JP2023166927A - レーザ加工状態の判定方法及び判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態を詳細に判定する。【解決手段】加工状態の判定方法は、光センサを用いて、レーザ光が被加工物に照射されることで被加工物の表面に形成される溶接部において発生する熱放射、可視光及び反射光のうち少なくとも1つを検出する工程と、被加工物の溶接期間における検出した光の変化を示す信号を取得する工程と、前記溶接期間のうちの所定の区間内において、信号波形に応じた特徴量を算出する工程と、加工状態を判定する判定モデルに算出した特徴量を入力して、加工状態としてレーザ出力のうちの被加工物における加工点に到達する加工点出力を判定する工程と、判定した加工点出力の判定結果を出力する工程とを含む。判定モデルは、所定の基準出力に対して加工点出力の変動が発生している状況下で算出された特徴量と、当該状況下の加工点出力とを関連付けて含む訓練データに基づいて構築される。【選択図】図1

Description

本開示は、重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態の判定方法、及び判定装置に関する。
特許文献1は、パルス状に繰り返し発生するレーザ光をワークに照射するレーザ溶接に適用され、ワーク毎の溶接の良/不良等の溶接状態を判定する方法を開示している。特許文献1の方法は、レーザ溶接時にワークから放出されるプラズマ光および反射光の強度を検出光強度として検出し、レーザ光の1パルスに対応する1周期のうちから予め設定した抽出区間における検出光強度に基づいて、レーザ光のパルス毎に特徴値を抽出する。特徴値として、検出光強度の平均値または差分処理による変化量などが算出される。特許文献1の方法は、ワーク毎に、繰り返し発生するパルス毎の特徴値の極値として反射光の下限値またはプラズマ光の上限値と、予め設定した良品と欠陥品の特徴値のしきい値とを比較し、溶接状態として溶接欠陥の判定を行う。
特開2000-153379号公報
レーザ溶接において、レーザ照射時に被加工物(ワーク)に投入されるレーザ光の出力が低下するといった加工状態の変化により、接合強度が低下して、接合不良を引き起こす場合があり、接合不良の原因究明のために、加工状態の詳細な分析が求められる。一方、特許文献1のように良品との判別により溶接欠陥を判定する方法では、重ね合わせ溶接時の被加工物へのレーザ出力の投入量に関する加工状態といった、詳細な加工状態の判定が困難であった。
本開示は、重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態を詳細に判定することができる判定方法及び判定装置を提供する。
本開示におけるレーザ加工状態の判定方法は、重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態の判定方法である。本方法は、光センサを用いて、レーザ光が被加工物に照射されることで被加工物の表面に形成される溶接部において発生する熱放射、可視光及び反射光の各成分のうち少なくとも1つの成分を検出する工程と、被加工物毎の溶接開始から溶接終了までの時間区間を示す溶接期間における、検出した成分の変化を示す信号を取得する工程と、溶接期間のうちの所定の区間内において、信号の信号強度に基づいて信号波形に応じた特徴量を算出する工程と、加工状態を判定する判定モデルに算出した特徴量を入力して、加工状態として、レーザ光を発振するレーザ出力のうちの、被加工物における加工点に到達する加工点出力を判定する工程と、判定した加工点出力を判定結果として出力する工程と、を含む。判定モデルは、レーザ出力に応じた所定の基準出力に対して加工点出力の変動が発生している状況下で算出された特徴量と発生した、当該状況下の加工点出力とを関連付けて含む訓練データに基づいて構築される。
本開示におけるレーザ加工状態の判定装置は、重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態の判定装置であって、演算回路と、通信回路とを備える。通信回路は、レーザ光が被加工物に照射されることで被加工物の表面に形成される溶接部において発生する熱放射、可視光及び反射光の各成分のうち、少なくとも1つの成分を光センサによって検出して生成された信号を受け付ける。当該信号は、前記被加工物ごとの溶接開始から溶接終了までの時間区間を示す溶接期間における前記成分の変化を示す信号である。演算回路は、通信回路により前記信号を取得し、溶接期間のうちの所定の区間内において、信号の信号強度に基づいて信号波形に応じた特徴量を算出し、加工状態を判定する判定モデルに算出した特徴量を入力して、加工状態として、レーザ光を発振するレーザ出力のうちの、被加工物における加工点に到達する加工点出力を判定し、判定した加工点出力を判定結果として出力する。判定モデルは、レーザ出力に応じた所定の基準出力に対して加工点出力の変動が発生している状況下で算出された特徴量と、状況下の加工点出力とを関連付けて含む訓練データに基づいて構築される。
本開示における判定方法及び判定装置によると、加工状態としてレーザ光の加工点出力を判定する。これにより、重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態を詳細に判定することができる。
本開示の実施形態1に係る判定システムの概要を示す図 判定システムにおけるレーザ加工装置の構成を例示する図 判定システムにおける分光装置の構成を例示する図 判定システムにおける判定装置の構成を例示するブロック図 実施形態1の判定装置における判定処理を例示するフローチャート 判定装置において取得される信号を説明するための図 判定装置における判定モデルの処理を説明するための図 判定装置において特徴量を算出する処理を説明するための図 判定モデルの訓練処理を例示するフローチャート 判定モデルの訓練データを説明するための図 実施形態2の判定装置における判定処理を例示するフローチャート
本開示の第1態様に係るレーザ加工状態の判定方法は、重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態の判定方法であって、光センサを用いて、レーザ光が被加工物に照射されることで前記被加工物の表面に形成される溶接部において発生する熱放射、可視光及び反射光の各成分のうち少なくとも1つの成分を検出する工程と、前記被加工物毎の溶接開始から溶接終了までの時間区間を示す溶接期間における、検出した成分の変化を示す信号を取得する工程と、前記溶接期間のうちの所定の区間内において、前記信号の信号強度に基づいて信号波形に応じた特徴量を算出する工程と、前記加工状態を判定する判定モデルに算出した前記特徴量を入力して、前記加工状態として、前記レーザ光を発振するレーザ出力のうちの、前記被加工物における加工点に到達する加工点出力を判定する工程と、判定した前記加工点出力を判定結果として出力する工程と、を含む。前記判定モデルは、前記レーザ出力に応じた所定の基準出力に対して前記加工点出力の変動が発生している状況下で算出された前記特徴量と、前記状況下の前記加工点出力とを関連付けて含む訓練データに基づいて構築される。
本開示の第2態様によれば、第1態様に記載のレーザ加工状態の判定方法において、前記所定の区間は、前記特徴量毎に、前記レーザ出力の時間変化に応じて定義される。
本開示の第3態様によれば、第2態様に記載のレーザ加工状態の判定方法において、前記特徴量は、前記レーザ出力が発振開始からピークに達するまでの立上り期間よりも短い時間区間において、前記反射光の信号強度が最大になる時刻を含む。
