JP2023169068A - トークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システム - Google Patents

トークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システム Download PDF

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Abstract

【課題】面倒な処理負担を無くし流出リスクを低減し顧客からの高額現金引出しに対処可能なトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムの提供。【解決手段】サービス提供対象者の所有するトークン類を管理するスマコン11、複数の送付用スマコン12、送付処理制御用スマコン13を有し、スマコン13は、スマコン12を任意に選択し、当該スマコン12に、対応する第1の秘密鍵を用いて、事前にトークン類の送付先アドレスを登録する機能と、スマコン11が、サービス提供対象者管理用アドレスに記録されているトークン類としての機能が無効化された一時的処理データから、送付が必要な数量分を、トークン類に変換すると同時に、送付先アドレスと送付量を指定したトランザクションを作成し、第2の秘密鍵を用いて署名し、当該スマコン12に送付指示をするように、スマコン11を制御する機能を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、経済的な価値をデジタルで表現可能な、トークンやデジタル通貨等のデジタル資産を用いた取引における、取引対象となるデジタル資産の保管、もしくは振替を簡易的に行う、トークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムに関する。
なお、本願明細書における「システム」とは、コンピュータや他の電子機器、ソフトウェア、通信ネットワーク、データなどの要素を組み合わせて構成された、ソフトウェアによる情報処理を、ハードウェア資源を用いて具体的に実現するコンピュータシステムを意味する。
近年、デジタル化技術により、資産の経済的価値をデジタルで表現した、トークン等のデジタル資産が取引され易くなっている。
特に定型化された経済的価値を有する資産、例えば、コモディティ(商品取引所で取引されている商品等)類は、デジタル資産として取引することのできる特性が強い。
ブロックチェーンなどの分散技術で管理されるデジタル資産の取引ステムを介して、価値があるものを取引した場合、最終的には清算や管理をする必要がある。
ブロックチェーンなどの分散技術で管理されるデジタル資産の取引においては、取引機能、クリアリング機能、保管振替機能の3機能が重要であると考えられる。
取引機能は、顧客間の売買注文を対当させ約定を通知する機能である。
クリアリング機能は、その取引における約定について、決められた清算日においてDVP(合意された取引内容での相互同時交換)を行う機能である。
保管振替機能は、取引対象となるデジタル資産を保管する、もしくは振替を簡易的に行う機能である。
ブロックチェーンなどの分散技術で管理されるデジタル資産の取引における保管振替機能は、ブロックチェーンなどの分散技術により生成されたコイン型やトークン型と言われる「価値」をデジタルで表現されたもの(以下、本願では「トークン類」と称する)が対象となる。
本件発明者は、これまで、ブロックチェーンなどの分散技術で管理されるデジタル資産の取引における取引機能、クリアリング機能に関連するシステムを導出してきた。今回、さらに、取引機能、クリアリング機能に関するデジタル処理の延長として、保管振替機能に関するデジタル処理を組み込むことで、デジタル資産の取引における一連の業務をシステムにて自動処理化することを考えた。
そのような概念からすれば、ブロックチェーンの各アドレスで、トークン類を管理することも考えられる。
しかるに、本件発明者が、取引機能、クリアリング機能に関連するシステムに、保管振替(デジタル資産の保管・管理)機能に関するデジタル処理を組み込むことについて、考察・検討したところ、ブロックチェーン(特にパブリックチェーン)の各アドレスでトークン類を管理するためには、面倒な処理や制御を行う必要があり、個人や事業体が対処することが難しいこと、また、トークン類の流出リスクも増大する、さらには、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者である顧客からの高額な出金要求に対し、即時に現金を準備できない場合が想定されること等の課題が内在することが判明した。
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、ブロックチェーン(特にパブリックチェーン)の各アドレスでトークン類を管理するための面倒な処理の負担を無くし、かつ、トークン類の流出リスクを低減し、さらには、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が手持ち資金に悩まされることなく、顧客からの高額現金引き出しに対処可能なトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明によるトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムは、トークン類(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称)、デジタル通貨、トークン類とデジタル通貨、もしくはトークン類同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、デジタル資産の取引に用いる、トークン類の保管または振替を簡易的に行うデジタル資産の保管・管理サービス提供システムであって、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者の所有するトークン類を管理するためのトークン類管理用スマートコントラクトと、トークン類の送付処理を行うための、複数のトークン類送付用スマートコントラクトと、トークン類の送付処理を制御するためのトークン類送付処理制御用スマートコントラクトと、を有し、前記トークン類送付処理制御用スマートコントラクトは、複数の前記トークン類送付用スマートコントラクトのうちから、トークン類の送付処理に用いるトークン類送付用スマートコントラクトを任意に選択し、選択した当該トークン類送付用スマートコントラクトに対し、当該トークン類送付用スマートコントラクトに対応する第1の秘密鍵を用いて、事前にトークン類の送付先アドレスを登録する機能と、前記トークン類管理用スマートコントラクトが、前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者を管理するためのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されているトークン類としての機能が無効化された形態の一時的処理データから、送付が必要となっている数量分を、機能が有効化されたトークン類に変換すると同時に、当該トークン類の送付先アドレスと送付量を指定したトランザクションを作成し、作成したトランザクションに対し第2の秘密鍵を用いて署名し、それぞれの前記トークン類送付用スマートコントラクトに、署名済トランザクションを渡す(トークン類の送付指示をする)ように、前記トークン類管理用スマートコントラクトを制御する機能と、前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスへ、外部からトークン類が送付されてきた場合、前記トークン類管理用スマートコントラクトが、送付されてきたトークン類を、当該トークン類としての機能を無効化した形態の一時的処理データに変換して当該デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録するようにトークン類管理用スマートコントラクトを制御する機能と、を有し、それぞれの前記トークン類送付用スマートコントラクトは、前記トークン類管理用スマートコントラクトから渡され(送付指示され)た、署名済トランザクションにおいて指定されているトークン類の送付先アドレスを、当該トークン類送付用スマートコントラクトの内部に事前登録されている送付先アドレスと照合し、合致した場合にのみ、当該送付先アドレスへ、署名済トランザクションにおいて指定されている数量の当該トークン類を送付し、送付終了後に、送付したトークン類の種類及び数量をブロックチェーンに記録すると同時に、当該トークン類送付用スマートコントラクトの内部に事前登録されている送付先アドレスを削除する機能を有することを特徴としている。
また、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、ブロックチェーン等の分散技術とは別のデータ管理技術により、銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を、暗号化した状態で格納するデジタル資産管理手段と、前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を復号化するデジタル資産復号化手段と、前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を復号化し、復号化した情報に対する更新を行い、更新した情報を暗号化するデジタル資産更新手段と、をさらに備えるとともに、前記トークン類管理用スマートコントラクトは、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで、当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の種類及び数量を管理する機能と、定期的に、前記デジタル資産復号化手段に対し、前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報の復号化を指示し、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様での種類ごとのトークン類の数量と、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における種類ごとのトークン類の総量と、を比較する機能と、前記比較した、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様での種類ごとのトークン類の数量と、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における種類ごとのトークン類の総量と、が不整合となったとき、不整合となっているトークン類の種類を特定し、特定した不整合となっている種類のトークン類の数量について、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量よりも、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量が多い場合には、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量を、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量に整合させるように修正し、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量よりも、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量が少ない場合には、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量を、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量に整合させるように、前記デジタル資産更新手段に対し、前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する機能と、をさらに備え、前記トークン類送付用スマートコントラクトは、所定の送付先アドレスへ前記業者管理下の顧客口座単位のトークン類の送付を行い、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録して、当該トークン類の種類及び数量を更新するとともに、前記デジタル資産更新手段に対し、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を用いて、前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する機能をさらに備えるのが好ましい。
また、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、前記トークン類管理用スマートコントラクトは、トークン類に対する定期時間単位での数量の変化又は何らかの権利付加が生じた場合、当該トークン類を管理している前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている当該トークン類の数量に応じた、変化分又は権利付加分の数量を更新する第1のトークン量自動修正機能を、さらに備えるのが好ましい。
また、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、前記トークン類管理用スマートコントラクトは、トークン類に対する定期時間単位での数量の変化又は何らかの権利付加が生じた場合、当該トークン類を管理している前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている当該トークン類の数量に応じた、変化分又は権利付加分の数量を更新するとともに、前記デジタル資産更新手段に対し、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を用いて、該デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する第2のトークン量自動修正機能を、さらに備えるのが好ましい。
また、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも数量を含み価格を含まない第1価値構成要素が設定された一時的処理データを、ブロックチェーンを介して管理する一時的処理データ管理手段と、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格を含み数量を含まない第2価値構成要素が設定されたデータを管理する第2価値構成要素設定データ管理手段と、をさらに備え、前記トークン類管理用スマートコントラクトは、前記一時的処理データ管理手段によりブロックチェーンを介して管理されている第1価値構成要素と、前記第2価値構成要素設定データ管理手段により管理されている第2価値構成要素と、を用いて、価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量が揃ったトークンを所定数量分生成する、トークン生成機能と、トークンにおける価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量を、前記第1価値構成要素と、前記第2価値構成要素とに分け、分けた前記第1価値構成要素を前記一時的処理データ管理手段にブロックチェーンを介して管理させるとともに、前記第2価値構成要素を第2価値構成要素設定データ管理手段に管理させる機能と、を有するのが好ましい。
また、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者において、委託を受けて信託銀行等(信託銀行、運用型信託会社)における自己とは別の委託口座で管理を行っている、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者である顧客委託分の現金のうち、高額出金要請のあった顧客についての出金要請内容(金額・量)をリスト化した高額出金要請リストを、定期的に一括作成する機能を有する高額出金要請リスト作成用スマートコントラクトと、前記高額出金要請リストを前記信託銀行等に送付する機能を有する高額出金要請リスト送付用スマートコントラクトと、前記信託銀行等において、前記高額出金要請リストに記録されている出金要請額を充当し得る顧客(委託分)の現金の預け入れの有無をチェックし、充当し得る顧客(委託分)の現金の預け入れがあることが確認された顧客についての、当該高額出金要請リストに記録されている出金要請内容(金額・量)での出金を承認する機能を有する出金要請額チェック・承認用スマートコントラクトと、前記出金要請額チェック・承認用スマートコントラクトにより、出金が承認された顧客についての、出金承認内容(金額・量)を一覧化した出金承認リストを作成する機能を有する出金承認リスト作成用スマートコントラクトと、前記出金承認リスト作成用スマートコントラクトにより作成された前記出金承認リストを当該信託銀行等が提携する提携銀行へ送付する機能を有する出金承認リスト送付用スマートコントラクトと、前記提携銀行において、前記出金承認リスト送付用スマートコントラクトにより送付された前記出金承認リストに記録されている出金承認内容(金額・量)分の現金を、前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者へ一時的に融資するとともに、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義にて出金承認リストに記録されている顧客への送金処理を行う機能を有する融資・送金用スマートコントラクトと、前記提携銀行において、前記融資・送金用スマートコントラクトによる前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義での顧客への送金処理が完了の後、当該提携銀行が承認した顧客についての、送金内容(金額・量)を一覧化した送金処理完了リストを作成する機能を有する送金処理完了リスト作成用スマートコントラクトと、前記送金処理完了リスト作成用スマートコントラクトにより作成された送金処理完了リストを前記信託銀行等に送付する機能を有する送金処理完了リスト送付用スマートコントラクトと、前記信託銀行等において、前記送金完了リストに記録されている出金総額と同額の現金を、前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が融資を受けた前記提携銀行のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ送金する機能を有する現金充当処理用スマートコントラクトと、前記現金充当処理用スマートコントラクトによる前記提携銀行のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座への送金処理が終了後、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座から前記提携銀行に当該融資分の現金を返済する機能を有する現金返済用スマートコントラクトと、をさらに有するのが好ましい。
また、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、前記融資・送金用スマートコントラクトは、前記出金承認リストが前記出金承認リスト送付用スマートコントラクトにより前記提携銀行へ送付されたときに、当該提携銀行の提携する提携金融機関において、当該出金承認リストに記録されている出金承認内容(金額・量)分の現金を、当該提携銀行のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ振替えることにより前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者へ一時的に融資するとともに、当該提携銀行において当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義にて出金承認リストに記録されている顧客への送金処理を行う機能をさらに有し、前記現金充当処理用スマートコントラクトは、前記信託銀行等において、前記送金完了リストに記録されている出金総額と同額の現金を、前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が融資を受けた前記提携金融機関のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ送金する機能をさらに有し、前記現金返済用スマートコントラクトは、前記現金充当処理用スマートコントラクトによる前記提携金融機関のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座への送金処理が終了後、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座から前記提携金融機関に当該融資分の現金を返済する機能をさらに有するのが好ましい。
