JP2023156856A - シールド掘進機とシールド掘進機における測定値校正方法 - Google Patents

シールド掘進機とシールド掘進機における測定値校正方法 Download PDF

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計夫 高見沢
Kazuo Takamizawa
智之 志田
Tomoyuki Shida
幸子 赤坂
Yukiko Akasaka
一成 平川
Kazunari Hirakawa
謙介 木村
Kensuke Kimura
添文 董
Tianwen Dong
安弘 森
Yasuhiro Mori
雄士 塚本
Yuji Tsukamoto
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Abstract

【課題】シールド掘進機における少なくとも排土の密度を精緻に特定することができ、掘削土の過剰取り込みとこれに起因する地表面の沈下(もしくは陥没)を抑制できる、シールド掘進機とシールド掘進機における測定値校正方法を提供する。【解決手段】回転軸33と、回転軸33の周囲に装着されている螺旋状の羽根34とを備えているスクリュー32と、スクリュー32を回転自在に収容する筒体31とにより形成される、スクリューコンベア30が、掘削土を取り込んで排土を生成するチャンバ13に連通している、シールド掘進機100であり、ラジオアイソトープを用いて排土の密度と含水量を測定する、RI密度測定器40が、筒体31の外周に設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、シールド掘進機とシールド掘進機における測定値校正方法に関する。
土圧式シールド工法においては、切羽を安定させ、影響範囲にある地表面における沈下や陥没を防止しながらシールド掘進機の掘進を行うことが重要であり、そのために、掘削土の過剰な取り込みを抑制し、シールド掘進機のチャンバ内に取り込んだ掘削土に添加される添加材の逸脱量を把握することが肝要となる。シールド掘進機においては、スクリューと、スクリューを回転自在に収容する筒体とにより形成されるスクリューコンベアがチャンバに連通しており、チャンバ内において掘削土が添加材とともに撹拌されて生成された排土がスクリューコンベアに排出され、スクリューコンベアを介してシールド掘進機の後方に搬送される。
上記する掘削土の過剰取り込みは、掘削土もしくは排土の体積を精緻に特定できていないことに依拠するが、排土の体積はその質量を密度にて除することにより算定されることから、掘削土もしくは排土の密度を精緻に特定することが極めて重要になる。
ここで、特許文献1,2には、ラジオアイソトープ(RI:Radioisotope、放射性同位元素)を用いて掘削土の密度と含水量を測定し、シールド掘進機(ここではシールド機)に取り込んだ排土を管理する技術が開示されている。特許文献1に記載のシールド機は、シールド筒の前部に隔壁を設け、この隔壁を介して切羽室が設けられ、この切羽室の前方に掘削具が設けられ、かつ切羽室の後方に排土装置が接続されたシールド機において、切羽室内土砂の密度と含水量を測定するラジオアイソトープを用いた密度・水分測定器が、隔壁に設けられている。
一方、特許文献2に記載のシールド機は、チャンバ内に設けられた、泥土中を回転して回転トルクを測定する回転軸と、回転軸を駆動する駆動装置とからなる塑性流動化測定装置を備えたシールド機であり、回転体の内部に、RI密度・水分計線源を封入し、回転トルクの他に泥土の密度・含水比を測定するようにしている。
特開平5-263584号公報 特開2003-97181号公報
特許文献1,2に記載のシールド機はいずれも、チャンバ内にラジオアイソトープを用いた密度・水分測定器を設置し、チャンバ内で撹拌される掘削土の密度や水分量を計測する技術である。より具体的には、チャンバの前方にカッタスポークがあり、カッタスポークの前方には切羽(地山)が存在するが、チャンバの隔壁に設置された線源から放射線(ガンマ線や中性子)を放射し、カッタスポークやその前方にある切羽にて反射してきた放射線を検出器にて検出している。
そのため、切羽やカッタスポークの影響が測定値に反映され、また、チャンバ内で撹拌されている掘削土はその密度が安定していないことから、排土の密度を正しく測定できるとは言い難い。
本発明は、シールド掘進機における少なくとも排土の密度を精緻に特定することができ、掘削土の過剰取り込みとこれに起因する地表面の沈下を抑制できる、シールド掘進機とシールド掘進機における測定値校正方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明によるシールド掘進機の一態様は、
回転軸と、該回転軸の周囲に装着されている螺旋状の羽根とを備えているスクリューと、該スクリューを回転自在に収容する筒体とにより形成される、スクリューコンベアが、掘削土を取り込んで排土を生成するチャンバに連通している、シールド掘進機であって、
ラジオアイソトープを用いて前記排土の密度と含水量を測定する、RI密度測定器が、前記筒体の外周に設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、ラジオアイソトープを用いて排土の密度を測定するRI密度測定器が、スクリューコンベアを構成する筒体の外周に設けられていることにより、スクリューコンベアを通過する密度が安定した(一定の)排土の密度を測定することができ、このことにより、掘削土の過剰取り込みとこれに起因する地表面の沈下を抑制することができる。
