以下、発明を実施するための最良の形態を、図面に従って詳細に説明する。
[実施形態1]
以下に、図面を用いて実施形態1について説明する。
(情報処理システムの概略構成例)
図1は、実施形態1にかかる情報処理システム1の全体構成の概要を示す模式図である。実施形態1の情報処理システム1は、利用者が入力した内容に応じて応答を行うサービスを提供するシステムであって、例えばコンピュータ等の装置が利用者に対して自動応答を行うチャットボット等の疑似応答システムとして構成されている。
図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10、応答DB(データベース)サーバ20、翻訳サーバ30、及び履歴DBサーバ40を備える。情報処理装置10は、インターネット等のネットワークNWを介して、利用者が使用するユーザ端末50と接続されている。
ユーザ端末50は、デスクトップ型、ラップトップ型、またはノート型等のPC(Personal Computer)である。ユーザ端末50が、スマートフォン、タブレット、または携帯電話等の携帯端末であってもよい。利用者がユーザ端末50を介して問い合わせ等の文章を入力すると、ユーザ端末50は、その入力内容に関する入力情報を、ネットワークNWを介して情報処理装置10に送信する。
情報処理装置10は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えるコンピュータとして構成されている。情報処理装置10は、ユーザ端末50から入力情報を取得すると、その入力情報に応じた応答情報を応答DBサーバ20から取得して、ユーザ端末50へと出力する。
応答DBサーバ20は、複数の入力情報に応じた複数の応答情報が格納された応答情報DBを保持しており、情報処理装置10が取得した入力情報に対する応答情報を情報処理装置10へと出力する。
このとき、情報処理装置10は、利用者とのこれまでのセッションの内容が記録された履歴情報を履歴DBサーバ40から取得して、取得した入力情報に対してより適した応答情報を選択してもよい。ここで、セッションとは、例えば利用者に対する応答サービスの1回の提供内容を意味する。また、セッションの内容には、例えば利用者と情報処理装置10との間で交わされた少なくとも1回分の入力情報と応答情報とが含まれる。
履歴DBサーバ40は、利用者とのこれまでのセッションの内容が記録された履歴情報DBを保持しており、例えば情報処理装置10からの要求にしたがって、情報処理装置10に履歴情報を出力する。
また、ユーザ端末50から取得した入力情報で用いられる言語が、応答DBサーバ20の応答情報で用いられる言語と異なる場合には、情報処理装置10は、応答情報の少なくとも一部を入力情報の言語に翻訳した翻訳情報を翻訳サーバ30から取得して、ユーザ端末50へと出力する。
翻訳装置(翻訳部)としての翻訳サーバ30は、複数言語を相互に翻訳可能にプログラムされたコンピュータ等として構成されている。翻訳サーバ30には、複数言語の辞書データが格納されていてもよく、この場合、翻訳サーバ30は、この辞書データを参照して複数言語の相互翻訳を行ってもよい。
なお、図1の構成はあくまでも一例であって、情報処理システム1は図1に示す構成以外の構成を備えていてもよい。例えば、情報処理装置10には、1つだけでなく複数のユーザ端末50が接続され、情報処理システム1が複数の利用者に対して応答を行うサービスを提供可能であってもよい。また例えば、情報処理装置10に、情報処理システム1の管理者が使用する管理端末が接続されていてもよい。この場合、管理者は、管理端末を介して情報処理システム1の管理、保守、アップデート等を行うことが可能であってもよい。様々なサービスは、上記の各サーバ装置を含む複数の情報処理装置で提供されてもよいが、情報処理装置10に上述した翻訳装置を含むように構成してもよい。以下では、便宜上、情報処理装置10と各サーバ装置それぞれとが連携してサービスを提供する例で説明する。
(情報処理装置の構成例)
次に、図2及び図3を用いて、実施形態1の情報処理装置10の詳細について説明する。情報処理装置10は、例えばネットワーク等のオンラインシステムに接続されるコンピュータとして構成される。情報処理装置10が、ネットワーク上に置かれたクラウドサーバ等のサーバとして構成されていてもよい。
図2は、実施形態1にかかる情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置10は、CPU11、ROM12、RAM13、通信I/F(インターフェース)14、入出力I/F15、及び記憶装置16を備える。
CPU11は、情報処理装置10の全体を制御する。ROM12は、情報処理装置10における保存領域として機能する。ROM12に記憶された情報は、情報処理装置10の電源が切られても保持される。RAM13は、一次記憶装置として機能し、CPU11の作業領域となる。
CPU11が、例えばROM12に格納される応答サービス提供プログラム12pをRAM13に展開して実行することで、利用者に対して応答を行うサービスを提供する情報処理装置10としての機能が実現される。つまり、応答サービス提供プログラム12pは、コンピュータ等として構成される情報処理装置10に、以下に詳述する各種処理を行わせる。
なお、応答サービス提供プログラム12pは、フレキシブルディスク、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク(登録商標)、半導体メモリ等の、コンピュータで読み取り可能な各種の記録媒体に記録されて提供されることができる。
また、応答サービス提供プログラム12pを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、応答サービス提供プログラム12pをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
通信I/F14は、例えばインターネット等のネットワークに接続可能に構成される。通信I/F14により、情報処理装置10とユーザ端末50との間で各種情報の授受が可能となる。
入出力I/F15は、情報処理装置10と、応答DBサーバ20、翻訳サーバ30、及び履歴DBサーバ40との間での各種情報の授受を可能にする。
記憶装置16は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等であり、CPU11の補助記憶装置として機能する。
図3は、実施形態1にかかる情報処理装置10の機能構成の一例を他の構成との関係とともに示すブロック図である。図3に示すように、情報処理装置10は、入出力部101、応答管理部102、言語判定部103、引用抽出部104、翻訳管理部105、履歴管理部106、及び記憶部107を備える。
