JP2023152013A - 列車無線システムおよび無線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、通信方式が異なり相互乗り入れを行う複数の鉄道事業者に対応して円滑な無線通信が可能な列車無線システムの提供を目的とする。【解決手段】本開示の列車無線システム1001において、列車11に搭載された無線装置701は、主無線部73および副無線部74を備える。主無線部73は、列車11がA社運行路線SAを走行中にA社通信方式で複数のA社基地局2aと無線通信する。副無線部74は、列車11がA社運行路線SAとB社運行路線SBとの境界Cから予め定められた距離だけ手前側の第1切替地点D1に到達するまで、A社通信方式での通信の待機状態であり、列車11が第1切替地点D1に到達した場合に、通信方式をA社通信方式からB社通信方式に切り替える。【選択図】図1

Description

本開示は列車無線システムおよび無線装置に関する。
従来の列車無線システムは、地上に設置された無線通信を行う複数の基地局と、列車に搭載された無線通信を行う移動局装置とを備えて構成される。複数の基地局のそれぞれが移動局装置と無線通信を行う際の無線周波数は、互いに異なる値に設定される。移動局装置は、軌道上の列車の走行位置に応じて無線周波数を自動的に選定し、走行位置が含まれる区間を管轄する基地局と無線通信を行っていた。
特許文献1には、移動局装置に無線周波数を手動で設定する機能を持たせた列車無線システムが開示されている。この列車無線システムでは、移動局装置は、列車の走行位置に応じて自動的に選定される無線周波数とは異なる周波数に、使用する無線周波数を手動で設定することができる。これにより、列車は必要に応じて他社の列車システムと情報のやり取りが可能となる。
特許第4884341号公報(第8-10頁、図2)
従来の列車無線システムでは、複数の鉄道事業者が乗り入れている駅において、移動局装置の無線周波数を乗り入れ先の鉄道事業者の周波数に変更することで、乗り入れが可能である。しかし、各鉄道事業者の通信方式が異なる場合、移動局装置は周波数を変更しても乗り入れ先の鉄道事業者と無線通信を行うことは出来ない。そのため、列車は各通信方式に対応した無線機を搭載し、他の鉄道事業者の線区との境界点となる駅に停車した際に、使用する無線機を手動で切替える必要があった。
無線機の切替実施中は通話またはデータ通信が出来ないため、切替時間が長いと列車無線システムの信頼性が損なわれるという問題があった。
本開示は上記の課題を解決するためになされたものであり、通信方式が異なり相互乗り入れを行う複数の鉄道事業者に対応して円滑な無線通信が可能な列車無線システムの提供を目的とする。
本開示の1つの列車無線システムは、第1運行路線から第1運行路線に接続された第2運行路線に向かって走行する列車に搭載された無線装置と、第1運行路線に沿って設けられ、列車が第1運行路線を走行中に無線装置と第1通信方式で無線通信する複数の第1基地局と、第2運行路線に沿って設けられ、列車が第2運行路線を走行中に無線装置と第2通信方式で無線通信する複数の第2基地局と、を備え、無線装置は、第1無線部および第2無線部を備え、第1無線部は、列車が第1運行路線を走行中に第1通信方式で複数の第1基地局と無線通信し、第2無線部は、列車が第1運行路線と第2運行路線との境界から予め定められた距離だけ手前側の第1切替地点に到達するまで、第1通信方式での通信の待機状態であり、列車が第1切替地点に到達した場合に、通信方式を第1通信方式から第2通信方式に切り替える。
本開示の1つの列車無線システムによれば、列車が第1運行路線と第2運行路線との境界を通過する前の時点で、第2無線部が通信方式を第2運行路線での通信に必要な第2通信方式に切り替える。そのため、列車が第2運行路線に乗り入れた直後から、無線装置は第2無線部により乗り入れ先の鉄道事業者の指令卓との間で無線通信をすることができる。従って、通信方式の切替に伴う通信断の時間が短縮され、信頼性の高い列車無線システムとなる。
