JP2023169971A - シールドコネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で他の物体との接触を回避する。【解決手段】シールドコネクタ1は、電線Wと、端子金具2と、シールドターミナル3と、第1ハウジング41と、第2ハウジング42と、シールドシェル5と、を備える。シールドシェル5は、第1ハウジング41と第2ハウジング42とを離隔し、第1ハウジング41の第1軸線方向X1と第2ハウジング42の第2軸線方向X2とを交差させた状態で、第1ハウジング41および第2ハウジング42を保持する。【選択図】図3
Description
本発明は、シールドコネクタに関する。
シールドコネクタは、導電性の電線と、電線の端末に取り付けられた端子金具と、電線および端子金具を収容する絶縁性のハウジングと、電線、端子金具およびハウジングを収容する金属性のシールドシェルと、を備え、車両に搭載される。そして、シールドコネクタは、電線をシールドシェルで覆うことによって、所望のシールド機能を発揮し、当該シールド機能によって、電線から発生するノイズがシールドシェルの外部に漏れることを抑制することができる(例えば、特許文献1参照)。
車両は、多数の電子機器を搭載するため、車両の内部空間に電子機器が高密度で配置される。そのため、電線は、車両の内部空間において、他の物体との接触を回避しなければならない場合がある。そこで、従来のシールドコネクタの中には、電線と他の物体との接触を回避するため、例えば、電線配策経路の途中で電線を分断し、かつ、物体を避けた電力供給経路を形成するものがある。電力供給経路は、電線の一方の端部に設けられた一方側導電性部材と、電線の他方の端部に設けられた他方側導電性部材と、ボルトおよびナットで構成される締結部材とを備える。そして、締結部材は、ナットにボルトを締結することによって、一方側導電性部材と他方側導電性部材とを電気的に接続していた。しかしながら、電力供給経路を形成するよりも簡単な構成で物体を回避する要望があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、簡単な構成で他の物体との接触を回避することができるシールドコネクタを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明に係るシールドコネクタは、導電性の芯線、前記芯線を覆う絶縁性の被覆部、前記被覆部を覆う導電性の編組導体、および、前記編組導体を覆う絶縁性のシースを有する電線と、前記芯線の端末に取り付けられた端子金具と、前記電線を貫通する筒状に形成され、かつ、前記編組導体に設けられた剥き出しの折り返し部に対して電気的に接続される導電性のシールドターミナルと、前記端子金具を収容するキャビティを有する絶縁性の第1ハウジングと、前記シールドターミナルの少なくとも一部を収容するターミナル収容空間を有する絶縁性の第2ハウジングと、前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングを収容するシールド空間を有し、前記シールドターミナルを介して前記編組導体に対して電気的に接続される金属製のシールドシェルと、を備え、前記電線は、当該電線の外周面に前記シースが位置するシース露出領域と、前記電線の外周面に前記被覆部が位置する被覆部露出領域と、前記シース露出領域と前記被覆部露出領域との間に位置して前記電線の外周面に折り返された前記編組導体が位置する折り返し領域と、を有し、前記第2ハウジングは、前記シース露出領域の一部と、前記被覆部露出領域の一部と、前記折り返し領域と、を前記ターミナル収容空間に収容し、前記第2ハウジングは、前記被覆部と前記第2ハウジングとの間を止水する環状の第1パッキンを有し、前記第2ハウジングは、前記シールドターミナルと前記第2ハウジングとの間を止水する環状の第2パッキンを有し、前記第2ハウジングは、前記シースと各前記シールドターミナルとの間を止水する環状の第3パッキンを有し、前記シールドシェルは、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとを離隔し、前記第1ハウジングの第1軸線方向と前記第2ハウジングの第2軸線方向とを交差させた状態で、前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングを保持する、ことを特徴とする。
本発明に係るシールドコネクタは、上記構成を有するため、簡単な構成で他の物体との接触を回避することができる。
