JP2023163400A - 双方向電流共振型dc/dcコンバータおよび双方向電源装置 - Google Patents

双方向電流共振型dc/dcコンバータおよび双方向電源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的簡単な制御で、切換え時に電力ジャンプのないシームレスに電力伝送方向を切換えることが可能な双方向電流共振型DC/DCコンバータを提供する。【解決手段】電源部10および制御部20を含む、電源部10はトランスTrと、第1ブリッジ回路11と、第2ブリッジ回路12と、1次側共振回路13と、2次側共振回路14とを備え、制御部20は、第1ブリッジ回路11を駆動回路として第1ブリッジ回路11から第2ブリッジ回路12への電力伝送を行わせる順方向制御と、第2ブリッジ回路12を駆動回路として第2ブリッジ回路12から第1ブリッジ回路11への電力伝送を行わせる逆方向制御と、電力伝送の方向を切換える切換え制御とを実行し、切換え制御において、駆動回路の各レグ間の位相シフト制御を、位相シフト量が0から最大値の範囲で行うことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、双方向電流共振型DC/DCコンバータおよび当該双方向電流共振型DC/DCコンバータを備える双方向電源装置に関する。
近年、絶縁型の双方向DC/DCコンバータとして、LLC方式の電流共振型DC/DCコンバータを双方向化したCLLC方式の(CLLLC方式とも呼ばれる)双方向電流共振型DC/DCコンバータが注目されている。
LLC方式の電流共振型DC/DCコンバータは、小型かつ高効率で部品点数が少なく低コストであるという利点がある一方、入力電圧、出力電圧によって出力電力が異なり、制御が難しいことに加え、制御可能な電圧範囲が狭く、周波数制御だけでは出力電力を0まで絞り切れないという欠点がある。
CLLC方式の双方向電流共振型DC/DCコンバータについても、LLC方式と同様の欠点があり、周波数制御だけでは出力電力を0まで絞り切れないため、電力伝送の方向を切換える時に電力ジャンプ(瞬間的な電力変動)が生じる。このため、CLLC方式の双方向電流共振型DC/DCコンバータは、シームレスに電力伝送の方向を切換えることができないという問題がある。
従来一般的であった電圧電流型DC/DCコンバータの場合は、出力側に印加される電圧が制御中の出力電圧値よりも高くなると、電流の向きが自然に逆流して電力伝送の方向が反転するので、制御方法を変更する必要がなく、シームレスに電力伝送の方向を切換えることができる。しかしながら、LLC方式あるいはCLLC方式の場合は、制御の向きと電流の流れの向き(電力伝送の方向)が一致しているので、シームレスな電力伝送方向の切換えを行う場合、切換え時の電力ジャンプの問題に加え、制御方法も変更する必要があり、シームレスな電力伝送方向の切換えは容易ではない。
図10は、上記従来のCLLC方式の双方向電流共振型DC/DCコンバータの電力伝送方向の切換え時における、駆動周波数と出力電力の変化を模式的に示した図である。図10の第3象限は、1次側から2次側への電力伝送量で、横軸Fdは駆動周波数、縦軸Pdは順方向の出力電力であり、第1象限は2次側から1次側への電力伝送量であり、横軸Fcは駆動周波数、縦軸Pcは逆方向の出力電力である。第3象限の場合は、駆動周波数Fdが大きくなるについて、順方向の出力電力Pdは減少するが、駆動周波数Fdが大きくなるにつれて、出力電力Pdの減少率は低下する。同様に、第1象限の場合は、駆動周波数Fcが大きくなるについて、逆方向の出力電力Pcは減少するが、駆動周波数Fcが大きくなるにつれて、出力電力Pcの減少率は低下する。
例えば、駆動点Acから駆動点Adへの方向切換えの場合、出力を低下させつつ一方側の駆動回路の駆動周波数を上昇させて最大周波数のBc点に移行後、一方側の駆動回路の駆動を停止すると同時に他方側の駆動回路を最大周波数のBd点で駆動開始させ、駆動周波数を低下させてAd点まで移行させる。この場合、駆動回路の切換えに伴い、Bc点からBd点に瞬時に移行するので、電力ジャンプが生じる。駆動点Adから駆動点Acへの切換えについても同様である。
特許文献1には、この問題に対して、共振周波数での固定周波数によるパルス幅変調制御または位相変調制御と、共振周波数以下での周波数変調制御とを切換える制御方法が提案されている。しかしながら、この制御方法では、共振周波数においてパルス幅変調制御を行うとハードスイッチングとなるため、スイッチングノイズが発生するという問題がある。
特許文献2には、CLLC方式の双方向電流共振型DC/DCコンバータにおけるシームレスな電力伝送方向の切換えの方法として、1次(給電)側の駆動周波数を最大とし(ステップ3)、2次側の駆動を1次側に対して最大の位相差の遅れから開始し(ステップ4)、位相シフト制御により位相差を減じて(ステップ5)、位相差が最小となると電力伝送の方向を切換える(ステップ6)方法が提案されている。
しかしながら、一般的なCLLC方式の駆動方法は、1次(給電)側はデューティ50%でブリッジ駆動し、2次側はダイオード整流または同期整流する方法であり、1次側と2次側とで位相差を設けて駆動する方法ではない。このため、特許文献2に記載の方法には、一般に知られているLLC方式あるいはCLLC方式の設計手法や既存のハードウェアおよびソフトウェア資産や知識をそのまま適用あるいは展開、流用することができない。さらに、特許文献2には、シームレスな電力伝送方向の切換えを実現するのに必要な具体的な2次側ブリッジ回路の駆動方法、1次側と2次側の駆動信号間の最大位相差および最小位相差についての開示がない。
非特許文献1には、CLLC方式の双方向電流共振型DC/DCコンバータにおけるシームレスな電力伝送方向の切換えについて、1次(給電側)側ブリッジ回路の駆動周波数を最大とし、1次側に対する2次側の位相遅れを+0.05から減じて0を経由し-0.05まで増加させることで、逆方向に切換える方法が提案されている。
非特許文献1に記載の方法は、特許文献2に記載の方法と同様、一般的なLLC方式あるいはCLLC方式の設計手法等が利用できないことに加え、1次側と2次側との位相差±0.05はデッドタイム(駆動周波数が100kHz程度とすれば0.5μ秒程度以下)の1/2程度の範囲と非常に狭く、制御が難しい。具体的には、高精度の制御指示手段が必要で、かつ1次側と2次側との間が絶縁されているので、検出の遅延を考慮して位相を検出する必要があり、位相差の検知も難しい。
また、特許文献2および非特許文献1の方法は、1次側ブリッジ回路と2次側ブリッジ回路との間に位相差を設ける方法であるが、2次側の位相は入力電圧や接続先の負荷によっても変化するので、1次側の駆動信号に対する位相差を想定しても簡単に制御することはできない。また、1次側と2次側との間は絶縁されているので絶縁検知が必要になり、検出回路の増大、高コスト化、検出の遅延を招くことになる。また、入力電圧にもよるが1次側の駆動周波数を最大とすると2次側の電流値は最小となるので、2次側の電流を検知しても正確に位相差を検出するのが難しいという問題がある。
特開2014-79145号公報 米国特許第10587201号明細書
