JP2023154653A - インダクタ - Google Patents

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泰孝 水越
Yasutaka Mizukoshi
正義 宮川
Masayoshi Miyagawa
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Abstract

【課題】外部電極の電極材の素体内への侵入を抑制するインダクタを提供する。
【解決手段】インダクタの素体は、コイル導体の引出部24が引き出される部位に、引出部24の根元部24Aを覆い、かつ、引出部24の線幅方向の両側に位置する縁部24Cの少なくとも一方を覆って、引出部24の長さ方向に延出した磁性体部65を備える。
【選択図】図9

Description

本発明は、インダクタに関する。
特許文献1は、磁性粉と樹脂とを含有し、コイル導体を内蔵する素体と、前記素体の表面部に引き出された前記コイル導体の引出部と、前記引出部に接続された外部電極と、を有するインダクタを開示する。
特開2010-245473号公報
特許文献1では、素体から引き出された引出部の根元に隙間が生じた場合、その隙間から外部電極の電極材が素体内に侵入する。
近年では、インダクタが小型化して、素体内のコイル導体の巻回部と外部電極との距離が近接するため、素体内に外部電極の電極材が侵入すると、この電極材によって特性異常の恐れがある。
そこで、本発明は、外部電極の電極材の素体内への侵入を抑制できるインダクタを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、磁性粉と樹脂とを含有し、コイル導体を内蔵する素体と、前記素体の表面部に引き出された前記コイル導体の引出部と、前記引出部に接続された外部電極と、を有するインダクタにおいて、前記素体は、前記引出部が引き出される部位に、前記引出部の根元部を覆い、かつ、前記引出部の線幅方向の両側に位置する縁部の少なくとも一方を覆って、前記引出部の長さ方向に延出した磁性体部を備える、インダクタである。
本発明によれば、外部電極の電極材の素体内への侵入を抑制できる。
本発明の実施の形態に係るインダクタを上面の側から視た斜視図である。 インダクタを実装面の側から視た斜視図である。 インダクタの内部構成を示す透視斜視図である。 インダクタの製造工程の概要図である。 第1タブレット(E型予備成型体)の斜視図である。 熱成型・硬化工程の説明図である。 A及びBは、コイル導体を内包するコアを示す図である。 A~Cは、引出部の根元部が金属磁性粉に適正に埋没した状態を示す図である。 A~Cは、引出部の根元部が金属磁性粉に埋没するメカニズムの説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本実施の形態に係るインダクタ1を上面12の側から視た斜視図であり、図2はインダクタを底面10の側から視た斜視図である。
本実施の形態のインダクタは、表面実装型の電子部品として構成されており、略六面体形状の一態様である略直方体形状の素体2と、当該素体2の表面に設けられた一対の外部電極4とを備えている。
以下、素体2において、実装時に図示しない実装基板に向けられる第1の主面を底面10と定義し、底面10に対向する第2の主面を上面12と言い、底面10に直交する一対の第3の主面を端面14と言い、これら底面10、及び一対の端面14に直交する一対の第4の主面を側面16と言う。
図1に示すように、底面10から上面12までの距離を素体2の厚みTと定義し、一対の側面16の間の距離を素体2の幅Wと定義し、一対の端面14の間の距離を素体2の長さLと定義する。また、厚みTの方向を厚み方向DTと定義し、幅Wの方向を幅方向DWと定義し、長さ距離の方向を長さ方向DLと定義する。
インダクタの大きさは、例えば、長さL寸法が3.5mm、幅W寸法が2.5mm、厚みT寸法が1.9mmである。
図3は、インダクタの内部構成を示す透視斜視図である。
素体2は、コイル導体20と、当該コイル導体20が埋設された略六面体形状のコア30と、を備え、かかるコイル導体20をコア30に封入した導体封入型磁性部品として構成されている。
