JP2023170088A - ロボット、把持装置、方法、プログラム及びシステム - Google Patents

ロボット、把持装置、方法、プログラム及びシステム Download PDF

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Abstract

【課題】周囲に把持に用いる把持片を挿入する隙間が無いように配置された物体を高効率に把持することができるロボットを提供する。【解決手段】開閉する複数の爪を用いて物体を把持する、把持手段と、前記爪のうちの少なくとも1つに備えられ、前記爪と前記物体とを着脱自在に結合する、結合手段と、前記爪のうちの少なくとも1つに係る前記結合手段を動作させ、動作させた前記結合手段に係る前記爪と前記物体とを結合させる、物体結合部と、前記物体と結合された前記爪を開く動作を行うことにより、前記物体を所定距離だけ移動させる、物体移動部と、前記物体を移動させたことにより生まれた空間に、前記物体と結合されていない前記爪を、前記開閉動作方向に平行な軸回りに回動させることにより配置させる、爪配置部と、前記爪を閉じる動作を行うことにより、前記爪により前記物体を挟持する、物体挟持部とを備えるロボット。【選択図】図10

Description

この発明は、ロボット、特に、物体を把持するロボット等に関する。
近年、物流現場等において、ロボットの導入が試みられている。そのような現場において、ロボットには、ワーク等の物体を把持して移動し、再び、載置するといった作業(例えば、物体がパレット上にある場合には、デパレタイジング作業など)を実行することが求められる。
ところで、物体が密に配置されている場合や物体が壁に沿って配置されている場合など物体の周囲に把持に用いる把持片を挿入する隙間が無い場合が存在する。従前より、このような場合にあっても対処可能な装置がいくつか知られている。
例えば、吸着手段を用いて物体側面から吸着を行うと共にスライド機構で持ち上げ、その隙間に支持部材を滑り込ませ、押え部材と支持部材で挟持する装置等が知られている(例えば、特許文献1)。また、他の例として、物体の天面側から吸着を行って物体を引き出し、一対の把持部により把持する装置等が知られていた(例えば、特許文献2)。
特開平11-000885号公報 特開2020-093306号公報
しかしながら、従前の構成では、効率的な把持作業が行えなかったり、装置の大型化を招くおそれがあった。
例えば、特許文献1の構成にあっては、押え手段、吸着手段、及び支持部材のそれぞれの動作のために、少なくとも3つのアクチュエータが必要であった。また、同装置における安定的な支持のため、支持部材のストロークも大きくする必要があった。そのため、装置が大型化したり、効率的な把持作業が行えないおそれがあった。一方、特許文献2の構成にあっても、やはり吸着ヘッドと把持部の動作のために、それぞれアクチュエータが必要であった。また、物体の天面から吸着を行うため、吸着機構が大型化しやすかった。すなわち、装置全体が大型化したり、効率的な把持作業が行えないおそれがあった。
本発明は、上述の技術的背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、周囲に把持に用いる把持片を挿入する隙間が無いように配置された物体を高効率に把持することができ、かつ、コンパクトなロボット等を提供することにある。
上述の技術的課題は、以下の構成を有するロボット、制御方法、システム等により解決することができる。
すなわち、本発明に係るロボットは、開閉する複数の爪を用いて物体を把持する、把持手段と、前記爪のうちの少なくとも1つに備えられ、前記爪と前記物体とを着脱自在に結合する、結合手段と、前記爪のうちの少なくとも1つに係る前記結合手段を動作させ、動作させた前記結合手段に係る前記爪と前記物体とを結合させる、物体結合部と、前記物体と結合された前記爪を開く動作を行うことにより、前記物体を所定距離だけ移動させる、物体移動部と、前記物体を移動させたことにより生まれた空間に、前記物体と結合されていない前記爪を、前記開閉動作方向に平行な軸回りに回動させることにより配置させる、爪配置部と、前記爪を閉じる動作を行うことにより、前記爪により前記物体を挟持する、物体挟持部と、を備えている。
このような構成によれば、爪を挿入する隙間がないように配置された物体であっても把持することができる。また、物体を移動させたことにより生まれた空間に、開閉動作方向に平行な軸回りに回動させることにより爪を配置するので、効率的な作業を実現することができる。さらに、結合手段が爪に備えられているため、簡潔な構成とすることができ、コンパクトな設計を実現することができる。
前記爪は左右一対の爪であり、直動機構により左右方向に開閉する、ものであってもよい。
このような構成によれば、簡潔な構成で物体把持を行うことができ、コストや重量等を低減することができる。
各前記爪は独立して制御される、ものであってもよい。
このような構成によれば、把持中心位置を変更するなど、自由度の高い把持制御を実現することができる。
前記物体移動部において前記物体を所定距離だけ移動させた後、前記物体を前記物体と結合した前記爪から解放する動作を行う、物体解放部、をさらに備えるものであってもよい。
このような構成によれば、物体を解放することにより、挟持動作へとスムーズに移行することができる。
前記所定距離は、前記爪を前記物体へと接触させることなく配置することが可能な程度の距離であってもよい。
このような構成によれば、最低限必要な距離だけ移動させるので、物体の把持効率を向上させることができる。
前記把持手段は、多関節ロボットアームに備えられる、ものであってもよい。
このような構成によれば、把持手段が多関節ロボットアームに備えられるので、自在な位置・姿勢で把持を行うことができる。
移動体をさらに備え、前記多関節アームは前記移動体に連結される、ものであってもよい。
このような構成によれば、移動を伴う動作を実現することができる。
前記移動体は、床面を移動する移動体であってもよい。
このような構成によれば、床面上を自在に移動して物体把持を行うことができる。
前記結合手段は、前記物体を吸着する吸着手段であってもよい。
このような構成によれば、物体を吸着することにより爪と物体とを結合させることができる。
前記吸着手段は、真空パッドであってもよい。
