JP2023173324A - 保温釜及びその制御方法 - Google Patents

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Keisuke Shimada
駿人 北浦
Hayato KITAURA
尚之 飯村
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Abstract

【課題】本発明は、減圧手段の頻繁な動作を抑制し、動作音の発生を抑え、消費電力減を図ることのできる保温釜を提供する。【解決手段】本発明に係る保温釜10は、上面開口11aを有る本体容器11と、本体容器に収容可能な内釜17と、本体容器の上面開口を塞ぐ蓋体20と、蓋体に装着され、内釜を覆う内蓋40と、内釜を加熱する加熱手段15,26と、内釜に連通する空気通路52,53と、空気通路に接続され、内釜内を減圧する減圧手段51と、内釜内の気圧を検知する圧力検知手段57と、制御装置70と、を具えた保温釜であって、制御装置は、所定の時間を計時する計時手段71を有し、制御装置は、減圧手段を作動させて第1圧力まで減圧を行なう初期減圧工程の後、計時手段が定期追引時間を計時したときに、減圧手段を作動させて、内釜内の圧力を第1圧力まで減圧させる定期追引工程を実行する。【選択図】図17

Description

本発明は、保温ジャーや炊飯器などの保温機能を有する保温釜に関するものであり、より詳細には、内釜からの空気通路を有する保温釜に関するものである。
保温機能を有するジャーや炊飯器などの保温釜では、ご飯を保温する際に、ご飯の酸化や黄ばみ、乾燥、においを抑えることが求められる。このため、保温釜の内蓋に排気孔を設け、蓋体内に配設された減圧ポンプを具える空気通路を連通させ、保温中、内釜内の空気を排出して減圧状態で維持している(たとえば特許文献1参照)。
ご飯の蒸気等により、内釜内の減圧状態は、次第に弱まっていく。このため、特許文献1では、内釜内の気圧を圧力センサーで常時モニタリングし、所定圧力以上が検知される度に減圧ポンプを作動させるように制御している。
実公平1-22599号公報 特開2011-244966号公報
しかしながら、上記制御では、圧力センサーを常時オンにし、また、頻繁に減圧ポンプが作動することになって、消費電力や動作音が増大する。
本発明の目的は、減圧手段の頻繁な動作を抑制し、動作音の発生を抑え、消費電力減を図ることのできる保温釜を提供することである。
本発明に係る保温釜は、
上面開口を有る本体容器と、
前記本体容器に収容可能な内釜と、
前記本体容器の前記上面開口を塞ぐ蓋体と、
前記蓋体に装着され、前記内釜を覆う内蓋と、
前記内釜を加熱する加熱手段と、
前記内釜に連通する空気通路と、
前記空気通路に接続され、前記内釜内を減圧する減圧手段と、
前記内釜内の気圧を検知する圧力検知手段と、
前記加熱手段、前記減圧手段を制御し、前記圧力検知手段の検知圧力を受信する制御装置と、
を具えた保温釜であって、
前記制御装置は、所定の時間を計時する計時手段を有し、
前記制御装置は、前記減圧手段を作動させて第1圧力まで減圧を行なう初期減圧工程の後、前記計時手段が定期追引時間を計時したときに、前記減圧手段を作動させて、前記内釜内の圧力を前記第1圧力まで減圧させる定期追引工程を実行する。
前記定期追引工程は、前記圧力検知手段で前記内釜内の圧力を検知し、検知された圧力が第2圧力以上の場合に、前記減圧手段を作動させて、前記内釜内の圧力を前記第1圧力まで減圧させ、検知された圧力が前記第2圧力未満の場合は、前記減圧手段を作動させないことが望ましい。
前記制御装置は、前記初期減圧工程の後、前記定期追引工程の前であって、前記計時手段が初期追引時間を計時したときに、前記減圧手段を作動させて、前記内釜内の圧力を前記第1圧力まで減圧させる初期追引工程を実行することができる。
また、本発明の保温釜の制御方法は、
上面開口を有する本体容器と、
前記本体容器に収容可能な内釜と、
前記本体容器の前記上面開口を塞ぐ蓋体と、
前記蓋体に装着され、前記内釜を覆う内蓋と、
前記内釜を加熱する加熱手段と、
前記内釜に連通する空気通路と、
前記空気通路に接続され、前記内釜内を減圧する減圧手段と、
前記内釜内の気圧を検知する圧力検知手段と、
所定の時間を計時する計時手段と、
を具えた保温釜の制御方法であって、
前記減圧手段を作動させて第1圧力まで減圧を行なう初期減圧工程と、
前記計時手段が定期追引時間を計時したときに、前記減圧手段を作動させて、前記内釜内の圧力を前記第1圧力まで減圧させる定期追引工程を実行する。
前記定期追引工程は、前記圧力検知手段で前記内釜内の圧力を検知し、検知された圧力が第2圧力以上の場合に、前記減圧手段を作動させて、前記内釜内の圧力を前記第1圧力まで減圧させ、検知された圧力が前記第2圧力未満の場合は、前記減圧手段を作動させないことが望ましい。
前記初期減圧工程の後、前記定期追引工程の前であって、前記計時手段が初期追引時間を計時したときに、前記減圧手段を作動させて、前記内釜内の圧力を前記第1圧力まで減圧させる初期追引工程を実行することができる。
