JP2023176574A - アミド結合の生成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペプチドやタンパク質のコンフォメーション、生物学的活性、薬学的プロファイルを改変させうる、立体的に混みあったペプチドの合成にも使用し得るアミド結合の生成方法、特にα,α-ジ置換アミノ酸とN-置換アミノ酸との間でのアミド結合生成に資するアミド結合の生成方法を提供する。【解決手段】特定の化学構造を有するシアニド化合物と、特定の化学構造を有するシステイン誘導体とを反応させ、前記シアニド化合物に由来するα,α-ジ置換アミノ酸と、前記システイン誘導体に由来するN-置換アミノ酸との間でのアミド結合を有するペプチド化合物を製造する、アミド結合の生成方法。【選択図】なし

Description

本発明は、アミド結合の生成方法に関する。
アミノ酸同士がペプチド結合を介して連結されたペプチドやタンパク質は、学術的にも産業的にも多くの分野で注目されている。ペプチドやタンパク質において、例えば、コンフォメーション、生物学的活性、薬学的プロファイルを改変させるツールとして、α,α-ジ置換アミノ酸や、N-置換アミノ酸が、通常のアミノ酸骨格の中に導入されることがある。ペプチドやタンパク質におけるα,α-ジ置換アミノ酸や、N-置換アミノ酸の導入に非常に大きな興味がもたれる一方、これらの立体的に混みあったペプチドの合成法はあまり知られていない。
立体的に混みあったペプチドの合成法、特にα,α-ジ置換アミノ酸とN-置換アミノ酸との間でのアミド結合生成としては以下の2法が知られている。
1)Schafmeister法(非特許文献1)
Figure 2023176574000001
2)Danishefsky法(非特許文献2)
Figure 2023176574000002
ところで、比較的大きな分子量を有するオリゴペプチドとオリゴペプチドとの間におけるアミド結合生成では、官能基同士の望まない相互作用が増えるとともに、本来の反応点がオリゴペプチドの立体構造の内部に入り込み、アミド結合生成の反応性が低下することが広く知られている。すなわち、比較的大きな分子量を有するオリゴペプチド間では、アミド結合生成が容易ではない。このような不利なアミド結合の生成方法として、縮合剤を用いずに、水系の溶媒で進行するネイティブ・ケミカル・ライゲーション(Native Chemical Ligation)法が知られている。
具体的には、C末端にチオエステルを持つペプチドと、N末端に保護されていないシステインを持つペプチド間でアミド結合を生成させ、結合部(Ligation site)にシステイン残基を有するペプチドを製造することができる(非特許文献3)。
E.Schafmeister et al.、J.Am.Chem.Soc.、2008、130、14382 S.Danishefsky et al.、J.Am.Chem.Soc.、2009、131、12924 V.Agouridas et al.,Chem.Rev.、2019、119、7328-7443
立体的に混みあったペプチドの合成法を開示する非特許文献1及び非特許文献2に記載された方法は、いずれの方法でも、反応を進行させるために、一方のアミノ酸に保護されていないカルボキシル基が必要であり、例えば、オリゴペプチド間でのアミド結合生成には応用できないなど、十分な汎用性があるとは言い難い。
比較的大きな分子量を有するオリゴペプチド間におけるアミド結合生成に資する非特許文献3に記載された方法は、チオエステルを持つペプチドのC末端がプロリン、イソロイシン、バリンである場合に、システインを持つペプチドのシステイン残基との反応が非常に遅いという問題を有することが明らかとなっている(非特許文献3のFigure 47)。
また、アミド結合生成において、反応によっては反応の進行に必要な反応中間体の形成が、アミド結合生成部位の近傍におけるアミノ酸α-位のラセミ化を起こす場合がある。化合物の立体化学が生物活性に大きな影響を及ぼすことがあることは非常によく知られたことであり、化学反応における立体化学の制御は、アミド結合生成においても重要な課題である。
上記の課題に鑑み、本発明の第一の態様においては、ペプチドやタンパク質のコンフォメーション、生物学的活性、薬学的プロファイルを改変させうる、立体的に混みあったペプチドの合成にも使用し得るアミド結合の生成方法、特にα,α-ジ置換アミノ酸とN-置換アミノ酸との間でのアミド結合生成に資するアミド結合の生成方法を提供する。
また、本発明の第二の態様においては、アミド結合生成部位の近傍におけるアミノ酸α-位のラセミ化を抑制できるアミド結合の生成方法を提供する。
本発明は、以下の要旨を有する。
[1]式(1)
Figure 2023176574000003
(式中、R1Aは有機基を示し;
1Bは、水素原子、置換されていてもよいC1-4アルキル、又はアミノ酸側鎖を示し;
1Cは、水素原子、又はC1-4アルキルを示し;あるいは、
1B及びR1Cは、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示し;
1Dは、水素原子を示すか、あるいは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Bと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示す。)
で表されるシアニド化合物と、式(2)
Figure 2023176574000004
(式中、R2Aは水素原子、又は置換されていてもよいC1-4アルキルを示し;
2B及びR2Cは、それぞれ独立に、水素原子、又は有機基を示す。)
で表されるシステイン誘導体とを反応させ、式(3)
Figure 2023176574000005
(式中、R1Aは有機基を示し;
1Bは、水素原子、置換されていてもよいC1-4アルキル、又はアミノ酸側鎖を示し;
1Cは、水素原子、又はC1-4アルキルを示し;あるいは、
1B及びR1Cは、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示し;
1Dは、水素原子を示すか、あるいは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Bと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示し;
2Aは水素原子、又は置換されていてもよいC1-4アルキルを示し;
2B及びR2Cは、それぞれ独立に、水素原子、又は有機基を示す。)
で表されるペプチド化合物を製造する、アミド結合の生成方法。
[2]R1Bは、置換されていてもよいC1-4アルキル、又はアミノ酸側鎖を示し;
1Cは、C1-4アルキルを示し;あるいは、
1B及びR1Cは、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示し;
1Dは、水素原子を示すか、あるいは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Bと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示し;
2Aは置換されていてもよいC1-4アルキルを示す、[1]のアミド結合の生成方法。
[3]R1Bは、置換されていてもよいC1-4アルキルを示し;
1Cは、C1-4アルキルを示し;あるいは、
1B及びR1Cは、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示し;
1Dは、水素原子を示すか、あるいは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Bと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示し;
2B及びR2Cは、一方が水素原子、他方が有機基を示す、[2]のアミド結合の生成方法。
[4]R1Bは、メチル、エチル、若しくはベンジルを示し;
1Cは、メチルを示し;あるいは、
1B及びR1Cは、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、C3-8環状基を示し;
1Dは、水素原子を示し;
2Aは置換されていてもよいメチル、若しくはエチルを示す、[3]のアミド結合の生成方法。
[5]R1Bは、水素原子、又はアミノ酸側鎖を示し;
1Cは、水素原子を示し;
1Dは、水素原子を示すか、あるいは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Bと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示し;
2Aは水素原子を示す、[1]のアミド結合の生成方法。
[6]R2B及びR2Cは、一方が水素原子、他方が有機基を示す、[5]のアミド結合の生成方法。
[7]前記有機基が、それぞれ同一又は異なって、シアニド基及びメルカプト基を有さない有機基である、[1]~[6]のいずれかのアミド結合の生成方法。
[8]前記有機基が、それぞれ同一又は異なって、シアニド基及びメルカプト基を有さないアミノ酸残基、若しくはシアニド基及びメルカプト基を有さない2~100個のアミノ酸が連結したペプチド残基である、[7]のアミド結合の生成方法。
本発明の第一の態様におけるアミド結合の生成方法は、ペプチドやタンパク質のコンフォメーション、生物学的活性、薬学的プロファイルを改変させうる、立体的に混みあったペプチドの合成にも使用し得る。特にα,α-ジ置換アミノ酸とN-置換アミノ酸との間のアミド結合生成にも使用し得る。
また、本発明の第二の態様におけるアミド結合の生成方法によれば、アミド結合生成部位の近傍におけるアミノ酸α-位のラセミ化を抑制できる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変更して実施できる。
本明細書においては、以下の用語は以下の意味を示す。
「C1-4アルキル」とは、炭素数1~4の直鎖状若しくは分枝状のアルキルを意味する。例えば、メチル、エチル、プロパン-1-イル、プロパン-2-イル、ブタン-1-イル、ブタン-2-イル、2-メチルプロパン-2-イルが挙げられる。
「C1-4アルキル」において許容される置換基としては、例えば、ヒドロキシル、-O-(C1-4アルキル)、アミノ、-NH-(C1-4アルキル)、-N(C1-4アルキル)-(C1-4アルキル)、ニトロ、ハロゲン、オキソ、フェニル(メチル、エチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、及びハロゲンからなる群より選択される1~3の基で置換されていてもよい。)が挙げられ、これらの同一又は異なる1以上の基で置換されていてもよい。ある態様としては、フェニル、メトキシ、フルオロ、クロロが挙げられ、別の態様としては、フェニルが挙げられる。
「C3-8環状基」とは、炭素数3~8の飽和若しくは不飽和の環状基を意味し、環状基の環を形成する炭素原子は一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子で置き換えられていてもよい。例えば、シクロプロパン-1,1-ジイル、シクロブタン-1,1-ジイル、シクロペンタン-1,1-ジイル、シクロペンテン-3,3-ジイル、シクロヘキサン-1,1-ジイル、シクロヘキセン-3,3-ジイル、シクロヘプタン-1,1-ジイル、シクロオクタン-1,1-ジイル、オキシラン-2,2-ジイル、オキセタン-3,3-ジイル、テトラヒドロフラン-3,3-ジイル、テトラヒドロ-2H-ピラン-4,4-ジイル、ジヒドロ-2H-ピラン-4,4-ジイル、1,3-ジオキサン-2,2-ジイル、テトラヒドロチオフェン-3,3-ジイル、テトラヒドロ-2H-チオピラン-4,4-ジイル、ピロリジン-3,3-ジイル、ピペリジン-4,4-ジイルが挙げられる。
「C3-8環状基」において許容される置換基としては、例えば、C1-4アルキル、ヒドロキシル、-O-(C1-4アルキル)、アミノ、-NH-(C1-4アルキル)、-N(C1-4アルキル)-(C1-4アルキル)、カルボキシル、-C(=O)-O-(C1-4アルキル)、-C(=O)-O-(ベンジル(メチル、エチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、及びハロゲンからなる群より選択される1~3の基で置換されていてもよい。))、カルバモイル、-C(=O)-NH-(C1-4アルキル)、-C(=O)-N(C1-4アルキル)-(C1-4アルキル)、-C(=O)-(C1-4アルキル)、ニトロ、ハロゲン、オキソ、フェニル(メチル、エチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、及びハロゲンからなる群より選択される1~3の基で置換されていてもよい。)が挙げられ、これらの同一又は異なる1以上の基で置換されていてもよい。ある態様としては、-C(=O)-O-(C1-4アルキル)、-C(=O)-O-(フェニル)、メチル、ヒドロキシル、メトキシ、フルオロ、クロロが挙げられ、別の態様としては、-C(=O)-O-(C1-4アルキル)、-C(=O)-O-(ベンジル)が挙げられる。
「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードを意味する。
<アミド結合の生成方法>
本発明のアミド結合の生成方法は、式(1)で表されるシアニド化合物と、式(2)で表されるシステイン誘導体とを反応させ、式(3)で表されるペプチド化合物を製造する、アミド結合の生成方法、あるいは、式(1)で表されるシアニド化合物と、式(2)で表されるシステイン誘導体とを反応させ、式(3)で表されるペプチド化合物を製造する方法である。
本明細書において、「式(1)で表されるシアニド化合物」を「化合物(1)」若しくは「シアニド化合物(1)」とも言い、「式(2)で表されるシステイン誘導体」を「化合物(2)」若しくは「システイン誘導体(2)」とも言い、「式(3)で表されるペプチド化合物」を「化合物(3)」若しくは「ペプチド化合物(3)」とも言う。
本明細書において化学式中に立体化学が表示されている場合、特定の言及がなければ相対配置を示すものと理解される。
本発明のアミド結合の生成方法おけるペプチド化合物(3)の製造(以下、単に「本発明の方法」とも言う。)においては、リン化合物の存在下で反応を行ってもよい。特に、後述する本発明の第一の態様においてリン化合物の存在下で行うことが好ましい。
本発明の方法においては、反応の進行にリン化合物が必須というものではないが、系中に存在しうる酸素によって、メルカプト基を有するシステイン誘導体が酸化的に2量化し、ジスルフィドを与える場合がある。リン化合物が存在することにより、副生したジスルフィドが還元され、システイン誘導体が再生するため、望む反応がスムーズに進行しやすく、反応の収率を上げやすい。
リン化合物としてはホスフィン化合物が好ましく、上述のように副生するジスルフィドを還元するために用いられるホスフィン化合物を用いることができる。例えば、トリブチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィン、トリフェニルホスフィンのようなトリアリールホスフィン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン、トリス(3-ヒドロキシプロピル)ホスフィン)が挙げられ、トリブチルホスフィン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン、トリス(3-ヒドロキシプロピル)ホスフィン)が好ましく、トリブチルホスフィンがより好ましい。
本発明の方法においてリン化合物を用いる場合、リン化合物の使用量はシアニド化合物(1)の100モル%に対して、0モル%超500モル%以下が好ましく、10~200モル%がより好ましく、30~120モル%がさらに好ましく、40~110モル%が特に好ましい。
本発明の方法においては、反応中におけるシステイン誘導体のメルカプト基の酸化を防止するため、酸化防止剤の存在下で反応を行ってもよい。特に、後述する本発明の第一の態様において酸化防止剤の存在下で行うことが好ましい。
本発明の方法においては、反応の進行に酸化防止剤が必須というものではないが、酸化防止剤が存在することにより、システイン誘導体のメルカプト基の酸化が抑制され、望む反応がスムーズに進行しやすく、反応の収率を上げやすい。
酸化防止剤としては、例えば、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、エリソルビン酸、トコフェノール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、葉酸、リノール酸、リノレン酸が挙げられ、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、エリソルビン酸が好ましく、アスコルビン酸がより好ましい。
本発明の方法において酸化防止剤を用いる場合、酸化防止剤の使用量はシアニド化合物(1)の100モル%に対して、0モル%超400モル%以下が好ましく、50~300モル%がより好ましく、70~200モル%がさらに好ましく、100~150モル%がことさら好ましく、120~140モル%が特に好ましい。
後述する本発明の第一の態様においては、リン化合物及び/又は酸化防止剤を用いることが好ましく、リン化合物及び酸化防止剤を用いることがより好ましく、リン化合物としてのトリブチルホスフィン及び酸化防止剤としてのアスコルビン酸を用いることがさらに好ましい。
原料として使用するシアニド化合物(1)やシステイン誘導体(2)は、それらが有する官能基によって、酸や塩基との塩として用いることもできる。その場合には、反応系中において酸や塩基との塩を中和するため、塩基や酸を加えてもよい。例えば、システイン誘導体(2)として塩酸塩を用いることができ、反応系中において中和するための塩基、例えば炭酸水素ナトリウムをおおよそ等モル量加えてもよい。
本発明の方法における反応温度は、例えば、シアニド化合物(1)及びシステイン誘導体(2)の各置換基の性質、用いる反応溶媒、反応時間によって選択すればよい。例えば、20~70℃であり、0~120℃であってもよい。
なお、反応温度によっては、生成したペプチド化合物(3)のシステイン残基が有するメルカプト基と原料であるシアニド化合物(1)が反応して生成する副生成物が生じる割合が増えることがある。そのため、反応が十分に進行する温度範囲内で、反応温度を上げすぎないことが有利な場合がある。
本発明の方法における反応時間は、例えば、シアニド化合物(1)及びシステイン誘導体(2)の各置換基の性質、用いる反応溶媒、反応温度によって選択すればよい。例えば、10時間~10日間であり、1分間~20日間であってもよい。
本発明の方法に使用される反応溶媒としては、シアニド化合物(1)とシステイン化合物(2)との間でのアミド結合生成を阻害しない限り特に制限されない。
溶媒としては水を用いることが好ましく、シアニド化合物(1)及びシステイン誘導体(2)の水溶解性を考慮して、さらに有機溶媒を併用してもよい。併用し得る有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;が挙げられ、アルコール系溶媒が好ましい。アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールが好ましく、メタノール、エタノールがより好ましく、メタノールがさらに好ましい。
本発明の方法に使用される反応溶媒としての水としては、反応系中のpHの急激な変化を防止するため、水系緩衝液を用いてもよい。特に、後述する本発明の第一の態様において水系緩衝液を反応溶媒として用いることが好ましい。
水系緩衝液としては、系中における望むpHに応じて、例えば、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリスヒドロキシメチルアミノメタン緩衝液を用いることができ、リン酸緩衝液が好ましく、特にpH 7.2の0.2Mリン酸緩衝液を好ましく用いることができる。
本発明の方法に使用される反応溶媒として、水若しくは水系緩衝液とアルコール系溶媒を併用することが好ましく、水若しくは水系緩衝液とメタノールを併用することがより好ましい。本発明の第一の態様においては、水系緩衝液とアルコール系溶媒を併用することが好ましい。本発明の第二の態様においては、水とアルコール系溶媒を併用することが好ましい。
水若しくは水系緩衝液とアルコール系溶媒を併用する場合、その混合割合は、「水若しくは水系緩衝液の体積/アルコール系溶媒の体積」として、1/20~20/1が好ましく、1/10~10/1がより好ましく、1/5~5/1がさらに好ましく、1/3~1/1が特に好ましい。
本発明の方法に使用される反応溶媒の量は、十分な反応進行が確保される濃度となるように選択すればよい。例えば、系中のシアニド化合物(1)の濃度が0.001~2Mとなるように調整されることが好ましく、0.02~1Mがより好ましく、0.04~0.6Mがさらに好ましく、0.06~0.3Mがことさら好ましく、0.08~0.12Mが特に好ましい。
なお、反応系中のpHの急激な変化を防止するため、水系緩衝液を用いてもよい旨上述したが、この反応系中のpHの急激な変化の一つの原因として、反応の結果として生成する青酸(HCN)によるpHの低下が考えられる。従って、このpHの低下を抑制するため、水系緩衝液の使用とともに、あるいは水系緩衝液の使用に代えて、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、トリエチルアミンやジイソプロピルエチルアミン等の3級アミンを含む有機塩基の存在下で反応を行ってもよい。
シアニド化合物(1)及びシステイン誘導体(2)は、当業者に知られた反応、あるいは後述する製造例に記載された方法を参照して製造することができる。
本発明の方法においては、システイン誘導体(2)を用いてアミド結合を生成するため、生成したアミド結合部にシステイン残基を有するペプチド化合物(3)が製造される。システイン残基のメルカプト基は、常法に従って除去し、生成したアミド結合部にアラニン残基を有するペプチド化合物に変換することができる。例えば、Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 9248-9252や、Nat. Nanotechnol. 2018, 13, 381-385を参照し、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンを用いる方法を適用して、ペプチド化合物(3)のシステイン残基のメルカプト基を除去して、アラニン残基を有するペプチド化合物を製造することができる。
[第一の態様]
本発明の第一の態様は、ペプチドやタンパク質のコンフォメーション、生物学的活性、薬学的プロファイルを改変させうる、立体的に混みあったペプチドの製造に資するアミド結合の生成方法、特にα,α-ジ置換アミノ酸(特に、α,α-ジ置換-α-アミノ酸)とN-置換アミノ酸(N-置換システイン誘導体)との間でのアミド結合生成に資するアミド結合の生成方法である。
シアニド化合物(1)とシステイン誘導体(2)とを反応させ、ペプチド化合物(3)を製造できる。
本態様のアミド結合の生成方法は、前述のように特にα,α-ジ置換アミノ酸とN-置換アミノ酸との間でのアミド結合生成に資する。
本態様のアミド結合の生成方法は、α,α-ジ置換アミノ酸とN-置換アミノ酸との間でのアミド結合生成の他、α,α-ジ置換アミノ酸及びN-置換アミノ酸の一方又は両方を、それぞれグリシン若しくはα-モノ置換アミノ酸(例えば、グリシンを除く天然アミノ酸)及びN-無置換アミノ酸の一方又は両方に代えたアミド結合の生成に用いてもよい。ただし、グリシン若しくはα-モノ置換アミノ酸とN-置換アミノ酸との間でのアミド結合生成、及びα,α-ジ置換アミノ酸とN-無置換アミノ酸との間でのアミド結合生成においては、望む反応がスムーズに進行しない場合がある。
