JP2023158781A - 船舶推進機および船舶 - Google Patents
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Abstract
【課題】オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転数を安定させることが可能な船舶推進機および船舶を提供する。【解決手段】この船外機101は、エンジン1と、エンジン回転数の吹け上がりを検出する回転数検出部4と、エンジン回転数を抑制する制御を行う制御部5と、を備え、制御部5は、回転数検出部4の検出結果に基づいて、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するために気筒1aを失火するか否かを判断する最初失火制御を行うとともに、エンジン回転数の変化率ではなく回転数検出部4の検出結果であるエンジン回転数に基づいて、最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するために気筒1aを失火するか否かを判断する後続失火制御を行う。【選択図】図2
Description
この発明は、エンジン回転数を失火により抑制する制御を行う制御部を備える船舶推進機および船舶に関する。
従来、エンジン回転数を失火により抑制する制御を行う制御部を備える船舶推進機および船舶が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、4気筒のエンジンと、エンジン回転速度を検出する回転速度検出部と、エンジン回転速度を失火により抑制する制御を行う制御部とを備える船舶推進機が開示されている。上記制御部は、プロペラが気中に現れた場合などにおいて、エンジン回転速度が急に上昇するオーバーレブの吹け上がりを抑制するために、エンジン回転速度の変化率を考慮した制御と、エンジン回転速度の変化率に関わらずエンジン回転速度を考慮した制御とを行うように構成されている。
詳細には、上記制御部は、オーバーレブの際に、エンジン回転速度(エンジン回転数)の変化率が所定値以上になったことに基づいてすべての気筒を失火させてエンジン回転速度を抑制する制御と、エンジン回転速度に応じて失火する気筒数を変化させてエンジン回転速度を抑制する制御との2つの制御を行うように構成されている。上記制御部は、オーバーレブが継続する間において、上記2つの制御の両方を行うように構成されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載の船外機では、制御部がエンジン回転速度(エンジン回転数)の変化率を考慮して失火を行うように構成されていることから、特にエンジン回転速度の変化率が大きくなりやすくエンジン回転速度が急に上昇しやすいオーバーレブの最初の吹け上がりを抑制することができたとしても、オーバーレブの最初の吹け上がり以降のオーバーレブの後続の吹け上がりにおいても、エンジン回転速度の変化率に基づいて不要な失火を行う場合がある。すなわち、オーバーレブの後続の吹け上がりでは、最初の吹け上がりと比較して、エンジン回転速度の変化率が小さくなりやすいが、一時的にエンジン回転速度の変化率が大きくなる場合があり、このような場合にもすべての気筒を失火させる制御が行われることによって、一時的にエンジン回転速度が大きく低下してエンジン回転速度の変動が不安定になる(変動幅が大きくなる)ことがある。このため、従来より、オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転速度を安定させることが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転数を安定させることが可能な船舶推進機および船舶を提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明の第1の局面による船舶推進機は、エンジンと、エンジン回転数の吹け上がりを検出する吹け上がり検出部と、エンジン回転数を抑制する制御を行う制御部と、を備え、制御部は、吹け上がり検出手段の検出結果に基づいて、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するためにエンジンの気筒を失火するか否かを判断する最初失火制御を行うとともに、エンジン回転数の変化率ではなく吹け上がり検出手段の検出結果であるエンジン回転数に基づいて、最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するために気筒を失火するか否かを判断する後続失火制御を行うように構成されている。
この第1の局面による船舶推進機では、上記のように、制御部を、吹け上がり検出手段の検出結果に基づいて、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するためにエンジンの気筒を失火するか否かを判断する最初失火制御を行うとともに、エンジン回転数の変化率ではなく吹け上がり検出手段の検出結果であるエンジン回転数に基づいて、最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するために気筒を失火するか否かを判断する後続失火制御を行うように構成する。これによって、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がり、および、最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりを、互いに異なる制御である最初失火制御および後続失火制御により抑制することができる。すなわち、特にエンジン回転数の変化率が急に大きくなりやすくエンジン回転数が上昇しやすいオーバーレブの最初の吹け上がりに向けた失火制御と、後続の吹け上がりに向けた失火制御とを明確に切り分けることができる。また、後続失火制御ではエンジン回転数の変化率を考慮した気筒の失火が行われることがないため、後続のエンジン回転数の吹け上がりを抑制する際に、従来のような不要な失火が行われるのを抑制することができる。その結果、オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転数を安定させることができる。
上記第1の局面による船舶推進機において、好ましくは、エンジン回転数を検出する回転数検出部をさらに備え、制御部は、エンジン回転数がエンジンのスロットル弁の開度が略全開となる全開回転数以上の所定の回転数である第1回転数未満から第1回転数以上になる変化があったと判断した場合に、最初失火制御を開始するように構成されている。このように構成すれば、エンジン回転数がエンジンのスロットル弁の開度が略全開となる全開回転数以上の所定の回転数である第1回転数未満から第1回転数以上になる変化があったことにより、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりの発生を容易に予測して、最初失火制御を開始することができる。
上記第1の局面による船舶推進機において、好ましくは、制御部は、最初失火制御において、吹け上がり検出部の検出結果に基づいて、エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であると判断した場合に、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったとして、気筒を失火するように構成されている。このように構成すれば、エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であると判断することにより、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったことを精度よく判断することができる。このため、最初失火制御において、適切なタイミングで気筒を失火することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、最初失火制御において、エンジン回転数が所定の終了条件を満たしたと判断した場合に、最初失火制御を終了して、後続失火制御を開始するように構成されている。このように構成すれば、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりが終わるとともに、オーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりが始まるタイミングで後続失火制御を開始することができる。