以下に、本発明に係るシールドコネクタの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1は、本実施形態に係るシールドコネクタ1を有するコネクタ装置100の斜視図である。図2は、本実施形態に係るシールドコネクタ1の分解斜視図である。図3は、本実施形態に係るシールドコネクタ1において、電線Wの軸線を含む平面における断面図である。
図1は、本実施形態に係るシールドコネクタ1を有するコネクタ装置100の斜視図である。図2は、本実施形態に係るシールドコネクタ1の分解斜視図である。図3は、本実施形態に係るシールドコネクタ1において、電線Wの軸線を含む平面における断面図である。
X1は、本実施形態に係る第1ハウジング41の第1軸線方向である。Yは、本実施形態に係るシールドコネクタ1において、第1軸線方向X1に対して直交する第1直交方向である。Zは、本実施形態に係るシールドコネクタ1において、第1軸線方向X1および第1直交方向Yに対してそれぞれ直交する第2直交方向Zである。
図1に示す本実施形態に係るシールドコネクタ1は、自動車等の車両に搭載されるワイヤハーネスWH1に組み込まれる。ワイヤハーネスWH1は、例えば、車両に搭載される各機器間の電気的な接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線Wを束にして集合部品とし、複数の電線Wによって各機器を電気的に接続するものである。なお、ワイヤハーネスWH1は、この他、さらに、電気接続箱、グロメット等を含んで構成されてもよい。以下、各図を参照してシールドコネクタ1の構成について詳細に説明する。
シールドコネクタ1は、図1に示す相手方シールドコネクタ101に対して電気的に接続される。シールドコネクタ1は、相手方シールドコネクタ101と共にコネクタ装置100を構成する。コネクタ装置100は、シールドコネクタ1と相手方シールドコネクタ101との電気的な接続によって、シールドコネクタ1に接続された第1接続対象物と、相手方シールドコネクタ101に接続された第2接続対象物とを電気的に接続する装置である。
相手方シールドコネクタ101は、第2接続対象物の導電性の筐体101aの内部に設けられる。そして、当該筐体101aは、後述するシールドシェル5が取り付けられる。また、筐体101aおよびシールドコネクタ1は、シールドシェル5の第2シェル部材52と、当該筐体101aの表面とが接触して配置される。また筐体101aの第2直交方向Zにおける上面は、第1ボルトBo1に螺合する第1ネジ孔が形成される。
第1接続対象物は、例えば、インバータ等の電源回路であり、シールドコネクタ1は、電線Wを介して、電源回路に対して電気的に接続される。第2接続対象物は、例えば、回転機等の電気機器であり、相手方シールドコネクタ101は、相手方電線を介して電気機器に対して電気的に接続される。
そして、コネクタ装置100は、シールドコネクタ1と相手方シールドコネクタ101とが電気的に接続されることによって、電源回路と電気機器とを電気的に接続し、電源回路から電気機器への電力の供給および電気機器で発生させた電力で電源回路を充電することができる。
シールドコネクタ1は、電線Wと、端子金具2と、シールドターミナル3と、第1ハウジング41と、第2ハウジング42と、シールドシェル5と、を備える。
シールドコネクタ1は、複数の電線W(本実施形態では2本)を備える。各電線Wは、導電性の芯線Waと、芯線Waを被覆する絶縁性の被覆部Wbと、被覆部Wbを覆う導電性の編組導体Wcと、編組導体Wcを覆う絶縁性のシースWdと、を備える。電線Wは、第2軸線方向X2に延在し、その後、屈曲部Wrで屈曲した後、第1軸線方向X1に延在する。芯線Waの一方側の端部は、不図示の第1接続対象物に対して電気的に接続される。また、芯線Waの他方側の端部は、端子金具2が取り付けられる。
本実施形態に係る電線Wは、延在方向の途中で、編組導体WcおよびシースWdが除去される。換言すると、電線Wは、当該電線Wの外周面にシースWdが位置するシース露出領域Wdtと、電線Wの外周面に被覆部Wbが位置する被覆部露出領域Wbtと、シース露出領域Wdtと被覆部露出領域Wbtとの間に位置して電線Wの外周面に折り返された編組導体Wcが位置する折り返し領域Wctと、を有する。電線Wは、延在方向に沿って、基端側から先端側へ向けて、シース露出領域Wdtと、折り返し領域Wctと、被覆部露出領域Wbtとがこの順番に配置される。折り返し領域Wctは、電線Wの延在方向の途中に配置され、剥き出しの折り返し部Wfを含む。折り返し部Wfは、編組導体Wcの端末に設けられる。また、電線Wは、第1ハウジング41と第2ハウジング42との間に、当該電線Wが屈曲された屈曲部Wrを有する。屈曲部Wrは、径方向の太さが、シース露出領域Wdtの径方向の太さよりも狭い被覆部露出領域Wbtに位置する。