川野想一朗、外5名、"双方向電力伝送が可能なCLLC方式共振形コンバータ"、[online]、信学技報EE2021-5、[令和4年2月22日検索]、インターネット<URL:https://www.ieice.org/ken/paper/20210527MCEF/>
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、比較的簡単な制御で、切換え時に電力ジャンプのないシームレスに電力伝送方向を切換えることが可能な双方向電流共振型DC/DCコンバータおよび双方向電源装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る双方向電流共振型DC/DCコンバータは、
電源部および制御部を含む双方向電流共振型DC/DCコンバータであって、
前記電源部は、
1次側コイルおよび2次側コイルを含むトランスと、
並列接続された第1レグおよび第2レグを含み、各レグが直列接続された上アームおよび下アームを含み、各アームがスイッチング素子を含み、前記1次側コイルに接続された第1ブリッジ回路と、
並列接続された第3レグおよび第4レグを含み、各レグが直列接続された上アームおよび下アームを含み、各アームがスイッチング素子を含み、前記2次側コイルに接続された第2ブリッジ回路と、
前記第1ブリッジ回路と前記1次側コイルとの間に設けられ、第1共振コイルおよび第1共振コンデンサを含む1次側共振回路と、
前記第2ブリッジ回路と前記2次側コイルとの間に設けられ、第2共振コイルおよび第2共振コンデンサを含む2次側共振回路と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1ブリッジ回路を駆動回路とし、前記第2ブリッジ回路に対して同期整流制御またはダイオード整流制御を行い、前記第1ブリッジ回路から前記第2ブリッジ回路への電力伝送を行わせる順方向制御と、
前記第2ブリッジ回路を駆動回路とし、前記第1ブリッジ回路に対して同期整流制御またはダイオード整流制御を行い、前記第2ブリッジ回路から前記第1ブリッジ回路への電力伝送を行わせる逆方向制御と、
前記駆動回路の駆動周波数を増加させてから電力伝送の方向を切換える切換え制御と、を実行し、
前記切換え制御において、前記駆動回路の各レグ間の位相シフト制御を、位相シフト量が0から最大値の範囲で行うか、または前記駆動回路の各スイッチング素子のPWM制御を行い、当該スイッチング素子のオン比率を50%から最小値の範囲で変化させることを特徴とする。
この構成によれば、駆動回路の各レグ間の位相シフト制御または各スイッチング素子のオン比率を変化させるPWM制御を行うことで、周波数制御だけでは対応できない零電力でのシームレスな電力伝送方向の切換えが可能となる。すなわち、この構成では、各レグ間での駆動信号の位相シフト制御を0から最大値の範囲で行うか、またはスイッチング素子のオン比率を50%から最小値の範囲で変化させるPWM制御を行うことで、位相シフト制御に1次側2次側間の信号を使用する必要がなく、また第1ブリッジ回路と第2ブリッジ回路との位相差を制御する必要もない。したがって、この構成によれば、従来のLLC方式あるいはCLLC方式の設計手法等を利用でき、比較的簡単な制御が可能(例えば、デッドタイムに比べて10倍程度の広い範囲での制御が可能)となり、低コスト化を図ることができる。
前記双方向電流共振型DC/DCコンバータにおいて、
前記制御部は、
前記順方向制御において、前記第2ブリッジ回路の前記同期整流制御を行い、
前記順方向制御時の前記切換え制御において、
前記第1ブリッジ回路の駆動周波数を所定の最大周波数まで増加させる第1処理と、
前記第1ブリッジ回路の各レグ間の位相シフト制御を行い、当該位相シフト制御の第1位相シフト量を0から増加させるか、または前記第1ブリッジ回路の各スイッチング素子のPWM制御を行い、前記第1ブリッジ回路の各スイッチング素子の第1オン比率を50%から減少させる第2処理と、
前記第2ブリッジ回路の出力電流値が所定の閾値以下となった場合に、前記第2ブリッジ回路の前記同期整流制御を停止させる第3処理と、
前記第1位相シフト量を最大値にするか前記第1オン比率を最小値にして、前記第2ブリッジ回路の出力電圧値が所定の上限値に達した場合に、前記第1ブリッジ回路の駆動を停止させる第4処理と、
前記第2ブリッジ回路の駆動周波数を所定の最大周波数とし、前記第2ブリッジ回路の各レグ間の第2位相シフト量を最大値にして、前記第2ブリッジ回路の各レグ間の位相シフト制御を開始させるか、または前記第2ブリッジ回路の各スイッチング素子の第2オン比率を最小値にして、前記第2ブリッジ回路の各スイッチング素子のPWM制御を開始させる第5処理と、
前記第1ブリッジ回路の出力電流値が所定の閾値以上となった場合に、前記第1ブリッジ回路の前記同期整流制御を開始させる第6処理と、
前記第2位相シフト量を0にするか前記第2オン比率を50%にして、前記第2ブリッジ回路の駆動周波数を前記最大周波数から低下させる第7処理と、を実行するよう構成できる。
この構成によれば、第2ブリッジ回路の出力電流値と出力電圧値とに基づいて電力伝送方向を切換えるため、外部制御信号なしでシームレスな電力伝送方向の切換えが可能となる。
前記双方向電流共振型DC/DCコンバータにおいて、
前記制御部は、
前記第2ブリッジ回路に対して定電圧制御を行いつつ、少なくとも前記第5処理を実行するよう構成できる。
この構成によれば、第2ブリッジ回路を定電圧制御しつつ電力伝送方向を切換えるため、電流方向のみの切換えが可能となる。
前記双方向電流共振型DC/DCコンバータにおいて、
前記制御部は、
前記第2処理を実行する前に前記第3処理を実行し、
前記第6処理を実行する前に前記第7処理を実行するよう構成できる。
前記双方向電流共振型DC/DCコンバータにおいて、
前記制御部は、
前記順方向制御において、前記第2ブリッジ回路の前記ダイオード整流制御を行い、
前記順方向制御時の前記切換え制御において、
前記第1ブリッジ回路の駆動周波数を所定の最大周波数まで増加させる第1処理と、
前記第1ブリッジ回路の各レグ間の位相シフト制御を行い、当該位相シフト制御の第1位相シフト量を0から増加させるか、または前記第1ブリッジ回路の各スイッチング素子のPWM制御を行い、前記第1ブリッジ回路の各スイッチング素子の第1オン比率を50%から減少させる第2処理と、
前記第1位相シフト量を最大値にするか前記第1オン比率を最小値にして、前記第2ブリッジ回路の出力電圧値が所定の上限値に達した場合に、前記第1ブリッジ回路の駆動を停止させる第4処理と、
前記第2ブリッジ回路の駆動周波数を所定の最大周波数とし、前記第2ブリッジ回路の各レグ間の第2位相シフト量を最大値にして、前記第2ブリッジ回路の各レグ間の位相シフト制御を開始させるか、または前記第2ブリッジ回路の各スイッチング素子の第2オン比率を最小値にして、前記第2ブリッジ回路の各スイッチング素子のPWM制御を開始させる第5処理と、
前記第2位相シフト量を0にするか前記第2オン比率を50%にして、前記第2ブリッジ回路の駆動周波数を前記最大周波数から低下させる第7処理と、を実行するよう構成できる。
上記課題を解決するために、本発明に係る双方向電源装置は、
前記双方向電流共振型DC/DCコンバータと、