本態様においては、シアニド化合物としてα,α-ジ置換アミノ酸に相当するシアニド化合物を、システイン誘導体としてN-置換アミノ酸に相当するシステイン誘導体を用いることが好ましい。
すなわち、シアニド化合物として、R1Bが、置換されていてもよいC1-4アルキル、又はアミノ酸側鎖を示し、R1Cが、C1-4アルキルを示し、あるいは、R1B及びR1Cが、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示すシアニド化合物(1)を、システイン誘導体として、R2Aが置換されていてもよいC1-4アルキルを示すシステイン誘導体(2)を用いることが好ましい。
(シアニド化合物)
本態様においては、ペプチド化合物(3)の製造のための原料として、シアニド化合物(1)を用いる。
(R1A
シアニド化合物(1)におけるR1Aは有機基を示す。
有機基としては、化学構造上矛盾のない態様であれば特に制限されない。
本発明の方法は、シアニド化合物(1)が有するシアニド基と、システイン誘導体(2)が有するメルカプト基との高い反応性を利用している。そのため、例えば、水酸基やアミノ基等の活性水素原子を有する官能基がシアニド化合物(1)又はシステイン誘導体(2)の化学構造中に存在しても、本発明のアミド結合の生成に際して、それらの官能基は化学的に保護されても、保護されていなくてもよい。その一方で、シアニド化合物(1)の必須官能基としての(式(1)に表れている)シアニド基以外のシアニド基や、システイン誘導体(2)の必須官能基としての(式(2)に表れている)メルカプト基以外のメルカプト基が、シアニド化合物(1)又はシステイン誘導体(2)の化学構造中に存在しなければ、本発明の方法におけるアミド結合生成の反応系中が複雑になる恐れが低減されるため好ましい。
1Aにおける有機基は、シアニド基及びメルカプト基を有さない有機基であることが好ましい。
1Aにおける有機基は、化学構造上矛盾のない態様であれば特に制限されないが、その一方で、アミノ酸同士がペプチド結合を介して連結されたペプチドやタンパク質の学術的、産業的興味から、R1Aにおける有機基は、アミノ酸残基若しくは2~100個のアミノ酸が連結したペプチド残基、好ましくはアミノ酸残基若しくは2~50個のアミノ酸が連結したペプチド残基、より好ましくはアミノ酸残基若しくは2~30個のアミノ酸が連結したペプチド残基、さらに好ましくはアミノ酸残基若しくは2~10個のアミノ酸が連結したペプチド残基、特に好ましくはアミノ酸残基若しくは2~5個のアミノ酸が連結したペプチド残基であってもよい。アミノ酸残基は、例えば、アミノ酸誘導体残基やアミノ酸模倣物残基であってもよく、ペプチド残基は、例えば、連結するアミノ酸の一部又は全部がアミノ酸誘導体やアミノ酸模倣物に置き換えられていてもよい。
ペプチド残基において連結する複数のアミノ酸は、アミド結合を介して連結していることが好ましく、アミド結合以外の結合、例えば炭素-炭素二重結合やスルホンアミド結合、リン酸アミド結合等のペプチドミメティックスで用いられる結合様式を有していてもよい。
ペプチド残基において連結する複数のアミノ酸は、同一種類のアミノ酸残基であっても、それぞれ異なる種類のアミノ酸であってもよい。
それぞれのアミノ酸が有する官能基はペプチド合成の分野で常用される保護基によって保護されていてもよい。このような保護基としては、例えば、ウッツ(P.G.M.Wuts)およびグリーン(T.W.Greene)著、「Greene‘s Protective Groups in Organic Synthesis(第4版、2006年)」に記載の保護基を挙げることができ、反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。保護基は必要に応じて、所望の段階で除去することができる。
ここでアミノ酸とは、アミノ基とカルボキシル基、及びこれらの基を連結する炭素鎖と、炭素鎖に置換する側鎖を有する化合物を意味し、α-アミノ酸に限られるものではない。なお、ここでは、プロリンのようなイミノ酸も含めてアミノ酸と言うものとする。
(R1B、R1C、R1D
シアニド化合物(1)において、R1Bは、水素原子、置換されていてもよいC1-4アルキル、又はアミノ酸側鎖を示し;R1Cは、水素原子、又はC1-4アルキルを示し;あるいは、R1B及びR1Cは、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示す。
本態様におけるシアニド化合物(1)において、R1Bが、置換されていてもよいC1-4アルキル、又はアミノ酸側鎖を示し、R1Cが、C1-4アルキルを示し、あるいは、R1B及びR1Cが、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示すことが好ましく;
1Bが、置換されていてもよいC1-4アルキルを示し、R1Cが、C1-4アルキルを示し、あるいは、R1B及びR1Cが、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示すことがより好ましく;
1Bが、置換されていてもよいC1-4アルキルを示し、R1Cが、C1-4アルキルを示し、あるいは、R1B及びR1Cが、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示し、R1Dが、水素原子を示すこと(即ち、R1Bが、R1D及び隣接する窒素原子及び炭素原子とともに一体となってアゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を形成しないこと)がさらに好ましい。
1B及びR1Cが、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示さない場合、R1Bは、置換されていてもよいC1-4アルキル、又はアミノ酸側鎖であることが好ましく;置換されていてもよいC1-4アルキルであることがより好ましい。
1B及びR1Cが、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示さない場合、R1Cは、C1-4アルキルであることが好ましい。
シアニド化合物(1)において、R1Dは、水素原子を示すか、あるいは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Bと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示す。R1Dが、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Bと一体となって、ピロリジン環を示すとは、これらの原子団がプロリンの部分構造を形成することを意味する。
本態様におけるシアニド化合物(1)において、R1Dが、水素原子を示すことが好ましい。
1Bにおけるアミノ酸側鎖とは、アミノ酸におけるアミノ基とカルボキシル基とを連結する炭素鎖に置換する側鎖を意味し、例えば、α-アミノ酸であれば、α-アミノ酸のα-位の置換基を意味する(但し、グリシンを除く。)。
具体的には、天然アミノ酸の側鎖であってよく、さらに具体的には、例えば、アラニンにおけるメチル、バリンにおけるイソプロピル、ロイシンにおけるイソブチル、イソロイシンにおけるsec-ブチル、フェニルアラニンにおけるベンジル、セリンにおけるヒドロキシメチル、スレオニンにおける1-ヒドロキシエチル、チロシンにおける4-ヒドロキシベンジル、アスパラギン酸におけるカルボキシルメチル、グルタミン酸における2-カルボキシルエチル、アスパラギンにおけるカルバモイルメチル、グルタミンにおける2-カルバモイルエチル、メチオニンにおける2-メチルスルファニルエチル、ヒスチジンにおけるイミダゾール-5-イルメチル、リジンにおける4-アミノブチル、アルギニンにおける3-グアニジノプロピル、トリプトファンにおけるインドール-3-イルメチルが挙げられる。
前述の通り、本発明の方法は、シアニド化合物(1)が有するシアニド基と、システイン誘導体(2)が有するメルカプト基との高い反応性を利用している。そのため、例えば、水酸基やアミノ基等の活性水素原子を有する官能基がシアニド化合物(1)又はシステイン誘導体(2)の化学構造中に存在しても、本発明のアミド結合の生成に際して、それらの官能基は化学的に保護されても、保護されていなくてもよい。その一方で、シアニド化合物(1)の必須官能基としての(構造式(1)に表れている)シアニド基以外のシアニド基や、システイン誘導体(2)の必須官能基としての(構造式(2)に表れている)メルカプト基以外のメルカプト基がシアニド化合物(1)又はシステイン誘導体(2)の化学構造中に存在しなければ、本発明の方法におけるアミド結合生成の反応系中が複雑になる恐れが低減されるため好ましい。
1Bにおけるアミノ酸側鎖は、シアニド基及びメルカプト基を有さないアミノ酸側鎖であることが好ましい。
1B及びR1CにおけるC1-4アルキルとしては、メチル、エチルが好ましく、メチルがより好ましい。
1BにおけるC1-4アルキルが置換されている場合、許容される置換基としてはフェニルが好ましい。R1BにおけるC1-4アルキルは置換されていないことが好ましい。
1B及びR1Cが、それぞれが結合する炭素原子と一体となって形成するC3-8環状基としては、シクロプロパン-1,1-ジイル、シクロブタン-1,1-ジイル、シクロペンタン-1,1-ジイル、シクロヘキサン-1,1-ジイル、シクロヘプタン-1,1-ジイル、テトラヒドロフラン-3,3-ジイル、テトラヒドロ-2H-ピラン-4,4-ジイル、テトラヒドロ-2H-チオピラン-4,4-ジイル、ピロリジン-3,3-ジイル、ピペリジン-4,4-ジイルが好ましく、シクロプロパン-1,1-ジイル、シクロペンタン-1,1-ジイル、シクロヘキサン-1,1-ジイル、テトラヒドロ-2H-ピラン-4,4-ジイル、ピペリジン-4,4-ジイルがより好ましい。
環状基の環を形成する炭素原子が窒素原子で置き換えられたC3-8環状基でない場合、C3-8環状基は置換されていないことが好ましい。
環状基の環を形成する炭素原子が窒素原子で置き換えられたC3-8環状基である場合、C3-8環状基は、置き換えられた窒素原子以外の環状基の環を形成する原子が置換されておらず、置き換えられた窒素原子が置換されていないか、-C(=O)-O-(C1-4アルキル)、及び-C(=O)-O-(ベンジル(メチル、エチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、及びハロゲンからなる群より選択される1~3の基で置換されていてもよい。))からなる群より選択される基で置換されていることが好ましく;置き換えられた窒素原子以外の環状基の環を形成する原子が置換されておらず、置き換えられた窒素原子が置換されていないか、-C(=O)-O-(C1-4アルキル)、及び-C(=O)-O-(ベンジル)からなる群より選択される基で置換されていることがより好ましく;置き換えられた窒素原子以外の環状基の環を形成する原子が置換されておらず、置き換えられた窒素原子が-C(=O)-O-(C1-4アルキル)、及び-C(=O)-O-(ベンジル)からなる群より選択される基で置換されていることがさらに好ましい。
1B及びR1Cとしては、いずれもメチルであるか;
1Bがベンジル、R1Cがメチルであるか;それぞれが結合する炭素原子と一体となって、シクロプロパン-1,1-ジイルを形成するか;
シクロペンタン-1,1-ジイルを形成するか;
シクロヘキサン-1,1-ジイルを形成するか;
テトラヒドロ-2H-ピラン-4,4-ジイルを形成するか;
1-tert-ブチルオキシカルボニルピペリジン-4,4-ジイルを形成するか;
1-ベンジルオキシカルボニルピペリジン-4,4-ジイルを形成する;ことが好ましい。
(システイン誘導体)
本態様においては、ペプチド化合物(3)の製造のための原料として、システイン誘導体(2)を用いる。
(R2A
システイン誘導体(2)におけるR2Aは水素原子、又は置換されていてもよいC1-4アルキルを示す。
本態様におけるシステイン誘導体(2)において、R2Aは置換されていてもよいC1-4アルキルを示すことが好ましい。
2AおけるC1-4アルキルとしては、メチル、エチル、n-プロピルが好ましく、メチル、エチルがより好ましく、メチルがさらに好ましい。
1-4アルキルは置換されていないことが好ましい。
システイン誘導体(2)におけるR2B及びR2Cは、それぞれ独立に、水素原子、又は有機基を示す。
2B及びR2Cの一方が水素原子であり、他方が有機基を示すことが好ましい。
2B及びR2Cにおける有機基は、R1Aにおける有機基と同様である。
[第二の態様]
本発明の第二の態様は、アミド結合生成部位の近傍におけるアミノ酸α-位のラセミ化を抑制できるアミド結合の生成方法である。
シアニド化合物(1)とシステイン誘導体(2)とを反応させ、ペプチド化合物(3)を製造できる。
本態様のアミド結合の生成方法は、グリシン若しくはα-モノ置換アミノ酸とN-無置換アミノ酸との間でのアミド結合生成に資する。特に、シアニド化合物(1)のα-位のラセミ化を抑制できる観点から、好ましくはα-モノ置換アミノ酸とN-無置換アミノ酸との間でのアミド結合生成に資する。
従って、本態様においては、シアニド化合物としてグリシン若しくはα-モノ置換アミノ酸に相当するシアニド化合物を、システイン誘導体としてN-無置換アミノ酸に相当するシステイン誘導体を用いることが好ましい。
すなわち、シアニド化合物として、R1Cが水素原子を示すシアニド化合物(1)を、システイン誘導体として、R2Aが水素原子を示すシステイン誘導体(2)を用いることが好ましい。
(シアニド化合物)
本態様においては、ペプチド化合物(3)の製造のための原料として、シアニド化合物(1)を用いる。
(R1A
シアニド化合物(1)におけるR1Aは有機基を示す。
1Aにおける有機基は、本発明の第一の態様のR1Aにおける有機基と同様である。
(R1B、R1C、R1D
シアニド化合物(1)において、R1Bは、水素原子、置換されていてもよいC1-4アルキル、又はアミノ酸側鎖を示し;R1Cは、水素原子、又はC1-4アルキルを示し;あるいは、R1B及びR1Cは、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示す。
本態様におけるシアニド化合物(1)において、R1Cが、水素原子を示すこと(即ち、R1B及びR1Cは、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を形成しない。)が好ましく(この場合、R1Bは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Dと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示してもよい。);
1Cは、水素原子を示し、R1Bは、水素原子、又はアミノ酸側鎖を示すこと(この場合、R1Bは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Dと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示してもよい。)がより好ましく;
1Cは、水素原子を示し、R1Bは、アミノ酸側鎖を示すこと(この場合、R1Bは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Dと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示してもよい。また、R1Bが水素原子である態様を除く。)がさらに好ましい。
シアニド化合物(1)において、R1Dは、水素原子を示すか、あるいは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Bと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示す。R1Dが、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Bと一体となって、ピロリジン環を示すとは、これらの原子団がプロリンの部分構造を形成することを意味する。
1Cが水素原子を示す場合、R1Bが水素原子であれば、シアニド化合物(1)がグリシン残基に相当するシアニド化合物であることを意味する。この場合、R1Dは、水素原子を示す。
1Cが水素原子を示す場合、R1Bがアミノ酸側鎖であれば、シアニド化合物(1)がグリシン残基やプロリン残基以外のα-アミノ酸に相当するシアニド化合物であることを意味する。この場合、R1Dは、水素原子を示す。
1Cが水素原子を示す場合、R1Bが、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Dと一体となって、ピロリジン環を示せば、シアニド化合物(1)がプロリン残基に相当するシアニド化合物であることを意味する。
1Bにおけるアミノ酸側鎖は、本発明の第一の態様のR1Bにおけるアミノ酸側鎖と同様である。
特に、R1Bにおけるアミノ酸側鎖が、バリンにおけるイソプロピル、イソロイシンにおけるsec-ブチルである場合には、他の公知のアミド結合の生成方法と比較して、本発明の方法の優位性が高い。また、R1Bが、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Dと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示す場合、他の公知のアミド結合の生成方法と比較して、本発明の方法の優位性が高い。
(システイン誘導体)
本態様においては、ペプチド化合物(3)の製造のための原料として、システイン誘導体(2)を用いる。
(R2A
システイン誘導体(2)におけるR2Aは水素原子、又は置換されていてもよいC1-4アルキルを示す。
本態様におけるシステイン誘導体(2)において、R2Aは水素原子を示すことが好ましい。
2AおけるC1-4アルキルとしては、メチル、エチル、n-プロピルが好ましく、メチル、エチルがより好ましく、メチルがさらに好ましい。
1-4アルキルは置換されていないことが好ましい。
システイン誘導体(2)におけるR2B及びR2Cは、それぞれ独立に、水素原子、又は有機基を示す。
2B及びR2Cの一方が水素原子であり、他方が有機基を示すことが好ましい。
2B及びR2Cにおける有機基は、第一の態様のR1Aにおける有機基と同様である。
本態様における本発明の方法においては、弱酸の存在下で反応を行ってもよい。
本態様においては、反応の進行に弱酸が必須というものではないが、シアニド化合物(1)とシステイン誘導体(2)とが反応して生成するアンモニアが、R1Cが水素原子を示す場合のシアニド化合物(1)のR1Bに由来する置換基の結合する炭素原子におけるラセミ化を引き起こすことがある(メカニズムについては後述する。)。弱酸が存在することにより、系中のpHの増大を抑制するため、ラセミ化を抑制しやすい。
本態様においては、弱酸の存在下で反応を行うことが好ましい。
弱酸としては、アンモニア、1級アミン、2級アミン、及び3級アミンの強酸からなる塩を用いることができ、例えば、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩を挙げることができ、塩化アンモニウムが好ましい。
本態様において弱酸を用いる場合、弱酸の使用量はシアニド化合物(1)の100モル%に対して、0モル%超1000モル%以下が好ましく、50~800モル%がより好ましく、100~500モル%がさらに好ましく、200~400モル%が特に好ましい。
本態様においては、上述のとおり、R1Cが水素原子を示すシアニド化合物(1)と、システイン誘導体として、R2Aが水素原子を示すシステイン誘導体(2)とを用いることが好ましい。この場合、シアニド化合物(1)とシステイン誘導体(2)とを、水を含む溶媒中で混合することにより、式(α)で示される中間体(以下、「中間体(α)」とも言う。)を生成する。この中間体(α)は、通常、単離することが可能である。
Figure 2023176574000006
なお、中間体(α)が下記式に示す平衡状態にあると、シアニド化合物(1)のR1Bに由来する置換基の結合する炭素原子におけるラセミ化を引き起こす。
Figure 2023176574000007
1Cが水素原子を示すシアニド化合物(1)と、システイン誘導体として、R2Aが水素原子を示すシステイン誘導体(2)とを用いて得られた中間体(α)は、酸による加水分解を経てペプチド化合物(3)に変換することができる。
Figure 2023176574000008
中間体(α)に対する酸の添加方法としては、中間体(α)を単離して、単離した中間体(α)と溶媒とを改めて混合して酸を添加してもよいし、シアニド化合物(1)とシステイン誘導体(2)とを反応させた系中に酸を添加してもよい。
中間体(α)を加水分解するために添加する酸としては、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、テトラフルオロホウ酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸を用いることができ、塩化水素酸、テトラフルオロホウ酸、ギ酸、p-トルエンスルホン酸が好ましく、塩化水素酸がより好ましい。
中間体(α)を加水分解するために添加する酸の使用量は、シアニド化合物(1)の100モル%に対して、1~500モル%が好ましく、3~200モル%がより好ましく、5~100モル%がさらに好ましく、10~50モル%がことさら好ましく、10~30モル%が特に好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の反応はすべてアルゴン雰囲気下で行った。
また、各種スペクトルの測定に当たっては、以下の機器を用いた。
比旋光度:JASCO P-1020 polarimeter、JASCO DIP-370 polarimeter
FT-IRスペクトル:JASCO FT/IR-410 spectrometer、Perkin Elmer spectrum BX FT-IP spectrometer
1H 及び 13C NMRスペクトル:Agilent-400 MR (400 MHz for 1H NMR, 100 M Hz for 13C NMR) instrument(1H NMRスペクトルにおいて、s = singlet, d = doublet, t = triplet, q = quartet, quintet = quin, septet = sep, dd = doublet of doublets, ddd = doublet of doublet of doublets, dt = double of triplets, td = triplet of doublets, m = multiplet, brs = broad singlet)
高分解能 ESI-TOF マススペクトル:Themo Orbi-trap LTQ XL instrument
製造例1a
tert-ブチル (S)-(1-((2-シアノプロパン-2-イル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバマート
Figure 2023176574000009
L-Boc-Phe-OH (3.98 g, 15.0 mmol)と、2-アミノ-2-メチルプロピオニトリル(1.26 g, 15.0 mmol;Bioorg. Med. Chem. Lett. 22, 7114-7118 (2012)に従って製造し、粗精製物として用いた。以下で用いる2-アミノ-2-メチルプロピオニトリルについても同様である。)と、塩化メチレン(60 mL, 0.25 M)との混合物に、EDC・HCl(3.45 g, 18.0 mmol)とHOBt・H2O(230 mg, 1.50 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 67%/33%)で精製し、化合物1aを白色固体として収率62%(2工程)で得た。
m.p. 168-170 ℃.
