JP2023176867A - プリンタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バックフィードを精度よく行うことが可能なプリンタ装置を提供する。【解決手段】複数のラベルが所定間隔で貼付された台紙を、前進方向及び後進方向に搬送する搬送部と、前記台紙が前記前進方向に搬送される過程で前記ラベルに印字を行う印字部と、前記印字部を通過した前記台紙を屈曲させて印字後の前記ラベルを剥離する剥離部と、前記剥離部で剥離された前記ラベルを排出する排出口と、前記ラベルが剥離された前記台紙を巻き取る巻取軸と、前記台紙を巻き取る巻取方向に前記巻取軸を回転駆動する駆動部と、前記巻取軸と前記駆動部との間に設けられ、前記巻取方向への回転力を前記巻取軸に伝達し、前記巻取方向とは逆方向の回転力を空転状態とする駆動列と、前記台紙を前記前進方向に搬送させている間、前記駆動部を前記巻取方向に回転駆動させ、前記ラベルが前記排出口から排出されると、前記台紙を前記後進方向に所定量搬送させる制御部とを備える。【選択図】図7

Description

本発明の実施形態は、プリンタ装置に関する。
従来、ラベルに印字を行うプリンタ装置が知られている。例えば、複数のラベルが所定間隔で貼付された台紙に印字を行なうプリンタ装置では、巻回された台紙をサーマルヘッド等の印字ヘッドに繰り出すことで、ラベルの表面に印字を行う。
また、印字されたラベルを台紙から剥離する機構を備えるプリンタ装置では、モータ等の駆動源で巻取軸を回転し、ラベルが剥離された台紙を巻取軸で巻き取ることも行われている。また、このようなプリンタ装置では、ラベルの印字が完了すると、次のラベルを印字ヘッドの印字開始位置まで戻すため、台紙を印字時とは逆方向に搬送するバックフィードが行われている。
ところで、台紙をバックフィードする際には、駆動源の無励磁トルク等を要因とする負荷に抗いながら、巻取軸に巻き取られた台紙を当該巻取軸から引き出すことになる。そのため、バックフィードを行う際には、負荷の影響により台紙の搬送に滑りが発生し易く、精度よく搬送することができない可能性があった。
本発明が解決しようとする課題は、バックフィードを精度よく行うことが可能なプリンタ装置を提供することである。
実施形態のプリンタ装置は、搬送部と、印字部と、剥離部と、排出口と、巻取軸と、駆動部と、駆動列と、制御部とを備える。搬送部は、複数のラベルが所定間隔で貼付された台紙を、前進方向及び後進方向に搬送する。印字部は、前記台紙が前記前進方向に搬送される過程で前記ラベルに印字を行う。剥離部は、前記印字部を通過した前記台紙を屈曲させて印字後の前記ラベルを剥離する、排出口は、前記剥離部で剥離された前記ラベルを排出する。巻取軸は、前記ラベルが剥離された前記台紙を巻き取る。駆動部は、前記台紙を巻き取る巻取方向に前記巻取軸を回転駆動する。駆動列は、前記巻取軸と前記駆動部との間に設けられ、前記巻取方向への回転力を前記巻取軸に伝達し、前記巻取方向とは逆方向の回転力を空転状態とする。制御部は、前記搬送部及び前記駆動部を制御する。また、前記制御部は、前記台紙を前記前進方向に搬送させている間、前記駆動部を前記巻取方向に回転駆動させ、前記ラベルが前記排出口から排出されると、前記台紙を前記後進方向に所定量搬送させる。
図1は、実施形態に係るラベルプリンタの概略構成を示す図である。 図2は、実施形態に係るラベルプリンタのハードウェア構成の一例を示す図である。 図3は、実施形態に係るラベルプリンタの印字動作を説明するための図である。 図4は、実施形態に係るラベルプリンタの印字動作を説明するための図である。 図5は、実施形態に係るラベルプリンタの印字動作を説明するための図である。 図6は、実施形態に係るラベルプリンタの印字動作を説明するための図である。 図7は、実施形態に係る巻取ローラの回転駆動に係る駆動列の一例を示す図である。 図8は、実施形態に係る巻取ローラの回転駆動に係る駆動列の一例を示す図である。 図9は、実施形態に係る巻取ローラの駆動列の他の構成例を示す図である。 図10は、実施形態のラベルプリンタが実行する動作の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係るラベルプリンタ1の概略構成を示す図である。ラベルプリンタ1は、本開示におけるプリンタ装置の一例である。
