JP2023152320A - 電源装置および電池状態推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】SOC-OCV曲線がフラット領域を有する電池が劣化しているか否かを適切に判定する。【解決手段】電源装置は、SOC-OCV曲線がフラット領域を有する電池、電池の電流を検出する電流センサ、電流積算部、保証容量推定部および判定部を備える。電流積算部は、電池が第1の充電状態から第2の充電状態まで放電されるときの電流積算量を計算する。保証容量推定部は、電流積算量に、フラット領域の下限を表す下限SOCおよび電流積算量に基づいて計算される補正値を加算することで、電池の保証容量を推定する。判定部は、電池の初期容量または公称容量に対する保証容量の比で表される保証SOHが所定の閾値より高いか否かを判定する。【選択図】図4

Description

本発明は、充電可能な電池の劣化状態を推定する技術に係わる。
充電可能な電池は、充電/放電を繰り返すことで劣化が進行し、徐々に容量が小さくなってゆく。そして、電池の容量が小さくなると、その電池を利用して動作する装置の使用時間が短くなる。例えば、電気自動車の電池の容量が小さくなると、走行時間または走行距離が短くなる。よって、電池の劣化状態を精度よく推定する技術が求められている。
電池の劣化状態(SOH:State of Health)は、例えば、初期容量または公称容量に対する現在の容量の比で表される。すなわち、SOHは、(1a)式または(1b)式で表される。
Figure 2023152320000002
なお、初期容量は、電池が最初に使用されるときに測定される。公称容量は、既知の値であり、電池のベンダにより提供される。よって、電池の現在容量を測定または推定することにより、現在の電池のSOHを知ることができる。
図1は、電池の容量を推定する方法の一例を説明する図である。この例では、SOC-OCV曲線を利用して電池の容量が推定される。具体的には、電池の現在容量は(2)式で表される。なお、図1に示す縦軸および横軸は、それぞれ電池の開回路電圧(OCV)および充電状態(SOC)を表す。
Figure 2023152320000003
この場合、ある測定期間における電流積算量を求める。また、この測定期間の開始時および終了時に電池のOCVを測定することにより、対応するSOCをそれぞれ取得する。例えば、この測定期間の開始時および終了時にそれぞれOCV1およびOCV2が得られたときには、図1に示すように、SOC1およびSOC2が得られる。そして、電流積算量、SOC1、およびSOC2を(2)式に与えると、電池の現在容量が算出される。さらに、この値を(1a)式または(1b)式に与えれば、現在のSOHが得られる。尚、電池のOCVに対応するSOCを利用してSOHを推定する方法は、例えば、特許文献1に記載されている。
また、満充電状態から完全放電状態までの電流積算量を測定することで、電池の容量を求めることも可能である。ただし、この方法においては、予め定められた電流および電圧で放電を行うことが要求されるので、専用の装置を必要とする。したがって、この方法では、例えば、車両に搭載されている電池のSOHを簡単に推定することはできない。
特開2021-071320号公報
上述のように、SOC-OCV曲線を利用して電池の容量を推定する方法が提案されている。ただし、この方法は、SOHの変化に対してOCVも変化する特性を有する電池に対して有効である。
他方、安価で比較的熱安定性の高いリン酸鉄(LFP)系リチウムイオン電池が実用化されている。ところが、リン酸鉄リチウムイオン電池のSOC-OCV曲線は、図2に示すように、フラット領域(又は、プラトー領域)を有する。このため、SOC-OCV曲線を利用して電池の容量を推定すると、精度が低くなることがある。例えば、図2においてSOC1とSOC2との間で電流積算量を取得するとき、SOC1に対応するOCVとSOC2に対応するOCVとの差分が小さくなるので、その測定誤差は大きくなる。このため、(2)式で電池の容量を推定する場合、分母の誤差が大きくなるので、推定精度が低くなってしまう。なお、この問題は、リン酸鉄リチウムイオン電池に限定されるものではなく、SOC-OCV曲線がフラット領域を有する電池において発生し得る。
