JP2023167835A - 加熱処理装置、加熱処理方法及びコンピュータ記憶媒体 - Google Patents

加熱処理装置、加熱処理方法及びコンピュータ記憶媒体 Download PDF

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Yuichi Terashita
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Abstract

【課題】加熱処理中に処理空間内に生じた物質に起因する欠陥が基板に発生するのを抑制する。【解決手段】塗布膜が形成された基板を加熱する加熱処理装置であって、基板を収容する処理空間を形成する処理容器と、前記処理空間に収容された基板を加熱する加熱部と、前記処理空間に不活性ガスを供給するガス供給部と、前記処理空間を排気する排気部と、制御部と、を備え、前記制御部は、(A)前記塗布膜において酸素との反応による架橋反応が所定の進行度合いになるまで、前記処理空間への不活性ガスの供給を行わずに前記処理空間の排気を行い、酸素含有ガスの雰囲気で基板を加熱する工程と、(B)前記(A)工程後、前記処理空間への不活性ガスの供給及び前記処理空間の排気を行い、前記(A)工程より酸素濃度が低い雰囲気で基板を加熱する工程と、を実行するよう、制御を行う。【選択図】図3

Description

本開示は、加熱処理装置、加熱処理方法及びコンピュータ記憶媒体に関する。
特許文献1に開示の加熱処理装置は、塗布膜が形成された基板を処理容器内で加熱するものであって、処理容器内に設けられ、基板を載置する載置部と、載置部に載置された基板を加熱するための加熱部と、を有する。また、特許文献1において、処理容器は、天井部を構成する蓋部を有し、蓋部は、上面部と下面部との間に排気室が形成されている。蓋部の下面部における周辺部には、排気室と連通する外周排気口が形成されている。蓋面部の下面部における中央部には、中央排気口が形成されている。中央排気口は、排気室を貫通するように設けられた中央排気管の一端側が接続されている。
特開2021-9923号公報
本開示にかかる技術は、加熱処理中に処理空間内に生じた物質に起因する欠陥が基板に発生するのを抑制する。
本開示の一態様は、塗布膜が形成された基板を加熱する加熱処理装置であって、基板を収容する処理空間を形成する処理容器と、前記処理空間に収容された基板を加熱する加熱部と、前記処理空間に不活性ガスを供給するガス供給部と、前記処理空間を排気する排気部と、制御部と、を備え、前記制御部は、(A)前記塗布膜において酸素との反応による架橋反応が所定の進行度合いになるまで、前記処理空間への不活性ガスの供給を行わずに前記処理空間の排気を行い、酸素含有ガスの雰囲気で基板を加熱する工程と、(B)前記(A)工程後、前記処理空間への不活性ガスの供給及び前記処理空間の排気を行い、前記(A)工程より酸素濃度が低い雰囲気で基板を加熱する工程と、を実行するよう、制御を行う。
本開示によれば、加熱処理中に処理空間内に生じた物質に起因する欠陥が基板に発生するのを抑制することができる。
本実施形態にかかる加熱処理装置の構成を側面から見て模式的に示した説明図である。 加熱処理装置を用いて行われるウェハ処理の比較例の課題の説明図である。 本実施形態にかかるウェハ処理に含まれる加熱処理中の、ウェハWの温度履歴及び処理空間中の酸素濃度履歴の例を示す図である。 本実施形態にかかるウェハ処理の作用の説明図である。 本実施形態にかかるウェハ処理の他の例の各工程における、底部材に対する蓋部材の高さを示す図である。 本実施形態にかかるウェハ処理の他の例における、加熱処理開始時の熱板に対するウェハWの高さを示す図である。 本例における加熱処理中のウェハWの温度履歴を示す図である。 本実施形態にかかるウェハ処理の他の例における、処理空間の排気形態を示す図である。 本実施形態にかかるウェハ処理の他の例における、加熱処理を終了させる工程での処理空間の状態を示す図である。 加熱処理が所定の進行度合いになったか否かの判定に用いられるデータの説明図である。
半導体デバイス等の製造プロセスでは、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)等の基板の表面上に、各種処理液、例えばハードマスクとして用いられるSOC膜形成用の処理液が塗布されることがある。そして、これらの処理液の塗布後すなわち塗布膜の形成後においては、加熱処理装置の処理容器内で基板を加熱する加熱処理が行われる。
塗布膜の種類によっては、加熱により塗布膜中に架橋反応が起こることで当該塗布膜が硬化し、その際、塗布膜から欠陥原因物質が発生する。欠陥原因物質とは、基板に付着することにより欠陥の原因となる物質である。この欠陥原因物質を回収することを目的として、加熱処理装置では、処理容器内が排気される。しかし、加熱処理中に上記欠陥原因物質が処理容器内の酸素と結合して、質量の大きな別の欠陥物質が発生し、処理容器内の排気を行っても上記別の欠陥原因物質を回収し切れない場合がある。
そこで、本開示にかかる技術は、加熱処理中に処理容器内(具体的には処理容器により形成される処理空間内)に生じた物質に起因する欠陥が基板に発生するのを抑制する。
以下、本実施形態にかかる加熱処理装置及び加熱処理方法を、図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<加熱処理装置>
図1は、本実施形態にかかる加熱処理装置の構成を側面から見て模式的に示した説明図である。
図1に示すように、加熱処理装置1は、基板としてのウェハWを収容する処理空間Sを形成する処理容器2を有している。この処理容器2は、熱板11を有する底部材3と、底部材3の後述の載置面11aと対向する天井部4aを含み底部材3との間で処理空間Sを形成する蓋部材4を有している。また、処理容器2は、図示しない筐体内に設けられている。
底部材3は、図示しない前記筐体の基台5の上に支持部材6を介して支持されている。底部材3は、周縁部12aよりも内側に凹部が形成された扁平な円筒体からなる支持台12を備えている。支持台12の凹部に熱板11が設けられる。
熱板11の上面11aは、ウェハWが載置される載置面である。熱板11の上面11a(以下、載置面11a)には、ウェハWの下面を支持する図示しない複数のギャップピンが設けられていてもよい。
また、熱板11内には、ウェハWを加熱する加熱部としてのヒータ13が設けられている。ヒータ13は、載置面11aを加熱することにより、ウェハWを加熱することができる。具体的には、ヒータ13は、載置面11aを加熱することにより、載置面11aに載置されたウェハWを加熱し、また、載置面11aから離間した位置に位置するウェハWを加熱することができる。ヒータ13は後述の制御部100により制御される。
蓋部材4の天井部4aは、底部材3よりも直径の大きい円板状に形成されている。
また、蓋部材4は、底部材3と天井部4aとの間の隙間の周囲を塞ぎ処理空間Sを形成する側壁部4bを有する。側壁部4bは平面視円環状に形成されている。
この蓋部材4は、昇降機構20によって昇降する。昇降機構20は、蓋部材4の昇降のための駆動力すなわち底部材3に対する蓋部材4の高さを調整するための駆動力を発生するモータ等の駆動源を有し、例えば基台5に設けられる。この昇降機構20は、後述の制御部100により制御される。昇降機構20は、蓋部材4を下降させることで、処理空間Sを形成することができる。また、昇降機構20は、蓋部材4を上昇させることで、処理空間Sを開放することができる。さらに、昇降機構20は、蓋部材4を昇降させることで、すなわち、底部材3に対する蓋部材4の高さを調整することで、処理空間Sの容積を変更することができる。
