JP2023169779A - 圧縮成形装置及び圧縮成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の小型化及び簡素化を図ることができ、且つ、タクトタイムを短縮して生産工程の効率化を図ることができる圧縮成形装置及び圧縮成形方法を提供する。【解決手段】本発明に係る圧縮成形装置1は、上型204及び下型206を有する封止金型202を用いて、ワークWを樹脂Rにより封止して成形品Wpに加工する圧縮成形装置であって、封止金型202へワークWを搬入し、封止金型202から成形品Wpを搬出するハンド211を備え、ハンド211は、第1面211aに成形品Wpを保持する成形品保持部212を有し、第1面211aと逆側の第2面211bにワークWを保持するワーク保持部213を有し、ハンド211の第1面211aと第2面211bとを上下に180°反転させる反転機構215をさらに備える。【選択図】図8
Description
本発明は、圧縮成形装置及び圧縮成形方法に関する。
基材に電子部品が搭載されたワークを封止樹脂(以下、単に「樹脂」と称する場合がある)により封止して成形品に加工する樹脂封止装置及び樹脂封止方法の例として、圧縮成形方式によるものが知られている。
圧縮成形方式は、上型と下型とを備えて構成される封止金型に設けられる封止領域(キャビティ)に所定量の樹脂を供給すると共に当該封止領域にワークを配置して、上型と下型とでクランプする操作によって樹脂封止する技術である。一例として、上型にキャビティを設けた封止金型を用いる場合、ワーク上の中心位置に一括して樹脂を供給して成形する技術等が知られている。一方、下型にキャビティを設けた封止金型を用いる場合、当該キャビティを含む金型面を覆うフィルム及び樹脂を供給して成形する技術等が知られている(特許文献1:特開2019-145550号公報参照)。
従来の樹脂封止装置において、封止金型から成形後の製品(成形品)を搬出して、次の成形対象品(ワーク)を搬入する際に、通常、下記の工程が実施される。具体的に、一台のローダの場合は、封止金型から成形品を搬出して次工程ステージへ搬送し、その後、あらためてローダを用いて次のワークを封止金型内へ搬入する工程が実施される。このため、成形品を次工程ステージへ搬送するまでの間は、封止金型へのワーク搬入と成形(樹脂封止)を行うことができず、生産性が低下してしまう課題があった。特に、封止金型を備えるプレスユニットが二台以上設置される場合には、成形品(及びワーク)の搬送距離がさらに長くなり、生産性の低下がより顕著に生じることとなる。一方、二台のローダ(すなわちインローダとアウトローダとを別々に分離独立した構成)の場合は、生産性の低下は抑制されるが、装置内部の構造が複雑化し、且つ装置のコストアップを招くこととなる。
上記の課題に対して、一台のローダにワーク保持機構と、成形品保持機構とを別個に設けて生産性低下の抑制を図る技術が開示されている。例えば、特許文献1等に示される下型にキャビティを備える圧縮成形装置の場合、上型にワーク・成形品が保持される構成となるが、成形品取出しとワーク供給とを行う際に、それぞれの保持を行うローダを封止金型への進入・進出方向における前後に並べて配置する構成であった。しかし、前後方向に長い形状となってしまうため、広い配置スペースを確保する必要性と、片持ち支持構造上、オーバーハングが長くなって強度を確保する必要性とから、装置が大型化してしまうという課題、並びに、ローダの移動に要する時間が増加してしまうという課題が新たに生じ得る。
また、ワーク保持機構と成形品保持機構とをローダにおける前後方向に並設する構成を採用する場合、ワークと成形品とを移載するためのピックアンドプレイス機構も、対応する前後位置にそれぞれ必要となり、装置の複雑化を招いてしまうという課題が新たに生じ得る。
さらに、装置にワークを供給する際に用いられるマガジンは、通常、基材側を下向き、電子部品側を上向きとした状態で複数のワークが収容される構成となっている。ここで、下型にキャビティを備える圧縮成形装置の場合、ワークの電子部品側を下向きにして搬送して上型に保持させる構成となるため、複数のワークが収容されたマガジンを作業者が手動で反転させて装置にセットする必要があった。しかし、その反転が行われた際に、マガジンの上側となったワークの電子部品搭載面に付着していた塵埃が落下して、マガジンの下側となったワークの基材の裏面(電子部品搭載面と逆側の面)に付着し、成形時に成形品不良を発生させる原因となってしまうという課題も明らかとなった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、装置の小型化及び簡素化を図ることができ、且つ、タクトタイムを短縮して生産工程の効率化を図ることができる圧縮成形装置及び圧縮成形方法を提供することを目的とする。
本発明は、一実施形態として以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
本発明に係る圧縮成形装置は、上型及び下型を有する封止金型を用いて、ワークを樹脂により封止して成形品に加工する圧縮成形装置であって、前記封止金型へ前記ワークを搬入し、前記封止金型から前記成形品を搬出するハンドを備え、前記ハンドは、第1面に前記成形品を保持する成形品保持部を有し、前記第1面と逆側の第2面に前記ワークを保持するワーク保持部を有し、前記ハンドの前記第1面と前記第2面とを上下に180°反転させる反転機構をさらに備えることを要件とする。
これによれば、ワーク保持機構と成形品保持機構とを前後方向に並設する従来の構成と比較して、前後方向寸法を小さくすることができるため、配置スペースの縮小及び装置強度の低減による小型化を図ることができる。また、ローダの移動に要する時間の低減によるタクトタイムの短縮を図ることができる。
また、前記ハンドは、前記封止金型へ進入・進出する方向と直交方向に複数個が並設されており、前記反転機構は、複数個の前記ハンドをそれぞれ、前記封止金型の内部における型開き状態の前記上型と前記下型との間の空間内において反転させる機構であることが好ましい。これによれば、ハンドを進入・進出する方向に移動させずに、封止金型の内部において反転(回転)させることができ、成形品の受取り及びワークの受渡しができるため、従来の装置と比較してタクトタイムを大幅に短縮することができる。
また、前記ハンドは、前記封止金型へ進入・進出する方向と直交方向に複数個が並設されており、前記反転機構は、複数個の前記ハンドを一括して、前記封止金型の外部において反転させる機構であることが好ましい。これによれば、回転機構が一つで構成できるため、装置構成の簡素化を図ることができる。