本発明の1つの側面に係る目的は、SOC-OCV曲線がフラット領域を有する電池が劣化しているか否かを適切に判定する方法を提供することである。
本発明の1つの態様に係わる電源装置は、SOC-OCV曲線がフラット領域を有する電池と、前記電池の電流を検出する電流センサと、前記電池が第1の充電状態から第2の充電状態まで放電されるときの電流積算量を計算する電流積算部と、前記電流積算量に、前記フラット領域の下限を表す下限SOCおよび前記電流積算量に基づいて計算される補正値を加算することで、前記電池の保証容量を推定する保証容量推定部と、前記電池の初期容量または公称容量に対する前記保証容量の比で表される保証SOHが所定の閾値より高いか否かを判定する判定部と、を備える。
この構成においては、満充電状態から放電が開始されたときの電流積算量に基づいて電池の保証容量および保証SOHが算出され、この保証SOHが所定の閾値より高ければ、電池の容量は劣化してないと判定される。よって、SOC-OCV曲線がフラット領域を有する電池において、放電深度が浅い場合であっても、電池の容量が劣化しているか否かを判定できる。すなわち、電池の容量が劣化しているか否かの判定の頻度を高くすることができる。
第2の充電状態は、下限SOCよりも充電率が高い状態であってもよい。すなわち、放電深度が浅い場合であっても、電池の容量が劣化しているか否かを判定できる。また、補正値は、例えば、下限SOCと電流積算量との積を、100パーセントから下限SOCを引算した結果で除算することにより得られる。
上述の態様によれば、SOC-OCV曲線がフラット領域を有する電池が劣化しているか否かを適切に判定できる。
電池の容量を推定する方法の一例を説明する図である。 フラット領域を有するSOC-OCV曲線の一例を示す図である。 SOC-OCV曲線がフラット領域を有する電池の容量を推定する方法の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係わる電源装置の一例を示す図である。 フラット領域を有する電池状態を推定する方法を説明する図である。 電池の保証容量を計算する方法を説明する図である。 SOHの推定精度の低さを補う方法の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係わる電池状態推定方法の一例を示すフローチャートである。 電池状態を推定する方法のバリエーションを説明する図である。
図3は、SOC-OCV曲線がフラット領域を有する電池の容量を推定する方法の一例を示す。SOC-OCV曲線がフラット領域を有する場合、そのフラット領域内でOCVを測定して対応するSOCを推定すると、誤差が大きくなることがある。よって、SOCの変化に対してOCVも変化する領域で電池の容量を推定することが好ましい。
図3(a)に示すケースでは、SOCがフラット領域よりも高い領域で測定されるOCVに基づいて電池の容量が推定される。図3(b)に示すケースでは、SOCがフラット領域よりも低い領域で測定されるOCVに基づいて電池の容量が推定される。ただし、これらのケースでは、SOCの変化量(すなわち、SOC1とSOC2との差分)が小さくなるので、電池の容量の推定精度も低くなる。
図3(c)に示すケースでは、SOCがフラット領域よりも低い領域で測定されるOCV1から対応するSOC1が推定され、SOCがフラット領域よりも高い領域で測定されるOCV2から対応するSOC2が推定される。そして、これらの値を利用して電池の容量が推定される。この場合、OCVの差分が大きく、SOCの変化量も大きくなるので、電池の容量の推定精度が高くなる。
ただし、この方法においては、満充電または満充電に近い状態から、完全放電または完全放電に近い状態まで電池の状態が変化したときに限って電池の容量を推定できる。すなわち、放電深度が浅いときは、電池の容量を推定できない。例えば、電動車両の主バッテリを満充電状態から40~50パーセント程度使用した時点で次の充電が行われるケースでは、電池の容量を推定できない。このため、電池の容量を推定する機会が少なくなるおそれがある。この結果、電池が劣化して容量が小さくなっている状態でその電池を使用し続けてしまう可能性がある。