このように、昇降機構20は、底部材3に対する蓋部材4の高さを調整する調整機構を構成すると共に、処理空間Sの容積を変更する変更部を構成する。
また、蓋部材4の天井部4aには、シャワーヘッド30が設けられている。
シャワーヘッド30は、天井部4aから下方に、酸素を含有するガスすなわち酸素含有ガスを供給する。シャワーヘッド30が供給する酸素含有ガスは例えばドライエアである。
また、シャワーヘッド30は、天井部4aから下方に、酸素を含まない不活性ガスを供給する。シャワーヘッド30が供給する不活性ガスは例えば窒素ガスである。
シャワーヘッド30は、複数の吐出孔31と、ガス分配空間32と、を有する。
吐出孔31はそれぞれ、シャワーヘッド30の下面に形成されている。吐出孔31は、例えば、シャワーヘッド30の下面中央部における、後述する排気口41以外の部分に、略均一に配置されている。複数の吐出孔31は、熱板11上のウェハWの周縁部の上方に位置する第1吐出孔と、熱板11上のウェハWの中央部の上方に位置する第2吐出孔と、を含む。
ガス分配空間32は、シャワーヘッド30に導入された酸素含有ガスまたは不活性ガスを分配して各吐出孔31に供給する。
シャワーヘッド30には、当該シャワーヘッド30に酸素含有ガスまたは不活性ガスを導入する導入管33が接続されている。
導入管33には、供給管34を介して、酸素含有ガスを貯留するガス源35が接続されている。供給管34には、酸素含有ガスの流通を制御する開閉弁や流量調節弁等を含む供給機器群36が設けられている。
また、導入管33には、供給管37を介して、不活性ガスを貯留するガス源38が接続されている。供給管37には、不活性ガスの流通を制御する開閉弁や流量調節弁等を含む供給機器群39が設けられている。
供給機器群36、39は後述の制御部100により制御される。
加熱処理装置1においては、シャワーヘッド30、導入管33、供給管37、供給機器群39によって、処理空間Sに不活性ガスを供給するガス供給部が構成され、シャワーヘッド30、導入管33、供給管34、供給機器群36によって、処理空間Sに酸素含有ガスを供給する他のガス供給部が構成されている。
さらに、加熱処理装置1には、中央排気部40と周縁排気部50が設けられている。これら中央排気部40と周縁排気部50により、処理空間Sを排気する排気部が構成されている。
中央排気部40は、載置面11aの上方であって、当該載置面11a上のウェハWの中央寄りの位置(図の例では上記中央の位置)に相当する位置から、処理空間Sを排気する。中央排気部40は排気口41を有する。排気口41は、シャワーヘッド30の下面における中央寄りの位置(図の例では中央の位置)に設けられており、下方に開口している。中央排気部40は、この排気口41を介して、処理空間Sを排気する。
また、中央排気部40は、排気口41から上方向に延伸するように形成された中央排気路42を有する。中央排気路42には、排気管43を介して、真空ポンプ等の排気装置44が接続されている。排気管43には、排気量を調整するバルブ等を有する排気機器群45が設けられている。排気装置44及び排気機器群45は後述の制御部100により制御される。
周縁排気部50は、載置面11aの上方であって、当該載置面11a上のウェハWの周縁部寄りの位置(図の例では上記ウェハWの周端のやや外側の位置)に相当する位置から、処理空間Sを排気する。周縁排気部50は、排気口51を有する。排気口51は、シャワーヘッド30の外周を囲むように、天井部4aの下面から、下方に開口している。排気口51は、複数の排気孔をシャワーヘッド30の外周に沿って並べたものであってもよい。周縁排気部50は、この排気口51を介して、処理空間Sを排気する。
また、周縁排気部50は、排気口51に通ずる周縁排気路52を有する。周縁排気路52には、排気管53を介して、真空ポンプ等の排気装置54が接続されている。排気管53には、排気量を調整するバルブ等を有する排気機器群55が設けられている。排気装置54及び排気機器群55は後述の制御部100により制御される。
さらに、天井部4aは、加熱されるように構成されている。例えば、天井部4aには、当該天井部4aを加熱する図示しないヒータが内蔵されている。このヒータが後述の制御部100により制御され、天井部4a(具体的には例えばシャワーヘッド30)が所定の温度に調整される。
さらに、加熱処理装置1では、底部材3の下方に、ウェハWを昇降させる昇降機構60が設けられている。昇降機構60は、処理容器2の外部に設けられた図示しない搬送機構との間でウェハWの受け渡しを行うための受渡部材としての昇降ピン61が、支持台12及び熱板11を貫通するように設けられている。昇降ピン61は、例えば熱板11の周方向に等間隔で少なくとも3本設けられる。
昇降ピン61は、昇降機構62によって昇降し、上昇したときに熱板11の上方に突出可能に構成されている。昇降機構62は、昇降ピン61の昇降のための駆動力を発生するモータ等の駆動源を有し、例えば基台5に設けられる。昇降ピン61を昇降させることで、熱板11に対する、昇降ピン61に支持されたウェハWの高さを調整することができる。この昇降機構62は、後述の制御部100により制御される。
このように、昇降機構60は、熱板11に対するウェハWの高さを調整する調整機構を構成する。
上述した加熱処理装置1は、制御部100を備えている。制御部100は、例えばCPU等のプロセッサやメモリ等を備えたコンピュータであり、記憶部101を有している。記憶部101には、例えば後述する加熱処理装置1の各種動作を制御するプログラムが格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、当該記憶媒体Hから制御部100にインストールされたものであってもよい。記憶媒体Hは一時的に記憶するものであっても非一時的に記憶するものであってもよい。また、プログラムの一部または全ては専用ハードウェア(回路基板)で実現してもよい。
<ウェハ処理の比較例>
次に、加熱処理装置1を用いて行われる加熱処理を含むウェハ処理について、本実施形態にかかる例を説明する前に、比較例を説明する。
図2は、上記ウェハ処理の比較例の課題の説明図である。
まず、蓋部材4が上昇される。そして、塗布膜としてSOC膜が形成されたウェハWが、図示しない搬送機構によって、熱板11の上方まで移動される。その後、昇降ピン61が上昇され、当該昇降ピン61にウェハWが受け渡される。この受け渡しが完了したときの熱板11に対するウェハWの高さを受け渡し高さという。
次いで、図2(A)に示すように、蓋部材4が下降されて処理空間Sが形成されると共に、昇降ピン61が下降されてウェハWが熱板11の載置面11aに載置され、これにより加熱処理が開始される。
加熱処理中、シャワーヘッド30からの酸素含有ガスの供給が行われる。そして、SOC膜中の材料が、処理空間S中等の酸素と熱により架橋反応し、当該SOC膜に硬化すなわちエッチング耐性が生じる。
また、加熱処理中、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気が行われる。SOC膜から処理空間S中に放出された欠陥原因物質を回収するためである。
ウェハWが載置面11aに載置されてから所定の時間が経過すると、昇降ピン61の上昇によりウェハWが載置面11aから離されて受け渡し高さまで移動されると共に、蓋部材4が上昇され、加熱処理が終了となる。その後、ウェハWが、図示しない搬送機構によって、熱板11の上方から移動される。これで、比較例にかかるウェハ処理は完了となる。
この比較例にかかるウェハ処理では以下の課題がある。
