JP2023161482A - 二酸化炭素回収システム - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着電位の印加時間を適切に制御可能な二酸化炭素回収システムを提供すること。【解決手段】記憶部は、目標二酸化炭素吸着量と、目標二酸化炭素吸着量を得るための吸着時間とが関連付けられた第1マップと第2マップとが記憶されている。第1マップと第2マップは、減少した目標二酸化炭素吸着量に関連付けられた吸着時間が異なる。制御装置17は、センサを介した検出結果である回収量に相関する相関値を目標二酸化炭素吸着量として、第1マップ又は第2マップから吸着時間を取得するものである。制御装置17は、ステップS500、S510で、回収量が吸着量保持領域内である場合は現在の使用マップを保持する。また、制御装置17は、ステップS500、S520で、回収量が吸着量保持領域外である場合は使用マップを切り替える。【選択図】図14

Description

本開示は、二酸化炭素を含有する混合ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収システムに関する。
特許文献1には、電気化学反応によって、二酸化炭素を含有する混合ガスから二酸化炭素を分離するガス分離システムが提案されている。このガス分離システムでは、二酸化炭素を含む混合ガスが、電気化学セルが配置された筐体内に導入される。電気化学セルの負極に電子を向かわせる充電モードにおいて、負極に設けられた電気活性材料が還元される。このため、負極における電気活性材料と二酸化炭素との結合が生じて、混合ガスから二酸化炭素が分離される。一方、充電モード中の電子流とは逆方向に電子流を生じさせる放電モードにおいて、負極における電気活性材料が酸化される。これにより、負極の電気活性材料から二酸化炭素が放出される。
特表2018-533470号公報
ところで、電気化学セルを用いた二酸化炭素回収システムにおいては、電気化学セルに二酸化炭素を吸着させるために、電気化学セルに対して吸着電位を印加する。また、二酸化炭素回収システムでは、吸着時のエネルギーロスを低減するために、電気化学セルが吸着可能な吸着量を目標吸着量として、目標吸着量を得るための吸着電位の印加時間を適切に制御することが望まれている。
この吸着電位の印加時間は、目標吸着量と、それに対応する吸着電位の印加時間とが関連付けられたマップデータを用いることが考えられる。また、目標吸着量は、直接的に把握することが困難なため、二酸化炭素の回収量から推定することが考えられる。しかしながら、マップデータを用いる二酸化炭素回収システムでは、電気化学セルの吸着特性が不確実であるため、吸着電位の印加時間を適切に制御できない可能性もある。
本開示は、上記した点に鑑みてなされたものであり、吸着電位の印加時間を適切に制御可能な二酸化炭素回収システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示による二酸化炭素回収システムは、
電気化学反応によって、二酸化炭素を含有する混合ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収システムであって、
回収した二酸化炭素を蓄えるための二酸化炭素回収タンク(16)と、
二酸化炭素を吸着可能な吸着材を含む作用極と、作用極と対をなす対極とを有する電気化学セルと、電気化学セルを収容する筐体とを有する回収器(12)と、
回収器から二酸化炭素回収タンクへと回収される二酸化炭素の回収量を検出するためのセンサ(15)と、
二酸化炭素の吸着が行われる吸着モードの実行時において、吸着材が二酸化炭素を吸着するように、吸着材が吸着可能な二酸化炭素の吸着量である目標吸着量に対応する吸着時間の間だけ作用極と対極との間に第1の電位を印加するか、二酸化炭素の回収が行われる回収モードの実行時において、吸着材が吸着した二酸化炭素を脱離するように、回収量に対応する回収時間の間だけ作用極と対極との間に第2の電位を印加するかを制御する制御装置(17)と、
目標吸着量と、目標吸着量を得るための吸着時間とが関連付けられた複数の吸着量変化データが記憶された記憶部(18)と、を備え、
複数の吸着量変化データは、変化した目標吸着量に関連付けられた吸着時間が異なるものであり、
制御装置は、センサを介した検出結果である回収量に相関する相関値を目標吸着量として、吸着量変化データから吸着時間を取得するものであり、回収量に応じて、複数の吸着量変化データから吸着時間を取得するための使用データを選択する、ことを特徴とする。
本開示による二酸化炭素回収システムによれば、目標吸着量と、目標吸着量を得るための吸着時間とが関連付けられた複数の吸着量変化データが記憶部に記憶されている。この複数の吸着量変化データは、目標吸着量に関連付けられた吸着時間が異なる。そして、二酸化炭素回収システムは、センサを介した検出結果である回収量に応じて、複数の吸着量変化データから吸着時間を取得するための使用データを選択する。よって、二酸化炭素回収システムは、吸着電位(第1の電位)の印加時間である吸着時間を適切に制御可能となる。
上記括弧内の参照番号は、本開示の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、なんら本開示の範囲を制限することを意図したものではない。
また、上記した本開示の特徴以外の、特許請求の範囲の各請求項に記載した技術的特徴に関しては、後述する実施形態の説明および添付図面から明らかになる。
実施形態に係る、二酸化炭素回収システムの構成を示す図である。 二酸化炭素回収のための一連の制御シーケンスを実行するための制御装置における処理を示すフローチャートである。 図2のフローチャートに示す処理が実施されたときの、各部の動作を示すタイムチャートである。 一連の制御シーケンスに含まれる、吸着モード、掃気モード、および脱離・回収モードについて説明するための説明図である。 吸着量変化マップデータの一例示す図である。 回収量変化マップデータの一例示す図である。 図6のVII部分の拡大図である。 吸着量変化マップデータを作成するマップ作成処理を示すフローチャートである。 電気化学セルの最大吸着量および最大吸着量時間の推定方法の一例を説明するための説明図である。 目標二酸化炭素吸着量の設定処理を示すフローチャートである。 変形例に係る、二酸化炭素回収システムの構成を示す図である。 変形例に係る、二酸化炭素回収システムの制御シーケンスを示すタイムチャートである。 第2実施形態に係る、吸着時間更新処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る、自己学習処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る、第1マップと第2マップを図である。 第2実施形態に係る、制御装置における処理を示すタイムチャートである。
以下、本開示の実施形態に係る二酸化炭素回収システムが、図面を参照して、詳細に説明される。なお、複数の図面にわたって、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号が付されている。本実施形態に係る二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素を含有する混合ガス(例えば、大気ガス)から二酸化炭素を回収するものである。二酸化炭素が除去された混合ガスは外部(大気)に排出される。図1は、本実施形態に係る二酸化炭素回収システム10の構成を示している。
図1に示す二酸化炭素回収システム10は、流路開閉弁11、回収器12、ポンプ13、流路切替弁14、センサ15、CO回収タンク16、制御装置17、送風機19を備えている。
流路開閉弁11は、制御装置17によって開閉状態が制御される。流路開閉弁11が開かれると、外部(大気)と回収器12内とを連通する流路配管を介して、二酸化炭素を含有した混合ガスが回収器12内に導入可能となる。一方、流路開閉弁11が閉じられると、外部と回収器12内とを連通する流路配管が遮断され、回収器12は外部から密閉される。
