JP2023165457A - 緑化用具 - Google Patents

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和正 柴田
Kazumasa Shibata
剛志 中村
Tsuyoshi Nakamura
義仁 戸来
Yoshito Torai
ひとみ 福嶋
Hitomi Fukushima
理英 横山
Michihide Yokoyama
聡 林
Satoshi Hayashi
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Abstract

【課題】植物性原料を炭化した炭化物の流亡をも防止しつつ、その炭化物の機能および炭化物による効果を施工部全域において十分に発揮させることの容易な緑化用具を提供すること。【解決手段】緑化用具1,9は、緑化用植物の種子または肥料または生育基盤材または土壌改良材を含む植生基材aを備える略長方形状のシート状部材2,6,7を備え、前記シート状部材2,6,7はさらに植物性原料の炭化物Sを備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、緑化用具に関し、さらに詳しくは、機能炭を備えた植生シートあるいは機能炭を備えた植生マットを含む緑化用具に関するものである。
植物を炭化した炭化物である木炭や活性炭等の多孔質の炭素材料は、その内部表面積が非常に大きく、土壌に混入すると、その土壌の通気性・保水性・透水性・保肥力が向上し、土壌の保温、土壌微生物の増加、酸性土壌の矯正、ミネラル分の補給などの効果も得られることから、土壌改良材として用いられている。
また、本出願人は、炭素材料に陰イオン吸着性能を持たせた陰イオン吸着炭素材料を開発し、土壌改良肥料として実用化するに至っている(特許文献1)。
特開2005-306716号公報
しかしながら、上記の炭素材料等は、地表面への散布や土壌内への層状の埋設といった形態で利用されているため、暴風、大雨等により炭化物自体や炭化物層の上にある土壌等が流亡する恐れがあり、ひいては炭化物の機能が十分に発揮されなくなる恐れがある。
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、植物性原料を炭化した炭化物の流亡をも防止しつつ、その炭化物の機能および炭化物による効果を施工部全域において十分に発揮させることが容易な緑化用具を提供することにある。
上記目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、緑化用植物の種子または肥料または生育基盤材または土壌改良材を含む植生基材を備える略長方形状のシート状部材を備える緑化用具であって、前記シート状部材はさらに植物性原料の炭化物を備えることを特徴とする緑化用具を提供する。
本願の請求項2に係る発明は、前記炭化物は、一価の陰イオンを選択的に吸着可能である請求項1に記載の緑化用具を提供する。
本願の請求項3に係る発明は、前記炭化物は、植物性原料にカルシウムイオンを導入したカルシウム導入原料を炭化したものである請求項2に記載の緑化用具を提供する。
本願の請求項4に係る発明は、前記植物性原料は、コーヒー粕である請求項3に記載の緑化用具を提供する。
本願の請求項5に係る発明は、緑化用植物の種子または肥料または生育基盤材または土壌改良材を含む植生基材が収容された長尺状の基材袋を備える請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の緑化用具を提供する。
本願の請求項6に係る発明は、前記基材袋にはさらに植物性原料の炭化物が収容されていることを特徴とする請求項5に記載の緑化用具を提供する。
本願発明では、略長方形状のシート状部材は、緑化用具を例えば法面等の地表面に敷設したときに地表面に接地する部材であり、地表面とシート状部材はほぼ面接触することによって、地表面への密着性に優れたシート状部材を提供できる。