本発明の保温釜及びその制御方法によれば、初期減圧工程の後、定期追引時間後に減圧手段を作動させて、減圧を行なうようにしている。定期追引時間は、比較的長い時間、たとえば、3~12時間とすることができる。これにより、減圧手段の頻繁な作動を抑制し、動作音の発生を抑え、消費電力減を達成できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る保温釜の斜視図である。 図2は、異なる方向から見た保温釜の斜視図である。 図3は、保温釜を内蓋着脱機構の中心を含む面で切断した断面図である。 図4は、蓋体の開状態の保温釜をトラップのポンプ側ポートを含む面で切断した断面図と、丸囲み部の拡大図である。 図5は、蓋体の開状態を示す保温釜の斜視図であって、蓋体に内蓋が取り付けられた状態を示している。 図6は、蓋体の開状態を示す保温釜の斜視図であって、内蓋なしの状態を示している。 図7は、図3の丸囲み部Aの拡大図である。 図8は、放熱板に取り付けられる各部品の分解図である。 図9は、放熱板を蓋体側空気通路に沿って断面した図である。 図10は、蓋体側係合部材の先端形状を示している。 図11は、(a)減圧機構の概略を示す説明図、(b)減圧時の空気通路、(c)真空解除時の空気通路、(d)手動による大気開放時の空気通路を示している。 図12は、蓋体側外殻突出部と本体側外殻突出部のカバーを外し、減圧機構等の配置を判り易く示す図である。 図13は、三方電磁弁の大気開放通路と栓パッキンの断面図である。 図14は、トラップの捕集ユニットの斜視図である。 図15は、捕集ユニットを内釜側ポートとポンプ側ポートを含む面で切断した断面図である。 図16は、本発明の保温釜の制御装置を含むブロック図である。 図17は、減圧機能実行中の内釜の圧力等を説明するグラフである。 図18は、減圧機能実行中の内釜の圧力等を説明するグラフであって、定期追引工程の変形例を示している。 図19は、三方電磁弁の大気開放通路から栓パッキンを外した状態を示す斜視図である。
本発明の一実施形態に係る保温釜10について、図面を参照しながら説明を行なう。なお、本明細書では、説明のため、蓋体20を開く際にユーザーが操作するレバー20a側(たとえば、図3の左側)を前、蓋体20の回動中心となるヒンジ部12側(同右側)を後ろと称する。
図1、図2は、保温釜10の外観斜視図、図3は、蓋体20が閉状態の保温釜10の縦断面図、図4は、蓋体20が開状態の保温釜10の縦断面図である。また、図5、図6は、蓋体20が開状態の保温釜10の斜視図であって、図5は、内蓋40付き、図7は、内蓋40を取り外した状態を示している。図7は、図3の丸囲み部Aの拡大図、図8、図9は、放熱板25に取り付けられる部品の分解図と断面図である。
本発明において、保温釜10とは、少なくとも保温機能と減圧機能を有する保温ジャーを意味する。保温釜10には、もちろん、保温機能、減圧機能の他、炊飯機能等を有する炊飯器を含む。保温釜10は、業務用、家庭用の何れであってもよい。また、以下では、保温釜10は内釜17にご飯を収容して保温する実施形態について説明するが、内釜17にはご飯以外の食材を収容し保温することもできる。
本発明の保温釜10は、図1乃至図4に示すように、本体容器11と、本体容器11に開閉可能に取り付けられた蓋体20を具える。
本体容器11は、図4に示すように上面開口11aを有し、内部に内釜17が収容可能な内容器14を有する。本体容器11の前端には、蓋体20を係止するレバー受け11bが設けられている。本体容器11の後端側は、後方に向けて外側に突出した本体側外殻突出部13を有する。本体側外殻突出部13の上端には蓋体20を弧回動可能に接続するヒンジ軸12a(拡大図)が設けられている。また、本体側外殻突出部13には、保温釜10の制御装置70と、減圧機構50(図11参照)の真空ポンプ51が収容されている。内容器14には、保温時に内釜17を昇温させる肩ヒーター15(加熱手段)と、内釜17の温度を測定する温度センサー16が配備されている。
内容器14に収容される内釜17は、有底筒状であり、内部に保温するためのご飯が収容される。内釜17は、上縁側に外向きに屈曲したフランジ部17aを有する。また、図示の内釜17は、取出しや持運び等のための持ち手17bが設けられている。
蓋体20は、図1乃至図4に示すように、上向き凹形状の外蓋22の中央よりやや後ろ後側から後端に蓋体側外殻突出部23が形成されている。蓋体側外殻突出部23には、図4の拡大図に示すように、本体容器11のヒンジ軸12aと回動可能に係合してヒンジ部12を構成するヒンジ軸受20bが形成されている。また、外蓋22の前端には、図1等に示すように、レバー受け11bに係止可能なレバー20aが設けられている。レバー20aは、蓋体開閉操作部を構成する。蓋体20は、レバー20aを引き操作し、蓋体20を上方向に持ち上げることで、ヒンジ軸12aを中心に弧回動して開閉する。
外蓋22の内部には、図7乃至図9に示すように、放熱板25と放熱板25を加熱する蓋ヒーター26を具える。蓋ヒーター26は、本発明の蓋加熱手段の一例である。放熱板25は、ステンレス板やアルミニウム板にアルマイト処理を施した金属製の薄板から構成することができ、図6、図8では、放熱板25は円板状としている。放熱板25には、図5及び図6に示すように、内蓋着脱機構30により、内蓋40が着脱可能となっている。具体的実施形態として、放熱板25の内蓋着脱機構30は、内蓋40に向けて突設された蓋体側係合部材31である。
内蓋40は、図5に示すように、放熱板25に着脱可能な円板である。内蓋40もステンレス板やアルミニウム板にアルマイト処理を施した金属製の円板とすることができる。内蓋40は、強度を高めるために径方向に向けて凹凸を形成している。内蓋40の外周には、蓋パッキン40bが嵌められており、図3に示すように、蓋体20を閉じたときに、内釜17のフランジ部17aに密着して、内蓋40を内釜17に気密に当接させる。内蓋40側の内蓋着脱機構30は、符号41で示す内蓋側係合部材である。
内蓋着脱機構30は、図7に拡大して示すように、放熱板25に設けられた蓋体側係合部材31と、内蓋40に設けられた内蓋側係合部材41を含む。図6は、蓋体20から内蓋40が取り外された状態を示しており、蓋体側係合部材31が、放熱板25から突設されている。内蓋40は、内蓋側係合部材41を蓋体側係合部材31に係合することで、図5に示すように放熱板25に装着される。本実施形態では、内釜17の減圧を行なう減圧機構50の一部を構成する蓋体側空気通路52を蓋体側係合部材31に形成している。