このような構成によれば、真空パッドを介して、爪と物体との結合を実現することができる。
前記結合手段は、静電気を用いて前記物体と前記爪とを結合する手段であってもよい。
このような構成によれば、静電気を用いて、爪と物体との結合を実現することができる。
前記結合手段は、磁力を用いて前記物体と前記爪とを結合する手段であってもよい。
このような構成によれば、磁力を用いて、爪と物体との結合を実現することができる。
前記爪は左右一対の爪であり、前記結合手段は、各前記爪に備えられており、前記結合手段は、真空パッドであり、各前記真空パッドは、異なる真空ポンプへと接続され、それにより、各前記真空パッドにおいて吸着作用がもたらされる、ものであってもよい。
このような構成によれば、各真空パッドがそれぞれ異なる真空ポンプへと接続されるので、各爪において独立に吸着作用を実現することができる。そのため、ロボットにおいて効率的な作業を実現することができる。
前記爪は左右一対の爪であり、前記結合手段は、各前記爪に備えられており、前記結合手段は、真空パッドであり、一方の前記真空パッドは、真空ポンプの吸気側へと接続され、他方の前記真空パッドは、前記真空ポンプの排気側へと接続され、それにより、いずれか一方の前記真空パッドにおいてのみ吸着作用がもたらされる、ものであってもよい。
このような構成によれば、一の真空ポンプを正転/逆転させることで、いずれか一方の真空パッドに吸着作用をもたらすことができる。そのため、構成を簡潔にすることができ、ロボットの重量やコストを低減することができる。
前記爪は左右一対の爪であり、前記結合手段は、一方の爪にのみ備えられている、ものであってもよい。
このような構成によれば、結合手段の数が抑制され、ロボットの重量やコストを低減することができる。
前記爪と前記物体とが結合した状態であるか否かを判定するセンサをさらに備える、ものであってもよい。
このような構成によれば、精度良く結合を検出することができる。
前記結合手段は吸着手段であり、前記センサは、圧力センサ又は流量センサであってもよい。
このような構成によれば、気体の圧力や流量又はそれらの変化を介して、精度良く結合を検出することができる。
前記ロボットは力制御され、前記爪と前記物体とが結合したか否かは、検出された外力に基づいて判定される、ものであってもよい。
このような構成によれば、ロボットの力制御に用いられるセンサと共用することで、ロボットの構成を簡潔なものとすることができるので、ロボットの重量やコストを低減することができる。
前記ロボットは力制御され、前記爪と前記物体とが結合したか否かは、検出された外力の時間変化量に基づいて判定される、ものであってもよい。
このような構成によれば、ロボットの力制御に用いられるセンサと共用することで、ロボットの構成を簡潔なものとすることができるので、ロボットの重量やコストを低減することができる。さらに、外力の時間変化量に基づくことから、検出精度を向上させることができる。
前記物体は積んだ状態で上下に嵌合する形状を備えた物体であり、前記物体と前記爪とを結合させた後、前記物体と結合した前記爪を上方に移動させる、爪移動部を備え、前記物体移動部は、上方へと移動された後の前記爪を開く動作を行う、ものであってもよい。
このような構成によれば、上下に嵌合する種類の物体であっても、適切に把持することができる。
前記物体は、立方体形状又は直方体形状を有する、ものであってもよい。
このような構成によれば、立方体形状又は直方体形状の物体を把持することができる。
別の角度から見た本発明は把持装置である。すなわち、本発明に係る把持装置は、開閉する複数の爪を用いて物体を把持する、把持手段と、前記爪のうちの少なくとも1つに備えられ、前記爪と前記物体とを着脱自在に結合する、結合手段と、前記爪のうちの少なくとも1つに係る前記結合手段を動作させ、動作させた前記結合手段に係る前記爪と前記物体とを結合させる、物体結合部と、前記物体と結合された前記爪を開く動作を行うことにより、前記物体を所定距離だけ移動させる、物体移動部と、前記物体を移動させたことにより生まれた空間に、前記物体と結合されていない前記爪を、前記開閉動作方向に平行な軸回りに回動させることにより配置させる、爪配置部と、前記爪を閉じる動作を行うことにより、前記爪により前記物体を挟持する、物体挟持部と、を備えている。
別の角度から見た本発明は制御方法である。すなわち、本発明に係る制御方法は、開閉する複数の爪を用いて物体を把持する、把持手段と、前記爪のうちの少なくとも1つに備えられ、前記爪と前記物体とを着脱自在に結合する、結合手段と、を備えたロボットの制御方法であって、前記爪のうちの少なくとも1つに係る前記結合手段を動作させ、動作させた前記結合手段に係る前記爪と前記物体とを結合させる、物体結合ステップと、前記物体と結合された前記爪を開く動作を行うことにより、前記物体を所定距離だけ移動させる、物体移動ステップと、前記物体を移動させたことにより生まれた空間に、前記物体と結合されていない前記爪を、前記開閉動作方向に平行な軸回りに回動させることにより配置させる、爪配置ステップと、前記爪を閉じる動作を行うことにより、前記爪により前記物体を挟持する、物体挟持ステップと、を備えている。
別の角度から見た本発明はプログラムである。すなわち、本発明に係るプログラムは、開閉する複数の爪を用いて物体を把持する、把持手段と、前記爪のうちの少なくとも1つに備えられ、前記爪と前記物体とを着脱自在に結合する、結合手段と、を備えたロボットの制御プログラムであって、前記爪のうちの少なくとも1つに係る前記結合手段を動作させ、動作させた前記結合手段に係る前記爪と前記物体とを結合させる、物体結合ステップと、前記物体と結合された前記爪を開く動作を行うことにより、前記物体を所定距離だけ移動させる、物体移動ステップと、前記物体を移動させたことにより生まれた空間に、前記物体と結合されていない前記爪を、前記開閉動作方向に平行な軸回りに回動させることにより配置させる、爪配置ステップと、前記爪を閉じる動作を行うことにより、前記爪により前記物体を挟持する、物体挟持ステップと、を備えている。
