JP2023170520A - 眼鏡レンズ - Google Patents

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JP2023170520A JP2022082343A JP2022082343A JP2023170520A JP 2023170520 A JP2023170520 A JP 2023170520A JP 2022082343 A JP2022082343 A JP 2022082343A JP 2022082343 A JP2022082343 A JP 2022082343A JP 2023170520 A JP2023170520 A JP 2023170520A
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Abstract

【課題】縁部を薄くした眼鏡レンズを提供する。【解決手段】眼鏡レンズELが、次式で表される屈折率分布を有し、N(r)=N0w+N1w×r2以下の条件式を満足する。1.4<N0w<1.71.5×10-4<N1w<4.0×10-40<νdc-νdr<60但し、N(r):眼鏡レンズELの屈折率分布r:眼鏡レンズELの光軸AXからの距離N0w:眼鏡レンズELの光軸AX上の部分における屈折率N1w:r2の係数νdc:眼鏡レンズELの光軸AX上の部分におけるアッベ数νdr:眼鏡レンズELの周辺部におけるアッベ数【選択図】図1

Description

本発明は、眼鏡レンズに関する。
近年、中心側において低屈折率で、周辺側において高屈折率となる屈折率分布を有する眼鏡レンズが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2を参照)。眼鏡レンズでは、光学性能を維持しつつ縁部を薄くすることが求められている。
特開昭62-296119号公報 特開平1-316719号公報
本発明に係る眼鏡レンズは、次式で表される屈折率分布を有する眼鏡レンズであって、
N(r)=N0w+N1w×r2
以下の条件式を満足する。
1.4<N0w<1.7
1.5×10-4<N1w<4.0×10-4
0<νdc-νdr<60
但し、N(r):前記眼鏡レンズの前記屈折率分布
r:前記眼鏡レンズの光軸から前記光軸と垂直な方向への距離[単位:mm]
N0w:前記眼鏡レンズの前記光軸上の部分における屈折率
N1w:r2の係数[単位:mm-2
νdc:前記眼鏡レンズの前記光軸上の部分におけるアッベ数
νdr:前記眼鏡レンズの周辺部におけるアッベ数
物体側から見た眼鏡レンズを示す模式図である。 第1実施例に係る眼鏡レンズの断面図である。 第1実施例に係る眼鏡レンズの単色収差図である。 第1実施例に係る眼鏡レンズの倍率色収差図である。 第2実施例に係る眼鏡レンズの断面図である。 第2実施例に係る眼鏡レンズの単色収差図である。 第2実施例に係る眼鏡レンズの倍率色収差図である。 第3実施例に係る眼鏡レンズの断面図である。 第3実施例に係る眼鏡レンズの単色収差図である。 第3実施例に係る眼鏡レンズの倍率色収差図である。 第4実施例に係る眼鏡レンズの断面図である。 第4実施例に係る眼鏡レンズの単色収差図である。 第4実施例に係る眼鏡レンズの倍率色収差図である。 眼鏡レンズの第1変形例を示す模式図である。 眼鏡レンズの第2変形例を示す模式図である。 眼鏡レンズの第3変形例を示す模式図である。
以下、本発明に係る好ましい実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る眼
鏡レンズの一例として、眼鏡用フレームの形状に合わせて加工する前の状態(玉摺り加工前の状態)の眼鏡レンズELを模式的に示す。図1に示すように、玉摺り加工前の状態の眼鏡レンズELは、正面視で(物体側の面S1から見て)円形に形成されている。眼鏡レンズELには、所定の参照点が設定される。参照点として例えば、光学中心CR等が挙げられる。光学中心CRは、設計上の中心となる参照点である。本実施形態において、眼鏡レンズELの光学中心CRを通って眼球の回旋中心点P(図2を参照)に達する軸を眼鏡レンズELの光軸AXと称する。
本実施形態に係る眼鏡レンズELは、2次関数である次式(A)で表される屈折率分布を有する。
N(r)=N0w+N1w×r2 ・・・(A)
但し、N(r):眼鏡レンズELの屈折率分布
r:眼鏡レンズELの光軸AXから当該光軸AXと垂直な方向への距離[単位:mm]
N0w:眼鏡レンズELの光軸AX上の部分における屈折率
N1w:r2の係数[単位:mm-2
さらに、本実施形態に係る眼鏡レンズELは、以下の条件式(1)~(3)を満足する。
