JP2023163433A - 超音波探傷装置および超音波探傷方法 - Google Patents

超音波探傷装置および超音波探傷方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023163433A
JP2023163433A JP2022074353A JP2022074353A JP2023163433A JP 2023163433 A JP2023163433 A JP 2023163433A JP 2022074353 A JP2022074353 A JP 2022074353A JP 2022074353 A JP2022074353 A JP 2022074353A JP 2023163433 A JP2023163433 A JP 2023163433A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
voltage
predetermined
response value
voltage application
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022074353A
Other languages
English (en)
Inventor
誠治 小林
Seiji Kobayashi
恭平 林
Kyohei Hayashi
充良 植松
Mitsuyoshi Uematsu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2022074353A priority Critical patent/JP2023163433A/ja
Priority to PCT/JP2023/005729 priority patent/WO2023210122A1/ja
Publication of JP2023163433A publication Critical patent/JP2023163433A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B17/00Measuring arrangements characterised by the use of infrasonic, sonic or ultrasonic vibrations
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N29/00Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
    • G01N29/04Analysing solids
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N29/00Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
    • G01N29/22Details, e.g. general constructional or apparatus details
    • G01N29/26Arrangements for orientation or scanning by relative movement of the head and the sensor
    • G01N29/265Arrangements for orientation or scanning by relative movement of the head and the sensor by moving the sensor relative to a stationary material
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N29/00Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
    • G01N29/44Processing the detected response signal, e.g. electronic circuits specially adapted therefor

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Length Measuring Devices Characterised By Use Of Acoustic Means (AREA)

Abstract

【課題】非線形の応答特性を示す欠陥の開口幅を計測する。【解決手段】超音波アレイプローブ10と、所定数の超音波素子に所定電圧を同時に印加する第1動作と、所定数の超音波素子を複数の素子群に分割して各素子群に異なるタイミングで所定電圧を印加する第2動作とを含む電圧印加動作を実行する電圧印加部20と、第1動作において超音波アレイプローブ10が受信した所定周波数の超音波の第1応答値と、第2動作において超音波アレイプローブ10が異なるタイミングで受信した所定周波数の超音波の複数の応答値を加算した第2応答値との差分である差分応答値を取得する取得部30と、電圧印加部20が電圧値の異なる複数の所定電圧で電圧印加動作を実行するときに取得部30が取得する複数の差分応答値に基づいて欠陥DFの開口幅を計測する計測部40と、を備える超音波探傷装置100を提供する。【選択図】図1

Description

本開示は、超音波探傷装置および超音波探傷方法に関する。
従来、検査対象に含まれる閉じたき裂や微小開口幅のき裂などの欠陥を、超音波を用いて計測する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、所定の基本周波数で互いに異なる振幅を有する複数種類の超音波をそれぞれ送信信号として検査対象に送信し、検査対象から反射される超音波を受信し、異なる振幅に対する応答強度の差分から検査対象の欠陥を映像化する技術が開示されている。
特許第6025049号公報
特許文献1では、異なる振幅に対する応答強度の差分を映像化することにより、送信信号の振幅の大きさに対して受信信号の反射強度が比例しない非線形性を有する欠陥があるかどうかを検出することができる。しかしながら、特許文献1は、異なる振幅に対する応答強度の差分を映像化するものであり、欠陥の大きさ(例えば、き裂の開口幅)そのものを計測するものではない。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、送信される超音波の振幅の大きさに対して受信される超音波の応答値が比例しない非線形の応答特性を有する欠陥の開口幅を計測することが可能な超音波探傷装置および超音波探傷方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係る超音波探傷装置は、検査対象に所定周波数の超音波を送信するとともに前記検査対象で反射した前記所定周波数の超音波を受信する所定数の超音波素子を所定方向に沿って配置した超音波アレイプローブと、前記所定数の前記超音波素子に前記所定電圧を同時に印加する第1動作と、前記所定数の前記超音波素子を複数の素子群に分割して各素子群に異なるタイミングで前記所定電圧を印加する第2動作とを含む電圧印加動作を実行する電圧印加部と、前記第1動作において前記超音波アレイプローブが受信した前記所定周波数の超音波の第1応答値と、前記第2動作において前記超音波アレイプローブが異なるタイミングで受信した前記所定周波数の超音波の複数の応答値を加算した第2応答値との差分である差分応答値を取得する取得部と、前記電圧印加部が電圧値の異なる複数の前記所定電圧で前記電圧印加動作を実行するときに前記取得部が取得する複数の前記差分応答値に基づいて前記検査対象に含まれる欠陥の開口幅を計測する計測部と、を備える。
