例えば、成分(C)、(E)以外の不揮発性液状シリコーン;トリオクタン酸グリセリル、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、ダイズ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマシ油、綿実油、ミンク油等のトリグリセリド;オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸イソデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2-エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、ジメチルジエチルベンザルマロネート等のエステル油;2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の分岐又は不飽和の高級アルコール等が挙げられる。その含有量は、前記処理剤中、好ましくは50質量%未満、より好ましくは40質量%未満、更に好ましくは30質量%未満、より更に好ましくは20質量%未満、より更に好ましくは10質量%未満である。
毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は、毛髪又は頭飾製品用繊維に適用した後の乾燥速度向上の観点から、デカメチルシクロペンタシロキサン等の、揮発性環状シリコーンの含有量が少ないことが好ましい。揮発性環状シリコーンは他の揮発性溶剤より揮発時間が遅く、毛髪又は頭飾製品用繊維に適用した後の乾燥時間が長くなる傾向があるためである。前記処理剤中の揮発性環状シリコーンの含有量は、好ましくは5質量%未満、より好ましくは2質量%未満、更に好ましくは1質量%未満、より更に好ましくは0.5質量%未満、より更に好ましくは0.1質量%未満であり、より更に好ましくは0質量%である。
毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、多価アルコールの含有量が少ないことが好ましい。当該多価アルコールとしては、常圧で260℃を超える沸点を有する多価アルコールが挙げられ、プロピレングリコール、グリセリン等を例示できる。その含有量は、前記処理剤中、好ましくは5質量%未満、より好ましくは2質量%未満、更に好ましくは1質量%未満、より更に好ましくは0.5質量%未満、より更に好ましくは0.1質量%未満である。
毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤は、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、成分(A)、(B)及び(C)以外のオイルゲル化剤の含有量が少ないことが好ましい。成分(A)、(B)及び(C)以外のオイルゲル化剤としては、パルミチン酸デキストリン、12-ヒドロキシステアリン酸等を例示できる。その含有量は、前記処理剤中、好ましくは10質量%未満、より好ましくは5質量%未満、更に好ましくは2質量%未満、より更に好ましくは1質量%未満、より更に好ましくは0.5質量%未満である。
<剤型等>
本発明の処理剤の剤型は特に限定されず、製品形態に応じて、液状(オイル・ローション等)、ペースト、ミルク、クリーム、ジェル、ワックス、エアゾールフォーム、ノンエアゾールフォーム、ミスト、スプレー等の剤型にすることができる。好ましくはオイル、ミルク、クリーム、ジェル、ミスト又はスプレーである。より好ましくは、オイル、ミスト、スプレーである。また、本発明の処理剤は水の含有量が10質量%以下であり、非水系の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤であることがより好ましい。ここで、非水系の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤とは水の含有量が1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満の処理剤を意味する。
本発明の処理剤は、常法に従って製造することができる。
本発明の処理剤の好ましい剤型の粘度は、使用感の観点から、好ましくは1.0mPa・s以上であり、より好ましくは1.5mPa・s以上であり、更に好ましくは1.7mPa・s以上であり、塗布性の観点から、好ましくは1,000mPa・s以下であり、より好ましくは500mPa・s以下であり、更に好ましくは250mPa・s以下であり、より更に好ましくは100mPa・s以下であり、より更に好ましくは20mPa・s以下である。そして、処理剤の粘度は、好ましくは1.0mPa・s以上1,000mPa・s以下であり、より好ましくは1.5mPa・s以上500mPa・s以下であり、更に好ましくは1.7mPa・s以上250mPa・s以下であり、より更に好ましくは1.7mPa・s以上100mPa・s以下であり、より更に好ましくは1.7mPa・s以上20mPa・s以下である。
上記処理剤の粘度は30℃において、B型粘度計を用いて測定される値であり、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
[毛髪又は頭飾製品用繊維の処理方法]
本発明は、前記処理剤を毛髪又は頭飾製品用繊維に適用し、次いで乾燥させる工程を有する、毛髪又は頭飾製品用繊維の処理方法(以下「本発明の処理方法」ともいう)を提供する。