すなわち、ウェハWを載置した時の熱板11の温度が例えば200℃~450℃と高い場合等において、載置直後を含む加熱処理の初期段階で、図2(A)に示すように、急激な温度変化等によって、比較的大粒の欠陥原因物質P1がSOC膜から飛散する。この欠陥原因物質P1の飛散は、加熱処理が進行すれば収まる。しかし、加熱処理が進行するとこの初期段階で飛散した欠陥原因物質P1が、図2(B)に示すように、加熱処理の初期段階以降にウェハW上のSOC膜から気化した材料による微粒子P2と、処理空間S中の酸素と結合し、質量が大きい別の欠陥原因物質P3となる。この欠陥原因物質P3は、質量が大きいだけでなく、大量に発生する。したがって、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気では、欠陥原因物質P3を回収し切れず、図2(C)に示すように、欠陥原因物質P3が、加熱処理終了時の処理空間S中に充満してしまい、ウェハ処理終了後のウェハWの表面全面に付着したまま残ってしまうことがある。
<ウェハ処理の例1>
続いて、加熱処理装置1を用いて行われる加熱処理を含むウェハ処理の、本実施形態にかかる例を説明する。
図3は、本実施形態にかかるウェハ処理に含まれる加熱処理中の、ウェハWの温度履歴及び処理空間S中の酸素濃度履歴の例を示す図である。図4は、本実施形態にかかるウェハ処理の作用の説明図である。
なお、以下で例示する本実施形態にかかるウェハ処理はいずれも、制御部100の制御の下、行われる。
(ステップS1:ウェハWの搬入)
まず、加熱処理装置1内にウェハWが搬入される。
具体的には、蓋部材4が上昇された後、塗布膜としてSOC膜が形成されたウェハWが、図示しない搬送機構によって、熱板11の上方まで移動される。その後、昇降ピン61が上昇され、ウェハWが当該昇降ピン61に受け渡され受け渡し高さまで上昇する。受け渡し高さは例えば30mm~50mmである。
このとき、熱板11の載置面11aの温度が例えば200~450℃となるようにヒータ13が制御されている。なお、ウェハ処理中、ヒータ13は例えば熱板11の載置面11aの温度が一定となるように制御される。また、天井部4aに対する図示しないヒータは、ウェハ処理中、例えば天井部4a(具体的にはシャワーヘッド30)の温度が所定の温度で一定になるように制御される。
(ステップS2:加熱処理の開始)
続いて、熱板11の載置面11aにウェハWが載置され、加熱処理が開始される。
具体的には、蓋部材4が下降されて処理空間Sが形成される。
また、昇降ピン61が下降され、ウェハWが熱板11の載置面11aに載置される。このようにウェハWが載置され、処理空間Sが形成されると、加熱処理の開始となる。なお、加熱処理中、底部材3に対する蓋部材4の高さ、すなわち、処理空間Sの容積は、一定である。
(ステップS3:酸素含有ガスの雰囲気での加熱)
次に、処理空間Sへの酸素含有ガスの供給及び処理空間Sの排気が行われ、酸素含有ガスの雰囲気でウェハWが加熱されると共に加熱中に処理空間Sに生じた欠陥原因物質の回収が行われる。
具体的には、熱板11の載置面11aへのウェハWの載置後、シャワーヘッド30から処理空間Sへの酸素含有ガスの供給が行われる。熱板11により加熱されたウェハWがある温度を超えると、ウェハW上のSOC膜中の材料が、処理空間S中等の酸素と熱により架橋反応する。
また、処理空間Sへの酸素含有ガスの供給と共に、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気が行われる。加熱中にSOC膜から生じた欠陥原因物質等、処理空間S内の欠陥原因物質を回収するためである。
なお、シャワーヘッド30からの酸素含有ガスの吐出、中央排気部40による排気または周縁排気部50による排気の少なくともいずれか1つは、加熱処理の開始前から行われていてもよい。
ステップS3は、ウェハW上のSOC膜において酸素との反応による架橋反応が所定の進行度合いになるまで行われる。具体的には、ステップS3は、図3に示すように、ウェハWの温度が、SOC膜における上記架橋反応が完了する温度以上の所定の温度Tsとなるまで行われる。
SOC膜において酸素との反応による架橋反応が所定の進行度合いになったか否かの判定すなわちウェハWの温度が所定の温度Tsになったか否かの判定は、例えば、ウェハWが熱板11に載置されてから経過した時間が所定の時間T1を超えたか否かに基づいて行われる。制御部100は、上記所定の時間T1を超えると、所定の進行度合いになったと判定し、すなわち、所定の温度Tsになったと判定する。この判定に用いられる「所定の時間T1」は、SOC膜の種類によって異なり、例えば、図示しないキーボードやタッチパネル等の入力部を介したユーザ入力に基づいて予め設定され、記憶部101に記憶されている。
(ステップS4:低酸素濃度の雰囲気での加熱)
そして、SOC膜において上記架橋反応が所定の進行度合いになった後は、処理空間Sへの不活性ガスの供給と処理空間Sの排気が行われ、ステップS3より低酸素濃度の雰囲気でウェハWが加熱されると共に加熱中に処理空間Sに生じた欠陥原因物質の回収が行われる。
ステップS4は、例えば以下のステップS4aとステップS4bを含む。
(ステップS4a:不活性ガスへの置換)
本ステップでは、処理空間S内の酸素含有ガスが不活性ガスで置換される。
具体的には、例えば、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気が維持されたまま、供給機器群36、39が制御され、シャワーヘッド30から処理空間Sへ供給されるガスが酸素含有ガスから不活性ガスに切り替えられる。切り替え後、所定の時間T2が経過すると、処理空間S内の酸素含有ガスが不活性ガスで置換される。
(ステップS4b:不活性ガスの雰囲気での加熱)
ステップS4aに続いて行われる本ステップでは、不活性ガスの雰囲気でウェハWが加熱される。
具体的には、例えば、ステップS4aに引き続いて、シャワーヘッド30から処理空間Sへの不活性ガスの供給、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気が行われ、不活性ガスの雰囲気でウェハWが熱板11により加熱されると共に加熱中に処理空間Sに生じた欠陥原因物質の回収が行われる。
(ステップS5:加熱処理の終了)
ステップS4bが開始されてから所定の時間T3が経過すると、昇降ピン61の上昇によりウェハWが載置面11aから離されると共に、蓋部材4が上昇され処理空間Sが開放され、加熱処理が終了となる。
具体的には、ステップS4bが開始されてから所定の時間T3が経過すると、例えば、シャワーヘッド30から処理空間Sへの不活性ガスの供給が停止された後、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気が維持されたまま、昇降ピン61の上昇と蓋部材4の上昇が同時に行われる。これにより、ウェハWが受け渡し高さまで上昇すると共に、処理空間Sが開放される。
(ステップS6:ウェハWの搬出)
その後、加熱処理装置1外へウェハWが搬出される。
具体的には、昇降ピン61が下降され、ウェハWが、図示しない搬送機構に受け渡され、当該搬送機構によって、熱板11の上方から移動される。
これで、本例にかかるウェハ処理は完了となる。
本例にかかるウェハ処理でも、ウェハWの載置直後を含む加熱処理の初期段階で、急激な温度変化等によって、比較的大粒の欠陥原因物質P1がSOC膜から飛散する(図2(A)参照)。ただし、本例にかかるウェハ処理では、SOC膜において酸素による架橋反応が所定の進行度合いになった後(具体的には架橋反応が完了した後)は、処理空間Sへ供給されるガスが酸素含有ガスから不活性ガスに切り替えられる。そのため、初期段階で飛散した欠陥原因物質P1が、図4(A)に示すように、前述の微粒子P2と、処理空間S中の酸素と結合しないため、質量が大きい別の欠陥原因物質P3(図2(B)参照)に変化しない。代わりに、上記欠陥原因物質P1は、その一部が熱で揮発して縮小していく(図4(A)中、P4は縮小した欠陥原因物質)。縮小した欠陥原因物質P4は、図4(B)に示すように、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気により、容易に回収することができる。したがって、上記欠陥原因物質P3(図2(B)参照)やその他の欠陥原因物質が、加熱処理終了時の処理空間S中に充満するのを抑制することができ、ウェハ処理終了後のウェハWの表面全面に欠陥原因物質が付着したまま残るのを抑制することができる。
