JP2023153483A - 橋梁 - Google Patents

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Tetsuo Ikeda
澄貴 井上
Sumitaka Inoue
賀津雄 大垣
Kazuo Ogaki
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Abstract

【課題】 分割片である橋梁部材を長さ方向に適切に接続して構成することができるFRP橋梁を提供する。【解決手段】 上層2aと下層2cとがFRPでありコア部2bにエラストマーを有するサンドイッチ構造の積層板が床版2とされ、その下部に、FRP成形板を接着してなる桁3が一体化された、FRPを主要材とする橋梁において、a)床版2と桁3とを一体化した橋梁部材を、継手部分4を介し継目4aにおいて長さ方向に接続したこと、および、b)継手部分4では、上記床版2をなす積層板におけるコア部2bのエラストマーに代えて、継目4aを長さ方向にまたぐ範囲でFRP板2xを挿入し、上層2a・下層2cの各FRPと接着していることを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、FRPを主要材とし、継手部分を介して長さ方向に接続されることにより構成される橋梁に関するものである。
近年、FRP(繊維強化プラスチック)によって橋梁が製作されることがある。FRPは錆びることがないので、そのような橋梁は海浜部等の厳しい腐食環境にも耐えることができる。
上記のようなFRP橋梁の一例として、沖縄県浦添市に2019 年10 月に建設された歩道橋がある。それは、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック。FRPの一種)でできたボックス桁構造の歩道橋であり、支間長17.5m、橋長18.5mという国内最大級のFRP橋梁である。
その歩道橋は、床版として、上面・下面がFRPでコア部にエラストマーを有するサンドイッチ構造の積層板が使用され、その下に、FRPの成形板が接着されることにより箱型断面に桁が一体化されたものである。
上記したFRP橋梁および浦添市の上記歩道橋については、下記の非特許文献1に記載がある。そのほか、下記の特許文献1にも、FRPでできた橋梁についての記載がある。
第8回FRP複合構造・橋梁に関するシンポジウム(2020 年11 月13日)「GFRP成形材を接着したBOX桁橋の曲げおよびせん断耐荷力に関する実験研究」
特開2017-20199号公報
非特許文献1に示された浦添市の歩道橋は、橋梁の全体を一体の構造体として工場内で製造されたもので、その構造体が、一体のまま現地(施工現場)に輸送され架設されている。しかし、その例よりも長い、全長(橋長)が20mを超える程度の橋梁になると、全体を一体的に製造してもそれを輸送することが難しいため、分割して製造したうえ現地にて長さ方向に接続する必要がある。
FRP製の橋梁を長さ方向に接続して施工することに関しては、現在のところ事例がほとんどない。上記の特許文献1の例にも、長さ方向に接続する旨の記載はない。したがって、FRP製の長い橋梁を施工するに関しては、長さ方向に接続するための構造をどのようにするかが課題となる。鋼製の橋梁において用いられる高力ボルトによる摩擦接合ボルト継手構造は、FRP橋梁にも採用された事例があるとはいえ、FRP部材の接続に関しては、クリープ(外力を受ける物体の変形が時間とともに増加すること)のためにボルトの軸力が減少しやすいことから課題があり、より好ましい接合構造が求められる。
本発明は、そのような課題を解決するために、現地での接続に適した好ましい構造を有するFRP橋梁を提供するものである。
本発明は、上面(上層)と下面(下層)とがFRPでありコア部(中間層)にエラストマーを有するサンドイッチ構造の積層板が床版とされ、その下部に、FRP成形板を接着してなる桁が一体化された、FRPを主要材とする(少なくとも床版と桁とにFRPが使用されている)橋梁であって、
a) 上記床版と上記桁とが一体化された橋梁部材が、継手部分を介し継目において長さ方向に接続されたものであること、および、
