JP2023157365A - プログラム、情報処理装置、方法及びシステム - Google Patents

プログラム、情報処理装置、方法及びシステム Download PDF

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Abstract

【課題】蓄積される健康診断の結果から、被験者の健康状態を高精度に予測するプログラム、情報処理装置、方法及びシステムを提供する。【解決手段】システムによる処理フローは、不特定多数の個人が受けた健康診断に関する第1情報を取得するステップと、不特定多数の個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報を取得するステップと、取得した第1情報と第2情報とを解析し、第1情報に含まれる検査項目と、第2情報に含まれる診断結果との関連性を取得するステップと、任意の個人についての第1情報の少なくとも一部を取得し、取得した情報と、関連性とに基づき、個人の健康状態を予測するステップとを実行させる。【選択図】図9

Description

本開示は、プログラム、情報処理装置、方法及びシステムに関する。
被験者の健康診断の結果を利用し、被験者の疾病の種類を予測する技術が存在する(特許文献1参照)。
特開2008-237377号公報
健康診断を受ける被験者は複数存在する。また、被験者が医療機関において診療を受ける機会も複数存在する。複数の被験者について、健康診断の結果に関する情報は健康診断の度に蓄積され、また、診療結果に関する情報は、診療の度に蓄積される。しかしながら、蓄積されていく情報が、所定の被験者の健康状態を予測するのに効率的に利用されていない。
本開示の目的は、蓄積される健康診断に関する情報、および診断に関する情報を活用し、被験者の健康状態を高精度に予測することである。
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、不特定多数の個人が受けた健康診断に関する第1情報を取得するステップと、不特定多数の個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報を取得するステップと、取得した第1情報と第2情報とを解析し、第1情報に含まれる検査項目と、第2情報に含まれる診断結果との関連性を取得するステップと、任意の個人についての第1情報の少なくとも一部を取得し、取得した情報と、関連性とに基づき、個人の健康状態を予測するステップとを実行させる。
本開示によれば、蓄積される健康診断の結果から、被験者の健康状態を高精度に予測できる。
システムの動作の概要を説明するための図である。 システムの全体の構成を示す図である。 端末装置の機能的な構成を示す図である。 解析装置の機能的な構成を示す図である。 データベースのデータ構造を示す図である。 データベースのデータ構造を示す図である。 データベースのデータ構造を示す図である。 データベースのデータ構造を示す図である。 システムにおける処理流れの一例を示すフローチャートである。 システムにおける処理流れの一例を示すフローチャートである。 端末装置で表示される画面の一例を表す模式図である。 端末装置で表示される画面の別の一例を表す模式図である。 端末装置で表示される画面の別の一例を表す模式図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
また、以下の説明において、「プロセッサ」は、1以上のプロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。
また、少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
また、以下の説明において、「xxxテーブル」といった表現により、入力に対して出力が得られる情報を説明することがあるが、この情報は、どのような構造のデータでもよいし、入力に対する出力を発生するニューラルネットワークのような学習モデルでもよい。従って、「xxxテーブル」を「xxx情報」と言うことができる。
また、以下の説明において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部又は一部が1つのテーブルであってもよい。
また、以下の説明において、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサによって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶部及び/又はインタフェース部などを用いながら行うため、処理の主語が、プロセッサ(或いは、そのプロセッサを有するコントローラのようなデバイス)とされてもよい。
プログラムは、計算機のような装置にインストールされてもよいし、例えば、プログラム配布サーバ又は計算機が読み取り可能な(例えば非一時的な)記録媒体にあってもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
また、以下の説明において、種々の対象の識別情報として、識別番号が使用されるが、識別番号以外の種類の識別情報(例えば、英字や符号を含んだ識別子)が採用されてもよい。
また、以下の説明において、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号(又は、参照符号のうちの共通符号)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、要素の識別番号(又は参照符号)を使用することがある。
また、以下の説明において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
<0 システムの概要>
図1は、本開示に係るシステムの動作の概要を示す図である。本開示のシステム1は、不特定多数の個人が受けた健康診断に関する第1情報と、健康診断を受けた不特定多数の個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報とを取得する。システム1は、第1情報と、第2情報とを解析することで、第1情報と第2情報との関連性を取得する。例えば、システム1は、第1情報に含まれる検査項目と、第2情報に含まれる診断結果との相関関係を取得する。システム1は、取得した相関関係に基づき、所定の被験者の健康診断の結果を入力とし、その被験者の状態を予測する。
システム1、またはシステム1外の所定のシステムは、不特定多数の個人の健康診断に関する第1情報を取得する。第1情報は、例えば、個人単位で取得する。
第1情報は、特定の個人が健康診断を受診した結果この健康診断を実施した機関が記録した情報であり、血液検査、血圧等各種検査の検査数値、心電図、X線診断、超音波診断等の複数の検査項目に関する情報を含む。健康診断に含まれる検査項目は、予め設定されていなくても構わない。医療機関毎に、または、個人毎に検査項目が異なっていてもよい。また、新たな検査項目が時代の変遷、技術の進歩に応じて追加されてもよい。第1情報は、年齢、身長、体重、人種、出生地、居住地等、その個人に特有の情報を含んでもよい。