ラベルプリンタ1は、筐体2の内部に、印字用紙の一例であるラベル用紙LPをロール状に巻回したラベルロールLRを収容する。ラベル用紙LPには、長尺の台紙Mに複数のラベルLが所定間隔で貼付されている(図3参照)。ラベルプリンタ1は、ラベルロールLRからラベル用紙LPを引き出しながらラベルLに印字を行う。
ラベルプリンタ1は、筐体2の内部に、搬送ローラ11と、プラテンローラ12と、印字ヘッド13と、ラベル間検知センサ14と、剥離ガイド15と、巻取ローラ16と、剥離検知センサ17とを備える。また、ラベルプリンタ1は、筐体2の内部に、リボン保持軸21と、リボン巻取軸22と、ガイド軸23とを備える。
搬送ローラ11は、キャプスタンローラ111と、二つの補助ローラ112とを有する。ラベルロールLRから引き出されたラベル用紙LPは、キャプスタンローラ111と、補助ローラ112との間に挿通される。プラテンローラ12は、印字ヘッド13に対向する位置に配置される。ラベル用紙LPは、プラテンローラ12と、印字ヘッド13との間に挿通される。
キャプスタンローラ111及びプラテンローラ12は、後述する第1駆動モータ106(図2参照)によって回転駆動される。例えば、第1駆動モータ106は、ラベル用紙LPの印字を行う際に、キャプスタンローラ111及びプラテンローラ12を反時計回りに回転させ、ラベル用紙LPを排出口3に向けて-Y方向に搬送する。また、第1駆動モータ106は、印字の完了後、次のラベルLを印字開始位置まで戻すため、キャプスタンローラ111及びプラテンローラ12を時計回りに回転させ、ラベル用紙LPを逆方向(+Y方向)に搬送する。
以下、ラベル用紙LPを-Y方向に搬送する際の第1駆動モータ106、キャプスタンローラ111及びプラテンローラ12の回転及び回転方向を「正転」ともいう。また、ラベル用紙LPを+Y方向に搬送方向を搬送する際の第1駆動モータ106、キャプスタンローラ111及びプラテンローラ12の回転及び回転方向を「逆転」ともいう。
印字ヘッド13は、印字部の一例である。本実施形態の印字ヘッド13は、複数個の発熱体を整列させた構造を有するサーマルヘッドである。印字ヘッド13は、印字パターンに対応する発熱体を発熱させることによって、プラテンローラ12と印字ヘッド13との間に挟持されたラベル用紙LPのラベルLに印字を行う。
具体的には、プラテンローラ12と印字ヘッド13との間には、インクリボンIRが挿通される。インクリボンIRに塗布されたインクは、熱した印字ヘッド13によってラベル用紙LPのラベルLに転写される。
ここで、インクリボンIRは、リボン保持軸21とリボン巻取軸22との間に懸架される。リボン保持軸21は、未使用のインクリボンIRをロール状に巻装している。リボン巻取軸22は、インクリボンIRを巻き取る軸である。また、ガイド軸23は、リボン保持軸21とリボン巻取軸22との間に懸架されるインクリボンIRを所定の位置へと導くためのガイド部材である。リボン巻取軸22は、ラベル用紙LPを印字する際に図示しないモータによって時計回りに回転駆動され、印字後のインクリボンIRを巻き取る。
なお、印字ヘッド13は、ソレノイド等の図示しない移動機構により上下に移動する。これによって、ラベルプリンタ1では、印字ヘッド13がプラテンローラ12に当接した状態と、印字ヘッド13がプラテンローラ12から離れた非当接の状態とを切り替えることが可能となっている。印字ヘッド13は、ラベル用紙LPの印字を行う際にプラテンローラ12に当接される。また、リボン巻取軸22は、印字が行われる間、ラベル用紙LPの搬送速度に応じた速度でインクリボンIRを巻き取り、印字ヘッド13が非当接の状態になると、巻き取りを停止する。
ラベル間検知センサ14は、搬送ローラ11とプラテンローラ12との間のラベル用紙LPの搬送経路に設けられる。ラベル間検知センサ14は、ラベル用紙LPからラベルL間の間隙の位置(所謂ラベルギャップ)を検出する。具体的には、ラベル間検知センサ14は、ラベル用紙LPの搬送時に受光レベルが所定の閾値以上である部分を、ラベル間の間隙の位置として検出する。なお、ラベル間検知センサ14は、例えば、発光素子と受光素子とで構成される透過型のセンサによって実現することができる。