送風機19は、流路開閉弁11が開かれているときに制御装置17によって駆動されて、外部と回収器12内とを連通する流路配管を介して、二酸化炭素を含有した混合ガスを回収器12内に送り込む。ただし、送風機19は省略されても良い。あるいは、送風機19の役割を、ポンプ13が兼ねても良い。すなわち、流路開閉弁11が開かれているときに、ポンプ13を駆動して、上記の流路配管を介して、二酸化炭素を含有する混合ガスが外部から回収器12内に引き込まれても良い。
回収器12は、例えば金属製の筐体の内部に配置された電気化学セルを備える。電気化学セルは、電気化学反応によって、二酸化炭素を吸着して、混合ガスから二酸化炭素を分離したり、吸着した二酸化炭素を脱離して、ポンプ13により、脱離した二酸化炭素をCO回収タンク16に蓄積させたりすることが可能なものである。回収器12は、2つの開口部を有している。開口部の1つは、外部から二酸化炭素を含む混合ガスを回収器12の筐体内部に導入するための導入口である。開口部のもう1つは、二酸化炭素が除去された混合ガスや、電気化学セルから脱離された二酸化炭素を排出するための排出口である。上記した外部と回収器12内とを連通する流路配管が導入口に接続され、ポンプ13が設けられた流路配管が排出口に接続される。なお、回収器12内とは、筐体の内部と同意である。
回収器12の筐体内部には、複数の電気化学セルが積層して配置されている。複数の電気化学セルの積層方向は、混合ガスの流れ方向に直交する方向となっている。個々の電気化学セルは板状に構成されており、板面がセル積層方向と交差するように配置されている。隣接する電気化学セルの間には、所定の隙間が設けられている。隣接する電気化学セルの間に設けられた隙間は、混合ガスが流れるガス流路となる。
各電気化学セルは、例えば、作用極集電層、作用極、セパレータ、対極、および対極集電層などが、記載された順序で積層されて構成されている。なお、作用極は負極であり、作用極と対をなす対極は正極である。これら作用極と対極との間に印加する電位差を変化させることにより、作用極に電子を与えて、作用極の二酸化炭素吸着材に二酸化炭素を吸着させたり、作用極から電子を放出させて、吸着した二酸化炭素を脱離させたりすることができる。二酸化炭素吸着材は、吸着材に相当する。
作用極集電層は、二酸化炭素を含んだ混合ガスが通過可能な孔を有する多孔質の導電性材料からなる。作用極集電層は、ガス透過性と導電性を有していればよく、作用極集電層の形成材料として、例えば金属材料や炭素質材料を用いることができる。
作用極は、二酸化炭素吸着材、導電性物質、バインダなどを混合した材料から形成される。二酸化炭素吸着材は、電子を受け取ることで二酸化炭素を吸着し、電子を放出することで吸着していた二酸化炭素を脱離する性質を有する。二酸化炭素吸着材としては、例えばポリアントラキノンを用いることができる。導電性物質は、二酸化炭素吸着材への導電路を形成する。導電性物質としては、例えばカーボンナノチューブ、カーボンブラック、グラフェン等の炭素材料を用いることができる。バインダは、二酸化炭素吸着材や導電性物質を保持するためのものである。バインダとしては、例えば導電性樹脂を用いることができる。導電性樹脂は、例えば、導電性フィラーとしてAg等を含有するエポキシ樹脂やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素樹脂等を用いることができる。
対極は、電気活性補助材、導電性物質、バインダなどを混合した材料から形成される。対極の導電性物質、バインダは、作用極の導電性物質、バインダと同様であるため説明を省略する。対極の電気活性補助剤は、電子供与剤となる活物質を有する材質で構成される。対極の電気活性補助材は、作用極の二酸化炭素吸着材との間で電子の授受を行う補助的な電気活性種である。電気活性補助材としては、例えば金属イオンの価数が変化することで、電子の授受を可能とする金属錯体を用いることができる。このような金属錯体としては、フェロセン、ニッケロセン、コバルトセン等のシクロペンタジエニル金属錯体、あるいはポルフィリン金属錯体等を挙げることができる。これらの金属錯体は、ポリマーでもモノマーでもよい。対極集電層は、作用極集電層と同様に、金属材料や炭素質材料などの導電性材料にて形成される。
セパレータは、作用極と対極との間に配置され、作用極と対極とを分離する。セパレータは、作用極と対極との物理的な接触を防いで電気的短絡を抑制するとともに、イオンを透過させる絶縁性イオン透過膜である。セパレータとして、セルロース膜やポリマー、ポリマーとセラミックの複合材料等を用いることができる。
なお、電気化学セルには、電解質が作用極および対極にまたがるように設けられている。電解質は、例えばイオン液体を用いることができる。イオン液体は、常温常圧下で不揮発性を有する液体の塩である。
ポンプ13は、回収器12内に残された残留混合ガスを回収器12から吸引して外部に放出(すなわち、回収器12内の残留混合ガスを掃気)したり、二酸化炭素吸着材が吸着した二酸化炭素を脱離する際に、脱離された二酸化炭素を回収器12から吸引して、CO回収タンク16へ向けて排出したりする。ポンプ13が、回収器12内の残留混合ガスを掃気するとき、上記の流路開閉弁11は、外部と回収器12内とを連通する流路配管を遮断する。このため、回収器12内の残留混合ガスの掃気は、ポンプ13による真空引きによって行われる。また、その後に行われる二酸化炭素のCO回収タンク16への排出も、大気よりも真空に近い状態で行われる。
流路切替弁14は、ポンプ13の下流側の配管を流れるガスの流路を切り替える三方弁である。流路切替弁14の流路の切り替えは、制御装置17によって制御される。具体的には、制御装置17は、回収器12に二酸化炭素を含む混合ガスが導入されるとき、および回収器12内の残留混合ガスがポンプ13によって掃気されるとき、ポンプ13の下流側の配管を外部(大気)に連通するように流路切替弁14を制御する。これにより、二酸化炭素が除去された混合ガスや、回収器12内の残留混合ガスは、外部へ放出される。一方、制御装置17は、二酸化炭素吸着材が吸着した二酸化炭素を脱離する際に、ポンプ13が、脱離された二酸化炭素を回収器12から吸引して排出するとき、ポンプ13の下流側の配管をCO回収タンク16側に連通するように流路開閉弁11を制御する。これにより、回収器12が回収した二酸化炭素をCO回収タンク16に蓄積することができる。
センサ15は、CO回収タンク16に接続された配管を流れるガスの二酸化炭素濃度および流量を所定の時間間隔で検出する。制御装置17は、センサ15によって検出された二酸化炭素濃度および流量から、CO回収タンク16に回収された二酸化炭素回収量を算出(検出)することができる。この二酸化炭素回収量は、センサを介した検出結果に相当する。なお、二酸化炭素回収量は、センサ15が算出してもよい。この場合、センサ15は、二酸化炭素回収量を制御装置17に出力する。二酸化炭素回収量は、二酸化炭素モニタ値ともいえる。二酸化炭素回収量は、回収量に相当する。
制御装置17は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺装置から構成されている。周辺装置には、記憶媒体を有する記憶部18が含まれる。この記憶部18には、吸着量変化マップデータおよび回収量変化マップデータが記憶されている。吸着量変化マップデータは、吸着量変化データに相当する。回収量変化マップデータは、回収量変化データに相当する。吸着量変化マップデータは、図5に示すように、吸着時間と目標二酸化炭素吸着量とが関連付けられている。回収量変化マップデータは、図6、図7に示すように、二酸化炭素回収量の変化と目標二酸化炭素吸着量とが関連付けられている。目標二酸化炭素吸着量は、最大吸着量とも称する。吸着時間は、吸着モード実行時間とも称する。なお、吸着量変化マップデータや回収量変化マップデータは、後に詳細に説明する。