また、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、注文入力手段と、銘柄ごとに作動し、注文を管理する注文管理用スマートコントラクトを備えたデジタル資産取引システムと、約定したデジタル資産同士の、互いに約定した取引参加者への同時受渡を行うDVP処理用スマートコントラクトを備えたデジタル資産の清算処理システムと、を一体化して構成されているのが好ましい。
本発明によれば、ブロックチェーン(特にパブリックチェーン)の各アドレスでトークン類を管理するための面倒な処理の負担を無くし、かつ、トークン類の流出リスクを低減、さらには、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が手持ち資金に悩まされることなく、顧客からの高額現金引き出し要求に対処可能なトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムが得られる。
本発明の第1実施形態に係るトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムの全体構成を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおけるトークン類管理用スマートコントラクトの処理機能の一部を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおけるトークン類管理用スマートコントラクトの処理機能の他部を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおけるトークン類管理用スマートコントラクトの処理機能のさらなる他部を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおけるトークン類管理用スマートコントラクトの処理機能のさらなる他部を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおけるトークン類送付用スマートコントラクトの処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおけるトークン類送付処理制御用スマートコントラクトの処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおける一時的処理データ管理手段の処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおける第2価値構成要素設定データ管理手段の処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおける高額出金要請リスト作成用スマートコントラクトの処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおける高額出金要請リスト送付用スマートコントラクトの処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおける出金要請額チェック・承認用スマートコントラクトの処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおける出金承認リスト作成用スマートコントラクトの処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおける出金承認リスト送付用スマートコントラクトの処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおける融資・送金用スマートコントラクトの処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおける送金処理完了リスト作成用スマートコントラクトの処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおける送金処理完了リスト送付用スマートコントラクトの処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおける現金充当処理用スマートコントラクトの処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおける現金返済用スマートコントラクトの処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおけるデジタル資産管理手段の処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおけるデジタル資産復号化手段の処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおけるデジタル資産更新手段の処理機能を概略的に示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムを用いた、個人を対象とした処理の流れを示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムを用いた、業者を対象としたデジタル資産の保管・管理における第1の管理形態の場合の処理の流れの一部を示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムを用いた、業者を対象としたデジタル資産の保管・管理における第1の管理形態の場合の処理の流れについて図24の続きを示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムを用いた、トークン類に対する定期時間単位での数量の変化又は何らかの権利付加が生じた場合の処理を示す説明図で、(a)は個人を対象としたデジタル資産の保管・管理や、業者を対象としたデジタル資産の保管・管理における第2の管理形態の場合の処理を示す図、(b)は業者(銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う企業)を対象としたデジタル資産の保管・管理における第1の管理形態の場合の処理を示す図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムを用いた、顧客から高額の現金引き出し要求があった場合の処理の流れの一部を示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムを用いた、顧客から高額の現金引き出し要求があった場合の処理の流れについて図27の続きを示す説明図である。 図1のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムを用いた、顧客から高額の現金引き出し要求があった場合の処理の流れについて図28の続きを示す説明図である。
実施形態の説明に先立ち、本発明を導出するに至った経緯、及び本発明の作用効果について説明する。
上述したように、ブロックチェーンなどの分散技術で管理されるデジタル資産の取引システムを介して、価値があるものを取引した場合、最終的には清算や管理をする必要がある。
本件発明者は、ブロックチェーンなどの分散技術で管理されるデジタル資産の取引においては、取引機能、クリアリング機能、保管振替機能の3機能が重要であると考えた。
取引機能は、顧客間の売買注文を対当させ約定を通知する機能である。
クリアリング機能は、その取引における約定について、決められた清算日においてDVP(合意された取引内容での相互同時交換)を行う機能である。
保管振替機能は、取引対象となるデジタル資産を保管する、もしくは振替を簡易的に行う機能である。
ブロックチェーンなどの分散技術で管理されるデジタル資産の取引における保管振替機能は、ブロックチェーンなどの分散技術により生成されたコイン型やトークン型と言われる「価値」をデジタルで表現されたもの(以下、「トークン類」と総称)が対象となる。
本件発明者は、これまで、ブロックチェーンなどの分散技術で管理されるデジタル資産の取引における取引機能、クリアリング機能に関連するシステムを導出してきた。今回、さらに、取引機能、クリアリング機能に関するデジタル処理の延長として、保管振替機能に関するデジタル処理を組み込むことで、デジタル資産の取引における一連の業務をシステムにて自動処理化することを考えた。
そのような概念からすれば、ブロックチェーンの各アドレスで、トークン類を管理することも考えられる。
しかし、ブロックチェーン(特にパブリックチェーン)の各アドレスでトークン類を管理するためには、面倒な処理や制御を行う必要があり、個人や事業体が対処することは難しい。また、トークン類の流出リスクも増大する。
日本において、暗号資産技術を証券業界に展開していくためには、中堅証券会社などのブロックチェーン運用(つまり、秘密鍵管理)への対応が難しいことから、デジタルデータの管理を行うデジタル資産の保管・管理機能を実装する必要がある。
しかも、ブロックチェーンはデータをチェーンすることから、改竄耐性は良いものの、処理効率面(特に処理速度)では問題がある。
例えば、変更頻度の少ない個人情報や、基幹となるデジタル資産のサマリデータなどはブロックチェーンの管理が好適であると考えられるが、発生頻度が膨大化する個別の取引情報(少額決済)などはブロックチェーンの管理では、却って負荷が増大し、処理効率が最適とは言えない。
面倒な処理やトークン類の流出リスクの要因・理由は、トークン類の管理のための処理や制御に用いる秘密鍵の管理にある。
秘密鍵をホットウォレットなどの広域ネットワークに接続された形式の秘密鍵管理手段で管理し、トークン類の移動等の処理に使用し易くした場合、外部からの第三者による不正アクセスなどにより(秘密鍵が解析され、または秘密鍵が漏洩等して)秘密鍵を奪われ、秘密鍵を奪った第三者が本人になりすまし、ブロックチェーンのアドレスに管理されているトークン類(デジタル資産)を流出させるリスクが増大する。
一方、秘密鍵解析や秘密鍵漏洩に起因するトークン類の流出リスクを排除するために、コールドウォレットのような、広域ネットワークから切り離した形式の秘密鍵管理手段で秘密鍵の管理を行うと、トークン類(デジタル資産)の管理のための処理が非常に面倒になる。
そこで、本件発明者は、利便性を極力向上させるために、ホットウォレットの形式の秘密鍵管理手段での秘密鍵の管理を行いながらも、外部からの第三者による不正アクセスなどによるトークン類(デジタル資産)の流出を防止する方策について考察・検討した。
外部からの第三者による不正アクセスなどによるトークン類(デジタル資産)の流出リスクがあるため、多くのブロックチェーンなど分散処理のサービスを活用するユーザは、「ユーザの秘密鍵を管理業者に預け、管理業者がユーザの秘密鍵をユーザ管理用の口座で管理する」、或いは、「管理業者が管理(し所有)するユーザ管理用アドレスにユーザのデジタル資産を預ける」、のいずれかの方策でのデジタル資産の管理が必要になると考えられる。
これら2つの業務は「デジタル資産の保管・管理、移動」に関するものである。
デジタル資産の保管・管理では、主に、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者(例えば、個人)の情報と、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者(例えば、個人)の資産(デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者(例えば、個人)管理用アドレスで管理しているトークン類などのデジタル資産(や現金))の管理を行う。
しかるに、特に暗号資産(仮想通貨)などは、国境がなくトークン類の移動に制約がないことから、マネーロンダリングを含め脱税や外為法規制などの不正への対応処理が難しいため、規制が求められている。
つまり、これらの不正への対応処理を行うためにも、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者(例えば、個人)の情報を管理するとともに、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者(例えば、個人)のトークン類などのデジタル資産をデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者(例えば、個人)の情報に対応付けた形態で管理することが必要になる。
例えば、(外為法規制などを受ける)海外へのトークン類の移動については、常に記録するとともに、その内容について法の規制外の場合は当局に一括報告するなどの必要がある。
なお、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者(例えば、個人)の秘密鍵をデジタル資産の保管・管理サービス提供業者に預ける方法は、非常に危険である。そこで、本件発明者は、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が管理(し所有)するデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスにて、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が鍵を用いた暗号化処理を行うことを前提として考察・検討した。
1.デジタル資産の保管・管理サービスの提供対象者
デジタル資産の保管・管理サービスの提供対象者としては、個人と、業者(銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な個人資産を扱う企業)が挙げられる。
(1-1)個人を対象としたデジタル資産の保管・管理
「個人」を対象としたデジタル資産の保管・管理では、個人に対応したデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスをデジタル資産の保管・管理サービス提供業者の提供するデジタル資産の保管・管理システム内に生成し、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者はその個人に対応したデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスの生成に用いた秘密鍵を管理し(なお、本件では検討対象外ではあるが、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者に個人の秘密鍵を預ける方法の場合には、個人のアドレスと秘密鍵の情報を教えてもらう。)、個人が当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者の提供するデジタル資産の保管・管理システムにスマートフォンなどを用いてアクセスする。この場合、生体認証などを含め、マルチファクター認証や二段階認証などをクリアすることによってログインを行うことで、秘密鍵を効率的に使えるようにする。
秘密鍵の管理手段としては、コールドウォレット型の秘密鍵管理手段とホットウォレット型の秘密鍵管理手段が考えられる。しかるに、コールドウォレット型の秘密鍵管理手段はネットワークから切り離されていることから、即時処理は難しく、定期的にバッチ処理として処理を行うことになるため望ましくない。
そこで、本件発明者は、秘密鍵の管理手段として、ホットウォレット型の秘密鍵管理手段を用いることを前提として考察・検討した。
ホットウォレット型の秘密鍵管理手段での秘密鍵の管理においては、秘密鍵を盗まれても(極端には、量子アルゴリズムや量子コンピュータによる秘密鍵解読がなされても)トークン類(デジタル資産)の流出を防止できるようにする必要がある。
しかるに、本件発明者は、まず、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者の提供するデジタル資産の保管・管理システムの領域内に生成された個人に対応した対象者管理用アドレスに記録されているトークン類からの一部のトークン類の移動(送付)処理をする場合のホットウォレット型の秘密鍵管理手段での秘密鍵の管理方法について考えた。
移動(送付)処理対象となる当該一部のトークン類の「移動(送付)先アドレスと移動(送付)量」は、取引における約定、清算等により定まっている。
本件発明者は、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者の提供するデジタル資産の保管・管理システムの領域内に生成された個人に対応したデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスには、(トークン類管理用スマートコントラクトにより、)トークン類としての機能を無効化した形態にして、トークン類に対応付けた一時的処理データが記録されるようにすることを考えた。
そして、本件発明者は、「個人」を対象としたデジタル資産の保管・管理におけるホットウォレット型の秘密鍵管理手段での管理に用いる秘密鍵として、次の2種類のスマートコントラクトを制御する、2種類の秘密鍵(第1の秘密鍵、第2の秘密鍵)を用いることを考えた。
第1の秘密鍵は、トークン類の移動先アドレスの情報を、トークン類送付用スマートコントラクト(トークン類の移動処理を行うためのスマートコントラクト)の内部に登録するために用いる鍵である。第1の秘密鍵は、トークン類送付用スマートコントラクトに対応して作成しておく。
第2の秘密鍵は、(トークン類管理用スマートコントラクトにより、個人に対応したデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている一時的処理データのうち送付が必要となっている数量分について、トークン類としての機能を有効化した形態に戻された、)トークン類の送付指示をするために用いる鍵である。
より具体的には、デジタル資産の保管・管理システムにおいて、複数のトークン類送付用スマートコントラクトを備えておく。
そして、トークン類送付処理制御手段が、そのうちのいずれかのトークン類送付用スマートコントラクトを、トークン類送付処理の直前に任意に選択するようにする。
また、トークン類送付処理制御手段が、選択したトークン類送付用スマートコントラクト(ここでは、例えば、トークン類送付用スマートコントラクトAとする)に対して、事前にトークン類の送付先アドレスを当該トークン類送付用スマートコントラクトAに対応する第1の秘密鍵を用いて登録するようにする。
また、トークン類管理用スマートコントラクトが、一時的処理データから、送付が必要となっている数量分のトークン類を生成する(トークンとしての機能が有効化されたトークン類に変換する)と同時に、当該トークン類の送付先アドレスと送付量を指定したトランザクションを作成し、作成したトランザクションに対し第2の秘密鍵を用いて署名し、それぞれのトークン類送付用スマートコントラクトに、署名済トランザクションを渡す(トークン類の送付指示をする)ように、トークン類送付処理制御手段がトークン類管理用スマートコントラクトを制御するようにする。
また、それぞれのトークン類送付用スマートコントラクトが、トークン類管理用スマートコントラクトから渡され(送付指示され)た、署名済トランザクションにおいて指定されているトークン類の送付先アドレスを、当該トークン類送付用スマートコントラクト(ここでは、例えば、トークン類送付用スマートコントラクトA)の内部に事前登録されている送付先アドレスと照合し、当該トークン類送付用スマートコントラクト(ここでは、例えば、トークン類送付用スマートコントラクトA)の内部に事前登録されている送付先アドレスと署名済トランザクションにおいて指定されている送付先アドレスとが合致した場合にのみ、当該送付先アドレスへ、署名済トランザクションにおいて指定されている数量の当該トークン類を送付するようにする。