別の角度から見た本発明はシステムである。すなわち、本発明に係るシステムは、開閉する複数の爪を用いて物体を把持する、把持手段と、前記爪のうちの少なくとも1つに備えられ、前記爪と前記物体とを着脱自在に結合する、結合手段と、前記爪のうちの少なくとも1つに係る前記結合手段を動作させ、動作させた前記結合手段に係る前記爪と前記物体とを結合させる、物体結合部と、前記物体と結合された前記爪を開く動作を行うことにより、前記物体を所定距離だけ移動させる、物体移動部と、前記物体を移動させたことにより生まれた空間に、前記物体と結合されていない前記爪を、前記開閉動作方向に平行な軸回りに回動させることにより配置させる、爪配置部と、前記爪を閉じる動作を行うことにより、前記爪により前記物体を挟持する、物体挟持部と、を備えている。
本発明によれば、周囲に把持に用いる把持片を挿入する隙間が無いように配置された物体を高効率に把持することができ、かつ、コンパクトなロボット等を提供することができる。
図1は、ロボットの外観斜視図である。 図2は、ロボットの機能ブロック図である。 図3は、吸着部の作用を説明するためのロボットの概略構成図である。 図4は、ロボットの動作に関するゼネラルフローチャートである(第1の実施形態)。 図5は、初期位置への移動処理が完了した後のロボットの状態を示す斜視図である。 図6は、ロボットの状態に関する説明図(その1)である。 図7は、ロボットの状態に関する説明図(その2)である。 図8は、ロボットの状態に関する説明図(その3)である。 図9は、ロボットの状態に関する説明図(その4)である。 図10は、ワークのスライド移動処理直後のロボットの状態を示す斜視図である。 図11は、ロボットの状態に関する説明図(その5)である。 図12は、ロボットの状態に関する説明図(その6)である。 図13は、把持対象ワークを挟持した状態のロボットの状態を示す斜視図である。 図14は、ワークを持ち上げた状態のロボットの右側面図である。 図15は、本実施形態に係るロボットの動作に関するゼネラルフローチャートである(第2の実施形態)。 図16は、ワークを持ち上げる動作を行った直後のロボットの状態を示す説明図である(第2の実施形態)。 図17は、変形例に係る結合手段の構成を示す説明図(その1)である。 図18は、変形例に係る結合手段の構成を示す説明図(その2)である。 図19は、変形例に係る結合手段の構成を示す説明図(その3)である。 図20は、変形例に係る結合手段の構成を示す説明図(その4)である。 図21は、変形例に係る真空パッドの構成を示す説明図(その1)である。 図22は、変形例に係る真空パッドの構成を示す説明図(その2)である。 図23は、吸着手段と真空ポンプとの間に圧力センサを設けた変形例に関する説明図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
(1.第1の実施形態)
第1の実施形態として、本発明をグリッパ150を備えた移動式のロボット100、すなわち、モバイルマニピュレータに対して適用した例について説明する。
なお、本実施形態においては、物体を挟持する装置をグリッパと称するものの、エンドエフェクタ、ハンド等、他の名称により称呼してもよい。また、本発明の適用対象は、モバイルマニピュレータに限定されない。従って、移動機能を備えないロボット、又は、他の機能を有するロボットに適用してもよい。
(1.1 ロボットの構成)
図1は、本実施形態に係るロボット100の外観斜視図である。なお、同図においては、カメラが省略して記載されている点に留意されたい。
図1から明らかな通り、本実施形態に係るロボット100は、床面上を移動するための移動機構である台車部11と、台車部11の天面を基端とする多関節アーム部(21、31、41、42)と、多関節アーム部の先端に取り付けられたグリッパ150と、から構成されている。
なお、以下では、説明の便宜上、図1における鉛直上方向を上、鉛直下方向を下、グリッパ150が設けられている面を正面、その反対側を背面と称することがある。また、背面を背にして右側を右、左側を左、左右をまとめて側面と称することがある。
また、本実施形態においてはエンドエフェクタの例示としてグリッパ150を採用するものの、他のエンドエフェクタを採用してもよい。
台車部11は、上方向にやや窄まった略円柱状の筐体を有し、筐体天面には平面が設けられている。台車部11の筐体内部の底面側には、4つのオムニホイール12が設けられている。オムニホイール12とは、車輪の回転と円周上の樽の回転の組み合わせにより、全方位への移動を可能とする車輪である。このオムニホイール12により、台車部11は全方位に自在に移動することができる。
なお、本実施形態においては、全方位への移動機構としてオムニホイールを採用するものの、本発明はこのような構成に限定されない。従って、メカナムホイール等、全方位移動を可能とする他の車輪を採用してもよい。また、移動機構は、全方位移動機構に限定されない。従って、移動方位が限定された他の移動機構を採用してもよい。さらに、移動機構は、多関節アーム部とグリッパ150とを移動させることができるものであればよい。従って、例えば、床面上を移動するものに限定されず、天井から吊り下げられる移動機構、又は飛行する移動機構等であってもよい。
台車部11の天面には、第1関節部(J1)を介して、第1リンク21が連結されている。第1関節部(J1)は、第1リンク21を、鉛直方向に延びる第1の軸回りに、前記台車部11に対して回動させる。なお、第1関節部(J1)は不図示のアクチュエータにより駆動される駆動関節である。
第1リンク21の上部は、第2関節部(J2)を介して、第2リンク31と連結されている。第2関節部(J2)は、第2リンク31を、第1の軸と直交する水平軸である第2の軸回りに、前記第1リンク21に対して回動させる。なお、第2関節部(J2)は、不図示のアクチュエータにより駆動される駆動関節である。
第2リンク31は、J字形状を有しており、その直線部にはリニアガイド部が設けられている。第3リンク41は、このリニアガイド部(第3の軸)上を摺動して、第3関節部(J3)を構成する。同図の姿勢においては、第3の軸は、鉛直方向軸である。
なお、第3リンク41は、底面に開口を有する中空の略直方体形状を有している。また、第3関節部(J3)は、不図示のアクチュエータにより駆動される駆動関節である。
第3リンク41の上部かつ正面側には、第4リンク42が固定されている。グリッパ150は、第4関節部(J4)を介して、第4リンク42の正面側先端部に連結されている。第4関節部(J4)は、グリッパ150を、第2の軸と平行な水平軸である第4の軸回りに、前記第4リンク42に対して回動させる。なお、第4関節部(J4)は、不図示のアクチュエータにより駆動される駆動関節である。