そこで、本発明の実施形態に係わる電池状態推定方法は、SOCがフラット領域よりも低い状態になるまで放電されない場合であっても、電池の容量が所定の閾値レベルまで劣化しているか否かを判定できる機能を提供する。
図4は、本発明の実施形態に係わる電源装置の一例を示す。本発明の実施形態に係わる電源装置100は、図4に示すように、電池10、電流センサA、電圧センサV、および制御部20を備える。なお、電源装置100は、図4に示していない他の回路または機能を備えてもよい。
電池10は、例えば、互いに並列に接続された複数の電池モジュールにより構成される電池パックである。この場合、各電池モジュールは、互いに直列に接続された複数の電池セルから構成されるようにしてもよい。また、電池10は、不図示の充電器により充電される。なお、以下の記載では、電池パック、電池モジュール、または電池セルを総称して「電池」と呼ぶことがある。
電池10は、この実施例では、リチウムイオン電池である。具体的には、電池10は、正極がリチウム、鉄、およびリンを含有し、負極が黒鉛で構成されるリン酸鉄系リチウムイオン電池である。したがって、電池10のSOC-OCV曲線は、図2または図3に示すように、SOCの変化に対してOCVがほぼ平坦になるフラット領域(又は、プラトー領域)を有する。具体的には、フラット領域よりもSOCが低い低SOC領域では、SOCが高くなるにつれてOCVも高くなる。また、フラット領域よりもSOCが高い高SOC領域でも、SOCが高くなるにつれてOCVも高くなる。これに対して、フラット領域においては、SOCに対するOCVの傾きがゼロに近い値となる。
電池10は、負荷200に電力を供給することができる。負荷200は、特に限定されるものではないが、電源装置100が電動車両に搭載されるケースでは、例えば走行用モータである。また、電源装置100がフォークリフト等の産業車両に搭載されるケースでは、負荷200は、荷役用モータであってもよい。なお、電池10と負荷200との間には、電池10から負荷200への電力の供給を遮断可能なリレーRLが設けられている。
電圧センサVは、電池10の電圧を検出する。ここで、電圧センサVは、電池パック全体の電圧を検出してもよいし、各電池モジュールの電圧を検出してもよいし、各電池セルの電圧を検出してもよい。そして、電圧センサVの出力信号は、制御部20により取得される。
電流センサAは、電池10の電流を検出する。すなわち、電池10の充電時には、電流センサAにより充電電流が検出される。電池10の電力で負荷200が駆動されるときには、電流センサAにより放電電流が検出される。そして、電流センサAの出力信号は、制御部20により取得される。電流センサAは、例えば、ホール式電流センサである。ホール式電流センサは、磁電変換素子であるホール素子を備え、測定電流の周辺に生じる磁界を電圧に変換する。したがって、この場合、電流センサAは、電池10の電流を表す電圧信号を出力する。ただし、電流センサA3は、他の構成(例えば、シャント抵抗)で実現してもよい。
制御部20は、電池10のSOCおよびSOHを推定する。また、制御部20は、電池10の劣化が所定の閾値レベルまで進行しているか否かを判定する。
制御部20は、メモリ21を備える。メモリ21には、SOC-OCVデータ、初期容量データ、下限SOCデータが保存されている。SOC-OCVデータは、電池10のSOC-OCV曲線を表す。ここで、電池10のSOC-OCV曲線は、図5に示す通りであり、予め得られているものとする。初期容量データは、電池10の初期容量または公称容量を表す。初期容量は、電池10が最初に使用されるときに測定される。公称容量は、既知の値であり、電池10のベンダにより提供される。なお、以下の記載では、初期容量または公称容量を総称して「初期容量」と呼ぶことがある。下限SOCデータは、SOC-OCV曲線において、フラット領域の下側の端部におけるSOC(即ち、下限SOC)を表す。なお、下限SOCデータは、SOC-OCV曲線またはSOC-OCVデータに基づいて予め設定される。図5においては、下限SOCは「X」で表されている。但し、下限SOCデータが表す下限SOCは、固定値でなくてもよい。例えば、電池10のSOC-OCV曲線は経年により変化することがあるので、この経年変化に応じて下限SOCデータを更新してもよい。