ラベルプリンタ1は、ラベル間検知センサ14が検出したラベルギャップの位置から、ラベルLの位置を割り出し、印字ヘッド13の印字開始位置にラベルLを位置付ける位置調整や印字タイミングの調整等を行う。
印字が完了したラベル用紙LPは、剥離部の一例である剥離ガイド15において、台紙MとラベルLとに分離される。剥離ガイド15は、互いに鋭角で交差する2枚の面を有するV字形状の柱状部材である。剥離ガイド15は、X方向に沿って設置される。剥離ガイド15は、排出口3に向けて搬送されたラベル用紙LPを屈曲させて、台紙MとラベルLとを剥離する。剥離された台紙Mは、巻取ローラ16に巻き取られる一方、台紙Mから剥離されたラベルLは、筐体2に設けられた排出口3から排出(発行)される。
巻取ローラ16は、巻取軸の一例である。巻取ローラ16は、ラベルLが剥離された台紙Mを巻き取る。巻取ローラ16は、後述する第2駆動モータ107(図2参照)によって回転駆動される。例えば、第2駆動モータ107は、ラベル用紙LPの印字を行う際に、巻取ローラ16を反時計回りに回転させ、ラベルLが剥離された台紙M(ラベル用紙LP)を巻取ローラ16に巻き取らせる。
以下、ラベル用紙LPを巻き取る際の第2駆動モータ107及び巻取ローラ16の回転及び回転方向を「正転」ともいう。また、正転とは逆の方向に回転する際の第2駆動モータ107及び巻取ローラ16の回転及び回転方向を「逆転」ともいう。なお、巻取ローラ16の正転時の回転方向は、ラベル用紙LPの巻取方向に対応するものである。
剥離検知センサ17は、排出口3の近傍に設置され、台紙Mから剥離されたラベルLの有無を検出する。剥離検知センサ17は、例えば、発光素子と受光素子とで構成される透過型のセンサで実現することができる。
剥離検知センサ17がラベルLを検出すると、ラベルプリンタ1は、ラベル用紙LPの搬送と印字とを一時停止する。そして、ユーザが、排出口3からラベルLを取り除くと、剥離検知センサ17は、ラベルLが存在しないことを検出する。ラベルプリンタ1は、剥離検知センサ17でラベルLが存在しないことが検出された場合、ラベル用紙LPの搬送と印字を再開する。
具体的には、ラベルプリンタ1は、印字を再開する場合、剥離が行われたラベルLの次のラベルLを印字ヘッド13の印字開始位置まで戻すため、ラベル用紙LPを印字時の搬送方向とは逆の方向に所定量搬送させる。そして、ラベルプリンタ1は、逆方向への搬送が完了すると、次のラベルLの印字を行い、印字が完了したラベルLを排出口3から発行する。以下、ラベル用紙LPの印刷時の搬送を「フィード」、当該搬送時の搬送方向を「フィード方向」ともいう。また、ラベル用紙LPを印字開始位置に戻すための搬送を「バックフィード」、当該搬送時の搬送方向を「バックフィード方向」ともいう。
次に、図2を参照して、ラベルプリンタ1のハードウェア構成について説明する。図2は、ラベルプリンタ1のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、ラベルプリンタ1は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、及びRAM(Random Access Memory)103を備える。
CPU101は、プロセッサの一例であり、ラベルプリンタ1の制御主体となる。ROM102は、各種プログラムを記憶する。RAM103は、プログラムや各種データを展開する。CPU101、ROM102、及びRAM103は、バス等を介して接続されている。CPU101とROM102とRAM103は、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU101がROM102や後述する記憶部104に記憶されRAM103に展開された制御プログラム1041に従って動作することによって、ラベルプリンタ1の動作に係る制御処理を実行する。
記憶部104は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。記憶部104は、ラベルプリンタ1の動作を制御するための制御プログラム1041を記憶する。また、記憶部104は、ラベルプリンタ1の動作に係る各種の設定情報を記憶する。