入出力部101は、応答を行うサービスを利用者に提供する応答サービス提供画面を、利用者が使用するユーザ端末50に表示させる。この応答サービス提供画面は、利用者と情報処理装置10とのユーザインターフェースとなる。また、入出力部101は、インターネット等のネットワークNWを介して、ユーザ端末50と情報処理装置10との間で、入力情報、応答情報、及び翻訳情報等の各種情報の授受を行う。また、入出力部101は、ユーザ端末50におけるブラウザ設定言語に関する言語情報をユーザ端末50から取得する。
このように、入出力部101は、利用者が入力した内容に関する入力情報、及びブラウザ設定言語に関する言語情報をユーザ端末50から取得する第1の取得部として機能する。また、入出力部101は、入力情報に応じた応答情報、または応答情報がユーザ端末50から取得した言語情報に基づく言語に翻訳された翻訳情報をユーザ端末50へと出力する出力部としても機能する。
入出力部101の上記機能は、例えば応答サービス提供プログラム12pを実行するCPU11の制御下で動作する通信I/F14により実現される。
応答管理部102は、ユーザ端末50から取得した入力情報を応答DBサーバ20へと出力する。ユーザ端末50におけるブラウザ設定言語が応答DBサーバ20における設定言語と異なる場合には、応答管理部102は、入力情報が応答DBサーバ20の設定言語に翻訳された翻訳情報を応答DBサーバ20へと出力する。また、応答管理部102は、入力情報、または入力情報を翻訳した翻訳情報に応じた応答情報を応答DBサーバ20から取得する。
このように、応答管理部102は、入力情報に対する応答情報を応答DBサーバ20から取得する第2の取得部として機能する。応答管理部102の上記機能は、例えば応答サービス提供プログラム12pを実行するCPU11の制御下で動作する入出力I/F15により実現される。
言語判定部103は、ユーザ端末50から取得した言語情報に基づいて、ユーザ端末50のブラウザ設定言語と、応答DBサーバ20の設定言語とが異なるか否かを判定する。応答DBサーバ20の設定言語に関する情報は、例えば予め記憶部107に格納されていてよい。言語判定部103の上記機能は、例えば応答サービス提供プログラム12pを実行するCPU11により実現される。
ここで、ユーザ端末50のブラウザ設定言語は、ユーザ端末50から取得した入力情報で用いられる言語と同一であると考えられる。このため、ユーザ端末50と応答DBサーバ20とにおける設定言語が異なっている場合には、ユーザ端末50から取得される入力情報の言語と、応答DBサーバ20から取得される応答情報で用いられる言語とは異なっていると言える。
言語判定部103が、入力情報の言語と応答情報の言語とが異なると判定した場合には、上述のように、入力情報は応答情報と同じ言語に翻訳されたうえで、応答DBサーバ20に出力される。また、上述のように、応答情報は入力情報と同じ言語に翻訳されたうえで、ユーザ端末50に出力される。
引用抽出部104は、入力情報の言語と応答情報の言語とが異なる場合であって、入力情報に引用部分が含まれる場合には、入力情報から引用部分を抽出する。また、引用抽出部104は、入力情報の言語と応答情報の言語とが異なる場合であって、応答情報に引用部分が含まれる場合には、応答情報から引用部分を抽出する。引用抽出部104の上記機能は、例えば応答サービス提供プログラム12pを実行するCPU11により実現される。
ここで、入力情報または応答情報に含まれる引用部分とは、例えば入力情報または応答情報が表す文章中、引用符が付された部分である。入力情報または応答情報のいずれに含まれる場合であっても、引用部分には、例えば応答情報の言語が用いられている。引用符とは他の文章または語句を引用していることを示す記号であり、例えば丸括弧、角括弧、波括弧、鍵括弧、二重鍵括弧、墨付き括弧、山括弧、クォーテーションマーク、ダブルクォーテーションマーク等の少なくともいずれかであってよい。
なお、引用抽出部104が、入力情報または応答情報に含まれる引用部分を判別する手法として、引用符以外の記号、その他の書式を目印としてもよい。
翻訳管理部105は、入力情報の言語と応答情報の言語とが異なると言語判定部103が判定すると、入力情報および言語情報を翻訳サーバ30に出力する。翻訳サーバ30は、ユーザ端末50から取得した言語情報に基づいて、入力情報を応答情報と同じ言語に翻訳する。このとき、入力情報に引用部分が含まれていた場合には、翻訳管理部105は、入力情報のうち、引用抽出部104により抽出された引用部分を除く部分を翻訳サーバ30に出力して翻訳させる。翻訳管理部105は、翻訳サーバ30から入力情報の少なくとも一部が応答情報と同じ言語に翻訳された翻訳情報を取得する。
上述の応答管理部102は、入力情報の少なくとも一部が翻訳された翻訳情報を応答DBサーバ20に出力する。入力情報に引用部分が含まれていた場合には、応答管理部102は、未翻訳の引用部分を翻訳情報に挿入して応答DBサーバ20に出力する。つまり、この場合、例えば翻訳情報と同じ言語を用いた引用部分が挿入された翻訳情報が、応答DBサーバ20に出力されることとなる。
また、翻訳管理部105は、入力情報の言語と応答情報の言語とが異なると言語判定部103が判定すると、応答情報およびユーザ端末50の言語情報を翻訳サーバ30に出力する。翻訳サーバ30は、ユーザ端末50から取得した言語情報に基づいて、応答情報を入力情報と同じ言語に翻訳する。このとき、応答情報に引用部分が含まれていた場合には、翻訳管理部105は、応答情報のうち、引用抽出部104により抽出された引用部分を除く部分を翻訳サーバ30に出力して翻訳させる。翻訳管理部105は、翻訳サーバ30から応答情報の少なくとも一部が入力情報と同じ言語に翻訳された翻訳情報を取得する。
上述の入出力部101は、応答情報の少なくとも一部が翻訳された翻訳情報をユーザ端末50に出力する。応答情報に引用部分が含まれていた場合には、上述の応答管理部102が未翻訳の引用部分を翻訳情報に挿入し、入出力部101は引用部分が挿入された翻訳情報をユーザ端末50に出力する。つまり、この場合、翻訳情報には、翻訳情報とは異なる言語を用いた引用部分が挿入されて、ユーザ端末50に出力されることとなる。
このように、翻訳管理部105は、入力情報の少なくとも一部および応答情報の少なくとも一部が翻訳された翻訳情報を翻訳サーバ30から取得する第3の取得部として機能する。翻訳管理部105の上記機能は、例えば応答サービス提供プログラム12pを実行するCPU11の制御下で動作する入出力I/F15により実現される。
