JP2023175470A - 内容物充填システム及び処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内容物充填システムの洗浄処理時における洗浄性を高めることが可能な、内容物充填システム及び洗浄処理方法を提供する。【解決手段】内容物充填システム10は、内容物殺菌装置40と、充填装置20と、制御部60と、を備える。内容物殺菌装置40は、熱交換器51a~51cを含む熱交換ユニット50と、加熱部52とを有し、熱交換ユニット50は、第1流入口50aと、第1流出口50bと、第2流入口50cと、第2流出口50dと、を有し、第1流出口50bと第2流入口50cとが加熱部52を介して連結される。制御部60は、処理流体を第1流入口50a、第1流出口50b、加熱部52、第2流入口50c及び第2流出口50dの順で通過させる正流処理と、処理流体を第2流出口50d、第2流入口50c、加熱部52、第1流出口50b及び第1流入口50aの順で通過させる逆流処理とを行う。【選択図】図2

Description

本開示は、内容物充填システム及び処理方法に関する。
従来より、内容物充填システムに設けられた充填機を用いて、高速で搬送されている多数のプラスチックボトルに、飲料等の内容物を連続的に無菌充填することが行われている。このような内容物充填システムにおいて、内容物をプラスチックボトルに充填する充填ノズルは、無菌チャンバ内で回転可能に配置されている。(例えば特許文献1、2参照)。
特開2007-302325号公報 特開2010-006429号公報 昭和60-116337号公報
従来、内容物充填システムのうち内容物が通過する流路については、定期的にあるいは製造される製品の種類を切り替える際に、当該流路内を洗浄するCIP(Cleaning in Place)処理を行っている。さらに、当該流路内を殺菌するSIP(Sterilizing in Place)処理を行っている。CIP処理は、飲料供給系配管の管路内から充填機の充填ノズルに至るまでの流路に、例えば水にアルカリ性薬剤を添加した洗浄液を流した前又は後に、水に酸性薬剤を添加した洗浄液を流すことにより行われる。アルカリ性薬剤としては、例えば苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、又は次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。酸性薬剤としては、例えば硝酸、リン酸、又は有機酸等が挙げられる。洗浄液に界面活性剤や消泡剤を加えても良い。SIP処理は、製品の充填作業に入る前に、予め上記流路内を殺菌するための処理であり、例えば、上記CIP処理で洗浄した流路内に加熱水蒸気又は熱水を流すことによって高温での殺菌処理が行われる。特許文献3には、殺菌滅菌用のプレート式熱交換器において、製品の流れ方向と逆方向に処理液を流すことが開示されている。
本開示は、内容物充填システムの洗浄処理時における洗浄性を高めることが可能な、内容物充填システム及び処理方法を提供する。
本開示の実施の形態は、以下の[1]~[14]に関する。
[1]内容物を充填する内容物充填システムであって、前記内容物を殺菌する内容物殺菌装置と、前記内容物殺菌装置において殺菌された前記内容物を充填する充填装置と、前記内容物充填システムを制御する制御部と、を備え、前記内容物殺菌装置は、少なくとも1つの熱交換器を含む熱交換ユニットと、前記熱交換ユニットに接続された加熱部とを有し、前記熱交換ユニットは、第1流入口と、前記第1流入口に連通する第1流出口と、第2流入口と、前記第2流入口に連通する第2流出口と、を有し、前記第1流出口と前記第2流入口とが前記加熱部を介して連結され、前記制御部は、処理流体を前記第1流入口、前記第1流出口、前記加熱部、前記第2流入口及び前記第2流出口の順で通過させる正流処理と、前記処理流体を前記第2流出口、前記第2流入口、前記加熱部、前記第1流出口及び前記第1流入口の順で通過させる逆流処理とを行う、内容物充填システム。
[2]前記内容物殺菌装置は、ホールディングチューブを有する、[1]に記載の内容物充填システム。
[3]前記内容物殺菌装置において殺菌された前記内容物の温度を充填温度に調整する温度調整部を更に備えた、[1]又は[2]に記載の内容物充填システム。
[4]前記制御部は、前記正流処理、前記逆流処理、前記正流処理の順に洗浄処理を行う、[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の内容物充填システム。
[5]前記正流処理及び前記逆流処理において、前記加熱部によって前記処理流体が加熱される、[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の内容物充填システム。
[6]前記内容物殺菌装置に接続された第1タンクを更に備えた、[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の内容物充填システム。
[7]前記内容物殺菌装置と前記充填装置との間の位置と、前記第1タンクとを連結する循環配管を更に備えた、[6]に記載の内容物充填システム。
[8]前記循環配管に追加の熱交換器が設けられ、前記第1タンクは、内容物供給系配管を介して前記内容物殺菌装置に接続され、前記追加の熱交換器は、前記内容物供給系配管を流れる前記処理流体と、前記循環配管を流れる前記処理流体との間で熱交換を行う、[7]に記載の内容物充填システム。
[9]前記熱交換ユニット内で前記ホールディングチューブ以降を通過する前記処理流体の送液圧力が、前記ホールディングチューブ以前を通過する前記処理流体の送液圧力よりも高い、[2]に記載の内容物充填システム。
[10]内容物を充填する内容物充填システムを洗浄処理又は殺菌処理する処理方法であって、前記内容物充填システムは、前記内容物を殺菌する内容物殺菌装置と、前記内容物殺菌装置において殺菌された前記内容物を充填する充填装置と、を備え、前記内容物殺菌装置は、少なくとも1つの熱交換器を含む熱交換ユニットと、前記熱交換ユニットに接続された加熱部とを有し、前記熱交換ユニットは、第1流入口と、前記第1流入口に連通する第1流出口と、第2流入口と、前記第2流入口に連通する第2流出口と、を有し、前記処理方法は、処理流体を前記第1流入口、前記第1流出口、前記加熱部、前記第2流入口及び前記第2流出口の順で通過させる正流処理工程と、前記処理流体を前記第2流出口、前記第2流入口、前記加熱部、前記第1流出口及び前記第1流入口の順で通過させる逆流処理工程と、を備えた、処理方法。
[11]前記正流処理工程、前記逆流処理工程、前記正流処理工程の順に洗浄処理を行う、[10]に記載の処理方法。
[12]前記処理方法の最終工程は、前記正流処理工程である、[10]又は[11]に記載の処理方法。
[13]前記正流処理工程又は前記逆流処理工程である、アルカリ性洗浄処理工程と、前記正流処理工程又は前記逆流処理工程である、酸性洗浄処理工程と、を含み、前記アルカリ性洗浄処理工程は、前記酸性洗浄処理工程の前又は後に行われ、前記アルカリ性洗浄処理工程と前記酸性洗浄処理工程との間に、水すすぎ処理を行わない、[10]乃至[12]のいずれか1つに記載の処理方法。
[14]前記酸性洗浄処理工程の直後に前記アルカリ性洗浄処理工程が行われ、あるいは、前記アルカリ性洗浄処理工程の直後に前記酸性洗浄処理工程が行われ、前記アルカリ性洗浄処理工程において用いられる前記処理流体のpHと、前記酸性洗浄処理工程において用いられる前記処理流体のpHとの差が、8以上12以下である、[13]に記載の処理方法。
本開示によれば、内容物充填システムの洗浄処理時における洗浄性を高めることができる。
図1は、一実施の形態による内容物充填システムを示す概略平面図。 図2は、一実施の形態による内容物充填システムの内容物殺菌装置及びその周囲における流路を示す概略図。 図3は、熱交換ユニットの熱交換器を示す概略断面図。 図4は、正流処理時における処理流体の流れを示す概略図。 図5は、逆流処理時における処理流体の流れを示す概略図。 図6(a)-(e)は、洗浄処理及び殺菌処理の処理パターンを示す表。 図7(a)-(c)は、洗浄処理及び殺菌処理の処理パターンを示す表。
以下、一実施の形態について、図1乃至図7を参照して説明する。図1乃至図7は一実施の形態を示す図である。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
(内容物充填システム)
まず図1及び図2により本実施の形態による内容物充填システム(無菌充填システム)の全体の構成について説明する。
図1に示す内容物充填システム10は、ボトル(容器)90に飲料等の内容物を充填するシステムである。ボトル90は、合成樹脂材料を射出成形して製作したプリフォーム91を二軸延伸ブロー成形することにより作製できる。なお、ボトル90は、ダイレクトブロー成形により作製されても良い。ボトル90の材料としては、熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、又はPEN(ポリエチレンナフタレート)を使用することが好ましい。このほか、容器としては、ガラス、缶、紙、パウチ、カップ又はこれらの複合容器であっても良い。本実施の形態においては、容器として合成樹脂製ボトルを用いる場合を例にとって説明する。
図1に示すように、内容物充填システム10は、内容物殺菌装置40と、充填装置20と、制御部60と、を備えている。内容物殺菌装置40は、ボトル90に充填する内容物を予め殺菌する。充填装置20は、内容物殺菌装置40において殺菌された内容物を充填する。制御部60は、内容物充填システム10を制御する。