制御装置17は、ROM等の記憶媒体に記憶された制御プログラムに基づいて各種の演算処理を行い、流路開閉弁11、回収器12、ポンプ13、流路切替弁14、送風機19などの各種制御対象機器の作動を制御する。本実施形態の制御装置17は、二酸化炭素回収システム10において、吸着モード、脱離・回収モードを少なくとも含む、二酸化炭素回収のための一連の制御シーケンスが実行されるように、各種制御対象機器の作動を制御する。なお、制御シーケンスは、上記の他に掃気モードを含んでいてもよい。脱離・回収モードは、脱離モードと回収モードを一つのモードとしていることを示している。
以下に、二酸化炭素回収システム10において実行される、吸着モード、掃気モード、および脱離・回収モードを少なくとも含む、二酸化炭素回収のための一連の制御シーケンスについて説明する。図2は、制御シーケンスを実行するため、制御装置17において実施される処理を示すフローチャートである。図3は、図2のフローチャートに示す処理が実施されたときの、各部の動作を示すタイムチャートである。図4は、一連の制御シーケンスに含まれる、吸着モード、掃気モード、および脱離・回収モードについて説明するための説明図である。脱離・回収モードは、脱離モードと回収モードを一つのモードとしていることを示している。
図2のフローチャートに示すように、制御装置17は、まず、ステップS100において、一連の制御シーケンスの最初の動作モードである吸着モードを開始する。この吸着モードでは、図3に示すように、二酸化炭素を含有する混合ガスを回収器12内に導入可能とするため、流路開閉弁11が開かれる。送風機19を設けている場合には、送風機19を駆動して、より多くの混合ガスが回収器12に導入されるようにする。ポンプ13が送風機19の役割を兼ねる場合には、ポンプ13を駆動して混合ガスを吸引し、外部から回収器12内に混合ガスを引き込む。この場合、ポンプ13は、単に外部から混合ガスを吸引するために駆動されるだけであるので、その吸引に要するエネルギーは、後述する掃気モードや脱離・回収モードでの真空引きのためのポンプ駆動に比較して、必要となるエネルギーは少なくて済む。
また、吸着モードでは、図3に示すように、回収器12の電気化学セルの作用極と対極との間に、作用極の二酸化炭素吸着材が二酸化炭素を吸着可能となる吸着電位(第1の電位に相当)が印加される。さらに、吸着モードでは、図3に示すように、流路切替弁14が、ポンプ13の下流側の配管を外部に連通するように制御される。
このような流路開閉弁11、回収器12の電気化学セル、および流路切替弁14などの制御により、吸着モードにおいては、図4(a)に点線矢印で示すように、二酸化炭素を含有した混合ガス(大気ガス)が、流路開閉弁11を通過して、回収器12内に進入する。回収器12内に進入した混合ガスは、複数の電気化学セルに二酸化炭素が吸着されることにより、混合ガスから二酸化炭素が除去される。二酸化炭素が除去された混合ガスは、ポンプ13を通過し、流路切替弁14にて外部へ向かう流路配管に導かれ、その流路配管を介して、外部に放出される。
図2のフローチャートのステップS110では、制御装置17が、吸着モード実行時間が経過したか否かを判定する。吸着モード実行時間は、後述するマップ作成処理における電気化学セルの最大吸着量と、その最大吸着量を得るための吸着モード実行時間である最大吸着量時間を推定するため、および、環境変化や経年劣化によって電気化学セルの二酸化炭素吸着性能が変化した場合に、二酸化炭素回収量と消費エネルギーとの最適化を図るためなどの理由から、一定ではなく変化する。この変化する吸着モード実行時間は、制御装置17によって設定される。ステップS110では、設定された吸着モード実行時間が経過したか否かが判定される。本実施形態では、最大吸着量を目標二酸化炭素吸着量として用いる。よって、以下では、最大吸着量を目標二酸化炭素吸着量とも記載する。最大吸着量は、目標吸着量に相当する。
ステップS110の判定処理において、設定された吸着モード実行時間が経過したと判定されるとステップS120に進む。一方、設定された吸着モード実行時間が経過していないと判定されると、吸着モード実行時間が経過するまで、ステップS110の判定処理が繰り返し実行される。
ステップS120では、吸着モード終了処理が実行される。具体的には、制御装置17は、流路開閉弁11を閉じて、外部から回収器12に流入する混合ガスを遮断する。また、送風機19を設けている場合には、制御装置17は、送風機19の駆動を停止する。制御装置17は、吸着モード実行時間をカウントするカウンタのカウント値のリセットなども行なう。
このように、制御装置17は、二酸化炭素の吸着が行われる吸着モードの実行時において、二酸化炭素吸着材が二酸化炭素を吸着するように吸着電位を印加する。そして、制御装置17は、目標二酸化炭素吸着量に対応する吸着モード実行時間の間だけ吸着電位を印加する。
吸着モード実行時間は、吸着量変化マップデータから得ることができる。目標二酸化炭素吸着量は、回収量変化マップデータから得ることができる。制御装置17は、回収量変化マップデータから、センサ15を介して検出した二酸化炭素回収量に関連付けられた目標二酸化炭素吸着量を取得する。図7に示すように、回収量変化マップデータにおける目標二酸化炭素吸着量は、センサ15を介して検出した二酸化炭素回収量に相関する相関値である。よって、制御装置17は、センサ15を介して検出した二酸化炭素回収量に相関する相関値を目標二酸化炭素吸着量として取得するといえる。
そして、制御装置17は、吸着量変化マップデータから、目標二酸化炭素吸着量に関連付けられた吸着モード実行時間を取得する。図5の例の場合、例えば、目標二酸化炭素吸着量が80[g]に設定されていれば、吸着モード実行時間は80[s]となる。
なお、図6に示すように、目標二酸化炭素吸着量は、センサ15を介して検出した二酸化炭素回収量に応じて更新される。また、図5に示すように、吸着モード実行時間は、目標二酸化炭素吸着量が更新されるごとに変化する。目標二酸化炭素吸着量は、初期算出閾値や更新閾値として記憶部18などに記憶されていてもよい。
ステップS130では、制御装置17は、一連の制御シーケンスの2番目の動作モードである掃気モードを開始する。この掃気モードでは、図3に示すように、流路開閉弁11が閉じられたままとなる。回収器12の電気化学セルの作用極と対極との間に印加されている吸着電位は、そのまま維持される。流路切替弁14による、ポンプ13の下流側の配管と、外部との連通も維持される。
掃気モードでは、図3に示すように、ポンプ13の駆動が開始される。上記したように、流路開閉弁11は閉じられているので、ポンプ13の上流側において、回収器12は密閉された状態となっている。この状態でポンプ13が駆動されると、密閉された回収器12内に残された、二酸化炭素が除去された残留混合ガスが、回収器12内から吸引され、外部に放出される。これにより、回収器12内の残留混合ガスを掃気することができる。掃気モードでは、吸着電位が印加される。
なお、ポンプ13の上流側の回収器12は密閉されているので、回収器12内の残留混合ガスの掃気は、ポンプ13による真空引きによって行われる。このため、例えば、ポンプ13が送風機19の役割を兼ねる場合には、ポンプ13の駆動は継続されるが、その駆動出力は、掃気モードの開始により、吸気モードよりも高められる。
このような流路開閉弁11、回収器12の電気化学セル、ポンプ13および流路切替弁14の制御により、掃気モードにおいては、図4(b)に点線矢印で示すように、回収器12内の、二酸化炭素が除去された残留混合ガスが、ポンプ13を通過し、流路切替弁14にて外部へ向かう流路配管に導かれ、その流路配管を介して、外部に放出される。
図2のフローチャートのステップS140では、制御装置17が、掃気モード実行時間が経過したか否かを判定する。この掃気モード実行時間は、回収器12内の残留混合ガスを掃気するのに十分な時間に予め定められている。
ステップS140の判定処理において、予め定められた掃気モード実行時間が経過したと判定されるとステップS150に進む。一方、設定された掃気モード実行時間が経過していないと判定されると、掃気モード実行時間が経過するまで、ステップS140の判定処理が繰り返し実行される。
ステップS150では、掃気モード終了処理が実行される。具体的には、制御装置17は、掃気モード実行時間をカウントするカウンタのカウント値のリセットなどを行なう。