DC/AC変換動作およびAC/DC変換動作を行う双方向DC/ACインバータと、
を備える双方向電源装置であって、
電力伝送の方向を切換えるときに、前記双方向電流共振型DC/DCコンバータと前記双方向DC/ACインバータの接続点電圧が、一定電圧となるか、または前記双方向電流共振型DC/DCコンバータの入力電圧により定まる電圧となることを特徴とする。
この構成によれば、双方向電流共振型DC/DCコンバータと双方向DC/ACインバータとの接続点電圧(リンク電圧)を一定電圧または双方向電流共振型DC/DCコンバータ側の電源電圧により定まる電圧とするため、電力伝送方向の切換え時にリンク電圧の安定化のために設けられたコンデンサ(例えば、電解コンデンサ)を充放電することがなくなり、無駄なエネルギー伝送なしで電力伝送方向の切換えが即座に可能となる。
前記双方向電源装置において、
前記双方向電流共振型DC/DCコンバータは、電気自動車に接続可能に構成され、
前記電気自動車に対して充電動作および放電動作を行うよう構成できる。
本発明によれば、比較的簡単な制御で、切換え時に電力ジャンプのないシームレスに電力伝送方向を切換えることが可能な双方向電流共振型DC/DCコンバータおよび双方向電源装置を提供することができる。
本発明に係る双方向電流共振型DC/DCコンバータの回路構成の例を示す図である。 本発明に係る双方向電流共振型DC/DCコンバータの電力伝送方向切換え時の制御の第1の流れを示すフロー図の例である。 本発明に係る双方向電流共振型DC/DCコンバータの電力伝送方向切換え時の制御の第2の流れを示すフロー図の例である。 本発明に係る双方向電流共振型DC/DCコンバータの電力伝送方向切換え時の制御の第3の流れを示すフロー図の例である。 本発明に係る双方向電流共振型DC/DCコンバータの電力伝送方向切換え時の位相差の変化を示すタイミング図の例である。 本発明に係る双方向電源装置の応用例を示すシステム構成図の例である。 本発明に係る双方向電源装置の電力伝送方向切換え時の駆動周波数と出力電力の変化を模式的に示した図である。 本発明に係る双方向電流共振型DC/DCコンバータの電力伝送方向切換え時のPWM制御のデューティの変化を示すタイミング図の例である。 本発明に係る双方向電源装置の電力伝送方向の切換えによるリンク電圧の変化を模式的に示した図である。 従来の双方向電流共振型DC/DCコンバータの電力伝送方向切換え時の駆動周波数と出力電力の変化を模式的に示した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る双方向電流共振型DC/DCコンバータおよび双方向電源装置の実施形態について説明する。
[双方向電流共振型DC/DCコンバータ]
図1に、本発明の一実施形態に係る双方向電流共振型DC/DCコンバータ1を示す。双方向電流共振型DC/DCコンバータ1は、DC/DC電源部10(本発明の「電源部」に相当)と、制御部20と、端子T1~T4とを備える。
DC/DC電源部10は、トランスTrと、第1ブリッジ回路11と、第2ブリッジ回路12と、1次側共振回路13と、2次側共振回路14と、各種検出回路(図示せず)とを備える。DC/DC電源部10は、回路構成が左右対称なので、双方向でLLC共振の電力伝送が可能である。そのため、DC/DC電源部10の回路構成は、CLLC(または励磁インダクタンスLmも含めCLLLC)方式と呼ばれる。
トランスTrは、高周波絶縁トランスであり、1次側コイルおよび2次側コイルを含む。1次側コイルは、1次側共振回路13を介して第1ブリッジ回路11に接続される。2次側コイルは、2次側共振回路14を介して第2ブリッジ回路12に接続される。トランスTrは、容量に応じて1個または複数個で構成してもよい。また、トランスTrの励磁インダクタンスLmはトランスTrに含まれるものとして図示していない。
第1ブリッジ回路11は、並列接続された第1レグおよび第2レグを含み、各レグが直列接続された上アームおよび下アームを含む。第1レグの上アームはスイッチング素子Q1、ダイオードD1、コンデンサC1を含み、第1レグの下アームはスイッチング素子Q2、ダイオードD2、コンデンサC2を含み、第2レグの上アームはスイッチング素子Q3、ダイオードD3、コンデンサC3を含み、第2レグの下アームはスイッチング素子Q4、ダイオードD4、コンデンサC4を含む。
第2ブリッジ回路12は、並列接続された第3レグおよび第4レグを含み、各レグが直列接続された上アームおよび下アームを含む。第3レグの上アームはスイッチング素子Q5、ダイオードD5、コンデンサC5を含み、第3レグの下アームはスイッチング素子Q6、ダイオードD6、コンデンサC6を含み、第4レグの上アームはスイッチング素子Q7、ダイオードD7、コンデンサC7を含み、第4レグの下アームはスイッチング素子Q8、ダイオードD8、コンデンサC8を含む。
スイッチング素子Q1~Q8は、トランジスタの回路記号で記載しているが、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)、SiC(シリコンカーバイド)-MOSFET、GaN(窒化ガリウム)-MOSFET等、高周波でスイッチングが可能な電力用半導体スイッチング素子を用いることができる。
ダイオードD1~D8は、スイッチング素子Q1~Q8の電流路に逆方向に並列接続される。ダイオードD1~D8は、スイッチング素子Q1~Q8とは独立した外付けダイオードで記載しているが、スイッチング素子Q1~Q8の寄生ダイオードでもよいし、その両方でもよい。
コンデンサC1~C8は、部分共振のためのコンデンサであり、スイッチング素子Q1~Q8の電流路およびダイオードD1~D8に並列接続される。コンデンサC1~C8は、スイッチング素子Q1~Q8の寄生コンデンサでもよいし、スイッチング素子Q1~Q8とは独立した外付けコンデンサでもよいし、その両方でもよい。
1次側共振回路13は、トランスTrの1次側コイルに対して直列に接続された、本発明の「第1共振コイル」に相当する共振コイルLr1と、本発明の「第1共振コンデンサ」に相当する共振コンデンサCr1とを含む。
2次側共振回路14は、トランスTrの2次側コイルに対して直列に接続された、本発明の「第2共振コイル」に相当する共振コイルLr2と、本発明の「第2共振コンデンサ」に相当する共振コンデンサCr2とを含む。
共振コイルLr1および共振コンデンサCr1は、1次側コイルの両端に配置しているが、1次側コイルの片側に配置してもよい。または、共振コンデンサCr1および共振コイルLr1の定数を分割して、双方を1次側コイルの両端に配置してもよい。共振コイルLr2および共振コンデンサCr2についても同様である。また、共振コイルLr1、Lr2は、その一部あるいはそのすべてがトランスTrの漏れ磁束で構成されてもよく、個別のコイルで構成されてもよく、その両方でもよい。
制御部20は、スイッチング素子Q1~Q8をオン/オフさせるためのスイッチング素子Q1~Q8の各駆動回路と、各駆動回路に制御信号を送るための制御回路とを含む。制御部20は、アナログ回路で構成されてもよいし、マイクロコントローラやDSP等のデジタル回路で構成されてもよいし、アナログ回路とデジタル回路とを組み合わせた回路で構成されてもよい。
