JP2023173496A - 永久磁石界磁、回転機、リニアモータ - Google Patents

永久磁石界磁、回転機、リニアモータ Download PDF

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Abstract

【課題】永久磁石界磁の熱減磁をより適切に抑制することが可能な技術を提供する。【解決手段】本開示の一実施形態に係る回転子20は、永久磁石22と、永久磁石22が埋設される鉄心21と、永久磁石22に隣接して設けられる吸熱部材24と、を備え、永久磁石22は、電機子としての固定子10と鎖交する磁束を発生させ、鉄心21は、永久磁石22の主磁束と直交する方向の端部に隣接するように配置される空洞部23を有し、吸熱部材24は、空洞部23に配置される。【選択図】図1

Description

本開示は、永久磁石界磁等に関する。
例えば、回転機やリニアモータ等の電動機の永久磁石界磁の熱減磁を抑制する技術が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1では、埋込磁石同期電動機の回転子において、磁束短絡防止孔の形状を工夫するとともに逆極性磁場を熱損失で減衰させるための金属板を配置し、永久磁石に発生する渦電流を低減させることにより、永久磁石の温度上昇を抑制している。
特開2014-87076号公報
しかしながら、特許文献1では、例えば、電機子のコイルに過電流が流れ、その結果、永久磁石の温度が急激に上昇するような状況が想定されていない。そのため、特許文献1の構成では、永久磁石の温度が減磁を引き起こす程度まで上昇してしまう可能性がある。よって、永久磁石界磁の熱減磁の抑制の観点で改善の余地がある。
そこで、上記課題に鑑み、永久磁石界磁の熱減磁をより適切に抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
永久磁石と、
前記永久磁石に隣接して設けられる吸熱部材と、を備える、
永久磁石界磁が提供される。
また、本開示の他の実施形態では、
上述の永久磁石界磁を備える、
回転機が提供される。
また、本開示の更に他の実施形態では、
上述の永久磁石界磁を備える、
リニアモータが提供される。
上述の実施形態によれば、永久磁石界磁の熱減磁をより適切に抑制することができる。
回転機の一例を示す横断面図である。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
[回転機の構成]
図1を参照して、本実施形態に係る回転機1の構成について説明する。
図1は、回転機1の一例を示す横断面図である。具体的には、回転機1の回転軸(シャフト30)と直交する平面による断面図である。
図1に示すように、回転機1は、固定子10と、回転子20と、シャフト30とを含む。
例えば、回転機1は、外部から供給される三相交流により駆動される同期機である。
固定子10は、回転子20に対して、回転機1の回転軸を中心とする径方向(以下、単に「径方向」)の外側に配置される。固定子10は、図示しない回転機1の筐体に固定される。
固定子10は、電機子であり、鉄心11と、コイル12とを含む。
鉄心11は、コイル12の電機子電流により発生する磁界の磁路として機能する。鉄心11は、例えば、電磁鋼板や圧粉磁心等の軟磁性材料によって形成される。鉄心11は、バックヨーク部11Aと、ティース部11Bとを含む。
バックヨーク部11Aは、略円筒形状を有する。「略」は、製造上の誤差等を許容する意図であり、以下、同様の意図で用いる。
ティース部11Bは、バックヨーク部11Aの内周面から径方向の内側に向かって突出する。ティース部11Bは、複数(本例では、6個)設けられ、回転機1の回転軸を中心とする周方向(以下、単に「周方向」)に略等間隔で配置される。隣り合うティース部11B同士の間には、コイル12が収容されるスロット(以下、便宜的に「コイルスロット」)が形成される。
尚、ティース部11Bの数、即ち、隣接する2つのティース部11Bの間に形成されるコイルスロットの数は、5個以下であってもよいし、7個以上であってもよい。例えば、回転機1が三相交流で駆動される場合、ティース部11B(コイルスロット)の数は、12個や24個であってもよい。
コイル12は、ティース部11Bに巻き回され、電機子電流を流す。例えば、図1に示すように、コイル12は、集中巻線方式によって、ティース部11Bごとに巻き回される。また、コイル12は、分布巻線方式によって、複数のティース部11Bを跨ぐように巻き回されてもよい。