上記所定の終了条件を満たしたと判断した場合に最初失火制御を終了して後続失火制御を開始する構成において、好ましくは、制御部は、エンジン回転数が所定の終了条件を満たしていないと判断した場合に、再度、エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であるか否かを判断するように構成されている。このように構成すれば、最初失火制御において未だエンジン回転数が大きくなると予想される場合に、最初失火制御を終了することなく、気筒を失火するために、再度、エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であるか否かを判断することができる。
上記所定の終了条件を満たした場合に最初失火制御を終了して後続失火制御を開始する構成において、好ましくは、制御部は、最初失火制御において、エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定の変化率以下に変化した場合に、エンジン回転数が所定の終了条件を満たしたと判断するように構成されている。このように構成すれば、オーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりが始まるタイミングで、最初失火制御を終了して、後続失火制御を開始することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、最初失火制御において、エンジン回転数の変化率を示す指標値が0以下に変化した場合に、エンジン回転数が所定の終了条件を満たしたと判断するように構成されている。このように構成すれば、エンジン回転数の増加が止まるタイミングで、最初失火制御を終了して、後続失火制御を開始することができる。
上記所定の終了条件を満たした場合に最初失火制御を終了して後続失火制御を開始する構成において、好ましくは、エンジン回転数を検出する回転数検出部をさらに備え、制御部は、最初失火制御において、エンジン回転数が第2回転数よりも大きくなった場合に、または、エンジン回転数が第2回転数よりも大きくなった後に第2回転数以下となった場合に、エンジン回転数が所定の終了条件を満たしたと判断するように構成されている。このように構成すれば、到達することを回避しなければならない許容回転数を考慮した第2回転数を基準として、最初失火制御から後続失火制御に切り換えることができる。
上記エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であると判断した場合に気筒を失火する構成において、好ましくは、エンジンは、複数の気筒を含み、制御部は、最初失火制御において、エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であると判断した場合に、すべての気筒を失火するように構成されている。このように構成すれば、すべての気筒を失火することにより、エンジン回転数が急に上昇するオーバーレブの最初の吹け上がりを効果的に抑制することができる。
上記エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であると判断した場合に気筒を失火する構成において、好ましくは、エンジンは、複数の気筒を含み、制御部は、最初失火制御において、エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であると判断した場合に、エンジン回転数の変化率を示す指標値が大きい程、失火する気筒の数を増加させるように構成されている。このように構成すれば、最初失火制御において、エンジン回転数の変化率が特に大きくなる場合や、特に小さくなる場合に、失火する気筒の数を変動させることができる。このため、オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転数をより安定させることができる。
上記エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であると判断した場合に気筒を失火する構成において、好ましくは、エンジン回転数の変化率を示す指標値は、エンジン回転数の変化率を算出するためのエンジン回転数、エンジン回転数の変化率に連動して変化するエンジンの燃料噴射装置の負荷値、および、エンジン回転数の変化率に連動して変化するエンジンのスロットル弁の開度値のいずれかである。このように構成すれば、検出可能な指標値が異なる種々の仕様のエンジンにおいて、気筒を失火する制御を行うことができる。
上記エンジン回転数が第1回転数未満から第1回転数以上になる変化があったと判断した場合に最初失火制御を開始する構成において、好ましくは、制御部は、後続失火制御において、エンジン回転数が第1回転数よりも大きい所定の回転数である失火回転数以上である場合に、気筒を失火するように構成されている。このように構成すれば、後続失火制御における失火回転数を比較的大きく設定することにより、後続失火制御ではエンジン回転数を比較的大きな値で維持することができる。
この場合、好ましくは、エンジンは、4つの気筒を含み、失火回転数は、第1失火回転数と、第1失火回転数よりも大きい第2失火回転数と、第2失火回転数よりも大きい第3失火回転数と、第3失火回転数よりも大きい第4失火回転数とを含み、制御部は、後続失火制御において、エンジン回転数が第1失火回転数以上第2失火回転数未満である場合に、1つの気筒を失火するように構成され、後続失火制御において、エンジン回転数が第2失火回転数以上第3失火回転数未満である場合に、2つの気筒を失火するように構成され、後続失火制御において、エンジン回転数が第3失火回転数以上第4失火回転数未満である場合に、3つの気筒を失火するように構成され、後続失火制御において、エンジン回転数が第4失火回転数以上である場合に、4つの気筒を失火するように構成され、第2失火回転数と第3失火回転数との差、および、第3失火回転数と第4失火回転数との差は、第1失火回転数と第2失火回転数との差よりも大きい。このように構成すれば、第1失火回転数および第2失火回転数に対して、第3失火回転数および第4失火回転数を比較的大きいエンジン回転数にすることができるので、後続失火制御において、エンジン回転数を大きく減少させる気筒数の多い失火を抑制することができる。その結果、オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転数をより安定させることができる。
上記後続失火制御において失火回転数以上である場合に気筒を失火する構成において、好ましくは、制御部は、エンジン回転数が第1回転数未満になったと判断した場合に、後続失火制御を終了するように構成されている。このように構成すれば、エンジン回転数を基準として、オーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりが収まったことを判断して、後続失火制御を終了することができる。
上記エンジン回転数が第1回転数未満から第1回転数以上になる変化があったと判断した場合に最初失火制御を開始する構成において、好ましくは、第1回転数は、5000rpm以上10000rpm以下である。このように構成すれば、エンジン回転数が5000rpm未満の場合、および、10000rpmよりも大きい場合に、最初失火制御が開始されるのを防ぐことができる。