b) 上記継手部分では、上記床版をなす積層板におけるエラストマーに代えて、継目を長さ方向(橋梁の長さ方向)にまたぐ範囲で(継目をはさむ各側にたとえば200~500mm程度ずつ広がるように)FRP板が挿入され、上面・下面の上記FRPと接着されていること
を特徴とする。上記継手部分での床版の構成を図3(a)(b)に例示し、そのような継手部分を有する橋梁の一例を図1・図2に例示している。
本発明の橋梁は、上記したサンドイッチ構造の積層板で床版を構成するとともに、FRP成形板を接着してなる桁をその下部に一体化することから、道路面の耐荷重強度と構造物全体の剪断・曲げの強度とをいずれも適切に有し、かつ、耐腐食性能にも優れた橋梁として構成される。上記床版がコア部にエラストマーすなわち弾性体を有するため、通行にともなう振動および騒音が抑制されるという効果もある。
床版と桁とが継手部分を介し継目にて長さ方向に接続されることから、発明によれば、橋梁の全体を長さ方向に分割した複数の橋梁部材を製造したうえ、現地すなわち据付の現場にてそれらの部材を接続する施工方法が採用される。そのため、20mを超える長い橋梁を構成することも可能である。
ただし、その床版が、コア部にエラストマーを含む厚めの積層板であるため、継手部分での接合には配慮が必要であった。すなわち、コア部にエラストマーを有することから、たとえば高力ボルトによる摩擦接合ボルト継手構造を採用することは上述のとおり適切でない。また、継目をはさむ端面同士を単に接着するだけでは接合強度が確保されない。
その点、発明の橋梁では、継手部分において、床版をなす積層板のコア部のエラストマーに代えて、継目をまたぐようにFRP板を挿入し、それを、継目をはさむ両側の位置にある上面・下面の各FRPと接着しているので、床版同士を高強度に接続することができる。挿入したFRP板の上下両面が、床版である積層板の上下の各FRPと接着されるからである。なお、据付の現地での接続の際に継目にFRP板を挿入するためには、床版とする積層板の製造時に当該挿入範囲にエラストマーを積層せずにおくか、または、エラストマーを有するものとして製造された積層板から、当該挿入範囲のエラストマーを事前に除去するとよい。
上記継手部分では、床版の上面および下面のFRPとその間に挿入された上記FRP板とが、それらを貫通するボルトによって厚さ方向に締め付けられており、また、そのボルトが皿ボルトであって、当該ボルトの頭部が、上面に設けられた座ぐり内に入っていて上面の表面上に突出していないことが好ましい。図3(a)~(c)はそのような構成を例示したもので、符号4bが上記の皿ボルトを例示し、図3(c)のとおり頭部4cが上面の座ぐり内に入っている。
上記のようにボルトによって上記FRP等を厚さ方向に締め付けると、上記積層板の上面・下面の各FRPと、継目をまたいで挿入されたFRP板とを、接着の際に強く押し付けることができるため、十分な接合強度を確実に得ることができる。
また、当該ボルトの頭部が、上記のとおり座ぐり内に入っていて表面上に突出していないようにすると、床版の上面すなわち路面(通行面)上への突起物をなくすことができるため、きわめて好都合である。
なお、当該ボルトは、上記の接着を適切に行うためのものであるため、接着の完了後に取り外す(ボルト用の穴は適切な充填剤で埋める)こととしてもよい。
上記の継手部分ではさらに、上記桁をなすFRP成形板の両面に、継目を長さ方向(橋梁の長さ方向)にまたぐ範囲で、FRP製の添接板が接着されているのが好ましい。そのような構成の一例を図4・図5に示している。
分割片である各橋梁部材を長さ方向に接続して発明の橋梁を完成するためには、床版とともにその下の桁をも接続する必要がある。継手部分での桁の接続は、上記のとおり、桁をなすFRP成形板の両面に、継目をまたぐ範囲で(継目をはさむ各側にたとえば200~500mm程度ずつ広がるように)FRP製の添接板を接着するとよい。添接板はFRP成形板の両面に接着するので、継手部分の機械的強度を確保しやすい。また、床版とは違って桁は路面とはならないため、添接板の接着によって表面上に段差(厚さの不均一)ができても差し支えがない。