そして、本願発明では、種子または肥料または生育基盤材または土壌改良材を含む植生基材を略長方形状のシート状部材に備えるとともに、シート状部材はさらに植物性原料の炭化物を備えており、その植物性原料の炭化物をシート状部材の矩形状をした、例えば地山側である下面の全面にわたって略均一に平面状に保持(付着)させうる構成を採用することができるようにし、それによって、シート状部材と地表面の間を降雨等が流下し、シート状部材に保持された植生基材、さらにはシート状部材に保持された炭化物が地山表面(土壌表面)に落下し、落下した植生基材、さらには炭化物もシート状部材により被覆・密着するため、炭化物の流亡をも防止しつつ、しかも、炭化物も直接土壌に触れるため、炭化物の機能を敷設領域である施工部全域(緑化用具が敷設された例えば法面全体)において十分に発揮させることができる。
すなわち、シート状部材の例えば地山側である下面の全面に炭化物を付着させることによって、炭化物をも直接土壌に触れさせることができるようにし、それによって、土壌の改良効果をより高くでき、土壌の改良効果がより高くなることで植物の根の土壌への伸長をより活発にでき、植生の生育がより促進される。
また、本願発明では、植物性原料の炭化物は黒色であるため、太陽光の下では温度が上がりやすくなり、緑化用具全体の温度が上がりやすい。そのため、施工部全域の地温が上がりやすくなるため特に冬場の植生に好適である。
一般に、冬期の施工では、施用した化学肥料中の窒素が雨や雪により溶出し、土壌下層へ移動したり系外に溶脱するため、気温が上昇する頃には土壌表層の窒素は少ない状態となっている。そのため、植物の生育初期に窒素を速やかに吸収できず、成長速度が遅くなる。
これに対し、本願発明では、土壌表層で前記炭化物が窒素を吸着した場合、土壌表層に窒素を保持することができるため、植物の初期の生育が優れるといった利点をも有する。
本発明の一実施の形態に係る緑化用具を示す構成説明図である。 上記実施の形態に係る緑化用具の法面への敷設状態を示す縦断面図である。 (A)および(B)は、それぞれ、本発明の他の実施の形態に係る緑化用具を示す構成説明図および分解斜視図である。 (A)は、上記他の実施の形態に係る緑化用具を示す縦断面図、(B)は、上記他の実施の形態に係る緑化用具の変形例を示す縦断面図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
図1、図2は、本発明の一実施例の植生シート(緑化用具の一例)を示している。
図1、図2において、植生シート1は、例えば吹付けにより植生基材(緑化用植物の種子または肥料または生育基盤材または土壌改良材のうち少なくとも一つを含む)aを糊で付着させている薄綿(略長方形状のシート状部材の一例)2と、薄綿2の上面mを介して薄綿2が例えば糊で接着されているネット(例えばポリエチレンネット)3を含み、さらに植物性原料の炭化物(以下、機能炭という)Sをこの実施例では薄綿2の下面(平面視略矩形状)nの略全面にわたって略均一に平面状に保持(付着)させた状態で法面N上に敷設されている。この実施例では、機能炭Sを薄綿2に糊付けする方法を採用している。
なお、法面Nの地表面に植生シート1を敷設したときには薄綿2は地表面に直接触れる部材であり、薄綿2に保持された(薄綿2に付着している)機能炭Sは植生基材aと同様に降雨等の水分により土壌表面(地表面)に速やかに落下することから、植生シート1の略全面(略全域)にわたって機能炭Sが略均一に平面状に保持されうる限りは、薄綿2のいずれの箇所に機能炭Sを保持させてもよい。
機能炭Sの好ましい保持位置としては、薄綿2の上面m、下面n(この実施例)、内部のいずれでもよく、また、それらの組み合わせでもよい。
この実施例では、上述したように、薄綿2の地山側に位置する平面状の下面nの略全面にわたって、かつ植生シート敷設時には下面nが施工部全域をカバーするよう下面nにおいて略均一に機能炭Sを薄綿2に保持(付着)させている。
