JP2023160159A - 波動監視システムおよび波動監視方法 - Google Patents

波動監視システムおよび波動監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】波源位置の特定性能の向上、およびロバスト性を高めることを可能とする。【解決手段】波動監視システム10は、マスタ監視装置100Aとスレーブ監視装置100Bとを備える。マスタ監視装置100Aとスレーブ監視装置100Bとは、波動を受波する複数の受波素子131を配列した受波アレイ130と、受波素子131が受波した信号を周波数分析して周波数分析結果を出力する周波数分析部111と、受波アレイ130に配置される受波素子131について、当該受波素子に係る周波数分析結果と、波動位相差に関する重みとの内積である第1強調処理結果を出力する第1強調処理部112と備える。マスタ監視装置100Aは、複数の第1強調処理結果と波動の振幅変調成分に係る包絡線位相差に関する重みとの内積である第2強調処理結果を出力する第2強調処理部114と備える。【選択図】図3

Description

本発明は、空気中や水中における波源の位置を特定する波動監視システムおよび波動監視方法に関する。
空気中や水中における波動を用いた監視の分野において、波源の方向や位置を特定する技術が知られている。例えば、特許文献1には、複数の受波素子を配列した受波アレイで受波したアレイ信号を演算して波源の方向や位置を特定する技術が開示されている。
特許第3918730号公報
ここで、特許文献1に記載の技術では、想定波源位置とそれぞれの受波素子との相対位置により生じる波動位相差を用いて波源位置や方向を特定する。このため、空間折り返し歪みが発生しないよう、受波素子の配列間隔を波動の波長の1/2以下にする必要がある。このような条件で広い空間を監視するためには、斯かる配列間隔の受波素子を多数配列して受波アレイを大型化する必要がある。このため、装置が複雑になり信頼性低下が問題となっている。他に消費電力が増加する問題も生じる。
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、波源位置の特定性能の向上、およびロバスト性を高めることを可能とする波動監視システムおよび波動監視方法を提供することを課題とする。
上記した課題を解決するため、本発明に係る波動監視システムは、波動を監視する空間である監視空間に配置され、前記波動を受波する複数の受波素子を配列した、複数の受波アレイと、前記受波素子が受波した信号を周波数分析して周波数分析結果を出力する周波数分析部と、1つの前記受波アレイに配置される受波素子について、当該受波素子に係る前記周波数分析結果、および、想定される前記波動の波源の位置である想定波源位置と当該受波素子との相対位置により生じる波動位相差に関する重みの内積である第1強調処理結果を出力する第1強調処理部と、前記複数の受波アレイそれぞれに対応する第1強調処理結果、および、前記想定波源位置と当該受波アレイとの相対位置により生じる前記波動の振幅変調成分に係る包絡線位相差に関する重みの内積である第2強調処理結果を出力する第2強調処理部と備える。
本発明によれば、波源位置の特定性能の向上、およびロバスト性を高めることを可能とする波動監視システムおよび波動監視方法を提供することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本実施形態に係る波動監視システムの全体構成を示す図である。 本実施形態に係るスレーブ監視装置の機能ブロック図である。 本実施形態に係るマスタ監視装置の機能ブロック図である。 本実施形態に係る管理装置の機能ブロック図である。 本実施形態に係るスレーブ監視装置の監視処理のフローチャートである。 本実施形態に係るマスタ監視装置の監視処理のフローチャートである。 本実施形態に係る波動監視システムの監視装置、および受波素子の配置を説明するための図である。 本実施形態に係る監視装置単体および波動監視システムでの数値解析結果を示すグラフである。
≪波動監視システムの概要≫
以下に、本発明を実施するための形態(実施形態)における波動監視システムについて説明する。波動監視システムは、空気中や水中における波源(音源)の位置や方向を特定する。波動監視システムは、それぞれ受波アレイを備えるスレーブ監視装置とマスタ監視装置とを含む。スレーブ監視装置とマスタ監視装置とは、波動の振幅変調成分における包絡線波長の概ね1/2間隔で配置される。以下、スレーブ監視装置とマスタ監視装置とを総称して監視装置と記す。