実施の形態1に係る列車無線システムの構成を示す図である。 実施の形態1に係る列車無線システムの列車側設備の構成を示す図である。 実施の形態1に係る列車無線システムにおいて、列車がA社運行路線において切替地点より手前を走行している状態を示す図である。 実施の形態1に係る列車無線システムにおいて、列車がA社運行路線において切替地点に到達した状態を示す図である。 実施の形態1に係る列車無線システムにおいて、列車がA社運行路線とB社運行路線との境界を通過した状態を示す図である。 実施の形態2に係る列車無線システムの列車側設備の構成を示す図である。 実施の形態2に係る列車無線システムにおいて、列車が切替地点から境界駅に到着するまでの状態を示す図である。 実施の形態2に係る列車無線システムにおいて、境界駅で外部電源から列車への電源供給が停止した状態を示す図である。 実施の形態2に係る列車無線システムにおいて、境界駅で外部電源から列車への電源供給が再開した状態を示す図である。 実施の形態3に係る列車無線システムの構成を示す図である。 実施の形態3に係る列車無線システムにおいて、列車がA社運行路線とB社運行路線との境界に到達した時、先行列車が境界付近のB社運行路線を走行している状態を示す図である。 無線装置のハードウェア構成を示す図である。 無線装置のハードウェア構成を示す図である。
本開示に係る列車無線システムは、地上と列車との間に無線回線を構築することにより、地上の司令員と列車乗務員との間で電波を使用した無線通信を可能とする。無線通信には、通話と、列車運行情報等のデータ通信とが含まれる。本開示に係る列車無線システムによれば、列車が少なくとも2つの路線を跨いで走行し、各路線において通信方式が異なる場合であっても、無線通信が可能である。
ここで、「路線」とは、主に一つの鉄道事業者である会社が管轄する線路の起点から終点までの区間を指す。また、「通信方式」は、通信規格、通信プロトコルおよびソフトウェアを含む。また、「通信方式が異なる」とは、通信規格、通信プロトコルおよびソフトウェアの少なくとも一つが異なることをいう。
以下に説明する実施の形態においては、列車無線システムが、互いに接続され、かつ、互いに異なる通信方式が用いられる二つの路線に適用されている。しかし、これに限るものではなく、列車無線システムは、互いに異なる通信方式が用いられる2つの路線を含む3つ以上の路線に適用され得るものであり、それぞれ異なる通信方式が用いられる3つ以上の路線にも適用され得る。
<A.実施の形態1>
<A-1.構成>
図1は、実施の形態1に係る列車無線システム1001の概略図である。列車無線システム1001は、地上側設備として、複数の地上子6、複数のA社基地局2a、A社中央装置4a、指令卓5a、複数のB社基地局2b、B社中央装置4bおよび指令卓5bを備える。また、列車無線システム1001は、列車11に搭載された列車側設備として、無線装置701、車上制御装置8、位置検出器9および運転台10を備える。
列車11は、A社が運行を管理するA社運行路線SAと、B社が運行を管理するB社運行路線SBとを走行する。A社運行路線SAは線路Raの起点から終点までの区間であり、B社運行路線SBは線路Rbの起点から終点までの区間である。A社運行路線SAとB社運行路線SBは境界Cで接続されている。A社とB社とでは通信方式が異なる。A社の通信方式をA社通信方式と称し、B社の通信方式をB社通信方式と称する。
まず、列車無線システム1001の地上側設備について説明する。
A社運行路線SAの線路Ra上の予め定められた位置と、B社運行路線SBの線路Rb上の予め定められた位置とに、複数の地上子6が設置されている。各地上子6は位置検出用の装置である。列車11が任意の地上子6の近くを通過すると、当該地上子6は列車11が通過したことを検知し、自身の絶対位置を示す位置情報を後述する列車11に設けられた位置検出器9に送信する。
A社運行路線SAでは、複数のA社基地局2aが線路Raに沿って間隔をあけて配置され、互いに接続されている。各A社基地局2aはA社通信方式に従って無線装置701と無線通信を行うことが可能に構成されている。また、各A社基地局2aはA社指令室3aに設置されたA社中央装置4aと接続されている。