端子金具2は、導電性の金属材料によって形成される。図3に示す端子金具2は、長さ方向の一方側の端部に、電線Wの芯線Waに対して電気的に接続される芯線接続部21を有する一方、長さ方向の他方側の端部に、端子接続部22を有する。本実施形態に係る端子接続部22は、端子収容空間2sを有し、相手方シールドコネクタ101の相手方端子金具を挿入可能に角筒状に形成される。本実施形態に係る端子金具2の端子接続部22は、第2直交方向Zの一方側に端子天壁221を有する。そして、端子天壁221は、第2直交方向Zにおいて、当該端子天壁221を貫通する貫通孔である天壁係止受け部を有する。天壁係止受け部は、後述するランス413Lに係止され、端子金具2は、第1ハウジング41に固定される。
シールドターミナル3は、導電性の金属材料で筒状に形成され、電線Wおよび第3パッキン8を収容するターミナル空間3sを有する。本実施形態に係るシールドターミナル3は、当該シールドターミナル3の軸線方向と、後述する第2ハウジング42の第2軸線方向X2とが合致するように配置される。シールドターミナル3は、編組導体Wcの他方側の端部に対して電気的に接続され、かつ、シールドシェル5に対して電気的に接続される。つまり、シールドターミナル3は、編組導体Wcとシールドシェル5とを電気的に接続する。シールドターミナル3は、第2軸線方向X2に沿って、ターミナル幅狭部31と、ターミナル幅広部32と、ターミナル中間部33と、を備える。
ターミナル幅狭部31は、第2軸線方向X2において、第1ハウジング41側に位置する。ターミナル幅狭部31の径方向の大きさは、ターミナル幅広部32の径方向の大きさよりも小さい。また、ターミナル幅狭部31の径方向の大きさは、ターミナル中間部33の径方向の大きさよりも小さい。そして、ターミナル幅狭部31は、当該ターミナル幅狭部31の外周面に、リング状に形成されたシールドリング311が設けられる。
ターミナル幅広部32は、第2軸線方向X2において、第1ハウジング41とは反対側に位置する。ターミナル幅広部32の径方向の大きさは、ターミナル中間部33の径方向の大きさよりも大きい。
ターミナル中間部33は、第2軸線方向X2において、ターミナル幅狭部31とターミナル幅広部32とに挟み込まれるように形成される。
また、シールドターミナル3は、別体に形成された金属性で環状のシールドリング311を備える。シールドリング311は、導電性を有し、ターミナル幅狭部31の外周面に配置される。より詳細に説明すると、シールドリング311は、折り返し領域Wctにおける編組導体Wcを押圧した状態でシールドターミナル3に取り付けられる。そして、シールドリング311によって編組導体Wcの端末が、ターミナル幅狭部31の外周面に接触することで、編組導体Wcとシールドターミナル3とが電気的に接続される。さらに、編組導体Wcは、シールドターミナル3、シールドシェル5、および、相手方シールドコネクタ101の接地部材を介して接地される。
第1ハウジング41は、絶縁性の合成樹脂等で形成される。そして、第1ハウジング41は、端子金具2を収容するキャビティ4cが形成される。本実施形態に係る第1ハウジング41は、複数のキャビティ4c(本実施形態では2つ)を有する筒状に形成される。
第1ハウジング41は、第1軸線方向X1に沿って、第1ハウジング幅広部411と、第1ハウジング幅狭部412と、を備える。
第1ハウジング幅広部411は、第1軸線方向X1において、第2ハウジング42の反対側に位置する。
第1ハウジング幅広部411は、キャビティ4cを構成するキャビティ天壁413にランス413Lを有する。ランス413Lは、キャビティ天壁413から第2直交方向Zの他方側へ突出して形成され、端子金具2の天壁係止受け部に係止可能である。
第1ハウジング幅狭部412は、第1軸線方向X1において、第2ハウジング42側に位置する。第1ハウジング幅狭部412の内部には、複数(本実施形態では2つ)の第4パッキン9が配置される。第1ハウジング幅狭部412の径方向の大きさは、第1ハウジング幅広部411の径方向の大きさよりも小さい。また、第1ハウジング41は、第4パッキン9と、ホルダ11とを有する。
第2ハウジング42は、絶縁性の合成樹脂等で形成される。そして、第2ハウジング42は、少なくともシールドターミナル3の一部を収容するターミナル収容空間4sが形成される。より具体的に説明すると、第2ハウジング42は、シールドターミナル3におけるターミナル幅狭部31およびターミナル中間部33をターミナル収容空間4sに収容する。本実施形態に係る第2ハウジング42は、各シールドターミナル3を収容するターミナル収容空間4sが、電線Wの数に対応して形成される。つまり、本実施形態に係る第2ハウジング42は、2つのターミナル収容空間4sが形成される。各ターミナル収容空間4sは、筒状に形成される。また、第2ハウジング42は、第1パッキン6および第2パッキン7をターミナル収容空間4sに収容する。さらに、第2ハウジング42は、シース露出領域Wdtの一部と、被覆部露出領域Wbtの一部と、折り返し領域Wctと、をターミナル収容空間4sに収容する。
