JP2023180146A - 空中表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空中表示の見栄えを向上させること。【解決手段】実施形態の空中表示装置は、面状発光体と、再帰反射シートと、ハーフミラーと、所定の構造とを備える。前記面状発光体は、発光部を有する。前記再帰反射シートは、前記面状発光体の出射側に配置され、前記発光部に対応する位置に空中表示する図形を表した複数の貫通孔を有する遮光シートを前記発光部側に一体に有する。前記ハーフミラーは、前記再帰反射シートの出射側に配置される。前記構造は、前記再帰反射シートの前記遮光シート以外の部分に前記貫通孔に対応する本体側貫通孔が設けられる場合に前記本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止し、前記本体側貫通孔が設けられない場合に前記再帰反射シートの前記遮光シート以外の部分の前記貫通孔に対応する部分の光の透過を確保する。【選択図】図3
Description
本発明は、空中表示装置に関する。
複数の貫通孔が格子状に空けられた再帰反射シートと、それらの貫通孔の中から空中表示する図形に対応するとして選択された貫通孔の背面に配置されたLED(Light Emitting Diode)等の光源と、視認側に設けられたハーフミラーとを備え、空中表示を行う装置が提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。再帰反射シートとしては、樹脂等の透明材の裏面に微細なプリズムが形成され、プリズムの表面に金属蒸着膜等による反射層が形成されたものが用いられる場合がある。
しかしながら、再帰反射シートの貫通孔を光が通る際、出射面側の透明材の貫通孔の断面に光が入り込む場合があり、光が透明材の内部を伝搬し、反射層によって反射されて出射して不要発光となり、空中表示の見栄えを悪化させる場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、空中表示の見栄えを向上させることのできる空中表示装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る空中表示装置は、面状発光体と、再帰反射シートと、ハーフミラーと、所定の構造とを備える。前記面状発光体は、発光部を有する。前記再帰反射シートは、前記面状発光体の出射側に配置され、前記発光部に対応する位置に空中表示する図形を表した複数の貫通孔を有する遮光シートを前記発光部側に一体に有する。前記ハーフミラーは、前記再帰反射シートの出射側に配置される。前記構造は、前記再帰反射シートの前記遮光シート以外の部分に前記貫通孔に対応する本体側貫通孔が設けられる場合に前記本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止し、前記本体側貫通孔が設けられない場合に前記再帰反射シートの前記遮光シート以外の部分の前記貫通孔に対応する部分の光の透過を確保する。
本発明の一態様に係る空中表示装置は、不要発光が抑制され、空中表示の見栄えを向上させることができる。
以下、実施形態に係る空中表示装置について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
(前提構成)
図1は、一実施形態にかかる空中表示装置1の例を示す表示面側から見た図である。図2は、トイレ個室内における操作パネル100の配置例を示す図である。図1における空中表示装置1は、個室トイレ内の壁面等に設置される操作パネル100に採用されることが想定されており、その場合、表示面が水平方向を向く。
図1は、一実施形態にかかる空中表示装置1の例を示す表示面側から見た図である。図2は、トイレ個室内における操作パネル100の配置例を示す図である。図1における空中表示装置1は、個室トイレ内の壁面等に設置される操作パネル100に採用されることが想定されており、その場合、表示面が水平方向を向く。
図2において、操作パネル100の前面には空中表示装置1が配置されている。図2においては、便座Tに腰かけた利用者Mが容易に手の届く壁W上の位置に操作パネル100が設けられている。操作パネル100の床面からの高さは例えば1m、水平位置は利用者Mの膝の位置と同等である。このような操作パネル100の配置に対し、日本人の平均座高を考慮すると、操作パネル100上の空中表示装置1の空中表示の垂直方向の視野範囲は、例えば、水平方向を基準として、上方向に10deg~35degとなる。空中表示の水平方向の視野範囲は、例えば±40degとなる。
図3は、図1における空中表示装置1の第1の構成例(ルーバー構成)を示すX-X断面図である。図1および図3において、空中表示装置1は、略矩形状の開口2aが形成されたフレーム2内に、面状発光体を構成する線状光源3と導光板4とが配置されている。線状光源3は、導光板4の入光側面4aの長手方向(X軸方向)に沿って線状に発光する光源である。導光板4は、ポリカーボネートやアクリル等の透明材料により形成され、線状光源3と対向する入光側面4aから入射された光を終端側まで導き、裏面(非表示面)側に設けられた、光学素子により形成される発光部4bにより表示面側に光を反射する。
なお、この構成例では、発光部4bの光学素子の調整により、表示面側のアイポイントEPが存在しない方向(図3における左下側)に光を出射し、アイポイントEPが存在する所定方向に出射する光を抑制するようにしている。アイポイントEPは、ユーザが目視することが想定される位置である。
また、導光板4の発光部4bは、再帰反射シート5における、空中表示する図形を表すのに用いられる可能性のある複数の貫通孔5aの位置を余裕をもってカバー(貫通孔5aの周囲の所定範囲もカバー)する略矩形状の領域(表示面側から見た形状)を発光するか、または、再帰反射シート5の1または複数の貫通孔5aに対応する位置を余裕をもってカバー(貫通孔5aの周囲の所定範囲もカバー)する領域を発光するものとする。前者の場合、空中表示する図形を変更する場合、再帰反射シート5の貫通孔5aだけを変更すればよいため、対応が容易になる。また、後者の場合、導光板4から出る光を表示に必要なものに絞ることができるため、光効率を高めることができる。
また、フレーム2の非表示面側には、開口2aを覆うように、反射シート8が配置されており、導光板4から背面側へ漏れる光を導光板4に戻すことで、光効率を高め、輝度を高めている。なお、フレーム2の非表示面側に開口2aはなくてもよく(底板で塞がれていてもよい)、導光板4の非表示面側に反射シート8が設けられていればよい。
また、導光板4の出射面側には、発光部4bを覆う位置に、ルーバーシート10が設けられている。ルーバーシート10は、所定方向(図3において斜め左下向き)の光を通過させ、それ以外の方向の光を遮断するものである。すなわち、前述のように発光部4bからの光は斜め左下方向に光軸が調整されるが、光軸の図3における上下方向にも光の広がりがあるため、それらの光をカットし、アイポイントEPに直接に向かう上向きの経路L0の光を更に低減させて、空中表示Iの表示品質を向上させている。
また、ルーバーシート10の出射面側には、発光部4bに対応する位置に空中表示する図形を表した複数の貫通孔5aを有する再帰反射シート5が、再帰反射面を出射面側(導光板4とは反対側)に向けて配置されている。なお、再帰反射シート5に設けられる貫通孔5aは、図示の例ではドット状の小さな丸孔となっているが、例えばピクトグラムを構成する任意の形状の孔でもよい。以下の構成例における貫通孔5aについても同様である。再帰反射シート5は、コーナーキューブと呼ばれる、光を反射する性質を持った3枚の面が互いに直角に組み合わされた、立方体の頂点の内面を利用したものが使用される。この場合、他の方式(例えば、透明の微小なガラスビーズ球を用いたもの)等に比べて、コストは若干高くなるが、光利用効率が高く、空中表示(空中像)のボケが少なくなるという利点がある。