履歴管理部106は、利用者と情報処理装置10との間で少なくとも1回の入力情報と応答情報とのやり取りが行われると、その内容に基づき履歴情報を生成し、履歴DBサーバ40へと出力して保管させる。履歴情報の生成、及び履歴DBサーバ40への出力のタイミングは、例えば利用者との1回のセッションが終了したタイミングであってよい。また、履歴管理部106は、例えば応答管理部102等からの要求にしたがって、履歴DBサーバ40に保管されている履歴情報を取得する。
上述の応答管理部102は、例えば履歴DBサーバ40から読み出された履歴情報を参照して、複数の応答情報の中からより適切な応答情報を選択してもよい。応答管理部102は、適切な応答情報として、例えば利用者とのこれまでのセッションの中で使用実績のある応答情報、使用頻度の高い応答情報等を選択してもよい。
履歴管理部106の上記機能は、例えば応答サービス提供プログラム12pを実行するCPU11の制御下で動作する入出力I/F15により実現される。
記憶部107には、情報処理装置10の動作に必要な各種パラメータ、応答サービス提供プログラム12p等の制御プログラム、及び応答DBサーバ20の設定言語に関する情報等が格納されている。記憶部107は、例えば応答サービス提供プログラム12pを実行するCPU11の制御下で動作するROM12、RAM13、及び記憶装置16により実現される。
(各種データベースの構成例)
次に、図4及び図5を用いて、応答情報DB201及び履歴情報DB401の構成例について説明する。
図4は、実施形態1にかかる応答DBサーバ20に格納される応答情報DB201の構成の一例を示す模式図である。
図4に示すように、応答情報DB201は、想定される複数の入力情報と、それらの入力情報のそれぞれに応じた複数の応答情報とを記憶する。これらの入力情報と応答情報とは、例えばカテゴリID等によってカテゴリごとに分類されていてもよい。入力情報と応答情報とは、1:1で対応していてもよく、1:多で対応していてもよい。つまり、1つの入力情報に対して複数の応答情報が対応付けられていてよい。
また、利用者からの入力情報は、通常、問い合わせ、質問等であることが想定され、また、それに応じた応答情報はそれらの入力情報に対する回答であることが想定される。したがって、応答情報DB201は、例えばFAQ(Frequently Asked Questions)をまとめたFAQ集であってよい。
図5は、実施形態1にかかる履歴DBサーバ40に格納される履歴情報DB401の構成の一例を示す模式図である。
図5に示すように、履歴情報DB401は、これまでに利用者と情報処理システム1との間で行われたセッション内容を履歴情報として記憶する。履歴情報は、例えば履歴ID等によって1回のセッションごとに分類されている。
(情報処理システムの機能例)
次に、図6~図9を用いて、実施形態1の情報処理システム1の詳細機能について説明する。
図6は、実施形態1にかかる情報処理システム1がユーザ端末50に提供する応答サービス提供画面の一例を示す模式図である。図6においては、ユーザ端末50で用いられる言語が英語であり、応答DBサーバ20の設定言語が日本語であるものとする。
図6に示すように、利用者が、ユーザ端末50上で応答サービスの提供開始を指示すると、ユーザ端末50には、情報処理装置10の入出力部101によって応答サービス提供画面が表示される。
応答サービス提供画面には、例えば利用者を表すユーザアイコンと、自動応答を行うチャットボットを表すボットアイコンとが表示される。また、利用者が、応答サービス提供画面から質問等を入力すると、その入力内容が例えばユーザアイコンに添えられた吹き出しの中に表示される。情報処理システム1による応答内容は、例えばボットアイコンに添えられた吹き出しの中に表示される。
上記において、利用者は、ユーザ端末50における使用言語である英語で質問等を入力し、その入力内容はそのまま英語でユーザ端末50に表示される。情報処理システム1による応答内容もまた、応答DBサーバ20の設定言語である日本語から翻訳され、ユーザ端末50に英語で表示される。
このように、応答サービス提供画面では、利用者が、自身が入力した質問等の入力内容、及び情報処理システム1による応答内容等が視覚的および直感的に把握しやすいように、セッションの進行に伴って適宜表示される。ただし、図6に示す応答サービス提供画面は一例であって、応答サービス提供画面の表示内容、配置、その他の構成は図6の例に限られない。
図7は、実施形態1にかかる情報処理システム1において、図6の応答に際して行われる処理を説明する模式図である。
図7に示すように、ユーザ端末50から入力された入力情報INIは、情報処理装置10から翻訳サーバ30へと出力される。翻訳サーバ30は、英語の入力情報INIを日本語に翻訳し、入力情報INIが翻訳された翻訳情報TRIは、情報処理装置10によって応答DBサーバ20へと出力される。
応答DBサーバ20は、入力情報INIに応じた応答情報REIを出力し、情報処理装置10を介して翻訳サーバ30へと出力される。翻訳サーバ30は日本語の応答情報TRIを英語に翻訳し、情報処理装置10は、応答情報TRIが翻訳された翻訳情報TRRをユーザ端末50へと出力する。
情報処理システム1による以上の処理により、利用者と情報処理システム1との間で図6の疑似応答が行われる。
図8は、実施形態1にかかる情報処理システム1がユーザ端末50に提供する応答サービス提供画面の他の例を示す模式図である。図8においても、ユーザ端末50で用いられる言語が英語であり、応答DBサーバ20の設定言語が日本語であるものとする。
図8の例では、ATMの使用方法を問う利用者に対して、情報処理システム1は、引用符が付された日本語を含む英語の応答情報を返している。このように、所定の内容に引用符を付すことで、全文が日本語で表記された応答情報を英語に翻訳する際に、一部を日本語のまま残すことができる。
図9は、実施形態1にかかる情報処理システム1において、図8の応答に際して行われる処理を説明する模式図である。
図9に示すように、ユーザ端末50から入力された入力情報INIは、情報処理装置10から翻訳サーバ30へと出力される。翻訳サーバ30は、英語の入力情報INIを日本語に翻訳し、入力情報INIが翻訳された翻訳情報TRIは、情報処理装置10によって応答DBサーバ20へと出力される。
応答DBサーバ20は、入力情報INIに応じた応答情報として、引用符が付された語句「決定」を含む日本語の応答情報REIrを情報処理装置10へと出力する。情報処理装置10は、応答情報REIrに含まれる文章のうち、引用部分を除いた部分REIeを翻訳サーバ30へと出力し、英語に翻訳された翻訳情報TRReを取得する。情報処理装置10は、日本語のままの引用部分を英語に翻訳済みの翻訳情報TRReに挿入し、引用部分を含む翻訳情報TRRrをユーザ端末50へと出力する。