本開示の一態様に係る超音波探傷方法は、検査対象に含まれる欠陥の開口幅を超音波探傷装置により計測する超音波探傷方法であって、前記超音波探傷装置は、検査対象に所定周波数の超音波を送信するとともに前記検査対象で反射した前記所定周波数の超音波を受信する所定数の超音波素子を所定方向に沿って配置した超音波アレイプローブを備え、前記所定数の前記超音波素子に前記所定電圧を同時に印加する第1動作と、前記所定数の前記超音波素子を複数の素子群に分割して各素子群に異なるタイミングで前記所定電圧を印加する第2動作とを含む電圧印加動作を実行する電圧印加工程と、前記第1動作において前記超音波アレイプローブが受信した前記所定周波数の超音波の第1応答値と、前記第2動作において前記超音波アレイプローブが異なるタイミングで受信した前記所定周波数の超音波の複数の応答値を加算した第2応答値との差分である差分応答値を取得する取得工程と、前記電圧印加工程が電圧値の異なる複数の前記所定電圧で前記電圧印加動作を実行するときに前記取得工程が取得する複数の前記差分応答値に基づいて前記検査対象に含まれる欠陥の開口幅を計測する計測工程と、を備える。
本開示によれば、送信される超音波の振幅の大きさに対して受信される超音波の応答値が比例しない非線形の応答特性を有する欠陥の開口幅を計測することが可能な超音波探傷装置および超音波探傷方法を提供することができる。
本開示の第1実施形態に係る超音波探傷装置の概略構成図である。 電圧印加部が実行する電圧印加動作を示すフローチャートである。 電圧印加部が第1動作を実行する際に超音波素子に印加する電圧パルスの遅延時間を示すグラフである。 取得部が実行する差分応答値の取得動作を示すフローチャートである。 超音波の振幅と取得部が取得する応答値との関係を示すグラフである。 線形性の応答から非線形性の応答へ切り替わる電圧値と欠陥の開口幅との関係を示すグラフである。 記憶部に記憶するテーブルを作成する動作を示すフローチャートである。 欠陥の開口幅を計測する動作を示すフローチャートである。 超音波アレイプローブを検査対象の表面に設置した状態を示す斜視図である。 画像表示部に表示させたCスキャン画像の一例を示す図である。 電圧印加部が超音波素子に印加する電圧値を切り替えた際に画像表示部に表示されるCスキャン画像の一例を示す図である。 電圧印加部が実行する電圧印加動作を示すフローチャートである。 超音波の振幅と取得部が取得する応答値との関係を示すグラフである。 検査対象の欠陥に単一の超音波素子から超音波を照射した状態を示す正面図である。 検査対象の欠陥に単一の超音波素子から超音波を照射した状態を示す正面図である。 検査対象の欠陥に単一の超音波素子から超音波を照射した状態を示す正面図である。 接着層に焦点が合うように直流電圧印加部から超音波素子に印加される直流電圧を変更し、電圧印加部が電圧印加動作を実行する処理を示すフローチャートである。
〔第1実施形態〕
以下、本開示の第1実施形態に係る超音波探傷装置100について、図面を参照して説明する。図1は、本開示の第1実施形態に係る超音波探傷装置100の概略構成図である。本実施形態の超音波探傷装置100は、検査対象200に含まれる欠陥DFの開口幅を計測する装置である。
図1に示すように、超音波探傷装置100は、超音波アレイプローブ10と、電圧印加部20と、取得部30と、計測部40と、記憶部50と、画像作成部60と、画像表示部70と、を備える。
超音波アレイプローブ10は、検査対象に所定周波数の超音波を送信するとともに検査対象200で反射した所定周波数の超音波を受信する所定数の超音波素子11a~11pを有する。所定数の超音波素子11a~11pは、幅方向(所定方向)WDに沿って配置されている。
図1では、16個の超音波素子を幅方向WDに沿って配置したものであるが、16以外の任意の個数(例えば、32個、64個、128個等)の超音波素子を配置してもよい。超音波素子11a~11pは、送信した所定周波数の超音波の反射波を受信して反射波の強度に応じた応答値を出力し、取得部30に送信する。
電圧印加部20は、超音波素子11a~11pに所定周波数の所定波形の電圧パルスを印加し、超音波を発振させる。電圧印加部20が超音波素子11a~11pに印加する電圧パルスは、例えば、スパイクパルス、矩形パルス等である。電圧印加部20は、超音波素子11a~11pの全てに所定電圧を同時に印加する第1動作と、超音波素子11a~11pを複数の素子群に分割して各素子群に異なるタイミングで所定電圧を印加する第2動作とを含む電圧印加動作を実行する。
図2は、電圧印加部20が実行する電圧印加動作を示すフローチャートである。
ステップS101で、電圧印加部20は、超音波素子11a~11pの全てに所定電圧を同時に印加する第1動作を実行する。ここで、「同時に印加する」とは、超音波素子11a~11pに印加する電圧パルスを遅延時間分だけ遅延させながら超音波素子11a~11pの全てに電圧パルスを印加する動作を連続的に行うことである。
本実施形態において、電圧印加部20は、超音波アレイプローブ10の幅方向WDの中央部に焦点を設けるために、フェーズドアレイ励振方法を用いて電圧印加動作を実行する。図3は、電圧印加部20が第1動作を実行する際に超音波素子11a~11pに印加する電圧パルスの遅延時間を示すグラフである。
図3に示すように、幅方向WDの両端部に配置される超音波素子11a,11pに印加される電圧パルスの遅延時間はゼロである。超音波素子11b,11oに印加される電圧パルスの遅延時間はT1である。超音波素子11c,11nに印加される電圧パルスの遅延時間はT2である。超音波素子11d,11mに印加される電圧パルスの遅延時間はT3である。超音波素子11e,11lに印加される電圧パルスの遅延時間はT4である。超音波素子11f,11kに印加される電圧パルスの遅延時間はT5である。超音波素子11g,11jに印加される電圧パルスの遅延時間はT6である。超音波素子11h,11iに印加される電圧パルスの遅延時間はT7である。
図3に示すように、幅方向WDの両端部に配置される超音波素子11a,11pに印加される電圧パルスに対して、幅方向WDの中央部までの距離が短いほど超音波素子に印加される電圧パルスの遅延時間が長くなる。
ステップS101の第1動作において、全素子の超音波素子11a~11pが送信した超音波の反射波は超音波素子11a~11pにより受信される。超音波アレイプローブ10は、超音波素子11a~11pが反射波を受信して得られた16個の出力値を積算するビニング処理を行って応答値を算出し、取得部30へ出力する。
ステップS102およびステップS103で、電圧印加部20は、超音波素子11a~11pを複数の素子群に分割して各素子群に異なるタイミングで所定電圧を印加する第2動作を実行する。
ステップS102で、電圧印加部20は、複数の超音波素子11a~11pのうち幅方向WDの一端から奇数番目の超音波素子11a,11c,11e,11g,11i,11k,11m,11oの8個からなる第1素子群に所定電圧を同時に印加する。ここで、「同時に印加する」とは、奇数番目の超音波素子11a,11c,11e,11g,11i,11k,11m,11oに印加する電圧パルスを遅延時間分だけ遅延させながら奇数番目の超音波素子11a,11c,11e,11g,11i,11k,11m,11oに電圧パルスを印加する動作を連続的に行うことである。なお、ステップS102において、電圧印加部20は、偶数番目の超音波素子11b,11d,11f,11h,11j,11l,11n,11pには所定電圧を印加しない。
ステップS103で、電圧印加部20は、複数の超音波素子11a~11pのうち幅方向WDの一端から偶数番目の超音波素子11b,11d,11f,11h,11j,11l,11n,11pの8個からなる第2素子群に所定電圧を同時に印加する。ここで、「同時に印加する」とは、偶数番目の超音波素子11b,11d,11f,11h,11j,11l,11n,11pに印加する電圧パルスを遅延時間分だけ遅延させながら偶数番目の超音波素子11b,11d,11f,11h,11j,11l,11n,11pに電圧パルスを印加する動作を連続的に行うことである。なお、ステップS103において、電圧印加部20は、奇数番目の超音波素子11a,11c,11e,11g,11i,11k,11m,11oには所定電圧を印加しない。
ステップS102およびステップS103からなる第2動作において、奇数番目の超音波素子11a,11c,11e,11g,11i,11k,11m,11oが送信した超音波の反射波は超音波素子11a~11pにより受信される。超音波素子11a~11pが反射波を受信して得られた16個の出力値を積算するビニング処理を行って応答値を算出し、取得部30へ出力する。