制御部20は、各種検出回路(図示せず)の検出値に基づいて、1次側の電圧V1、2次側の電圧V2、および1次側と2次側の電流(図示せず)を監視し、スイッチング素子Q1~Q8をオン/オフさせる。
制御部20は、1次側の第1ブリッジ回路11から2次側の第2ブリッジ回路12への電力伝送を行わせる順方向制御と、2次側の第2ブリッジ回路12から1次側の第1ブリッジ回路11への電力伝送を行わせる逆方向制御と、電力伝送の方向を切換える切換え制御とを実行する。
具体的には、順方向制御時の制御部20は、駆動回路となる第1ブリッジ回路11に対してスイッチング素子Q1~Q4を規定の周波数範囲で駆動させる周波数制御を行う一方、第2ブリッジ回路12に対して同期整流制御を行う。順方向制御かつ切換え制御時の制御部20は、第1ブリッジ回路11に対して第1レグ(スイッチング素子Q1、Q2)と第2レグ(スイッチング素子Q3、Q4)間の位相シフト制御を行う。
逆方向制御時の制御部20は、駆動回路となる第2ブリッジ回路12に対してスイッチング素子Q5~Q8を規定の周波数範囲で駆動させる周波数制御を行う一方、第1ブリッジ回路11に対して同期整流制御を行う。逆方向制御かつ切換え制御時の制御部20は、第2ブリッジ回路12に対して第3レグ(スイッチング素子Q5、Q6)と第4レグ(スイッチング素子Q7、Q8)間の位相シフト制御を行う。
図2~図4に、双方向電流共振型DC/DCコンバータ1の電力伝送方向切換え時の制御(切換え制御)の流れを示す。具体的には、双方向電流共振型DC/DCコンバータ1が定電圧制御で順方向電力伝送中に出力電力が低下し、出力電圧が上昇して逆方向への電力伝送方向切換えを行う時の制御、および逆方向への電力伝送方向切換え後に逆方向出力電力が低下し、順方向への電力伝送方向切換えを行う時の制御の流れを示す。
図2において、順方向電力伝送時に出力が低下する場合の処理の流れについて説明する。双方向電流共振型DC/DCコンバータ1は、第1ブリッジ回路11から第2ブリッジ回路12の方向に電力伝送を行っているものとする。この場合、制御部20は、順方向制御を実行し、第1ブリッジ回路11に対して、入力を電圧V1とし第1レグ(スイッチング素子Q1、Q2)と第2レグ(スイッチング素子Q3、Q4)間の位相差を0°(位相差なし)として周波数制御を行い、第2ブリッジ回路12に対して、同期整流制御かつ電圧V2の定電圧制御を行う(S101)。
制御部20は、電圧V2の上昇による出力電力の低下に応じて、第1ブリッジ回路11の駆動周波数F1を所定の最大周波数F1maxまで増加させる(S102でYes)。駆動周波数F1が最大周波数F1maxに達するまでは(S102でNo)、ステップS101を実行する。さらに出力電力が低下すると、制御部20は、位相シフト制御を開始し、第1ブリッジ回路11の第1レグ(スイッチング素子Q1、Q2)と第2レグ(スイッチング素子Q3、Q4)間の位相差すなわち第1位相シフト量θ1を0°から増加させる(S103)。なお、ステップS103で電圧V2の上昇によって出力電力が低下すれば第1位相シフト量θ1を増加し、電圧V2の下降によって出力電力が増加すれば第1位相シフト量θ1を減少させる。すなわち、制御部20は、目標電力に対して出力電力が大きい場合は、第1位相シフト量θ1を増加し、目標電力に対して出力電力が小さい場合は、第1位相シフト量θ1を減少させる。このように位相シフト制御することで回路を構成する素子の寄生容量による共振の影響を受けずに制御することができる。
制御部20は、第2ブリッジ回路12の出力電流(2次側電流)が予め規定された閾値よりも大きい場合(S104でNo)、第2ブリッジ回路12の同期整流制御を継続し(S105)、第1位相シフト量θ1が0°でなければ(S106でNo)、ステップS103以降を実行し、第1位相シフト量θ1が0°であれば(S106でYes)、ステップS101以降を実行する。一方、第2ブリッジ回路12の出力電流が閾値以下の場合(S104でYes)、制御部20は、第2ブリッジ回路12の同期整流制御を停止する(S107)。
さらに出力電力が低下し、第1位相シフト量θ1が最大値(予め設定した最大値または180°)に達するまでは(S108でNo)ステップS103以降を実行する。一方、第1位相シフト量θ1が最大値に達し(S108でYes)、第1ブリッジ回路11から第2ブリッジ回路12への出力が最小値(0または予め設定した最小値)に制御されたにも関わらず、出力電圧V2が上昇し、所定の上限値に達した場合(S109でYes)、制御部20は、第1ブリッジ回路11の駆動を停止させる(S110)。これにより、制御部20は、電力伝送方向の反転(第2ブリッジ回路12から第1ブリッジ回路11への逆方向電力伝送)開始と判断し、図3「A」(S201以降)へ続く。なお、第1位相シフト量θ1が最大値に達した後、出力電圧V2が上昇しなければ(S109でNo)、ステップS103以降を実行する。
次いで、図3において、図2「A」の後の逆方向電力伝送時の起動処理の流れを説明する。制御部20は、第1ブリッジ回路11の駆動を停止させたまま、第2ブリッジ回路12に対して、入力を電圧V2として当該電圧V2の定電圧制御を行いつつ、第3レグ(スイッチング素子Q5、Q6)と第4レグ(スイッチング素子Q7、Q8)間の位相差を最大値(予め設定した最大値または180°)にして、かつ駆動周波数F2を最大周波数F2maxにして位相シフト制御を開始する(S201)。
制御部20は、電圧V2の状況に合わせて第3レグ(スイッチング素子Q5、Q6)と第4レグ(スイッチング素子Q7、Q8)間の位相差すなわち第2位相シフト量θ2を制御し、電圧V2が上昇した場合は第2位相シフト量θ2を最大値から減少させる(S202)。位相シフト制御により第1ブリッジ回路11の出力電流(1次側電流)が予め規定された閾値以上になると(S203でYes)、制御部20は、第1ブリッジ回路11の同期整流制御を開始する(S204)。なお、ステップS202で、電圧V2が上昇した場合は第2位相シフト量θ2を減少させ、電圧V2が下降した場合は第2位相シフト量θ2を増加させる。
さらに出力電力が増加し、第2位相シフト量θ2が0°に達すると(S205でYes)、制御部20は、第2ブリッジ回路12の駆動周波数F2を最大周波数F2maxから低下させる周波数制御を行い(S206)、出力電力を目標値に近づける。出力電力が目標値に達すると、制御部20は、制御を継続する場合は(S207でYes)、ステップS202以降を実行し、制御を継続しない場合は(S207でNo)、処理を終了する。
一方、第1ブリッジ回路11の出力電流(1次側電流)が予め規定された閾値未満の場合(S203でNo)、第1ブリッジ回路11の同期整流制御を停止し(S208)、第2位相シフト量θ2が最大値未満の場合(S209でNo)はステップS202以降を実行する。第2位相シフト量θ2が最大値となり(S209でYes)、電圧V2が所定の下限値以下になった場合(S210でYes)、制御部20は、逆流電力が減少し逆方向動作が不要になったとして第2ブリッジ回路12の駆動を停止させる(S211)。これにより、制御部20は、電力伝送方向の反転(第1ブリッジ回路11から第2ブリッジ回路12への順方向電力伝送)開始と判断し、図4「B」(S301以降)へ続く。