制御部20は、電流積算部22、SOC推定部23、SOH推定部24、保証容量推定部25、および判定部26を備える、なお、制御部20は、図4に示していない他の機能を備えてもよい。
電流積算部22は、電流センサAの出力信号に基づいて電池10の電流をモニタする。そして、電流積算部22は、測定開始時から測定終了時までの間の電流を積算することで電流積算量を計算する。SOC推定部23は、電圧センサVの出力信号に基づいて電池10のOCVを検出する。そして、SOC推定部23は、検出したOCVでSOC-OCVデータを参照することにより対応するSOCを推定する。たとえば、図3に示すケースでは、「OCV=OCV1」であれば、電池10の充電状態がSOC1であると推定され、「OCV=OCV2」であれば、電池10の充電状態がSOC2であると推定される。
SOH推定部24は、上述した(1a)式および(2)式を利用して電池10のSOHを推定する。このとき、電流積算部22は、SOHを測定するための測定期間の開始時から終了時までの間の電流積算量を計算する。また、SOC推定部23は、その測定期間の開始時および終了時においてそれぞれOCVを検出し、各OCVに対応するSOC(SOC1、SOC2)を推定する。そして、SOH推定部24は、電流積算部22により得られる電流積算量およびSOC推定部23により推定されるSOCを(2)式に与えることで、電池10の現在容量を推定する。さらに、SOH推定部24は、推定した現在容量を(1a)式に与えることで電池10のSOHを推定する。なお、SOH推定部24は、現在容量を推定するときに、メモリ21に保存されている初期容量データを使用する。
保証容量推定部25は、電流積算部22により計算される電池10の電流積算量に基づいて、電池10の保証容量を推定する。「保証容量」は、電池10の現在の容量が当該値以上であることを表す。例えば、保証容量が80[Ah]であるときは、電池10の現在の容量が80[Ah]以上であることが保証される。
保証容量推定部25が電池10の保証容量を推定するときは、電流積算部22は、電池10が満充電状態から第2の充電状態まで放電されるときの電流積算量を計算する。第2の充電状態は、満充電状態でない任意の充電状態であり、SOC-OCV曲線のフラット領域内であってもよい。図5に示す例では、電池10が満充電状態から第2の充電状態まで放電されるときの電流積算量が「Y」で表されている。
また、保証容量推定部25は、満充電状態から第2の充電状態までの電流積算量YおよびSOC-OCV曲線のフラット領域の下限を表す下限SOCに基づいて、電流積算量Yを補正するための補正値を計算する。そして、保証容量推定部25は、この補正値を電流積算量Yに加算することで電池10の保証容量を算出する。
図5に示す例では、電池10の保証容量は、(3)式で計算される。なお、Xは、SOC-OCV曲線のフラット領域の下限を表す下限SOCであり、下限SOCデータとしてメモリ21に保存されている。また、Yは、電池10が満充電状態から第2の充電状態まで放電されるときの電流積算量を表し、電流積算部22により計算される。
Figure 2023152320000004
ここで、(3)式の意味を説明する。まず、図6に示すように、電池10を満充電状態から下限SOC(即ち、第2の充電状態)まで放電させるものとする。この場合、満充電状態から第2の充電状態まで放電したときの電流積算量が「Y」である。また、第2の充電状態から完全放電状態まで放電したときの電流積算量を「Z」とする。そうすると、図6から明らかなように(4)式が成立する。
Figure 2023152320000005
よって、第2の充電状態から完全放電状態まで放電したときの電流積算量Zは(5)式で表される。
Figure 2023152320000006