また、第2動作において、偶数番目の超音波素子11b,11d,11f,11h,11j,11l,11n,11pが送信した超音波の反射波は超音波素子11a~11pにより受信される。超音波素子11a~11pが反射波を受信して得られた16個の出力値を積算するビニング処理を行って応答値を算出し、取得部30へ出力する。
取得部30は、電圧印加部20の第1動作において超音波アレイプローブ10が受信した所定周波数の超音波の第1応答値と、電圧印加部20の第2動作において超音波アレイプローブ10が異なるタイミングで受信した所定周波数の超音波の複数の応答値を加算した第2応答値とを得て、第1応答値と第2応答値の差分である差分応答値を取得する。
図4は、取得部30が実行する差分応答値の取得動作を示すフローチャートである。
ステップS201で、取得部30は、電圧印加部20が第1動作を実行する際に、超音波素子11a~11pが送信した超音波の反射波に対して、超音波アレイプローブ10から出力される応答値(第1応答値)を得る。
ステップS202で、取得部30は、電圧印加部20が第2動作を実行する際に、奇数番目の超音波素子11a,11c,11e,11g,11i,11k,11m,11oが送信した超音波の反射波に対して、超音波アレイプローブ10から出力される奇数番目の超音波素子に対応する奇数応答値を取得する。
ステップS203で、取得部30は、電圧印加部20が第2動作を実行する際に、偶数番目の超音波素子11b,11d,11f,11h,11j,11l,11n,11pが送信した超音波の反射波に対して、超音波アレイプローブ10から出力される偶数番目の超音波素子に対応する偶数応答値を取得する。
ステップS204で、取得部30は、奇数番目の超音波素子に対応する奇数応答値と、偶数番目の超音波素子に対応する偶数応答値を加算し、加算した応答値(第2応答値)を得る。
ステップS205で、取得部30は、第1応答値と第2応答値の差分である差分応答値を取得する。
このように、取得部30は、電圧印加部20の第1動作において超音波アレイプローブ10が受信した所定周波数の超音波の第1応答値と、電圧印加部20の第2動作において超音波アレイプローブ10が異なるタイミングで受信した所定周波数の超音波の複数の応答値(奇数番目の超音波素子に対応する奇数応答値および偶数番目の超音波素子に対応する偶数応答値)を加算した第2応答値との差分である差分応答値を取得する。
計測部40は、電圧印加部20が電圧値の異なる複数の所定電圧で電圧印加動作を実行するときに取得部30が取得する複数の差分応答値に基づいて検査対象200に含まれる欠陥DFの開口幅を計測する。
ここで、図5を参照して、超音波の振幅と取得部30が取得する応答値との関係について説明する。図5は、超音波の振幅と取得部30が取得する応答値との関係を示すグラフである。図5において、実線は、検査対象200の欠陥DFの開口幅が微小で非線形性の応答特性を示す欠陥を示す。点線は、検査対象200の欠陥DFの開口幅が大きく線形性の応答特性を示す欠陥を示す。
図5において、振幅A2は、電圧印加部20が第1動作を実行する際に超音波素子11a~11pから出力される超音波の振幅の一例を示すものである。振幅A2は、電圧印加部20が第2動作を実行する際に奇数番目の超音波素子11a,11c,11e,11g,11i,11k,11m,11oまたは偶数番目の超音波素子11b,11d,11f,11h,11j,11l,11n,11pから出力される超音波の振幅の一例を示すものである。
超音波素子11a~11pから送信される超音波の振幅の大きさに対して反射した超音波の応答値の大きさが比例する線形の応答特性を有する欠陥DFの場合、第2動作では、第1動作の半数の超音波素子を用いるため、振幅A1は振幅A2の略半分となる。振幅A1の超音波に対して取得部30が取得する応答値はF1であり、振幅A2の超音波に対して取得部30が取得する応答値はF2である。応答値F1が応答値F2の略半分であるため、差分応答値はゼロまたは微小な値となる。
これは、線形の応答特性を有する欠陥DFの場合、電圧印加部20が第1動作を実行する際に超音波素子11a~11pから出力される応答値を加算した第1応答値(F2)と、電圧印加部20が第2動作を実行する際に超音波素子11a~11pから出力される応答値を加算した第2応答値(F1×2)とが略同じになるからである。
一方、超音波素子11a~11pから送信される超音波の振幅の大きさに対して反射した超音波の応答値の大きさが比例しない非線形の応答特性を有する欠陥DFの場合、振幅A2の超音波に対して取得部30が取得する応答値はF2より小さいF3となる。F2からF3を減算した値は差分応答値Fdである。図5に示すように、差分応答値Fdは、振幅の大きさが大きくなるにつれて大きくなる。
これは、非線形の応答特性を有する欠陥DFの場合、電圧印加部20が第1動作を実行する際に超音波素子11a~11pから出力される応答値を加算した第1応答値(F3)が、電圧印加部20が第2動作を実行する際に超音波素子11a~11pから出力される応答値を加算した第2応答値(F1×2=F2)よりも小さくなるからである。
非線形の応答特性を有する欠陥DFの場合に第1応答値が第2応答値よりも小さくなるのは、超音波素子11a~11pの全てから検査対象200の欠陥DFに対して出力される超音波のエネルギーが大きく、欠陥DFの開口部分(き裂面)の一部が閉じて接触し、超音波の一部が反射しなくなるからである。
非線形の応答特性を有する欠陥DFの場合、振幅が小さいときには線形の応答特性を示すが、振幅が大きくなると非線形の応答特性を示す。また、欠陥DFの開口幅が大きいほど、線形の応答特性を示す状態から非線形の応答特性を示す状態に切り替わる際の振幅(電圧印加部20が印加する電圧)が大きくなる。
そこで、本実施形態の超音波探傷装置100は、電圧印加部20が電圧値の異なる複数の所定電圧で電圧印加動作を実行するときに取得部30が取得する複数の差分応答値を取得し、差分応答値が所定の閾値となるときに電圧印加部20が印加する所定電圧の電圧値を参照し、検査対象200に含まれる欠陥DFの開口幅を計測することとした。
具体的には、検査対象200と同様の構造および材質を有する試験片を用いて図6のようなテーブルを取得して記憶部50に記憶させておく。そして、計測部40は、取得部30が取得する差分応答値が所定の閾値となるときに電圧印加部20が印加する所定電圧の電圧値から、テーブルを参照して欠陥DFの開口幅を得る。
次に、図7を参照して、記憶部50に記憶するテーブルを作成する動作について説明する。図7は、記憶部50に記憶するテーブルを作成する動作を示すフローチャートである。
記憶部50は、図7に示すフローチャートを実行することにより、取得部30が取得する差分応答値が所定の閾値となるときに電圧印加部20が印加する所定電圧の電圧値と、検査対象200に含まれる欠陥DFの開口幅とを対応付けたテーブルを記憶する。
ステップS301で、電圧印加部20は、超音波素子11a~11pに印加する所定電圧の電圧値を設定する。本フローチャートを開始した直後に実行する場合、電圧印加部20は、所定電圧の電圧値として欠陥DFが確実に線形の応答特性を示す状態となる電圧値を設定する。これは、所定電圧の電圧値を漸次増加させることで線形の応答特性を示す状態から非線形の応答特性を示す状態に切り替わる電圧値を探索するためである。
ステップS302で、電圧印加部20は、ステップS301で設定した所定電圧の電圧値にて、図2に示す電圧印加動作を実行する。
ステップS303で、取得部30は、図4に示す差分応答値の取得動作を実行する。
ステップS304で、取得部30は、ステップS303で取得した差分応答値が所定の閾値であるかどうかを判断し、YESであればステップS305に処理を進め、NOであればステップS301からの処理を再び実行する。なお、ステップS304では、差分応答値が所定の閾値を超える場合に、ステップS303で取得した差分応答値が所定の閾値であると判断してもよい。
ステップS301を再び実行する場合、電圧印加部20は、所定電圧の電圧値を増加させる。これは、ステップS303で取得した差分応答値が所定の閾値ではなく、欠陥DFが線形の応答特性を示す状態であるため、欠陥DFが非線形の応答特性を示す状態に切り替わる電圧値を探索するためである。
ステップS303で取得した差分応答値が所定の閾値であることから、現在の所定電圧の電圧値が線形の応答特性を示す状態から非線形の応答特性を示す状態に切り替わる電圧値であるとわかる。そこで、ステップS305では、欠陥DFの開口幅をレーザ変位計(図示略)等により実測する。