また、システム1、またはシステム1外の所定のシステムは、不特定多数の個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報を取得する。第2情報は、例えば、個人単位で取得する。
第2情報は、例えば、特定の個人が医療機関を受診した結果この医療機関が個人に対する診断を行った結果に関する情報であり、例えば、糖尿病、高血圧等の疾患の名称を含む。個人が複数の疾患を診断されることもあり得る。第2情報は、年齢、身長、体重、人種、出生地、居住地等、その個人に特有の情報を含んでもよい。
第1情報に含まれる検査項目は、バイオマーカーと呼ばれる指標が含まれていてもよい。バイオマーカーとは、個人の疾患病態や生物的特徴の説明に役立つ測定指標であり、体重、血圧などの身体測定値や、コレステロールや尿酸等の血液検査値が含まれる。
なお、図1では、第1情報を特定、区別するためのアルファベットと、第2情報を特定、区別するためのアルファベットを共通にしている。従って、第1情報を有する個人と第2情報を有する個人は同一人物である。このように、第1情報を提供した個人と第2情報を提供した個人との関連性を特定する特定情報(この場合はアルファベット)を持つことで、後述する第1情報と第2情報との関連性の解析をより明確に行うことができる。なお、特定情報は図1に示すアルファベットに限定されない。
次いで、システム1は、取得した第1情報と第2情報とを解析することで、第1情報と、第2情報との相関関係を取得する。解析手法の詳細については後述する。相関関係は、検査項目と、診断結果とが関連性を有していることを表す。例えば図1に示す例では、検査項目1、検査項目2、検査項目3に異常がある個人は疾患D1と診断されることが多い、ということが表されている。相関関係には、将来的に対応する疾患に罹患する可能性はあるものの、現時点では罹患していない場合も含まれる。
そして、システム1は、取得した第1情報と第2情報との相関関係に、入力される個人の第1情報を適用し、この個人が現在患っている疾患、または将来的に患う可能性がある疾患を予測する。
<1 システム全体の構成図>
図2は、システム1の全体構成の例を示すブロック図である。図2に示すシステム1は、例えば、端末装置10、サーバ20、データサーバ30を含む。端末装置10、サーバ20及びデータサーバ30は、例えば、ネットワーク80を介して通信接続する。
図2において、システム1が端末装置10を1台含む例を示しているが、システム1に含まれる端末装置10の数は、1台に限定されない。端末装置10は、所有者自身の第1情報を提供し、この第1情報に基づいて予測される疾患の提示を希望する者が所持する端末である。
本実施形態において、複数の装置の集合体を1つのサーバとしてもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るサーバ20を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はサーバ20に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
図1に示す端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末でもよいし、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。
通信IF12は、端末装置10が、例えば、サーバ20等のシステム1内の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
メモリ15は、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
ストレージ16は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
データサーバ30は、例えば、ネットワーク80に接続されたコンピュータにより実現される。データサーバ30は、不特定多数の個人について実施された健康診断に関する第1情報を有する。また、データサーバ30は、不特定多数の個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報を有する。
図1において、データサーバ30は単体で設けられているが、ゲノム情報を有するサーバと身体情報を有するサーバとを別体にしてもよいし、複数の装置の集合体を1つのデータサーバ30としてもよい。
本実施形態において、データサーバ30は、不特定多数の個人から提供される第1情報受け取って格納してもよい。また、データサーバ30は、健康診断を実施した医療機関から提供される第1情報を受け取って格納してもよい。また、データサーバ30は、他のサーバが保持する第1情報を受け取って格納してもよい。データサーバ30は、受け取った第1情報を順次蓄積していく。
また、データサーバ30は、不特定多数の個人から提供される第2情報を受け取って格納してもよい。また、データサーバ30は、診断を行った医療機関から提供される第2情報を受け取って格納してもよい。また、データサーバ30は、他のサーバが保持する第2情報を受け取って格納してもよい。データサーバ30は、受け取った第2情報を順次蓄積していく。
データサーバ30は、また、第1情報を提供した個人と第2情報を提供した個人との間の関係性を特定する特定情報を有する。個人情報保護の観点から、この特定情報は個人が特定可能な情報(例えば氏名)ではなく、第1情報と第2情報との関係を一意に特定できる、匿名性を有する情報であることが好ましい。加えて、この特定情報には、第1情報及び/または第2情報を提供した個人間の血縁関係を示す情報が含まれる。特定情報についても、他のサーバから受け取ってもよいし、データサーバ30、またはサーバ20が、第1情報に紐付けられた、この第1情報を提供した個人に関する情報と、第2情報に紐付けられた、この第2情報を提供した個人に関する情報とに基づいて生成してもよい。
サーバ20は、データサーバ30に格納された第1情報と第2情報とを解析し、第1情報と第2情報との相関関係を取得する。この際、サーバ20は、特定情報に基づいて第1情報と第2情報とを解析し、これらの情報の関連性を取得することが好ましい。
本実施形態では、第1情報、第2情報及び特定情報はデータサーバ30に格納されているが、第1情報と第2情報もサーバ20に格納しておく構成も可能である。
サーバ20は、例えば、ネットワーク80に接続されたコンピュータ(情報処理装置)により実現される。図1に示すように、サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
通信IF22は、サーバ20が、例えば、端末装置10等のシステム1内の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対して情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM等の揮発性のメモリである。
ストレージ26は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDDである。
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