ステップS160では、制御装置17は、一連の制御シーケンスの3番目の動作モードである脱離・回収モードを開始する。この脱離・回収モードでは、図3に示すように、流路開閉弁11は閉じた状態に維持される。また、ポンプ13も、電気化学セルから脱離された二酸化炭素の吸引を大気よりも真空に近い状態で行うため、掃気モードと同等の駆動出力による駆動が継続される。
一方、回収器12の電気化学セルの作用極と対極との間には、作用極から電子を放出させて、作用極の二酸化炭素吸着材が吸着した二酸化炭素を脱離可能となる脱離電位(第2の電位に相当)が印加される。さらに、脱離・回収モードでは、図3に示すように、流路切替弁14が、ポンプ13の下流側の配管をCO回収タンク16に連通するように制御される。
このような流路開閉弁11、回収器12の電気化学セル、ポンプ13および流路切替弁14の制御により、脱離・回収モードにおいては、図4(c)に点線矢印で示すように、電気化学セルから脱離された二酸化炭素が、ポンプ13を通過し、流路切替弁14にてCO回収タンク16へ向かう流路配管に導かれ、その流路配管を介して、CO回収タンク16に蓄積される。この際、CO回収タンク16に向かって流路配管を流れる二酸化炭素の濃度および流量が、センサ15によって検出される。制御装置17は、センサ15の検出結果に基づき、一連の制御シーケンスの実行によってCO回収タンク16に回収された二酸化炭素回収量を算出することができる。なお、CO回収タンク16に向かって流路配管を流れる二酸化炭素の濃度は、通常、100%に近い濃度となる。このため、二酸化炭素の流量を検出することが可能なセンサ15を用いても良い。
また、脱離・回収モードは、二酸化炭素の脱離・回収を同時に行なうのではなく、電気化学セルからの二酸化炭素の脱離を先行して行い、二酸化炭素の脱離から所定時間経過後に、脱離された二酸化炭素の回収を開始しても良い。すなわち、脱離モードと回収モードとを分離し、回収モードの実行開始時間を脱離モードの実行開始時間よりも遅らせることにより、回収モードの実行時間を脱離モードの実行時間よりも短縮しても良い。この場合、脱離モードの開始時に、一旦、ポンプ13の駆動が停止される。そして、ポンプ13を停止したまま、電気化学セルの作用極と対極との間に脱離電位を印加して、作用極の二酸化炭素吸着材から二酸化炭素を脱離させる。脱離モードの開始から所定時間が経過し、ある程度、二酸化炭素の脱離が進行した状態で、回収モードを開始して、ポンプ13を再駆動する。これにより、ポンプ13は回収モードで駆動されるだけで済むので、ポンプ13を効率的に駆動することが可能となる。ただし、ポンプ13が駆動される回収モード中も、電気化学セルの作用極と対極との間には脱離電位が印加され、電気化学セルから二酸化炭素の脱離が継続される。
図2のフローチャートのステップS170では、制御装置17が、脱離・回収モード実行時間又は回収モード実行時間(以下、回収モード実行時間と記載)が経過したか否かを判定する。回収モード実行時間は、環境変化や経年劣化によって電気化学セルの二酸化炭素吸着性能が変化した場合に、二酸化炭素回収量と消費エネルギーとの最適化を図るためなどの理由から、一定ではなく変化する。この変化する回収モード実行時間は、制御装置17によって設定される。ステップS170では、設定された回収モード実行時間が経過したか否かが判定される。
ステップS170の判定処理において、設定された回収モード実行時間が経過したと判定されるとステップS180に進む。一方、設定された回収モード実行時間が経過していないと判定されると、回収モード実行時間が経過するまで、ステップS170の判定処理が繰り返し実行される。このように、制御装置17は、二酸化炭素の回収が行われる回収モードの実行時において、二酸化炭素吸着材が吸着した二酸化炭素を脱離するように脱離電位を印加する。そして、制御装置17は、目標二酸化炭素吸着量に対応する回収モード実行時間の間だけ離脱電位を印加する。回収モード実行時間は、回収時間に相当する。
ステップS180では、回収モード終了処理が実行される。具体的には、制御装置17は、流路開閉弁11を開いて、回収器12を外部に連通させる。制御装置17は、電気化学セルへの脱離電位の印加を停止する。制御装置17は、ポンプ13の駆動を停止する。制御装置17は、流路切替弁14を切り替えて、ポンプ13の下流側の配管を外部に連通させる。さらに、制御装置17は、回収モード実行時間をカウントするカウンタのカウント値のリセットなども行なう。
ここで、上記した電気化学セルの二酸化炭素吸着性能は、経年劣化などによって変化するものと考えられる。しかしながら、電気化学セルが二酸化炭素を吸着可能な上限量を直接的に検出することはできない。このため、電気化学セルの二酸化炭素吸着量が上限に達したにも係わらず、吸着モードの実行を継続したり、電気化学セルから脱離した二酸化炭素の回収が実質的に終了したにも係わらず、回収モードの実行を継続したりする可能性も否定できない。
このように、二酸化炭素の回収量を最大化しようとして、例えば、常に、電気化学セルが吸着可能な二酸化炭素量上限量を吸着するのに十分な時間だけ吸着モードを実行し、電気化学セルが吸着した二酸化炭素をすべて回収するのに十分な時間だけ回収モードを実行した場合、二酸化炭素回収システム10において、二酸化炭素の回収量に対して過大なエネルギーが消費されてしまう可能性がある。
そのため、本実施形態に係る二酸化炭素回収システム10では、制御装置17の記憶部18に、吸着量変化マップデータと、回収量変化マップデータとが記憶された構成を有している。
以下に、吸着量変化マップデータおよび回収量変化マップデータに関して、詳細に説明する。まず、図8、図9のフローチャートに基づいて、吸着量変化マップデータを作成するマップ作成処理に関して説明する。
制御装置17は、マップ作成処理を行う場合、異なる吸着モード実行時間(経過時間)にて、複数回の吸着モードを実行させ、各吸着モードに対応して実行される複数回の回収モードでの二酸化炭素回収量をセンサ15を介して検出する。例えば、図3には、異なる吸着モード実行時間にて、3回の吸着モードを実行させる例が示されている。なお、複数回の吸着モードの実行回数は2回であっても良い。
図3において、1回目の吸着モードの実行時間は、比較的短く、電気化学セルの二酸化炭素吸着量が上限値に達しないように設定されている。このため、1回目の吸着モードに対応する回収モードが実行されたときに検出される二酸化炭素回収量は、電気化学セルの二酸化炭素吸着量の上限値未満の量である。
2回目の吸着モードの実行時間は、比較的長く、電気化学セルの二酸化炭素吸着量がほぼ上限値に達するように設定されている。このため、2回目の吸着モードに対応する回収モードが実行されたときに検出される二酸化炭素回収量は、電気化学セルの二酸化炭素吸着量の上限値にほぼ等しい量である。
3回目の吸着モードの実行時間は、最も長く、電気化学セルの二酸化炭素吸着量が上限値に達した後も、ある程度の時間、吸着モードが実行されるように設定されている。このため、3回目の吸着モードに対応する回収モードが実行されたときに検出される二酸化炭素回収量は、電気化学セルの二酸化炭素吸着量の上限値に等しい量である。
上記した複数回の吸着モード、およびそれぞれの吸着モードに対応する複数回の回収モードが実行される間のセンサ検出結果に基づいて、電気化学セルの最大吸着量、およびその最大吸着量を得るための吸着モード実行時間である最大吸着量時間を推定する。電気化学セルの最大吸着量および最大吸着量時間の推定方法の具体例が、図7(a)、(b)、(c)を参照して説明される。
ステップS200では、マップ作成判定条件を満たすか否かを判定する。制御装置17は、1つの吸着量変化マップデータに対し、上記3回の回収モードにおける二酸化炭素回収量のプロットが可能であること、および同一直線上にプロットされない二酸化炭素回収量の最大値が存在することである。なお、同一直線には、公差を含んでいてもよい。制御装置17は、マップ作成判定条件を満たすと判定するとステップS210へ進み、満たさないと判定するとステップS240へ進む。
ステップS240では、リトライする。制御装置17は、再度、吸着モードを実行させ、吸着モードに対応して実行される回収モードでの二酸化炭素回収量をセンサ15を介して検出する。このとき、制御装置17は、前回(3回目)よりも長い吸着モードの実行時間とする。