第2ハウジング幅狭部421は、第2軸線方向X2において、第1ハウジング41側に位置する。第2ハウジング幅狭部421は、ターミナル幅狭部31が内部に収容される。また、第2ハウジング幅狭部421は、第1パッキン6が内部に収容される。
第2ハウジング幅広部422は、第1軸線方向X1において、第1ハウジング41の反対側に位置する。第2ハウジング幅広部422は、ターミナル中間部33が内部に収容される。また、第2ハウジング幅広部422は、第2パッキン7が内部に収容される。第2ハウジング幅広部422の径方向の大きさは、第2ハウジング幅狭部421の径方向の大きさよりも大きい。
また、第2ハウジング42は、第1パッキン6と、第2パッキン7と、第3パッキン8と、を有する。
図3に示すシールドシェル5は、導電性の金属材料で形成される。シールドシェル5は、電線Wを覆うことによって、所望のシールド機能を発揮し、当該シールド機能によって、電線Wから発生するノイズがシールドシェル5の外部に漏れることを抑制することができる。シールドシェル5は、金属製であって、第1ハウジング41および第2ハウジング42を収容するシールド空間5sを有し、シールドターミナル3を介して編組導体Wcに対して電気的に接続される。本実施形態に係るシールドシェル5は、第1ハウジング41と第2ハウジング42とを離隔し、第1ハウジング41の第1軸線方向X1と、第2ハウジング42の第2軸線方向X2とを交差させた状態で、第1ハウジング41および第2ハウジング42を保持する。本実施形態に係るシールドシェル5は、第1直交方向Yから視た場合、第1ハウジング41の第1軸線方向X1と、第2ハウジング42の第2軸線方向X2との交差角度がおよそ120度となるように、第1ハウジング41および第2ハウジング42を保持する。本実施形態に係るシールドシェル5は、第1シェル部材51と第2シェル部材52とを有する。
第1シェル部材51は、図2、図3に示すように、第1ハウジング41における第2直交方向Zの一方側を覆い、かつ、第2ハウジング42における第2直交方向Zの一方側を覆う。そして、第1シェル部材51は、図2に示すように、第1シェル部材第1ハウジング対向部511と、第1シェル部材第2ハウジング対向部512とを有する。
第1シェル部材第1ハウジング対向部511は、第1軸線方向X1に延在する矩形板状に形成される。そして、第1シェル部材第1ハウジング対向部511は、第1凹部511oと、一対の第1突出部511pと、を有する。第1凹部511oは、第2直交方向Zにおいて、第2シェル部材52から離れる方向へ向けて凹み、第1ハウジング41が載置される。一対の第1突出部511pは、第1直交方向Yにおいて対向する両側縁から、互いに離隔する方向へ突出する。また、各第1突出部511pは、第2ボルトBo2のネジ部を貫通させる貫通孔511hを有する。
第1シェル部材第2ハウジング対向部512は、第2軸線方向X2に延在する矩形板状に形成される。そして、第1シェル部材第2ハウジング対向部512は、第2凹部512oと、一対の第2突出部512pと、を有する。第2凹部512oは、第2直交方向Zにおいて、第2シェル部材52から離れる方向へ向けて凹み、第2ハウジング42が載置される。一対の第2突出部512pは、第1直交方向Yにおいて対向する両側縁から、互いに離隔する方向へ突出する。また、各第2突出部512pは、第2ボルトBo2のネジ部を貫通させる貫通孔512hを有する。
第1シェル部材51は、第1直交方向Yから視た場合、第1シェル部材第1ハウジング対向部511の延在方向と第1シェル部材第2ハウジング対向部512の延在方向とが交差する交差角度は、およそ120度である。
第2シェル部材52は、第1ハウジング41における第2直交方向Zの他方側を覆い、かつ、第2ハウジング42における第2直交方向Zの他方側を覆う。そして、第2シェル部材52は、第2シェル部材第1ハウジング対向部521と、第2シェル部材第2ハウジング対向部522とを有する。