<1.1 端末装置の機能的な構成>
図3は、図2に示す端末装置10の機能的な構成の例を表すブロック図である。図3に示す端末装置10は、例えば、PC、携帯端末、またはウェアラブル端末により実現される。図3に示すように、端末装置10は、通信部120と、入力装置13と、出力装置14と、音声処理部17と、マイク171と、スピーカー172と、カメラ161と、位置情報センサ150と、記憶部180と、制御部190とを備える。端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
通信部120は、端末装置10が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部120は、制御部190で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、サーバ20)へ送信する。通信部120は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部190へ出力する。
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、または情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、キーボード、マウス、リーダー等により実現されてもよい。端末装置10が携帯端末等である場合には、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチ・センシティブ・デバイス131等により実現される。入力装置13は、ユーザから入力される指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御部190へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部190の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
音声処理部17は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部17は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部17は、音声信号をスピーカー172へ与える。音声処理部17は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部17へ与える。スピーカー172は、音声処理部17から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
カメラ161は、受光素子により光を受光し、撮影信号として出力するためのデバイスである。
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。位置情報センサ150は、端末装置10が接続する無線基地局の位置から、端末装置10の現在の位置を検出してもよい。
記憶部180は、例えば、メモリ15、およびストレージ16等により実現され、端末装置10が使用するデータ、およびプログラムを記憶する。記憶部180は、例えば、健康診断情報181を記憶する。健康診断情報181は、端末装置10を所有する個人の健康診断に関する第1情報である。
制御部190は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより各種機能を実現する。制御部190は、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部191と、送受信部192と、提示制御部193としての機能を発揮する。
操作受付部191は、入力装置13から入力される指示、または情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部191は、キーボード、マウス等から入力される指示に基づく情報を受け付ける。
また、操作受付部191は、マイク171から入力される音声指示を受け付ける。具体的には、例えば、操作受付部191は、マイク171から入力され、音声処理部17でデジタル信号に変換された音声信号を受信する。操作受付部191は、例えば、受信した音声信号を分析して所定の名詞を抽出することで、ユーザからの指示を取得する。
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、送受信部192は、ユーザから入力された業務内容をサーバ20へ送信する。また、送受信部192は、ユーザに関する情報を、サーバ20から受信する。
提示制御部193は、サーバ20から提供された情報をユーザに対して提示するため、出力装置14を制御する。具体的には、例えば、提示制御部193は、サーバ20から送信される情報をディスプレイ141に表示させる。また、提示制御部193は、サーバ20から送信される情報をスピーカー172から出力させる。
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図4は、サーバ20の機能的な構成の例を示す図である。図4に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
記憶部202は、例えば、第1情報データベース(DB)2021と、第2情報DB2022と、特定情報DB2023と、関連性DB2024等とを有する。
第1情報DB2021は、データサーバ30から提供された第1情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
第2情報DB2022は、データサーバ30から提供された第2情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
特定情報DB2023は、データサーバ30から提供された特定情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
関連性DB2024は、制御部203の解析モジュール2036による解析で取得された、第1情報と第2情報との関連性を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより各種機能を実現する。制御部203は、例えば、プログラムに従って動作することにより、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、第1情報取得モジュール2033、第2情報取得モジュール2034、特定情報取得モジュール2035、解析モジュール2036、及び、提示モジュール2037として示す機能を発揮する。
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
第1情報取得モジュール2033は、データサーバ30から第1情報を取得する。第1情報取得モジュール2033は、取得した第1情報を第1情報DB2021に格納する。