また、制御部100は、バス等を介して、データの入出力を制御するコントローラ105に接続される。コントローラ105には、上述した印字ヘッド13、ラベル間検知センサ14、及び剥離検知センサ17の他、第1駆動モータ106、第2駆動モータ等が接続される。
第1駆動モータ106は、搬送ローラ11(キャプスタンローラ111)及びプラテンローラ12の駆動源である。第2駆動モータ107は、駆動部の一例であり、巻取ローラ16の駆動源である。第1駆動モータ106及び第2駆動モータ107は、例えばステッピングモータである。ここで、第1駆動モータ106は、上述した搬送ローラ11及びプラテンローラ12とともに、ラベル用紙LPをフィード方向(前進方向)及びバックフィード方向(後進方向)に搬送する搬送部の一例として機能する。
なお、本実施形態では、搬送ローラ11及びプラテンローラ12の駆動源を第1駆動モータ106としたが、ローラ毎に駆動源を設ける構成としてもよい。本実施形態では、少なくとも、搬送ローラ11及びプラテンローラ12と、巻取ローラ16とが異なる駆動源により駆動されるものとする。
コントローラ105は、ラベル間検知センサ14及び剥離検知センサ17の検知結果を制御部100に出力する。また、コントローラ105は、制御部100からの指示を受けて、ラベルプリンタ1の各部の動作を制御する。例えば、コントローラ105は、第1駆動モータ106及び第2駆動モータ107の動作を制御することで、ラベル用紙LPを所定の搬送速度でフィードさせたり、所定の搬送量をバックフィードさせたりする。
また、制御部100は、バス等を介して、通信部108と接続される。通信部108は、図示しない通信回線を介して、情報処理装置等の外部装置と通信を行う。例えば、通信部108は、外部装置からラベルLに印字する印字データを取得したり、印字の指示を取得したりする。通信回線は、有線の通信回線であっても無線の通信回線であってもよい。
なお、ラベルプリンタ1のハードウェア構成は、図2の構成に限らないものとする。例えば、ラベルプリンタ1は、ユーザから操作を受け付けるための操作部や、各種情報を表示する表示部等を備えてもよい。
上記構成のラベルプリンタ1において、制御部100は、制御プログラム1041と協働することで、ラベルプリンタ1の各部を制御し、ラベル用紙LP(ラベルL)を搬送しながら印字を行う。以下、図3~図6を参照して、ラベルプリンタ1の印字動作について説明する。
例えば、制御部100は、通信部108や図示しない操作部等を介して印字データの印字が指示されると、コントローラ105を介して第1駆動モータ106及び第2駆動モータ107を駆動させることで、搬送ローラ11、プラテンローラ12、及び巻取ローラ16を正転させる。これにより、ラベルロールLRから引き出されたラベル用紙LPは、排出口3の方向へと搬送される。
ラベル用紙LPの搬送に伴い、ラベル間検知センサ14でラベル間の位置が検出されると、制御部100は、その検出信号を、コントローラ105を介して受け付ける。次いで、制御部100は、予め定められたラベル用紙LPの搬送速度や、搬送経路における印字ヘッド13の配置位置から、印字ヘッド13で印字を行う印字タイミング等を特定する。
続いて、制御部100は、コントローラ105を介して、印字ヘッド13の発熱素子に電圧を印加することで、特定した印字タイミングに基づき、印字データに応じた画像(文字列等)をラベル用紙LPのラベルLに印字させる。
図3は、ラベルプリンタ1の印字動作を説明するための図である。なお、図3では、図1に示した構成のうち、プラテンローラ12、印字ヘッド13、ラベル間検知センサ14、剥離ガイド15、巻取ローラ16及び剥離検知センサ17以外の図示を省略している(図4~図6も同様)。
図3では、ラベル用紙LPに配列されたラベルLa、Lb、Lcのうち、先行するラベルLaの先端が印字ヘッド13の位置(印字開始位置)まで搬送された状態を示している。また、図中実線で示す矢印方向は、フィードされるラベル用紙LPの搬送方向を表している。フィードされたラベル用紙LPは、剥離ガイド15によって折り返され、巻取ローラ16によって巻き取られる。
制御部100は、ラベルLの印字が完了すると、ラベル用紙LPをフィード方向に搬送する。ラベル用紙LPの搬送に伴い、剥離ガイド15によって剥離されたラベルLが剥離検知センサ17で検出されると、制御部100は、その検出信号を、コントローラ105を介して受け付ける。次いで、制御部100は、ラベル用紙LPの搬送を停止する。