具体的実施形態として、蓋体側係合部材31は、図7乃至図9に示すように、放熱板25の中央から突出した筒部32と、筒部32の先端で拡径した抜止め部32aを具える。蓋体側係合部材31には、筒部32と抜止め部32aを貫通する蓋体側空気通路52が形成されている。
蓋体側係合部材31に蓋体側空気通路52を形成した場合、減圧機能を実行すると、蓋体側空気通路52の先端から内釜17内の空気が吸引される。このとき、ご飯粒などが抜止め部32aに付着すると、蓋体側空気通路52が詰まって、減圧を行なうことができない。そこで、図7乃至図10に示すように、抜止め部32aの先端には、蓋体側空気通路52に繋がる溝部32gを1又は複数形成する。図示では、十字形状に溝部を形成している。これにより、抜止め部32aにご飯粒などが付着しても、蓋体側空気通路52は横側、すなわち、溝部32gからも空気吸引できるから、蓋体側空気通路52の詰まりを防止できる。
蓋体側係合部材31は、図8、図9に示すように、筒部32にフランジ32bが突設されており、フランジ32bの直上にネジ32cが刻設されている。また、ネジ32cよりも上側は、後述する減圧機構50の空気通路53aに接続される接続部32dが延びている。放熱板25と蓋ヒーター26には中央にそれぞれ取付孔25a,26aが開設されており、蓋体側係合部材31は、接続部32dを上向きにして、先端を放熱板25と蓋ヒーター26の取付孔25a,26aに通し、ネジ32cをボルト32e等の締結手段にネジ止めすることで、放熱板25に取り付けることができる。これにより、蓋体側係合部材31は、放熱板25から下向きに突出した状態で配置される。
内蓋側係合部材41は、図7に示すように、内蓋40の中央に形成された取付孔40aに嵌まる筒状のシール部材である。内蓋側係合部材41には、蓋体側係合部材31が嵌まる係合孔41aが形成されている。内蓋側係合部材41は、ゴムやシリコーンなどの可撓性材料から作製される。係合孔41aは、蓋体側係合部材31を差し込んだときに、弾性変形して抜止め部32aを乗り越えて嵌まる内径とする。
本実施形態では、蓋体側係合部材31は、蓋体側空気通路52を兼ねている。このため、蓋体側空気通路52は、空気漏れなく内蓋40と気密に接続される必要がある。なぜなら、内蓋40と蓋体側係合部材31との間から空気漏れがあると、後述する減圧機能を実行させたときに、内釜17に空気が入り、減圧状態を維持できないからである。そこで、筒部32と係合孔41aとの間が気密に接触するよう、筒部32と係合孔41aの寸法を調整することが考えられる。しかしながら、内釜17を減圧させると、内蓋40が負圧により内釜17側に撓む。その結果、蓋体側係合部材31も下向きに引っ張られて、放熱板25を変形させる虞れがある。そこで、この放熱板25の変形を防止するため、蓋体側係合部材31の周りに気密性を高めるパッキン部材33を介在させることが望ましい。これにより、内蓋側係合部材41の係合孔41aと蓋体側係合部材31の筒部32は、若干余裕をもって、すなわち、空気を流通可能な隙間が生じる程度の寸法差を持たせることができる。
パッキン部材33は、図8、図9に示すように、蓋体側係合部材31の筒部32に嵌まる取付孔33aが形成された円板状の上板33bと、上板33bから下向きに拡径した拡径部33cを有する皿状の部品であり、可撓性材料から構成される。上板33bの取付孔33aは、蓋体側係合部材31のフランジ32bよりも内径が小さく形成されている。また、拡径部33cは、図7に示すように、内蓋40を取り付けたときに、パッキン部材33の周縁が内蓋40に当たる長さを有する。
パッキン部材33は、放熱板25に気密に当接するよう、図8に符号33eで示すように、取付孔33aの外周に環状リブを設けることが好適である。また、図示しないが、環状リブ33eの裏面側にも、フランジ32bと当接する位置に環状リブを設けることが好適である。
然して、上記のとおり、蓋体側係合部材31を放熱板25に取り付ける際に、パッキン部材33は、取付孔33aを接続部32d側から通して、放熱板25とフランジ32bとの間で上板33bを圧縮しつつネジ止めする。これにより、パッキン部材33と蓋体側係合部材31が気密に接続され、放熱板25へ抜ける空気漏れを遮断できる。環状リブ33eをパッキン部材33に設けた場合には、環状リブ33eが圧縮されることでさらに気密性を高めることができる。上記要領で内蓋40を放熱板25に装着したときに、パッキン部材33は図7に示すように内蓋40に気密に当接する。このパッキン部材33と内蓋40により形成される空間を陰圧空間33dと称する。
後述するとおり、減圧機能を実行すると、陰圧空間33dは負圧となって、パッキン部材33は内蓋40に吸着する。しかしながら、真空解除機能を実行して内釜17内を常圧に戻しても、筒部32と係合孔41aとの隙間から徐々に陰圧空間33dに空気が流れ込むだけで、常圧に戻るには時間が掛かる。このため、陰圧空間33dが負圧の間は、蓋体20から内蓋40を取り外そうとしても、負圧の陰圧空間33dによりパッキン部材33は内蓋40に吸着したままで、取り外すことはできない。そこで、図7(図9も参照)に示すように、筒部32には、蓋体側空気通路52と陰圧空間33dを繋ぐ連通孔32fを設けている。
上記構成の保温釜10について、内蓋40を放熱板25に取り付けるには、内蓋40の内蓋側係合部材41の係合孔41aを、放熱板25の蓋体側係合部材31の抜止め部32aに位置合わせする。そして、このまま内蓋40を放熱板25側に押し込めばよい。内蓋側係合部材41、蓋体側係合部材31をそれぞれ内蓋40、放熱板25の中心に設けた場合には、内蓋40は回転方向の取付向きを気にすることなく、係合孔41aと抜止め部32aを位置合わせするだけでよい。