コア30は、磁性粉と樹脂を混合した混合粉を、コイル導体20を内包した状態で加圧及び加熱することで略六面体形状に圧縮成型された成型体である。
また、本実施の形態の磁性粉は、平均粒径が比較的大きな大粒子の第1磁性粒子と、平均粒径が比較的小さな小粒子の第2磁性粒子との2種の粒度の粒子を含んでいる。これにより、圧縮成型時において、大粒子の第1磁性粒子の間に、小粒子である第2磁性粒子が樹脂とともに入り込むことでコア30の磁性粉の充填率を大きくし、また透磁率も高めることができる。本実施の形態において、第1磁性粒子および第2磁性粒子の金属粒子の平均粒径はそれぞれ24.4μmおよび4.0μmである。
なお、第1磁性粒子の平均粒径は19μm以上30μm以下が好ましく、第2磁性粒子の平均粒径は3μm以上5μm以下が好ましい。
大粒子と小粒子の配合比は、75:25の重量比である。大粒子と小粒子の配合比は、70:30~85:15の重量比であり、好ましくは70:30~80:20の重量比である。大粒子と小粒子の平均粒径の比は5.0以上である。大粒子の最小粒径/小粒子の最大粒径は、例えば21.4/4.25である。
磁性粉は、第1磁性粒子と第2磁性粒子とは異なる粒子を含む、3種類以上の粒度の粒子を含んでもよい。
本実施の形態において、第1磁性粒子及び第2磁性粒子はいずれも、金属粒子と、その表面を覆う数nm以上数十nm以下の膜厚の絶縁膜とを有した粒子であり、金属粒子にはFe-Si系アモルファス合金が用いられ、絶縁膜にはリン酸亜鉛ガラスが用いられている。金属粒子が絶縁膜で覆われることで、絶縁抵抗と耐電圧とが高められる。
なお、第1磁性粒子及び第2磁性粒子において、金属粒子には、Fe-Si-Cr合金粉、CrレスのFe-C-Si合金粉、Fe-Ni-Al合金粉、Fe-Cr-Al合金粉、Fe-Si-Al合金粉、Fe-Ni合金粉、Fe-Ni-Mo合金粉を用いてもよい。第2磁性粒子ではカルボニル鉄粉等の純鉄を用いてもよい。
また、第1磁性粒子及び第2磁性粒子において、絶縁膜には、他のリン酸塩(リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸マンガン、リン酸カドミウムなど)、又は、樹脂材料(シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂など)を用いてもよい。
本実施の形態の混合粉において、樹脂の材料には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を主剤としたエポキシ樹脂が用いられている。なお、エポキシ樹脂は、フェノールノボラック型エポキシ樹脂であってもよい。樹脂重量の割合は、軟磁性粉と樹脂の総重量を基準として、2.9~3.1wt%である。
また、樹脂の材料は、エポキシ樹脂以外であってもよく、また、1種類ではなく2種類以上であってもよい。例えば、樹脂の材料には、エポキシ樹脂の他にも、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。
コイル導体20は、図3に示すように、断面が平角状の導線が巻回された巻回部22と、当該巻回部22から引き出された一対の引出部24とを備える。巻回部22は、導線の両端が巻回部22の外周に位置し、かつ内周で互いに繋がるように導線を渦巻き状に巻回して形成されている。素体2の内部において、コイル導体20は、巻回部22の巻軸が、素体2の厚み方向DTに沿う姿勢でコア30に埋設されている。また、引出部24は、導線の幅広面がコア30の端面14の表面に露出するように、巻回部22から一対の端面14のそれぞれまで引き出されて、外部電極4に電気的に接続されている。
導線は、図示は省略したが、被膜により覆われている。被膜は、絶縁層と、絶縁層の外側の融着層とを備えている。絶縁層は導体を絶縁し、融着層は隣り合う導線同士を結合している。絶縁層の厚みは3μm以上で、9μm以下であり、好ましくは、4μm以上で、7μm以下である。絶縁層としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂が挙げられ、好ましくは、ポリアミドイミド樹脂である。融着層の厚みは、好ましくは、1μm以上で、3.5μm以下である。融着層としては、ポリアミド樹脂が挙げられる。また、導線の被膜は、コイル導体20の引出部24の外部電極4と接続される領域において外部電極4と接続するために除去されている。