そして、制御装置17は、リトライで得られた二酸化炭素回収量を用いてS200を行う。制御装置17は、ステップS200でYES判定するまで、ステップS200、S240を繰り返し実行する。なお、制御装置17は、ステップS240を実行した場合、ステップS220において、リトライ時の二酸化炭素回収量を目標二酸化炭素吸着量に採用する。
ステップS210では、傾きを算出する。図7(a)は、1回目の吸着モードに対応する回収モードが実行されたときに検出される二酸化炭素回収量に基づく、電気化学セルの二酸化炭素吸着量、および1回目の吸着モードの実行時間を示すグラフである。なお、電気化学セルの二酸化炭素吸着量は、検出された二酸化炭素回収量に等しいとみなすことができる。上記したように、1回目の吸着モードの実行時間は、比較的短く、電気化学セルの二酸化炭素吸着量が上限値に達しないように設定されている。このため、図7(a)に示すように、1回目の吸着モードの実行による電気化学セルの二酸化炭素吸着量に基づき、吸着モードの実行時間が長くなるほど、二酸化炭素吸着量も直線的に増加するものと仮定して、増加勾配線(傾き)を定めることができる。
ステップS220では、目標二酸化炭素吸着量を算出する。図7(b)は、2回目および3回目の吸着モードに対応する回収モードが実行されたときに検出される二酸化炭素回収量に基づく、それぞれの電気化学セルの二酸化炭素吸着量、および2回目と3回目の吸着モードの実行時間を示すグラフである。上記したように、2回目の吸着モードの実行時間は、比較的長く、電気化学セルの二酸化炭素吸着量がほぼ上限値に達するように設定され、3回目の吸着モードの実行時間は、最も長く、電気化学セルの二酸化炭素吸着量が上限値に達した後も、ある程度の時間、吸着モードが実行されるように設定されている。このため、図7(b)に示すように、2回目と3回目の吸着モードの実行による電気化学セルの二酸化炭素吸着量に基づき、電気化学セルの二酸化炭素吸着量の上限線を定めることができる。上限線に対応する二酸化炭素吸着量が、吸着可能な最大吸着量である目標二酸化炭素吸着量となる。
なお、電気化学セルの二酸化炭素吸着量の上限線は、1回の吸着モード、およびその1回の吸着モードに対応する回収モードの実行を通じて得られる、電気化学セルの二酸化炭素吸着量に基づいて定められても良い。
ステップS230では、図7(c)に示すように、図7(a)の増加勾配線と図7(b)の上限線との交点から、最大吸着量を得るための吸着モード実行時間である最大吸着量時間である吸着時間を決定することができる。
このように、制御装置17は、複数回の回収モードでの検出結果である二酸化炭素回収量に基づいて、目標二酸化炭素吸着量として電気化学セルの最大吸着量を推定するとともに、最大吸着量を得るための吸着時間を推定することで吸着量変化マップデータを作成する。そして、制御装置17は、作成した吸着量変化マップデータを記憶部18に記憶する。吸着量変化マップデータは、電気化学セルの経年劣化などによって目標二酸化炭素吸着量および吸着時間が更新される。
次に、図10のフローチャートに基づいて、回収量変化マップデータにおける目標二酸化炭素吸着量の設定処理に関して説明する。制御装置17は、図10のフローチャートを実行することで、目標二酸化炭素吸着量を現状の値に保持するか更新するかを決定する。
図6、図7に示すように、回収量変化マップデータは、複数回の制御シーケンスのサイクル数ごとに、異なる目標二酸化炭素吸着量が関連付けられている。ここでは、10サイクルごとに、目標二酸化炭素吸着量が更新される例を採用している。また、回収量変化マップデータは、センサ15を介して検出した二酸化炭素回収量(二酸化炭素モニタ値)と目標二酸化炭素吸着量が関連付けられている。
初期算出閾値は、1サイクルから10サイクルまでに採用される初期の目標二酸化炭素吸着量である。更新閾値は、更新された目標二酸化炭素吸着量である。更新閾値は、電気化学セルの経年劣化などで想定される目標二酸化炭素吸着量である。よって、更新閾値は、初期算出閾値よりも小さい値となっている。また、更新閾値は、サイクル数が増えるごとに小さい値となる。
また、初期算出閾値と更新閾値との間、および更新閾値と次の更新閾値との間は、吸着量保持領域となっている。吸着量保持領域は、現在の目標二酸化炭素吸着量を保持する領域である。一方、吸着量保持領域から外れた領域は、吸着量更新領域となっている。吸着量更新領域は、目標二酸化炭素吸着量を現在の値から更新する領域である。
ステップS300では、回収量が吸着量保持領域内であるか否かを判定する。制御装置17は、回収量としての二酸化炭素モニタ値が吸着量保持領域内であるか否かを判定する。制御装置17は、二酸化炭素モニタ値が吸着量保持領域内であると判定するとステップS310へ進み、吸着量保持領域内でないと判定するとステップS320へ進む。
ステップS310では、目標二酸化炭素吸着量を保持する。制御装置17は、現在の目標二酸化炭素吸着量を保持する。制御装置17は、図7のドットハッチングで示す二酸化炭素モニタ値の場合、現在の目標二酸化炭素吸着量を保持する。
ステップS320では、目標二酸化炭素吸着量を更新する。制御装置17は、現在の目標二酸化炭素吸着量を新たな目標二酸化炭素吸着量に更新する。制御装置17は、図7の斜線ハッチングで示す二酸化炭素モニタ値の場合、目標二酸化炭素吸着量を更新する。
ステップS330では、目標二酸化炭素吸着量を設定する。制御装置17は、現状の目標二酸化炭素吸着量もしくは更新した目標二酸化炭素吸着量を、吸着モード実行時間を設定する際の目標二酸化炭素吸着量として設定する。このように、制御装置17は、二酸化炭素回収量から目標二酸化炭素吸着量を設定する。
二酸化炭素回収システム10によれば、上記したように、回収器12からCO素回収タンク16へと回収される二酸化炭素の回収量をセンサ15を介して検出する制御装置17を備えている。そして、制御装置17は、センサ15を介した検出結果である二酸化炭素回収量に相関する相関値を目標二酸化炭素吸着量として取得する。よって、二酸化炭素回収システム10は、目標二酸化炭素吸着量を把握することが可能になる。
また、制御装置17は、複数回の吸着モードを実行させ、各吸着モードに対応して実行される複数回の回収モードでセンサ15を介して検出されたの二酸化炭素回収量を用いて作成された吸着量変化マップデータを用いて目標二酸化炭素吸着量を把握する。そして、制御装置17は、吸着量変化マップデータから得た吸着モード実行時間の間だけ吸着電位を印加する。このため、制御装置17は、最大吸着量を得るために必要な時間だけ、吸着電位を印加することができる。言い換えると、制御装置17は、最大吸着量を得るために必要な時間よりも長い時間、吸着電位を印加することを抑制できる。よって、制御装置17は、最大吸着量を得るための吸着電位の印加時間を適切に制御することができる。
また、制御装置17は、吸着量変化マップデータを、センサ15を介して検出した二酸化炭素回収量に応じて更新するため、電気化学セルに経年劣化が生じたとしても、最適な目標二酸化炭素吸着量を把握することができるとともに、吸着電位の印加時間を適切に制御することができる。
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は、上記の実施形態になんら制限されることなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲において、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記した実施形態の構成は、以下のように変形されても良い。
(変形例1)
吸着モード実行時間は、吸着量変化マップデータから得るものに限定されない。吸着モード実行時間は、予め決められた関係式を演算することでも得ることができる。制御装置17は、センサ15を介して検出されたの二酸化炭素回収量[g]と、二酸化炭素吸着係数[s/g]との乗算で吸着モード実行時間を得てもよい。