内蓋40を放熱板25側に押し込むと、内蓋側係合部材41は、係合孔41aが蓋体側係合部材31の抜止め部32aに当たって弾性変形して拡径し、抜止め部32aの通過を許容する。そして、抜止め部32aが係合孔41aを通過した後は、内蓋側係合部材41の復元力により、係合孔41aは縮径し、抜止め部32aから抜けなくなる。これにより、ユーザーが内蓋40を引っ張らない限り、内蓋40は放熱板25に装着した状態を維持できる。このとき、パッキン部材33は、内蓋40に密着し、内蓋40とパッキン部材33により陰圧空間33dが形成される。なお、内蓋40をユーザーが引っ張ることで、内蓋側係合部材41が弾性変形して拡径し、抜止め部32aが係合孔41aを通過するから、容易に内蓋40を取り外すことができる。
内蓋40を放熱板25に取り付けることで、同時に、蓋体側係合部材31は、蓋体側空気通路52が内蓋40を貫通して内蓋40の下方に臨出する(図7参照)。
本実施形態の保温釜10は、保温時に内釜17内を減圧し、ご飯の酸化や黄ばみ、乾燥、においを抑える減圧機構50が配備されている。減圧機構50は、蓋体側空気通路52と連通する真空ポンプ51を具える。真空ポンプ51は、本発明の減圧手段の一例であり、その他、減圧ポンプ、ピストンなどであってもよい。図11(a)に示すように、蓋体20に設けられた蓋体側空気通路52(図8、図9も参照)は、空気通路53a~53fを介して真空ポンプ51に接続したものである。本実施形態では、蓋体側空気通路52は、上記した蓋体側係合部材31に形成している。すなわち、内蓋40を蓋体20に取り付ける際に、図5に示すように、蓋体側係合部材31の先端が内釜17に臨出するから、蓋体20を閉じることで、蓋体側空気通路52を内釜17に連通させることができる。
減圧機構50は、最も簡略化した構成の場合、真空ポンプ51と蓋体側空気通路52を接続した形態を例示できる。しかしながら、減圧以外に、減圧状態を解除(真空解除)や停電時等に減圧状態の内釜17を大気開放することが望まれる。そこで、図11(a)に示すように、減圧機構50は、蓋体側空気通路52、三方電磁弁54、二方電磁弁56、トラップ60、圧力センサー57、真空ポンプ51、及びこれらを接続する空気通路53a~53fを含む構成とすることができる。トラップ60は、内釜17から排気された空気中に含まれる蒸気を結露させて捕集する装置である。
図12は、蓋体側外殻突出部23と本体側外殻突出部13のカバーを外し、通路等の配置を判り易く示す図である。本実施形態では、三方電磁弁54、二方電磁弁56は、図12に示すように蓋体側外殻突出部23に配置している。また、図12は、トラップ60を取り外した状態であるが、図3に示すように、トラップ60は、蓋体側外殻突出部23の後端側に配置している。圧力センサー57及び真空ポンプ51は、本体側外殻突出部13に配置している。このように、トラップ60、圧力センサー57、真空ポンプ51を縦配置することで、省スペース化を図ることができ、保温釜10の小型化に貢献できる。
三方電磁弁54は、Tポートタイプ電磁弁を採用でき、通電時、図11(b)、図11(c)に示すように、Aポート54aとRポート54rが連通し、非通電時には図11(d)に示すようにAポート54aとPポート54pが接続される。Aポート54aは、空気通路53aと蓋体側空気通路52を介して内釜17と接続され、Rポート54rは、空気通路53bに接続されている。また、Pポート54pは、大気開放通路54bと接続されている。図13は、三方電磁弁54と大気開放通路54bを示す断面図である。図13や後述する図19に示すように、大気開放通路54bは、蓋体側外殻突出部23に形成された開口23aから露出するよう配置されている。そして、大気開放通路54bは、手動操作部となる栓パッキン55により通常時は閉塞されており、ユーザーによって手動で開閉装置される。具体的実施形態として、栓パッキン55は、ユーザーが指で摘まむタブ55aに、大気開放通路54bを塞ぐ栓部55bを設けた構成とすることができ、蓋体側外殻突出部23の開口23aに揺動可能に配置されている。栓パッキン55は、図2に示すように、蓋体側外殻突出部23の側面に露出するよう配置することができる。なお、栓パッキン55は、ユーザーが通常時に操作し難い位置に配置することが好適である。たとえば、図2では、蓋体側外殻突出部23の側面に形成している。
三方電磁弁54のRポート54rから延びる空気通路53bは、図11(a)に示すように、空気通路53cと空気通路53dに分岐しており、空気通路53cは、二方電磁弁56のPポート56pに接続される。二方電磁弁56のAポート56aは、吸気通路56bを介して大気開放されている。二方電磁弁56は、たとえば、常時閉電磁弁であって、通電時はPポート56pとAポート56aを連通させ、非通電時はPポート56pとAポート56aを遮断する。
空気通路53bから分岐した空気通路53dは、トラップ60に接続される。トラップ60は、内釜減圧時に内釜17から吸引された蒸気を含む空気から、蒸気を結露させて捕集する。効果的に結露を行なうために、トラップ60は、放熱板25及び蓋ヒーター26からの熱影響を受けて昇温することを抑え、トラップ60で蒸気を好適に結露させることが望ましい。このため、本実施形態では、トラップ60は、放熱板25及び蓋ヒーター26のような熱源と上下方向に重ならない蓋体側外殻突出部23の後方側に設けている。この位置にトラップ60を設けることで、放熱板25等の熱影響を受け難いだけでなく、トラップ60を外気に近い位置に配置できるから、トラップ60を外気で冷やすことができ、好適に結露を進行させることができる。
