JP2023155494A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】血流量の計測精度を向上しながらも簡便に計測を行うことができる超音波診断装置を提供する。【解決手段】超音波診断装置は、Bモード画像から短軸方向の血管壁を検出する第1血管壁検出部と、短軸方向の第1血管径を算出する第1血管径算出部と、Bモード画像から長軸方向の血管壁を検出する第2血管壁検出部と、長軸方向の第2血管径を算出する第2血管径算出部と、Bモード画像上のドプラゲート内のドプラデータに基づいて血流速度を算出する血流速度算出部と、長軸方向または短軸方向の血管壁と血流速度とに基づいて血流量を計測する血流量計測部とを備え、第1血管径が算出された後に長軸方向の血管壁が検出され、第2血管径が第1血管径に対して定められた範囲内の値を有すると判定された場合に血流量の計測に自動的に移行する。【選択図】図1

Description

本発明は、Bモードデータとドプラデータを取得する超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置用プロセッサに関する。
従来から、被検体の内部の画像を得るものとして、超音波診断装置が知られている。超音波診断装置は、一般的に、複数の素子が配列された振動子アレイが備えられた超音波プローブを備えている。この超音波プローブを被検体の体表に接触させた状態において、振動子アレイから被検体内に向けて超音波ビームが送信され、被検体からの超音波エコーを振動子アレイにおいて受信して素子データが取得される。さらに、超音波診断装置は、得られた素子データを電気的に処理して、被検体の当該部位に対する超音波画像を生成する。
例えば、特許文献1には、表示装置に被検体の血管の長軸像を含む超音波画像が表示されている状態で、ユーザにより、表示装置に表示された超音波画像上の血管領域が指定されることをトリガとして、指定された血管領域における血流量を計測する超音波診断装置が開示されている。
国際公開第2019-187649号公報
ここで、血流量の計測が精度良く行われるためには、超音波画像に含まれる血管の長軸像が、血管の中心を通る血管の縦断面すなわち計測される血管径が最大となるような血管の縦断面に対応していることが望ましい。しかしながら、特許文献1では、ユーザの経験等に基づく判断により超音波プローブの位置が決定された後に、血管の長軸像を含む超音波画像を取得するため、適切な血管の長軸像を含む超音波画像が得られない場合があった。また、特許文献1の発明では、血流量の計測を行うためには、ユーザにより血管領域が指定される必要があるため、計測の簡便化についても向上の余地があった。
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであり、血流量の計測精度を向上しながらも簡便に計測を行うことができる超音波診断装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る超音波診断装置は、被検体に対して超音波の送受信を行うことにより受信信号を取得する振動子アレイと、受信信号に基づいて少なくとも血管が撮像されているBモード画像を生成するBモード処理部と、Bモード処理部により生成されたBモード画像を表示する表示装置と、血管の短軸像が撮像されているBモード画像を解析することにより短軸方向の血管壁を検出する第1血管壁検出部と、第1血管壁検出部により検出された短軸方向の血管壁に基づいて第1血管径を算出する第1血管径算出部と、血管の長軸像が撮像されているBモード画像を解析することにより長軸方向の血管壁を検出する第2血管壁検出部と、第2血管壁検出部により検出された長軸方向の血管壁に基づいて第2血管径を算出する第2血管径算出部と、長軸像が撮像されているBモード画像上における血管内にドプラゲートを設定するゲート設定部と、ドプラゲート内のドプラデータを取得するドプラ処理部と、ドプラデータに基づいて血流速度を算出する血流速度算出部と、検出された長軸方向の血管壁および短軸方向の血管壁のいずれか一方と、算出された血流速度とに基づいて血流量を計測する血流量計測部とを備え、第1血管径算出部により第1血管径が算出された後に、第2血管壁検出部により長軸方向の血管壁が検出され、第2血管径算出部は、第2血管径が第1血管径に対して定められた範囲内の値を有するか否かを判定し、第2血管径が第1血管径に対して定められた範囲内の値を有すると判定された場合に、血流量の計測に自動的に移行することを特徴とする。
第2血管壁検出部は、長軸方向の血管壁を探索するための探索線をBモード画像上に設定し、設定された探索線上におけるBモード画像の輝度プロファイルに基づいて血管前壁および血管後壁を長軸方向の血管壁として検出することができる。
この場合に、第2血管壁検出部は、検出された血管前壁および血管後壁にそれぞれ検出点マーカを設定して表示装置に表示することができる。
また、ゲート設定部は、第2血管壁検出部により検出された血管前壁および血管後壁の座標に基づいて決定された中心位置およびサイズを有するドプラゲートを設定することができる。
また、第2血管壁検出部は、検出された血管前壁および血管後壁の少なくとも一方に基づいて血管走行角度を推定し、血管走行角度に対する角度補正値が60度以内となるようにドプラステア角度を設定することができる。
この場合に、Bモード処理部は、第2血管壁検出部により推定された血管走行角度に応じて設定されたBモードステア角度に基づいてBモード画像を生成することができる。
また、ドプラ処理部は、ドプラデータに基づいてドプラ波形画像を生成し、表示装置は、Bモード処理部により生成されたBモード画像とドプラ処理部によりドプラ波形画像の双方を表示することができる。
さらに、ドプラ処理部は、Bモード処理部によるBモード画像の生成と並行してドプラ波形画像を生成し、Bモード画像およびドプラ波形画像の双方がフリーズされて血流量計測部による血流量の計測が行われる。
もしくは、さらに、ドプラ処理部は、Bモード画像がフリーズされた後に、ドプラゲート内のドプラデータを取得して、ドプラ波形画像を生成し、ドプラ波形画像がフリーズされて血流量計測部による血流量の計測が行われる。
また、定められたフレーム数にわたって、算出された第2血管径が、算出された第1血管径に対して定められた範囲内を維持した場合に、血流量を自動的に計測することもできる。
本発明によれば、血管の短軸像が撮像されているBモード画像を解析することにより短軸方向の血管壁を検出する第1血管壁検出部と、短軸方向の血管壁に基づいて第1血管径を算出する第1血管径算出部と、血管の長軸像が撮像されているBモード画像を解析することにより長軸方向の血管壁を検出する第2血管壁検出部と、長軸方向の血管壁に基づいて第2血管径を算出する第2血管径算出部と、長軸像が撮像されているBモード画像上における血管内にドプラゲートを設定するゲート設定部と、ドプラゲート内のドプラデータを取得するドプラ処理部と、ドプラデータに基づいて血流速度を算出する血流速度算出部と、長軸方向の血管壁および短軸方向の血管壁のいずれか一方と血流速度とに基づいて血流量を計測する血流量計測部とを備え、第2血管径算出部により算出された第2血管径が第1血管径算出部により算出された第1血管径に対して定められた範囲内になった場合に血流量を自動的に計測するため、血流量の計測精度を向上しながらも簡便に計測を行うことができる。
本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における受信回路の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1におけるBモード処理部の内部構成を示すブロック図である。 血管の短軸像を表すBモード画像の例を模式的に示す図である。 血管の短軸像を横切る直線上の画像の輝度プロファイルの例を模式的に示す図である。 血管の長軸像を表すBモード画像の例を模式的に示す図である。 血管の長軸像を横切る直線上の画像の輝度プロファイルの例を模式的に示す図である。 推定されたBモード画像上の血管の走行角度を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1においてBモードステア角度を設定する方法を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1においてドプラステア角度を設定する方法を模式的に示す図である。 超音波ビームと血流との間の角度および血流速度の推定誤差の関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態1において表示装置に表示されたBモード画像と、Bモード画像上に設定されたドプラゲートを模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1におけるドプラ処理部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1において表示装置に表示されたBモード画像とドプラ波形画像を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1における血流量自動計測の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1において表示装置に表示されたBモード画像とドプラ波形画像と血流量の計測値を模式的に示す図である。 血管の短軸像に対して配置された計測点マーカを模式的に示す図である。 血管の長軸像に対して配置された計測点マーカを模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2において血管径の時間変化を模式的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「垂直」および「平行」とは、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、「垂直」および「平行」とは、厳密な垂直あるいは平行に対して±10度未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な垂直あるいは平行に対しての誤差は、5度以下であることが好ましく、3度以下であることがより好ましい。
本明細書において、「同一」、「同じ」は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。また、本明細書において、「全部」、「いずれも」または「全面」などというとき、100%である場合のほか、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含み、例えば99%以上、95%以上、または90%以上である場合を含むものとする。
実施の形態1