<本実施形態の主な効果>
以上のように、本実施形態にかかる例のウェハ処理は、ウェハW上の塗布膜において酸素との反応による架橋反応が所定の進行度合いになるまで、処理空間Sへの不活性ガスの供給を行わずに処理空間Sの排気を行い、酸素含有ガスの雰囲気でウェハを加熱する(a)工程と、(a)工程後、処理空間Sへの不活性ガスの供給及び前記処理空間の排気を行い、(a)工程より酸素濃度が低い雰囲気でウェハWを加熱する(b)工程を含む。そのため、加熱処理の初期段階で塗布膜から飛散した欠陥原因物質P1が、処理空間S中の酸素と結合し、質量が大きい別の欠陥原因物質P3となるのを抑制することができる。したがって、本実施形態によれば、加熱処理中に処理空間S内に生じた物質に起因する欠陥がウェハWに発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態にかかる例のウェハ処理では、ウェハWの温度が、当該ウェハW上の塗布膜における上記架橋反応が完了する温度以上の所定の温度Tsとなるまで、上記(a)工程が行われる。したがって、塗布膜の硬度が不足するのを抑制することができる。
<ウェハ処理の例2>
図5は、本実施形態にかかるウェハ処理の他の例の各工程における、底部材3に対する蓋部材4の高さを示す図である。
以上の例では、加熱処理中、底部材3に対する蓋部材4の高さすなわち処理空間Sの容積は一定であった。これに代えて、ステップS4aの不活性ガスへの置換工程において、ステップS3の酸素含有ガスの雰囲気での加熱工程より、処理空間Sの容積を小さくしてもよい。また、この場合、ステップS4bの不活性ガスの雰囲気での加熱工程において、ステップS4aの不活性ガスへの置換工程より、処理空間Sの容積を大きくしてもよい。
具体的には、図5(A)に示すように、底部材3に対する蓋部材4の高さを第1の高さH1にした状態で、ステップS3の酸素含有ガスの雰囲気での加熱工程が行われ、図5(B)に示すように、底部材3に対する蓋部材4の高さを第1の高さH1より低い第2の高さH2にした状態で、ステップS4aの不活性ガスへの置換工程が行われてもよい。また、この場合に、底部材3に対する蓋部材4の高さを第2の高さH2より高い第3の高さH3にした状態で、ステップS4bの不活性ガスの雰囲気での加熱工程が行われてもよい。第3の高さH3は、第1の高さH1と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本例のようにステップS4aの置換工程において処理空間Sの容積を小さくすることで、処理空間S内の雰囲気を不活性ガスで置換するのに要する時間を短縮することができる。その結果、前述の質量が大きい欠陥原因物質P3の発生を抑制することができる。
また、ステップS4bの不活性ガスの雰囲気での加熱工程において、上述のように処理空間Sの容積を大きくすることで、すなわち、底部材3に対する蓋部材4の高さを高くすることで、ウェハWの直上における気流をウェハ面内でより均一にすることができる。また、蓋部材4(具体的にはシャワーヘッド30)に欠陥原因物質が付着し汚染されるのを抑制することができる。
ステップS4bの不活性ガスの雰囲気での加熱工程において、前述のようにステップS4aの不活性ガスへの置換工程より処理空間Sの容積を大きくする場合、処理空間Sへの不活性ガスの供給流量を、ステップS4aにおいて大きくし、ステップS4bにおいて相対的に小さくしてもよい。これにより、ステップS4aにおいて処理空間S内の雰囲気を不活性ガスで置換するのに要する時間を短くしつつ、加熱処理全体での不活性ガスの消費量を抑えることができる。
<ウェハ処理の例3>
以上の例では、加熱処理中、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気の両方が行われており、すなわち、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気の両方をONにされていた。これに代えて、加熱処理において、周縁排気部50による排気のみ常時ONとされ、中央排気部40による排気は、ステップS3の酸素含有ガスの雰囲気での加熱工程においてOFFとされ、ステップS4の低酸素濃度雰囲気での加熱工程からONにされるようにしてもよい。これにより、以下を抑制することができる。すなわち、塗布膜の流動性の高い加熱処理の前半段階において、中央排気部40による排気によりウェハWの中央部において塗布膜が厚くなり、その結果、加熱処理後においてもウェハWの中央部で塗布膜が厚くなるのを抑制することができる。
また、ステップS4の低酸素濃度雰囲気での加熱工程から中央排気部40による排気がONにされる場合、ステップS4aの不活性ガスへの置換工程からONにされてもよい。これにより、ステップS4aにおいて処理空間S内の雰囲気を不活性ガスで置換するのに要する時間を短縮することができる。
ステップS4aの不活性ガスへの置換工程から中央排気部40による排気がONにされる場合であって、前述の例2のように、処理空間Sの容積を変化させる場合は、以下のようにしてもよい。
すなわち、ステップS4aの不活性ガスへの置換工程中であって、底部材3に対する蓋部材4の高さが第2の高さH2の期間は、中央排気部40による排気がONにされる。その後、底部材3に対する蓋部材4の高さを第2の高さH2から第3の高さH3に高くしていく期間すなわち処理空間Sの容積を大きくしていく期間では、少なくとも最初において中央排気部40による排気がOFFにされてもよい。これにより、処理空間Sの容積を大きくしていく期間における断熱膨張による処理空間Sの温度低下を抑制することができ、その結果、処理空間Sの温度低下による欠陥原因物質の発生を抑制することができる。
<ウェハ処理の例4>
図6は、本実施形態にかかるウェハ処理の他の例における、加熱処理開始時の熱板11に対するウェハWの高さを示す図である。図7は、本例における加熱処理中のウェハWの温度履歴を示す図である。
以上の例では、ステップS2において、熱板11の載置面11aにウェハWが載置され、加熱処理が開始されていた。これに代えて、ステップS2において、図6に示すように、熱板11に対するウェハWの高さが、熱板11から所定の距離離れる所定の高さすなわち第1の高さH11とされ、加熱処理が開始されてもよい。
具体的には、蓋部材4が下降されて処理空間Sが形成される。
また、蓋部材4の下降と同時または蓋部材4の下降後、昇降ピン61が下降され、熱板11に対するウェハWの高さが、受け渡し高さHdと異なり受け渡し高さHdより低い第1の高さH11とされる。このように熱板11に対するウェハWの高さが第1の高さH11とされ、処理空間Sが形成されると、加熱処理の開始となる。なお、第1の高さH11は、例えば2mm~10mmであり、予め設定され、記憶部101に記憶されている。
また、本例では、ステップS3の酸素含有ガスの雰囲気での加熱において、例えばまず、第1の高さH1でウェハWが加熱される(ステップS3a)。
具体的には、熱板11に対するウェハWの高さが第1の高さH11で維持されると共に、シャワーヘッド30から処理空間Sへの酸素含有ガスの供給が行われる。
ステップS3aは、加熱処理が所定の進行度合いになるまで行われる。具体的には、ステップS3aは、図7に示すように、ウェハWの温度が、SOC膜における酸素との架橋反応が開始する温度よりやや低い所定の温度Ttになるまで行われる。