1.4<N0w<1.7 ・・・(1)
1.5×10-4<N1w<4.0×10-4 ・・・(2)
0<νdc-νdr<60 ・・・(3)
但し、νdc:眼鏡レンズELの光軸AX上の部分におけるアッベ数
νdr:眼鏡レンズELの周辺部におけるアッベ数
中心側において低屈折率および低分散で、周辺側において高屈折率および高分散となる屈折率分布型レンズの屈折力φは、次式(B)で表される(「Color correction in the infrared using gradient-index materials」, SPIE公開文献, 30 July 2013を参照)。
ここで、c1は、屈折率分布型レンズの第1面(例えば、眼鏡レンズの物体側の面)の曲率を示す。c2は、屈折率分布型レンズの第2面(例えば、眼鏡レンズの眼球側の面)の曲率を示す。tは、屈折率分布型レンズの厚さ(例えば、眼鏡レンズの光軸上の厚さ[単位:mm])を示す。αは、次式(C)で表される。
式(B)において、c1=c2=0とし、sinhαt≒αt、cоshαt≒1と近
似して計算すると、眼鏡レンズELの屈折率分布に基づく屈折力の成分φg[単位:mm-1]は、次式(D)で表される。
φg=-2×N1w×t ・・・(D)
本実施形態に係る眼鏡レンズELの屈折力には、眼鏡レンズELの両面の曲率差に基づく屈折力の成分と、眼鏡レンズELの屈折率分布に基づく屈折力の成分φgが含まれる。眼鏡レンズELの材料として、前述の式(A)で表される屈折率分布を有する光学材料を用いれば、眼鏡レンズELの屈折率分布に基づく屈折力の成分φgに応じて、眼鏡レンズELの両面の曲率差に基づく屈折力の成分が小さくなる。これにより、眼鏡レンズELの両面の曲率差を小さくすることができ、眼鏡レンズELの縁部を薄くすることが可能になる。さらに、条件式(1)~(3)を満足することで、本実施形態によれば、中心側において単色収差および色収差が良好に補正された高い光学性能を維持しつつ、縁部を薄くした眼鏡レンズを得ることが可能になる。
なお、本実施形態に係る眼鏡レンズELは、図2に示す眼鏡レンズEL(1)でも良く、図5に示す眼鏡レンズEL(2)でも良く、図8に示す眼鏡レンズEL(3)でも良く、図11に示す眼鏡レンズEL(4)でも良い。また、眼鏡レンズELの材料は、プラスチック材料であってもよく、ガラス材料であってもよく、プラスチック材料中に無機微粒子を分散させた複合材料であってもよい。本実施形態に係る眼鏡レンズELは、屈折率分布に応じてプラスチック材料またはガラス材料の組成、あるいは複合材料中の無機微粒子の含有率が変化するように形成される。
条件式(1)は、眼鏡レンズELの光軸AX上の部分における屈折率について、適切な範囲を規定するものである。条件式(2)は、前述の式(A)におけるr2の係数につい
て、適切な範囲を規定するものである。条件式(1)および条件式(2)を満足することで、眼鏡レンズELの中心側において単色収差が良好に補正された高い光学性能を維持しつつ、眼鏡レンズELの縁部を薄くすることができる。なお、C線(波長λ=656.3nm)
、d線(波長λ=587.6nm)、F線(波長λ=486.1nm)の各波長において、条件式(1)および条件式(2)を満足する。
条件式(1)の対応値が上限値を上回ると、眼鏡レンズELの中心側における屈折率が高くなりすぎるため、眼鏡レンズELの中心側において単色収差および色収差を補正することが困難になる。条件式(1)の上限値を1.67、さらに1.65に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(1)の対応値が下限値を下回ると、眼鏡レンズELの中心側における屈折率が低くなりすぎるため、眼鏡レンズELの中心側において両面の曲率差に基づく屈折力の成分を大きくする必要があり、眼鏡レンズELの縁部を薄くすることが困難になる。条件式(1)の下限値を1.43、さらに1.45に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(2)の対応値が上限値を上回ると、眼鏡レンズELの屈折率分布における屈折率の変化が大きくなるため、眼鏡レンズELの中心側において単色収差が良好に補正された高い光学性能を有する範囲が狭くなる。条件式(2)の上限値を3.70×10-4、さらに3.40×10-4に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(2)の対応値が下限値を下回ると、眼鏡レンズELの屈折率分布における屈折率の変化が小さくなり、眼鏡レンズELの屈折率分布に基づく屈折力の成分が小さくなる