次いで、図4において、図3「B」の後の順方向電力伝送時の起動処理の流れを説明する。制御部20は、第2ブリッジ回路12の駆動を停止させたまま、第1ブリッジ回路11に対して、入力を電圧V1とし電圧V2の定電圧制御を行いつつ、第1レグ(スイッチング素子Q1、Q2)と第2レグ(スイッチング素子Q3、Q4)間の位相差を最大値(予め設定した最大値または180°)にして、かつ駆動周波数F1を最大周波数F1maxにして位相シフト制御を開始する(S301)。
制御部20は、以下、ステップS202~S207と同様に制御する。すなわち、制御部20は、電圧V2の状況に合わせて第1レグ(スイッチング素子Q1、Q2)と第2レグ(スイッチング素子Q3、Q4)との間の位相差、すなわち第1位相シフト量θ1を制御し、電圧V2が減少した場合は、第1位相シフト量θ1を最大値から減少させ(S302)、第2ブリッジ回路12の出力電流が予め規定された閾値以上になると(S303でYes)、第2ブリッジ回路12の同期整流制御を開始する(S304)。第1位相シフト量θ1が0°に達するまでは(S305でNo)、ステップS302以降を実行する。なお、ステップS302で、電圧V2が減少した場合は第1位相シフト量θ1を減少させ、電圧V2が上昇した場合は第1位相シフト量θ1を増加させる。
さらに出力電力が増加し、第1ブリッジ回路11の第1位相シフト量θ1が0°に達すると(S305でYes)、第1ブリッジ回路11の駆動周波数F1を出力電力に合わせて最大周波数F1maxから低下させる周波数制御を行い(S306)、制御を継続する場合は(S307でYes)、図2の「C」からステップS101の状態に移行する。制御を継続しない場合は(S307でNo)、処理を終了する。
一方、第2ブリッジ回路12の出力電流が予め規定された閾値未満の場合(S303でNo)、第2ブリッジ回路12の同期整流制御を停止し(S308)、第1位相シフト量θ1が最大値未満の場合は(S309でNo)、ステップS302以降を実行する。第1位相シフト量θ1が最大値になると(S309でYes)、第2ブリッジ回路12に外部から電圧が印可されて電圧V2が所定の上限値になるまでは(S310でNo)、ステップS302以降を実行し、上限値以上になった場合(S310でYes)、図2の「D」からステップS110の状態に移行する。
上記説明において、ステップS102でYesとなり第1ブリッジ回路11の駆動周波数F1を最大とする処理が、本発明の「第1処理」に相当する。ステップS103で第1ブリッジ回路11の第1位相シフト量θ1を増加させる処理が、本発明の「第2処理」に相当する。ステップS104、S107で第2ブリッジ回路12の出力電流が閾値以下となり、第2ブリッジ回路12の同期整流制御を停止する処理が、本発明の「第3処理」に相当する。ステップS108~S110で第1ブリッジ回路11の第1位相シフト量θ1が最大となり、電圧V2が上限値以上となり、第1ブリッジ回路11の駆動を停止させる処理が、本発明の「第4処理」に相当する。
ステップS201で第1ブリッジ回路11の駆動を停止させたまま第2ブリッジ回路12に対して位相差最大かつ最大周波数F2maxで位相シフト制御を開始する処理が、本発明の「第5処理」に相当する。ステップS202~S204で第2ブリッジ回路12の第2位相シフト量θ2を減少させ、第1ブリッジ回路11の出力電流が閾値以上となると、第1ブリッジ回路11の同期整流制御を開始する処理が、本発明の「第6処理」に相当する。ステップS205、S206で第2ブリッジ回路12の第2位相シフト量θ2が0°となり、駆動周波数F2を最大周波数F2maxから低下させる周波数制御を行う処理が、本発明の「第7処理」に相当する。
なお、上記説明では、「第2処理」の後に「第3処理」を行い、「第6処理」の後に「第7処理」を行うようにしたが、同期整流制御を停止または開始するのは出力電流の閾値に依存し、駆動回路の位相シフト制御の動作とは無関係なので、位相シフト制御を行う際には同期整流制御を停止してもよい。すなわち、「第3処理」を行った後に「第2処理」を行い、「第7処理」を行った後に「第6処理」のステップS203、S204の処理を行ってもよい。
図5は、第1ブリッジ回路11の第1レグと第2レグ間の位相差θ(第1位相シフト量θ1)の変化を示したタイミング図である。
図5(A)は、第1レグ(スイッチング素子Q1、Q2)と第2レグ(スイッチング素子Q3、Q4)間の位相差θを0°(位相差なし)とした状態であり、図2のステップS101の状態に相当する。
図5(B)では、第1レグと第2レグ間は位相差θがわずかに生じており、図5(C)では、位相差θが大きくなっている。これらは図2のステップS103の状態に相当する。図5(D)では、第1レグと第2レグ間は位相差θ=180°(最大値)になっており、これは図2のステップS108でYesの状態に相当する。
[双方向電源装置]
図6に、本発明の一実施形態に係る双方向電源装置2を用いた電源システムの構成図を示す。図6では、双方向電源装置2をV2H(Vehicle to Home)に適用している。
双方向電源装置2は、DC/DC電源部10と、DC/AC電源部30と、これらを制御する制御部21と、端子T1~T6とを備える。DC/DC電源部10と、制御部21のDC/DC電源部10の制御に関する部分(すなわち、制御部20の機能を有する部分)とが、双方向電流共振型DC/DCコンバータ1に相当し、DC/AC電源部30と、制御部21のDC/AC電源部30の制御に関する部分とが、本発明の双方向DC/ACインバータに相当する。
DC/DC電源部10は、双方向電流共振型DC/DCコンバータ1のDC/DC電源部10と同じ構成である。DC/DC電源部10とDC/AC電源部30との接続点(端子T3、T4間)には、電圧安定化のための電解コンデンサ(図示せず)が接続されている。
DC/AC電源部30は、複数のスイッチング素子およびインダクタを含み、制御部21の制御下(例えば、PWM制御下)で、直流電力を交流電力に変換するDC/AC変換動作と、交流電力を直流電力に変換するAC/DC変換動作とを行うよう構成される。
制御部21は、上記の制御部20の機能を有し、さらにDC/AC電源部30の複数のスイッチング素子をオン/オフさせるためのスイッチング制御(例えば、PWM制御)を行うよう構成される。制御部21は、制御部20と同様に、アナログ回路で構成されてもよいし、マイクロコントローラやDSP等のデジタル回路で構成されてもよいし、アナログ回路とデジタル回路とを組み合わせた回路で構成されてもよい。
双方向電源装置2では、DC/DC電源部10とDC/AC電源部30とが端子T3、T4を介して互いに接続される。双方向電源装置2の直流側の端子T1、T2は、図示しない充放電コネクタを経由して電気自動車(EV)40に接続される。双方向電源装置2の交流側の端子T5、T6は、家庭の電気製品や電気設備等の負荷50に接続され、また太陽光パネル(PV)60のパワーコンディショナー装置(PCS)61に接続され、さらに系統解列器(SW)70を経由して電力系統71(系統電源V4)に接続される。
双方向電源装置2は、図示しない操作部(例えば、操作パネル)を備えており、操作部で充電指示を受け付けた場合、電気自動車40に対して充電動作を行う一方、操作部で放電指示を受け付けた場合、電気自動車40に対して放電動作を行う。