上記した桁の接続に関しては、とくに、桁をなすFRP成形板とその両面に接着した上記添接板とが、それらを貫通するボルトにより、当該添接板の端部付近において締め付けられているとよい。図4・図5に例示したボルト4dはそのためのものである。
そのようにボルトを使用すると、添接板を接着する際、接着剤が硬化するまでの間、桁をなすFRP成形板とその両側の添接板とを押さえ付けることができる。そのため、当該FRP成形板と添接板とを、剥がれないように十分な強度で接着できる。なお、接着の完了後には上記のボルトを取り外すこととしてもよい。
上記桁をなすFRP成形板の表面で当該成形板の表面上に段差(厚さの不均一)がある部分では、フィラープレートが接着されて段差が埋められた面上に上記の添接板が接着されているのも好ましい。図6はその例であり、符号7がフィラープレートである。
桁を構成する側板等は、断面がコの字状(溝形)に形成されていて両側の縁部のフランジ部分が他の部材に接着されることが多い。そのため、底板の上面等では、側板等のフランジ部分が接着された箇所とそうでない箇所とで厚さが異なることとなり、FRP成形板の表面に段差が生じる。製造コストの低い平板状の添接板を、段差を含むそのような表面を覆う位置に重ねる場合、上記フランジ部分が接着されていない箇所(段差をなす低位の面)では添接板をFRP成形板に接着できないこととなる。
そこで、図6の例のように、段差をなす低位の面上にフィラープレートを接着して段差を解消(厚さを均一化)し、そのうえで添接板を接着する。そうすると、低コストである平坦な添接板を、桁をなすFRP成形板に広い範囲で接着でき、継手部分での桁の接続強度を高くすることができる。
上記継手部分では、
イ)上記床版をなす積層板の下面(FRPの下面)に、上記継目を長さ方向にまたぐ範囲でFRP製の添接板が接着されていて、
ロ)上記積層板の下面と、それに接着された上記桁をなすFRP成形板の接着部分の表面(下面)との間にある段差が、上記床版の下面にフィラープレートが接着されることにより埋められているとともに、上記添接板として平板状のものが、当該フィラープレートの表面(下面)と上記桁をなすFRP成形板の接着部分の表面(下面)とを覆うように被せられ接着されているのもよい。
図6の例では、床版2の継手部分がそのように構成されている。
床版である積層板の継手部分は前述のように構成する(図3(a)(b)を参照)が、上記イ)に示すように積層板の下面にさらに添接板を接着すると、継手部分の機械的強度はさらに高くなる。添接板を床版の下面にのみ接着するのであるから、通行面に段差が生じるという不都合はない。
また、床版の下面への添接板の接着は、上記ロ)のとおりフィラープレートを使用して段差をなくしたうえ、フィラープレートの表面と桁をなすFRP成形板の接着部分の表面とに被さる広い範囲に平板状の添接板を貼るのがよい。そうすると、継手部分の強度を十分に高め得ることに加え、添接板の製造コストに関しても有利である。
なお、床版である積層板の下面へのフィラープレートおよび添接板の接着に際しては、接着剤が硬化するまで上記と同様にボルトを用いて各板を押し付けておくのが好ましい。そのボルトとして、図3(c)に倣って皿ボルトを使用すると、接着剤の硬化後にもそのボルトを取り除く必要がない。
本発明の橋梁によれば、エラストマーを含む積層板でできた床版同士を、仮設の現場において継手部分で高強度に接続することができる。また、FRP成形板でできた桁についても、同様に適切に接続することが可能である。
継手部分において、床版である上記積層板もしくは桁とする上記FRP成形板にそれらを貫通して締め付けるボルトを適切に使用し、または、上記FRP成形板の表面の段差部分に適宜にフィラープレートを接着することとすれば、上記各接続の強度を高くすることができる。
発明の実施例としての歩道橋(橋梁)1を示す側面図(図1(a))および平面図(同(b))である。 図1(a)におけるII-II断面図である。 図3(a)は図2におけるIII部詳細図、図3(b)は同(a)におけるb-b断面図、また、図3(c)は同(b)におけるc部詳細図である。 図4(a)は図2におけるIV-1、IV-2およびIV-3の矢視図であり、図4(b)は同(a)におけるb-b断面図である。 図5(a)は図2におけるVの矢視図であり、図5(b)は同(a)におけるb-b断面図である。 発明の他の例である歩道橋1’における継手部分での横断面図である。