グリッパ150は、基端部において第4の関節部(J4)を介して第4リンク42へと回動可能に連結されるグリッパ本体部51と、グリッパ本体部51から左右に延びて直動する出力リンク52L、52Rと、各出力リンク52L、52Rの先端部に取り付けられる爪連結部53L、53Rと、爪連結部53L、53Rの内側に連結される爪54L、54Rと、各爪54L、54Rの先端内側に取り付けられた吸着部541L、541Rから構成されている。なお、符号のLはグリッパ150の左側の構成を表し、Rは右側の構成を表している。
グリッパ本体部51は、第4の関節部(J4)を介して第4リンク42へと回動可能に連結されると共に、その筐体は、出力リンク52L、52Rを駆動する直動機構とそのアクチュエータ等を内部に保持する。
本実施形態において、直動機構は、ボールねじとリニアガイドとから構成されている。直動機構により直動する出力リンク52L、52Rは、グリッパ本体部51の正面側の左右の側面に上下に設けられた開口部から、互いに平行に突出している。
右側から延びる出力リンク52Rは直動するよう駆動され、第5の関節部(J5)を構成する。同様に、左側から延びる出力リンク52Lも直動するよう駆動され、第6の関節部(J6)を構成する。これらの出力リンク52L、52Rを駆動することにより爪54L、54Rを平行に維持した状態での開閉動作が実現される。
なお、直動機構は上述のものに限定されず、他の機構を採用してもよい。例えば、ボールねじに代えてすべりねじ等他の部品を採用してもよい。また、本実施形態において、第5の関節部(J5)と第6の関節部(J6)とは独立に動作可能に制御される。このような構成によれば、把持中心位置を変更するなど、自由度の高い把持を行うことができる。勿論、第5の関節部(J5)と第6の関節部(J6)とを連動するように構成してもよい。
出力リンク52L、52Rの先端には、出力リンク52L、52Rに直交し正面方向へと延びる爪連結部53L、53Rが取り付けられている。爪連結部53L、53Rの内部には、その内面側に取り付けられる爪54L、54Rを回動させる不図示のアクチュエータが配置されている。
爪54L、54Rは、略長円形状を有する。ただし、後述するように、爪54L、54Rは、爪連結部53L、53Rとの連結部近傍において緩やかに屈曲した形状を有している。
左側の爪54Lの基端は、爪連結部53Lの内面側に回動自在に連結されて駆動され、第7の関節部(J7)を構成する。同様に、右側の爪54Rの基端は、爪連結部53Rの内面側に回動自在に連結されて駆動され、第8の関節部(J8)を構成する。以下では、便宜上、第7の関節部及び第8の関節部を、それぞれ爪屈曲関節部(J7、J8)と呼ぶことがある。
なお、爪54L、54Rの回動動作を揺動と表現してもよい。また、爪の語は、グリッパ150において対象物を挟んで把持する部品を意味する。従って、挟持体、挟持片、把持体又は把持片等の他の用語により表現してもよい。また、大きさや形状について限定はなく、小片に限定されない。
各爪54L、54Rの先端の内側には、吸着部541L、541Rが設けられている。後述するように、本実施形態において、吸着部541L、541Rは、ロボット100の内部に設けられた真空ポンプを利用してワーク等の物体を吸着する機能を有する一対の吸着パッドである。なお、以下では、吸着等の手段により、爪54L、54Rとワークとを一体とすることを結合と称することがある。
本実施形態においては、第1~第8の各関節部(J1~J8)及び台車部11の車輪には、それぞれ、各種の検出手段が備えられている。より詳細には、各関節部(J1、J2、J4、J7、J8)及び台車部11の車輪には、不図示の角度センサ、直動する関節部(J3、J5、J6)には位置センサが備えられている。また、第1~第4の各関節部(J1~J4)には、さらに力センサが備えられている。これらのセンサからの検出値に基づいて、後述の制御部115は、ロボット100の姿勢や、ロボット100の各所に加えられる力やモーメントを算出又は推定することができる。
例えば、各種検出値に基づいて、爪54L、54Rの先端部の3軸方向に加わる力を算出することができる。なお、z方向は、開閉動作方向、把持動作方向又は押し込み方向を表し、x、y軸方向は、環境との接触方向を示している。
なお、本実施形態においては、第1~第4の各関節部(J1~J4)に力センサを設ける構成について説明したが、本発明はそのような構成に限定されない。従って、各前記爪54L、54Rの付け根に力又はモーメントの検出手段となるセンサ(トルクセンサ等)を設けてもよい。また、力センサを設けることなく外力を推定してもよい。例えば、ロボット100の制御系において外乱オブザーバを構成し、当該外乱オブザーバを用いて第1~第8の各関節部(J1~J8)に設けられた角度センサの検出値からロボット100やその把持物体へと加えられる外力を推定してもよい。
図2は、ロボット100の機能ブロック図である。同図から明らかな通り、ロボット100はその内部にマイコン110を備えており、マイコン110は、各関節部(J1~J8)及び移動台車部に設けられたアクチュエータ及びセンサと接続されている。また、マイコン110は、不図示の認識用のカメラと接続されている。さらに、マイコン110は、吸着部541L、541Rと接続された不図示の真空ポンプと電気的に接続されている。
なお、同図において、第1~第8の各関節部(J1~J8)及び移動台車部は、各関節部又は台車部11に備えられた各種のアクチュエータ及びセンサを表している。
マイコン110は、記憶部111、通信部112、I/O部113、制御部115を備えている。記憶部111は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置であり、後述の各種のデータやプログラム等を記憶している。通信部112は、外部との送受信を行う通信ユニットであり、外部装置やシステムとの間の通信を行う。I/O部113は、外部装置との入出力を行う。
制御部115は、CPU等の制御装置であり、記憶部111に記憶された各種のプログラム等を読み込んで実行する処理を行う。例えば、各関節部又は移動台車部に設けられたアクチュエータに対して動作指令を行ったり、各関節又は移動台車部に設けられたセンサからの検出情報に基づき姿勢等の算出処理を行う。また、制御部115は、例えば、真空ポンプを制御して、吸着部541L、541Rにおける吸着作用のオン・オフを制御する処理を行う。