具体的には、充電動作時の双方向電源装置2は、充電電源として動作し、端子T5、T6に供給された系統電力および/またはパワーコンディショナー装置61で交流に変換された太陽光パネル60の発電電力を直流電力に変換し、当該直流電力を定電流制御で電気自動車40に供給する。
放電動作時の双方向電源装置2は、電力系統71が通電している通電時の場合、回生電源として動作し、電気自動車40のバッテリーに蓄えられた直流電力を商用周波数の交流電力に変換し、当該交流電力を系統連係して端子T5、T6から出力する。
一方、電力系統71が停電している停電時の場合、放電動作時の双方向電源装置2は、系統解列器70を操作して電力系統71から解列させ、自立運転を行い、負荷50に交流電力を供給する。パワーコンディショナー装置61は、双方向電源装置2が供給する交流電力に連系(疑似連系)して負荷50に交流電力を供給することができる。
太陽光パネル60の発電電力に余剰電力がある場合、双方向電源装置2は、余剰電力を利用して電気自動車40に対して充電動作を行うことができ、電力系統71の停電時でも電気自動車40のバッテリーに電力を蓄えることができる。これにより、双方向電源装置2は、自立運転を長時間行うことができる。
そのため、双方向電源装置2は、定電圧制御による端子T1、T2から端子T5、T6方向への放電動作中に、余剰電力が発生し電流の流れが反転した時点で、切換え時の電力ジャンプがなく、スムーズかつシームレスに電力伝送方向の切換えを行う必要がある。また、電力伝送方向の切換え後に余剰電力が減少し、電流の流れが元に戻った時点で、充電動作から放電動作にスムーズかつシームレスに電力伝送方向を元に戻す必要がある。
放電動作時のDC/DC電源部10は、電気自動車40のバッテリー電圧である電圧V1を入力とし、DC/AC電源部30との接続点(端子T3、T4間)の電圧であるリンク電圧V2(本発明の「接続点電圧」に相当)の定電圧制御を行う。DC/AC電源部30は、DC/AC変換動作により直流のリンク電圧V2を商用交流電圧(電圧V3)に変換し、かつ電圧V3の定電圧制御を行う。
負荷50の消費電力よりも太陽光パネル60の発電電力が大きくなり余剰電力が生じると、電圧V3が上昇し、DC/AC電源部30は逆向き(充電方向)の電力変換動作(AC/DC変換動作)を開始する。これにより、双方向電源装置2では、電流の向きが反転してリンク電圧V2が上昇する。DC/DC電源部10は、制御部21の制御(切換え制御)により、リンク電圧V2が上昇しても、切換え時の電力ジャンプがなく、スムーズかつシームレスに電流方向を反転させて、電力伝送方向を反転させることができる。また、電力伝送方向の切換え後に負荷50の消費電力と太陽光パネル60の発電電力との差が減少し、余剰電力がなくなると、電圧V3が下降し、DC/AC電源部30は元の放電方向の電力変換動作(DC/AC変換動作)を開始する。これにより、双方向電源装置2では、電流の向きが反転してリンク電圧V2が減少する。DC/DC電源部10は、制御部21の制御(切換え制御)により、リンク電圧V2が減少しても、切換え時の電力ジャンプがなく、スムーズかつシームレスに電流方向を反転させて、電力伝送方向を元の方向に戻すことができる。
図7に、双方向電源装置2内におけるDC/DC電源部10の電力伝送方向切換え時の駆動周波数と出力電力の変化を模式的に示す。
図7の第3象限は、放電側(V1側からV3側への)電力伝送量を示し、横軸FdはDC/DC電源部10の駆動周波数、縦軸Pdは放電電力を示す。図7の第1象限は、充電側(V3側からV1側への)電力伝送量を示し、横軸FcはDC/DC電源部10の駆動周波数、縦軸Pcは充電電力を示す。
放電動作時の双方向電源装置2において、制御部21は、放電電力(双方向電源装置2の出力電力)がAd点となるように、DC/DC電源部10およびDC/AC電源部30を制御する。その後、負荷50の消費電力と太陽光パネル60の発電電力との電力差が減少すると、DC/DC電源部10の第1ブリッジ回路11の駆動周波数が増加し、放電電力がBd点まで低下し、駆動周波数が放電側の最大周波数に達する。
制御部21は、駆動周波数が放電側の最大周波数に達すると、第1ブリッジ回路11の位相シフト制御を開始し、第1レグ(スイッチング素子Q1、Q2)と第2レグ(スイッチング素子Q3、Q4)間の第1位相シフト量θ1を0°から増加させる。位相シフト制御により放電電力がCd点まで低下すると、制御部21は、DC/DC電源部10の第2ブリッジ回路12の同期整流制御を停止する。さらに出力電力が低下し、第1位相シフト量θ1が最大値に達すると、放電電力がDd点に達して0になる。放電電力が0になると、制御部21は、第1ブリッジ回路11の駆動を停止させる。
太陽光パネル60の発電電力に余剰電力(太陽光パネル60の発電電力と負荷50の消費電力との電力差)が生じると、制御部21の制御下でDC/AC電源部30が逆向きの電力変換動作(AC/DC変換動作)を開始し、リンク電圧V2が上昇する。制御部21は、充電電力(双方向電源装置2の出力電力)がDc点となるように、第2ブリッジ回路12に対して、第3レグ(スイッチング素子Q5、Q6)と第4レグ(スイッチング素子Q7、Q8)間の第2位相シフト量θ2を最大値にした状態で、駆動周波数を最大周波数として位相シフト制御を開始する。
余剰電力が増加すると、制御部21は、第2位相シフト量θ2を減少させる。位相シフト制御により充電電力がCc点まで上昇すると、制御部21は、第1ブリッジ回路11の同期整流制御を開始する。第2位相シフト量θ2が0°になると、充電電力はBc点まで上昇する。充電電力がBc点まで上昇すると、制御部20は、第2ブリッジ回路12の駆動周波数を最大周波数から低下させる周波数制御を行い、充電電力を目標値のAc点に近づける。
なお、図7の駆動周波数に対する充電電力および放電電力の関係線は、入力電圧によって異なり、入力電圧が高い程同じ駆動周波数でも高い出力値となる。放電時の最大周波数と充電時の最大周波数は同じ値でも、異なる値でもよい。また、放電側および充電側の同期整流制御の開始/停止時の電力値にヒステリシスを設けなかったが、ハンチングを防止するためにヒステリシスを設けることが好ましい。これらの動作条件ごとに異なる最大周波数を充電/放電時の入力電圧範囲に対して、最大周波数を制御部20あるいは制御部21内の記憶部(図示せず)に記憶し、動作条件によって、最適な最大周波数を読み出して制御してもよい。
双方向電流共振型DC/DCコンバータ1および双方向電源装置2によれば、DC/DC電源部10の駆動回路の位相シフト制御を行うことで、周波数制御だけでは対応できない零電力(切換え時の電力ジャンプなし)でのシームレスな電力伝送方向の切換えが可能となる。すなわち、双方向電流共振型DC/DCコンバータ1および双方向電源装置2では、DC/DC電源部10の駆動回路の各レグ間での駆動信号の位相シフト制御を0から最大値の範囲で行うことで、位相シフト制御に1次側2次側間の信号を使用する必要がなく、また第1ブリッジ回路11と第2ブリッジ回路12との位相差を制御する必要もない。このため、従来のLLC方式あるいはCLLC方式の設計手法等を利用でき、比較的簡単な制御が可能(例えば、デッドタイムに比べて10倍程度の広い範囲での制御が可能)となり、低コスト化を図ることができる。