具体的実施形態として、トラップ60は、図12に示す蓋体側外殻突出部23に形成されたトラップベース24に、図14及び図15に示す捕集ユニット61を着脱可能としたものである。トラップベース24は、図12に示すように、空気通路53dに連通する内釜側ベース24aと、空気通路53eに連通するポンプ側ベース24bを具え、トラップ60には、図15に示すように、内釜側ベース24aとポンプ側ベース24bに連結可能な内釜側連結口63とポンプ側連結口64を具える。捕集ユニット61内には、図14、図15に示すように、結露による水分を溜める捕集部62が形成されている。内釜側連結口63は、捕集部62よりも上側に突出する筒状の内釜側ポート63aが形成されており、ポンプ側連結口64は、捕集部62よりも上側に突出する筒状のポンプ側ポート64a(減圧手段側ポート)が形成されている。
トラップ60は、空気通路53e側に水が流れると、真空ポンプ51や圧力センサー57の故障、動作不良等を招く。このため、ポンプ側ポート64aへの水の侵入を防止する必要がある。そこで、本実施形態では、ポンプ側ポート64aは、図15に示すように、内釜側ポート63aよりも高さを高くしている。これにより、捕集部62に水が符号Hで示すほど溜まっても、ポンプ側ポート64aには流れ難くできる。
また、蓋体20を開閉すると、図4に示すように、蓋体20と共にトラップ60が傾く。このときも、ポンプ側ポート64aへの水の浸入を防止する必要がある。そこで、本実施形態では、ポンプ側ポート64aの上端は、図4の拡大図及び図14に示すように、上側に鍔64bが形成し、鍔64bの直下に前方、すなわちヒンジ部12とは逆側に向けて開口する空気の吸込孔64cを形成している。吸込孔64cの後方側は閉じている。他方、内釜側ポート63aの上端は、図14に示すように、単に上向きに開口する孔63bとしている。これにより、図4に示すように、蓋体20を開いたときにポンプ側ポート64aの吸込孔64cが上側に向くから、捕集部62に水が符号Hで示す程度まで溜まっても、ポンプ側ポート64aに流入するよりも先に、内釜側ポート63aの孔63bに水が流れるから、ポンプ側ポート64aへの水の浸入を防止できる。
ポンプ側ポート64aの下流側となるポンプ側連結口64は、ポンプ側ベース24bを介して、空気通路53eに接続され、図11(a)、図12に示すように、空気通路53eは真空ポンプ51に接続される。真空ポンプ51は、本実施形態では、図12に示すように本体側外殻突出部13に配置されている。従って、空気通路53eは、図3に示すように、トラップ60の配備された蓋体側外殻突出部23から本体側外殻突出部13に延びている。図3では、空気通路53eは、ヒンジ部12の前側に配設されている。
また、空気通路53eは、本体側外殻突出部13内で空気通路53fに分岐する。空気通路53fは、空気通路53eよりも小径であり、先端に空間の圧力を検知可能な圧力センサー57が接続されている。圧力センサー57は、本発明の圧力検知手段である。
<制御装置70の概要>
制御装置70は、マイコンやメモリ等を具える。メモリには、保温釜10の各種プログラム等が記憶されている。たとえば、図12に示すように、制御装置70は、本体容器11の後部に突設された本体側外殻突出部13に配置することができる。
制御装置70には、図16に示すように、肩ヒーター15、温度センサー16、蓋ヒーター26が電気的に接続され、温度センサー16により測定された内釜17の温度に基づいて、肩ヒーター15と蓋ヒーター26のオン、オフ制御を行なって、内釜17を所定の温度に保温する保温機能を実行する。
また、制御装置70には、減圧機構50の三方電磁弁54、二方電磁弁56、圧力センサー57、真空ポンプ51や、蓋体20の蓋体側外殻突出部23に形成された真空ボタン21(図1参照)が電気的に接続されている。そして、制御装置70は、保温中に、真空ボタン21がオン操作されると、減圧機能を実行する。減圧機能を所定時間ごとに実行するために、制御装置70には、タイマー71を計時手段として配備している。また、制御装置70には、真空ボタン21がオフ操作されると、減圧機能をオフして、真空解除機能を実行する。
以下、本発明の保温釜10の使用方法及び実行される各機能について説明する。
上記構成の保温釜10は、使用に際し、先に、内蓋40の取付けと、内釜17の設置を行なう。また、トラップ60の捕集ユニット61が装着されていない場合には、捕集ユニット61は、内釜側連結口63とポンプ側連結口64が、蓋体20側に設けられたトラップベース24の内釜側ベース24aとポンプ側ベース24bに連結されるよう配置しておく。このとき、捕集部62に水が溜まっている場合には予め捨てておく。捕集ユニット61を装着後、図1等に示すようにトラップ60は、トラップカバー24cで覆えばよい。なお、捕集ユニット61に水が溜まった場合には、トラップカバー24cを外し、捕集ユニット61を上向きに引き上げるだけで容易に取り外しできる。捕集ユニット61は、取り外し後洗浄し、再設置すればよく、お手入れ性にすぐれる。
内蓋40は、図5、図6に示すように内蓋着脱機構30により蓋体20に取り付ける。具体的には、内蓋側係合部材41の係合孔41aを、放熱板25から突出する蓋体側係合部材31の抜止め部32aに位置合わせする。内蓋40を円板状とし、係合孔41aを内蓋40の中央に設けたことで、内蓋40は回転方向の取付向きを気にする必要はない。係合孔41aと抜止め部32aを位置合わせして、内蓋40を蓋体20側に押し込むことで、係合孔41aが弾性変形して抜止め部32aを乗り越えて筒部32に嵌まる。これにより、内蓋40は、脱落しないように蓋体20に取り付けされる。減圧機構50の蓋体側空気通路52は、蓋体側係合部材31の抜止め部32aの先端で開口しているから、蓋体20に内蓋40を取り付けることで、蓋体側空気通路52は、内蓋40から臨出する。また、放熱板25のパッキン部材33は、内蓋40と当接して陰圧空間33dを形成する。