一方、フレーム2の表示面側には、開口2aを覆うようにハーフミラー6が配置され、ハーフミラー6にはトップカバー7が外側に重ねられている。なお、ハーフミラー6の外側(視認側)にハードコート処理を施すことにより、トップカバー7を省略することもできるが、ハーフミラー6はフィルム状であるため、支持用の透明樹脂板が必要となる。なお、ハードコート処理は、傷防止や汚れ防止、抗菌などを目的として施されるものであり、トップカバー7が外側に配置される場合でも、トップカバー7にハードコート処理を施すのが好ましい。ハーフミラー6は、入射された光の半分程度を反射し、残りの半分程度を透過させる性質を有した光学部材である。トップカバー7は、透明材料により形成され、ハーフミラー6を保護するためのものである。なお、トップカバー7の透過度を下げることにより、外部から空中表示装置1の内部が見えづらくなり、空中表示だけを見やすくすることができる。トップカバー7には、木目模様などの加飾印刷が施されていてもよい。また、再帰反射シート5とハーフミラー6とは、互いに少し傾けて配置されるものであってもよい。
図3において、面状発光体を構成する導光板4の発光部4bから経路L0で出た光は、ルーバーシート10が斜め左下方向を通過させるように設定されているため阻止され、アイポイントEP側から貫通孔5aを通して発光部4bが直接に見えてしまうのを防止することができる。
また、再帰反射シート5の貫通孔5aを通って経路L1で出た光は、半分程度がハーフミラー6で反射され、経路L2により再帰反射シート5に当たる。再帰反射シート5に当たった光は、入射角と同じ出射角で経路L3によりハーフミラー6に戻り、半分程度が透過する。発光部4bのある点から出た光は、経路L1の角度が変わっても幾何学的な関係から空中表示装置1外の同じ位置を通過するため、ハーフミラー6およびトップカバー7の外側に空中像による空中表示Iが行われ、ユーザのアイポイントEPから視認することができ、ユーザに指Fにより触れる動作を行わせることができる。
なお、後述する実施形態では再帰反射シート5に貫通孔5aが設けられない場合もある。すなわち、再帰反射シート5は、裏面側の遮光シートと、それ以外の本体部とに分かれ、裏面側の遮光シート(透明シート上の印刷層である場合を含む)には空中表示する図形に対応する貫通孔(印刷層の場合は、より正確には印刷層の除去部)が設けられる。また、本体部には、空中表示する図形よりも大きな貫通孔(開口)が設けられる場合や、貫通孔(開口)が設けられずに内部のプリズムや反射層が部分的に除去されて透過性が付与される場合がある。
図4は、図1における空中表示装置1の第2の構成例(偏光構成)を示すX-X断面図である。なお、導光板4の発光部4bからの光が関与する部分のみが示されており、フレーム2や線状光源3の構成については図3と同様である。
図4において、図3と異なるのは、図3におけるルーバーシート10とハーフミラー6とがなくなり、新たな光学部材として位相差フィルム15、反射型偏光シート11R、吸収型偏光シート11A、位相差フィルム12、反射型偏光シート13Rおよび吸収型偏光シート13Aが設けられた点である。すなわち、ルーバーシート10に代えて、発光部4b側から位相差フィルム15、反射型偏光シート11Rおよび吸収型偏光シート11Aが積層されて設けられる。位相差フィルム15、反射型偏光シート11Rおよび吸収型偏光シート11Aは、再帰反射シート5の貫通孔5aを覆うだけでよいが、導光板4の露出した出射面の全面を覆うものでもよい。また、位相差フィルム15、反射型偏光シート11Rおよび吸収型偏光シート11Aは、単に積層されるものでもよいが、それぞれが貼り合わされて密着することで、界面反射が低減し、輝度の向上に寄与する。
位相差フィルム15は、通過する光の位相を遅らすものであり、位相差はλ/4となっており、X-Y面内における遅延軸は光線の偏光の軸(反射型偏光シート11Rの反射軸もしくは透過軸であり、基本的に反射軸と透過軸は水平か垂直に配置されるので、結果的にX軸かY軸)に対して正方向または負方向に45°傾けられている。反射型偏光シート11Rは、シート面内の透過軸に沿う偏光は通過させ、透過軸に直交する反射軸に沿う偏光は反射するものであり、透過軸は例えばX軸方向に設定されている。吸収型偏光シート11Aは、シート面内の透過軸に沿う偏光は通過させ、透過軸に直交する吸収軸に沿う偏光は吸収するものであり、透過軸は反射型偏光シート11Rと同じ、例えばX軸方向に設定されている。
また、再帰反射シート5の出射面側に位相差フィルム12が配置され、再帰反射シート5の貫通孔5aと同じ位置に貫通孔12aが設けられている。例えば、再帰反射シート5に位相差フィルム12が貼り付けられた後に、貫通孔5aおよび貫通孔12aが同時に形成される。位相差フィルム12は、通過する光の位相を遅らすものであり、位相差はλ/4となっており、X-Y面内における遅延軸は光線の偏光の軸(X軸かY軸)に対して正方向または負方向に45°傾けられている。
また、ハーフミラー6に代えて発光部4b側から反射型偏光シート13Rおよび吸収型偏光シート13Aが設けられている。なお、反射型偏光シート13Rは実質的にハーフミラーとして機能するものである。反射型偏光シート13R、吸収型偏光シート13Aおよびトップカバー7は、単に積層されるものでもよいが、両者が貼り合わされて密着することで、界面反射が低減し、輝度の向上に寄与する。反射型偏光シート13Rは、シート面内の透過軸に沿う偏光は通過させ、透過軸に直交する反射軸に沿う偏光は反射するものであり、透過軸は反射型偏光シート11Rの透過軸と直交する、例えばY軸方向に設定されている。吸収型偏光シート13Aは、シート面内の透過軸に沿う偏光は通過させ、透過軸に直交する吸収軸に沿う偏光は吸収するものであり、透過軸は反射型偏光シート13Rと同じ、例えばY軸方向に設定されている。
図4において、導光板4の発光部4bから経路L0で出た光は、位相差フィルム15によりλ/4だけ位相が遅らされた後、反射型偏光シート11Rおよび吸収型偏光シート11Aにより、例えば図の紙面の奥行方向(X軸方向)に振動する偏波だけが通過し、再帰反射シート5の貫通孔5aおよび位相差フィルム12の貫通孔12aを通過して、反射型偏光シート13Rに到達する。ここで、反射型偏光シート13Rは、例えば図の上下方向(Y軸方向)に振動する偏波を通過させる向きに配置されているため、経路L0の光は抑制され、貫通孔5a、12aを通して発光部4bが直接に見えてしまうのを防止することができる。
一方、導光板4の発光部4bから経路L1で出た光は、位相差フィルム15によりλ/4だけ位相が遅らされた後、反射型偏光シート11Rおよび吸収型偏光シート11Aにより、例えば図の紙面の奥行方向(X軸方向)に振動する偏波だけが通過し、再帰反射シート5の貫通孔5aおよび位相差フィルム12の貫通孔12aを通過して、反射型偏光シート13Rに到達する。ここで、反射型偏光シート13Rは、例えば図の上下方向(Y軸方向)に振動する偏波を通過させる向きに配置されているため、ほぼ全てが反射されて経路L2となり、位相差フィルム12を通過し、再帰反射シート5により再帰反射され、再度、位相差フィルム12を通過して経路L3となる。ここで、位相差フィルム12を2回透過することにより位相がλ/2だけずらされるため、上下方向(Y軸方向)に振動する偏波に変化し、反射型偏光シート13Rおよび吸収型偏光シート13Aを通過し、空中表示Iの一部となる。なお、偏光サングラスをかけた利用者であっても、一般に偏光サングラスの透過軸は図の上下方向(Y軸方向)に設定されているため、空中表示Iを視認することができる。偏光サングラスの透過軸と空中表示Iの透過軸とが直交している場合は、偏光解消シート(例えば、東洋紡株式会社のコスモシャインSRF)を反射型偏光シート13Rおよび吸収型偏光シート13Aの視認側に配置すれば、空中表示Iの視認が可能となる。
