JP2023152108A - 車両衝突回避装置 - Google Patents

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啓司 海田
Keiji Kaida
崇彦 平沢
Takahiko Hirasawa
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Abstract

【課題】他車両が自車両に接近してきたときに、他車両のドライバの状態に合わせて適切なタイミングで警告を行うことのできる技術を提供すること。【解決手段】車両衝突回避装置は、自車両と自車両の周辺を走行する他車両との車間距離が基準となる距離よりも小さくなったことを受けて他車両へ警告を行うことと、他車両のドライバの不安全状況が検出される場合は、基準となる距離を大きくすることと、を実行するように構成される。上記不安全状況は、ドライバの居眠り、及びわき見を含む。【選択図】図1

Description

本開示は、車両に搭載される車両衝突回避装置に関する。
特許文献1は、自車と後続車との衝突の可能性を判定し、的確に自車の運転者または後続車の運転者に警報を発信するための車両の接近報知装置を開示している。接近報知装置は、自車及び後続車の速度、加速度、及び車間距離に基づき自車と後続車とが衝突すると判定される場合は、車外警報手段または車内警報手段により警報を発信する。
特開2015-095079号公報
特許文献1に例示されるように、自車両と、自車両の周辺を走行する他車両とが接近して車両同士が衝突する恐れが高くなった場合に、他車両のドライバに対して警告を行う装置が知られている。警告によって、他車両のドライバに対して車間距離を空ける様に促し、衝突を事前に回避することができる。しかし、他車両が自車両に接近してくる場面においては、他車両のドライバが居眠りやわき見などの注意力を欠いた状態に陥っている場合もある。このような場合には、他車両のドライバが警告に気付くのが通常よりも遅れる可能性が高い。
本開示の目的は、他車両が自車両に接近してきたときに、他車両のドライバの状態に合わせて適切なタイミングで警告を行うことのできる技術を提供することにある。
本開示は、車両に搭載される車両衝突回避装置に関連する。
車両衝突回避装置は、
自車両と自車両の周辺を走行する他車両との車間距離が基準となる距離よりも小さくなったことを受けて他車両へ警告を行うことと、
他車両のドライバの不安全状況が検出される場合は、基準となる距離を大きくすることと、を実行するように構成される。
不安全状況は、
他車両のドライバの居眠り、及びわき見を含む。
本開示によれば、自車両への他車両の接近が検出された場合において、他車両のドライバが注意力を欠いた状態にあれば、通常よりも早く警告を発する。早めに警告を発し衝突の回避を促すことで、他車両のドライバが注意力を欠いて警告に気付きにくい状態にあったとしても衝突を回避できる可能性を高くし、車両の走行の安全性を高めることができる。
本開示の実施の形態に係る車両衝突回避装置が実行する基準距離設定処理の例を示すフローチャートである。 本開示の実施の形態に係る車両衝突回避装置が実行する警報処理の例を示すフローチャートである。
添付図面を参照して、本開示の実施の形態を説明する。
1.概要
車両が安全に走行するためには、自車両と、自車両の周辺を走行する他車両との間に十分な車間距離を保つことが求められる。自車両と他車両とが接近し過ぎて車間距離が過度に小さくなると、車両同士の衝突などが発生する可能性が高くなり、安全な走行に支障をきたす恐れがある。そのため、自車両と他車両との衝突を未然に防ぐために、車両には警報装置が搭載されることがある。警報装置は、自車両と他車両とが過度に接近して衝突が発生する可能性が高くなった場合には、他車両のドライバに対して警告を行う。本実施の形態に係る車両衝突回避装置も、自車両と他車両とが過度に接近して衝突が発生する可能性が高くなった場合に警告を行うための装置である。警告によって、他車両のドライバに対して注意喚起し、十分な車間距離を空けることで衝突を回避する様に促すことができる。