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.40 - 7.17 (m, 5H), 5.91 (s, 1H), 5.12 (s, 1H), 4.31 - 4.19 (m, 1H), 3.13 (dd, J = 13.7, 6.5 Hz, 1H), 3.00 (dd, J = 13.6, 8.0 Hz, 1H), 1.57 (s, 3H), 1.51 (s, 3H), 1.43 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 171.3, 155.9, 136.5, 129.4, 128.6, 126.9, 120.5, 80.3, 55.8, 46.1, 38.6, 28.3, 27.0, 26.7.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C18H25N3NaO3 + [M+Na]+: 354.1788; found: 354.1790.
FT-IR (neat): 3300, 2980, 1661, 1536, 1456, 1393, 1367, 1252, 1171, 1020, 757, 699 cm-1
[α]D 23 -3.58 (c 1.9 CHCl3)
製造例1b
ベンジル (S)-(1-((2-シアノプロパン-2-イル)アミノ)-4-(メチルチオ)-1-オキソブタン-2-イル)カルバマート
Figure 2023176574000010
L-Cbz-Met-OH (1.50g, 5.29 mmol)と、2-アミノ-2-メチルプロピオニトリル(445 mg, 5.29 mmol)と、塩化メチレン(21 mL, 0.25 M)との混合物に、EDC・HCl(1.22 g, 6.35 mmol)とHOBt・H2O(81.0 mg, 0.530 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 40%/60%)で精製し、化合物1bを無色油状物として収率72%(2工程)で得た。
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.51 (s, 1H), 7.52 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.42 - 7.20 (m, 5H), 5.02 and 5.01 (s, 2H), 4.13 - 4.02 (m, 1H), 2.50 - 2.35 (m, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.88 - 1.73 (m, 2H), 1.56 (s, 3H), 1.55 (s, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.0, 156.4, 137.4, 128.8, 128.2, 128.2, 122.0, 65.9, 54.1, 46.1, 32.1, 30.1, 26.9, 26.7, 15.1.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C17H23N3NaO3S+ [M+Na]+: 372.1352; found: 372.1354.
FT-IR (neat): 3300, 3061, 2919, 2243, 1671, 1538, 1455, 1391, 1368, 1241, 1049, 741, 698 cm-1
[α]D 25 -27.79 (c 2.2 CHCl3)
製造例1c
tert-ブチル (S)-(1-((2-シアノプロパン-2-イル)アミノ)-3-ヒドロキシ-1-オキソプロパン-2-イル)カルバマート
Figure 2023176574000011
L-Boc-Ser-OH (1.00 g, 4.87 mmol)と、2-アミノ-2-メチルプロピオニトリル(410 mg, 4.87 mmol)と、塩化メチレン(19.5 mL, 0.25M)との混合物に、EDC・HCl(1.12 g, 5.85 mmol)とHOBt・H2O(75.0 mg, 0.487 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 34%/66%)で精製し、化合物1cを黄色固体として収率33%(2工程)で得た。
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.38 (s, 1H), 5.81 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 4.14 (s, 1H), 4.04 - 3.93 (m, 1H), 3.77 - 3.60 (m, 2H), 1.68 (s, 3H), 1.66 (s, 3H), 1.43 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 171.0, 156.5, 120.6, 80.8, 62.2, 55.1, 46.3, 28.2, 27.0, 26.9.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C12H21N3NaO4 + [M+Na]+: 294.1424; found: 294.1428.
FT-IR (neat): 3307, 2981, 2247, 1676, 1532, 1393, 1368, 1250, 1168, 1062, 855, 759 cm-1
[α]D 26 -86.02 (c 1.0 CHCl3)
製造例1d
tert-ブチル (2-((2-シアノプロパン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバマート
Figure 2023176574000012
Boc-Gly-OH (1.20 g, 6.85 mmol)と、2-アミノ-2-メチルプロピオニトリル(576 mg, 6.85 mmol)と、塩化メチレン(27 mL, 0.25 M)との混合物に、EDC・HCl(1.58 g, 8.22 mmol)とHOBt・H2O(105 mg, 0.685 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 35%/65%)で精製し、化合物1dを無色油状粘性体として収率70%(2工程)で得た。
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.13 (s, 1H), 5.66 (s, 1H), 3.76 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 1.66 (s, 6H), 1.42 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 169.5, 156.6, 120.8, 80.4, 46.3, 44.4, 28.3, 27.0.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C11H19N3NaO3 + [M+Na]+: 264.1319; found: 264.1321.
FT-IR (neat): 3311, 2981, 2243, 1682, 1530, 1368, 1170, 1054, 948, 863, 734 cm-1
製造例1e
tert-ブチル (S)-(1-((1-シアノシクロプロピル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバマート
Figure 2023176574000013
L-Boc-Phe-OH (1.00 g, 3.77 mmol)と、1-アミノシクロプロパンカルボニトリル塩酸塩(492 mg, 4.15 mmol)と、塩化メチレン(15mL, 0.25 M)との混合物に、トリエチルアミン(630 μL, 4.52 mmol)、EDC・HCl(867 mg,4.52 mmol)とHOBt・H2O(58.0 mg, 0.377 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 34%/66%)で精製し、化合物1eを白色固体として収率87%で得た。
m.p. 151-153 ℃.
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.35 - 7.18 (m, 5H), 6.29 (s, 1H), 4.99 (s, 1H), 4.28 - 4.18 (m, 1H), 3.12 (dd, J = 13.7, 6.5 Hz, 1H), 3.00 (dd, J = 13.7, 7.8 Hz, 1H), 1.53 - 1.44 (m, 2H), 1.42 (s, 9H), 1.14 - 1.06 (m, 1H), 1.04 - 0.95 (m, 1H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 172.8, 155.7, 136.2, 129.3, 128.6, 127.0, 119.7, 80.4, 55.5, 38.8, 28.3, 20.0, 16.6.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C18H23N3NaO3 + [M+Na]+: 352.1632; found: 352.1624.
FT-IR (neat): 3289, 2979, 2243, 1669, 1527, 1367, 1300, 1169, 1049, 755, 700 cm-1
[α]D 22 -2.47 (c 1.52 CHCl3)
製造例1f
tert-ブチル (S)-(1-((1-シアノシクロプロピル)アミノ)-3-(1H-インドール-3-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバマート
Figure 2023176574000014
L-Boc-Trp-OH (1.00 g, 3.29 mmol)と、1-アミノシクロプロパンカルボニトリル塩酸塩(390 mg, 3.29 mmol)と、塩化メチレン(13 mL, 0.25 M)との混合物に、トリエチルアミン(550 μL, 3.94 mmol)、EDC・HCl(756 mg, 3.94 mmol)とHOBt・H2O(50 mg, 0.329 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 34%/66%)で精製し、化合物1fを黄色固体として収率50%で得た。
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 8.42 (s, 1H), 7.59 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.22 - 7.17 (m, 1H), 7.14 - 7.09 (m, 1H), 7.04 (s, 1H), 6.55 (s, 1H), 5.27 (s, 1H), 4.38 (s, 1H), 3.27 (dd, J = 13.7, 4.2 Hz, 1H), 3.13 (dd, J = 14.2, 7.9 Hz, 1H), 1.42 (s, 9H), 1.37 - 1.30 (m, 2H), 1.00 - 0.81 (m, 2H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 173.0, 155.6, 136.2, 127.2, 123.7, 122.3, 119.8, 119.7, 118.5, 111.4, 109.7, 80.5, 55.1, 28.3, 20.0, 16.6, 16.5.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C20H24N4NaO3 + [M+Na]+: 391.1741; found: 391.1741.
FT-IR (neat): 3316, 2981, 2360, 2243, 1676, 1499, 1457, 1367, 1250, 1167, 1048, 746, 669 cm-1
[α]D 25 +1.75 (c 0.98 CHCl3)
製造例1g
(9H-フルオレン-9-イル)メチル (S)-(1-((1-シアノシクロプロピル)アミノ)-1-オキソ-3-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバマート
Figure 2023176574000015
1-アミノシクロプロパンカルボニトリル塩酸塩(383 mg, 3.23 mmol)と、塩化メチレン(13 mL, 0.25 M)との混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(562 μL, 3.23 mmol)、L-Fmoc-His(NTrityl)-OH (2.00 g, 3.23 mmol)、EDC・HCl(756 mg, 3.94 mmol)とHOBt・H2O(50.0 mg, 0.329 mmol)とを加え、室温で3時間攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 20%/80%~メタノール100%)で精製し、化合物1gを白色固体として収率73%で得た。
m.p. 135-137 ℃.
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 9.42 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.79 - 7.71 (m, 2H), 7.57 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.47 - 7.16 (m, 4H), 7.47 - 7.16 (m, 6H), 7.47 - 7.16 (m, 3H), 7.15 - 6.93 (m, 6H), 6.75 (s, 1H), 6.26 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 4.89 - 4.79 (m, 1H), 4.41 - 4.30 (m, 1H), 4.17 - 4.03 (m, 2H), 3.40 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 2.89 (dd, J = 15.0, 9.6 Hz, 1H), 1.60 - 1.45 (m, 2H), 1.43 - 1.25 (m, 2H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 171.2, 156.0, 143.9, 143.4, 141.2, 139.7, 134.9, 132.3, 129.5, 129.2, 128.7, 127.8, 127.8, 127.2, 127.1, 125.3, 125.0, 120.4, 120.0, 119.8, 78.4, 67.3, 53.9, 46.9, 31.5, 20.6, 16.7, 16.0.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C44H38N5O3 + [M+H]+: 684.2969; found: 684.2966.
FT-IR (neat): 3161, 3015, 2953, 2242, 1687, 1618, 1524, 1448, 1247, 1129, 1046, 756, 702, 665 cm-1
[α]D 27 +7.71 (c 1.22 CHCl3)
製造例1h
tert-ブチル (S)-(1-((1-シアノシクロペンチル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバマート
Figure 2023176574000016
L-Boc-Phe-OH (2.00 g, 7.54 mmol)と、1-アミノシクロペンタンカルボニトリル(830 mg, 7.54 mmol;Bioorg. Med. Chem. Lett. 22, 7114-7118 (2012)に従って製造し、粗精製物として用いた。以下で用いる1-アミノシクロペンタンカルボニトリルについても同様である。)と、塩化メチレン(30 mL, 0.25 M)との混合物に、EDC・HCl(1.73 g, 9.05 mmol)とHOBt・H2O(116 mg, 0.754 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 45%/55%)で精製し、化合物1hを白色固体として収率57%(2工程)で得た。
m.p. 135-136 ℃.
1H NMR (measured at 84 ℃) (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.16 (s, 1H), 7.35 - 7.09 (m, 5H), 6.39 (s, 1H), 4.26 - 4.15 (m, 1H), 2.93 (dd, J = 13.8, 5.9 Hz, 1H), 2.82 (dd, J = 13.8, 8.6 Hz, 1H), 2.20 - 1.93 (m, 4H), 1.77 - 1.53 (m, 4H), 1.33 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.3, 155.6, 138.0, 129.7, 128.4, 126.7, 121.8, 78.5, 55.8, 54.4, 38.3, 38.05, 37.99, 28.5, 22.9, 22.9.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C20H27N3NaO3 + [M+Na]+: 380.1945; found: 380.1942.
FT-IR (neat): 3303, 2978, 2239, 1661, 1536, 1455, 1367, 1253, 1172, 1022, 860, 754, 700 cm-1
[α]D 26 -11.46 (c 1.06 CHCl3)
製造例1i
ベンジル tert-ブチル (6-((1-シアノシクロペンチル)アミノ)-6-オキソヘキサン-1,5-ジイル)(S)-ジカルバマート
Figure 2023176574000017
L-Boc-Lys(NHCbz)-OH2 (1.10 g, 2.89 mmol)と、1-アミノシクロペンタンカルボニトリル(319 mg, 2.89 mmol)と、塩化メチレン(12 mL, 0.25 M)との混合物に、EDC・HCl(665 mg, 3.47 mmol)とHOBt・H2O(44.0 mg, 0.289 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 35%/65%)で精製し、化合物1iを無色油状物として収率54%(2工程)で得た。
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.39 (s, 1H), 7.38 - 7.25 (m, 5H), 7.20 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.98 (s, 2H), 3.91 - 3.80 (m, 1H), 2.99 - 2.88 (m, 2H), 2.17 - 1.98 (m, 4H), 1.76 - 1.59 (m, 4H), 1.53 - 1.43 (m, 2H), 1.35 (s, 9H), 1.42 - 1.26 (m, 2H), 1.26 - 1.13 (m, 2H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 173.0, 156.5, 155.7, 137.7, 128.8, 128.1, 121.9, 78.5, 65.5, 54.4, 40.5, 38.2, 38.1, 31.9, 29.5, 28.6, 28.4, 23.1, 22.9.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C25H36N4NaO5 + [M+Na]+: 495.2578; found: 495.2577.
FT-IR (neat): 3315, 2943, 2239, 1696, 1530, 1455, 1367, 1251, 1168, 1026, 862, 753, 698 cm-1
[α]D 25 -32.34 (c 1.0 CHCl3)
製造例1j
tert-ブチル (S)-(1-((1-シアノシクロペンチル)アミノ)-1-オキソ-5-(3-トシルグアニジノ)ペンタン-2-イル)カルバマート
Figure 2023176574000018
L-Boc-Arg(Tos)-OH (1.00 g, 2.33 mmol)と、1-アミノシクロペンタンカルボニトリル(257 mg, 2.33 mmol)と、塩化メチレン(9.3 mL, 0.25 M)との混合物に、EDC・HCl(537 mg, 2.80 mmol)とHOBt・H2O(36.0 mg, 0.233 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 9%/91%)で精製し、化合物1jを白色固体として収率62%(2工程)で得た。
m.p. 102-104 ℃.
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.76 (s, 1H), 7.73 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 6.50 (s, 2H), 6.31 (s, 1H), 5.99 (s, 1H), 4.26 - 4.15 (m, 1H), 3.36 - 3.12 (m, 2H), 2.50 - 2.41 (m, 2H), 2.37 (s, 3H), 2.32 - 2.19 (m, 2H), 2.18 - 2.04 (m, 2H), 1.82 - 1.69 (m, 2H), 1.82 - 1.69 (m, 2H), 1.64 - 1.52 (m, 2H), 1.39 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 173.5, 157.0, 156.1, 142.3, 140.3, 129.3, 126.0, 121.4, 80.0, 54.9, 54.2, 40.1, 38.6, 38.5, 28.7, 28.3, 26.0, 23.0, 22.9, 21.4.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C24H37N6O5S+ [M+H]+: 521.2541; found: 521.2542.
FT-IR (neat): 3329, 2978, 2239, 1677, 1548, 1367, 1254, 1168, 1132, 1082, 815, 755, 677, 560 cm-1
[α]D 27 -15.12 (c 1.60 CHCl3)
製造例1k
tert-ブチル (S)-(1-((1-シアノシクロヘキシル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバマート
Figure 2023176574000019
L-Boc-Phe-OH (2.92 g, 11.0 mmol)と、1-アミノシクロヘキサンカルボニトリル(1.24 g, 10.0 mmol;Bioorg. Med. Chem. Lett. 22, 7114-7118 (2012)に従って製造し、粗精製物として用いた。以下で用いる1-アミノシクロヘキサンカルボニトリルについても同様である。)と、塩化メチレン(40 mL, 0.25 M)との混合物に、EDC・HCl(2.53 g, 13.2 mmol)とHOBt・H2O(153 mg, 1.00 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 60%/40%)で精製し、化合物1kを白色固体として収率80%(2工程)で得た。
m.p. 130-132 ℃.
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.37 - 7.19 (m, 5H), 5.86 (s, 1H), 5.09 (s, 1H), 4.30 - 4.21 (m, 1H), 3.14 (dd, J = 13.8, 6.4 Hz, 1H), 3.01 (dd, J = 13.7, 7.9 Hz, 1H), 2.28 - 2.17 (m, 1H), 2.16 - 2.06 (m, 1H), 1.72 - 1.53 (m, 6H), 1.52 - 1.47 (m, 1H), 1.43 (s, 9H), 1.29 - 1.17 (m, 1H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 170.8, 155.8, 136.5, 129.4, 128.7, 127.0, 119.3, 80.4, 55.9, 51.3, 38.3 (2C), 35.2, 34.9, 28.3, 24.6, 21.8.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C21H29N3NaO3 + [M+Na]+:394.2101; found: 394.2101.
FT-IR (neat): 3324, 2939, 2864, 2239, 1659, 1528, 1455, 1393, 1367, 1305, 1249, 1169, 1016, 866, 758,
698 cm-1
[α]D 24 -10.83 (c 1.46 CHCl3)
製造例1l
tert-ブチル (2-((1-シアノシクロヘキシル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバマート
Figure 2023176574000020
Boc-Gly-OH (1.00 g, 5.71 mmol)と、1-アミノシクロヘキサンカルボニトリル(709 mg, 5.71 mmol)と、塩化メチレン(23 mL, 0.25 M)との混合物に、EDC・HCl(1.31 g, 6.85 mmol)とHOBt・H2O(88.0 mg, 0.571 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 34%/66%)で精製し、化合物1lを白色固体として収率69%(2工程)で得た。
m.p. 167-169 ℃.
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 6.62 (s, 1H), 5.21 (s, 1H), 3.76 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 2.40 - 2.21 (m, 2H), 1.84 - 1.64 (m, 6H), 1.64 - 1.59 (m, 1H), 1.46 (s, 9H), 1.37 - 1.27 (m, 1H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 169.2, 156.6, 119.7, 80.5, 51.3, 44.8, 35.1, 28.2, 24.6, 21.8.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C14H23N3NaO3 + [M+Na]+: 304.1632; found: 304.1634.