スクリューコンベアの内部には回転しているスクリューが存在することから、スクリューコンベアの筒体の外周にRI密度測定器を設置して排土の密度を測定する場合、回転するスクリューが密度の測定を阻害する恐れがある。このことに関し、本発明者等による検証によれば、回転するスクリューがある場合、回転していない(静止している)スクリューがある場合のいずれのケースにおいても、排土の密度を高い精度で測定できることが実証されている。従来技術においては、スクリューの存在が排土の密度測定を阻害することを懸念し、従ってチャンバ内で撹拌される掘削土の密度を測定していたものと推察されるが、本発明では、本発明者等による上記検証結果に基づき、例えば内部でスクリューが回転しているスクリューコンベアを通過する排土の密度を測定することとしている。
また、本発明によるシールド掘進機の他の態様は、
ラジオアイソトープを用いて前記排土の含水量を測定する、RI水分測定器が、前記筒体の外周にさらに設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、排土の含水量を測定する、RI水分測定器が筒体の外周にさらに設けられていることにより、排土の性状をより高精度に特定することが可能になる。
また、本発明によるシールド掘進機の他の態様は、
前記RI密度測定器と前記RI水分測定器が、線源と、放射線検出器とを備え、
前記筒体の外周において、前記RI密度測定器を構成する前記線源と前記放射線検出器が、前記スクリューの前記回転軸を通る直線上の二点以外の二点に設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、筒体の外周において、RI密度測定器を構成する線源(ガンマ線源)と放射線検出器(ガンマ線検出器)が、スクリューの回転軸を通る直線上の二点以外の二点に設けられていることにより、線源から放射されたガンマ線が放射線検出器に到達する過程でスクリューの回転軸に阻害されることを抑制できる。
ここで、「スクリューの回転軸を通る直線上の二点以外の二点」とは、筒体(スクリューの回転軸)の軸直交方向の同一断面において、直径上にある二点以外の二点(例えば、相互に90度、120度の角度関係にある位置)や、筒体の軸方向に離れた二点において、二点を直線で結んだ際に直線が回転軸に交差しない二点を含んでいる。
尚、仮にガンマ線がガンマ線検出器に到達する過程でスクリューの回転軸を通過する場合でも、高い精度で排土の密度を測定できるものと推察されるが、スクリューの回転軸にガンマ線が干渉しないことにより、密度の測定精度をより一層高めることが可能になる。
また、RI水分測定器に関しては、線源(中性子線源)と放射線検出器(中性子線検出器)を相互に離した状態で筒体の外周に設置する必要がないことから、RI密度測定器のような設置の工夫は不要である。
また、本発明によるシールド掘進機の他の態様において、
前記シールド掘進機は、測定値校正装置をさらに有し、
前記測定値校正装置は、
前記RI密度測定器と前記RI水分測定器による測定値を校正する、校正式を格納する、格納部と、
実施工の際に、前記測定値を前記校正式に適用して、前記排土の密度と含水量に関する校正値を求める、校正部とを有することを特徴とする。
本態様によれば、測定値校正装置において、RI密度測定器とRI水分測定器による測定値を校正式に適用して、排土の密度と含水量に関する校正値を求めることにより、放射線の強度(計数率)に関する測定値に対して、放射線強度の減衰に対する補正を行うことにより特定された校正値(排土の密度や含水量)を求めることができる。RI測定器は、ラジオアイソトープから放射された放射線を利用した間接測定器であることから、予め密度や含水量が既知の物質と比較対象校正を行い、密度や含水量に対する放射線の強度の関係式、すなわち校正式を求めておき、実際の測定値を校正式に適用して密度や含水量を求めることが必要になる。
また、本発明によるシールド掘進機における測定値校正方法の一態様は、
前記シールド掘進機において、測定値を校正する測定値校正方法であって、
前記スクリューコンベアと同仕様の模擬スクリューコンベアに対して前記RI密度測定器と前記RI水分測定器を適用して、試験的に排土した際に該RI密度測定器と該RI水分測定器にて測定した、試験測定値と、試験時における該排土の密度と含水量に関する実測値の双方に基づいて前記校正式を設定することを特徴とする。
本態様によれば、実施工で適用されるスクリューコンベアと同仕様の模擬スクリューコンベアに対して、RI密度測定器とRI水分測定器を適用して試験測定値を求め、この試験測定値と、試験時の排土の密度と含水量に関する実測値の双方に基づいて校正式を設定することにより、実施工で適用されるシールド掘進機のスクリューコンベアに対応した高精度の校正式に基づいて、実施工の際の排土の密度や含水量を高精度に求めることが可能になる。
ここで、「実施工で適用されるスクリューコンベアと同仕様」とは、筒体の径(寸法)や肉厚、スクリューの回転軸や螺旋状の羽根の形状及び寸法等が同じであることを意味している。筒体の外周にRI密度測定器やRI水分測定器を設置して、筒体の内部を通過する排土の密度や含水量を測定することから、筒体の径や肉厚は特に重要な要素となる。
また、「試験時の排土の密度と含水量に関する実測値」とは、試験時にスクリューコンベアを通過させる排土を、別途モールド等に入れてその湿潤密度や含水量(もしくは含水比)を測定した際の値を意味している。
また、本発明によるシールド掘進機における測定値校正方法の他の態様は、
前記模擬スクリューコンベアに対して、実施工の際の前記スクリューコンベアに対する設置位置と同じ位置に、前記RI密度測定器と前記RI水分測定器を設置することを特徴とする。