(5)式で表される電流積算量Zは、電池10の充電状態に換算すると、電池10の下限SOC(即ち、第2の充電状態)に相当する。ここで、電池10の容量は、満充電状態から完全放電状態まで放電したときの電流積算量に相当する。よって、図6に示すケースでは、電池10の容量は、満充電状態から第2の充電状態まで放電したときの電流積算量と第2の充電状態から完全放電状態まで放電したときの電流積算量との和に相当する。したがって、図6に示すケースでは、電池10の容量は「Y+Z」で表すことができる。
他方、図5に示すケースでは、電池10の容量は、満充電状態から第2の充電状態まで放電したときの電流積算量Y、第2の充電状態から下限SOCまで放電したときの電流積算量、および下限SOCから完全放電状態まで放電したときの電流積算量Zの和に相当する。よって、第2の充電状態が下限SOCより高いものとすると、電池10の容量は、満充電状態から第2の充電状態まで放電したときの電流積算量Yと下限SOCから完全放電状態まで放電したときの電流積算量Zの和よりも大きくなる。すなわち、図5に示すケースでは、電池10の容量は「Y+Z」より小さくなることはない。したがって、(3)式の右辺の値は、電池10の容量の最小値を示す保証容量である。
このように、保証容量推定部25は、満充電状態から第2の充電状態まで放電したときの電流積算量Yに、下限SOCから完全放電状態まで放電したときの電流積算量Zを加算することで、電池10の保証容量を算出する。なお、電流積算量Zは、フラット領域の下限を表す下限SOCおよび満充電状態から第2の充電状態まで放電したときの電流積算量に基づいて計算される補正値の一例である。
判定部26は、電池10の初期容量または公称容量に対する保証容量の比で表される保証SOHを計算する。すなわち、判定部26は(6)式を用いて保証SOHを計算する。
Figure 2023152320000007
「保証SOH」は、電池10の現在のSOHが当該値以上であることを表す。例えば、保証SOHが70パーセントであるときは、電池10の現在のSOHが70パーセント以上であることが保証される。なお、(6)式において、初期容量の代わりに公称容量を使用してもよい。
この後、判定部26は、保証SOHと所定の閾値とを比較する。この閾値は、特に限定されるものではないが、例えば、電池10を交換すべき程度まで電池10の容量が劣化している状態に対応するSOHである。そして、保証SOHが閾値より高ければ、判定部26は、電池10を交換すべき程度まで電池10の容量が劣化していないと判定する。これに対して、保証SOHが閾値より低ければ、判定部26は、電池10を交換すべき程度まで電池10の容量が劣化している可能性があると判定する。
例えば、電池10の初期容量または公称容量が100Ah、SOC-OCV曲線のフラット領域の下側の端部を表す下限SOC(即ち、図5に示すX)が20パーセント、判定部26が使用する閾値が60パーセントであるものとする。そして、満充電状態から第2の充電状態まで放電したときの電流積算量Yが50Ahであるものとする。この場合、保証SOHは、62.5パーセントであり、閾値より大きくなる。したがって、判定部26は、電池10を交換すべき程度まで電池10の容量は劣化していないと判定する。
このように、本発明の実施形態に係わる電池状態推定方法によれば、SOC-OCV曲線のフラット領域より低いSOCまで放電しなくても、交換すべき程度まで電池10の容量が劣化しているか否かを判定できる。すなわち、SOCがフラット領域より高い状態からフラット領域より低い状態まで放電しない場合であっても、交換すべき程度まで電池10の容量が劣化しているか否かを判定できる。よって、SOCに基づいてSOHを推定する方法(例えば、図3(c)に示す方法)と比較して、交換すべき程度まで電池10の容量が劣化しているか否かを判定する頻度を高くできる。
図7は、SOHの推定精度の低さを補う方法の一例を示す。図7において、〇印は、1回の測定に対して推定されたSOHを表す。各SOHの値は、例えば、図3を参照して説明した方法で得られたものである。すなわち、電池10のOCVに基づいて推定されるSOCを利用して得られたSOHを表す。
ここで、電池10のSOC-OCV曲線がフラット領域を有するときは、上述したように、OCVに基づいて推定されるSOCを利用してSOHを計算すると誤差が大きくなることがある。図7(a)は、SOHの推定精度が悪く、ばらつきが発生している状態を示している。