A社指令室3aには、A社中央装置4aおよび指令卓5aが設けられている。A社中央装置4aは、A社運行路線SAを走行する各列車11の無線装置701との音声通信および運行データ通信を統括し、指令卓5aを制御する。ここで、運行データには、各列車11の運行計画および遅延情報が含まれる。指令卓5aは、A社の地上の司令員が列車乗務員との音声通話をしたり、運行データの確認を行ったりするための装置である。
B社運行路線SBでは、複数のB社基地局2bが線路Rbに沿って間隔をあけて配置され、互いに接続されている。各B社基地局2bはB社通信方式に従って無線装置701と無線通信を行うことが可能に構成されている。また、各B社基地局2bはB社指令室3bに設置されたB社中央装置4bと接続されている。
B社指令室3bには、B社中央装置4bと指令卓5bが設けられている。B社中央装置4bは、B社運行路線SBを走行する各列車11の無線装置701との音声通信および運行データ通信を統括し、指令卓5bを制御する。ここで、運行データには、各列車11の運行計画および遅延情報が含まれる。指令卓5bは、B社の地上の司令員が列車乗務員との音声通話をしたり、運行データの確認を行ったりするための装置である。
A社運行路線SAを第1運行路線とも称し、B社運行路線SBを第2運行路線とも称する。また、A社通信方式を第1通信方式とも称し、B社通信方式を第2通信方式とも称する。また、A社基地局2aを第1基地局とも称し、B社基地局2bを第2基地局とも称する。
列車11がA社運行路線SAを走行するとき、列車11の無線装置701はA社通信方式を用いて1つのA社基地局2aと無線通信を行う。これにより、地上の司令員と列車乗務員との間で、A社中央装置4aおよびA社中央装置4aに接続された指令卓5aを介して無線通信が可能である。例えば、地上の司令員から列車乗務員へ列車運行情報等に関するデータを通知することが可能である。
列車11がB社運行路線SBを走行するとき、列車11の無線装置701はB社通信方式を用いて1つのB社基地局2bと無線通信を行う。これにより、地上の司令員と列車乗務員との間で、B社中央装置4bおよびB社中央装置4bに接続された指令卓5bを介して無線通信が可能である。例えば、地上の司令員から列車乗務員へ列車運行情報等に関するデータを通知することも可能である。
次に、列車無線システム1001の列車側設備について説明する。図2は、列車無線システム1001の列車側設備を概略的に示すブロック図である。列車無線システム1001の列車側設備は、無線装置701、車上制御装置8、位置検出器9および運転台10を含む。
無線装置701は、主無線部73と副無線部74という2つの無線部を備え、複数の通信方式の無線信号を送受信することが可能である。本実施の形態では、無線装置701は、A社通信方式とB社通信方式とを切り替えて無線通信を行うことができるように構成されている。
また、無線装置701は、アンテナ部71,72、無線方式データ格納部75、切替制御部76および切替比較部77を備える。
アンテナ部71は、主無線部73および副無線部74に接続されている。アンテナ部72も同様に、主無線部73および副無線部74に接続されている。アンテナ部71,72はA社基地局2aまたはB社基地局2bからの無線信号を受信し、A社基地局2aまたはB社基地局2bに対して無線信号を送信する。本実施の形態において、主無線部73および副無線部74は、二つのアンテナ部71,72を共用している。しかし、これに限られるものではない。主無線部73および副無線部74は別々のアンテナ部を用いてもよい。また、アンテナ部71とアンテナ部72とで指向特性等が異なっていてもよい。