この発明の第2の局面による船舶は、船体と、船体に設けられた船舶推進機と、を備え、船舶推進機は、エンジンと、エンジン回転数の吹け上がりを検出する吹け上がり検出部と、エンジン回転数を抑制する制御を行う制御部と、を含み、制御部は、吹け上がり検出手段の検出結果に基づいて、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するためにエンジンの気筒を失火するか否かを判断する最初失火制御を行うとともに、エンジン回転数の変化率ではなく吹け上がり検出手段の検出結果であるエンジン回転数に基づいて、最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するために気筒を失火するか否かを判断する後続失火制御を行うように構成されている。
この第2の局面による船舶では、上記のように、制御部を、吹け上がり検出手段の検出結果に基づいて、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するためにエンジンの気筒を失火するか否かを判断する最初失火制御を行うとともに、エンジン回転数の変化率ではなく吹け上がり検出手段の検出結果であるエンジン回転数に基づいて、最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数を抑制するために気筒を失火するか否かを判断する後続失火制御を行うように構成する。これによって、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がり、および、最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりを、互いに異なる制御である最初失火制御および後続失火制御により抑制することができる。すなわち、特にエンジン回転数の変化率が急に大きくなりやすくエンジン回転数が上昇しやすいオーバーレブの最初の吹け上がりに向けた失火制御と、後続の吹け上がりに向けた失火制御とを明確に切り分けることができる。また、後続失火制御ではエンジン回転数の変化率を考慮した気筒の失火が行われることがないため、後続のエンジン回転数の吹け上がりを抑制する際に、従来のような不要な失火が行われるのを抑制することができる。その結果、オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転数を安定させることができる。
上記第2の局面による船舶において、好ましくは、船舶推進機は、エンジン回転数を検出する回転数検出部をさらに含み、制御部は、エンジン回転数がエンジンのスロットル弁の開度が略全開となる全開回転数以上の所定の回転数である第1回転数未満から第1回転数以上になる変化があったと判断した場合に、最初失火制御を開始するように構成されている。このように構成すれば、エンジン回転数がエンジンのスロットル弁の開度が略全開となる全開回転数以上の所定の回転数である第1回転数未満から第1回転数以上になる変化があったことにより、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりの発生を容易に予測して、最初失火制御を開始することができる。
上記第2の局面による船舶において、好ましくは、制御部は、最初失火制御において、吹け上がり検出部の検出結果に基づいて、エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であると判断した場合に、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったとして、気筒を失火するように構成されている。このように構成すれば、エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であると判断することにより、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったことを精度よく判断することができる。このため、最初失火制御において、適切なタイミングで気筒を失火することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、最初失火制御において、エンジン回転数が所定の終了条件を満たしたと判断した場合に、最初失火制御を終了して、後続失火制御を開始するように構成されている。このように構成すれば、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数の吹け上がりが終わるとともに、オーバーレブとなる後続のエンジン回転数の吹け上がりが始まるタイミングで後続失火制御を開始することができる。
上記所定の終了条件を満たした場合に最初失火制御を終了して後続失火制御を開始する構成において、好ましくは、制御部は、エンジン回転数が所定の終了条件を満たしていないと判断した場合に、再度、エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であるか否かを判断するように構成されている。このように構成すれば、最初失火制御において未だエンジン回転数が大きくなると予想される場合に、最初失火制御を終了することなく、気筒を失火するために、再度、エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であるか否かを判断することができる。
本発明によれば、上記のように、オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転数を安定させることができる。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
[実施形態]
(船舶の全体構成)
図1~図5を参照して、実施形態による船外機101を備える船舶100の構成について説明する。なお、船外機101は、特許請求の範囲の「船舶推進機」の一例である。
(船舶の全体構成)
図1~図5を参照して、実施形態による船外機101を備える船舶100の構成について説明する。なお、船外機101は、特許請求の範囲の「船舶推進機」の一例である。
図1に示すように、船舶100は、船体100aと、リモコンレバーLと、船外機101とを備えている。船外機101は、船体100aの船尾に設けられている。
本実施形態の船外機101(制御部5)は、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数N(図6参照)の吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数Nを抑制するためにエンジン1の気筒1aを失火するか否かを判断する最初失火制御を行うとともに、最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数Nの吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数Nを抑制するためにエンジン1の気筒1aを失火するか否かを判断する後続失火制御を行うように構成されている。
すなわち、本実施形態の船外機101(制御部5)は、エンジン回転数Nを抑制する制御として、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数Nの吹け上がりに向けた制御と、オーバーレブとなる後続のエンジン回転数Nの吹け上がりに向けた制御と、を切り分けることにより、各々の状況に適した制御を行うように構成されている。詳細については後述する。
船外機101(制御部5)は、オーバーレブの際に最初失火制御および後続失火制御を実行して、エンジン回転数Nが許容回転数を超えることを防ぐとともに、オーバーレブの際のエンジン回転数Nの変動幅を小さくするように構成されている。
(リモコンレバーの構成)
リモコンレバーLは、船外機101の駆動を操作するように構成されている。リモコンレバーLは、船外機101の中立状態(ニュートラル状態)、前進状態および後進状態を切り換えるための操作部である。また、リモコンレバーLは、船外機101のエンジン回転数N(推力)の大きさを調整するための操作部である。