また、内釜17には保温が必要な炊いたご飯を入れ、持ち手17bを掴んで、内容器14に収容する。そして、蓋体20を閉じて、保温釜10を商用電源に接続する。蓋体20を閉じることで、図3に示すように、内蓋40は蓋パッキン40bが内釜17のフランジ部17aに当接し、内釜17は気密に塞がれる。また、内蓋40が内釜17を塞ぐことで、蓋体側空気通路52は、内釜17内と連通する。
<保温機能>
保温釜10が商用電源に接続されると、制御装置70は、保温機能を実行する。保温機能は、肩ヒーター15と蓋ヒーター26を適宜作動させ、温度センサー16の温度情報を元に、予め設定された温度で内釜17を保温する機能である。保温機能は、保温釜10が非通電となるまで続けて実行することができる。
<減圧機能>
保温機能の実行中に、ユーザーの真空ボタン21のオン操作により、制御装置70は、減圧機能を実行する。減圧機能は、真空ポンプ51を作動させ、内釜17に臨出する蓋体側空気通路52から内釜17内の空気を吸引し、内釜17内を減圧状態で維持する機能である。図17は、減圧機能実行中の内釜17内の気圧を示している。減圧機能実行中は、図11(b)に太線で示すように、内釜17は、空気通路52,53a-53fを通じて圧力センサー57と繋がっている。従って、圧力センサー57で測定される気圧を内釜17の気圧と見なすことができる。圧力センサー57の検知圧力は、制御装置70に送信される。
減圧機能は、真空ボタン21がオン操作されたときに行なわれる初期減圧工程(a)と、初期減圧工程(a)の後、早い段階で行なわれる初期追引工程(b)、所定の時間ごとに行なわれる定期追引工程(c)を含む。なお、初期減圧工程(a)で目標とする内釜17の気圧を第1圧力とする。第1圧力は、たとえば、温度センサー16で測定される内釜17の保温温度における飽和水蒸気圧とすることができる。本実施形態では、第1圧力は-30kPaである。
<初期減圧工程(a)>
初期減圧工程(a)は、上記のとおり、真空ボタン21がオン操作されたときに実行される。初期減圧工程(a)では、真空ボタン21がオン操作されると、制御装置70は、図11(b)に太線で示すように、三方電磁弁54に通電を行なってAポート54aとRポート54rを繋ぐ。二方電磁弁56は非通電のまま閉として、太線で示すように、真空ポンプ51と内釜17を接続する。また、圧力センサー57をオンにする。この状態で、真空ポンプ51を作動させることで、真空ポンプ51から空気が排出され、図17中(a)で示すように、内釜17は大気圧から減圧される。
そして、内釜17の気圧が、第1圧力に到達すると、真空ポンプ51の作動を止め、圧力センサー57もオフにする。真空ポンプ51と圧力センサー57をオフにすることで、動作音の発生を抑え、消費電力減を図ることができる。なお、圧力センサー57は、消費電力が比較的小さいから、減圧機能実行中、常時オンとしても構わない。
本実施形態の保温釜10では、真空ポンプ51を作動させることで、内釜17内の空気は、蓋体側空気通路52から空気通路53aに導かれる。放熱板25には、パッキン部材33を配置しているから、内釜17の減圧により内蓋40が撓んでも、陰圧空間33dの存在により、放熱板25が撓むことはない。
空気通路53aに流入した空気は、三方電磁弁54、空気通路53b、空気通路53dを経由してトラップ60に至る。トラップ60では、空気は、図12に示すトラップベース24の内釜側ベース24a、図14、図15に示す捕集ユニット61の内釜側連結口63を介して、内釜側ポート63aから捕集部62に流入する(図15の矢印B)。トラップ60は、放熱板25や蓋ヒーター26の熱影響を受け難い位置に配置しているから、比較的低温であり、結果、捕集部62に流入した空気は、捕集部62内で蒸気が結露して溜まる。そして、蒸気が除去された空気は、図15に矢印Cで示すように、ポンプ側ポート64a、ポンプ側連結口64、ポンプ側ベース24bを通って、空気通路53eに向かう。
なお、捕集部62に水が溜まった場合であっても、図14、図15に示すように、ポンプ側ポート64aは、内釜側ポート63aよりも高い位置に吸込孔64cを設けているから、真空ポンプ51への水の流入を遅らせることができる。また、吸込孔64cは、ポンプ側ポート64aの前方側に形成しているから、図4に示すように蓋体20を開いたときに、吸込孔64cが上側となって、捕集部62内の水分が侵入することを防止できる。
空気通路53eに侵入した空気は、分岐した空気通路53fの圧力センサー57で圧力が検知されると共に、真空ポンプ51から排気される。その結果、内釜17を減圧することができる。なお、真空ポンプ51や圧力センサー57に向かう空気は、トラップ60で水分が除去されているから、真空ポンプ51や圧力センサー57が蒸気に曝されることを防止できる。また、比較的小径の空気通路53fが水分で詰まって圧力センサー57の検知異常を招くことも抑制できる。
初期減圧工程(a)を実行することで、保温中の内釜17は減圧される。しかしながら、とくに炊きたてのご飯を保温する場合には、保温開始直後のご飯は温度が高いため、多くの蒸気を含む。このため、初期減圧工程(a)の直後にはご飯から発生する蒸気により図17に符号Pfで示すように内釜17内の圧力が上昇することがある。そこで、本発明では、初期減圧工程(a)の直後に初期追引工程(b)を実行する。
<初期追引工程(b)>