加熱処理が所定の進行度合いになったか否かの判定すなわちウェハWの温度が所定の温度Ttになったか否かの判定は、例えば、熱板11に対するウェハWの高さが第1の高さH11とされてから経過した時間が所定の時間T11を超えたか否かに基づいて行われる。制御部100は、上記所定の時間T11を超えると、所定の進行度合いになったと判定し、すなわち、所定の温度Ttになったと判定する。この判定に用いられる「所定の時間T11」は、SOC膜の種類によって異なり、例えば、図示しないキーボードやタッチパネル等の入力部を介したユーザ入力に基づいて予め設定され、記憶部101に記憶されている。なお、後述のステップS3bでの加熱時間とステップS4での加熱時間との合計時間T12は例えば30秒~120秒であり、また、ステップS3aでの加熱時間すなわち上記所定の時間T11は、例えば上記合計時間T12の0.5~1.5倍である。
そして、加熱処理が所定の進行度合いになった後は、ウェハWが下降される。
具体的には、昇降ピン61が下降され、ウェハWが熱板11の載置面11aに載置される。
次に、ウェハWが熱板11に載置された状態で加熱される(ステップS3b)。
具体的には、ウェハWが熱板11に載置された状態が維持されると共に、シャワーヘッド30から処理空間Sへの酸素含有ガスの供給が行われる。
ステップS3bの後、ステップS4の低酸素濃度雰囲気での加熱が行われる。
本例にかかるウェハ処理では、ウェハWは、第1の高さH11での加熱が行われた後、熱板11に載置される。そのため、加熱処理開始直後のウェハWの温度変化及び熱板11に載置された直後のウェハWの温度変化が比較的緩やかである。したがって、本例にかかるウェハ処理によれば、加熱処理の初期段階での急激な温度変化による欠陥原因物質P1の飛散を抑制することができる。よって、当該欠陥原因物質P1と酸素が反応することにより生じ得る、質量が大きい別の欠陥原因物質P3の発生も抑制することができる。
本例では、ステップS3a及びステップS3bの両方で、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気の両方をONにさせてもよい。
また、周縁排気部50による排気をウェハ処理中ONのまま維持させ、中央排気部40による排気を、ステップS3aの終了までOFFに維持し、ステップS3bでOFFからONに切り替えてもよい。これにより、加熱処理後においてウェハWの中央部で塗布膜が厚くなるのを抑制することができる。
中央排気部40による排気がOFFからONに切り替えられるタイミングは、具体的には、例えば、ステップS3aの加熱の開始直後(すなわちウェハWの熱板11への載置直後)である。また、上記タイミングは、ステップS3aの加熱が開始されてから(すなわちウェハWが熱板11に載置されてから)所定の時間T13経過後であってもよい。これは、塗布膜の種類や第1の高さH1での加熱時間等によっては、第1の高さH1での加熱のみでは、塗布膜の流動性を、中央排気部40による排気の影響を受けない程度に、十分に落とすことができない場合があるからである。なお、上記所定の時間T13は例えば2秒以上10秒以下である。
<ウェハ処理の例5>
前述のウェハ処理の例4では、熱板11に対するウェハWの高さが、熱板11から所定の距離離れる第1の高さH11とされた状態で、ステップS3の酸素含有ガスの雰囲気での加熱が開始され、当該加熱の途中でウェハWが熱板11に載置されていた。これに代えて、熱板11に対するウェハWの高さが第1の高さH11とされた状態で、ステップS3の酸素含有ガスの雰囲気での加熱工程全体が行われ、その後のステップS4の低酸素濃度雰囲気での加熱に含まれる、処理空間S内の酸素含有ガスを不活性ガスで置換する工程の際に、ウェハWが熱板11に載置されてもよい。本例にかかるウェハ処理によっても、加熱処理の初期段階での急激な温度変化による欠陥原因物質P1の飛散を抑制することができる。その結果、当該欠陥原因物質P1と酸素が反応することにより生じ得る、質量が大きい別の欠陥原因物質P3の発生も抑制することができる。
本例では、ステップS3及びステップS4の両方で、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気の両方をONにさせてもよい。
また、周縁排気部50による排気をステップS3からONのまま維持させ、中央排気部40による排気を、ステップS3でOFFに維持し、ステップS4でOFFからONに切り替えてもよい。これにより、加熱処理後においてウェハWの中央部で塗布膜が厚くなるのを抑制することができる。
なお、上述のウェハ処理の例4、5では、ウェハWが第1の高さH1で加熱された後、熱板11に載置された状態で加熱されていた。第1の高さH1で加熱された後の加熱の際の、熱板11に対するウェハWの高さは、熱板11に載置された状態となる高さに限られず、第1の高さH1より熱板11に近接する状態となる高さであればよい。
また、上述のウェハ処理の例1~3において、ウェハWは、熱板11に載置された状態で加熱されていた。これに代えて、ウェハWは、熱板11に載置された状態から離れた状態で、加熱されてもよい。
(ウェハ処理の例6)
図8は、本実施形態にかかるウェハ処理の他の例における、処理空間Sの排気形態を示す図である。
以上の例では、ステップS5の加熱処理を終了させる工程では、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気がONに維持されたまま、蓋部材4の上昇が行われ、処理空間Sが開放されていた。これに代えて、ステップS5の加熱処理を終了させる工程では、図8に示すように、中央排気部40による排気がONに維持されたまま、周縁排気部50による排気をOFFにさせ、その後、所定の時間T14経過してから、蓋部材4の上昇が行われ、処理空間Sが開放されてもよい。これにより、処理空間Sが開放されたときに、欠陥原因物質が、底部材3と蓋部材4との間の隙間から、処理容器2外に漏れ出すのを抑制することができる。
(ウェハ処理の例7)
図9は、本実施形態にかかるウェハ処理の他の例における、ステップS5の加熱処理を終了させる工程での処理空間Sの状態を示す図である。
上述のウェハ処理の例1等では、ステップS5の加熱処理を終了させる工程で、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気がONに維持されたまま、昇降ピン61の上昇すなわちウェハWの上昇と蓋部材4の上昇とが同時に行われ、ウェハWが受け渡し高さHdまで上昇すると共に、処理空間Sが開放されていた。これに代えて、ステップS6の加熱処理を終了させる工程では、まず、図9に示すように、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気がONに維持されたまま、昇降ピン61の上昇のみが行われ、熱板11に対するウェハWの高さが第2の高さH12とされ、処理空間Sが形成されたままとしてもよい。そして、その後、所定の時間T15経過してから、昇降ピン61の再上昇と蓋部材4の上昇が同時に行われ、ウェハWが受け渡し高さHdまで上昇すると共に、処理空間Sが開放されてもよい。
なお、第1の高さH11と第2の高さH12は同じであってもよいし、異なってもよい。
第2の高さH12は、例えば、第1の高さH11と同様、予め設定され、記憶部101に記憶されている。
また、第2の高さH12は、以下のように制御部100により予め算出され決定され、記憶部101に記憶されていてもよい。すなわち、制御部100により、処理対象のウェハWの反り量の検出結果が、図示しない外部の検出装置から取得され、上記検出結果に基づいて、第2の高さH12が予め算出され決定され、記憶部101に記憶されていてもよい。なお、上記外部の検出装置は、例えば、ウェハWを側方から撮像し撮像結果から当該ウェハWの反り量を検出する、公知の装置である。