本態様によれば、模擬スクリューコンベアに対して、実施工の際のスクリューコンベアに対する設置位置と同じ位置にRI密度測定器とRI水分測定器を設置することにより、実施工で適用されるスクリューコンベアに加えて、実施工の際のRI密度測定器とRI水分測定器の設置位置に対応した、より一層高精度の校正式に基づいて、実施工の際の排土の密度や含水量をより一層高精度に求めることが可能になる。
また、原寸大模型での予備計測やマシン製作工場での事前計測、作業所でのマシン組み立て時においても、予備計測が可能になる。この予備計測としては、スクリューケーシング内が空洞の場合や、スクリューケーシング内に水を満たした場合、あるいはスクリューケーシング内にベントナイト溶液や模擬土砂などを充填した場合で予備計測し、校正式の精度を上げることができる。
また、本発明によるシールド掘進機における測定値校正方法の他の態様は、
前記筒体と前記スクリューの規模に応じて、前記線源と前記放射線検出器との間の角度を鋭角にして双方の離間を短くすることを特徴とする。
本態様によれば、筒体とスクリューの規模に応じて線源と放射線検出器との間の角度を鋭角にして双方の離間を短くすることにより、例えば、規模の大きなスクリューコンベアの場合においても、排土の密度や含水量を高精度に特定することができる。
本発明のシールド掘進機とシールド掘進機における測定値校正方法によれば、シールド掘進機における少なくとも排土の密度を精緻に特定することができ、掘削土の過剰取り込みとこれに起因する地表面の沈下を抑制できる。
実施形態に係るシールド掘進機の一例の縦断面図である。 スクリューコンベアの筒体の外周に対するRI密度測定器とRI水分測定器の設置形態の一例を示す斜視図である。 測定値校正装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 測定値校正装置の機能構成の一例を示す図である。 校正式特定実験において、所定配合の排土の密度と含水量を計測した実験結果を示すテーブルである。 校正式特定実験のうち、スクリューのない筒体の外周に設置されたRI密度測定器により設定された校正式に対応するグラフを示す図である。 校正式特定実験のうち、スクリューのない筒体の外周に設置されたRI密度測定器にて測定された測定値と実測値の相関を示すグラフである。 校正式特定実験のうち、無回転のスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周に設置されたRI密度測定器により設定された校正式に対応するグラフを示す図である。 校正式特定実験のうち、無回転のスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周に設置されたRI密度測定器にて測定された測定値と実測値の相関を示すグラフである。 校正式特定実験のうち、回転するスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周に設置されたRI密度測定器により設定された校正式に対応するグラフを示す図である。 校正式特定実験のうち、回転するスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周に設置されたRI密度測定器にて測定された測定値と実測値の相関を示すグラフである。 校正式特定実験のうち、スクリューのない筒体の外周、無回転のスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周、及び回転するスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周の、それぞれに設置されたRI水分測定器により設定された校正式に対応するグラフを示す図である。 室内実験のうち、スクリューのない筒体の外周、無回転のスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周、及び回転するスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周の、それぞれに設置されたRI水分測定器にて測定された測定値と実測値の相関を示すグラフである。
以下、実施形態に係るシールド掘進機とシールド掘進機における測定値校正方法について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[実施形態に係るシールド掘進機とシールド掘進機における測定値校正方法]
はじめに、図1乃至図4を参照して、実施形態に係るシールド掘進機とシールド掘進機における測定値校正方法の一例について説明する。ここで、図1は、実施形態に係るシールド掘進機の一例の縦断面図であり、図2は、スクリューコンベアの筒体の外周に対するRI密度測定器とRI水分測定器の設置形態の一例を示す斜視図である。
図示するシールド掘進機100は、シールド本体10と、シールド本体10の掘進方向前方に回転自在に取り付けられているカッタヘッド20とを有し、カッタヘッド20が複数のカッタスポーク22を備える、土圧式シールド掘進機(泥土圧式シールド掘進機を含む)である。ここで、シールド掘進機は、面板状のカッタヘッドを備えている、泥水式シールド掘進機であってもよい。また、シールド掘進機としては、前胴と後胴を備えた中折れ式のシールド掘進機であってもよい。さらに、図示例のシールド掘進機100は、大小様々な口径のシールド掘進機であってよい。
