JP2023174164A - 結晶粒径予測プログラム、結晶粒径予測装置、及び結晶粒径予測方法 - Google Patents

結晶粒径予測プログラム、結晶粒径予測装置、及び結晶粒径予測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Zrを含有するアルミニウム合金母材の結晶粒径の予測が可能な結晶粒径予測プログラムを提供する。【解決手段】本開示の一態様は、アルミニウム合金の溶湯におけるチタン(Ti)とジルコニウム(Zr)との質量比に基づいて、溶湯に添加されたTiB2を含有する微細化剤の実効効率を推測することと、実効効率から算出される微細化剤におけるTiB2の有効量と、微細化剤の溶湯への投入前におけるTiB2の粒度分布と、を予測モデルに入力することによって、溶湯の凝固により形成されるアルミニウム合金母材の結晶粒径を取得することと、をコンピュータに実行させる結晶粒径予測プログラムである。【選択図】図2

Description

本開示は、結晶粒径予測プログラム、結晶粒径予測装置、及び結晶粒径予測方法に関する。
アルミニウム合金の鋳造で用いられる添加剤として、TiBを含有する微細化剤が公知である(特許文献1参照)。この微細化剤は、TiBによってアルミニウム合金母材の結晶粒を微細化する。
特開2021-123789号公報
鋳造されるアルミニウム合金母材の結晶粒は、微細化剤の添加量によってある程度予測可能である。しかしながら、Zrを含有するアルミニウム合金では、TiBによる微細化能が低下することが知られている。そのため、微細化剤を添加したアルミニウム合金母材の結晶粒径の予測は困難である。
本開示の一局面は、Zrを含有するアルミニウム合金母材の結晶粒径の予測が可能な結晶粒径予測プログラムを提供することを目的とする。
本開示の一態様は、アルミニウム合金の溶湯におけるチタン(Ti)とジルコニウム(Zr)との質量比に基づいて、溶湯に添加されたTiBを含有する微細化剤の実効効率を推測することと、実効効率から算出される微細化剤におけるTiBの有効量と、微細化剤の溶湯への投入前におけるTiBの粒度分布と、を予測モデルに入力することによって、溶湯の凝固により形成されるアルミニウム合金母材の結晶粒径を取得することと、をコンピュータに実行させる結晶粒径予測プログラムである。
本開示の別の態様は、アルミニウム合金の溶湯におけるチタン(Ti)とジルコニウム(Zr)との質量比に基づいて、溶湯に添加されたTiBを含有する微細化剤の実効効率を推測するように構成された実効効率推測部と、実効効率から算出される微細化剤におけるTiBの有効量と、微細化剤の溶湯への投入前におけるTiBの粒度分布と、を予測モデルに入力することによって、溶湯の凝固により形成されるアルミニウム合金母材の結晶粒径を取得するように構成された結晶粒径取得部と、を備える結晶粒径予測装置である。
本開示の別の態様は、アルミニウム合金の溶湯におけるチタン(Ti)とジルコニウム(Zr)との質量比に基づいて、溶湯に添加されたTiBを含有する微細化剤の実効効率を推測する工程と、実効効率から算出される微細化剤におけるTiBの有効量と、微細化剤の溶湯への投入前におけるTiBの粒度分布と、を予測モデルに入力することによって、溶湯の凝固により形成されるアルミニウム合金母材の結晶粒径を取得する工程と、を備える結晶粒径予測方法である。
これらのような構成によれば、微細化剤の機能低下を考慮して、Zrを含有するアルミニウム合金母材の結晶粒径の予測が可能となる。すなわち、発明者は、TiとZrとの質量比と、微細化剤の機能(つまり実効効率)の低下とに相関関係があることを発見し、この相関関係を用いることで、アルミニウム合金母材の結晶粒径を予測可能とする本開示に至った。
図1は、実施形態における結晶粒径予測装置の模式的な構成図である。 図2は、実効効率の判定式の一例を示すグラフである。 図3は、図1の結晶粒径予測装置が実行する処理を概略的に示すフロー図である。 図4は、実施例における結晶粒径の予測値と実測値との関係を示すグラフである。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