内容物充填システム10は、さらに、ボトル成形部30と、容器殺菌装置11と、エアリンス装置14と、上述した充填装置20と、キャップ装着装置(キャッパー、巻締及び打栓機)16と、製品ボトル搬出部19とを備えている。これらボトル成形部30、容器殺菌装置11、エアリンス装置14、充填装置20、キャップ装着装置16及び製品ボトル搬出部19は、ボトル90の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。また、エアリンス装置14、充填装置20及びキャップ装着装置16等の間には、これらの装置間でボトル90を搬送する複数の搬送ホイール12が設けられている。ここでは、ボトル成形部30、容器殺菌装置11、エアリンス装置14、充填装置20、キャップ装着装置16及び製品ボトル搬出部19について説明する。
ボトル成形部30は、外部からプリフォーム91を受け入れるとともにボトル90の成形を行う。そして、ボトル成形部30は、成形されたボトル90を容器殺菌装置11へ向けて搬送する。これにより、内容物充填システム10において、プリフォーム91の供給からボトル90の成形を経て、ボトル90への内容物の充填及び閉栓に至る工程を連続して行うようにできる。この場合、容積の大きいボトル90ではなく、容積の小さいプリフォーム91が、外部から内容物充填システム10に運搬される。このため、運送費を低減できる。また、図示しない射出成形機とボトル成形部30とを連結させ、プリフォーム91を樹脂ペレットから製造しても良い。この場合、プリフォーム91を外部から運搬するよりも、運送費を更に低減できる。
ボトル成形部30は、プリフォーム搬送部31と、ブロー成形部(容器成形装置)32と、ボトル搬送部33と、を有している。プリフォーム搬送部31は、プリフォーム91を搬送する。ブロー成形部32は、プリフォーム搬送部31から送られたプリフォーム91に対してブロー成形を施すことにより、プリフォーム91からボトル90を成形する。ボトル搬送部33は、ブロー成形部32において成形されたボトル90を搬送する。
プリフォーム搬送部31は、プリフォーム受取部34と、プリフォーム加熱部35と、プリフォーム受渡部36とを含む。このうち、プリフォーム受取部34は、プリフォーム供給装置37からプリフォーム供給コンベア37aを介して供給されるプリフォーム91を受け取る。このプリフォーム受取部34には、プリフォーム91を殺菌するためのプリフォーム殺菌装置34aと、プリフォーム91をエアリンスするためのプリフォームエアリンス装置34bとが設けられている。
プリフォーム受取部34において、プリフォーム殺菌装置34aにより、過酸化水素水溶液のガス又はミストがプリフォーム91に吹き付けられ、プリフォーム91が殺菌される(予備殺菌)。プリフォーム91を殺菌するための殺菌剤としては、微生物を不活性化させる性質を有していれば良く、例えば過酸化水素のほか、過酢酸、酢酸、過硝酸、硝酸、塩素系薬剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、二酸化塩素、オゾン水、酸性水、界面活性剤を単体で用いても良く、これらのうち2種以上を組み合わせて用いても良い。
このように、プリフォーム殺菌装置34aにより予めプリフォーム91を殺菌(予備殺菌)することによって、プリフォーム91から作製されるボトル90に付着する菌を少なくできる。このため、ボトル90を殺菌する容器殺菌装置11で使用する過酸化水素の使用量を低減できるとともに、殺菌時間を短縮できる。ここで、一般に、容積の小さいプリフォーム91を殺菌するために使用する殺菌剤の量は、ボトル90を殺菌するために使用する殺菌剤の量よりも少なくて良い。このため、プリフォーム91を予備殺菌することにより、殺菌剤の全体の使用量を低減できる。
また、容器殺菌装置11で使用する過酸化水素の使用量を低減できるとともに、殺菌時間を短縮できるため、容器殺菌装置11を小型化できる。また、ボトル90を殺菌する殺菌時間を短縮できるため、ボトル90への熱負荷を低減できる。このため、軽量化されたボトル90又はリサイクルによる再生PETを使用したボトル90であっても、殺菌剤の熱によるボトル90の変形を抑制できる。
なお、このような殺菌処理は、プリフォーム受取部34だけでなく、プリフォーム加熱部35又はプリフォーム受渡部36で行われても良い。また、殺菌処理は、ボトル90の成形後に、ボトル搬送部33から充填装置20までの間に行われても良い。さらに、殺菌処理は、複数の箇所で行われても良い。なお、殺菌処理において、殺菌剤を使用することなく、紫外線照射又は電子線照射等によって、菌を不活性化しても良い。
プリフォーム殺菌装置34aの下流側には、上述したプリフォームエアリンス装置34bが設けられている。殺菌剤が吹き付けられたプリフォーム91は、プリフォームエアリンス装置34bにおいて、ホットエアで乾燥される。この際、プリフォーム91の口部を下に向けた状態で、プリフォーム91に対してホットエアが供給されることが好ましい。これにより、プリフォーム91内から異物を効果的に除去できる。このため、無菌水によってプリフォーム91を洗浄する工程を省略でき、内容物充填システム10が排出する二酸化炭素の排出量を低減できる。なお、プリフォーム受取部34において、プリフォームエアリンス装置34bは設けられていなくても良い。また、プリフォーム受取部34において、プリフォーム殺菌装置34aの上流側に、プリフォーム91に付着した異物を除去するための異物除去装置(図示せず)が設けられていても良い。
プリフォーム加熱部35は、プリフォーム受取部34からプリフォーム91を受け取り、プリフォーム91を搬送しながら加熱するように構成されている。このプリフォーム加熱部35には、プリフォーム91を加熱するヒーター35aが設けられている。このヒーター35aは、例えば赤外線ヒーターであっても良い。このヒーター35aにより、プリフォーム91は、例えば90℃以上130℃以下程度に加熱される。なお、プリフォーム91の口部の温度は、変形等を防止するため70℃以下の温度に抑えられる。
プリフォーム受渡部36は、プリフォーム加熱部35により加熱されたプリフォーム91を受け取り、ブロー成形部32に受け渡すように構成されている。
ブロー成形部32は、図示しない金型を含んでいる。この金型を用いてプリフォーム91に対してブロー成形を施すことにより、ボトル90が成形される。そして、成形されたボトル90は、ボトル搬送部33によって、下流側に搬送される。
ここで、ボトル成形部30と容器殺菌装置11との間に、ボトル搬送部33からボトル90を受け取り、容器殺菌装置11へボトル90を受け渡す調整搬送部38が設けられている。この調整搬送部38の少なくとも一部は、殺菌剤噴霧チャンバ70d(後述)の上流側に設けられた雰囲気遮断チャンバ70c(後述)の内部に収容されている。図示された例においては、調整搬送部38は、ボトル成形部30を収容する成形部チャンバ70b(後述)と、雰囲気遮断チャンバ70cとに跨がるように配置されている。このように、調整搬送部38の少なくとも一部が、雰囲気遮断チャンバ70cの内部に収容されていることにより、殺菌剤噴霧チャンバ70d内で発生する殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が、成形部チャンバ70bに流入することを抑制できる。
図示された例においては、調整搬送部38とボトル搬送部33との間には、単一の搬送ホイール12が設けられている。すなわち、ボトル成形部30のブロー成形部32と容器殺菌装置11との間には、ボトル成形部30のボトル搬送部33、単一の搬送ホイール12及び調整搬送部38が設けられている。これにより、調整搬送部38とボトル成形部30のボトル搬送部33との間に、複数の搬送ホイール12が設けられている場合と比較して、内容物充填システム10をコンパクトにできる。なお、図示はしないが、ボトル成形部30のブロー成形部32と容器殺菌装置11との間に、調整搬送部38のみが設けられていても良い。この場合、内容物充填システム10を更にコンパクトにできる。また、ブロー成形部32で成形しながら内容物の充填を行う場合、内容物充填システム10を更にコンパクトにできる。
容器殺菌装置11は、殺菌剤をボトル90に噴射することにより、ボトル90を殺菌する装置である。これにより、内容物の充填前に殺菌剤によってボトル90が殺菌される。殺菌剤としては、例えば過酸化水素水溶液が用いられる。容器殺菌装置11においては、過酸化水素水溶液のガス又はミストが生成され、ガス又はミストがボトル90の内面及び外面に噴霧される。このようにボトル90が過酸化水素水溶液のガス又はミストで殺菌されるので、ボトル90の内面及び外面がムラなく殺菌される。
エアリンス装置14は、ボトル90に無菌の加熱エア又は無菌の常温エアを供給することにより、過酸化水素の活性化を行いつつ、ボトル90内から異物及び過酸化水素等を除去する装置である。この際、ボトル90の口部を下に向けた状態で、ボトル90に対して無菌エアが供給されることが好ましい。これにより、ボトル90内から異物を効果的に除去できる。このため、無菌水によってボトル90を洗浄する工程を省略でき、節水ができる。また内容物充填システム10が排出する二酸化炭素の排出量も低減できる。なお、必要に応じて、無菌の常温エアに、低濃度の過酸化水素の凝結ミストを混ぜて過酸化水素をガス化させて、ボトル90に供給しても良い。
充填装置20は、飲料等の内容物をボトル90に充填する装置である。すなわち、充填装置20は、ボトル90の口部からボトル90内へ内容物を充填する。これにより、充填装置20において、内容物が空の状態のボトル90に充填される。この充填装置20では、複数のボトル90が回転搬送されながら、ボトル90の内部へ内容物が充填される。充填装置20は、後述する無菌チャンバ70fの内部に配置されている。充填装置20は、回転可能な複数の充填ノズル22を有するいわゆるロータリーフィラであっても良く、直線式にボトル90を搬送するフィラであっても良い。なお、充填装置20の詳細は後述する。