本発明の実施形態においては、制御部20は、電池10のSOHを推定すると共に、保証SOHを計算する。ここで、電池10の実際のSOHは、保証SOHより低くなることはない。よって、制御部20は、図7(b)に示すように、SOHの推定値が保証SOHより低いときは、その推定値を保証SOHに修正してもよい。このような修正を行えば、例えば、複数回の測定により得られる複数個のSOH推定値の平均に基づいて電池10の状態を判定する場合、推定誤差の影響が緩和される。
図8は、本発明の実施形態に係わる電池状態推定方法の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、例えば、電池10の充電が終了したときに開始してもよい。
S1において、制御部20は、電池10が満充電状態であるか否かを判定する。電池10が満充電状態であるか否かは、例えば、電圧センサVにより検出される電池10の電圧に基づいて判定される。電池10が満充電状態であるときは、S2~S3において、電流積算部22は、電池10から放電される電流を積算して電流積算量を計算する。そして、電池10の放電が終了すると、制御部20の処理はS4に進む。「放電終了」は、特に限定されるものではないが、例えば、次の充電動作が開始されるときであってもよい。或いは、図4に示す電源装置100が電動車両に搭載されるときは、その電動車両のキースイッチがオフ状態に操作されたときであってもよい。
S4において、保証容量推定部25は、SOC-OCV曲線のフラット領域の下側の端部を表す下限SOCおよびS2~S3で計算された電流積算量に基づいて、電池10の保証容量を推定する。上述の実施例では、(3)式を用いて計算される。S5において、判定部26は、S4で得られた保証容量および初期容量から保証SOHを計算する。上述の実施例では、(6)式を用いて計算される。
S6において、判定部26は、保証SOHが閾値より高いか否かを判定する。この閾値は、例えば、交換すべき程度まで電池10が劣化している状態に対応するSOHである。そして、保証SOHが閾値より高ければ、判定部26は、S7において、交換すべき程度まで電池10が劣化していないと判定する。一方、保証SOHが閾値より低ければ、判定部26は、S8において、交換すべき程度まで電池10が劣化している可能性があると判定する。
なお、S2~S3において算出される電流積算量が小さいときは、電池10の容量が劣化しているか否かを正しく判定できないことがある。例えば、満充電状態から電池10を少し使用しただけで次の充電が行われるときには、S2~S3において算出される電流積算量が小さくなり、(6)式で計算される保証SOHも小さくなる。この場合、電池10の容量が劣化していなときでも、S6の判定結果が「No」となるおそれがある。したがって、制御部20は、図8に示す手順を繰り返し実行し、S6の判定結果が所定回数連続して「No」となったときに「電池10が劣化している」と判定してもよい。
他方、満充電状態から下限SOC以下まで放電されたときには、(6)式で算出される保証SOHが100パーセントを超える可能性がある。よって、図8に示す手順は、満充電状態から、下限SOCよりも高い第2の充電状態まで放電されるときに有効である。ただし、この場合であっても、S6の判定結果が「Yes」となるので、「電池10は劣化していない」と判定される。また、制御部20は、図8に示す手順と並列に、SOCに基づいて電池10のSOHを推定することができる。そして、満充電状態から下限SOC以下まで放電されたときには、図3(c)を参照して説明したように、SOCに基づいて電池10のSOHを精度よく推定できる。
<他の実施形態>
上述の実施例では、電池10を満充電状態から第2の充電状態まで放電させるときの電流積算量に基づいて保証SOHが閾値より高いか否かを判定するが、本発明はこの方式に限定されるものではない。すなわち、制御部20は、満充電状態でない任意の第1の充電状態から第2の充電状態まで電池10を放電させるときの電流積算量に基づいて保証SOHが閾値より高いか否かを判定してもよい。この場合、第1の充電状態は、図9(a)に示すように、フラット領域の上限端より満充電状態に近い充電状態であってもよい。或いは、第1の充電状態は、図9(b)に示すように、フラット領域内の任意の充電状態であってもよい。ただし、第1の充電状態が満充電状態に近いほど、保証SOHが閾値より高いか否かについての判定の精度は高くなる。