すなわち、植生シート1を法面N上に敷設したときには地表面と薄綿2の間に挟み込まれた状態で機能炭Sが位置しており、敷設時には薄綿2の下面nが地表面に直接当接している。
なお、上述したように、本発明では、薄綿2の平面状の上面m(ネット側に位置する)の略全面にわたって、かつ上面mが対向する敷設領域である施工部全域をカバーするよう上面mにおいて略均一に平面状に機能炭Sを保持(付着)させるように構成してもよい。
また、上述したように、本発明では、薄綿2の内部全域にわたり、かつ、敷設領域である施工部全域をカバーするよう略均一に平面状に機能炭Sを保持(付着)させるように構成してもよい。
上述したように、この実施例では、機能炭Sの及ぼす効果を敷設領域である施工部全域に行きわたらせて機能炭Sの機能を十分に発揮させるよう薄綿2の地山側に位置する下面nにおける全面に機能炭Sを付着させてある。
前記機能炭Sとしては例えば以下のもの(1),(2)が挙げられる。
(1)植物性原料(植物からなる原料)を炭化した炭化物が有する微細孔壁に形成された官能基に、直接またはカルシウムを介して、吸着対象の陰イオンとイオン交換が可能な陰イオンを結合させた陰イオン吸着炭素材料の製造に用いられる炭化物であり、植物からなる原料にカルシウムイオンを含む溶液を接触させたカルシウム導入植物を炭化してなる、陰イオン吸着炭素材料の製造に用いられる炭化物(特許第3790541号公報参照)。
(2)植物性原料(植物からなる原料)を炭化した炭化物が有する微細孔壁に形成された官能基に、直接または金属を介して、吸着対象の陰イオンとイオン交換が可能な塩化物イオンを結合させた陰イオン吸着炭素材料の製造に用いられる炭化物であり、植物からなる原料に金属塩化物を含む溶液を接触させた金属塩化物導入植物を炭化してなる、陰イオン吸着炭素材料の製造に用いられる炭化物(特許第3790541号公報参照)。
具体的には、シート状部材に備わる前記機能炭は、植物性原料を炭化した炭化物であり、例えば、植物性原料(コーヒー粕)に適宜濃度(例えば1~20重量%)の金属塩化物(例えば塩化カルシウム)を適宜の手段(例えば滴下、塗布、吹付け、噴霧、浸漬等)によって接触・混練させた後、適宜温度(例えば、400~1000℃、好ましくは500~900℃、最も好ましくは600~800℃)で炭化し、その炭化物内に金属塩化物を含有させることによって得られる陰イオン吸着炭素材料を用いることができる。
ここで、陰イオン吸着炭素材料を得る際の植物性原料と金属塩化物との接触・混練は、適宜の水分がある状態で行うことが考えられ、植物性原料、金属塩化物の少なくとも一方をウエット状態(溶液状態を含む)にしておくか、両者を水に投入して混合するのが好ましい。従って、例えばウエット状態のコーヒー粕を植物性原料として用いる場合、これに接触・混練する金属塩化物としての塩化カルシウムは、ドライ状態(固体状)であってもウエット状態(液状)であってもよく、また、カルシウムイオンを含む溶液を植物性原料に接触させてカルシウム導入原料とし、このカルシウム導入原料を炭化して陰イオン吸着炭素材料を得る場合も、植物性原料はドライ状態(固体状)であってもウエット状態(液状)であってもよい。
このようにして得られる陰イオン吸着炭素材料は、炭化物が有する微細孔壁に形成された官能基に、直接または金属を介して、吸着対象の陰イオンとイオン交換が可能な陰イオン(例えば塩化物イオン)が結合した状態となる結果、陰イオン吸着特性を有することになる。斯かる陰イオン吸着炭素材料は、従来のイオン交換樹脂とは異なり、一価の陰イオン(硝酸イオン、亜硝酸イオン、フッ素イオン、臭素酸イオン、塩素酸イオン、ヨウ素酸イオンなど)のみを選択的に吸着する。
なお、陰イオン吸着炭素材料を得る際に金属塩化物として水酸化カルシウムを用いる場合には、植物性原料と金属塩化物とを接触・混練し、炭化した後、酸処理(例えばHC1溶液への浸漬処理)を行うのが好ましいが、金属塩化物として塩化カルシウムを用いる場合には斯かる酸処理は不要とすることができる。