しかし、他車両が自車両に過度に接近してくる場面においては、他車両のドライバが居眠り、わき見、ながら運転などの注意力を欠いた状態にある可能性もある。他車両のドライバが注意力を欠いた状態にある場合、警告にすぐに気付くことができず、反応が遅れる可能性が高い。そのため、注意力を欠いた状態にあるドライバに対し、通常の状態にあるドライバに対するのと同じタイミングで警告を発しても、衝突を回避するための十分な効果を得られない。
そこで、本実施の形態に係る車両衝突回避装置は、他車両のドライバの状態に応じて警告のタイミングを変える。具体的には、車両衝突回避装置は、自車両に過度に接近してくる他車両が検出された場合は、他車両のドライバの状態を確認する。そして、車両衝突回避装置は、自車両と他車両との車間距離が基準となる距離よりも小さくなった場合には、他車両のドライバに対して警告を行う。このときに、基準となる距離は他車両のドライバの状態によって変更され、車両衝突回避装置は、他車両のドライバが注意力を欠いた状態にある場合には、それ以外の場合と比較して基準となる距離を大きくする。こうすることで、注意力を欠いた状態にある他車両のドライバに対しては、警告を行うタイミングを通常よりも早くする。他車両のドライバが注意力を欠いた状態にあり警告に反応するのが遅れたとしても衝突を回避できるように、適切なタイミングで警告を行うことができる。
以下、本明細書中において、ドライバが注意力を欠いた状態にあることを、ドライバの不安全状況と呼ぶ。不安全状況としては、ドライバの居眠り、わき見、及びながら運転が例示される。
2.車両の構成
車両衝突回避装置が搭載される車両は、カメラを搭載する。カメラは、車両の周辺の画像を取得する。車両衝突回避装置は、カメラが取得する画像により、他車両のドライバの不安全状況を検出することができる。例えば、他車両のドライバの目線が他車両の進行方向と一致していない状態が所定の時間以上継続している場合は、ドライバがわき見などの不安全状況にあると判断することができる。あるいは、他車両の走行する向きが他車両の走行する車線の方向と一致していない状態が所定の時間以上継続している場合は、他車両のドライバが居眠りやながら運転などの不安全状況にあると判断することができる。また、車両衝突回避装置は、カメラから取得する画像を解析することで、自車両と他車両との車間距離を取得してもよい。車両衝突回避装置は、更に、取得した車間距離に基づいて他車両の接近の速度及び接近の加速度を算出してもよい。
車両衝突回避装置が搭載される車両は、他車両との車間距離や接近の速度を測定するための認識センサを搭載していてもよい。認識センサとしては、ミリ波レーダ、赤外線レーダ、及びLIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)が例示される。車両衝突回避装置は、認識センサにより自車両と他車両の車間距離を計測してもよいし、他車両との接近の速度を計測してもよい。また、車両衝突回避装置は、計測した車間距離から他車両との接近の速度を算出してもよいし、取得した他車両との接近の速度から他車両との接近の加速度を算出してもよい。
車両衝突回避装置が搭載される車両は、他車両から通信により情報を取得するための通信装置を搭載していてもよい。他車両が自車両の後ろを走行する後続車である場合は、他車両の接近の速度は、他車両の相対車速、つまり他車両の車速から自車両の車速を引いたものに等しくなる。そこで、車両衝突回避装置は、通信装置を介して取得した他車両、特に後続車の車速と、自車両の車速とに基づいて、他車両との接近の速度、接近の加速度、及び車間距離の変化量を算出してもよい。自車両の車速は、車両に搭載された車速センサから取得することができる。また、車両衝突回避装置は、このように取得した車間距離の変化量と、カメラまたは認識センサによって取得した他車両との車間距離の初期値とから、他車両との車間距離を算出してもよい。
車両衝突回避装置が搭載される車両は、これらの他に、他車両のドライバに対して警告を行うための警告装置を搭載する。警告装置は、クラクションのように音による注意喚起を行う装置であってもよいし、ランプの点灯や点滅によって注意喚起を行う表示装置であってもよい。
3.フローチャート