例えば、以下のようにして、制御部100により、処理対象のウェハWの反り量の検出結果から第2の高さH12が算出され決定される。
すなわち、制御部100により、取得されたウェハWの反り量Wpと記憶部101に記憶されていた第2の高さH12のデフォルト値H12との和が算出され、その結果が実際の第2の高さH12(=Wp+H12)に決定される。これにより、蓋部材4の周縁部の下端に対するウェハWの周縁部の高さH13が、ウェハWの反り量によらず一定となる。
蓋部材4の周縁部の下端に対するウェハWの周縁部の高さH13が異なると、昇降ピン61の再上昇と蓋部材4の上昇が同時に行われ処理空間Sが開放される際に、蓋部材4の周縁部の下を通ってウェハWの表面に流れ込む気流も異なってくる。具体的には、昇降ピン61の再上昇と蓋部材4の上昇が同時に行われ処理空間Sが開放される際、上記高さH13が大きいと、ウェハWの表面に流れ込む気流が少なくなり、上記高さH13が小さいと、ウェハWの表面に流れ込む気流が多くなる。したがって、蓋部材4の周縁部の下端に対するウェハWの周縁部の高さH13をウェハWの反り量によらず一定にすることにより、上述の処理空間Sの開放の際にウェハWの表面に流れ込む気流も略一定となる。その結果、ウェハWの反り量が熱処理結果に与える影響を抑制することができる。
また、本例の場合、ステップS5の加熱処理を終了させる工程における処理空間Sの排気形態を、上述のウェハ処理の例6と同様にしてもよい。すなわち、ステップS5の加熱処理を終了させる工程で、中央排気部40による排気及び周縁排気部50による排気のうち、蓋部材4の上昇前に、周縁排気部50による排気のみOFFにさせ、その後所定の時間T14経過してから、蓋部材4の上昇が行われ、処理空間Sが開放されてもよい。
(変形例)
上述のウェハ処理の例4等では、加熱処理が所定の進行度合いになったか否かの判定すなわちウェハWの温度が所定の温度Ttになったか否かの判定が、図示しないキーボードやタッチパネル等の入力部を介したユーザ入力に基づいて予め設定された所定の時間T11に基づいて行われていた。
加熱処理が所定の進行度合いになったか否かの判定方法すなわちウェハWの温度が所定の温度Ttになったか否かの判定方法は、これに限られない。
例えば、図10に示すような関係Rを示すデータD1を予め記憶部101に記憶させておく。上記関係Rは、熱板11を現在の設定温度とし、当該熱板11に対するウェハWの高さを予め設定された第1の高さH11としてウェハWを加熱したときの、ウェハWの温度と加熱時間との関係である。また、上記所定の温度(すなわち、第1の高さH11での加熱による目標到達温度)Ttを、図示しないキーボードやタッチパネル等の入力部を介してユーザから受け付けておき、予め記憶部101に記憶させておく。そして、ウェハWの温度が所定の温度Ttになったか否かの判定が、記憶部101に記憶された上記データD1に基づいて、行われてもよい。具体的には、まず、制御部100により、記憶部101に記憶された上記データD1と所定の温度Ttとに基づいて、所定の温度Ttに到達するまでに要する時間T21が算出され決定されてもよい。そして、制御部100により、熱板11に対するウェハWの高さが第1の高さH11とされてから経過した時間が上記時間T21を超えたか否かの判定に基づき、ウェハWの温度が所定の温度Ttになったか否かの判定が行われてもよい。
ウェハWの温度が所定の温度Ttになったか否かの判定に用いる情報として決定した、所定の温度Ttに到達するまでに要する時間T21は、図示しない表示部(例えば液晶ディスプレイ)等の外部出力部を介して外部出力されてもよい。
また、熱板11に対するウェハWの高さを第1の高さH11としてウェハWを加熱したときのウェハWの温度と加熱時間との関係Rを、熱板11の設定温度毎且つ熱板11に対するウェハWの高さ毎に示すデータD2を、予め記憶部101に記憶させてもよい。そして、ウェハWの温度が所定の温度Ttになったか否かの判定が、記憶部101に記憶された上記データD2に基づいて、行われてもよい。
例えば、熱板11の温度、上記所定の温度Tt及び第1の高さH11の設定値を、図示しないキーボードやタッチパネル等の入力部を介してユーザから受け付けておき、予め記憶部101に記憶させておく。また、制御部100により、これらの情報と上記データD2とに基づいて、所定の温度Ttに到達するまでに要する時間T21が算出され決定される。そして、制御部100により、熱板11に対するウェハWの高さが第1の高さH1とされてから経過した時間が上記時間T21を超えたか否かの判定に基づき、ウェハWの温度が所定の温度Ttになったか否かの判定が行われる。
なお、熱板11に対するウェハWの高さを第1の高さH11としてウェハWを加熱したときのウェハWの温度と加熱時間との関係Rは、熱板11の温度及び熱板11に対するウェハWの高さだけでなく、蓋部材4(具体的にはシャワーヘッド30)の設定温度の影響を受ける。したがって、上記関係Rを、熱板11の温度毎、熱板11に対するウェハWの高さ毎且つ蓋部材4の温度毎に示すデータD3を、予め記憶部101に記憶させてもよい。そして、ウェハWの温度が所定の温度Ttになったか否かの判定が、記憶部101に記憶された上記データD3に基づいて、行われてもよい。
例えば、蓋部材4の温度、熱板11の温度、上記所定の温度Tt及び第1の高さH11の設定値を、図示しないキーボードやタッチパネル等の入力部を介してユーザから受け付けておき、予め記憶部101に記憶させておく。また、制御部100により、これらの情報と上記データD2とに基づいて、所定の温度Ttに到達するまでに要する時間T21が算出され決定される。そして、制御部100により、熱板11に対するウェハWの高さが第1の高さH1とされてから経過した時間が上記時間T21を超えたか否かの判定に基づき、ウェハWの温度が所定の温度Ttになったか否かの判定が行われる。
上記データD1を用いる例と同様、上記データD2または上記データD3を用いる例でも、ウェハWの温度が所定の温度Ttになったか否かの判定に用いる情報として決定した、所定の温度Ttに到達するまでに要する時間T21は、図示しない表示部(例えば液晶ディスプレイ)等の外部出力部を介して外部出力されてもよい。
また、上記データD2に基づいて、ウェハWの温度が所定の温度Ttになったか否かの判定に用いる情報の候補が決定されてもよい。
例えば、熱板11の温度及び上記所定の温度Ttの設定値と、所定の温度Ttに到達するまでに要する時間T21として許容される範囲とを、図示しないキーボードやタッチパネル等の入力部を介してユーザから受け付けておき、予め記憶部101に記憶させておく。また、制御部100により、これらの情報と上記データD2とに基づいて、上記時間T21と第1の高さH1との組み合わせの候補が決定される。決定された候補は、図示しない表示部(例えば液晶ディスプレイ)等の外部出力部を介して外部出力されてもよい。
同様に、上記データD3に基づいて、ウェハWの温度が所定の温度Ttになったか否かの判定に用いる情報の候補が決定されてもよい。
例えば、蓋部材4の温度、熱板11の温度及び上記所定の温度Ttの設定値と、所定の温度Ttに到達するまでに要する時間T21として許容される範囲とを、図示しないキーボードやタッチパネル等の入力部を介してユーザから受け付けておき、予め記憶部101に記憶させておく。また、制御部100により、これらの情報と上記データD2とに基づいて、上記時間T21と第1の高さH1との組み合わせの候補が決定される。決定された候補は、図示しない表示部(例えば液晶ディスプレイ)等の外部出力部を介して外部出力されてもよい。