外部電極4は、素体2の端面14から、当該端面14に隣接する底面10、上面12、及び一対の側面16のそれぞれの一部に亘って設けられた、いわゆる5面電極であり、はんだなどの適宜の実装手段によって回路基板の配線に電気的に接続される。
かかる構成のインダクタ1は、磁性粉に軟磁性粉を用いることにより、直流重畳特性を改善できるので、大電流が流れる電気回路の電子部品、DC-DCコンバータ回路や電源回路のチョークコイルとして用いられ、また、パソコン、DVDプレーヤー、デジカメ、TV、携帯電話、スマートフォン、カーエレクトロニクス、医療用・産業用機械などの電子機器の電子部品に用いられる。ただし、インダクタの用途はこれに限られず、例えば、同調回路、フィルタ回路や整流平滑回路などにも用いることもできる。
なお、インダクタ1において、外部電極4の範囲を除く素体2の表面全体に、素体保護層を形成してもよい。素体保護層の材料には、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、又は、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。なお、これらの樹脂は酸化ケイ素、酸化チタン等を含むフィラーを更に含んでいても良い。
図4は、インダクタの製造工程の概要図である。
同図に示すように、インダクタの製造工程は、コイル導体形成工程、予備成型体形成工程、熱成型・硬化工程、バレル研磨工程、及び、外部電極形成工程を含んでいる。
コイル導体形成工程は、導線からコイル導体20を形成する工程である。当該工程において、コイル導体20は、「アルファ巻」と称される巻き方で導線を巻回することにより、上述した巻回部22、及び一対の引出部24を有した形状に形成される。アルファ巻とは、導体として機能する導線の巻始めと巻終わりの引出部24が外周に位置するように渦巻き状に2段に巻回された状態を言う。コイル導体20のターン数は、特に限定されるものではない。
予備成型体形成工程は、タブレットと称される予備成型体を形成する工程である。
予備成型体は、素体2の材料である上記混合粉を加圧することで、取り扱いが容易な固形状に成型したものであり、本実施の形態では、コイル導体20が入り込む溝を有した適宜形状(例えばE型など)の第1タブレットと、この第1タブレットの溝を覆う適宜形状(例えばI型や板状など)の第2タブレットとの2種類のタブレットが形成される。
図5は、E型の第1タブレットの斜視図である。
第1タブレット50は、コイル導体20の巻回部22が収容される凹部51と、引出部24が引き出される一対の溝部52とを備えている。
図6は、熱成型・硬化工程の説明図である。
図4の熱成型・硬化工程では、成型金型55を準備する。
熱成型・硬化工程は、成型金型55に、図5に示す第1タブレット50、コイル導体20、及び第2タブレット(板状予備成型体)53をセットし、上金型56をセットし、熱を加えながら、上金型56を移動させて、第1タブレット50と、第2タブレット53の重なり方向に加圧し、これらを硬化させることとで、第1タブレット50、コイル導体20、及び第2タブレット53を一体化する。これにより、コイル導体20をコア30に内包した素体2が成型される。
バレル研磨工程は、この成型体をバレル研磨する工程であり、当該工程により、素体2の角部へのR付けが行われる。
外部電極形成工程は、外部電極4をコア30に形成する工程であり、表面処理工程と、導電性樹脂層形成工程と、めっき層形成工程と、を含んでいる。
表面処理工程は、コア30の表面の電極予定箇所にレーザ光を照射することで電極予定箇所の表面を改質する工程である。ここで、電極予定箇所とは、コア30の表面のうち外部電極4を形成すべき範囲をいい、引出部24が露出されている部分を含む。具体的には、レーザ光を照射することにより、電極予定箇所の範囲において、コア30の表面の樹脂を除去すると共に、コア30から露出している磁性粒子の表面の絶縁層を除去する。これにより、コア30の表面のうち電極予定箇所の部分は、コア30の他の表面部分に比べて、コア30の表面の単位面積あたりの磁性粒子の金属の露出面積が大きくなる。なお、レーザ照射後に、電極予定箇所の表面を清浄するための洗浄処理(例えばエッチング処理)を行っても良い。