ため、眼鏡レンズELの両面の曲率差に基づく屈折力の成分を大きくする必要があり、眼鏡レンズELの縁部を薄くすることが困難になる。条件式(2)の下限値を1.80×10-4、さらに2.10×10-4に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(3)は、眼鏡レンズELの光軸AX上の部分におけるアッベ数と、眼鏡レンズELの周辺部におけるアッベ数との差について、適切な範囲を規定するものである。条件式(3)を満足することで、眼鏡レンズELの中心側において倍率色収差・軸上色収差が共に良好に補正された高い光学性能を維持することができる。
本実施形態において、眼鏡レンズELの周辺部とは、眼鏡レンズELの光軸AXから当該光軸AXと垂直な方向に14~25mmの範囲と、眼鏡装着時に眼球を30~45度の角度範囲θ(図2を参照)で回旋させた場合に視線方向の光線が眼鏡レンズELを通過する範囲との2つの範囲のうち、光軸AXから近い方の範囲を表す。30~45度の角度範囲は、注視安定視野の範囲の視野角を表し、一般的な眼鏡と眼球の回旋中心点との間の距離が25mmであることから算出される。眼鏡店で検眼をするときに用いられる検眼用レンズのフレームの大きさも、おおよそ上述の角度範囲に対応したものであるが、人によって眼球と眼鏡との間の距離は異なる。そのため、上述した2つの範囲のうち光軸AXから近い方の範囲が、眼鏡レンズELにおける良く見える範囲の周辺部として選択される。
条件式(3)の対応値が上限値を上回ると、眼鏡レンズELの周辺側で分散が高くなるため、眼鏡レンズELの中心側において色収差が良好に補正された高い光学性能を有する範囲が狭くなる。条件式(3)の上限値を50、さらに40に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(3)の対応値が下限値を下回ると、眼鏡レンズELの中心側で分散が高くなるため、眼鏡レンズELの中心側において色収差を補正することが困難になる。条件式(3)の下限値を4、さらに8に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
本実施形態に係る眼鏡レンズELは、負の屈折力を有し、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
-5.0<(RC2+RC1)/(RC2-RC1)<-0.5 ・・・(4)
但し、RC1:眼鏡レンズELの物体側の面の曲率半径
RC2:眼鏡レンズELの眼球側の面の曲率半径
条件式(4)は、眼鏡レンズELのシェイプファクターについて、適切な範囲を規定するものである。条件式(4)を満足することで、非点収差を良好に補正することができる。
条件式(4)の対応値が上記範囲を外れてしまうと、非点収差を補正することが困難になる。条件式(4)の上限値を-1.0、さらに-2.0に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。条件式(4)の下限値を-4.0、さらに-3.0に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
本実施形態に係る眼鏡レンズELにおいて、物体側の面および眼球側の面のうち少なくとも一方が非球面であり、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
-2×10-5<A42-A41<0 ・・・(5)
但し、A41:眼鏡レンズELの物体側の面の4次の非球面係数、なお眼鏡レンズELの物体側の面が球面である場合にはA41=0とする
A42:眼鏡レンズELの眼球側の面の4次の非球面係数、なお眼鏡レンズELの眼球側の面が球面である場合にはA42=0とする
条件式(5)は、眼鏡レンズELの物体側の面の4次の非球面係数と、眼鏡レンズELの眼球側の面の4次の非球面係数との適切な関係を規定するものである。条件式(5)を満足することで、眼鏡レンズELの周辺側であるほど眼鏡レンズELの両面の局所曲率差が小さくなるため、眼鏡レンズELの縁部を薄くすることができる。
条件式(5)の対応値が上限値を上回ると、眼鏡レンズELの周辺側であるほど眼鏡レンズELの両面の局所曲率差が大きくなるため、眼鏡レンズELの縁部を薄くすることが困難になる。条件式(5)の上限値を-1.0×10-7、さらに-5.0×10-7に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(5)の対応値が下限値を下回ると、眼鏡レンズELの周辺側における眼鏡レンズELの両面の局所曲率差が小さくなりすぎるため、眼鏡レンズELの周辺側で屈折力が不足して光学性能が低下する。条件式(5)の下限値を-1.5×10-5、さらに-1.0×10-5に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