また、本発明に係る圧縮成形方法は、上型及び下型を有する封止金型と、前記封止金型へ進入・進出するハンドと、を備える圧縮成形装置を用いて、基材に電子部品が搭載されたワークを樹脂により封止して成形品に加工する圧縮成形方法であって、前記上型に前記電子部品が収容されるキャビティが設けられる場合に、前記ハンドの第1面を上向き、前記第1面と逆側の第2面を下向きとなるように配置する初期配置工程と、前記第2面にワークを保持するワーク保持工程と、前記第1面と前記第2面とを上下に180°反転させる第1反転工程と、前記封止金型の内部において、前記下型から成形品を受取って前記第1面に保持する成形品受取り工程と、前記第1面と前記第2面とを上下に180°反転させる第2反転工程と、前記封止金型の内部において、前記第2面に保持したワークを前記下型に受渡すワーク受渡し工程と、を備えること、または、前記下型に前記電子部品が収容されるキャビティが設けられる場合に、前記ハンドの第1面を上向き、前記第1面と逆側の第2面を下向きとなるように配置する初期配置工程と、前記第2面にワークを保持するワーク保持工程と、前記封止金型の内部において、前記上型から成形品を受取って前記第1面に保持する成形品受取り工程と、前記第1面と前記第2面とを上下に180°反転させる第1反転工程と、前記封止金型の内部において、前記第2面に保持したワークを前記上型に受渡すワーク受渡し工程と、を備えることを要件とする。
また、前記ワーク保持工程の前に、予熱ヒータの上面に配設された加熱面に対し、前記基材を下向きに、前記電子部品を上向きにした状態の前記ワークを載置して予熱を行う予熱工程をさらに備えることが好ましい。これによれば、電子部品を上向きにした状態で、且つ、予熱ヒータの上面に載置した状態で予熱を行うことが可能となるため、ワーク電子部品が熱により損傷することを防止できると共に、ワークに撓みが生じることを防止できる。
本発明によれば、装置の小型化及び簡素化を図ることができる。また、タクトタイムを短縮して生産工程の効率化を図ることができる。
(全体構成)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は、本実施形態に係る圧縮成形装置1の例を示す平面図(概略図)である。尚、説明の便宜上、図中において矢印により圧縮成形装置1における左右方向(X方向)、前後方向(Y方向)、上下方向(Z方向)を示す。また、各実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰返しの説明は省略する場合がある。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は、本実施形態に係る圧縮成形装置1の例を示す平面図(概略図)である。尚、説明の便宜上、図中において矢印により圧縮成形装置1における左右方向(X方向)、前後方向(Y方向)、上下方向(Z方向)を示す。また、各実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰返しの説明は省略する場合がある。
本実施形態に係る圧縮成形装置1は、上型204及び下型206を備える封止金型202を用いて、ワーク(被成形品)Wの樹脂封止成形(圧縮成形)を行う装置である。以下、圧縮成形装置1として、上型204に複数のキャビティ208(208A、208B、208C)が設けられ、下型206に対応する複数のワーク保持部205(205A、205B、205C)が設けられた封止金型202を用いて、複数のワークWを一括して樹脂Rにより封止する圧縮成形装置を例に挙げて説明する。但し、この構成に限定されるものではない。
先ず、成形対象であるワークWは、基材Waに複数の電子部品Wbが行列状に搭載された構成を備えている。より具体的には、基材Waの例として、短冊状に形成された樹脂基板、セラミックス基板、金属基板、キャリアプレート、リードフレーム、ウェハ等の板状の部材(いわゆる、短冊ワーク)が挙げられる。また、電子部品Wbの例として、半導体チップ、MEMSチップ、受動素子、放熱板、導電部材、スペーサ等が挙げられる。尚、基材Waの他の例として、円形状、正方形状等に形成された上記部材を用いる構成としてもよい(不図示)。
基材Waに電子部品Wbを搭載する方法の例として、ワイヤボンディング実装、フリップチップ実装等による搭載方法がある。あるいは、樹脂封止後に成形品Wpから基材(ガラス製や金属製のキャリアプレート)Waを剥離する構成の場合には、熱剥離性を有する粘着テープや紫外線照射により硬化する紫外線硬化性樹脂を用いて電子部品Wbを貼付ける方法もある。
一方、樹脂Rの例として、顆粒状(円柱状等を含む)、粉砕状、もしくは粉末状(本願において「粒状」と総称する場合がある)の熱硬化性樹脂(例えば、フィラー含有のエポキシ系樹脂等)が用いられる。尚、樹脂Rは、上記の状態に限定されるものではなく、液状、板状、シート状等、他の状態(形状)であってもよく、エポキシ系熱硬化性樹脂以外の樹脂であってもよい。
また、フィルムFの例として、耐熱性、剥離容易性、柔軟性、伸展性に優れたフィルム材、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(ポリテトラフルオロエチレン重合体)、PET、FEP、フッ素含浸ガラスクロス、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。本実施形態においては、フィルムFとしてロール状のフィルムが用いられる。変形例として、短冊状のフィルムを用いる構成としてもよい(不図示)。
続いて、本実施形態に係る圧縮成形装置1の概要について説明する。図1に示すように、圧縮成形装置1は、ワークWの供給を主に行うワーク供給ユニット100A、ワークWを樹脂封止して成形品Wpへの加工を主に行うプレスユニット100B、樹脂Rの供給を主に行う樹脂供給ユニット100C、及び樹脂封止後の成形品Wpの収納を主に行う成形品収納ユニット100Dを主要構成として備えている。尚、各ユニットにおける各機構の作動制御を行う制御部150がワーク供給ユニット100Aに配置されているが、他のユニットに配置される構成としてもよい。
本実施形態においては、所定の一方向(一例として、図1中のX方向)に沿って、ワーク供給ユニット100A、プレスユニット100B、樹脂供給ユニット100C、プレスユニット100B、成形品収納ユニット100Dの順に配置されている。ここで、ワーク供給ユニット100Aとプレスユニット100Bとの間でワークWの搬送を行うワーク搬送部104、及び、プレスユニット100Bと成形品収納ユニット100Dとの間で成形品Wpの搬送を行う成形品搬送部106が設けられている。また、樹脂供給ユニット100Cとプレスユニット100Bとの間で樹脂Rの搬送を行う樹脂搬送部108が設けられている。