リモコンレバーLは、船外機101の駆動を操作するように構成されている。リモコンレバーLは、船外機101の中立状態(ニュートラル状態)、前進状態および後進状態を切り換えるための操作部である。また、リモコンレバーLは、船外機101のエンジン回転数N(推力)の大きさを調整するための操作部である。
詳細には、リモコンレバーLは、ユーザの切換操作に基づいて、船外機101の中立状態、前進状態および後進状態を切り換える信号(中立信号、前進信号および後進信号)を船外機101の制御部5に送信するように構成されている。リモコンレバーLは、操作レバーL1と、レバーポジションセンサ(図示せず)とを備えている。
リモコンレバーLは、操作レバーL1が直上に延びる中立状態から前方に所定角度だけ傾斜されることにより、船外機101を中立状態から前進状態に切り換えるように構成されている。また、リモコンレバーLは、操作レバーL1が直上に延びる中立状態から後方に所定角度だけ傾斜されることにより、船外機101を中立状態から後進状態に切り換えるように構成されている。
リモコンレバーLは、ユーザの切換操作に基づいて、船外機101のスロットル弁10の開度を変更するための信号を制御部5に送信するように構成されている。
(船外機の構成)
図2および図3に示すように、船外機101は、船体100aの船尾に1つのみ設けられている。船外機101は、エンジン1と、ドライブシャフト2と、プロペラ3aが設けられたプロペラシャフト3と、回転数検出部4と、制御部5とを備えている。
図2および図3に示すように、船外機101は、船体100aの船尾に1つのみ設けられている。船外機101は、エンジン1と、ドライブシャフト2と、プロペラ3aが設けられたプロペラシャフト3と、回転数検出部4と、制御部5とを備えている。
(船外機の「エンジン」の構成)
エンジン1は、船外機本体の最上部に位置するカウルCの内部に配置されている。エンジン1は、プロペラ3aを駆動させるトルクを発生させるように構成されている。一例ではあるがエンジン1は、4つの気筒1aを有するV型エンジンである(図2では2つの気筒1aのみを図示している)。なお、エンジンは、V型エンジンではなく、直列エンジンなどであってもよい。
エンジン1は、船外機本体の最上部に位置するカウルCの内部に配置されている。エンジン1は、プロペラ3aを駆動させるトルクを発生させるように構成されている。一例ではあるがエンジン1は、4つの気筒1aを有するV型エンジンである(図2では2つの気筒1aのみを図示している)。なお、エンジンは、V型エンジンではなく、直列エンジンなどであってもよい。
エンジン1は、スロットル弁10と、燃料噴射装置11と、点火装置12と、クランクシャフト13とを備えている。
スロットル弁10は、燃焼室に供給される吸気通路内に設けられ、吸気通路の開度値(開度割合)を自在に変更可能に構成されている。スロットル弁10は、開度値を変更することにより、燃焼室に供給される空気量を調整するように構成されている。スロットル弁10の開度値が大きくなると船外機101のエンジン回転数N(推力)が大きくなり、スロットル弁10の開度値が小さくなると船外機101のエンジン回転数Nが小さくなる。スロットル弁10は、リモコンレバーLからの信号を取得した制御部5により開度値が変わるように駆動制御される。
燃料噴射装置11は、燃焼室に供給される吸気通路に設けられ、吸気通路内に燃料を噴射することにより、空気および燃料を混合させた混合気を生成するように構成されている。燃料噴射装置11には、燃料噴射装置11の燃料噴射に伴う負荷値を検出する負荷検出部11aが設けられている。負荷検出部11aの検出結果は制御部5により取得される。負荷検出部11aが検出した負荷値が大きくなると船外機101のエンジン回転数Nが大きくなり、負荷値が小さくなると船外機101のエンジン回転数Nが小さくなる。
点火装置12は、燃焼室内で圧縮された状態の混合気に点火するように構成されている。点火装置12は、制御部5により駆動制御される。
クランクシャフト13は、図示しない回転中心軸線周りに回転するように構成されている。クランクシャフト13は、コンロッド13aを介してピストン13bに接続されており、水平方向に往復移動するピストン13bの駆動力により回転するように構成されている。
ドライブシャフト2は、上端がクランクシャフト13に接続され、クランクシャフト13とともに回転するように構成されている。ドライブシャフト2の下端には、ベベルギア20が設けられている。ベベルギア20は、前進用ギア21aおよび後進用ギア21bの両方に常時噛み合っている。前進用ギア21aおよび後進用ギア21bは、プロペラシャフト3の回転中心軸線α周りに回転するように構成されている。前進用ギア21aおよび後進用ギア21bは、互いに逆方向に回転するように構成されている。
前進用ギア21aおよび後進用ギア21bの間には、ドッグクラッチ22が設けられている。船外機101は、ドッグクラッチ22が前進用ギア21aおよび後進用ギア21bのいずれにも噛み合わない状態では、プロペラ3aが回転しない中立状態になる。
船外機101は、リモコンレバーLの操作に基づいて、シフトアクチュエータ22aによりドッグクラッチ22が前方に移動されて前進用ギア21aに噛み合うことによって、中立状態から、前進用ギア21a(エンジン1)の回転力がプロペラシャフト3に伝達される前進状態になる。
船外機101は、リモコンレバーLの操作に基づいて、シフトアクチュエータ22aによりドッグクラッチ22が後方に移動されて後進用ギア21bに噛み合うことによって、中立状態から、後進用ギア21b(エンジン1)の回転力がプロペラシャフト3に伝達される後進状態になる。
(船外機の「回転数検出部」の構成)
回転数検出部4は、エンジン回転数N(図6参照)を検出するように構成されている。回転数検出部4は、クランクシャフト13に設けられ、クランクシャフト13の回転状態を検出することによってエンジン回転数Nを検出するクランクセンサである。
回転数検出部4は、エンジン回転数N(図6参照)を検出するように構成されている。回転数検出部4は、クランクシャフト13に設けられ、クランクシャフト13の回転状態を検出することによってエンジン回転数Nを検出するクランクセンサである。
一例ではあるが、回転数検出部4は、非接触式の磁気センサである。回転数検出部4は、クランクシャフト13の回転方向の一部に設けられた複数の突起部40と、クランクシャフト13の回転方向の一部に設けられた非突起部41と、回転するクランクシャフト13の磁気を検出する磁気検出部42とを備えている。回転数検出部4は、クランクシャフト13の回転に伴って、突起部40に対向する状態と非突起部41に対向する状態とが切り換わることによって生じる磁気変動を磁気検出部42により検出することによって、エンジン回転数Nを検出するように構成されている。回転数検出部4の検出結果は制御部5により取得される。
なお、回転数検出部4は、後述する制御部5により実行される最初失火制御および後続失火制御を実行する際にエンジン回転数Nの吹け上がりがあったことを検出するために用いられる。
(船外機の「制御部」の構成)
制御部5は、制御回路として構成されており、CPU(Central Processing Unit)およびメモリなどの基板を含んでいる。制御部5は、ECU(Engine Control Unit)である。制御部5は、船体100aに設けられたリモコンレバーLや、ステアリングホイール(図示せず)などの各種操作部の操作に基づいて船外機101の駆動を制御するように構成されている。
制御部5は、制御回路として構成されており、CPU(Central Processing Unit)およびメモリなどの基板を含んでいる。制御部5は、ECU(Engine Control Unit)である。制御部5は、船体100aに設けられたリモコンレバーLや、ステアリングホイール(図示せず)などの各種操作部の操作に基づいて船外機101の駆動を制御するように構成されている。