図1に、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置1の構成を示す。図1に示すように、超音波診断装置1は、振動子アレイ2を備えており、振動子アレイ2に、送信回路3および受信回路4がそれぞれ接続されている。ここで、送信回路3と受信回路4により、送受信回路5が構成されている。受信回路4には、Bモード(Brightness mode:輝度モード)処理部6およびドプラ処理部7が接続され、これらのBモード処理部6およびドプラ処理部7に表示制御部8を介して表示装置9が接続されている。
また、Bモード処理部6に第1血管壁検出部10が接続されており、第1血管壁検出部10に第1血管径算出部11が接続されている。また、Bモード処理部6に、第2血管壁検出部12が接続されており、第2血管壁検出部12に、第2血管径算出部13とゲート設定部14が接続されている。ゲート設定部14は、ドプラ処理部7に接続されている。また、ドプラ処理部7に、血流速度算出部15が接続されている。また、第1血管径算出部11、第2血管径算出部13および血流速度算出部15に、血流量計測部16が接続されている。また、第1血管壁検出部10、第1血管径算出部11、第2血管壁検出部12、第2血管径算出部13、ゲート設定部14および血流量計測部16は、表示制御部8に接続されている。
また、送受信回路5、Bモード処理部6、ドプラ処理部7、表示制御部8、第1血管壁検出部10、第1血管径算出部11、第2血管壁検出部12、第2血管径算出部13、ゲート設定部14、血流速度算出部15および血流量計測部16に、装置制御部17が接続されている。また、装置制御部17に、入力装置18と格納部19が接続されている。装置制御部17と格納部19とは、互いに双方向の情報の受け渡しが可能に接続されている。
また、振動子アレイ2は、超音波プローブ21に含まれている。また、Bモード処理部6、ドプラ処理部7、表示制御部8、第1血管壁検出部10、第1血管径算出部11、第2血管壁検出部12、第2血管径算出部13、ゲート設定部14、血流速度算出部15および血流量計測部16により、超音波診断装置1用のプロセッサ22が構成されている。
図1に示す超音波プローブ21の振動子アレイ2は、1次元または2次元に配列された複数の振動子を有している。これらの振動子は、それぞれ送信回路3から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に、被検体からの超音波エコーを受信して、超音波エコーに基づく信号を出力する。各振動子は、例えば、PZT(Lead Zirconate Titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック、PVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride:ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子およびPMN-PT(Lead Magnesium Niobate-Lead Titanate:マグネシウムニオブ酸鉛-チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成することにより構成される。
送信回路3は、例えば、複数のパルス発生器を含んでおり、装置制御部17からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて、振動子アレイ2の複数の振動子から送信される超音波が超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号を、遅延量を調節して複数の振動子に供給する。このように、振動子アレイ2の振動子の電極にパルス状または連続波状の電圧が印加されると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状または連続波状の超音波が発生して、それらの超音波の合成波から、超音波ビームが形成される。
送信された超音波ビームは、例えば、被検体の部位等の対象において反射され、超音波プローブ21の振動子アレイ2に向かって伝搬する。このように振動子アレイ2に向かって伝搬する超音波は、振動子アレイ2を構成するそれぞれの振動子により受信される。この際に、振動子アレイ2を構成するそれぞれの振動子は、伝搬する超音波エコーを受信することにより伸縮して電気信号を発生させ、これらの電気信号を受信回路4に出力する。
受信回路4は、装置制御部17からの制御信号に従い、振動子アレイ2から出力される信号の処理を行って、いわゆるRF(Radio Frequency:高周波)データである、受信データを生成する。図2に示すように、受信回路4は、増幅部23、AD(Analog Digital:アナログデジタル)変換部24およびビームフォーマ25が直列に接続された構成を有している。
増幅部23は、振動子アレイ2を構成するそれぞれの振動子から入力された信号を増幅し、増幅した信号をAD変換部24に送信する。AD変換部24は、増幅部23から送信された信号をデジタルデータに変換し、これらのデータをビームフォーマ25に送信する。ビームフォーマ25は、装置制御部17からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づいて設定される音速または音速の分布に従い、AD変換部24により変換された各データに対してそれぞれの遅延を与えて加算することにより、いわゆる受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、AD変換部24により変換された各データが整相加算され且つ超音波エコーの焦点が絞り込まれた受信データが取得される。
Bモード処理部6は、図3に示されるように、信号処理部26、DSC(Digital Scan Converter:デジタルスキャンコンバータ)27および画像処理部28が順次直列に接続された構成を有している。
信号処理部26は、受信回路4により生成された受信データに対し、超音波の反射位置の深さに応じて距離による減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施すことにより、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成する。
DSC27は、信号処理部26で生成されたBモード画像信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号に変換(ラスター変換)する。
画像処理部28は、DSC27から入力されるBモード画像信号に階調処理等の各種の必要な画像処理を施した後、Bモード画像信号を表示制御部8に出力する。以降は、画像処理部28により画像処理が施されたBモード画像信号を、単に、Bモード画像と呼ぶ。
第1血管壁検出部10は、Bモード処理部6により生成されたBモード画像が被検体の血管の短軸像を含んでいる場合に、Bモード画像に撮像されている血管の短軸像を解析することにより、短軸方向の血管壁を検出する。ここで、血管の短軸像とは、血管の走行方向に対して直交する方向に沿った血管の横断面のことを指す。
第1血管壁検出部10は、短軸方向の血管壁を検出する際に、例えば、図4に示すように、Bモード画像UBの深さ方向D1に直交する方位方向すなわち横方向D2における中央部に血管Bの探索領域R1を設定し、設定された探索領域R1において、Bモード画像UBの深さ方向D1に沿って延びる仮想的な探索線SL1を横方向D2に走査しながら探索線SL1上の輝度を検出して、探索領域R1内の探索線SL1に沿った画像の輝度プロファイルを作成する。画像の輝度プロファイルとは、例えば、図5に示すように、Bモード画像UBにおける深さと、探索線SL1上の画像の輝度との関係を表すものである。図5に示す例では、深さが横軸にプロットされ、輝度が縦軸にプロットされている。
なお、図4には、探索線SL1の例として、血管Bの短軸像上であって血管Bの中心から比較的離れた箇所を通る点線の探索線SL1と、血管Bの中心付近を通る実線の探索線SL1が示されている。また、図5には、輝度プロファイルの例として、点線の探索線SL1に対応する点線のグラフG1と、実線の探索線SL1に対応する実線のグラフG2とが示されている。
ここで、血管Bの短軸像を通る探索線SL1上の画像の輝度変化は、血管壁に対応する2つの点X1、X2において、探索線SL1上の他の点よりも大きくなる。そのため、例えば、図5の輝度プロファイルにおいて、輝度値が、一定の輝度しきい値K1よりも大きい極大値となる2つの深さJ1、J2は、血管壁に対応する2つの点X1、X2に対応する。また、探索線SL1が、およそ円形の血管Bの短軸像上を横方向D2に走査される場合には、輝度プロファイルにおける深さJ1と深さJ2との差L1の値は、例えば、探索線SL1が血管Bの短軸像の横方向D2の一端から他端まで走査されるに従って、ゼロから血管Bの直径に対応する最大値まで増加した後、さらにゼロまで減少することとなる。このように、探索線SL1が、血管Bの短軸像上を横方向D2に走査されながら算出される差L1の値は、極大値を有するように変化する。
そのため、第1血管壁検出部10は、探索線SL1を横方向D2に走査しながら作成された輝度プロファイルに基づいて、Bモード画像UBに血管の短軸像が含まれているか否かを判定することができる。例えば、第1血管壁検出部10は、探索線SL1を横方向D2に走査しながら輝度プロファイルにおける深さJ1と深さJ2との間の差L1を算出し、算出された差L1の値が、極大値を有するように変化した場合に、Bモード画像UBの探索領域R1内に血管Bの短軸像が存在していることを認識することができる。この場合に、第1血管壁検出部10は、輝度プロファイルにおいて、輝度値が極大となる深さJ1、J2に対応する点X1、X2の軌跡を、血管壁として検出する。また、第1血管壁検出部10は、探索線SL1を横方向D2に走査しながら算出された差L1が最大値L1Mとなる深さJ1M、J2Mに対応する点X1M、X2Mの位置の情報を検出して、第1血管径算出部11に送出する。点X1M、X2Mは、血管Bの中心を通る探索線SL1と血管Bの短軸像の輪郭線との交点に相当する。
第1血管径算出部11は、第1血管壁検出部10から受け取った血管壁上の点X1M、X2Mの位置の情報に基づいて、血管Bの直径に相当する第1血管径を算出する。第1血管径算出部11は、例えば、図4に示すように、算出された第1血管径DFを表示装置9に表示することができる。
第2血管壁検出部12は、第1血管径算出部11により算出された第1血管径DFに基づいて生成され且つ血管Bの長軸像が撮像されているBモード画像UBを解析することにより、長軸方向の血管壁を検出する。ここで、血管Bの長軸像とは、血管Bの走行方向に沿った血管Bの縦断面のことを指す。
第2血管壁検出部12は、長軸方向の血管壁を検出する際に、例えば、図6に示すように、Bモード画像UBの横方向D2における中央部に探索領域R2を設定し、設定された探索領域R2において、深さ方向D1に沿って延びる仮想的な探索線SL2を横方向D2に走査しながら探索線SL2上の輝度を検出して、図7に示すような、探索線SL2に沿った画像の輝度プロファイルを作成する。