初期追引工程(b)は、初期減圧工程(a)と同様に、圧力センサー57をオンにして真空ポンプ51を作動させることで実行できる。初期追引工程(b)は、初期減圧工程(a)の20~60分後(タイマー71により測定)に行なうことが好適であり、圧力センサー57が第1圧力を検知するまで実行する。そして、内釜17の気圧が、第1圧力に到達すると、真空ポンプ51の作動を止め、圧力センサー57もオフにすればよい。初期追引工程(b)を行なうことで、初期減圧工程(a)の直後にご飯から発生する蒸気に起因する圧力上昇を防ぐことができる。また、真空ポンプ51と圧力センサー57をオフにすることで、動作音の発生を抑え、消費電力減を図ることができる。
初期追引工程(b)の後は、本来であれば、内釜17の圧力はほとんど上昇しないはずであるが、ご飯から発生する蒸気や、内釜17のフランジ部17aと内蓋40の蓋パッキン40bとの間の空気漏れ、減圧機構50の各接続部からの空気漏れ等により、図17に符号Pcで示すように、内釜17の圧力は徐々に上昇する。
<定期追引工程(c)>
そこで、本発明では、初期追引工程(b)を実行した後、タイマー71が所定の定期追引時間をカウントすると、定期追引工程(c)を実行する。定期追引工程(c)は、初期追引工程(b)の後、3~12時間後、たとえば、4時間又は8時間とすることができる。
定期追引工程(c)も、圧力センサー57をオンにして真空ポンプ51を作動させ、圧力センサー57が第1圧力を検知するまで実行する。そして、内釜17の気圧が、第1圧力に到達すると、真空ポンプ51の作動を止め、圧力センサー57もオフにすればよい。定期追引工程(c)を行なうことで、徐々に上昇していた内釜17の圧力を第1圧力に戻すことができ、ご飯の酸化や黄ばみ等を低減できる。
以降、定期追引工程(c)は、定期追引時間毎に実行すればよい。
上記のように、初期減圧工程(a)の後、初期追引工程(b)、定期追引工程(c)を行なうことで、保温中のご飯の酸化や黄ばみ、乾燥、においを抑えることができる。また、これら工程を実行することで、ご飯から発生する余分な水分や内釜17内の暖気、温度を調整することができる。その結果、発生した水分が内蓋40に付着する露量を削減でき、また、内釜17内を伝ってご飯に付着することでご飯がふやけてしまうことを防止できる。
なお、炊きたてでないご飯を保温する場合には、初期追引工程(b)は省略しても構わない。
また、初期減圧工程(a)、初期追引工程(b)、定期追引工程(c)は比較的短時間、たとえば、初期減圧工程(a)は1~1.5分、初期追引工程(b)、定期追引工程(c)の各工程は1分未満で済み、それ以外の間は、真空ポンプ51と圧力センサー57をオフにすることができるから、動作音の発生を抑え、消費電力減を達成できる。
<定期追引工程(c)の変形例>
なお、上記実施形態では、定期追引工程(c)は、所定の定期追引時間になると内釜17の圧力に拘わらず真空ポンプ51を作動させている。しかしながら、図18に示すように、圧力センサー57により測定される圧力が第2圧力に達している場合にのみ真空ポンプ51を作動させる構成としてもよい。第2圧力は、大気圧と第1圧力の間に設定することができ、たとえば、第1圧力が-30kPaの場合、第2圧力は-15kPaとすることができる。
然して、定期追引工程(c)は、初期追引工程(b)の後、定期追引時間が到来したときに、まず、真空ポンプ51を作動させる。そして、図18に実線Psで示すように内釜17の圧力が第2圧力以上の場合には、真空ポンプ51を作動させて、内釜17を第1圧力まで戻せばよい。他方、図18に点線Pdで示すように定期追引時間が到来したときに、内釜17の圧力が第2圧力に満たない場合には、真空ポンプ51を作動させず、次の定期追引時間まで待機すればよい。これにより、真空ポンプ51の作動時間を低減でき、動作音の発生、消費電力の低減、真空ポンプ51の長寿命化を図ることができる。
<真空解除機能>
減圧機能が実行されることで、内釜17は減圧され、ご飯の酸化等を防止できる。減圧機能実行中は、内釜17は負圧状態であるから、レバー20aを操作しても蓋体20は開放しない。そこで、蓋体20を開く場合には、真空ボタン21をオフ操作し、減圧機能を停止し、真空解除機能を実行して、内釜17の減圧を解除する。真空解除は、図11(c)に示すように、真空ポンプ51の作動を止め、二方電磁弁56に通電を行なって開とし、Pポート56pとAポート56aを接続し、吸気通路56bを空気通路53cと連通させる。これにより、図11(c)に太線で示すように、内釜17は、吸気通路56b、空気通路53c、空気通路53b、三方電磁弁54、空気通路53a及び蓋体側空気通路52を介して外気と連通する。そして、内釜17は外気と接続されるから、負圧であった内釜17に空気が流入して、常圧に戻る。
なお、陰圧空間33dは、図7に示す連通孔32fにより蓋体側空気通路52と繋がっているから、真空解除機能を実行して内釜17内を常圧に戻したときに、蓋体側空気通路52から連通孔32fを通って陰圧空間33dにも空気が流入し、常圧に戻る。陰圧空間33dが負圧のままであると、パッキン部材33が内蓋40に吸着しており、蓋体20から内蓋40を取り外すことは難しい。しかしながら、陰圧空間33dが常圧に戻ることで、蓋体20から内蓋40を容易に取り外すことができる。
<手動による大気開放機能>