図9の例に示すように、引用符が付された文言の前後は例えば2つの文章に分割されて翻訳される。このため、情報処理装置10は、応答情報から引用部分を除いて一旦、別の文節に置いたうえで、翻訳サーバ30に翻訳をさせ、翻訳後の文章に引用部分を挿入する。
上記のように、利用者が、例えば日本語表記のATMの操作方法を問うている場合に、決定ボタンに付された「決定」の文字をそのまま応答情報に含めることで、利用者は、文字の形を見ながら、ATMのどのボタンを押下すればよいかを判断することができる。また、利用者が、日本語入力が可能な環境下にあるときは、利用者側からも日本語のまま情報処理システム1に伝達したい文言等を、引用符を付したうえで、日本語で入力して当該機能を利用することも可能である。
入力情報または応答情報を問わず、引用部分として未翻訳で伝達される内容としては、例えば上記のように日本語表記自体を相手に伝達したい場合、または、カタカナ英語、和製英語、日本語を含む製品名、日本の地名、人名、その他の名称等を相手に伝達したい場合等が想定される。
情報処理システム1による以上の処理により、利用者と情報処理システム1との間で図8の疑似応答が行われる。
(情報処理システムの処理例)
次に、図10~図12を用いて、実施形態1の情報処理システム1による応答サービス提供処理の例について説明する。図10は、実施形態1にかかる情報処理システム1による応答サービス提供処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
図10に示すように、情報処理装置10の入出力部101は、ユーザ端末50から応答サービス要求を取得すると(ステップS11)、応答サービス提供画面をユーザ端末50に表示させる(ステップS12)。また、入出力部101は、ブラウザ設定言語要求をユーザ端末50に出力し(ステップS13)、ユーザ端末50からブラウザ設定言語に関する言語情報を取得する(ステップS14)。
情報処理装置10の言語判定部103は、ユーザ端末50から取得した言語情報に基づいて、ユーザ端末50で用いられる言語と、応答DBサーバ20で用いられる言語とが異なるか否かを判定する(ステップS15)。これらの言語が異なる場合、情報処理装置10の翻訳管理部105は、翻訳機能を有効にして、入力情報および応答情報を翻訳サーバ30に出力可能な状態とする。これにより、応答サービスを提供する環境の準備が完了する。
情報処理装置10の入出力部101が、利用者が入力した入力情報をユーザ端末50から取得すると(ステップS16)、情報処理装置10の引用抽出部104は、引用符が付された引用部分が入力情報に含まれるか否かを検出し、引用部分が含まれる場合には、その引用部分を抽出する(ステップS17)。また、情報処理装置10の翻訳管理部105は、入力情報の全文、または引用部分を除く部分を翻訳サーバ30に翻訳させる(ステップS18)。
また、情報処理装置10の応答管理部102は、応答情報DB201を検索して(ステップS19)、入力情報に応じた応答情報を検索結果として取得する(ステップS20)。
情報処理装置10の引用抽出部104は、応答DBサーバ20から取得した応答情報に、引用符が付された引用部分が含まれるか否かを検出し、引用部分が含まれる場合には、その引用部分を抽出する(ステップS21)。また、情報処理装置10の翻訳管理部105は、応答情報の全文、または引用部分を除く部分を翻訳サーバ30に翻訳させる(ステップS22)。情報処理装置10の応答管理部102は、未翻訳の引用部分がある場合にはそれを挿入し、情報処理装置10の入出力部101が応答情報をユーザ端末50へと出力する(ステップS23)。
以上により、実施形態1の情報処理システム1による応答サービス提供処理が終了する。
図11及び図12は、実施形態1にかかる情報処理装置10における応答サービス提供処理の手順の一例を示すフロー図である。
図11に示すように、利用者がユーザ端末50上で応答サービスのアプリケーションを起動するなどすると、情報処理装置10の入出力部101は、ユーザ端末50から応答サービス要求を取得する(ステップS101)。
応答サービス要求を受けて、入出力部101は、ユーザ端末50のブラウザ設定言語の問い合わせを行う言語情報要求をユーザ端末50に出力する(ステップS102)。これにより、入出力部101は、ユーザ端末50から言語情報を取得する(ステップS103)。
言語判定部103は、ユーザ端末50から取得した言語情報に基づいて、ユーザ端末50のブラウザ設定言語と、情報処理システム1の応答DBサーバ20における設定言語とが異なるか否かを判定する(ステップS104)。
言語判定部103が、これらの設定言語が異なると判定すると(ステップS104:Yes)、情報処理装置10においてステップS105以降の処理が進められる。言語判定部103が、これらの設定言語が同一であると判定すると(ステップS104:No)、情報処理装置10においてステップS205以降の処理が進められる。
ユーザ端末50と応答DBサーバ20とにおける設定言語が異なる場合(ステップS104:Yes)、入出力部101がユーザ端末50から入力情報を取得すると(ステップS105)、引用抽出部104は、入力情報に引用部分が含まれるか否かを判定する(ステップS106)。
入力情報に引用部分が含まれる場合(ステップS106:Yes)、引用抽出部104は入力情報から引用部分を抽出する(ステップS107)。翻訳管理部105は、ユーザ端末50から取得した言語情報を付して、入力情報のうち引用部分を除く部分を翻訳サーバ30へと出力する(ステップS108)。
応答管理部102は、言語情報に基づく言語から応答DBサーバ20の言語で、入力情報の一部を翻訳サーバ30が翻訳した翻訳情報を取得する(ステップS109)。また、応答管理部102は、未翻訳の引用部分を翻訳情報に挿入する(ステップS112)。これにより、入力情報の全文が応答DBサーバ20の言語で表記された状態となる。
入力情報に引用部分が含まれない場合(ステップS106:No)、翻訳管理部105は、ユーザ端末50から取得した言語情報を付して、入力情報に含まれる文章全文を翻訳サーバ30へと出力する(ステップS110)。応答管理部102は、言語情報に基づく言語から応答DBサーバ20の言語で、入力情報の全文を翻訳サーバ30が翻訳した翻訳情報を取得する(ステップS111)。
応答管理部102は、翻訳サーバ30から取得した翻訳情報、または未翻訳の引用部分を含む翻訳情報を応答DBサーバ20へと出力する(ステップS113)。また、応答管理部102は、応答DBサーバ20の応答情報DB201の中から、入力情報に応じて検索された応答情報を、応答DBサーバ20から取得する(ステップS114)。この時点で、取得された応答情報は応答DBサーバ20の言語で表記されている。