ステップS306で、ステップS304でYESと判断した際に電圧印加部20が印加する所定電圧の電圧値と、ステップS305で実測した欠陥DFの開口幅とを対応付けてテーブルのデータとして記憶部50に記憶し、本フローチャートを終了する。
本フローチャートの処理は、欠陥の開口幅が異なる複数の試験片のそれぞれに対して実行し、所定電圧の電圧値と欠陥の開口幅の実測値とを対応付けた複数組のデータを記憶部50に記憶させる。また、記憶部50に記憶させるテーブルは、試験片として実測していない欠陥DFの開口幅を計測部40で計測(推定)できるように、電圧値と欠陥DFの開口幅とを対応付けたデータが存在しない領域について、図5に直線で示すような関数として補完したものとしてもよい。
なお、レーザ変位計(図示略)等により実測することができる欠陥DFは、試験片の表面に露出したものである必要がある。そのため、試験片としては、欠陥DFが表面に露出したものを用いる。一方、実際に超音波探傷装置100により計測する欠陥DFは、検査対象200の表面に露出していない場合がある。
そこで、実際に超音波探傷装置100により計測する欠陥DFとして、検査対象200の表面に露出していないものを対象にする場合には、本フローチャートの処理で得られたテーブルを、検査対象200の表面に露出していない欠陥DFの解析モデルを用いて補正して記憶部50に記憶させるものとする。
次に、図8を参照して、欠陥DFの開口幅を計測する動作について説明する。図8は、欠陥DFの開口幅を計測する動作を示すフローチャートである。
ステップS401で、電圧印加部20は、超音波素子11a~11pに印加する所定電圧の電圧値を設定する。本フローチャートを開始した直後に実行する場合、電圧印加部20は、所定電圧の電圧値として欠陥DFが確実に線形の応答特性を示す状態となる電圧値を設定する。これは、所定電圧の電圧値を漸次増加させることで線形の応答特性を示す状態から非線形の応答特性を示す状態に切り替わる電圧値を探索するためである。
ステップS402で、電圧印加部20は、ステップS401で設定した所定電圧の電圧値にて、図2に示す電圧印加動作を実行する。
ステップS403で、取得部30は、図4に示す差分応答値の取得動作を実行する。
ステップS404で、取得部30は、ステップS403で取得した差分応答値が所定の閾値であるかどうかを判断し、YESであればステップS405に処理を進め、NOであればステップS401からの処理を再び実行する。なお、ステップS404では、差分応答値が所定の閾値を超える場合に、ステップS403で取得した差分応答値が所定の閾値であると判断してもよい。
ステップS401を再び実行する場合、電圧印加部20は、所定電圧の電圧値を増加させる。これは、ステップS403で取得した差分応答値が所定の閾値ではなく、欠陥DFが線形の応答特性を示す状態であるため、欠陥DFが非線形の応答特性を示す状態に切り替わる電圧値を探索するためである。このように、電圧印加部20は、取得部30が取得する差分応答値が所定の閾値となるように所定電圧の電圧値を切り替えて複数回の電圧印加動作を実行する。
ステップS403で取得した差分応答値が所定の閾値であることから、現在の所定電圧の電圧値が線形の応答特性を示す状態から非線形の応答特性を示す状態に切り替わる電圧値であるとわかる。
ステップS405で、計測部40は、取得部30が取得する差分応答値が所定の閾値となるときに電圧印加部20が印加する所定電圧の電圧値と、記憶部50に記憶されるテーブルとに基づいて開口幅を計測する。計測部40は、電圧値に対応する開口幅を、記憶部50に記憶されたテーブルを参照して出力する。計測部40は、例えば、計測した開口幅を画像表示部70に表示させる。
以上のステップS401からS405により、超音波アレイプローブ10が現在配置されている位置において、焦点位置に存在する欠陥DFの開口幅を計測することができる。また、超音波アレイプローブ10を検査対象200の表面上の任意の位置に移動させることにより、検査対象200の表面上の任意の位置における欠陥DFの開口幅を計測することができる。
図9は、本実施形態の超音波アレイプローブ10を検査対象200の表面に設置した状態を示す斜視図である。図9に示す検査対象200は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)により形成される一対の板状部材210,220を接着剤230により接合したものである。
この検査対象200においては、板状部材210の表面からZ軸方向(深さ方向)にDpの位置に接着剤230が配置される。接着剤230が配置されるZ軸方向の位置には、欠陥DFが発生する可能性がある。そこで、超音波アレイプローブ10は、板状部材210の表面からZ軸方向にDpの位置に、超音波の焦点が設定されている。
図9において、超音波アレイプローブ10で超音波素子11a~11pが配列される方向はY軸に沿った方向となっている。超音波探傷装置100は、超音波アレイプローブ10をY軸に直交するX軸に沿って移動させることにより、検査対象200のX軸上の各位置における差分応答値を取得部30により取得し、欠陥DFの開口幅を計測部40により計測する。なお、超音波探傷装置100は、超音波アレイプローブ10をY軸に沿って移動させることにより、検査対象200のY軸上の各位置における差分応答値を取得部30により取得し、欠陥DFの開口幅を計測部40により計測することができる。
また、超音波探傷装置100は、超音波アレイプローブ10をY軸に沿って移動させなくても、超音波アレイプローブ10が接触している検査対象200の領域であれば、検査対象200のY軸上の各位置における差分応答値を取得し、開口幅を計測することができる。
具体的には、超音波素子11a~11pのうち選択された一部(例えば、16個中の連続して配置される8個)を用いて差分応答値を取得し、開口幅を計測することができる。選択する一部の超音波素子の組み合わせをY軸に沿って移動させることにより、超音波アレイプローブ10が接触している検査対象200の領域において、検査対象200のY軸上の各位置における差分応答値を取得し、開口幅を計測することができる。
画像作成部60は、超音波アレイプローブ10をX軸方向(移動方向)に沿って検査対象200の表面を移動させたときに取得部30が取得する差分強度から2次元画像であるCスキャン画像を作成する。画像表示部70は、画像作成部60が作成したCスキャン画像を表示する。
図10は、画像表示部70に表示させたCスキャン画像の一例を示す図である。図10に示す濃淡画像は、濃度が濃いほど差分応答値の値が小さく、濃度が薄いほど差分応答値の値が大きい。図9および図10に示す領域AR1,AR2,AR3,AR4は、検査対象200のXY平面上の領域を示す。領域AR1,AR2,AR3,AR4は、それぞれ接着剤230が配置される領域に存在する欠陥DF1,DF2,DF3,DF4の位置に対応している。図10に示すCスキャン画像により、検査対象200のXY平面のどの位置に欠陥DFが存在しているかを視認することができる。
図11は、電圧印加部20が超音波素子11a~11pに印加する電圧値を切り替えた際に画像表示部70に表示されるCスキャン画像の一例を示す図である。図11に示す画像IM1,IM2,IM3,IM4,IM5は、電圧印加部20が第1電圧V1,第2電圧V2,第3電圧V3,第4電圧V4,第5電圧V5を印加した場合のCスキャン画像である。第1電圧V1<第2電圧V2<第3電圧V3<第4電圧V4<第5電圧V5の関係を有する。
図11に示すように、第1電圧V1を印加した場合の画像IM1では、検査対象200のほぼすべての領域の濃淡が最も濃く、差分応答値が0か微小な値となっている。一方、第2電圧V2を印加した場合の画像IM2では、検査対象200の一部の領域の濃淡が画像IM1よりも薄くなっている。これは、検査対象200の一部の領域の差分応答値が上昇したためである。
その後、第3電圧V3,第4電圧V4,第5電圧V5と超音波素子11a~11pに印加する電圧を増加させるにしたがって、XY平面の各位置の差分応答値が上昇し、検査対象200の一部の領域の濃淡が更に薄くなる。本実施形態は、このような濃淡の変化に着目することで、計測部40により、検査対象200に含まれる欠陥DFの開口幅を計測することができる。