導電性樹脂層形成工程では、電極予定箇所に、導電粉と樹脂とを含むペースト状の導電性樹脂を塗布し乾燥硬化させることで、導電性樹脂層を形成する。具体的には、導電性樹脂ペーストの中に、コア30を、端面14の側からディップして引き上げることにより、端面14を含む所望の塗布範囲に導電性樹脂を塗布する。
このような導電性樹脂層は、導電粉を含有するため、後述するめっき層形成工程において電極予定箇所に一様な電位分布を形成し得るので、導電性樹脂層の上に形成されるめっき層の均質性を向上することができる。
本実施の形態では、導電性樹脂として、粒径が数10nmの銀(Ag)の微細粉末(いわゆるナノ銀)とアクリル樹脂との混合物を用いている。当該混合物における銀の重量比は、例えば88%である。このような銀の微細粉末を用いることにより、上述しためっき層の均質性向上に加えて、導電性樹脂層における銀の充填率を上げて外部電極4と引出部24との間の直流抵抗値を低減することができる。
めっき層形成工程では、導電性樹脂層の表面上に、めっき層を形成する。めっき層は、導電性樹脂層の表面に直接に形成される第1めっき層と、第1めっき層の上に形成される第2めっき層とで構成される。本実施の形態では、第1めっき層は、厚み4.0μm以上15μm以下のニッケル(Ni)めっき層であり、第2めっき層は、厚み4μm以上8μm以下のスズ(Sn)めっき層である。めっき層は、電解めっき(例えば、バレルめっき)により形成され得る。なお、ニッケル(Ni)めっき層に代えて、銅(Cu)のめっき層を用いてもよい。めっき層は、本実施の形態では2層で構成されるものとしたが、これに限らず、任意の層数で構成されるものとすることができる。
上記の外部電極形成工程により、導電性樹脂層と、めっき層と、で構成される外部電極4が形成される。
なお、外部電極4は、スパッタリングや、銅板などを用いて形成してもよい。外部電極4は、5面電極に限らず、端面14及び底面10の両面にのみ、めっきによる金属層が形成された、いわゆるL字電極でもよく、また底面10にのみ金属層が形成された、いわゆる底面電極でもよい。
(実施の形態1)
図7Aは、コイル導体20をコア30に内包した素体2を示す図であり、図7Bは、図7Aのコイル導体20の一方の引出部24(図7Aでは右側に位置する引出部24)の素体2の表面に露出する部分の近傍と、素体2の一方の引出部24(図7Aでは右側に位置する引出部24)が露出する部分の近傍を拡大し、その関係を模式的に示した図である。
コイル導体20は巻回部22と一対の引出部24を備える。引出部24は、巻回部22から引き出され、先端部に巻回部22につながる根元部24Aと、根本部24Aにつながり、外部電極4に接続される接続部24Bと、を備えている。根元部24Aは、図7Bに模式的に示すように、半径CFで屈曲している屈曲部Rを有し、屈曲部Rの始端側が巻回部とつながっており、屈曲部Rの終端から先がほぼ平坦になって接続部24Bにつながっている。接続部24Bは、素体2の表面に露出し、図3に示すように素体2に形成された外部電極4に接続されている。
本実施の形態では、コア30の磁性粉が、図7Bに模式的に示すように、平均粒径の大きな第1磁性粒子60と、平均粒径の小さな第2磁性粒子61とを含み、各粒子60、61が、半径CFで屈曲する屈曲部Rの終端が埋まるように根元部24Aの外側にほぼ均一に埋められている。
図5に示すように、第1タブレット50は溝部52を備え、溝部52から引出部24が引き出されるが、熱成型・硬化工程で第1タブレット50と第2タブレット53を構成する磁性粉と樹脂を流動させることにより、引出部24の根元部24A近傍に隙間を生じさせることなく、根元部24Aの外側と素体2の表面間を、ほぼ均一に埋めるように、第1磁性粒子60及び第2磁性粒子61が、ほぼ均一に埋められている。
図8A、図8B、図8Cは、引出部24の根元部24Aが金属磁性粉に適正に埋没した状態を模式的に示すもので、図7Aの素体2を右方向から右端面を部分的に透視した図である。図8A、図8B、図8Cにおいて、上方向に素体の上面が位置し、下方向に素体の底面が位置している。