FT-IR (neat): 3312, 2937, 2243, 1685, 1527, 1455, 1366, 1249, 1166, 1053, 782, 553 cm-1
製造例1m
tert-ブチル (S)-(1-((4-シアノテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバマート
Figure 2023176574000021
L-Boc-Phe-OH (1.00 g, 3.77 mmol)と、4-アミノテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボニトリル(476 mg, 3.77 mmol;Bioorg. Med. Chem. Lett. 22, 7114-7118 (2012)に従って製造し、粗精製物として用いた。)と、塩化メチレン(15 mL, 0.25 M)との混合物に、EDC・HCl(867 mg, 4.52 mmol)とHOBt・H2O(58.0 mg, 0.377 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 40%/60%)で精製し、化合物1mを白色固体として収率31%(2工程)で得た。
m.p. 82-84 ℃.
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.38 - 7.18 (m, 5H), 6.10 (s, 1H), 5.07 (s, 1H), 4.32 - 4.21 (m, 1H), 3.88 - 3.76 (m, 2H), 3.76 - 3.64 (m, 2H), 3.14 (dd, J = 13.8, 6.6 Hz, 1H), 3.03 (dd, J = 13.8, 7.9 Hz, 1H), 2.32 - 2.14 (m, 2H), 1.79 - 1.64 (m, 2H), 1.43 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 171.4, 156.0, 136.3, 129.3, 128.7, 127.1, 118.6, 80.6, 63.5, 63.5, 55.9, 49.0, 38.2, 35.1, 34.8, 28.3.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C20H27N3NaO4 + [M+Na]+: 396.1894; found: 396.1891.
FT-IR (neat): 3298, 2977, 2250, 1665, 1535, 1367, 1250, 1168, 1104, 1014, 733, 700 cm-1
[α]D 27 -9.31 (c 2.46 CHCl3)
製造例1n
tert-ブチル (S)-4-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-フェニルプロパンアミド)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシラート
Figure 2023176574000022
対応するα,α-ジ置換-α-アミノニトリルは、Bioorg. Med. Chem. Lett. 22, 7114-7118 (2012)に従って、tert-ブチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラートから製造した。tert-ブチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラートは、Chem. Sci. 4, 1053-1058 (2013)に従って、4-ピペリドン一水和物一塩酸塩から製造した。(製造例1oにおいて同様である。)
L-Boc-Phe-OH (1.30 g, 4.90 mmol)と、上記のα,α-ジ置換-α-アミノニトリル(1.32 g, 5.88 mmol;ただし、crude formとして用いた。)と、塩化メチレン(20 mL, 0.25 M)との混合物に、EDC・HCl(1.13 g, 5.88 mmol)とHOBt・H2O(75.0 mg, 0.490 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 65%/35%)で精製し、化合物1nを白色固体として収率34%(3工程)で得た。
m.p. 90-92 ℃.
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.38 - 7.18 (m, 5H), 6.14 (s, 1H), 5.07 (s, 1H), 4.31 - 4.21 (m, 1H), 3.85 - 3.64 (m, 2H), 3.34 - 3.17 (m, 2H), 3.13 (dd, J = 13.8, 6.6 Hz, 1H), 3.03 (dd, J = 13.8, 7.8 Hz, 1H), 2.29 - 2.21 (m, 1H), 2.19 - 2.09 (m, 1H), 1.65 - 1.54 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.42 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 171.2, 155.8, 154.2, 136.3, 129.3, 128.8, 127.1, 118.3, 80.7, 80.3, 55.9, 49.9, 39.6, 38.0, 34.3, 34.1, 28.3, 28.2.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C25H36N4NaO5 + [M+Na]+: 495.2578; found: 495.2585.
FT-IR (neat): 3304, 2979, 2239, 1684, 1531, 1426, 1367, 1250, 1160, 1099, 860, 757, 700 cm-1
[α]D 26 +2.90 (c 1.42 CHCl3)
製造例1o
tert-ブチル (S)-4-(5-(ベンジルオキシ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソペンタンアミド)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシラート
Figure 2023176574000023
L-Boc-Glu(Bn)-OH (1.00 g, 2.96 mmol)と、製造例1nで用いたα,α-ジ置換-α-アミノニトリル(668 mg, 2.96 mmol)と、塩化メチレン(12 mL, 0.25 M)との混合物に、EDC・HCl(682 mg, 3.56 mmol)とHOBt・H2O(45.0 mg, 0.296 mmol)とを加え、室温で2時間攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 50%/50%)で精製し、化合物1oをアモルファス固体として収率71%(3工程)で得た。
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.46 (s, 1H), 7.38 - 7.28 (m, 5H), 7.02 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 5.07 (s, 2H), 4.00 - 3.88 (m, 1H), 3.62 - 3.48 (m, 2H), 3.25 - 3.14 (m, 2H), 2.37 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.18 - 2.04 (m, 2H), 1.93 - 1.72 (m, 2H), 1.93 - 1.72 (m, 2H), 1.38 (s, 9H), 1.35 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.5, 172.4, 155.8, 154.1, 136.6, 128.8, 128.4, 128.3, 119.9, 79.6, 78.7, 65.9, 53.9, 49.3, 33.6, 33.4, 30.5, 28.5, 28.4, 27.2.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C28H40N4NaO7 + [M+Na]+: 567.2789; found: 567.2794.
FT-IR (neat): 3320, 2978, 2239, 1697, 1524, 1425, 1392, 1367, 1250, 1162, 1071, 861, 754, 698 cm-1
[α]D 26 -15.62 (c 1.11 CHCl3)
製造例1p
α,α-ジ置換-α-アミドニトリル1p
Figure 2023176574000024
α,α-ジ置換-α-アミドニトリル1pは、以下のスキームに従って製造した。
Figure 2023176574000025
製造例1dの化合物(Boc-Gly-Aib-CN (3.30 g, 13.67 mmol))に、4M 塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(27.3 mL)を0℃で加え、室温で20分間攪拌したところ、白色沈殿を生じた。反応混合物にトリエチルアミン(18 mL)を0℃でゆっくり加え、氷浴から外し、塩化メチレン(100 mL)を加えた。さらに、Boc-L-Lys(NHCbz)-OH2 (1.93 g, 13.67 mmol)、EDC・HCl(3.15 g, 16.41 mmol)とHOBt・H2O(210 mg, 1.370 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。反応を1M 塩酸で停止し、塩化メチレンで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 99%/1%)で精製し、所望の化合物s1をアモルファス固体として収率70%で得た。
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.23 (s, 1H), 8.06 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 7.45 - 7.24 (m, 5H), 7.21 (t, J = 5.0 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 4.99 (s, 2H), 3.90 - 3.81 (m, 1H), 3.79 - 3.62 (m, 2H), 3.03 - 2.89 (m, 2H), 1.56 (s, 3H), 1.55 (s, 3H), 1.76 - 1.43 (m, 2H), 1.36 (s, 9H), 1.43 - 1.05 (m, 2H), 1.43 - 1.05 (m, 2H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 173.0, 169.2, 156.5, 156.0, 137.7, 128.8, 128.2 (2C), 121.9 (CN, deduced by HMBC), 78.6, 65.6, 54.9, 46.0, 42.2, 40.5 (overlapping with DMSO-d6, deduced by HMQC), 31.8, 29.5, 28.6, 26.8, 23.2.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C25H37N5NaO6 + [M+Na]+: 526.2636; found: 526.2634.
FT-IR (neat): 3314, 2938, 2243, 1688, 1525, 1455, 1392, 1367, 1251, 1169, 1027, 756, 699, 666 cm-1
[α]D 26 -0.96 (c 2.1 CHCl3)
得られた化合物s1(Boc-L-Lys(NHCbz)-Gly-Aib-CN (2.20 g, 4.35 mmol))に、4M 塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(8.7 mL)を0℃で加え、室温で攪拌し、薄層クロマトグラフィーを用いて反応の完結を確認した後、反応混合物を0℃に冷却し、トリエチルアミン(6 mL)を0℃でゆっくり加え、氷浴から外し、塩化メチレン(50 mL)を加えた。
Boc-L-Leu-OH (1.01 g, 4.35 mmol)、EDC・HCl(1.00 g, 5.22 mmol)とHOBt・H2O(334 mg, 2.17 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。反応を1M 塩酸で停止し、塩化メチレンで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 99%/1%)で精製し、所望の化合物s2をアモルファス固体として収率67%で得た。
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.25 (s, 1H), 8.18 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.44 - 7.23 (m, 5H), 7.19 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.98 (s, 2H), 4.22 - 4.11 (m, 1H), 4.00 - 3.88 (m, 1H), 3.73 (dd, J = 17.1, 6.1 Hz, 1H), 3.67 (dd, J = 17.0, 5.9 Hz, 1H), 3.01 - 2.89 (m, 2H), 1.83 - 1.49 (m, 1H), 1.83 - 1.49 (m, 2H), 1.56 (s, 3H), 1.55 (s, 3H), 1.35 (s, 9H), 1.48 - 1.03 (m, 2H), 1.48 - 1.03 (m, 2H), 1.48 - 1.03 (m, 2H), 0.85 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.83 (d, J = 8.0 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 173.2, 172.3, 169.1, 156.5, 155.8, 137.7, 128.8, 128.2 (2C), 121.9, 78.5, 65.5, 53.2, 53.1, 46.0, 42.1, 40.9, 40.6, 32.0, 29.5, 28.6, 26.9, 26.8, 24.7, 23.4, 22.9, 22.0.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C31H48N6NaO7 + [M+Na]+: 639.3477; found: 639.3472.
FT-IR (neat): 3300, 2956, 2243, 1693, 1663, 1532, 1455, 1391, 1367, 1252, 1167, 1026, 755, 698 cm-1
[α]D 23 -20.04 (c 1.05 CHCl3)
得られた化合物s2(Boc-L-Leu-L-Lys(NHCbz)-Gly-Aib-CN (1.48 g, 2.40 mmol))に、4M 塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(4.8 mL)を0℃で加え、室温で攪拌し、薄層クロマトグラフィーを用いて反応の完結を確認した後、反応混合物を0℃に冷却し、トリエチルアミン(3 mL)を0℃でゆっくり加え、氷浴から外し、塩化メチレン(25 mL)を加えた。
Boc-L-Ala-OH (0.450 g, 2.40 mmol)、EDC・HCl(0.550 g, 2.90 mmol)とHOBt・H2O(182 mg, 1.20 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。反応を1M塩酸で停止し、塩化メチレンで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 99%/1%)で精製し、所望の化合物1pを白色固体として収率48%で得た。
m.p. 100-102 ℃.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.23 (s, 1H), 8.19 - 8.13 (m, 1H), 8.00 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.44 - 7.24 (m, 5H), 7.21 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 4.98 (s, 2H), 4.33 - 4.24 (m, 1H), 4.15 - 4.07 (m, 1H), 3.98 - 3.90 (m, 1H), 3.71 (dd, J = 16.7, 5.6 Hz, 1H), 3.66 (dd, J = 16.4, 5.3 Hz, 1H), 2.98 - 2.90 (m, 2H), 1.76 - 1.47 (m, 1H), 1.76 - 1.47 (m, 2H), 1.56 (s, 3H), 1.55 (s, 3H), 1.35 (s, 9H), 1.47 - 1.15 (m, 2H), 1.47 - 1.15 (m, 2H), 1.47 - 1.15 (m, 2H), 1.12 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.82 (d, J = 6.4 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 173.0, 172.6, 172.3, 169.1, 156.5, 155.5, 137.7, 128.8, 128.2 (2C), 121.9, 78.5, 65.5, 53.3, 51.2, 50.0, 46.0, 42.2, 41.2, 40.6 (overlapping with DMSO-d6, deduced by HMQC), 31.8, 29.6, 28.6, 26.9, 26.8, 24.4, 23.5, 23.0, 22.0, 18.3.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C34H53N7NaO8 + [M+Na]+: 710.3848; found: 710.3847.
FT-IR (neat): 3286, 3067, 2934, 2243, 1691, 1633, 1540, 1455, 1367, 1251, 1169, 1024, 757, 697 cm-1
[α]D 25 -15.62 (c 0.51 CHCl3)
製造例1q/製造例1r
α,α-ジ置換-α-アミドニトリル1q/α,α-ジ置換-α-アミドニトリル1r
Figure 2023176574000026
α,α-ジ置換-α-アミドニトリル1qは、以下のスキームに従って製造した。
Figure 2023176574000027
(S)-α-メチルフェニルアラニン一塩酸塩(500 mg, 2.53 mmol)を、1,4-ジオキサンと水の1/1混合溶媒(10 mL, 0.25 M)に室温で懸濁させ、1M 水酸化ナトリウム水溶液(2.6 mL)とBoc2O (939 mg, 4.30 mmol)を加え、24時間攪拌した。得られた反応混合物を酢酸エチルで希釈し、反応を1M 塩酸で停止し、酢酸エチルで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。
得られた粗生成物(Boc-(S)-α-メチルフェニルアラニン(400 mg, 1.43 mmol))をテトラヒドロフラン(2.9 mL, 0.5 M)に溶解し、0℃に冷却し、トリエチルアミン(199 μL, 1.42mmol)を加え、15分間攪拌し、クロロギ酸エチル(136 μL, 1.43mmol)を加えて、0℃で30分間攪拌した。反応混合液に30% NH3・H2O (5 mL)を加え、氷浴から外して1時間攪拌した。得られた反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 40%/60%)で精製し、所望の化合物(S)-s3を白色固体として収率30%(2工程)で得た。
[α]D 23 -57.45 (c 0.96 CHCl3)
なお、(R)-α-メチルフェニルアラニン一塩酸塩を出発原料として、シリカゲルクロマトグラフィーの溶離液をヘキサン/酢酸エチル = 40%/60%~メタノール100%とした以外は上記と同様にして、化合物(S)-s3の鏡像体である化合物(R)-s3(tert-ブチル (R)-(1-アミノ-2-メチル-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバマート)を白色固体として収率34%(2工程)で得た。
m.p. 66-68 ℃.
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.33 - 7.22 (m, 3H), 7.20 - 7.12 (m, 2H), 6.34 (s, 1H), 5.68 (s, 1H), 4.88 (s, 1H), 3.37 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.12 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 1.47 (s, 9H), 1.43 (s, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 176.7, 154.7, 136.1, 130.5, 128.2, 126.9, 80.3, 59.9, 41.3, 28.4, 23.9.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C15H22N2NaO3 + [M+Na]+: 301.1523; found: 301.1519.
FT-IR (neat): 3322, 1689, 1496, 1366, 1167 cm-1
[α]D 23 +51.81 (c 1.05 CHCl3)
得られた化合物(S)-s3 (106 mg, 0.38 mmol) に、4M 塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(1.9 mL)を0℃で加え、室温で40分間攪拌し、得られた反応混合物を減圧下濃縮した。
得られた粗生成物を塩化メチレン(2.5 mL, 0.15 M)に室温で溶解し、トリエチルアミン(130 μL, 0.95 mmol)、Boc-L-Phe-OH (100 mg, 0.38 mmol)、EDC・HCl(88.0 mg, 0.46 mmol)とHOBt・H2O(29.0 mg, 0.19 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で停止し、塩化メチレンで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 30%/70%)で精製し、所望の化合物s4(tert-ブチル ((S)-1-(((S)-1-アミノ-2-メチル-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバマート)を白色固体として収率46%で得た。
m.p. 187-188 ℃.
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.33 - 6.95 (m, 10H), 6.62 (s, 1H), 6.42 (s, 1H), 5.58 (s, 1H), 5.12 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.16 - 4.10 (m, 1H), 3.35 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.08 (dd, J = 14.0, 5.9 Hz, 1H), 3.03 - 2.89 (m, 2H), 1.52 (s, 3H), 1.33 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 176.1, 170.9, 156.0, 136.4, 135.8, 130.3, 129.3, 128.8, 128.3, 127.2, 127.1, 80.7, 60.3, 56.8, 42.2, 37.3, 28.2, 23.6.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C24H31N3NaO4 + [M+Na]+: 448.2207; found: 448.2200.
FT-IR (neat): 3311, 2979, 1668, 1497, 1455, 1367, 1248, 1168, 1029, 756, 702 cm-1
[α]D 26 -48.27 (c 3.4 CHCl3)
なお、化合物(S)-s3に代えて化合物(R)-s3を用いた以外は上記と同様にして、化合物s5(tert-ブチル ((S)-1-(((R)-1-アミノ-2-メチル-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバマート)を白色固体として収率55%(2工程)で得た。
m.p. 162-164 ℃.
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.41 - 6.90 (m, 10H), 6.64 (s, 1H), 6.20 (s, 1H), 5.53 (s, 1H), 5.17 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 4.15 - 4.06 (m, 1H), 3.38 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.11 (dd, J = 13.7, 6.9 Hz, 1H), 2.98 - 2.80 (m, 2H), 1.44 (s, 3H), 1.36 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 176.1, 171.0, 156.0, 136.5, 135.7, 130.4, 129.2, 128.8, 128.3, 127.2, 127.1, 80.7, 60.2, 57.2, 42.1, 37.7, 28.2, 23.6.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C24H31N3NaO4 + [M+Na]+: 448.2207; found: 448.2201.
FT-IR (neat): 3276, 2978, 1671, 1542, 1394, 1237, 1178, 1023, 910, 738, 699, 582 cm-1
[α]D 27 +18.05 (c 1.2 CHCl3)
α,α-ジ置換-α-アミドニトリル1qは、得られた化合物s4を用いて、国際公開第WO 2010/148488号に従って、製造した。
得られた化合物s4 (64 mg, 0.15 mmol)とテトラヒドロフラン(0.8 mL, 0.2 M)との混合物に、トリエチルアミン(59 μL, 0.42 mmol)を0℃で加え、無水トリフルオロ酢酸(29 μL, 0.21 mmol)を滴下して加え、0℃で40分間攪拌した。反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で停止し、酢酸エチルで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 50%/50%)で精製し、所望の化合物1q(tert-ブチル ((S)-1-(((S)-2-シアノ-1-フェニルプロパン-2-イル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバマート)を白色固体として収率85%で得た。
m.p. 137-138 ℃.
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.43 - 6.98 (m, 10H), 6.39 (s, 1H), 5.21 (s, 1H), 4.36 - 4.23 (m, 1H), 3.21 - 2.93 (m, 2H), 3.21 - 2.93 (m, 2H), 1.50 (s, 3H), 1.39 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 170.9, 155.8, 136.4, 133.1, 130.5, 129.5, 128.8, 128.6, 127.8, 127.1, 119.7, 80.6, 55.8, 50.3, 43.6, 38.0, 28.2, 24.5.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C24H29N3NaO3 + [M+Na]+: 430.2101; found: 430.2093.
FT-IR (neat): 3299, 2979, 2239, 1664, 1534, 1455, 1367, 1253, 1166, 1022, 757, 701 cm-1
[α]D 25 -38.69 (c 1.27 CHCl3)
なお、化合物s4に代えて化合物s5を用いた以外は上記と同様にして、化合物1r(tert-ブチル ((S)-1-(((R)-2-シアノ-1-フェニルプロパン-2-イル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバマート)を白色固体として収率77%で得た。
m.p. 53-55 ℃.
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.39 - 7.08 (m, 10H), 5.98 (s, 1H), 5.16 (s, 1H), 4.28 - 4.21 (m, 1H), 3.18 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.13 - 2.95 (m, 1H), 3.13 - 2.95 (m, 1H), 3.13 - 2.95 (m, 1H), 1.44 (s, 3H), 1.40 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 170.8, 155.5, 136.4, 133.1, 130.4, 129.4, 128.8, 128.7, 127.9, 127.1, 119.6, 80.5, 56.0, 50.2, 44.0, 38.4, 28.2, 24.4.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C24H29N3NaO3 + [M+Na]+: 430.2101; found: 430.2098.