キャップ装着装置16は、ボトル90にキャップ92を装着することにより、ボトル90を閉栓する装置である。キャップ装着装置16において、内容物が充填されたボトル90はキャップ92により閉じられる。これにより、ボトル90内に外部の空気や微生物が侵入しないように密封される。キャップ装着装置16において、内容物が充填された複数のボトル90を把持した状態でキャップ92を回転(公転)しながら、その口部にキャップ92が装着される。このようにして、ボトル90にキャップ92を装着することにより、製品ボトル95が得られる。
キャップ92は、予めキャップ殺菌装置18によって殺菌される。キャップ殺菌装置18は、例えば無菌チャンバ70fの外側であってキャップ装着装置16の近傍に配置されている。キャップ殺菌装置18において、内容物充填システム10の外部から搬入されたキャップ92は、予め多数集められ、キャップ装着装置16に向かって列になって搬送される。キャップ92がキャップ装着装置16に向かう途中で、過酸化水素のガス又はミストがキャップ92の内外面に向かって吹き付けられた後、ホットエアで乾燥し、殺菌処理される。
製品ボトル搬出部19は、キャップ装着装置16でキャップ92を装着された製品ボトル95を、内容物充填システム10の外部へ向けて連続的に搬出する。
なお、内容物充填システム10は、プリフォーム殺菌チャンバ70aと、成形部チャンバ70bと、雰囲気遮断チャンバ70cと、殺菌剤噴霧チャンバ70dと、エアリンスチャンバ70eと、無菌チャンバ70fと、出口チャンバ70gとを有している。プリフォーム殺菌チャンバ70a、成形部チャンバ70b、雰囲気遮断チャンバ70c、殺菌剤噴霧チャンバ70d、エアリンスチャンバ70e、無菌チャンバ70f、及び出口チャンバ70gは、プリフォーム91及びボトル90の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。
各チャンバ70a乃至70gは、それぞれ隔壁によって分離されている。隔壁は、各チャンバ70a乃至70g間で、殺菌剤等が意図しない方向へ流通することを防ぎ、各チャンバ70a乃至70g内の圧力を安定させる役割を果たす。なお、隔壁には、それぞれプリフォーム91又はボトル90が通過できる程度の隙間が形成されている。この隙間は、各チャンバ70a乃至70g内の圧力が変化しないように、最小限、例えば1個分のプリフォーム91又はボトル90程度の大きさ形成されている。また、隔壁には、上述した隙間を閉鎖するシャッターが設けられていても良い。このシャッターは、例えば制御部60からの信号により、自動で開閉するように構成されていても良い。
各チャンバ70a乃至70gのうち、プリフォーム殺菌チャンバ70aの内部には、プリフォーム殺菌装置34a等が収容されている。成形部チャンバ70bの内部には、ボトル成形部30のブロー成形部32等が収容されている。雰囲気遮断チャンバ70cの内部には、調整搬送部38の少なくとも一部が収容されている。殺菌剤噴霧チャンバ70dの内部には、容器殺菌装置11が収容されている。また、エアリンスチャンバ70eの内部には、エアリンス装置14が収容されている。無菌チャンバ70fの内部には、充填装置20と、搬送ホイール12と、キャップ装着装置16とが収容されている。さらに、出口チャンバ70gの内部には、製品ボトル搬出部19が収容されている。
ここで、上述したように、内容物充填システム10は、内容物充填システム10を制御する制御部60を備えている。この制御部60は、ボトル成形部30、容器殺菌装置11、エアリンス装置14、充填装置20、キャップ装着装置16、製品ボトル搬出部19及びキャップ殺菌装置18に電気的に接続されており、これらの装置を制御しても良い。この制御部60は、各チャンバ内を洗浄及び殺菌しても良い。本実施の形態では、制御部60は、無菌チャンバ70f内を洗浄(各チャンバ内の洗浄をCOPともいう)する。
このような内容物充填システム10は、例えば無菌充填システムからなっていても良い。この場合、殺菌剤噴霧チャンバ70d、エアリンスチャンバ70e、無菌チャンバ70f、及び出口チャンバ70gの内部は無菌状態に保持される。なお、出口チャンバ70gの下流側に、無菌状態の無菌ゾーンと、非無菌状態の非無菌ゾーンとを連結するチャンバ(図示せず)が設けられていてもよい。
次に、図2を用いて、内容物充填システム10の内容物殺菌装置40及び充填装置20の構成について説明する。図2は、上述した内容物充填システム10のうち、内容物殺菌装置40、充填装置20及びその周辺を示す構成図である。
図2に示すように、内容物充填システム10は、内容物殺菌装置40と、充填装置20と、を備えている。内容物充填システム10は、さらに内容物調合部41と、第1タンク42と、温度調整部43と、第2タンク44とを備えている。
内容物調合部41、第1タンク42、内容物殺菌装置40、温度調整部43及び第2タンク44は、内容物供給系配管45a~45dによって連結されている。充填時には、内容物供給系配管45a~45dの内部には、飲料等の内容物が順次通過する。また、洗浄処理(CIP処理)時には、内容物供給系配管45a~45dに例えば水すすぎ液、アルカリ性洗浄液又は酸性洗浄液等の処理流体を流す。殺菌処理(SIP処理)時には、例えば、上記CIP処理で洗浄した内容物供給系配管45a~45dに加熱水蒸気又は熱水等の処理流体を流すことによって、高温での殺菌処理が行われる。なお、本明細書において、処理流体は、水すすぎ液、アルカリ性洗浄液、酸性洗浄液、加熱水蒸気又は熱水等のいずれかであっても良い。
内容物調合部41は、飲料原料から内容物を調合するものである。ここで飲料原料とは、甘味料、果汁、植物の抽出物、乳製品、香料、酸味調整剤、ビタミン類等が挙げられる。また、内容物は、例えば上記飲料原料の1種又は2種以上を所定の割合で飲料用水と混合して作製されても良い。内容物は、サイダー、コーラ等の炭酸飲料、ビール等のアルコール飲料、お茶、機能性飲料、ジュース、コーヒー、牛乳、乳入り飲料等の飲料であっても良い。内容物は、醤油等の食品調味料であっても良い。あるいは、内容物は、水、純水、イオン交換水、精製水、超純水、非飲料用液体であっても良い。
内容物調合部41は、内容物供給系配管45aを介して第1タンク42に接続されている。この第1タンク42には、内容物調合部41からの内容物が供給される。
第1タンク42は、内容物供給系配管45bを介して内容物殺菌装置40に接続されている。内容物供給系配管45bの途中には、内容物を第1タンク42から内容物殺菌装置40に送り込むポンプ46が設けられている。第1タンク42には、上述した処理流体が投入される処理流体投入部47が接続されている。
内容物殺菌装置40は、例えば飲料等の内容物を殺菌する。内容物殺菌装置40は、熱交換ユニット50と、加熱部52とを有する。このうち熱交換ユニット50は、熱交換器51a~51cを含む。また加熱部52は、熱交換ユニット50に接続されている。内容物殺菌装置40は、さらに熱交換ユニット50及び加熱部52に接続されたホールディングチューブ53を有する。
この場合、熱交換ユニット50は、複数(図2では3つ)の熱交換器51a~51cを含む。すなわち熱交換ユニット50は、第1熱交換器51aと、第2熱交換器51bと、第3熱交換器51cとを含む。熱交換ユニット50内で熱交換器51a~51cは、直列に連結されている。熱交換器51a~51cは、それぞれシェルアンドチューブ式熱交換器であるが、これに限らず、プレート式熱交換器であっても良い。なお、熱交換ユニット50は、少なくとも1つの熱交換器を含んでいれば良い。
熱交換ユニット50は、第1流入口50aと、第1流出口50bと、第2流入口50cと、第2流出口50dと、を有する。第1流入口50aは、内容物供給系配管45bに連結されている。充填時には、第1流入口50aには、内容物供給系配管45b側から送られた内容物が流入する。第1流入口50aから流入した内容物は、各熱交換器51a~51cを通過して第1流出口50bに送られる。この間内容物は、各熱交換器51a~51cの内部で熱交換され、第1流出口50bから流出する。第1流出口50bから流出した内容物は、加熱部52側に送られる。
第2流入口50cは、加熱部52側に連結されている。すなわち第1流出口50bと第2流入口50cとは加熱部52を介して連結されている。充填時には、第2流入口50cには、加熱部52側から送られた内容物が流入する。第2流入口50cから流入した内容物は、各熱交換器51c~51aを通過して第2流出口50dに送られる。第2流入口50cから流入した内容物は、各熱交換器51c~51aの内部で熱交換され、第2流出口50dから流出する。第2流出口50dは、内容物供給系配管45cに連結されている。第2流出口50dから流出した内容物は、内容物供給系配管45cを介して温度調整部43に送られる。
各熱交換器51a~51cは、それぞれ、管側入口54aと、管側出口54bと、胴側入口54cと、胴側出口54dと、を有する。管側入口54aは、各熱交換器51a~51cの長手方向一端に位置する。管側出口54bは、各熱交換器51a~51cの長手方向他端に位置する。各熱交換器51a~51cにおいて、管側入口54a及び管側出口54bは、各熱交換器51a~51cの長手方向に対して互いに対向する位置にある。胴側入口54cは、各熱交換器51a~51cの長手方向他端近傍の胴部に位置する。胴側出口54dは、各熱交換器51a~51cの長手方向一端近傍の胴部に位置する。各熱交換器51a~51cにおいて、胴側入口54c及び胴側出口54dは、熱交換器51a~51cの長手方向に対して垂直な方向を向いているが、これに限られない。胴側入口54c及び胴側出口54dは、熱交換器51a~51cの長手方向に対して斜め方向を向いても良い。