なお、同図において、バッテリ等の電源装置については記載が省略されている。
また、ロボット100の機能ブロックは、本実施形態に係る構成に限定されない。従って、機能の一部を外部情報処理装置等において実行する等してシステムとして構成してもよい。
図3は、吸着部541L、541Rの作用を説明するためのロボット100の概略構成図である。同図においては、平面視したグリッパ150の概略構成が示されている。
同図から明らかな通り、左右の爪54L、54Rの先端内側には、それぞれ吸着部541L、541Rが取り付けられている。本実施形態において、真空ポンプは1つであり、吸着部541Lから延びる管は真空ポンプの一方の口に接続され、吸着部541Rから延びる管は真空ポンプの他方の口に接続される。ここで、真空ポンプの各口は、ポンプの正転又は逆転に応じて、吸気口又は排気口のいずれかとして機能する。
このような構成によれば、一の真空ポンプを正転/逆転させることで、いずれか一方の吸着部541L、541Rにおける吸着作用をもたらすことができる。そのため、構成を簡潔にすることができ、ロボットの重量やコストを低減することができる。
(1.2 ロボットの動作)
図4は、本実施形態に係るロボット100の動作に関するゼネラルフローチャート(その1)、すなわち、パレット上に積み上げられた複数のワークのうちの1つを把持する動作に関するゼネラルフローチャートである。なお、本実施形態において、ワークは、例えば、閉じた段ボール箱のような直方体形状の箱である。なお、以下では、このようなワークを箱型ワークと呼ぶことがある。
同図から明らかな通り、処理が開始すると、ロボット100は、一方の爪を退避させる処理を行った後、ワーク把持の初期位置へと移動する処理を行う(S11)。
本実施形態において、一方の爪を退避させる処理とは、ロボット100に搭載されたカメラ等により爪54を挿入する隙間がないと認識された側の爪54を、爪54の開閉動作方向(直動方向)に平行な軸回りに回動させて、爪54がロボット100の前方のワークに干渉又は接触しないようにする処理を意味する。また、初期位置とは、把持対象とするワークを把持可能な程度にワークに近接し、かつ、パレットの近傍の位置である。
図5は、初期位置への移動処理(S11)が完了した後のロボットの状態を示す斜視図である。同図から明らかな通り、ロボット100の前方には、パレット75上に合計18個(=3×2×3個)のワーク71(71a~71t)が密に載置されている。
同図の例にあっては、ロボット100の左側の爪54Lは、垂直上方に延びて退避された状態、すなわち、ワーク71と衝突又は接触しない状態にある。また、ロボット100の右側の爪54Rは、把持対象ワーク71aの側面中心近傍においてワーク71aに対して平行に配置されている。
図6は、初期位置への移動処理(S11)が完了した後の、ロボット100の状態に関する説明図(その1)である。同図(A)は、ロボット100とワーク71の右側面図(その1)であり、同図(B)は、ロボット100とワーク71の平面図(その1)である。なお、同図にあっては、簡単のため、ロボット100の構成は概略構成として示されると共に、積み上げられたワーク71の段数、個数も実際より少なく描かれている。また、把持対象となるワーク71aは斜線にてハイライトされている。この全体は以下の同様の図においても同様である。
これらの図から明らかな通り、ロボット100の左側の爪54Lは、爪54の開閉動作方向(直動方向)に平行な軸回りに回動させたことにより退避された状態となっている。また、右側の爪54Rは、床面に対して平行であって、かつ、ワーク71aの側面に平行に配置されている。
図4に戻り、初期位置への移動処理が完了した後、ロボット100は、退避させていない側の爪54をワーク71の側面に接触させる処理を行う(S12)。
本実施形態において、爪54を把持対象ワーク71aの側面に接触させる処理は、退避させていない側の爪54、すなわち、右側の爪54Rを、ワーク71aと接触したことが検出されるまで直動機構により内側へと移動させることにより行う。なお、接触検出の手段として、公知の種々の手法を採用することができる。例えば、爪54の内側に接触センサを設けてもよいし、爪54に働く外力を検出する等してもよい。
図7は、爪54をワーク71側面へと接触させる処理(S12)が完了した後の、ロボット100の状態に関する説明図(その2)である。同図(A)は、ロボット100とワーク71の右側面図(その2)であり、同図(B)は、ロボット100とワーク71の平面図(その2)である。
同図から明らかな通り、退避させていない側の爪54、すなわち、右側の爪54Rは、直動機構により内側へと平行移動して、把持対象ワーク71aの右側面に接触している。
図4に戻り、爪54をワーク71aの側面へと接触させる処理を行った後、ロボット100は、把持対象ワーク71aに接触している爪54Rを用いて把持対象ワーク71aを吸着する処理を行う(S13)。
図8は、爪54Rをワーク71aへと吸着させる処理(S13)を行っているロボット100の状態に関する説明図(その3)である。同図(A)は、ロボット100とワーク71の右側面図(その3)であり、同図(B)は、ロボット100とワーク71の平面図(その3)である。
同図から明らかな通り、把持対象ワーク71aへと接触している爪54Rの吸着部541Rは、アクティブな状態となっており、接触しているワーク71aをその側面から吸着する状態となっている。これにより、爪54Rとワーク71aとは結合する。
図4に戻り、ワーク71を吸着させる処理の後、ロボット100は、把持対象ワーク71aを所定距離だけスライドさせる処理を行う(S15)。本実施形態において、このスライド処理は、把持対象ワーク71aと接触している爪54Rを直動機構により外側へと移動させることにより行う。また、この所定距離は、作業効率と安全性の観点から、爪54Lをワーク71へと接触させることなく配置することが可能な程度の距離である。ロボット100は、把持対象ワーク71aをスライド移動させた後、吸着部541Rによる吸着機能を停止して把持対象ワーク71aを解放する。
図9は、ワーク71をスライドさせる処理(S15)を行った後のロボット100の状態に関する説明図(その4)である。同図(A)は、ロボット100とワーク71の右側面図(その4)であり、同図(B)は、ロボット100とワーク71の平面図(その4)である。