また、経路L3の光は全てが反射型偏光シート13Rを通過するわけではなく、一部は反射型偏光シート13Rの表面で反射され、戻り光として経路L4で位相差フィルム12の貫通孔12aおよび再帰反射シート5の貫通孔5aを通過して、吸収型偏光シート11Aに到達する。この戻り光の偏波は図の上下方向(Y軸方向)に振動するものとなっている。ここで、吸収型偏光シート11Aは図の奥行方向(X軸方向)の偏波を通過させ、図の上下方向の偏波を吸収するため、経路L4の戻り光はほとんどが吸収型偏光シート11Aにより吸収される。そのため、戻り光の吸収型偏光シート11Aによる反射はなくなり、貫通孔12a、5aの開口部が光っているように見えることがなく、空中表示Iの視認性を低下させてしまうことがなくなる。
また、導光板4の発光部4bから経路L1で出た光は位相差フィルム15を通過するが、反射型偏光シート11Rにより反射されて導光板4に戻された一部の光(図の上下方向(Y軸方向)に振動する偏波)は、位相差フィルム15を通過し、導光板4を経由して再び位相差フィルム15を通過する。このように2回、位相差フィルム15を通過するため、図の奥行方向(X軸方向)に振動する偏波に変換される。そのため、後段の反射型偏光シート11Rを通過することができ、空中表示Iの輝度向上に寄与することができる。
また、図の奥行方向(X軸方向)に振動する偏波の経路L0の光は、反射型偏光シート13Rによりほとんどがブロックされるが、反射型偏光シート13Rの透過軸がX-Y面内でずれている場合、ずれに応じた量の光がブロックされずに通過する。しかし、後段の吸収型偏光シート13Aにより図の奥行方向(X軸方向)に振動する偏波のほとんどが吸収されるため、外部に経路L0から出る光はほとんどなくなり、貫通孔12a、5aの開口部が光っているように見えてしまうのが防止され、空中表示Iの視認性の低下が防止される。
図4における偏光構成の変形例として、図4の構成を基準に、
・位相差フィルム15、吸収型偏光シート11Aおよび吸収型偏光シート13Aが設けられない場合
・位相差フィルム15、反射型偏光シート11Rおよび吸収型偏光シート13Aが設けられない場合
・位相差フィルム15および吸収型偏光シート13Aが設けられない場合
・吸収型偏光シート13Aが設けられない場合
・位相差フィルム12の出射面側に低反射シートが設けられる場合
等がある。
・位相差フィルム15、吸収型偏光シート11Aおよび吸収型偏光シート13Aが設けられない場合
・位相差フィルム15、反射型偏光シート11Rおよび吸収型偏光シート13Aが設けられない場合
・位相差フィルム15および吸収型偏光シート13Aが設けられない場合
・吸収型偏光シート13Aが設けられない場合
・位相差フィルム12の出射面側に低反射シートが設けられる場合
等がある。
なお、図4およびその変形例の偏光構成においては、前述したルーバー構成(図3)と同様に、後述する実施形態では再帰反射シート5および位相差フィルム12に貫通孔5a、12aが設けられない場合もある。この場合、再帰反射シート5に貫通孔5aが設けられない場合であっても、位相差フィルム12には空中表示する図形に対応する位置に貫通孔12aが設けられる。また、再帰反射シート5の本体部に空中表示する図形よりも大きな貫通孔(開口)が設けられる場合、位相差フィルム12にも同様に、空中表示する図形よりも大きな貫通孔(開口)が設けられる。
図5は、再帰反射シート5の構成例を示す図であり、左側は出射面側から見た図、右側は左側の図のX-X断面図である。図5において、再帰反射シート5は、透明材5bの裏側にコーナーキューブを構成する頂角が90°のプリズム5cが形成され、その外側にアルミニウム等の金属蒸着等による反射層5dで反射面が形成されている。反射層5dが形成される面は三角錐状のプリズムが縦横に配置されたものとなっている。また、反射層5dの背面には、粘着剤5eを介して、例えば黒色の遮光シート5fが貼り付けられている。
なお、空中表示装置1の基本的な構成においては、反射層5dが厚い場合、反射層5dにより充分な遮光性が得られるため、遮光シート5f(当然、粘着剤5eについても)がなくても空中表示に問題はない。しかし、反射層5dが厚いと再帰反射シート5を曲げた時に反射層5dにクラックが発生し、クラックでの漏れ光や再帰反射の機能に影響を及ぼすのであまり好ましくない。また、曲げない場合であっても、反射層5dを厚く製造する際には、大きな応力がかかりやすく、クラックや剥がれの原因となるため、あまり好ましくない。これは、例えば金属層を反射層として用いる場合によくみられる。また、ある程度以上の物理的な厚さの遮光シート5fがないと、再帰反射シート5に設けられた開口の断面に光が入射しやすくなり、開口周辺の見映えに悪影響を及ぼすのであまり好ましくない。
以下の第1の実施形態(図8)および第3の実施形態(図19)では再帰反射シート5から遮光シート5fを省略することができる。
(不要発光が発生する仕組み)
図6は、再帰反射シート5の開口51の断面から入った光による不要発光52の例を示す図である。開口51は、図1、図3および図4における貫通孔5a、12aに相当するものである。
図6は、再帰反射シート5の開口51の断面から入った光による不要発光52の例を示す図である。開口51は、図1、図3および図4における貫通孔5a、12aに相当するものである。
図6において、左側は再帰反射シート5の出射面側から見た図であり、矩形状の開口51が設けられており、その横および下側に不要発光52が発生する様子を示している。また、開口51の破線で示される丸い部分の断面が右側に示されている。右側の断面図において、経路L01で開口51の透明材5bの断面に入った光は、境界面で少し屈折して経路L02で透明材5bの内部に入る。経路L02の光は出射面の内側で全反射して経路L03となり、プリズム5cの表面の反射層5dで反射して経路L04となり、出射面で少し屈折して経路L05で出る。図3および図4に示されたように、左上側にアイポイントEPが設けられる場合、経路L01の光は直接には問題とならないが、経路L05の光は不要発光52となって視認されることになる。図7は、再帰反射シート5の出射面側から見た不要発光の例を示す図であり、開口の横および下側に不要発光が発生している様子を示している。
(第1の実施形態)
以下の第1~5の実施形態は、図3のルーバー構成の空中表示装置1または図4の偏光構成の空中表示装置1における再帰反射シート5として適用されるものである。第1の実施形態は、再帰反射シート5に貫通孔5aに相当する本体側貫通孔が設けられる場合に、本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する構造として、本体側貫通孔の断面の少なくとも一部に傾斜部が設けられるものである。
以下の第1~5の実施形態は、図3のルーバー構成の空中表示装置1または図4の偏光構成の空中表示装置1における再帰反射シート5として適用されるものである。第1の実施形態は、再帰反射シート5に貫通孔5aに相当する本体側貫通孔が設けられる場合に、本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する構造として、本体側貫通孔の断面の少なくとも一部に傾斜部が設けられるものである。