シールド本体10は、カッタヘッド20の後方に隔壁11(バルクヘッド)を備え、隔壁11とカッタヘッド20の間には、掘削された土砂(掘削土)を取り込むチャンバ13を備えており、隔壁11のチャンバ13に面する側面に複数の固定翼12が設けられ、カッタヘッド20のチャンバ13に面する背面に撹拌翼25が設けられている。チャンバ13の内部に取り込まれた掘削土に対して加泥材が供給され、カッタヘッド20の回転に応じて撹拌翼25を回転させることにより、固定翼12と回転する撹拌翼25にて掘削土が塑性流動化され、排土が生成される。
隔壁11の背面の中央近傍には、複数のカッタヘッド駆動用油圧モータ14が設けられ、隔壁11の背面の下方からシールド本体10の後方に亘り、チャンバ13に連通するスクリューコンベア30が傾斜した姿勢で延設しており、チャンバ13の内部において塑性流動化されて生成された排土は、スクリューコンベア30にてシールド掘進機100の後方に搬送されるようになっている。
シールド本体10の内周面には、複数のシールドジャッキ16が取り付けられており(図1では二基のシールドジャッキのみを図示)、シールド本体10の後方にあるエレクタ装置17により複数のセグメントSがリング状に組み付けられたセグメントリングに対して、シールドジャッキ16を伸張させ、セグメントリングを押圧することにより、シールド掘進機100が掘進方向に掘進されるようになっている。また、シールド本体10の後方内側には、複数箇所において、周方向に亘るテールシール(図示せず)が設けられており、設置されたセグメントリングに対してテールシールが常時摺接することにより、シールド本体10の止水性が確保される。
カッタヘッド20は、中央のボス部材24から径方向(放射状)に延設する複数のカッタスポーク22を備える。また、中央のフィッシュテール21やカッタスポーク22には、複数のカッタビット23が装着されており、カッタスポーク22の外周端にはコピーカッタ23Aが出没自在に装着されている。
チャンバ13にて生成された排土を受け取り、シールド掘進機100の後方へ排出するスクリューコンベア30は、回転軸33と、回転軸33の周囲に装着されている螺旋状の羽根34とを備えているスクリュー32と、スクリュー32をX1方向に回転自在に収容する筒体31と、スクリュー32を回転駆動する不図示の駆動源(駆動モータ)とにより形成される。
筒体31の外周には、スクリュー32のX1方向の回転に応じて、筒体31の後方へX2方向に搬送される排土の密度と含水量を、ラジオアイソトープを用いて測定する、RI密度測定器40とRI水分測定器50が設置されている。すなわち、シールド掘進機100では、排土の密度や含水量の測定に際して、スクリューコンベア30の内部で搬送される排土を測定対象としている。
RI密度測定器40は、ガンマ線を放射する線源46と、放射されたガンマ線を検出して排土の密度を測定する放射線検出器41とを有する。一方、RI水分測定器50は、中性子を放射する線源53と、放射された中性子を検出して排土の含水量を測定する放射線検出器52とを有する。ここで、現場における実際の排土の密度や含水量の測定は、一般にスクリューコンベア内に土砂が充満されている状態での測定になることから、線源46、53の筒体31の外周への設置位置の設定については、スクリューコンベア内に土砂が充満されている状態を前提として、測定可能な位置が選定される。尚、RI密度測定器40とRI水分測定器50に関しては、以下で詳説する。
シールド本体10の内部には、測定値校正装置60が装備されている。測定値校正装置60は、RI密度測定器40とRI水分測定器50によるそれぞれの測定値を校正式に適用し、排土の密度と含水量に関する校正値を求めることにより、排土の密度と含水量を特定するコンピュータである。ここで、測定値校正装置60はシールド掘進機100の内部に装備されている形態として以下説明するが、測定値校正装置60は地上にある不図示の管理棟に装備されてもよいし、シールド掘進機100と管理棟の双方に装備され、双方の測定値校正装置60がデータの送受信を可能に接続されてもよい。
図2に示すように、スクリューコンベア30の筒体31の外周において、回転軸33の軸方向Lに沿って離れた位置にRI密度測定器40とRI水分測定器50が設置される。
RI密度測定器40を構成する放射線検出器41は、ケース42の内部に、ステンレス製のシールド43と、ガンマ線検出器44と、高圧の電源45を有する。一方、RI密度測定器40を構成する線源46は、ケース47の内部にガンマ線源48を有する。ガンマ線源48から放射される放射性物質には、例えば、コバルト60(Co・60)等が適用できる。
このRI密度測定器40には、例えば、ソイルアンドロックエンジニアリング株式会社製のPIRICA-S1(ピリカエスワン、配管用RI密度計、PIRICAは登録商標)を適用できる。
一方、RI水分測定器50は、ケース51の内部に、中性子線検出器52と、中性子線源53が併設して収容されている。中性子線源53から放射される放射性物質には、例えば、カリフォルニウム252(cf-252)等が適用できる。
このRI水分測定器50には、例えば、ソイルアンドロックエンジニアリング株式会社製のCONG-II(コングツー、骨材表面水量計、SRM CONGは登録商標)を適用できる。
RI密度測定器40は、放射線検出器41と線源46が相互に分離していることから、例えば、筒体31の外周のうち、回転軸33の軸方向Lに直交する任意の断面上の二点に設置される。尚、シールド本体10における他の機器との関係で、同一断面上の二点に放射線検出器41と線源46を設置できない場合は、双方を軸方向Lにずれた二点に設置してもよい。