鉄心11とコイル12との間は、絶縁部によって電気的な絶縁が確保される。
例えば、絶縁部は、鉄心11とコイル12との間に配置されるPET(Polyethylene Terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)製の絶縁フィルムである。また、絶縁部は、コイル12の導線に形成される絶縁皮膜(コーティング)であってもよい。
回転子20は、固定子10に対して、径方向の内側に配置される。回転子20は、所定のエアギャップAGを介して、固定子10と径方向で対向している。
回転子20は、永久磁石界磁であり、鉄心21と、永久磁石22と、空洞部23と、吸熱部材24とを含む。
鉄心21は、固定子10(コイル12)の電機子電流による磁界、及び永久磁石22による磁界の磁路として機能する。鉄心11は、例えば、電磁鋼板や圧粉磁心等の軟磁性材料によって形成される。
鉄心21は、回転機1の回転軸と略同心の円柱形状を有する。鉄心21の径方向の中心には、回転機1の回転軸に沿う軸方向(以下、単に「軸方向」)に貫通する貫通孔が設けられ、シャフト30が軸方向に挿通される形で鉄心21に固定される。
また、鉄心21には、永久磁石22を埋設するためのスロット(以下、便宜的に「磁石スロット」)が設けられる。
永久磁石22は、電機子としての固定子10に鎖交する磁界を発生させる。永久磁石22は、例えば、ネオジム焼結磁石やフェライト磁石等である。
永久磁石22は、複数(本例では、4個)設けられ、鉄心21の外周面よりも内側の所定の径方向の位置において、周方向に略等間隔で配置される。
尚、永久磁石22は、3個以下であってもよいし、5個以上であってもよい。
永久磁石22は、軸方向に見たときに、一方の組の辺が他方の組の辺よりも十分に長い態様の細長い略矩形形状を有し、長辺が略中央で径方向と略直交するように配置される。永久磁石22は、短辺の両端部で互いに異なる極性(N極及びS極)を有するように着磁されている。
尚、図1の永久磁石22の形状は、一例であり、永久磁石22は、他の形状を有していてもよい。例えば、永久磁石22は、軸方向に見たときに、径方向で内側に凸のV字型やU字型の形状を有してもよい。また、永久磁石22は、軸方向に見てV字型の形状を有する場合、細長い矩形形状を有する2つの磁石部材の組み合わせによってV字型の形状が実現されてもよい。この場合、2つの磁石部材は、磁気的に並列配置される。また、永久磁石22は、軸方向に見てU字型の形状を有する場合、一の磁石部材によって、曲線状に構成されるU字型の形状が実現されてもよいし、細長い矩形形状を有する複数の磁石部材の組み合わせによって、U字型の形状が実現されてもよい。この場合、複数の磁石部材は、磁気的に並列配置される。また、永久磁石22は、径方向に複数個が磁気的に直列配置される形で並べられてもよい。
永久磁石22は、固定子10に対向する面に着磁されている磁極が周方向で隣り合う他の永久磁石22と異なるように配置される。例えば、一の永久磁石22の固定子10に対向する面にS極が着磁されている場合、一の永久磁石22と周方向で隣り合う他の永久磁石22の固定子10に対向する面には、N極が着磁される。
空洞部23は、永久磁石22の主磁束と直交する方向の両端部に隣接するように配置される。本例では、空洞部23は、軸方向に見たときに、略矩形形状の永久磁石22の長辺に沿う方向の両端部に隣接するように配置される。
空洞部23は、永久磁石22の主磁束と直交する方向の両端部での磁束の短絡を抑制するフラックスバリアとして機能する。これにより、永久磁石22の磁束の短絡によって、固定子10と鎖交する磁束が減少し、回転機1のトルクが低下するような事態を抑制することができる。
尚、図1の空洞部23の形状は、一例であり、フラックスバリアとしての機能が担保される限り、空洞部23には任意の形状が採用されてよい。
鉄心21において、空洞部23及び磁石スロットは連通する一体の空洞部として形成され、回転機1の製造工程では、一体の空洞部のうちの磁石スロットに相当する箇所に永久磁石22が挿入された後に固定される。
吸熱部材24は、永久磁石22に隣接して配置され、永久磁石22から吸熱可能な部材である。これにより、吸熱部材24が永久磁石22から熱を吸収し永久磁石22の温度上昇を抑制することができる。そのため、例えば、永久磁石22の温度が急激に上昇し、構造上の放熱経路を通じた永久磁石22からの放熱だけでは熱減磁が生じる温度域への到達を回避できない状況であっても、吸熱部材24の作用で、永久磁石22の熱減磁を抑制することができる。特に、永久磁石22の一部分の温度が急上昇するような状況では、その熱が放熱経路を通じて放熱されるまでのタイムラグが大きくなり、熱減磁が生じやすくなるところ、吸熱部材24の作用で、永久磁石22の熱減磁を効果的に抑制できる。