以上説明した本実施形態の超音波探傷装置100が奏する作用及び効果について説明する。
本実施形態の超音波探傷装置100によれば、電圧印加部20が第1動作と第2動作を含む電圧印加動作を実行すると、取得部30により、第1動作において超音波アレイプローブ10が受信した第1応答値と第2動作において超音波アレイプローブ10が受信した複数の応答値を加算した第2応答値との差分である差分応答値が取得される。
超音波素子から送信される超音波の振幅の大きさに対して反射した超音波の応答値の大きさが比例する線形の応答特性を示す欠陥の場合、差分応答値がゼロまたは微小な値となる。一方、超音波素子から送信される超音波の振幅の大きさに対して反射した超音波の応答値の大きさが比例しない非線形の応答特性を示す欠陥の場合、振幅の大きさが大きくなるにつれて差分応答値が大きくなる。非線形の応答特性を有する欠陥の場合、振幅が小さいときには線形性の応答を示すが、振幅が大きくなると非線形の応答特性を示す。
そこで、本実施形態の超音波探傷装置100は、電圧印加部20が電圧値の異なる複数の所定電圧で電圧印加動作を実行するときに取得部30が取得する複数の差分応答値に基づいて検査対象200に含まれる欠陥DFの開口幅を計測することとした。例えば、電圧印加部20が電圧値を上昇させながら複数の所定電圧で電圧印加動作を実行する際に、差分応答値が増加し始める所定電圧の電圧値を特定することにより、特定した電圧値に対応する開口幅を計測値として出力することができる。
また、本実施形態の超音波探傷装置100によれば、記憶部50が、取得部30が取得する差分応答値が所定の閾値(例えば、非線形性の応答を示すことを確実に示す値)となるときに電圧印加部20が印加する所定電圧の電圧値と、検査対象200に含まれる欠陥DFの開口幅とを対応付けたテーブルを記憶している。そして、計測部40は、取得部30が取得する差分応答値が所定の閾値となるときに電圧印加部20が印加する所定電圧の電圧値と、記憶部50に記憶されるテーブルとに基づいて開口幅を計測することができる。
本実施形態の超音波探傷装置100によれば、奇数番目の第1素子群に所定電圧を印加して受信される応答値と、偶数番目の第2素子群に所定電圧を印加して受信される応答値は、それぞれ全素子に所定電圧を印加して受信される応答値の半分となる。そのため、第1動作において受信する第1応答値が非線形の応答特性を示す場合に、第1素子群または第2素子群に所定電圧を印加する際に受信されるそれぞれの応答値が線形性の応答特性を示すようにして、差分応答値を取得することができる。
本実施形態の超音波探傷装置100によれば、画像作成部60によりCスキャン画像を作成することにより、検査対象200の移動方向に沿った画像を表示させ、移動方向のいずれの位置に欠陥が生じているかを容易に認識することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本開示の第2実施形態に係る超音波探傷装置100について説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとする。
第1実施形態の超音波探傷装置100において、電圧印加部20は、超音波素子11a~11pを偶数番目の第1素子群と奇数番目の第2素子群に分割して各素子群に異なるタイミングで所定電圧を印加する第2動作を実行するものであった。それに対して、本実施形態の超音波探傷装置100において、電圧印加部20は、超音波素子11a~11pのそれぞれに異なるタイミングで所定電圧を印加するものである。
図12は、電圧印加部20が実行する電圧印加動作を示すフローチャートである。図13は、超音波の振幅と取得部30が取得する応答値との関係を示すグラフである。
図12に示すように、ステップS501で、電圧印加部20は、超音波素子11a~11pの全てに所定電圧を同時に印加する第1動作を実行する。ここで、「同時に印加する」とは、超音波素子11a~11pに印加する電圧パルスを遅延時間分だけ遅延させながら超音波素子11a~11pの全てに電圧パルスを印加する動作を連続的に行うことである。
ステップS502で、電圧印加部20は、超音波素子11a~11pのそれぞれに異なるタイミングで所定電圧を印加する第2動作を実行する。この第2動作は、1つの超音波素子にのみ所定電圧を印加して取得部30で1つの超音波素子から送信された超音波の反射波の応答値を超音波素子11a~11pの全てで取得する動作を、超音波素子の数だけ繰り返す動作である。
本実施形態の取得部30は、電圧印加部20が第1動作を実行する際に、超音波素子11a~11pが送信した超音波の反射波に対して、超音波素子11a~11pからの出力値をビニング処理した応答値(第1応答値)を取得する。また、取得部30は、電圧印加部20が第2動作を実行する際に、超音波素子11a~11pが送信した超音波の反射波に対して、超音波素子11a~11pからの出力値をビニング処理した応答値を取得する動作を超音波素子の数だけ繰り返し、加算された応答値(第2応答値)を得る。
そして、取得部30は、第1応答値と第2応答値の差分である差分応答値を取得する。計測部40は、第1実施形態と同様に、電圧印加部20が電圧値の異なる複数の所定電圧で電圧印加動作を実行するときに取得部30が取得する複数の差分応答値に基づいて検査対象200に含まれる欠陥DFの開口幅を計測する。
図13において、振幅A2は、電圧印加部20が第1動作を実行する際に超音波素子11a~11pから出力される超音波の振幅の一例を示すものである。一方、振幅A0は、電圧印加部20が第2動作を実行する際に超音波素子11a~11pのいずれか1つから出力される超音波の振幅の一例を示すものである。
超音波素子11a~11pから送信される超音波の振幅の大きさに対して反射した超音波の応答値の大きさが比例する線形の応答特性を有する欠陥DFの場合、第2動作では、第1動作の1/16個の超音波素子を用いるため、振幅A0は振幅A2の略1/16となる。振幅A0の超音波に対して取得部30が取得する応答値はF0であり、振幅A2の超音波に対して取得部30が取得する応答値はF2である。応答値F0が応答値F2の略1/16であるため、差分応答値はゼロまたは微小な値となる。
これは、線形の応答特性を有する欠陥DFの場合、電圧印加部20が第1動作を実行する際に超音波素子11a~11pから出力される応答値を加算した第1応答値(F2)と、電圧印加部20が第2動作を実行する際に超音波素子11a~11pから1つずつ出力される応答値を加算した第2応答値(F0×16)とが略同じになるからである。
図13に示すように、振幅A2に対して振幅A0が略1/16と極めて小さくなっており、振幅A2と振幅A0のエネルギー差が大きい。そのため、差分応答値を算出する基準となる振幅A0における応答値F0を確実に線形の応答特性を有するものとすることができる。応答値F0が線形の応答特性を示すため、差分応答値の誤差が小さくなり、S/N比を向上させることができる。
本実施形態の超音波探傷装置100によれば、所定数の超音波素子11a~11pのそれぞれに異なるタイミングで所定電圧が印加され、所定数の超音波素子11a~11pからの出力値をビニング処理した所定数の応答値を加算して第2応答値が求められる。個々の超音波素子11a~11pに所定電圧を印加して受信される応答値F0は、全素子に所定電圧を印加して受信される応答値の略1/16となる。そのため、第1動作において受信する第1応答値が非線形の応答特性を示す場合に、個々の超音波素子に所定電圧を印加する際に受信されるそれぞれの応答値が確実に線形の応答特性性を示すようにして、差分応答値のS/N比を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
次に、本開示の第3実施形態に係る超音波探傷装置100について説明する。本実施形態は、第2実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第2実施形態と同様であるものとする。
本実施形態の超音波探傷装置100は、超音波アレイプローブ10が有する複数の超音波素子11a~11pのそれぞれが、焦点距離を調節する調節機構を有している。図14から図16は、検査対象200の欠陥DFに単一の超音波素子11iから超音波Uwを照射した状態を示す正面図である。