双方向電流共振型DC/DCコンバータ1および双方向電源装置2では、DC/DC電源部10の出力電流値と出力電圧値とに基づいて電力伝送方向を切換えるため、外部制御信号なしでシームレスな電力伝送方向の切換えが可能となる。また、双方向電流共振型DC/DCコンバータ1および双方向電源装置2では、DC/DC電源部10の第2ブリッジ回路12を定電圧制御しつつ電力伝送方向を切換えることで、電流方向のみの切換えが可能となる。
なお、最大駆動周波数(最大周波数F1max、F2max)から出力を低下させるのに駆動側のレグ間の位相シフト量を0°から最大値または180°まで行う方法を使用したが、これに限るものではなく、PWM制御を用いてスイッチング素子のオン比率を50%から最小値(予め設定した最小値または0%)まで短くすることで、負荷電流を制限し、出力を低下させてもよい。
図8(A)~(D)は、第1ブリッジ回路11のPWM制御のデューティDの変化を示したタイミング図である。図8の(A)~(D)は、図5の(A)~(D)に相当する。図8(A)はデューティD=50%の状態であり、図8(B)においてデューティDは50%よりも小さくなり、図8(C)においてデューティDはさらに小さくなる。そして、図8(D)でデューティD=0%となる。なお、図8では、ターンオフのタイミング制御を行うことでデューティDを変化させているが、ターンオンのタイミング制御を行ってデューティDを変化させてもよいし、他の制御を行ってデューティDを変化させてもよい。
以上、本発明に係る双方向電流共振型DC/DCコンバータおよび双方向電源装置の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
[ダイオード整流制御]
上記実施形態では、順方向制御時には第2ブリッジ回路12に対して同期整流制御を行い、逆方向制御時には第1ブリッジ回路11に対して同期整流制御を行ったが、同期整流制御の代わりにダイオード整流制御を行ってもよい。
ダイオード整流制御の場合、順方向制御時には第2ブリッジ回路12のスイッチング素子Q5~Q8を連続オフ状態にして、第2ブリッジ回路12にダイオード整流させ、逆方向制御時には第1ブリッジ回路11のスイッチング素子Q1~Q4を連続オフ状態にして、第1ブリッジ回路11にダイオード整流させる。
また、ダイオード整流制御の場合、例えば、第1ブリッジ回路11から第2ブリッジ回路12への電力伝送時(順方向制御時)の切換え制御において、第3処理および第6処理を省略して、第1処理、第2処理、第4処理、第5処理、第7処理を実行すればよい。
すなわち、ダイオード整流制御の場合、
(1)第1ブリッジ回路11の駆動周波数F1を最大とする「第1処理」と、
(2)位相シフト制御により第1ブリッジ回路11の各レグ間の第1位相シフト量θ1を0から増加させる(または、PWM制御によりスイッチング素子Q1~Q4のオン比率(第1オン比率)を50%から減少させる)「第2処理」と、
(3)第1位相シフト量θ1が最大値(または、第1オン比率が最小値)となり、電圧V2が上限値以上となり、第1ブリッジ回路11の駆動を停止させる「第4処理」と、
(4)第1ブリッジ回路11の駆動を停止させたまま、第2ブリッジ回路12に対して位相差最大かつ最大周波数で位相シフト制御を開始させる(または、第2ブリッジ回路12に対してスイッチング素子Q5~Q8のオン比率(第2オン比率)を最小かつ最大周波数でPWM制御を開始させる)「第5処理」と、
(5)第2ブリッジ回路12の各レグ間の第2位相シフト量θ2が0°(または、第2オン比率が50%)となり、駆動周波数F2を最大周波数F2maxから低下させる周波数制御を行う「第7処理」と、
を実行すればよい。
[リンク電圧の制御]
図9に、上記実施形態に係る双方向電源装置2の放電動作と充電動作とを切換える場合のリンク電圧V2の変化を模式的に示す。
図9(A)の場合、放電動作時のDC/DC電源部10のリンク電圧V2はa電圧であるが、充電動作時のDC/AC電源部30のリンク電圧V2はb電圧(ただし、b電圧<a電圧)である。そのため、充電動作と放電動作を切換えると、リンク電圧V2が生じる接続点(端子T3、T4間)に接続された電圧安定化のための電解コンデンサに充放電が発生し、無駄な電力が消費される。
一方、図9(B)の場合、放電動作時のDC/DC電源部10のリンク電圧V2および充電動作時のDC/AC電源部30のリンク電圧V2は、ともにc電圧である。そのため、充電動作と放電動作を切換えても、接続点(端子T3、T4間)に接続された電圧安定化のための電解コンデンサに充放電が発生しないため、無駄な電力が消費されない。このため、図9(B)の場合は、電力伝送方向の切換え時に、リンク電圧V2の変化を待たずに即座に電力伝送方向の切換えが可能である。なお、リンク電圧V2は、例えば、電圧V1によって可変としても、固定としてもよい。
すなわち、双方向電源装置2は、電力伝送方向の切換え時におけるDC/DC電源部10とDC/AC電源部30のリンク電圧V2を、一定電圧とするか、またはDC/DC電源部10の入力電圧(電圧V1)により定まる電圧とすることにより、リンク電圧V2の変化を待たずに即座に電力伝送方向を切換えることができる。
[その他の変形例]
本発明に係る双方向電流共振型DC/DCコンバータは、トランスと、第1ブリッジ回路と、第2ブリッジ回路と、1次側共振回路と、2次側共振回路と、制御部とを備え、制御部が、第1ブリッジ回路を駆動回路とし、第2ブリッジ回路に対して同期整流制御またはダイオード整流制御を行い、第1ブリッジ回路から第2ブリッジ回路への電力伝送を行わせる順方向制御、第2ブリッジ回路を駆動回路とし、第1ブリッジ回路に対して同期整流制御またはダイオード整流制御を行い、第2ブリッジ回路から第1ブリッジ回路への電力伝送を行わせる逆方向制御、および駆動回路の駆動周波数を増加させてから電力伝送の方向を切換える切換え制御を実行し、切換え制御において、駆動回路の各レグ間の位相シフト制御を、位相シフト量が0から最大値(予め設定した最大値または180°)の範囲で行う、あるいはPWM制御で、スイッチング素子のオン比率を50%から最小値(予め設定した最小値または0%)までの範囲で変化させるのであれば、適宜構成を変更できる。
すなわち、実施形態では、一方の駆動周波数を最大値とし、位相シフト量を0から最大値まで増加して切換え、もう一方の駆動周波数を最大値とし、位相シフト量を最大値から0まで減少させた後、駆動周波数を最大値から減少させたが、一方の駆動周波数を十分大きくした状態(例えば、共振コイルと共振コンデンサで決まる共振周波数の1.5倍~2倍程度)で位相シフト量を0から増加しつつ駆動周波数を増加して、もう一方の駆動周波数を十分大きな値かつ位相シフト量を最大値とした状態で切換え、位相シフト量を最大値から減少させつつ、駆動周波数を十分大きな値から減少させ、位相シフト量が0になった後に、引き続き駆動周波数を減少させてもよい。
なお、駆動周波数が上記共振周波数よりも高くなると、駆動周波数の増加によるゲインの低下率が下がる一方、駆動周波数が高くなるとトランスおよび共振コイルの発熱が大きくなる。そのため、両者を勘案して駆動周波数の最大値(最大周波数F1max、F2max)を決めることが好ましい。