図4は、図3に示したラベルLaの印字が完了し、排出口3までラベルLaが搬送された状態を示している。図4の状態において、制御部100は、フィード方向への搬送を停止し、ラベルLaが取り除かれるまで待機する。
図4の状態において、ユーザは、排出口3から排出されたラベルLaを取り除く。図5は、図4の状態からラベルLaが取り除かれた状態を示している。ラベルLaが取り除かれると、剥離検知センサ17は、ラベルLaが存在しないことを検出する。
ここで、ラベルLaの次のラベルLbに着目すると、ラベルLbの先端は、印字ヘッド13を通過した位置にある。そのため、制御部100は、図6に示すように、ラベル用紙LPを所定量バックフィードさせることで、ラベルLbの先端を印字ヘッド13の印字開始位置まで戻す。なお、図中破線で示す矢印方向は、バックフィードされるラベル用紙LPの搬送方向を意味している。
そして、制御部100は、ラベルLへの印字を継続して行う場合、図3~5で説明したように、ラベル用紙LPをフィードしながらラベルLbに印字を行う。また、ラベルLc以降も印字する場合、図6、図3~図5の動作を繰り返し実行する。
ところで、ラベル用紙LPのバックフィードを行う際には、第1駆動モータ106を逆転させ、巻取ローラ16に巻き取られたラベル用紙LP(台紙M)を引き出すことになる。このとき、第1駆動モータ106は、第2駆動モータ107の無励磁トルク等を要因とする負荷に抗いながら、巻取ローラ16に巻き取られたラベル用紙LPを当該巻取ローラ16から引き出すことになる。そのため、バックフィードを行う際には、負荷の影響によりラベル用紙LPの搬送に滑りが発生し易く、精度よく搬送することができない可能性があった。
具体的には、ラベル用紙LPをバックフィードする際は、次のラベルLが印字ヘッド13の印字開始位置に到達するまで固定値分の搬送量をバックフィードさせることになるが、ローラ搬送の滑りにより搬送量にずれが発生する可能性がある。この場合、ラベルL上での印字位置がずれてしまうため印字精度が低下する可能性がある。
なお、ラベル間検知センサ14が検知可能な位置までラベル用紙LPをバックフィードさせることで、検知結果に基づき位置調整を行う方策が挙げられるが、搬送量が増加するため、スループットが悪化するという問題がある。
そこで、本実施形態のラベルプリンタ1では、上述した課題に対応するため、ラベル用紙LPのバックフィードを精度よく行うための駆動列を備えている。以下、図7及び図8を用いて、ラベルプリンタ1が備える駆動列について説明する。
図7及び図8は、巻取ローラ16の回転駆動に係る駆動列の一例を示す図である。なお、図7及び図8は、Z方向から見た巻取ローラ16の状態を示している。
巻取ローラ16は、回転軸となる巻取軸161と、巻取軸161の周囲に設けられたスリーブ162とを有する。巻取軸161は、巻取ローラ16の軸であり軸方向に回転自在に構成されている。スリーブ162は、例えばゴム等の素材で形成され、巻取軸161の周囲に設けられている。
巻取軸161は、図7、8に示す駆動列30により、第2駆動モータ107の駆動力を得て回転駆動されるように構成されている。
駆動列30は、巻取ローラ16と第2駆動モータ107との間に設けられる。駆動列30は、第1ギア31、第2ギア32、軸部33、第3ギア34、第4ギア35、及びワンウェイクラッチ36を備える。第1ギア31は、例えば、第2駆動モータ107の回転軸に設けられ、第2駆動モータ107の駆動力を得て回転する。第1ギア31は、第2ギア32と噛合している。第2ギア32は軸部33を備えている。軸部33には、第3ギア34が取り付けられている。第3ギア34は、巻取軸161の軸端に固定される第4ギア35と噛合している。
また、第3ギア34は、ワンウェイクラッチ36を介して軸部33に取り付けられている。ワンウェイクラッチ36は、フィードの際には第3ギア34に回転力を伝達し,バックフィードの際には第3ギア34からの駆動を遮断するクラッチ機構である。