図8は、第1の実施形態における再帰反射シート5の例を示す端面図であり、(1)~(4)までの4つの実施例パターンが示されている。実施例パターン(1)は、再帰反射シート5の貫通孔5aの周囲に、全方向に均等に出射側が広いテーパ状の傾斜部5atが設けられている。再帰反射シート5は前述のようにプリズム5cおよび反射層5dが設けられた透明材5bに粘着剤5eにより遮光シート5fが貼り付けられた状態で、傾斜部5atを有する貫通孔5aが設けられる。ここで構造をわかりやすくするために図の尺度は横方向と縦方向で桁が異なる。図は概念をわかりやすく伝えるために傾斜部が1面で形成されているが、当該機能を満足できる範囲で複数の傾斜面で断面を構成する場合があり得る。この場合においても遮光部から出た光の発散角度を制限する角度を傾斜部の角度として取り扱うことができる。
実施例パターン(1)において、傾斜部5atの水平方向に対する傾斜角度θは、アイポイントおよび導光板4からの光の出射角度との関係により決まる。条件にもよるが、傾斜角度θは0°~60°となる。すなわち、アイポイントから空中表示が視認可能となる光源からの出射角度が経路L11のように定められている場合、傾斜部5atは経路L11の光の方向に沿ったものとなる。経路L11の光の方向に沿って傾斜部5atが設けられることで、貫通孔5aの断面に光が入りづらくなり、不要発光が抑制される。なお、実施例パターン(1)では、全方向に均等に出射側が広いテーパ状の傾斜部5atが設けられているため、広範なアイポイントに対応することができる。
実施例パターン(2)は、図の下側の傾斜部5at1は実施例パターン(1)の傾斜部5atと同じであるが、図の上側の傾斜部5at2の傾斜角度が小さくなっている。この場合、アイポイントの範囲は制約されるが、使用される環境によっては問題ない。
実施例パターン(3)は、図の下側の傾斜部5at1は実施例パターン(1)の傾斜部5atと同じであるが、図の上側の傾斜部5at2の傾斜角度がほぼ0(水平)なっている。この場合、アイポイントの範囲は制約されるが、使用される環境によっては問題ない。
実施例パターン(4)は、図の下側の傾斜部5at1は実施例パターン(1)の傾斜部5atと同じであるが、図の上側の傾斜部5at2の傾斜角度も下側の傾斜部5at1と同じになっており、テーパ状の孔ではなくなっている。この場合、アイポイントの範囲は制約されるが、使用される環境によっては問題ない。
更に、図8の変形例として、本体側の反射層5dが充分に厚く、光の遮光性が高い場合は、遮光シート5fおよび粘着剤5eを省略することもできる。
(観察角度と構造の関係)
図9は、再帰反射シート5の貫通孔の形状と空中像の観察範囲の関係を示す図である。再帰反射シート5に設けられる貫通孔のテーパ部分の角度と空中像を観察できる角度範囲は図9に示されるように、図では開口部下側のテーパ角度が空中像の上側の観察角度の最大値を与え、開口部上側のテーパ角度が空中像の下側の観察角度の最大値を与える。
図9は、再帰反射シート5の貫通孔の形状と空中像の観察範囲の関係を示す図である。再帰反射シート5に設けられる貫通孔のテーパ部分の角度と空中像を観察できる角度範囲は図9に示されるように、図では開口部下側のテーパ角度が空中像の上側の観察角度の最大値を与え、開口部上側のテーパ角度が空中像の下側の観察角度の最大値を与える。
再帰反射シート5のハーフミラー6側(出光側)の貫通孔の半径R(mm)に対して、入光側にある遮光シート5fの貫通孔の半径が係数a(aは0より大きく1以下)を用いてaR(mm)で表され、遮光シート5fの貫通孔の中心が係数b(bは任意の実数)を用いてハーフミラー6側の貫通孔の中心からbR(mm)だけ図9の下向きにずれているとき、空中像の上側の観察角度の最大値φ(度)と下側の観察角度の最大値θ(度)は、再帰反射シート5に遮光シート5fが一体化された厚さT(mm)を用いて、tanθ=(1-a+b)R/Tならびにtanφ=(1-a-b)/Tより求めることができる。これらの式から、aが小さいほどθおよびφが大きくなることがわかる。図は任意の断面を表しており、この関係式は空中表示装置1の水平断面でも垂直断面でも成立する。
(光利用効率)
遮光シート5fにより入光側の貫通孔の大きさが制限されることで、貫通孔を通る光の量が減少する。この減少が少ないほど、光利用効率が高いと言える。光利用効率は入光側の貫通孔の面積(πa2R2)をハーフミラー6側の貫通孔の面積(πR2)で除して、100×a2(%)で得られる。このため、aが大きいほど光利用効率が高くなることがわかる。
遮光シート5fにより入光側の貫通孔の大きさが制限されることで、貫通孔を通る光の量が減少する。この減少が少ないほど、光利用効率が高いと言える。光利用効率は入光側の貫通孔の面積(πa2R2)をハーフミラー6側の貫通孔の面積(πR2)で除して、100×a2(%)で得られる。このため、aが大きいほど光利用効率が高くなることがわかる。
(最適化の可能性)
以上により、入光側の貫通孔の半径が小さいほど空中像の観察可能範囲は広がるが、光利用効率が低下する。逆に、入光側の貫通孔の半径が大きいほど空中像の観察可能範囲は狭まるが、光利用効率が高くなるため、最適化の可能性がある。
以上により、入光側の貫通孔の半径が小さいほど空中像の観察可能範囲は広がるが、光利用効率が低下する。逆に、入光側の貫通孔の半径が大きいほど空中像の観察可能範囲は狭まるが、光利用効率が高くなるため、最適化の可能性がある。
(数値例)
本構成の有効性を示すために、数値例を図10~図13に示す。すなわち、図10は、再帰反射シート5の貫通孔の大きさに対して遮光シートを含む再帰反射シートの厚さが同定度の場合における、貫通孔の本体側の孔の大きさに対する空中像を観察できる角度範囲(左軸)ならびに光利用効率(右軸)の関係を示す図である。図11は、再帰反射シート5の貫通孔の大きさに対して遮光シートを含む再帰反射シートの厚さが1/6の場合における、貫通孔の本体側の孔の大きさに対する空中像を観察できる角度範囲(左軸)ならびに光利用効率(右軸)の関係を示す図である。図12は、再帰反射シート5の貫通孔の大きさに対して遮光シートを含む再帰反射シートの厚さが1/12の場合における、貫通孔の本体側の孔の大きさに対する空中像を観察できる角度範囲(左軸)ならびに光利用効率(右軸)の関係を示す図である。図13は、再帰反射シート5の貫通孔の大きさに対して遮光シートを含む再帰反射シートの厚さが1/20の場合における、貫通孔の本体側の孔の大きさに対する空中像を観察できる角度範囲(左軸)ならびに光利用効率(右軸)の関係を示す図である。
本構成の有効性を示すために、数値例を図10~図13に示す。すなわち、図10は、再帰反射シート5の貫通孔の大きさに対して遮光シートを含む再帰反射シートの厚さが同定度の場合における、貫通孔の本体側の孔の大きさに対する空中像を観察できる角度範囲(左軸)ならびに光利用効率(右軸)の関係を示す図である。図11は、再帰反射シート5の貫通孔の大きさに対して遮光シートを含む再帰反射シートの厚さが1/6の場合における、貫通孔の本体側の孔の大きさに対する空中像を観察できる角度範囲(左軸)ならびに光利用効率(右軸)の関係を示す図である。図12は、再帰反射シート5の貫通孔の大きさに対して遮光シートを含む再帰反射シートの厚さが1/12の場合における、貫通孔の本体側の孔の大きさに対する空中像を観察できる角度範囲(左軸)ならびに光利用効率(右軸)の関係を示す図である。図13は、再帰反射シート5の貫通孔の大きさに対して遮光シートを含む再帰反射シートの厚さが1/20の場合における、貫通孔の本体側の孔の大きさに対する空中像を観察できる角度範囲(左軸)ならびに光利用効率(右軸)の関係を示す図である。