一方、当該トークン類送付用スマートコントラクト(ここでは、例えば、トークン類送付用スマートコントラクトA)の内部に事前登録されている送付先アドレスと署名済トランザクションにおいて指定されている送付先アドレスとが合致しない場合は、当該トークン類送付用スマートコントラクト(ここでは、例えば、トークン類送付用スマートコントラクトA)は、当該トークン類の送付処理を行なわないようにする。
また、当該トークン類の送付処理が終了したとき、当該トークン類送付用スマートコントラクト(ここでは、例えば、トークン類送付用スマートコントラクトA)が、送付処理内容をブロックチェーンに記録すると同時に、当該トークン類送付用スマートコントラクト(ここでは、例えば、トークン類送付用スマートコントラクトA)の内部に事前登録されている送付先アドレスを削除するようにする。
即ち、トークン類を送付処理するために用いるトークン類送付用スマートコントラクトは、トークン類の送付処理制御手段を介してランダムに選択され、選択されたトークン類送付用スマートコントラクトに対応する第1の秘密鍵を用いて当該トークン類送付用スマートコントラクトの内部に事前登録した送付先アドレスと、トークン類送付処理制御手段を介して、トークン類管理用スマートコントラクトが作成したトランザクションにおいて指定され、当該トークン類管理用スマートコントラクトの第2の秘密鍵を用いて署名された送付先アドレスと、が合致しないとトークン類の送付処理が出来ないようにしておくことで、ホットウォレット型の秘密鍵管理であっても、外部からの攻撃などによるトークン類(デジタル資産)の流出事故を防止できると考えられる。
また、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者の所有するシステムの領域内で管理している個人に対応したデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに対して、外部からトークン類が送付されてきた場合には、トークン類管理用スマートコントラクトが、当該トークン類の一時的処理データ化を自動的に行い、トークンとしての機能を無効化して管理するように、トークン類送付処理制御手段が、トークン類管理用スマートコントラクトを制御するようにする。
当該一時的処理データは、トークンとしての機能が無効化され、「所定アドレスへの移動ができない」形態であるため、一時的処理データ自体が流出することはない。さらにトークン類管理用スマートコントラクトが管理する一時的処理データは、単純な数量の増減や関連付けするトークン類の種類の変更などはできず、数量や種類の定まったトークンに対して一時的処理データ化とトークンとしての機能の戻しのみができるようにする。
このように、「個人」を対象としたデジタル資産の保管・管理では、個人情報、個人に対応したデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレス情報、個人に対応したデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに対して制御を行うスマートコントラクトに対応付けて作成した秘密鍵などを管理することを考えた。
(1-2)業者(証券会社など)を対象としたデジタル資産の保管・管理
次に、本件発明者は、業者(銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う企業)を対象としたデジタル資産の保管・管理について考察・検討した。
例えば、証券会社を対象としたデジタル資産の保管・管理では、証券会社が管理する顧客(個人などの投資家)の口座情報が対象になることから、証券会社区分(番号)や、証券会社管理下の顧客口座(番号)に対応したデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスの管理が主業務となる。
なお、本件発明者が想定する、証券会社をデジタル資産の保管・管理サービス提供対象業者とする場合の管理対象は、有価証券ではなく、デジタル資産である証券型トークン(STO:電子記録移転権利)や電子記録移転債権等の電子的な特性を有するもの全てを担保として証拠金取引や融資に用いた場合における、ステーブルコイン等(デジタル通貨(CBDC)、通貨ステーブルコイン、商品ステーブルコイン、使用限定コイン等が含まれる。)の決済に類似した処理に伴って移動するデジタル資産である。
(2-2)管理形態
この場合、2つの管理形態が考えらえる。
第1の管理形態は、証券会社などの業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに、トークン類の情報の他に、証券会社などの業者管理下の顧客口座単位の預かり資産データを暗号化して格納する管理形態である。
この管理形態では、顧客単位のデジタル資産の管理(預かり)情報については、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者が、ブロックチェーン技術を用いずに、既存のデータベース等のデータ管理方法(ただし、データ改竄やデータ破壊が起こらないように暗号化等の対策を講じたもの)を用いて管理するとともに、業者管理下にある全ての顧客のデジタル資産は、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者が、ブロックチェーン技術を用いて、纏めて1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理するようにする。そして、電子的にデジタル資産の決済が行われた後、1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで纏めて管理されているデジタル資産を、バッチなどの処理で清算するようにする。
例えば、証券会社などの業者における1つの顧客へのトークンの移動があるたびに、1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている証券会社単位で保管・管理するトークンの種類、数量を書き換えるとともに、顧客口座単位のデータベース情報を顧客単位で書き換えるようにする。
また、ブロックチェーン技術を用いて、証券会社などの業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様での種類ごとのトークン類の数量と、ブロックチェーン技術を用いずに、既存のデータベース等のデータ管理方法を用いて暗号化して格納している当該業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における種類ごとのトークン類の総量と、を比較して、差が出ないことを、定期的(例えば1日1回、日替わり時)に確認する機能を備えるようにする。
基本的には、ブロックチェーン技術を用いて、証券会社などの業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理しているトークン類と、ブロックチェーン技術を用いずに、既存のデータベース等のデータ管理方法を用いて暗号化して格納している業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるデータ更新処理は同期させるため、ブロックチェーン技術を用いた管理データと、既存のデータベース等のデータ管理方法を用いた管理データと、に差は発生しない。しかし、処理の高速化を目的として、システムにおける処理機能の一部を非同期処理にした場合、極めて稀ではあるが、双方の管理データに不整合が発生することが起こり得る。
このため、ブロックチェーン技術を用いた管理データと、既存のデータベース等のデータ管理方法を用いた管理データとを定期的に比較し、不整合データを検出したときに、不整合の発生した部分を特定し、デジタル資産の保管・管理サービスを提供業者が自己の処理として、不整合のデータ部分を整合化(自己責任として損失分を負担)するようにして、管理データの修復を行うようにする必要があると考えられる。
なお、管理データに不整合が発生するのは、非常に高速で連続同一処理が発生するなど、特殊な場合であり、小口取引のみであると考えられる。大口取引は常に多少の時間を要しても同期確認して処理することが想定されるため、大口取引では管理データに不整合は発生しないと考えられる。
第2の管理形態は、管理対象となるデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスが証券会社などの業者の管理する顧客数分存在し、当該業者の管理下であることを示す業者番号をデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに対応付ける管理形態である。
証券会社などの業者を対象とした第1の管理形態、第2の管理形態のデジタル資産の保管・管理における、(デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者情報、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレス情報、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに対して制御を行うスマートコントラクトに対応付けて作成した秘密鍵などの)管理方法やトークン類、一時的処理データに対する処理方法は、上述の「個人」を対象としたデジタル資産の保管・管理と同じである。
なお、第1の管理形態のデジタル資産の保管・管理では、上述したように、1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている証券会社単位で保管・管理するトークンの種類、数量を書き換えるとともに、顧客口座単位のデータベース情報を顧客単位で書き換えるようにする。
第1の管理形態のデジタル資産の保管・管理は、トークン類、一時的処理データに対する処理に加えて、「顧客口座単位の預かり資産全体を管理する暗号データ」を同時に処理する必要があるが、秘密鍵の管理としては効率的であると考えられる。
なお、証券会社などの業者の場合は、分別管理が基本となり、自己(証券会社などの業者)と委託(当該業者管理下の顧客)とで大枠の管理が分かれる。このため、上記顧客口座は「委託」側であり、自己(証券会社などの業者)は委託(当該業者管理下の顧客)とは別の管理となる。
分別管理は、自己で管理する資産と与信が無い顧客からの委託を受けて管理する資産とを分離し、自己は委託の資産に手を出せないように完全に分けて管理するというものである。
管理口座で管理する現金については、自己分と委託分を分け、委託分を信託銀行などにおける自己とは別の委託口座に現金を移動し、当該別の委託口座で管理を行う。
証券会社などの業者のアドレス管理は、業者独自の処理システムが、APIなどのシステム接続により処理を行うことから、業者管理下にある顧客である個人に対するブロックチェーンを用いたアドレス管理とは異なると考えられる。
そして、証券会社などの業者においては、ブロックチェーン運用(秘密鍵管理)による処理の負担やトークン類の流出リスクを低減するために、業者管理下にある顧客の資産管理を、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者に委託するものと考えられる。
本件発明者が考察・検討する保管振替機能は、基本的にクリアリングとリンクする、証券などのトークン管理を一任されるような機能である。
ただし、デジタル資産の保管・管理の機能は資産管理が基本であることから、本件発明者は、個人の資産管理を行うようにすることに重点をおいてシステムの構築を考えた。
個人の顧客が、デジタル資産の保管・管理サービス提供システムにログイン後に、画面操作機能を介して、自分(個人の顧客)の所有するトークン類を確認するとともに、トークン類の移動処理などを指示することができるようにする。
また、トークン類においては、定期時間単位に数量の変化が発生したり、何らかの権利が付加したりするため、デジタル資産の保管・管理サービス提供システムの構築に際しては、それらについても自動修正できる機能を実装する必要があると考えられる。
特に、金利や配当、手数料(フィー)類に関し、デジタル資産の自動修正が必要になる。
その方法として最も簡単はものとしては、デジタルで記録されている総量に対して、一律に金利相当分として、加算することが考えられる。
例えば、10%相当の量を金利として与える場合、当該銘柄の各管理されているデータ量に対して、1.1倍を乗じたものを上書き更新するようにする。
なお、管理するデジタル資産の数量はプラスだけではなく、マイナスにもなり得るので、担保管理や負債管理においても上記の自動修正機能を使用する。
また、配当の場合、デジタル資産のアドレスに対して、デジタル資産の量に応じたデジタル通貨を追加記録するようにする。
なお、デジタル資産の保管・管理サービスの提供対象者が個人の場合、ログイン時に確実に本人であることを確認できるかが課題となるが、本人確認は、生体認証などを含め、マルチファクターや二段階認証などを行う。さらに、外部からの個人に対するサイバー攻撃による本人確認情報の漏洩を極力回避するために、ログインとは異なる方法にて、事前に送付可能なアドレスを、本人確認機能を有するプログラムに登録(暗証番号を使うなど特殊な画面から設定)しておくことが考えられる。
その他の検討課題:デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が顧客から預かる現金の管理上の問題
また、本件発明者は、デジタル資産の保管・管理における、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者である顧客から預かる現金の管理について考察・検討した。
現状では、現金の分別管理として、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者(自己)と、顧客分(委託)の現金管理は分離され、顧客(委託)分の現金については、信託銀行か運用型信託会社(以下、信託銀行等)にて管理される。
しかし、信託銀行等にて分別管理している顧客(委託)分の現金について、顧客が「多額引き出し(例えば10億円など)を行う場合に、顧客(委託)分の現金を管理するデジタル資産の保管・管理サービス提供業者の財務力を超えている、もしくは与信により同額の借り入れができない場合に、業務が破綻することが懸念される。
従来、一般のデジタル資産の保管・管理サービスでは、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者である顧客から高額の現金引き出し要求があった場合、先にデジタル資産の保管・管理サービス提供業者が顧客の指定する銀行口座に引き出し要求分の金額を振り込み、その振り込みの完了をもって、信託銀行等から同額の現金を引き出すことができる。
当然ながら、顧客からの高額の現金引き出し要求に対し、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が現金を準備することができない場合、顧客の指定する銀行口座に引き出し要求分の金額の振り込みができない。
このような場合には、具体的には、顧客と調整し、数回に分けて振り込むことなどが発生してしまい、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者としての信用力を損ねるといった問題が起こり得る。
なお、この場合の信託銀行等の口座管理は、個人を対象とした「与信なし」の前払いが前提であり、前払いの場合は預かりとなることから、信託銀行等に前払いの現金が管理されることになる。
口座管理の対象が証券(会社)の場合は、一部の信託銀行が、与信枠を設定して、預かり分を補充できる融資を受けて出金処理が可能になっているが、暗号資産交換業者など与信力が低い業者は与信枠設定の対象とならない。
しかるに、本件発明者は、上記問題を根本的に対処する方法として、次の方法を着想した。
デジタル資産の保管・管理サービス提供業者より信託銀行等に預けている顧客(委託分)の現金に対して、顧客が高額出金要請を行った場合、その高額出金要請リスト(バッチ処理で例えば、15時など定期的に処理)をシステム的に作成した後、当該高額出金要請リスト(実際にはデジタル指示書)を信託銀行等に送る。
信託銀行等は、当該高額出金要請リストに記録されている出金要請額を充当し得る顧客(委託分)の現金の預け入れがあるか否かを確認し、充当し得る顧客(委託分)の現金の預け入れがあることを確認できた顧客について、高額出金要請リストに記録されている出金要請内容(金額・量)での出金を承認した出金承認リストを作成し、作成した出金承認リストを当該信託銀行等が提携する提携銀行へ送付する。
提携銀行は、出金承認リストに記録されている出金承認内容(金額・量)分の現金をデジタル資産の保管・管理サービス提供業者へ一時的に融資するとともに、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義にて出金承認リストに記録されている顧客への送金処理を行う。
もしくは、提携銀行の提携する提携金融機関は、出金承認リストに記録されている出金承認内容(金額・量)分の現金をデジタル資産の保管・管理サービス提供業者へ一時的に融資(提携銀行のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ振替)し、その融資をもって、提携銀行からデジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義にて出金承認リストに記録されている顧客への送金処理を行う。
提携銀行によるデジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義での顧客への送金処理が完了の後、提携銀行は、その送金処理完了リスト(提携銀行が承認)を作成して信託銀行等に戻し、信託銀行等は、その送金処理完了リストに記録されている出金額と同額の現金を、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が融資を受けた提携銀行(もしくは提携金融機関)のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ送金する。
デジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座への現金充当処理が終了の後、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座から自動的に提携銀行(もしくは提携金融機関)に当該融資分を返済する。
これらの一連の処理を「ブロックチェーンのトレーサビリティ機能」(上記のフローを記録するもの)で実装すれば、データや処理の改竄を行うことは不可能で、完璧に処理を遂行できると考えられる。
上記方法は、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が顧客の信託銀行等に預けている資産を勝手に使わないようにする方法であるが、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者は手持ち資金に悩まされることなく、顧客の高額現金引き出しに対応できるようになると考えられる。
本件発明者はこのような問題等を鑑み、さらなる考察・検討を繰り返した結果、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムを導出するに至った。