無線方式データ格納部75は、無線方式データ751を格納している。無線方式データ751は、主無線部73および副無線部74が自身の通信方式を設定するために必要な無線設定情報、すなわち無線パラメータである。無線方式データ751は、A社通信方式の無線設定情報と、B社通信方式の無線設定情報とを含む。主無線部73および副無線部74は、無線方式データ751を用いて、自身の通信方式をA社通信方式とB社通信方式との間で切り替えることが可能である。無線方式データ751は、出力する電波の周波数帯および無線の変調方式を主無線部73および副無線部74に設定する設定値である。
切替比較部77には、切替条件データ771が予め格納されている。切替条件データ771は、主無線部73または副無線部74が通信方式の切替を行う条件である切替条件を示すデータである。切替条件データ771は、列車11の進行方向、走行位置および運行情報のデータを含む。切替比較部77は、車上制御装置8から走行情報データ81を取得し、取得した走行情報データ81を切替条件データ771と比較する。そして、走行情報データ81が切替条件データ771に一致する場合に、切替比較部77は切替制御部76に通信方式の切替を指示する。
切替制御部76は、主無線部73および副無線部74の通信方式を制御する。具体的には、切替制御部76は切替比較部77からの指示に基づき、主無線部73および副無線部74に通信方式をA社通信方式とB社通信方式との間で切替えるよう指示する。
主無線部73または副無線部74は、切替制御部76の指示に従い、指示された通信方式の無線設定情報を無線方式データ格納部75から取得して設定することで、指示された通信方式の通信規格に従って無線信号の送受信処理を行うことができるようになる。これによって、主無線部73または副無線部74は、指示された通信方式による通話が可能になる他、通信方式に応じてA社中央装置4aまたはB社中央装置4bから運行データ等を受信できるようになる。主無線部73または副無線部74は、受信した運行データを車上制御装置8に送信する。
車上制御装置8は走行情報データ81を有している。走行情報データ81は、列車11の進行方向、走行位置、および運行情報等の最新情報を含む。車上制御装置8は、無線装置701の主無線部73または副無線部74から入力される運行情報などの列車の走行に関するデータと、運転台10から入力される列車の進行方向と、位置検出器9から入力される列車の走行位置とを走行情報データ81として格納し、無線装置701の切替比較部77に走行情報データ81を送信する。
位置検出器9は列車11の下部に設置される。位置検出器9は、列車11が地上子6を通過する際に、その地上子6から絶対位置の位置情報を受信し、受信した位置情報を車上制御装置8に送信する。
運転台10は、列車11の前後に1台ずつ計2台設置されている。列車乗務員が列車11に乗り込んで一方の運転台10を使用すると、使用された運転台10が自身に対応する列車の進行方向を車上制御装置8に送信する。
<A-2.動作>
以下では、列車11がA社運行路線SAからB社運行路線SBに乗り入れる場合を例として、無線装置701における通信方式の切替動作を説明する。但し、以下の説明は、列車11がB社運行路線SBからA社運行路線SAに乗り入れる場合にも適用される。この場合には、列車11の進行方向が逆になり、以下の説明におけるA社運行路線SAに関する記載とB社運行路線SBに関する記載とが逆になる。
図3から図5は、列車11がA社運行路線SAから境界Cを超えてB社運行路線SBに進入する様子を時系列で示している。列車11の進行方向における境界Cの手前の予め定められた位置に、第1切替地点D1が設定されている。第1切替地点D1は、列車11の無線装置701が切替動作を開始する地点である。第1切替地点D1から境界Cまでを切替区間とする。
図3は、列車11がA社運行路線SAの線路Raにおいて第1切替地点D1よりも手前を走行している状態を示している。このとき、主無線部73と副無線部74は、共にA社通信方式で通信を行う。すなわち、主無線部73および副無線部74はA社基地局2aのそれぞれと無線通信を行うことが可能である。具体的には、無線装置701は、主無線部73または副無線部74を使用し、A社基地局2aを介してA社中央装置4aおよび指令卓5aと音声および列車の運行データを相互通信する。ここで、列車の運行データには、A社運行路線SAを走行する各列車11の運行計画、走行位置および運行遅延情報が含まれる。無線装置701は主無線部73および副無線部74のうち一方を無線通信に使用し、他方はバックアップとする。このように、無線装置701において無線部は冗長化されている。