上述したように図10は貫通孔の直径に比べて遮光シート5fを含む再帰反射シート5の厚さが同程度の場合である。光利用効率と観察角度のバランスが取れる条件において、観察範囲は±20度に満たず、光利用効率も20%に届かない。これに対して、図11は貫通孔の直径が6mm、厚さが1mmの場合であり、観察範囲は±40度で光利用効率が50%に近い値を取る。図12は貫通孔の直径が6mm、厚さが0.5mmの場合であり、観察範囲が±50度に広がり、光利用効率が55%を超える。図13は貫通孔の直径が6mm、厚さが0.3mmの場合であり、観察範囲が±60度を超えて、光利用効率も65%を超える。このように、再帰反射シート5に遮光シート5fを一体化することにより、観察範囲と光利用効率の両面において性能向上が図れる。遮光シートを含む再帰反射シートの厚さが、貫通孔の大きさに対して略1以下、あるいは略1未満とすることにより、視野範囲を広く、光利用効率を大きくすることができる。なお、遮光シートを含む再帰反射シートの厚さが、貫通孔の大きさに対して略1の場合、観察範囲は±20度程度であり比較的小さいが、空中像を例えばセキュリティーを重視するプライベートモードで使用する際に適した、視野角を狭視野にしたい場合には問題がない。
(本体側の貫通孔のシフト)
図10から図13において、入光側の貫通孔の中心位置をずらす効果は異なるbの値の例で示される。b=0の時は中心が一致する時である。bの値が大きいほど、図9で下側にずれる。この場合、空中像を観察できる角度範囲(上側にφ(度)、下側にθ(度))が非対称になる。例えば、図13においてa=0.8かつb=0.2のとき、φ=0度、θ=75度となる。これは空中像が片側だけで観察できることとなる。
図10から図13において、入光側の貫通孔の中心位置をずらす効果は異なるbの値の例で示される。b=0の時は中心が一致する時である。bの値が大きいほど、図9で下側にずれる。この場合、空中像を観察できる角度範囲(上側にφ(度)、下側にθ(度))が非対称になる。例えば、図13においてa=0.8かつb=0.2のとき、φ=0度、θ=75度となる。これは空中像が片側だけで観察できることとなる。
上記は典型的な一例であるが、入光側の貫通孔の大きさの制限やテーパによる射出光の発散角度による観察範囲の制限と光利用効率は、各々の式から明らかなように、それぞれ単調減少関数ならびに単調増加関数となることから、上記した種々のパラメータが変化したとしても、観察角度ならびに光利用効率を一定以上の値で確保するためには、貫通孔の直径に対する再帰反射素子および遮光部の厚さや大きさが特定的な範囲にある必要があることは明らかである。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、再帰反射シート5に貫通孔5aに相当する本体側貫通孔が設けられる場合に、本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する構造として、本体側貫通孔として拡大孔が設けられるものである。光の入射側よりも出射側の本体側貫通孔が拡大孔となることで、遮光シート5fの貫通孔が空中表示する図形に直接に対応することになる。また、遮光シート5fの貫通孔から斜めに出た光であっても本体部の断面へ入ることがなくなり、不要発光が防止される。拡大孔の大きさは、アイポイントおよび導光板4からの光の出射角度との関係により決まる。また、ユーザは一般に2つの目(眼)で視認することも考慮される。
第2の実施形態は、再帰反射シート5に貫通孔5aに相当する本体側貫通孔が設けられる場合に、本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する構造として、本体側貫通孔として拡大孔が設けられるものである。光の入射側よりも出射側の本体側貫通孔が拡大孔となることで、遮光シート5fの貫通孔が空中表示する図形に直接に対応することになる。また、遮光シート5fの貫通孔から斜めに出た光であっても本体部の断面へ入ることがなくなり、不要発光が防止される。拡大孔の大きさは、アイポイントおよび導光板4からの光の出射角度との関係により決まる。また、ユーザは一般に2つの目(眼)で視認することも考慮される。
図14は、不要発光についての対策がとられていない再帰反射シート5の例を示す図であり、左側は再帰反射シート5を出射面側から見た図、右側は再帰反射シート5のX-X端面図である。図14において、再帰反射シート5の本体部(透明材5b、プリズム5c、反射層5dおよび粘着剤5eの部分)と遮光シート5fとに連続的に貫通孔5aが設けられている。このため、図6に示されたように、再帰反射シート5の貫通孔5aの本体部に光が入りやすく、不要発光が発生してしまっていた。
図15および図16は、第2の実施形態における再帰反射シート5の例を示す図であり、左側は再帰反射シート5を出射面側から見た図、右側は再帰反射シート5のX-X端面図である。図15の実施例パターン(1)、(2)は、再帰反射シート5の本体部(透明材5b、プリズム5c、反射層5dおよび粘着剤5eの部分)の拡大孔5a1が、遮光シート5fの複数の貫通孔5a2を包含する大きさとなっている。図示の例では、拡大孔5a1は大きな矩形状となっている。再帰反射シート5は、透明材5b、プリズム5cおよび反射層5dによる部分と、遮光シート5fとがそれぞれ加工されてから、粘着剤5eにより貼り合わせられる。
また、図15の実施例パターン(1)は、遮光シート5fがシート単体で構成され、遮光シート5fに直接に貫通孔5a2が設けられているが、実施例パターン(2)は、透明シート5gへの遮光インク等の遮光印刷により遮光シート5fが形成され、遮光印刷がされていない部分が貫通孔5a2となっている。実施例パターン(1)はシートが分離してしまうような図形には対応が困難であるが、実施例パターン(2)は対応できる図形の自由度が高まる。
図16の実施例パターン(3)、(4)は、再帰反射シート5の本体部(透明材5b、プリズム5c、反射層5dおよび粘着剤5eの部分)の拡大孔5a1が、遮光シート5fの個々の貫通孔5a2を包含する大きさとなっている。再帰反射シート5は、透明材5b、プリズム5cおよび反射層5dによる部分と、遮光シート5fとがそれぞれ加工されてから、粘着剤5eにより貼り合わせられる。
また、図16の実施例パターン(3)は、遮光シート5fがシート単体で構成され、遮光シート5fに直接に貫通孔5a2が設けられているが、実施例パターン(4)は、透明シート5gへの遮光インク等の遮光印刷により遮光シート5fが形成され、遮光印刷がされていない部分が貫通孔5a2となっている。実施例パターン(3)はシートが分離してしまうような図形には対応が困難であるが、実施例パターン(4)は対応できる図形の自由度が高まる。
図17は、図16のパターン(3)の一部の拡大図であり、左側は再帰反射シート5を出射面側から見た図、右側は再帰反射シート5の一部のX-X端面図である。図17において、本体部の拡大孔5a1と遮光シート5fの貫通孔5a2は中心が揃えられているため、広範なアイポイントに対応することができる。