内容物の充填時において、管側入口54aには、内容物供給系配管45b側から送られた内容物が流入する。管側入口54aは、各熱交換器51a~51cの内部で管側出口54bに連通する。管側入口54aから流入した内容物は、各熱交換器51a~51cの内部で熱交換され、管側出口54bから流出する。管側出口54bから流出した内容物は、加熱部52側に送られる。また、内容物の充填時において、胴側入口54cには、加熱部52側から送られた内容物が流入する。胴側入口54cは、各熱交換器51a~51cの内部で胴側出口54dに連通する。胴側入口54cから流入した内容物は、各熱交換器51a~51cの内部で熱交換され、胴側出口54dから流出する。
内容物殺菌装置40内において、第1熱交換器51aの管側入口54aには、内容物供給系配管45bが連結されている。また第1熱交換器51aの管側出口54bと第2熱交換器51bの管側入口54aとが、連結配管55aによって連結されている。また第2熱交換器51bの管側出口54bと第3熱交換器51cの管側入口54aとが、連結配管55bによって連結されている。さらに第3熱交換器51cの管側出口54bには、循環系配管56が連結されている。循環系配管56は、第3熱交換器51cの胴側入口54cに連結されている。循環系配管56には、上述した加熱部52と、ホールディングチューブ53とが設けられている。また第3熱交換器51cの胴側出口54dと、第2熱交換器51bの胴側入口54cとが、連結配管55cによって連結されている。さらに第2熱交換器51bの胴側出口54dと、第1熱交換器51aの胴側入口54cとが、連結配管55dによって連結されている。
加熱部52は、循環系配管56を流れる内容物を最終殺菌温度まで加熱する。加熱部52は、ヒーターであっても良い。このヒーターとしては、例えば熱交換器を用いても良い。
ホールディングチューブ53は、循環系配管56のうち加熱部52よりも下流側に設けられている。ホールディングチューブ53は、コイル状の曲線管や直管又はスパイラル管等を含み、その内部を流れる間に熱処理ないし滅菌処理を施すものである。内容物は、ホールディングチューブ53内を所定の滞留時間以上かけて通過するように設定されている。このようにホールディングチューブ53内に一定の滞留時間(ホールディング時間)、滅菌温度を保った状態で内容物又は処理流体等の流体が滞留することにより、流体の無菌性を担保できる。
内容物殺菌装置40は、内容物供給系配管45cを介して温度調整部43に接続されている。温度調整部43は、内容物殺菌装置40において殺菌された内容物の温度を充填温度に調整するための装置である。温度調整部43は、内容物の温度を降下させる冷却装置であっても良い。温度調整部43は、熱交換器であっても良い。温度調整部43は、第3流入口43aと、第3流出口43bと、第4流入口43cと、第4流出口43dとを有する。第3流入口43aには、内容物供給系配管45cからの内容物が流入する。第3流出口43bは、第3流入口43aから流入した内容物が流出する。第4流入口43cには、冷却水等の温調液が流入する。第4流出口43dは、第4流入口43cから流入した温調液が流出する。温度調整部43においては、第3流入口43aから流入した内容物と、第4流入口43cから流入した温調液との間で熱交換が行われ、第3流出口43bから流出する内容物の温度が調整される。なお、充填装置20で充填する内容物の充填温度の許容範囲が広い場合(例えば30℃±20℃の場合)、温度調整部43は設けられていなくても良い。この場合、第5分岐部62eからの内容物の流路を循環配管63c側へ切替えても良い。その後、第2流出口50dにおける内容物の温度が製造時の温度の許容範囲になるまで、内容物を循環させながら内容物の温度を調整しても良い。また内容物の充填温度が中温~高温(例えば50℃以上100℃以下)の場合、熱交換器の途中(例えば、第3熱交換器51c又は第2熱交換器51b)から充填装置20へ内容物を直接送液しても良い。
温度調整部43は、内容物供給系配管45dを介して第2タンク44に接続されている。第2タンク44には、内容物供給系配管45dからの内容物が貯留される。第2タンク44は、温度調整部43で温度調整された内容物を一時的に貯留する。第2タンク44は、充填ヘッドタンク又はバッファータンクと称しても良い。第2タンク44は、充填装置20の上側部分に配置されても良い。
充填装置20においては、第2タンク44に貯留された内容物が、空の状態のボトル90に対して充填される。充填装置20は、回転する回転ホイール21を有している。この回転ホイール21によって複数のボトル90が回転(公転)されながら、ボトル90の内部へ内容物が充填される。また回転ホイール21の外周に沿って、複数の充填ノズル22が配置されている。各充填ノズル22には、それぞれ1本のボトル90が装着され、充填ノズル22からボトル90の内部に内容物が注入される。充填ノズル22には、内容物供給ライン23が接続されている。内容物供給ライン23は、その一端が内容物を充填した第2タンク44に接続されるとともに、他端においてボトル90の内部に連通している。第2タンク44から供給された内容物は、内容物供給ライン23を通過して、ボトル90の内部に注入される。
回転ホイール21及び充填ノズル22は、例えばステンレス鋼板製のチャンバ24によって覆われている。チャンバ24の上部にはロータリージョイント25が取り付けられている。このロータリージョイント25によって回転体(回転ホイール21及び充填ノズル22等)と非回転体(チャンバ24等)とが、無菌状態でシールされている。
また、内容物供給系配管45bの途中には、第1分岐部62a及び第2分岐部62bが設けられている。このうち第1分岐部62aには、第1循環配管63aが連結されている。第1循環配管63aは、第3分岐部62cにおいて、後述する第3循環配管63cに連結される。また第2分岐部62bには、第2循環配管63bが連結されている。第2循環配管63bは、第4分岐部62dにおいて、後述する第3循環配管63cに連結される。さらに、内容物供給系配管45dの途中には、第5分岐部62eが設けられている。第5分岐部62eには第3循環配管63cが連結されている。第3循環配管63cは、第1タンク42に連結されている。
第3循環配管63cの途中には、第4熱交換器66(追加の熱交換器)が設けられている。第4熱交換器66は、内容物供給系配管45bを流れる処理流体と、第3循環配管63cを流れる処理流体との間で熱交換を行う。第4熱交換器66は、洗浄処理(CIP処理)時に、内容物殺菌装置40から流出した処理流体の温度を利用して、内容物殺菌装置40に流入する処理流体の温度を上昇させる。
第4熱交換器66は、第5流入口66aと、第5流出口66bと、第6流入口66cと、第6流出口66dとを有する。第5流入口66aには、内容物供給系配管45bからの内容物が流入する。あるいは、第5流入口66aは、処理流体を流入又は流出させる。第5流出口66bからは、第5流入口66aから流入した内容物が流出する。あるいは、第5流出口66bは、処理流体を流出又は流入させる。第6流入口66cには、第3循環配管63cを通過する処理流体が流入又は流出する。第6流出口66dには、第6流入口66cを通過する処理流体が流出又は流入する。第4熱交換器66においては、第5流入口66aから流入した処理流体と、第6流入口66cから流入した処理流体との間で熱交換が行われ、第5流出口66bから流出する処理流体の温度が調整される。あるいは、第4熱交換器66においては、第6流出口66dから流入した処理流体と、第5流出口66bから流入した処理流体との間で熱交換が行われ、第6流入口66cから流出する処理流体の温度が調整される。
内容物供給系配管45bの途中であって、第1分岐部62aと第2分岐部62bとの間には第1バルブ64aが設けられている。また第1循環配管63aには、第2バルブ64bが設けられている。第2循環配管63bには、第3バルブ64cが設けられている。内容物供給系配管45dの途中であって、第5分岐部62eと充填装置20との間には第4バルブ64dが設けられている。さらに第3循環配管63cの途中であって、第3分岐部62cと第4分岐部62dとの間には第5バルブ64eが設けられている。これら第1バルブ64a乃至第5バルブ64eの開閉は、それぞれ制御部60によって制御される。
内容物供給系配管45dの途中であって、温度調整部43と第5分岐部62eとの間には背圧弁48が設けられている。背圧弁48が設けられていることにより、内容物供給系配管45dの流量及び内圧を調整できる。これにより、正流時において、熱交換ユニット50内でホールディングチューブ53以降を通過する処理流体の送液圧力が、ホールディングチューブ53以前を通過する処理流体の送液圧力よりも高い状態を維持する。具体的には、正流時に、熱交換器51c~51aのそれぞれにおいて、胴側出口54dにおける処理流体の圧力を管側出口54bにおける処理流体の圧力よりも大きくする。内容物殺菌装置40を通過する処理流体の最高温度が100℃以上となる状態で背圧をかけると、内容物殺菌装置40の配管内の圧力が上昇する。この状態で処理流体の送液圧力を上記圧力バランスを維持するように制御するために、図示しないブースターポンプをポンプ46からホールディングチューブ53の間に1台以上設置すると良い。より好ましくは、ブースターポンプを加熱部52と第3熱交換器51cとの間、又は第3熱交換器51cと第2熱交換器51bとの間に設置することが好ましい。すなわち、背圧弁48とブースターポンプをそれぞれ1台以上設置することで、洗浄に必要な流量、殺菌に必要な温度を維持したまま、上記圧力バランスをつくることができる。
なお、各図において、便宜上、温度計、濃度計、圧力計及び流量計等の表示を省略している。これら温度計、濃度計、圧力計及び流量計等は、各箇所に設置されており、制御部60による制御に用いられても良い。