図8Aに示す素体2では、引出部24が引き出される部位に、屈曲部Rの終端RFが素体2内に埋設されるように、引出部24の根元部24Aを覆い、かつ、導線の線幅によって規定される引出部24の幅方向で引出部24の接続部24Bの両側に、引出部24の長さ方向に沿って位置する、引出部24の縁部24Cの両方を覆って、引出部24の長さ方向に延出した磁性体部65を備え、素体2の端面に引出部24の接続部24Bが露出している。引出部24が金属磁性粉に適正に埋没した状態では、磁性体部65は、引出部24の縁部24C上に、引出部24の先端から導線の長さ方向に沿って根本部24Aに向かうにしたがって、引出部24の縁からの距離が大きくなるように形成され、さらに根元部24Aに近づくと引出部24の縁からの距離が急激に大きくなるように形成される。この磁性体部65を素体の端面側から見た場合、磁性体部65の縁は、導線の長さ方向に傾斜し、根元部24A近傍で導線の長さ方向に沿って凹んだV字状に形成される。また、この磁性体部65は、素体2の端面に外部電極4が形成され、引出部24に接続されることにより外部電極4に覆われ、外部電極4と引出部24とで挟まれることになる。外部電極4は、引出部の両側の縁部間に位置し、磁性部から露出した引出部の接続部24Bに接続される。
磁性体部65は、素体2の端面側からX線で撮影した透過写真により引出部24との位置関係、形状を確認でき、X線で撮影した透過写真の素体2の端面の引出部24の幅方向の中心部に該当する位置で、素体2の主面と平行にDL方向に素体2を切断し、素体2の切断面において、引出部24の根元部24Aの上に位置するコア30を構成する磁性粉と樹脂の存在により、引出部24の根元部24Aの屈曲部Rの終端RFが少なくとも素体2内に埋まっていることの確認をすることができる。
また、引出部24の根元部24Aの屈曲部Rの終端RFが素体2内に埋まっていることの判断は、引出部24の根元部24Aの屈曲部Rの終端RFよりも引出部24の先端側に、引出部24の根元部24A上に厚さが30μm以上の磁性体部65があることで判断することができる。
このように、素体2において、引出部24が引き出される部位に、屈曲部Rの終端RFが素体2内に埋設されるように、引出部24の根元部24Aを覆い、かつ、導線の線幅によって規定される引出部24の幅方向で引出部24の接続部24Bの両側に、引出部24の長さ方向に沿って位置する、引出部24の縁部24Cの両方を覆って、引出部24の長さ方向に延出した磁性体部65を備えることにより、従来のように引出部24の根元と素体2の間に隙間が生じるのを防止できる。
また、磁性体部65を素体2の端面側から見た場合の磁性体部65の縁を、導線の長さ方向に傾斜し、根元部24A近傍で導線の長さ方向に沿って凹んだV字状に形成することにより、凹み24Dに引出部24の表面が露出する形となり、従来のように引出部の根元と素体2の間の隙間を生じさせることなく、引出部24の露出面積を広げることができるので、引出部24と外部電極4の接続を良くできるとともに、このV字状の凹み24Dに入り込んだ外部電極材料によって、外部電極4の素体2への固着強度を向上させることができる。
図8Bに示す素体2では、磁性体部65を素体2の端面側から見た場合、磁性体部65の縁は、導線の長さ方向に傾斜し、根元部24A近傍で導線の長さ方向に沿って凹んだU字状の凹み24Dを備えて形成される。
図8Bに示す素体2においても、前述の手法により、磁性体部65と引出部24との位置関係、形状の確認、引出部24の根元部24Aの屈曲部Rの終端RFが少なくとも素体2内に埋まっていることの確認をすることができる。
このように、磁性体部65を素体2の端面側から見た場合の磁性体部65の縁を、導線の長さ方向に傾斜し、根元部24A近傍で導線の長さ方向に沿って凹んだU字状に形成することにより、U字状の凹み24Dにより、V字状の凹み24Dよりも引出部24の露出面積を広げることができる。
図8Cに示す素体2では、導線の線幅によって規定される引出部24の幅方向で引出部24の接続部24Bの両側に、引出部24の長さ方向に沿って位置する、引出部24の縁部のうち一方の縁部(素体2の上面側の縁部)24Cを覆って、引出部24の長さ方向に延出した磁性体部65を形成している。