なお、図6には、探索線SL2の例として、点線の探索線SL2と、探索線SL2とは異なる位置に配置された実線の探索線SL2が示されている。また、図7には、輝度プロファイルのグラフの例として、点線の探索線SL2に対応する点線のグラフG3と、実線の探索線SL2に対応する実線のグラフG4とが示されている。グラフG3とグラフG4は、互いに横軸に平行な方向にずれているが、輝度が極大となる2点間の深さの差は、互いにほぼ同一である。
ここで、血管Bの長軸像を通る探索線SL2上の画像の輝度変化は、血管Bの短軸像を通る探索線SL1上の画像の輝度変化と同様に、血管壁に対応する2つの点X3、X4において探索線SL2上の他の点よりも大きくなる。そのため、例えば、図7の輝度プロファイルにおいて、輝度値が、一定の輝度しきい値K2よりも大きい極大値となる2つの深さJ3、J4は、血管壁に対応する2つの点X3、X4に対応する。また、図6に示すように、探索線SL2が、概ね横方向D2に沿って延びる管状の血管Bの長軸像上を横方向D2に走査される場合には、輝度プロファイルにおける深さJ3と深さJ4との差L2は、探索線SL2が横方向D2に走査されても理想的にはほとんど変動せず、もし変動したとしてもその変動幅はわずかである。
そのため、第2血管壁検出部12は、探索線SL2を横方向D2に走査しながら作成された輝度プロファイルに基づいて、Bモード画像UBに血管Bの長軸像が含まれているか否かを判定することができる。例えば、第2血管壁検出部12は、探索線SL2を横方向D2に走査しながら輝度プロファイルにおける深さJ3と深さJ4との差L2を算出し、算出された差L2の値がほぼ一定である場合に、Bモード画像UBの探索領域R2内に血管Bの長軸像が存在すると判定することができる。ここで、差L2の値がほぼ一定とは、例えば、差L2の最大値と最小値との差が一定値以下となることをいう。
また、第2血管壁検出部12は、このようにして検出された、輝度値が極大値となる深さJ3、J4のうち、比較的浅い深さJ3の位置を血管前壁W1の位置として検出し、比較的深い深さJ4の位置を血管後壁W2の位置として検出する。また、第2血管壁検出部12は、検出された血管前壁W1と血管後壁W2の位置の情報を、第2血管径算出部13に送出する。
第2血管径算出部13は、第2血管壁検出部12により検出された血管前壁W1と血管後壁W2の位置の情報に基づいて、血管Bの第2血管径を算出する。例えば、第2血管径算出部13は、血管前壁W1と血管後壁W2との間の深さ方向D1における距離のうち、最大となる距離を第2血管径として算出する。第2血管壁検出部12は、図6に示されるように、算出された第2血管径DSを表示装置9に表示する。
また、第2血管径算出部13は、算出された第2血管径DSと、第1血管径算出部11により算出された第1血管径DFとを比較して、第2血管径DSが第1血管径DFを含む定められた範囲内の値を有するか否かを判定する。第2血管径算出部13は、第2血管径DSが定められた範囲内の値を有していると判定した場合に、血管Bの中心を通る縦断面を表す血管Bの長軸像を含むBモード画像UBが得られたと判断して、定められた範囲内の第2血管径DSの値を血流量計測部16に送出する。
また、第2血管壁検出部12は、Bモード画像UBにおける血管走行角度を推定する。第2血管壁検出部12は、例えば、検出された血管前壁W1上の複数の位置を通る直線および検出された血管後壁W2上の複数の位置を通る直線を推定し、推定された2本の直線の傾きを平均することにより、血管Bの傾きを推定することができる。図6に示す例では、血管Bの勾配を表す仮想的な血管勾配線BLが得られている。また、第2血管壁検出部12は、検出された血管前壁W1上の複数の位置を通る直線もしくは検出された血管後壁W2上の複数の位置を通る直線のいずれかに基づいて、血管Bの傾きを推定してもよい。
また、第2血管壁検出部12は、例えば、図8に示すように、得られた血管勾配線BLと、Bモード画像UBの深さ方向D1に沿った仮想的な直線ALとの間の角度を、血管走行角度BAとして推定することができる。
また、第2血管壁検出部12は、推定された血管走行角度BAを用いて、Bモードステア角度を設定する。例えば、図9に示すように、Bモードステア角度として、角度A1等が設定される。Bモードステア角度は、Bモード処理部6によりBモード画像UBが生成される際の走査線と、Bモード画像UBにおける深さ方向D1に沿った直線ALとの間の角度として定義される。ここで、第2血管壁検出部12は、血管前壁W1と血管後壁W2が明瞭に写るBモード画像UBを得るために、Bモード画像UBが生成される際の走査線と血管勾配線BLとの間の角度が90度に近づくようにBモードステア角度を設定する。
例えば、第2血管壁検出部12は、血管走行角度BAと、定められた角度A1と、角度A1よりも大きい、定められた角度A2を用いて、90-BA<A1/2の関係が満たされる場合に、Bモードステア角度を0度に設定し、A1/2≦90-BA<A2/2の関係が満たされる場合に、図9に示すようにBモードステア角度を角度A1に設定し、A2/2≦90-BAの関係が満たされる場合に、Bモードステア角度を角度A2に設定することができる。ここで、例えば、角度A1は7.5度に、角度A2は15度に、予め設定されることができる。
また、第2血管壁検出部12は、推定された血管走行角度BAを用いて、ドプラステア角度を設定する。例えば、図10に示すように、ドプラステア角度として、角度B1または角度B2等が設定される。ここで、ドプラステア角度とは、ドプラデータが取得される際の走査線の傾き角度のことを指す。
ここで、ドプラデータを取得するために血管B内に向けて送信される超音波ビームと血管B内の血流との間の角度Hと、取得されたドプラデータに基づいて算出される血流速度の推定誤差Eとの間には、図11に示されるような関係があることが知られている。この関係によれば、血流に対する超音波ビームの角度Hが大きくなるほど、血流速度の推定誤差Eが指数関数的に大きくなることがわかる。また、血管走行角度に対する角度補正の誤差が大きいほど、血流速度の推定誤差Eが大きくなることがわかる。
また、超音波ビームと血流との間の角度Hと血流速度の推定誤差Eについて、例えば、超音波ビームと血流との間の角度Hが60度以内に保たれていれば、血管走行角度に対する角度補正に3度の誤りがあったとしても、血流速度の推定誤差Eが10%以内に収まり、血流速度が精度良く求められることが知られている。そこで、第2血管壁検出部12は、血流速度が精度良く算出されるために、血管走行角度BAに対する角度補正値すなわち走査線と血管勾配線BLとの間の角度が60度以内となるようにドプラステア角度を設定する。
例えば、第2血管壁検出部12は、血管走行角度BAと、図10に示すような、定められた角度B1と、角度B1よりも大きい角度B2を用いて、BA<60の関係が満たされる場合に、ドプラステア角度を0度に設定し、60≦BA<60+B1の関係が満たされる場合に、ドプラステア角度を角度B1に設定し、60+B1≦BAの関係が満たされる場合に、ドプラステア角度を角度B2に設定することができる。ここで、例えば、角度B1は15度に、角度B2は30度に、予め設定されることができる。
ゲート設定部14は、図12に示すように、Bモード画像UB上における血管領域BR内に、第2血管壁検出部12により検出された血管前壁W1の座標および血管後壁W2の座標に基づいて決定された中心位置およびサイズを有するドプラゲートDGを設定する。この際に、ゲート設定部14は、例えば、第2血管壁検出部12により血管前壁W1の位置と血管後壁W2の位置として検出された2つの点X3、X4の位置の中点CをドプラゲートDGの中心位置として設定し、中点Cを通り且つ深さ方向D1に対して設定されたドプラステア角度だけ傾斜した仮想的な直線JL上にドプラゲートDGを設定することができる。
なお、直線JLは、走査線に相当する。また、ゲート設定部14は、第2血管壁検出部12により算出された第2血管径DSに定められた値を乗じることにより算出された長さを、ドプラゲートDGのゲート幅LGとして設定することができる。ここで、第2血管径DSに乗じられる定められた値とは、0.75等の0よりも大きく1.00以下の数であり、例えば、入力装置18を介したユーザの入力操作により決定される。
また、ゲート設定部14は、図12に示すように、設定されたドプラゲートDGを、Bモード画像UBに重畳して表示装置9に表示する。
ドプラ処理部7は、ゲート設定部14により血管領域BRに設定されるドプラゲートDG内のドプラデータを取得し、取得されたドプラデータに基づいてドプラ波形画像を生成するものである。ドプラ処理部7は、図13に示すように、直交検波部29とハイパスフィルタ30と高速フーリエ変換部(Fast Fourier Transformer)31とドプラ波形画像生成部32が順次直列に接続されると共に直交検波部29の出力端にデータメモリ33が接続された構成を有している。
直交検波部29は、受信回路4で生成された受信データに参照周波数のキャリア信号を混合することで、受信データを直交検波して複素データに変換する。
ハイパスフィルタ30は、いわゆるウォールフィルタ(Wall Filter)として機能するもので、直交検波部29で生成された複素データから被検体の体内組織の運動に由来する周波数成分を除去する。
高速フーリエ変換部31は、複数のサンプル点の複素データをフーリエ変換することにより周波数解析して血流速度を求め、スペクトル信号を生成する。
ドプラ波形画像生成部32は、高速フーリエ変換部31で生成されたスペクトル信号を時間軸上に揃えつつ各周波数成分の大きさを輝度で表すことによりドプラ波形画像信号を生成する。以降は、ドプラ波形画像生成部32により生成されたドプラ波形画像信号を、単に、ドプラ波形画像と呼ぶ。
また、データメモリ33は、直交検波部29で受信データから変換された複素データを保存する。
血流速度算出部15は、ドプラ処理部7により取得されたドプラデータに基づいて、いわゆるパルスドプラ法により、血流速度を算出する。なお、血流速度算出部15は、各心拍期間における平均血流速度を算出することもできる。
血流量計測部16は、血管が円形の断面積を有するものとして、第2血管径算出部13により算出された、血管Bの直径に対応する第2血管径DSに基づいて、血管Bの断面積を算出する。また、血流量計測部16は、算出された血管Bの断面積と、血流速度算出部15により算出された血流速度とに基づいて、血管B内を流れる血液の単位時間当たりの体積を表す血流量を計測する。
装置制御部17は、格納部19等に予め記憶されているプログラムおよび入力装置18を介したユーザによる入力操作に基づいて、超音波診断装置1の各部の制御を行う。