車両衝突回避装置が実行する処理は、警告を実施する基準距離を設定する基準距離設定処理と、設定された基準距離に従って警告を実施する警報処理とを含む。基準距離設定処理と警報処理とはそれぞれ異なるプログラムによって実行される。図1は、車両衝突回避装置が実行する基準距離設定処理の例を示すフローチャートである。図1のフローチャートが示す基準距離設定処理は、所定の制御サイクルで繰り返し実行される。
ステップS101において、車両衝突回避装置は、自車両の周辺を走行する他車両の中に、自車両との衝突の可能性が高い車両が存在する否かを判定する。衝突の可能性が高い車両が存在する場合(ステップS101;Yes)、処理は、ステップS102に進む。衝突の可能性が高い車両が存在しない場合、(ステップS101;No)、今サイクルの処理は終了する。
ステップS101において、車両衝突回避装置は、自車両に過度に接近している他車両が存在する場合に、これを衝突の可能性が高い車両と判断する。この判断は、他車両との接近の速度、接近の加速度、及び車間距離のうちのいずれかまたは複数の組み合わせに基づいて行われる。例えば、車両衝突回避装置は、自車両との接近の速度または接近の加速度が所定の値よりも大きい車両を、衝突の可能性が高い車両と判断してもよい。あるいは、自車両との車間距離が所定の値よりも小さい車両を、衝突の可能性が高い車両と判断してもよい。あるいは、車間距離が所定の値よりも小さく、かつ、接近の速度が所定の値よりも大きい車両を、衝突の可能性が高い車両と判断してもよい。あるいは、これらの状態が所定の時間以上継続している車両を、衝突の可能性が高い車両と判断してもよい。
ここで、自車両の周辺を走行する他車両には、自車両の後ろを走行する後続車、自車両と並行して走行する並走車、及び自車両の前を走行する先行車が含まれる。他車両が後続車か、並走車か、または先行車かによって、許容できる接近の量は異なる場合がある。例えば、他車両が先行車である場合、自車両の車速を落とすことで後続車や並走車と比較して容易に接触を回避できるため、後続車や並走車と比較して許容できる接近の量が大きくなる場合がある。あるいは、他車両が後続車である場合、自車両がブレーキをかけたときに衝突が発生する可能性が特に大きくなるため、許容できる接近の量は小さくなる場合がある。
そのため、他車両が自車両に過度に接近しているか否かを車両衝突回避装置が判断する際の判断基準としては、他車両が後続車か、並走車か、または先行車かによって異なる基準が設けられていてもよい。例えば、自車両との車間距離が設定された値よりも小さい車両を過度に接近している車両と判断する場合、後続車に対しては先行車よりも大きい値を設定してもよい。あるいは、後続車に対しては接近の速度、接近の加速度、及び車間距離のうちの複数に基づいて接近を判断し、並走車に対しては車間距離のみから接近を判断してもよい。
車両衝突回避装置は、カメラ、認識センサ、及び通信装置のうち、いずれから取得される情報に基づいて他車両の接近を判断してもよいし、これらの情報を組み合わせて他車両の接近を判断してもよい。また、他車両が後続車のときは、認識センサまたは通信装置により取得される情報に基づいて他車両の接近を判断し、後続車以外の他車両に対しては、カメラにより取得される情報に基づいて他車両の接近を判断するとしてもよい。他車両が後続車のときは、通信装置から他車両の情報を取得することでより正確な接近の速度を算出できるため、このように判断の方法を変えることで、判断の精度を高くすることができる。
ステップS102において、車両衝突回避装置は、不安全状況が検出されるか否かを判定する。不安全状況が検出されない場合(ステップS102;No)、処理は、ステップS103に進む。不安全状況が検出される場合、(ステップS102;Yes)、処理は、ステップS104に進む。
ステップS102における不安全状況は、車両に搭載されたカメラによって検出することができる。車両衝突回避装置は、例えば、他車両のドライバの視線が他車両の進行方向と一致していない時間が所定の時間以上継続した場合に不安全状況として検出してもよい。あるいは、車両衝突回避装置は、他車両が走行する車線と、他車両の走行軌跡とが一致していない状態が所定の時間以上継続した場合に不安全状況として検出してもよい。