監視装置は、受波アレイが受波したアレイ信号を周波数分析し、想定波源位置とそれぞれの受波素子との相対位置により生じる波動位相差に関する重みと内積する強調処理を行う。スレーブ監視装置は、強調処理の結果をマスタ監視装置に送信する。マスタ監視装置は、スレーブ監視装置および自身の強調処理の結果、および、想定波源位置と受波アレイとの相対位置による生じる波動の振幅変調成分の包絡線位相差に関する重みの内積を算出して強調処理して、波源の方向または位置を特定する。
このような波動監視システムでは、監視装置が波動位相差を用いて波源位置や方向の推定した結果を用いて、さらにマスタ監視装置が包絡線位相差を用いて波源位置や方向を推定する。複数の監視装置が受波したアレイ信号を組み合わせて処理することで、波源位置の特定性能の向上、およびロバスト性を高めることができる。
≪波動監視システムの全体構成≫
図1は、本実施形態に係る波動監視システム10の全体構成を示す図である。波動監視システム10は、監視空間510に配置されたマスタ監視装置100A(後記する図3参照)および1つ以上のスレーブ監視装置100B(後記する図2参照)を含んで構成される。図1に示す波動監視システム10は、1つのマスタ監視装置100Aと5つのスレーブ監視装置100Bとを含む。波動監視システム10は、マスタ監視装置100Aとスレーブ監視装置100Bとに監視に係る設定を行い、マスタ監視装置100Aから波源520の位置または方向の推定結果を受信する管理装置200を含んでもよい。マスタ監視装置100A、およびスレーブ監視装置100Bを総称して監視装置100と記す。
監視装置100は、監視空間510において少なくとも2つ以上配置され、その配置間隔は波源520が発する波動における振幅変調成分の包絡線波長λの概ね1/2である。監視装置100に備わる受波アレイ130(図2、図3参照)における複数の受波素子131の配列は、図1に示したZ軸方向以外にもX軸方向やY軸方向、またはそれらを組み合わせた面的配列など、想定される波源520の位置である想定波源位置530とそれぞれの受波素子131との相対位置により生じる波動位相差が得られるものであれば任意である。また、監視装置100の配置間隔は、図中のX軸方向以外にもY軸方向やZ軸方向、またはそれらを組み合わせた面的配置など、想定波源位置530とそれぞれの監視装置100との相対位置により生じる包絡線波長λの包絡線位相差が得られるものであれば任意である。
以上に説明したように波動監視システム10は、マスタ監視装置100A、および1つ以上のスレーブ監視装置100Bを含む。
マスタ監視装置100A、およびスレーブ監視装置100Bは、波動を監視する空間である監視空間に配置され、前記波動を受波する複数の受波素子を配列した、受波アレイ130を備える。
受波アレイ130(マスタ監視装置100A、およびスレーブ監視装置100B)は、波動の振幅変調成分における包絡線波長λの概ね1/2の間隔で配置される。
≪スレーブ監視装置の構成≫
図2は、本実施形態に係るスレーブ監視装置100Bの機能ブロック図である。スレーブ監視装置100Bは、監視空間510に配置される、複数の受波素子131を配列した受波アレイ130を備える。受波素子131の間隔Δは、波動の波長の1/2以下である。受波素子131は、例えば監視空間510である水中に配置されたハイドロホンである。監視空間510は、空気中であってもよく、その場合の受波素子131は、マイクロホンである。またスレーブ監視装置100Bはマイクロプロセッサを含んで構成され、周波数分析部111、第1強調処理部112、および通信部118Bを備える。
≪スレーブ監視装置:周波数分析部≫
周波数分析部111は、受波アレイ130に備わる受波素子131が受波した信号(アレイ信号)を周波数分析して、周波数領域の信号を取得する。周波数分析部111は、例えば高速フーリエ変換を行う。以下、スレーブ監視装置100BがN個あり、それぞれのスレーブ監視装置100BにはM個の受波素子131が備わるとする。j=1,…,Nをスレーブ監視装置100Bのインデックス、i=1,…,Mを受波素子131のインデックスとし、受波した信号をpij(t)と示す。Tljをj番目のスレーブ監視装置100Bの分析開始時刻、Tを分析窓の長さ、W(t)を分析窓関数、ωを角周波数とすると、周波数分析部111が出力する周波数分析結果であるPij(ω,Tlj)は、式(1)で示される。