発明の一実施例である歩道橋1を図1~図5に示す。
この歩道橋1は、支間長が28.5m、橋長が30m、有効幅員が2mのもので、図1(a)(b)に示すとおり、両端部がそれぞれ支承11を介して橋台12上に架設されている。ほとんどの部分がGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)で構成されたFRP橋梁であり、図2のように床版(床スラブ)2と桁3とが一体になったBOX桁構造のものである。
床版2は、図2のように3層が上下に積層されたもので、後述する継手部分4を除く全域においては、図3(b)に示す上層2aと下層2cとをGFRPの板とし、それらによってコア部2bのエラストマーをはさんで接着したサンドイッチ構造の積層板を使用している。上記3層を含む床版2の厚さは約20mmである。コア部2bのエラストマーとしては、天然ゴムや合成ゴム、樹脂系のウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのいずれか、または、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性エラストマーを使用することができる。
図1・図2に示す桁3には、真空含浸成形法や引抜き成形法によって平板状やコの字状等の横断面をもつよう製作した、厚さ約6mmのGFRP成形板を使用している。そうしたGFRP成形板を、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などで接着することによって箱形(T形またはπ形であってもよい)に集成している。図2のように、桁3には桁板3Aと側板3B、底板3Cを含めている。桁板3Aと側板3Bとは、他の部材との接着のため上下の各部にフランジ部分を設けたため、それぞれコの字状またはそれに近い横断面を有している。
また、図1および図2のとおり、桁3の側部に高欄5を取り付けて、床版2の左右側部に立てている。その高欄5についても、支柱5a・柵5b・手摺5cとしてGFRP製のものを使用している。
歩道橋1は、全長が約30mあり、全体を組み立てた後に輸送することは難しいため、部分ごとに製造したうえ現地(据付現場)で組み立てるという分割構造を採用している。すなわち、図1に示す2箇所に継手部分4を設けて全長を3つの橋梁部材に分け、分割片である各橋梁部材をそれぞれ工場内で製造したうえ現地へ輸送し、当該現地において継手部分4で各橋梁部材を長さ方向に接続することとしている。
以下、図3~図5に、継手部分4の構成を示す。
図3は、継手部分4での床版2の接続構造を示している。
継手部分4は、隣接する橋梁部材を図1のように接続するものであるため、その部分では、歩道橋1の長さ方向に、図3(b)のとおり継目4aをはさんで上述の床版2が突き合わされる。図示の例では、突き合わされる上層2aおよび下層2cの各GFRP製の板に、継目4aにおいてそれぞれ10mmの間隔をあけるとともに、その継目4aをはさむ各側で、歩道橋1の長さ方向に300mmずつコア部2bのエラストマーを除去し、そこに、コア部2bと同等の厚さのGFRP板2xを挿入して上層2a・下層2cのGFRPと接着している。GFRP板2xは、継目4aをまたぐ方向への約600mmの長さと、歩道橋1の有効幅員とほぼ等しい幅とを有する1枚の矩形の連続板である。その接着のための接着剤として、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などを使用している。
上層2aおよび下層2cの各板と挿入したGFRP板2xとの接着を確実なものにする目的で、図3(a)~(c)に示すとおり、それら3枚の板を複数の皿ボルト4bにより締結することとしている。上層2aの上面側に適切な凹部(皿ザグリ)を設けて皿ボルト4の頭部4cを収め入れることとし、上記3枚の板に皿ボルト4bを貫通させたうえネジ部に座金とナットを装着することによって、接着剤が固まるまでの間、上記3枚の板を締め付ける。接着の完了後にはその皿ボルト4bを取り除いてもよいが、皿ボルト4bは床版2の上面に突出しないため、そのまま使用しても歩道橋1の使用には全く差し支えがない。