FT-IR (neat): 3310, 3031, 2980, 2239, 1667, 1532, 1455, 1367, 1252, 1167, 1051, 758, 702 cm-1
[α]D 24 +20.10 (c 0.54 CHCl3)
製造例2a
N-置換システイン誘導体2a
Figure 2023176574000028
N-置換システイン誘導体2aは、以下のスキームに従って製造した。
Figure 2023176574000029
N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチル-S-トリチル-L-システイン(6.55 g, 13.7 mmol)と、tert-ブチル L-フェニルアラニナート(3.04 g, 13.7 mmol)を、塩化メチレン(55 mL, 0.25 M)に室温で溶解し、EDC・HCl(3.16 g, 16.5 mmol)とHOBt・H2O(210 mg, 1.37 mmol)とを加え、室温で60時間攪拌した。得られた反応混合物に1M塩酸を加えて反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 60%/40%)で精製し、化合物s6(tert-ブチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチル-S-トリチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート)をアモルファス固体として収率90%で得た。
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.07 (s, 1H), 7.60 - 6.82 (m, 15H), 7.60 - 6.82 (m, 5H), 4.65 - 4.57 and 4.41 - 4.34 (m, 1H), 4.31 - 4.21 (m, 1H), 3.02 - 2.94 (m, 1H), 2.88 (dd, J = 13.8, 9.3 Hz, 1H), 2.65 - 2.56 (m, 1H), 2.36 and 2.28 (s, 3H), 2.13 - 2.02 (m, 1H), 1.37 and 1.30 (s, 9H), 1.26 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.6 and 170.5 (1C), 169.4 and 169.3 (1C), 155.5 and 154.8 (1C), 144.6, 137.8, 129.4, 128.5, 128.5, 127.2, 126.8, 81.1, 79.8 and 79.7 (1C), 66.29 and 66.25 (1C), 58.0 and 56.5 (1C), 54.5, 36.5, 31.6 and 31.2 (1C), 30.5 and 30.2 (1C), 28.4, 27.9.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C41H48N2NaO5S+ [M+Na]+: 703.3176; found: 703.3182.
FT-IR (neat): 3406, 3063, 2978, 2932, 1685, 1495, 1445, 1367, 1320, 1155, 846, 751, 701 cm-1
[α]D 27 -34.66 (c 1.95 CHCl3)
得られたs6 (8.40 g, 12.0 mmol)を塩化メチレン(120 mL, 0.1 M)に室温で溶解し、トリエチルシラン(2.2 mL, 14.0 mmol)と、トリフルオロ酢酸(4.8 mL, 4 v/v%)とを加え、室温で50分間攪拌した。反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で停止し、塩化メチレンで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 65%/35%)で精製し、所望の化合物s7(5.10 g)を無色油状物として得た。
得られたs7 (5.10 g, 12.0 mmol)を塩化メチレン(5 mL, 2.4 M)に溶解し、氷冷した後、4M 塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(24 mL)を0℃で加え、室温で19分間攪拌した。反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で停止し、塩化メチレンで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 30%/70%)で精製し、所望の化合物2a(tert-ブチル メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート)をアモルファス固体として収率64%で得た。
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.68 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.24 - 7.05 (m, 5H), 4.75 - 4.67 (m, 1H), 3.08 (dd, J = 13.9, 5.8 Hz, 1H), 3.04 - 2.99 (m, 1H), 2.94 (dd, J = 13.9, 7.4 Hz, 1H), 2.74 (dd, J = 13.8, 4.1 Hz, 1H), 2.62 (dd, J = 13.9, 6.8 Hz, 1H), 2.29 (s, 3H), 1.36 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 171.1, 170.4, 136.3, 129.4, 128.3, 126.8, 82.1, 65.4, 53.0, 38.2, 34.7, 27.9, 26.5.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C17H27N2O3S+ [M+H]+: 339.1737; found: 339.1742.
FT-IR (neat): 3327, 2978, 2557, 1733, 1662, 1515, 1368, 1255, 1156, 846, 741, 700 cm-1
[α]D 23 +1.77 (c 1.54 CHCl3)
製造例2b
N-置換システイン誘導体2b
Figure 2023176574000030
N-置換システイン誘導体2bは、以下のスキームに従って製造した。
Figure 2023176574000031
Boc-L-Leu-OH 一水和物(2.09 g, 8.65 mmol)と、L-Ala-OBn 塩酸塩(1.87 g, 8.65 mmol)を塩化メチレン(35 mL, 0.25 M)に室温で溶解し、EDC・HCl(1.99 g, 10.4 mmol)とHOBt・H2O(133 mg, 0.860 mmol)とトリエチルアミン(3.01 mL, 21.6 mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加えて反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 50%/50%)で精製し、化合物s8を無色油状物として収率91%で得た。
NMRデータはChem. Sci. 10, 2465-2472 (2019) に記載されたデータと一致した。
4M 塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(15.2 mL)を0℃とし、得られたs8 (3.00 g, 7.60 mmol)を0℃で加え、室温で3時間攪拌した。反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で停止し、酢酸エチルで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。
得られた粗生成物(2.20 g, 7.50 mmol)を塩化メチレン(30 mL, 0.25 M)に室温で溶解し、N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチル-S-トリチル-L-システイン(3.60 g, 7.50 mmol)、EDC・HCl(1.70 g, 9.00 mmol)とHOBt・H2O(114 mg, 0.750 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M塩酸を加えて反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 65%/35%)で精製し、化合物s10(ベンジル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチル-S-トリチル-L-システイニル-L-ロイシル-L-アラニナート; 2.00 g, 2.66 mmol)を白色固体として収率91%(2工程)で得た。
m.p. 69-71 ℃.
1H NMR (measured at 64 ℃) (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.14 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.49 - 7.10 (m, 5H), 7.49 - 7.10 (m, 15H), 5.11 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 5.06 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 4.40 - 4.23 (m, 1H), 4.40 - 4.23 (m, 1H), 4.40 - 4.23 (m, 1H), 2.66 (dd, J = 12.4, 5.3 Hz, 1H), 2.58 (s, 3H), 2.38 (dd, J = 12.2, 10.2 Hz, 1H), 1.57 - 1.41 (m, 1H), 1.57 - 1.41 (m, 2H), 1.38 (s, 9H), 1.29 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 0.80 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.78 (d, J = 6.4 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.7, 172.2, 169.1, 155.6 and 154.8 (1C), 144.7, 136.3, 129.5, 128.8, 128.5, 128.4, 128.2, 127.2, 79.9, 66.3, 58.6 and 57.7 (1C), 51.0, 48.1, 41.3 and 41.2 (1C), 31.6, 31.0, 28.4, 24.4, 23.5, 21.9, 21.7, 17.1.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C44H53N3NaO6S+ [M+Na]+: 774.3547; found: 774.3549.
FT-IR (neat): 3306, 3060, 2957, 1747, 1656, 1541, 1446, 1389, 1367, 1321, 1161, 752, 700 cm-1
[α]D 25 -70.54 (c 1.35 CHCl3)
得られたs10 (2.00 g, 2.66 mmol)を塩化メチレン(27 mL, 0.1 M)に室温で溶解し、トリエチルシラン(480 μL, 3.01 mmol)と、トリフルオロ酢酸(1.08 mL, 4 v/v%)とを加え、室温で85分間攪拌した。反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で停止し、塩化メチレンで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 50%/50%)で精製し、所望の化合物s11(1.00 g)を白色固体として得た。
得られたs11 (1.00 g, 1.96 mmol)を0℃とし、4M 塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(24 mL)を0℃で加え、室温で1時間攪拌した。反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で停止し、酢酸エチルで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 30%/70%)で精製し、所望の化合物2b(ベンジル メチル-L-システイニル-L-ロイシル-L-アラニナート)を無色油状物として収率68%で得た。
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.44 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.48 - 7.16 (m, 5H), 5.09 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 5.05 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 4.44 - 4.36 (m, 1H), 4.34 - 4.26 (m, 1H), 3.07 - 3.00 (m, 1H), 2.65 (dd, J = 13.3, 5.3 Hz, 1H), 2.57 (dd, J = 13.2, 6.7 Hz, 1H), 2.19 (s, 3H), 1.63 - 1.52 (m, 1H), 1.45 - 1.33 (m, 2H), 1.29 (d, J = 7.3 Hz, 3H), 0.82 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.80 (d, J = 6.0 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.7, 172.4, 172.1, 136.3, 128.8, 128.4, 128.2, 66.4, 65.6, 50.7, 48.1, 41.6, 34.4, 26.9, 24.5, 23.5, 21.8, 17.2.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C20H32N3O4S+ [M+H]+: 410.2108; found: 410.2108.
FT-IR (neat): 3289, 3067, 2956, 2557, 1743, 1649, 1548, 1455, 1387, 1197, 1164, 1051, 962, 751, 698 cm-1
[α]D 25 -78.52 (c 1.8 CHCl3)
製造例2c
N-置換システイン誘導体2c
Figure 2023176574000032
N-置換システイン誘導体2cは、以下のスキームに従って製造した。
Figure 2023176574000033
Boc-L-Tyr-OH (5.00 g, 17.8 mmol)と塩化メチレン(71 mL, 0.25 M)との混合物に、HCl・NH2-L-Val-OMe (2.98 g, 17.8 mmol)を室温で加え、EDC・HCl(4.09 g, 21.3 mmol)とHOBt・H2O(273 mg, 1.78 mmol)とトリエチルアミン(3.7 mL, 26.7 mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加えて反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。
得られた粗生成物s12を塩化メチレン(35 mL, 0.5 M)に溶解し、トリフルオロ酢酸(13.6 mL, 178 mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。一部のトリフルオロ酢酸を除去するため、得られた反応混合物を減圧下濃縮し、トリエチルアミンを加えて中和した。得られた混合物に塩化メチレン(71 mL)を加え、Boc-L-Ala-OH (3.36 g, 17.8 mmol)、EDC・HCl(4.09 g, 21.3 mmol)とHOBt・H2O(273 mg, 1.78 mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加えて反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 15%/85%)で精製し、化合物s14(メチル (tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニル-L-チロシル-L-バリナート)を白色固体として収率77%(3工程)で得た。
m.p. 94-96 ℃.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 9.13 (s, 1H), 8.17 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 6.92 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 4.58 - 4.48 (m, 1H), 4.19 - 4.12 (m, 1H), 3.93 - 3.84 (m, 1H), 3.61 (s, 3H), 2.86 (dd, J = 13.8, 3.7 Hz, 1H), 2.69 (dd, J = 13.0, 8.7 Hz, 1H), 2.05 - 1.95 (m, 1H), 1.34 (s, 9H), 1.08 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.85 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.83 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.8, 172.1, 171.7, 156.2, 155.3, 130.6, 127.8, 115.2, 78.5, 57.8, 53.9, 52.1, 50.3, 37.3, 30.4, 28.6, 19.3, 18.6, 18.5.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C23H35N3NaO7 + [M+Na]+: 488.2367; found: 488.2364.
FT-IR (neat): 3296, 2974, 1651, 1518, 1450, 1368, 1247, 1168, 1023, 758 cm-1
[α]D 22 -29.18 (c 1.13 CHCl3)
得られたs14(Boc-L-Ala-L-Tyr-L-Val-OMe)を塩化メチレン(27.6 mL, 0.5 M)に室温で溶解し、トリフルオロ酢酸(10.6 mL, 138 mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。一部のトリフルオロ酢酸を除去するため、得られた反応混合物を減圧下濃縮し、トリエチルアミンを加えて中和した。得られた混合物に塩化メチレン(55 mL)を加え、Boc-Gly-OH (2.42 g, 13.8 mmol)、EDC・HCl(3.18 g, 16.6 mmol)とHOBt・H2O(212 mg, 1.38 mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加えて反応を停止し、塩化メチレン/酢酸エチル = 2/1の混合溶媒で抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 5%/95%)で精製し、化合物s16(メチル (tert-ブトキシカルボニル)グリシル-L-アラニル-L-チロシル-L-バリナート)を白色固体として収率61%(2工程)で得た。
m.p. 204-206 ℃.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 9.14 (s, 1H), 8.03 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.92 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.51 - 4.42 (m, 1H), 4.28 - 4.18 (m, 1H), 4.16 - 4.09 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.51 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 2.88 (dd, J = 13.9, 4.7 Hz, 1H), 2.66 (dd, J = 13.9, 9.3 Hz, 1H), 2.05 - 1.96 (m, 1H), 1.35 (s, 9H), 1.11 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.84 (d, J = 6.9 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.3, 172., 171.8, 169.3, 156.2 (2C), 130.5, 128.1, 115.2, 78.5, 57.9, 54.3, 52.1, 48.4, 43.6, 36.9, 30.3, 28.6, 19.3, 18.8, 18.7.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C25H38N4NaO8 + [M+Na]+: 545.2582; found: 545.2585.
FT-IR (neat): 3291, 2970, 1733, 1644, 1517, 1447, 1369, 1218, 1167, 756 cm-1
[α]D 22 -19.05 (c 1.0 DMSO)
得られたs16 (Boc-Gly-L-Ala-L-Tyr-L-Val-OMe; 2.25 g, 4.31 mmol)に4M 塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(17.2 mL)を0℃で加え、室温で1.5時間攪拌したところ、白色沈殿が生じた。得られた混合物を0℃とし、塩化メチレン(60 mL)で希釈し、ゆっくりトリエチルアミンを加えることにより反応を停止した。得られた混合物にNMe-L-Cys(S-trityl)-OH (2.06 g, 4.31 mmol)、EDC・HCl(991 mg, 5.17 mmol)とHOBt・H2O(66.0 mg, 0.430 mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加えて反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(メタノール/塩化メチレン = 5%/95%)で精製し、化合物s18(メチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチル-S-トリチル-L-システイニルグリシル-L-アラニル-L-チロシル-L-バリナート)を白色固体として収率74%(2工程)で得た。
m.p. 128-130 ℃.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) (measured at 64 ℃) δ 8.92 (s, 1H), 7.81 - 7.61 (m, 1H), 7.81 - 7.61 (m, 1H), 7.81 - 7.61 (m, 1H), 7.81 - 7.61 (m, 1H), 7.47 - 7.09 (m, 15H), 6.97 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.62 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.49 - 4.43 (m, 1H), 4.42 - 4.32 (m, 1H), 4.25 - 4.20 (m, 1H), 4.16 (dd, J = 8.2, 6.3 Hz, 1H), 3.74 - 3.52 (m, 1H), 3.74 - 3.52 (m, 1H), 3.61 (s, 3H), 2.89 (dd, J = 14.0, 5.2 Hz, 1H), 2.73 - 2.64 (m, 1H), 2.73 - 2.64 (m, 1H), 2.58 (s, 3H), 2.38 (dd, J = 12.1, 10.6 Hz, 1H), 2.05 - 1.96 (m, 1H), 1.37 (s, 9H), 1.12 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.84 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.3, 172.1, 171.7, 169.8 and 169.7 (1C), 168.6, 156.2 (ipso-C of phenol), 155.6 and 154.8 (1C), 144.7, 130.5, 129.5, 128.5, 128.1, 127.2, 115.3, 80.0 and 79.9 (1C), 66.3, 59.1 and 57.7 (1C), 57.9, 54.5, 52.1, 48.5, 42.6, 36.8, 31.6, 31.4 and 31.2 (1C), 30.4, 28.5 and 28.4 (3C), 19.3, 18.7 and 18.6 (1C), 18.6.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C48H59N5NaO9S+ [M+Na]+: 904.3926; found: 904.3926.
FT-IR (neat): 3297, 2972, 1736, 1646, 1517, 1445, 1369, 1317, 1218, 1158, 755, 702, 667 cm-1
[α]D 24 -48.64 (c 3.58 CHCl3)
得られたs18 (2.10 g, 2.40 mmol)を塩化メチレン(24 mL, 0.1 M)に室温で溶解し、トリエチルシラン(430 μL, 2.70 mmol)と、トリフルオロ酢酸(0.96 mL, 4 v/v%)とを加え、室温で1.5時間攪拌した。反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で停止し、塩化メチレンで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(メタノール/塩化メチレン = 5%/95%)で精製し、所望の化合物s19(725 mg)を白色固体として得た。
得られたs19 (725 mg, 1.13 mmol)を0℃とし、4M 塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(4.5 mL, 18 mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌したところ、白色沈殿を生じた。反応混合物を塩化メチレンで希釈し、ろ取にて得られた残渣を塩化メチレンで洗浄し、減圧下乾燥し、所望の化合物2c((4S,7S,10S,16R)-7-(4-ヒドロキシベンジル)-4-イソプロピル-17-メルカプト-N,10-ジメチル-3,6,9,12,15-ペンタオキソ-2-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘプタデカン-16-アミニウムクロリド)を白色固体として収率45%(粗生成物、2工程)で得た。なお、化合物2cはこれ以上の精製をせずに次の反応に用いた。
1H NMR (399 MHz, D2O) δ 8.19 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.82 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 4.53 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 4.29 (q, J = 7.2 Hz, 1H), 4.23 - 4.13 (m, 1H), 4.23 - 4.13 (m, 1H), 4.07 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 3.97 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 3.66 (s, 3H), 3.16 (dd, J = 15.0, 4.7 Hz, 1H), 3.09 (dd, J = 15.0, 5.9 Hz, 1H), 3.04 - 2.88 (m, 1H), 3.04 - 2.88 (m, 1H), 2.75 (s, 3H), 2.08 - 1.96 (m, 1H), 1.31 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 3.6 Hz, 3H), 0.84 (d, J = 3.7 Hz, 3H).
HRMS (ESI) m/z of 2c's free amine form: Calcd for C24H38N5O7S+ [M+H]+: 540.2486; found: 540.2488.
製造例2d
N-置換システイン誘導体2d
Figure 2023176574000034
N-置換システイン誘導体2dは、以下のスキームに従って製造した。
Figure 2023176574000035
Org. Biomol. Chem. 11, 6090-6096 (2013)の記載に従って、S-トリチル L-システイン (1.00 g, 2.75 mmol)から、N-エチル-S-トリチル L-システインを合成した。得られた粗生成物はシリカゲルクロマトグラフィー(メタノール/塩化メチレン = 11%/88%)で簡易精製した。
得られたN-エチル-S-トリチル L-システインを1,4-ジオキサン/水 = 1/1の混合溶媒(22 mL, 0.12 M)に溶解し、0℃とし、1M 水酸化ナトリウム水溶液(5.5 mL, 5.50 mmol)をゆっくり加え、さらにジ-tert-ブチル ジカルボナート(1.20 g, 5.50 mmol)を加え、50℃で一晩攪拌した。得られた反応混合物を0℃とし、酢酸エチルで希釈し、1M 硫酸水素カリウム水溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(メタノール/塩化メチレン = 11%/88%)で簡易精製し、化合物s20(700 mg)を得た。
0
得られた化合物s20 (700 mg, 1.42 mmol)を用いて、製造例2aと同様にして、化合物s21、化合物s22を経て、所望の化合物2dを得た。
化合物s21(tert-ブチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-エチル-S-トリチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート):収率43%(3工程)、アモルファス固体
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) (measured at 64 ℃) δ 7.44 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.41 - 6.94 (m, 15H), 7.41 - 6.94 (m, 5H), 4.37 - 4.30 (m, 1H), 4.25 - 4.16 (m, 1H), 2.96 (dd, J = 12.9, 5.2 Hz, 1H), 3.00 - 2.88 (m, 1H), 2.91 (dd, J = 12.9, 6.7 Hz, 1H), 2.87 - 2.79 (m, 1H), 2.64 (dd, J = 12.2, 6.2 Hz, 1H), 2.32 (dd, J = 12.1, 8.8 Hz, 1H), 1.34 (s, 9H), 1.30 (s, 9H), 0.80 (t, J = 7.0 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.5 (2C), 169.4, 144.7, 137.5, 129.5, 129.5, 128.6, 128.5, 127.2, 126.9, 81.3, 79.7, 66.5, 54.6 (2C), 39.9 (deduced by HMQC), 36.8, 31.9, 28.4, 27.9, 15.0 and 14.3 (1C).