第1情報取得モジュール2033による第1情報取得の時間間隔は任意であり、例えば定期的にデータサーバ30にアクセスし、前回アクセスして以降に第1情報が更新されていれば更新された第1情報を取得する、データサーバ30から第1情報更新の通知があったらデータサーバ30にアクセスし、更新された第1情報を取得する等、種々の手法がある。また、更新された第1情報のみならず、データサーバ30にアクセスする毎に、データサーバ30に格納されている第1情報を全て取得してもよい。
第2情報取得モジュール2034は、データサーバ30から第2情報を取得する。第2情報取得モジュール2034は、取得した第2情報を第2情報DB2022に格納する。
第2情報取得モジュール2034による第2情報取得の時間間隔は任意であり、例えば定期的にデータサーバ30にアクセスし、前回アクセスして以降に第2情報が更新されていれば更新された第2情報を取得する、データサーバ30から第2情報更新の通知があったらデータサーバ30にアクセスし、更新された第2情報を取得する等、種々の手法がある。また、更新された第2情報のみならず、データサーバ30にアクセスする毎に、データサーバ30に格納されている第2情報を全て取得してもよい。
特定情報取得モジュール2035は、データサーバ30から特定情報を取得する。特定情報取得モジュール2035は、取得した特定情報を特定情報DB2023に格納する。
解析モジュール2036は、第1情報取得モジュール2033、第2情報取得モジュール2034及び特定情報取得モジュール2035がデータサーバ30から取得し、第1情報DB2021、第2情報DB2022及び特定情報DB2023に格納した第1情報、第2情報及び特定情報に基づき、第1情報と第2情報とを解析する。解析モジュール2036は、この解析により、第1情報に含まれる検査項目と、第2情報に含まれる疾患との関連性(相関関係)を取得し、取得した関連性を関連性DB2024に格納する。
解析モジュール2036による、第1情報と第2情報と解析手法としては、周知かつ任意の手法から適宜選択されればよい。
第1情報と第2情報を解析する際に注意すべきことは、複数の検査項目が複数の疾患と関連し得ること、つまり、多次元の関連性を有することである。一例として、複数の検査項目が単一の疾患と関連することがある。逆に、単一の検査項目が複数の疾患と関連することもある。
古典的な、つまり機械学習を用いない、多次元の関連性を解析する多変量解析法として、主成分分析(PCA)、多次元尺度解析法(MDS)、正準相関分析(CCA)などが知られている。多変量解析法そのものは周知であるので、ここでの詳細な説明は行わない。
機械学習を用いた多次元の関連性を解析する手法も知られている。この場合、多次元の関連性をそのまま機械学習モデルに適用しても適切な推論結果が得られない可能性があるので、適切な(かつ公知の)次元削減手法を用いて、機械学習モデルに適用可能な(例えば2次元)次元にまで削減した後、機械学習モデルを用いて機械学習を行わせ、学習済みモデルを生成すればよい。なお、上述した主成分分析等も次元削減手法の一例である。
ここで、学習済みモデルは、モデル学習プログラムに従い、機械学習モデルに機械学習を行わせることで生成されるモデルである。学習済みモデルは、例えば、入力されるデータに基づき、所定の推論を実施する、複数の関数が合成されたパラメータ付き合成関数である。パラメータ付き合成関数は、複数の調整可能な関数およびパラメータの組合せにより定義される。本実施形態に係る学習済みモデルは、上記の要請を満たす如何なるパラメータ付き合成関数であってもよい。
例えば、学習済みモデルが順伝播型の多層化ネットワークを用いて生成される場合、パラメータ付き合成関数は、例えば、重み行列を用いた各層間の線形関係、各層における活性化関数を用いた非線形関係(または線形関係)、およびバイアスの組み合わせとして定義される。重み付行列、およびバイアスは、多層化ネットワークのパラメータと呼ばれる。パラメータ付き合成関数は、パラメータをどのように選ぶかで、関数としての形を変える。多層化ネットワークでは、構成するパラメータを適切に設定することで、出力層から好ましい結果を出力することが可能な関数を定義することができる。
本実施形態に係る多層化ネットワークとしては、例えば、深層学習(Deep Learning)の対象となる多層ニューラルネットワークである深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network:DNN)が用いられ得る。
本実施形態に適用されて好適な学習済みモデルは、適切に次元が削減された第1情報と第2情報とに基づいて、これら第1情報と第2情報との関連性を出力するように学習されたモデルである。
さらに、解析モジュール2036は、特定情報に基づいて第1情報と第2情報とを解析し、相関関係を取得してもよい。つまり、解析モジュール2036は、個人単位での第1情報と第2情報との関連性を解析することができる。
さらに、解析モジュール2036は、個人間の血縁関係に関する情報に基づいて、第1情報と第2情報との相関関係を取得してもよい。つまり、血縁関係があることで遺伝により特徴が共通する(引き継がれる)可能性が高いので、解析モジュール2036は、血縁関係にある個人の第1情報と第2情報との関連性が共通することを考慮し、第1情報と第2情報との関連性を取得することができる。
上述したように、第1情報取得モジュール2033及び第2情報取得モジュール2034は、データサーバ30に格納されている情報を所定周期で取得する。解析モジュール2036は、情報を取得する周期と同周期、または長い周期で、取得した第1情報と第2情報とを解析し、第1情報と第2情報との相関関係を取得する。また、解析モジュール2036は、所定の暦、所定容量の第1情報または第2情報が取得されたら、解析を実施してもよい。この際、解析モジュール2036は、新たに取得した第1情報と第2情報のみを解析するのではなく、新たに取得した第1情報と第2情報とを含めたすべての情報を解析することが好ましい。なお、演算量の削減を目的として、新たに取得した身体情報とゲノム情報との関連性を解析してもよい。
解析モジュール2036が取得する関連性は、1種類に限定されない。解析モジュール2036は、世代、性別等の全ての属性を含むように第1情報と第2情報との関連性を取得してもよいが、属性毎に関連性を取得してもよい。解析モジュール2036は、世代、性別等の属性毎に第1情報と第2情報とを解析し、その属性における第1情報と第2情報との関連性を取得してもよい。
提示モジュール2037は、端末装置10から提供された健康診断情報181に基づき、端末装置10を操作する個人の疾患又は将来発生し得る疾患を予測する。具体的には、例えば、提示モジュール2037は、端末装置10から個人の健康診断情報181を受け付け、この健康診断情報181を関連性DB2024と照合させることで、個人の疾患又は将来発生し得る疾患を予測する。また、解析モジュール2036により、第1情報と第2情報との相関関係に基づく学習済みモデルが作成されている場合、提示モジュール2037は、提供された健康診断情報181を学習済みモデルに入力し、個人の疾患又は将来発生し得る疾患を出力させる。提示モジュール2037は、予測した疾患に関する情報を、健康診断情報181を提供した個人に提示する。提示手法は周知の手法が好適に適用可能であり、一例として、端末装置10の出力装置14(ディスプレイ141)に疾患に関する情報を表示させる手法がある。