以下、本実施形態に係る眼鏡レンズELの実施例を図面に基づいて説明する。図2、図5、図8、図11は、第1~第4実施例に係る眼鏡レンズEL{EL(1)~EL(4)}の断面図である。これら図2、図5、図8、図11において、眼鏡レンズの各部を符号または符号と数字の組み合わせにより表している。この場合において、符号、数字の種類および数が大きくなって煩雑化するのを防止するため、実施例毎にそれぞれ独立して符号と数字の組み合わせを用いて表している。このため、実施例間で同一の符号と数字の組み合わせが用いられていても、同一の構成であることを意味するものでは無い。
以下に表1~表4を示すが、この内、表1は第1実施例、表2は第2実施例、表3は第3実施例、表4は第4実施例における各諸元データを示す表である。各実施例では収差特性の算出対象として、C線(波長λ=656.3nm)、d線(波長λ=587.6nm)、F線(波長λ=486.1nm)を選んでいる。
[レンズデータ]の表において、面番号は、物体側からのレンズ面の順序を示す。Rは、各面番号に対応する曲率半径(物体側に凸のレンズ面の場合を正の値としている)を示す。Dは、各面番号に対応する光軸上のレンズ厚もしくは眼球の回旋中心点までの距離を示す。なお、光学面が非球面である場合には面番号に*印を付して、曲率半径Rの欄には近軸曲率半径を示している。
[非球面データ]の表には、[レンズ諸元]に示した非球面について、その形状を次式(E)で示す。X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離(サグ量)を、Rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)を、κは円錐定数を、Aiは第i次の非球面係数を示す。「E-n」は、「×10-n」を示す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。なお、2次の非球面係数A2は0であり、
その記載を省略している。
X(y)=(y2/R)/[1+{1-(1+κ)×y2/R21/2]+A4×y4+A6
×y6+A8×y8 …(E)
[屈折率分布データ]の表において、N0wは、眼鏡レンズの光軸上の部分における屈折率を示す。N1wは、前述の式(A)におけるr2の係数[単位:mm-2]を示す。な
お、N0wおよびN1wについて、C線(波長λ=656.3nm)、d線(波長λ=587.6nm)、F線(波長λ=486.1nm)に対する値をそれぞれ示す。「E-n」は、[非球面データ]
の表と同様に「×10-n」を示す。
[分散データ]の表において、νdcは、眼鏡レンズの光軸上の部分におけるアッベ数を示す。νdr(30dg)は、眼鏡レンズの周辺部におけるアッベ数として、眼鏡装着時に眼球を30度の方向に回旋させた場合に視線方向の光線が通過する部分におけるアッベ数を示す。νdr(45dg)は、眼鏡レンズの周辺部におけるアッベ数として、眼鏡装着時に眼球を45度の方向に回旋させた場合に視線方向の光線が通過する部分におけるアッベ数を示す。
[諸元データ]の表において、φg(d)は、d線(波長λ=587.6nm)に対する眼鏡レンズの屈折率分布に基づく屈折力の成分[単位:mm-1]を示す。t(φ50)は、外径を50mmとした場合における眼鏡レンズの縁部の厚さを示す。
なお、曲率半径R、面間隔D、縁部の厚さt(φ50)等の単位は、一般に「mm」が使
われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での重複する説明は省略する。
(第1実施例)
第1実施例について、図2~図4および表1を用いて説明する。図2は、第1実施例に係る眼鏡レンズの断面図である。第1実施例に係る眼鏡レンズEL(1)は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。眼鏡レンズEL(1)は、眼鏡レンズEL(1)の全体にわたり前述の式(A)で表される屈折率分布を有する。眼鏡レンズEL(1)の物体側の面S1は球面であり、眼鏡レンズEL(1)の眼球側の面S2は非球面である。眼鏡レンズEL(1)の眼球側の面S2には、前述の式(D)で表される、眼鏡レンズEL(1)の屈折率分布に基づく屈折力の成分に応じて、眼鏡レンズEL(1)の縁部を薄くする方向に非球面形状が付与される。なお、眼鏡レンズEL(1)の眼球側の面S2と眼球(図示せず)の回旋中心点Pとの間の光軸AX上の距離は、25mmに設定される。
以下の表1に、第1実施例に係る眼鏡レンズの諸元の値を掲げる。