本開示の第4態様によれば、第2態様または第3態様に記載のレーザ加工状態の判定方法において、前記特徴量は、前記レーザ出力の立上り後から立下り前までのピーク出力時の時間区間における前記信号の平均強度を含む。
本開示の第5態様によれば、第2態様から第4態様のいずれかに記載のレーザ加工状態の判定方法において、前記特徴量は、前記溶接期間内での前記信号波形の検出期間を含み、前記信号波形の検出期間は、前記信号強度が、前記検出した成分に応じた基準値に達した時刻から、前記基準値まで下がった時刻までの期間である。
本開示の第6態様によれば、第2態様から第5態様のいずれかに記載のレーザ加工状態の判定方法において、前記特徴量は、前記溶接期間又は前記レーザ出力の立上り後から立下り前までのピーク出力時の時間区間における前記信号強度の積分値を含む。
本開示の第7態様によれば、第1態様から第6態様のいずれかに記載のレーザ加工状態の判定方法において、前期訓練データは、さらに、溶接後の前記溶接部の外観形状を測定して算出した数値、または溶接後の前記溶接部が撮影された画像、あるいは前記算出した数値及び撮影された画像の両方を、前記状況下の前記加工点出力と関連付けて含む。
本開示の第8態様によれば、第1態様から第7態様のいずれかに記載のレーザ加工状態の判定方法において、前記加工点出力は、前記基準出力に対する相対出力を示す数値を含む。
本開示の第9態様によれば、第1態様から第8態様のいずれかに記載のレーザ加工状態の判定方法において、前記判定モデルは、前記加工状態が変化する複数の条件における各条件のもとで、前記レーザ加工を行って検出された前記成分の信号強度に基づいて算出された特徴量と、前記各条件における前記加工点出力と、を関連付けた訓練データを用いた機械学習により生成される学習済みモデルを含む。
本開示の第10態様によれば、第1態様から第9態様のいずれかに記載のレーザ加工状態の判定方法において、前記溶接期間又は前記レーザ出力の立上り後から立下り前までのピーク出力時の時間区間において前記信号強度が所定の閾値を上回る期間の割合を算出する工程をさらに含み、算出された割合が所定の割合未満であることに応答して、前記判定モデルにより加工点出力を判定する工程を実行する。
本開示の第11態様によれば、レーザ加工状態の判定装置が提供される。本判定装置は、重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態の判定であって、演算回路と、レーザ光が被加工物に照射されることで前記被加工物の表面に形成される溶接部において発生する熱放射、可視光及び反射光の各成分のうち、少なくとも1つの成分を光センサによって検出して生成された信号を受け付ける通信回路とを備える。前記信号は、前記被加工物ごとの溶接開始から溶接終了までの時間区間を示す溶接期間における前記成分の変化を示す信号である。前記演算回路は、前記通信回路により前記信号を取得し、前記溶接期間のうちの所定の区間内において、前記信号の信号強度に基づいて信号波形に応じた特徴量を算出し、前記加工状態を判定する判定モデルに算出した前記特徴量を入力して、前記加工状態として、前記レーザ光を発振するレーザ出力のうちの、前記被加工物における加工点に到達する加工点出力を判定し、判定した前記加工点出力を判定結果として出力する。前記判定モデルは、前記レーザ出力に応じた所定の基準出力に対して前記加工点出力の変動が発生している状況下で算出された前記特徴量と、前記状況下の前記加工点出力とを関連付けて含む訓練データに基づいて構築される。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題は限定されることはない。
(実施形態1)
実施形態1では、本開示に係る判定方法及び判定装置を用いる一例として、重ね合わせ溶接のためのレーザ加工において発生する光の成分を検出し、検出した成分に基づく信号を取得して、加工状態を判定する判定システムについて説明する。
1.構成
実施形態1に係る判定システムについて、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る判定システム100の概要を示す図である。
1-1.システムの概要
判定システム100は、重ね合わせ溶接のためのレーザ加工を行うレーザ加工装置30と、光の成分を検出するための分光装置40と、判定装置50とを備える。判定装置50は、本開示に係る判定装置の一例である。重ね合わせ溶接の被加工物70は例えば金属からなり、レーザ光6が照射されると温度上昇による近赤外線領域の熱放射、及び主に可視光成分である金属固有の発光またはプラズマ発光が発生する。また、レーザ光6は、加工に寄与しない一部が戻り光として反射する。このように、レーザ加工装置30から、レーザ光6が被加工物70に照射されると、被加工物70に形成される溶接部の一例である溶融部27において、熱放射、可視光及び反射光が発生する。
これらの発生した光は、レーザ加工装置30において集光され、レーザ加工装置30と分光装置40を接続する光ファイバ13を通して、分光装置40に伝送される。分光装置40に伝送された光は、熱放射、可視光及び反射光の各成分に分光され、分光装置40の光センサ22により検知されて、信号に変換される。判定装置50は、分光装置40から信号を受信すると、レーザ光6を発振するレーザ出力のうちの被加工物70における加工点75での出力、即ち加工点出力を判定して、判定結果を出力する。
本実施形態の判定装置50では、加工点出力は、所定の基準出力に対し、被加工物70の加工点75に到達する出力の増減量により判定され、増減量を示す加工点出力値が判定結果として出力される。基準出力は、レーザ光6を被加工物70に照射する際に、被加工物70の表面近傍においてレーザ光6のスポットがレーザ加工装置30による本溶接を行うにあたり必要な出力として、予め設定される。基準出力には、例えばレーザ加工装置30におけるレーザ発振器1(後述)から出力される値が設定され、本溶接時におけるレーザ発振器1の出力設定値等を用いることができる。
1-2.レーザ加工装置の構成
図2は、本実施形態のレーザ加工装置30の構成を例示する図である。レーザ加工装置30は、レーザ発振器1と、レーザ伝送用ファイバ2と、鏡筒3と、コリメートレンズ4と、集光レンズ5、11と、第1ミラー7と、第2ミラー8とを備える。
レーザ発振器1は、例えば波長が約1070ナノメートル(nm)のパルス状のレーザ光6を発生するための光を供給する。レーザ発振器1から供給された光は、レーザ伝送用ファイバ2により伝送される間に増幅され、平行なビームを得るためのコリメートレンズ4を通り、レーザ光6を形成して、鏡筒3内を直進する。鏡筒3は、レーザ加工装置30における加工ヘッドを構成する。
レーザ光6は、第1ミラー7において透過する一部を除いて反射し、集光レンズ5により集光されて、走査テーブル(図示せず)上に押さえ治具26で固定された被加工物70に照射される。これにより、被加工物70の重ね合わせ溶接のためのレーザ加工が行われる。なお、レーザ光6の波長は特に1070nmに限らず、材料の吸収率が高い波長を用いることが好ましい。
光センサ25は、レーザ発振器1から発振したレーザ光6のうちの、第1ミラー7から透過した光を検出して、検出した光に応じた電気信号を生成する。なお、光センサ25による検出位置としては、レーザ光6が、被加工物70に到達する前の位置で検出することで、レーザ発振器1の出力との相関を精度良く得ることができるが、特に制限されない。また、加工点出力の判定における基準出力は、例えばレーザ発振器1の出力設定値に対して、光センサ25により取得された電気信号の信号波形が示す強度との相関に応じて設定されてもよい。もしくは基準出力は、レーザ光6の伝送経路における光学伝送時のロスを考慮し、例えば加工点75に到達するレーザ出力が安定していると判明している場合に、当該出力をパワーメータなどで測定した結果を用いて設定されてもよい。