図4は、列車11が第1切替地点D1に到達した状態、言い換えれば、列車11が境界Cに対して予め定められた距離まで接近した状態を示している。切替条件データ771には第1の切替条件データとして、A社運行路線SAからB社運行路線SBに向かう列車11が第1切替地点D1に到達したときの進行方向、走行位置および運行情報のデータが含まれている。ここで、運行情報のデータは、B社運行路線SBへ乗り入れる運行計画を示している。切替比較部77は、車上制御装置8から送信された走行情報データ81を自身が保有する切替条件データ771と比較し、走行情報データ81が切替条件データ771における第1の切替条件データと一致することにより、列車11が第1切替地点D1に到達したと判断する。切替比較部77は、走行情報データ81における列車11の進行方向、走行位置、および運行情報を、第1の切替条件データにおける対応する項目と比較し、それぞれが一致する場合に、走行情報データ81が第1の切替条件データに一致すると判断する。
走行情報データ81が第1の切替条件データに一致することは、列車11が第1切替地点D1に到達し、かつB社運行路線SBへの乗り入れを計画していることを意味する。この場合、切替比較部77は、その旨を切替制御部76に通知する。通知を受けた切替制御部76は、主無線部73に対してはA社通信方式による通信の維持を指示し、副無線部74に対しては通信方式をB社通信方式へ変更して通信開始の待機状態に移行するように指示する。
切替制御部76から指示を受けた副無線部74は、無線方式データ格納部75からB社通信方式の無線設定情報を取得して通信設定を行い、B社通信方式の通信開始の待機状態になる。副無線部74は、列車11が境界Cに到達するまでB社通信方式による送信を開始しないため、主無線部73による列車11とA社との音声通話がB社に混入することはない。この状態は、列車11が境界Cを通過するまで維持される。
図5は、列車11が境界Cを通過した直後の状態を示している。切替条件データ771には第2の切替条件データとして、A社運行路線SAからB社運行路線SBに向かう列車11が境界Cに到達したときの進行方向、走行位置および運行情報のデータが含まれている。ここで、運行情報のデータは、B社運行路線SBへ乗り入れる運行計画を示している。切替比較部77は、車上制御装置8から送信された走行情報データ81を自身が保有する切替条件データ771と比較し、走行情報データ81が切替条件データ771における第2の切替条件データと一致することにより、列車11が境界Cに到達したと判断する。切替比較部77は、走行情報データ81における列車11の進行方向、走行位置、および運行情報を、第2の切替条件データにおける対応する項目と比較し、それぞれが一致する場合に、走行情報データ81が第2の切替条件データに一致すると判断する。
走行情報データ81が第2の切替条件データに一致することは、列車11が境界Cに到達し、かつB社運行路線SBへの乗り入れを計画していることを意味する。この場合、切替比較部77は、その旨を切替制御部76に通知する。通知を受けた切替制御部76は、主無線部73に対しては通信方式をB社通信方式へ変更して通信開始の待機状態に移行するように指示し、副無線部74に対してはB社通信方式による通信開始を指示する。