(表1)
[レンズデータ]
面番号 R D
1 128.90000 1.000
2* 43.27880 25.000
[非球面データ]
第2面
κ=0.000,A4=-3.632E-06,A6=-5.967E-10,A8=2.543E-13
[屈折率分布データ]
λ 656.3nm 587.6nm 486.1nm
N0w 1.49040 1.49310 1.49910
N1w 2.181E-04 2.299E-04 2.613E-04
[分散データ]
νdc=56.68
νdr(30dg)=30.74
νdr(45dg)=19.41
[諸元データ]
φg(d)=-0.00046
t(φ50)=4.98
図3は、第1実施例に係る眼鏡レンズの単色収差を示す図である。図4は、第1実施例に係る眼鏡レンズの倍率色収差を示す図である。単色収差を示す収差図において、ASは非点収差を示し、PWは非点収差が0となるように設計した場合の屈折力の誤差を示す。また、単色収差を示す収差図において、縦軸は収差の値[D(Diopter)]または屈折力
の誤差の残存量[D]を示し、横軸は眼球の視線方向の光線が通過する位置での光軸からの距離[mm]を示す。なお、眼鏡レンズの設計において、非点収差と屈折力の誤差の両方を0にすることは難しい。そのため、非点収差が0となるように設計した場合の屈折力の誤差の残存量によって、単色収差(非点収差)に関する眼鏡レンズの光学性能を評価することが可能である。倍率色収差を示す収差図において、dはd線(波長λ=587.6nm)
、CはC線(波長λ=656.3nm)、FはF線(波長λ=486.1nm)に対する倍率色収差をそれぞれ示す。また、倍率色収差を示す収差図において、縦軸は収差の値[D]を示し、横軸は眼球の視線方向の光線が通過する位置での光軸からの距離[mm]を示す。なお、以下に示す各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用い、重複する説明は省略する。
各収差図より、第1実施例に係る眼鏡レンズは、中心側において単色収差(非点収差)および倍率色収差を良好に補正することができ、優れた光学性能を有していることがわかる。
(第2実施例)
第2実施例について、図5~図7および表2を用いて説明する。図5は、第2実施例に係る眼鏡レンズの断面図である。第2実施例に係る眼鏡レンズEL(2)は、第1実施例に係る眼鏡レンズEL(1)と同様に構成されるため、第1実施例の場合と同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。なお、眼鏡レンズEL(2)の物体側の面S1は非球面であり、眼鏡レンズEL(2)の眼球側の面S2も非球面である。眼鏡レンズEL(2)の物体側の面S1および眼球側の面S2には、眼鏡レンズEL(2)の屈折率分布に基づく屈折力の成分に応じて、眼鏡レンズEL(2)の縁部を薄くする方向に非球面形状が付与される。
以下の表2に、第2実施例に係る眼鏡レンズの諸元の値を掲げる。
(表2)
[レンズデータ]
面番号 R D
1* 128.90000 1.000
2* 49.01439 25.000
[非球面データ]
第1面
κ=0.000,A4=7.63E-08,A6=0.00E+00,A8=0.00E+00
第2面
κ=0.000,A4=-2.52E-06,A6=0.00E+00,A8=0.00E+00
[屈折率分布データ]
λ 656.3nm 587.6nm 486.1nm
N0w 1.59566 1.60000 1.61029
N1w 2.200E-04 2.240E-04 2.340E-04
[分散データ]
νdc=41.01
νdr(30dg)=36.92
νdr(45dg)=32.60
[諸元データ]
φg(d)=-0.00045
t(φ50)=4.39
図6は、第2実施例に係る眼鏡レンズの単色収差を示す図である。図7は、第2実施例に係る眼鏡レンズの倍率色収差を示す図である。各収差図より、第2実施例に係る眼鏡レンズは、中心側において単色収差(非点収差)および倍率色収差を良好に補正することができ、優れた光学性能を有していることがわかる。
(第3実施例)
第3実施例について、図8~図10および表3を用いて説明する。図8は、第3実施例に係る眼鏡レンズの断面図である。第3実施例に係る眼鏡レンズEL(3)は、第1実施例に係る眼鏡レンズEL(1)と同様に構成されるため、第1実施例の場合と同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。なお、眼鏡レンズEL(3)の物体側の面S1は非球面であり、眼鏡レンズEL(3)の眼球側の面S2も非球面である。眼鏡レンズEL(3)の物体側の面S1および眼球側の面S2には、眼鏡レンズEL(3)の屈折率分布に基づく屈折力の成分に応じて、眼鏡レンズEL(3)の縁部を薄くする方向に非球面形状が付与される。