<アルミニウム合金の製造方法>
本開示は、アルミニウム合金の製造方法で得られるアルミニウム合金母材の結晶粒径の予測を行うことを意図している。アルミニウム合金の製造方法は、溶解工程と、鋳造工程とを有する。
当該アルミニウム合金の製造法において得られるアルミニウム合金鋳塊は、ケイ素(Si)と、鉄(Fe)と、銅(Cu)と、マグネシウム(Mg)と、マンガン(Mn)とからなる群より選択される1種又は2種以上の元素と、Ti(チタン)と、Zr(ジルコニウム)と、B(ホウ素)と、を含有し、残部がアルミニウム(Al)と不可避的不純物とからなる。
アルミニウム合金鋳塊において、Siの含有量は、例えば0.01質量%以上14.0質量%以下である。Feの含有量は、例えば0.01質量%以上2.0質量%以下である。Cuの含有量は、例えば0.01質量%以上7.0質量%以下である。Mgの含有量は、例えば0.01質量%以上7.0質量%以下である。Mnの含有量は、例えば0.01質量%以上2.0質量%以下である。Tiの含有量は、例えば0.003質量%以上0.3質量%以下である。Zrの含有量は、例えば0.01質量%以上1.0質量%以下である。Bの含有量は、例えば0.0001質量%以上0.0040質量%以下である。
アルミニウム合金鋳塊は、アルミニウム合金母材と、TiB粒子と、化学成分に応じた晶出物とを含む。アルミニウム合金母材は、アルミニウム原子と、アルミニウム合金鋳塊の化学成分に応じた固溶元素とを含む。アルミニウム合金母材は、多数の結晶粒から構成される。アルミニウム合金母材の結晶粒径は、アルミニウム合金鋳塊の化学成分に応じて変化する。
(溶解工程)
本工程では、アルミニウム合金の溶湯に、TiBを含有する微細化剤(以下、「TiB微細化剤」ともいう。)を添加し、TiB微細化剤を溶解させる。本工程では、TiB微細化剤の添加後に溶湯を撹拌するとよい。
TiB微細化剤は、アルミニウムで構成された基体と、TiB粒子とを含む。基体の形状は、特に限定されず、例えば棒状又は板状とすることができる。TiB粒子は、基体中に存在している。
TiB微細化剤におけるTiB粒子の含有量は、例えば0.2質量%以上4.0質量%以下である。また、TiB微細化剤が添加された溶湯におけるTiBの含有量は、例えば3.2ppm以上128ppm以下である。
TiB微細化剤において、TiB粒子は、凝集していてもよいし、凝集せずに一次粒子の状態で基体中に分散していてもよい。TiB粒子は、TiB微細化剤の溶解によって、溶湯中で分散する。
(鋳造工程)
本工程では、TiB微細化剤を溶解させた溶湯を冷却により鋳造する。鋳造方法としては、例えば半連続鋳造又は連続鋳造が用いられる。
溶湯の凝固過程において、溶湯中に分散しているTiB粒子は、異質核としてアルミニウム合金母材の結晶粒の成長起点となる。これにより、アルミニウム合金母材の結晶粒が微細化される。
<結晶粒径予測装置及び結晶粒径予測プログラム>
図1に示す結晶粒径予測装置1は、上述のアルミニウム合金の製造方法において、TiBを含有する微細化剤が添加されたアルミニウム合金母材の結晶粒径の予測を行うための装置である。
結晶粒径予測装置1は、例えば、プロセッサと、RAM、ROM等の記録媒体と、入出力部とを備えるコンピュータにより構成される。記録媒体に記録された結晶粒径予測プログラムは、結晶粒径予測装置1を構成するコンピュータに、TiB微細化剤の実効効率を推測することと、アルミニウム合金母材の結晶粒径を取得することとを実行させる。結晶粒径予測装置1は、実効効率推測部2と、結晶粒径取得部3と、記憶部4とを有する。
(実効効率推測部)
実効効率推測部2は、アルミニウム合金の溶湯におけるTiとZrとの質量比に基づいて、溶湯に添加されたTiB微細化剤の実効効率を推測するように構成されている。
本開示における「実効効率」とは、溶湯に添加されたTiB微細化剤全量のうち、微細化剤(つまり結晶粒の成長核)として実際に機能する量の割合を示す係数であり、1以下の数値である。