また、本実施形態においては、ワーク搬送部104は、スライダ116、ガイド117等を有する移動装置130を備えて構成されている。また、成形品搬送部106は、スライダ118、ガイド119等を有する移動装置132を備えて構成されている。また、樹脂搬送部108は、樹脂ローダ304、ガイド305等を有する移動装置134を備えて構成されている。例えば、移動装置130及び移動装置132には、リニアコンベア等の直動機構が用いられる。また、移動装置134には、リニアコンベア等の直動機構及びエレベータ等の昇降機構が組み合わされて用いられる。但し、これらの構成に限定されるものではない。
尚、圧縮成形装置1は、ユニットの構成を変えることによって、全体の構成態様を変更することができる。例えば、図1に示す構成は、プレスユニット100Bを二組設置した例であるが、プレスユニット100Bを一組のみ設置する構成や、他のユニットを追加設置する構成等も可能である(いずれも不図示)。
(ワーク供給ユニット)
続いて、圧縮成形装置1が備えるワーク供給ユニット100Aについて詳しく説明する。
続いて、圧縮成形装置1が備えるワーク供給ユニット100Aについて詳しく説明する。
ワーク供給ユニット100Aは、ワークWの収容に用いられるワークストッカ110と、ワークWを搬送するワーク搬送部104と、ワークストッカ110からワーク搬送部104へワークWを受渡す供給ピックアップ120とを備えている。尚、ワークストッカ110には、公知のスタックマガジン、スリットマガジン等が用いられる。
尚、本実施形態においては、ワーク搬送部104のスライダ116がX方向に移動し、後述のローダ210がY方向に移動してワークWを封止金型202へ搬入する構成としている。但し、これに限定されるものではなく、スライダとローダとを一体で構成してもよい(不図示)。
本実施形態に係るスライダ116は、供給ピックアップ120からワークWを受取って保持し、所定位置まで搬送してローダ210へ受渡す作用をなす。構成例として、上面116aに、X方向に三列並設されてそれぞれ一個のワークWを保持可能なワーク保持部116A、116B、116Cが設けられている。また、ガイド117に沿ってワーク供給ユニット100Aとプレスユニット100Bとの間をX方向に移動可能に構成されている。尚、ワーク保持部116A、116B、116Cには、公知の保持機構(例えば、保持爪を有して挟持する構成、吸引装置に連通する吸引孔を有して吸着する構成、等)が用いられる(不図示)。
ここで、スライダ116は、予熱ヒータを備えており、上面116aが加熱面として構成されている。すなわち、上面116aに載置されたワークWを下面側(本実施形態では、電子部品Wbの搭載面が上向きとなるように載置されたワークWの基材Waの裏面側)から加熱する構成となっている(不図示)。一例として、予熱ヒータには、公知の加熱機構(例えば、電熱線ヒータ、赤外線ヒータ、等)が用いられる。この構成によれば、ワークWが封止金型202内に搬入されて加熱される前に予熱(予備加熱)をしておくことができる。但し、この構成に限定されるものではなく、スライダ116とは別に予熱ヒータを設ける構成としてもよい(不図示)。また、予熱ヒータの省略も可能である。
(成形品収納ユニット)
続いて、圧縮成形装置1が備える成形品収納ユニット100Dについて詳しく説明する。
続いて、圧縮成形装置1が備える成形品収納ユニット100Dについて詳しく説明する。
成形品収納ユニット100Dは、成形品Wpの収容に用いられる成形品ストッカ112と、成形品Wpを搬送する成形品搬送部106と、成形品搬送部106から成形品ストッカ112へ成形品Wpを受渡す収納ピックアップ122とを備えている。尚、成形品ストッカ112には、公知のスタックマガジン、スリットマガジン等が用いられる。
尚、本実施形態においては、成形品搬送部106のスライダ118がX方向に移動して、後述のローダ210がY方向に移動し、成形品Wpを封止金型202から搬出する構成としている。但し、これに限定されるものではなく、スライダとローダとを一体で構成してもよい(不図示)。
本実施形態に係るスライダ118は、封止金型202から進出したローダ210から成形品Wpを受取って保持し、所定位置まで搬送して受渡す作用をなす。構成例として、上面118aに、X方向に三列並設されてそれぞれ一個の成形品Wpを保持可能な成形品保持部118A、118B、118Cが設けられている。また、ガイド119に沿ってプレスユニット100Bと成形品収納ユニット100Dとの間をX方向に移動可能に構成されている。尚、成形品保持部118A、118B、118Cには、公知の保持機構(例えば、保持爪を有して挟持する構成、吸引装置に連通する吸引孔を有して吸着する構成、等)が用いられる(不図示)。
(プレスユニット)
続いて、圧縮成形装置1が備えるプレスユニット100Bについて詳しく説明する。ここで、プレスユニット100Bに設けられるプレス装置250の側面図(概略図)を図2に示す。また、プレス装置250に設けられる封止金型202の側面断面図(概略図)を図3に示す。
続いて、圧縮成形装置1が備えるプレスユニット100Bについて詳しく説明する。ここで、プレスユニット100Bに設けられるプレス装置250の側面図(概略図)を図2に示す。また、プレス装置250に設けられる封止金型202の側面断面図(概略図)を図3に示す。
プレスユニット100Bは、開閉される一対の金型(例えば、合金工具鋼からなる複数の金型ブロック、金型プレート、金型ピラー等やその他の部材が組み付けられたもの)を有する封止金型202と、当該封止金型202の型開閉を行うプレス装置250と、を備えている。本実施形態においては、一対の金型のうち、鉛直方向において上方側の一方の金型を上型204とし、下方側の他方の金型を下型206としている。この封止金型202は、上型204と下型206とが相互に接近・離反することで型閉じ・型開きがなされる。すなわち、鉛直方向(上下方向)が型開閉方向となる。
プレス装置250は、図2に示すように、一対の固定プラテン252及び可動プラテン254と、当該プラテン252、254が架設される複数の連結機構256と、可動プラテン254を昇降させる駆動源(例えば、電動モータ)260及び駆動伝達機構(例えば、ボールねじやトグルリンク機構)262等を備えて構成されている。
また、封止金型202は、プレス装置250における固定プラテン252と可動プラテン254との間に配設されている。本実施形態においては、上型204が固定プラテン252に組み付けられ、下型206が可動プラテン254に組み付けられている。但し、この構成に限定されるものではなく、上型204を可動プラテンに組み付け、下型206を固定プラテンに組み付けてもよく、あるいは、上型204、下型206共に可動プラテンに組み付けてもよい(いずれも不図示)。