同図から明らかな通り、右側の爪54Rにより吸着されたワーク71aは、爪54Rの外側への平行移動に伴って1つ下のワーク71d上をスライド移動している。
図10は、ワーク71aのスライド移動直後の状態を示す斜視図である。同図から明らかな通り、ワーク71aをスライド移動させたことにより、ロボットから見て把持対象ワーク71aの左側には空間が生まれている。
図4に戻り、ワーク71のスライド処理の後、ロボット100は、退避させていた爪54Lをワーク71の間に配置する処理を行う。本実施形態においては、ロボット100は、鉛直上方へと向けることにより退避させていた左側の爪54Lを、開閉動作方向(直動方向)に平行な軸回りに回動させて、把持対象ワーク71aと隣接ワーク71lとの間に生じた空間に配置する処理を行う。
図11は、退避させていた爪54Lをワーク71間に配置する処理(S16)を行った後のロボット100の状態に関する説明図(その5)である。同図(A)は、ロボット100とワーク71の右側面図(その5)であり、同図(B)は、ロボット100とワーク71の平面図(その5)である。
同図から明らかな通り、把持対象ワーク71aとその隣接ワーク71lとの間に、退避させていた左側の爪54Lが床面に平行な状態で配置されている。
図4に戻り、爪54Rをワーク71間に配置する処理を行った後、ロボット100は、把持対象ワーク71aを一対の爪54L、54Rにより挟持する処理を行う。本実施形態において、この挟持は各爪を内側方向へと平行移動させることにより行う。
図12は、把持対象ワーク71aを挟持する処理(S17)を行った後のロボット100の状態に関する説明図(その6)である。同図(A)は、ロボット100とワーク71の右側面図(その6)であり、同図(B)は、ロボット100とワーク71の平面図(その6)である。
同図から明らかな通り、把持対象ワーク71aは左右一対の爪54L、54Rにより挟持されている。
図13は、把持対象ワーク71aを挟持した状態のロボット100の状態を示す斜視図である。同図から明らかな通り、ロボット100は、把持対象ワーク71aをスライドさせたことにより生まれた空間に左の爪54Lを配置することにより、把持対象ワーク71aを左右両側から挟持することができる。
図4に戻り、ワーク71aを挟持する処理を行った後、ロボット100は、挟持したワーク71aを持ち上げる処理を行う(S18)。なお、この持ち上げる動作を行った後は、ロボット100は、持ち上げたワーク71aを支配することができる。そのため、例えば、別の場所へと載置するためにワークを移動させたり、別の把持姿勢をとる等してもよい。この持ち上げる動作の後、処理は終了する。
図14は、ワーク71aを持ち上げた状態のロボット100の右側面図である。同図において、ロボット100は、その姿勢を変更することによりワーク71aを垂直に持ち上げている。
以上の構成によれば、爪54を挿入する隙間がないように配置された物体であっても把持することができる。また、物体を移動させたことにより生まれた空間に、開閉動作方向に平行な軸回りに回動させることにより爪54を配置するので、効率的な作業を実現することができる。さらに、結合手段541が爪54に備えられているため、簡潔な構成とすることができ、コンパクトな設計を実現することができる。
(2.第2の実施形態)
上述の実施形態において、把持対象ワークは開口部を有しない箱であった。本実施形態においては、本発明を、天面が開口部となっており積み上げた際に上下に嵌合するコンテナ型の箱に対して適用した例について説明する。なお、ロボット100のハードウェア構成は、第1の実施形態と同一であるので、ここでは詳細な説明を省略する。また、以下では、このようなワークをコンテナ型ワークと呼ぶことがある。
図15は、本実施形態に係るロボットの動作に関するゼネラルフローチャート(その2)である。
同図から明らかな通り、本実施形態においても、ワークの吸着までの処理(S21~S23)、ワークをスライドさせてからワークを持ち上げるまでの処理(S25~S28)は、第1の実施形態に係るもの(S11~S13、S15~S18)と略同一である。ただし、本実施形態に係る動作は、吸着処理(S23)を行った後に、ワークを吸着させた状態で爪54でワークを鉛直上方へと持ち上げる動作を行う点において(S24)、第1の実施形態と相違する。
図16は、ワークを持ち上げる動作(S24)を行った直後のロボット100の状態を示す説明図である。同図(A)は、ロボット100とワーク71の右側面図であり、同図(B)は、ロボット100とワーク71の平面図である。
なお、同図において、ロボット100の正面には、パレット85上に積み上げられたコンテナ型のワーク81が2段に配置されている。上に配置されたワーク81aの底面の凸部は、下に配置されたワーク81dの開口部に嵌合する構成を有している。
同図から明らかな通り、本実施形態において、ロボット100は、右側の爪54Rを用いて、ワーク81aを吸着させた状態でワーク81aを鉛直上方へと所定距離だけ移動させている。この所定距離は、その後に水平方向にスライドさせた際に、上下に嵌合したワーク間(81aと81d)の嵌合状態が解除される程度の距離である。すなわち、ワーク81aを持ち上げたことにより、上下のワーク(81aと81d)の間において嵌合状態が解除され、把持対象のワーク81aの水平方向への移動等が可能となる。
このような構成によれば、上下に嵌合する種類の物体であっても、適切に把持することができる。
(3.変形例)
上述の実施形態は例示であり、本発明は、様々に変形して実施することができる。
上述の実施形態においては、吸着部541L、541Rとして、一対の真空パッドを利用すると共に、1つの真空ポンプを共通に使用する構成について説明したが、本発明はこのような構成に限定されない。要するに、爪とワークとを結合することができればよいので、本発明は様々に変形して実施することができる。
図17は、変形例に係る結合手段の構成を示す説明図(その1)である。同図から明らかな通り、同図の例にあっては、左右の爪54L、54Rの先端内側に真空パッド542L、542Rが設けられると共に、各真空パッド542L、542Rは、それぞれ別々の真空ポンプの吸気口へと接続されている。