発明者は、TiB微細化剤の添加後の溶湯におけるTiに対するZrの質量比(Zr/Ti)が大きいほど、微細化剤の機能が低下する(つまり結晶粒の成長核の数が減少する)ことを発見した。
具体的には、溶湯に添加される前のTiB粒子は、表面にAlTiの二次元化合物を有する。このAlTiの二次元化合物とα-Alとの整合度の高さに起因して、TiB粒子の微細化能が発揮される。
一方で、溶湯におけるTiに対するZrの質量比が高くなるほど、AlTiがTiZrに置換されやすくなる。その結果、TiB粒子表面のAlTiの二次元化合物が減少し、実効効率が小さくなると推測される。したがって、TiB微細化剤の実効効率は、TiB粒子におけるAlTiがTiZrに置換されない割合を意味する。
実効効率推測部2は、記憶部4に記憶されている判定式を用いて、実効効率を推測する。判定式は、Tiに対するZrの質量比(つまりZr/Tiの値)の入力を受けて、実効効率を出力する関数である。
判定式は、例えば、TiBの添加量、Zrの含有量、及びTiの含有量が既知のアルミニウム合金における母材の結晶粒径の実測値から経験則的に求められる。具体的には、実測された結晶粒径が得られるときのTiBの理論添加量を算出し、この理論添加量を実測されたTiBの添加量で除することで実効効率を求める。これにより、実効効率と実測されたZr/Tiの値との相関関係を求め、判定式を算出する。
図2に判定式の一例を示す。図2の横軸はZr/Ti、縦軸は実効効率である。図2の複数の菱形は実測点であり、直線Dが複数の実測値を内挿して得られた判定式である。図2の直線D(つまり判定式)は、下記式(1)で表される。式(1)中、Eは実効効率、ZrはZrの質量、TiはTiの質量である。
E=-0.3ln(Zr/Ti)+1.1 ・・・(1)
判定式では、Zr/Tiが大きくなるに連れて、実効効率は小さくなる。したがって、実効効率は、TiB微細化剤の添加後の溶湯におけるTiに対するZrの質量比が大きいほど、小さく推測される。
(結晶粒径取得部)
結晶粒径取得部3は、推測された実効効率から算出されるTiB微細化剤におけるTiBの有効量と、TiB微細化剤の溶湯への投入前におけるTiBの粒度分布と、を予測モデルに入力することによって、溶湯の凝固により形成されるアルミニウム合金母材の結晶粒径を取得するように構成されている。
TiBの有効量は、実際のTiBの溶湯への添加量に、実効効率を乗じたものである。TiBの有効量は、実際のTiBの添加量以下である。なお、TiBの溶湯への添加量は、TiB微細化剤の溶湯への添加量に、TiB微細化剤におけるTiBの含有割合を乗じたものである。
TiB微細化剤におけるTiBの粒度分布は、例えば、三次元CT観察、エッチングによりTiB粒子を露出させた試料のSEM観察等によって測定される体積基準の粒度分布である。
予測モデルが出力するアルミニウム合金母材の結晶粒径は、アルミニウム合金母材における平均結晶粒径であり、例えば、ASTM E112-60Tに準拠した切片法(又は切断法)で測定される値である。アルミニウム合金母材の平均結晶粒径は、例えば、50μm以上5000μm以下である。
予測モデルは、TiBの有効量とTiBの粒度分布とを環境条件として、アルミニウム合金母材の結晶粒径を予測するシミュレータである。より具体的には、結晶粒径取得部3は、TiBの有効量及び粒度分布に加えて鋳造条件を含む製造パラメータを、予測モデルに入力する。鋳造条件には、溶湯の化学成分及び冷却速度が含まれる。
予測モデルは、過去のアルミニウム合金の製造実績(つまり製造パラメータと得られたアルミニウム合金母材の結晶粒径との関係)に基づいて構築される。また、予測モデルは、例えば、多変量解析、機械学習等の統計学的手法によって構築されてもよい。
予測モデルとしては、例えば、「皆川、“Al-Ti-B系微細化剤添加によるアルミニウム鋳造組織微細化に及ぼすTiB粒子サイズの影響”、軽金属、一般社団法人軽金属学会、2021年、第71巻、第1号、p.16-17」に開示された「結晶粒径予測モデル」が使用できる。
具体的には、上述の結晶粒径予測モデルでは、一定の時間間隔における1m当たりの溶湯の温度変化を下記式(2)で計算する。式(2)中、Tは、n回目の時間間隔後の溶湯温度、Rは冷却速度である。