また、上記データD2または上記データD3に基づいて決定された、上記時間T21と上記高さH1との組み合わせの候補が、以下のようにして処理対象のウェハWの反り量の検出結果に基づいて絞られるようにしてもよい。
すなわち、ウェハWの形状が側面視凸状(中央部が上方にと突出した形状)であり当該ウェハWの反り量が大きい場合、当該ウェハWの周縁部において熱板11との距離が近くなって加熱量が多くなり、その結果、膜厚の面内均一性が損なわれるおそれがある。そのため、例えばウェハWが側面視凸状に沿っておりその反り量が500μm以上の場合は、制御部100により、上記時間T21と第1の高さH1との組み合わせの候補が、第1の高さH1が3mm以上のもののみに絞られるようにしてもよい。
なお、処理対象のウェハWの反り量の検出結果は、例えば図示しない外部の検出装置から取得される。また、上記組み合わせ候補の絞り込みに必要な、ウェハWの反り量以外の情報は、例えば記憶部101に予め記憶されている。
なお、第1の高さH1が以下のようにして処理対象のウェハWの反り量の検出結果に基づいて調整されるようにしてもよい。すなわち、第1の高さH1の基本値を設定しておき、例えばウェハWが側面視凸状に沿っておりその反り量が500μm以上の場合は、第1の高さH1が基本値より大きい値が適用され、それ以外の場合は、第1の高さH1に基本値が適用されてもよい。
以上では、底部材3に対する蓋部材4の高さを、蓋部材4を昇降させることで調整していたが、蓋部材4を昇降させることで調整してもよい。
以上では、熱板11に対するウェハWの高さを、ウェハWを昇降させることで調整していたが、熱板11を昇降させることで調整してもよい。
以上では、塗布膜の例としてSOC膜を挙げたが、本開示にかかる技術は、酸素と架橋反応を示す材料を含む他の塗布膜(例えばレジスト膜の下層に形成される反射防止膜等)にも用いることができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲、後述の付記項及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。例えば、上記実施形態の構成要件は上記の効果を損なわない範囲で、任意に組み合わせることができる。また、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は、上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
[付記項1]
塗布膜が形成された基板を加熱する加熱処理装置であって、
基板を収容する処理空間を形成する処理容器と、
前記処理空間に収容された基板を加熱する加熱部と、
前記処理空間に不活性ガスを供給するガス供給部と、
前記処理空間を排気する排気部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
(A)前記塗布膜において酸素との反応による架橋反応が所定の進行度合いになるまで、前記処理空間への不活性ガスの供給を行わずに前記処理空間の排気を行い、酸素含有ガスの雰囲気で基板を加熱する工程と、
(B)前記(A)工程後、前記処理空間への不活性ガスの供給及び前記処理空間の排気を行い、前記(A)工程より酸素濃度が低い雰囲気で基板を加熱する工程と、を実行するよう、制御を行う、加熱処理装置。
[付記項2]
前記処理空間の容積を変更する変更部をさらに備え、
前記(B)工程は、
(C)前記処理空間の容積を前記(A)工程よりも小さくして当該処理空間内の酸素含有ガスを不活性ガスで置換する工程と
(D)不活性ガスの雰囲気で基板を加熱する工程と、を含む、付記項1に記載の加熱処理装置。
[付記項3]
前記処理空間の容積は、前記(C)工程時よりも前記(D)工程時が大きい、付記項2に記載の加熱処理装置。
[付記項4]
前記処理空間に供給される不活性ガスの流量は、前記(D)工程時よりも前記(C)工程時が大きい、付記項3に記載の加熱処理装置。
[付記項5]
前記処理容器は、
基板が載置される載置面と、前記加熱部と、を含む底部材と、
前記載置面に対向する天壁を含み、前記底部材との間で前記処理空間を形成する蓋部材と、を有し、
前記変更部は、前記底部材に対する前記蓋部材の高さを調整することで、前記処理空間の容積を変更する、付記項2に記載の加熱処理装置。
[付記項6]
前記処理容器は、
基板が載置される載置面と、前記加熱部と、を含む底部材と、
前記載置面に対向する天壁を含み、前記底部材との間で前記処理空間を形成する蓋部材と、を有し、
前記変更部は、前記底部材に対する前記蓋部材の高さを調整することで、前記処理空間の容積を変更する、付記項3または4に記載の加熱処理装置。
[付記項7]
前記制御部は、
前記底部材に対する前記蓋部材の高さを第1の高さにした状態で前記(A)工程を実行し、
前記底部材に対する前記蓋部材の高さを前記第1の高さから第2の高さまで低くして前記(C)工程を実行し、
前記底部材に対する前記蓋部材の高さを前記第2の高さから第3の高さまで高くして前記(D)工程を実行するよう、制御を行う、付記項6に記載の加熱処理装置。
[付記項8]
前記処理容器内に酸素含有ガスを供給する他のガス供給部をさらに有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の加熱処理装置。
[付記項9]
前記処理空間に収容された基板が載置される載置面と、前記加熱部と、を有する熱板と、
前記熱板に対する基板の高さを調整する調整機構と、をさらに備え、
前記制御部は、
(E)前記熱板に対する基板の高さを前記熱板から所定の距離離れる所定の高さとし基板の加熱処理を開始する工程と、
(F)前記加熱処理が前記所定の進行度合いになった際に、前記熱板に対する基板の高さを前記所定の高さより低くし、基板を前記熱板に載置した状態または近接した状態にする工程と、をさらに実行するよう、制御を行う、付記項1~8のいずれか1項に記載の加熱処理装置。
[付記項10]
前記制御部は、前記(A)工程の途中で前記(F)工程を実行するよう、制御を行う、付記項9に記載の加熱処理装置。
[付記項11]
前記制御部は、前記(B)工程に含まれる、前記処理空間内の酸素含有ガスを不活性ガスで置換する工程の際に、前記(F)工程を実行するよう、制御を行う、付記項9に記載の加熱処理装置。
[付記項12]
前記排気部は、
前記載置面の上方であって、前記載置面上の基板の中央寄りの位置に相当する位置から、前記処理空間を排気する中央排気部と、
前記載置面の上方であって、前記載置面上の前記基板の周縁部寄りの位置に相当する位置から、前記処理空間を排気する周縁排気部と、を有し、
前記制御部は、
前記中央排気部による排気を、前記(E)工程でOFFに維持し、前記(F)工程でOFFからONに切り替え、
前記周縁排気部による排気を、前記(E)工程からONのまま維持するよう、制御を行う、付記項9~11のいずれか1項に記載の加熱処理装置。
[付記項13]
前記処理容器は、
前記熱板を含む底部材と、
前記載置面に対向する天壁を含み、前記底部材との間で前記処理空間を形成する蓋部材と、を有し、
前記底部材に対する前記蓋部材の高さを調整する別の調整機構をさらに備え、
前記制御部は、
(G)前記加熱処理の終了時に、前記中央排気部による排気をONに維持したまま、前記周辺排気部による排気をOFFにし、その後、所定の時間経過してから、前記底部材に対する前記蓋部材の高さを高くし、前記処理空間を開放する工程をさらに実行するよう、制御を行う、付記項12に記載の加熱処理装置。
[付記項14]
塗布膜が形成された基板を加熱する加熱処理方法であって、
(a)前記塗布膜において酸素との反応による架橋反応が所定の進行度合いになるまで、基板が収容された処理空間への不活性ガスの供給を行わずに前記処理空間の排気を行い、酸素含有ガスの雰囲気で基板を加熱する工程と、