二酸化炭素吸着係数は、二酸化炭素吸着材が所定量の二酸化炭素を吸着するのに要する時間で示される係数である。つまり、二酸化炭素吸着係数は、1[g]当たりの二酸化炭素を吸着するのに要する時間として定義される。二酸化炭素吸着係数[s/g]は、吸着時間[s]/二酸化炭素吸着量[g]である。変形例1は、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
(変形例2)
図11に示すように、二酸化炭素回収システム10は、複数の回収器12a~12cを備え、複数の回収器12a~12cがCO回収タンク13に対して並列に接続されていてもよい。つまり、二酸化炭素回収システム10は、複数のサブシステム10a~10cを備えていてもよい。各サブシステム10a~10cのそれぞれは、一つの回収器12a~12cを備えている。
サブシステム10aは、回収器12aに加えて、流路開閉弁11aと切替弁20aとを備えている。サブシステム10bは、回収器12bに加えて、流路開閉弁11bと切替弁20bとを備えている。サブシステム10cは、回収器12cに加えて、流路開閉弁11cと切替弁20cとを備えている。なお、ここでは、一例として三つのサブシステム10a~10cを備えた例を採用している。しかしながら、二酸化炭素回収システム10は、二つのサブシステムや、四つ以上のサブシステムを備えていてもよい。
制御装置17は、複数の回収器12a~12cの各々の電気化学セルから個別に二酸化炭素を回収する個別回収モードと、少なくとも2個以上の回収器の各々の電気化学セルから同時に二酸化炭素を回収する同時回収モードとを実行可能である。
図12に示すように、制御装置17は、個別回収モードにおいて、各回収器12a~12cの各々の電気化学セルを対象とした吸着モードと回収モードとを含む一連の制御シーケンスを、異なる時間で開始させる。タイミングt0は、例えば、二酸化炭素回収システム10の開始タイミングとする。制御装置17は、サブシステム10aにおける制御シーケンスをタイミングt0で開始する。制御装置17は、サブシステム10bにおける制御シーケンスを、タイミングt0から所定時間経過したタイミングt1で開始する。制御装置17は、サブシステム10cにおける制御シーケンスを、タイミングt1から所定時間経過したタイミングt2で開始する。
このため、個別回収モードでは、各サブシステム10a~10cが制御シーケンスを実行しないディレイ時間が発生する。サブシステム10bでは、タイミングt0~t1の期間がディレイ時間となる。サブシステム10cでは、タイミングt1~t2の期間がディレイ時間となる。ディレイ時間は、制御シーケンスを実行していない期間に相当する。そこで、制御装置17は、ディレイ時間に、最大吸着量を推定するための吸着モードと回収モードを実行させる。これによって、二酸化炭素回収システム10は、ディレイ時間を有効に活用することができる。
一方、制御装置17は、同時回収モードにおいて、各回収器12a~12cの各々の電気化学セルを対象とした吸着モードと回収モードとを含む一連の制御シーケンスを同じ時間で開始させる。サブシステム10a~10cは、例えば、タイミングt0で同時に制御シーケンスが開示される。このため、同時回収モードでは、ディレイ時間が発生しない。
また、制御装置17は、シチュエーションに応じて、個別回収モードと同時回収モードとを切り替えてもよい。制御装置17は、吸着量変化マップデータの作成時間の短縮などを目的としてモードの切り替えを行う。
シチュエーションとしては、二酸化炭素回収システム10の初期動作(設備設置時)、二酸化炭素回収システム10の定期的な休止状態から稼働状態への状態遷移、定期メンテナンス、二酸化炭素回収システム10の故障からの復帰、二酸化炭素回収システム10の外部環境異常からの復帰などをあげることができる。さらに、定期メンテナンスには、電気化学セルの交換がない場合、一部の電気化学セルの交換がある場合、全ての電気化学セルの交換がある場のシチュエーションが考えられる。外部環境異常は、停電でなどである。
制御装置17は、設備設置時および故障からの復帰時は個別回収モード、休止状態から稼働状態への状態遷移時および外部環境異常からの復帰は同時回収モードを実行する。また、制御装置17は、電気化学セルの交換がない場合および一部の電気化学セルの交換がある場合は同時回収モード、全ての電気化学セルの交換がある場合は個別回収モードを実行する。
さらに、個別回収モードでは、制御装置17は、サブシステム10a~10cに対して共通の吸着量変化マップデータを使用してもよい。一方、同時回収モードでは、制御装置17は、各サブシステム10a~10cに個別の吸着量変化マップデータを使用してもよい。
なお、二酸化炭素回収システム10は、個別回収モードと同時回収モードのいずれか一方のモードのみを実行可能に構成されていてもよい。
(第2実施形態)
図13~図16を用いて、第2実施形態の二酸化炭素回収システム10に関して説明する。ここでは、上記実施形態との相違点に関して説明する。第2実施形態の二酸化炭素回収システム10は、主に、記憶部18に複数の吸着量変化マップデータが記憶されており、これらを切り替える(選択する)点が上記実施形態と異なる。第2実施形態の二酸化炭素回収システム10は、上記実施形態と同様の構成要素を有しており、上記実施形態で説明した処理を実行可能に構成されている。言い換えると、第2実施形態の二酸化炭素回収システム10は、上記実施形態と組み合わせて実施することができる。なお、図16は、図3のマップ作成処理が終了したあとの通常稼働状態を示すタイムチャートを示している。通常稼働状態は、実際に二酸化炭素を回収する状態である。
図15に示すように、記憶部18には、吸着量変化マップデータとして、第1マップと第2マップが記憶されている。第1マップは、上記実施形態の吸着量変化マップデータと同様である。つまり、第1マップは、増加勾配線の傾きが変化しない。よって、第1マップでは、目標二酸化炭素吸着量の減少に伴って吸着時間(吸着モード実行時間)が短くなる。一方、第2マップは、第1マップとは異なり、増加勾配線の傾きが変化する。よって、第2マップでは、目標二酸化炭素吸着量の減少にかかわらず吸着時間が一定である。このように、第1マップと第2マップは、同じ目標二酸化炭素吸着量に関連付けられた吸着時間が異なる。また、第1マップと第2マップとは、減少した目標二酸化炭素吸着量に関連付けられた吸着時間が異なるともいえる。第1マップは、第1の吸着量変化データに相当する。一方、第2マップは、第2の吸着量変化データに相当する。
図16に示すように、制御装置17は、吸着時間の取得に用いる使用マップを、第1マップと第2マップとで切り替える(選択する)。そして、制御装置17は、現在の使用マップを示す情報を記憶しておく。制御装置17は、使用マップを示す情報として、第1マップを使用中であることを示す使用マップ情報と、第2マップを使用中であることを示す使用マップ情報のいずれかを記憶する。つまり、制御装置17は、使用マップを切り替えるたびに、使用マップを示す情報を更新する。使用マップは、使用データに相当する。
制御装置17は、タイミングt10~t12の制御シーケンスにおいて、第1マップを使用している。よって、第1マップを使用中であることを示す使用マップ情報が記憶されている。そして、制御装置17は、タイミングt13で第1マップから第2マップに切り替えている。よって、使用マップを示す情報は、第2マップを使用中であることを示す使用マップ情報に更新される。なお、使用マップ情報の記憶方法や記憶先に関しては、特に限定されない。また、使用マップの切り替え方法(選択方法)に関しては、後ほど説明する。
また、制御装置17は、図16に示すように、制御シーケンスの1サイクル(タイミングt10~t13)ごとに、目標二酸化炭素吸着量の判定と更新を行う。そして、制御装置17は、目標二酸化炭素吸着量の更新を行ったか否かを示す更新判定結果を記憶しておく。制御装置17は、更新判定結果として、更新未実施を示す情報と更新実施を示す情報のいずれかを記憶する。つまり、制御装置17は、目標二酸化炭素吸着量を更新するたびに、更新判定結果を更新する。制御装置17は、タイミングt10,t11,t13では目標二酸化炭素吸着量を更新しておらず、更新未実施を示す情報を記憶する。一方、制御装置17は、タイミングt12で目標二酸化炭素吸着量を更新しており、更新実施を示す情報を記憶する。つまり、図16では、タイミングt12で、二酸化炭素モニタ値が吸着量保持領域から外れたため、目標二酸化炭素吸着量が更新されている。