図2では、軸方向Lに直交する任意の断面上の二点に放射線検出器41と線源46を設置する場合において、具体的な三つの設置形態を図示している。一つの設置形態は、相互の角度θ1が90度の形態であり、他の設置形態は、相互の角度θ2が120度の形態と、角度θ3が180度の形態である。ここで、図2における放射線検出器41と線源46の位置は相互に入れ替わってもよい。また、放射線検出器41と線源46の相互の角度θが例えば60度程度の場合、放射線検出器41と線源46の間に鉛などの放射線遮蔽物を設置することにより、漏れ放射線を防ぎ、測定精度を向上させることができる。
角度θ1、θ2の設置形態では、筒体31の外周において、線源46と放射線検出器41が、スクリュー32の回転軸33を通る直線上の二点以外の二点に設けられることになる。一方、角度θ3の設置形態では、線源46と放射線検出器41が、スクリュー32の回転軸33を通る直線上(回転軸33と交差する)の二点に設けられることになる。
本発明者等による検証結果を以下で詳説するが、本検証によれば、線源46と放射線検出器41が、スクリュー32の回転軸33を通る直線上の二点以外の二点に設けられる設置形態では、排土の密度を高精度に測定できることが特定されている。また、線源46と放射線検出器41の間の距離が、排土の密度の測定精度に影響を与えることも特定されている。さらに、この検証結果から、仮に、線源46と放射線検出器41がスクリュー32の回転軸33を通る直線上の二点に設けられる設置形態(角度θ3の設置形態)の場合でも、排土の密度を高精度に測定できると推察される。
尚、RI水分測定器50による排土の含水量の測定に関しては、中性子線源53から放射された速中性子が排土に含まれる水分に衝突し、反射した熱中性子が中性子線源53に併設される中性子線検出器52にて検出されることから、筒体31の外周の任意の位置に設置してよい。
ガンマ線検出器44や中性子線検出器52では、排土を透過した放射線量を測定することにより、排土の密度と含水量に関する測定値を取得する。ガンマ線検出器44と中性子線検出器52にて取得された測定値データは、電気信号に変換され、不図示のケーブルを介して測定値校正装置60に入力される。ここで、電気信号に変換された測定値データが、無線方式にて測定値校正装置60に送信される形態であってもよい。
ここで、図3及び図4を参照して、測定値校正装置60について説明する。図3は、測定値校正装置のハードウェア構成の一例を示す図であり、図4は、測定値校正装置の機能構成の一例を示す図である。
図3に示すように、測定値校正装置60は、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の情報処理装置(コンピュータ)により構成される。測定値校正装置60を構成するコンピュータは、接続バス66により相互に接続されているCPU(Central Processing Unit)61、主記憶装置62、補助記憶装置63、入出力IF(interface)64、及び通信IF65を備えている。主記憶装置62と補助記憶装置63は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。尚、上記の構成要素はそれぞれ個別に設けられてもよいし、一部の構成要素を設けないようにしてもよい。
CPU61は、MPU(Microprocessor)やプロセッサとも呼ばれ、CPU61は、単一のプロセッサであってもよいし、マルチプロセッサであってもよい。CPU61は、コンピュータからなる測定値校正装置60の全体の制御を行う中央演算処理装置である。CPU61は、例えば、補助記憶装置63に記憶されたプログラムを主記憶装置62の作業領域にて実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器の制御を行うことにより、所定の目的に合致した機能を提供する。
主記憶装置62は、CPU61が実行するコンピュータプログラムや、CPU61が処理するデータ等を記憶する。主記憶装置62は、例えば、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。補助記憶装置63は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納し、外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶装置63には、例えば、OS(Operating System)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、例えば、通信IF65を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、ガンマ線検出器44や中性子線検出器52の他、例えばネットワークに接続する管理棟にある施工管理用のパーソナルコンピュータ(図示せず)等が含まれる。
補助記憶装置63は、例えば、主記憶装置62を補助する記憶領域として使用され、CPU61が実行するコンピュータプログラムや、CPU61が処理するデータ等を記憶する。補助記憶装置63は、不揮発性半導体メモリ(フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM))を含むシリコンディスク、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)装置、ソリッドステートドライブ装置等である。また、補助記憶装置63として、CDドライブ装置、DVDドライブ装置、BDドライブ装置といった着脱可能な記録媒体の駆動装置が例示され、着脱可能な記録媒体として、CD、DVD、BD、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)メモリカード等が例示される。