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C42H50N2NaO5S+ [M+Na]+: 717.3333; found: 717.3331.
FT-IR (neat): 2977, 1732, 1686, 1495, 1407, 1367, 1290, 1254, 1156, 847, 743, 701, 622 cm-1
[α]D 23 -31.70 (c 1.03 CHCl3)
化合物2d(tert-ブチル エチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート):収率61%(2工程)、アモルファス固体
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.76 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.31 - 7.09 (m, 5H), 4.76 - 4.69 (m, 1H), 3.16 - 3.06 (m, 1H), 3.16 - 3.06 (m, 1H), 2.99 (dd, J = 13.9, 7.1 Hz, 1H), 2.76 (dd, J = 13.8, 4.1 Hz, 1H), 2.67 (dd, J = 13.8, 6.8 Hz, 1H), 2.60 - 2.48 (m, 2H), 1.39 (s, 9H), 1.04 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 171.7, 170.4, 136.2, 129.4, 128.3, 126.9, 82.1, 63.5, 53.0, 42.5, 38.3, 27.9, 27.1, 15.4.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C18H29N2O3S+ [M+H]+: 353.1893; found: 353.1894.
FT-IR (neat): 3315, 2975, 2554, 1733, 1661, 1513, 1368, 1253, 1156, 845, 741, 701 cm-1
[α]D 25 -6.37 (c 2.35 CHCl3)
実施例3a~3v
実施例3a~3vの化合物は、以下の製造方法に従って製造した。
Figure 2023176574000036
N-置換システイン誘導体(2)(1.5当量)、α-アミドニトリル(1)(1当量)、L-アスコルビン酸(1.3当量)を、メタノール及びpH 7.4の0.2M リン酸バッファーの混合溶媒(体積比2/1、0.1M)に溶解し、トリブチルホスフィン(0.5当量)をさらに加え、この混合物をすぐに、液体窒素下で脱気してアルゴンで置換する操作を3回繰り返した。さらにこの混合物を別に示された条件で攪拌して反応させ、得られた反応混合物を酢酸エチルで希釈し、硫酸ナトリウム(α-アミドニトリル0.1 mmolあたり、およそ5 g)のショートカラムでろ過することにより乾燥し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的物(3)を得た。
実施例3a:tert-ブチル N-(2-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-フェニルプロパンアミド)-2-メチルプロパノイル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000037
30℃、72時間で反応させ、化合物3aをアモルファス固体として収率87%で得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 48%/52%
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.46 (s, 1H), 7.89 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.34 - 7.07 (m, 10H), 6.99 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.96 - 4.83 (m, 1H), 4.40 - 4.30 (m, 1H), 4.20 - 4.11 (m, 1H), 3.06 - 2.96 (m, 2H), 2.87 - 2.78 (m, 2H), 2.76 - 2.70 (m, 1H), 2.65 (s, 3H), 2.57 - 2.49 (m, 1H), 2.21 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 1.31 (s, 9H), 1.30 (s, 9H), 1.26 (s, 6H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.8, 171.9, 170.8, 169.3, 155.8, 138.3, 138.0, 129.7, 129.6, 128.5, 128.4, 126.8, 126.7, 81.1, 78.5, 61.6, 56.3, 56.0, 54.7, 37.6, 36.7, 32.4, 28.5, 28.0, 26.5, 25.4, 22.3.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C35H50N4NaO7S+ [M+Na]+: 693.3292; found: 693.3304.
FT-IR (neat): 3299, 2979, 2544, 1662, 1498, 1393, 1367, 1250, 1161, 1095, 847, 756, 700 cm-1
[α]D 22 -68.95 (c 1.4 CHCl3)
実施例3b:tert-ブチル N-(2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-4-(メチルチオ)ブタンアミド)-2-メチルプロパノイル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000038
30℃、36時間で反応させ、化合物3bをアモルファス固体として収率81%で得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 35%/65%
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.47 (s, 1H), 7.82 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.40 - 7.26 (m, 5H), 7.26 - 7.12 (m, 5H), 5.00 (d, J = 3.8 Hz, 2H), 4.89 - 4.79 (m, 1H), 4.36 - 4.28 (m, 1H), 4.10 - 4.03 (m, 1H), 2.98 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 2.89 - 2.81 (m, 1H), 2.68 (s, 3H), 2.61 - 2.54 (m, 1H), 2.46 - 2.35 (m, 2H), 2.21 - 2.16 (m, 1H), 1.99 (s, 3H), 1.84 - 1.73 (m, 2H), 1.33 (s, 3H), 1.32 (s, 3H), 1.29 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.9, 171.8, 170.8, 169.3, 156.5, 137.9, 137.3, 129.6, 128.7, 128.5, 128.2, 128.2, 126.8, 81.0, 66.0, 61.7, 56.4, 54.7, 54.1, 36.9, 32.6, 31.7, 30.2, 28.0, 26.4, 25.6, 22.3, 15.1.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C34H48N4NaO7S2 + [M+Na]+: 711.2857; found: 711.2864.
FT-IR (neat): 3310, 2979, 2546, 1720, 1655, 1525, 1394, 1367, 1241, 1155, 1045, 752, 699 cm-1
[α]D 22 -78.74 (c 1.03 CHCl3)
実施例3c:tert-ブチル N-(2-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-ヒドロキシプロパンアミド)-2-メチルプロパノイル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000039
30℃、33.5時間で反応させ、化合物3cをアモルファス固体として収率86%で得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 20%/80%
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.37 (s, 1H), 7.77 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.30 - 7.12 (m, 5H), 6.58 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.93 (s, 1H), 4.87 - 4.80 (m, 1H), 4.35 - 4.27 (m, 1H), 4.00 - 3.92 (m, 1H), 3.57 - 3.48 (m, 2H), 2.98 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 2.93 - 2.85 (m, 1H), 2.71 (s, 3H), 2.60 - 2.51 (m, 1H), 2.20 - 2.13 (m, 1H), 1.35 (s, 9H), 1.52 - 1.30 (m, 3H), 1.32 (s, 3H), 1.27 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.9, 170.8, 170.7, 169.3, 155.6, 137.9, 129.6, 128.5, 126.8, 81.0, 78.6, 62.0, 61.3, 57.1, 56.5, 54.9, 37.0, 32.2, 28.5, 27.9, 26.2, 26.0, 22.3.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C29H46N4NaO8S+ [M+Na]+: 633.2929; found: 633.2931.
FT-IR (neat): 3313, 2979, 2550, 1715, 1660, 1525, 1394, 1367, 1251, 1160, 1091, 846, 754, 700 cm-1
[α]D 25 -82.25 (c 1.00 CHCl3)
実施例3d:tert-ブチル N-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)アセトアミド)-2-メチルプロパノイル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000040
30℃、22時間で反応させ、化合物3dをアモルファス固体として収率82%で得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 30%/70%.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.37 and 8.34 (s, 1H), 7.72 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.31 - 7.11 (m, 5H), 6.88 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.95 - 4.86 (m, 1H), 4.34 - 4.27 (m, 1H), 3.59 - 3.46 (m, 2H), 2.98 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 3.04 - 2.87 (m, 1H), 2.72 (s, 3H), 2.62 - 2.53 (m, 1H), 2.20 - 2.11 (m, 1H), 1.54 and 1.35 (s, 3H), 1.36 and 1.33 (s, 3H), 1.30 (s, 9H), 1.26 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 173.0, 170.7, 169.5, 169.3, 156.2, 137.8, 129.6, 128.5, 126.8, 80.9, 78.4, 61.5, 56.4, 54.8, 46.0, 43.3, 37.0, 32.4, 28.6 and 28.5 (3C), 27.9 and 26.9 (3C), 26.3 and 26.1 (1C), 22.3.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C28H44N4NaO7S+ [M+Na]+:603.2823; found: 603.2829.
FT-IR (neat): 3303, 2979, 2550, 1717, 1664, 1523, 1393, 1367, 1249, 1162, 1090, 849, 756, 701 cm-1
[α]D 24 -41.00 (c 1.12 CHCl3)
実施例3e:tert-ブチル N-(1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-フェニルプロパンアミド)シクロプロパン-1-カルボニル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000041
30℃、20.5時間で反応させ、化合物3eを白色固体として収率85%で得た。
精製方法:反応混合物(懸濁液)を遠心分離し、メタノール/水 = 1/1 の混合物で5回洗浄した。固体を集め、減圧下乾燥した。洗浄溶媒は、メタノールを除去するために減圧下濃縮し、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を減圧下濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 40%/60%)で精製した。得られた固体と、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した生成物を合わせた。
m.p. 180-182 ℃.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.56 (s, 1H), 7.77 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.32 - 7.12 (m, 10H), 7.07 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 4.85 - 4.74 (m, 1H), 4.41 - 4.31 (m, 1H), 4.10 - 4.01 (m, 1H), 3.03 - 2.88 (m, 2H), 2.82 - 2.69 (m, 1H), 2.82 - 2.69 (m, 2H), 2.64 (s, 3H), 2.46 - 2.40 (m, 1H), 2.16 - 2.06 (m, 1H), 1.33 (s, 9H), 1.31 (s, 9H), 1.23 - 1.17 (m, 1H), 1.01 - 0.92 (m, 1H), 0.91 - 0.81 (m, 1H), 0.38 - 0.25 (m, 1H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 173.2, 171.2, 170.7, 169.3, 155.6, 138.2, 137.7, 129.7, 129.6, 128.6, 128.4, 126.9, 126.7, 81.3, 78.5, 60.7, 55.8, 54.4, 37.5, 36.7, 35.3, 31.8, 28.6, 28.0, 22.6, 14.1, 13.6.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C35H48N4NaO7S+ [M+Na]+: 691.3136; found: 691.3132.
FT-IR (neat): 3316, 2979, 2544, 1668, 1521, 1455, 1393, 1367, 1253, 1161, 1099, 847, 754, 700 cm-1
[α]D 23 -118.63 (c 1.1 CHCl3)
実施例3f:tert-ブチル N-(1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)シクロプロパン-1-カルボニル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000042
30℃、23.5時間で反応させ、化合物3fを白色固体として収率83%で得た。
精製方法:反応混合物(懸濁液)を遠心分離し、メタノール/水 = 1/1 の混合物で5回洗浄した。固体を集め、減圧下乾燥した。洗浄溶媒は、メタノールを除去するために減圧下濃縮し、塩化メチレンで抽出し、得られた有機層を減圧下濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 34%/66%)で精製した。得られた固体と、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した生成物を合わせた。
m.p. 170-172 ℃.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 10.78 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 7.76 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.43 - 6.70 (m, 10H), 4.86 - 4.74 (m, 1H), 4.42 - 4.30 (m, 1H), 4.16 - 4.04 (m, 1H), 3.08 - 2.88 (m, 2H), 3.08 - 2.88 (m, 1H), 2.88 - 2.74 (m, 1H), 2.88 - 2.74 (m, 1H), 2.67 (s, 3H), 2.48 - 2.42 (m, 1H), 2.12 (s, 1H), 1.32 (s, 9H), 1.30 (s, 9H), 1.16 - 1.07 (m, 1H), 1.04 - 0.94 (m, 1H), 0.94 - 0.82 (m, 1H), 0.44 - 0.30 (m, 1H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 173.8, 171.3, 170.6, 169.3, 155.6, 137.7, 136.4, 129.6, 128.6, 127.6, 126.9, 124.3, 121.3, 118.9, 118.6, 111.7, 110.3, 81.3, 78.5, 60.8, 55.3, 54.4, 36.8, 35.5, 31.8, 28.6, 28.0, 27.7, 22.6, 14.1, 13.6.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C37H49N5NaO7S+ [M+Na]+: 730.3245; found: 730.3245.
FT-IR (neat): 3319, 2928, 2546, 1669, 1521, 1457, 1394, 1367, 1251, 1160, 1099, 741, 701 cm-1
[α]D 25 -94.95 (c 1.06 CH2Cl2)
実施例3g:tert-ブチル N-(1-((S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-3-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)-プロパンアミド)シクロプロパン-1-カルボニル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000043
40℃、13時間で反応させ、化合物3gを白色固体として収率75%で得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 20%/80%
シリカゲルクロマトグラフィーによる精製後に未反応のN-置換システイン誘導体が残存する場合には、1M 塩酸で洗浄する。
m.p. 118-120 ℃.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.95 and 8.77 (s, 1H), 7.87 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.75 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.69 - 7.60 (m, 2H), 7.55 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.45 - 7.09 (m, 4H), 7.45 - 7.09 (m, 3H), 7.45 - 7.09 (m, 6H), 7.45 - 7.09 (m, 5H), 7.08 - 6.93 (m, 6H), 6.77 and 6.76 (s, 1H), 4.79 - 4.69 (m, 1H), 4.39 - 4.31 (m, 1H), 4.27 - 4.06 (m, 2H), 4.27 - 4.06 (m, 1H), 4.27 - 4.06 (m, 1H), 3.05 - 2.64 (m, 2H), 3.05 - 2.64 (m, 2H), 3.05 - 2.64 (m, 1H), 2.72 (s, 3H), 2.60 - 2.51 (m, 1H), 2.09 - 1.99 (m, 1H), 1.50 - 1.40 (m, 1H), 1.30 (s, 9H), 1.07 - 0.99 (m, 1H), 0.96 - 0.84 (m, 1H), 0.56 - 0.44 (m, 1H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.7, 171.4, 170.6, 169.4, 156.3 and 156.2, 144.3, 144.2 and 144.1, 144.1, 142.3, 141.1, 138.0, 137.6, 129.7, 129.6, 128.6, 128.6, 128.5, 128.1, 127.5 and 127.5, 126.9, 125.7, 125.6, 120.6, 119.7, 81.3, 75.4, 66.2, 60.8, 54.7, 54.5, 47.1, 36.8 and 35.5, 32.1, 30.4, 28.0, 22.6, 20.2, 14.3, 13.7.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C61H63N6O7S+ [M+H]+:1023.4473; found: 1023.4482.
FT-IR (neat): 3296, 3017, 2565, 1673, 1521, 1448, 1396, 1368, 1249, 1155, 1036, 846, 757, 701, 663 cm-1
[α]D 23 -43.18 (c 0.92 CHCl3)
実施例3h:ベンジル N-(1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-フェニルプロパンアミド)シクロプロパン-1-カルボニル)-N-メチル-L-システイニル-L-ロイシル-L-アラニナート
Figure 2023176574000044
30℃、40時間で反応させ、化合物3hを白色固体として収率91%で得た。
m.p. 170-172 ℃.
精製方法:反応混合物(懸濁液)を遠心分離し、メタノール/水 = 1/1 の混合物で5回洗浄した。固体を集め、減圧下乾燥した。洗浄溶媒は、メタノールを除去するために減圧下濃縮し、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を減圧下濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 25%/75%)で精製した。得られた固体と、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した生成物を合わせた。
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.60 (s, 1H), 8.38 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.41 - 7.27 (m, 5H), 7.27 - 7.10 (m, 5H), 7.05 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.06 (s, 2H), 4.76 - 4.65 (m, 1H), 4.35 - 4.21 (m, 2H), 4.11 - 4.00 (m, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.85 - 2.66 (m, 1H), 2.84 - 2.66 (m, 2H), 2.64 - 2.52 (m, 1H), 2.17 - 2.08 (m, 1H), 1.31 (s, 9H), 1.61 - 1.05 (m, 2H), 1.61 - 1.05 (m, 2H), 1.28 (d, J = 7.3 Hz, 3H), 1.01 - 0.90 (m, 1H), 0.89 - 0.82 (m, 1H), 0.78 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.75 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.47 - 0.34 (m, 1H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 173.1, 172.6, 172.1, 171.6, 169.1, 155.6, 138.2, 136.3, 129.7, 128.8, 128.4, 128.2, 126.7, 78.5, 66.3, 61.0, 55.9, 51.0, 48.1, 41.3, 37.6, 35.3, 32.3, 28.6, 24.5, 23.5, 22.6, 21.8, 17.2, 14.2, 13.8.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C38H53N5NaO8S+ [M+Na]+: 762.3507; found: 762.3513.
FT-IR (neat): 3330, 2956, 2536, 1739, 1666, 1523, 1367, 1253, 1166, 1101, 1048, 751, 697, 508 cm-1
[α]D 22 -75.49 (c 1.32 DMSO)
実施例3i:tert-ブチル N-(1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-フェニルプロパンアミド)シクロペンタン-1-カルボニル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000045
60℃、16時間で反応させ、化合物3iをアモルファス固体として収率85%で得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 50%/50%
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.40 (s, 1H), 7.86 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.42 - 7.06 (m, 10H), 6.98 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.96 - 4.85 (m, 1H), 4.40 - 4.32 (m, 1H), 4.19 - 4.11 (m, 1H), 3.05 - 2.93 (m, 2H), 2.83 - 2.73 (m, 2H), 2.73 - 2.66 (m, 1H), 2.56 (s, 3H), 2.42 (dd, J = 13.2, 6.9 Hz, 1H), 2.39 - 2.30 (m, 1H), 2.17 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 1.92 - 1.78 (m, 2H), 1.75 - 1.43 (m, 1H), 1.75 - 1.43 (m, 2H), 1.75 - 1.43 (m, 2H), 1.32 (s, 9H), 1.30 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.6, 171.7, 170.8, 169.4, 155.7, 138.3, 137.9, 129.6, 129.6, 128.5, 128.5, 126.8, 126.7, 81.2, 78.5, 66.1, 61.3, 55.7, 54.6, 37.7, 37.5, 36.7, 35.6, 32.2, 28.6, 28.0, 24.6, 24.2, 22.4.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C37H52N4NaO7S+ [M+Na]+: 719.3449; found: 719.3447.
FT-IR (neat): 3306, 2978, 2540, 1664, 1520, 1455, 1392, 1367, 1252, 1162, 1049, 846, 756, 700 cm-1
[α]D 22 -94.17 (c 1.4 CHCl3)
実施例3j:tert-ブチル N-(1-((S)-6-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサンアミド)-シクロペンタン-1-カルボニル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000046
60℃、17時間で反応させ、化合物3jをアモルファス固体として収率85%で得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 34%/66%
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.31 (s, 1H), 7.82 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.41 - 7.26 (m, 5H), 7.26 - 7.14 (m, 5H), 6.81 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 4.98 (s, 2H), 4.95 - 4.85 (m, 1H), 4.38 - 4.29 (m, 1H), 3.86 - 3.78 (m, 1H), 3.04 - 2.96 (m, 2H), 2.95 - 2.87 (m, 2H), 2.85 - 2.75 (m, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.45 - 2.37 (m, 1H), 2.16 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 2.08 - 1.37 (m, 2H), 2.08 - 1.37 (m, 2H), 2.08 - 1.37 (m, 4H), 2.08 - 1.37 (m, 4H), 1.35 (s, 9H), 1.31 (s, 9H), 1.26 - 1.13 (m, 2H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.7, 172.3, 170.8, 169.4, 156.5, 155.8, 137.9, 137.7, 129.6, 128.8, 128.5, 128.1, 126.8, 81.1, 78.4, 66.1, 65.5, 61.3, 54.7, 54.4, 40.5, 37.4, 36.8, 35.7, 31.6, 29.5, 28.6, 28.0,
24.6, 24.2, 23.4, 22.4.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C42H61N5NaO9S+ [M+Na]+: 834.4082; found: 834.4088.