表示制御部8は、装置制御部17の制御の下、Bモード処理部6により生成されたBモード画像UB、ドプラ処理部7により生成されたドプラ波形画像等に所定の処理を施して、Bモード画像UB、ドプラ波形画像等を表示装置9に表示する。
表示装置9は、表示制御部8による制御の下、Bモード画像UB、ドプラ波形画像等を表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等のディスプレイ装置を含む。
入力装置18は、ユーザが入力操作を行うためのものであり、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッドおよびタッチパネル等を備えて構成することができる。
格納部19は、超音波診断装置1の動作プログラム等を格納するもので、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive:ハードディスクドライブ)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)、FD(Flexible Disc:フレキシブルディスク)、MOディスク(Magneto-Optical disc:光磁気ディスク)、MT(Magnetic Tape:磁気テープ)、RAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)、CD(Compact Disc:コンパクトディスク)、DVD(Digital Versatile Disc:デジタルバーサタイルディスク)、SDカード(Secure Digital card:セキュアデジタルカード)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory:ユニバーサルシリアルバスメモリ)等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。
なお、Bモード処理部6、ドプラ処理部7、表示制御部8、第1血管壁検出部10、第1血管径算出部11、第2血管壁検出部12、第2血管径算出部13、ゲート設定部14、血流速度算出部15、血流量計測部16および装置制御部17を有するプロセッサ22は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、および、CPUに各種の処理を行わせるための制御プログラムから構成されるが、FPGA(Field Programmable Gate Array:フィードプログラマブルゲートアレイ)、DSP(Digital Signal Processor:デジタルシグナルプロセッサ)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:アプリケーションスペシフィックインテグレイテッドサーキット)、GPU(Graphics Processing Unit:グラフィックスプロセッシングユニット)、その他のIC(Integrated Circuit:集積回路)を用いて構成されてもよく、もしくはそれらを組み合わせて構成されてもよい。
また、プロセッサ22のBモード処理部6、ドプラ処理部7、表示制御部8、第1血管壁検出部10、第1血管径算出部11、第2血管壁検出部12、第2血管径算出部13、ゲート設定部14、血流速度算出部15、血流量計測部16および装置制御部17は、部分的にあるいは全体的に1つのCPU等に統合させて構成することもできる。
以下では、図14に示すフローチャートを用いて、実施の形態1における超音波診断装置1の動作を詳細に説明する。
まず、ステップS1において、ユーザにより、被検体の血管Bの短軸像が撮像されるように、超音波プローブ21が被検体の体表面に接触させられた状態で、Bモード画像UBが生成され、生成されたBモード画像UBが、表示装置9に表示される。Bモード画像UBが生成される際に、送信回路3からの駆動信号に従って振動子アレイ2の複数の振動子から超音波ビームが送信され、被検体からの超音波エコーを受信した各振動子から受信信号が受信回路4に出力され、増幅部23で増幅され、AD変換部24でAD変換された後、ビームフォーマ25で整相加算されて、受信データが生成される。この受信データは、Bモード処理部6において、信号処理部26で包絡線検波処理が施されることでBモード画像信号となり、DSC27および画像処理部28を経て表示制御部8に出力され、表示制御部8の制御の下でBモード画像UBが表示装置9に表示される。
ステップS2において、第1血管壁検出部10は、ステップS1で生成されたBモード画像UBに探索領域R1を設定し、設定された探索領域R1内に血管Bの短軸像が存在しているか否かを判定する。この際に、第1血管壁検出部10は、例えば、図4に示すように、探索領域R1において深さ方向D1に沿って延びる仮想的な探索線SL1を横方向D2に走査しながら探索線SL1上の画像の輝度を検出して、図5に示すような輝度プロファイルを作成する。
第1血管壁検出部10は、探索線SL1を横方向D2に走査しながら作成された輝度プロファイルにおいて、輝度値が、一定の輝度しきい値K1よりも大きい極大値となる2つの深さJ1と深さJ2との差L1を算出する。第1血管壁検出部10は、例えば、探索線SL1を探索領域R1の横方向D2の一端から他端まで走査しながら算出した差L1の値が極大値を有するように変化した場合に、探索領域R1内に血管Bの短軸像が存在していると判定する。また、第1血管壁検出部10は、差L1の値が極大値を有するように変化しないでほぼ一定の場合に、探索領域R1内に血管Bの短軸像が存在していないと判定する。
ステップS2において、探索領域R1内に血管Bの短軸像が存在していないと判定された場合には、ステップS1に戻り、ユーザにより、超音波プローブ21の位置および向きの調整がなされながら、Bモード画像UBが生成される。
ステップS2において、探索領域R1内に血管Bの短軸像が存在していると判定された場合には、第1血管壁検出部10は、輝度プロファイルにおいて、輝度値が極大となる深さJ1、J2に対応する点X1、X2の軌跡を、血管壁として検出する。また、第1血管壁検出部10は、探索線SL1を横方向D2に走査しながら算出された差L1が最大値L1Mとなる深さJ1M、J2Mに対応する点X1M、X2Mの位置の情報を、第1血管径算出部11に送出する。
ステップS3において、第1血管径算出部11は、ステップS2で検出された、差L1が最大となる深さJ1M、J2Mに対応する血管壁上の点X1M、X2M間の距離を計測することにより、血管Bの直径に相当する第1血管径DFを算出する。第1血管径算出部11は、図4に示すように、算出された第1血管径DFを表示装置9に表示する。
続くステップS4において、血管Bの長軸像を撮像するために、ユーザにより、超音波プローブ21の向きが変更され、Bモード画像UBが生成される。
ステップS5において、第2血管壁検出部12は、ステップS4で生成されたBモード画像UB内に血管Bの長軸像が存在しているか否かを判定する。この際に、第2血管壁検出部12は、例えば、図6に示すように、Bモード画像UB上の探索領域R2を設定し、設定された探索領域R2において、深さ方向D1に沿って延びる仮想的な探索線SL2を横方向D2に走査しながら探索線SL2上の輝度を検出する。これにより、第2血管壁検出部12は、図7に示すような輝度プロファイルを作成する。
第2血管壁検出部12は、探索線SL2を横方向D2に走査しながら作成された輝度プロファイルにおいて、輝度値が、一定の輝度しきい値K2よりも大きい極大値となる2つの深さJ3と深さJ4との差L2を算出し、算出された差L2の値がほぼ一定である場合に、Bモード画像UBの探索領域R2内に血管Bの長軸像が存在すると判定し、差L2の値がほぼ一定の値を有しない場合に、探索領域R2内に血管Bの長軸像が存在していないと判定する。
ステップS5において、Bモード画像UB内に血管Bの長軸像が存在していないと判定された場合には、ステップS4に戻り、ユーザにより、超音波プローブ21の位置および向きの調整がなされ、Bモード画像UBが新たに生成される。
ステップS5において、Bモード画像UB内に血管Bの長軸像が存在していると判定された場合には、第2血管壁検出部12は、認識された血管Bの長軸像において輝度値が極大値となる深さJ3、J4の位置を、それぞれ、血管前壁W1の位置および血管後壁W2の位置として検出する。
ステップS6において、第2血管径算出部13は、ステップS5で検出された血管Bの長軸像に基づいて、血管Bの直径に相当する第2血管径DSを算出する。例えば、第2血管径算出部13は、血管前壁W1と血管後壁W2との間の深さ方向D1における距離のうち、最大となる距離を第2血管径DSとして算出する。第2血管径算出部13は、図6に示すように、算出された第2血管径DSを表示装置9に表示する。
ステップS7において、第2血管径算出部13は、算出された第2血管径DSと、ステップS3で算出された第1血管径DFとを比較して、第2血管径DSが第1血管径DFを含む定められた範囲内の値を有するか否かを判定する。定められた範囲は、例えば、第1血管径DFよりも一定値だけ低い下限値と、第1血管径DFよりも一定値だけ高い上限値を有する範囲として設定される。
ステップS7で第2血管径DSが定められた範囲外にあると判定された場合には、ステップS4に戻り、ステップS4~ステップS7の処理が再び行われる。この際に、ユーザは、表示装置9に表示された第2血管径DSの値を確認しながら、第2血管径DSの値を第1血管径DFの値に近づけるように、超音波プローブ21の位置を調整する。
ステップS7で第2血管径DSが定められた範囲内にあると判定された場合には、第1血管径DFを有する血管Bの長軸像すなわち血管Bの中心を通る縦断面を表す血管Bの長軸像を含むBモード画像UBが得られたと判断され、ステップS8に進む。
ステップS8において、第2血管壁検出部12は、ステップS7で得られた、定められた範囲内の第2血管径DSを有する血管Bの長軸像を含むBモード画像UBを用いて、血管Bの勾配を推定し、推定された血管Bの勾配から血管走行角度BAを推定する。第2血管壁検出部12は、例えば、ステップS5において検出された血管前壁W1上の複数の位置を通る直線および血管後壁W2上の複数の位置を通る直線を推定し、推定された2本の直線の傾きを平均することにより、血管Bの勾配を推定し、図8に示すように、血管Bの勾配を表す仮想的な血管勾配線BLを得ることができる。第2血管壁検出部12は、得られた血管勾配線BLと、Bモード画像UBの深さ方向D1に沿った仮想的な直線ALとの間の角度を、血管走行角度BAとして推定することができる。
続くステップS9において、第2血管壁検出部12は、ステップS8で推定された血管走行角度BAを用いて、Bモード処理部6によりBモード画像UBが生成される際の走査線の傾き角度を表すBモードステア角度を設定する。この際に、例えば、第2血管壁検出部12は、血管走行角度BAと、図9に示す定められた角度A1と、角度A1よりも大きい、定められた角度A2を用いて、90-BA<A1/2の関係が満たされる場合に、Bモードステア角度を0度に設定し、A1/2≦90-BA<A2/2の関係が満たされる場合に、Bモードステア角度を角度A1に設定し、A2/2≦90-BAの関係が満たされる場合に、Bモードステア角度を角度A2に設定することができる。ここで、例えば、角度A1は7.5度に、角度A2は15度に、予め設定されることができる。