本発明の処理剤は、均一系でない場合は、均一塗布性の観点、形成される皮膜の構造の均一性向上の観点から、毛髪又は頭飾製品用繊維への適用前に一時的に相溶又は分散させてから毛髪又は頭飾製品用繊維に適用することが好ましい。一時的に相溶又は分散させる手段としては、加熱などの熱力学的手段、機械的に剪断応力を加えるなどの物理的手段又は相溶性のある溶剤を添加するなどの化学的手段等を任意に利用することができる。使用者の利便性の観点から、好ましくは攪拌、振盪等の物理的手段によって均一に相溶又は分散させておくことが好ましい。
本発明の処理方法において、毛髪又は頭飾製品用繊維に対する処理剤の適用量は特に制限されないが、通常、毛髪又は頭飾製品用繊維1g当たり、0.005~1gの範囲である。
本発明の処理方法では、前記処理剤を毛髪又は頭飾製品用繊維に適用し、次いで乾燥させる工程を有する。前記処理剤は、乾燥状態、湿潤状態のいずれの毛髪又は頭飾製品用繊維にも適用することができるが、乾燥状態及び湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性の持続効果向上の観点から、好ましくは乾燥状態の毛髪又は頭飾製品用繊維に適用し、次いで乾燥させて、洗い流さずに使用されることが好ましい。
前記処理剤の適用方法としては、塗布、噴霧、流延等が挙げられ、処理剤の剤型に応じて適宜選択することができる。前記処理剤を毛髪又は頭飾製品用繊維に塗布する場合は、手で塗布してもよく、刷毛等の塗布具を用いてもよい。
前記処理剤を適用した後の毛髪又は頭飾製品用繊維の乾燥は、自然乾燥でもよく、フード、ヘアドライヤー等のデバイス等を用いて乾燥させてもよい。前記デバイスを使用する場合には、毛髪又は頭飾製品用繊維の熱ダメージを抑える観点から、40℃以上220℃以下の温度をかけて乾燥することが好ましい。より好ましくはフード又はヘアドライヤーによる乾燥であり、その乾燥温度は、好ましくは40℃以上110℃以下、より好ましくは50℃以上90℃以下である。ここで温度とは、毛髪表面又は頭飾製品用繊維表面の温度を指し、例えば、赤外線放射温度計によって測定することができる。
乾燥時間は、皮膜が毛髪表面又は頭飾製品用繊維表面に実質的に形成される範囲であれば特に制限されず、毛髪又は頭飾製品用繊維の量及び質により適宜調整されるが、例えば10秒から120分の範囲で行うことができる。
乾燥後は毛髪又は頭飾製品用繊維をばらけさせるためにブラッシング等を行ってもよい。
本発明の処理方法により処理された毛髪又は頭飾製品用繊維は、乾燥状態での感触が良好である。また、毛髪又は頭飾製品用繊維に前記処理剤を適用し乾燥後、洗浄し、すすぎを行う際の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触(湿潤状態の毛髪又は頭飾製品用繊維の感触)も良好になる。
本発明の処理方法により処理された毛髪又は頭飾製品用繊維をスタイリングする際には、毛髪又は頭飾製品用繊維の形付け効果及びその持続性向上の観点から、毛髪又は頭飾製品用繊維を加温しながら形付けする工程(熱セット工程)を行うことができる。
毛髪又は頭飾製品用繊維を加温する方法としては、ヘアドライヤー、ヘアアイロン、ホットカーラー等のデバイスを用いる方法が挙げられる。
毛髪又は頭飾製品用繊維を加温する際の毛髪表面又は頭飾製品用繊維表面の温度は、毛髪又は頭飾製品用繊維の形付け効果及びその持続性向上の観点、自然な仕上がりを得る観点から、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃以上、より更に好ましくは70℃以上、より更に好ましくは75℃以上である。また、自然な仕上がりを得るとともに、毛髪又は頭飾製品用繊維の熱ダメージを抑制する観点から、毛髪又は頭飾製品用繊維を加温する際の毛髪表面又は頭飾製品用繊維表面の温度は、好ましくは220℃以下であり、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは190℃以下、より更に好ましくは150℃以下である。毛髪又は頭飾製品用繊維の加温時間は、毛髪又は頭飾製品用繊維に所望の形付けを行うことができる範囲であればよい。ここで毛髪又は頭飾製品用繊維の表面温度は、例えば赤外線放射温度計によって測定することができる。
上述の実施形態に関し、本発明は下記を開示する。
<1>
下記成分(A)~(C):
(A)(RSiO1/2(Rはフッ素置換されていてもよい炭素数1以上12以下の炭化水素基又はヒドロキシ基を示す。複数のRは互いに同一でもよく、異なっていてもよい。)で表されるM単位及びSiO4/2で表されるQ単位を含む皮膜形成性ポリマー
(B)前記成分(A)以外の皮膜形成性ポリマー
(C)重合度が2,200以上20,000以下の高分子量オルガノポリシロキサン
を含有し、水の含有量が10質量%以下である、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤。
<2>
前記成分(A)中の前記M単位、前記Q単位、RSiO3/2で表されるT単位及び(RSiO2/2で表されるD単位(Rは前記と同じである。)の合計モル数に対する前記M単位及び前記Q単位の合計モル数の割合が、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上、より更に好ましくは90%以上であり、100%以下である、<1>に記載の処理剤。
<3>