レーザ光6が照射されると、溶融部27において被加工物70からの熱放射、プラズマ発光による可視光、及びレーザ光6の反射光が発生する。これらの光の成分は、第1ミラー7を透過し、第2ミラー8で反射して、集光レンズ11により集光された後、光ファイバ13を通って分光装置40に伝送される。なお、第2ミラー8において一部透過する光をカメラまたはセンサにより検知してもよい。
1-3.分光装置の構成
図3は、本実施形態の分光装置40の構成を例示する図である。分光装置40は、筐体28の内部に、コリメートレンズ15と、第3ミラー16と、第4ミラー17と、第5ミラー18と、集光レンズ19、20、21と、光センサ22と、伝送ケーブル23と、コントローラ24とを備える。筐体28は、分光装置40の外部から雑光が内部に入ることを防ぎ、内部からの光漏れを防止する。
コリメートレンズ15は、レーザ加工装置30から光ファイバ13を通して伝送された光を平行光に戻す。第3ミラー16は、例えば波長が400nm~700nmの可視光を透過し、それ以外の成分を反射する。第4ミラー17は、例えば波長が約1070nmのレーザ光6の反射光を反射し、それ以外の成分を透過する。第5ミラー18は、例えば波長が1300nm~1550nmの熱放射を反射する。
コリメートレンズ15を通った光は、第3ミラー16、第4ミラー17、及び第5ミラー18により、可視光、反射光、及び熱放射の各成分に分光され、それぞれ集光レンズ19~21により集光される。なお、第3ミラー16、第4ミラー17、及び第5ミラー18の後の光路に、それぞれ任意の帯域通過フィルタを配置することで、通過させる波長を選択可能としてもよい。
光センサ22は、例えば各々が異なる波長に高い感度を有する光センサ22a、22b、22cを備える。光センサ22a、22b、22cは、それぞれ各集光レンズ19~21により集光された可視光、反射光、及び熱放射の成分を検出して、検出した光の強度に応じた電気信号を生成する。なお、光センサ22は、波長ごとの強度を検出可能な1つの光センサにより構成されてもよい。
光センサ22により生成された電気信号は、伝送ケーブル23を介してコントローラ24に伝送される。コントローラ24は、ハードウェアコントローラであり、分光装置40全体の動作を統括制御する。コントローラ24は、CPU及び通信回路等を含み、光センサ22から受けとった電気信号を、判定装置50に送信する。コントローラ24は、例えばA/D変換器を備えて、アナログの電気信号をデジタル信号(単に「信号」ともいう)に変換する。なお、デジタル信号に変換する際のサンプリング周期は、加工状態の判定において、加工プロセスの特徴及び物理量の局所的な値の傾向を捉えるために十分なサンプル数を確保する観点から、例えばレーザ光6の出力制御を行う時間の100分の1以下が好ましい。
1-4.判定装置の構成
図4は、本実施形態の判定装置50の構成を例示するブロック図である。判定装置50は、例えばコンピュータのような情報処理装置で構成される。判定装置50は、演算の処理を行うCPU51と、他の機器と通信を行うための通信回路52と、データ及びコンピュータプログラムを記憶する記憶装置53とを備える。
CPU51は、本実施形態における判定装置の演算回路の一例である。CPU51は、記憶装置53に格納された制御プログラム56の実行により、判定モデル57の訓練及び実行を含む所定の機能を実現する。判定装置50は、CPU51が制御プログラム56を実行することで、本実施形態における判定装置としての機能を実現する。なお、本実施形態でCPU51として構成される演算回路は、MPUまたはGPU等の種々のプロセッサで実現されてもよく、1つまたは複数のプロセッサで構成されてもよい。また、演算回路は、上記の機能を実現するように設計された専用の電子回路又は再構成可能な電子回路などのハードウェア回路であってもよく、GPGPU、TPU、DSP、マイコン、FPGA及びASIC等の種々の半導体集積回路で構成されてもよい。
通信回路52は、例えばIEEE802.11、4G、または5G等の規格に準拠して通信を行う通信回路である。通信回路52は、例えばイーサネット(登録商標)等の規格に従って有線通信を行ってもよい。通信回路52は、インターネット等の通信ネットワークに接続可能である。また、判定装置50は、通信回路52を介して他の機器と直接通信を行ってもよく、アクセスポイント経由で通信を行ってもよい。なお、通信回路52は、通信ネットワークを介さずに他の機器と通信可能に構成されてもよい。例えば、通信回路52は、USB(登録商標)端子及びHDMI(登録商標)端子等の接続端子を含んでもよい。
記憶装置53は、判定システム100の機能を実現するために必要なコンピュータプログラム及びデータを記憶する記憶媒体であり、CPU51で実行される制御プログラム56、及び各種のデータを格納している。記憶装置53は、判定モデル57の構築後は判定モデル57を格納する。判定モデル57は、レーザ光6のレーザ出力が変動している状況下で取得された測定データ等に基づいて算出される特徴量と、当該状況下における加工点出力値を含む訓練データに基づいて構築される。判定モデル57の詳細は後述する。
記憶装置53は、例えばハードディスクドライブ(HDD)のような磁気記憶装置、光ディスクドライブのような光学的記憶装置またはSSDのような半導体記憶装置で構成される。記憶装置53は、例えばDRAMまたはSRAM等のRAMにより構成される一時的な記憶素子を備えてもよく、CPU51の内部メモリとして機能してもよい。
2.動作
以上のように構成される判定システム100において、例えば図1に示すように、分光装置40は、光センサ22により、レーザ光6の照射により溶融部27において発生する熱放射、可視光及び反射光の成分を検出する。分光装置40は、検出した各成分の強度に応じた信号を判定装置50に送信する。本システム100における判定装置50の動作を、以下に説明する。
2-1.判定処理
以下では、判定装置50において、加工状態としてレーザ出力値を判定する判定処理について、図5~図8を用いて説明する。
図5は、本実施形態の判定装置50における判定処理を例示するフローチャートである。本フローチャートに示す各処理は、例えば判定装置50のCPU51により実行される。本フローチャートは、例えば、通信回路52を介して接続された入力装置から、判定システム100のユーザ等により判定処理を開始するための所定の操作が入力されることで開始される。
まず、CPU51は、通信回路52により、分光装置40の光センサ22で検知された熱放射、可視光及び反射光の各成分に対応する信号を取得する(S1)。
図6は、判定装置50において取得される信号を説明するための図である。図6の(A)、(B)、(C)は、それぞれ熱放射、可視光及び反射光の強度に応じた信号波形を示す。図6の(D)は、被加工物70に照射されたレーザ光6の出力を示す。図6(A)~(C)の各信号は、当該レーザ出力により発生した熱放射、可視光及び反射光に対応する。図6の(A)~(D)において、横軸は時間を示し、縦軸は信号強度(図6(A)~(C))またはレーザ出力(図6(D))を示す。なお、レーザ出力は、例えば図6(D)に示すような台形状、または階段状といった立上り及び立下り時に段階的に変化する出力形状にすることで、溶接時のスパッタ発生を抑制しやすいが、矩形状の出力形状であってもよい。