先ず、封止金型202の上型204について詳しく説明する。図3に示すように、上型204は、第1プレート222、キャビティ駒226、クランパ228等を備え、これらが組み付けられて構成されている。本実施形態においては、上型204の下面(下型206側の面)にキャビティ208が設けられている。
より具体的に、キャビティ駒226は、第1プレート222の下面に対して固定して組み付けられる。一方、クランパ228は、キャビティ駒226を囲うように環状に構成されると共に、付勢部材232を介して、第1プレート222の下面に対して離間(フローティング)して上下動可能に組み付けられる。このキャビティ駒226がキャビティ208の奥部(底部)を構成し、クランパ228がキャビティ208の側部を構成する。尚、本実施形態においては、図1に示すように、一個の上型204にキャビティ208がX方向に三組並設される構成(図中の208A、208B、208C)としているが、これに限定されるものではない。
ここで、クランパ228に対向する下型206の金型面206aには吸引溝(不図示)が設けられ、これが吸引装置(不図示)に連通している。また、これらを囲うシール構造が設けられることで、吸引装置を駆動させて減圧することにより、型閉じされた状態でキャビティ208内の脱気を行うことが可能となる。
また、本実施形態においては、後述のフィルム供給機構214から供給されるフィルムFを上型204に吸引保持する吸着機構が設けられている。この吸着機構は、一例として、クランパ228を貫通して配設された吸引路230a、230b、及び第1プレート222、キャビティ駒226を貫通して配設された吸引路230cを介して吸引装置(不図示)に連通している。具体的には、吸引路230a、230b、230cの一端が上型204の金型面204aに通じ、他端が上型204外に配設される吸引装置と接続される。これにより、吸引装置を駆動させて吸引路230a、230b、230cからフィルムFを吸引し、キャビティ208の内面を含む金型面204aにフィルムFを吸着させて保持することが可能となる。
このように、キャビティ208の内面、及び上型204の金型面204a(一部)を覆うフィルムFを設けることにより、成形品Wpの上面における樹脂Rの部分を容易に剥離させることができるため、成形品Wpを封止金型202(本実施形態では、上型204)から容易に取り出すことが可能となる。
尚、クランパ228の内周面とキャビティ駒226の外周面との間に設けられる所定寸法の隙間は、上記の吸引路230aの一部を構成する。そのため、当該隙間の所定位置にシール部材234(例えば、Oリング)が配設されて、フィルムFを吸引する際のシール作用をなす。
また、本実施形態においては、上型204を所定温度に加熱する上型加熱機構が設けられている。この上型加熱機構は、ヒータ(例えば、電熱線ヒータ)、温度センサ、電源等を備えており、制御部150によって加熱の制御が行われる(いずれも不図示)。一例として、ヒータは、第1プレート222やこれらを収容する金型ベース(不図示)に内蔵され、主に上型204全体及び樹脂Rに熱を加える構成となっている(後述)。これにより、上型204が所定温度(例えば、100℃~200℃)に調整されて加熱される。
次に、封止金型202の下型206について詳しく説明する。図3に示すように、下型206は、第2プレート224、保持プレート236等を備え、これらが組み付けられて構成されている。ここで、保持プレート236は、第2プレート224の上面(上型204側の面)に対して固定して組み付けられている。
また、本実施形態においては、ワークWを保持プレート236の上面における所定位置に保持するワーク保持部205が設けられている。このワーク保持部205は、一例として、保持プレート236及び第2プレート224を貫通して配設され、吸引装置(不図示)に連通する吸引路240aを有している。具体的には、吸引路240aの一端が下型206の金型面206aに通じ、他端が下型206外に配設される吸引装置と接続される。これにより、吸引装置を駆動させて吸引路240aからワークWを吸引し、金型面206a(ここでは、保持プレート236の上面)にワークWを吸着させて保持することが可能となる。さらに、吸引路240aを備える構成と並設して、ワークWの外周を挟持する保持爪を備える構成としてもよい(不図示)。尚、本実施形態においては、図1に示すように、上型204のキャビティ208に対応して、一個の下型206にワーク保持部205がX方向に三組並設される構成(図中の205A、205B、205C)としているが、これに限定されるものではない。
また、本実施形態においては、下型206を所定温度に加熱する下型加熱機構が設けられている。この下型加熱機構は、ヒータ(例えば、電熱線ヒータ)、温度センサ、電源等を備えており、制御部150によって加熱の制御が行われる(いずれも不図示)。一例として、ヒータは、第2プレート224やこれらを収容する金型ベース(不図示)に内蔵され、主に下型206全体及びワークWに熱を加える構成となっている。これにより、下型206が所定温度(例えば、100℃~200℃)に調整されて加熱される。
また、本実施形態においては、ロール状のフィルムFを封止金型202の内部へ搬送(供給)するフィルム供給機構214が設けられている。このフィルム供給機構214は、未使用のフィルムFが巻出し部214aから送り出されて型開きした封止金型202に供給され、封止金型202で樹脂封止に使用された後、使用済みのフィルムFとして巻取り部214bで巻取られる構成となっている。尚、巻出し部214aと巻取り部214bとはY方向において逆に配置してもよく、あるいは、X方向に一条もしくは複数条のフィルムFを供給するように配置してもよい(いずれも不図示)。
また、プレスユニット100Bは、封止金型202へワークWを搬入すると共に、封止金型202から成形品Wpを搬出するローダ210を備えている。当該ローダ210には、ワーク搬送部104からワークWを受取って封止金型202へ受渡す作用と、封止金型202から成形品Wpを受取って成形品搬送部106へ受渡す作用とをなすハンド211が設けられている。一例として、ハンド211は、封止金型202へ進入・進出する方向と直交する方向(X方向)に複数個(図中の211A、211B、211C)が並設されている。尚、本実施形態では、三個の場合を例示しているが、これに限定されるものではなく、二個もしくは四個以上としてもよく、あるいは、複数個ではなく一個としてもよい。
各ハンド211は、第1面211aに一個の成形品Wpを保持する成形品保持部212を有し、第1面211aと逆側に配置される第2面211bに一個のワークWを保持するワーク保持部213を有している。尚、成形品保持部212及びワーク保持部213には、公知の保持機構(例えば、保持爪を有して挟持する構成、吸引装置に連通する吸引孔を有して吸着する構成、等)が用いられる(不図示)。