前記成分(A)が、トリメチルシロキシケイ酸、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、フッ素変性アルキルジメチルシロキシケイ酸、及びこれらシロキシケイ酸類をジメチコノールにより架橋したクロスポリマーからなる群から選ばれる1種以上、好ましくはトリメチルシロキシケイ酸、トリフルオロプロピルジメチルトリメチルシロキシケイ酸及び(トリメチルシロキシケイ酸/ジメチコノール)クロスポリマーからなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはトリメチルシロキシケイ酸及びトリフルオロプロピルジメチルトリメチルシロキシケイ酸からなる群から選ばれる1種以上、更に好ましくはトリメチルシロキシケイ酸である、<1>又は<2>に記載の処理剤。
<4>
前記トリメチルシロキシケイ酸が、有効成分である該トリメチルシロキシケイ酸をジメチコンKF-96L-2csに溶解させた50質量%溶液の25℃における粘度が、好ましくは10mm/s以上、より好ましくは15mm/s以上、更に好ましくは20mm/s以上、より更に好ましくは50mm/s以上である、<1>~<3>のいずれか1に記載の処理剤。
<5>
前記成分(B)が、好ましくはシリコーン系皮膜形成性ポリマーであり、より好ましくは、RSiO3/2で表されるT単位を含み、SiO4/2で表されるQ単位を実質的に含まないシリコーン樹脂(Rは前記と同じである。)、及び、ポリシロキサン部分と、非シリコーン有機鎖からなる部分とを含むシリコーンポリマーからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは、ポリシロキサン部分と、非シリコーン有機鎖からなる部分とを含むシリコーンポリマーであり、更に好ましくは、下記成分(B-1)~(B-5)からなる群から選ばれる1種以上を含む、<1>~<4>のいずれか1に記載の処理剤。
(B-1)アクリルシリコーンポリマー
(B-2)シリコーン変性脂環構造含有ポリマー
(B-3)シリコーン変性プルラン
(B-4)ポリウレア/ウレタンシリコーン
(B-5)オキサゾリン変性シリコーン
<6>
前記成分(B-1)であるアクリルシリコーンポリマーが、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するアクリル系重合体、アクリル-シリコーン系グラフト共重合体、並びに、ポリシロキサン基よりなる構成単位及び不飽和単量体の重合体よりなる構成単位がスルフィド結合を介して結合された、グラフト型共重合体又は交互ブロック型共重合体からなる群から選ばれる1種以上、好ましくは、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するアクリル系重合体及びアクリル-シリコーン系グラフト共重合体からなる群から選ばれる1種以上、より好ましくは、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー及び(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマーからなる群から選ばれる1種以上、更に好ましくは(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマーである、<5>に記載の処理剤。
<7>
前記成分(B-2)であるシリコーン変性脂環構造含有ポリマーが、シリコーン変性された環状ポリオレフィン、好ましくは、下記一般式(B-2-1)で表されるシリコーン変性ポリノルボルネン、より好ましくは下記式(B-2-2)で表されるシリコーン変性ポリノルボルネンである、<5>に記載の処理剤。

(式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1以上12以下のアルキル基であり、Xは下記式(i)で表される基である。a1は1以上3以下の整数である。b1、c1は繰り返し単位数であり、それぞれ独立に1以上の整数である。)

(式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、d1は1以上5以下の整数である。)

(式中、b1、c1は前記と同じである。)
<8>
前記成分(B-3)であるシリコーン変性プルランが、側鎖にシリコーン構造を有するプルラン、好ましくはプルラン中のOH基の水素原子の少なくとも一部が下記一般式(ii)で表される基で置換されたシリコーン変性プルランである、<5>に記載の処理剤。

式中、Rは単結合又は2価の有機基である。R、X、a1は前記と同じであり、Xは好ましくはトリメチルシロキシ基、a1は好ましくは3である。
<9>
前記成分(B-4)であるポリウレア/ウレタンシリコーンが、好ましくはポリシロキサン/ポリ尿素/ポリウレタンブロックターポリマーである、<5>に記載の処理剤。
<10>
前記成分(B-5)であるオキサゾリン変性シリコーンが、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(B-5-1):

(式中、Rは水素原子、炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数7以上22以下のアラルキル基又は炭素数6以上22以下のアリール基を示し、nは2又は3である。)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであり、好ましくはポリ(N-ホルミルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N-アセチルエチレンイミン)オルガノシロキサン、及びポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)オルガノシロキサンからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはINCI名「ポリシリコーン-9」で表記されるポリマーである、<5>に記載の処理剤。