上記の構成において、第2駆動モータ107は、ラベル用紙LPをフィードする場合、制御部100の制御の下、駆動列30を第1方向(図7の実線矢印方向)に回転させる。この場合、第2駆動モータ107の駆動力は、第1ギア31、第2ギア32、第3ギア34、及び第4ギア35を介して巻取軸161に伝達され、巻取ローラ16を正転させる。これにより、巻取ローラ16は、フィードされたラベル用紙LP(台紙M)の巻き取り動作を行う。
一方、ラベル用紙LPをバックフィードする場合、巻取ローラ16に巻き取られたラベル用紙LP(台紙M)が、プラテンローラ12の逆転により引き出されるため、巻取ローラ16も逆転することになる。このとき、駆動列30は第1方向とは反対の第2方向(図8の破線矢印方向)に回転する回転力を受けるが、第2駆動モータ107によってワンウェイクラッチ36が空転状態となるため、巻取ローラ16は、第1ギア31、第2ギア32及び第2駆動モータ107から切り離された状態で回転することになる。
なお、ラベル用紙LPのバックフィードを行う際には、ワンウェイクラッチ36の空転状態を確実に実現するため、第1駆動モータ106の逆転に先立って、第2駆動モータ107を逆転させることが好ましい。
具体的には、制御部100は、第1駆動モータ106の逆転駆動に先立って、第2駆動モータ107を逆転駆動することで、ワンウェイクラッチ36の空転状態を実現する。より詳細には、制御部100は、バックフィードによるラベル用紙LPの引き出しにより発生する軸部33の第1回転数n1と、第2駆動モータ107の逆転駆動により発生する軸部33の第2回転数n2とが、n1<n2となるように第2駆動モータ107を逆転駆動させる。また、ラベル用紙LPの引き出しにより発生する軸部33の第1回転数n1は、軸部33に巻かれたラベルの量によって変化するが、制御部100は、如何なる条件でもn1<n2の関係を満たすように第2駆動モータ107を逆転駆動させる。これにより、ワンウェイクラッチ36が空転する状態となる。
そして、制御部100は、ワンウェイクラッチ36を空転状態とした後、第1駆動モータ106を逆転駆動させることで、ラベル用紙LP(台紙M)を所定量バックフィードさせる。これにより、制御部100は、次のラベルLを印字ヘッド13の印字開始位置まで搬送する。
なお、ワンウェイクラッチ36の空転状態では、巻取ローラ16は無負荷となるため、バックフィード終了時に回転の慣性で台紙Mに弛みが発生する可能性がある。そこで、例えば、図9に示すように、巻取ローラ16の駆動列30等に、第2方向への回転に一定の負荷トルクを発生させるトルクリミッタ37を追加し、適切な負荷を与えて弛みの発生を防止する構成としてもよい。
図9は、巻取ローラ16の駆動列の他の構成例を示す図である。図9では、巻取軸161の両端部のうち、第4ギア35が設けられた軸端とは異なる他方の軸端にトルクリミッタ37を設けた例を示している。なお、トルクリミッタ37の負荷トルクT1は、第2駆動モータ107の逆転駆動により巻取ローラ16に発生する慣性トルクT2、及びラベル用紙LPの引き出しにより巻取ローラ16に発生するトルクT3に対して、T2<T1<T3となるよう設定されるものとする。これにより、トルクリミッタ37は、バックフィード時に、搬送ローラ11及びプラテンローラ12による搬送力から生じるトルクT3よりも小さい負荷を巻取ローラ16に付加する。また、トルクリミッタ37は、バックフィードの終了時に、逆転していた巻取ローラ16に残る回転の慣性モーメント(慣性トルクT2)よりも大きい負荷を巻取ローラ16に付加する。したがって、ラベルプリンタ1では、台紙Mに弛みが発生することなくバックフィードを行うことができる。
上記の構成により、ラベルプリンタ1は、第2駆動モータ107の負荷の影響を受けずに、ラベル用紙LPのバックフィードを行うことができるため、バックフィードによる印字開始位置への位置合わせを精度よく行うことができる。したがって、ラベルプリンタ1は、ラベルLへの印字を精度よく行うことができる。
次に、図10を参照して、ラベルプリンタ1の動作例について説明する。図10は、ラベルプリンタ1が実行する動作の一例を示すフローチャートである。
まず、制御部100は、第1駆動モータ106及び第2駆動モータ107を正転駆動し、印字開始位置までラベルL(ラベル用紙LP)を搬送する(ステップS11)。ラベルLが印字開始位置に達すると、制御部100は、印字ヘッド13を駆動することで、ラベルLに印字を行う(ステップS12)。