次に、図3を参照して、各熱交換器51a~51cの内部構造について説明する。図3は、各熱交換器51a~51cの断面図である。なお、各熱交換器51a~51cは同一の構造を有していても良い。
図3に示すように、各熱交換器51a~51cは、シェル71と、シェル71の長手方向両端にそれぞれ設けられた一対の管板72a、72bと、シェル71内に延びる複数のチューブ73とを有する。
このうちシェル71は、円筒等の筒状である。シェル71の内部であって、複数のチューブ73の周囲には、内容物等の流体が通過する空間Sが形成されている。シェル71の胴部には、胴側入口54cと胴側出口54dとが設けられている。胴側入口54cは、シェル71の長手方向端部であって、管側出口54bの近傍に位置する。胴側出口54dは、シェル71の長手方向端部であって、管側入口54aの近傍に位置する。
一対の管板72a、72bは、それぞれ円板状であり、シェル71の長手方向両端を閉鎖する。管板72a、72bには、それぞれ開口が形成され、各開口にはそれぞれチューブ73の端部が固定されている。一方の管板72a側には、管側入口54aが形成され、他方の管板72b側には、管側出口54bが形成される。
複数のチューブ73は、それぞれ一方の管板72aから他方の管板72bに延びる。複数のチューブ73は、互いに径方向に間隔を空けて配置される。管側入口54aから流入した内容物等の流体は、複数のチューブ73を通過して管側出口54bから流出する。一方、胴側入口54cから流入した内容物等の流体は、シェル71内の空間Sを通過して胴側出口54dから流出する。各熱交換器51a~51cの内部で、空間Sとチューブ73とは互いに連通しない。各熱交換器51a~51cの内部で、チューブ73を通過する流体と、空間Sを通過する流体との間で熱交換が行われる。これにより、チューブ73を通過する流体の温度が上昇(降下)し、空間Sを通過する流体の温度が降下(上昇)する。
(内容物充填方法)
次に、上述した内容物充填システム10を用いた内容物充填方法について説明する。なお、以下において、通常時における内容物の充填方法、すなわち内容物をボトル90に充填して製品ボトル95を製造する内容物充填方法について説明する。
まず、プリフォーム供給装置37により、プリフォーム供給コンベア37aを介して、複数のプリフォーム91が、プリフォーム搬送部31のプリフォーム受取部34に順次供給される(プリフォーム供給工程)。この際、プリフォーム91は、プリフォーム殺菌装置34aにおいて、プリフォーム91に対して過酸化水素のガス又はミストを吹き付けることによって殺菌処理された後、ホットエアで乾燥される。
次に、プリフォーム91は、プリフォーム加熱部35に送られ、ヒーター35aにより、例えば90℃以上130℃以下程度に加熱される。次いで、プリフォーム加熱部35により加熱されたプリフォーム91は、プリフォーム受渡部36に送られる。そして、プリフォーム91は、プリフォーム受渡部36からブロー成形部32に送られる。
次いで、ブロー成形部32に送られたプリフォーム91に対して、図示しない金型を用いてブロー成形を施すことにより、ボトル90がブロー成形される(ボトル成形工程)。そして、ブロー成形されたボトル90は、ボトル搬送部33に送られる。
次に、容器殺菌装置11において、ボトル90に対して殺菌剤である過酸化水素水溶液を用いて殺菌処理が行われる(容器殺菌工程)。このとき、殺菌剤は、過酸化水素水溶液を一旦沸点以上で気化させたガス又はミストであっても良い。過酸化水素水溶液のガス又はミストは、ボトル90の内面及び外面に付着し、ボトル90の内面及び外面を殺菌する。
続いて、ボトル90は、エアリンス装置14に送られる。エアリンス装置14において、ボトル90に対して無菌の加熱エア又は無菌の常温エアが供給されることにより、過酸化水素の活性化が行われ、かつ、ボトル90から異物及び過酸化水素等が除去される(エアリンス工程)。なお、エアリンス工程において、必要に応じて、無菌の加熱エア又は無菌の常温エアに、低濃度の過酸化水素の凝結ミストを混ぜても良い。この場合、過酸化水素は、無菌エアによってガス化される。そして、エアリンス工程において、ガス化された過酸化水素をボトル90に供給しても良い。
続いて、ボトル90は、充填装置20に搬送される。
この間、内容物調合部41により、飲料原料から内容物が作製される(内容物作製工程)。この内容物は、内容物供給系配管45aを介して第1タンク42に送られ、貯留される。続いて、内容物は、ポンプ46によって内容物供給系配管45b及び第4熱交換器66を介して内容物殺菌装置40に送り込まれる。内容物殺菌装置40において、内容物は、熱交換ユニット50の第1流入口50aから流入し、各熱交換器51a~51cで熱交換され、温度上昇した後、第1流出口50bから流出する。第1流出口50bから流出した内容物は、加熱部52でさらに加熱され、ホールディングチューブ53に送られる。内容物は、ホールディングチューブ53内を通過するのに一定時間(滞留時間)以上を要し、この間、所定温度以上を維持する。その後、内容物は、熱交換ユニット50の第2流入口50cから流入し、各熱交換器51a~51cで熱交換され、温度降下した後、第2流出口50dから流出する。このようにして内容物の殺菌が完了する。なお、内容物の充填時には、第1バルブ64a及び第4バルブ64dが開放され、第2バルブ64b、第3バルブ64c及び第5バルブ64eが閉鎖されている。また、第1循環配管63a、第2循環配管63b及び第3循環配管63cは用いられない。
殺菌された内容物は、内容物供給系配管45cを介して温度調整部43に送り込まれる。温度調整部43において、内容物の温度を最終調整する。具体的には、内容物の温度が、充填装置20での充填温度まで降下する。充填温度は、例えば1℃以上40℃以下、好ましくは5℃以上30℃以下であっても良い。温度調整部43からの内容物は、第2タンク44に送り込まれ、貯留される。
充填装置20において、ボトル90は回転(公転)されながら、その口部からボトル90内へ内容物が充填される。充填装置20においては、殺菌されたボトル90に、第2タンク44から送られた内容物が1℃以上40℃以下、好ましくは5℃以上30℃以下の充填温度で充填される。
その後、充填装置20で内容物が充填されたボトル90は、搬送ホイール12によってキャップ装着装置16に搬送される。
一方、キャップ92は、予めキャップ殺菌装置18によって殺菌処理される(キャップ殺菌工程)。この間、まずキャップ92は、内容物充填システム10の外部からキャップ殺菌装置18に搬入される。続いて、キャップ92は、キャップ殺菌装置18において、過酸化水素のガス又はミストが吹き付けられて、その内外面が殺菌処理された後、ホットエアで乾燥し、キャップ装着装置16に送られる。
次いで、キャップ装着装置16において、充填装置20から搬送されてきたボトル90の口部に殺菌済みのキャップ92を装着することにより、ボトル90が閉栓され製品ボトル95が得られる(キャップ装着工程)。
その後、製品ボトル95は、キャップ装着装置16から製品ボトル搬出部19へ搬送され、内容物充填システム10の外部へ向けて搬出される(ボトル排出工程)。そして、製品ボトル95は、図示しない包装ラインへと運ばれ、包装される。
なお、内容物充填システム10におけるボトル90の生産(搬送)速度は、100bpm以上かつ1500bpm以下とすることが好ましい。ここでbpm(bottle per minute)とは、1分間当たりのボトル90の搬送速度をいう。
(洗浄処理方法及び殺菌処理方法)
次に、内容物充填システム10において、例えば定期的にあるいは飲料の種類を切り替える際に、洗浄処理(CIP処理)及び殺菌処理(SIP処理)を行う場合の作用について説明する。なお、下記の洗浄処理の制御は、制御部60によって実行される。
以下において、処理流体は、水すすぎ液、アルカリ性洗浄液、酸性洗浄液、加熱水蒸気又は熱水等のいずれかであっても良い。洗浄処理(CIP処理)は、水すすぎ処理、アルカリ性洗浄処理、及び酸性洗浄処理を含む。このうち水すすぎ処理は、内容物充填システム10内の流路を水すすぎ液によってすすぐ処理である。アルカリ性洗浄処理は、内容物充填システム10内の流路に対して例えば水に苛性ソーダ等のアルカリ性薬剤を添加したアルカリ性洗浄液を流す処理である。酸性洗浄処理は、内容物充填システム10内の流路に対して例えば水に酸性薬剤を添加した酸性洗浄液を流す処理である。殺菌処理(SIP処理)は、内容物の充填作業に入る前に、予め内容物が通過する流路内に加熱水蒸気又は熱水を流すことによって高温での殺菌処理を行う処理である。本実施の形態においては、洗浄処理(CIP処理)の後に、殺菌処理(SIP処理)を行っても良い。また、殺菌処理(SIP処理)を別途行うことなく、同時に洗浄処理及び殺菌処理を行う、洗浄殺菌処理(CSIP処理)が行われても良い。
(正流処理)
まず、正流処理について説明する。正流処理において、処理流体は正流方向(内容物充填時の流れ方向と同一の方向)に通過するか、又は正流方向に循環される。
この場合、予め第1バルブ64a及び第5バルブ64eが開放され、第2バルブ64b、第3バルブ64c及び第4バルブ64dが閉鎖される。正流処理においては、第3循環配管63cが用いられ、第1循環配管63a及び第2循環配管63bは用いられない。
続いて、処理流体投入部47から処理流体が内容物供給系配管45a~45d及び第3循環配管63cによって形成される配管系に送られる。この処理流体が通過又は循環することによって、当該配管系と、第1タンク42と、内容物殺菌装置40と、温度調整部43とが各々浄化される。
図4に示すように、例えば第1タンク42に処理流体が送り込まれ、この処理流体が通過又は循環することによって、上記配管系と、第1タンク42と、内容物殺菌装置40と、温度調整部43とが浄化される。なお、図4において、処理流体が通過する流路を太線で示している。