図18は、図17の変形例を示す図であり、左側は再帰反射シート5を出射面側から見た図、右側は再帰反射シート5の一部のX-X端面図である。図18において、本体部の拡大孔5a1の中心は遮光シート5fの貫通孔5a2の中心よりも図において下側にずれて設けられている。すなわち、遮光シート5fの貫通孔5a2の開口の下側の出射側の角と、透明材5bの拡大孔5a1の開口の下側の出射側の角とを結ぶ仮想線の水平方向に対する角度θ1は、反対側(上側)の角度θ2よりも大きくなっている。この場合、図における左上側のアイポイントに合わせたものとすることができる。また、再帰反射の開口率もかせぐことができ、空中表示の品質向上にもつながる。なお、図16のパターン(3)に限らず、図16のパターン(4)や、図15のパターン(1)(2)にも同様に適用が可能である。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、再帰反射シート5に貫通孔5aに相当する本体側貫通孔が設けられる場合に、本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する構造として、本体側貫通孔の断面の少なくとも一部に吸収層が設けられるものである。
第3の実施形態は、再帰反射シート5に貫通孔5aに相当する本体側貫通孔が設けられる場合に、本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する構造として、本体側貫通孔の断面の少なくとも一部に吸収層が設けられるものである。
図19は、第3の実施形態における再帰反射シート5の例を示す端面図である。図19において、再帰反射シート5の貫通孔5aの断面には、吸収部材による吸収層5iが設けられている。従って、例えば、経路L13で光が断面に向かっても、吸収層5iにより吸収され、透明材5bの部分に光が入ることがないため、不要発光が防止される。なお、吸収層5iは、貫通孔5aを囲む全範囲に設ける必要はなく、断面への光の侵入により不要発光が発生するおそれのある部分に設けられればよい。
更に、図19の変形例として、本体側の反射層5dが充分に厚く、光の遮光性が高い場合は、遮光シート5fおよび粘着剤5eを省略することもできる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、再帰反射シート5に本体側貫通孔が設けられない場合に、再帰反射シート5の遮光シート5f以外の部分の遮光シート5fの貫通孔に対応する部分の光の透過を確保する構造として、遮光シート5fの貫通孔よりも大きい範囲において再帰反射シート5にプリズム5cおよび反射層5dが設けられない領域が用いられるものである。光の入射側よりも出射側の本体部にプリズム5cおよび反射層5dが設けられない領域があることで、光の透過性が確保され、遮光シート5fの貫通孔が空中表示する図形に直接に対応することになるとともに、本体側貫通孔がなくなることで、本体部の断面への光の入射という状況がなくなり、不要発光が防止される。プリズム5cおよび反射層5dが設けられない領域の大きさは、遮光シート5fの貫通孔から出た光に対して透過性が確保されれば足りるため、アイポイント等を考慮する必要はない。
第4の実施形態は、再帰反射シート5に本体側貫通孔が設けられない場合に、再帰反射シート5の遮光シート5f以外の部分の遮光シート5fの貫通孔に対応する部分の光の透過を確保する構造として、遮光シート5fの貫通孔よりも大きい範囲において再帰反射シート5にプリズム5cおよび反射層5dが設けられない領域が用いられるものである。光の入射側よりも出射側の本体部にプリズム5cおよび反射層5dが設けられない領域があることで、光の透過性が確保され、遮光シート5fの貫通孔が空中表示する図形に直接に対応することになるとともに、本体側貫通孔がなくなることで、本体部の断面への光の入射という状況がなくなり、不要発光が防止される。プリズム5cおよび反射層5dが設けられない領域の大きさは、遮光シート5fの貫通孔から出た光に対して透過性が確保されれば足りるため、アイポイント等を考慮する必要はない。
図20および図21は、第4の実施形態における再帰反射シート5の例を示す図であり、左側は再帰反射シート5を出射面側から見た図、右側は再帰反射シート5のX-X端面図である。図20の実施例パターン(1)、(2)は、再帰反射シート5の本体部(透明材5b、プリズム5c、反射層5dおよび粘着剤5eの部分)のプリズム5cおよび反射層5dが設けられない領域5jが、遮光シート5fの複数の貫通孔5a2を包含する(一回り大きい)大きさとなっている。図示の例では、領域5jは大きな矩形状となっている。
また、図20の実施例パターン(1)は、遮光シート5fがシート単体で構成され、遮光シート5fに直接に貫通孔5a2が設けられているが、実施例パターン(2)は、透明シート5gへの遮光インク等の遮光印刷により遮光シート5fが形成され、遮光印刷がされていない部分が貫通孔5a2となっている。実施例パターン(1)はシートが分離してしまうような図形には対応が困難であるが、実施例パターン(2)は対応できる図形の自由度が高まる。
図21の実施例パターン(3)、(4)は、再帰反射シート5の本体部(透明材5b、プリズム5c、反射層5dおよび粘着剤5eの部分)のプリズム5cおよび反射層5dが設けられない領域5jが、遮光シート5fの個々の貫通孔5a2を包含する(一回り大きい)大きさとなっている。
また、図21の実施例パターン(3)は、遮光シート5fがシート単体で構成され、遮光シート5fに直接に貫通孔5a2が設けられているが、実施例パターン(4)は、透明シート5gへの遮光インク等の遮光印刷により遮光シート5fが形成され、遮光印刷がされていない部分が貫通孔5a2となっている。実施例パターン(3)はシートが分離してしまうような図形には対応が困難であるが、実施例パターン(4)は対応できる図形の自由度が高まる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、再帰反射シート5に本体側貫通孔が設けられない場合に、再帰反射シート5の遮光シート5f以外の部分の遮光シート5fの貫通孔に対応する部分の光の透過を確保する構造として、遮光シート5fの貫通孔よりも大きい範囲において再帰反射シート5に反射層5dが設けられない領域が用いられるものである。光の入射側よりも出射側の本体部に反射層5dが設けられない領域があることで、光の透過性が確保され、遮光シート5fの貫通孔が空中表示する図形に直接に対応することになるとともに、本体側貫通孔がなくなることで、本体部の断面への光の入射という状況がなくなり、不要発光が防止される。反射層5dが設けられない領域の大きさは、遮光シート5fの貫通孔から出た光に対して透過性が確保されれば足りるため、アイポイント等を考慮する必要はない。また、プリズム5cは残されるため、完全ではないが再帰反射の機能を有しており、正面方向からの空中表示の質が改善される。
第5の実施形態は、再帰反射シート5に本体側貫通孔が設けられない場合に、再帰反射シート5の遮光シート5f以外の部分の遮光シート5fの貫通孔に対応する部分の光の透過を確保する構造として、遮光シート5fの貫通孔よりも大きい範囲において再帰反射シート5に反射層5dが設けられない領域が用いられるものである。光の入射側よりも出射側の本体部に反射層5dが設けられない領域があることで、光の透過性が確保され、遮光シート5fの貫通孔が空中表示する図形に直接に対応することになるとともに、本体側貫通孔がなくなることで、本体部の断面への光の入射という状況がなくなり、不要発光が防止される。反射層5dが設けられない領域の大きさは、遮光シート5fの貫通孔から出た光に対して透過性が確保されれば足りるため、アイポイント等を考慮する必要はない。また、プリズム5cは残されるため、完全ではないが再帰反射の機能を有しており、正面方向からの空中表示の質が改善される。
図22および図23は、第5の実施形態における再帰反射シート5の例を示す図であり、左側は再帰反射シート5を出射面側から見た図、右側は再帰反射シート5のX-X端面図である。図22の実施例パターン(1)、(2)は、再帰反射シート5の本体部(透明材5b、プリズム5c、反射層5dおよび粘着剤5eの部分)の反射層5dが設けられない領域5kが、遮光シート5fの複数の貫通孔5a2を包含する(一回り大きい)大きさとなっている。図示の例では、領域5kは大きな矩形状となっている。