ステップS10において、第2血管壁検出部12は、ステップS8で推定された血管走行角度BAを用いて、ドプラ処理部7によりドプラデータが取得される際の走査線の傾き角度を表すドプラステア角度を設定する。この際に、例えば、第2血管壁検出部12は、血管走行角度BAと、図10に示すような、定められた角度B1と、角度B1よりも大きい角度B2を用いて、BA<60の関係が満たされる場合に、ドプラステア角度を0度に設定し、60≦BA<60+B1の関係が満たされる場合に、ドプラステア角度を角度B1に設定し、60+B1≦BAの関係が満たされる場合に、ドプラステア角度を角度B2に設定することができる。ここで、例えば、角度B1は15度に、角度B2は30度に、予め設定されることができる。
ステップS11において、ゲート設定部14は、図12に示すように、ステップS8で血管走行角度BAの推定に用いられたBモード画像UB上における血管領域BR内に、ステップS5で検出された血管前壁W1の座標および血管後壁W2の座標に基づいて決定された中心位置およびサイズを有するドプラゲートDGを設定する。この際に、ゲート設定部14は、例えば、ステップS5で血管前壁W1の位置と血管後壁W2の位置として検出された2つの点X3、X4の位置の中点CをドプラゲートDGの中心位置として設定し、ステップS6で測定された第2血管径DSに定められた値を乗じることにより算出された長さをドプラゲートDGのゲート幅LGとして設定することができる。ここで、第2血管径DSに乗じられる定められた値とは、0.75等の0よりも大きく1.00以下の数であり、例えば、入力装置18を介したユーザの入力操作により決定され得る。
また、ゲート設定部14は、図12に示すように、設定されたドプラゲートDGを、Bモード画像UBに重畳して表示装置9に表示する。
ステップS12において、ドプラ処理部7は、ドプラ波形画像の連続的な生成を開始し、生成されたドプラ波形画像を表示装置9に表示する。この際に、ドプラ処理部7は、図12に示すようにステップS10で設定されたドプラゲートDG内のドプラデータを取得し、取得されたドプラデータに基づいて、ドプラ波形画像を連続的に生成し、生成されたドプラ波形画像を表示装置9に表示する。また、Bモード処理部6も、Bモード画像UBの連続的な生成を開始し、生成されたBモード画像UBを表示装置9に表示する。これにより、Bモード画像UBとドプラ波形画像の双方が連続的に生成され、図17に示すように、Bモード画像UBとドプラ波形画像UDが表示装置9に表示される。
ステップS13において、ドプラ処理部7により精度良くドプラデータが取得されるように、ステップS11で生成されたドプラ波形画像UDにおけるドプラ波形WDの調整が実施される。一般的に、ドプラ波形WDは、図15に示すように、心拍に従って周期的に変化するため、例えば、心拍周期の開始位置と終了位置が検出された時点からドプラ波形WDの調整が実施される。また、ドプラ波形WDの調整としては、ドプラ波形WDのグラフの横軸すなわちベースラインの位置の調整およびドプラ波形WDの縦軸のスケールの調整が含まれる。ドプラ波形WDの調整においては、表示装置9におけるドプラ波形WDの表示が調整されるだけではなく、装置制御部17により送信回路3を制御して、超音波プローブ21の振動子アレイ2から被検体内に送信される超音波パルスの繰り返し周波数も調整される。このようにして、例えば、ドプラ波形WDの最大値および最小値が縦軸のスケールの70%以内に収まるように、ドプラ波形WDが調整される。
ところで、一般的に、血管内の血流速度は、心臓の収縮期に増加し、心臓の拡張期に減少するため、図15に示すように、収縮期P1においてドプラ波形WDの変化量が大きく、拡張期P2においてドプラ波形WDの変化量が小さい。そこで、ステップS14では、ドプラ波形WDの周期情報が取得され、取得された周期情報に基づいて、現在時点が被検体の心臓の拡張期P2であるか否かが判定される。現在時点が被検体の心臓の拡張期P2ではないと判定された場合には、再度、ステップS13の処理が実施される。現在時点が被検体の心臓の拡張期P2であると判定された場合には、ステップS15に進む。
ステップS15において、表示装置9に表示されているBモード画像UBとドプラ波形画像UDの双方がフリーズ表示される。ここで、Bモード画像UBとドプラ波形画像UDをフリーズ表示するとは、Bモード処理部6により連続的に生成されたBモード画像UBとドプラ処理部7により連続的に生成されたドプラ波形画像UDが表示装置9に表示されている状態において、Bモード画像UBおよびドプラ波形画像UDの表示を一時停止させ、静止した1枚のBモード画像UBと静止した1枚のドプラ波形画像UDを表示装置9に表示することをいう。
このようにして、ドプラ波形WDの変化量が小さい拡張期P2におけるドプラデータを血流量の計測に使用することができる。
続くステップS16において、血管領域BR内の血流量が自動計測される。このステップS16については、図16に示すフローチャートを用いて説明する。ステップS16は、ステップS18~ステップS20により構成される。
まず、ステップS18において、血流量計測部16は、血管Bが円形の断面を有するものとして、ステップS7で定められた範囲内にあると判定された第2血管径DSに基づいて血管Bの断面積を算出する。
次に、ステップS19において、血流速度算出部15は、ステップS15でBモード画像UBとドプラ波形画像UDがフリーズ表示されたときにドプラ処理部7により取得されたドプラデータに基づいて、血流速度を算出する。この際に、血流速度算出部15は、心拍期間における平均血流速度を算出することもできる。
続くステップS20において、血流量計測部16は、ステップS18で算出された血管Bの断面積とステップS19で算出された血流速度とに基づいて、血管B内を流れる血液の単位時間当たりの体積を表す血流量を算出する。
このようにして、ステップS16の血流量の自動計測が完了する。
ステップS17において、ステップS16で得られた血流量の計測結果が表示装置9に表示される。例えば、図17に示すように、血流量の計測値MVが、Bモード画像UB、ドプラ波形画像UDと共に表示装置9に表示される。
このようにして、血流量の計測値MVが表示装置9に表示されると、超音波診断装置1の動作が終了する。
以上から、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置1によれば、血管Bの短軸像を表すBモード画像UBに基づいて第1血管径DFが算出され、第1血管径DFに基づいて、血管Bの中心を通る長軸像を表すBモード画像UBが精度良く取得され、取得された血管Bの長軸像を表すBモード画像UBを用いて血流量が計測されるため、ユーザが被検体の体表面上で超音波プローブ21の位置を調整することに起因する血流量の計測精度のゆらぎを低減し、計測精度を向上することができる。
また、血管Bの中心を通る長軸像を表すBモード画像UBが取得されることにより、血流量の計測が自動的に行われ、血流量の計測結果が表示装置9に表示されるため、血流量の計測を簡便に行うことができる。
特に、図示しないが、例えば、表示装置9が携帯可能な小型のディスプレイにより構成され、ユーザが一方の手に表示装置9を持ち、他方の手に超音波プローブ21を持っている場合等、ユーザの両手が塞がっている場合でも、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置1によれば、ユーザが入力装置18等を介した操作を行う必要が無いため、血流量の計測を簡便に行うことができる。
なお、ステップS2において、第1血管壁検出部10は、Bモード画像UB上に探索領域R1を設定し、設定された探索領域R1内で血管Bの短軸像を探索しているが、Bモード画像UBの全体にわたって血管Bの短軸像を探索することもできる。しかしながら、血管Bの探索の処理に要する計算量を低減して、血管Bの短軸像を素早く認識するという点を考慮すると、探索領域R1内で血管Bの短軸像を探索することが好ましい。
これと同様にして、ステップS5においても、Bモード画像UBの全体にわたって血管Bの長軸像が探索され得るが、血管Bの長軸像を素早く認識するという点から、探索領域R2内で血管Bの長軸像が探索されることが好ましい。
また、血管Bの短軸像を撮像している場合には、被検体の体表に接触している超音波プローブ21の細かな傾きの変化および位置の変化等に起因して、連続して生成された複数フレームのBモード画像UB上において、血管Bの短軸像の横方向D2の位置が変化しやすい。そのため、第1血管壁検出部10は、例えば、連続するフレームのBモード画像UB間における血管Bの短軸像の移動を検出することにより、血管Bの短軸像を追跡して認識する。血管Bの短軸像の移動の検出には、例えば、Bモード画像UBの全体にわたって探索線SL1を走査して、得られた輝度プロファイルを、検出済みの血管Bの短軸像に対する輝度プロファイルと比較する方法の他、いわゆるパターンマッチング等の一般的な画像解析の方法を用いることができる。
このようにして、血管Bの短軸像を追跡することにより、連続するフレーム間で血管Bの短軸像が移動してしまったとしても、血管Bの短軸像の第1血管径DFを容易に算出することができる。
また、例えば、ステップS2において、血管Bの短軸像が認識された場合に、図18に示すように、表示装置9において、血管Bの中心を通る探索線SL1と血管Bの輪郭線との2つの交点の位置、すなわち、ステップS2で計測される深さJ1、J2間の深さ方向D1における差L1が最大となる深さJ1、J2の位置に、計測点マーカM1、M2が表示されてもよい。このようにして、計測点マーカM1、M2が表示されることにより、ステップS2で血管Bの短軸像が認識されたこと、および、血管径の計測位置をユーザに把握させることができる。
また、これと同様にして、ステップS5において、血管Bの長軸像が認識された場合に、図19に示すように、表示装置9において、探索線SL2と血管前壁W1との交点の位置および探索線SL2と血管後壁W2との交点の位置に、計測点マーカM3、M4が表示されることができる。
また、血管Bの短軸像が認識された場合に、計測点マーカM1、M2を表示させる代わりに、認識された血管Bの短軸像の輪郭線の色、太さ等の表示態様を変更してもよい。同様にして、血管Bの長軸像が認識された場合に、計測点マーカM3、M4を表示させる代わりに、認識された血管Bの長軸像の輪郭線の色、太さ等の表示態様を変更することもできる。