以下の表3に、第3実施例に係る眼鏡レンズの諸元の値を掲げる。
(表3)
[レンズデータ]
面番号 R D
1* 109.50000 1.000
2* 46.57644 25.000
[非球面データ]
第1面
κ=0.000,A4=-2.35E-07,A6=0.00E+00,A8=0.00E+00
第2面
κ=0.000,A4=-3.66E-06,A6=0.00E+00,A8=0.00E+00
[屈折率分布データ]
λ 656.3nm 587.6nm 486.1nm
N0w 1.59566 1.60000 1.61029
N1w 3.139E-04 3.200E-04 3.346E-04
[分散データ]
νdc=41.01
νdr(30dg)=35.30
νdr(45dg)=30.16
[諸元データ]
φg(d)=-0.00064
t(φ50)=3.85
図9は、第3実施例に係る眼鏡レンズの単色収差を示す図である。図10は、第3実施例に係る眼鏡レンズの倍率色収差を示す図である。各収差図より、第3実施例に係る眼鏡レンズは、中心側において単色収差(非点収差)および倍率色収差を良好に補正すること
ができ、優れた光学性能を有していることがわかる。
(第4実施例)
第4実施例について、図11~図13および表4を用いて説明する。図11は、第4実施例に係る眼鏡レンズの断面図である。第4実施例に係る眼鏡レンズEL(4)は、第1実施例に係る眼鏡レンズEL(1)と同様に構成されるため、第1実施例の場合と同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。なお、眼鏡レンズEL(4)の物体側の面S1は非球面であり、眼鏡レンズEL(4)の眼球側の面S2は球面である。眼鏡レンズEL(4)の物体側の面S1には、眼鏡レンズEL(4)の屈折率分布に基づく屈折力の成分に応じて、眼鏡レンズEL(4)の縁部を薄くする方向に非球面形状が付与される。
以下の表4に、第4実施例に係る眼鏡レンズの諸元の値を掲げる。
(表4)
[レンズデータ]
面番号 R D
1* 128.90000 1.000
2 43.27880 25.000
[非球面データ]
第1面
κ=0.000,A4=3.05E-06,A6=-1.72E-09,A8=5.99E-13
[屈折率分布データ]
λ 656.3nm 587.6nm 486.1nm
N0w 1.49040 1.49310 1.49910
N1w 2.181E-04 2.299E-04 2.613E-04
[分散データ]
νdc=56.68
νdr(30dg)=30.80
νdr(45dg)=19.69
[諸元データ]
φg(d)=-0.00046
t(φ50)=5.64
図12は、第4実施例に係る眼鏡レンズの単色収差を示す図である。図13は、第4実施例に係る眼鏡レンズの倍率色収差を示す図である。各収差図より、第4実施例に係る眼鏡レンズは、中心側において単色収差(非点収差)および倍率色収差を良好に補正することができ、優れた光学性能を有していることがわかる。
次に、[条件式対応値]の表を下記に示す。この表には、各条件式(1)~(8)に対応する値を、全実施例(第1~第4実施例)について纏めて示す。
条件式(1) 1.4<N0w<1.7
条件式(2) 1.5×10-4<N1w<4.0×10-4
条件式(3) 0<νdc-νdr<60
条件式(4) -5.0<(RC2+RC1)/(RC2-RC1)<-0.5
条件式(5) -2×10-5<A42-A41<0
[条件式対応値](第1~第2実施例)
条件式 第1実施例 第2実施例
(1)(λ=656.3nm) 1.49040 1.59566
(1)(λ=587.6nm) 1.49310 1.60000
(1)(λ=486.1nm) 1.49910 1.61029
(2)(λ=656.3nm) 2.181×10-4 2.200×10-4
(2)(λ=587.6nm) 2.299×10-4 2.240×10-4
(2)(λ=486.1nm) 2.613×10-4 2.340×10-4
(3)(νdc-νdr(30dg)) 25.94 4.09
(3)(νdc-νdr(45dg)) 37.27 8.41
(4) -2.011 -2.227
(5) -3.63×10-6 -2.60×10-6
[条件式対応値](第3~第4実施例)
条件式 第3実施例 第4実施例
(1)(λ=656.3nm) 1.59566 1.49040
(1)(λ=587.6nm) 1.60000 1.49310