引出部24の縁部のうち他方の縁部(素体2の底面側の縁部)24Cは磁性体部65に覆われることなく、引出部24の接続部24Bを構成している。
図8Cに示す素体2においても、前述の手法により、磁性体部65と引出部24との位置関係、形状の確認、引出部24の根元部24Aの屈曲部Rの終端RFが少なくとも素体2内に埋まっていることの確認をすることができる。
このように、引出部24の縁部のうち一方の縁部24Cを覆うようにしても、従来のように引出部24の根元と素体2の間に隙間が生じるのを防止でき、この一方の縁部が素体2の底面側の縁部であっても良い。
図9A~図9Cは、引出部24の根元部24Aが金属磁性粉に埋没するメカニズムの説明するもので、図6の金型内で成型中の成型体を図6の右側から見た図である。図9A~図9Cにおいて、上方向に後に形成される素体2の上面が位置し、下方向に後に形成される素体2の底面が位置している。図9Aに示す矢印Pは、素体2の成型圧力の方向を示す。
樹脂量(樹脂の重量)が多い場合、金属磁性粉の流動量が大きくなるため、図9Aに示す状態から、成型時に金属磁性粉が、図9Bに示すように、引出部24の根元部24A側から引出部24上に侵入し、根元部24Aの屈曲部Rの終端RFを埋めるように金属磁性粉が流動する。
金属磁性粉がさらに流動すると、図9Cに示すように、引出部24の根元部24Aを金属磁性粉で埋め尽くし、金属磁性粉が、引出部24の縁部24Cの上にも侵入し、引出部24の縁部24Cを覆っていく。
このようにして素体2は、端面の引出部24が引き出される部位に、引出部24の根元部24Aを覆い、かつ、導線の線幅によって規定される引出部24の幅方向で引出部24の接続部24Bの両側に位置する、引出部24の縁部24Cの両方を覆って、引出部24の長さ方向に延出した磁性体部65を備える。
樹脂量(樹脂の重量)が少ない場合、成型圧力を加えた時の金属磁性粉の流動量が小さくなるため、引出部24の根元部24A側から引出部24上に侵入する金属磁性粉の量が少なくなり、根元部24Aの金属磁性粉に埋没する量が小さくなる。
根元部24Aの金属磁性粉に埋没する量が小さくなると、根元部24Aの屈曲部Rの終端RFを埋めきることができず、根元部24Aと素体2の間に隙間が生じて、その隙間から外部電極4の電極材が素体2内に侵入する。
近年では、インダクタが小型化して、素体2内のコイル導体20の巻回部22と外部電極4との距離が近接するため、素体2内に外部電極4の電極材が侵入すると、この電極材によって特性異常の恐れがある。
一方で、引出部24の長さ方向に延出した磁性体部65の量が、あまり大きくなり過ぎた場合には、引出部24の露出面積が減少するため、外部電極4の接続に適した露出面積を確保できない恐れがある。
従って、樹脂量(樹脂の重量)を適切に調整することにより、素体2から引き出された引出部24の根元に隙間が生じるのを防止し、引出部24の露出面積を外部電極4の接続に適した面積にすることができる。
金属磁性粉と樹脂との混合粉を用いて、導線を巻回したコイル導体20をコア30に内包し、コイル導体20の巻軸が、素体2の実装面と垂直になるように素体2を形成する実験を行った。
本実験例では、素体2は、長さL寸法が3.5mm、幅W寸法が2.5mm、厚みT寸法が1.9mm、コイル導体20は、長手方向内周が1.71mm、長手方向外周が2.78mm、短手方向内周が0.92mm、短手方向外周が1.99mm、高さが1.35mmに形成した。
また、金属磁性粉は、大粒の第1磁性粒子60の平均粒径が24.4μm、小粒の第2磁性粒子61の平均粒径が4.0μmのものを用いた。
さらに、(樹脂の重量)/(金属磁性粉と樹脂の合計重量)は、2.9wt%以上、3.1wt%以下に設定した。(樹脂の重量)/(金属磁性粉と樹脂の合計重量)は、これらを互いに混合する前において、それぞれ重量を計測することにより測定することができる。また、これらを混合し、圧縮成型した成型体としてのコア30の状態において測定する場合には、素体上面で見てコイル導体20の巻軸を通り、素体2の長手方向に切断し、コイル導体20の巻軸に沿って素体主面からそれぞれ0.5mmの位置を中心として0.5mm四方、深さ0.5mmにわたって金属磁性粉と樹脂を採取し、採取物の重量を測定した後、非酸化性の雰囲気中で樹脂が燃える温度で採取物を燃やし、残留物の重量を測定し、その割合を算出することにより測定することができる。