図6において、時間区間T1はレーザ光6の1パルスに相当する時間区間を示し、被加工物70ごとの溶接開始から溶接終了までの溶接期間に対応する。時間区間T2はレーザ出力の立上りと立下りを除くピーク出力時の時間区間を示す。時間区間T3は、レーザ出力が発振開始からピークに達するまでの立上り期間を示す。
本実施形態のレーザ加工装置30では、レーザ光6の1パルスに相当する時間T1において、被加工物70ごとの溶接が行われる。図5のステップS1においてCPU51は、図6の(A)~(C)に示すように、被加工物70ごとの溶接時間に対応した時間区間T1における熱放射、可視光及び反射光の各成分の変化を示す信号を取得する。
なお、図6の(A)~(C)のような信号の取得方法としては、レーザ光6の発振時に出力されるトリガー信号を受信した時刻を、取得開始時刻とする方法などが挙げられるが、特にこれに制限されない。例えば、信号強度が所定値(例えば0.5(V))に達した時刻を取得開始時刻としてもよく、あるいは当該所定値に達した時刻から、所定期間前(例えば0.5秒前)に遡った時刻を取得開始時刻としてもよい。
次に、CPU51は、取得した信号の信号強度に基づいて、判定モデル57に入力する特徴量を算出する(S2)。CPU51は、例えば取得した信号に平滑化フィルタを適用するスムージング処理を行い、スムージング後の信号を用いて特徴量を算出する。これにより、例えば、信号強度が細かく変動する信号波形(図6参照)において、特徴量を算出しやすくすることができる。特徴量の算出(S2)について詳細は後述する。
特徴量の算出後(S2)、CPU51は、算出した特徴量を判定モデル57に入力して加工点75でのレーザ出力値、即ち加工点出力値を判定する処理(S3)を行う。本実施形態では、こうした判定モデルの処理(S3)において、CPU51は、レーザ出力に応じた基準出力に対する相対出力を示す数値として、基準出力からの増減量(即ち基準出力との差分値)により加工点出力値を判定する。
図7は、判定モデルの処理(S3)を説明するための図である。図7の(A)は、加工点出力が基準出力である場合、及び加工点出力が基準出力から減少した場合の各溶接加工で検出される反射光について、それぞれ信号強度の波形を示す。図7では、加工点出力がマイナス(-)側である程、基準出力からの減少量が大きいことを示している。図7の(B)は、図7の(A)と同様の各場合に検出される熱放射または可視光について、各場合に得られる信号強度の波形を示す。図7の(C)は、加工点出力の減少と、被加工物70に形成される溶融部27との関係を概略的に示す。
判定モデルの処理(S3)は、図7に示すような信号波形と、加工点出力を示す数値としての加工点出力値との対応関係に基づいて学習された判定モデル57により行われる。以下、信号波形と加工点出力との対応関係について、図7を用いて本開示における技術の発明者によって得られた知見を説明する。
レーザ光6を被加工物70に照射する際に、加工点出力が変動すると、溶融部27等の溶接部に影響を及ぼす。例えば、被加工物70に局所的な深い溶け込み(キーホール)を形成するキーホール溶接では、図7の(C)に示すように、加工点出力が低下すると溶融量が減ることで、溶接形状が小さくなり、溶け込み深さが浅くなる傾向がある。
また、キーホール形成の過程で、被加工物70にレーザ光6が照射される照射部からの反射光は、溶融部27の形成初期には被加工物70での吸収率が低く、反射すると考えられる。そのため、図7の(A)に示すように、反射光の信号強度における信号波形の初期に、ピークが現れる傾向がある。こうした反射光のピークでは、加工点出力が小さくなるにつれ、キーホール形成に時間がかかり、ピークの位置、即ちピーク形成時刻が遅くなると考えられる。
加えて、加工点出力が小さくなるにつれ、溶融部27からの発光及び戻り光が減少するため、図7の(A),(B)に示すように、反射光、熱放射及び可視光の各々において、信号強度が低下する。
さらに、反射光では、図7の(A)に示すように、例えばレーザ出力の減少等による加工点出力の減少に伴い、信号が取得される期間が短くなる。熱放射光または可視光においても、加工点出力が減少することで、発光時間が短くなり、信号の検出期間が短くなる。なお、レーザ発振器1からのレーザ出力と加工点出力との関係において、光伝送時の伝送経路における汚れなどにより、加工点出力のみが低下することがある。そのため、例えば光センサ25によりレーザ発振器1の出力を測定することで、加工点出力の低下の要因が、レーザ発振器1の出力低下か、その他の要因かを切り分けた分析が可能となる。
本発明者は、上記の知見に基づき、熱放射、可視光及び反射光の少なくとも1つの成分に対応する信号から、信号波形に応じた信号強度に基づいて算出可能な特徴量を用いて、加工点出力値を予測可能であると推測した。
そこで本発明者は、後述するように、これらの特徴量と加工点出力値とを訓練データとして判定モデル57を構築して、判定モデル57による判定処理を行うこととした。このように構築された判定モデル57によれば、判定装置50において、取得された信号(S1)に基づいて算出される特徴量(S2)を入力すると、加工点75でのレーザ光6の出力に応じた加工点出力値が出力される(S3)。
図5に戻り、CPU51は、判定モデルの処理(S3)により判定された加工点出力値の判定結果を、例えば通信回路52により出力する(S4)。判定結果は、例えば外部の情報処理装置または表示機器等により受信されて、表示され得る。また、判定装置50がCPU51と通信可能に接続された表示装置(例えばディスプレイ)を備え、表示装置に判定結果を表示させてもよい。
その後、CPU51は、図5のフローチャートを終了する。図5のフローチャートは、例えば、被加工物70ごとの溶接加工を行う度に繰り返し実行される。
以上の判定処理によると、本実施形態の判定装置50は、分光装置40の光センサ22により生成された信号を取得して(S1)、信号から信号波形に応じた特徴量を算出し(S2)、当該特徴量に基づいて判定モデル57により加工点出力値を判定する(S3)。これにより、判定装置50は、重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態を、レーザ光6の加工点出力値として詳細に判定することができる。
さらに、以上の判定処理により判定した加工点出力値を用いて、例えば当該加工点出力値において基準出力からの増減量が所定の範囲(例えば±20W)を超えるか否かに応じて、被加工物70の溶接不良の有無を検知することができる。これにより、例えば判定装置50を判定システム100において利用する際に、溶接不良の可能性が高い被加工物70が加工における後工程に流出することを抑制することができる。例えば溶接後の被加工物70の溶接強度を実際に測定し、溶接強度において溶接不良を示す基準と比較することに加えて、判定した加工点出力値を用いることで、溶接不良が検知し易くなる。なお、溶接強度の測定方法としては、例えば引張試験機等により、引張強度及び/またはトルク強度を測定する方法が挙げられるが、特にこれらに制限されない。
上記の判定モデルの処理(S3)では、加工点出力値を、基準出力からの増減量の差分により判定する例を説明した。加工点出力値は、これに限らず、基準出力に対する増減量の割合でもよいし、基準出力との相対出力に限らず、基準出力と同様の単位における数値として判定されてもよい。また、判定モデルの処理(S3)では、CPU51は、数値による加工点出力値に限らず、所定のカテゴリにより加工点出力を判定してもよい。例えば基準出力からの増減の有無、或いは増加または減少といったカテゴリの分類として、加工点出力が判定されてもよい。