本実施形態の複数の超音波素子11a~11pは、直流電圧印加部80から印加される直流電圧の大きさに応じて内周面の形状を湾曲させ、超音波アレイプローブ10から焦点位置までの焦点距離を調節する圧電素子等の調節機構を備えている。図14に示す直流電圧印加部80から単一の超音波素子11iに印加される直流電圧Vd1よりも、図15に示す直流電圧印加部80から単一の超音波素子11iに印加される直流電圧Vd2が大きい。また、図15に示す直流電圧印加部80から単一の超音波素子11iに印加される直流電圧Vd2よりも、図16に示す直流電圧印加部80から単一の超音波素子11iに印加される直流電圧Vd3が大きい。
図14から図16に示すように、単一の超音波素子11iに印加される直流電圧が大きくなると、超音波素子11a~11pの内周面が凹面に変形するとともに電圧に応じて凹面の曲率半径が小さくなる。そのため、図14における焦点距離FD1よりも図15における焦点距離FD2が短く、図15における焦点距離FD2よりも図16における焦点距離FD3が短い。
図14に示すように、単一の超音波素子11iに印加される直流電圧がVd1である場合、超音波Uwの照射幅Wは、超音波素子11iからの距離によらずに一定となる。一方、図15および図16に示すように、単一の超音波素子11iに印加される直流電圧がVd2またはVd3である場合、超音波Uwの照射幅Wは、超音波素子11iからの距離が長くなるほど短くなる。
図14から図16は、直流電圧印加部80から超音波素子11iに直流電圧を印加した例を示すが、直流電圧印加部80から超音波素子11a~11pのうちのいずれか1つに選択的に直流電圧を印加することができる。直流電圧印加部80が直流電圧を印加する超音波素子を切り替えることにより、幅方向WDの任意の位置に超音波を発振することができる。
本実施形態の超音波探傷装置100は、例えば、板状部材210の表面から接着剤230が存在する接着層までの距離が既知であれば、接着層に焦点が合うように直流電圧印加部80から超音波素子に印加される直流電圧を調整する。そして、直流電圧印加部80が直流電圧を印加する超音波素子を切り替えることにより、幅方向WDの任意の位置から接着層へ超音波を発振し、接着層にて反射する反射波を超音波素子11a~11pで受信することができる。
本実施形態の超音波探傷装置100は、例えば、板状部材210の表面から接着剤230が存在する接着層までの距離が既知でない場合であっても、接着層に焦点が合うように直流電圧印加部80から超音波素子に印加される直流電圧を変更することができる。図17は、接着層に焦点が合うように直流電圧印加部80から超音波素子に印加される直流電圧を変更し、電圧印加部が電圧印加動作を実行する処理を示すフローチャートである。
ステップS601で、直流電圧印加部80は、超音波Uwの照射幅Wが超音波素子11iからの距離によらずに一定となるように、単一の超音波素子11iに直流電圧がVd1を印加する。
ステップS602で、超音波アレイプローブ10は、電圧印加部20により所定電圧を超音波素子11iに印加して超音波を発振させ、超音波素子11iが超音波を送信してから超音波素子11iが超音波を受信するまでの伝播時間を計測する。
ステップS603で、超音波アレイプローブ10は、板状部材210における超音波の既知の伝播速度と、ステップS602で計測した伝播時間とに基づいて、板状部材210から超音波が反射した接着層までの距離を検出する。そして、超音波アレイプローブ10は、接着層に焦点が合うように直流電圧印加部80から超音波素子に印加される直流電圧を変更する。
ステップS604で、電圧印加部20は、超音波素子11a~11pの全てに所定電圧を同時に印加する第1動作を実行する。ここで、「同時に印加する」とは、超音波素子11a~11pに印加する電圧パルスを遅延時間分だけ遅延させながら超音波素子11a~11pの全てに電圧パルスを印加する動作を連続的に行うことである。
ステップS605で、電圧印加部20は、超音波素子11a~11pのそれぞれに異なるタイミングで所定電圧を印加する第2動作を実行する。この第2動作は、1つの超音波素子にのみ所定電圧を印加して取得部30で1つの超音波素子から送信された超音波の反射波の応答値を超音波素子11a~11pの全てで取得する動作を、超音波素子の数だけ繰り返す動作である。
以上のように、本実施形態の超音波探傷装置100は、例えば、板状部材210の表面から接着剤230が存在する接着層までの距離が既知でない場合であっても、接着層に焦点が合うように直流電圧印加部80から超音波素子に印加される直流電圧を変更し、接着層に形成される欠陥DFの開口幅を適切に計測することができる。
本実施形態の超音波探傷装置100によれば、超音波素子11a~11pが有する調節機構により個々の超音波素子の焦点距離を調節することにより、超音波素子のエネルギーを焦点に集中させて高い応答値が得られるようにし、差分応答値のS/N比を向上させることができる。
以上説明した実施形態に記載の超音波探傷装置および超音波探傷方法は、例えば以下のように把握される。
本開示の第1態様に係る超音波探傷装置は、検査対象(200)に所定周波数の超音波を送信するとともに前記検査対象で反射した前記所定周波数の超音波を受信する所定数の超音波素子を所定方向に沿って配置した超音波アレイプローブ(10)と、前記所定数の前記超音波素子に所定電圧を同時に印加する第1動作と、前記所定数の前記超音波素子を複数の素子群に分割して各素子群に異なるタイミングで前記所定電圧を印加する第2動作とを含む電圧印加動作を実行する電圧印加部(20)と、前記第1動作において前記超音波アレイプローブが受信した前記所定周波数の超音波の第1応答値と、前記第2動作において前記超音波アレイプローブが異なるタイミングで受信した前記所定周波数の超音波の複数の応答値を加算した第2応答値との差分である差分応答値を取得する取得部(30)と、前記電圧印加部が電圧値の異なる複数の前記所定電圧で前記電圧印加動作を実行するときに前記取得部が取得する複数の前記差分応答値に基づいて前記検査対象に含まれる欠陥の開口幅を計測する計測部(40)と、を備える。
本開示の第1態様に係る超音波探傷装置によれば、電圧印加部が第1動作と第2動作を含む電圧印加動作を実行すると、取得部により、第1動作において超音波アレイプローブが受信した第1応答値と第2動作において超音波アレイプローブが受信した複数の応答値を加算した第2応答値との差分である差分応答値が取得される。
超音波素子から送信される超音波の振幅の大きさに対して反射した超音波の応答値の大きさが比例する線形の応答特性を示す欠陥の場合、差分応答値がゼロまたは微小な値となる。一方、超音波素子から送信される超音波の振幅の大きさに対して反射した超音波の応答値の大きさが比例しない非線形の応答特性を示す欠陥の場合、振幅の大きさが大きくなるにつれて差分応答値が大きくなる。非線形の応答特性を有する欠陥の場合、振幅が小さいときには線形性の応答を示すが、振幅が大きくなると非線形の応答特性を示す。
そこで、本開示の第1態様に係る超音波探傷装置は、電圧印加部が電圧値の異なる複数の所定電圧で電圧印加動作を実行するときに取得部が取得する複数の差分応答値に基づいて検査対象に含まれる欠陥の開口幅を計測することとした。例えば、電圧印加部が電圧値を上昇させながら複数の所定電圧で電圧印加動作を実行する際に、差分応答値が増加し始める所定電圧の電圧値を特定することにより、特定した電圧値に対応する開口幅を計測値として出力することができる。
本開示の第2態様に係る超音波探傷装置は、第1態様において、前記取得部が取得する前記差分応答値が所定の閾値となるときに前記電圧印加部が印加する前記所定電圧の電圧値と、前記検査対象に含まれる前記欠陥の前記開口幅とを対応付けたテーブルを記憶するテーブル記憶部を備え、前記電圧印加部は、前記取得部が取得する前記差分応答値が前記所定の閾値となるように前記所定電圧の電圧値を切り替えて複数回の前記電圧印加動作を実行し、前記計測部は、前記取得部が取得する前記差分応答値が前記所定の閾値となるときに前記電圧印加部が印加する前記所定電圧の電圧値と、前記記憶部に記憶される前記テーブルとに基づいて前記開口幅を計測する。