切替制御部76から指示を受けた主無線部73は、無線方式データ格納部75からB社通信方式の無線設定情報を取得して通信設定を行い、B社通信方式の通信開始の待機状態になる。また、切替制御部76から指示を受けた副無線部74は、B社通信方式による通信を開始する。副無線部74は、列車11が第1切替地点D1に到達した時点で通信方式をB社通信方式に切り替えているため、列車11が境界Cに到達した直後、速やかにB社通信方式による通信を開始することができる。列車11が境界Cに到達した直後、無線装置701はB社基地局2bおよびB社中央装置4bとデータの相互通信をすることができる。そして、B社の地上司令員はB社中央装置4bおよび指令卓5bを介して列車乗務員と通話することができる。この状態は、列車11が次の会社の運行路線に近づき次の第1切替地点D1を通過するまで維持される。列車11が次の第1切替地点D1を通過するまで、無線装置701は副無線部74をB社との通信に使用し、主無線部73をバックアップとして用いる。このように、無線装置701において無線部は冗長化されている。
<A-3.効果>
以上説明したように、実施の形態1に係る列車無線システム1001は、無線装置701、複数の第1基地局である複数のA社基地局2a、および複数の第2基地局である複数のB社基地局2bを備える。無線装置701は、第1運行路線であるA社運行路線SAからA社運行路線SAに接続された第2運行路線であるB社運行路線SBに向かって走行する列車11に搭載される。
複数のA社基地局2aは、A社運行路線SAに沿って設けられ、列車11がA社運行路線SAを走行中に無線装置701と第1通信方式であるA社通信方式で無線通信する。
複数のB社基地局2bは、B社運行路線SBに沿って設けられ、列車11がB社運行路線SBを走行中に無線装置701と第2通信方式であるB社通信方式で無線通信する。
無線装置701は、第1無線部である主無線部73および第2無線部である副無線部74を備える。主無線部73は、列車11がA社運行路線SAを走行中にA社通信方式で複数のA社基地局2aと無線通信する。副無線部74は、列車11がA社運行路線SAとB社運行路線SBとの境界Cから予め定められた距離だけ手前側の第1切替地点D1に到達するまで、A社通信方式での通信の待機状態であり、列車11が第1切替地点D1に到達した場合に、通信方式をA社通信方式からB社通信方式に切り替える。
このように、列車11が境界Cより手前の第1切替地点D1に到達した時点で、前もって副無線部74の通信方式をB社通信方式に切り替えておくことによって、列車11が境界Cを通過した後すみやかに副無線部74によるB社通信方式による通信を開始することができる。従って、列車11の走行中に通信方式の切り替えが可能である他、通信方式の切り替えに伴う通信断の時間が短縮することで、列車無線システム1001の信頼性が向上する。
また、列車無線システム1001において、副無線部74は、列車11が第1切替地点D1に到達してから境界Cに到達するまでの間、B社通信方式での通信待機状態にある。
この構成によれば、副無線部74は境界Cより前の第1切替地点D1で前もって通信方式をB社通信方式に切り替えつつ、無線装置701は、列車11がA社運行路線SAを走行している間はA社通信方式による通信のみを主無線部73により行うため、A社通信方式の通信とB社通信方式の通信とが混線するおそれがない。
また、列車無線システム1001において、列車11が境界Cに到達した場合に、主無線部73は、通信方式をA社通信方式からB社通信方式に切り替えてB社通信方式での通信の待機状態になり、副無線部74はB社通信方式での通信を開始する。以上の構成により、B社運行路線SBでは主無線部73を副無線部74のバックアップとして用いることができ、無線部に冗長性を持たせることができる。
<B.実施の形態2>
<B-1.構成>
実施の形態2に係る列車無線システム1002は、実施の形態1に係る列車無線システム1001において、列車11に搭載される無線装置701を無線装置702に置き換えたものである。無線装置702以外の列車無線システム1002の構成は列車無線システム1001と同様であり、図1に示した通りである。
図6は無線装置702を含む列車無線システム1002の列車側設備の概略構成を示すブロック図である。無線装置702は、実施の形態1に係る無線装置701の構成に加えて電源部78を備えている。