1 双方向電流共振型DC/DCコンバータ
2 双方向電源装置
10 DC/DC電源部
11 第1ブリッジ回路
12 第2ブリッジ回路
13 1次側共振回路
14 2次側共振回路
2 双方向電源装置
20、21 制御部
30 DC/AC電源部
40 電気自動車
50 負荷
60 太陽光パネル
61 パワーコンディショナー装置
70 系統解列器
71 電力系統

Claims (7)

  1. 電源部および制御部を含む双方向電流共振型DC/DCコンバータであって、
    前記電源部は、
    1次側コイルおよび2次側コイルを含むトランスと、
    並列接続された第1レグおよび第2レグを含み、各レグが直列接続された上アームおよび下アームを含み、各アームがスイッチング素子を含み、前記1次側コイルに接続された第1ブリッジ回路と、
    並列接続された第3レグおよび第4レグを含み、各レグが直列接続された上アームおよび下アームを含み、各アームがスイッチング素子を含み、前記2次側コイルに接続された第2ブリッジ回路と、
    前記第1ブリッジ回路と前記1次側コイルとの間に設けられ、第1共振コイルおよび第1共振コンデンサを含む1次側共振回路と、
    前記第2ブリッジ回路と前記2次側コイルとの間に設けられ、第2共振コイルおよび第2共振コンデンサを含む2次側共振回路と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記第1ブリッジ回路を駆動回路とし、前記第2ブリッジ回路に対して同期整流制御またはダイオード整流制御を行い、前記第1ブリッジ回路から前記第2ブリッジ回路への電力伝送を行わせる順方向制御と、
    前記第2ブリッジ回路を駆動回路とし、前記第1ブリッジ回路に対して同期整流制御またはダイオード整流制御を行い、前記第2ブリッジ回路から前記第1ブリッジ回路への電力伝送を行わせる逆方向制御と、
    前記駆動回路の駆動周波数を増加させてから電力伝送の方向を切換える切換え制御と、を実行し、
    前記切換え制御において、前記駆動回路の各レグ間の位相シフト制御を、位相シフト量が0から最大値の範囲で行うか、または前記駆動回路の各スイッチング素子のPWM制御を行い、当該スイッチング素子のオン比率を50%から最小値の範囲で変化させる
    ことを特徴とする双方向電流共振型DC/DCコンバータ。
  2. 前記制御部は、
    前記順方向制御において、前記第2ブリッジ回路の前記同期整流制御を行い、
    前記順方向制御時の前記切換え制御において、
    前記第1ブリッジ回路の駆動周波数を所定の最大周波数まで増加させる第1処理と、
    前記第1ブリッジ回路の各レグ間の位相シフト制御を行い、当該位相シフト制御の第1位相シフト量を0から増加させるか、または前記第1ブリッジ回路の各スイッチング素子のPWM制御を行い、前記第1ブリッジ回路の各スイッチング素子の第1オン比率を50%から減少させる第2処理と、
    前記第2ブリッジ回路の出力電流値が所定の閾値以下となった場合に、前記第2ブリッジ回路の前記同期整流制御を停止させる第3処理と、
    前記第1位相シフト量を最大値にするか前記第1オン比率を最小値にして、前記第2ブリッジ回路の出力電圧値が所定の上限値に達した場合に、前記第1ブリッジ回路の駆動を停止させる第4処理と、
    前記第2ブリッジ回路の駆動周波数を所定の最大周波数とし、前記第2ブリッジ回路の各レグ間の第2位相シフト量を最大値にして、前記第2ブリッジ回路の各レグ間の位相シフト制御を開始させるか、または前記第2ブリッジ回路の各スイッチング素子の第2オン比率を最小値にして、前記第2ブリッジ回路の各スイッチング素子のPWM制御を開始させる第5処理と、
    前記第1ブリッジ回路の出力電流値が所定の閾値以上となった場合に、前記第1ブリッジ回路の前記同期整流制御を開始させる第6処理と、
    前記第2位相シフト量を0にするか前記第2オン比率を50%にして、前記第2ブリッジ回路の駆動周波数を前記最大周波数から低下させる第7処理と、を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の双方向電流共振型DC/DCコンバータ。
  3. 前記制御部は、
    前記第2ブリッジ回路に対して定電圧制御を行いつつ、少なくとも前記第5処理を実行する
    ことを特徴とする請求項2に記載の双方向電流共振型DC/DCコンバータ。
  4. 前記制御部は、
    前記第2処理を実行する前に前記第3処理を実行し、
    前記第6処理を実行する前に前記第7処理を実行する
    ことを特徴とする請求項2に記載の双方向電流共振型DC/DCコンバータ。
  5. 前記制御部は、
    前記順方向制御において、前記第2ブリッジ回路の前記ダイオード整流制御を行い、
    前記順方向制御時の前記切換え制御において、
    前記第1ブリッジ回路の駆動周波数を所定の最大周波数まで増加させる第1処理と、
    前記第1ブリッジ回路の各レグ間の位相シフト制御を行い、当該位相シフト制御の第1位相シフト量を0から増加させるか、または前記第1ブリッジ回路の各スイッチング素子のPWM制御を行い、前記第1ブリッジ回路の各スイッチング素子の第1オン比率を50%から減少させる第2処理と、
    前記第1位相シフト量を最大値にするか前記第1オン比率を最小値にして、前記第2ブリッジ回路の出力電圧値が所定の上限値に達した場合に、前記第1ブリッジ回路の駆動を停止させる第4処理と、
    前記第2ブリッジ回路の駆動周波数を所定の最大周波数とし、前記第2ブリッジ回路の各レグ間の第2位相シフト量を最大値にして、前記第2ブリッジ回路の各レグ間の位相シフト制御を開始させるか、または前記第2ブリッジ回路の各スイッチング素子の第2オン比率を最小値にして、前記第2ブリッジ回路の各スイッチング素子のPWM制御を開始させる第5処理と、
    前記第2位相シフト量を0にするか前記第2オン比率を50%にして、前記第2ブリッジ回路の駆動周波数を前記最大周波数から低下させる第7処理と、を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の双方向電流共振型DC/DCコンバータ。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の双方向電流共振型DC/DCコンバータと、
    DC/AC変換動作およびAC/DC変換動作を行う双方向DC/ACインバータと、
    を備える双方向電源装置であって、
    電力伝送の方向を切換えるときに、前記双方向電流共振型DC/DCコンバータと前記双方向DC/ACインバータの接続点電圧が、一定電圧となるか、または前記双方向電流共振型DC/DCコンバータの入力電圧により定まる電圧となる
    ことを特徴とする双方向電源装置。
  7. 前記双方向電流共振型DC/DCコンバータは、電気自動車に接続可能に構成され、
    前記電気自動車に対して充電動作および放電動作を行う
    ことを特徴とする請求項6に記載の双方向電源装置。
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