<2 データ構造>
図5~図8は、サーバ20が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。なお、図5~図8は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。
図5は、第1情報DB2021のデータ構造を示す図である。図5に示すように、第1情報DB2021のレコードの各々は、例えば、項目「第1情報ID」と、項目「健診日」と、項目「検査項目1」と、項目「検査項目2」とを含む。第1情報DB2021に記憶された情報は、データサーバ30から取得した情報である。第1情報DB2021が記憶する情報は、適宜変更・更新することが可能である。第1情報DB2021には、個人の属性を記憶する項目が含まれていてもよい。
項目「第1情報ID」は、健康診断を受信した個人を特定するためのIDである。ここで、個人情報保護の観点から、第1情報DB2021には、個人を特定するID(第1情報ID)として、個人情報に直接的に繋がらない、例えば、図5に示すような番号(あるいはアルファベット)のみを用いている。項目「健診日」は、個人が健康診断を行った日を特定するための情報である。項目「検査項目1」~項目「検査項目3」は、健康診断において検査された項目の値を記憶する項目である。
図6は、第2情報DB2022のデータ構造を示す図である。図6に示すように、第2情報DB2022のレコードの各々は、例えば、項目「第2情報ID」と、項目「診断日」と、項目「診断結果」とを含む。第2情報DB2022に記憶された情報も、データサーバ30から取得した情報である。第2情報DB2022が記憶する情報は、適宜変更・更新することが可能である。第2情報DB2022には、個人の属性を記憶する項目が含まれていてもよい。
項目「第2情報ID」は、診断を受けた個人を特定するためのIDである。ここで、個人情報保護の観点から、第2情報DB2022には、個人を特定するID(第2情報ID)として、個人情報に直接的に繋がらない、例えば、図6に示すような番号(あるいはアルファベット)のみを用いている。項目「診断日」は、個人が医療機関で所定の診断を受けた日を特定するための情報である。項目「診断結果」は、診断された疾患を記憶する項目である。診断される疾患としては、例えば、糖尿病、高血圧、癌、心筋梗塞等、種々の疾患が該当する。
図7は、特定情報DB2023のデータ構造を示す図である。図7に示すように、特定情報DB2023のレコードの各々は、例えば、項目「特定情報ID」と、項目「第1情報ID」と、「第2情報ID」と、「血縁関係ID」とを含む。特定情報DB2023に記憶された情報も、データサーバ30から取得した情報である。特定情報DB2023が記憶する情報は、適宜変更・更新することが可能である。
項目「特定情報ID」は、第1情報IDと第2情報IDとの繋がりを特定するための情報である。項目「第1情報ID」は第1情報DB2021の「第1情報ID」と同一の情報である。項目「第2情報ID」は第2情報DB2022の「第2情報ID」と同一の情報である。項目「血縁関係ID」は、第1情報IDにより特定される個人に対して血縁関係にある個人の第1情報IDである。
図8は、関連性DB2024のデータ構造を示す図である。図8に示すように、関連性DB2024のレコードの各々は、例えば、項目「検査項目」と、項目「疾患」と、項目「関連度」とを含む。関連性DB2024に記憶された情報は、第1情報DB2021、第2情報DB2022及び特定情報DB2023に基づいて解析モジュール2036が解析した結果が登録された情報である。関連性DB2024が記憶する情報は、適宜変更・更新することが可能である。
項目「検査項目」は、第1情報DB2021の「検査項目」のいずれかと同一の情報である。図8に示す例では、例えば、「項目1」のように、項目名が記憶されているが、「検査項目」で記憶される情報は、項目名に限定されない。項目名に加え、該当する検査項目の検査値についての条件が記憶されてもよい。例えば、「項目1、X以上」のように、記憶されてもよい。項目「疾患」は、解析モジュール2036による解析の結果、項目「検査項目」により特定される検査項目と相関関係があると判断された疾患に関する情報を記憶する。図8に示す例では、検査項目と疾患とが一対一で対応する場合を示しているが、これに限定されない。複数の検査項目と単一の疾患とが相関関係にある場合もあり得る。また、単一の検査項目と複数の疾患とが相関関係にある場合もあり得る。項目「関連度」は、解析モジュール2036による解析の結果として求められた、項目「検査項目」により特定される検査項目と項目「疾患」により特定される疾患との関連性を百分率(%)で表した情報である。
<3 動作例>
以下、サーバ20の動作の一例について説明する。
図9は、サーバ20の動作の一例を表すフローチャートである。図9は、データサーバ30に格納された第1情報、第2情報及び特定情報に基づいて、第1情報と第2情報との相関関係を取得する際の動作の例を表すフローチャートである。
ステップS11において、制御部203は、データサーバ30に格納された第1情報を取得する処理を行う。具体的には、例えば、制御部203は、第1情報取得モジュール2033によりデータサーバ30から複数の第1情報を取得し、取得した複数の第1情報を記憶部202の第1情報DB2021に格納する。好ましくは、ステップS11において、制御部203は、前回のステップS11で取得した第1情報と比較して、データサーバ30に新たに蓄積された第1情報を取得し、第1情報DB2021に格納する。
ステップS12において、制御部203は、データサーバ30に格納された第2情報を取得する処理を行う。具体的には、例えば、制御部203は、第2情報取得モジュール2034によりデータサーバ30から複数の第2情報を取得し、取得した複数の第2情報を記憶部202の第2情報DB2022に格納する。好ましくは、ステップS12において、制御部203は、前回のステップS12で取得した第2情報と比較して、データサーバ30に新たに蓄積された第2情報を取得し、第2情報DB2022に格納する。
ステップS13において、制御部203は、データサーバ30に格納された特定情報を取得する処理を行う。具体的には、例えば、制御部203は、特定情報取得モジュール2035によりデータサーバ30から複数の特定情報を取得し、取得した複数の特定情報を記憶部202の特定情報DB2023に格納する。
ステップS14において、制御部203は、学習データを作成する。具体的には、例えば、制御部203は、解析モジュール2036により、第1情報を入力データ、第2情報を正解出力データとした学習データを作成する。制御部203は、第1情報と、第2情報とを、特定情報により関連付ける。制御部203は、学習データに基づき、学習済みモデルのディープニューラルネットワークを学習させるための訓練データ、テストデータ、及び検証データ等のデータセットを作成する。
ステップS15において、制御部203は、第1情報と、第2情報とを解析し、第1情報と、第2情報との関連性を取得する。具体的には、例えば、制御部203は、解析モジュール2036(学習モジュールと称してもよい)により、ステップS14で作成した、学習済みモデルを学習させるためのデータセットに基づき、学習済みモデルのディープニューラルネットワークの学習パラメータを深層学習により学習させる。これにより、第1情報と第2情報とが関連付けられた学習済みモデルが生成される。なお、学習済みモデルが生成される場合、関連性DB2024は、学習済みモデルを格納してもよい。