本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムは、トークン類(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称)、デジタル通貨、トークン類とデジタル通貨、もしくはトークン類同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、デジタル資産の取引に用いる、トークン類の保管または振替を簡易的に行うデジタル資産の保管・管理サービス提供システムであって、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者の所有するトークン類を管理するためのトークン類管理用スマートコントラクトと、トークン類の送付処理を行うための、複数のトークン類送付用スマートコントラクトと、トークン類の送付処理を制御するためのトークン類送付処理制御用スマートコントラクトと、を有し、前記トークン類送付処理制御用スマートコントラクトは、複数の前記トークン類送付用スマートコントラクトのうちから、トークン類の送付処理に用いるトークン類送付用スマートコントラクトを任意に選択し、選択した当該トークン類送付用スマートコントラクトに対し、当該トークン類送付用スマートコントラクトに対応する第1の秘密鍵を用いて、事前にトークン類の送付先アドレスを登録する機能と、前記トークン類管理用スマートコントラクトが、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者を管理するためのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されているトークン類としての機能が無効化された形態の一時的処理データから、送付が必要となっている数量分を、機能が有効化されたトークン類に変換すると同時に、当該トークン類の送付先アドレスと送付量を指定したトランザクションを作成し、作成したトランザクションに対し第2の秘密鍵を用いて署名し、それぞれの前記トークン類送付用スマートコントラクトに、署名済トランザクションを渡す(トークン類の送付指示をする)ように、前記トークン類管理用スマートコントラクトを制御する機能と、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスへ、外部からトークン類が送付されてきた場合、前記トークン類管理用スマートコントラクトが、送付されてきたトークン類を、当該トークン類としての機能を無効化した形態の一時的処理データに変換して当該デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録するようにトークン類管理用スマートコントラクトを制御する機能と、を有し、それぞれの前記トークン類送付用スマートコントラクトは、前記トークン類管理用スマートコントラクトから渡され(送付指示され)た、署名済トランザクションにおいて指定されているトークン類の送付先アドレスを、当該トークン類送付用スマートコントラクトの内部に事前登録されている送付先アドレスと照合し、合致した場合にのみ、当該送付先アドレスへ、署名済トランザクションにおいて指定されている数量の当該トークン類を送付し、送付終了後に、送付したトークン類の種類及び数量をブロックチェーンに記録すると同時に、当該トークン類送付用スマートコントラクトの内部に事前登録されている送付先アドレスを削除する機能を有する。
本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムのように、前記トークン類送付処理制御用スマートコントラクトが、複数の前記トークン類送付用スマートコントラクトのうちから、トークン類の送付処理に用いるトークン類送付用スマートコントラクトを任意に選択し、選択した当該トークン類送付用スマートコントラクトに対し、当該トークン類送付用スマートコントラクトに対応する第1の秘密鍵を用いて、事前にトークン類の送付先アドレスを登録するとともに、前記トークン類管理用スマートコントラクトが、トークン類としての機能が無効化された形態の一時的処理データから、送付が必要となっている数量分を、機能が有効化されたトークン類に変換すると同時に、当該トークン類の送付先アドレスと送付量を指定したトランザクションを作成し、作成したトランザクションに対し第2の秘密鍵を用いて署名し、それぞれの前記トークン類送付用スマートコントラクトに、署名済トランザクションを渡す(トークン類の送付指示をする)ように、前記トークン類管理用スマートコントラクトを制御し、それぞれの前記トークン類送付用スマートコントラクトが、前記トークン類管理用スマートコントラクトから渡され(送付指示され)た、署名済トランザクションにおいて指定されているトークン類の送付先アドレスを、当該トークン類送付用スマートコントラクトの内部に事前登録されている送付先アドレスと照合し、合致した場合にのみ、当該送付先アドレスへ、署名済トランザクションにおいて指定されている数量の当該トークン類を送付し、送付終了後に、送付したトークン類の種類及び数量をブロックチェーンに記録すると同時に、当該トークン類送付用スマートコントラクトの内部に事前登録されている送付先アドレスを削除し、さらに、前記トークン類送付処理制御用スマートコントラクトが、外部からトークン類が送付されてきた場合、前記トークン類管理用スマートコントラクトが、送付されてきたトークン類を、当該トークン類としての機能を無効化した形態の一時的処理データに変換して当該デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録するようにトークン類管理用スマートコントラクトを制御するように構成すれば、ホットウォレット型の秘密鍵管理であっても、第1の秘密鍵を用いて事前登録した送付先アドレスと、第2の秘密鍵を用いて署名された送付先アドレスと、を合致させることが容易ではなく、しかも、トークン類としての機能を無効化した一時的処理データが外部に流出しても、外部の者は一時的処理データを、価値を有する構成形態のトークン類にすることができないため、外部からの攻撃などによるトークン類(デジタル資産)の流出事故を防止可能となる。
また、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、好ましくは、ブロックチェーン等の分散技術とは別のデータ管理技術により、銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を、暗号化した状態で格納するデジタル資産管理手段と、前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を復号化するデジタル資産復号化手段と、前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を復号化し、復号化した情報に対する更新を行い、更新した情報を暗号化するデジタル資産更新手段と、をさらに備えるとともに、前記トークン類管理用スマートコントラクトは、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで、当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の種類及び数量を管理する機能と、定期的に、前記デジタル資産復号化手段に対し、前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報の復号化を指示し、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様での種類ごとのトークン類の数量と、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における種類ごとのトークン類の総量と、を比較する機能と、前記比較した、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様での種類ごとのトークン類の数量と、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における種類ごとのトークン類の総量と、が不整合となったとき、不整合となっているトークン類の種類を特定し、特定した不整合となっている種類のトークン類の数量について、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量よりも、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量が多い場合には、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量を、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量に整合させるように修正し、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量よりも、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量が少ない場合には、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量を、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量に整合させるように、前記デジタル資産更新手段に対し、前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する機能と、をさらに備え、前記トークン類送付用スマートコントラクトは、所定の送付先アドレスへ前記業者管理下の顧客口座単位のトークン類の送付を行い、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録して、当該トークン類の種類及び数量を更新するとともに、前記デジタル資産更新手段に対し、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を用いて、前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する機能をさらに備える。
このように構成すれば、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者が、多数の顧客(個人などの投資家)口座を管理する業者である場合において、ブロックチェーンの各アドレスでトークン類を管理するために用いる秘密鍵の数を低減することができ、秘密鍵の管理の効率化が可能となる。
また、システムにおける処理機能の一部を非同期処理にすることにより、極めて稀に、ブロックチェーン技術を用いた管理データと、既存のデータベース等のデータ管理方法を用いた管理データと、に不整合が生じても、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者に不利益を与えることなく、デジタル資産の保管・管理サービスを提供することが可能となる。
また、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、好ましくは、前記トークン類管理用スマートコントラクトは、トークン類に対する定期時間単位での数量の変化又は何らかの権利付加が生じた場合、当該トークン類を管理している前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている当該トークン類の数量に応じた、変化分又は権利付加分の数量を更新する第1のトークン量自動修正機能を、さらに備える。
このように構成すれば、個人を対象としたデジタル資産の保管・管理や、業者を対象とし、管理対象となるデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスが業者の管理する顧客数分存在し、当該業者の管理下であることを示す業者番号をデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに対応付ける形態でのデジタル資産の保管・管理において、トークン類における定期時間単位に数量の変化や、何らかの権利の付加に対応したデジタル資産の保管・管理サービスを提供することが可能となる。
また、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、好ましくは、前記トークン類管理用スマートコントラクトは、トークン類に対する定期時間単位での数量の変化又は何らかの権利付加が生じた場合、当該トークン類を管理している前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている当該トークン類の数量に応じた、変化分又は権利付加分の数量を更新するとともに、前記デジタル資産更新手段に対し、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を用いて、該デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する第2のトークン量自動修正機能を、さらに備える。
このように構成すれば、業者を対象とし、ブロックチェーン技術を用いて業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに、トークン類の情報を管理する他に、既存のデータベース等のデータ管理方法を用いて業者管理下の顧客口座単位の預かり資産データを暗号化して格納する形態でのデジタル資産の保管・管理において、トークン類における定期時間単位に数量の変化や、何らかの権利の付加に対応したデジタル資産の保管・管理サービスを提供することが可能となる。
また、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、好ましくは、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも数量を含み価格を含まない第1価値構成要素が設定された一時的処理データを、ブロックチェーンを介して管理する一時的処理データ管理手段と、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格を含み数量を含まない第2価値構成要素が設定されたデータを管理する第2価値構成要素設定データ管理手段と、をさらに備え、前記トークン類管理用スマートコントラクトは、前記一時的処理データ管理手段によりブロックチェーンを介して管理されている第1価値構成要素と、前記第2価値構成要素設定データ管理手段により管理されている第2価値構成要素と、を用いて、価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量が揃ったトークンを所定数量分生成する、トークン生成機能と、トークンにおける価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量を、前記第1価値構成要素と、前記第2価値構成要素とに分け、分けた前記第1価値構成要素を前記一時的処理データ管理手段にブロックチェーンを介して管理させるとともに、前記第2価値構成要素を第2価値構成要素設定データ管理手段に管理させる機能と、を有する。
このように構成すれば、トークン類としての機能を無効化した一時的処理データが外部に流出しても、外部の者が一時的処理データを、価値を有する構成形態のトークン類にすることができないことによる、トークン類の流出事故防止の具現化が可能となる。
また、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、好ましくは、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者において、委託を受けて信託銀行等(信託銀行、運用型信託会社)における自己とは別の委託口座で管理を行っている、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者である顧客委託分の現金のうち、高額出金要請のあった顧客についての出金要請内容(金額・量)をリスト化した高額出金要請リストを、定期的に一括作成する機能を有する高額出金要請リスト作成用スマートコントラクトと、前記高額出金要請リストを前記信託銀行等に送付する機能を有する高額出金要請リスト送付用スマートコントラクトと、前記信託銀行等において、前記高額出金要請リストに記録されている出金要請額を充当し得る顧客(委託分)の現金の預け入れの有無をチェックし、充当し得る顧客(委託分)の現金の預け入れがあることが確認された顧客についての、当該高額出金要請リストに記録されている出金要請内容(金額・量)での出金を承認する機能を有する出金要請額チェック・承認用スマートコントラクトと、前記出金要請額チェック・承認用スマートコントラクトにより、出金が承認された顧客についての、出金承認内容(金額・量)を一覧化した出金承認リストを作成する機能を有する出金承認リスト作成用スマートコントラクトと、前記出金承認リスト作成用スマートコントラクトにより作成された前記出金承認リストを当該信託銀行等が提携する提携銀行へ送付する機能を有する出金承認リスト送付用スマートコントラクトと、前記提携銀行において、前記出金承認リスト送付用スマートコントラクトにより送付された前記出金承認リストに記録されている出金承認内容(金額・量)分の現金を、前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者へ一時的に融資するとともに、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義にて出金承認リストに記録されている顧客への送金処理を行う機能を有する融資・送金用スマートコントラクトと、前記提携銀行において、前記融資・送金用スマートコントラクトによる前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義での顧客への送金処理が完了の後、当該提携銀行が承認した顧客についての、送金内容(金額・量)を一覧化した送金処理完了リストを作成する機能を有する送金処理完了リスト作成用スマートコントラクトと、前記送金処理完了リスト作成用スマートコントラクトにより作成された送金処理完了リストを前記信託銀行等に送付する機能を有する送金処理完了リスト送付用スマートコントラクトと、前記信託銀行等において、前記送金完了リストに記録されている出金総額と同額の現金を、前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が融資を受けた前記提携銀行のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ送金する機能を有する現金充当処理用スマートコントラクトと、前記現金充当処理用スマートコントラクトによる前記提携銀行のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座への送金処理が終了後、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座から前記提携銀行に当該融資分の現金を返済する機能を有する現金返済用スマートコントラクトと、をさらに有する。
このように構成すれば、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者は手持ち資金に悩まされることなく、顧客の高額現金引き出しに対処可能となる。
また、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、好ましくは、前記融資・送金用スマートコントラクトは、前記出金承認リストが前記出金承認リスト送付用スマートコントラクトにより前記提携銀行へ送付されたときに、当該提携銀行の提携する提携金融機関において、当該出金承認リストに記録されている出金承認内容(金額・量)分の現金を、当該提携銀行のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ振替えることにより前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者へ一時的に融資するとともに、当該提携銀行において当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義にて出金承認リストに記録されている顧客への送金処理を行う機能をさらに有し、前記現金充当処理用スマートコントラクトは、前記信託銀行等において、前記送金完了リストに記録されている出金総額と同額の現金を、前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が融資を受けた前記提携金融機関のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ送金する機能をさらに有し、前記現金返済用スマートコントラクトは、前記現金充当処理用スマートコントラクトによる前記提携金融機関のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座への送金処理が終了後、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座から前記提携金融機関に当該融資分の現金を返済する機能をさらに有する。
このように構成しても、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者は手持ち資金に悩まされることなく、顧客の高額現金引き出しに対処可能となる。