また、薄綿2に付着させる植生基材aは、緑化用植物の種子(植生種子)または肥料または生育基盤材(土、保水材、混和剤等)または土壌改良材のうち少なくとも一つを含み、例えば、バーミキュライトを主体として配合され植生種子を含んでいるものや、表土シードバンクを含み、具体的には、植生シートを敷設する法面Nの近傍の地山や森林等の植生種子を含んでいる表土にピートモス、バーク堆肥や保水材など生育補助材を適宜混合してなるものが挙げられる。
さらに、この実施例では、略長方形状のシート状部材の一例として薄綿2を挙げ、機能炭Sを薄綿2に糊付けする方法を採用しているが、略長方形状のシート状部材として種々の変形例を挙げることができる。
本発明では、ネットの下側に位置する略長方形状のシート状部材を、植生基材aと共に、紙や不織布同士で機能炭Sをも挟み込んだ状態で、これらをホッチキス等の連結具で一体化して構成してもよい。
また、本発明では、機能炭Sを不織布と紙の間に保持してなる略長方形状のシート状部材を採用してもよく、さらには、機能炭Sを不織布同士の間に挟んで保持して構成されている略長方形状のシート状部材を採用してもよい。
すなわち、本発明では、複数のシート状部材を積層状態で有する構成の緑化用具にも適用できる。
而して、法面Nの雑草木・浮土砂・浮石などを除去し、植生シート1が密着するよう清掃が行われて施工面を形成する。
その後、法肩部を所定長さ(例えば10cm程度)巻き込み、薄綿2の付いている面を法面Nへ密着するように展開する。
続いて、複数枚の植生シート1を上下左右の端部をそれぞれ重ね合わせながら法面Nに敷設する。例えば植生シート1の横(植生シート1の長手方向側)の重ね幅を例えば2cm程度とし、縦(植生シート1の短手方向側)の重ね幅を例えば10cm程度とする。
続いて、所定本数の止め釘(アンカーピン)4を規定の間隔を空けた状態で所定の箇所に適宜打設することにより、植生シート1を法面Nに敷設固定することができる。
このように、この実施例では、薄綿2に機能炭Sを保持しているため、放線菌等の土壌微生物の活性化、腐植の増加による保肥性の増大、土壌団粒化の促進等の土壌環境の改善効果や保水効果、植物により硝酸性窒素が吸着された後の機能炭が硝酸性窒素を再吸着する効果は、薄綿2と接している敷設領域である施工部全域で顕著である。
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、シート状部材とこのシート状部材に一体化して設けた基材袋(上記実施例の緑化用具では備わっていなかった)を備えた緑化用具にも適用できる。
すなわち、本発明は、例えば、図3、図4に示すように、緑化用植物の種子または肥料または生育基盤材または土壌改良材を含む植生基材が収容された長尺状の基材袋を備え、前記基材袋にはさらに機能炭(植物性原料の炭化物)が収容されている緑化用具を提供できる。
以下、図3、図4を用いて本発明の他の実施例について説明する。なお、図3、図4において、図1、図2に示した符号と同一の物は同一又は相当物である。
図3(A)には、法面Nに敷設した状態の植生マット(緑化用具の一例)9を示してあり、この植生マット9は、複数の長尺状の基材袋5を略長方形状の三つのシート状部材6,7,8に一体化して備える。
すなわち、図3(B)および図4(A)に示すように、植生マット9は、浸食防止材6、保持シート(例えばクレープ紙)7、ネット状部材8を下側からこの順に積層状態で有し、図4(A)に示すように、浸食防止材6と保持シート7の間に基材袋5および粗大繊維10を挟み込んだ状態で、これらをホッチキス等の連結具11で一体化して構成してある。そして、図3(A)に示すように、アンカーピン12,13を適宜に打設することにより、植生マット9を法面Nに敷設固定することができる。
基材袋5は、両端が閉塞された細長い筒状を呈する袋状体に植生基材aおよび機能炭Sを収容したものである。前記袋状体は植生基材aおよび機能炭Sを通さず、透水性または透湿を有するシート状部体を用いて形成することができ、例えば、基材袋5に緑化用植物の種子を収容する場合、この種子の発芽や発根を阻害しないような性状を持たせておくべきであることはいうまでもない。