<11>
前記成分(B)が、好ましくは成分(B-1)であるアクリルシリコーンポリマー、及び、成分(B-5)であるオキサゾリン変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上を含み、より好ましくは成分(B-1)であるアクリルシリコーンポリマーを含む、<5>~<10>のいずれか1に記載の処理剤。
<12>
前記成分(B)が、好ましくは(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー及びオキサゾリン変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上を含み、より好ましくは(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー及びオキサゾリン変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上を含み、更に好ましくは(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマーを含む、<1>~<11>のいずれか1に記載の処理剤。
<13>
前記成分(B)中の前記成分(B-1)及び前記成分(B-5)の合計含有量が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%以下である、<5>~<12>のいずれか1に記載の処理剤。
<14>
前記成分(C)の重合度が、好ましくは2,600以上10,000以下、より好ましくは2,600以上4,500以下、より更に好ましくは2,900以上4,000以下、より更に好ましくは3,200以上3,900以下である、<1>~<13>のいずれか1に記載の処理剤。
<15>
前記成分(C)が、下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサンである、<1>~<14>のいずれか1に記載の処理剤。

(式中、R11はそれぞれ独立に、炭素数1以上6以下の炭化水素基を示し、R12はそれぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素数1以上6以下の炭化水素基を示す。R13は炭素数1以上6以下の炭化水素基、又は第一級~第三級アミノ基含有基を示す。mは重合度を示し、2,200以上20,000以下の数である。m個のR13は互いに同一でもよく、異なっていてもよい。)
<16>
一般式(1)中、mは、好ましくは2,600以上10,000以下、より好ましくは2,600以上4,500以下、更に好ましくは2,900以上4,000以下、より更に好ましくは3,200以上3,900以下である、<15>に記載の処理剤。
<17>
前記成分(C)の25℃における粘度が、好ましくは100万mm/s以上12,500万mm/s以下、より好ましくは300万mm/s以上12,500万mm/s以下、更に好ましくは500万mm/s以上5,000万mm/s以下、より更に好ましくは1,000万mm/s以上4,000万mm/s以下である、<1>~<16>のいずれか1に記載の処理剤。
<18>
前記成分(C)が、好ましくはジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノプロピルメチルポリシロキサン、及びジメチコノールからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはジメチルポリシロキサンである、<1>~<17>のいずれか1に記載の処理剤。
<19>
前記処理剤中の前記成分(A)の含有量が、好ましくは0.5質量%以上30質量%以下、より好ましくは1.0質量%以上20質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以上10質量%以下、より更に好ましくは2.0質量%以上5.0質量%以下である、<1>~<18>のいずれか1に記載の処理剤。
<20>
前記処理剤中の前記成分(B)の含有量が、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上25質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以上20質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以上15質量%以下である、<1>~<19>のいずれか1に記載の処理剤。
<21>
前記処理剤中の前記成分(A)及び前記成分(B)の合計含有量が、好ましくは1質量%以上50質量%以下、より好ましくは2質量%以上40質量%以下、更に好ましくは2質量%以上30質量%以下、より更に好ましくは2質量%以上20質量%以下、より更に好ましくは3質量%以上15質量%以下、より更に好ましくは4質量%以上15質量%以下である、<1>~<20>のいずれか1に記載の処理剤。
<22>
前記処理剤中の前記成分(A)及び前記成分(B)の合計含有量に対する前記成分(A)の含有量の質量比〔(A)/{(A)+(B)}〕が、好ましくは0.05以上0.98以下、より好ましくは0.10以上0.90以下、更に好ましくは0.15以上0.80以下、より更に好ましくは0.20以上0.60以下である、<1>~<21>のいずれか1に記載の処理剤。