2-1-1.特徴量の算出について
図5のステップS2の詳細について、図8を用いて説明する。図8は、判定装置50において特徴量を算出する処理(S2)を説明するための図である。図8の(A)~(D)は、それぞれ図6と同様の縦軸及び横軸において反射光に対応する信号の信号強度の時間変化を示す。
本実施形態の判定装置50では、特徴量として、例えば反射光のピーク形成時刻(以下「反射光ピーク位置」ともいう)、反射光、熱放射及び可視光の各信号における平均強度、各信号の成分が検出される検出期間、及び各信号の信号強度の積分値が算出される。
図8の(A)は、反射光ピーク位置の算出例を説明するための図である。例えば図8の(A)に示すように、レーザ光6を被加工物70に照射した際のキーホール形成時に対応して、反射光による初期ピークが発生する。ステップS2において、CPU51は、例えばレーザ出力の立上り期間T3よりも短い時間区間において、反射光の信号強度が最大となる時刻t1を、反射光ピーク位置として算出する。
図8の(B)は、反射光の信号における平均強度の算出例を説明するための図である。CPU51は、例えばレーザ出力(図6の(A)参照)のピーク出力時の時間区間T2(以下「ピーク出力期間T2」ともいう)において、平均強度、即ち信号強度の平均値A2を算出する。反射光の平均強度を特徴量に用いることで、特に精度良く加工点出力を判定することができるが、熱放射光及び/または可視光の平均強度が用いられてもよく、特に反射光に制限されない。本実施形態のステップS2では、CPU51は、熱放射及び可視光についても、反射光の平均強度と同様に、ピーク出力期間T2における平均強度A2を算出する。
図8の(C)は、信号の検出期間の算出例を説明するための図である。CPU51は、信号の検出期間として、例えば信号強度が所定の基準値Asに達した時刻から、次に信号強度が基準値Asに低下した時刻までの期間T4を算出する。所定の基準値Asは、例えば反射光、熱放射及び可視光の成分毎に設定される。例えば、各成分について過去に複数回に亘り取得された信号に基づいて、ピーク出力期間T2における平均強度の統計値(例えば平均値)を算出し、算出した統計値の10分の1の強度等を基準値Asとして用いてよい。CPU51は、例えば熱放射及び可視光についても、各成分に応じた基準値Asを用いて反射光の場合と同様に検出期間T4を算出する。
図8の(D)は、信号強度の積分値の算出例を説明するための図である。レーザ光6の照射時に、加工点出力が増減すると、被加工物70へのエネルギー投入量が変化することから、例えば図6の(C)に示すように、形成される溶融部27の形状に影響を及ぼし、被加工物70におけるレーザ光6の照射部の温度も変化する。そのため、溶融部27からの反射光、熱放射及び可視光の各成分の光量に変化が生じる。そこで、本実施形態では、ステップS2において、CPU51は、例えば溶接期間T1における各成分の信号強度の積分値を算出する。なお、溶接期間T1に代えて、ピーク出力期間T2において信号強度の積分値が算出されてもよい。
上記のような信号強度の積分値からは、溶融部27でのエネルギー投入量の増減を推定可能と考えられるため、信号強度の積分値を算出して特徴量に用いることで、判定モデルの処理(S3)において加工点出力値を精度良く判定し得ることが期待できる。
なお、ステップS2において各種特徴量を算出する前に、CPU51は、取得した信号に種々の前処理を適用してもよい。例えば、CPU51は、信号波形の立上り開始時刻が複数の信号間で揃うように、信号の取得開始時刻をオフセットする処理を実行してもよい。例えば、信号波形の立上り時において信号強度が所定値(例えば0.2V)に到達した時刻に応じて、取得開始時刻がオフセットされてもよい。ここで、例えば判定処理(図5)の実行毎に、レーザ発振時におけるトリガー信号の開始時刻の誤差などに起因して、取得開始時刻に誤差が生じる可能性がある。上述したオフセット処理によれば、ステップS2において、例えば溶接時の発光時間の変化などに応じた各種特徴量を、精度良く算出し易くすることができる。
さらに、ステップS2の前に、被加工物70の表面における溶接後の溶融部27の外観形状が測定されて、判定装置50に通信回路52等を介して入力されてもよい。この場合、ステップS2において、CPU51は、測定結果に基づいて溶融部27の幅及び長さ等の数値を算出してもよい。また、CPU51は、溶融部27の外観形状が撮影された画像を取得して、画像に基づく特徴量を算出してもよい。こうした外観形状に応じた特徴量も用いることで、加工点出力をさらに精度良く判定し得ることが考えられる。
また、図5のステップS2において、上記の各特徴量の一部のみが算出されてもよく、各特徴量の任意の組み合わせが算出されてもよい。例えば反射光ピーク位置以外の各特徴量が、熱放射、可視光及び反射光の一部の成分についてのみ算出されてもよい。特徴量は、上記の特徴量に加えて、レーザ発振器1からのレーザ出力を示す数値を含んでもよく、各信号の信号強度を示す数値を含んでもよい。
2-2.訓練処理
以下、判定モデル57を構築するための訓練処理について、図9及び図10を用いて説明する。
図9は、判定モデル57の訓練処理を例示するフローチャートである。本フローチャートの各処理は、例えば判定装置50のCPU51によって実行される。
まず、CPU51は、例えば記憶装置53に予め格納された訓練データを取得する(S11)。
図10は、判定モデル57の訓練データD1を説明するための図である。図10の例では、訓練データD1は、反射光、熱放射及び可視光の信号における平均強度、反射光の検出期間、及び基準出力としてレーザ発振器1からのレーザ出力などの特徴量と、加工点出力値とを対応付けて含む。例えば溶接に要するレーザ出力即ち基準出力から、10%毎にレーザ発振器1の出力設定値を増減させた複数の条件において、各条件下で実際にレーザ加工を行い、検出された信号が取得される。このように取得された信号から、例えば図5のステップS2と同様に特徴量を算出して、各条件下での加工点出力値と関連付けて記録することで、訓練データD1が構築される。
加工点出力値は、例えばパワーメータ等で測定された加工点におけるレーザ出力の測定値と、対応するレーザ出力とから算出される。各条件下では、複数回のレーザ加工を行って、各回で算出または測定された値の統計値(例えば平均値)が記録されてもよい。
図9に戻り、CPU51は、訓練データD1を取得すると(S11)、訓練データD1を用いて機械学習を行い、判定モデル57を生成する(S12)。判定モデル57は、例えば線形回帰、ラッソ回帰、リッジ回帰、決定木、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、サポートベクトル回帰、ガウス過程回帰、ニューラルネットワーク、またはk近傍法等に基づく回帰モデルとして生成される。
以上の訓練処理によると、レーザ加工において検出された熱放射、可視光及び反射光の成分に対応する信号に基づいて算出された特徴量から、レーザ出力における加工点出力値を判定する学習済みモデルとして、判定モデル57が生成される(S12)。
なお、判定モデル57の訓練処理は、判定装置50とは別の情報処理装置において実行されてもよい。判定装置50は、例えば通信ネットワークを介して、通信回路52により構築済みの判定モデルを取得してもよい。また、判定モデル57の訓練データは、例えば加工点出力値として判定する数値に応じて、上記の各種特徴量の一部又は全部と、基準出力からの増減量の割合あるいは加工点出力自体を示す数値とを関連付けて含んでもよい。また、訓練データは、例えば各種特徴量と、基準出力からの増減の有無、或いは増加または減少等のカテゴリとを関連付けて含んでもよい。この場合、当該訓練データを用いて、判定モデル57が各種の分類モデルとして生成されてもよい。