学習済みモデルは、世代、性別等の全ての属性を含むような単一の学習済みモデルでもよいが、属性毎に生成されてもよい。例えば、制御部203は、データベースに記憶される第1情報と第2情報から、属性に関する第1情報と第2情報とを抽出する。制御部203は、抽出した第1情報と第2情報とに基づき、学習データを作成し、作成した学習データに基づき、学習済みモデルのディープニューラルネットワークを学習させる。これにより、取得される関連性の精度が向上することになる。
制御部203は、第1情報DB2021に記憶されている全ての第1情報と、第2情報DB2022に記憶されている全ての第2情報とを用いて学習データを作成し、この学習データを用いて学習済みモデルを生成してもよい。また、更新された第1情報、または第2情報が順次提供される場合、更新された情報を学習データとして、生成済みの学習済みモデルを再学習してもよい。
ステップS16において、制御部203は、ステップS15で関連性を取得してから一定時間経過したか否かを判定する。判定の結果、一定時間を経過したと判定したら(ステップS16においてYES)、制御部203はステップS11に戻り、第1情報を再度取得する。一方、一定時間を経過していないと判定したら(ステップS16においてNO)、ステップS16を繰り返す。
なお、図9に示す例では一定時間を経過したか否かをステップS16の判定基準としていたが、判定基準はこの例に限定されない。一例として、制御部203は第1情報DB2021または第2情報DB2022を参照し、前回、関連性取得処理を実施した日付以降の取得日に係る第1情報または第2情報が存在するか否か(つまり第1情報または第2情報が追加取得されたか否か)を判定基準としてもよい。
また、ステップS11~S16の動作を繰り返す際に、ステップS11、S12、S13を全て実行する必要はなく、少なくとも一つのステップを実行してもよい。また、ステップS14、ステップS15についても、サンプルが所定数蓄積された場合に実施するようにしてもよい。
図10は、サーバ20の動作の他の例を表すフローチャートである。図10は、特定の個人に対して、その個人が所有する端末装置10に格納された健康診断情報181に対し、現在罹患中の疾患または将来罹患し得る疾患を予測して個人に提示する際の動作の例を表すフローチャートである。
ステップS21において、制御部203は、端末装置10からの健康診断情報181の提供(入力)を待つ。そして、判定の結果、端末装置10から健康診断情報181の提供があったら(ステップS21においてYES)、ステップS22に進む。
ステップS22では、制御部203は、ステップS21で提供された健康診断情報181に基づいて、現在罹患中の疾患または将来罹患し得る疾患を予測する。例えば、制御部203は、提示モジュール2037により端末装置10から提供された健康診断情報181を受け入れ、この健康診断情報181を、第1情報と第2情報との解析により生成した学習済みモデルに入力する。学習済みモデルから、入力された健康診断情報181に含まれる検査項目の値に応じた疾患に関する情報が出力される。つまり、学習済みモデルから、個人の健康状態に関する情報が出力される。
ステップS23では、制御部203は、予測した情報を、健康診断情報181を提供した個人が所有する端末装置10に提示する。具体的には、例えば、制御部203は、学習済みモデルから出力された情報を、健康診断情報181を提供した個人に提示する。
<4 画面例>
以下、端末装置10から出力される画面の一例を、図11~図14を参照して説明する。
図11は、端末装置10を操作する個人が受けた健康診断に関する第1情報、及び当該個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報をシステム1へ提供することに同意するか否かの判断を入力するための画面である。
端末装置10を操作する個人が自ら希望して、または、システム1からの要望に応じて、自身の第1情報、第2情報をシステム1に提供する際には、図11に示す画面1200が端末装置10のディスプレイ141に表示される。個人が第1情報及び第2情報の提供を希望する場合、個人は「はい」ボタン1201をタッチする等して入力操作を行う。
一方、個人が第1情報及び第2情報の提供を希望しない場合、個人は「キャンセル」ボタン1202をタッチする等して入力操作を行う。「はい」ボタン1201に対するタッチ等の入力操作があると、端末装置10を操作する個人の第1情報及び第2情報がサーバ20に送出され、それぞれ第1情報DB2021及び第2情報DB2022に格納される。あるいは、第1情報及び第2情報を格納する外部のサーバからデータサーバ30へ第1情報と第2情報とが提供される。サーバ20は、図9のステップS11、S12で示したように、データサーバ30から第1情報と第2情報とを取得する。
図11では、第1情報(健康診断情報)と第2情報(診断情報)との提供に対して同意するか否かを入力するための画面を示したが、同意に関する入力の画面は、これに限定されない。第1情報の提供について同意するか否かを入力する画面と、第2情報の提供について同意するか否かを入力する画面とが別々であってもよい。
また、提供する情報についての指定には言及していないが、端末装置10を操作する個人は、提供する情報の範囲、例えば、時期、情報の種類等を指定できるようにしてもよい。具体的には、例えば、個人は、健康診断結果における所定の検査項目の値について提供しないように選択できてもよい。また、所定の期間に作成された第1情報または第2情報について提供しないように選択できてもよい。また、診断結果に含まれる所定の疾患について提供しないように選択できてもよい。
図12は、端末装置10のディスプレイ141で表示される画面の一例を表す模式図である。図12に示す画面は、端末装置10に格納されている、端末装置10を操作する個人の健康診断情報181をサーバ20に提供して解析を希望する際に、この端末装置10のディスプレイ141に表示される画面の一例である。
端末装置10の所有者が、端末装置10(の記憶部180)に格納されているアプリケーションソフトウェアを立ち上げると、図12に示す画面1300が表示される。所有者が、自身の健康診断情報181に基づき、健康状態の予測を希望する場合、所有者は「はい」ボタン1301をタッチする等して入力操作を行う。一方、所有者が健康状態の予測を希望しない場合、所有者は「キャンセル」ボタン1302をタッチする等して入力操作を行う。
「はい」ボタン1301に対するタッチ等の入力操作があると、端末装置10は記憶部180に格納されている健康診断情報181をサーバ20に送信し、自身の健康診断情報181をサーバ20に提供する。なお、第1情報は、必ずしも端末装置10に記憶されている必要はない。第1情報は、外部サーバに記憶されていてもよい。「はい」ボタン1301に対するタッチ等の入力操作があると、外部サーバに記憶されている第1情報が、サーバ20に提供されるか、データサーバ30を介してサーバ20に提供される。 をサーバ20に送信し、自身の健康診断情報181をサーバ20に提供する。