また、ステップS2およびステップS5において、血管Bの短軸像と長軸像を認識するために、探索線SL1、SL2に沿った画像の輝度プロファイルを使用しているが、血管Bの短軸像および長軸像の認識方法は、これに限定されない。例えば、血管Bの短軸像および長軸像の典型的なパターンデータをテンプレートとして予め記憶し、Bモード画像UB内をテンプレートでサーチしながらパターンデータに対する類似度を算出し、類似度がしきい値以上かつ最大となった場所に血管Bの短軸像または長軸像が存在するとみなす、いわゆるテンプレートマッチングの方法が用いられてもよい。
また、類似度の算出には、単純なテンプレートマッチングの他に、例えば、Csurka et al.: Visual Categorization with Bags of Keypoints, Proc. of ECCV Workshop on Statistical Learning in Computer Vision, pp.59-74 (2004)に記載されている機械学習手法、あるいは、Krizhevsk et al.: ImageNet Classification with Deep Convolutional Neural Networks, Advances in Neural Information Processing Systems 25, pp.1106-1114 (2012)に記載されているディープラーニングを用いた一般画像認識手法等を用いることができる。
また、ステップS3において、1フレームのBモード画像UBに対してステップS2で検出された血管壁の情報に基づいて、第1血管径DFが算出されているが、複数フレームのBモード画像UBに対して検出された血管壁の情報に基づいて第1血管径DFが算出されてもよい。例えば、第1血管径算出部11は、5~10フレーム等の定められたフレーム数にわたって算出された第1血管径DFの値が一定の値以下である場合に、その定められたフレーム数のBモード画像UBに対して算出された第1血管径DFのうち最大となる第1血管径DFを、最終的な第1血管径DFの値として算出することができる。また、例えば、第1血管径算出部11は、定められたフレーム数のBモード画像UBに対して算出された第1血管径DFの平均値を、最終的な第1血管径DFの値として算出することもできる。
これにより、算出される第1血管径DFが、血管Bの実際の直径に対して非常に大きい値または非常に小さい値等の異常値を有する場合を排除することができるため、第1血管径DFの最終的な値を精度良く算出することができる。
また、複数フレームのBモード画像UBに対して算出された第2血管径DSに基づいて、ステップS7の判定が行われることができる。例えば、第2血管径算出部13は、5~10フレーム等の定められたフレーム数にわたって算出された第2血管径DSが、ステップS3で算出された第1血管径DFを含む、5~10フレーム等の定められた範囲を維持した場合に、第2血管径DSが定められた範囲内の値を有すると判定されて、ステップS8に進むことができる。これにより、ステップS7の判定の精度を向上し、血管Bの中心を通る縦断面を表すBモード画像UBを精度良く取得することができる。
また、第2血管径算出部13は、第2血管径DSが定められた範囲内の値を有すると判定された際に用いられた定められたフレーム数のBモード画像UBに対して算出された第2血管径DSのうち、最大となる第2血管径DSの値を最終的な第2血管径DSの値として算出することができる。この際に、第2血管壁検出部12は、例えば、最終的な第2血管径DSの算出に用いられたBモード画像UBを用いて、ステップS8~ステップS11の処理を行うことができる。
また、第2血管径算出部13は、第2血管径DSが定められた範囲内の値を有すると判定された際に用いられた定められたフレーム数のBモード画像UBに対して算出された第2血管径DSを平均し、算出された平均値を、最終的な第2血管径DSの値として算出することができる。この際に、第2血管壁検出部12は、例えば、定められたフレーム数のBモード画像UBのうち最後に取得されたBモード画像UBを用いて、ステップS8~ステップS11の処理を行うことができる。
また、ステップS3で算出された第1血管径DFの値は、ステップS5~ステップS7において、表示装置9に表示されている血管Bの長軸像および第2血管径DSの値と一緒に表示されることもできる。この場合には、ユーザは、第1血管径DFの値を確認しながら、ステップS6で算出される第2血管径DSを第1血管径DFに近づけるように、超音波プローブ21の位置を調整することができる。そのため、ユーザが超音波プローブ21の位置をより容易に調整することができる。
また、ステップS3において第1血管径DFが算出される際に、第1血管径算出部11は、例えば、ステップS2で検出された血管壁の位置に対応する深さJ1、J2のうち、比較的浅い深さJ1に基づいて、血管Bの短軸像と被検体の体表面との間の距離を、第1血管深さとして算出し、算出された第1血管深さを表示装置9に表示することもできる。
また、ステップS6において第2血管径DSが算出される際に、第2血管径算出部13は、例えば、ステップS5で検出された血管前壁W1の位置に対応する深さJ3に基づいて、血管前壁W1と被検体の体表面との間の距離を、第2血管深さとして算出し、算出された第2血管深さを表示装置9に表示することができる。
ここで、ステップS4~ステップS7において、算出された第1血管深さと第2血管深さの双方を表示装置9に表示することができる。これにより、ユーザは、第1血管深さと第2血管深さとを比較することにより、ステップS4で生成されたBモード画像UB内の血管Bの長軸像が、ステップS1で生成されたBモード画像UB内の血管Bの短軸像に対応しているか否かを確認しながら、超音波プローブ21の位置の調整を行うことができる。これにより、ステップS1で生成されたBモード画像UB内の血管Bの短軸像に対応していない血管Bの長軸像をステップS4で撮像してしまうことを防止し、適切な血管Bの長軸像を撮像できるため、血流量の計測精度を向上することができる。
また、例えば、ステップS5で血管Bの長軸像が認識される際に、第1血管深さが加味されてもよい。例えば、第2血管壁検出部12により、探索線SL2が横方向D2に走査されながら算出された深さJ3とJ4との差L2の変動幅が変動幅しきい値以下であることに加えて、第2血管深さが、第1血管深さを含む深さ範囲内の値を有している場合に、探索領域R2内に血管Bの長軸像が存在していると判定される。また、探索線SL2が横方向D2に走査されながら算出された差L2の変動幅が変動幅しきい値よりも大きいか、または、第2血管深さが、深さ範囲外の値を有している場合には、探索領域R2内に血管Bの長軸像が存在していないと判定される。
これによっても、ステップS1で生成されたBモード画像UB内の血管Bの短軸像に対応していない血管Bの長軸像をステップS4で撮像してしまうことを防止することができる。
また、ステップS11とステップS12との間に、血管Bの長軸像を含むBモード画像UBを連続的に生成し、且つ、血管Bの長軸像の位置が安定したことを判定するステップを設けることにより、血管Bの長軸像の位置が安定したことをトリガとして、ステップS11に進むこともできる。例えば、1秒間等の定められた時間内に生成された複数フレームのBモード画像UBにおいて、血管Bの長軸像の位置の変化が、例えば0.2mm等の定められた値以下である場合に、血管Bの長軸像の位置が安定していると判定される。また、1秒間等の定められた時間内に生成された複数フレームのBモード画像UBにおいて、血管Bの長軸像の位置の変化が、例えば0.2mm等の定められた値よりも大きい場合に、血管Bの長軸像の位置が安定していないと判定される。
このようにして、Bモード画像UBにおける血管Bの長軸像の位置が安定したこと、すなわち、被検体の体表面に配置された超音波プローブ21の位置が安定したことをトリガにステップS11以降の処理が行われるため、安定した画像を用いて血流量の計測を行うことができ、血流量の計測精度を向上することができる。
また、ステップS4で生成されるBモード画像UBに対してステップS5~ステップS7の処理が行われているが、ステップS12~ステップS14のいずれかにおいて生成されるBモード画像UBに対してステップS5~ステップS7の処理が行われることもできる。この場合には、例えば、ステップS7で定められた範囲内にあると判定された第2血管径DSの代わりに、ステップS12~ステップS14のいずれかにおいて生成されるBモード画像UBに対して算出され且つステップS3で算出された第1血管径DFを含む定められた範囲内にあると判定された第2血管径DSを用いて、ステップS18の血管Bの断面積の算出がなされてもよい。
また、ステップS18において、血流量計測部16により、定められた範囲内にあると判定された第2血管径DSに基づいて血管Bの断面積が算出される代わりに、ステップS3で算出された第1血管径DFに基づいて血管Bの断面積が算出されてもよい。例えば、第1血管径DFが、定められた範囲内にあると判定された第2血管径DSよりも大きい場合に、第1血管径DFに基づいて血管Bの断面積が算出される。
また、ステップS12でドプラ波形画像UDが生成され、生成されたドプラ波形画像UDが表示装置9に表示されているが、ドプラ波形WDのデータが取得されれば、必ずしもドプラ波形画像UDが表示装置9に表示されなくてもよい。このように、ドプラ波形画像UDが表示装置9に表示されない場合でも、ドプラ波形画像UDが表示装置9に表示される場合と同様に、ステップS13で取得されたドプラ波形WDのデータと、ステップS7で定められた範囲内にあると判定された第2血管径DSの値に基づいて、ステップS16で血流量が計測される。また、ドプラ波形画像UDが表示装置9に表示されない場合には、ステップS15においてドプラ波形画像UDが表示装置9にフリーズ表示される代わりに、単に、ドプラ波形WDのデータの取得が停止されてもよい。
また、ステップS13で、ドプラ波形WDにおける心拍周期の開始位置と終了位置が検出された時点からドプラ波形WDの調整が実施される例が示されているが、例えば、ステップS12でドプラ波形画像UDの生成が開始された時点から2秒間等の一定の時間が経過したことをトリガとしてステップS13のドプラ波形WDの調整が自動的に実施されてもよい。
また、ドプラ波形WDの調整において、ベースラインの位置の調整およびドプラ波形WDの縦軸のスケールの調整の他に、ドプラ波形WDの最大値および最小値が縦軸のスケールの70%以内に収まるように、ドプラゲートDGの位置の再調整が行われてもよい。
また、例えば、ステップS13を省略することもできる。しかしながら、ドプラ波形WDの調整がなされることで、血流速度算出部15により算出される血流速度の精度を向上させ、血流量計測部16により計測される血流量の精度を向上させることができるため、ステップS12を実施することが好ましい。
また、ステップS14において、現在時点が被検体の心臓の拡張期P2であることをトリガとして、次のステップS15に進んでいるが、ステップS14からステップS15に進むためのトリガは、これに限定されない。