さらに、ローダ210には、ハンド211の第1面211aと第2面211bとを上下に180°反転(回転)させる反転機構215が設けられている。反転機構215の一例として、各ハンド211を回転させる回転軸(本実施形態では、Y方向と平行の軸)をそれぞれ設定し、各回転軸の一方の端部にそれぞれピニオンギアを配置すると共に、全てのピニオンギアと噛合させる一つのラックをX方向に移動可能に配置することによって、各ハンド211を個々に上下に反転(回転軸周りに回転)させる構成が考えられる(不図示)。この構成によれば、複数個のハンド211をそれぞれ、封止金型202の内部において、すなわち、型開き状態の上型204と下型206との間の空間内において反転(個別に設定した回転軸周りにそれぞれ回転)させる作用が生じる。したがって、ハンド211をY方向に移動させずに、封止金型202の内部において反転(回転)させることができ、成形品Wpの受取り及びワークWの受渡しができるため、従来の装置と比較してタクトタイムを大幅に短縮することができる。
あるいは、反転機構215の他の例として、複数個のハンド211を一括して回転させる回転軸(本実施形態では、Y方向と平行の軸)を一つ設定し、当該回転軸の一方の端部側に一つのピニオンギアを配置すると共に、当該ピニオンギアと噛合させる一つのラックをX方向に移動可能に配置することによって、複数個のハンド211を一括して上下に反転(回転軸周りに回転)させる構成が考えられる(不図示)。この構成によれば、複数個のハンド211を一括して、封止金型202の外部において、すなわち、型開き状態の上型204と下型206との間の空間外において反転(複数個のハンド211に対して一つ設定した回転軸周りに一括して回転)させる作用が生じる。したがって、回転軸及びピニオンギアが一つで構成できるため、装置構成の簡素化を図ることができる。
以上、本実施形態においては、上型204に所定数のキャビティ208を備え、下型206に対応数のワークWを保持させる構成を例に挙げて説明した。但し、この構成に限定されるものではなく、変形例として、下型206に所定数のキャビティを備え、上型204に対応数のワークWを保持させる構成としてもよい(不図示)。その場合にも、上記のローダ210を同様に適用できる。
(樹脂供給ユニット)
続いて、圧縮成形装置1が備える樹脂供給ユニット100Cについて詳しく説明する。
続いて、圧縮成形装置1が備える樹脂供給ユニット100Cについて詳しく説明する。
樹脂供給ユニット100Cは、樹脂Rの収容に用いられる樹脂ストッカ302と、樹脂ストッカ302から樹脂Rを供給するディスペンサ312と、供給された樹脂Rを封止金型202内へ搬送する樹脂ローダ304とを備えている。また、ディスペンサ312は、三組のキャビティ208に対応して設けられる三個の押圧プレート314(後述)に対して、同時に樹脂Rの供給が可能なように三個配設されている。尚、本実施形態においては、樹脂ローダ304が、X方向に沿って樹脂Rを封止金型202内へ搬入する構成となっている。
また、樹脂供給ユニット100Cは、ディスペンサ312に隣接する位置等に、樹脂ローダ304によって搬送される樹脂Rを加熱する樹脂ヒータ306を備えている。一例として、樹脂ヒータ306には、公知の加熱機構(例えば、電熱線ヒータ、赤外線ヒータ、等)が用いられる。これにより、押圧プレート314に載置された粒状の樹脂Rの表面を加熱して溶融もしくは軟化状態とすることができ、搬送中の樹脂Rから塵埃(樹脂Rの微粉末等)が発生することを防止して、製品の成形不良や、装置の動作不良の発生を防止することができる。尚、樹脂ヒータ306を備えない構成としてもよい。
ここで、図12に示すように、樹脂ローダ304には、ディスペンサ312から投下された樹脂Rを上面314aに載置させる押圧プレート314と、押圧プレート314における上面314aよりも高い位置まで外周部の全周を囲う周壁部316aを有するガード316とが設けられている。本実施形態は、一個の上型204に三組のキャビティ208を有し、一個の下型206に三個のワークW(例えば、短冊状等のワーク)を配置して一括して樹脂封止を行い、同時に三個の成形品Wpを得る構成である(三個以下の設定も可能)。したがって、キャビティ208の位置に対応して、三個の押圧プレート314(314A、314B、314C)が設けられている。また、ガード316は、三個の押圧プレート314(314A、314B、314C)の全周を周壁部316aが囲うよう構成されている。すなわち、ガード316は、各押圧プレート314の周囲に設けられる枠体として構成されている。
また、同図12に示すように、樹脂ローダ304は、昇降可能に(すなわち、Z方向に往復動可能に)構成されている。さらに、当該樹脂ローダ304には、押圧プレート314を上方へ移動させて、載置された樹脂Rをキャビティ208内でフィルムFに押圧させる移動貼着機構315が設けられている。これによれば、樹脂ローダ304を上昇させて、ガード316の周壁部316aを上型204(一例として、クランパ228における金型面204a)に当接させることができる。さらに、その状態で、移動貼着機構315により押圧プレート314を上方へ移動させて、所定温度に加熱された状態の上型204におけるキャビティ208内で押圧プレート314に載置された樹脂RをフィルムFに押圧させることができる(図13参照)。したがって、フィルムFを介して上型204の熱を樹脂Rに伝えることができるため、樹脂Rが軟化(溶融)状態となることによる接着力を発生させて、フィルムFの下面に貼着させることができる。但し、この構成に限定されるものではなく、ガード316を昇降させる機構を樹脂ローダ304に設けて、樹脂ローダ304に対して周壁部316aを取り外したガード316を昇降させる構成としてもよい(不図示)。
尚、下型206に所定数のキャビティを備える変形例の場合には、樹脂ローダ304が、下型206のキャビティ内へ樹脂Rを搬入する構成としてもよい(不図示)。
(樹脂封止動作)
続いて、本実施形態に係る圧縮成形装置1を用いて樹脂封止(圧縮成形)を行う動作(すなわち、本実施形態に係る圧縮成形方法)について説明する。ここでは、一個の上型204に三組のキャビティ208を設けると共に、一個の下型206に三個のワークW(例えば、短冊状等のワーク)を配置して一括して樹脂封止を行い、同時に三個の成形品Wpを得る構成を例に挙げる。但し、この構成に限定されるものではない。