図13は、端末装置10で表示される画面の別の一例を表す模式図である。図13に示す画面は、図12において端末装置10の所有者の第1情報がサーバ20に提供され、この第1情報に基づいて出力された健康状態の予測結果が端末装置10のディスプレイ141に表示される画面の一例である。
図13に示す画面1400には、健康状態の予測結果として、将来的に罹患の可能性がある疾患の一例(図示例では「糖尿病」「高血圧」)が表示されている。
なお、図11~図13に示す画面例はあくまでも一例であり、端末装置10のディスプレイ141に表示される内容はこれら画面例のものに限定されない。
以上のように、本実施形態に係るサーバ20の制御部203は、第1情報取得モジュール2033により、不特定多数の個人が受けた健康診断に関する第1情報を取得する。制御部203は、第2情報取得モジュール2034により、不特定多数の個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報を取得する。制御部203は、解析モジュール2036により、取得した第1情報と第2情報とを解析し、第1情報に含まれる検査項目と、第2情報に含まれる診断結果との関連性を取得する。制御部203は、提示モジュール2037により、任意の個人についての第1情報の少なくとも一部を取得し、取得した情報と、関連性とに基づき、個人の健康状態を予測する。これにより、サーバ20は、医療機関等で取得されて蓄積される第1情報と、第2情報とに基づき、第1情報と第2情報との関連性を取得し、取得した関連性を用いて個人の健康状態を予測することが可能となる。
また、上記実施形態では、第1情報、および前記第2情報には、個人の属性を表す情報が含まれている。解析モジュール2036は、属性に応じた関連性を取得する。これにより、精度の高い関連性を取得できるため、健康状態の予測精度が向上する。
また、上記実施形態では、解析モジュール2036は、個人の血縁関係を参照して関連性を取得する。これにより、精度の高い関連性を取得できるため、健康状態の予測精度が向上する。
また、上記実施形態では、第1情報取得モジュール2033は、第1のタイミングで、新たに追加された第1情報を取得する処理を繰り返す。第2情報取得モジュール2034は、第2のタイミングで、新たに追加された第2情報を取得する処理を繰り返す。解析モジュール2036は、第3タイミングで、新たに取得した情報を含む第1情報と第2情報とを解析し、関連性を繰り返し取得する。第3タイミングは、第1情報または第2情報を取得したタイミング、所定周期、所定の暦、または所定容量の情報を蓄積したタイミングを含む。これにより、サーバ20は、最新の関連性を取得することが可能となり、健康状態の予測精度が向上する。
また、上記実施形態では、第1情報取得モジュール2033は、健康診断を受けた個人からの同意があると、当該個人についての第1情報を取得する。第2情報取得モジュール2034は、診断された個人からの同意があると、当該個人についての第2情報を取得する。これにより、個人の情報が保護されることになり、蓄積された情報が不当に利用されることを防ぐことが可能になる。
また、上記実施形態では、解析モジュール2036は、取得した第1情報を入力データ、第2情報を正解出力データとして学習させた学習済みモデルを生成することで、関連性を取得する。これにより、健康状態を予測する精度が向上する。
<5 実施形態の効果>
以上詳細に説明したように、本実施形態のシステム1によれば、蓄積される健康診断に関する情報、および診断に関する情報を活用し、被験者の健康状態を高精度に予測できる。また、第1情報と、第2情報との解析を繰り返して、関連性を取得するようにしている。このため、検査項目と、疾患との新たな関連性を取得することが可能となり、健康診断における種々の検査の重要性が高まることになる。
<6 変形例>
上記実施形態では、提示モジュール2037が、サーバ20で実現される場合を説明した。しかしながら、提示モジュール2037は、端末装置10で実現されてもよい。この場合、関連性DB2024で記憶される関連性、または、解析に基づいて生成された学習済みモデルが端末装置10に記憶されるようになる。端末装置10の制御部190は、健康診断情報に、記憶部180に記憶する関連性または学習済みモデルを適用し、操作者の健康状態を予測する。
また、上記実施形態では、学習済みモデルから、現在罹患していると予測される疾患、または将来罹患するおそれのある疾患が出力される。学習済みモデルから出力されるのは、この出力に限定されない。学習済みモデルからは、疾患が予測される確度、またはその疾患が予測されると判断された原因としての検査項目が出力されてもよい。このような出力が可能であれば、学習済みモデルの学習手法は限定されない。
<7 付記>
なお、上記した実施形態は本開示を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。また、上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
また、本実施例に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、不特定多数の個人が受けた健康診断に関する第1情報を取得するステップと、不特定多数の個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報を取得するステップと、取得した第1情報と第2情報とを解析し、第1情報に含まれる検査項目と、第2情報に含まれる診断結果との関連性を取得するステップと、任意の個人についての第1情報の少なくとも一部を取得し、取得した情報と、関連性とに基づき、個人の健康状態を予測するステップとを実行させるプログラム。
(付記2)
第1情報、および第2情報には、個人の属性を表す情報が含まれており、関連性を取得するステップにおいて、属性に応じた関連性を取得する(付記1)に記載のプログラム。
(付記3)
関連性を取得するステップにおいて、個人の血縁関係を参照して関連性を取得する(付記1)又は(付記2)に記載のプログラム。
(付記4)
第1情報を取得するステップにおいて、第1のタイミングで、新たに追加された第1情報を取得する処理を繰り返し、第2情報を取得するステップにおいて、第2のタイミングで、新たに追加された第2情報を取得する処理を繰り返し、関連性を取得するステップにおいて、第3タイミングで、新たに取得した情報を含む第1情報と第2情報とを解析し、関連性を繰り返し取得する(付記1)乃至(付記3)のいずれかに記載のプログラム。
(付記5)
第3タイミングは、第1情報または第2情報を取得したタイミング、所定周期、所定の暦、または所定容量の情報を蓄積したタイミングである(付記4)に記載のプログラム。
(付記6)
第1情報を取得するステップにおいて、健康診断を受けた個人からの同意があると、当該個人についての第1情報を取得し、第2情報を取得するステップにおいて、診断された個人からの同意があると、当該個人についての第2情報を取得する(付記1)乃至(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