なお、更新判定結果の記憶方法や記憶先に関しては、特に限定されない。さらに、制御装置17は、二酸化炭素回収量を検出したタイミングが、目標二酸化炭素吸着量の更新を行った後の1回目の検出タイミングであるか否かを把握できればよい。よって、制御装置17は、目標二酸化炭素吸着量を更新すると更新実施を示す情報を記憶し、次の制御シーケンスで目標二酸化炭素吸着量を更新しないと更新実施を示す情報を消去してもよい。1回目の検出タイミングは、二酸化炭素回収量の1回目の取得時ともいえる。
制御装置17は、上記のように、目標二酸化炭素吸着に応じて、吸着量変化マップデータから吸着時間を取得する。よって、制御装置17は、吸着時間を更新することもある。そして、制御装置17は、吸着時間の更新を行ったか否かを示す吸着時間更新結果を記憶しておく。制御装置17は、吸着時間更新結果として、吸着時間未更新を示す情報と吸着時間更新を示す情報のいずれかを記憶する。つまり、制御装置17は、吸着時間を更新するたびに、吸着時間更新結果を更新する。制御装置17は、タイミングt10,t11,t13では吸着時間を更新しておらず、吸着時間未更新を示す情報を記憶する。一方、制御装置17は、タイミングt12で吸着時間を更新しており、吸着時間更新を示す情報を記憶する。
なお、吸着時間更新結果の記憶方法や記憶先に関しては、特に限定されない。さらに、制御装置17は、吸着時間を更新すると吸着時間更新を示す情報を記憶し、次の制御シーケンスで吸着時間を更新しないと吸着時間更新を示す情報を消去してもよい。
ここで、図13を用いて、吸着時間更新処理に関して説明する。制御装置17は、ステップS320で目標二酸化炭素吸着量を更新すると、図13のフローチャートに示す処理を開始する。
ステップS400では、現在第2マップを使用中であるか否かを判定する。制御装置17は、使用マップ情報に基づいて、現在第2マップを使用中であるか否かを判定する。制御装置17は、第2マップを使用中であると判定するとステップS410へ進み、第2マップを使用中でないと判定するとステップS420へ進む。
ステップS410では、現在の吸着時間を保持する。制御装置17は、第2マップを使用している場合、目標二酸化炭素吸着量を更新したとしても吸着時間を更新しない。
ステップS420では、吸着時間を算出する。制御装置17は、第1マップを使用している場合、目標二酸化炭素吸着量を更新に伴って吸着時間を更新する。つまり、制御装置17は、第1マップを用いて、更新した目標二酸化炭素吸着量に関連付けられた吸着時間に取得する。
ステップS430では、吸着時間を確定する。よって、制御装置17は、吸着モードでは、確定した吸着時間の間だけ吸着電位を印加する。
次に、図14を用いて、使用マップの切り替え方法である自己学習処理に関して説明する。制御装置17は、目標二酸化炭素吸着量の更新を行った後の1回目の検出タイミングで図14のフローチャートに示す処理を開始する。また、制御装置17は、目標二酸化炭素吸着量を変更して最初に二酸化炭素モニタ値を得たタイミングに限って、二酸化炭素モニタ値に応じて使用マップの選択判定を行うといえる。本実施形態では、制御装置17は、タイミングt13で図14のフローチャートに示す処理を開始することになる。なお、ここでは、現在の使用マップが第1マップである例を採用する。
二酸化炭素回収システム10は、二酸化炭素モニタ値から目標二酸化炭素吸着量(最大吸着量)を推定している。二酸化炭素回収システム10は、直接的に、目標二酸化炭素吸着量を得ているわけではない。つまり、電気化学セルの吸着特性は不確実ともいえる。電気化学セルの吸着量は、例えば、大気の湿度や大気の供給量などによって供給大気の二酸化炭素濃度が低下したことで減少したり、電気化学セルの経年劣化(吸着面積の減少など)によって減少したりすることが考えられる。よって、電気化学セルは、同じ傾きで二酸化炭素を吸着し吸着上限で飽和したり、傾きが変化して二酸化炭素を吸着したりすることが考えられる。そこで、制御装置17は、吸着量の減少傾向に対応したマップを選択するために、自己学習処理を行う。
ステップS500では、二酸化炭素回収量が吸着量保持領域内であるか否かを判定する。つまり、制御装置17は、センサを介して検出した二酸化炭素モニタ値が吸着量保持領域内であるか否かを判定する。制御装置17は、二酸化炭素モニタ値が吸着量保持領域内であると判定するとステップS510へ進み、吸着量保持領域内でないと判定するとステップS520へ進む。ここでの二酸化炭素モニタ値は、目標二酸化炭素吸着量の更新後における初回の二酸化炭素モニタ値である。
つまり、制御装置17は、二酸化炭素モニタ値の減少傾向が、傾き変化なしであるか、傾き変化ありであるかを判定するといえる。よって、制御装置17は、二酸化炭素モニタ値が吸着量保持領域内であると判定した場合、二酸化炭素モニタ値の減少傾向が傾きなしとみなす。制御装置17は、二酸化炭素モニタ値が吸着量保持領域外であると判定した場合、二酸化炭素モニタ値の減少傾向が傾きありとみなす。
ステップS510では、現在の使用マップを保持する。制御装置17は、二酸化炭素モニタ値が吸着量保持領域内であると判定した場合、使用マップを切り替える必要がないとみなし、現在の使用マップを保持する。ここでは、制御装置17は、第1マップを保持することになる。言い換えると、制御装置17は、使用マップを切り替えることなく、第1マップを選択する。
ステップS520では、使用マップを切り替える。制御装置17は、二酸化炭素モニタ値が吸着量保持領域外であると判定した場合、使用マップを切り替える必要があるとみなし、現在の使用マップを切り替える。ここでは、制御装置17は、使用マップを第1マップから第2マップに切り替える。このように、制御装置17は、二酸化炭素モニタ値に応じて、複数の吸着量変化マップデータから吸着時間を取得するための使用マップを選択する。
ステップS530では、現在使用している吸着時間を保持する。制御装置17は、ステップS420で算出(取得)した吸着時間を保持する。一方、ステップS540では、吸着時間を新たに算出する。つまり、制御装置17は、第2マップを用いて、更新した目標二酸化炭素吸着量に関連付けられた吸着時間を取得する。よって、ステップS540では、ステップS420で取得した吸着時間から、新たに第2マップを用いて取得した吸着時間に更新することになる。また、制御装置17は、新たに第2マップを用いて、ステップS420で取得した吸着時間よりも長い吸着時間を取得することになる。そして、制御装置17は、ステップS550で使用マップを確定し、ステップS560で吸着時間を確定する。なお、本実施形態は、上記変形例1、2と組み合わせて実施することができる。
本実施形態に二酸化炭素回収システム10は、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、二酸化炭素回収システム10は、目標吸着量に関連付けられた吸着時間が異なる第1マップと第2マップが記憶部18に記憶されている。第1マップと第2マップは、減少した目標二酸化炭素吸着量に関連付けられた吸着時間が異なるともいえる。なお、電気化学セルの吸着量は、経時変化や電気化学セルのクリーニングなどに伴って一時的に増加することも考えられる。よって、第1マップと第2マップは、一部分において、増加した目標二酸化炭素吸着量に関連付けられた吸着時間が異なっていてるものであっても採用できる。つまり、第1マップと第2マップは、変化した目標二酸化炭素吸着量に関連付けられた吸着時間が異なっていてるといえる。
そして、二酸化炭素回収システム10は、二酸化炭素モニタ値に応じて、第1マップと第2マップとから吸着時間を取得するための使用マップを選択する。よって、二酸化炭素回収システム10は、吸着電位の印加時間である吸着時間を適切に制御可能となる。つまり、二酸化炭素回収システム10は、二酸化炭素モニタ値から目標二酸化炭素吸着量および吸着時間を推定しつつ、吸着時間を適切に制御できるといえる。また、二酸化炭素回収システム10は、電気化学セルが同じ傾きで二酸化炭素を吸着し吸着上限で飽和したり、傾きが変化して二酸化炭素を吸着したとしても、上記のように使用マップを選択することで、吸着時間を適切に制御できるといえる。