例えば、現在時点が拡張期P2であるか否かが判定される代わりに、現在時点が収縮期P1であるか否かが判定されてもよい。この場合には、現在時点が収縮期P1ではないと判定された場合に、再度、現在時点が収縮期P1であるか否かの判定がなされ、現在時点が収縮期P1であると判定された場合に、次のステップS15に進む。しかしながら、ドプラ波形WDの変化量は、収縮期P1よりも拡張期P2の方が少ないため、現在時点が収縮期P1であることをステップS15に進むトリガとするよりも、現在時点が拡張期P2であることをステップS15に進むトリガとする方が好ましい。
また、例えば、ステップS14が実施される代わりに、ステップS13のドプラ波形WDを調整する動作が完了した時点から2秒間等の一定の時間が経過したことをトリガとして、ステップS15に進むこともできる。
また、例えば、ステップS14が実施される代わりに、ドプラ波形WDにおいて、2周期または3周期等の複数の心拍周期の開始点と終了点が検出された時点をトリガとして、ステップS15に進むこともできる。
また、ステップS15においてBモード画像UBとドプラ波形画像UDが表示装置9にフリーズ表示される際に、ドプラ波形WDにおける拡張期P2の終了点または収縮期P1の終了点を、例えば、ドプラ波形画像UDの右端部に合わせるように、ドプラ波形画像UDをスクロールバックして表示することもできる。このようにして、表示装置9に表示するドプラ波形WDの位置を、Bモード画像UBとドプラ波形画像UDをフリーズ表示した後に変更することにより、表示装置9に表示されるBモード画像UBの時相を拡張期P2もしくは収縮期P1に合わせることができる。
また、ステップS7で第2血管径DSが定められた範囲の値を有すると判定された後に、ステップS8の血管走行角度BAの推定が行われているが、ステップS5~ステップS7の間において、ステップS8の処理が行われてもよい。このように、血管走行角度BAの推定は、ステップS9~ステップS11の処理よりも前になされれば、そのタイミングは特に限定されない。
また、ステップS6において、第2血管径算出部13は、ステップS5で検出された血管前壁W1と血管後壁W2との間の深さ方向D1における距離を第2血管径DSとして算出しているが、例えば、ステップS6の第2血管径DSを算出する処理を行う前に、ステップS8の血管走行角度BAを推定する処理がなされることにより、図6に示す血管勾配線BLに直交する方向に探索線SL2を再設定して、血管Bの走行方向に対して直交する方向における血管径を第2血管径DSとして算出することができる。これにより、第2血管径DSをより精度良く算出して、血流量の計測精度を向上させることができる。
また、ステップS8において、第2血管壁検出部12は、血管前壁W1と血管後壁W2の双方に基づいて血管の勾配を推定しているが、血管前壁W1と血管後壁W2のいずれか一方に基づいて、血管の勾配を表す仮想的な血管勾配線BLを推定することもできる。
また、ステップS9でBモードステア角度が設定された後にステップS10でドプラステア角度が設定され、ドプラステア角度が設定された後にステップS11でドプラゲートDGが設定されているが、ステップS9~ステップS11が実施される順番は、特に限定されず、互いに入れ替え可能である。例えば、ステップS9でBモードステア角度が設定された後に、ステップS10のドプラステア角度の設定とステップS11のドプラゲートDGの設定が並行して実施されることもできる。また、例えば、ステップS10のドプラステア角度の設定、ステップS11のドプラゲートDGの設定、ステップS9のBモードステア角度の設定の順で、ステップS9~ステップS11の処理が実施されることもできる。
また、ステップS10において、第2血管壁検出部12は、血管走行角度BAに対する角度補正値が60度以内となるようにドプラステア角度を設定しているが、血管走行角度BAをドプラステア角度の角度補正値として設定することもできる。この場合には、ドプラステア角度の角度補正値が60度を超えるおそれがあるが、ドプラステア角度の角度補正値が60度を超えたときに、角度補正値が60度を超えている旨を表す情報が表示装置9に表示されることができる。例えば、ユーザは、角度補正値が60度を超えている旨を表す情報を確認して、被検体に接触させている超音波プローブ21の傾き等を調整することにより、超音波診断装置1による血流速度の自動計測を再度行うことができる。
また、ステップS11でドプラゲートDGが設定された後に、Bモード画像UBにおいてドプラゲートDGを含む血管領域BRが拡大されて表示装置9に表示されることもできる。そのため、拡大されたBモード画像UB上の血管領域BRを明確に確認することができる。また、この場合には、拡大されたBモード画像UBに基づいて血管径の測定が行われる。例えば、Bモード画像UBの解像度に起因して、拡大前のBモード画像UBに基づいて血管壁を検出するよりも、拡大後のBモード画像UBに基づいて血管壁を検出する方が精度良く血管壁の位置を検出することができるため、拡大されたBモード画像UBに基づいて血管径の測定が行われることにより、血流量の計測精度を向上することができる。
また、図示しないが、ユーザに対する案内を行う案内部を超音波診断装置1に備え、ステップS1において、案内部により、探索領域R1内に血管Bの短軸像を合わせる旨のメッセージを表示装置9に表示させることもできる。これにより、第1血管壁検出部10が血管Bの短軸像を認識する精度を向上させて、より適切な位置に探索線SLを設定することができる。そのため、血管径および血管の断面積を精度良く求めることができ、血流量の計測精度を向上させることができる。
また、この場合に、同様にして、ステップS4において、探索領域R2内に血管Bの長軸像を合わせる旨のメッセージを表示装置9に表示させることもできる。これにより、第2血管壁検出部12が血管Bの長軸像を認識する精度を向上させることができる。
また、一般的に、血管径は、心拍に従って最小径と最大径の間を周期的に変化することが知られている。そこで、図示しないが、第2血管径算出部13は、例えば、血管Bの中心を通る縦断面に相当する長軸像を含むBモード画像UBに対して算出された第2血管径DSすなわち血管Bの直径に対応する第2血管径DSの時間変化を示すグラフを、Bモード画像UBに重畳して、表示装置9に表示することもできる。これにより、ユーザは、血管Bの直径に対応する第2血管径DSの時間変化を容易に把握することができる。
また、血管Bの直径に対応する第2血管径DSの時間変化の情報が得られることにより、長軸像における血管Bの最小径および最大径が容易に測定される。そこで、例えば、血管Bの直径に対応する第2血管径DSの時間変化の情報に基づいて血管Bの最小径と最大径を測定し、測定された最小径と最大径に基づいて、血管の弾性を表す弾性指標を算出する図示しない弾性指標算出部を、超音波診断装置1に備えることができる。弾性指標算出部は、例えば、血管の最大径と最小径との差を弾性指標として算出することができる。また、弾性指標算出部は、血管の最大径と最小径との差を血管の最小径で除すことにより規格化したものを弾性指標として算出することができる。
また、図示しない血圧計を用いて、血管の直径が最小となる時点における被検体の血圧Q1と、血管の直径が最大となる時点における被検体の血圧Q2とを計測することにより、弾性指標算出部は、血圧Q1、Q2、血管の最小径DA、血管の最大径DBを用いて、特許第5384919号公報に記載されるスティフネスパラメータX={Log(Q2/Q1)}/{(DB/DA)-1}を弾性指標として算出することもできる。
実施の形態2
実施の形態1の超音波診断装置1の動作におけるステップS12では、Bモード画像UBとドプラ波形画像UDが並行して生成されているが、Bモード画像UBの生成を一時的に停止して、ドプラ波形画像UDのみを生成することもできる。
以下では、図20のフローチャートを用いて、実施の形態2に係る超音波診断装置1の動作を説明する。なお、このフローチャートは、図14に示す実施の形態1のフローチャートにおいて、ステップS12の代わりにステップS21~ステップS23が加えられ、ステップS15の代わりにステップS24が加えられたものである。
そのため、ステップS1~ステップS11の処理については、説明を省略する。
ステップS11に続くステップS21において、Bモード画像UBの連続的な生成が開始され、ステップS7で定められた範囲内にあると判定された第2血管径DSの値に基づいて、現在時点が被検体の心臓の拡張期P2であるか否かが判定される。ここで、図21に示すように、一般的に、血管径は、心拍に従って最小径DAと最大径DBの間を周期的に変動し、心臓の収縮期P1において最大径DBを有し、心臓の拡張期P2において最小径DAを有する。そのため、例えば、血管の最小径DAが計測されることにより、現在時点が被検体の心臓の拡張期P2であると判定される。現在時点が被検体の心臓の拡張期P2ではないと判定された場合には、再度、ステップS21の処理が実施される。現在時点が被検体の心臓の拡張期P2であると判定された場合には、ステップS22に進む。
ステップS22において、表示装置9に表示されているBモード画像UBがフリーズ表示される。
続くステップS23において、ドプラ処理部7は、ドプラ波形画像UDの連続的な生成を開始し、生成されたドプラ波形画像UDを表示装置9に表示する。これにより、表示装置9において、Bモード画像UBがフリーズ表示された状態の下で、ドプラ波形画像UDが表示装置9に表示される。
このようにして、ドプラ波形画像UDが表示装置9に表示されると、ステップS13に進み、ステップS23で生成されたドプラ波形画像UDにおけるドプラ波形WDの調整が実施される。
次に、ステップS14において、ドプラ波形WDの周期情報が取得され、取得された周期情報に基づいて、現在時点が被検体の心臓の拡張期P2であるか否かが判定される。現在時点が被検体の心臓の拡張期P2ではないと判定された場合には、再度、ステップS14の処理が実施される。現在時点が被検体の心臓の拡張期P2であると判定された場合には、ステップS24に進む。
ステップS24において、表示装置9に表示されているドプラ波形画像UDがフリーズ表示される。これにより、表示装置9において、拡張期P2におけるBモード画像UBとドプラ波形画像UDがフリーズ表示され、ドプラ波形WDの変化量が小さい拡張期P2におけるドプラデータを血流量の計測に使用することができる。
続くステップS16において、ステップS7で定められた範囲内にあると判定された第2血管径DSの値とステップS24でフリーズ表示されたドプラ波形画像UDに基づいて、血管領域BR内の血流量が自動計測され、ステップS17において、図17に示すように、血流量の計測値MVが、Bモード画像UB、ドプラ波形画像UDと共に表示装置9に表示される。
このようにして、血流量の計測値MVが表示装置9に表示されると、超音波診断装置1の動作が終了する。