入出力IF64は、測定値校正装置60に接続する機器との間でデータの入出力を行うインターフェイスである。入出力IF64には、例えば、キーボード、タッチパネルやマウス等のポインティングデバイス、マイクロフォン等の入力デバイス等が接続する。測定値校正装置60は、入出力IF64を介して、入力デバイスを操作する操作者からの操作指示等を受け付ける。
また、入出力IF64には、例えば、液晶パネル(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELパネル(EL:Electroluminescence)等の表示デバイス、プリンタ、スピーカ等の出力デバイスが接続される。例えば、ガンマ線検出器44や中性子線検出器52等からケーブル等を介して送信される密度と含水量に関する測定値データが取得され、表示されるようになっている。また、測定値校正装置60にて求められた、排土の密度と含水量に関する校正値(特定値)等が同画面に表示されるようになっている。
通信IF65は、測定値校正装置60が接続するケーブルやネットワークとのインターフェイスである。通信IF65は、インターネット等の公衆ネットワーク、携帯電話網等の無線ネットワーク、VPN(Virtual Private Network)等の専用ネットワーク、LAN(Local Area Network)等、様々なネットワークを介して、管理棟にある施工管理用のパーソナルコンピュータに排土の密度と含水量に関する校正値データを送信する。
図4に示すように、測定値校正装置60は、CPU61によるプログラムの実行により、少なくとも、取得部602、校正部604、表示部606,及び格納部608の各種機能を提供する。ここで、上記処理機能の少なくとも一部が、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等によって提供されてもよく、同様に、上記処理機能の少なくとも一部が、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、数値演算プロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用LSI(large scale integration)やその他のデジタル回路等であってもよい。
取得部602には、ガンマ線検出器44と中性子線検出器52より、ケーブル等を介して送信される密度と含水量に関する測定値データが取得され、取得された測定値データは格納部608に格納(記憶)される。
格納部608には、密度と含水量に関する測定値を校正する、校正式が格納されている。
RI密度測定器40やRI水分測定器50は、ラジオアイソトープからの放射線を利用した間接測定器であることから、あらかじめ密度と水分が既知の物質と比較対照校正を行い、密度と含水量(水分量)に対する放射線の強度の関係式、すなわち校正式を求めておく必要がある。放射線を利用した測定器では、線源の種類を問わず、放射線の強度(計数率)は一定でなく、時間ともに減衰する性質を持っている。
従って、放射線強度(計数率)と密度や含水量との関係を求める際に、放射線強度(計数率)の絶対値をそのまま使用することはできず、放射線強度の減衰に対する補正が必要になる。RI密度測定器40やRI水分測定器50における校正式は、各測定器に固有の値であり、実施工に先行して校正式を特定する試験を実施し、試験にて特定された校正式を用いて密度や含水量に関する測定値から校正値を特定する。
ここで、放射線強度にはその絶対値でなく、ある基準物質に対する測定値の相対値(計数率比)を用いる。すなわち、計数率比=測定対象の排土の測定値(計数率(cpm)、cpm:カウント・パー・ミニッツ)/基準物質を用いて測定した計数率(cpm)とする。
計数率比を用いない場合、例えば、校正式作成時の計数率が500cpmの際の湿潤密度:ρtが2.0g/cmであったとする。日数が経過し、同じくρtが2.0g/cmのものを測定すると、放射線の減衰で例えば250cpmとなり、同じ密度のものを測っているにも関わらず、放射線カウント(cpm)が異なることになる。
このような事態を回避するべく、年数経過(放射線の減衰)を考慮するために用いるのが計数率比となる。
より詳細には、自然界にも放射線が存在することから、この自然界に存在する放射線である、バックグラウンド(BG)の影響を排除するべく、バックグラウンド(BG)の計数率:NBを測定計数率Nρから差し引いた値を、標準計数率Sρで除した値を、計数率比:Rρとするのが望ましい。すなわち、Rρは以下の式(1)となる。
Figure 2023156856000002
式(1)により算出された計数率比Rρから、以下の式(2)のような校正式を用いて、測定値から校正値を算出する。
Figure 2023156856000003
基準校正定数A,Bは、排土の密度等の測定の際に適用される筒体(配管)の径(外径)や肉厚、規格等によって固有の値を持つことから、例えば工場出荷時に、実施工にて適用されるスクリューコンベアの筒体の径や肉厚に応じた値が入力されるのが望ましい。すなわち、校正式特定実験では、実施工で適用されるスクリューコンベアと同仕様の模擬スクリューコンベアを用いて、さらに、実施工で適当されるRI密度測定器とRI水分測定器を用いて、校正式を設定するのが望ましい。
この際、模擬スクリューコンベアに対して、実施工の際のスクリューコンベアに対する設置位置と同じ位置に、RI密度測定器とRI水分測定器を設置することにより、より精度の高い校正式が特定される。