<23>
前記処理剤中の前記成分(C)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.02質量%以上10質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以上5.0質量%以下、より更に好ましくは0.10質量%以上3.0質量%以下である、<1>~<22>のいずれか1に記載の処理剤。
<24>
前記処理剤中の前記成分(A)及び前記成分(B)の合計含有量に対する前記成分(C)の含有量の質量比〔(C)/{(A)+(B)}〕が、好ましくは0.01以上3以下、より好ましくは0.05以上2以下、更に好ましくは0.1以上0.5以下、より更に好ましくは0.2以上0.3以下である、<1>~<23>のいずれか1に記載の処理剤。
<25>
前記処理剤が、さらに成分(D)として揮発性溶剤を含有する、<1>~<24>のいずれか1に記載の処理剤。
<26>
前記成分(D)が、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、及びシリコーン系溶剤からなる群から選ばれる1種以上である、<25>に記載の処理剤。
<27>
前記成分(D)が、好ましくはアルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、及びシリコーン系溶剤からなる群から選ばれる1種以上を含み、より好ましくはエタノール、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、デカン、イソデカン、ドデカン、イソドデカン、トリデカン、イソトリデカン、テトラデカン、イソテトラデカン及び軽質流動イソパラフィン、25℃における粘度が10mm/s以下のジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、25℃における粘度が20mm/s以下のメチルフェニルポリシロキサンからなる群から選ばれる1種以上を含み、更に好ましくは、25℃における粘度が5mm/s以下のジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、イソデカン、イソドデカン、イソテトラデカン及び軽質流動イソパラフィンからなる群から選ばれる1種以上を含み、より更に好ましくは、エタノール、イソデカン、イソドデカン、イソテトラデカン及び軽質流動イソパラフィンからなる群から選ばれる1種以上を含み、より更に好ましくはイソドデカンを含む、<26>に記載の処理剤。
<28>
前記処理剤中の前記成分(D)の含有量が、好ましくは40質量%以上98質量%以下、より好ましくは50質量%以上97質量%以下、更に好ましくは60質量%以上97質量%以下である、<25>~<27>のいずれか1に記載の処理剤。
<29>
前記処理剤が、さらに成分(E)としてカチオン性界面活性剤を含有する、<1>~<28>のいずれか1に記載の処理剤。
<30>
前記成分(E)が、好ましくはアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルアミドアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアミン及びその塩、アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、及びアルキルアミドアルキルジメチルアミン及びその塩からなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、及びアルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩からなる群から選ばれる1種以上、更に好ましくはアルキルトリメチルアンモニウム塩、及びアルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩からなる群から選ばれる1種以上、より更に好ましくはステアリルトリメチルアンモニウムクロリド〔ステアルトリモニウムクロリド〕、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド〔ベヘントリモニウムクロリド〕、及びステアロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド〔ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド〕からなる群から選ばれる1種以上である、<29>に記載の処理剤。
<31>
前記処理剤中の前記成分(E)の含有量が、好ましくは0.05質量%以上15質量%以下、より好ましくは0.10質量%以上10質量%以下、更に好ましくは0.10質量%以上5.0質量%以下、より更に好ましくは0.20質量%以上2.0質量%以下である、<29>又は<30>に記載の処理剤。
<32>
前記処理剤中の水の含有量が、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは5質量%未満、更に好ましくは2質量%未満である、<1>~<31>のいずれか1に記載の処理剤。
<33>
前記処理剤の30℃における粘度が、好ましくは1.0mPa・s以上1,000mPa・s以下であり、より好ましくは1.5mPa・s以上500mPa・s以下であり、更に好ましくは1.7mPa・s以上250mPa・s以下であり、より更に好ましくは1.7mPa・s以上100mPa・s以下であり、より更に好ましくは1.7mPa・s以上20mPa・s以下である、<1>~<32>のいずれか1に記載の処理剤。