吸熱部材24に吸収された熱は、永久磁石22の温度が下がると、永久磁石22や鉄心21等に放出され、通常の放熱経路を通じて回転子20の外部に放熱される。
例えば、図1に示すように、吸熱部材24は、透磁率が鉄心21よりも小さい材料、即ち、非磁性材料で形成され、空洞部23に配置される。具体的には、吸熱部材24は、空洞部23の全体のうちの永久磁石22と隣接する一部分に埋設されてよい。これにより、空洞部23をフラックスバリアとしての機能と永久磁石22からの吸熱の機能との双方に兼用することができる。そのため、回転機1の磁気回路への影響を回避しつつ、効率的に、吸熱部材24を配置することができる。
尚、図1の吸熱部材24の形状(断面視で三角形)は、一例であり、例えば、永久磁石22との接触面積を極力大きくする等、永久磁石22からの熱の吸収に効果的な仕様である限り、吸熱部材24には任意の形状が採用されてよい。
例えば、吸熱部材24は、非磁性体であり且つ永久磁石22の熱減磁を生じる温度域よりも低い相転移(相変化)温度を有し、相転移の際の潜熱によって、永久磁石22から熱を吸収が可能な材料(以下、便宜的に「潜熱吸熱材料」)を含む。潜熱吸熱材料は、例えば、二酸化バナジウム(VO)等のバナジウム酸化物である。
二酸化バナジウムは、低温側の絶縁相と高温側の金属相との間の相転移温度が67℃付近にある。これにより、例えば、70℃程度の温度で熱減磁が生じるような低グレードの永久磁石22が採用される場合であっても、その熱減磁を抑制することができる。
吸熱部材24は、潜熱吸熱材料に加えて、非磁性体であり且つ熱伝導率が潜熱吸熱材料よりも高い材料(以下、便宜的に「高熱伝導材料」)を含んでもよい。高熱伝導部材は、例えば、銅である。これにより、永久磁石22から吸熱部材24へより素早く熱を移動させることができる。
例えば、吸熱部材24は、潜熱吸熱材料及び高熱伝導材料の双方の微細な粉末が混合された後にプレス(圧縮)成形された圧粉体を焼結させることにより形成される焼結体である。この際、潜熱吸熱材料は、例えば、上述のバナジウム酸化物のように、高熱伝導材料よりも十分に熱伝導率が小さい材料であってもよい。これにより、熱伝導率と電気伝導率との間には正の相関関係があり、吸熱部材24を鎖交する永久磁石22の漏れ磁束によって高熱伝導材料に渦電流が生じうるところ、高熱伝導材料と混合される潜熱吸熱材料の作用により、渦電流の発生を抑制できる。そのため、渦電流による吸熱部材24の発熱を抑制しつつ、永久磁石22から吸熱部材24へより素早く熱を移動させることができる。
高熱伝導材料は、吸熱部材24において、永久磁石22と吸熱部材24との接触面と交差する方向に熱伝導し易くなるように配置されてもよい。具体的には、潜熱吸熱材料は、吸熱部材24において、永久磁石22と吸熱部材24との接触面と交差する特定の方向への熱伝導度が他の方向への熱伝導度よりも高くなるように配置されてよい。これにより、吸熱部材24における高熱伝導材料の体積比率を極力小さくしながら、永久磁石22から吸熱部材24の内部に向かう特定の方向の熱伝導度を高めることができる。そのため、より多くの熱をより素早く永久磁石22から吸熱部材24に吸収させることができる。また、高熱伝導材料の体積比率を制限することができることから、吸熱部材24を鎖交する永久磁石22の漏れ磁束による高熱伝導材料の渦電流の発生を抑制することができる。そのため、渦電流による吸熱部材24の発熱を抑制しつつ、永久磁石22から吸熱部材24へより素早く熱を移動させることができる。
例えば、吸熱部材24は、上記と同様の焼結体であり、高熱伝導材料は、厚みが小さく横に広がるような平たい形状を有する扁平な粉末である。これにより、高熱伝導材料の粉末は、プレス成形の際に、その小さい厚みに相当する方向とプレス方向とが一致するように向きが整えられ、その結果、その横に広がる方向に並ぶように配置される。そのため、高熱伝導材料の粉末が並ぶ方向が永久磁石22と吸熱部材24との接触面と交差するように吸熱部材24を構成することで、永久磁石22から吸熱部材24の内部に向かう特定の方向の熱伝導度を高めることができる。