この間、処理流体は、内容物供給系配管45bに位置するポンプ46により、第4熱交換器66を介して内容物殺菌装置40に送り込まれる。処理流体は、第4熱交換器66内で第6流入口66cから流入した高温の処理流体と熱交換され、温度が上昇する。この処理流体は、熱交換ユニット50の第1流入口50aから内容物殺菌装置40に流入する。第1流入口50aから流入した処理流体は、第1熱交換器51a、第2熱交換器51b及び第3熱交換器51cを順次通過する。処理流体は、第1熱交換器51a、第2熱交換器51b及び第3熱交換器51c内で第2流入口50cから流入した高温の処理流体と熱交換され、温度が上昇する。温度が上昇した処理流体は、第1流出口50bから流出する。
加熱された処理流体は、循環系配管56内を流れ、加熱部52においてさらに加熱される。この加熱された処理流体は、ホールディングチューブ53に到達する。処理流体は、ホールディングチューブ53内を通過するのに一定時間(滞留時間)以上を要し、この間、所定温度以上を維持する。その後、処理流体は、循環系配管56から熱交換ユニット50の第2流入口50cに流入する。
第2流入口50cから流入した処理流体は、第3熱交換器51c、第2熱交換器51b及び第1熱交換器51aを順次通過する。処理流体は、第3熱交換器51c、第2熱交換器51b及び第1熱交換器51a内で第1流入口50aから流入した低温の処理流体と熱交換され、温度が降下する。温度が降下した処理流体は、第2流出口50dから流出する。
熱交換ユニット50の第2流出口50dから流出した処理流体は、内容物供給系配管45cを介して温度調整部43に到達する。次いで、処理流体は、内容物供給系配管45d、第5分岐部62eを順次介して、第3循環配管63cに達する。第3循環配管63cにおいて、処理流体は、第4熱交換器66を通過する。このとき処理流体は、第4熱交換器66内で第5流入口66aから流入した低温の処理流体と熱交換され、温度が降下する。
処理流体として水すすぎ液が用いられる場合(水すすぎ処理)、処理流体は、第3循環配管63cから外部に排出される。処理流体としてアルカリ性洗浄液、酸性洗浄液、又は熱水が用いられる場合(アルカリ性洗浄処理、酸性洗浄処理、SIP処理)、処理流体は、循環する。このため、処理流体は、第3循環配管63cから第1タンク42に達する。その後、処理流体は、ポンプ46によって再び第1タンク42から熱交換ユニット50に送られる。このようにして、アルカリ性洗浄液、酸性洗浄液、又は熱水は、内容物供給系配管45a~45d及び第3循環配管63cによって形成される配管系と、第1タンク42と、内容物殺菌装置40と、温度調整部43とを所定時間循環する。所定時間循環した後、アルカリ性洗浄液、酸性洗浄液、又は熱水は、外部に排出される。
処理流体がアルカリ性洗浄液又は酸性洗浄液である場合は、処理流体は、熱交換ユニット50によって加熱される。加熱された処理流体は、上記配管系、第1タンク42、内容物殺菌装置40及び温度調整部43に各々供給される。この循環が例えば5分間以上60分間以下程度行われると、上記配管系、第1タンク42、内容物殺菌装置40及び温度調整部43が各々適正に浄化処理される。また、同時に上記配管系、第1タンク42、内容物殺菌装置40及び温度調整部43が各々殺菌処理され、SIP処理を別途行うことなく同時にSIP処理が行われることになる(CSIP処理)。このように、内容物充填システム10の各種機器をCIP処理により洗浄することと同時に、滅菌処理も併せて行うことにより、SIP処理に必要な時間を短縮又はSIP処理そのものを削除できる。これにより、内容物充填システム10の製品の切り換え時間を短縮し、生産能力を向上できる。またCSIP処理中、第1タンク42、ポンプ46、及び第4熱交換器66を流れる処理流体は、内容物殺菌装置40及び温度調整部43を流れる処理流体よりも温度が低い。このため、第1タンク42、ポンプ46、及び第4熱交換器66は、SIP処理の対象から外しても良い。
(逆流処理)
次に、逆流処理について説明する。逆流処理において、処理流体は逆流方向(内容物充填時の流れ方向と反対の方向)に通過するか、又は逆流方向に循環される。
この場合、予め第2バルブ64b及び第3バルブ64cが開放され、第1バルブ64a、第4バルブ64d及び第5バルブ64eが閉鎖される。逆流処理においては、第1循環配管63a、第2循環配管63b及び第3循環配管63cが用いられる。
このとき、図5に示すように、処理流体投入部47から処理流体が内容物供給系配管45a~45d及び循環配管63a~63cによって形成される配管系に送られる。逆流処理なおいて、処理流体が正流処理と逆方向に循環する。これにより、内容物供給系配管45a~45d及び循環配管63a~63cによって形成される配管系と、温度調整部43と、内容物殺菌装置40と、第1タンク42とが浄化される。なお、図5において、処理流体が通過する流路を太線で示している。
この間、処理流体は、内容物供給系配管45bに位置するポンプ46により、第1分岐部62aを経由して第1循環配管63aに送り込まれる。続いて、処理流体は、第3分岐部62c、第3循環配管63c、第5分岐部62e、内容物供給系配管45dを順次介して温度調整部43に流入する。この間、処理流体は、第3循環配管63cに位置する第4熱交換器66を通過する。処理流体は、第4熱交換器66内で第5流出口66bから流入した高温の処理流体と熱交換され、温度が上昇する。
次いで、処理流体は、内容物供給系配管45cを介して、熱交換ユニット50の第2流出口50dから流入する。第2流出口50dから流入した処理流体は、第1熱交換器51a、第2熱交換器51b及び第3熱交換器51cを順次通過する。処理流体は、第1熱交換器51a、第2熱交換器51b及び第3熱交換器51c内で第1流出口50bから流入した高温の処理流体と熱交換され、温度が上昇する。温度が上昇した処理流体は、第2流入口50cから流出する。
この加熱された処理流体は、循環系配管56を介して、ホールディングチューブ53に到達する。処理流体は、ホールディングチューブ53内を通過するのに一定時間(滞留時間)以上を要し、この間、所定温度以上を維持する。続いて、処理流体は、加熱部52においてさらに加熱される。その後、処理流体は、循環系配管56から熱交換ユニット50の第1流出口50bに流入する。
第1流出口50bから流入した処理流体は、第3熱交換器51c、第2熱交換器51b及び第1熱交換器51aを順次通過する。処理流体は、第3熱交換器51c、第2熱交換器51b及び第1熱交換器51a内で第2流出口50dから流入した低温の処理流体と熱交換され、温度が降下する。温度が降下した処理流体は、第1流入口50aから流出する。
熱交換ユニット50の第1流入口50aから流出した処理流体は、内容物供給系配管45b、第2分岐部62bを順次介して第2循環配管63bに達する。この間、処理流体は、内容物供給系配管45bに位置する第4熱交換器66を通過する。処理流体は、第4熱交換器66内で第6流出口66dから流入した低温の処理流体と熱交換され、温度が下降する。
処理流体として水すすぎ液が用いられる場合(水すすぎ処理)、処理流体は、第2循環配管63bから外部に排出される。処理流体としてアルカリ性洗浄液、酸性洗浄液、又は熱水が用いられる場合(アルカリ性洗浄処理、酸性洗浄処理、SIP処理)、処理流体は、循環する。このため、処理流体は、第2循環配管63b及び第4分岐部62dを順次介して、第1タンク42に達する。その後、処理流体は、ポンプ46によって再び第1タンク42から温度調整部43に送られる。このようにして、アルカリ性洗浄液、酸性洗浄液、又は熱水は、内容物供給系配管45a~45d及び循環配管63a~63cによって形成される配管系と、温度調整部43と、内容物殺菌装置40と、第1タンク42とを所定時間循環・洗浄する。所定時間循環した後、アルカリ性洗浄液、酸性洗浄液、又は熱水は、外部に排出される。
逆流処理においても、上記配管系、第1タンク42、内容物殺菌装置40及び温度調整部43が各々適正に浄化処理されるとともに殺菌処理されても良い(CSIP処理)。
なお、上記では正流処理を行った後、逆流処理を行う。これに限らず、はじめに逆流処理を行い、その後、正流処理を行っても良い。これにより、熱交換器51a~51cに付着した汚れの性状によって、洗浄時間を短縮でき、エネルギーの削減に寄与する。あるいは、正流処理を行った後、逆流処理を行い、その後、再度正流処理を行っても良い。これにより、熱交換器51a~51c内の洗浄不良箇所を効果的に洗浄することが可能になり、洗浄時間の短縮、蒸気使用量の削減、二酸化酸素排出量の削減、洗浄液の削減、節水、及び排水の削減が実現できる。
ところで、上述した正流処理を行う場合、熱交換器51a~51cの内部の一部に処理流体が十分に到達せず、洗浄が不十分になる箇所が存在することが判明した。とりわけ、図3に示すように、胴側入口54cから空間Sに流入した処理流体は、胴側出口54d及び一方の管板72a側に向けて流れる(図3の実線矢印F1)。また一般に、熱交換器51a~51cにおいて、胴側入口54cは他方の管板72bから多少離間した位置に設けられている。このため、シェル71内部のうち、他方の管板72bと胴側入口54cとの間の領域(図3の符号Rで示す領域)には、処理流体が十分に進入せず、洗浄箇所にムラが生じ、この領域Rの洗浄が不十分になるおそれがある。なお、一方の管板72a側の領域には処理流体が流れ込むため、十分に洗浄が行われる。