電源部78はバッテリー781および外部電源部782を備える。外部電源部782は外部電源(図示せず)から列車11に供給された電力を無線装置702の各ブロックに供給する。このように外部電源が稼働しているとき、バッテリー781は充電される。外部電源から列車11への電源供給が停止したとき、バッテリー781が外部電源に代わって稼働し、無線装置702の各ブロックに電源供給を行う。電源部78は、外部電源とバッテリー781のいずれが稼働しているかを表す電源稼働状況を切替比較部77に送信する。
切替条件データ771は、実施の形態1で説明した通信方式を切替える時の列車11の進行方向、走行位置、および運行情報のデータに加え、通信方式を切替える時の電源稼働状況のデータを含む。
<B-2.動作>
列車11がA社運行路線SAからB社運行路線SBに乗り入れる場合を例として、無線装置702における通信方式の切替動作を説明する。但し、以下の説明は、列車11がB社運行路線SBからA社運行路線SAに乗り入れる場合にも適用される。この場合には、列車11の進行方向が逆になり、以下の説明におけるA社運行路線SAに関する記載とB社運行路線SBに関する記載とが逆になる。
図7から図9は、列車11がA社運行路線SAから境界駅C1を超えてB社運行路線SBに進入する様子を時系列で示している。境界駅C1はA社運行路線SAとB社運行路線SBとの境界にある駅である。
本実施の形態において、列車11が境界駅C1に停止するまでの無線装置702の動作は、図3で説明した列車11が第1切替地点D1を通過する前までの無線装置701の動作と同様であるため、説明を省略する。
図7は、列車11がA社運行路線SAから境界駅C1に到着した状態を示している。このとき、主無線部73がA社通信方式でA社中央装置4aおよび指令卓5aと通信を行い、副無線部74はA社通信方式が設定されて通信待機状態になっている。すなわち、列車11が境界駅C1に到着した時、主無線部73はA社との通信を維持し、副無線部74は冗長として機能する。なお、本実施の形態では、切替制御部76は、第1切替地点D1において副無線部74をB社通信方式の通信待機状態へ移行する動作は行わない。
図7に示された状態において、切替比較部77は、車上制御装置8から送信された走行情報データ81と切替条件データ771とを比較し、走行情報データ81が切替条件データ771における境界駅C1での切替条件と一致することで、列車11が境界駅C1に到達したと判断する。
また、切替比較部77は、切替条件データ771に格納されている運行情報から、列車11の運行計画がB社への乗り入れであり、かつ、列車11が境界駅C1に到達したと判断した場合、電源部78から受信した電源動作状況により、バッテリー781と外部電源のいずれが稼働しているかを判定する。外部電源が稼働している場合、無線装置702は特段の処理を行わない。つまり、外部電源から列車11への電源供給が停止するまで、無線装置702はA社通信方式によるA社との通信を維持する。
図8は、列車乗務員の交代のため列車11が境界駅C1で停車し、外部電源から列車11への電源供給が停止した状態を示している。外部電源の稼働停止に伴い、バッテリー781から無線装置702に電源供給が行われる。
切替比較部77は、走行情報データ81から列車11がB社へ乗り入れる計画であり、かつ境界Cに到達したと判断した後、列車11の電源が外部電源からバッテリー781に切り替わったことを検知すると、切替制御部76にB社通信方式への切替を指示する。指示を受けた切替制御部76は、副無線部74に対してB社通信方式の通信設定をし、通信開始の待機状態に移行するように指示する。副無線部74は、無線方式データ格納部75から取得したB社通信方式の無線設定情報に基づき通信設定をして、B社通信方式の通信開始の待機状態になる。この状態で副無線部74は送信を開始しないため、列車11とA社との音声通話がB社に混入することはない。図8に示される状態は、乗務員交代が完了し、バッテリー781の電源供給が終了するまで維持される。