また、図22の実施例パターン(1)は、遮光シート5fがシート単体で構成され、遮光シート5fに直接に貫通孔5a2が設けられているが、実施例パターン(2)は、透明シート5gへの遮光インク等の遮光印刷により遮光シート5fが形成され、遮光印刷がされていない部分が貫通孔5a2となっている。実施例パターン(1)はシートが分離してしまうような図形には対応が困難であるが、実施例パターン(2)は対応できる図形の自由度が高まる。
図23の実施例パターン(3)、(4)は、再帰反射シート5の本体部(透明材5b、プリズム5c、反射層5dおよび粘着剤5eの部分)の反射層5dが設けられない領域5kが、遮光シート5fの個々の貫通孔5a2を包含する(一回り大きい)大きさとなっている。
また、図23の実施例パターン(3)は、遮光シート5fがシート単体で構成され、遮光シート5fに直接に貫通孔5a2が設けられているが、実施例パターン(4)は、透明シート5gへの遮光インク等の遮光印刷により遮光シート5fが形成され、遮光印刷がされていない部分が貫通孔5a2となっている。実施例パターン(3)はシートが分離してしまうような図形には対応が困難であるが、実施例パターン(4)は対応できる図形の自由度が高まる。
(第1の実施形態についての開口(貫通孔)の加工方法)
図24は、再帰反射シート5の断面状態の観察の手法の例を示す図である。図24において、再帰反射シート5の開口51(例えば、6mm×6mm)の図における左側の縦方向の辺を含む破線で示された部分が切り出され、樹脂により包埋された後、切断および鏡面研磨が行われ、加工辺の付近が観察される。
図24は、再帰反射シート5の断面状態の観察の手法の例を示す図である。図24において、再帰反射シート5の開口51(例えば、6mm×6mm)の図における左側の縦方向の辺を含む破線で示された部分が切り出され、樹脂により包埋された後、切断および鏡面研磨が行われ、加工辺の付近が観察される。
図25は、開口(貫通孔)の加工方法による断面状態の例を示す図であり、レーザー加工(表面から加工)と、レーザー加工(裏面から加工)と、打抜き加工(表面から加工)と、打抜き加工(裏面から加工)とについて、加工辺の付近の断面状態が示されている。レーザー加工は、表面から加工および裏面から加工のいずれについても、再帰反射シート5の法線方向からパルス状のレーザー光線が連続して照射されるものであり、レーザー光線が照射されるのが表面か裏面かの違いである。打抜き加工は、表面から加工および裏面から加工のいずれについても、再帰反射シート5の法線方向にエッジが向くダイスとパンチとで打ち抜かれたものであり、パンチが表面にあるか裏面にあるかの違いである。図25においては、第1の実施形態における傾斜部5at、5at1として、形状の点からは、レーザー加工(表面から加工)が最も適したものとなっている。
図26は、再帰反射シート5の平均輝度を取得する位置を示す図であり、開口51の図における左側の縦方向の辺を挟む左右方向(水平方向)の範囲LHの各位置における縦方向の位置のそれぞれの輝度が、縦方向の辺の長さLVについて平均化される。
図27は、開口(貫通孔)の加工方法による水平方向と平均輝度の例を示す図であり、平均輝度は図26の手法により求められる。なお、測定角度は出射面に対して+23degである。図27において、レーザー加工では、裏面入射において開口横の不要発光による平均輝度が大きくなっており、好ましくない。打抜き加工では、表面からの加工および裏面からの加工のいずれもが、開口横付近で不要発光による平均輝度が大きくなっており、好ましくない。
以下の表1は、各加工方法と空中表示装置1の構成(偏光構成かルーバー(LV)構成)による開口横の平均輝度値を示したものである。表1から明らかなように、レーザー加工(表面から加工)で偏光構成が、平均輝度値が最も小さく、不要発光が少ない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
以上のように、実施形態に係る空中表示装置は、発光部を有する面状発光体と、面状発光体の出射側に配置され、発光部に対応する位置に空中表示する図形を表した複数の貫通孔を有する遮光シートを発光部側に一体に有した再帰反射シートと、再帰反射シートの出射側に配置されたハーフミラーと、再帰反射シートの遮光シート以外の部分に貫通孔に対応する本体側貫通孔が設けられる場合に本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止し、本体側貫通孔が設けられない場合に再帰反射シートの遮光シート以外の部分の貫通孔に対応する部分の光の透過を確保する構造と、を備える。これにより、不要発光が抑制され、空中表示の見栄えを向上させることができる。
また、再帰反射シートに本体側貫通孔が設けられる場合に、本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する構造は、本体側貫通孔の断面の少なくとも一部に設けられた傾斜部である。これにより、簡易な構造で不要発光を抑制することができる。
また、再帰反射シートが遮光シートを有しておらず、再帰反射シートに本体側貫通孔が設けられる場合に、本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する構造は、本体側貫通孔の断面の少なくとも一部に設けられた傾斜部である。これにより、簡易な構造で不要発光を抑制することができる。
また、傾斜部は、ユーザが視認するアイボックスの位置および面状発光体からの光の出射角度に応じ、再帰反射シートの内部からアイボックス側に光が出射する入射源となる断面部分に対応して設けられる。これにより、傾斜部の配置を最小限にすることができる。
また、傾斜部が設けられた本体側貫通孔の出光側の開口の中心は、本体側貫通孔の入光側の開口の中心よりもアイボックスが位置する方向と反対方向にずれて設けられる。これにより、傾斜部の配置を環境に応じて最適化することができ、開口率を高めることができる。
また、再帰反射シートに本体側貫通孔が設けられる場合に、本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する構造は、本体側貫通孔として設けられた拡大孔である。これにより、簡易な構造で不要発光を抑制することができる。
また、拡大孔は、複数の貫通孔を包含する大きさであるか、または、個々の貫通孔を包含する大きさである。これにより、拡大孔の設け方の自由度を高めることができる。
また、拡大孔は、ユーザが視認するアイボックスの位置および面状発光体からの光の出射角度に応じ、再帰反射シートの内部からアイボックス側に光が出射する源となる断面部分に対応して設けられる。これにより、拡大孔の配置を環境に応じて最適化することができ、開口率を高めることができる。
また、拡大孔が個々の貫通孔を包含する場合、拡大孔の中心は、包含される貫通孔の中心よりもアイボックスが位置する方向と反対方向にずれて設けられる。これにより、拡大孔の配置を環境に応じて最適化することができ、開口率を高めることができる。
また、再帰反射シートに本体側貫通孔が設けられる場合に、本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する構造は、本体側貫通孔の断面の少なくとも一部に設けられた吸収層である。これにより、簡易な構造で不要発光を抑制することができる。