第2シェル部材第1ハウジング対向部521は、第1軸線方向X1に延在し、第1直交方向Yにおいて対向する一対の対向壁と、一対の対向壁を連結する連結壁とを有する樋形状に形成される。そして、第2シェル部材第1ハウジング対向部521は、一対の第3突出部521pと、シールドコネクタ固定用突出部521qと、を有する。一対の第3突出部521pは、第1直交方向Yにおいて対向する一対の対向壁から、互いに離隔する方向へ突出する。また、各第3突出部521pは、第2ボルトBo2のネジ部に螺合するネジ孔521hを有する。シールドコネクタ固定用突出部521qは、第1軸線方向X1における一方側であって、筐体101a側に向けて突出する。また、シールドコネクタ固定用突出部521qは、第1ボルトBo1のネジ部を挿通させる貫通孔521iを有する。
第2シェル部材第2ハウジング対向部522は、第2軸線方向X2に延在し、第1直交方向Yにおいて対向する一対の対向壁と、一対の対向壁を連結する連結壁とを有する樋形状に形成される。そして、第2シェル部材第2ハウジング対向部522は、一対の第4突出部522pと、折り曲げ部522fとを有する。一対の第4突出部522pは、第1直交方向Yにおいて対向する一対の対向壁から、互いに離隔する方向へ突出する。また、各第4突出部522pは、第2ボルトBo2のネジ部に螺合するネジ孔522hを有する。折り曲げ部522fは、電線Wの径方向に沿って延在し、第2軸線方向X2において第3パッキン8に対向して、第3パッキン8がシールドターミナル3から脱落することを防止する。
第1パッキン6は、例えば、熱硬化性エラストマ(合成ゴム)または熱可塑性エラストマ等の弾性変形可能な弾性および絶縁性を有する材料で環状に形成される。第1パッキン6は、電線Wを挿通させるパッキン挿通孔6hを有する。そして、第1パッキン6は、電線Wと第2ハウジング42との間を止水する。より具体的に説明すると、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、第1シェル部材51と第2シェル部材52との間から水がシールド空間5sの内部に浸入するおそれがある。しかし、シールドコネクタ1は、第1パッキン6によって、第1シェル部材51と第2シェル部材52との間からシールド空間5sに浸入した水が、露出した編組導体Wcに接触することを防止することができる。
第2パッキン7は、例えば、熱硬化性エラストマ(合成ゴム)または熱可塑性エラストマ等の弾性変形可能な弾性および絶縁性を有する材料で環状に形成される。第2パッキン7は、電線Wおよびシールドターミナル3(より具体的には、ターミナル中間部33)を挿通させるパッキン挿通孔7hを有する。そして、第2パッキン7は、シールドターミナル3と第2ハウジング42との間を止水する。より具体的に説明すると、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、シールドターミナル3の外周面をつたってシールド空間5sの内部に水が浸入するおそれがある。しかし、シールドコネクタ1は、第2パッキン7によって、シールドターミナル3の外周面をつたった水が、シールド空間5sに浸入することを防止することができる。
第3パッキン8は、例えば、熱硬化性エラストマ(合成ゴム)または熱可塑性エラストマ等の弾性変形可能な弾性および絶縁性を有する材料で環状に形成される。第3パッキン8は、電線Wを挿通させるパッキン挿通孔8hを有する。そして、第3パッキン8は、電線Wと第2ハウジング42との間を止水する。より具体的に説明すると、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、電線Wの外周面をつたってシールド空間5sの内部に水が浸入するおそれがある。しかし、シールドコネクタ1は、第3パッキン8によって、電線Wの外周面をつたった水が、シールド空間5sに浸入することを防止することができる。
第4パッキン9は、例えば、熱硬化性エラストマ(合成ゴム)または熱可塑性エラストマ等の弾性変形可能な弾性および絶縁性を有する材料で環状に形成される。第4パッキン9は、電線Wを挿通させるパッキン挿通孔9hを有する。そして、第4パッキン9は、電線Wと第1ハウジング41との間を止水する。より具体的に説明すると、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、第1シェル部材51と第2シェル部材52との間から水がシールド空間5sの内部に浸入するおそれがある。しかし、シールドコネクタ1は、第4パッキン9によって、第1シェル部材51と第2シェル部材52との間からシールド空間5sに浸入した水が、端子金具2に接触することを防止することができる。
ホルダ11は、絶縁性の合成樹脂によって形成され、図3に示すように、電線Wを挿通させるホルダ挿通孔11hを複数(本実施形態では2つ)有する。ホルダ11は、第4パッキン9が第1ハウジング41から脱落することを防止する。ホルダ11は、第1係止爪を有する一方、第1ハウジング41は、当該第1係止爪に係止可能な第1係止受け部を有する。そして、シールドコネクタ1は、第1係止爪および第1係止受け部によって、ホルダ11を第1ハウジング41に係止する。