このような構成によれば、各真空パッド542L、542Rがそれぞれ異なる真空ポンプへと接続されるので、各爪54L、54Rにおいて独立に吸着作用を実現することができる。そのため、ロボットにおいて効率的な作業を実現することができる。
図18は、変形例に係る結合手段の構成を示す説明図(その2)である。同図から明らかな通り、同図の例にあっては、一方の爪、すなわち右側の爪54Rにのみ真空パッド543Rが設けられている。また、同真空パッド543Rは、真空ポンプの吸気口へと接続されている。
このような構成によれば、吸着手段が一の真空パッド543Rと一の真空ポンプという最小限の構成となるので、ロボットの重量やコストを低減することができる。
図19は、変形例に係る結合手段の構成を示す説明図(その3)である。同図から明らかな通り、同図の例にあっては、左右の爪54L、54Rの先端内側に真空パッド545L、545Rが設けられている。また、各真空パッド545L、545Rは、共通の圧力源(正圧源)に接続されると共に、各真空パッド545L、545Rと圧力源との間の管には真空エジェクタ546L、546Rが配置されている。この真空エジェクタ546L、546Rと圧力源を制御することにより、真空パッド545L、545Rにおける吸着作用を実現してもよい。
このような構成によれば、特に工場等に設置される圧力源等を用いて、吸着手段を実現することができる。
図20は、変形例に係る結合手段の構成を示す説明図(その4)である。同図から明らかな通り、同図の例にあっては、吸着手段に代えて、各爪54L、54Rの先端内側には静電チャック547L、547Rが配置されると共に、各静電チャック547L、547Rは電源へと接続されている。
このような構成によれば、電気的に、爪と物体との結合を実現することができる。なお、ワークと爪との間の結合が実現できればよいので、他の手段として、例えば、磁力を用いて爪と物体との結合を実現してもよい。
図21は、変形例に係る真空パッド548の構成を示す説明図(その1)である。同図から明らかな通り、同図の例にあっては、真空パッド548の吸着面に、多数の長孔が規則的に配置されたスポンジ部材5481が取り付けられている。
このような構成によれば、スポンジ素材により、ワークを損傷させるおそれが少ない把持を実現することができる。
図22は、変形例に係る真空パッド549の構成を示す説明図(その2)である。同図から明らかな通り、同図の例にあっては、真空パッド549の吸着面に、多数の吸盤部材5491が規則的に配置されている。
このような構成によれば、多数の吸盤部材5491を介して吸着を行うことができる。
上述の実施形態においては、吸着部541L、541Rとワークとの間の吸着について検出又は判定していなかったが、これらを行ってもよい。
図23は、吸着部543Rを右の爪54Rに備えた構成において、吸着部543Rと真空ポンプとの間に圧力センサ5431を設けた構成に係る説明図である。同図の構成によれば、圧力センサ5431における圧力値又はその変化から、吸着判定を行うことができる。
このような構成によれば、着実にワークと爪とを結合することができるので、より安定的かつ安全に作業を実行することができる。
なお、このとき用いるセンサは圧力センサに限定されない。すなわち、ワークと吸着部543Rとの間の吸着又は結合を検出可能なセンサであればよく、例えば、流量センサ等の他のセンサを採用してもよい。
また、ワークの吸着後の爪54Rの動作の際に爪54Rに働く外力を検出することで、爪54Rとワークとの結合状態を検出又は判定してもよい。この場合、爪54Rに力覚センサや触覚センサ等を設けてもよく、また、爪54Rの動作に係るモータの電流値を検出する電流センサ等をさらに備えてもよい。
このような構成によれば、吸着部541L、541Rが詰まる等していてもワークと爪との間の結合を検出又は判定することができる。また、ロボットの力制御に用いられるセンサと共用することで、ロボットの構成を簡潔なものとすることができるので、ロボットの重量やコストを低減することができる。
このとき、外力の時間変化量に基づいて、ワークと爪との間の結合を検出又は判定してもよい。このような構成によれば、検出精度をより向上させることができる。
上述の実施形態においては、グリッパの爪として一対の爪を採用したが、本発明はこのような構成に限定されない。従って、3以上の爪を用いてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記の実施形態は、矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。
本発明は、ロボット等を製造する産業において利用可能である。
11 台車部
12 オムニホイール
21 第1リンク
31 第2リンク
41 第3リンク
42 第4リンク
51 グリッパ本体部
52 出力リンク
53 爪連結部
54 爪
541 吸着部(真空パッド)(結合手段)
542 吸着部(真空パッド)(結合手段)
543 吸着部(真空パッド)(結合手段)
545 吸着部(真空パッド)(結合手段)
547 静電チャック(結合手段)
548 真空パッド(結合手段)
549 真空パッド(結合手段)
71 ワーク(箱型)
75 パレット
81 ワーク(コンテナ型)
85 パレット
100 ロボット
110 マイコン
150 グリッパ

Claims (25)

  1. 開閉する複数の爪を用いて物体を把持する、把持手段と、
    前記爪のうちの少なくとも1つに備えられ、前記爪と前記物体とを着脱自在に結合する、結合手段と、
    前記爪のうちの少なくとも1つに係る前記結合手段を動作させ、動作させた前記結合手段に係る前記爪と前記物体とを結合させる、物体結合部と、
    前記物体と結合された前記爪を開く動作を行うことにより、前記物体を所定距離だけ移動させる、物体移動部と、
    前記物体を移動させたことにより生まれた空間に、前記物体と結合されていない前記爪を、前記開閉動作方向に平行な軸回りに回動させることにより配置させる、爪配置部と、
    前記爪を閉じる動作を行うことにより、前記爪により前記物体を挟持する、物体挟持部と、を備える、ロボット。
  2. 前記爪は左右一対の爪であり、直動機構により左右方向に開閉する、請求項1に記載のロボット。
  3. 各前記爪は独立して制御される、請求項1に記載のロボット。