校正式特定実験では、スクリューコンベアと同仕様の模擬スクリューコンベアに対してRI密度測定器とRI水分測定器を適用して、試験的に排土した際にこれらRI密度測定器とRI水分測定器にて測定した、試験測定値と、試験時における排土の密度と含水量に関する実測値の双方に基づいて校正式を設定する。
校正式特定実験においては、実施工の際に想定される排土(模擬排土)を試作し、模擬排土を模擬スクリューコンベア内に通過させた際のRI密度測定器等による測定値を求め、さらに、試作された排土の湿潤密度測定や含水比測定に基づいて実測値を求める。
模擬排土の作成においては、実施工における対象地山を想定し、礫や砂、土を所定の割合で混合しながら製作する。また、この際、実施工で適用される加泥材(増粘材)を添加する。
尚、本発明者等によれば、校正式の精度に関して、排土の性状(種類)の影響は殆どなく、あくまでも排土の密度と含水量が校正式の精度に影響を与えることが特定されている。
格納部608には、校正式特定実験にて設定された、実施工で適当されるRI密度測定器40とRI水分測定器50に対するそれぞれの校正式が格納される。
実施工においては、格納部608に対して排土の密度と含水量に関する測定値データが随時格納され、校正部604では、格納部608にある密度と含水量に関する校正式に対してそれぞれの測定値データを適用することにより、密度と含水量に関する校正値を特定する。以上が、実施形態に係るシールド掘進機における測定値校正方法となる。
本発明者等によれば、筒体の外径(規模)と肉厚、スクリューの規模が校正式に大きな影響を与えることが特定されており、従って、筒体とスクリューの規模に応じて、RI密度測定器40の線源46と放射線検出器41との間の角度を鋭角(例えば、90度やそれ未満の角度)にして双方の離間を短く設定するのが好ましい。
表示部606は、特定された密度と含水量に関する校正値を画面表示し、校正値に基づいて算定された排土の体積を特定し、チャンバ13に対して、掘削土が過剰に取り込まれていないか否かに関する検証根拠を表示する。また、掘削土の取り込み量に関する適正範囲が格納部608に格納されていて、不図示の判定部等により、特定された排土(ひいては掘削土)の密度から算定された掘削土の取り込み量と取り込み適正範囲量との比較判定を随時行い、判定結果を表示部606に表示するようにしてもよい。
シールド掘進機100と測定値校正方法によれば、シールド掘進機100における排土と含水量の密度を精緻に特定することができるため、掘削土の過剰取り込みとこれに起因する地表面の沈下を効果的に抑制することが可能になる。
[校正式特定実験とその結果]
本発明者等は、所定配合の模擬排土を作成し、さらに、模擬スクリューコンベアを製作して、模擬スクリューコンベアにおけるスクリューコンベアの有無や、スクリューコンベアの回転の有無が校正式の精度に及ぼす影響について検証する、室内実験を行った。
ここで、所定配合の模擬排土に関しては、礫40%、砂40%、土20%とする配合をはじめ、様々な配合で複数種の模擬排土を作成し、ミキサにてドライミキシングを行った後、所定の含水比となるように水を加えてさらに混合し、生分解性ポリマーである加泥材(増粘材)をさらに添加して混合することにより、所望する湿潤密度と含水比の模擬排土を作成した。
本実験では、スクリューのない筒体のみのケース、スクリューがあって回転していないケース、スクリューがあって回転しているケースのそれぞれにおいて、排土の密度と含水量に関する校正式を求めた。さらに、スクリューの有無や回転の有無が校正式の精度に影響を及ぼしているか否かを検証するべく、RI密度測定器において、ガンマ線検出器に対して、ガンマ線源を相互の角度が90度で設置したケース、120度で設置したケース、及び150度で設置したケースのそれぞれのケースにおける校正式を求めた。
図5は、校正式特定実験において、所定配合の排土の密度と含水量を計測した実験結果を示すテーブルである。また、図6A、図7A,及び図8Aはそれぞれ、校正式特定実験のうち、スクリューのない筒体の外周に設置されたRI密度測定器により設定された校正式に対応するグラフ、無回転のスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周に設置されたRI密度測定器により設定された校正式に対応するグラフ、及び、回転するスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周に設置されたRI密度測定器により設定された校正式に対応するグラフを示す図である。
また、図6B、図7B,図8Bはそれぞれ、校正式特定実験のうち、スクリューのない筒体の外周に設置されたRI密度測定器にて測定された測定値と実測値の相関を示すグラフ、無回転のスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周に設置されたRI密度測定器にて測定された測定値と実測値の相関を示すグラフ、及び、回転するスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周に設置されたRI密度測定器にて測定された測定値と実測値の相関を示すグラフである。
さらに、図9Aは、校正式特定実験のうち、スクリューのない筒体の外周、無回転のスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周、及び回転するスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周の、それぞれに設置されたRI水分測定器により設定された校正式に対応するグラフを示す図であり、図9Bは、室内実験のうち、スクリューのない筒体の外周、無回転のスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周、及び回転するスクリューを備えたスクリューコンベアの筒体の外周の、それぞれに設置されたRI水分測定器にて測定された測定値と実測値の相関を示すグラフである。