続いて、本実施形態に係る圧縮成形装置1を用いて樹脂封止(圧縮成形)を行う動作(すなわち、本実施形態に係る圧縮成形方法)について説明する。ここでは、一個の上型204に三組のキャビティ208を設けると共に、一個の下型206に三個のワークW(例えば、短冊状等のワーク)を配置して一括して樹脂封止を行い、同時に三個の成形品Wpを得る構成を例に挙げる。但し、この構成に限定されるものではない。
準備工程として、上型加熱機構によって、上型204を所定温度(例えば、100℃~200℃)に調整して加熱する加熱工程(上型加熱工程)を実施する。また、下型加熱機構によって、下型206を所定温度(例えば、100℃~200℃)に調整して加熱する加熱工程(下型加熱工程)を実施する。さらに、フィルム供給機構214によって、巻出し部214aから巻取り部214bへフィルムFを搬送して(送り出して)封止金型202における所定位置(上型204と下型206との間の位置)にフィルムFを供給する工程(初回のフィルム供給工程)を実施する。
また、ワークストッカ110からワークWを取り出して供給ピックアップ120へ受渡すワーク供給工程を実施する。
以下において、ワーク搬送工程を実施した後、樹脂供給工程を実施する順序で説明するが、樹脂供給工程をワーク搬送工程の前に実施してもよく、あるいは、並行して実施してもよい。
先ず、ワーク搬送工程として、ワーク搬送部104によってワークWをワーク供給ユニット100Aからプレスユニット100Bへ搬送する工程を実施する。一例として、スライダ116が供給ピックアップ120からワークWを受取って保持し、ローダ210へ受渡すための所定位置まで搬送する工程を実施する。
一方、図4に示すように、ローダ210において、事前に、ハンド211の第1面211aを上向き、当該第1面211aと逆側の第2面211bを下向きとなるように配置する初期配置工程を実施する。次いで、図5に示すように、ローダ210がスライダ116からワークWを受取って第2面211bに保持するワーク保持工程を実施する。
尚、本実施形態では、ワーク保持工程の前に(具体的には、ワーク搬送工程中において)、予熱ヒータを備えたスライダ116の上面(加熱面)116aに対し、基材Waを下向きに、電子部品Wbを上向きにした状態のワークWを載置して予熱を行う予熱工程を実施する(但し、この構成に限定されるものではなく、スライダ116とは別に設けた予熱ヒータによって予熱を行う構成としてもよい)。仮に、電子部品Wbを下向きにした状態で予熱を行う構成とした場合、ワークWをスライダ116(予熱ヒータ)の上面116aに載置すれば、熱に弱い電子部品Wbの損傷が生じるおそれがあり、一方、ワークWをスライダ116(予熱ヒータ)の上面116aから離間させて吊り下げ支持すれば、ワークWに変形(吊り下げによる撓み)が生じるおそれがある。しかし、本実施形態によれば、電子部品Wbを上向きにした状態で、且つ、スライダ116の上面116aに載置した状態で予熱を行うことが可能となるため、ワークWの電子部品Wbが熱により損傷することを防止できると共に、ワークWに撓みが生じることを防止できる。尚、予熱工程は省略も可能である。
次いで、図6に示すように、ローダ210において、ハンド211の第1面211aと第2面211bとを上下に180°反転させて、第1面211aを下向き、第2面211bを上向きとする第1反転工程を実施する。
次いで、図7に示すように、ローダ210が型開きした状態の封止金型202の内部すなわち上型204と下型206との間に進入し、当該封止金型の202の内部において、下型206から成形品Wp(1サイクル前の工程による成形品Wp)を受取ってハンド211の第1面211aに保持する成形品受取り工程を実施する。
次いで、図8に示すように、ハンド211の第1面211aと第2面211bとを上下に180°反転させて、第1面211aを上向き、第2面211bを下向きとする第2反転工程を実施する。
次いで、図9に示すように、封止金型202の内部において、ハンド211の第2面211bに保持したワークWを下型206に受渡すワーク受渡し工程を実施する。
次いで、図10に示すように、ハンド211の第1面211aと第2面211bとを上下に180°反転させて、第1面211aを下向き、第2面211bを上向きとする第3反転工程を実施する。
尚、本実施形態において、上記の第1反転工程、第2反転工程、及び第3反転工程の全て(または、一つもしくは二つ)は、封止金型202へ進入・進出する方向に対して直交する方向(X方向)に複数個が並設されたハンド211(211A、211B、211C)をそれぞれ、封止金型202の内部において、すなわち、型開き状態の上型204と下型206との間の空間内において反転させる工程として実施する。これによれば、ハンド211をY方向に移動させずに、封止金型202の内部において反転(回転)させることができ、成形品Wpの受取り及びワークWの受渡しができるため、従来の装置と比較してタクトタイムを大幅に短縮することができる。
あるいは、他の例として、上記の第1反転工程、第2反転工程、及び第3反転工程の全て(または、一つもしくは二つ)は、封止金型202へ進入・進出する方向に対して直交する方向(X方向)に複数個が並設されたハンド211(211A、211B、211C)を一括して、封止金型202の外部において反転させる工程として実施してもよい。これによれば、複数個のハンド211を一括して反転(複数個のハンド211に対して一つ設定した回転軸周りに一括して回転)させることができるため、回転機構が一つで構成可能となり、装置構成の簡素化を図ることができる。
ここで、ワーク受渡し工程に引き続き、プレス装置250に関しては、後述の樹脂供給工程、型閉じ工程、型開き工程を実施する。一方、前サイクルの成形品Wpを保持したローダ210に関しては、以下の工程を実施する。
具体的に、図11に示すように、ローダ210が型開きした状態の封止金型202の外部へ進出し、ハンド211の第1面211aに保持した成形品Wpをスライダ118に受渡す成形品受渡し工程を実施する。
次いで、成形品搬送工程として、成形品搬送部106によって、成形品Wpをプレスユニット100Bから成形品収納ユニット100Dへ搬送する工程を実施する。一例として、スライダ118がローダ210から成形品Wpを受取って保持し、収納ピックアップ122へ受渡すための所定位置まで搬送する工程を実施する。
次いで、成形品ストッカ112に成形品Wpを収納する成形品収納工程を実施する。