本実施形態に係るシールドコネクタ1は、各電線Wに対応して、端子金具2、シールドターミナル3、第1パッキン6、第2パッキン7、第3パッキン8、第4パッキン9、および、ホルダ11が設けられる。
次に、上述したコネクタ装置100の組み立てについて説明する。最初に、作業者は、図1に示す筐体101aに相手方シールドコネクタ101を組み付ける。
次に、作業者は、図3に示す各第3パッキン8のパッキン挿通孔8hに電線Wをそれぞれ挿通する。次いで、作業者は、シールドターミナル3のターミナル空間3sに電線Wを挿通させる。次に、作業者は、シールドターミナル3のターミナル幅広部32の内部に、第3パッキン8および電線Wを収容する。
次いで、作業者は、各第2パッキン7のパッキン挿通孔7hに電線Wをそれぞれ挿通する。次に、作業者は、各第1パッキン6のパッキン挿通孔6hに電線Wをそれぞれ挿通する。
次いで、作業者は、電線Wの先端を、第2ハウジング42のターミナル収容空間4sに挿通する。次に、作業者は、シールドターミナル3におけるターミナル中間部33の外周面に第2パッキン7を配置する。次に、作業者は、シールドリング311の内周面に、折り返し領域Wctにおける編組導体Wcを配置し、編組導体Wcとシールドターミナル3とを電気的に接続する。
次に、作業者は、ターミナル中間部33の外周面と、第2ハウジング幅広部422の内周面との間に第2パッキン7を配置し、かつ、電線Wにおける被覆部Wbの外周面と、第2ハウジング幅狭部421の内周面との間に第1パッキン6を配置し、シールドターミナル3に第2ハウジング42を取り付ける。
次いで、作業者は、ホルダ11の各ホルダ挿通孔11hに電線Wをそれぞれ挿通する。次に、作業者は、各第4パッキン9のパッキン挿通孔9hに電線Wをそれぞれ挿通する。
次いで、作業者は、電線Wの先端を、第1ハウジング41のキャビティ4cに挿通する。次に、作業者は、各電線Wの端末に端子金具2をそれぞれ取り付ける。
次いで、作業者は、電線Wの外周面と、第1ハウジング幅狭部412との間に第4パッキン9を配置する。次に、作業者は、ホルダ11を第1ハウジング41に組み付け、第4パッキン9が第1ハウジング41から脱落することをホルダ11で防止する。
次いで、作業者は、第1ハウジング41のキャビティ4cに端子金具2を挿入し、端子金具2の天壁係止受け部とランス413Lとを係止させ、端子金具2を第1ハウジング41に取り付ける。
次に、作業者は、図2に示す第1シェル部材51の第1凹部511oに第1ハウジング41を配置し、かつ、第2シェル部材52の第2凹部512oに第2ハウジング42を配置する。
次いで、作業者は、第1シェル部材51における第2直交方向Zの一方側に、第2シェル部材52を配置し、第2直交方向Zにおいて、第1シェル部材51と第2シェル部材52とで、第1ハウジング41および第2ハウジング42を挟持する。
次に、作業者は、第2ボルトBo2のネジ部を貫通孔511h、512hに貫通させた後、第2ボルトBo2のネジ部とネジ孔521h、522hとを螺合させ、第1シェル部材51に第2シェル部材52を組み付け、シールドシェル5を形成する。このシールドシェル5の形成の際、作業者は、ターミナル幅広部32の外周面と、シールドシェル5の内周面とを接触させ、シールドターミナル3とシールドシェル5とを電気的に接続する。
次いで、作業者は、相手方シールドコネクタ101にシールドコネクタ1を嵌合させ、端子金具2と相手方端子金具とを電気的に接続する。
最後に、作業者は、第1ボルトBo1の先端を、シールドコネクタ固定用突出部521qの貫通孔521iに挿入し、その後、第1ボルトBo1のネジ部を、筐体101aに形成されたネジ孔に螺合することによって、筐体101aにシールドコネクタ1を取り付け、コネクタ装置100を形成する。
本実施形態に係るシールドコネクタ1は、以下の構成を有する。シールドシェル5は、第1ハウジング41と第2ハウジング42とを離隔し、第1ハウジング41の第1軸線方向X1と第2ハウジング42の第2軸線方向X2とを交差させた状態で、第1ハウジング41および第2ハウジング42を保持する。そのため、本実施形態に係るシールドコネクタ1において、第2ハウジング42から引き出された電線Wの延在方向は、第1ハウジング41の第1軸線方向X1とは異なる方向になる。その結果、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、第2ハウジング42から引き出される電線Wの配索方向を自由に変更することができる。従って、本実施形態に係るシードコネクタは、物体200に電線Wが接触することを回避することができる。