制御部5は、エンジン回転数Nを抑制する制御を行うように構成されている。たとえば、制御部5は、回転数検出部4の検出結果に基づいて、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数Nの吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数Nを抑制するためにエンジン1の気筒1aを失火するか否かを判断する最初失火制御を行うように構成されている。制御部5は、最初失火制御において、気筒1aの失火を行う場合、すべての気筒1a(4つの気筒1a)を失火する。
制御部5は、最初失火制御において、回転数検出部4の検出結果に基づいて、エンジン回転数Nの変化率を示す指標値が所定のしきい値Ha以上であると判断した場合に、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数Nの吹け上がりがあったとして、気筒1aを失火するように構成されている。上記指標値とは、エンジン回転数Nの変化率を算出するためのエンジン回転数Nである。なお、上記指標値は、エンジン回転数Nの変化率に連動して変化するエンジン1の燃料噴射装置11の負荷値、または、エンジン回転数Nの変化率に連動して変化するエンジン1のスロットル弁10の開度値であってもよい。
また、制御部5は、回転数検出部4の検出結果に基づいて、最初のエンジン回転数Nの吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数Nの吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数Nを抑制するために気筒1aを失火するか否かを判断する後続失火制御を行うように構成されている。制御部5は、後続失火制御において、気筒1aの失火を行う場合、エンジン回転数Nが大きい程、失火する気筒1aの数を増加させる。
なお、最初失火制御の終了後に最初失火制御が繰り返し実行されることはなく、最初失火制御の終了後には後続失火制御が開始される。
(最初失火制御および後続失火制御における制御処理)
次に、図6を参照して、制御部5が実行する最初失火制御および後続失火制御の制御処理についてフローチャートに沿って説明する。
次に、図6を参照して、制御部5が実行する最初失火制御および後続失火制御の制御処理についてフローチャートに沿って説明する。
ステップS1において、エンジン回転数Nがエンジン1のスロットル弁10の開度が略全開となる全開回転数以上の所定の回転数である第1回転数N1未満から第1回転数N1以上になる変化があったか否かを判断するように構成されている。第1回転数N1以上になる変化があった場合、ステップS2に進む。第1回転数N1以上になる変化がなかった場合、ステップS3に進む。一例ではあるが、上記第1回転数N1は、5000rpm以上10000rpm以下である。具体的な一例として、上記全開回転数は、8000rpmである。また、一例ではあるが、上記全開回転数は、7600rpmである。
ステップS2において、吹け上がり判定=1に設定される。その後、ステップS3に進む。
ステップS3において、エンジン回転数Nが所定の終了条件を満たしたか否かが判断される。
詳細には、ステップS3において、2つの終了条件の少なくとも1つを満たすか否かについて判断して、2つの終了条件の少なくとも1つを満たす場合に、ステップS4に進む。2つの終了条件のいずれも満たさない場合に、ステップS5に進む。2つの終了条件の少なくとも1つを満たすか否かについて判断とは、以下の2つの終了条件についての判断である。
1つ目の終了条件として、ステップS3において、エンジン回転数Nの変化率Hが所定の変化率Hb以下に変化したか否かが判断される(図4参照)。一例ではあるが、所定の変化率Hbは、0である。すなわち、エンジン回転数Nの回転数の上昇が止まったか否かが判断される。なお、エンジン回転数Nの変化率Hとは、直近の微小時間当たりのエンジン回転数Nの変化量を意味する。エンジン回転数Nの変化率H[rpm/ms]は、微小時間Δt[ms(ミリ秒)]によって、微小時間Δt内に変化するエンジン回転数ΔN[rpm]を除する(割る)ことにより、算出される。すなわち、エンジン回転数Nの変化率Hとは、エンジン回転数Nの傾きの瞬時値である。
2つ目の終了条件として、ステップS3において、エンジン回転数Nが第2回転数N2よりも大きくなったか否かが判断される(図5参照)。一例ではあるが、第2回転数N2は、10000rpmである。第2回転数N2は、少なくとも、後述する第4失火回転数N14よりも大きい。
ステップS4において、吹け上がり判定=0に設定される。その後、ステップS5に進む。
ステップS5において、回転数検出部4の検出結果に基づいて、エンジン回転数Nの変化率Hが所定のしきい値Ha以上であるか否かが判断される。一例ではあるが、所定のしきい値Haは、102rpm/msである。エンジン回転数Nの変化率Hが所定のしきい値Ha以上である場合、ステップS6に進み、エンジン回転数Nの変化率Hが所定のしきい値Ha未満である場合、ステップS8に進む。
ステップS6において、最初失火制御判定=1に設定される。その後、ステップS7に進む。
ステップS7において、すべての気筒1aが失火される。これにより、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数Nの吹け上がりが抑制される。その後、リターンに進み、ステップS1に戻る。なお、失火とは、吸気、圧縮、爆発、排気が繰り返されるエンジン1のサイクルの中で、爆発を1度だけ行わないことを意味する。
ステップS8において、最初失火制御判定=0に設定される。その後、ステップS9に進む。
ここで、制御部5は、ステップS9~S16の後続失火制御において、エンジン回転数Nが第1回転数N1よりも大きい所定の回転数である失火回転数以上である場合に、気筒1aを失火するように構成されている。失火回転数は、第1失火回転数N11と、第1失火回転数N11よりも大きい第2失火回転数N12と、第2失火回転数N12よりも大きい第3失火回転数N13と、第3失火回転数N13よりも大きい第4失火回転数N14とを含んでいる。一例ではあるが、第2失火回転数N12と第3失火回転数N13との差は、第1失火回転数N11と第2失火回転数N12との差よりも大きい。また、第3失火回転数N13と第4失火回転数N14との差は、第1失火回転数N11と第2失火回転数N12との差よりも大きい。
具体的な一例として、第1失火回転数N11は、8100rpmである。また、第2失火回転数N12は、8150rpmである。また、第3失火回転数N13は、8600rpmである。また、第4失火回転数N14は、8800rpmである。以下、ステップS9~S16について順に説明する。
ステップS9において、エンジン回転数Nが第4失火回転数N14以上であるか否かが判断される。エンジン回転数Nが第4失火回転数N14以上である場合、ステップS10に進み、エンジン回転数Nが第4失火回転数N14未満である場合、ステップS11に進む。
ステップS10において、4つの気筒1aが失火される。その後、リターンに進み、ステップS1に戻る。
ステップS11において、エンジン回転数Nが第3失火回転数N13以上(第4失火回転数N14未満)であるか否かが判断される。エンジン回転数Nが第3失火回転数N13以上である場合、ステップS12に進み、エンジン回転数Nが第3失火回転数N13未満である場合、ステップS13に進む。
ステップS12において、3つの気筒1aが失火される。その後、リターンに進み、ステップS1に戻る。
ステップS13において、エンジン回転数Nが第2失火回転数N12以上(第3失火回転数N13未満)であるか否かが判断される。エンジン回転数Nが第2失火回転数N12以上である場合、ステップS14に進み、エンジン回転数Nが第2失火回転数N12未満である場合、ステップS15に進む。
ステップS14において、2つの気筒1aが失火される。その後、リターンに進み、ステップS1に戻る。