図5より、スクリューの有無、スクリューの回転の有無に関わらず、ガンマ線検出器に対して、ガンマ線源を相互の角度が90度で設置したケース、120度で設置したケース、及び150度で設置したケースのいずれのケースともに、計測値に大きな差異がないことが確認された。
また、図6A、図7A,及び図8Aより、ガンマ線検出器に対して、ガンマ線源を相互の角度が90度で設置したケース、120度で設置したケース、及び150度で設置したケースにそれぞれ固有の校正式が特定されるが、図6B、図7B,及び図8Bより、いずれの校正式ともに相関が良好であることが実証されている。
また、図9Aと図9Bより、スクリューのないケース、スクリューが回転していないケース、スクリューが回転しているケースのいずれのケースともに、同様の校正式が特定され、いずれの校正式ともに相関が良好であることが実証されている。
本室内実験より、スクリューコンベアの筒体の外周にRI密度測定器とRI水分測定器を設置して排土の密度と含水量を測定する際に、特定される校正式がスクリューの有無やスクリューの回転の有無に左右されないことが実証されている。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:シールド本体
11:隔壁
12:固定翼
13:チャンバ
14:カッタヘッド駆動用油圧モータ
16:シールドジャッキ
17:エレクタ装置
18:中折れジャッキ
20:カッタヘッド
21:フィッシュテール
22:カッタスポーク
23:カッタビット
23A:コピーカッタ
24:ボス部材
30:スクリューコンベア
31:筒体
32:スクリュー
33:回転軸
34:螺旋状の羽根(羽根)
40:RI密度測定器
41:放射線検出器
42:ケース
43:シールド
44:ガンマ線検出器
45:電源
46:線源
47:ケース
48:線源(ガンマ線源)
50:RI水分測定器
51:ケース
52:放射線検出器(中性子線検出器)
53:線源(中性子線源)
60:測定値校正装置
61:通信部
62:校正部
63:格納部
100:シールド掘進機
L:回転軸の軸方向
前記目的を達成すべく、本発明によるシールド掘進機の一態様は、
回転軸と、該回転軸の周囲に装着されている螺旋状の羽根とを備えているスクリューと、該スクリューを回転自在に収容する筒体とにより形成される、スクリューコンベアが、掘削土を取り込んで排土を生成するチャンバに連通している、シールド掘進機であって、
ラジオアイソトープを用いて前記排土の密度を測定する、RI密度測定器が、前記筒体の外周に設けられていることを特徴とする。

Claims (7)

  1. 回転軸と、該回転軸の周囲に装着されている螺旋状の羽根とを備えているスクリューと、該スクリューを回転自在に収容する筒体とにより形成される、スクリューコンベアが、掘削土を取り込んで排土を生成するチャンバに連通している、シールド掘進機であって、
    ラジオアイソトープを用いて前記排土の密度と含水量を測定する、RI密度測定器が、前記筒体の外周に設けられていることを特徴とする、シールド掘進機。
  2. ラジオアイソトープを用いて前記排土の含水量を測定する、RI水分測定器が、前記筒体の外周にさらに設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のシールド掘進機。
  3. 前記RI密度測定器と前記RI水分測定器が、線源と、放射線検出器とを備え、
    前記筒体の外周において、前記RI密度測定器を構成する前記線源と前記放射線検出器が、前記スクリューの前記回転軸を通る直線上の二点以外の二点に設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のシールド掘進機。
  4. 前記シールド掘進機は、測定値校正装置をさらに有し、
    前記測定値校正装置は、
    前記RI密度測定器と前記RI水分測定器による測定値を校正する、校正式を格納する、格納部と、
    実施工の際に、前記測定値を前記校正式に適用して、前記排土の密度と含水量に関する校正値を求める、校正部とを有することを特徴とする、請求項2又は3に記載のシールド掘進機。
  5. 請求項3に従属する請求項4に記載のシールド掘進機において、測定値を校正する測定値校正方法であって、
    前記スクリューコンベアと同仕様の模擬スクリューコンベアに対して前記RI密度測定器と前記RI水分測定器を適用して、試験的に排土した際に該RI密度測定器と該RI水分測定器にて測定した、試験測定値と、試験時における該排土の密度と含水量に関する実測値の双方に基づいて前記校正式を設定することを特徴とする、シールド掘進機における測定値校正方法。
  6. 前記模擬スクリューコンベアに対して、実施工の際の前記スクリューコンベアに対する設置位置と同じ位置に、前記RI密度測定器と前記RI水分測定器を設置することを特徴とする、請求項5に記載のシールド掘進機における測定値校正方法。
  7. 前記筒体と前記スクリューの規模に応じて、前記線源と前記放射線検出器との間の角度を鋭角にして双方の離間を短くすることを特徴とする、請求項6に記載のシールド掘進機における測定値校正方法。
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