Figure 2023160159000002
以上に説明したようにスレーブ監視装置100Bは、受波素子131が受波した信号を周波数分析して周波数分析結果を出力する周波数分析部111を備える。
≪スレーブ監視装置:第1強調処理部≫
第1強調処理部112は、周波数分析結果、および想定波源位置530とそれぞれの受波素子131との相対位置により生じる波動位相差に関する重みの内積を算出して強調処理を行う。wij(ω)を想定波源位置530と、j番目のスレーブ監視装置100Bにおけるi番目の受波素子131との相対位置により生じる波動位相差に関する重みとし、*を複素共役を取る演算子とすると、第1強調処理部112が出力する第1強調処理結果であるQ(ω,Tlj)は、式(2)で示される。
Figure 2023160159000003
以上に説明したようにスレーブ監視装置100Bは、受波アレイ130に配置される受波素子131について、当該受波素子に係る周波数分析結果、および、想定される波動の波源520の位置である想定波源位置530と当該受波素子との相対位置により生じる波動位相差に関する重みの内積である第1強調処理結果を出力する第1強調処理部を備える。
≪スレーブ監視装置:通信部≫
通信部118Bは、第1強調処理結果であるQ(ω,Tlj)をマスタ監視装置100Aに送信する。また通信部118Bは、管理装置200からwij(ω)に係るパラメータ情報を受信して第1強調処理部112に出力(設定)する。
以上に説明したようにスレーブ監視装置100Bは、第1強調処理結果をマスタ監視装置100Aに送信するスレーブ通信部(通信部118B)を備える。
≪マスタ監視装置の構成≫
図3は、本実施形態に係るマスタ監視装置100Aの機能ブロック図である。マスタ監視装置100Aは、スレーブ監視装置100Bと同様に受波アレイ130を備える。またマスタ監視装置100Aは、マイクロプロセッサを含んで構成され、周波数分析部111、第1強調処理部112、同期部113、第2強調処理部114、積分部115、および通信部118Aを備える。周波数分析部111、および第1強調処理部112は、スレーブ監視装置100Bと同様である。なお第1強調処理部112は、第1強調処理結果を通信部118Bではなく、同期部113に出力する。
以上に説明したようにマスタ監視装置100Aは、受波アレイ130と、周波数分析部111と、第1強調処理部112とを備える。
以下に、同期部113、第2強調処理部114、積分部115、および通信部118Aを説明する。以降の説明ではマスタ監視装置100Aについて、インデックスjを0として記載する。換言すれば、0番目の監視装置100はマスタ監視装置100Aであり、j番目(j=1,…,N)の監視装置100はj番目のスレーブ監視装置100Bであるとする。例えば、マスタ監視装置100Aにおける第1強調処理結果をQ(ω,Tl0)と記す。マスタ監視装置100Aおよびスレーブ監視装置100Bの第1強調処理結果をQ(ω,Tlj)(j=0,1,…,N)と記す。
≪マスタ監視装置:同期部≫
同期部113は、マスタ監視装置100Aおよびスレーブ監視装置100Bの第1強調処理結果であるQ(ω,Tlj)(j=0,1,…,N)の分析開始時刻(Tlj)の同期を取って、結果を第2強調処理部114に出力する。詳しくは、同期部113は、所定の誤差を考慮して同じ分析開始時刻の第1強調処理結果を収集して、第2強調処理部114に出力する。なおQ(ω,Tlj)(j=1,…,N)は、スレーブ監視装置100Bが送信した第1強調処理結果であり、後記する通信部118Aが受信して同期部113に出力した第1強調処理結果である。Q(ω,Tlj)は時刻同期されているので、以下ではQ(ω,T)(j=0,1,…,N)と記す。
≪マスタ監視装置:第2強調処理部≫
第2強調処理部114は、同期部113が出力した第1強調処理結果であるQ(ω,T)(j=0,1,…,N)および、想定波源位置530とそれぞれの監視装置100が備える受波アレイ130との相対位置により生じる波源520が放射する波動における振幅変調成分に係る包絡線波長λの包絡線位相差に関する重みの内積を算出して、包絡線位相差による強調処理を行い、第2強調処理結果を積分部115に出力する。詳しくは、Δωを振幅変調成分の包絡線波長に対応する角周波数、W(Δω)を想定波源位置530とj番目の監視装置100に備わる受波アレイ130との相対位置により生じる包絡線位相差に係る重みとすると、第2強調処理部114が出力する第2強調処理結果であるB(ω,T)は、式(3)で示される。第2強調処理部114は、角周波数ωにおけるΔωの振幅変調成分が、周波数領域ではω±Δω/2の冗長性として現れることを利用し、包絡線位相差による強調処理を行う。