ステップS15において、エンジン回転数Nが第1失火回転数N11以上(第2失火回転数N12未満)であるか否かが判断される。エンジン回転数Nが第1失火回転数N11以上である場合、ステップS16に進む。エンジン回転数Nが第1失火回転数N11未満である場合、リターンに進み、ステップS1に戻る。
ステップS16において、1つの気筒1aが失火される。そして、ステップS1に戻る。なお、制御部5は、エンジン回転数Nが第1回転数N1未満になったと判断した場合に、後続失火制御を終了するように構成されている。
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、制御部5を、回転数検出部4の検出結果に基づいて、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数Nの吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数Nを抑制するためにエンジン1の気筒1aを失火するか否かを判断する最初失火制御を行うとともに、エンジン回転数Nの変化率Hではなく回転数検出部4の検出結果であるエンジン回転数Nに基づいて、最初のエンジン回転数Nの吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数Nの吹け上がりがあったと判断した場合に、エンジン回転数Nを抑制するために気筒1aを失火するか否かを判断する後続失火制御を行うように構成する。これによって、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数Nの吹け上がり、および、最初のエンジン回転数Nの吹け上がりに続いてオーバーレブとなる後続のエンジン回転数Nの吹け上がりを、互いに異なる制御である最初失火制御および後続失火制御により抑制することができる。すなわち、特にエンジン回転数Nの変化率Hが急に大きくなりやすくエンジン回転数Nが上昇しやすいオーバーレブの最初の吹け上がりに向けた失火制御と、後続の吹け上がりに向けた失火制御とを明確に切り分けることができる。また、後続失火制御ではエンジン回転数Nの変化率Hを考慮した気筒1aの失火が行われることがないため、後続のエンジン回転数Nの吹け上がりを抑制する際に、従来のような不要な失火が行われるのを抑制することができる。その結果、オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転数Nを安定させることができる。
本実施形態では、上記のように、エンジン回転数Nを検出する回転数検出部4をさらに備え、制御部5は、エンジン回転数Nがエンジン1のスロットル弁10の開度が略全開となる全開回転数以上の所定の回転数である第1回転数N1未満から第1回転数N1以上になる変化があったと判断した場合に、最初失火制御を開始するように構成されている。これによって、エンジン回転数Nがエンジン1のスロットル弁10の開度が略全開となる全開回転数以上の所定の回転数である第1回転数N1未満から第1回転数N1以上になる変化があったことにより、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数Nの吹け上がりの発生を容易に予測して、最初失火制御を開始することができる。
本実施形態では、上記のように、制御部5は、最初失火制御において、回転数検出部4の検出結果に基づいて、エンジン回転数Nの変化率Hを示す指標値が所定のしきい値Ha以上であると判断した場合に、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数Nの吹け上がりがあったとして、気筒1aを失火するように構成されている。これによって、エンジン回転数Nの変化率Hを示す指標値が所定のしきい値Ha以上であると判断することにより、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数Nの吹け上がりがあったことを精度よく判断することができる。このため、最初失火制御において、適切なタイミングで気筒1aを失火することができる。
本実施形態では、上記のように、制御部5は、最初失火制御において、エンジン回転数Nが所定の終了条件を満たしたと判断した場合に、最初失火制御を終了して、後続失火制御を開始するように構成されている。これによって、オーバーレブとなる最初のエンジン回転数Nの吹け上がりが終わるとともに、オーバーレブとなる後続のエンジン回転数Nの吹け上がりが始まるタイミングで後続失火制御を開始することができる。
本実施形態では、上記のように、制御部5は、エンジン回転数Nが所定の終了条件を満たしていないと判断した場合に、再度、エンジン回転数Nの変化率Hを示す指標値が所定のしきい値Ha以上であるか否かを判断するように構成されている。これによって、最初失火制御において未だエンジン回転数Nが大きくなると予想される場合に、最初失火制御を終了することなく、気筒1aを失火するために、再度、エンジン回転数Nの変化率Hを示す指標値が所定のしきい値Ha以上であるか否かを判断することができる。
本実施形態では、上記のように、制御部5は、最初失火制御において、エンジン回転数Nの変化率Hを示す指標値が所定の変化率H以下に変化した場合に、エンジン回転数Nが所定の終了条件を満たしたと判断するように構成されている。これによって、オーバーレブとなる後続のエンジン回転数Nの吹け上がりが始まるタイミングで、最初失火制御を終了して、後続失火制御を開始することができる。
本実施形態では、上記のように、制御部5は、最初失火制御において、エンジン回転数Nの変化率Hを示す指標値が0以下に変化した場合に、エンジン回転数Nが所定の終了条件を満たしたと判断するように構成されている。これによって、エンジン回転数Nの増加が止まるタイミングで、最初失火制御を終了して、後続失火制御を開始することができる。
本実施形態では、上記のように、エンジン回転数Nを検出する回転数検出部4をさらに備え、制御部5は、最初失火制御において、エンジン回転数Nが第2回転数N2よりも大きくなった場合に、または、エンジン回転数Nが第2回転数N2よりも大きくなった後に第2回転数N2以下となった場合に、エンジン回転数Nが所定の終了条件を満たしたと判断するように構成されている。これによって、到達することを回避しなければならない許容回転数を考慮した第2回転数N2を基準として、最初失火制御から後続失火制御に切り換えることができる。
本実施形態では、上記のように、エンジン1は、複数の気筒1aを含み、制御部5は、最初失火制御において、エンジン回転数Nの変化率Hを示す指標値が所定のしきい値以上であると判断した場合に、すべての気筒1aを失火するように構成されている。これによって、すべての気筒1aを失火することにより、エンジン回転数Nが急に上昇するオーバーレブの最初の吹け上がりを効果的に抑制することができる。
本実施形態では、上記のように、エンジン1は、複数の気筒1aを含み、制御部5は、最初失火制御において、エンジン回転数Nの変化率Hを示す指標値が所定のしきい値Ha以上であると判断した場合に、エンジン回転数Nの変化率Hを示す指標値が大きい程、失火する気筒1aの数を増加させるように構成されている。これによって、最初失火制御において、エンジン回転数Nの変化率Hが特に大きくなる場合や、特に小さくなる場合に、失火する気筒1aの数を変動させることができる。このため、オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転数Nをより安定させることができる。
本実施形態では、上記のように、エンジン回転数Nの変化率Hを示す指標値は、エンジン回転数Nの変化率Hを算出するためのエンジン回転数N、エンジン回転数Nの変化率Hに連動して変化するエンジン1の燃料噴射装置11の負荷値、および、エンジン回転数Nの変化率Hに連動して変化するエンジン1のスロットル弁10の開度値のいずれかである。これによって、検出可能な指標値が異なる種々の仕様のエンジン1において、気筒1aを失火する制御を行うことができる。