一方、言語判定部103が、ユーザ端末50と応答DBサーバ20とにおける設定言語が同一であると判定すると(ステップS104:No)、上述のように、情報処理装置10はステップS205以降の処理へと進み、引用部分の抽出処理、及び入力情報の翻訳処理は行われない。
すなわち、これらの設定言語が同一である場合(ステップS104:No)、入出力部101がユーザ端末50から入力情報を取得すると(ステップS205)、応答管理部102は、取得した入力情報を応答DBサーバ20へと出力する(ステップS213)。また、応答管理部102は、応答DBサーバ20の応答情報DB201の中から、その入力情報に応じて検索された応答情報を、応答DBサーバ20から取得する(ステップS214)。
図12に示すように、ユーザ端末50と応答DBサーバ20とで設定言語が異なる場合において、応答管理部102が応答DBサーバ20の設定言語で表記された応答情報を取得した後(ステップS114)、引用抽出部104は、応答情報に引用部分が含まれるか否かを判定する(ステップS115)。
応答情報に引用部分が含まれる場合(ステップS115:Yes)、引用抽出部104は応答情報から引用部分を抽出する(ステップS116)。翻訳管理部105は、ユーザ端末50から取得した言語情報を付して、応答情報のうち引用部分を除く部分を翻訳サーバ30へと出力する(ステップS117)。
応答管理部102は、翻訳サーバ30が言語情報に基づく言語で応答情報の一部を翻訳した翻訳情報を取得する(ステップS118)。また、応答管理部102は、未翻訳の引用部分を翻訳情報に挿入する(ステップS121)。これにより、応答情報は、引用部分に応答DBサーバ20の言語を含み、引用部分を除く部分がユーザ端末50の言語で表記された状態となる。
応答情報に引用部分が含まれない場合(ステップS115:No)、翻訳管理部105は、ユーザ端末50から取得した言語情報を付して、応答情報に含まれる文章全文を翻訳サーバ30へと出力する(ステップS119)。応答管理部102は、翻訳サーバ30が応答DBサーバ20の言語から言語情報に基づく言語で応答情報の全文を翻訳した翻訳情報を取得する(ステップS120)。
入出力部101は、応答管理部102が、翻訳サーバ30から取得した翻訳情報、または未翻訳の引用部分を挿入した翻訳情報を、ユーザ端末50に出力する(ステップS122)。
一方、ユーザ端末50と応答DBサーバ20とで設定言語が同一であった場合においては、応答管理部102が応答DBサーバ20の設定言語で表記された応答情報を取得した後(ステップS214)、入出力部101は、その応答情報をユーザ端末50に出力する(ステップS222)。
応答サービスが継続している間(ステップS123:Yes)、ユーザ端末50と応答DBサーバ20とにおける設定言語が異なる場合には(ステップS123→A)、情報処理装置10はステップS105以降の処理を繰り返す。
応答サービスが継続している間(ステップS123:Yes)、ユーザ端末50と応答DBサーバ20とにおける設定言語が同一である場合には(ステップS123→B)、情報処理装置10はステップS205以降の処理を繰り返す。
その後、利用者がユーザ端末50上で応答サービスのアプリケーションを閉じるなどして応答サービスが終了すると(ステップS123:No)、情報処理装置10は処理を終了させる。
以上により、実施形態1の情報処理装置10における応答サービス提供処理が終了する。
(概括)
所定のサーバに格納されたFAQ集等を参照して、利用者からの質問に自動で応答するチャットボットシステム等が知られている。このようなシステムにおいては、FAQ集等における設定言語が理解できる利用者以外は、サービスの提供を受けることが困難であり、サービス提供の柔軟性が低いという課題がある。一方で、例えばオンライン翻訳ソフト等のように、単純に全ての応答を翻訳してしまうと、却って応答の内容が伝わり難くなる場面も想定される。例えば、日本語表記がなされたボタンの案内を英語で行うような場合である。
実施形態1の情報処理装置10によれば、入力情報で用いられる言語と応答情報で用いられる言語とが異なる場合に、応答情報の少なくとも一部が入力情報の言語に翻訳された翻訳情報を翻訳サーバ30から取得する。これにより、利用者が用いる言語と、コンピュータ等の装置が用いる言語とが異なる場合でもサービスの提供が可能となって、サービス提供の柔軟性を高めることができる。
実施形態1の情報処理装置10によれば、入力情報と応答情報との言語が異なる場合であって、応答情報が引用部分を含む場合には、応答情報の引用部分を除く部分が入力情報の言語に翻訳された翻訳情報を翻訳サーバ30から取得する。このように、翻訳を行わない引用部分を設定可能であることで、単純に全ての応答を翻訳してしまう場合よりも、応答の内容を伝達しやすくすることができる。
実施形態1の情報処理装置10によれば、入力情報と応答情報との言語が異なる場合であって、応答情報が引用部分を含む場合には、応答情報の言語を用いた引用部分が挿入された入力情報の言語による翻訳情報をユーザ端末50に出力する。このように、ユーザ端末50に出力する応答に複数言語を混在させることができ、応答の態様のバリエーションを増やすことができ、サービスの利便性を向上させることができる。
実施形態1の情報処理装置10によれば、ユーザ端末50のブラウザ設定言語を入力情報で用いられる言語と判定する。これにより、ユーザ端末50と応答DBサーバ20とにおける設定言語を容易に比較することができ、これらが異なるか否かの判定を簡便に行うことができる。
[実施形態2]
以下に、図面を用いて実施形態2について説明する。実施形態2においては、コンピュータ等の装置に替えてオペレータが利用者への応答を行う点が、上述の実施形態1の情報処理システム1とは異なる。
(情報処理システムの概略構成例)
図13は、実施形態2にかかる情報処理システム2の全体構成の概要を示す模式図である。図13においては、上述の実施形態1と同様の構成に同様の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態2の情報処理システム2は、利用者が入力した内容に応じて応答を行うサービスを提供するシステムであって、例えばオペレータが利用者に対して応答を行う応答システムとして構成されている。
図13に示すように、情報処理システム2は、上述の実施形態1の情報処理装置10及び応答DBサーバ20に替えて、情報処理装置210及びオペレータ端末220を備える。情報処理装置210は、上述の実施形態1の情報処理装置10と同様、インターネット等のネットワークNWを介してユーザ端末50と接続されている。また、情報処理装置210は、応答サービス提供者側に属するオペレータが使用するオペレータ端末220と、インターネット等のネットワークNWを介して接続されている。