Figure 2023160159000004
以上に説明したようにマスタ監視装置100Aは、複数の受波アレイ130それぞれに対応する第1強調処理結果、および、想定波源位置530と当該受波アレイ130との相対位置により生じる波動の振幅変調成分に係る包絡線位相差に関する重みの内積である第2強調処理結果を出力する第2強調処理部114を備える。
≪マスタ監視装置:積分部≫
積分部115は、第2強調処理結果であるB(ω,T)を時間および周波数で積分して、積分結果SBを通信部118Aに出力する。詳しくは、波動の周波数範囲をω~ωとし、時間範囲をT~Tとすると、積分結果であるSBは式(4)で示される。この積分結果は、波源520が想定波源位置530に存在する確度を示している。
Figure 2023160159000005
監視対象の波源520がGaussian雑音である場合、B(ω,T)はReyleigh分布になるため、波源の検出閾値が上がる。しかし、式(4)により時間および周波数の範囲にIncoherentな積分和を取りSBに変換することで、SBはChi二乗分布となるため、波源の検出閾値を下げることが可能となる。
≪マスタ監視装置:通信部≫
通信部118Aは、スレーブ監視装置100Bから第1強調処理結果を受信して同期部113に出力する。また通信部118Aは、積分結果であるSBを管理装置200に送信する。他にも通信部118Aは、管理装置200からwi0(ω)やW(Δω)に係るパラメータ情報を受信して第1強調処理部112、および第2強調処理部114に出力(設定)する。
以上に説明したようにマスタ監視装置100Aは、スレーブ監視装置100Bが送信した第1強調処理結果を受信するマスタ通信部(通信部118A)を備える。
≪管理装置の構成≫
図4は、本実施形態に係る管理装置200の機能ブロック図である。管理装置200はコンピュータであり、制御部210、および入出力部280を備える。入出力部280には、ディスプレイやキーボード、マウスなどのユーザインターフェイス機器が接続される。入出力部280は通信デバイスを備え、監視装置100とのデータ送受信が可能である。また入出力部280にメディアドライブが接続され、記録媒体を用いたデータのやり取りが可能であってもよい。
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、設定部211、および表示制御部212が備わる。設定部211は、監視に係るパラメータ情報を監視装置100に送信する。例えば設定部211は、予め設定された、または指定された1つ以上の想定波源位置530それぞれについてwij(ω)やW(Δω)に係るパラメータ情報を算出して、監視装置100に送信する。
表示制御部212は、マスタ監視装置100Aから受信した積分結果であるSB(式(4)参照)を、入出力部280に接続されたディスプレイに出力する。例えば表示制御部212は、指定された複数の想定波源位置530に係る積分結果(波源520が存在する確度)を表示する。
≪スレーブ監視装置の監視処理≫
図5は、本実施形態に係るスレーブ監視装置100Bの監視処理のフローチャートである。スレーブ監視装置100Bは、ステップS11~S14の繰り返し処理と並行して、通信部118Bが、管理装置200からwij(ω)に係るパラメータ情報を受信して第1強調処理部112に出力(設定)する処理を行う。
ステップS11において周波数分析部111は、受波アレイ130から受波した信号であるpij(t)を受信する。
ステップS12において周波数分析部111は、pij(t)の周波数分析を行い(式(1)参照)結果であるPij(ω,Tlj)を第1強調処理部112に出力する。
ステップS13において第1強調処理部112は、Pij(ω,Tlj)と波動位相差に関する重みとの内積を算出して強調処理を行い(式(2)参照)第1強調処理結果であるQ(ω,Tlj)を通信部118Bに出力する。
ステップS14において通信部118Bは、第1強調処理結果であるQ(ω,Tlj)をマスタ監視装置100Aに送信する。
≪マスタ監視装置の監視処理≫