本実施形態では、上記のように、制御部5は、後続失火制御において、エンジン回転数Nが第1回転数N1よりも大きい所定の回転数である失火回転数以上である場合に、気筒1aを失火するように構成されている。これによって、後続失火制御における失火回転数を比較的大きく設定することにより、後続失火制御ではエンジン回転数Nを比較的大きな値で維持することができる。
本実施形態では、上記のように、エンジン1は、4つの気筒1aを含み、失火回転数は、第1失火回転数N11と、第1失火回転数N11よりも大きい第2失火回転数N12と、第2失火回転数N12よりも大きい第3失火回転数N13と、第3失火回転数N13よりも大きい第4失火回転数N14とを含み、制御部5は、後続失火制御において、エンジン回転数Nが第1失火回転数N11以上第2失火回転数N12未満である場合に、1つの気筒1aを失火するように構成され、後続失火制御において、エンジン回転数Nが第2失火回転数N12以上第3失火回転数N13未満である場合に、2つの気筒1aを失火するように構成され、後続失火制御において、エンジン回転数Nが第3失火回転数N13以上第4失火回転数N14未満である場合に、3つの気筒1aを失火するように構成され、後続失火制御において、エンジン回転数Nが第4失火回転数N14以上である場合に、4つの気筒1aを失火するように構成され、第2失火回転数N12と第3失火回転数N13との差、および、第3失火回転数N13と第4失火回転数N14との差は、第1失火回転数N11と第2失火回転数N12との差よりも大きい。これによって、第1失火回転数N11および第2失火回転数N12に対して、第3失火回転数N13および第4失火回転数N14を比較的大きいエンジン回転数Nにすることができるので、後続失火制御において、エンジン回転数Nを大きく減少させる気筒数の多い失火を抑制することができる。その結果、オーバーレブの吹け上がり時においてエンジン回転数Nをより安定させることができる。
本実施形態では、上記のように、制御部5は、エンジン回転数Nが第1回転数N1未満になったと判断した場合に、後続失火制御を終了するように構成されている。これによって、エンジン回転数Nを基準として、オーバーレブとなる後続のエンジン回転数Nの吹け上がりが収まったことを判断して、後続失火制御を終了することができる。
本実施形態では、上記のように、第1回転数N1は、5000rpm以上10000rpm以下である。これによって、エンジン回転数Nが5000rpm未満の場合、および、10000rpmよりも大きい場合に、最初失火制御が開始されるのを防ぐことができる。
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明の船舶推進機を、船外機により構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、船舶推進機を、船内機、船内外機またはジェット推進機などにより構成してもよい。
また、上記実施形態では、船体に船外機を1つのみ設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、船体に船外機を複数設けてもよい。
また、上記実施形態では、船外機のエンジンの気筒の数を4つにした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、船外機のエンジンの気筒の数を4つとは異なる数にしてもよい。
また、上記実施形態では、エンジン回転数の変化率が所定の変化率以下に変化したこと、および、エンジン回転数が第2回転数よりも大きくなったこと、の少なくとも1つを満たすことを、最初失火制御の終了条件とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、エンジン回転数の変化率が所定の変化率以下に変化したこと、および、エンジン回転数が第2回転数よりも大きくなった後に第2回転数以下となったこと、の少なくとも1つを満たすことを、最初失火制御の終了条件としてもよい。この他に、エンジン回転数の変化率が所定の変化率以下に変化したことのみを、最初失火制御の終了条件としてもよい。また、エンジン回転数が第2回転数よりも大きくなったことのみを、最初失火制御の終了条件としてもよい。また、上記の最初失火制御の終了条件には、最初失火制御が開始されてから所定時間経過したこと、がさらに含まれていてもよい。すなわち、最初失火制御が開始されてから所定時間経過した場合、タイムアップにより最初失火制御を終了してもよい。
また、上記実施形態では、制御部を、最初失火制御において、エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であると判断した場合に、すべての気筒を失火する制御を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部を、最初失火制御において、エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であると判断した場合に、エンジン回転数の変化率を示す指標値が大きい程、失火する気筒の数を増加させるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、本発明の吹け上がり検出手段を、回転数検出部とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、吹け上がり検出手段を、燃料噴射装置の負荷検出部や、スロットル弁の開度値を変更するECUとしてもよい。
1 エンジン
1a 気筒
4 回転数検出部(吹け上がり検出部)
5 制御部
10 スロットル弁
11 燃料噴射装置
100 船舶
100a 船体
101 船外機(船舶推進機)
H (エンジン回転数の)変化率
N エンジン回転数
N1 第1回転数
N2 第2回転数
N11 第1失火回転数
N12 第2失火回転数
N13 第3失火回転数
N14 第4失火回転数
1a 気筒
4 回転数検出部(吹け上がり検出部)
5 制御部
10 スロットル弁
11 燃料噴射装置
100 船舶
100a 船体
101 船外機(船舶推進機)
H (エンジン回転数の)変化率
N エンジン回転数
N1 第1回転数
N2 第2回転数
N11 第1失火回転数
N12 第2失火回転数
N13 第3失火回転数
N14 第4失火回転数
Claims (20)
- エンジンと、
エンジン回転数の吹け上がりを検出する吹け上がり検出部と、
前記エンジン回転数を抑制する制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記吹け上がり検出手段の検出結果に基づいて、オーバレブとなる最初の前記エンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、前記エンジン回転数を抑制するために前記エンジンの気筒を失火するか否かを判断する最初失火制御を行うとともに、
前記吹け上がり検出手段の検出結果に基づいて、前記最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いて前記オーバレブとなる後続の前記エンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、前記エンジン回転数を抑制するために前記気筒を失火するか否かを判断する後続失火制御を行うように構成されている、船舶推進機。 - 前記エンジン回転数を検出する回転数検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記エンジン回転数が前記エンジンのスロットル弁の開度が略全開となる全開回転数以上の所定の回転数である第1回転数未満から前記第1回転数以上になる変化があったと判断した場合に、前記最初失火制御を開始するように構成されている、請求項1に記載の船舶推進機。 - 前記制御部は、前記最初失火制御において、前記吹け上がり検出部の検出結果に基づいて、前記エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であると判断した場合に、前記オーバレブとなる前記最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったとして、前記気筒を失火するように構成されている、請求項1に記載の船舶推進機。