3.効果等
以上のように、本実施形態において、判定処理(S1~S4)は、重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態の判定方法を提供する。本方法は、光センサ22を用いて、レーザ光6が被加工物70に照射されることで被加工物70の表面に形成される溶融部27(溶接部の一例)において発生する熱放射、可視光及び反射光の各成分のうち、少なくとも1つの成分を検出する工程と、被加工物70ごとの溶接開始から溶接終了までの時間区間を示す溶接期間における検出した成分の変化を示す信号を取得する工程(S1)と、溶接期間のうちの所定の区間において、当該信号の信号強度に基づいて信号波形に応じた特徴量を算出する工程(S2)と、加工状態を判定する判定モデル57に算出した特徴量を入力して、加工状態として、レーザ光6を発振するレーザ出力のうちの、被加工物における加工点75に到達する加工点出力の一例として、加工点出力値を判定する工程(S3)と、判定した加工点出力値を判定結果として出力する工程(S4)とを含む。判定モデル57は、レーザ出力に応じた所定の基準出力に対して加工点出力の変動が発生している状況下で算出された特徴量と、当該状況下の加工点出力値とを関連付けて含む訓練データD1に基づいて構築される。
以上の方法によると、レーザ光6の照射により発生して検知された熱放射、可視光及び反射光の少なくとも何れかに基づく信号を取得して(S1)、信号波形に応じて特徴量を算出し(S2)、特徴量に基づき判定モデル57により加工点出力値を判定する(S3)。これにより、信号波形に応じた特徴量と、加工状態としてレーザ光6の加工点出力値を関係づけた訓練データD1を用いて構築された判定モデル57により、加工状態を詳細に判定することができる。
本実施形態において、所定の区間は、特徴量毎に、レーザ出力の時間変化に応じて定義される、これにより、レーザ出力の変動による加工点出力の変化を反映し易い各種特徴量を算出することができる。
本実施形態において、特徴量は、レーザ出力が発振開始からピークに達するまでの立上り期間T3よりも短い時間区間T3において、反射光の信号強度が最大になる時刻t1、即ち反射光ピーク位置を含む。これにより、例えば加工点出力の低下による反射光ピーク位置の遅れといった傾向を特徴量に反映することができる。
本実施形態において、特徴量は、レーザ出力の立上り後から立下り前までのピーク出力期間T2における信号の平均強度A2を含む。これにより、例えば加工点出力の低下に伴って、溶融部27からの発光及び戻り光が減少するといった傾向を特徴量に反映することができる。
本実施形態において、特徴量は、溶接期間T1内での信号波形の検出期間T4を含む。信号波形の検出期間T4は、信号強度が、検出した成分に応じた基準値Asに達した時刻から、当該基準値Asまで下がった時刻までの期間である。これにより、例えば加工点出力の低下により信号波形の検出期間T4が短くなるといった傾向を特徴量に反映することができる。
本実施形態において、特徴量は、溶接期間T1またはピーク出力期間T2における信号強度の積分値を含む。これにより、例えば加工点出力の増減による被加工物70へのエネルギー投入量の増減といった傾向を特徴量に反映することができる。
本実施形態において、訓練データD1は、さらに、溶接後の溶融部27(溶接部の一例)の外観形状を測定して算出した数値、または溶接後の溶融部27が撮影された画像、あるいは算出した数値及び撮影された画像の両方を、加工点出力の変動が発生している状況下の加工点出力と関連付けて含む。このような訓練データD1を用いることで、加工点出力の判定をさらに精度良く行い得る判定モデル57を構築することができると考えられる。
本実施形態において、判定モデル57は、加工状態が変化する複数の条件における各条件のもとでレーザ加工を行って検出された成分の信号強度に基づいて算出された特徴量と、各条件における加工点出力値と、を関連付けた訓練データD1を用いた機械学習により生成される(S11~S12)学習済みモデルを含む。これにより、検出された熱放射、可視光及び反射光の少なくとも1つの成分に基づく特徴量から、加工状態として加工点出力値を判定する判定モデル57が得られる。
本実施形態において、加工点出力値は、基準出力に対する相対出力を示す数値を含む。これにより、レーザ光6の出力が加工点75においてどの程度変動したのかを含めて、レーザ加工における加工状態を詳細に判定することができる。
本実施形態において、光センサ22により検出される成分は、熱放射及び可視光を含む。これにより、例えば熱放射及び可視光に対応する信号の信号波形に応じて、平均強度及び/または信号強度の積分値等を特徴量に用いることができる。これらの成分には例えば被加工物70の溶融状態の変化が反映されやすいことから、加工点出力値を精度良く判定しやすくすることができる。
本実施形態の判定システム100において、判定装置50は、重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態の判定装置の一例である。判定装置50は、演算回路の一例としてCPU51と、通信回路52とを備える。通信回路52は、レーザ光6が被加工物70に照射されることで被加工物70の表面に形成される溶融部27(溶接部の一例)において発生する熱放射、可視光及び反射光の各成分のうち、少なくとも1つの成分を光センサ22により検出して生成された信号を受け付ける。信号は、被加工物70ごとの溶接開始から溶接終了までの時間区間を示す溶接期間T1における当該成分の変化を示す信号である。CPU51は、通信回路52により、信号を取得し(S1)、溶接期間のうちの所定の区間内において、信号の信号強度に基づいて信号波形に応じた特徴量を算出し(S2)、加工状態を判定する判定モデル57に算出した特徴量を入力して、レーザ光6を発振するレーザ出力のうちの、被加工物70における加工点75に到達する加工点出力値(加工点出力の一例)を加工状態として判定し(S3)、判定した加工点出力値を判定結果として、通信回路52により出力する(S4)。判定モデル57は、レーザ出力に応じた所定の基準出力に対して加工点出力値が変動する状況下で算出された特徴量と、当該状況下での加工点出力値とを関連付けて含む訓練データD1に基づいて構築される。
以上の判定装置50によると、上述した判定方法を実行して、重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態として加工点出力値を詳細に判定することができる。
(実施形態2)
以下、図面を用いて本開示の実施形態2を説明する。実施形態1では、判定モデル57により、レーザ光6の加工点出力値を判定する判定システム100を説明した。実施形態2では、さらに信号強度に関する所定の閾値を用いて、加工点出力値を判定する判定システムを説明する。
以下、実施形態1に係る判定システム100と同様の構成、動作の説明は適宜、省略して、本実施形態に係る判定システムの判定装置50を説明する。
レーザ溶接において、被加工物70には、製造現場での汚れ、及び製造工程でのオイルといった異物が付着または混入することがある。こうした異物が存在すると、レーザ光6を照射した際、溶融部27において発生する光の信号強度が突発的に大きく変動する場合がある。こうした場合、例えば学習済みの判定モデル57を生成するために用いた訓練データD1と、判定対象の信号との間で特徴量の差異が顕著に大きくなるような事態が考えられ、判定モデル57による加工点出力値の判定精度に影響を与える可能性がある。そこで、本実施形態の判定装置50は、信号強度と所定の閾値との関係に応じて、判定モデル57による判定処理(S3)の実行を制御する。