また、本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、好ましくは、注文入力手段と、銘柄ごとに作動し、注文を管理する注文管理用スマートコントラクトを備えたデジタル資産取引システムと、約定したデジタル資産同士の、互いに約定した取引参加者への同時受渡を行うDVP処理用スマートコントラクトを備えたデジタル資産の清算処理システムと、を一体化して構成されている。
このように構成すれば、デジタル資産の取引、約定したデジタル資産同士の清算に至るまでの一連の処理におけるトークン類の保管・管理を面倒な処理の負担無く、かつ、トークン類の流出リスクを低減して行うことが可能となる。
このため、本発明によれば、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者におけるブロックチェーン(特にパブリックチェーン)の各アドレスでトークン類を管理するための面倒な処理の負担を無くし、かつ、トークン類の流出リスクを低減し、さらには、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が手持ち資金に悩まされることなく、顧客からの高額現金引き出し要求に対処可能なトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムが得られる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行うこととする。
第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態に係るトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
第1実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムは、トークン類(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称)、デジタル通貨、トークン類とデジタル通貨、もしくはトークン類同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、デジタル資産の取引に用いる、トークン類の保管または振替を簡易的に行うデジタル資産の保管・管理サービス提供システムであって、図1に示すように、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者の所有するトークン類を管理するためのトークン類管理用スマートコントラクト11と、トークン類の送付処理を行うための、複数のトークン類送付用スマートコントラクト12~12(1~N:但し、Nは正の整数)と、トークン類の送付処理を制御するためのトークン類送付処理制御用スマートコントラクト13と、一時的処理データ管理手段14と、第2価値構成要素設定データ管理手段15と、高額出金要請リスト作成用スマートコントラクト16と、高額出金要請リスト送付用スマートコントラクト17と、出金要請額チェック・承認用スマートコントラクト18と、出金承認リスト作成用スマートコントラクト19と、出金承認リスト送付用スマートコントラクト20と、融資・送金用スマートコントラクト21と、送金処理完了リスト作成用スマートコントラクト22と、送金処理完了リスト送付用スマートコントラクト23と、現金充当処理用スマートコントラクト24と、現金返済用スマートコントラクト25と、を備えている。
また、第1実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムは、ブロックチェーン等の分散技術とは別のデータ管理技術を用いた、デジタル資産管理手段26と、デジタル資産復号化手段27と、デジタル資産更新手段28と、をさらに備えている。
また、本実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムは、注文入力手段(不図示)と、銘柄ごとに作動し、注文を管理するデジタル資産注文管理用スマートコントラクト81を備えたデジタル資産取引システム80と、約定したデジタル資産同士の、互いに約定した取引参加者への同時受渡を行うDVP処理用スマートコントラクト91を備えたデジタル資産の清算処理システム90と、を一体化して構成されている。
なお、本実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムでは、デジタル資産取引システム80では、取引参加者である個人60や業者(銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う企業)70からのデジタル資産の注文を処理するデジタル資産取引用スマートコントラクト82が銘柄ごとに作動し、各銘柄の注文について対当・約定処理を行い、対当・約定した取引情報から、ネット(相殺)で、取引参加者の清算情報を算出する。また、各注文については銘柄ごとに作動するデジタル資産注文管理用スマートコントラクト81が管理するように構成されているものとする。
また、デジタル資産取引システム80において約定し、ネット(相殺)で算出された取引参加者の清算情報はブロックチェーンに記載され、取引参加者へ送られるとともに、DVP処理用スマートコントラクト91で受け取る(アクセスし、保有する)ことができるように構成されているものとする。
トークン類管理用スマートコントラクト11
トークン類管理用スマートコントラクト11は、デジタル資産の保管・管理サービスの提供対象となる対象者(個人または業者(銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う企業))の所有するトークン類を管理するためのスマートコントラクトであり、図2~図5に示すように、次の機能を有して構成されている。
(11-1)デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者を管理するためのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されているトークン類としての機能が無効化された形態の一時的処理データから、送付が必要となっている数量分を、機能が有効化されたトークン類に変換する機能。
より詳しくは、次の機能を有する。
(11-1-1)一時的処理データ管理手段14によりブロックチェーンを介して管理されている第1価値構成要素と、第2価値構成要素設定データ管理手段により管理されている第2価値構成要素と、を用いて、価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量が揃ったトークンを所定数量分生成する、トークン生成機能。
(11-2)対象者管理用アドレスへ、外部から送付されてきたトークン類を、当該トークン類としての機能を無効化した形態の一時的処理データに変換して当該対象者管理用アドレスに記録する機能。
より詳しくは、次の機能を有する。
(11-2-1)トークンにおける価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量を、第1価値構成要素と、第2価値構成要素とに分け、分けた第1価値構成要素を一時的処理データ管理手段14にブロックチェーンを介して管理させるとともに、第2価値構成要素を第2価値構成要素設定データ管理手段15に管理させる機能。
(11-3)銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで、当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の種類及び数量を管理する機能。
(11-4)定期的に、デジタル資産復号化手段27に対し、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報の復号化を指示し、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様での種類ごとのトークン類の数量と、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における種類ごとのトークン類の総量と、を比較する機能。
(11-5)比較した、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様での種類ごとのトークン類の数量と、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における種類ごとのトークン類の総量と、が不整合となったとき、不整合となっているトークン類の種類を特定し、特定した不整合となっている種類のトークン類の数量について、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量よりも、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量が多い場合には、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量を、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量に整合させるように修正し、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量よりも、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量が少ない場合には、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量を、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量に整合させるように、デジタル資産更新手段28に対し、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する機能。
(11-6)トークン類に対する定期時間単位での数量の変化又は何らかの権利付加が生じた場合、当該トークン類を管理しているデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている当該トークン類の数量に応じた、変化分又は権利付加分の数量を更新する第1のトークン量自動修正機能。
(11-7)トークン類に対する定期時間単位での数量の変化又は何らかの権利付加が生じた場合、当該トークン類を管理している前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている当該トークン類の数量に応じた、変化分又は権利付加分の数量を更新するとともに、デジタル資産更新手段28に対し、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を用いて、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する第2のトークン量自動修正機能。
トークン類送付用スマートコントラクト12 ~12
それぞれのトークン類送付用スマートコントラクト12~12は、図6に示すように、次の機能を有して構成されている。
(12-1)トークン類管理用スマートコントラクト11から渡され(送付指示され)た、署名済トランザクションにおいて指定されているトークン類の送付先アドレスを、当該トークン類送付用スマートコントラクト12~12の内部に事前登録されている送付先アドレスと照合し、合致した場合にのみ、当該送付先アドレスへ、署名済トランザクションにおいて指定されている数量の当該トークン類を送付し、送付終了後に、送付したトークン類の種類及び数量をブロックチェーンに記録すると同時に、当該トークン類送付用スマートコントラクト12(但し、Xは1~Nまでの間の整数)の内部に事前登録されている送付先アドレスを削除する機能。
(12-2)所定の送付先アドレスへ業者管理下の顧客口座単位のトークン類の送付を行い、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録して、当該トークン類の種類及び数量を更新するとともに、デジタル資産更新手段28に対し、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を用いて、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する機能。
トークン類送付処理制御用スマートコントラクト13
トークン類送付処理制御用スマートコントラクト13は、図7に示すように、次の機能を有して構成されている。
(13-1)複数(1~N:但し、Nは正の整数)のトークン類送付用スマートコントラクト12~12のうちから、トークン類の送付処理に用いるトークン類送付用スマートコントラクト12(但し、Xは1~Nまでの間の整数)を任意に選択し、選択した当該トークン類送付用スマートコントラクト12に対し、当該トークン類送付用スマートコントラクト12に対応する第1の秘密鍵を用いて、事前にトークン類の送付先アドレスを登録する機能。
(13-2)トークン類管理用スマートコントラクト11が、デジタル資産の保管・管理サービスの提供対象となる対象者を管理するための対象者管理用アドレスに記録されているトークン類としての機能が無効化された形態の一時的処理データから、送付が必要となっている数量分を、トークンとしての機能が有効化されたトークン類に変換すると同時に、当該トークン類の送付先アドレスと送付量を指定したトランザクションを作成し、作成したトランザクションに対し第2の秘密鍵を用いて署名し、トークン類送付用スマートコントラクト12~12に、署名済トランザクションを渡す(トークン類の送付指示をする)ように、トークン類管理用スマートコントラクト11を制御する機能。
(13-3)対象者管理用アドレスへ、外部からトークン類が送付されてきた場合、トークン類管理用スマートコントラクト11が、送付されてきたトークン類を、当該トークン類としての機能を無効化した形態の一時的処理データに変換して当該対象者管理用アドレスに記録するようにトークン類管理用スマートコントラクト11を制御する機能。
一時的処理データ管理手段14
一時的処理データ管理手段14は、図8に示すように、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも数量を含み価格を含まない第1価値構成要素が設定された一時的処理データを、ブロックチェーンを介して管理するように構成されている。
第2価値構成要素設定データ管理手段15
第2価値構成要素設定データ管理手段15は、図9に示すように、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格を含み数量を含まない第2価値構成要素が設定されたデータを管理するように構成されている。
高額出金要請リスト作成用スマートコントラクト16
高額出金要請リスト作成用スマートコントラクト16は、図10に示すように、次の機能を有するように構成されている。
(16-1)デジタル資産の保管・管理サービス提供業者30において、委託を受けて信託銀行等(信託銀行、運用型信託会社)40における自己とは別の委託口座で管理を行っている、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者である顧客委託分の現金のうち、高額出金要請のあった顧客についての出金要請内容(金額・量)をリスト化した高額出金要請リストを、定期的に一括作成する機能。
高額出金要請リスト送付用スマートコントラクト17
高額出金要請リスト送付用スマートコントラクト17は、図11に示すように、次の機能を有するように構成されている。
(17-1)高額出金要請リストを信託銀行等40に送付する機能。
出金要請額チェック・承認用スマートコントラクト18
出金要請額チェック・承認用スマートコントラクト18は、図12に示すように、次の機能を有するように構成されている。
(18-1)信託銀行等40において、高額出金要請リストに記録されている出金要請額を充当し得る顧客(委託分)の現金の預け入れの有無をチェックし、充当し得る顧客(委託分)の現金の預け入れがあることが確認された顧客についての、当該高額出金要請リストに記録されている出金要請内容(金額・量)での出金を承認する機能。
出金承認リスト作成用スマートコントラクト19
出金承認リスト作成用スマートコントラクト19は、図13に示すように、次の機能を有するように構成されている。
(19-1)出金要請額チェック・承認用スマートコントラクト18により、出金が承認された顧客についての、出金承認内容(金額・量)を一覧化した出金承認リストを作成する機能。
出金承認リスト送付用スマートコントラクト20
出金承認リスト送付用スマートコントラクト20は、図14に示すように、次の機能を有するように構成されている。
(20-1)出金承認リスト作成用スマートコントラクト19により作成された出金承認リストを当該信託銀行等40が提携する提携銀行50へ送付する機能。
融資・送金用スマートコントラクト21
融資・送金用スマートコントラクト21は、図15に示すように、次の機能を有するように構成されている。
(21-1)提携銀行50において、出金承認リスト送付用スマートコントラクト20により送付された出金承認リストに記録されている出金承認内容(金額・量)分の現金を、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者30へ一時的に融資するとともに、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義にて出金承認リストに記録されている顧客への送金処理を行う機能。
(21-2)出金承認リストが出金承認リスト送付用スマートコントラクト20により提携銀行50へ送付されたときに、当該提携銀行50の提携する提携金融機関51において、当該出金承認リストに記録されている出金承認内容(金額・量)分の現金を、当該提携銀行50のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ振替えることによりデジタル資産の保管・管理サービス提供業者30へ一時的に融資するとともに、当該提携銀行50において当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義にて出金承認リストに記録されている顧客への送金処理を行う機能。
送金処理完了リスト作成用スマートコントラクト22
送金処理完了リスト作成用スマートコントラクト22は、図16に示すように、次の機能を有するように構成されている。
(22-1)提携銀行50において、融資・送金用スマートコントラクト21によるデジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義での顧客への送金処理が完了の後、当該提携銀行50が承認した顧客についての、送金内容(金額・量)を一覧化した送金処理完了リストを作成する機能。
送金処理完了リスト送付用スマートコントラクト23
送金処理完了リスト送付用スマートコントラクト23は、図17に示すように、次の機能を有するように構成されている。
(23-1)送金処理完了リスト作成用スマートコントラクト22により作成された送金処理完了リストを信託銀行等40に送付する機能。
現金充当処理用スマートコントラクト24
現金充当処理用スマートコントラクト24は、図18に示すように、次の機能を有するように構成されている。
(24-1)信託銀行等40において、送金完了リストに記録されている出金総額と同額の現金を、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者30が融資を受けた提携銀行50のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ送金する機能。
(24-2)信託銀行等40において、送金完了リストに記録されている出金総額と同額の現金を、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者30が融資を受けた提携金融機関51のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ送金する機能。
現金返済用スマートコントラクト25
現金返済用スマートコントラクト25は、図19に示すように、次の機能を有するように構成されている。