ステップS103において、車両衝突回避装置は、後述する警報処理を実行する際の基準距離を距離Aに設定する。距離Aは、他車両のドライバに不安全状況が検出されない場合に警告が必要とされる車間距離である。距離Aは、ステップS101で他車両の過度な接近を検出するときに判断基準とされる車間距離と同じ距離であってもよいし、それよりも短い距離であってもよい。
また、他車両が後続車である場合の距離Aは、車両が走行する道路の種類や自車両の車速に応じて異なる値に設定されてもよい。例えば、車両が走行する道路が一般道であれば、距離Aを以下の式(1)により算出し、車両が走行する道路が高速道路であれば、距離Aを以下の式(2)により算出してもよい。
Figure 2023152108000002
Figure 2023152108000003
上記の式により算出する場合、車両が一般道を時速40kmで走行していれば距離Aは25mとなり、車両が高速道路を時速100kmで走行していれば距離Aは100mとなる。一般道よりも衝突が発生したときの被害が大きくなる可能性がある高速道路の走行時や、より衝突の恐れが大きくなる高速での走行時にはより大きい距離を基準距離として設定することで、より早い段階で衝突を回避すべき場面では、警告のタイミングを早くすることができる。ステップS103が実行されると、処理は終了する。
ステップS104において、車両衝突回避装置は、後述する警報処理を実行する際の基準距離を距離Bにセットする。距離Bは、他車両のドライバに不安全状況が検出される場合に警告が必要とされる車間距離であり、距離Aよりも大きい。距離Bは、例えば、距離Aに決まった数値を加えた距離であってもよいし、距離Aを決まった比率だけ大きくした距離であってもよい。例えば、距離Bは、距離Aに所定の係数(例えば1.2)をかけた距離として算出されてもよいし、距離Aに所定の距離(例えば15m)を加えた距離として算出されてもよい。ステップS104が実行されると、処理は終了する。
図2は、車両衝突回避装置が実行する警報処理の例を示すフローチャートである。図2のフローチャートが示す警報処理は、所定の制御サイクルで繰り返し実行される。基準距離設定処理の実行サイクルと警報処理の実行サイクルとは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ステップS201において、車両衝突回避装置は、基準距離をセットする。基準距離は、図1のステップS103によって距離Aにセットされるか、またはステップS104によって距離Bにセットされる。
ステップS202において、車両衝突回避装置は、自車両と他車両との車間距離が基準距離よりも小さいか否かを判定する。車間距離が基準距離よりも小さい場合、処理は、ステップS203に進む。車間距離が基準距離以上の場合、処理は終了する。
ステップS203において、車両衝突回避装置は、他車両のドライバへの警告を行う。警告は、音による警告であってもよいし、表示による警告であってもよい。警告が行われると、処理は終了する。
ステップS203において、他車両のドライバの不安全状況が検出される場合は、検出されない場合と比較して基準距離が大きくされる。これにより、他車両のドライバの不安全状況が検出される場合は、通常よりも早いタイミングで警告が行われることになる。他車両のドライバが不安全状況にある場合は、通常よりも警告に気付きにくく衝突の回避のための反応が遅れる可能性が高い。本実施の形態に係る車両衝突回避装置は、このような場合にはより早いタイミングで警告により衝突の回避を促すことで、衝突を回避できる可能性を高くし、車両の走行の安全性を高めることができる。

Claims (1)

  1. 車両に搭載される車両衝突回避装置であって、
    前記車両と前記車両の周辺を走行する他の車両との車間距離が基準となる距離よりも小さくなったことを受けて前記他の車両へ警告を行うことと、
    前記他の車両のドライバの不安全状況が検出される場合は、前記基準となる距離を大きくすることと、を実行するように構成され、
    前記不安全状況は、
    前記ドライバの居眠り、及びわき見を含む
    車両衝突回避装置。
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