<34>
前記処理剤が、毛髪又は頭飾製品用繊維に適用した後、洗い流さずに用いるものである、<1>~<33>のいずれか1に記載の処理剤。
<35>
前記処理剤が、洗浄剤、リンス、コンディショニング剤、トリートメント剤、スタイリング剤、染毛剤、又は育毛剤であり、好ましくはコンディショニング剤、トリートメント剤、又はスタイリング剤であり、より好ましくはスタイリング剤である、<1>~<34>のいずれか1に記載の処理剤。
<36>
<1>~<35>のいずれか1に記載の処理剤を毛髪又は頭飾製品用繊維に適用し、次いで乾燥させる工程を有する、毛髪又は頭飾製品用繊維の処理方法。
<37>
前記処理剤を、好ましくは乾燥状態の毛髪又は頭飾製品用繊維に適用し、次いで乾燥させて、洗い流さずに使用する、<36>に記載の処理方法。
<38>
<36>又は<37>に記載の処理方法により処理された毛髪又は頭飾製品用繊維を加温しながら形付けする工程を行う、毛髪又は頭飾製品用繊維のスタイリング方法。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。なお本実施例において、各種測定及び評価は以下の方法により行った。
<毛髪処理剤の粘度測定方法>
B型粘度計(東機産業(株)製、TVB-10、ローターL/Adp)を用い、30℃、ローターの回転速度が60r/m(実施例6のみ回転速度1.5r/m)の条件下で、毛髪処理剤の定常せん断粘度を測定した。
<乾燥状態での感触>
化学処理を受けていない日本人女性の直毛を用いて、長さ30cm、質量5gのトレスを作製した。これを下記組成のプレーンシャンプーで洗浄した後、ドライヤー(テスコム電機(株)製「Nobby プロフェッショナルプロテクトイオン ヘアードライヤーNIB3000[SPEEDモード])で完全に乾燥させた。
各例の毛髪処理剤を均一に混合し、上記トレスに浴比1:0.2(毛髪質量:毛髪処理剤質量)で塗布した。次いで前記ドライヤーを用いて、櫛通しを行いながらトレスから15cm離れた位置から温風を2分あて、その後1分間冷風をあてて乾燥させた。なお、毛髪表面温度は55-60℃であった。毛髪表面温度は、赤外線放射温度計(株式会社佐藤計量器製作所製「SK-8940」)を用い、毛髪トレスから10cmの位置より、毛髪に対して赤外線が垂直に照射されるようにして測定した。乾燥後のトレスの感触について、専門パネラー3名が下記基準で官能評価を行い、3名の合計点を算出した。
(評価基準)
5:べたつきを全く感じない
4:べたつきをほぼ感じない
3:べたつきをほとんど感じない
2:べたつきをやや感じる
1:べたつきを感じる
(プレーンシャンプーの組成)
成分 (質量%)
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
(*1) 15.5
ラウリン酸ジエタノールアミド(*2) 1.5
エデト酸4ナトリウム塩 0.3
安息香酸ナトリウム 1.43
精製水 残 量
計 100.0
*1:エマール227(花王(株)製、有効成分27質量%)として57.4質量%
*2:アミノーンL-02(花王(株)製)
<湿潤状態での感触>
「乾燥状態での感触」評価と同様の方法でトレスを作製し、該トレスに各例の毛髪処理剤を塗布し、次いで乾燥させた。乾燥後のトレスを前記組成のプレーンシャンプーで洗浄した後、40℃の温水ですすいだ際のトレスの感触について、専門パネラー3名が下記基準で官能評価を行い、3名の合計点を算出した。未処理トレスは、前記組成のプレーンシャンプーで洗浄した後、40℃の温水ですすいだものを使用した。
(評価基準)
5:なめらかで指通りがよい
4:ややなめらかで、指通りにほとんど引っ掛かりを感じない
3:未処理トレスと同等の指通りである
2:指通りにやや引っ掛かりを感じる
1:指通りが悪い
<スタイリング時のボリューム感の付与性>
化学処理を受けていないコーカシアン女性の直毛を用い、6cm×6cm角の範囲に、密度200本/cm、生え角60°で、長さ30cmの毛髪を植毛したトレスを作製した。これを前記組成のプレーンシャンプーで洗浄した後、ドライヤー(テスコム電機(株)製「Nobby プロフェッショナルプロテクトイオン ヘアードライヤーNIB3000[SPEEDモード]」)で完全に乾燥させた。
各例の毛髪処理剤を均一に混合し、上記トレスに浴比1:0.2(毛髪質量:毛髪処理剤質量)で塗布した。次いで前記ドライヤーを用いて、櫛通しを行いながらトレスから15cm離れた位置から温風を2分あてて乾燥させた。トレスを再度前記組成のプレーンシャンプーで洗浄した後タオルドライを行い、毛先が下向きになるようにした状態で、前記ドライヤーで完全に乾燥させた。乾燥後のトレスを逆さまにして台上に置いたときのボリューム感について、専門パネラー3名が下記基準で目視評価を行い、3名の合計点を算出した。未処理トレスは、前記組成のプレーンシャンプーで洗浄した後タオルドライを行い、毛先が下向きになるようにした状態で、前記ドライヤーで完全に乾燥させた後、同様にトレスを逆さまにして台上に置いて比較に用いた。なお、乾燥させる際の毛髪表面温度は55-60℃であった。毛髪表面温度は、赤外線放射温度計(株式会社佐藤計量器製作所製「SK-8940」)を用い、毛髪トレスから10cmの位置より、毛髪に対して赤外線が垂直に照射されるようにして測定した。
(評価基準)
5:ボリューム感がしっかりある
4:ボリューム感がある
3:ボリューム感がややある
2:ボリューム感が弱い
1:ボリューム感がない(未処理トレスと同等)