ただし、情報処理装置210とオペレータ端末220とは、応答サービス提供者が保有するイントラネット等のネットワークを介して接続されていてもよい。
オペレータ端末220は、デスクトップ型、ラップトップ型、またはノート型等のPCである。オペレータ端末220が、スマートフォン、タブレット、または携帯電話等の携帯端末であってもよい。オペレータがオペレータ端末220を介して利用者の質問に対する回答等の文章を入力すると、オペレータ端末220は、オペレータが入力した応答情報を、ネットワークNWを介して情報処理装置210に送信する。
情報処理装置210は、上述の実施形態1の情報処理装置10と同様、例えばCPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータとして構成され、ユーザ端末50から取得した入力情報をオペレータ端末220へと出力し、また、オペレータ端末220から取得した応答情報をユーザ端末50へと出力する。
ユーザ端末50とオペレータ端末220とにおける設定言語が異なる場合には、情報処理装置210は、入力情報の少なくとも一部を応答情報の言語に翻訳した翻訳情報を翻訳サーバ30から取得して、オペレータ端末220へと出力する。また、情報処理装置210は、応答情報の少なくとも一部を入力情報の言語に翻訳した翻訳情報を翻訳サーバ30から取得して、ユーザ端末50へと出力する。
なお、情報処理装置210には、1つだけでなく複数のユーザ端末50が接続されていてもよく、また、1つだけでなく複数のオペレータ端末220が接続されていてもよい。また例えば、情報処理装置210は、コンピュータ等の装置が自動応答を行うチャットボットとしての機能を備えていてもよく、この場合、利用者が要望した場合に、コンピュータ等の装置に替えてオペレータが利用者への応答を行うように構成されていてもよい。
また例えば、情報処理装置210に、情報処理システム2の管理者が使用する管理端末が接続されていてもよい。あるいは、上述のオペレータ端末220が管理端末としての機能を兼ねていてもよく、この場合、管理者が、オペレータ端末220を介して情報処理システム2の管理、保守、アップデート等を行うことが可能であってもよい。
(情報処理装置の構成例)
次に、図14を用いて、実施形態2の情報処理装置210の詳細について説明する。情報処理装置210は、例えばネットワーク等のオンラインシステムに接続されるコンピュータ、または、ネットワーク上に置かれたサーバ等として構成されている。
図14は、実施形態2にかかる情報処理装置210の機能構成の一例を他の構成との関係とともに示すブロック図である。図14においても、上述の実施形態1と同様の構成に同様の符号を付し、その説明を省略する。
図14に示すように、情報処理装置210は、上述の実施形態1の応答管理部102に替えて、応答管理部213を備える。また、情報処理装置210は、上述の実施形態1の構成に加えて、オペレータ端末入出力部212を備える。
オペレータ端末入出力部212は、オペレータが使用するオペレータ端末220に応答サービス提供画面を表示させる。この応答サービス提供画面は、オペレータと情報処理装置210とのユーザインターフェースとなる。
また、オペレータ端末入出力部212は、入出力部101がユーザ端末50から応答サービスの開始要求を取得すると、そのユーザ端末50を使用している利用者との間でこれまでに行われたセッションの内容が記録された履歴情報を、履歴管理部106によって履歴DBサーバ40から取得させる。オペレータ端末入出力部212は、取得した履歴情報をオペレータ端末220へと出力する。
また、オペレータ端末入出力部212は、ユーザ端末50から取得した入力情報をオペレータ端末220へと出力する。ユーザ端末50におけるブラウザ設定言語がオペレータ端末220におけるブラウザ設定言語と異なる場合には、オペレータ端末入出力部212は、入力情報がオペレータ端末220の設定言語に翻訳された翻訳情報をオペレータ端末220へと出力する。また、オペレータ端末入出力部212は、入力情報、または入力情報を翻訳した翻訳情報に応じた応答情報をオペレータ端末220から取得する。
このように、オペレータ端末入出力部212は、利用者が入力した内容の情報をオペレータ端末220に提示する提示部として機能する。また、オペレータ端末入出力部212は、入力情報に対する応答情報をオペレータ端末220から取得する第2の取得部としても機能する。
上記のような、オペレータ端末入出力部212の提示部としての機能、及び第2の取得部としての機能は、例えば情報処理装置210のCPUの制御下で動作する上述の通信I/F(図2参照)により実現される。
ここで、オペレータ端末220の設定言語もまた、例えばオペレータ端末220のブラウザ設定言語であってよく、オペレータ端末入出力部212によりオペレータ端末220から取得されてよい。または、オペレータ端末220の設定言語に関する情報は、例えば予め記憶部107に格納されていてもよい。
ユーザ端末50とオペレータ端末220とにおける設定言語が異なる場合において、応答管理部213は、入力情報に引用部分が含まれていた場合には、オペレータ端末入出力部212が入力情報をオペレータ端末220に出力するのに際し、未翻訳の引用部分を入力情報の一部が翻訳された翻訳情報に挿入する。また、応答管理部213は、応答情報に引用部分が含まれていた場合には、入出力部101がユーザ端末50に応答情報を出力するのに際し、未翻訳の引用部分を応答情報の一部が翻訳された翻訳情報に挿入する。
このように、応答管理部213は、上述の実施形態1の応答管理部102の第2の取得部としての機能を除く機能を備える。
また、応答管理部213は、ユーザ端末50とオペレータ端末220とにおける設定言語が異なる場合において、オペレータ端末220の設定言語で入力情報を翻訳した翻訳情報に、ユーザ端末50の設定言語で表記された未翻訳の入力情報を付して、オペレータ端末入出力部212によってオペレータ端末220に出力させる。
応答管理部213の上記機能は、例えば情報処理装置210のCPUにより実現される。
(情報処理システムの機能例)
次に、図15~図19を用いて、実施形態2の情報処理システム2の詳細機能について説明する。
図15は、実施形態2にかかる情報処理システム2がオペレータ端末220に提供する応答サービス提供画面の一例を示す模式図である。図15においては、ユーザ端末50の設定言語が英語であり、オペレータ端末220の設定言語が日本語であるものとする。
図15に示すように、利用者が、ユーザ端末50上で応答サービスの提供開始を指示すると、情報処理装置210のオペレータ端末入出力部212によって、オペレータ端末220に応答サービス提供画面が表示される。
オペレータ端末220において、応答サービス提供画面には、例えば上述の実施形態1のユーザ端末50における応答サービス提供画面に相当する画面とともに、利用者との間で行われたセッションの履歴が示された履歴画面が含まれる。