また、高熱伝導材料は、シート状に成形され、潜熱吸熱材料で形成される部材に張り付けられたり、潜熱吸熱材料で形成される部材同士の間に挟まれるように配置されたりしてもよい。これにより、シート状の高熱伝導材料が広がる方向が永久磁石22と吸熱部材24との接触面と交差するように吸熱部材24を構成することで、永久磁石22から吸熱部材24の内部に向かう特定の方向の熱伝導度を高めることができる。
シャフト30は、回転子20を軸方向に貫通し且つその軸方向の両端が露出するように、回転子20に一体として取り付けられる。そして、シャフト30は、軸方向の両端が軸受を介して回転機1の筐体に回転可能に支持される。具体的には、シャフト30は、軸方向に延びる円筒形状を有し、鉄心21に設けられる上記の貫通孔にその軸方向の両端が露出するように嵌入されてよい。これにより、回転子20は、シャフト30と一体として回転することができる。
[他の実施形態]
次に、他の実施形態について説明する。
上述の実施形態には、適宜変形や変更が加えられてもよい。
例えば、上述の実施形態において、永久磁石22の主磁束に直交する方向の両端部のうちの一方の両端部だけに隣接するように吸熱部材24が設けられてもよい。例えば、回転機1の回転方向が一方向に限定される場合、永久磁石22の主磁束に直交する方向の両端部のうちの熱減磁が生じやすい一方の端部のみに吸熱部材24が設けられる。
また、上述の実施形態やその変形・変更の例において、回転子20の複数の永久磁石22のうちの一部の永久磁石22のみに隣接するように吸熱部材24が設けられてもよい。例えば、実験やコンピュータシミュレーション等を通じて、熱減磁が生じる可能性が高い一部の永久磁石22が特定されている場合、その一部の永久磁石22のみを対象として、吸熱部材24が設けられる。
また、上述の実施形態やその変形・変更の例において、吸熱部材24は、空洞部23の全体を埋めるように空洞部23に埋設されてもよい。
また、上述の実施形態やその変形・変更の例において、吸熱部材24は、空洞部23に代えて、或いは、加えて、永久磁石22に隣接する他の箇所に設けられてもよい。例えば、吸熱部材24は、永久磁石22の軸方向の端部に隣接するように設けられてもよい。
また、上述の実施形態やその変形・変更の例において、吸熱部材24は、潜熱吸熱材料に代えて、或いは、加えて、永久磁石22よりも比熱が十分に大きい材料を含んでもよい。
また、上述の実施形態やその変形・変更の例における回転機1の永久磁石界磁(回転子20)の構成を含む技術的な思想は、リニアモータの永久磁石界磁に採用されてもよい。この場合、永久磁石界磁は、可動子であってもよいし、固定子であってもよい。
また、上述の実施形態やその変形・変更の例において、永久磁石界磁の永久磁石には、ハルバッハ配列が採用され、電機子と鎖交する磁束を生じる主磁石と、主磁石の電機子に対向する磁極面の磁束を強める補助磁石とが含まれてもよい。この場合、例えば、実験やコンピュータシミュレーション等に基づく熱減磁の発生の予測結果等を考慮して、吸熱部材は、主磁石及び補助磁石の双方に隣接して配置されてもよいし、何れか一方のみに隣接して配置されてもよい。
[作用]
次に、本実施形態に係る永久磁石界磁の作用について説明する。
従来、永久磁石界磁について、永久磁石が渦電流によって過熱しないように磁気回路に工夫がされたり、永久磁石やその周辺部材において発生した熱が外部に逃げやすいように構造に工夫がされたりする取り組みがなされている。
しかしながら、磁気回路が適切な設計であっても、想定しないような多大な過電流が電機子のコイルに流れると、永久磁石に急激な温度上昇が生じ、その結果、永久磁石に熱減磁が生じる可能性がある。また、永久磁石の一部分で温度が急激に上昇してしまうような状況では、構造の工夫だけでは熱を十分に外部に逃がすことができず、その結果、永久磁石が熱減磁に至ってしまう可能性がある。特に、ネオジム磁石は、残留磁束密度及び保磁力の双方が高い値を示すことから、強力な永久磁石界磁を作るのに適している一方で、保磁力の温度依存性が大きいことから、容易に熱減磁を起こし温度が低下しても磁力が回復しなくなる可能性が高い。
これに対して、本実施形態では、永久磁石界磁は、永久磁石と、吸熱部材と、を備える。永久磁石界磁は、例えば、回転子20である。永久磁石は、例えば、永久磁石22である。吸熱部材は、例えば、吸熱部材24である。具体的には、吸熱部材は、永久磁石に隣接して設けられる。
これにより、例えば、電機子のコイルの過電流に伴い永久磁石の温度が急激に上昇した場合や永久磁石の一部分の温度が急激に上昇した場合であっても、永久磁石の熱を隣接する吸熱部材に吸収させることができる。そのため、永久磁石の熱減磁をより適切に抑制することができる。