これに対して本実施の形態によれば、上述したように、正流処理に加えて、逆流処理を行う。逆流処理においては、正流処理と逆方向に処理流体を流す。この場合、図3に示すように、胴側出口54dから空間Sに流入した処理流体は、胴側入口54c及び他方の管板72b側に向けて流れる(図3の破線矢印F2)。このため、シェル71内部のうち、他方の管板72bと胴側入口54cとの間の領域Rまで処理流体が十分に流入し、この領域Rを十分洗浄できる。
なお、内容物調合部41、充填装置20及び第2タンク44についても、別途アルカリ性洗浄液を用いた洗浄・殺菌と、酸性洗浄液を用いた洗浄・殺菌とを行う。
洗浄処理及び殺菌処理が終了した後、第1タンク42に内容物が貯められ、続いて内容物が内容物殺菌装置40を通って充填装置20に達し、ボトル90内へ内容物の充填作業を行う製造工程が開始される。
(洗浄処理及び殺菌処理の処理パターン)
次に、上述したCIP処理(洗浄処理)、SIP処理(殺菌処理)、CSIP処理(洗浄殺菌処理)の処理パターンの例について説明する。CIP処理、SIP処理、CSIP処理においては、水すすぎ液を用いた水すすぎ処理、アルカリ性洗浄液を用いたアルカリ性洗浄処理、酸性洗浄液を用いた酸性洗浄処理、又は熱水を用いた殺菌処理の一部又は全部が行われる。
図6(a)-(e)に示すように、例えば内容物充填工程(製造工程)の後、CIP処理、SIP処理という順番で処理を実施し、その後、次の内容物充填工程(製造工程)を実施しても良い。なお、図6(a)-(e)に示すアルカリ性洗浄処理及び酸性洗浄処理の順番は一例であり、対象となる汚れの洗浄性に合わせて、適宜変更しても構わない。
(パターン1)
図6(a)に示すように、CIP処理において、(1)水すすぎ処理、(2)アルカリ性洗浄処理、(3)水すすぎ処理、(4)酸性洗浄処理、(5)水すすぎ処理を実施し、その後、(6)熱水によるSIP処理を実施しても良い。このうち、(1)水すすぎ処理、(2)アルカリ性洗浄処理、(3)水すすぎ処理、及び(6)SIP処理が、正流処理に対応する。(4)酸性洗浄処理、及び(5)水すすぎ処理が、逆流処理に対応する。
(パターン2)
図6(b)に示すように、CIP処理において、(1)水すすぎ処理、(2)アルカリ性洗浄処理、(3)水すすぎ処理、(4)酸性洗浄処理、(5)水すすぎ処理を実施し、その後、(6)熱水によるSIP処理を実施しても良い。このうち、(1)水すすぎ処理、(4)酸性洗浄処理、(5)水すすぎ処理、及び(6)SIP処理が、正流処理に対応する。(2)アルカリ性洗浄処理、及び(3)水すすぎ処理が、逆流処理に対応する。
(パターン3)
図6(c)に示すように、CIP処理において、(1)水すすぎ処理、(2)酸性洗浄処理、(3)水すすぎ処理、(4)アルカリ性洗浄処理、(5)水すすぎ処理を実施し、その後、(6)熱水によるSIP処理を実施しても良い。このうち、(1)水すすぎ処理、(3)水すすぎ処理、(5)水すすぎ処理、及び(6)SIP処理が、正流処理に対応する。(2)酸性洗浄処理、及び(4)アルカリ性洗浄処理が、逆流処理に対応する。
(パターン4)
図6(d)に示すように、CIP処理において、(1)水すすぎ処理、(2)1回目の酸性洗浄処理、(3)2回目の酸性洗浄処理、(4)水すすぎ処理、(5)1回目のアルカリ性洗浄処理、(6)2回目のアルカリ性洗浄処理を実施し、その後、(7)熱水によるSIP処理を実施しても良い。このうち、(1)水すすぎ処理、(2)1回目の酸性洗浄処理、(5)1回目のアルカリ性洗浄処理、及び(7)SIP処理が、正流処理に対応する。(3)2回目の酸性洗浄処理、(4)水すすぎ処理、及び(6)2回目のアルカリ性洗浄処理が、逆流処理に対応する。
(パターン5)
図6(e)に示すように、CIP処理において、(1)水すすぎ処理、(2)1回目の酸性洗浄処理、(3)2回目の酸性洗浄処理、(4)1回目のアルカリ性洗浄処理、(5)2回目のアルカリ性洗浄処理を実施し、その後、(6)熱水によるSIP処理を実施しても良い。このうち、(1)水すすぎ処理、(2)1回目の酸性洗浄処理、(4)1回目のアルカリ性洗浄処理、及び(6)SIP処理が、正流処理に対応する。(3)2回目の酸性洗浄処理、及び(5)2回目のアルカリ性洗浄処理が、逆流処理に対応する。
図7(a)-(c)に示すように、例えば内容物充填工程(製造工程)の後、CIP処理、CSIP処理という順番で処理を実施し、その後、次の内容物充填工程(製造工程)を実施しても良い。なお、図7(a)-(c)に示す酸性洗浄処理及びアルカリ性洗浄処理の順番は一例であり、対象となる汚れの洗浄性に合わせて、適宜変更しても構わない。
(パターン6)
図7(a)に示すように、CIP処理において、(1)水すすぎ処理、(2)酸性洗浄処理、(3)水すすぎ処理を実施し、その後、CSIP処理において、(4)アルカリ性洗浄処理、(5)水すすぎ処理を実施しても良い。このうち、(1)水すすぎ処理、(4)アルカリ性洗浄処理、及び(5)水すすぎ処理が、正流処理に対応する。(2)酸性洗浄処理、及び(3)水すすぎ処理が、逆流処理に対応する。
(パターン7)
図7(b)に示すように、CIP処理において、(1)水すすぎ処理、(2)1回目の酸性洗浄処理、(3)2回目の酸性洗浄処理、(4)1回目のアルカリ性洗浄処理を実施し、その後、CSIP処理において、(5)2回目のアルカリ性洗浄処理、(6)水すすぎ処理を実施しても良い。このうち、(1)水すすぎ処理、(2)1回目の酸性洗浄処理、(5)2回目のアルカリ性洗浄処理、及び(6)水すすぎ処理が、正流処理に対応する。(3)2回目の酸性洗浄処理、及び(4)1回目のアルカリ性洗浄処理が、逆流処理に対応する。
(パターン8)
図7(c)に示すように、CIP処理において、(1)水すすぎ処理、(2)1回目の酸性洗浄処理、(3)2回目の酸性洗浄処理、(4)1回目のアルカリ性洗浄処理、(5)2回目のアルカリ性洗浄処理を実施し、その後、CSIP処理において、(6)水すすぎ処理を実施しても良い。このうち、(1)水すすぎ処理、(2)1回目の酸性洗浄処理、(5)2回目のアルカリ性洗浄処理、及び(6)水すすぎ処理が、正流処理に対応する。(3)2回目の酸性洗浄処理、及び(4)1回目のアルカリ性洗浄処理が、逆流処理に対応する。
上述したパターン1~8に例示されるように、洗浄処理方法及び殺菌処理方法の最終工程は、正流処理工程であることが好ましい。これにより、加熱部52からホールディングチューブ53までの無菌状態を維持したまま、且つホールディングチューブ53以降の熱交換器51a~51cを通過する処理流体の送液圧力が、ホールディングチューブ53以前を通過する前記処理流体の送液圧力よりも高い状態のまま(安全背圧が逆転することなく)、生産状態に移行できる。
上述したパターン5、7、8に例示されるように、酸性洗浄処理とアルカリ性洗浄処理との間には、水すすぎ処理を行わなくても良い。この場合、酸性洗浄処理の直後にアルカリ性洗浄処理が行われても良い。あるいは、アルカリ性洗浄処理の直後に酸性洗浄処理が行われても良い。これにより、洗浄時間を短縮し、節水を実現し、かつ省エネルギーに寄与できる。またpHアタック(局部的で急激なpH変化)による洗浄効果が得られる場合もある。酸性洗浄液のpHは、例えば1以上3以下であり、アルカリ性洗浄液のpHは例えば11以上13以下である。すなわちpHアタックのpH範囲は、例えば8以上12以下である。pHアタックのpH範囲とは、アルカリ性洗浄液のpHと酸性洗浄液のpHとの差をいう。
下記の表は、上述したCIP処理(洗浄処理)、SIP処理(殺菌処理)、CSIP処理(洗浄殺菌処理)のそれぞれの処理時において、内容物充填システム10の各場所を流れる処理流体の温度を示す。具体的には、内容物充填システム10の第1タンク42、内容物供給系配管45b、第1循環配管63a、第1流入口50a、第1流出口50b、第2流入口50c、第2流出口50d、内容物供給系配管45c、内容物供給系配管45d、第6流入口66c、第6流出口66d及び第2循環配管63bにおける温度を示している。
(処理流体の加熱方法)
次に、上述した洗浄殺菌処理(CSIP処理)時における、処理流体の加熱方法について説明する。
洗浄殺菌処理(CSIP処理)時において、処理流体は、内容物殺菌装置40に送り込まれ、内容物殺菌装置40の加熱部52で加熱される。この加熱された処理流体は、ホールディングチューブ53を通過して熱交換ユニット50に供給される。処理流体は、ホールディングチューブ53内を通過するのに一定時間(滞留時間)以上を要し、この間、所定温度以上を維持する。
ホールディングチューブ53内を通過する処理流体の殺菌の程度については、F値によって管理されても良い。例えば、ホールディングチューブ53内に処理流体を流しつつ、ホールディングチューブ53の出口側の温度を測定しても良い。この場合、制御部60に出口側の温度情報が一定時間間隔で送られる。制御部60は、この温度情報に基づいて、その時点でのF値を演算する。ここでF値とは、細菌を一定時間加熱したとき、全ての細菌を死滅させるのに要する加熱時間であり、基準温度における細菌の致死時間で示され、下記の式によって算出される。
上記式中、Tはホールディングチューブ53の出口側で測定された温度(℃)、10^{(T-Tr)/Z}は殺菌温度Tでの致死率、Trは基準温度(℃)、ZはZ値(℃)を表す。またt(分)はホールディングチューブ53内を処理流体が通過するのに要する(最小)滞留時間であり、予め所定の値として定められている。あるいは、ホールディングチューブ53内の処理流体の流量と、ホールディングチューブ53の体積量より処理流体が実際に通過した時間をリアルタイムに計測した値をt1(分)としても良い。洗浄殺菌時のF値は、次に製造する内容物の品種の殺菌条件以上で行うか、F3以上(Z=10℃)で行うと良い。