n+1=T-R・dt ・・・(2)
結晶粒径予測モデルは、TiB粒子の有効量及び粒度分布と、式(2)で求めた温度変化とから、粒度が(d+δd)の範囲内の粒子の個数N(dgr)をそれぞれ計算する。なお、dはTiB粒子の直径であり、δdは粒度分布幅である。
結晶粒径予測モデルは、TiB粒子の粒度に応じて、臨界過冷度を下記式(3)で計算する。式(3)中、ΔTfgは臨界過冷度、σSLは固相と液相との界面エネルギ、ΔSは融解エントロピー、dはTiB粒子の直径である。
ΔTfg=4σSL/(ΔS・d) ・・・(3)
結晶粒径予測モデルは、過冷度が臨界過冷度を超えた場合に、結晶粒の成長量を下記式(4)で計算する。式(4)中、rは、n回目の時間間隔後の結晶粒の半径、Vは成長速度であり、下記式(5)で計算される。式(5)中、λは固液海面における溶質濃度分布から決定されるパラメータ、Dは液相中の溶質拡散係数である。
n+1=r+V・dt ・・・(4)
V=(λ ・D)/2r ・・・(5)
結晶粒径予測モデルは、結晶粒の成長量に応じて排出される潜熱を全結晶粒に対して計算し、次の時間間隔に移る際に潜熱の総和(つまり全潜熱量を比熱で除した値)を溶湯温度に加算する。結晶粒径予測モデルは、時間間隔ごとの上述のプロセスを繰り返し、溶湯の凝固が完了したと判定される時点で計算を終了する。
<処理フロー>
以下、図3のフロー図を参照しつつ、結晶粒径予測装置1が実行する処理の一例について説明する。
本処理では、結晶粒径予測装置1は、まず、アルミニウム合金の製造パラメータを取得する(ステップS110)。製造パラメータには、溶湯の化学成分、TiB微細化剤の仕様、及び鋳造時の冷却速度が含まれる。TiB微細化剤の仕様には、添加量、種類(つまり化学成分)、及びTiB粒子の粒度分布が含まれる。
製造パラメータの取得後、結晶粒径予測装置1は、判定式を用いて実効効率を推測する(ステップS120)。次に、結晶粒径予測装置1は、推測した実効効率を用いて、TiBの有効量を計算する(ステップS130)。
TiBの有効量の計算後、結晶粒径予測装置1は、求めた有効量を用いて予測モデルによる鋳造のシミュレーションを行う。具体的には、まず、結晶粒径予測装置1は、鋳造における溶湯の抜熱量を計算する(ステップS140)。
次に、結晶粒径予測装置1は、抜熱量に基づいて溶湯の過冷度を計算する(ステップS150)。続いて、結晶粒径予測装置1は、過冷度に基づいて溶湯における粒成長する核の個数を計算する(ステップS160)。さらに、結晶粒径予測装置1は、溶湯における結晶の成長量を計算する(ステップS170)。
結晶の成長量の計算後、結晶粒径予測装置1は、溶湯の潜熱放出量を計算し(ステップS180)、各ステップの凝固体積から溶湯の凝固が完了したか否か判定する(ステップS190)。
凝固が完了していない場合(S190:NO)、結晶粒径予測装置1は、抜熱量計算(S140)から計算を繰り返す。凝固が完了した場合(S190:YES)、結晶粒径予測装置1は、凝固した鋳塊における結晶粒径を取得する(ステップS200)。
<結晶粒径予測方法>
本開示の結晶粒径予測方法は、推測工程と、取得工程とを備える。
推測工程は、図3のフローにおける製造パラメータ取得S110から実効効率推測S120までに相当する。推測工程では、アルミニウム合金の溶湯におけるTiとZrとの質量比に基づいて、溶湯に添加されたTiB微細化剤の実効効率を推測する。
取得工程は、図3のフローにおけるTiB有効量計算S130から結晶粒径取得S200までに相当する。取得工程では、実効効率から算出されるTiB微細化剤におけるTiBの有効量と、微細化剤の溶湯への投入前におけるTiBの粒度分布と、を予測モデルに入力することによって、溶湯の凝固により形成されるアルミニウム合金母材の結晶粒径を取得する。
[1-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)実効効率を推測することで、TiB微細化剤の機能低下を考慮して、Zrを含有するアルミニウム合金母材の結晶粒径の予測が可能となる。