(付記7)
関連性を取得するステップにおいて、取得した第1情報を入力データ、第2情報を正解出力データとして学習させた学習済みモデルを生成することで、関連性を取得する(付記1)乃至(付記6)のいずれかに記載のプログラム。
(付記8)
プロセッサとメモリとを備えたコンピュータにより実行される方法であって、プロセッサは、不特定多数の個人が受けた健康診断に関する第1情報を取得するステップと、不特定多数の個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報を取得するステップと、取得した第1情報と第2情報とを解析し、第1情報に含まれる検査項目と、第2情報に含まれる診断結果との関連性を取得するステップと、任意の個人についての第1情報の少なくとも一部を取得し、取得した情報と、関連性とに基づき、個人の健康状態を予測するステップとを実行する方法。
(付記9)
プロセッサとメモリとを備えた情報処理装置であって、プロセッサは、不特定多数の個人が受けた健康診断に関する第1情報を取得するステップと、不特定多数の個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報を取得するステップと、取得した第1情報と第2情報とを解析し、第1情報に含まれる検査項目と、第2情報に含まれる診断結果との関連性を取得するステップと、任意の個人についての第1情報の少なくとも一部を取得し、取得した情報と、関連性とに基づき、個人の健康状態を予測するステップとを実行する情報処理装置。
(付記10)
不特定多数の個人が受けた健康診断に関する第1情報を取得する手段と、不特定多数の個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報を取得する手段と、取得した第1情報と第2情報とを解析し、第1情報に含まれる検査項目と、第2情報に含まれる診断結果との関連性を取得する手段と、任意の個人についての第1情報の少なくとも一部を取得し、取得した情報と、関連性とに基づき、個人の健康状態を予測する手段とを具備するシステム。
1…システム、10…端末装置、20…サーバ、29…プロセッサ、30…データサーバ、80…ネットワーク、181…健康診断情報、202…記憶部、203…制御部、2021…第1情報DB、2022…第2情報DB、2024…関連性DB、2023…特定情報DB、2031…受信制御モジュール、2032…送信制御モジュール、2033…第1情報取得モジュール、2034…第2情報取得モジュール、2035…特定情報取得モジュール、2036…解析モジュール、2037…提示モジュール

Claims (10)

  1. プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、
    前記プログラムは、前記プロセッサに、
    不特定多数の個人が受けた健康診断に関する第1情報を取得するステップと、
    不特定多数の個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報を取得するステップと、
    取得した前記第1情報と前記第2情報とを解析し、前記第1情報に含まれる検査項目と、前記第2情報に含まれる診断結果との関連性を取得するステップと、
    任意の個人についての前記第1情報の少なくとも一部を取得し、取得した情報と、前記関連性とに基づき、前記個人の健康状態を予測するステップと
    を実行させるプログラム。
  2. 前記第1情報、および前記第2情報には、個人の属性を表す情報が含まれており、
    前記関連性を取得するステップにおいて、前記属性に応じた関連性を取得する請求項1記載のプログラム。
  3. 前記関連性を取得するステップにおいて、前記個人の血縁関係を参照して前記関連性を取得する請求項1記載のプログラム。
  4. 前記第1情報を取得するステップにおいて、第1のタイミングで、新たに追加された第1情報を取得する処理を繰り返し、
    前記第2情報を取得するステップにおいて、第2のタイミングで、新たに追加された第2情報を取得する処理を繰り返し、
    前記関連性を取得するステップにおいて、第3タイミングで、新たに取得した情報を含む前記第1情報と前記第2情報とを解析し、前記関連性を繰り返し取得する請求項1記載のプログラム。
  5. 前記第3タイミングは、第1情報または第2情報を取得したタイミング、所定周期、所定の暦、または所定容量の情報を蓄積したタイミングである請求項4記載のプログラム。
  6. 前記第1情報を取得するステップにおいて、健康診断を受けた個人からの同意があると、当該個人についての第1情報を取得し、
    前記第2情報を取得するステップにおいて、診断された個人からの同意があると、当該個人についての第2情報を取得する請求項1記載のプログラム。
  7. 前記関連性を取得するステップにおいて、取得した前記第1情報を入力データ、前記第2情報を正解出力データとして学習させた学習済みモデルを生成することで、前記関連性を取得する請求項1記載のプログラム。
  8. プロセッサとメモリとを備えたコンピュータにより実行される方法であって、
    前記プロセッサは、
    不特定多数の個人が受けた健康診断に関する第1情報を取得するステップと、
    不特定多数の個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報を取得するステップと、
    取得した前記第1情報と前記第2情報とを解析し、前記第1情報に含まれる検査項目と、前記第2情報に含まれる診断結果との関連性を取得するステップと、
    任意の個人についての前記第1情報の少なくとも一部を取得し、取得した情報と、前記関連性とに基づき、前記個人の健康状態を予測するステップと
    を実行する方法。
  9. プロセッサとメモリとを備えた情報処理装置であって、
    前記プロセッサは、
    不特定多数の個人が受けた健康診断に関する第1情報を取得するステップと、
    不特定多数の個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報を取得するステップと、
    取得した前記第1情報と前記第2情報とを解析し、前記第1情報に含まれる検査項目と、前記第2情報に含まれる診断結果との関連性を取得するステップと、
    任意の個人についての前記第1情報の少なくとも一部を取得し、取得した情報と、前記関連性とに基づき、前記個人の健康状態を予測するステップと
    を実行する情報処理装置。
  10. 不特定多数の個人が受けた健康診断に関する第1情報を取得する手段と、
    不特定多数の個人が医療機関において受診した診断に関する第2情報を取得する手段と、
    取得した前記第1情報と前記第2情報とを解析し、前記第1情報に含まれる検査項目と、前記第2情報に含まれる診断結果との関連性を取得する手段と、
    任意の個人についての前記第1情報の少なくとも一部を取得し、取得した情報と、前記関連性とに基づき、前記個人の健康状態を予測する手段と
    を具備するシステム。
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