以上から、本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置1によれば、Bモード画像UBの生成を一時的に停止してドプラ波形画像UDのみを生成する場合でも、実施の形態1においてBモード画像UBとドプラ波形画像UDの双方を同時に生成する場合と同様に、血管Bの短軸像を表すBモード画像UBに基づいて第1血管径DFが算出され、第1血管径DFに基づいて、血管Bの中心を通る長軸像を表すBモード画像UBが精度良く取得され、取得された血管Bの長軸像を表すBモード画像UBを用いて血流量が計測される。そのため、ユーザが被検体の体表面上で超音波プローブ21の位置を調整することに起因する血流量の計測精度のゆらぎを低減し、計測精度を向上することができる。
なお、ステップS21において、現在時点が被検体の心臓の拡張期P2であることをトリガとして、次のステップS22に進んでいるが、ステップS21からステップS22に進むためのトリガは、これに限定されない。
例えば、現在時点が拡張期P2であるか否かが判定される代わりに、現在時点が収縮期P1であるか否かが判定されてもよい。この場合には、現在時点が収縮期P1ではないと判定された場合に、再度、現在時点が収縮期P1であるか否かの判定がなされ、現在時点が収縮期P1であると判定された場合に、次のステップS22に進む。しかしながら、ドプラ波形WDの変化量は、収縮期P1よりも拡張期P2の方が少ないため、現在時点が収縮期P1であることをステップS22に進むトリガとするよりも、現在時点が拡張期P2であることをステップS22に進むトリガとする方が好ましい。
また、例えば、ステップS21を省略することもできる。この場合には、ステップS11でBモード画像UB上にドプラゲートDGが設定されたことをトリガとして、ステップS22でBモード画像UBが表示装置9にフリーズ表示される。
また、例えば、ステップS11におけるドプラゲートDGの設定が完了した時点から2秒間等の一定の時間が経過したことを、ステップS22に進むトリガとすることもできる。
また、ステップS23でドプラ波形画像UDが生成され、生成されたドプラ波形画像UDが表示装置9に表示されているが、実施の形態1におけるステップS12と同様に、ドプラ波形WDのデータが取得されれば、必ずしもドプラ波形画像UDが表示装置9に表示されなくてもよい。
実施の形態3
実施の形態1の超音波診断装置1は、表示装置9、入力装置18、超音波プローブ21がプロセッサ22に直接的に接続される構成を有しているが、例えば、表示装置9、入力装置18、超音波プローブ21、プロセッサ22がネットワークを介して間接的に接続されることもできる。
図22に示すように、実施の形態3における超音波診断装置1Aは、表示装置9、入力装置18、超音波プローブ21がネットワークNWを介して超音波診断装置本体41に接続されたものである。超音波診断装置本体41は、図1に示す実施の形態1の超音波診断装置1において、表示装置9、入力装置18、超音波プローブ21を除いたものであり、送受信回路5、格納部19およびプロセッサ22により構成されている。
超音波診断装置1Aがこのような構成を有している場合でも、実施の形態1の超音波診断装置1と同様に、血管Bの短軸像を表すBモード画像UBに基づいて第1血管径DFが算出され、第1血管径DFに基づいて、血管Bの中心を通る長軸像を表すBモード画像UBが精度良く取得され、取得された血管Bの長軸像を表すBモード画像UBを用いて血流量が計測される。そのため、ユーザが被検体の体表面上で超音波プローブ21の位置を調整することに起因する血流量の計測精度のゆらぎを低減し、計測精度を向上することができる。
また、表示装置9、入力装置18、超音波プローブ21がネットワークNWを介して超音波診断装置本体41と接続されているため、超音波診断装置本体41を、いわゆる遠隔サーバとして使用することができる。これにより、例えば、ユーザは、表示装置9、入力装置18、超音波プローブ21をユーザの手元に用意することにより、被検体の診断を行うことができるため、超音波診断の際の利便性を向上させることができる。
また、例えば、いわゆるタブレットと呼ばれる携帯型の薄型コンピュータが表示装置9および入力装置18として使用される場合には、ユーザは、より容易に被検体の超音波診断を行うことができ、超音波診断の利便性をさらに向上させることができる。
なお、表示装置9、入力装置18、超音波プローブ21がネットワークNWを介して超音波診断装置本体41に接続されているが、この際に、表示装置9、入力装置18、超音波プローブ21は、ネットワークNWに有線接続されていてもよく、無線接続されていてもよい。
また、実施の形態4の態様は、実施の形態1に適用されることが説明されているが、実施の形態2についても、同様に適用されることができる。
1,1A 超音波診断装置、2 振動子アレイ、3 送信回路、4 受信回路、5 送受信回路、6 Bモード処理部、7 ドプラ処理部、8 表示制御部、9 表示装置、10 第1血管壁検出部、11 第1血管径算出部、12 第2血管壁検出部、13 第2血管径算出部、14 ゲート設定部、15 血流速度算出部、16 血流量計測部、17 装置制御部、18 入力装置、19 格納部、21 超音波プローブ、22 プロセッサ、23 増幅部、24 AD変換部、25 ビームフォーマ、26 信号処理部、27 DSC、28 画像処理部、29 直交検波部、30 ハイパスフィルタ、31 高速フーリエ変換部、32 ドプラ波形画像生成部、33 データメモリ、41 超音波診断装置本体、A1,B1,B2,H 角度、AL,JL 直線、B 血管、BA 血管走行角度、BR 血管領域、BL 血管勾配線、C 中点、E 推定誤差、D1 深さ方向、D2 横方向、DA 最小径、DB 最大径、DF 第1血管径、DG ドプラゲート、DS 第2血管径、G1,G2,G3,G4 グラフ、J1,J2,J3,J4 深さ、K1,K2 輝度しきい値、L1,L2 差、L1M 最大値、LG ゲート幅、M1,M2,M3,M4 計測点マーカ、MV1,MV2 計測値、NW ネットワーク、P1 収縮期、P2 拡張期、R1,R2 探索領域、SL1,SL2 探索線、UB Bモード画像、UD ドプラ波形画像、W1 血管前壁、W2 血管後壁、WD ドプラ波形、X1,X1M,X2,X2M,X3,X4 点。

Claims (10)

  1. 被検体に対して超音波の送受信を行うことにより受信信号を取得する振動子アレイと、
    前記受信信号に基づいて少なくとも血管が撮像されているBモード画像を生成するBモード処理部と、
    前記Bモード処理部により生成された前記Bモード画像を表示する表示装置と、
    前記血管の短軸像が撮像されている前記Bモード画像を解析することにより短軸方向の血管壁を検出する第1血管壁検出部と、
    前記第1血管壁検出部により検出された前記短軸方向の血管壁に基づいて第1血管径を算出する第1血管径算出部と、
    前記血管の長軸像が撮像されている前記Bモード画像を解析することにより長軸方向の血管壁を検出する第2血管壁検出部と、
    前記第2血管壁検出部により検出された前記長軸方向の血管壁に基づいて第2血管径を算出する第2血管径算出部と、
    前記長軸像が撮像されている前記Bモード画像上における前記血管内にドプラゲートを設定するゲート設定部と、
    前記ドプラゲート内のドプラデータを取得するドプラ処理部と、
    前記ドプラデータに基づいて血流速度を算出する血流速度算出部と、
    検出された前記長軸方向の血管壁および前記短軸方向の血管壁のいずれか一方と、算出された前記血流速度とに基づいて血流量を計測する血流量計測部と
    を備え、
    前記第1血管径算出部により前記第1血管径が算出された後に、前記第2血管壁検出部により前記長軸方向の血管壁が検出され、
    前記第2血管径算出部は、前記第2血管径が前記第1血管径に対して定められた範囲内の値を有するか否かを判定し、
    前記第2血管径が前記第1血管径に対して定められた範囲内の値を有すると判定された場合に、前記血流量の計測に自動的に移行する超音波診断装置。
  2. 前記第2血管壁検出部は、
    前記長軸方向の血管壁を探索するための探索線を前記Bモード画像上に設定し、
    設定された前記探索線上における前記Bモード画像の輝度プロファイルに基づいて血管前壁および血管後壁を前記長軸方向の血管壁として検出する請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記第2血管壁検出部は、検出された前記血管前壁および前記血管後壁にそれぞれ検出点マーカを設定して前記表示装置に表示する請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記ゲート設定部は、前記第2血管壁検出部により検出された前記血管前壁および前記血管後壁の座標に基づいて決定された中心位置およびサイズを有する前記ドプラゲートを設定する請求項2または3に記載の超音波診断装置。
  5. 前記第2血管壁検出部は、検出された前記血管前壁および前記血管後壁の少なくとも一方に基づいて血管走行角度を推定し、前記血管走行角度に対する角度補正値が60度以内となるようにドプラステア角度を設定する請求項2~4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  6. 前記Bモード処理部は、前記第2血管壁検出部により推定された前記血管走行角度に応じて設定されたBモードステア角度に基づいて前記Bモード画像を生成する請求項5に記載の超音波診断装置。
  7. 前記ドプラ処理部は、前記ドプラデータに基づいてドプラ波形画像を生成し、
    前記表示装置は、前記Bモード処理部により生成された前記Bモード画像と前記ドプラ処理部により前記ドプラ波形画像の双方を表示する請求項1~6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  8. 前記ドプラ処理部は、前記Bモード処理部による前記Bモード画像の生成と並行してドプラ波形画像を生成し、
    前記Bモード画像および前記ドプラ波形画像の双方がフリーズされて前記血流量計測部による前記血流量の計測が行われる請求項7に記載の超音波診断装置。
  9. 前記ドプラ処理部は、前記Bモード画像がフリーズされた後に、前記ドプラゲート内のドプラデータを取得して、ドプラ波形画像を生成し、
    前記ドプラ波形画像がフリーズされて前記血流量計測部による前記血流量の計測が行われる請求項7に記載の超音波診断装置。
  10. 定められたフレーム数にわたって、算出された前記第2血管径が、算出された前記第1血管径に対して定められた範囲内を維持した場合に、前記血流量を自動的に計測する請求項1~9のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
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