FT-IR (neat): 3316, 2977, 2547, 1666, 1524, 1456, 1392, 1367, 1251, 1161, 1027, 847, 754, 700 cm-1
[α]D 24 -80.73(c 1.2 CHCl3)
実施例3k:tert-ブチル N-(1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-(3-トシルグアニジノ)ペンタンアミド)シクロペンタン-1-カルボニル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000047
60℃、17.5時間で反応させ、化合物3kをアモルファス固体として収率81%で得た。
精製方法:反応後の粗生成物はシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 10%/90%)で精製し、所望の精製物と原料であるN-置換システイン誘導体を含むフラクションを集め、減圧下濃縮した。濃縮物を酢酸エチルに溶解し、1M 塩酸で4回、水で3回洗浄した。有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、濃縮して化合物3kを得た。
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.34 (s, 1H), 7.83 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.35 - 7.10 (m, 7H), 7.01 (s, 1H), 6.84 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.75 (s, 1H), 6.54 (s, 1H), 4.95 - 4.86 (m, 1H), 4.39 - 4.31 (m, 1H), 3.90 - 3.81 (m, 1H), 3.08 - 2.91 (m, 2H), 3.07 - 2.91 (m, 2H), 2.85 - 2.76 (m, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.44 - 2.38 (m, 1H), 2.32 (s, 3H), 2.15 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 1.94 - 1.80 (m, 2H), 1.74 - 1.63 (m, 2H), 1.63 - 1.37 (m, 8H), 1.35 (s, 9H), 1.31 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.7, 172.1, 170.8, 169.4, 157.0, 155.8, 141.5, 137.9, 129.6, 129.5, 128.5, 126.8, 126.0, 81.1, 78.5, 66.1, 61.2, 54.7, 54.0, 37.6, 36.7, 35.7, 32.2, 29.3, 28.6, 28.0, 24.6, 24.3, 22.4, 21.3.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C41H61N7NaO9S2+ [M+Na]+: 882.3864; found: 882.3873.
FT-IR (neat): 3330, 2977, 2554, 1663, 1547, 1455, 1367, 1254, 1163, 1083, 815, 755, 680, 622, 562 cm-1
[α]D 25 -59.26 (c 1.08 CHCl3)
実施例3l:tert-ブチル N-(1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-フェニルプロパンアミド)シクロヘキサン-1-カルボニル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000048
60℃、36時間で反応させ、化合物3lをアモルファス固体として収率79%で得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 67%/33%.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.14 (s, 1H), 7.80 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.39 - 7.23 (m, 5H), 7.23 - 7.08 (m, 5H), 7.00 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.96 - 4.82 (m, 1H), 4.40 - 4.27 (m, 1H), 4.40 - 4.27 (m, 1H), 3.04 - 2.95 (m, 2H), 2.91 - 2.80 (m, 2H), 2.77 - 2.71 (m, 1H), 2.67 (s, 3H), 2.52 - 2.45 (m, 1H), 2.15 (t, J = 6.7 Hz, 1H), 1.96 - 1.87 (m, 1H), 1.85 - 1.71 (m, 2H), 1.69 - 1.41 (m, 6H), 1.31 (s, 9H), 1.30 (s, 9H), 1.25 - 1.06 (m, 1H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.9, 171.8, 170.7, 169.3, 155.8, 138.4, 137.9, 129.6, 128.5, 126.8, 126.7, 81.1, 78.6, 61.8, 58.8, 55.8, 54.7, 37.8, 36.8, 32.3 (2C), 32.0, 28.5, 28.0, 25.3, 22.2, 21.6, 21.3.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C38H54N4NaO7S+ [M+Na]+: 733.3605; found: 733.3601.
FT-IR (neat): 3307, 2933, 2540, 1665, 1498, 1455, 1367, 1252, 1162, 1046, 848, 757, 700 cm-1
[α]D 25 -76.09 (c 1.0 CHCl3)
実施例3m:tert-ブチル N-(1-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)アセトアミド)シクロヘキサン-1-カルボニル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000049
60℃、36時間で反応させ、化合物3mをアモルファス固体として収率82%で得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 43%/57%.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.00 (s, 1H), 7.63 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.37 - 7.05 (m, 5H), 6.92 (s, 1H), 4.96 - 4.84 (m, 1H), 4.36 - 4.25 (m, 1H), 3.66 - 3.50 (m, 2H), 2.97 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 2.93 - 2.85 (m, 1H), 2.71 (s, 3H), 2.60 - 2.51 (m, 1H), 2.12 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 1.97 - 1.88 (m, 1H), 1.82 - 1.38 (m, 9H), 1.36 and 1.31 (s, 9H), 1.27 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 173.1, 170.7, 169.4, 169.3, 156.2, 137.8, 129.6, 128.5, 126.8, 81.0, 78.5, 61.5, 58.8, 54.7, 43.4, 36.9 and 34.7 (1C), 32.7 (2C), 32.1, 28.6 and 28.5 (3C), 27.9, 25.2 and 24.6 (1C), 22.3 and 22.0 (1C), 21.4 (2C).
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C31H48N4NaO7S+ [M+Na]+: 643.3136; found: 643.3134.
FT-IR (neat): 3317, 2933, 2546, 1668, 1523, 1455, 1367, 1250, 1160, 1052, 853, 758, 701 cm-1
[α]D 25 -45.26 (c 1.18 CHCl3)
実施例3n:tert-ブチル N-(4-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-フェニルプロパンアミド)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボニル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000050
60℃、19.5時間で反応させ、化合物3nをアモルファス固体として収率88%で得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 35%/65%.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.47 (s, 1H), 7.91 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.47 - 7.08 (m, 10H), 7.04 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.98 - 4.85 (m, 1H), 4.41 - 4.33 (m, 1H), 4.33 - 4.23 (m, 1H), 3.72 - 3.60 (m, 2H), 3.61 - 3.49 (m, 1H), 3.24 - 3.13 (m, 1H), 3.07 - 2.91 (m, 2H), 2.89 - 2.66 (m, 2H), 2.89 - 2.67 (m, 1H), 2.59 (s, 3H), 2.45 - 2.36 (m, 1H), 2.21 - 2.03 (m, 2H), 1.86 - 1.75 (m, 1H), 1.75 - 1.61 (m, 2H), 1.33 (s, 9H), 1.31 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 171.9, 171.8, 170.8, 169.2, 155.8, 138.3, 138.0, 129.6, 129.5, 128.5, 126.8, 81.2, 78.6, 63.5, 62.6, 61.7, 56.5, 55.8, 54.6, 37.8, 36.7, 32.5 (2C), 32.1, 28.5, 28.0, 22.2.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C37H52N4NaO8S+ [M+Na]+: 735.3398; found: 735.3403.
FT-IR (neat): 3306, 2977, 2547, 1670, 1522, 1456, 1367, 1250, 1161, 1107, 1031, 845, 755, 701 cm-1
[α]D 25 -80.81 (c 1.03 CHCl3)
実施例3o:ベンジル N-(4-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-フェニルプロパンアミド)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボニル)-N-メチル-L-システイニル-L-ロイシル-L-アラニナート
Figure 2023176574000051
60℃、22時間で反応させ、化合物3oをアモルファス固体として収率78%で得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 20%/80%
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.50 (s, 1H), 8.32 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.42 - 7.13 (m, 10H), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.07 (d, J = 1.3 Hz, 2H), 4.83 - 4.73 (m, 1H), 4.36 - 4.25 (m, 1H), 4.36 - 4.25 (m, 1H), 4.37 - 4.24 (m, 1H), 3.67 - 3.59 (m, 2H), 3.59 - 3.53 (m, 1H), 3.24 - 3.14 (m, 1H), 2.90 (s, 3H), 3.00 - 2.83 (m, 2H), 2.82 - 2.74 (m, 1H), 2.67 - 2.57 (m, 1H), 2.24 - 2.18 (m, 1H), 2.14 - 2.05 (m, 1H), 1.89 - 1.82 (m, 1H), 1.81 - 1.71 (m, 2H), 1.59 - 1.41 (m, 2H), 1.59 - 1.41 (m, 1H), 1.31 (s, 9H), 1.29 (d, J = 7.3 Hz, 3H), 0.80 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.78 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.7, 172.2 (2C), 171.9, 168.9, 155.8, 138.2, 136.3, 129.6, 128.8, 128.6, 128.4, 128.2, 126.8, 78.6, 66.3, 63.3, 62.7, 62.2, 56.8, 55.8, 51.2, 48.1, 41.1, 37.9, 33.1, 32.6, 32.3, 28.5, 24.4, 23.5, 22.5, 21.9, 17.2.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C40H57N5NaO9S+ [M+Na]+: 806.3769, found: 806.3774.
FT-IR (neat): 3302, 2959, 2554, 1653, 1525, 1455, 1389, 1367, 1251, 1165, 1107, 1052, 755, 699, 580 cm-1
[α]D 25 -88.84 (c 1.36 CHCl3)
実施例3p:tert-ブチル 4-(((R)-1-(((S)-1-(tert-ブトキシ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)アミノ)-3-メルカプト-1-オキソプロパン-2-イル)(メチル)カルバモイル)-4-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-フェニルプロパンアミド)ピペリジン-1-カルボキシラート
Figure 2023176574000052
60℃、22時間で反応させ、化合物3pをアモルファス固体として収率84%で得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 50%/50%
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.40 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.44 - 7.12 (m, 5H), 7.44 - 7.12 (m, 5H), 7.06 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.95 - 4.85 (m, 1H), 4.41 - 4.33 (m, 1H), 4.31 - 4.23 (m, 1H), 3.60 - 3.47 (m, 2H), 3.27 - 3.17 (m, 1H), 3.06 - 2.93 (m, 1H), 3.06 - 2.93 (m, 1H), 2.88 - 2.68 (m, 2H), 2.88 - 2.68 (m, 2H), 2.60 (s, 3H), 2.46 - 2.37 (m, 1H), 2.16 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 2.00 - 1.90 (m, 1H), 1.79 - 1.59 (m, 1H), 1.79 - 1.60 (m, 2H), 1.39 (s, 9H), 1.33 (s, 9H), 1.30 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.1, 171.7, 170.8, 169.1, 155.8, 154.2, 138.2, 138.0, 129.6, 129.5, 128.48, 126.8, 81.2, 79.1, 78.6, 61.6, 57.3, 55.7, 54.6, 37.7, 36.6, 32.1, 31.8 (2C), 28.5, 28.5, 28.0, 22.1.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C42H61N5NaO9S+ [M+Na]+: 834.4082; found: 834.4086.
FT-IR (neat): 3308, 2978, 2544, 1671, 1522, 1427, 1393, 1367, 1250, 1158, 1048, 846, 756, 700 cm-1
[α]D 25 -67.45 (c 1.02 CHCl3)
実施例3q:tert-ブチル 4-((S)-5-(ベンジルオキシ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソペンタンアミド)-4-(((R)-1-(((S)-1-(tert-ブトキシ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)アミノ)-3-メルカプト-1-オキソプロパン-2-イル)(メチル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシラート
Figure 2023176574000053
60℃、21時間で反応させ、化合物3qをアモルファス固体として収率75%で得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 34%/66%.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.34 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.51 - 7.26 (m, 5H), 7.26 - 7.07 (m, 5H), 6.99 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.06 (s, 2H), 4.95 - 4.85 (m, 1H), 4.40 - 4.31 (m, 1H), 4.03 - 3.94 (m, 1H), 3.66 - 3.53 (m, 2H), 3.27 - 3.18 (m, 1H), 3.07 - 2.89 (m, 1H), 3.07 - 2.89 (m, 2H), 2.85 - 2.76 (m, 1H), 2.61 (s, 3H), 2.46 - 2.30 (m, 1H), 2.38 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.17 - 2.10 (m, 1H), 2.03 - 1.94 (m, 1H), 1.92 - 1.65 (m, 1H), 1.92 - 1.65 (m, 4H), 1.39 (s, 9H), 1.35 (s, 9H), 1.32 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.5, 172.0, 171.7, 170.7, 169.1, 155.9, 154.2, 137.9, 136.6, 129.5, 128.8, 128.5, 128.4, 128.2, 126.8, 81.2, 79.1, 78.7, 65.9, 61.6, 57.3, 54.6, 53.8, 36.7, 31.8 (3C), 30.8, 28.53, 28.50, 28.0, 27.2, 22.1.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C45H65N5NaO11S+ [M+Na]+: 906.4293; found: 906.4299.
FT-IR (neat): 3311, 2978, 2547,1685, 1522, 1455, 1426, 1392, 1367, 1250, 1160, 1048, 752, 700 cm-1
[α]D 25 -72.51 (c 1.14 CHCl3)
実施例3r:メチル N-(2-(2-((S)-6-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-((S)-2-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-プロパンアミド)-4-メチルペンタンアミド)ヘキサンアミド)アセトアミド)-2-メチルプロパノイル)-N-メチル-L-システイニルグリシル-L-アラニル-L-チロシル-L-バリナート
Figure 2023176574000054
化合物2c (86.4 mg, 0.15 mmol)、化合物1p (68.8 mg, 0.10 mmol)、L-アスコルビン酸(23.5 mg, 0.13 mmol)、炭酸水素ナトリウム(12.6 mg, 0.15 mmol)を、メタノール(667 μL)及びpH 7.4の0.2M リン酸バッファーの混合溶媒(333 μL)に溶解し、トリブチルホスフィン(12 μL, 0.05 mmol)をさらに加え、この混合物をすぐに、液体窒素下で脱気してアルゴンで置換する操作を3回繰り返し、30℃で48時間攪拌した。得られた反応混合物を酢酸エチルで希釈し、硫酸ナトリウムを乗せたろ紙でろ過し、得られたろ液を減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール = 95%/5%)で精製し、所望の化合物3rを白色固体として収率77%で得た。
m.p. 129-131 ℃.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 9.14 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.11 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.87 - 7.78 (m, 1H), 7.87 - 7.77 (m, 1H), 7.72 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.40 - 7.24 (m, 5H), 7.20 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.94 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.98 (s, 2H), 4.66 - 4.57 (m, 1H), 4.50 - 4.42 (m, 1H), 4.34 - 4.27 (m, 1H), 4.24 - 4.18 (m, 1H), 4.15 - 4.09 (m, 1H), 4.08 - 4.01 (m, 1H), 3.99 - 3.91 (m, 1H), 3.79 (dd, J = 16.5, 6.7 Hz, 1H), 3.71 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 3.59 (s, 3H), 3.51 (dd, J = 16.2, 4.4 Hz, 1H), 2.99 (s, 3H), 2.86 (dd, J = 13.9, 4.9 Hz, 1H), 3.06 - 2.74 (m, 2H), 3.06 - 2.74 (m, 1H), 3.06 - 2.74 (m, 1H), 2.66 (dd, J = 13.9, 8.8 Hz, 1H), 2.22 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 2.03 - 1.94 (m, 1H), 1.77 - 1.15 (m, 1H), 1.77 - 1.15 (m, 2H), 1.77 - 1.15 (m, 2H), 1.77 - 1.15 (m, 2H), 1.77 - 1.15 (m, 2H), 1.41 (s, 3H), 1.38 (s, 3H), 1.35 (s, 9H), 1.13 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.13 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.00 - 0.66 (m, 6H), 1.00 - 0.66 (m, 6H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 173.4, 173.0, 173.0, 172.5, 172.2, 172.1, 171.7, 169.8, 169.6, 168.9, 156.5, 156.2 (ipso-C of phenol), 155.6, 137.7, 130.5, 128.8, 128.2, 128.0, 115.2, 78.5, 65.6, 63.2, 57.9, 56.5, 54.3, 53.8, 52.1, 51.1, 50.0, 48.6, 42.7, 42.2, 41.2, 40.5 (overlapping with DMSO-d6 deduced by
HMQC), 36.9, 34.9, 31.5, 30.4, 29.6, 28.6, 26.1, 26.0, 24.4, 23.5, 23.1, 22.6, 22.0, 19.3, 18.7, 18.4, 18.3.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C58H89N11NaO16S+ [M+Na]+: 1250.6102; found:1250.6123.
FT-IR (neat): 3283, 3072, 2962, 2568, 1633, 1533, 1453, 1392, 1367, 1248, 1169, 1091, 1024, 756, 698 cm-1
[α]D 25 +7.94 (c 0.8 CHCl3)
実施例3s:tert-ブチル N-(2-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-フェニルプロパンアミド)-2-メチルプロパノイル)-N-エチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000055
30℃、9日間で反応させ、化合物3sをアモルファス固体として収率64%で得た。なお、反応開始から3日後に、使用したシアニド化合物(1)の100モル%に対して25モル%のnBu3Pを追加した。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 50%/50%
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.68 (s, 1H), 7.71 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 7.33 - 7.07 (m, 5H), 7.33 - 7.07 (m, 5H), 6.76 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.39 - 4.31 (m, 1H), 4.28 - 4.21 (m, 1H), 3.90 - 3.74 (m, 1H), 3.90 - 3.74 (m, 1H), 3.32 - 3.25 (m, 1H), 3.17 - 3.08 (m, 2H), 3.07 - 3.00 (m, 1H), 2.93 (dd, J = 14.1, 7.4 Hz, 1H), 2.87 (dd, J = 13.8, 5.6 Hz, 1H), 2.75 (dd, J = 13.5, 9.2 Hz, 1H), 2.20 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 1.37 (s, 3H), 1.31 (s, 9H), 1.25 (s, 9H), 1.17 (s, 3H), 0.97 (t, J = 6.7 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.3 (2C), 170.8, 169.7, 155.4, 138.1, 137.9, 129.8, 129.8, 128.4, 128.4, 126.7, 126.7, 80.7, 78.5, 64.1, 56.6, 55.5, 55.3, 44.7, 38.4, 37.2, 28.5, 27.9, 26.8, 25.4, 23.5, 13.4.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C36H52N4NaO7S+ [M+Na]+: 707.3449; found: 707.3452.
FT-IR (neat): 3284, 2979, 2561, 1645, 1499, 1391, 1367, 1252, 1166, 1114, 1052, 847, 755, 700 cm-1
[α]D 26 -53.23 (c 0.4 CHCl3)
実施例3t:tert-ブチル N-(1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-フェニルプロパンアミド)シクロプロパン-1-カルボニル)-N-エチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000056
30℃、19時間で反応させ、化合物3tを白色固体として収率91%で得た。
なお、反応後に生成した白色沈殿を溶解するため、酢酸エチルを加えた。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 40%/60%
m.p. 78-80 ℃.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.71 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.40 - 7.02 (m, 10H), 6.88 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.37 - 4.27 (m, 1H), 4.26 - 4.04 (m, 1H), 4.26 - 4.04 (m, 1H), 3.54 - 3.41 (m, 1H), 3.31 - 3.20 (m, 1H), 3.03 - 2.65 (m, 2H), 3.03 - 2.65 (m, 2H), 3.03 - 2.65 (m, 2H), 2.19 - 2.11 (m, 1H), 1.29 (s, 9H), 1.28 (s, 9H), 1.06 - 0.65 (m, 3H), 1.06 - 0.65 (m, 2H), 1.06 - 0.65 (m, 1H), 0.56 - 0.40 (m, 1H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 173.7, 170.8, 170.6, 169.4, 155.5, 138.1, 137.7, 129.7, 128.5, 128.4, 126.9, 126.7, 81.1, 78.5, 62.9, 55.7, 54.9, 42.5, 38.0, 37.1, 36.0, 28.5, 28.2, 27.9, 23.5, 14.3, 14.1.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C36H50N4NaO7S+ [M+Na]+: 705.3292; found: 705.3297.