一方、前述の樹脂供給工程として、樹脂Rを樹脂供給ユニット100Cから供給し、プレスユニット100Bへ搬送する工程を実施する。一例として、樹脂ローダ304によって、三個の押圧プレート314がそれぞれ三個のディスペンサ312のノズルの直下位置となるように、押圧プレート314の周囲を囲うガード316と共に搬送する。このとき、押圧プレート314における上面314aよりも高い位置まで外周部の全周をガード316(周壁部316a)によって囲った状態となっている。その状態において、各ディスペンサ312のノズルから、それぞれの押圧プレート314の上面314aに規定量の樹脂Rを投下(供給)して載置する載置工程を実施する。前述の通り、ガード316は、押圧プレート314の外周部の全周を囲って配設される枠体である。したがって、樹脂Rを投下する際に、押圧プレート314から樹脂Rがこぼれ落ちないようにすることができる。尚、本実施形態においては、より平坦になるように樹脂Rを供給するが、変形例として、載置工程の後、押圧プレート314を振動させて、押圧プレート314の上面314aに載置された樹脂Rを最外周位置まで行き渡らせつつ、平坦化(厚さを均一化)させる工程を実施してもよい。
次いで、樹脂ヒータ306によって、樹脂ローダ304による搬送中の樹脂Rの加熱(予備加熱)を行う工程を実施する。例えば、樹脂Rが完全に溶融もしくは溶解しない温度(例えば、60℃~80℃)に加熱部分の押し当てや輻射熱により予備加熱し、樹脂Rの粒同士を溶着(もしくは軟化)させ一体化させる。これにより、押圧プレート314に載置された粒状の樹脂Rの表面を溶着(もしくは軟化)させることができ、搬送中の塵埃(樹脂Rの微粉末等)の発生を防止して、製品の成形不良や、装置の動作不良の発生を防止することができる。尚、予備加熱工程を省略してもよい。
ここで、樹脂ローダ304によって樹脂Rを搬送する工程と並行して(もしくは前後して)、フィルム供給機構214によって、巻出し部214aから巻取り部214bへフィルムFを搬送して(送り出して)封止金型202における所定位置(上型204と下型206との間の位置)にフィルムFを供給する工程(フィルム供給工程)を実施する。この工程は、初回は未使用フィルムFの供給のみを行う工程となるが、二回目以降は、使用済みフィルムFの送り出し(排出)と未使用フィルムFの供給とを同時に行う工程となる。
次いで、図12に示すように、吸着機構によって、キャビティ208の内面を含む金型面204aにフィルムFを吸着させて保持させる吸着工程(フィルム吸着工程)を実施する。次いで、樹脂ローダ304によって、押圧プレート314に載置された樹脂Rを封止金型202内(上型204と下型206との間)へ搬送する工程を実施する。この工程においては、封止金型202内(上型204と下型206との間)の所定位置に樹脂ローダ304を配置した状態として、その状態から樹脂ローダ304の上昇を開始する。尚、ガード316の周壁部316aが上型204(本実施形態では、クランパ228の金型面204a)に当接した状態となったときに樹脂ローダ304の上昇を停止する。
次いで、図13に示すように、移動貼着機構315を駆動して押圧プレート314の上昇を開始する。このとき、押圧プレート314のみが上方へ(すなわち、キャビティ208内へ)移動し、上面314aに載置された樹脂RをフィルムFの下面に押圧して貼着させる工程を実施する。
このように、所定温度に加熱された状態の上型204におけるキャビティ208内で、押圧プレート314に載置された樹脂RをフィルムFに押圧することができる。したがって、フィルムFを介して上型204の熱を樹脂Rに伝えることができるため、樹脂Rが軟化(溶融)状態となって接着力が発生し、フィルムFの下面に貼着する作用が得られる。尚、貼着工程は、輻射熱や樹脂Rを介した熱伝達により移動貼着機構315が加熱されることのないよう、短時間で行うことが好ましい。この点において、前述の予備加熱工程を実施して事前に樹脂Rを一体化させることにより、フィルムFの下面への樹脂Rの貼着工程を効率的に行うことができる。具体的には、樹脂Rが一体化していることで、短時間でフィルムFの下面への樹脂Rの貼着を行うことができる。また、樹脂Rが一体化していることで樹脂Rの粒が押圧プレート314上に残ってしまうのを防止することもできる。
次いで、移動貼着機構315を駆動して押圧プレート314の下降を開始する工程、及び、樹脂ローダ304の下降を開始する工程を実施する。次いで、樹脂ローダ304を封止金型202外へ移動する工程を実施する。
一方、前述の型閉じ工程として、封止金型202の型閉じを行い、加熱加圧下でワークWをクランプする工程を実施する。
この型閉じ工程では、各キャビティ208において、それぞれキャビティ駒226が相対的に下降して、ワークWに対して樹脂Rを加熱加圧する(ワーク保持部205A~205Cの幾つかにワークWが保持されていない場合もある)。これにより、樹脂Rが熱硬化して樹脂封止(成形)が完了する。
次いで、型開き工程として、封止金型202の型開きを行い、樹脂封止(成形)した成形品Wpを下型206によって保持する工程を実施する。
以上が圧縮成形装置1を用いて行う樹脂封止(圧縮成形)の主要動作である。但し、上記の工程順は一例であって、支障がない限り先後順の変更や並行実施が可能である。例えば、本実施形態においては、複数(一例として二組)のプレスユニット100Bを備える構成であるため、上記の動作を並行して実施することで、効率的な成形品形成が可能となる。
以上、本実施形態においては、上型204に所定数のキャビティ208を備え、下型206に対応数のワークWを保持させる構成を例に挙げて説明した。但し、この構成に限定されるものではなく、変形例として、下型206に所定数のキャビティを備え、上型204に対応数のワークWを保持させる構成としてもよい(不図示)。その場合の樹脂封止(圧縮成形)動作(すなわち、圧縮成形方法)は、以下の通りとなる。
先ず、準備工程、ワーク供給工程、ワーク搬送工程、予熱工程、初期配置工程(図14として再掲)、ワーク保持工程(図15として再掲)は前述の例と同様である。
一方、ワーク保持工程に引き続き実施する工程は、以下のようになる。具体的に、図16に示すように、ローダ210が型開きした状態の封止金型202の内部すなわち上型204と下型206との間に進入し、当該封止金型の202の内部において、上型204から成形品Wp(1サイクル前の工程による成形品Wp)を受取ってハンド211の第1面211aに保持する成形品受取り工程を実施する。
次いで、図17に示すように、ローダ210において、ハンド211の第1面211aと第2面211bとを上下に180°反転させて、第1面211aを下向き、第2面211bを上向きとする第1反転工程を実施する。尚、反転(回転)方法は前述の例と同様である。
次いで、図18に示すように、封止金型202の内部において、ハンド211の第2面211bに保持したワークWを上型204に受渡すワーク受渡し工程を実施する。
尚、ワーク受渡し工程に引き続き実施する、樹脂供給工程、型閉じ工程、型開き工程、成形品受渡し工程(図19として再掲)、成形品搬送工程、成形品収納工程も前述の例と同様である。