- 前記制御部は、前記最初失火制御において、前記エンジン回転数が所定の終了条件を満たしたと判断した場合に、前記最初失火制御を終了して、前記後続失火制御を開始するように構成されている、請求項3に記載の船舶推進機。
- 前記制御部は、前記エンジン回転数が前記所定の終了条件を満たしていないと判断した場合に、再度、前記エンジン回転数の変化率を示す前記指標値が前記所定のしきい値以上であるか否かを判断するように構成されている、請求項4に記載の船舶推進機。
- 前記制御部は、前記最初失火制御において、前記エンジン回転数の変化率を示す前記指標値が所定の変化率以下に変化した場合に、前記エンジン回転数が前記所定の終了条件を満たしたと判断するように構成されている、請求項4に記載の船舶推進機。
- 前記制御部は、前記最初失火制御において、前記エンジン回転数の変化率を示す前記指標値が0以下に変化した場合に、前記エンジン回転数が前記所定の終了条件を満たしたと判断するように構成されている、請求項6に記載の船舶推進機。
- 前記エンジン回転数を検出する回転数検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記最初失火制御において、前記エンジン回転数が第2回転数を超えた場合に、または、前記エンジン回転数が前記第2回転数よりも大きくなった後に前記第2回転数以下となった場合に、前記エンジン回転数が前記所定の終了条件を満たしたと判断するように構成されている、請求項4に記載の船舶推進機。 - 前記エンジンは、複数の前記気筒を含み、
前記制御部は、前記最初失火制御において、前記エンジン回転数の変化率を示す前記指標値が前記所定のしきい値以上であると判断した場合に、すべての前記気筒を失火するように構成されている、請求項3に記載の船舶推進機。 - 前記エンジンは、複数の前記気筒を含み、
前記制御部は、前記最初失火制御において、前記エンジン回転数の変化率を示す前記指標値が前記所定のしきい値以上であると判断した場合に、前記エンジン回転数の変化率を示す前記指標値が大きい程、失火する前記気筒の数を増加させるように構成されている、請求項3に記載の船舶推進機。 - 前記エンジン回転数の変化率を示す前記指標値は、前記エンジン回転数の変化率を算出するための前記エンジン回転数、前記エンジン回転数の変化率に連動して変化する前記エンジンの燃料噴射部の負荷値、および、前記エンジン回転数の変化率に連動して変化する前記エンジンのスロットル弁の開度値のいずれかである、請求項3に記載の船舶推進機。
- 前記制御部は、前記後続失火制御において、前記エンジン回転数が前記第1回転数よりも大きい失火回転数以上である場合に、前記気筒を失火するように構成されている、請求項2に記載の船舶推進機。
- 前記エンジンは、4つの前記気筒を含み、
前記失火回転数は、第1失火回転数と、前記第1失火回転数よりも大きい第2失火回転数と、前記第2失火回転数よりも大きい第3失火回転数と、前記第3失火回転数よりも大きい第4失火回転数とを含み、
前記制御部は、
前記後続失火制御において、前記エンジン回転数が前記第1失火回転数以上前記第2失火回転数未満である場合に、1つの前記気筒を失火するように構成され、
前記後続失火制御において、前記エンジン回転数が前記第2失火回転数以上前記第3失火回転数未満である場合に、2つの前記気筒を失火するように構成され、
前記後続失火制御において、前記エンジン回転数が前記第3失火回転数以上前記第4失火回転数未満である場合に、3つの前記気筒を失火するように構成され、
前記後続失火制御において、前記エンジン回転数が前記第4失火回転数以上である場合に、4つの前記気筒を失火するように構成され、
前記第2失火回転数と前記第3失火回転数との差、および、前記第3失火回転数と前記第4失火回転数との差は、前記第1失火回転数と前記第2失火回転数との差よりも大きい、請求項12に記載の船舶推進機。 - 前記制御部は、前記エンジン回転数が前記第1回転数未満になったと判断した場合に、前記後続失火制御を終了するように構成されている、請求項12に記載の船舶推進機。
- 前記第1回転数は、5000rpm以上10000rpm以下である、請求項2に記載の船舶推進機。
- 船体と、
前記船体に設けられた船舶推進機と、を備え、
前記船舶推進機は、
エンジンと、
エンジン回転数の吹け上がりを検出する吹け上がり検出部と、
前記エンジン回転数を抑制する制御を行う制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記吹け上がり検出手段の検出結果に基づいて、オーバレブとなる最初の前記エンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、前記エンジン回転数を抑制するために前記エンジンの気筒を失火するか否かを判断する最初失火制御を行うとともに、
前記吹け上がり検出手段の検出結果に基づいて、前記最初のエンジン回転数の吹け上がりに続いて前記オーバレブとなる後続の前記エンジン回転数の吹け上がりがあったと判断した場合に、前記エンジン回転数を抑制するために前記気筒を失火するか否かを判断する後続失火制御を行うように構成されている、船舶。 - 前記船舶推進機は、前記エンジン回転数を検出する回転数検出部をさらに含み、
前記制御部は、前記エンジン回転数が前記エンジンのスロットル弁の開度が略全開となる全開回転数以上の所定の回転数である第1回転数未満から前記第1回転数以上になる変化があったと判断した場合に、前記最初失火制御を開始するように構成されている、請求項16に記載の船舶。 - 前記制御部は、前記最初失火制御において、前記吹け上がり検出部の検出結果に基づいて、前記エンジン回転数の変化率を示す指標値が所定のしきい値以上であると判断した場合に、前記オーバレブとなる前記最初のエンジン回転数の吹け上がりがあったとして、前記気筒を失火するように構成されている、請求項16に記載の船舶。
- 前記制御部は、前記最初失火制御において、前記エンジン回転数が所定の終了条件を満たしたと判断した場合に、前記最初失火制御を終了して、前記後続失火制御を開始するように構成されている、請求項18に記載の船舶。
- 前記制御部は、前記エンジン回転数が前記所定の終了条件を満たしていないと判断した場合に、再度、前記エンジン回転数の変化率を示す前記指標値が前記所定のしきい値以上であるか否かを判断するように構成されている、請求項19に記載の船舶。
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---|---|---|---|
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JP2022068763A JP2023158781A (ja) | 2022-04-19 | 2022-04-19 | 船舶推進機および船舶 |
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JP2022068763A Pending JP2023158781A (ja) | 2022-04-19 | 2022-04-19 | 船舶推進機および船舶 |
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- 2022-04-19 JP JP2022068763A patent/JP2023158781A/ja active Pending
-
2023
- 2023-04-17 US US18/301,566 patent/US20230332554A1/en active Pending
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