また、本実施形態では、永久磁石界磁は、永久磁石が埋設される鉄心を備えてもよい。鉄心は、例えば、鉄心21である。具体的には、永久磁石は、電機子と鎖交する磁束を発生させてよい。電機子は、例えば、固定子10である。また、鉄心は、永久磁石の主磁束と直交する方向の端部に隣接するように配置される空洞部を有してもよい。空洞部は、例えば、空洞部23である。そして、吸熱部材は、空洞部に配置されてもよい。
これにより、永久磁石の漏れ磁束を抑制するための空洞部を有効活用して、永久磁石の熱減磁を抑制することができる。
また、本実施形態では、吸熱部材は、相転移の際の潜熱により永久磁石から吸熱可能な第1の材料(潜熱吸熱材料)を含んでもよい。
これにより、熱減磁が生じる温度域よりも低い相転移温度を有する第1の材料を用いることで、永久磁石の熱減磁を抑制することができる。
また、本実施形態では、吸熱部材は、永久磁石よりも熱伝導率が大きい第2の材料(高熱伝導材料)を含んでもよい。
これにより、永久磁石から吸熱部材へ熱をより素早く吸収させることができる。
また、本実施形態では、第2の材料は、吸熱部材において、永久磁石と吸熱部材との接触面と交差する方向に熱伝導し易くなるように配置されてもよい。
これにより、吸熱部材における第2の材料の体積比率を高めることなく、永久磁石から吸熱部材に向かう方向の熱伝導度を選択的に高めることができる。そのため、第1の材料の体積比率を相対的に高く維持することができる。よって、永久磁石から吸熱部材へより多くの熱をより素早く吸収させることができる。
また、本実施形態では、第2の材料は、扁平な粉末であってもよい。そして、第2の材料の粉末は、その厚みの方向と直交する方向が永久磁石と吸熱部材との接触面と交差するように第1の材料と混合されていてもよい。
これにより、永久磁石から吸熱部材へより多くの熱をより素早く吸収させることができる。
また、本実施形態では、第1の材料は、バナジウム酸化物であってもよい。
これにより、バナジウム酸化物の相転移温度(約67℃)以上への温度上昇を抑制することができ、その結果、低グレードの永久磁石が採用される場合であっても、その熱減磁を抑制することができる。また、電気伝導率が第2の材料よりも十分に小さいバナジウム酸化物を用いることで、吸熱部材に鎖交する永久磁石の漏れ磁束に伴う渦電流の発生を抑制することができる。
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 回転機
10 固定子
11 鉄心
11A バックヨーク部
11B ティース部
12 コイル
20 回転子
21 鉄心
22 永久磁石
23 空洞部
24 吸熱部材
30 シャフト

Claims (9)

  1. 永久磁石と、
    前記永久磁石に隣接して設けられる吸熱部材と、を備える、
    永久磁石界磁。
  2. 前記永久磁石が埋設される鉄心を備え、
    前記永久磁石は、電機子と鎖交する磁束を発生させ、
    前記鉄心は、前記永久磁石の主磁束と直交する方向の端部に隣接するように配置される空洞部を有し、
    前記吸熱部材は、前記空洞部に配置される、
    請求項1に記載の永久磁石界磁。
  3. 前記吸熱部材は、相転移の際の潜熱により前記永久磁石から吸熱可能な第1の材料を含む、
    請求項1に記載の永久磁石界磁。
  4. 前記吸熱部材は、前記永久磁石よりも熱伝導率が大きい第2の材料を含む、
    請求項3に記載の永久磁石界磁。
  5. 前記第2の材料は、前記吸熱部材において、前記永久磁石と前記吸熱部材との接触面と交差する方向に熱伝導し易くなるように配置される、
    請求項4に記載の永久磁石界磁。
  6. 前記第2の材料は、扁平な粉末であり、
    前記粉末は、その厚みの方向と直交する方向が前記永久磁石と前記吸熱部材との接触面と交差するように前記第1の材料と混合されている、
    請求項5に記載の永久磁石界磁。
  7. 前記第1の材料は、バナジウム酸化物である、
    請求項3に記載の永久磁石界磁。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の永久磁石界磁を備える、
    回転機。
  9. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の永久磁石界磁を備える、
    リニアモータ。
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