本開示の第2態様に係る超音波探傷装置によれば、記憶部が、取得部が取得する差分応答値が所定の閾値(例えば、非線形性の応答を示すことを確実に示す値)となるときに電圧印加部が印加する所定電圧の電圧値と、検査対象に含まれる欠陥の開口幅とを対応付けたテーブルを記憶している。そして、計測部は、取得部が取得する差分応答値が所定の閾値となるときに電圧印加部が印加する所定電圧の電圧値と、テーブル記憶部に記憶されるテーブルとに基づいて開口幅を計測することができる。
本開示の第3態様に係る超音波探傷装置は、第1態様または第2態様において、前記第2動作は、前記所定数の前記超音波素子のうち前記所定方向の一端から奇数番目の素子からなる第1素子群および前記所定数の前記超音波素子のうち前記所定方向の一端から偶数番目の素子からなる第2素子群に、異なるタイミングで前記所定電圧を印加する動作である。
本開示の第3態様に係る超音波探傷装置によれば、奇数番目の第1素子群に所定電圧を印加して受信される応答値と、偶数番目の第2素子群に所定電圧を印加して受信される応答値は、それぞれ全素子に所定電圧を印加して受信される応答値の半分となる。そのため、第1動作において受信する第1応答値が非線形の応答特性を示す場合に、第1素子群または第2素子群に所定電圧を印加する際に受信されるそれぞれの応答値が線形の応答特性を示すようにして、差分応答値を取得することができる。
本開示の第4態様に係る超音波探傷装置は、第1態様から第3態様のいずれかにおいて、前記第2動作は、前記所定数の前記超音波素子のそれぞれに異なるタイミングで前記所定電圧を印加する動作である。
本開示の第4態様に係る超音波探傷装置によれば、所定数の超音波素子のそれぞれに異なるタイミングで所定電圧が印加され、所定数の超音波素子のそれぞれで受信される応答値を加算して第2応答値が求められる。個々の超音波素子に所定電圧を印加して受信される応答値は、全素子に所定電圧を印加して受信される応答値の1/所定数となる。そのため、第1動作において受信する第1応答値が非線形性を示す場合に、個々の超音波素子に所定電圧を印加する際に受信されるそれぞれの応答値が確実に線形の応答特性を示すようにして、差分応答値のS/N比を向上させることができる。
本開示の第5態様に係る超音波探傷装置は、第4態様において、前記超音波素子は、焦点距離を調節する調節機構を有する。
本開示の第5態様に係る超音波探傷装置によれば、調節機構により個々の超音波素子の焦点距離を調節することにより、超音波素子のエネルギーを焦点に集中させて高い応答値が得られるようにし、差分応答値のS/N比を向上させることができる。
本開示の第6態様に係る超音波探傷装置は、第5態様において、前記調節機構は、前記超音波素子が超音波を送信してから前記超音波素子を受信するまでの伝播時間に応じて前記焦点距離を調節する。
本開示の第6態様に係る超音波探傷装置によれば、超音波素子が超音波を送信してから超音波素子を受信するまでの伝播時間に応じて焦点距離を調節することにより、例えば、検査対象の表面から欠陥までの距離が既知でない場合であっても、欠陥に焦点が合うように焦点距離を調節し、欠陥の開口幅を適切に計測することができる。
本開示の第7態様に係る超音波探傷装置は、第1態様から第6態様のいずれかにおいて、前記超音波アレイプローブを前記所定方向と交差する移動方向に沿って前記検査対象の表面を移動させたときに前記取得部が取得する前記差分応答値からCスキャン画像を作成する画像作成部(60)を備える。
本開示の第7態様に係る超音波探傷装置によれば、画像作成部によりCスキャン画像を作成することにより、検査対象の移動方向に沿った画像を表示させ、移動方向のいずれの位置に欠陥が生じているかを容易に認識することができる。
本開示の第8態様に係る超音波探傷方法は、検査対象に含まれる欠陥の開口幅を超音波探傷装置により計測する超音波探傷方法であって、前記超音波探傷装置は、前記検査対象に所定周波数の超音波を送信するとともに前記検査対象で反射した前記所定周波数の超音波を受信する所定数の超音波素子を所定方向に沿って配置した超音波アレイプローブを備え、前記所定数の前記超音波素子に所定電圧を同時に印加する第1動作と、前記所定数の前記超音波素子を複数の素子群に分割して各素子群に異なるタイミングで前記所定電圧を印加する第2動作とを含む電圧印加動作を実行する電圧印加工程と、前記第1動作において前記超音波アレイプローブが受信した前記所定周波数の超音波の第1応答値と、前記第2動作において前記超音波アレイプローブが異なるタイミングで受信した前記所定周波数の超音波の複数の応答値を加算した第2応答値との差分である差分応答値を取得する取得工程と、前記電圧印加工程が電圧値の異なる複数の前記所定電圧で前記電圧印加動作を実行するときに前記取得工程が取得する複数の前記差分応答値に基づいて前記検査対象に含まれる前記欠陥の前記開口幅を計測する計測工程と、を備える。
本開示の第8態様に係る超音波探傷方法によれば、電圧印加工程が第1動作と第2動作を含む電圧印加動作を実行すると、取得工程により、第1動作において超音波アレイプローブが受信した第1応答値と第2動作において超音波アレイプローブが受信した複数の応答値を加算した第2応答値との差分である差分応答値が取得される。
送信される超音波の振幅の大きさに対して反射した超音波の応答値の大きさが比例する線形性を示す場合、差分応答値がゼロまたは微小な値となる。一方、送信される超音波の振幅の大きさに対して反射した超音波の応答値の大きさが比例しない非線形性を示す場合、振幅の大きさが大きくなるにつれて差分応答値が大きくなる。送信される超音波の振幅の大きさに対して受信される超音波の応答値が比例しない非線形性を有する欠陥の場合、振幅が小さいときには線形性の応答を示すが、振幅が大きくなると非線形性の応答を示す。
そこで、本開示の第8態様に係る超音波探傷方法は、電圧印加工程が電圧値の異なる複数の所定電圧で電圧印加動作を実行するときに取得工程が取得する複数の差分応答値に基づいて検査対象に含まれる欠陥の開口幅を計測することとした。例えば、電圧印加工程が電圧値を上昇させながら複数の所定電圧で電圧印加動作を実行する際に、差分応答値が増加し始める所定電圧の電圧値を特定することにより、特定した電圧値に対応する開口幅を計測値として出力することができる。
10 超音波アレイプローブ
11a,11b,11c,11d,11e,11f,11g,11h,11i,11j,11k,11l,11m,11n,11o,11p 超音波素子
20 電圧印加部
30 取得部
40 計測部
50 記憶部
60 画像作成部
70 画像表示部
80 直流電圧印加部
100 超音波探傷装置
200 検査対象
210 板状部材
220 板状部材
230 接着剤
A0,A1,A2 振幅
AR1,AR2,AR3,AR4 領域
DF,DF1,DF2,DF3,DF4 欠陥
FD1,FD2,FD3 焦点距離
Fd 差分応答値
IM1,IM2,IM3,IM4,IM5 画像
Uw 超音波
WD 幅方向

Claims (8)

  1. 検査対象に所定周波数の超音波を送信するとともに前記検査対象で反射した前記所定周波数の超音波を受信する所定数の超音波素子を所定方向に沿って配置した超音波アレイプローブと、
    前記所定数の前記超音波素子に所定電圧を同時に印加する第1動作と、前記所定数の前記超音波素子を複数の素子群に分割して各素子群に異なるタイミングで前記所定電圧を印加する第2動作とを含む電圧印加動作を実行する電圧印加部と、
    前記第1動作において前記超音波アレイプローブが受信した前記所定周波数の超音波の第1応答値と、前記第2動作において前記超音波アレイプローブが異なるタイミングで受信した前記所定周波数の超音波の複数の応答値を加算した第2応答値との差分である差分応答値を取得する取得部と、
    前記電圧印加部が電圧値の異なる複数の前記所定電圧で前記電圧印加動作を実行するときに前記取得部が取得する複数の前記差分応答値に基づいて前記検査対象に含まれる欠陥の開口幅を計測する計測部と、を備える超音波探傷装置。
  2. 前記取得部が取得する前記差分応答値が所定の閾値となるときに前記電圧印加部が印加する前記所定電圧の電圧値と、前記検査対象に含まれる前記欠陥の前記開口幅とを対応付けたテーブルを記憶する記憶部を備え、
    前記電圧印加部は、前記取得部が取得する前記差分応答値が前記所定の閾値となるように前記所定電圧の電圧値を切り替えて複数回の前記電圧印加動作を実行し、
    前記計測部は、前記取得部が取得する前記差分応答値が前記所定の閾値となるときに前記電圧印加部が印加する前記所定電圧の電圧値と、前記記憶部に記憶される前記テーブルとに基づいて前記開口幅を計測する請求項1に記載の超音波探傷装置。