(25-1)現金充当処理用スマートコントラクト24による提携銀行50のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座への送金処理が終了後、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座から提携銀行50に当該融資分の現金を返済する機能。
(25-2)現金充当処理用スマートコントラクト24による提携金融機関51のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座への送金処理が終了後、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座から提携金融機関51に当該融資分の現金を返済する機能。
デジタル資産管理手段26
デジタル資産管理手段26は、図20に示すように、ブロックチェーン等の分散技術とは別のデータ管理技術(例えば、データベース等)により、銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を、暗号化した状態で格納するように構成されている。
デジタル資産復号化手段27
デジタル資産復号化手段27は、図21に示すように、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を復号化するように構成されている。
デジタル資産更新手段28
デジタル資産更新手段28は、図22に示すように、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を復号化し、復号化した情報に対する更新を行い、更新した情報を暗号化するように構成されている。
このように構成された本実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおける処理の流れを説明する。
なお、本実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムにおいては、デジタル資産取引所(不図示)では、デジタル資産取引システム80において、銘柄ごとに作動するデジタル資産注文管理用スマートコントラクト81、デジタル資産取引用スマートコントラクト82によって、取引参加者(個人60、業者70)からのデジタル資産の注文についての対当・約定処理が行われ、対当・約定した取引情報から、ネット(相殺)で、取引参加者についてのデジタル資産の清算情報が算出される。算出された清算情報は、それぞれの取引参加者に送られるとともに、ブロックチェーンに記録される。また、デジタル資産の清算処理システム90におけるDVP処理用スマートコントラクト91が、ブロックチェーンに記録された約定情報をアクセスし取得し、DVP処理を行う。そして、本実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムは、デジタル資産取引システム80やデジタル資産の清算処理システム90を介して、ブロックチェーンに記録された約定情報や清算情報をアクセスし取得し、以下のデジタル資産の保管・管理サービス処理を行う。
A.個人を対象としたデジタル資産の保管・管理における処理の流れ(図23)
個人を対象としたデジタル資産の保管・管理では、トークン類送付処理制御用スマートコントラクト13は、複数(1~N:但し、Nは正の整数)のトークン類送付用スマートコントラクト12~12のうちから、トークン類の送付処理に用いるトークン類送付用スマートコントラクト12(但し、Xは1~Nまでの間の整数)を任意に選択し、選択した当該トークン類送付用スマートコントラクト12に対し、当該トークン類送付用スマートコントラクト12に対応する第1の秘密鍵を用いて、事前にトークン類の送付先アドレスを登録する。
また、トークン類送付処理制御用スマートコントラクト13は、トークン類管理用スマートコントラクト11が、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者を管理するためのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されているトークン類としての機能が無効化された形態の一時的処理データから、送付が必要となっている数量分を、機能が有効化されたトークン類に変換すると同時に、当該トークン類の送付先アドレスと送付量を指定したトランザクションを作成し、作成したトランザクションに対し第2の秘密鍵を用いて署名し、それぞれのトークン類送付用スマートコントラクト12~12に、署名済トランザクションを渡す(トークン類の送付指示をする)ようにトークン類管理用スマートコントラクト11を制御する。
トークン類送付用スマートコントラクト12~12は、トークン類管理用スマートコントラクト11から渡され(送付指示され)た、署名済トランザクションにおいて指定されているトークン類の送付先アドレスを、当該トークン類送付用スマートコントラクト12の内部に事前登録されている送付先アドレスと照合し、合致した場合にのみ、当該送付先アドレスへ、署名済トランザクションにおいて指定されている数量の当該トークン類を送付し、送付終了後に、送付したトークン類の種類及び数量をブロックチェーンに記録すると同時に、当該トークン類送付用スマートコントラクト12の内部に事前登録されている送付先アドレスを削除する。
なお、トークン類送付処理制御用スマートコントラクト13は、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスへ、外部からトークン類が送付されてきた場合、トークン類管理用スマートコントラクト11が、送付されてきたトークン類を、当該トークン類としての機能を無効化した形態の一時的処理データに変換して当該デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録するようにトークン類管理用スマートコントラクト11を制御する。
B.業者(銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う企業)を対象としたデジタル資産の保管・管理における処理の流れ
B-1.第1の管理形態の場合(図24、図25)
第1の管理形態は、業者(銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う企業)に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに、トークン類の情報の他に、業者管理下の顧客口座単位の預かり資産データを暗号化して格納する管理形態である。
第1の管理形態のデジタル資産の保管・管理では、トークン類管理用スマートコントラクト11が、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで、当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の種類及び数量を管理するとともに、デジタル資産管理手段26が、当該業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を暗号化した状態で管理する。
第1の管理形態のデジタル資産の保管・管理における、(デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者情報、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレス情報、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに対して制御を行うスマートコントラクトに対応付けて作成した秘密鍵などの)管理方法やトークン類、一時的処理データに対する処理方法は、上述の「個人」を対象としたデジタル資産の保管・管理と略同じである。
なお、第1の管理形態のデジタル資産の保管・管理では、トークン類送付用スマートコントラクト12~12は、1つのアドレスに記録されている顧客口座単位で、保管・管理するトークンの種類、数量を書き換える。
より詳しくは、トークン類送付用スマートコントラクト12は、所定の送付先アドレスへ業者管理下の顧客口座単位のトークン類の送付を行い、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録して、当該トークン類の種類及び数量を更新するとともに、デジタル資産更新手段28に対し、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を用いて、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する。トークン類送付用スマートコントラクト12からの指示を受けたデジタル資産更新手段28は、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を復号化し、復号化した情報に対する更新を行い、更新した情報を暗号化する。
また、第1の管理形態のデジタル資産の保管・管理では、トークン類管理用スマートコントラクト11は、定期的(例えば1日1回、日替わり時)に、デジタル資産復号化手段27に対し、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報の復号化を指示し(、デジタル資産復号化手段27は、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を復号化する。)、業者(銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う企業)に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様での種類ごとのトークン類の数量と、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における種類ごとのトークン類の総量と、を比較する。
そして、トークン類管理用スマートコントラクト11は、比較した、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様での種類ごとのトークン類の数量と、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における種類ごとのトークン類の総量と、が不整合となったとき、不整合となっているトークン類を特定し、当該トークン類の数量又は総量を、多い方の数量又は総量に修正する。
より詳しくは、トークン類管理用スマートコントラクト11は、特定した不整合となっている種類のトークン類の数量について、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量よりも、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量が多い場合には、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量を、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量に整合させるように修正する。また、トークン類管理用スマートコントラクト11は、特定した不整合となっている種類のトークン類の数量について、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量よりも、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量が少ない場合には、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量を、業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量に整合させるように、デジタル資産更新手段28に対し、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する。トークン類管理用スマートコントラクト11からの指示を受けたデジタル資産更新手段28は、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を復号化し、復号化した情報に対する更新を行い、更新した情報を暗号化する。
B-2.第2の管理形態の場合
第2の管理形態は、管理対象となるデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスが業者(銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う企業)の管理する顧客数分存在し、当該業者の管理下であることを示す業者番号をデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに対応付ける管理形態である。
第2の管理形態のデジタル資産の保管・管理における、(デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者情報、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレス情報、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに対して制御を行うスマートコントラクトに対応付けて作成した秘密鍵などの)管理方法やトークン類、一時的処理データに対する処理方法は、上述の「個人」を対象としたデジタル資産の保管・管理と略同じである。
C.トークン類に対する定期時間単位での数量の変化又は何らかの権利付加が生じた場合の処理(図26)
C-1.個人を対象としたデジタル資産の保管・管理や、業者(銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う企業)を対象としたデジタル資産の保管・管理における第2の管理形態の場合の処理(図26(a))
トークン類管理用スマートコントラクト11は、トークン類に対する定期時間単位での数量の変化又は何らかの権利付加が生じた場合、当該トークン類を管理しているデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている当該トークン類の数量に応じた、変化分又は権利付加分の数量を更新する。
C-2.業者(銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う企業)を対象としたデジタル資産の保管・管理における第1の管理形態の場合の処理(図26(b))
トークン類管理用スマートコントラクト11は、トークン類に対する定期時間単位での数量の変化又は何らかの権利付加が生じた場合、当該トークン類を管理しているデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている当該トークン類の数量に応じた、変化分又は権利付加分の数量を更新するとともに、デジタル資産更新手段28に対し、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を用いて、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する。トークン類管理用スマートコントラクト11からの指示を受けたデジタル資産更新手段28は、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を復号化し、復号化した情報に対する更新を行い、更新した情報を暗号化する。
D.その他:デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者である顧客から高額の現金引き出し要求があった場合の処理の流れ(図27~図29)
デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者である顧客(個人60、業者70)からデジタル資産の保管・管理サービス提供業者30に対し、高額の現金引き出し要求があった場合は、次のように処理される。
D-1.デジタル資産の保管・管理サービス提供業者における処理(図27)
まず、高額出金要請リスト作成用スマートコントラクト16が、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者30において、委託を受けて信託銀行等(信託銀行、運用型信託会社)40における自己とは別の委託口座で管理を行っている、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者である顧客委託分の現金のうち、高額出金要請のあった顧客についての出金要請内容(金額・量)をリスト化した高額出金要請リストを、定期的に一括作成する。
次に、高額出金要請リスト送付用スマートコントラクト17が、高額出金要請リストを信託銀行等40に送付する。
D-2.信託銀行等における処理(その1)(図27)
次に、出金要請額チェック・承認用スマートコントラクト18が、信託銀行等40において、高額出金要請リストに記録されている出金要請額を充当し得る顧客(委託分)の現金の預け入れの有無をチェックする。そして、充当し得る顧客(委託分)の現金の預け入れがあることが確認された顧客についての、当該高額出金要請リストに記録されている出金要請内容(金額・量)での出金を承認する。
次に、出金承認リスト作成用スマートコントラクト19が、出金要請額チェック・承認用スマートコントラクト18により、出金が承認された顧客についての、出金承認内容(金額・量)を一覧化した出金承認リストを作成する。
次に、出金承認リスト送付用スマートコントラクト20が、出金承認リスト作成用スマートコントラクト19により作成された出金承認リストを当該信託銀行等40が提携する提携銀行50へ送付する。
D-3.提携銀行(もしくは提携金融機関)における処理(その1)(図28)
次に、融資・送金用スマートコントラクト21が、提携銀行50において、出金承認リスト送付用スマートコントラクト20により送付された出金承認リストに記録されている出金承認内容(金額・量)分の現金を、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者30へ一時的に融資するとともに、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義にて出金承認リストに記録されている顧客への送金処理を行う。
もしくは、融資・送金用スマートコントラクト21が、提携銀行50において、出金承認リストが出金承認リスト送付用スマートコントラクト20により提携銀行50へ送付されたときに、当該提携銀行50の提携する提携金融機関51において、当該出金承認リストに記録されている出金承認内容(金額・量)分の現金を、当該提携銀行50のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ振替えることによりデジタル資産の保管・管理サービス提供業者30へ一時的に融資するとともに、当該提携銀行50において当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義にて出金承認リストに記録されている顧客への送金処理を行う。
次に、送金処理完了リスト作成用スマートコントラクト22が、提携銀行50において、融資・送金用スマートコントラクト21によるデジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義での顧客への送金処理が完了の後、当該提携銀行50が承認した顧客についての、送金内容(金額・量)を一覧化した送金処理完了リストを作成する。
次に、送金処理完了リスト送付用スマートコントラクト23が、送金処理完了リスト作成用スマートコントラクト22により作成された送金処理完了リストを信託銀行等40に送付する。
D-4.信託銀行等における処理(その2)(図29)
次に、現金充当処理用スマートコントラクト24が、信託銀行等40において、送金完了リストに記録されている出金総額と同額の現金を、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者30が融資を受けた提携銀行50(もしくは、提携金融機関51)のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ送金する。
D-5.提携銀行(もしくは提携金融機関)における処理(その2)(図29)