また、再帰反射シートが遮光シートを有しておらず、再帰反射シートに本体側貫通孔が設けられる場合に、本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する構造は、本体側貫通孔の断面の少なくとも一部に設けられた吸収層である。これにより、簡易な構造で不要発光を抑制することができる。
また、再帰反射シートに本体側貫通孔が設けられない場合に、再帰反射シートの遮光シート以外の部分の貫通孔に対応する部分の光の透過を確保する構造は、貫通孔よりも大きい範囲において再帰反射シートにプリズムおよび反射層が設けられない領域である。これにより、不要発光の原因となる再帰反射シートの本体部の貫通孔の断面をなくすことで、不要発光を抑制することができる。
また、再帰反射シートに本体側貫通孔が設けられない場合に、再帰反射シートの遮光シート以外の部分の貫通孔に対応する部分の光の透過を確保する構造は、貫通孔よりも大きい範囲において再帰反射シートに反射層が設けられない領域である。これにより、不要発光の原因となる再帰反射シートの本体部の貫通孔の断面をなくすことで、不要発光を抑制することができる。また、再帰反射シートにはプリズムが残されることで、完全ではないながら再帰反射機能を有しており、正面方向からの空中表示の質が改善される。
また、領域は、複数の貫通孔を包含する大きさであるか、または、個々の貫通孔を包含する大きさである。これにより、領域の設け方の自由度を高めることができる。
また、遮光シートは、シート単体で構成され、または、透明シート上に遮光印刷されて構成される。これにより、遮光シートの自由度を高めることができる。
また、遮光シートを含む再帰反射シートの厚さは、貫通孔の大きさに対して略1以下である。これにより、空中像の観察範囲と光利用効率の両面において性能向上を図ることができる。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1 空中表示装置,2 フレーム,2a 開口,3 線状光源,4 導光板,4a 入光側面,4b 発光部,5 再帰反射シート,5a 貫通孔,5at、5at1、5at2 傾斜部,5b 透明材,5c プリズム,5d 反射層,5e 粘着剤,5f 遮光シート,5g 透明シート,5i 吸収層,5j、5k 領域,51 開口,52 不要発光,6 ハーフミラー,7 トップカバー,8 反射シート,10 ルーバーシート,11R 反射型偏光シート,11A 吸収型偏光シート,12 位相差フィルム,12a 貫通孔,13R 反射型偏光シート,13A 吸収型偏光シート,15 位相差フィルム,100 操作パネル,W 壁,T 便座,M 利用者,L0~L4 経路,EP アイポイント,I 空中表示,F 指
Claims (16)
- 発光部を有する面状発光体と、
前記面状発光体の出射側に配置され、前記発光部に対応する位置に空中表示する図形を表した複数の貫通孔を有する遮光シートを前記発光部側に一体に有した再帰反射シートと、
前記再帰反射シートの出射側に配置されたハーフミラーと、
前記再帰反射シートの前記遮光シート以外の部分に前記貫通孔に対応する本体側貫通孔が設けられる場合に前記本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止し、前記本体側貫通孔が設けられない場合に前記再帰反射シートの前記遮光シート以外の部分の前記貫通孔に対応する部分の光の透過を確保する構造と、
を備える空中表示装置。 - 前記再帰反射シートに前記本体側貫通孔が設けられる場合に、前記本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する前記構造は、前記本体側貫通孔の断面の少なくとも一部に設けられた傾斜部である、
請求項1に記載の空中表示装置。 - 前記再帰反射シートが前記遮光シートを有しておらず、
前記再帰反射シートに前記本体側貫通孔が設けられる場合に、前記本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する前記構造は、前記本体側貫通孔の断面の少なくとも一部に設けられた傾斜部である、
請求項1に記載の空中表示装置。 - 前記傾斜部は、ユーザが視認するアイボックスの位置および前記面状発光体からの光の出射角度に応じ、前記再帰反射シートの内部からアイボックス側に光が出射する入射源となる断面部分に対応して設けられる、
請求項2または3に記載の空中表示装置。 - 前記傾斜部が設けられた前記本体側貫通孔の出光側の開口の中心は、前記本体側貫通孔の入光側の開口の中心よりもアイボックスが位置する方向と反対方向にずれて設けられる、
請求項2または3に記載の空中表示装置。 - 前記再帰反射シートに前記本体側貫通孔が設けられる場合に、前記本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する前記構造は、前記本体側貫通孔として設けられた拡大孔である、
請求項1に記載の空中表示装置。 - 前記拡大孔は、複数の前記貫通孔を包含する大きさであるか、または、個々の前記貫通孔を包含する大きさである、
請求項6に記載の空中表示装置。 - 前記拡大孔は、ユーザが視認するアイボックスの位置および前記面状発光体からの光の出射角度に応じ、前記再帰反射シートの内部からアイボックス側に光が出射する源となる断面部分に対応して設けられる、
請求項6または7に記載の空中表示装置。 - 前記拡大孔が個々の前記貫通孔を包含する場合、前記拡大孔の中心は、包含される前記貫通孔の中心よりもアイボックスが位置する方向と反対方向にずれて設けられる、
請求項6または7に記載の空中表示装置。 - 前記再帰反射シートに前記本体側貫通孔が設けられる場合に、前記本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する前記構造は、前記本体側貫通孔の断面の少なくとも一部に設けられた吸収層である、
請求項1に記載の空中表示装置。 - 前記再帰反射シートが前記遮光シートを有しておらず、
前記再帰反射シートに前記本体側貫通孔が設けられる場合に、前記本体側貫通孔の断面への光の入射を阻止する前記構造は、前記本体側貫通孔の断面の少なくとも一部に設けられた吸収層である、
請求項1に記載の空中表示装置。 - 前記再帰反射シートに前記本体側貫通孔が設けられない場合に、前記再帰反射シートの前記遮光シート以外の部分の前記貫通孔に対応する部分の光の透過を確保する前記構造は、前記貫通孔よりも大きい範囲において前記再帰反射シートにプリズムおよび反射層が設けられない領域である、
請求項1に記載の空中表示装置。 - 前記再帰反射シートに前記本体側貫通孔が設けられない場合に、前記再帰反射シートの前記遮光シート以外の部分の前記貫通孔に対応する部分の光の透過を確保する前記構造は、前記貫通孔よりも大きい範囲において前記再帰反射シートに反射層が設けられない領域である、
請求項1に記載の空中表示装置。 - 前記領域は、複数の前記貫通孔を包含する大きさであるか、または、個々の前記貫通孔を包含する大きさである、
請求項12または13に記載の空中表示装置。 - 前記遮光シートは、シート単体で構成され、または、透明シート上に遮光印刷されて構成される、
請求項1に記載の空中表示装置。 - 前記遮光シートを含む前記再帰反射シートの厚さは、前記貫通孔の大きさに対して略1以下である、
請求項1に記載の空中表示装置。
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2022
- 2022-06-08 JP JP2022093289A patent/JP2023180146A/ja active Pending
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