また、オペレータ端末220の応答サービス提供画面には、例えば利用者を表すユーザアイコンと、オペレータを表すオペレータアイコンとが表示される。利用者が入力した内容は、例えばユーザアイコンに添えられた吹き出しの中に表示される。オペレータによる応答内容は、例えばオペレータアイコンに添えられた吹き出しの中に表示される。例えば情報処理システム2から、チャットが開始されたことの通知が表示されると、利用者とオペレータとの間でのセッションが可能となる。
上記において、利用者は、ユーザ端末50における使用言語である英語で質問等を入力し、オペレータ端末220の応答サービス提供画面上には、例えばその入力内容を翻訳した日本語表記と、利用者が入力したままの英語表記とが並べて表示される。オペレータによる応答内容は、オペレータが入力したままの日本語表記で表示される。これらの表示の態様は、現在のセッションの内容が表示される画面、及び履歴画面の両方に適用されうる。
利用者による入力内容が、利用者が入力したままの英語表記によっても表示されることで、利用者の意図がオペレータに伝わりやすくなる。また、翻訳が不正確であった場合であっても、オペレータが翻訳前後の英語表記と日本語表記とを共に勘案することができ、利用者とオペレータとの間でのやり取りに齟齬が生じることが抑制される。
また、現在のセッションの内容が表示される画面とともに履歴画面が表示されることで、オペレータは、利用者とのこれまでのセッションの内容を知ることができ、これまでに行われたセッションと整合性のある応答を利用者に返すことが容易となる。
なお、図15に示すオペレータ端末220の応答サービス提供画面は一例であって、応答サービス提供画面の表示内容、配置、その他の構成は図15の例に限られない。例えば、利用者からの入力内容の日本語表記と英語表記とは、どちらが先に表示されてもよく、また、これらの表記は種々の態様で表示されうる。また例えば、オペレータ端末220において、履歴画面は、オペレータが情報処理装置210に要求した場合に表示されるようにしてもよい。
図16は、実施形態2にかかる情報処理システム2において、図15の応答に際して行われる処理を説明する模式図である。
図16に示すように、ユーザ端末50から入力された入力情報INIは、情報処理装置210から翻訳サーバ30へと出力される。翻訳サーバ30は、英語の入力情報INIを日本語に翻訳し、入力情報INIが翻訳された翻訳情報TRIは、情報処理装置210によって翻訳前の英語表記を付した併記情報TRIwとして、オペレータ端末220へと出力される。
情報処理システム2による以上の処理により、利用者とオペレータとの間で図15のセッションが行われる。
図17は、実施形態2にかかる情報処理システム2がオペレータ端末220に提供する応答サービス提供画面の他の例を示す模式図である。図17の例では、好きなスポーツを問う利用者に対して、オペレータは、引用符が付された語句を含む応答情報をオペレータ端末220に入力している。
図18は、実施形態2にかかる情報処理システム2が、図17における応答の内容をユーザ端末50の応答サービス提供画面に表示させる場合の一例を示す模式図である。
図18に示すように、ユーザ端末50の応答サービス提供画面には、利用者が入力した入力情報は、利用者が入力したままの英語表記で表示される。また、オペレータが入力した応答情報は、引用符が付された語句はオペレータが入力したままの日本語表記で表示され、その引用部分を除く部分は英語に翻訳されて表示される。
図19は、実施形態2にかかる情報処理システム2において、図18の応答に際して行われる処理を説明する模式図である。
図19に示すように、ユーザ端末50から入力された入力情報INIは、情報処理装置210から翻訳サーバ30へと出力される。翻訳サーバ30は、英語の入力情報INIを日本語に翻訳し、入力情報INIが翻訳された翻訳情報TRIは、情報処理装置210によって英語表記を付した併記情報TRIwとして、オペレータ端末220へと出力される。
オペレータは、入力情報INIに応じた応答情報として、引用符が付された語句「柔道」を含む日本語の応答情報REIrをオペレータ端末220に入力し、情報処理装置210へと出力する。情報処理装置210は、応答情報REIrに含まれる文章のうち、引用部分を除いた部分REIeを翻訳サーバ30へと出力し、英語に翻訳された翻訳情報TRReを取得する。情報処理装置210は、日本語のままの引用部分を英語に翻訳済みの翻訳情報TRReに挿入し、引用部分を含む翻訳情報TRRrをユーザ端末50へと出力する。
これにより、ユーザ端末50の応答サービス提供画面には、引用符が付された日本語の語句と、それ以外の部分が英語に翻訳された応答が表示される。
情報処理システム2による以上の処理により、利用者とオペレータとの間で図18の疑似応答が行われる。
(情報処理システムの処理例)
次に、図20及び図21を用いて、実施形態2の情報処理システム2による応答サービス提供処理の例について説明する。図20は、実施形態2にかかる情報処理システム2による応答サービス提供処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
図20に示すように、ステップS31~S34までの処理は、上述の実施形態1の図10におけるステップS11~S14の処理と同様に行われる。
すなわち、ユーザ端末50から応答サービス要求を取得すると(ステップS31)、情報処理装置210が応答サービス提供画面をユーザ端末50に表示させ(ステップS32)、ユーザ端末50にブラウザ設定言語要求を出力し(ステップS33)、ユーザ端末50からブラウザ設定言語に関する言語情報を取得する(ステップS34)。
続いて、情報処理装置210は、例えばユーザ端末50からオペレータ接続要求を取得する(ステップS35)。
また、情報処理装置210は、履歴DBサーバ40に履歴要求を出力し(ステップS36)、履歴DBサーバ40から該当する利用者の履歴情報を取得する(ステップS37)。情報処理装置210は、取得した履歴情報をオペレータ端末220に表示させる(ステップS38)。
これにより、情報処理装置210は、オペレータ端末220との接続が確立したことを表す接続応答をオペレータ端末220から取得する(ステップS39)。
また、情報処理装置210は、オペレータ端末220にブラウザ設定言語要求を出力し(ステップS40)、オペレータ端末220からブラウザ設定言語に関する言語情報を取得する(ステップS41)。
情報処理装置210は、ユーザ端末50及びオペレータ端末220からそれぞれ取得した言語情報に基づいて、ユーザ端末50で用いられる言語と、オペレータ端末220で用いられる言語とが異なるか否かを判定する(ステップS42)。これらの言語が異なる場合、情報処理装置210は、翻訳機能を有効にして、入力情報および応答情報を翻訳サーバ30に出力可能な状態とする。