  4. 前記物体移動部において前記物体を所定距離だけ移動させた後、前記物体を前記物体と結合した前記爪から解放する動作を行う、物体解放部、をさらに備えた請求項1に記載のロボット。
  5. 前記所定距離は、前記爪を前記物体へと接触させることなく配置することが可能な程度の距離である、請求項1に記載のロボット。
  6. 前記把持手段は、多関節ロボットアームに備えられる、請求項1に記載のロボット。
  7. 移動体をさらに備え、
    前記多関節アームは前記移動体に連結される、請求項6に記載のロボット。
  8. 前記移動体は、床面を移動する移動体である、請求項7に記載のロボット。
  9. 前記結合手段は、前記物体を吸着する吸着手段である、請求項1に記載のロボット。
  10. 前記吸着手段は、真空パッドである、請求項9に記載のロボット。
  11. 前記結合手段は、静電気を用いて前記物体と前記爪とを結合する手段である、請求項1に記載のロボット。
  12. 前記結合手段は、磁力を用いて前記物体と前記爪とを結合する手段である、請求項1に記載のロボット。
  13. 前記爪は左右一対の爪であり、前記結合手段は、各前記爪に備えられており、
    前記結合手段は、真空パッドであり、
    各前記真空パッドは、異なる真空ポンプへと接続され、それにより、各前記真空パッドにおいて吸着作用がもたらされる、請求項1に記載のロボット。
  14. 前記爪は左右一対の爪であり、前記結合手段は、各前記爪に備えられており、
    前記結合手段は、真空パッドであり、
    一方の前記真空パッドは、真空ポンプの吸気側へと接続され、他方の前記真空パッドは、前記真空ポンプの排気側へと接続され、それにより、いずれか一方の前記真空パッドにおいてのみ吸着作用がもたらされる、請求項1に記載のロボット。
  15. 前記爪は左右一対の爪であり、前記結合手段は、一方の爪にのみ備えられている、請求項1に記載のロボット。
  16. 前記爪と前記物体とが結合した状態であるか否かを判定するセンサをさらに備える、請求項1に記載のロボット。
  17. 前記結合手段は吸着手段であり、
    前記センサは、圧力センサ又は流量センサである、請求項16に記載のロボット。
  18. 前記ロボットは力制御され、前記爪と前記物体とが結合したか否かは、検出された外力に基づいて判定される、請求項1に記載のロボット。
  19. 前記ロボットは力制御され、前記爪と前記物体とが結合したか否かは、検出された外力の時間変化量に基づいて判定される、請求項1に記載のロボット。
  20. 前記物体は積んだ状態で上下に嵌合する形状を備えた物体であり、
    前記物体と前記爪とを結合させた後、前記物体と結合した前記爪を上方に移動させる、爪移動部を備え、
    前記物体移動部は、上方へと移動された後の前記爪を開く動作を行う、請求項1に記載のロボット。
  21. 前記物体は、立方体形状又は直方体形状を有する、請求項1に記載のロボット。
  22. 開閉する複数の爪を用いて物体を把持する、把持手段と、
    前記爪のうちの少なくとも1つに備えられ、前記爪と前記物体とを着脱自在に結合する、結合手段と、
    前記爪のうちの少なくとも1つに係る前記結合手段を動作させ、動作させた前記結合手段に係る前記爪と前記物体とを結合させる、物体結合部と、
    前記物体と結合された前記爪を開く動作を行うことにより、前記物体を所定距離だけ移動させる、物体移動部と、
    前記物体を移動させたことにより生まれた空間に、前記物体と結合されていない前記爪を、前記開閉動作方向に平行な軸回りに回動させることにより配置させる、爪配置部と、
    前記爪を閉じる動作を行うことにより、前記爪により前記物体を挟持する、物体挟持部と、を備える、把持装置。
  23. 開閉する複数の爪を用いて物体を把持する、把持手段と、
    前記爪のうちの少なくとも1つに備えられ、前記爪と前記物体とを着脱自在に結合する、結合手段と、を備えたロボットの制御方法であって、
    前記爪のうちの少なくとも1つに係る前記結合手段を動作させ、動作させた前記結合手段に係る前記爪と前記物体とを結合させる、物体結合ステップと、
    前記物体と結合された前記爪を開く動作を行うことにより、前記物体を所定距離だけ移動させる、物体移動ステップと、
    前記物体を移動させたことにより生まれた空間に、前記物体と結合されていない前記爪を、前記開閉動作方向に平行な軸回りに回動させることにより配置させる、爪配置ステップと、
    前記爪を閉じる動作を行うことにより、前記爪により前記物体を挟持する、物体挟持ステップと、を備える、方法。
  24. 開閉する複数の爪を用いて物体を把持する、把持手段と、
    前記爪のうちの少なくとも1つに備えられ、前記爪と前記物体とを着脱自在に結合する、結合手段と、を備えたロボットの制御プログラムであって、
    前記爪のうちの少なくとも1つに係る前記結合手段を動作させ、動作させた前記結合手段に係る前記爪と前記物体とを結合させる、物体結合ステップと、
    前記物体と結合された前記爪を開く動作を行うことにより、前記物体を所定距離だけ移動させる、物体移動ステップと、
    前記物体を移動させたことにより生まれた空間に、前記物体と結合されていない前記爪を、前記開閉動作方向に平行な軸回りに回動させることにより配置させる、爪配置ステップと、
    前記爪を閉じる動作を行うことにより、前記爪により前記物体を挟持する、物体挟持ステップと、を備える、プログラム。
  25. 開閉する複数の爪を用いて物体を把持する、把持手段と、
    前記爪のうちの少なくとも1つに備えられ、前記爪と前記物体とを着脱自在に結合する、結合手段と、
    前記爪のうちの少なくとも1つに係る前記結合手段を動作させ、動作させた前記結合手段に係る前記爪と前記物体とを結合させる、物体結合部と、
    前記物体と結合された前記爪を開く動作を行うことにより、前記物体を所定距離だけ移動させる、物体移動部と、
    前記物体を移動させたことにより生まれた空間に、前記物体と結合されていない前記爪を、前記開閉動作方向に平行な軸回りに回動させることにより配置させる、爪配置部と、
    前記爪を閉じる動作を行うことにより、前記爪により前記物体を挟持する、物体挟持部と、を備える、システム。
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