(b)前記(a)工程後、前記処理空間への不活性ガスの供給及び前記処理空間の排気を行い、前記(a)工程より酸素濃度が低い雰囲気で基板を加熱する工程と、を含む、加熱処理方法。
[付記項15]
塗布膜が形成された基板を加熱する加熱処理方法を、加熱処理装置によって実行させるように、当該加熱処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体であって、
前記加熱処理方法は、
(a)前記塗布膜において酸素との反応による架橋反応が所定の進行度合いになるまで、基板が収容された処理空間への不活性ガスの供給を行わずに前記処理空間の排気を行い、酸素含有ガスの雰囲気で基板を加熱する工程と、
(b)前記(a)工程後、前記処理空間への不活性ガスの供給及び前記処理空間の排気を行い、前記(a)工程より酸素濃度が低い雰囲気で基板を加熱する工程と、を含む、コンピュータ記憶媒体。
1 加熱処理装置
2 処理容器
13 ヒータ
30 シャワーヘッド
33 導入管
34 供給管
36 供給機器群
40 中央排気部
50 周縁排気部
100 制御部
S 処理空間
W ウェハ

Claims (15)

  1. 塗布膜が形成された基板を加熱する加熱処理装置であって、
    基板を収容する処理空間を形成する処理容器と、
    前記処理空間に収容された基板を加熱する加熱部と、
    前記処理空間に不活性ガスを供給するガス供給部と、
    前記処理空間を排気する排気部と、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    (A)前記塗布膜において酸素との反応による架橋反応が所定の進行度合いになるまで、前記処理空間への不活性ガスの供給を行わずに前記処理空間の排気を行い、酸素含有ガスの雰囲気で基板を加熱する工程と、
    (B)前記(A)工程後、前記処理空間への不活性ガスの供給及び前記処理空間の排気を行い、前記(A)工程より酸素濃度が低い雰囲気で基板を加熱する工程と、を実行するよう、制御を行う、加熱処理装置。
  2. 前記処理空間の容積を変更する変更部をさらに備え、
    前記(B)工程は、
    (C)前記処理空間の容積を前記(A)工程よりも小さくして当該処理空間内の酸素含有ガスを不活性ガスで置換する工程と
    (D)不活性ガスの雰囲気で基板を加熱する工程と、を含む、請求項1に記載の加熱処理装置。
  3. 前記処理空間の容積は、前記(C)工程時よりも前記(D)工程時が大きい、請求項2に記載の加熱処理装置。
  4. 前記処理空間に供給される不活性ガスの流量は、前記(D)工程時よりも前記(C)工程時が大きい、請求項3に記載の加熱処理装置。
  5. 前記処理容器は、
    基板が載置される載置面と、前記加熱部と、を含む底部材と、
    前記載置面に対向する天壁を含み、前記底部材との間で前記処理空間を形成する蓋部材と、を有し、
    前記変更部は、前記底部材に対する前記蓋部材の高さを調整することで、前記処理空間の容積を変更する、請求項2に記載の加熱処理装置。
  6. 前記処理容器は、
    基板が載置される載置面と、前記加熱部と、を含む底部材と、
    前記載置面に対向する天壁を含み、前記底部材との間で前記処理空間を形成する蓋部材と、を有し、
    前記変更部は、前記底部材に対する前記蓋部材の高さを調整することで、前記処理空間の容積を変更する、請求項3または4に記載の加熱処理装置。
  7. 前記制御部は、
    前記底部材に対する前記蓋部材の高さを第1の高さにした状態で前記(A)工程を実行し、
    前記底部材に対する前記蓋部材の高さを前記第1の高さから第2の高さまで低くして前記(C)工程を実行し、
    前記底部材に対する前記蓋部材の高さを前記第2の高さから第3の高さまで高くして前記(D)工程を実行するよう、制御を行う、請求項6に記載の加熱処理装置。
  8. 前記処理容器内に酸素含有ガスを供給する他のガス供給部をさらに有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の加熱処理装置。
  9. 前記処理空間に収容された基板が載置される載置面と、前記加熱部と、を有する熱板と、
    前記熱板に対する基板の高さを調整する調整機構と、をさらに備え、
    前記制御部は、
    (E)前記熱板に対する基板の高さを前記熱板から所定の距離離れる所定の高さとし基板の加熱処理を開始する工程と、
    (F)前記加熱処理が前記所定の進行度合いになった際に、前記熱板に対する基板の高さを前記所定の高さより低くし、基板を前記熱板に載置した状態または近接した状態にする工程と、をさらに実行するよう、制御を行う、請求項1に記載の加熱処理装置。
  10. 前記制御部は、前記(A)工程の途中で前記(F)工程を実行するよう、制御を行う、請求項9に記載の加熱処理装置。
  11. 前記制御部は、前記(B)工程に含まれる、前記処理空間内の酸素含有ガスを不活性ガスで置換する工程の際に、前記(F)工程を実行するよう、制御を行う、請求項9に記載の加熱処理装置。
  12. 前記排気部は、
    前記載置面の上方であって、前記載置面上の基板の中央寄りの位置に相当する位置から、前記処理空間を排気する中央排気部と、
    前記載置面の上方であって、前記載置面上の前記基板の周縁部寄りの位置に相当する位置から、前記処理空間を排気する周縁排気部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記中央排気部による排気を、前記(E)工程でOFFに維持し、前記(F)工程でOFFからONに切り替え、
    前記周縁排気部による排気を、前記(E)工程からONのまま維持するよう、制御を行う、請求項9~11のいずれか1項に記載の加熱処理装置。
  13. 前記処理容器は、
    前記熱板を含む底部材と、
    前記載置面に対向する天壁を含み、前記底部材との間で前記処理空間を形成する蓋部材と、を有し、
    前記底部材に対する前記蓋部材の高さを調整する別の調整機構をさらに備え、
    前記制御部は、
    (G)前記加熱処理の終了時に、前記中央排気部による排気をONに維持したまま、前記周縁排気部による排気をOFFにし、その後、所定の時間経過してから、前記底部材に対する前記蓋部材の高さを高くし、前記処理空間を開放する工程をさらに実行するよう、制御を行う、請求項12に記載の加熱処理装置。
  14. 塗布膜が形成された基板を加熱する加熱処理方法であって、
    (a)前記塗布膜において酸素との反応による架橋反応が所定の進行度合いになるまで、基板が収容された処理空間への不活性ガスの供給を行わずに前記処理空間の排気を行い、酸素含有ガスの雰囲気で基板を加熱する工程と、
    (b)前記(a)工程後、前記処理空間への不活性ガスの供給及び前記処理空間の排気を行い、前記(a)工程より酸素濃度が低い雰囲気で基板を加熱する工程と、を含む、加熱処理方法。
  15. 塗布膜が形成された基板を加熱する加熱処理方法を、加熱処理装置によって実行させるように、当該加熱処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体であって、
    前記加熱処理方法は、
    (a)前記塗布膜において酸素との反応による架橋反応が所定の進行度合いになるまで、基板が収容された処理空間への不活性ガスの供給を行わずに前記処理空間の排気を行い、酸素含有ガスの雰囲気で基板を加熱する工程と、
    (b)前記(a)工程後、前記処理空間への不活性ガスの供給及び前記処理空間の排気を行い、前記(a)工程より酸素濃度が低い雰囲気で基板を加熱する工程と、を含む、コンピュータ記憶媒体。
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