特に、下型にキャビティを備える従来の圧縮成形装置の場合には、電子部品搭載面を下向きに配置したワークを、スライダの下面に保持して、ワークの予熱を行う構成が主であったため、ワークが重力で撓んでしまい、加熱のムラが生じたり、変形したりしてしまう課題があった(いずれも不図示)。しかし、本実施形態に係る上記構成によれば、スライダ116の上面116aを加熱面として構成し、電子部品Wbの搭載面を上向きに配置したワークWを、スライダ116の上面116aに載置して(すなわち、ワークWの基材Waの裏面をスライダ116の上面116aに当接させた状態で)、ワークWの予熱を行うことができる。したがって、当該課題の解決が可能となる。
以上、説明した通り、本発明に係る圧縮成形装置及び圧縮成形方法によれば、ワーク保持機構と成形品保持機構とを前後方向に並設する従来の構成と比較して、前後方向寸法を小さくすることができるため、配置スペースの縮小及び装置強度の低減による小型化を図ることができる。また、ローダの移動に要する時間の低減によるタクトタイムの短縮を図ることができる。
尚、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能である。特に、封止樹脂として、顆粒状、粉砕状、粉末状の熱硬化性樹脂を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、液状、板状、シート状等の樹脂を用いる構成にも適用し得る。
1 圧縮成形装置
202 封止金型
210 ローダ
211 ハンド
W ワーク
202 封止金型
210 ローダ
211 ハンド
W ワーク
Claims (7)
- 上型及び下型を有する封止金型を用いて、ワークを樹脂により封止して成形品に加工する圧縮成形装置であって、
前記封止金型へ前記ワークを搬入し、前記封止金型から前記成形品を搬出するハンドを備え、
前記ハンドは、第1面に前記成形品を保持する成形品保持部を有し、前記第1面と逆側の第2面に前記ワークを保持するワーク保持部を有し、
前記ハンドの前記第1面と前記第2面とを上下に180°反転させる反転機構をさらに備えること
を特徴とする圧縮成形装置。 - 前記ハンドは、前記封止金型へ進入・進出する方向と直交方向に複数個が並設されており、
前記反転機構は、複数個の前記ハンドをそれぞれ、前記封止金型の内部における型開き状態の前記上型と前記下型との間の空間内において反転させる機構であること
を特徴とする請求項1記載の圧縮成形装置。 - 前記ハンドは、前記封止金型へ進入・進出する方向と直交方向に複数個が並設されており、
前記反転機構は、複数個の前記ハンドを一括して、前記封止金型の外部において反転させる機構であること
を特徴とする請求項1記載の圧縮成形装置。 - 上型及び下型を有する封止金型と、前記封止金型へ進入・進出するハンドと、を備える圧縮成形装置を用いて、基材に電子部品が搭載されたワークを樹脂により封止して成形品に加工する圧縮成形方法であって、
前記上型に前記電子部品が収容されるキャビティが設けられる場合に、
前記ハンドの第1面を上向き、前記第1面と逆側の第2面を下向きとなるように配置する初期配置工程と、
前記第2面に前記ワークを保持するワーク保持工程と、
前記第1面と前記第2面とを上下に180°反転させる第1反転工程と、
前記封止金型の内部において、前記下型から前記成形品を受取って前記第1面に保持する成形品受取り工程と、
前記第1面と前記第2面とを上下に180°反転させる第2反転工程と、
前記封止金型の内部において、前記第2面に保持した前記ワークを前記下型に受渡すワーク受渡し工程と、を備えること、
または、
前記下型に前記電子部品が収容されるキャビティが設けられる場合に、
前記ハンドの第1面を上向き、前記第1面と逆側の第2面を下向きとなるように配置する初期配置工程と、
前記第2面に前記ワークを保持するワーク保持工程と、
前記封止金型の内部において、前記上型から前記成形品を受取って前記第1面に保持する成形品受取り工程と、
前記第1面と前記第2面とを上下に180°反転させる第1反転工程と、
前記封止金型の内部において、前記第2面に保持した前記ワークを前記上型に受渡すワーク受渡し工程と、を備えること
を特徴とする圧縮成形方法。 - 前記ワーク保持工程の前に、予熱ヒータの上面に配設された加熱面に対し、前記基材を下向きに、前記電子部品を上向きにした状態の前記ワークを載置して予熱を行う予熱工程をさらに備えること
を特徴とする請求項4記載の圧縮成形方法。 - 前記第1反転工程及び前記第2反転工程は、前記封止金型へ進入・進出する方向と直交方向に複数個が並設された前記ハンドをそれぞれ、前記封止金型の内部における型開き状態の前記上型と前記下型との間の空間内で反転させる工程であること
を特徴とする請求項4記載の圧縮成形方法。 - 前記第1反転工程及び前記第2反転工程は、前記封止金型へ進入・進出する方向と直交方向に複数個が並設された前記ハンドを一括して、前記封止金型の外部において反転させる工程であること
を特徴とする請求項4記載の圧縮成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022081102A JP2023169779A (ja) | 2022-05-17 | 2022-05-17 | 圧縮成形装置及び圧縮成形方法 |
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JP2022081102A JP2023169779A (ja) | 2022-05-17 | 2022-05-17 | 圧縮成形装置及び圧縮成形方法 |
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JP2023169779A true JP2023169779A (ja) | 2023-11-30 |
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JP2022081102A Pending JP2023169779A (ja) | 2022-05-17 | 2022-05-17 | 圧縮成形装置及び圧縮成形方法 |
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Country | Link |
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2022
- 2022-05-17 JP JP2022081102A patent/JP2023169779A/ja active Pending
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