さらに、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、シールドシェル5の内部において電線Wを屈曲させて他の物体200との接触を回避する。そのため、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、電線Wを分断する必要がなくなり、簡単な構成で物体200に電線Wが接触することを回避することができる。また、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、複数の電線Wを備え、かつ、各電線Wが編組導体Wcをそれぞれ備える。その上、シールドコネクタ1の第2ハウジング42は、被覆部Wbと第2ハウジング42との間を止水する環状の第1パッキン6を有する。さらに、第2ハウジング42は、シールドターミナル3と第2ハウジング42との間を止水する環状の第2パッキン7を有する。その上、第2ハウジング42は、シースWdとシールドターミナル3との間を止水する環状の第3パッキン8を有する。そのため、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、第1パッキン6、第2パッキン7、および、第3パッキン8によって、第2ハウジング42の外部からターミナル収容空間4sに水が浸入することを防止することができる。その結果、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、上記した3つの第1パッキン6、第2パッキン7および第3パッキン8によって、編組導体Wcにおける剥き出しの折り返し部Wfが水に濡れることを防止することができる。
本実施形態に係るシールドコネクタ1は、以下の構成を有する。第1ハウジング41は、被覆露出領域における被覆部Wbと第1ハウジング41との間を止水する環状の第4パッキン9が設けられる。そのため、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、第4パッキン9によって、第1ハウジング41の外部からキャビティ4cに水が浸入することを防止することができる。その結果、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、端子金具2が水に濡れることを防止することができる。
なお、上述した実施形態に係るシールドコネクタ1は、2本の電線Wを備えるものを説明した。しかし、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、それに限られない。例えば、シールドコネクタ1は、1本の電線Wを備えてもよいし、3本の以上の電線Wを備えてもよい。
また、上述した実施形態に係るシールドコネクタ1は、屈曲部Wrによって第2直交方向Zの一方側へ電線Wを延在させて、他の物体200と電線Wとの接触を回避するものを説明した。しかし、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、それに限られない。例えば、シールドコネクタ1は、屈曲部Wrによって第2直交方向Zの他方側へ電線Wを延在させて、他の物体200と電線Wとの接触を回避してもよい。もちろん、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、それに限られず、屈曲部Wrによって第1直交方向Yの一方側へ電線Wを延在させて、他の物体200と電線Wとの接触を回避してもよい。また、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、屈曲部Wrによって第1直交方向Yの他方側へ電線Wを延在させて、他の物体200と電線Wとの接触を回避してもよい。
さらに、上述した実施形態に係るシールドコネクタ1は、第1ハウジング41の第1軸線方向X1と、第2ハウジング42の第2軸線方向X2との交差角度がおよそ120度であるものを説明した。しかし、本実施形態に係るシールドコネクタ1は、それに限られない。例えば、シールドコネクタ1は、他の物体200と電線Wとの接触を回避するため、第1軸線方向X1と、第2軸線方向X2との交差角度を適宜の角度に設定することができる。
また、上述した実施形態に係るシールドシェル5は、第1シェル部材51と第2シェル部材52とを有するものを説明した。しかし、本実施形態に係るシールドシェル5は、それに限られない。例えば、シールドシェル5は、一体的に形成された1つの部品によって構成してもよい。