図6は、本実施形態に係るマスタ監視装置100Aの監視処理のフローチャートである。マスタ監視装置100Aは、ステップS21~S27の繰り返し処理と並行して、通信部118Aが、管理装置200からwi0(ω)やW(Δω)に係るパラメータ情報を受信して第1強調処理部112および第2強調処理部114に出力(設定)する処理を行う。
ステップS21~S23は、ステップS11~S13と同様である。但しステップS13において第1強調処理部112は、第1強調処理結果であるQ(ω,Tl0)を同期部113に出力する。
ステップS24において同期部113は、通信部118Aを介して第1強調処理結果であるQ(ω,Tlj)(j=1,…,N)を受信する。続いて同期部113は、マスタ監視装置100Aおよびスレーブ監視装置100Bの第1強調処理結果であるQ(ω,Tlj)(j=0,1,…,N)の分析開始時刻(Tlj)の同期を取って、第2強調処理部114に出力する。
ステップS25において第2強調処理部114は、Q(ω,T)(j=0,1,…,N)と包絡線位相差に関する重みとの内積を算出して強調処理を行い(式(3)参照)第2強調処理結果であるB(ω,T)を積分部115に出力する。
ステップS26において積分部115は、B(ω,T)の絶対値を周波数と時間とで積分して(式(4)参照)、通信部118Aに出力する。
ステップS27において通信部118Aは、積分結果であるSBを管理装置200に送信する。
≪波動監視システムの数値解析≫
以下に波動監視システム10の数値解析の一例を示す。監視空間510は水中(海中)であり、波動速度は1500m/sである。図7は、本実施形態に係る波動監視システム10の監視装置100、および受波素子131の配置を説明するための図である。黒丸は受波素子131を、点線の矩形は監視装置100(に備わる受波アレイ130)を示す。監視装置100は、距離0m~300mに75m間隔で5つ配置される。それぞれの監視装置100は、受波素子131が高さ0mを中心に1.875m間隔で正負高さ方向に8個配列される受波アレイ130を備える。
波源520として変調度が1、10Hzの振幅変調を持つ400Hzの正弦波を放射する点波源を、距離600m、基準高さ0mに設置して、5つの監視装置100で波動を受波する。400Hzの正弦波の波長は波動速度1500m/sの場合3.75mであり、半波長は受波素子131の配列間隔と一致する。また10Hzの振幅変調成分の包絡線波長λは150mであり、その半波長は監視装置100の配置間隔に一致する。監視装置100の第1強調処理結果をマスタ監視装置100Aに集約し、包絡線位相差を用いた強調処理が可能となり、監視装置100単体の強調処理結果をさらに強調することが可能となる。
図8は、本実施形態に係る監視装置100単体および波動監視システム10での数値解析結果を示すグラフである。点線のグラフは、距離300m(図7参照)にあるマスタ監視装置100A単体(後記する監視装置単体での監視処理、式(5)参照)でのビームパタン581の数値解析結果である。実線のグラフは、5つの監視装置100を備える波動監視システム10でのビームパタン582の数値解析結果である。グラフの横軸は想定波源位置の方向と波源の方向との角度差、縦軸は角度差における積分結果(式(4)、式(5)参照)の比であり、鋭いピークを持つほど波源520の検出精度が高いことを示す。
図8に示されたとおり、マスタ監視装置100A単体によるビームパタン581と比較して、5つの監視装置100の協調(包絡線位相差を利用した強調処理)によるビームパタン582がより鋭いことがわかる。これより、監視装置100単体による監視よりも、波動監視システム10による監視が、波源位置の特定性能の向上、および海流による圧力変化や風による波浪などの雑音に対するロバスト性を高めることができることが示された。
≪変形例:監視装置単体での監視処理≫
上記した波動監視システム10は、マスタ監視装置100A、およびスレーブ監視装置100Bの第1強調処理結果に対して、第2強調処理部114が包絡線位相差による強調処理している。スレーブ監視装置100B単体で第1強調処理結果を周波数と時間とで積分してもよい。詳しくは、j番目のスレーブ監視装置100Bにおいて式(5)で示される積分結果であるSQを算出してj番目の検出結果として管理装置200に送信し、管理装置200がスレーブ監視装置100Bそれぞれの結果を表示するようにしてもよい。
Figure 2023160159000006
≪変形例:機能分散≫