素体2の成型圧力は50Mpa(約500kgf/cm2)である。
(実施の形態1の評価結果)
実験の結果、(樹脂の重量)/(金属磁性粉と樹脂の合計重量)が2.9wt%以上3.1wt%以下の範囲では、いずれも適切な金属磁性粉の流動性を得ることができ、磁性体部における磁性粉の充填率を大きくして、コアの透磁率が劣化するのを防止できた。
(実施の形態2)
本実施の形態では、図7A、図7Bに示す半径CFを調整することにより、コア30の磁性粉が、図7Bに模式的に示すように、平均粒径の大きな第1磁性粒子60と、平均粒径の小さな第2磁性粒子61とを含み、各粒子60、61が、半径CFで屈曲する屈曲部Rの終端RFが埋まるように根元部24Aの外側にほぼ均一に埋められている。
金属磁性粉と樹脂との混合粉を用いて、導線を巻回したコイル導体20をコア30に内包し、コイル導体20の巻軸が、素体2の実装面と垂直になるように素体2を形成する実験を行った。
本実験例では、素体2は、長さL寸法が3.5mm、幅W寸法が2.5mm、厚みT寸法が1.9mm、コイル導体20は、長手方向内周が1.71mm、長手方向外周が2.78mm、短手方向内周が0.92mm、短手方向外周が1.99mm、高さが1.35mm、半径CFを251μm以上388μm以下に形成した。
半径CFは、素体2の上面よりX線で撮影し、屈曲部Rの始端と終端RFによって形成される巻回部22に近接している内周側の円弧に沿って、図7Aに点線で示すような円を描き、その半径を求めることにより算出することができる。
また、金属磁性粉は、大粒の第1磁性粒子60の平均粒径が24.4μm、小粒の第2磁性粒子61の平均粒径が4.0μmのものを用いた。
さらに、(樹脂の重量)/(金属磁性粉と樹脂の合計重量)は、3.0wt%に設定し、素体2の成型圧力を50Mpa(約500kgf/cm2)に設定した。
(実施の形態2の評価結果)
実験の結果、半径CFを251μm以上388μm以下の範囲では、いずれも適切な金属磁性粉の流動量を得ることができ、磁性体部65における磁性粉の充填率を大きくでき、コア30の透磁率が劣化するのを防止できた。
上述した各実施の形態は本発明の一態ようを例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変形及び応用が可能である。
上述した実施の形態における水平、及び垂直等の方向や各種の数値、形状、材料は、特段の断りがない限り、それら方向や数値、形状、材料と同じ作用効果を奏する範囲(いわゆる均等の範囲)を含む。
1 インダクタ
2 素体
4 外部電極
20 コイル導体
21 導線
21A 端面
21B 側面
22 巻回部
24 引出部
24A 根元部
24B 接続部
24C 凹み
30 コア
60 第1磁性粒子
61 第2磁性粒子
65 磁性体部

Claims (6)

  1. 磁性粉と樹脂とを含有し、コイル導体を内蔵する素体と、前記素体の表面部に引き出された前記コイル導体の引出部と、前記引出部に接続された外部電極と、を有するインダクタにおいて、
    前記素体は、前記引出部が引き出される部位に、前記引出部の根元部を覆い、かつ、前記引出部の線幅方向の両側に位置する縁部の少なくとも一方を覆って、前記引出部の長さ方向に延出した磁性体部を備える、
    インダクタ。
  2. 前記磁性体部は、前記引出部の長さ方向に凹んだU字状又はV字状の凹みを備える、請求項1に記載のインダクタ。
  3. 前記磁性体部は、前記外部電極に覆われ、前記外部電極と前記引出部とで挟まれている、請求項1に記載のインダクタ。
  4. 前記引出部の両側の縁部間に位置し、前記磁性体部から露出した前記引出部の接続部に前記外部電極が接続される、請求項1に記載のインダクタ。
  5. 前記素体は、(樹脂の重量)/(金属磁性粉と樹脂の合計重量)が2.9wt%以上、3.1wt%以下に設定される、請求項1に記載のインダクタ。
  6. 前記引出部の根元部が半径CFで屈曲し、半径CFが、251μm以上、388μm以下に設定される、請求項1に記載のインダクタ。
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