  3. 前記第2動作は、前記所定数の前記超音波素子のうち前記所定方向の一端から奇数番目の素子からなる第1素子群および前記所定数の前記超音波素子のうち前記所定方向の一端から偶数番目の素子からなる第2素子群に、異なるタイミングで前記所定電圧を印加する動作である請求項1または請求項2に記載の超音波探傷装置。
  4. 前記第2動作は、前記所定数の前記超音波素子のそれぞれに異なるタイミングで前記所定電圧を印加する動作である請求項1または請求項2に記載の超音波探傷装置。
  5. 前記超音波素子は、焦点距離を調節する調節機構を有する請求項4に記載の超音波探傷装置。
  6. 前記調節機構は、前記超音波素子が超音波を送信してから前記超音波素子を受信するまでの伝播時間に応じて前記焦点距離を調節する請求項5に記載の超音波探傷装置。
  7. 前記超音波アレイプローブを前記所定方向と交差する移動方向に沿って前記検査対象の表面を移動させたときに前記取得部が取得する前記差分応答値からCスキャン画像を作成する画像作成部を備える請求項1または請求項2に記載の超音波探傷装置。
  8. 検査対象に含まれる欠陥の開口幅を超音波探傷装置により計測する超音波探傷方法であって、
    前記超音波探傷装置は、
    前記検査対象に所定周波数の超音波を送信するとともに前記検査対象で反射した前記所定周波数の超音波を受信する所定数の超音波素子を所定方向に沿って配置した超音波アレイプローブを備え、
    前記所定数の前記超音波素子に所定電圧を同時に印加する第1動作と、前記所定数の前記超音波素子を複数の素子群に分割して各素子群に異なるタイミングで前記所定電圧を印加する第2動作とを含む電圧印加動作を実行する電圧印加工程と、
    前記第1動作において前記超音波アレイプローブが受信した前記所定周波数の超音波の第1応答値と、前記第2動作において前記超音波アレイプローブが異なるタイミングで受信した前記所定周波数の超音波の複数の応答値を加算した第2応答値との差分である差分応答値を取得する取得工程と、
    前記電圧印加工程が電圧値の異なる複数の前記所定電圧で前記電圧印加動作を実行するときに前記取得工程が取得する複数の前記差分応答値に基づいて前記検査対象に含まれる前記欠陥の前記開口幅を計測する計測工程と、を備える超音波探傷方法。
JP2022074353A 2022-04-28 2022-04-28 超音波探傷装置および超音波探傷方法 Pending JP2023163433A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022074353A JP2023163433A (ja) 2022-04-28 2022-04-28 超音波探傷装置および超音波探傷方法
PCT/JP2023/005729 WO2023210122A1 (ja) 2022-04-28 2023-02-17 超音波探傷装置および超音波探傷方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022074353A JP2023163433A (ja) 2022-04-28 2022-04-28 超音波探傷装置および超音波探傷方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023163433A true JP2023163433A (ja) 2023-11-10

Family

ID=88518474

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022074353A Pending JP2023163433A (ja) 2022-04-28 2022-04-28 超音波探傷装置および超音波探傷方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2023163433A (ja)
WO (1) WO2023210122A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3606132B2 (ja) * 1999-10-14 2005-01-05 Jfeエンジニアリング株式会社 超音波探傷方法およびその装置
JP2010014626A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Toshiba Corp 三次元超音波検査装置
JP6025049B2 (ja) * 2013-01-10 2016-11-16 国立大学法人東北大学 構造物欠陥の映像化方法、構造物欠陥の映像化装置および気泡や病変部の映像化装置
JP6121800B2 (ja) * 2013-05-29 2017-04-26 株式会社東芝 超音波探傷装置、方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023210122A1 (ja) 2023-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101155423B1 (ko) 관체의 초음파 탐상 장치 및 초음파 탐상 방법
Potter et al. Nonlinear ultrasonic phased array imaging
CA2626026C (en) Ultrasonic testing system and ultrasonic testing technique for pipe member
US7454973B2 (en) Ultrasonic inspection method and ultrasonic inspection equipment
JP4910769B2 (ja) 管体の品質管理方法及び製造方法
KR101641014B1 (ko) 결함 검출 장치, 결함 검출 방법 및 기억 매체
KR102121821B1 (ko) 리니어 스캔 초음파 탐상 장치 및 리니어 스캔 초음파 탐상 방법
EP3447486A1 (en) Linear-scan ultrasonic inspection apparatus and linear-scan ultrasonic inspection method
JPWO2009122904A1 (ja) 超音波探傷方法とその装置
JP2007078692A (ja) 単一指標の可変角度フェーズドアレイプローブ
JP2007046913A (ja) 溶接構造体探傷試験方法、及び鋼溶接構造体探傷装置
WO2012008144A1 (ja) 超音波探傷装置および超音波探傷方法
KR20100101683A (ko) 초음파 계측 장치 및 초음파 계측 방법
Na et al. Nondestructive evaluation method for standardization of fused filament fabrication based additive manufacturing
JP5963253B2 (ja) 超音波センサ
WO2023210122A1 (ja) 超音波探傷装置および超音波探傷方法
JP2014077708A (ja) 検査装置および検査方法
Nicolson et al. Dual-tandem phased array method for imaging of near-vertical defects in narrow-gap welds
JP2002062281A (ja) 欠陥深さ測定方法および装置
JP6871534B2 (ja) 対比試験片及び超音波フェーズドアレイ探傷試験方法
JP2016090272A (ja) 超音波探傷検査方法及び超音波探傷検査装置
JP5959677B2 (ja) 超音波探傷装置および超音波探傷方法
JP2014232044A (ja) 超音波探傷装置、方法及びプログラム
Nath et al. An ultrasonic time of flight diffraction technique for characterization of surface-breaking inclined cracks
JP2014174012A (ja) 測定装置、測定方法、プログラム及び記憶媒体