FT-IR (neat): 3300, 2979, 2932, 2554, 1669, 1522, 1455, 1367, 1252, 1164, 1031, 846, 755, 700 cm-1
[α]D 24 -61.19 (c 1.05 CHCl3)
実施例3u:tert-ブチル N-((S)-2-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-フェニルプロパンアミド)-2-メチル-3-フェニルプロパノイル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000057
60℃、72時間で反応させ、化合物3uをアモルファス固体として収率64%で得た。なお、反応開始から57時間後に、使用したシアニド化合物(1)の100モル%に対して50モル%のnBu3Pを追加した。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 67%/33%.
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.09 (s, 1H), 8.00 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.37 - 6.89 (m, 15H), 7.37 - 6.89 (m, 1H), 5.01 - 4.88 (m, 1H), 4.43 - 4.35 (m, 1H), 4.22 - 4.13 (m, 1H), 3.43 - 3.30 (m, 1H), 3.07 - 2.96 (m, 2H), 3.07 - 2.96 (m, 1H), 2.89 - 2.77 (m, 1H), 2.89 - 2.77 (m, 1H), 2.77 - 2.71 (m, 1H), 2.65 (s, 3H), 2.49 - 2.43 (m, 1H), 2.25 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 1.34 (s, 9H), 1.27 (s, 9H), 1.25 (s, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.7, 171.7, 170.8, 169.3, 155.8, 138.8, 138.0, 137.5, 131.7, 129.6, 129.5, 128.6, 128.4, 128.2, 126.8, 126.8, 126.6, 81.2, 78.4, 62.1, 58.8, 55.7, 54.7, 41.6, 37.6, 36.7, 32.6, 28.6, 28.0, 22.5, 21.9.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C41H54N4NaO7S+ [M+Na]+: 769.3605; found: 769.3607.
FT-IR (neat): 3305, 2979, 2932, 2547, 1664, 1497, 1455, 1367, 1250, 1161, 1081, 847, 756, 701 cm-1
[α]D 25 -134.18 (c 0.9 CHCl3)
実施例3v:tert-ブチル N-((R)-2-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-フェニルプロパンアミド)-2-メチル-3-フェニルプロパノイル)-N-メチル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000058
60℃、26時間で反応させ、化合物3vをアモルファス固体として収率75%で得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離液: ヘキサン/酢酸エチル = 60%/40%
1H NMR (399 MHz, DMSO-d6) δ 8.43 (s, 1H), 7.82 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.45 - 7.06 (m, 15H), 7.02 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 5.03 - 4.90 (m, 1H), 4.43 - 4.35 (m, 1H), 4.32 - 4.24 (m, 1H), 3.21 - 2.86 (m, 2H), 3.21 - 2.86 (m, 2H), 3.21 - 2.86 (m, 2H), 2.92 (s, 3H), 2.76 - 2.61 (m, 2H), 2.24 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 1.30 (s, 9H), 1.27 (s, 9H), 1.18 (s, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 172.4, 172.2, 170.7, 169.3, 155.8, 138.4, 138.0, 136.8, 131.7, 129.6, 128.6, 128.4, 128.3, 126.8, 126.7, 81.0, 78.5, 61.3, 59.2, 56.0, 54.9, 42.0, 37.8, 36.8, 32.7, 28.5, 27.9, 22.4, 22.1.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C41H54N4NaO7S+ [M+Na]+: 769.3605; found: 769.3604.
FT-IR (neat): 3303, 2979, 2932, 2550, 1665, 1497, 1455, 1368, 1251, 1160, 1073, 847, 755, 701 cm-1
[α]D 25 -6.40 (c 0.8 CHCl3)
製造例A1
tert-ブチル ((S)-1-(((S)-1-シアノ-2-フェニルエチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバマート
Figure 2023176574000059
(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンから3工程(カルボキシル基のカルバモイル基への変換(J. Org. Chem. 2009, 74, 4177-4187)、カルバモイル基のシアノ基への変換(Tetrahedron Lett. 1997, 38, 4221-4222)、tert-ブトキシカルボニル基の除去(Bioorg. Med. Chem. 2019, 27, 115083))で製造した(S)-2-アミノ-3-フェニルプロパンニトリル(5.36 mmol;粗精製物として用いた。)と、L-Boc-Ala-OH (1.01 g, 5.36 mmol)と、塩化メチレン(21 mL, 0.25 M)との混合物に、EDC・HCl(1.23 g, 6.43 mmol)とHOBt・H2O(82.3 mg, 0.536 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 50%/50%)で精製し、化合物A1を白色固体として収率80%(2工程)で得た。
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.39 - 7.23 (m, 5H), 7.08 (s, 1H), 5.14 - 5.03 (m, 1H), 4.97 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.23 - 4.01 (m, 1H), 3.12 - 3.02 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.31 (d, J = 6.4 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 172.2, 155.7, 133.9, 129.4, 128.9, 127.9, 117.9, 80.7, 49.8, 41.8, 38.9, 28.3, 17.5.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C17H23N3NaO3 + [M+Na]+: 340.1632; found: 340.1634.
製造例A2
tert-ブチル L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000060
tert-ブチル L-システイニル-L-フェニルアラニナートは、以下のスキームに従って製造した。
Figure 2023176574000061
L-Boc-thioproline (5.50 g, 24.9 mmol)と、L-Phe-OtBu (5.80 g, 24.9 mmol)と、塩化メチレン(100 mL, 0.25 M)との混合物に、EDC・HCl(5.72 g, 29.8 mmol)と、HOBt・H2O(382 mg, 2.49 mmol)とを加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧下除去し、残渣を酢酸エチルで希釈し、1M 塩酸を加えた。有機層を集め、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、化合物AS1 (tert-ブチル (R)-4-(((S)-1-(tert-ブトキシ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバモイル)チアゾリジン-3-カルボキシラート;9.60 g)を粗精製物として得た。
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.82 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.33 - 7.09 (m, 5H), 4.80 - 4.70 (m, 1H), 3.56 - 3.48 (m, 1H), 3.13 (dd, J = 13.9, 6.0 Hz, 1H), 3.02 (dd, J = 13.9, 7.0 Hz, 1H), 2.96 (dd, J = 13.8, 5.8 Hz, 1H), 2.68 (dd, J = 13.8, 4.1 Hz, 1H), 1.42 (s, 9H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 171.9, 170.6, 136.2, 129.5, 128.4, 126.9, 82.3, 55.9, 53.2, 38.3, 30.3, 28.0.
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C16H25N2O3S+ [M+H]+: 325.1580; found: 325.1579.
FT-IR (neat): 3358, 2979, 2932, 2561, 1732, 1664, 1509, 1368, 1254, 1155, 845, 700 cm-1
[α]D 24 +22.69 (c 1.4 CHCl3)
4M 塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(110 mL)を0℃とし、得られたAS1 (9.60 g, 22.0 mmol)を0℃で加え、薄層クロマトグラフィー分析により反応完結と判断できるまで室温で攪拌した。反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で停止し、酢酸エチルで抽出し、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。
得られた粗生成物(4.60 g, 13.7 mmol)をメタノール/水 = 2/1の混合溶媒(68 mL)に溶解し、O-メチルヒドロキシルアンモニウムクロリド(11.4 g, 137 mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。揮発性化合物を減圧下除去し、反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で停止し、酢酸エチルで抽出し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮しし、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 12%/88%の後、酢酸エチル/メタノール = 95%/5% to 酢酸エチル/メタノール = 90%/10%)で精製し、A2ダイマー(3.40 g)を得た。
A2ダイマー(3.40 g, 5.26 mmol)をメタノール/水 = 9/1の混合溶媒(52.5 mL)に溶解し、PnBu3 (2.60 mL, 10.5 mmol)をアルゴン雰囲気下で加え、薄層クロマトグラフィー分析により反応完結と判断できるまで室温で攪拌した。揮発性化合物を減圧下除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 50%/50%の後、酢酸エチル 100%)で精製し、化合物A2 (tert-ブチル L-システイニル-L-フェニルアラニナート;2.70 g, 8.32 mmol)を白色固体として収率33%(4工程)で得た。.
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.80 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.30 - 7.09 (m, 5H), 4.78 - 4.67 (m, 1H), 3.64 - 3.47 (m, 1H), 3.12 (dd, J = 13.9, 6.0 Hz, 1H), 3.06 - 2.98 (m, 1H), 2.95 (dd, J = 14.1, 5.8 Hz, 1H), 2.72 - 2.64 (m, 1H), 1.40 (s, 9H).
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C16H25N2O3S+ [M+H]+: 325.1580; found: 325.1579.
実施例A4
tert-ブチル (tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニル-L-フェニルアラニル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000062
N-無置換システイン誘導体 A2 (0.12 mmol)と、α-モノ置換シアニド化合物 A1 (0.10 mmol)と、塩化アンモニウム(0.30 mmol)を、メタノール/水 = 3/2 の混合溶媒(1 mL)に溶解し、この混合物をすぐに、液体窒素下で脱気してアルゴンで置換する操作を3回繰り返した。この混合物を50℃で24時間激しく攪拌した。
反応混合物にメタノール(0.9 mL)、水(0.1 mL)、及び11.78 M 塩酸(使用前に滴定して濃度を求めた。)(15.3 μL)を加え、この混合物をすぐに、液体窒素下で脱気してアルゴンで置換する操作を3回繰り返した。この混合物を23℃で20時間激しく攪拌した。反応混合物をメタノールと酢酸エチルで希釈し、硫酸ナトリウム(α-アミドニトリル0.1 mmolあたり、およそ5g)のショートカラムでろ過することにより乾燥し、メタノールと酢酸エチルで洗浄した。濾液を減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的物 A4 (キラルカラムを用いたHPLC分析(粗生成物をイソプロパノール溶液として注入した。IF、ヘキサン/イソプロパノール = 9/1、流速 1.0 ml/min, λ = 210 nm: tmajor = 21.00 min, tminor = 47.16 min)により測定したジアステレオマー比: > 96 : 4)を得た。
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.35 - 7.11 (m, 5H), 7.35 - 7.11 (m, 5H), 7.08 - 6.88 (m, 1H), 7.08 - 6.88 (m, 1H), 6.77 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 4.95 (s, 1H), 4.79 - 4.47 (m, 1H), 4.79 - 4.47 (m, 1H), 4.79 - 4.47 (m, 1H), 4.10 - 3.95 (m, 1H), 3.27 - 2.96 (m, 1H), 3.27 - 2.96 (m, 1H), 3.27 - 2.96 (m, 1H), 3.27 - 2.96 (m, 1H), 2.93 - 2.56 (m, 1H), 2.93 - 2.56 (m, 1H), 1.40 (s, 9H), 1.39 (s, 9H), 1.29 (d, J = 7.1 Hz, 3H).
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C33H46N4NaO7S+ [M+Na]+: 665.2979; found: 665.2982.
製造例A5
tert-ブチル ((S)-1-((S)-2-シアノピロリジン-1-イル)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバマート
Figure 2023176574000063
((2S)-2-シアノピロリジン-1-イウム-1-イル)ジフルオロメチル-λ2-フルオランカルボキシラートを、tert-ブチル (S)-2-シアノピロリジン-1-カルボキシラートから合成した(Synthesis 2019, 51, 4106-4112)。tert-ブチル (S)-2-シアノピロリジン-1-カルボキシラートは、tert-ブチル (S)-2-カルバモイルピロリジン-1-カルボキシラートから合成した(Tetrahedron Lett. 1997, 38, 4221-4222)。(S)-2-カルバモイルピロリジン-1-カルボキシラートは、(tert-ブトキシカルボニル)-L-プロリンから合成した(J. Org. Chem. 2009, 74, 4177-4187)。
((2S)-2-シアノピロリジン-1-イウム-1-イル)ジフルオロメチル-λ2-フルオランカルボキシラート(14.7 mmol、おおよそ4 mL)を含む反応混合物に、トリエチルアミン(9.02 mL)を0℃でゆっくり加えることにより反応を停止した。得られた混合物に塩化メチレン(58 mL, 0.25 M)、L-Boc-Phe-OH (3.90 g, 14.7 mmol)、EDC・HCl(3.38 g, 17.6 mmol)、HOBt・H2O(226 mg, 1.47 mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。反応混合物に1M 塩酸を加え、有機層を集め、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 45%/55%の後、塩化メチレン/ジエチルエーテル = 80%/20%)で精製し、化合物A5を白色固体として収率36%(2工程)で得た。
1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ 7.37 - 7.19 (m, 5H), 5.32 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.69 (dd, J = 7.8, 3.0 Hz, 1H), 4.56 - 4.46 (m, 1H), 3.39 - 3.29 (m, 1H), 3.10 - 2.94 (m, 2H), 2.61 - 2.50 (m, 1H), 2.19 - 1.99 (m, 2H), 1.95 - 1.84 (m, 1H), 1.82 - 1.68 (m, 1H), 1.42 (s, 9H).
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C19H25N3NaO3 + [M+Na]+: 366.1788; found: 366.1793.
実施例A7
tert-ブチル (tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニル-L-プロリル-L-システイニル-L-フェニルアラニナート
Figure 2023176574000064
tert-ブチル (tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニル-L-プロリル-L-システイニル-L-フェニルアラニナートは、以下のスキームに従って製造した。
Figure 2023176574000065
N-無置換システイン誘導体 A2 (0.24 mmol, 1.2 equiv.)と、α-モノ置換シアニド化合物 A5 (0.20 mmol, 1 equiv.)と、塩化アンモニウム(0.60 mmol, 3.0 equiv.)を、メタノール/水 = 3/2の混合溶媒(2 mL)に溶解し、この混合物をすぐに、液体窒素下で脱気してアルゴンで置換する操作を3回繰り返した。この混合物を50℃で22時間激しく攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、硫酸ナトリウム(シアニド化合物A5の0.1 mmolあたり、およそ5g)のショートカラムでろ過することにより乾燥し、メタノールと酢酸エチルで洗浄した。濾液を減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的物 A6 (tert-ブチル ((R)-2-((S)-1-((tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニル)ピロリジン-2-イル)-4,5-ジヒドロチアゾール-4-カルボニル)-L-フェニルアラニナート:キラルカラムを用いたHPLC分析(粗生成物をイソプロパノール溶液として注入した。IB-N5、ヘキサン/イソプロパノール = 9/1、流速 1.0 ml/min, λ = 210 nm: tmajor = 10.71 min, tminor = 7.87 min)により測定したジアステレオマー比: > 98 : 2)を得た。
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C35H46N4NaO6S+ [M+Na]+: 673.3030; found: 673.3035.
得られたtert-ブチル ((R)-2-((S)-1-((tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニル)ピロリジン-2-イル)-4,5-ジヒドロチアゾール-4-カルボニル)-L-フェニルアラニナート(A6 : 65.1 mg, 0.10 mmol)をメタノール/水 = 3/1の混合溶媒(2 mL)に溶解し、1.02 M 塩酸(使用前に滴定して濃度を求めた。)(19.6 μL, 0.2 equiv.)を加え、この混合物をすぐに、液体窒素下で脱気してアルゴンで置換する操作を3回繰り返した。この混合物を23℃で36時間激しく攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、硫酸ナトリウム(化合物A6 0.1 mmolあたり、およそ5g)のショートカラムでろ過することにより乾燥し、メタノールと酢酸エチルで洗浄した。濾液を減圧下濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的物 A7 (キラルカラムを用いたHPLC分析(粗生成物をイソプロパノール溶液として注入した。IB-N5、ヘキサン/イソプロパノール = 9/1、流速 1.0 ml/min, λ = 210 nm: tmajor = 7.55 min, tminor = 8.20 min)により測定したジアステレオマー比: > 95 : 5)を収率70%で得た。
HRMS (ESI) m/z: Calcd for C35H48N4NaO7S+ [M+Na]+: 691.3136; found: 691.3139.
本発明の第一の態様におけるアミド結合の生成方法は、ペプチドやタンパク質のコンフォメーション、生物学的活性、薬学的プロファイルを改変させうる、立体的に混みあったペプチドの合成にも使用し得る。特にα,α-ジ置換アミノ酸とN-置換アミノ酸との間のアミド結合生成にも使用し得る。
また、本発明の第二の態様におけるアミド結合の生成方法によれば、アミド結合生成部位の近傍におけるアミノ酸α-位のラセミ化を抑制できる。

Claims (8)

  1. 式(1)
    Figure 2023176574000066
    (式中、R1Aは有機基を示し;
    1Bは、水素原子、置換されていてもよいC1-4アルキル、又はアミノ酸側鎖を示し;
    1Cは、水素原子、又はC1-4アルキルを示し;あるいは、
    1B及びR1Cは、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示し;
    1Dは、水素原子を示すか、あるいは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Bと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示す。)
    で表されるシアニド化合物と、式(2)
    Figure 2023176574000067
    (式中、R2Aは水素原子、又は置換されていてもよいC1-4アルキルを示し;
    2B及びR2Cは、それぞれ独立に、水素原子、又は有機基を示す。)
    で表されるシステイン誘導体とを反応させ、式(3)
    Figure 2023176574000068
    (式中、R1Aは有機基を示し;
    1Bは、水素原子、置換されていてもよいC1-4アルキル、又はアミノ酸側鎖を示し;
    1Cは、水素原子、又はC1-4アルキルを示し;あるいは、
    1B及びR1Cは、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示し;
    1Dは、水素原子を示すか、あるいは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Bと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示し;
    2Aは水素原子、又は置換されていてもよいC1-4アルキルを示し;
    2B及びR2Cは、それぞれ独立に、水素原子、又は有機基を示す。)
    で表されるペプチド化合物を製造する、アミド結合の生成方法。
  2. 1Bは、置換されていてもよいC1-4アルキル、又はアミノ酸側鎖を示し;
    1Cは、C1-4アルキルを示し;あるいは、
    1B及びR1Cは、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示し;
    1Dは、水素原子を示すか、あるいは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Bと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示し;
    2Aは置換されていてもよいC1-4アルキルを示す、請求項1に記載のアミド結合の生成方法。
  3. 1Bは、置換されていてもよいC1-4アルキルを示し;
    1Cは、C1-4アルキルを示し;あるいは、
    1B及びR1Cは、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、置換されていてもよいC3-8環状基を示し;
    1Dは、水素原子を示すか、あるいは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Bと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示し;
    2B及びR2Cは、一方が水素原子、他方が有機基を示す、請求項2に記載のアミド結合の生成方法。
  4. 1Bは、メチル、エチル、若しくはベンジルを示し;
    1Cは、メチルを示し;あるいは、
    1B及びR1Cは、それぞれが結合する炭素原子と一体となって、C3-8環状基を示し;
    1Dは、水素原子を示し;
    2Aは置換されていてもよいメチル、若しくはエチルを示す、請求項3に記載のアミド結合の生成方法。
  5. 1Bは、水素原子、又はアミノ酸側鎖を示し;
    1Cは、水素原子を示し;
    1Dは、水素原子を示すか、あるいは、R1Dが結合する窒素原子、R1Bが結合する炭素原子、及びR1Bと一体となって、アゼチジン環、ピロリジン環、又はピペリジン環を示し;
    2Aは水素原子を示す、請求項1に記載のアミド結合の生成方法。
  6. 2B及びR2Cは、一方が水素原子、他方が有機基を示す、請求項5に記載のアミド結合の生成方法。
  7. 前記有機基が、それぞれ同一又は異なって、シアニド基及びメルカプト基を有さない有機基である、請求項1~6のいずれか一項に記載のアミド結合の生成方法。
  8. 前記有機基が、それぞれ同一又は異なって、シアニド基及びメルカプト基を有さないアミノ酸残基、若しくはシアニド基及びメルカプト基を有さない2~100個のアミノ酸が連結したペプチド残基である、請求項7に記載のアミド結合の生成方法。
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