印字が完了すると、制御部100は、ラベル用紙LPを排出口3に向けて搬送する(ステップS13)。これにより、印字されたラベルLは、剥離ガイド15により台紙Mから一部が剥離された状態で排出口3から露出される。
次いで、制御部100は、剥離検知センサ17の検知結果に基づき、ラベルLが除去されるまで待機する(ステップS14;No)。ラベルLが除去されたことを検知すると(ステップS14;Yes)、制御部100は、ラベル用紙LPのバックフィードを行うためステップS15に移行する。
制御部100は、第2駆動モータ107を逆転駆動し、駆動列30のワンウェイクラッチ36を空転状態とする(ステップS15)。次いで、制御部100は、次のラベルLを印字開始位置に位置付けるため、第1駆動モータ106を逆転駆動し、ラベル用紙LPを所定の搬送量バックフィードさせる(ステップS16)。なお、制御部100は、ラベル用紙LPの引き出しにより発生する軸部33の第1回転数n1と、第2駆動モータ107の逆転駆動により発生する軸部33の第2回転数n2とが、n1<n2となるように第2駆動モータ107を逆転駆動させるものとする。
続いて、制御部100は、印字を終了するか否かを判定する(ステップS17)。例えば、複数のラベルLに連続して印字することが指示された場合、制御部100は、印字を継続すると判定し(ステップS17;No)、ステップS12に処理を戻す。そして、制御部100は、印字開始位置に位置付けた次のラベルLに印字を行う。
また、例えば、指定された枚数のラベルLを印字した場合、制御部100は、印字を終了すると判定し(ステップS17;Yes)、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態のラベルプリンタ1は、巻取ローラ16と第2駆動モータ107との間に、ラベル用紙LPを巻き取る巻取方向への回転力を巻取ローラ16巻取軸に伝達し、巻取方向とは逆方向の回転力を空転状態とする駆動列30を備える。また、ラベルプリンタ1は、ラベル用紙LPをフィード方向に搬送させている間、第2駆動モータ107を正転駆動させ、印刷後のラベルLが排出口3から排出されると、ラベル用紙LPをバックフィード方向に所定量搬送させる。
これにより、ラベルプリンタ1は、第2駆動モータ107の負荷の影響を受けずに、ラベル用紙LPのバックフィードを行うことができるため、バックフィードを精度よく行うことができる。したがって、ラベルプリンタ1は、バックフィードによる印字開始位置への位置合わせを精度よく行うことができるため、ラベルLへの印字精度を向上させることができる。また、ラベルプリンタ1では、バックフィード時の搬送量を抑えることができ、スループットの向上を図ることができる。
また、ラベルプリンタ1は、ラベル用紙LPのバックフィードに先駆けて、第2駆動モータ107を逆転駆動させる。さらに、ラベルプリンタ1は、ラベル用紙LPの引き出しにより発生する軸部33の第1回転数n1よりも、第2駆動モータ107の逆転駆動により発生する軸部33の第2回転数n2が大きくなるように、第2駆動モータ107を逆転駆動させる。これにより、ラベルプリンタ1は、ラベル用紙LPのバックフィードに先駆けて、ワンウェイクラッチ36の空転状態を実現することができ、第2駆動モータ107の負荷のない状態でバックフィードを行うことができる。
また、ラベルプリンタ1は、バックフィード時のラベル用紙LPの引き出しにより巻取ローラ16に生じるトルクよりも小さく、バックフィードの終了時に巻取ローラ16に残る回転の慣性モーメントよりも大きい負荷を、巻取ローラ16に付加するトルクリミッタ37を更に備える。これにより、ラベルプリンタ1は、台紙Mに弛みが発生することなくバックフィードを行うことができるため、台紙Mが蛇行する等の搬送異常の発生を防ぐことができる。
なお、上述した実施形態は、ラベルプリンタ1が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
(変形例1)
上述の実施形態では、駆動列30を4つのギアで構成し、第3ギア34にワンウェイクラッチ36を設ける構成としたが、駆動列30の構成はこれに限らないものとする。例えば、駆動列30は、1~3、又は5以上のギアを備えてもよい。また、ワンウェイクラッチ36は、駆動列30を構成するギアの何れに設けてもよく、例えば図7で説明した第2ギア32等に設けてもよい。