(1b)実効効率がTiB微細化剤の添加後の溶湯におけるTiに対するZrの質量比が大きいほど小さく推測されることで、アルミニウム合金母材における結晶粒径の予測精度が高められる。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(2a)上記実施形態の結晶粒径予測プログラムは、目的とするアルミニウム合金母材の結晶粒径の入力を受けて、推測された実効効率と、既知のTiBの有効量とアルミニウム合金母材の結晶粒径との関係とに基づいて、TiBを含有する微細化剤の必要量を算出することをコンピュータに実行させてもよい。つまり、上記実施形態の結晶粒径予測装置は、結晶粒径取得部に加えて、又は結晶粒径取得部に替えて、このような微細化剤の必要量を算出する必要量算出部を備えてもよい。
(2b)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
[3.実施例]
以下に、本開示の効果を確認するために行った試験の内容とその評価とについて説明する。
アルミニウム合金の製造において、本開示の結晶粒径予測プログラム、結晶粒径予測装置及び結晶粒径予測方法を用いて予測したアルミニウム合金母材の結晶粒径と、鋳造後に実際に測定したアルミニウム合金母材の結晶粒径とを比較した。その結果を図4に示す。
図4の横軸はアルミニウム合金母材の結晶粒径の実測値であり、縦軸はアルミニウム合金母材の結晶粒径の予測値である。図4における実測値と予測値との相関関係を示す決定係数R(つまり図4の破線の傾き)は、0.9922であった。この結果から、予測値と実測値とが非常に強い相関関係にあり、高い精度で結晶粒径が予測できたことが示される。
なお、本実施例で製造したアルミニウム合金の溶湯におけるZr及びTiの含有量、微細化剤を含む溶湯全量に対するTiBの添加量、並びに推測された実効効率は下記表1の通りである。
Figure 2023174164000002
1…結晶粒径予測装置、2…実効効率推測部、3…結晶粒径取得部、4…記憶部。

Claims (4)

  1. アルミニウム合金の溶湯におけるチタン(Ti)とジルコニウム(Zr)との質量比に基づいて、前記溶湯に添加されたTiBを含有する微細化剤の実効効率を推測することと、
    前記実効効率から算出される前記微細化剤におけるTiBの有効量と、前記微細化剤の前記溶湯への投入前におけるTiBの粒度分布と、を予測モデルに入力することによって、前記溶湯の凝固により形成されるアルミニウム合金母材の結晶粒径を取得することと、
    をコンピュータに実行させる、結晶粒径予測プログラム。
  2. 請求項1に記載の結晶粒径予測プログラムであって、
    前記実効効率は、前記微細化剤の添加後の前記溶湯におけるTiに対するZrの質量比が大きいほど、小さく推測される、結晶粒径予測プログラム。
  3. アルミニウム合金の溶湯におけるチタン(Ti)とジルコニウム(Zr)との質量比に基づいて、前記溶湯に添加されたTiBを含有する微細化剤の実効効率を推測するように構成された実効効率推測部と、
    前記実効効率から算出される前記微細化剤におけるTiBの有効量と、前記微細化剤の前記溶湯への投入前におけるTiBの粒度分布と、を予測モデルに入力することによって、前記溶湯の凝固により形成されるアルミニウム合金母材の結晶粒径を取得するように構成された結晶粒径取得部と、
    を備える、結晶粒径予測装置。
  4. アルミニウム合金の溶湯におけるチタン(Ti)とジルコニウム(Zr)との質量比に基づいて、前記溶湯に添加されたTiBを含有する微細化剤の実効効率を推測する工程と、
    前記実効効率から算出される前記微細化剤におけるTiBの有効量と、前記微細化剤の前記溶湯への投入前におけるTiBの粒度分布と、を予測モデルに入力することによって、前記溶湯の凝固により形成されるアルミニウム合金母材の結晶粒径を取得する工程と、
    を備える、結晶粒径予測方法。
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