<熱セット性>
化学処理を受けていないコーカシアン女性のカーリー毛を使い、長さ30cm、質量1gのトレスを作製した。これを前記組成のプレーンシャンプーで洗浄した後、自然乾燥させた。
各例の毛髪処理剤を均一に混合し、上記トレスに浴比1:0.2(毛髪質量:毛髪処理剤質量)で塗布した。次いで前記ドライヤーを用いて、櫛通しを行いながらトレスから15cm離れた位置から温風を2分あて、その後1分間冷風をあてて乾燥させた。
乾燥後のトレスにおいて、フラットヘアアイロン(三木電器産業(株)製「One amデジタルヘアアイロンストレート用38mm AHI-938」、設定温度180℃)を用いて毛髪を挟み、速度10cm/秒でスライドさせてヒートスタイリングを行った。ヒートスタイリングを実施したトレスについて、専門パネラー3名が下記基準で目視評価を行い、3名の合計点を算出した。なお、アイロン施術時の毛髪表面温度は130-140℃であった。毛髪表面温度は、赤外線放射温度計(株式会社佐藤計量器製作所製「SK-8940」)を用い、毛髪トレスから10cmの位置より、毛髪に対して赤外線が垂直に照射されるようにして測定した。
(評価基準)
5:毛髪のカールはまっすぐに伸び、トレス全体がまとまっている
4:毛髪のカールは伸び、トレス全体がほぼまとまっている
3:毛髪のカールは伸びているが、トレスのまとまりが弱い
2:毛髪のカールはほぼ伸びているが、トレスのまとまりがない
1:毛髪のカールが伸びず、まとまりもない
<耐洗髪性(7回洗髪後のスタイリング時のボリューム感の付与性)>
上記の「スタイリング時のボリューム感の付与性」評価と同様に処理及び乾燥を行ったトレスについて、前記組成のプレーンシャンプーを用いて洗浄し、40℃の温水ですすぎ、乾燥する工程を6回行った。6回洗髪、乾燥した後のトレスについて、再度前記組成のプレーンシャンプーで洗浄した後タオルドライを行い、毛先が下向きになるようにした状態で、前記ドライヤーで完全に乾燥させた。乾燥後のトレスを逆さまにして台上に置いたときのボリューム感について、上記と同様にボリューム感を評価した。未処理トレスは、前記組成のプレーンシャンプーで洗浄した後タオルドライを行い、毛先が下向きになるようにした状態で、前記ドライヤーで完全に乾燥させ、比較に用いた。
<耐洗髪性(7回洗髪後の熱セット性)>
上記の「熱セット性」評価と同様に処理及び乾燥を行ったトレスについて、前記組成のプレーンシャンプーを用いて洗浄し、40℃の温水ですすぎ、乾燥する工程を7回行った。7回洗髪、乾燥した後のトレスについて、上記と同様にヒートスタイリングを行い、熱セット性を評価した。
実施例1~12、比較例1~6(毛髪処理剤(ヘアスタイリング剤)の調製及び評価)
表1~3に示す各成分を、表に記載の割合で配合し、均一になるまで混合して、毛髪処理剤を調製した。得られた毛髪処理剤を用いて、前記方法で各種評価を行った。結果を表1~3に示す。
なお、表1~3に記載の配合量(質量%)は、いずれも有効成分量である。
表に記載の成分は下記である。
*1:X-21-5595、信越化学工業(株)製、トリメチルシロキシケイ酸(有効成分量60質量%、溶媒:イソドデカン)(有効成分をジメチコンKF-96L-2csに溶解した50質量%溶液の25℃における粘度:120mm/s)
*2:X-21-5616、信越化学工業(株)製、トリメチルシロキシケイ酸(有効成分量60質量%、溶媒:イソドデカン)(有効成分をジメチコンKF-96L 2csに溶解した50質量%溶液の25℃における粘度:10mm/s)
*3:DOWSIL 680 ID Fluid、ダウ・東レ(株)製、ポリプロピルシルセスキオキサン(有効成分量75質量%、溶媒:イソドデカン)
*4:KP-550、信越化学工業(株)製、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー(有効成分量40質量%、溶媒:イソドデカン)
*5:ポリシリコーン-9、花王(株)製
*6:Silsoft B3020、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、高分子量ジメチルポリシロキサン(有効成分量20質量%、溶媒:イソドデカン)、25℃における粘度;2,000万mm/s(重合度3,546)
*7:KF-96H-10万cs、信越化学工業(株)製、高分子量ジメチルポリシロキサン(有効成分量100質量%)、25℃における粘度;10万mm/s(重合度1,429)
*8:マルカゾールR、丸善石油化学(株)製、イソドデカン(有効成分量100質量%)
*9:コータミンE-80K、花王(株)製、ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド(有効成分量45質量%)
なお、上記成分*6~7の重合度(P)については、粘度(η)から前記式(4)より分子量(M)を求め、重合度(P)はジメチルポリシロキサンの基本単位の分子量が74であることから、次式(5)より求めることができる。
P=M/74 (5)
表1~3より、本発明の毛髪処理剤を用いると、乾燥状態及び湿潤状態での感触、スタイリング時のボリューム感の付与性、熱セット性、及び7回洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性のいずれにおいても優れた効果を奏することがわかる。これに対し、成分(A)を含有しない比較例1、及び成分(B)を含有しない比較例2の毛髪処理剤では、スタイリング時のボリューム感の付与性及び7回洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性が低下した。成分(C)を含有しない比較例3の毛髪処理剤では、感触、及び7回洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性が低下し、水の含有量が10質量%を超える比較例4の毛髪処理剤では、7回洗髪後のボリューム感の付与性及び熱セット性が著しく低下した。