制御部60は、出口側の温度に基づいて演算されたF値を監視し、この値が所定値以上を維持していれば、洗浄処理を続行する。すなわち、制御部60は、一定時間間隔で送られた温度情報に基づき、10^{(T-Tr)/Z}の値を積算していく。そして現在の時点からその直前t(分)間における当該積算値をその時点におけるF値とする。制御部60は、このF値が所定値以上を維持していれば、ホールディングチューブ53内を通過する処理流体の無菌性が担保されているとして、洗浄処理を続行する。一方、制御部60は、F値が所定値を下回った場合、何らかのトラブルが発生し、処理流体の無菌性が担保されなくなったと判断して、洗浄処理を停止しても良い。
なお、殺菌の方法は上述したようにF値を算出して殺菌する方法に限らず、例えば従来から知られているように温度と時間を用いた殺菌方法を採用しても良い。
このように本実施の形態によれば、制御部60は、正流処理と、逆流処理とを行う。正流処理は、処理流体を第1流入口50a、第1流出口50b、加熱部52、第2流入口50c及び第2流出口50dの順で通過させる。逆流処理は、処理流体を第2流出口50d、第2流入口50c、加熱部52、第1流出口50b及び第1流入口50aの順で通過させる。これにより、熱交換器51a~51cの内部のうち、正流処理で洗浄しにくい箇所を逆流処理で洗浄できる。例えば、逆流処理により、熱交換器51a~51cの他方の管板72bと胴側入口54cとの間の領域R(図3参照)を洗浄できる。反対に、熱交換器51a~51cの内部のうち、逆流処理で洗浄しにくい箇所を正流処理で洗浄できる。これにより、内容物充填システム10の洗浄処理時における洗浄性を高めることができる。
また、変形例として、図3に示す熱交換器51a~51cにおいて、管側入口54aから管側出口54bを流れる処理流体と、胴側入口54cから胴側出口54dを流れる流処理流体とを互いに逆方向に送液しても良い。この送液方向は、熱交換器51a~51c内の汚れの付着状況に合わせて適宜変更しても良い。
また、他の変形例として、逆流処理は、熱交換器51a~51cのうち、タンパク質が変性する60℃以上に加熱される熱交換器51a~51cのみに対して行っても良い。この場合、熱交換器51a~51cに図示しないバイパス流路を設けても良い。これにより、例えば、第1熱交換器51aは正流処理のみを行い、第2熱交換器51bと第3熱交換器51cとは、正流処理と逆流処理との両方を行えるようにしても良い。
また本実施の形態によれば、熱交換ユニット50の第1流出口50bと第2流入口50cとが加熱部52を介して連結されている。この場合、熱交換ユニット50を通過する流体を加熱又は冷却するための別の媒体を準備する必要がない。これにより、熱交換ユニット50の設置面積を減らすことができる。また、熱交換ユニット50の熱回収率を高め、省エネルギー化を図ることができる。さらに、熱交換ユニット50のメンテナンスコストを低減できる。
また本実施の形態によれば、内容物殺菌装置40は、ホールディングチューブ53を有する。ホールディングチューブ53内に一定の滞留時間(ホールディング時間)、滅菌温度を保った状態で内容物又は処理流体等の流体が滞留することにより、流体の無菌性を担保できる。
また本実施の形態において、ホールディングチューブ53以降の熱交換器51a~51cの流路(空間S)における処理流体の圧力を、熱交換される相手側の流路(チューブ73)における処理流体の圧力よりも高く維持しても良い。とりわけ内容物充填工程(製造)の直前の正流処理時において、処理流体の圧力を上記関係を満たすようにすることが好ましい。これにより、とりわけ内容物充填工程において処理流体の無菌性を担保できる。
また本実施の形態によれば、内容物殺菌装置40において殺菌された内容物の温度を充填温度に調整する温度調整部43を更に備える。これにより、充填装置20による内容物の充填温度を適切に制御できる。
また本実施の形態によれば、正流処理及び逆流処理において、加熱部52によって処理流体が加熱される。この場合、内容物が通過する流路をCIP処理により洗浄することと同時に、滅菌処理も併せて行うことができる。これにより、SIP処理に必要な時間を短縮又はSIP処理そのものを削除できる。この結果、内容物充填システム10の製品の切り換え時間を短縮し、生産能力を向上できる。
また、内容物充填システム10は、内容物殺菌装置40と充填装置20との間の位置と、第1タンク42とを連結する第3循環配管63cを更に備える。これにより、正流処理及び逆流処理において、第1タンク42と内容物殺菌装置40との間で処理流体を循環できる。
上記において、内容物充填システムとして、無菌充填方式を用いる内容物充填システム10を例にとって説明したが、これに限られるものではない。内容物充填システムとしては、例えば55℃以上95℃以下の高温下で内容物を充填するホット充填方式を用いる内容物充填システムであっても良い。チルド飲料やアルコール飲料など、CIP処理の後、SIP処理(微生物の不活性化)する内容物を充填する内容物充填システムであっても良い。
上記実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 内容物充填システム
20 充填装置
40 内容物殺菌装置
41 内容物調合部
42 第1タンク
43 温度調整部
44 第2タンク
45a~45d 内容物供給系配管
50 熱交換ユニット
50a 第1流入口
50b 第1流出口
50c 第2流入口
50d 第2流出口
51a~51c 熱交換器
52 加熱部
53 ホールディングチューブ
60 制御部
90 ボトル

Claims (14)

  1. 内容物を充填する内容物充填システムであって、
    前記内容物を殺菌する内容物殺菌装置と、
    前記内容物殺菌装置において殺菌された前記内容物を充填する充填装置と、
    前記内容物充填システムを制御する制御部と、を備え、
    前記内容物殺菌装置は、少なくとも1つの熱交換器を含む熱交換ユニットと、前記熱交換ユニットに接続された加熱部とを有し、
    前記熱交換ユニットは、第1流入口と、前記第1流入口に連通する第1流出口と、第2流入口と、前記第2流入口に連通する第2流出口と、を有し、
    前記第1流出口と前記第2流入口とが前記加熱部を介して連結され、
    前記制御部は、
    処理流体を前記第1流入口、前記第1流出口、前記加熱部、前記第2流入口及び前記第2流出口の順で通過させる正流処理と、
    前記処理流体を前記第2流出口、前記第2流入口、前記加熱部、前記第1流出口及び前記第1流入口の順で通過させる逆流処理とを行う、内容物充填システム。
  2. 前記内容物殺菌装置は、ホールディングチューブを有する、請求項1に記載の内容物充填システム。
  3. 前記内容物殺菌装置において殺菌された前記内容物の温度を充填温度に調整する温度調整部を更に備えた、請求項1に記載の内容物充填システム。
  4. 前記制御部は、前記正流処理、前記逆流処理、前記正流処理の順に洗浄処理を行う、請求項1に記載の内容物充填システム。
  5. 前記正流処理及び前記逆流処理において、前記加熱部によって前記処理流体が加熱される、請求項1に記載の内容物充填システム。
  6. 前記内容物殺菌装置に接続された第1タンクを更に備えた、請求項1に記載の内容物充填システム。
  7. 前記内容物殺菌装置と前記充填装置との間の位置と、前記第1タンクとを連結する循環配管を更に備えた、請求項6に記載の内容物充填システム。
  8. 前記循環配管に追加の熱交換器が設けられ、前記第1タンクは、内容物供給系配管を介して前記内容物殺菌装置に接続され、前記追加の熱交換器は、前記内容物供給系配管を流れる前記処理流体と、前記循環配管を流れる前記処理流体との間で熱交換を行う、請求項7に記載の内容物充填システム。
  9. 前記熱交換ユニット内で前記ホールディングチューブ以降を通過する前記処理流体の送液圧力が、前記ホールディングチューブ以前を通過する前記処理流体の送液圧力よりも高い、請求項2に記載の内容物充填システム。
  10. 内容物を充填する内容物充填システムを洗浄処理又は殺菌処理する処理方法であって、
    前記内容物充填システムは、前記内容物を殺菌する内容物殺菌装置と、前記内容物殺菌装置において殺菌された前記内容物を充填する充填装置と、を備え、
    前記内容物殺菌装置は、少なくとも1つの熱交換器を含む熱交換ユニットと、前記熱交換ユニットに接続された加熱部とを有し、前記熱交換ユニットは、第1流入口と、前記第1流入口に連通する第1流出口と、第2流入口と、前記第2流入口に連通する第2流出口と、を有し、
    前記処理方法は、
    処理流体を前記第1流入口、前記第1流出口、前記加熱部、前記第2流入口及び前記第2流出口の順で通過させる正流処理工程と、
    前記処理流体を前記第2流出口、前記第2流入口、前記加熱部、前記第1流出口及び前記第1流入口の順で通過させる逆流処理工程と、を備えた、処理方法。
  11. 前記正流処理工程、前記逆流処理工程、前記正流処理工程の順に洗浄処理を行う、請求項10に記載の処理方法。
  12. 前記処理方法の最終工程は、前記正流処理工程である、請求項10に記載の処理方法。
  13. 前記正流処理工程又は前記逆流処理工程である、アルカリ性洗浄処理工程と、
    前記正流処理工程又は前記逆流処理工程である、酸性洗浄処理工程と、を含み、
    前記アルカリ性洗浄処理工程は、前記酸性洗浄処理工程の前又は後に行われ、
    前記アルカリ性洗浄処理工程と前記酸性洗浄処理工程との間に、水すすぎ処理を行わない、請求項10に記載の処理方法。
  14. 前記酸性洗浄処理工程の直後に前記アルカリ性洗浄処理工程が行われ、あるいは、前記アルカリ性洗浄処理工程の直後に前記酸性洗浄処理工程が行われ、前記アルカリ性洗浄処理工程において用いられる前記処理流体のpHと、前記酸性洗浄処理工程において用いられる前記処理流体のpHとの差が、8以上12以下である、請求項13に記載の処理方法。
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