図11は、本実施形態の判定装置50における判定処理を例示するフローチャートである。本実施形態の判定処理は、実施形態1と同様の処理(S1~S3)に加えて、信号強度の閾値に関する処理(S21~S24)を含み、信号強度と閾値との関係に応じた判定結果を出力する(S4A)。
本実施形態の判定装置50において、CPU51は、例えば光センサ22から反射光、熱放射及び可視光の各信号を取得後(S1)、各信号について、ピーク出力期間T2において信号強度が所定の閾値を超える(即ち、閾値より大きい)時間区間の割合を算出する(S21)。なお、上記の割合は、ピーク出力期間T2に限らず、例えば溶接期間T1において算出されてもよく、または特に区間を設けずに信号の1波形に対応した取得期間において算出されてもよい。あるいは、例えば信号に割り当てられる数値列に基づいて割合が算出されてもよい。
所定の閾値は、例えば、予め反射光等の成分毎に、被加工物70に異物等が無いと判明している場合の複数回の溶接加工において取得された信号に基づいて設定される。例えば、各回の信号についてピーク出力期間T2等における統計値(例えば平均値)を算出して、各回の統計値の平均値が閾値に設定されてもよい。あるいは、例えば当該平均値を各回の統計値の標準偏差、または標準偏差に所定の比率を乗じた値等の加減算により調整した値が、閾値に設定されてもよい。統計値は、平均値に限らず、例えば中央値等であってもよい。このように複数回に亘り取得した信号を用いることで、例えば各成分を検出する際の外乱による信号波形の変動といった影響を小さくすることができる。
次に、CPU51は、ステップS21で算出した割合、即ち安定した信号強度に応じて設定された閾値よりも突発的に信号強度が高くなるNG割合が所定割合(例えば20%)未満であるか否かを判断する(S22)。
算出した割合(即ちNG割合)が所定割合未満である場合(S22でYES)、CPU51は、例えば実施形態1の判定処理(図5)と同様に、信号波形に応じた各種特徴量を算出し(S2)、特徴量を用いた判定モデル57による判定を行う(S3)。なお、NG割合が「0」、即ち信号強度が閾値を超えない場合、CPU51は、ステップS2以降の処理を特に実行せず、本フローチャートの処理を終了してもよい。この場合、加工点出力値を判定する対象の被加工物70は、溶接不良を生じていない正常品であるとして、溶接加工の後工程に送られてもよい。
本実施形態では、判定モデルの処理(S3)を実行後、CPU51は、判定モデル57を用いない判定演算処理を実行する(S23)判定演算処理は、例えば取得した信号(S1)に基づいて、ピーク出力期間T2のうちの、NG割合を除いた期間における信号強度の平均値を算出し、予め複数の加工点出力値にそれぞれ対応して設定された判定基準値との差分を演算する。判定演算処理は、例えば演算した差分が最も小さい判定基準値に対応する加工点出力値を演算処理結果として出力する。判定基準値には、例えばレーザ出力を10%毎に増減させて溶接加工を行った場合に得られる信号に基づき、各場合に算出した信号強度の平均値などが設定される。
なお、判定演算処理は、特に上記の例に制限されない。例えば判定演算処理で信号強度の積分値が算出されてもよく、判定基準値が上記の各場合における積分値であってもよい。また、例えば各場合における信号波形等の近似線を算出しておき、取得した信号を当てはめて演算結果が出力されてもよいし、平均値、積分値及び近似線のうちの一部又は全部を組み合わせて演算処理結果が出力されてもよい。
その後、CPU51は、判定モデルの処理(S3)による判定結果を、加工点出力値の判定結果として出力する(S4A)。ステップS4Aでは、例えばステップS23の演算処理結果に対するステップS3の判定結果の割合といった、各判定結果の一致率を算出し、最終的な判定結果の妥当性が検証されてもよい。例えば、図11の判定処理を繰り返し実行する際に、一致率の減少に応じて上記の所定割合が変更されてもよい。一致率の算出方法は、特に上記の例に制限されない。また、ステップS4Aにおいて、判定演算処理(S23)による演算処理結果が最終的な判定結果として出力されてもよい。
一方、ステップS21で算出した割合が所定割合未満ではない場合(S22でNO)、CPU51は、例えば、特徴量の算出(S2)及び判定モデルの処理(S3)を特に実行せず、判定演算処理(S23)を行う。このようにNG割合が所定割合未満ではない(例えば20%以上である)場合(S22でNO)、信号波形が突発的に大きく変動している可能性がある。この場合、上述したように判定モデル57による加工点出力値の判定精度に影響を与えることが懸念される。
ここで、判定演算処理(S23)において、CPU51は、例えば上述のように、信号強度が閾値以上の時間区間、即ちNG割合に該当する期間を除いた時間区間における平均値を算出し、算出した平均値に基づいて、加工点出力値を判定する。これにより、上記のような突発的な信号波形の異常を生じた信号においても、加工点出力値を精度良く判定し易くすることができる。
このように割合が所定割合未満ではなく(S22でNO)、判定演算処理(S23)を実行したが判定モデルの処理(S3)を実行しなかった場合、CPU51は、例えば判定演算処理(S23)で判定された加工点出力値を、判定結果として出力する(S4A)。
以上の処理によると、取得された信号の信号強度が所定の閾値を超える割合を算出し(S21)、算出した割合が所定割合未満であるか否かに応じて(S22)、判定モデルの処理(S3)に加えて又は代えて判定演算処理(S23)が実行される。
これにより、例えば被加工物70に異物等が存在して信号強度の突発的な変動が大きいような場合においても、加工点出力値を更に精度良く判定することができ、例えば加工点出力値を用いて溶接不良を検知し易くすることができる。なお、例えば一定の加工条件においてレーザ光6を照射する際、レーザ発振器1からのレーザ出力が突発的に大きく変動したと判明している場合には、溶接不良の可能性が高いと考えられるため、図11の判定処理が特に実行されなくてもよい。
例えば、レーザ発振器1からのレーザ出力を光センサ25によって電気信号として取得して、判定装置50に接続された表示機器等に表示させることで、判定システム100のユーザ等が信号強度の突発的な変動を確認することができる。また、レーザ出力についても、例えばステップS21と同様に所定の閾値が設定されてもよく、判定装置50は、光センサ25で取得されたレーザ出力の信号において、信号強度が当該閾値以上である割合に応じて、突発的な変動の有無を判断してもよい。
上記のステップS21では、検出される光の成分毎に閾値が設定される例を説明した。また、上記の例では、レーザ出力についても別途、閾値が設定される例を説明した。閾値は、これらに限らず、例えば各成分及びレーザ出力の全部又は一部において共通する閾値が用いられてもよい。
以上のように、本実施形態において、判定処理(S1~S4A)は、溶接期間T1またはピーク出力期間T2(所定の時間区間の一例)において、信号強度が所定の閾値を上回る期間の割合の一例としてNG割合を算出する工程(S21)をさらに含み、算出されたNG割合が所定の割合未満である(S22でYES)ことに応答して、判定モデル57により加工点出力値(加工点出力の一例)を判定する工程(S3)を実行する。このような判定処理によっても、例えば判定モデル57により精度良く加工点出力値を判定し易いと想定される場合に判定モデルの処理(S3)を実行でき、加工状態を詳細に判定することができる。