継手部分4での桁3の接続形態を図4・図5に示している。
継手部分4では、桁3を構成する各部(図2に示す桁板3A・側板3B・底板3C)のGFRP成形板も、歩道橋1の長さ方向に継目4aをはさんで突き合わされる。この例では、継目4aにおいて桁3のGFRP成形板の間に10mmずつ間隔をあけ、その両側の桁3を、図4または図5のように添接板6を用いて接続している。
図4(a)は、図2に示すIV-1、IV-2およびIV-3の各部(すなわち側板3Bと桁板3Aについての継手部分4)を矢印の方向に見た図であり、同(b)は同(a)におけるb-b断面図である。
継手部分4では、突き合わされる桁3すなわちGFRP成形板の表面および裏面に、歩道橋1の長さ方向に継目4aをまたぐ添接板6を接着している。添接板6は、継目4aをまたぐ方向に約600mmの寸法を有する平板であり、当該方向の中央付近に継目4aが位置するよう両側の桁3に接着する。継目4aに沿った方向への添接板6の長さは、継目4aに沿った方向への桁3の平面部分(屈曲部を含まない部分)の長さのほとんどを覆うように定める。添接板6としてもGFRP製の板を使用し、接着剤にはエポキシ樹脂またはウレタン樹脂を使用する。
桁3のGFRP成形板とその両面の添接板6との接着を確実なものにするために、図4(a)(b)に示すとおり、それら3枚の板を複数のボルト4dによって締結している。すなわち、接着剤が固まるまでの間、3枚の板にボルト4dを貫通させたうえナット等を用いて3枚の板を締め付ける。接着の完了後にはそのボルト4dを取り除いてもよいが、そのまま使用してもよい。
図5(a)は、図2に示すV部(すなわち底板3Cについての継手部分4)を矢印の方向に見た図であり、同(b)は同(a)におけるb-b断面図である。
図2に示すように、底板3Cについては、その上面に桁板3Aおよび側板3Bのフランジ部が重ねられているため、GFRP成形板が2枚積層された部分がある。そのため、桁3のうち底板3Cが歩道橋1の長さ方向に突き合わされる継手部分4では、桁3を構成する1枚または2枚のGFRP成形板の両側(すなわちBOX桁の外側および内側)に、継目4aをまたぐGFRP製の添接板6を接着することにより継目4dでの接続を行っている。添接板6の接着には、やはりエポキシ樹脂またはウレタン樹脂等を使用する。
図5(a)のb-b断面の位置では側板3Bと底板3Cの各GFRP成形板が重なっているため、同(b)に示すとおり、それら2枚のGFRP成形板をはさむかたちで2枚の添接板6を接着している。なお、このように桁3が2枚ある部分を含めて添接板6を接着する場合にも、その接着を確実なものにするため、図5(a)(b)に示すとおり、各板を貫通するようにボルト4dを使用して板同士を押し付けるのがよい。
なお、底板3C等に接着する添接板6であって、図2に示すように桁3のGFRP成形板が2枚の箇所と1枚の箇所とをともに覆うよう使用されるもの(図2の中央位置で上側すなわちBOX桁の内側に使用されている添接板6)は、この例では、平板状ではなく、桁3の段差(厚みの差)に合わせて厚さ方向に屈曲させた板を使用している。当該添接板6が平板状のものであると、桁3(底板3C)との間に空隙が生じて継手部分4の機械的強度が不十分になるからである。
添接板6として、上記のような屈曲させたものではなく平板状の低コストの板を使用する場合には、図6に示すように併せてフィラープレート7(図7中ではハッチングを付して示した板)を使用するのがよい。
図6には、図1とは別の歩道橋1’の、継手部分での横断面を示している。この歩道橋1’もFRPを主要材とするもので、図1等の例と同様のサンドイッチ構造の床版2とFRP成形板の桁3とによって主要部が構成されている。桁板3Aまたは側板3Bと底板3Cとが重ねられて接着されているため、図1の場合と同様、底板3Cの上側(すなわちBOX桁の内側)の面に段差がある。
しかし図6の例では、その段差部分にもFRP製の平板状の添接板6を使用し、図1・図2の例で使用した屈曲形の添接板6を不要とした。ただし、そうするために、段差部分のうち低い側(厚みの小さい側)に、段差に等しい厚さのフィラープレート7を接合して実質的に段差を解消させている。フィラープレート7はやはりFRP製の板であり、分割された橋梁部材の継目付近に工場内であらかじめ接着しておく。したがって、桁3の底部の継手部分においては、底板3Cの上面の段差をフィラープレート7で埋めたうえ、底板3Cと、桁板3Aのフランジ部分または側板3Bのフランジ部分とを、歩道橋1’の長さ方向に継目をまたぐ添接板6を内側および外側に重ねて接着することにより接合したことになる。