本実施形態で例示する波動監視システム10におけるマスタ監視装置100Aとスレーブ監視装置100Bと管理装置200との機能分散の形態は上記した形態に限られず、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば監視装置100は、受波アレイ130が受波した信号を管理装置200に送信し、管理装置200が周波数分析部111、第1強調処理部112、同期部113、第2強調処理部114、積分部115を備え、受波した信号の処理を行ってもよい。また監視装置100は全てスレーブ監視装置100Bであり、管理装置200が同期部113、第2強調処理部114、積分部115を備え、包絡線位相差による強調処理と、周波数・時間で積分してもよい。
以上に説明したように波動監視システム10は、複数の受波アレイ130と、周波数分析部111と、第1強調処理部112と、第2強調処理部114と備える。
また波動監視システム10は、第2強調処理結果を時間および周波数の範囲で積分する積分部115を備える。
≪その他の変形例≫
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 波動監視システム
100 監視装置
100A マスタ監視装置
100B スレーブ監視装置
111 周波数分析部
112 第1強調処理部
113 同期部
114 第2強調処理部
115 積分部
118A 通信部(マスタ通信部)
118B 通信部(スレーブ通信部)
130 受波アレイ
131 受波素子
510 監視空間
520 波源
530 想定波源位置

Claims (5)

  1. 波動を監視する空間である監視空間に配置され、前記波動を受波する複数の受波素子を配列した、複数の受波アレイと、
    前記受波素子が受波した信号を周波数分析して周波数分析結果を出力する周波数分析部と、
    1つの前記受波アレイに配置される受波素子について、当該受波素子に係る前記周波数分析結果、および、想定される前記波動の波源の位置である想定波源位置と当該受波素子との相対位置により生じる波動位相差に関する重みの内積である第1強調処理結果を出力する第1強調処理部と、
    前記複数の受波アレイそれぞれに対応する第1強調処理結果、および、前記想定波源位置と当該受波アレイとの相対位置により生じる前記波動の振幅変調成分に係る包絡線位相差に関する重みの内積である第2強調処理結果を出力する第2強調処理部と備える
    波動監視システム。
  2. 前記受波アレイは、前記波動の振幅変調成分における包絡線波長の概ね1/2の間隔で配置される
    請求項1に記載の波動監視システム。
  3. マスタ監視装置、および1つ以上のスレーブ監視装置を含み、
    前記スレーブ監視装置は、
    前記受波アレイと、前記周波数分析部と、前記第1強調処理部と、前記第1強調処理結果を前記マスタ監視装置に送信するスレーブ通信部とを備え、
    前記マスタ監視装置は、
    前記受波アレイと、前記周波数分析部と、前記第1強調処理部と、前記スレーブ監視装置が送信した第1強調処理結果を受信するマスタ通信部と、前記第2強調処理部とを備える
    請求項1に記載の波動監視システム。
  4. 前記第2強調処理結果を時間および周波数の範囲で積分する積分部をさらに備える
    請求項1に記載の波動監視システム。
  5. 波動監視システムの波動監視方法であって、
    波動監視システムは、
    波動を監視する空間である監視空間に配置され、前記波動を受波する複数の受波素子を配列した、複数の受波アレイを備え、
    波動監視システムが、
    前記受波素子が受波した信号を周波数分析して周波数分析結果を出力するステップと、
    1つの前記受波アレイに配置される受波素子について、当該受波素子に係る前記周波数分析結果、および、想定される前記波動の波源の位置である想定波源位置と当該受波素子との相対位置により生じる波動位相差に関する重みの内積である第1強調処理結果を出力するステップと、
    前記複数の受波アレイそれぞれに対応する第1強調処理結果、および、前記想定波源位置と当該受波アレイとの相対位置により生じる前記波動の振幅変調成分に係る包絡線位相差に関する重みの内積である第2強調処理結果を出力するステップとを実行する
    波動監視方法。
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