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記の各実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記の各実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
上記の各実施形態では、判定装置50は、特徴量を算出する(S2)際に、信号波形をスムージングしてから特徴量を算出した。本実施形態では、信号波形にあらかじめスムージング処理を行わずに、特徴量が算出されてもよい。
上記の各実施形態では、信号波形に応じた各特徴量は、反射光ピーク位置の他は反射光、熱放射及び可視光の各成分について算出される例を説明した。本実施形態では、特徴量は、各成分に限らず、反射光、熱放射または可視光の何れかの信号に基づいて算出されてもよい。レーザ溶接時には、レーザ光6の波長に対する、被加工物70の材料の吸収率を考慮しながら、加工条件が選択されることが好ましく、こうした吸収率を考慮して特徴量の算出に用いる成分が選択されてもよい。
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、当業者が適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本開示の範疇である。
本開示は、重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態の判定システムに適用可能であり、特に加工点に到達するレーザ光の出力値を判定する方法及び装置に適用可能である。
1 レーザ発振器
2 レーザ伝送用ファイバ
3 鏡筒
4 コリメートレンズ
5、11 集光レンズ
6 レーザ光
7 第1ミラー
8 第2ミラー
13 光ファイバ
15 コリメートレンズ
16 第3ミラー
17 第4ミラー
18 第5ミラー
19、20、21 集光レンズ
22 光センサ
23 伝送ケーブル
24 コントローラ
25 光センサ
26 押さえ治具
27 溶融部
30 レーザ加工装置
40 分光装置
50 判定装置
51 CPU
52 通信回路
53 記憶装置
56 制御プログラム
57 判定モデル
70 被加工物
75 加工点
D1 訓練データ
100 判定システム

Claims (11)

  1. 重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態の判定方法であって、
    光センサを用いて、レーザ光が被加工物に照射されることで前記被加工物の表面に形成される溶接部において発生する熱放射、可視光及び反射光の各成分のうち少なくとも1つの成分を検出する工程と、
    前記被加工物毎の溶接開始から溶接終了までの時間区間を示す溶接期間における、検出した成分の変化を示す信号を取得する工程と、
    前記溶接期間のうちの所定の区間内において、前記信号の信号強度に基づいて信号波形に応じた特徴量を算出する工程と、
    前記加工状態を判定する判定モデルに算出した前記特徴量を入力して、前記加工状態として、前記レーザ光を発振するレーザ出力のうちの、前記被加工物における加工点に到達する加工点出力を判定する工程と、
    判定した前記加工点出力を判定結果として出力する工程と、
    を含み、
    前記判定モデルは、前記レーザ出力に応じた所定の基準出力に対して前記加工点出力の変動が発生している状況下で算出された前記特徴量と、前記状況下の前記加工点出力とを関連付けて含む訓練データに基づいて構築される、
    レーザ加工状態の判定方法。
  2. 前記所定の区間は、前記特徴量毎に、前記レーザ出力の時間変化に応じて定義される、
    請求項1に記載のレーザ加工状態の判定方法。
  3. 前記特徴量は、前記レーザ出力が発振開始からピークに達するまでの立上り期間よりも短い時間区間において、前記反射光の信号強度が最大になる時刻を含む、
    請求項2に記載のレーザ加工状態の判定方法。
  4. 前記特徴量は、前記レーザ出力の立上り後から立下り前までのピーク出力時の時間区間における前記信号の平均強度を含む、
    請求項2に記載のレーザ加工状態の判定方法。
  5. 前記特徴量は、前記溶接期間内での前記信号波形の検出期間を含み、
    前記信号波形の検出期間は、前記信号強度が、前記検出した成分に応じた基準値に達した時刻から、前記基準値まで下がった時刻までの期間である、
    請求項2に記載のレーザ加工状態の判定方法。
  6. 前記特徴量は、前記溶接期間又は前記レーザ出力の立上り後から立下り前までのピーク出力時の時間区間における前記信号強度の積分値を含む、
    請求項2に記載のレーザ加工状態の判定方法。
  7. 前期訓練データは、さらに、溶接後の前記溶接部の外観形状を測定して算出した数値、または溶接後の前記溶接部が撮影された画像、あるいは前記算出した数値及び撮影された画像の両方を、前記状況下の前記加工点出力と関連付けて含む、
    請求項1に記載のレーザ加工状態の判定方法。
  8. 前記加工点出力は、前記基準出力に対する相対出力を示す数値を含む、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の判定方法。
  9. 前記判定モデルは、前記加工状態が変化する複数の条件における各条件のもとで、前記レーザ加工を行って検出された前記成分の信号強度に基づいて算出された特徴量と、前記各条件における前記加工点出力と、を関連付けた訓練データを用いた機械学習により生成される学習済みモデルを含む、
    請求項1に記載のレーザ加工状態の判定方法。
  10. 前記溶接期間又は前記レーザ出力の立上り後から立下り前までのピーク出力時の時間区間において前記信号強度が所定の閾値を上回る期間の割合を算出する工程をさらに含み、
    算出された割合が所定の割合未満であることに応答して、前記判定モデルにより加工点出力を判定する工程を実行する
    請求項1に記載のレーザ加工状態の判定方法。
  11. 重ね合わせ溶接のためのレーザ加工における加工状態の判定装置であって、
    演算回路と、
    レーザ光が被加工物に照射されることで前記被加工物の表面に形成される溶接部において発生する熱放射、可視光及び反射光の各成分のうち、少なくとも1つの成分を光センサによって検出して生成された信号を受け付ける通信回路とを備え、
    前記信号は、前記被加工物ごとの溶接開始から溶接終了までの時間区間を示す溶接期間における前記成分の変化を示す信号であり、
    前記演算回路は、
    前記通信回路により前記信号を取得し、
    前記溶接期間のうちの所定の区間内において、前記信号の信号強度に基づいて信号波形に応じた特徴量を算出し、
    前記加工状態を判定する判定モデルに算出した前記特徴量を入力して、前記加工状態として、前記レーザ光を発振するレーザ出力のうちの、前記被加工物における加工点に到達する加工点出力を判定し、
    判定した前記加工点出力を判定結果として出力し、
    前記判定モデルは、前記レーザ出力に応じた所定の基準出力に対して前記加工点出力の変動が発生している状況下で算出された前記特徴量と、前記状況下の前記加工点出力とを関連付けて含む訓練データに基づいて構築される、
    レーザ加工状態の判定装置。
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