さらに、二酸化炭素回収システム10は、吸着時間を適切に制御できるため、必要以上に吸着時間が長くなることを抑制できる。つまり、二酸化炭素回収システム10は、無駄な時間を低減できる。これに伴って、二酸化炭素回収システム10は、制御シーケンスのサイクル数を向上できる。したがって、二酸化炭素回収システム10は、二酸化炭素の回収量を向上できる。
二酸化炭素回収システム10は、上記のように第1マップを選択することで、必要以上に吸着時間が長くなることを抑制できるため、電機化学セルの吸着量が変化した際における、吸着電位の印加に伴うエネルギーロスを低減できる。また、二酸化炭素回収システム10は、上記のように第2マップを選択することで、電機化学セルの吸着量が変化した際における、二酸化炭素の回収ロスを低減できる。
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態が本開示に示されているが、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範畴や思想範囲に入るものである。
最後に、この明細書には、以下に列挙する複数の技術的思想と、それらの複数の組み合わせが開示されている。
技術的思想1
電気化学反応によって、二酸化炭素を含有する混合ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収システムであって、
回収した二酸化炭素を蓄えるための二酸化炭素回収タンク(16)と、
二酸化炭素を吸着可能な吸着材を含む作用極と、作用極と対をなす対極とを有する電気化学セルと、電気化学セルを収容する筐体とを有する回収器(12)と、
回収器から二酸化炭素回収タンクへと回収される二酸化炭素の回収量を検出するためのセンサ(15)と、
二酸化炭素の吸着が行われる吸着モードの実行時において、吸着材が二酸化炭素を吸着するように、吸着材が吸着可能な二酸化炭素の吸着量である目標吸着量に対応する吸着時間の間だけ作用極と対極との間に第1の電位を印加するか、二酸化炭素の回収が行われる回収モードの実行時において、吸着材が吸着した二酸化炭素を脱離するように、回収量に対応する回収時間の間だけ作用極と対極との間に第2の電位を印加するかを制御する制御装置(17)と、
目標吸着量と、目標吸着量を得るための吸着時間とが関連付けられた複数の吸着量変化データが記憶された記憶部(18)と、を備え、
複数の吸着量変化データは、変化した目標吸着量に関連付けられた吸着時間が異なるものであり、
制御装置は、センサを介した検出結果である回収量に相関する相関値を目標吸着量として、吸着量変化データから吸着時間を取得するものであり、回収量に応じて、複数の吸着量変化データから吸着時間を取得するための使用データを選択する、二酸化炭素回収システム。
技術的思想2
記憶部は、複数の吸着量変化データとして、第1の吸着量変化データと、第2の吸着量変化データとを記憶しており、
第1の吸着量変化データは、目標吸着量の減少に伴って吸着時間が短くなるものであり、
第2の吸着量変化データは、目標吸着量の減少にかかわらず吸着時間が一定である、技術的思想1に記載の二酸化炭素回収システム。
技術的思想3
制御装置は、検出結果である回収量の変化に応じて目標吸着量を変更するものであり、目標吸着量を変更して最初に検出結果を得たタイミングに限って、回収量に応じて吸着量変化データの選択判定を行う、技術的思想1又は2に記載の二酸化炭素回収システム。
技術的思想4
制御装置は、回収量が変化して目標吸着量保持領域から外れた場合に目標吸着量を変更するものであり、目標吸着量を変更して最初の検出結果である回収量が目標吸着量保持領域内の場合は現在の使用データを保持し、目標吸着量を変更して最初の検出結果である回収量が目標吸着量保持領域から外れた場合は使用データを選択する、技術的思想3に記載の二酸化炭素回収システム。
技術的思想5
制御装置は、使用データが第2の吸着量変化データである場合、現在の吸着時間を保持し、使用データが第1の吸着量変化データである場合、第1の吸着量変化データにおける目標吸着量に関連付けられた吸着時間を取得する、技術的思想2~4のいずれか1つに記載の二酸化炭素回収システム。
10:二酸化炭素回収システム
10a~10c:サブシステム
11,11a~11c:流路開閉弁
12,12a~12c:回収器
13:ポンプ
14:流路切替弁
15:センサ
16:CO回収タンク
17:制御装置
18:記憶部
19:送風機
20a~20c:切替弁

Claims (5)

  1. 電気化学反応によって、二酸化炭素を含有する混合ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収システムであって、
    回収した二酸化炭素を蓄えるための二酸化炭素回収タンク(16)と、
    二酸化炭素を吸着可能な吸着材を含む作用極と、前記作用極と対をなす対極とを有する電気化学セルと、前記電気化学セルを収容する筐体とを有する回収器(12)と、
    前記回収器から前記二酸化炭素回収タンクへと回収される二酸化炭素の回収量を検出するためのセンサ(15)と、
    二酸化炭素の吸着が行われる吸着モードの実行時において、前記吸着材が二酸化炭素を吸着するように、前記吸着材が吸着可能な二酸化炭素の吸着量である目標吸着量に対応する吸着時間の間だけ前記作用極と前記対極との間に第1の電位を印加するか、二酸化炭素の回収が行われる回収モードの実行時において、前記吸着材が吸着した二酸化炭素を脱離するように、前記回収量に対応する回収時間の間だけ前記作用極と前記対極との間に第2の電位を印加するかを制御する制御装置(17)と、
    前記目標吸着量と、前記目標吸着量を得るための前記吸着時間とが関連付けられた複数の吸着量変化データが記憶された記憶部(18)と、を備え、
    複数の前記吸着量変化データは、変化した前記目標吸着量に関連付けられた前記吸着時間が異なるものであり、
    前記制御装置は、前記センサを介した検出結果である前記回収量に相関する相関値を前記目標吸着量として、前記吸着量変化データから前記吸着時間を取得するものであり、前記回収量に応じて、複数の前記吸着量変化データから前記吸着時間を取得するための使用データを選択する、二酸化炭素回収システム。
  2. 前記記憶部は、複数の前記吸着量変化データとして、第1の吸着量変化データと、第2の吸着量変化データとを記憶しており、
    前記第1の吸着量変化データは、前記目標吸着量の減少に伴って前記吸着時間が短くなるものであり、
    前記第2の吸着量変化データは、前記目標吸着量の減少にかかわらず前記吸着時間が一定である、請求項1に記載の二酸化炭素回収システム。
  3. 前記制御装置は、前記検出結果である前記回収量の変化に応じて前記目標吸着量を変更するものであり、前記目標吸着量を変更して最初に前記検出結果を得たタイミングに限って、前記回収量に応じて前記吸着量変化データの選択判定を行う、請求項1又は2に記載の二酸化炭素回収システム。
  4. 前記制御装置は、前記回収量が変化して目標吸着量保持領域から外れた場合に前記目標吸着量を変更するものであり、前記目標吸着量を変更して最初の前記検出結果である前記回収量が前記目標吸着量保持領域内の場合は現在の前記使用データを保持し、前記目標吸着量を変更して最初の前記検出結果である前記回収量が前記目標吸着量保持領域から外れた場合は前記使用データを選択する、請求項3に記載の二酸化炭素回収システム。
  5. 前記制御装置は、前記使用データが前記第2の吸着量変化データである場合、現在の前記吸着時間を保持し、前記使用データが前記第1の吸着量変化データである場合、前記第1の吸着量変化データにおける前記目標吸着量に関連付けられた前記吸着時間を取得する、請求項2に記載の二酸化炭素回収システム。
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