(1)(λ=486.1nm) 1.61029 1.49910
(2)(λ=656.3nm) 3.139×10-4 2.181×10-4
(2)(λ=587.6nm) 3.200×10-4 2.299×10-4
(2)(λ=486.1nm) 3.346×10-4 2.613×10-4
(3)(νdc-νdr(30dg)) 5.71 25.88
(3)(νdc-νdr(45dg)) 10.85 36.99
(4) -2.480 -2.011
(5) -3.43×10-6 -3.05×10-6
上記各実施例によれば、中心側において単色収差および色収差が良好に補正された高い光学性能を維持しつつ、縁部を薄くした眼鏡レンズを実現することができる。
ここで、上記各実施例は本実施形態の一具体例を示しているものであり、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
上記各実施例において、眼鏡レンズは、眼鏡レンズの全体にわたり前述の式(A)で表される屈折率分布を有しているが、これに限られるものではなく、眼鏡レンズの一部において前述の式(A)で表される屈折率分布を有してもよい。例えば、図14に示すように、眼鏡レンズELaは、前述の式(A)で表される屈折率分布を有する第1レンズ部10aと、屈折率が一様の第2レンズ部20aとを有してもよい。第1変形例に係る眼鏡レンズELaにおいて、第2レンズ部20aは、正面視で円形に形成されてもよい。第1レンズ部10aは、第2レンズ部20aの物体側の中央部下側に、正面視で円形に形成されてもよい。
また、図15に示すように、眼鏡レンズELbは、前述の式(A)で表される屈折率分布を有する第1レンズ部10bと、屈折率が一様の第2レンズ部20bとを有してもよい。第2変形例に係る眼鏡レンズELbにおいて、第2レンズ部20bは、正面視で円形に形成されてもよい。第1レンズ部10bは、第2レンズ部20bの物体側の中間部から下部にわたり、正面視で扇形に形成されてもよい。図16に示すように、眼鏡レンズELcは、前述の式(A)で表される屈折率分布を有する第1レンズ部10cと、屈折率が一様の第2レンズ部20cとを有してもよい。第3変形例に係る眼鏡レンズELcにおいて、第2レンズ部20cは、正面視で円形に形成されてもよい。第1レンズ部10cは、第2レンズ部20cの物体側の中間部から上部にわたり、正面視で扇形に形成されてもよい。なお、眼鏡レンズにおける「上部」、「下部」等の位置関係は、眼鏡レンズが眼鏡用に加工される場合において眼鏡を装用したときの位置関係を示すものとする。
EL 眼鏡レンズ

Claims (4)

  1. 次式で表される屈折率分布を有する眼鏡レンズであって、
    N(r)=N0w+N1w×r2
    以下の条件式を満足する眼鏡レンズ。
    1.4<N0w<1.7
    1.5×10-4<N1w<4.0×10-4
    0<νdc-νdr<60
    但し、N(r):前記眼鏡レンズの前記屈折率分布
    r:前記眼鏡レンズの光軸から前記光軸と垂直な方向への距離[単位:mm]
    N0w:前記眼鏡レンズの前記光軸上の部分における屈折率
    N1w:r2の係数[単位:mm-2
    νdc:前記眼鏡レンズの前記光軸上の部分におけるアッベ数
    νdr:前記眼鏡レンズの周辺部におけるアッベ数
  2. 負の屈折力を有し、以下の条件式を満足する請求項1に記載の眼鏡レンズ。
    -5.0<(RC2+RC1)/(RC2-RC1)<-0.5
    但し、RC1:前記眼鏡レンズの物体側の面の曲率半径
    RC2:前記眼鏡レンズの眼球側の面の曲率半径
  3. 物体側の面および眼球側の面のうち少なくとも一方が非球面であり、
    以下の条件式を満足する請求項1または2に記載の眼鏡レンズ。
    -2×10-5<A42-A41<0
    但し、A41:前記眼鏡レンズの物体側の面の4次の非球面係数、なお前記眼鏡レンズの物体側の面が球面である場合にはA41=0とする
    A42:前記眼鏡レンズの眼球側の面の4次の非球面係数、なお前記眼鏡レンズの眼球側の面が球面である場合にはA42=0とする
  4. 次式で表される屈折力の成分が含まれる屈折力を有する請求項1~3のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
    φg=-2×N1w×t
    但し、φg:前記眼鏡レンズの前記屈折力の成分[単位:mm-1
    t:前記眼鏡レンズの前記光軸上の部分の厚さ[単位:mm]
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