図11(b)に示す減圧機能を実行中に停電やコンセント抜けなどにより、保温釜10への通電が止まることがある。このとき、三方電磁弁54は、非通電になるとAポート54aとPポート54pを接続するが、Pポート54pが接続された大気開放通路54bは図13に示すように、栓パッキン55により塞がれているから、内釜17は負圧状態を維持できる。しかしながら、この間、蓋体20を開くことはできず、ご飯を取り出すことができず不便である。このため、本実施形態では、図11(d)に示すように、三方電磁弁54がAポート54aとPポート54pを接続している状態で、図19に矢印Dで示すように、ユーザーがタブ55aを摘まんで栓パッキン55を外すことで、大気開放通路54bを開放する。これにより、大気開放通路54bから吸気が行なわれ、空気通路53a、蓋体側空気通路52を通じて内釜17と連通して、内釜17を外気と接続させることができる。これにより、負圧であった内釜17に大気が導入され、内釜17を常圧に戻すことができ、蓋体20を開放できる。なお、栓パッキン55は、図2に示すように、ユーザーが操作し難い蓋体側外殻突出部23の側面に設けており、ユーザーが誤って外してしまうことはない。とくに、本実施形態では、蓋体20を開くためのレバー20a(蓋体開閉操作部)の操作方向は、レバー20aを手前に引く方向であり、栓パッキン55(手動操作部)の操作方向は、タブ55aを摘まんで斜め下向きに引っ張る方向である。このように、レバー20aの操作方向とタブ55aの操作方向を違えることで、誤操作を好適に防止できる。
本発明の保温釜10によれば、内蓋着脱機構30と減圧機構50は、蓋体側係合部材31に蓋体側空気通路52を形成したことにより、内蓋40を蓋体20に押し付けるだけで、内蓋40の装着し、蓋体側空気通路52が内蓋40を貫通する。内蓋40は、押し付け方向とは逆に引っ張るだけで、係合孔41aが弾性変形して抜止め部32aを乗り越え、容易に取り外しできる。また、内蓋40は、内蓋側係合部材41と外周の蓋パッキン40bを具えるだけの構成であるから、お手入れも容易である。
トラップ60は、放熱板25や蓋ヒーター26の熱影響を受け難い位置に配置しており、好適に結露を行なうことができる。また、トラップ60は、捕集ユニット61をトラップベース24に着脱容易であり、取り外して洗浄できるからお手入れ性にもすぐれる。さらに、トラップ60は、ポンプ側ポート64aと内釜側ポート63aの高さ、形状を上記のとおり規定したことで、真空ポンプ51側の空気通路53eや圧力センサー57の空気通路53fに水分が流入することを好適に防止できる。
加えて、減圧機構50は、保温釜10への通電が止まった状態で、ユーザーの操作により内釜17の減圧を解除できる栓パッキン55を設けているから、減圧時に停電等が発生しても、蓋体20を開くことができる。
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
10 保温釜
11 本体容器
13 本体側外殻突出部
20 蓋体
23 蓋体側外殻突出部
25 放熱板
30 内蓋着脱機構
31 蓋体側係合部材
40 内蓋
41 内蓋側係合部材
50 減圧機構
51 真空ポンプ(減圧手段)
52 蓋体側空気通路
54b 大気開放通路
55 栓パッキン(手動操作部)
57 圧力センサー(圧力検知手段)
60 トラップ

Claims (6)

  1. 上面開口を有る本体容器と、
    前記本体容器に収容可能な内釜と、
    前記本体容器の前記上面開口を塞ぐ蓋体と、
    前記蓋体に装着され、前記内釜を覆う内蓋と、
    前記内釜を加熱する加熱手段と、
    前記内釜に連通する空気通路と、
    前記空気通路に接続され、前記内釜内を減圧する減圧手段と、
    前記内釜内の気圧を検知する圧力検知手段と、
    前記加熱手段、前記減圧手段を制御し、前記圧力検知手段の検知圧力を受信する制御装置と、
    を具えた保温釜であって、
    前記制御装置は、所定の時間を計時する計時手段を有し、
    前記制御装置は、前記減圧手段を作動させて第1圧力まで減圧を行なう初期減圧工程の後、前記計時手段が定期追引時間を計時したときに、前記減圧手段を作動させて、前記内釜内の圧力を前記第1圧力まで減圧させる定期追引工程を実行する、
    保温釜。
  2. 前記定期追引工程は、前記圧力検知手段で前記内釜内の圧力を検知し、検知された圧力が第2圧力以上の場合に、前記減圧手段を作動させて、前記内釜内の圧力を前記第1圧力まで減圧させ、検知された圧力が前記第2圧力未満の場合は、前記減圧手段を作動させない、
    請求項1に記載の保温釜。
  3. 前記制御装置は、前記初期減圧工程の後、前記定期追引工程の前であって、前記計時手段が初期追引時間を計時したときに、前記減圧手段を作動させて、前記内釜内の圧力を前記第1圧力まで減圧させる初期追引工程を実行する、
    請求項1又は請求項2に記載の保温釜。
  4. 上面開口を有する本体容器と、
    前記本体容器に収容可能な内釜と、
    前記本体容器の前記上面開口を塞ぐ蓋体と、
    前記蓋体に装着され、前記内釜を覆う内蓋と、
    前記内釜を加熱する加熱手段と、
    前記内釜に連通する空気通路と、
    前記空気通路に接続され、前記内釜内を減圧する減圧手段と、
    前記内釜内の気圧を検知する圧力検知手段と、
    所定の時間を計時する計時手段と、
    を具えた保温釜の制御方法であって、
    前記減圧手段を作動させて第1圧力まで減圧を行なう初期減圧工程と、
    前記計時手段が定期追引時間を計時したときに、前記減圧手段を作動させて、前記内釜内の圧力を前記第1圧力まで減圧させる定期追引工程を実行する、
    保温釜の制御方法。
  5. 前記定期追引工程は、前記圧力検知手段で前記内釜内の圧力を検知し、検知された圧力が第2圧力以上の場合に、前記減圧手段を作動させて、前記内釜内の圧力を前記第1圧力まで減圧させ、検知された圧力が前記第2圧力未満の場合は、前記減圧手段を作動させない、
    請求項4に記載の保温釜の制御方法。
  6. 前記初期減圧工程の後、前記定期追引工程の前であって、前記計時手段が初期追引時間を計時したときに、前記減圧手段を作動させて、前記内釜内の圧力を前記第1圧力まで減圧させる初期追引工程を実行する、
    請求項4又は請求項5に記載の保温釜の制御方法。
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