図6の歩道橋1’では、床版2の接続に関しても図1・図2等の例とは相違がある。すなわち、継手部分において、床版2の下面にも、継目をまたぐFRP製の添接板6を接着して接続の強度を高めたことである。
図示の例では、その添接板6についても平板状のものを使用している。そうするためには、床版2の下面のうち、桁板3Aまたは側板3Bのフランジ部分が接着されていない部分に事前にフィラープレート7を接着して、当該下面の段差を実質上解消している。
図6には図示を省略したが、その歩道橋1’にも、図1等に示したのと同様に高欄5(または各種の側壁等)を設けることになる。高欄5や側壁等は、通行荷重を支えるものではないため、継手部分(図1の符号4を参照)においてもとくに機械的強度に関する配慮をする必要はない。図1の高欄5に関して述べれば、たとえば継目4aにおいて手摺5cが不連続(途切れていて10~20mm程度の隙間があるもの)であってもよく、また、不連続な手摺5cの間を簡易な継手類でつなぐといった構成にするのもよい。
なお、発明の橋梁は、主要な構成部材にGFRPなどのFRP材を使用して構成するものである。したがって、たとえばボルト・ナット類や高欄(手摺等)、各種のカバー等の部材にFRP以外の材料が使用されたものをも範囲内とする。また、発明による橋梁は、歩道橋のみには限らず、各種の橋梁として利用することが可能である。
1・1’ 歩道橋(橋梁)
2 床版
2x GFRP板
3 桁
4 継手部分
4a 継目
4b 皿ボルト
5 高欄
6 添接板
7 フィラープレート

Claims (6)

  1. 上面と下面とがFRPでありコア部にエラストマーを有する積層板が床版とされ、その下部にFRP成形板を接着してなる桁が一体化された橋梁であって、
    上記床版と上記桁とが一体化された橋梁部材が、継手部分を介し継目において長さ方向に接続されたものであること、
    および、上記継手部分では、上記床版をなす積層板におけるエラストマーに代えて、継目を長さ方向にまたぐ範囲でFRP板が挿入され、上面・下面の上記FRPと接着されていること
    を特徴とする橋梁。
  2. 上記継手部分では、上記床版の上面および下面のFRPとその間に挿入された上記FRP板とが、それらを貫通するボルトによって厚さ方向に締め付けられていること、
    および、そのボルトが皿ボルトであって、当該ボルトの頭部が、上面に設けられた座ぐり内に入っていて上面の表面上に突出していないこと
    を特徴とする請求項1に記載の橋梁。
  3. 上記継手部分では、上記桁をなすFRP成形板の両面に、継目を長さ方向にまたぐ範囲で、FRP製の添接板が接着されていること
    を特徴とする請求項1または2に記載の橋梁。
  4. 上記桁をなすFRP成形板とその両面に接着した上記添接板とが、それらを貫通するボルトにより、当該添接板の端部付近において締め付けられていること
    を特徴とする請求項3に記載の橋梁。
  5. 上記桁をなすFRP成形板の表面で当該成形板の表面上に段差がある部分では、フィラープレートが接着されて段差が埋められた面上に上記の添接板が接着されていること
    を特徴とする請求項3に記載の橋梁。
  6. 上記継手部分では、上記床版をなす積層板の下面に、上記継目を長さ方向にまたぐ範囲でFRP製の添接板が接着されていること、
    および、上記積層板の下面と、それに接着された上記桁をなすFRP成形板の接着部分の表面との間にある段差が、上記床版の下面にフィラープレートが接着されることにより埋められていて、上記添接板として平板状のものが、当該フィラープレートの表面と上記桁をなすFRP成形板の接着部分の表面とを覆うように被せられ接着されていること
    を特徴とする請求項1に記載の橋梁。
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