さらに、上述した実施形態に係る第2ハウジング42は、少なくともシールドターミナル3の一部を収容するターミナル収容空間4sが形成されるものを説明した。しかし、本実施形態に係る第2ハウジング42は、これに限られない。例えば、第2ハウジング42は、シールドターミナル3の全部を収容するターミナル収容空間4sが形成されてもよい。
1 シールドコネクタ
2 端子金具
3 シールドターミナル
4c キャビティ
4s ターミナル収容空間
41 第1ハウジング
42 第2ハウジング
5 シールドシェル
5s シールド空間
W 電線
Wa 芯線
Wb 被覆部
Wc 編組導体
Wd シース
Wbt 被覆部露出領域
Wct 折り返し領域
Wdt シース露出領域
Wf 折り返し部
X1 第1軸線方向
2 端子金具
3 シールドターミナル
4c キャビティ
4s ターミナル収容空間
41 第1ハウジング
42 第2ハウジング
5 シールドシェル
5s シールド空間
W 電線
Wa 芯線
Wb 被覆部
Wc 編組導体
Wd シース
Wbt 被覆部露出領域
Wct 折り返し領域
Wdt シース露出領域
Wf 折り返し部
X1 第1軸線方向
Claims (1)
- 導電性の芯線、前記芯線を覆う絶縁性の被覆部、前記被覆部を覆う導電性の編組導体、および、前記編組導体を覆う絶縁性のシースを有する電線と、
前記芯線の端末に取り付けられた端子金具と、
前記電線を貫通する筒状に形成され、かつ、前記編組導体に設けられた剥き出しの折り返し部に対して電気的に接続される導電性のシールドターミナルと、
前記端子金具を収容するキャビティを有する絶縁性の第1ハウジングと、
前記シールドターミナルの少なくとも一部を収容するターミナル収容空間を有する絶縁性の第2ハウジングと、
前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングを収容するシールド空間を有し、前記シールドターミナルを介して前記編組導体に対して電気的に接続される金属製のシールドシェルと、
を備え、
前記電線は、当該電線の外周面に前記シースが位置するシース露出領域と、前記電線の外周面に前記被覆部が位置する被覆部露出領域と、前記シース露出領域と前記被覆部露出領域との間に位置して前記電線の外周面に折り返された前記編組導体が位置する折り返し領域と、を有し、
前記第2ハウジングは、前記シース露出領域の一部と、前記被覆部露出領域の一部と、前記折り返し領域と、を前記ターミナル収容空間に収容し、
前記第2ハウジングは、前記被覆部と前記第2ハウジングとの間を止水する環状の第1パッキンを有し、
前記第2ハウジングは、前記シールドターミナルと前記第2ハウジングとの間を止水する環状の第2パッキンを有し、
前記第2ハウジングは、前記シースと各前記シールドターミナルとの間を止水する環状の第3パッキンを有し、
前記シールドシェルは、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとを離隔し、前記第1ハウジングの第1軸線方向と前記第2ハウジングの第2軸線方向とを交差させた状態で、前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングを保持する、
ことを特徴とするシールドコネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022081354A JP2023169971A (ja) | 2022-05-18 | 2022-05-18 | シールドコネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022081354A JP2023169971A (ja) | 2022-05-18 | 2022-05-18 | シールドコネクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023169971A true JP2023169971A (ja) | 2023-12-01 |
Family
ID=88928231
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022081354A Pending JP2023169971A (ja) | 2022-05-18 | 2022-05-18 | シールドコネクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023169971A (ja) |
-
2022
- 2022-05-18 JP JP2022081354A patent/JP2023169971A/ja active Pending
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