以上により、応答サービスを提供する環境の準備が完了する。情報処理装置210は、オペレータ端末220との接続が確立したことを表す接続応答をユーザ端末50に出力する(ステップS43)。
これ以降のステップS44~S51の処理は、上述の実施形態1の図10におけるステップS16~S23の処理と略同様に行われる。
すなわち、利用者が入力した入力情報をユーザ端末50から取得すると(ステップS44)、情報処理装置210は、入力情報に引用部分が含まれる場合にはそれを抽出し(ステップS45)、入力情報の全文、または引用部分を除く部分を翻訳サーバ30に翻訳させ(ステップS46)、翻訳された入力情報をオペレータ端末220に出力し(ステップS47)、入力情報に応じてオペレータが入力した応答情報を取得する(ステップS48)。
また、情報処理装置210は、オペレータ端末220から取得した応答情報に引用部分が含まれる場合にはそれを抽出し(ステップS49)、応答情報の全文、または引用部分を除く部分を翻訳サーバ30に翻訳させ(ステップS50)、未翻訳の引用部分がある場合には翻訳情報にそれを挿入して、応答情報をユーザ端末50へと出力する(ステップS51)。
以上により、実施形態2の情報処理システム2による応答サービス提供処理が終了する。
図21は、実施形態2にかかる情報処理装置210における応答サービス提供処理の手順の一例を示すフロー図である。図21は、上述の実施形態1の図11のフロー図に対応している。より詳細には、図21のフロー図のステップS1011,S1012を除く各処理は、図11のフロー図のステップS101~S114、S205~S214の処理と同様に行われ、あるいは、これらの処理に対応する処理である。
図21に示すように、情報処理装置210の入出力部101が、ユーザ端末50から応答サービス要求を取得すると(ステップS101)、情報処理装置210の履歴管理部106は、履歴DBサーバ40から当該利用者とのセッション履歴に関する履歴情報を取得する(ステップS1011)。オペレータ端末入出力部212は、オペレータ端末220との接続を確立するため、オペレータ端末220に接続要求を出力する(ステップS1012)。
ユーザ端末50及びオペレータ端末220との接続が確立されると、入出力部101及びオペレータ端末入出力部212のそれぞれは、ユーザ端末50及びオペレータ端末220に対して言語情報要求を出力し(ステップS102)、ユーザ端末50及びオペレータ端末220からそれぞれ言語情報を取得する(ステップS103)。
言語判定部103は、ユーザ端末50及びオペレータ端末220から取得した言語情報に基づいて、ユーザ端末50のブラウザ設定言語と、オペレータ端末220のブラウザ設定言語とが異なるか否かを判定する(ステップS104)。
これらの設定言語が異なる場合(ステップS104:Yes)、情報処理装置210において、上述の実施形態1のステップS105以降の処理に対応する処理が進められる。これらの設定言語が同一である場合(ステップS104:No)、情報処理装置210において、上述の実施形態1のステップS205以降の処理に対応する処理が進められる。
ステップS105以降の処理では、入出力部101がユーザ端末50から入力情報を取得すると(ステップS105)、入力情報に引用部分が含まれる場合には(ステップS106:Yes)、引用抽出部104が入力情報から引用部分を抽出し(ステップS107)、翻訳管理部105が引用部分を除く入力情報を翻訳サーバ30へと出力し(ステップS108)、入力情報に引用部分が含まれない場合には(ステップS106:No)、翻訳管理部105が入力情報の全体を翻訳サーバ30へと出力する(ステップS110)。
応答管理部102は、入力情報の一部を翻訳した翻訳情報を取得した場合には(ステップS109)、未翻訳の引用部分を翻訳情報に挿入し(ステップS112)、入力情報の全体を翻訳した翻訳情報を取得した場合には(ステップS111)、ステップS112の処理を行わずに、入出力部101が、オペレータ端末220へと出力し(ステップS113)、オペレータが入力した応答情報を取得する(ステップS114)。
一方、ステップS205以降の処理では、入出力部101がユーザ端末50から入力情報を取得すると(ステップS205)、入出力部101が、オペレータ端末220へと出力し(ステップS213)、オペレータが入力した応答情報を取得する(ステップS214)。
情報処理装置210において、これ以降の処理は、上述の実施形態1の図12の処理と同様に進められる。
以上により、実施形態2の情報処理装置210における応答サービス提供処理が終了する。
(概括)
利用者に応答サービスを提供するシステムでは、コンピュータ等の装置による自動応答機能に替えて、あるいは加えて、オペレータが利用者への応答を行うことが可能な構成を有している場合がある。利用者とオペレータとの間でセッションを行う場合にも、利用者とオペレータとが使用する端末の設定言語が一致していないとサービスの提供が困難であり、また、応答の全文を翻訳してしまうと互いにセッションの内容が把握し難くなることが懸念される。
実施形態2の情報処理装置210によれば、入力情報と応答情報との言語が異なる場合に、入力情報の少なくとも一部がオペレータ端末220の設定言語に翻訳された翻訳情報を翻訳サーバ30から取得して、オペレータ端末220に出力する。これにより、コンピュータ等の装置に替えてオペレータが利用者に対して応答する場合でも、サービスの提供が可能となって、サービス提供の柔軟性を増すことができる。
実施形態2の情報処理装置210によれば、入力情報と応答情報との言語が異なる場合であって、オペレータが引用部分を含む応答情報を入力した場合には、応答情報の言語を用いた引用部分が挿入された入力情報の言語による翻訳情報をユーザ端末50に出力する。
これにより、コンピュータ等の装置に替えてオペレータが利用者に対して応答する場合でも、ユーザ端末50に出力する応答に複数言語を混在させることができ、応答の態様のバリエーションを増やすことができ、サービスの利便性を向上させることができる。
実施形態2の情報処理装置210によれば、ユーザ端末50のブラウザ設定言語を入力情報で用いられる言語と判定し、オペレータ端末220のブラウザ設定言語である応答情報の言語と入力情報の言語とが異なるか否かを判定する。これにより、ユーザ端末50とオペレータ端末220との設定言語を容易に比較することができ、これらが異なるか否かの判定を簡便に行うことができる。
以上、実施形態について説明したが、その各部の具体的な構成、処理の内容等は、実施形態で説明したものに限るものではない。