現金返済用スマートコントラクト25が、現金充当処理用スマートコントラクト24による提携銀行50(もしくは、提携金融機関51)のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座への送金処理が終了後、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座から提携銀行50(もしくは、提携金融機関51)に当該融資分の現金を返済する。
本実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムの効果
本実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムによれば、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者の所有するトークン類を管理するためのトークン類管理用スマートコントラクト11と、トークン類の送付処理を行うための、複数のトークン類送付用スマートコントラクト12~12と、トークン類の送付処理を制御するためのトークン類送付処理制御用スマートコントラクト13と、を有し、トークン類送付処理制御用スマートコントラクト13は、複数のトークン類送付用スマートコントラクト12~12のうちから、トークン類の送付処理に用いるトークン類送付用スマートコントラクト12(但し、Xは1~Nまでの間の整数)を任意に選択し、選択した当該トークン類送付用スマートコントラクト12に対し、当該トークン類送付用スマートコントラクト12に対応する第1の秘密鍵を用いて、事前にトークン類の送付先アドレスを登録する機能と、トークン類管理用スマートコントラクト11が、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者を管理するためのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されているトークン類としての機能が無効化された形態の一時的処理データから、送付が必要となっている数量分を、機能が有効化されたトークン類に変換すると同時に、当該トークン類の送付先アドレスと送付量を指定したトランザクションを作成し、作成したトランザクションに対し第2の秘密鍵を用いて署名し、それぞれのトークン類送付用スマートコントラクト12~12に、署名済トランザクションを渡す(トークン類の送付指示をする)ように、トークン類管理用スマートコントラクト11を制御する機能と、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスへ、外部からトークン類が送付されてきた場合、トークン類管理用スマートコントラクト11が、送付されてきたトークン類を、当該トークン類としての機能を無効化した形態の一時的処理データに変換して当該デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録するようにトークン類管理用スマートコントラクト11を制御する機能と、を有し、それぞれのトークン類送付用スマートコントラクト12~12は、トークン類管理用スマートコントラクト11から渡され(送付指示され)た、署名済トランザクションにおいて指定されているトークン類の送付先アドレスを、当該トークン類送付用スマートコントラクト12~12の内部に事前登録されている送付先アドレスと照合し、合致した場合にのみ、当該送付先アドレスへ、署名済トランザクションにおいて指定されている数量の当該トークン類を送付し、送付終了後に、送付したトークン類の種類及び数量をブロックチェーンに記録すると同時に、当該トークン類送付用スマートコントラクト12(但し、Xは1~Nまでの間の整数)の内部に事前登録されている送付先アドレスを削除する機能を有するように構成したので、ホットウォレット型の秘密鍵管理であっても、第1の秘密鍵を用いて事前登録した送付先アドレスと、第2の秘密鍵を用いて署名された送付先アドレスと、を合致させることが容易ではなく、しかも、トークン類としての機能を無効化した一時的処理データが外部に流出しても、外部の者は一時的処理データを、価値を有する構成形態のトークン類にすることができないため、外部からの攻撃などによるトークン類(デジタル資産)の流出事故を防止できる。
また、本実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムによれば、ブロックチェーン等の分散技術とは別のデータ管理技術により、銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を、暗号化した状態で格納するデジタル資産管理手段26と、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を復号化するデジタル資産復号化手段27と、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を復号化し、復号化した情報に対する更新を行い、更新した情報を暗号化するデジタル資産更新手段28と、をさらに備えるとともに、トークン類管理用スマートコントラクト11は、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで、当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の種類及び数量を管理する機能と、定期的に、デジタル資産復号化手段27に対し、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報の復号化を指示し、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様での種類ごとのトークン類の数量と、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における種類ごとのトークン類の総量と、を比較する機能と、比較した、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様での種類ごとのトークン類の数量と、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における種類ごとのトークン類の総量と、が不整合となったとき、不整合となっているトークン類の種類を特定し、特定した不整合となっている種類のトークン類の数量について、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量よりも、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量が多い場合には、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量を、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量に整合させるように修正し、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量よりも、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量が少ない場合には、デジタル資産復号化手段27を介して復号化された、業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量を、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量に整合させるように、デジタル資産更新手段28に対し、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する機能と、をさらに備え、トークン類送付用スマートコントラクト12は、所定の送付先アドレスへ業者管理下の顧客口座単位のトークン類の送付を行い、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を、業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録して、当該トークン類の種類及び数量を更新するとともに、デジタル資産更新手段28に対し、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を用いて、デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する機能をさらに備えるように構成したので、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者が、多数の顧客(個人などの投資家)口座を管理する業者である場合において、ブロックチェーンの各アドレスでトークン類を管理するために用いる秘密鍵の数を低減することができ、秘密鍵の管理を効率化できる。
また、システムにおける処理機能の一部を非同期処理にすることにより、極めて稀に、ブロックチェーン技術を用いた管理データと、既存のデータベース等のデータ管理方法を用いた管理データと、に不整合が生じても、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者に不利益を与えることなく、デジタル資産の保管・管理サービスを提供することができる。
また、本実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムによれば、トークン類管理用スマートコントラクト11が、トークン類に対する定期時間単位での数量の変化又は何らかの権利付加が生じた場合、当該トークン類を管理している前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている当該トークン類の数量に応じた、変化分又は権利付加分の数量を更新する第1のトークン量自動修正機能を、さらに備えるように構成したので、個人を対象としたデジタル資産の保管・管理や、業者を対象とし、管理対象となるデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスが業者の管理する顧客数分存在し、当該業者の管理下であることを示す業者番号をデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに対応付ける形態でのデジタル資産の保管・管理において、トークン類における定期時間単位に数量の変化や、何らかの権利の付加に対応したデジタル資産の保管・管理サービスを提供することができる。
また、本実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムによれば、トークン類管理用スマートコントラクト11が、トークン類に対する定期時間単位での数量の変化又は何らかの権利付加が生じた場合、当該トークン類を管理しているデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている当該トークン類の数量に応じた、変化分又は権利付加分の数量を更新するとともに、デジタル資産更新手段28に対し、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を用いて、該デジタル資産管理手段26に暗号化した状態で格納されている業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する第2のトークン量自動修正機能を、さらに備えるように構成したので、業者を対象とし、ブロックチェーン技術を用いて業者に対応した1つのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに、トークン類の情報を管理する他に、既存のデータベース等のデータ管理方法を用いて業者管理下の顧客口座単位の預かり資産データを暗号化して格納する形態でのデジタル資産の保管・管理において、トークン類における定期時間単位に数量の変化や、何らかの権利の付加に対応したデジタル資産の保管・管理サービスを提供することができる。
また、本実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムによれば、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも数量を含み価格を含まない第1価値構成要素が設定された一時的処理データを、ブロックチェーンを介して管理する一時的処理データ管理手段14と、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格を含み数量を含まない第2価値構成要素が設定されたデータを管理する第2価値構成要素設定データ管理手段15と、をさらに備え、トークン類管理用スマートコントラクト11は、一時的処理データ管理手段14によりブロックチェーンを介して管理されている第1価値構成要素と、第2価値構成要素設定データ管理手段15により管理されている第2価値構成要素と、を用いて、価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量が揃ったトークンを所定数量分生成する、トークン生成機能と、トークンにおける価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量を、第1価値構成要素と、第2価値構成要素とに分け、分けた第1価値構成要素を一時的処理データ管理手段14にブロックチェーンを介して管理させるとともに、第2価値構成要素を第2価値構成要素設定データ管理手段15に管理させる機能と、を有するように構成したので、トークン類としての機能を無効化した一時的処理データが外部に流出しても、外部の者が一時的処理データを、価値を有する構成形態のトークン類にすることができないことによる、トークン類の流出事故防止を具現化できる。
また、本実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムによれば、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者30において、委託を受けて信託銀行等(信託銀行、運用型信託会社)40における自己とは別の委託口座で管理を行っている、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者である顧客委託分の現金のうち、高額出金要請のあった顧客についての出金要請内容(金額・量)をリスト化した高額出金要請リストを、定期的に一括作成する機能を有する高額出金要請リスト作成用スマートコントラクト16と、高額出金要請リストを信託銀行等40に送付する機能を有する高額出金要請リスト送付用スマートコントラクト17と、信託銀行等40において、高額出金要請リストに記録されている出金要請額を充当し得る顧客(委託分)の現金の預け入れの有無をチェックし、充当し得る顧客(委託分)の現金の預け入れがあることが確認された顧客についての、当該高額出金要請リストに記録されている出金要請内容(金額・量)での出金を承認する機能を有する出金要請額チェック・承認用スマートコントラクト18と、出金要請額チェック・承認用スマートコントラクト18により、出金が承認された顧客についての、出金承認内容(金額・量)を一覧化した出金承認リストを作成する機能を有する出金承認リスト作成用スマートコントラクト19と、出金承認リスト作成用スマートコントラクト19により作成された出金承認リストを当該信託銀行等40が提携する提携銀行50へ送付する機能を有する出金承認リスト送付用スマートコントラクト20と、提携銀行50において、出金承認リスト送付用スマートコントラクト20により送付された出金承認リストに記録されている出金承認内容(金額・量)分の現金を、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者30へ一時的に融資するとともに、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義にて出金承認リストに記録されている顧客への送金処理を行う機能を有する融資・送金用スマートコントラクト21と、提携銀行50において、融資・送金用スマートコントラクト21によるデジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義での顧客への送金処理が完了の後、当該提携銀行50が承認した顧客についての、送金内容(金額・量)を一覧化した送金処理完了リストを作成する機能を有する送金処理完了リスト作成用スマートコントラクト22と、送金処理完了リスト作成用スマートコントラクト22により作成された送金処理完了リストを信託銀行等40に送付する機能を有する送金処理完了リスト送付用スマートコントラクト23と、信託銀行等40において、送金完了リストに記録されている出金総額と同額の現金を、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者30が融資を受けた提携銀行50のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ送金する機能を有する現金充当処理用スマートコントラクト24と、現金充当処理用スマートコントラクト24による提携銀行50のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座への送金処理が終了後、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座から提携銀行50に当該融資分の現金を返済する機能を有する現金返済用スマートコントラクト25と、をさらに有するように構成したので、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者30は手持ち資金に悩まされることなく、顧客の高額現金引き出しに対処できる。
また、本実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムによれば、融資・送金用スマートコントラクト21は、出金承認リストが出金承認リスト送付用スマートコントラクト20により提携銀行50へ送付されたときに、当該提携銀行50の提携する提携金融機関51において、当該出金承認リストに記録されている出金承認内容(金額・量)分の現金を、当該提携銀行50のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ振替えることによりデジタル資産の保管・管理サービス提供業者30へ一時的に融資するとともに、当該提携銀行50において当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義にて出金承認リストに記録されている顧客への送金処理を行う機能をさらに有し、現金充当処理用スマートコントラクト24は、信託銀行等40において、送金完了リストに記録されている出金総額と同額の現金を、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者30が融資を受けた提携金融機関51のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ送金する機能をさらに有し、現金返済用スマートコントラクト25は、現金充当処理用スマートコントラクト24による提携金融機関51のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座への送金処理が終了後、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座から提携金融機関51に当該融資分の現金を返済する機能をさらに有するように構成したので、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者30は手持ち資金に悩まされることなく、顧客の高額現金引き出しに対処できる。
また、本実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムによれば、注文入力手段と、銘柄ごとに作動し、注文を管理するデジタル資産注文管理用スマートコントラクト81を備えたデジタル資産取引システム80と、約定したデジタル資産同士の、互いに約定した取引参加者への同時受渡を行うDVP処理用スマートコントラクト91を備えたデジタル資産の清算処理システム90と、を一体化して構成したので、デジタル資産の取引、約定したデジタル資産同士の清算に至るまでの一連の処理におけるトークン類の保管・管理を面倒な処理の負担無く、かつ、トークン類の流出リスクを低減して行うことができる。