成分(A)に替えて、成分(A)に該当しない皮膜形成性ポリマー(Tレジン)を用いた比較例5、成分(C)に替えて、成分(C)に該当しないオルガノポリシロキサン(C’)を用いた比較例6では、いずれも乾燥状態での感触及び7回洗髪後のボリューム感の付与性が劣る結果となった。
以下に、本発明の毛髪処理剤(ヘアオイル)の処方例を示す。
処方例1-1(ヘアオイル)
(質量%)
(A)トリメチルシロキシケイ酸(MQレジン、Hard)(*1) 2.5
(B)(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー(*2)
2.0
(C)高分子量ジメチルポリシロキサン(2000万mm/s)(*3)
1.0
(D)イソドデカン(*4) 残 量
合計 100.0
(*1)X-21-5595、信越化学工業(株)製
(*2)DOWSIL FA 4004 ID Silicone Acrylate、ダウ・東レ(株)製
(*3)SILSOFT B3020、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製
(*4)マルカゾールR、丸善石油化学(株)製
処方例1-2(ヘアオイル)
(質量%)
(A)トリメチルシロキシケイ酸(MQレジン、Hard)(*1) 2.5
(B)(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー(*2)
2.0
(C)高分子量ジメチルポリシロキサン(2000万mm/s)(*3)
1.0
(D)イソドデカン(*4) 残 量
(D)エタノール 20.0
(E)ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド(*5) 0.48
合計 100.0
(*1)X-21-5595、信越化学工業(株)製
(*2)DOWSIL FA 4004 ID Silicone Acrylate、ダウ・東レ(株)製
(*3)SILSOFT B3020、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製
(*4)マルカゾールR、丸善石油化学(株)製
(*5)コータミンE-80K、花王(株)製
本発明の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤によれば、乾燥状態及び湿潤状態のいずれの毛髪又は頭飾製品用繊維に対しても良好な感触を付与することができ、スタイリング時に優れたボリューム感の付与性及び熱セット性を示し、洗髪後にもボリューム感の付与性及び熱セット性の低下を抑制することができる。

Claims (9)

  1. 下記成分(A)~(C):
    (A)(RSiO1/2(Rはフッ素置換されていてもよい炭素数1以上12以下の炭化水素基又はヒドロキシ基を示す。複数のRは互いに同一でもよく、異なっていてもよい。)で表されるM単位及びSiO4/2で表されるQ単位を含む皮膜形成性ポリマー
    (B)前記成分(A)以外の皮膜形成性ポリマー
    (C)重合度が2,200以上20,000以下の高分子量オルガノポリシロキサン
    を含有し、水の含有量が10質量%以下である、毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤。
  2. 前記処理剤中の前記成分(A)及び前記成分(B)の合計含有量が2質量%以上である、請求項1に記載の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤。
  3. 前記成分(C)の重合度が2,600以上4,500以下である、請求項1又は2に記載の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤。
  4. 前記成分(B)が、成分(B-1):アクリルシリコーンポリマーを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤。
  5. 前記処理剤が、さらに成分(D)として揮発性溶剤を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤。
  6. 前記処理剤が、さらに成分(E)としてカチオン性界面活性剤を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤。
  7. 前記処理剤が、毛髪又は頭飾製品用繊維に適用した後、洗い流さずに用いるものである、請求項1~6のいずれか1項に記載の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤。
  8. 前記処理剤がスタイリング剤である、請求項1~7のいずれか1項に記載の毛髪処理剤又は頭飾製品用繊維処理剤。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の処理剤を毛髪又は頭飾製品用繊維に適用し、次いで乾燥させる工程を有する、毛髪又は頭飾製品用繊維の処理方法。
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