浸食防止材6は、植生マット9を法面Nに敷設したときに接地する部材であるので、法面Nへの密着性に優れ、その浸食防止効果を有するものが好ましく、同時に、植生マット9の敷設領域(施工部全域)で生育する植物の通芽や通根を阻害しないとともに、浸食防止材6の上側に配する粗大繊維10をしっかりと保持できるものが好ましい。この実施例では、浸食防止材6としてコットンシートを用いており、コットンシートはその素材の柔らかさにより法面Nへの密着性に優れ、その構造上、目合いを適宜に密にすることにより、吸水性および保温性にも優れたものとするのが容易である。
保持シート7は、植生マット9の運搬の際等にこの上側にあるネット状部材8の目合いから粗大繊維10が漏れるのを防止するためのものであり、透水性と、ネット状部材8より小さな目合いと、植生種子aの通芽・通根を妨げない引張強度とを有していることが望ましく、この実施例の保持シート7には植物性繊維(目付量13g/m2 )製のクレープ紙を採用している。
ネット状部材8は、植生マット9を法面Nに敷設した状態で、ネット状部材8よりも下側にある他の部材が強風等で飛ばされないように押さえつけ保持できる強度等を有しているのが好ましい。この実施例では、ネット状部材8として、ヤシ繊維をより合わせて目合い5~100mm程度で目付量300~1000g/m2 のネット状に構成したヤシ繊維ネットを用いており、ヤシ繊維一本の直径は約0.1~0.3mmであり、内部に直径3~15mmの連続孔が存在することから、保水性や法面N表土の流出防止効果に優れるといった特徴を持つ。
粗大繊維10は、例えば木毛、木片、シュレッダーダストなどの植物茎葉、解した樹皮、布を解した繊維の少なくとも一つが選択され、特に、木毛、木片、シュレッダーダスト、解した樹皮といった樹木に由来する材料を選択した場合は、繊維自体が持つ多孔性が保温や調湿作用に寄与することから、植物の生育に有益であり望ましい。中でも木毛は、上記作用から得られる効果が最も高く望ましい。また、木毛、木片、樹皮については、間伐材や倒木材を利用することで、安価に入手可能であり、例えば針葉樹の間伐材を木毛状に加工したものを粗大繊維10として用いる場合、針葉樹は仮道管組織を持ち表面積が広いため、保水性や保温性に優れた粗大繊維10が得られる。
このように、植生マット9は、全体として(三つのシート状の部材6,7,8がそれぞれ)例えば幅1m×長さ2~5mの略長方形状を呈し、その短手方向(幅方向)が法面Nの等高線に沿うように配置される。また、各基材袋5は、その長手方向が植生マット9の短手方向(幅方向)に延び、つまりは基材袋5の長手方向も等高線に沿うように配置される。なお、基材袋5の長手方向の寸法と植生マット9の短手方向の寸法とは同程度であり、複数の基材袋5は植生マット9の長手方向に適宜の間隔(例えば10cm間隔)を空けて設けられる。
そして、長尺状の基材袋5内に機能炭Sも収容されているため、放線菌等の土壌微生物の活性化、腐植の増加による保肥性の増大、土壌団粒化の促進等の土壌環境の改善効果や保水効果、植物により硝酸性窒素が吸着された後の機能炭Sが硝酸性窒素を再吸着する効果は、長尺状の基材袋5内およびそれと接している地山部近傍で顕著である。
そして、この実施例では、機能炭Sを、浸食防止材6の下面e〔図4(A)参照〕の全面にわたって略均一に平面状に、例えば糊付けする方法等を採用して植生マット9に保持(付着)させてある。
さらに、本発明では、機能炭Sを浸食防止材(例えばコットンシート)6の内部全域にわたり、かつ、敷設領域である施工部全域をカバーするよう略均一に平面状に保持(付着)させるように構成してもよい。
また、本発明では、機能炭Sを、保持シート(例えばクレープ紙)7と保持シート7の下側に位置する浸食防止材6の間に挟み込むよう構成してもよい。
この場合、機能炭Sを、浸食防止材6と保持シート7の間において基材袋5と共に挟み込まれている粗大繊維10の内部全域にわたり、かつ、敷設領域である施工部全域をカバーするよう略均一に平面状に保持(付着)させるように構成してもよい。