このため、本実施形態によれば、ブロックチェーン(特にパブリックチェーン)の各アドレスでトークン類を管理するための面倒な処理の負担を無くし、かつ、トークン類の流出リスクを低減し、さらには、デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が手持ち資金に悩まされることなく、顧客の高額現金引き出しに対処可能なトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムが得られる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上記実施形態のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムは、様々なデジタル通貨間や様々なトークン間など、対象となるデジタル資産の組み合わせに制限を設けることなく行うことができる。
本発明のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システムは、貴金属、非鉄金属、石油・ガス・電力などのエネルギー類、コメ・砂糖などの保存可能な農作物、美術品、飲料水など、広範囲に販売されているものや、その他の経済的価値をデジタルで表現された、デジタル資産を用いて取引を扱う分野に有用である。
11 トークン類管理用スマートコントラクト
12~12 トークン類送付用スマートコントラクト
13 トークン類送付処理制御用スマートコントラクト
14 一時的処理データ管理手段
15 第2価値構成要素設定データ管理手段
16 高額出金要請リスト作成用スマートコントラクト
17 高額出金要請リスト送付用スマートコントラクト
18 出金要請額チェック・承認用スマートコントラクト
19 出金承認リスト作成用スマートコントラクト
20 出金承認リスト送付用スマートコントラクト
21 融資・送金用スマートコントラクト
22 送金処理完了リスト作成用スマートコントラクト
23 送金処理完了リスト送付用スマートコントラクト
24 現金充当処理用スマートコントラクト
25 現金返済用スマートコントラクト
26 デジタル資産管理手段
27 デジタル資産復号化手段
28 デジタル資産更新手段
30 デジタル資産の保管・管理サービス提供業者
40 信託銀行等(信託銀行、運用型信託会社)
50 提携銀行
51 提携銀行の提携する提携金融機関
60 デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者(個人)
70 デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者(業者:銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な個人資産を扱う企業)
80 デジタル資産取引システム
81 デジタル資産注文管理用スマートコントラクト
82 デジタル資産取引用スマートコントラクト
90 デジタル資産の清算処理システム
91 DVP処理用スマートコントラクト

Claims (8)

  1. トークン類(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称)、デジタル通貨、トークン類とデジタル通貨、もしくはトークン類同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、デジタル資産の取引に用いる、トークン類の保管または振替を簡易的に行うデジタル資産の保管・管理サービス提供システムであって、
    デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者の所有するトークン類を管理するためのトークン類管理用スマートコントラクトと、
    トークン類の送付処理を行うための、複数のトークン類送付用スマートコントラクトと、
    トークン類の送付処理を制御するためのトークン類送付処理制御用スマートコントラクトと、を有し、
    前記トークン類送付処理制御用スマートコントラクトは、
    複数の前記トークン類送付用スマートコントラクトのうちから、トークン類の送付処理に用いるトークン類送付用スマートコントラクトを任意に選択し、選択した当該トークン類送付用スマートコントラクトに対し、当該トークン類送付用スマートコントラクトに対応する第1の秘密鍵を用いて、事前にトークン類の送付先アドレスを登録する機能と、
    前記トークン類管理用スマートコントラクトが、前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者を管理するためのデジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されているトークン類としての機能が無効化された形態の一時的処理データから、送付が必要となっている数量分を、機能が有効化されたトークン類に変換すると同時に、当該トークン類の送付先アドレスと送付量を指定したトランザクションを作成し、作成したトランザクションに対し第2の秘密鍵を用いて署名し、それぞれの前記トークン類送付用スマートコントラクトに、署名済トランザクションを渡す(トークン類の送付指示をする)ように、前記トークン類管理用スマートコントラクトを制御する機能と、
    前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスへ、外部からトークン類が送付されてきた場合、前記トークン類管理用スマートコントラクトが、送付されてきたトークン類を、当該トークン類としての機能を無効化した形態の一時的処理データに変換して当該デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録するようにトークン類管理用スマートコントラクトを制御する機能と、を有し、
    それぞれの前記トークン類送付用スマートコントラクトは、前記トークン類管理用スマートコントラクトから渡され(送付指示され)た、署名済トランザクションにおいて指定されているトークン類の送付先アドレスを、当該トークン類送付用スマートコントラクトの内部に事前登録されている送付先アドレスと照合し、合致した場合にのみ、当該送付先アドレスへ、署名済トランザクションにおいて指定されている数量の当該トークン類を送付し、送付終了後に、送付したトークン類の種類及び数量をブロックチェーンに記録すると同時に、当該トークン類送付用スマートコントラクトの内部に事前登録されている送付先アドレスを削除する機能を有することを特徴とするトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システム。
  2. ブロックチェーン等の分散技術とは別のデータ管理技術により、銀行、証券会社、保険会社などの金融機関、その他の様々な顧客の個人資産を扱う業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を、暗号化した状態で格納するデジタル資産管理手段と、
    前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を復号化するデジタル資産復号化手段と、
    前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報を復号化し、復号化した情報に対する更新を行い、更新した情報を暗号化するデジタル資産更新手段と、
    をさらに備えるとともに、
    前記トークン類管理用スマートコントラクトは、
    前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで、当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の種類及び数量を管理する機能と、
    定期的に、前記デジタル資産復号化手段に対し、前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報の復号化を指示し、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様での種類ごとのトークン類の数量と、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における種類ごとのトークン類の総量と、を比較する機能と、
    前記比較した、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様での種類ごとのトークン類の数量と、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における種類ごとのトークン類の総量と、が不整合となったとき、不整合となっているトークン類の種類を特定し、
    特定した不整合となっている種類のトークン類の数量について、
    前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量よりも、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量が多い場合には、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量を、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量に整合させるように修正し、
    前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量よりも、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量が少ない場合には、前記デジタル資産復号化手段を介して復号化された、前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報におけるトークン類の総量を、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスで管理している当該業者管理下の全ての顧客口座を統合した態様でのトークン類の数量に整合させるように、前記デジタル資産更新手段に対し、前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する機能と、
    をさらに備え、
    前記トークン類送付用スマートコントラクトは、
    所定の送付先アドレスへ前記業者管理下の顧客口座単位のトークン類の送付を行い、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を、前記業者に対応した1つの前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録して、当該トークン類の種類及び数量を更新するとともに、前記デジタル資産更新手段に対し、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を用いて、前記デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する機能
    をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システム。
  3. 前記トークン類管理用スマートコントラクトは、
    トークン類に対する定期時間単位での数量の変化又は何らかの権利付加が生じた場合、当該トークン類を管理している前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている当該トークン類の数量に応じた、変化分又は権利付加分の数量を更新する第1のトークン量自動修正機能
    を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システム。
  4. 前記トークン類管理用スマートコントラクトは、
    トークン類に対する定期時間単位での数量の変化又は何らかの権利付加が生じた場合、当該トークン類を管理している前記デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者管理用アドレスに記録されている当該トークン類の数量に応じた、変化分又は権利付加分の数量を更新するとともに、前記デジタル資産更新手段に対し、送付した顧客口座単位のトークン類の種類及び数量を用いて、該デジタル資産管理手段に暗号化した状態で格納されている前記業者管理下の顧客口座単位のデジタル資産の管理(預かり)情報における当該トークン類の種類及び数量を更新するように指示する第2のトークン量自動修正機能
    を、さらに備えることを特徴とする請求項2に記載のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システム。
  5. トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも数量を含み価格を含まない第1価値構成要素が設定された一時的処理データを、ブロックチェーンを介して管理する一時的処理データ管理手段と、
    トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格を含み数量を含まない第2価値構成要素が設定されたデータを管理する第2価値構成要素設定データ管理手段と、をさらに備え、
    前記トークン類管理用スマートコントラクトは、
    前記一時的処理データ管理手段によりブロックチェーンを介して管理されている第1価値構成要素と、前記第2価値構成要素設定データ管理手段により管理されている第2価値構成要素と、を用いて、価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量が揃ったトークンを所定数量分生成する、トークン生成機能と、
    トークンにおける価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量を、前記第1価値構成要素と、前記第2価値構成要素とに分け、分けた前記第1価値構成要素を前記一時的処理データ管理手段にブロックチェーンを介して管理させるとともに、前記第2価値構成要素を第2価値構成要素設定データ管理手段に管理させる機能と、
    を有する
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システム。
  6. デジタル資産の保管・管理サービス提供業者において、委託を受けて信託銀行等(信託銀行、運用型信託会社)における自己とは別の委託口座で管理を行っている、デジタル資産の保管・管理サービス提供対象者である顧客委託分の現金のうち、高額出金要請のあった顧客についての出金要請内容(金額・量)をリスト化した高額出金要請リストを、定期的に一括作成する機能を有する高額出金要請リスト作成用スマートコントラクトと、
    前記高額出金要請リストを前記信託銀行等に送付する機能を有する高額出金要請リスト送付用スマートコントラクトと、
    前記信託銀行等において、前記高額出金要請リストに記録されている出金要請額を充当し得る顧客(委託分)の現金の預け入れの有無をチェックし、充当し得る顧客(委託分)の現金の預け入れがあることが確認された顧客についての、当該高額出金要請リストに記録されている出金要請内容(金額・量)での出金を承認する機能を有する出金要請額チェック・承認用スマートコントラクトと、
    前記出金要請額チェック・承認用スマートコントラクトにより、出金が承認された顧客についての、出金承認内容(金額・量)を一覧化した出金承認リストを作成する機能を有する出金承認リスト作成用スマートコントラクトと、
    前記出金承認リスト作成用スマートコントラクトにより作成された前記出金承認リストを当該信託銀行等が提携する提携銀行へ送付する機能を有する出金承認リスト送付用スマートコントラクトと、
    前記提携銀行において、前記出金承認リスト送付用スマートコントラクトにより送付された前記出金承認リストに記録されている出金承認内容(金額・量)分の現金を、前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者へ一時的に融資するとともに、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義にて出金承認リストに記録されている顧客への送金処理を行う機能を有する融資・送金用スマートコントラクトと、
    前記提携銀行において、前記融資・送金用スマートコントラクトによる前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義での顧客への送金処理が完了の後、当該提携銀行が承認した顧客についての、送金内容(金額・量)を一覧化した送金処理完了リストを作成する機能を有する送金処理完了リスト作成用スマートコントラクトと、
    前記送金処理完了リスト作成用スマートコントラクトにより作成された送金処理完了リストを前記信託銀行等に送付する機能を有する送金処理完了リスト送付用スマートコントラクトと、
    前記信託銀行等において、前記送金完了リストに記録されている出金総額と同額の現金を、前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が融資を受けた前記提携銀行のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ送金する機能を有する現金充当処理用スマートコントラクトと、
    前記現金充当処理用スマートコントラクトによる前記提携銀行のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座への送金処理が終了後、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座から前記提携銀行に当該融資分の現金を返済する機能を有する現金返済用スマートコントラクトと、
    をさらに有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システム。
  7. 前記融資・送金用スマートコントラクトは、前記出金承認リストが前記出金承認リスト送付用スマートコントラクトにより前記提携銀行へ送付されたときに、当該提携銀行の提携する提携金融機関において、当該出金承認リストに記録されている出金承認内容(金額・量)分の現金を、当該提携銀行のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ振替えることにより前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者へ一時的に融資するとともに、当該提携銀行において当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者名義にて出金承認リストに記録されている顧客への送金処理を行う機能をさらに有し、
    前記現金充当処理用スマートコントラクトは、前記信託銀行等において、前記送金完了リストに記録されている出金総額と同額の現金を、前記デジタル資産の保管・管理サービス提供業者が融資を受けた前記提携金融機関のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座へ送金する機能をさらに有し、
    前記現金返済用スマートコントラクトは、前記現金充当処理用スマートコントラクトによる前記提携金融機関のデジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座への送金処理が終了後、当該デジタル資産の保管・管理サービス提供業者口座から前記提携金融機関に当該融資分の現金を返済する機能をさらに有する
    ことを特徴とする請求項6に記載のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システム。
  8. 注文入力手段と、銘柄ごとに作動し、注文を管理する注文管理用スマートコントラクトを備えたデジタル資産取引システムと、約定したデジタル資産同士の、互いに約定した取引参加者への同時受渡を行うDVP処理用スマートコントラクトを備えたデジタル資産の清算処理システムと、を一体化して構成されている請求項1~7のいずれかに記載のトークン類のデジタル資産の保管・管理サービス提供システム。
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