また、上述の実施例では、電池10の放電時の電流積算量に基づいて保証SOHが閾値より高いか否かを判定するが、本発明はこの方式に限定されるものではない。例えば、制御部20は、電池10が第3の充電状態から第4の充電状態まで充電されるときの電流積算量に基づいて保証SOHが閾値より高いか否かを判定してもよい。この場合、第4の充電状態(すなわち、充電動作の終了時の充電状態)は、満充電状態であることが好ましいが、満充電状態でなくてもよい。なお、充電動作の終了は、例えば、電池10の電圧が所定の閾値を超えたこと、または、充電プラグが引き抜かれたことにより検出される。
10 電池
20 制御部
21 メモリ
22 電流積算部
23 SOC推定部
24 SOH推定部
25 保証容量推定部
26 判定部
100 電源装置

Claims (6)

  1. SOC(State of Charge)-OCV(Open Circuit Voltage)曲線がフラット領域を有する電池と、
    前記電池の電流を検出する電流センサと、
    前記電池が第1の充電状態から第2の充電状態まで放電されるときの電流積算量を計算する電流積算部と、
    前記電流積算量に、前記フラット領域の下限を表す下限SOCおよび前記電流積算量に基づいて計算される補正値を加算することで、前記電池の保証容量を推定する保証容量推定部と、
    前記電池の初期容量または公称容量に対する前記保証容量の比で表される保証SOH(State of Health)が所定の閾値より高いか否かを判定する判定部と、
    を備える電源装置。
  2. 前記第2の充電状態は、前記下限SOCよりも充電率が高い状態である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記補正値は、前記下限SOCと前記電流積算量との積を、100パーセントから前記下限SOCを引算した結果で除算することにより得られる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  4. 前記電池の電圧を検出する電圧センサと、
    前記SOC-OCV曲線を利用して前記電池の電圧に対応するSOCを推定するSOC推定部と、
    前記SOC推定部により得られる推定SOCに基づいて前記電池のSOHを推定するSOH推定部と、をさらに備え、
    前記SOH推定部により得られる推定SOHが前記保証SOHより低いときは、前記推定SOHは前記保証SOHに修正される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  5. 前記電流積算部は、前記電池が第3の充電状態から第4の充電状態まで充電されるときの充電電流積算量を計算し、
    前記保証容量推定部は、前記充電電流積算量に、前記フラット領域の下限を表す下限SOCおよび前記充電電流積算量に基づいて計算される補正値を加算することで、前記保証容量を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  6. SOC(State of Charge)-OCV(Open Circuit Voltage)曲線がフラット領域を有する電池の状態を推定する方法であって、
    前記電池が第1の充電状態から第2の充電状態まで放電されるときの電流積算量を計算し、
    前記電流積算量に、前記フラット領域の下限を表す下限SOCおよび前記電流積算量に基づいて計算される補正値を加算することで、前記電池の保証容量を推定し、
    前記電池の初期容量または公称容量に対する前記保証容量の比が所定の閾値より高いか否かを判定する
    ことを特徴とする電池状態推定方法。

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