あるいは、機能炭Sを、浸食防止材6の上面f〔図3(B)参照〕の全面にわたって略均一に平面状に、例えば糊付けする方法等を採用して植生マット9に保持(付着)させるよう構成してもよい。
また、機能炭Sを、保持シート7の下面g〔図3(B)参照〕の全面にわたって略均一に平面状に、例えば糊付けする方法等を採用して植生マット9に保持(付着)させるよう構成してもよい。
さらに、本発明では、機能炭Sを、保持シート7の上面k〔図3(B)参照〕の全面にわたって略均一に平面状に、例えば糊付けする方法等を採用して植生マット9に保持(付着)させるよう構成してもよい。
なお、機能炭Sを、保持シート(例えばクレープ紙)7の内部全域にわたり、かつ、敷設領域である施工部全域をカバーするよう略均一に平面状に保持(付着)させるように構成してもよい。
そして、本発明では、上述した種々の機能炭Sの保持の仕方を適宜組み合わせてもよい。
上記他の実施例では、植生基材aが収容された長尺状の基材袋5を略長方形状の三つのシート状部材6,7,8に一体化して備え、機能炭Sを、基材袋5に収容するとともに、基材袋5と一体化されたシート状部材6,7にも保持した構成の植生マット9を示したが、本発明では、機能炭Sを基材袋5に収容することなく、シート状部材6,7に保持させるように構成してもよい。
この場合でも、浸食防止材6および/または保持シート7に機能炭Sを保持しているため、放線菌等の土壌微生物の活性化、腐植の増加による保肥性の増大、土壌団粒化の促進等の土壌環境の改善効果や保水効果、植物により硝酸性窒素が吸着された後の機能炭が硝酸性窒素を再吸着する効果は敷設領域である施工部全域で顕著である。
図4(A)に示す植生マット9では、植生基材を基材袋5にのみ保持させてあり、つまりは植生基材の層を一層のみ設けているが、これに限らず、植生基材aの層を二層以上設けるようにしてもよい。例えば、図4(B)に示すように、図4(A)に示す植生マット9の下側に、植生基材を収容する空間を設けることが考えられ、この例では、植生基材を収容した第2マット12を植生マット9の下側に配して両者をホッチキス等の連結具11aで一体化してあり、第2マット12の上面部13aはクレープ紙で、下面部13bはジュートフェルトで構成してある。
そして、この第2マット12の内部または上下両面に機能炭Sを内蔵あるいは付着させてもよい。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ること勿論である。
また、本明細書で挙げた変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
1,9 緑化用具
2,6,7 略長方形状のシート状部材
a 植生基材
S 植物性原料の炭化物(機能炭)

Claims (6)

  1. 緑化用植物の種子または肥料または生育基盤材または土壌改良材を含む植生基材を備える略長方形状のシート状部材を備える緑化用具であって、前記シート状部材はさらに植物性原料の炭化物を備えることを特徴とする緑化用具。
  2. 前記炭化物は、一価の陰イオンを選択的に吸着可能である請求項1に記載の緑化用具。
  3. 前記炭化物は、植物性原料にカルシウムイオンを導入したカルシウム導入原料を炭化したものである請求項2に記載の緑化用具。
  4. 前記植物性原料は、コーヒー粕である請求項3に記載の緑化用具。
  5. 緑化用植物の種子または肥料または生育基盤材または土壌改良材を含む植生基材が収容された長尺状の基材袋を備える請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の緑化用具。
  6. 前記基材袋にはさらに植物性原料の炭化物が収容されていることを特徴とする請求項5に記載の緑化用具。

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