(変形例2)
上述の実施形態では、図10のフローチャートで説明したように、印字を終了する前にバックフィードを行う構成としたが、これに限らず、印字を終了する際にはバックフィードを行わない構成としてもよい。この場合、ラベルプリンタ1は、印字の再開時にステップS15及びステップS16の処理を行うことで、印字開始位置にバックフィードを行う構成としてもよい。また、ラベルプリンタ1は、印字の再開時にラベル間検知センサ14が検知可能な位置までバックフィードを行う構成としてもよい。
なお、上述の実施形態のラベルプリンタ1で実行されるプログラムは、ROMや記憶部等に予め組み込まれた状態で提供される。上述の実施形態のラベルプリンタ1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、上述の実施形態のラベルプリンタ1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態のラベルプリンタ1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態やその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 ラベルプリンタ
2 筐体
3 排出口
11 搬送ローラ
12 プラテンローラ
13 印字ヘッド
14 ラベル間検知センサ
15 剥離ガイド
16 巻取ローラ
17 剥離検知センサ
30 駆動列
31 第1ギア
32 第2ギア
33 軸部
34 第3ギア
35 第4ギア
36 ワンウェイクラッチ
37 トルクリミッタ
100 制御部
106 第1駆動モータ
107 第2駆動モータ
特開2010-023327号公報

Claims (5)

  1. 複数のラベルが所定間隔で貼付された台紙を、前進方向及び後進方向に搬送する搬送部と、
    前記台紙が前記前進方向に搬送される過程で前記ラベルに印字を行う印字部と、
    前記印字部を通過した前記台紙を屈曲させて印字後の前記ラベルを剥離する剥離部と、
    前記剥離部で剥離された前記ラベルを排出する排出口と、
    前記ラベルが剥離された前記台紙を巻き取る巻取軸と、
    前記台紙を巻き取る巻取方向に前記巻取軸を回転駆動する駆動部と、
    前記巻取軸と前記駆動部との間に設けられ、前記巻取方向への回転力を前記巻取軸に伝達し、前記巻取方向とは逆方向の回転力を空転状態とする駆動列と、
    前記搬送部及び前記駆動部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記台紙を前記前進方向に搬送させている間、前記駆動部を前記巻取方向に回転駆動させ、前記ラベルが前記排出口から排出されると、前記台紙を前記後進方向に所定量搬送させる、プリンタ装置。
  2. 前記駆動列は、前記巻取方向への回転力を前記巻取軸に伝達し、前記巻取方向とは逆方向の回転力を空転させるワンウェイクラッチを少なくとも含む、
    請求項1に記載のプリンタ装置。
  3. 前記制御部は、前記台紙の後進方向への搬送に先駆けて、前記駆動部を前記巻取方向と逆方向に回転駆動させる、請求項2に記載のプリンタ装置。
  4. 前記制御部は、前記ワンウェイクラッチが設けられる回転軸の回転数について、前記台紙の前記後進方向への搬送により前記回転軸に発生する第1回転数よりも、前記駆動部の前記逆方向への回転駆動により前記回転軸に発生する第2回転数が大きくなるように、前記駆動部を前記逆方向に回転駆動させる、請求項3に記載のプリンタ装置。
  5. 前記巻取方向とは反対の方向に一定の負荷トルクを発生させるトルクリミッタを更に備え、
    前記トルクリミッタの前記負荷トルクは、前記駆動部の前記逆方向への回転駆動により前記巻取軸に発生する慣性トルクより大きく、前記台紙の前記後進方向への搬送により前記巻取軸に発生するトルクより小さく設定される、請求項1に記載のプリンタ装置。
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