図9は、列車11が乗務員の交代を終えて境界駅C1から発進した状態を示している。外部電源から列車11への電源供給が再開されたことに伴い、バッテリー781は稼働を停止する。切替比較部77は、電源部78から受信した電源稼働状況に基づき、無線装置702への電源供給主体がバッテリー781から外部電源に切り替わったことを検知する。すると、切替比較部77は、車上制御装置8から受信した走行情報データ81を切替条件データ771と比較し、列車11の進行方向および走行位置が境界駅C1での切替条件と一致することで、列車11が境界駅C1で発進しようとしていると判断する。切替比較部77は、列車11が境界Cで発進しようとしていると判断し、かつ走行情報データ81から列車11がB社へ乗り入れる計画であることを検知すると、切替制御部76に列車11が境界駅C1から発進しようとしていることを通知する。
通知を受けた切替制御部76は、主無線部73に対してはA社通信方式による通信を終了し、B社通信方式の通信設定を行って通信開始の待機状態に移行するよう指示し、副無線部74に対してはB社通信方式による送信の開始を指示する。切替制御部76からの指示を受け、主無線部73はA社通信方式の通信設定を解除し、B社通信方式の通信設定をしてB社通信方式の通信開始の待機状態になる。副無線部74はB社通信方式での通信を開始する。これにより、無線装置702は、外部電源から列車11への電源供給が再開した直後からB社基地局2bおよびB社中央装置4bとデータの相互通信を行うことが可能になる。また、B社の地上司令員は、B社中央装置4bおよび指令卓5bを介して列車乗務員と通話することができる。無線装置702の副無線部74が通信に使用され、主無線部73がバックアップとして使用されることで、冗長として機能する。この状態は、列車11が次の境界駅C1に到着するまで維持される。
<B-3.効果>
実施の形態2に係る列車無線システム1002は、無線装置702と、複数のA社基地局2aと、複数のB社基地局2bとを備える。無線装置702は、A社運行路線SAからA社運行路線SAに接続されたB社運行路線SBに向かって走行する列車11に搭載される。複数のA社基地局2aは、A社運行路線SAに沿って設けられ、列車11がA社運行路線SAを走行中に無線装置702とA社通信方式で無線通信する。複数のB社基地局2bは、B社運行路線SBに沿って設けられ、列車11がB社運行路線SBを走行中に無線装置702とB社通信方式で無線通信する。無線装置702は、主無線部73、副無線部74、外部電源部782、およびバッテリー781を備える。外部電源部782は、列車11の外部の電源である外部電源から列車11に供給される電源を無線装置702に供給する。バッテリー781は、外部電源から列車11への電源供給がないときに無線装置702に電源供給する。列車11がA社運行路線SAを走行中に、主無線部73はA社通信方式で複数のA社基地局2aと無線通信し、副無線部74はA社通信方式での通信待機状態にある。列車11がA社運行路線SAとB社運行路線SBとの境界駅C1に到着し、列車11への電源供給主体が外部電源からバッテリー781に切り替わるとき、副無線部74は通信方式をA社通信方式からB社通信方式に切り替えてB社通信方式での通信待機状態になる。境界駅C1で列車11への電源供給主体がバッテリー781から外部電源に切り替わるとき、主無線部73は通信方式をA社通信方式からB社通信方式に切り替えてB社通信方式での通信待機状態になり、副無線部74はB社通信方式での通信を開始する。
以上の構成によれば、無線装置702は、境界駅C1で列車11への電源供給主体がバッテリー781から外部電源に切り替わった直後に、B社との通話および通信を開始することができる。この結果、A社通信方式からB社通信方式への切替および外部電源部782から列車11への電源供給停止に伴う通信断の時間が短縮することで、列車無線システム1002の信頼性が向上する。
<C.実施の形態3>
<C-1.構成>
図10は、実施の形態3に係る列車無線システム1003の概略図である。列車無線システム1003は、列車無線システム1001または列車無線システム1002の地上側設備に列車位置共有器12を追加したものである。以下、列車無線システム1003は、列車無線システム1001の地上側設備に列車位置共有器12を追加したものとして説明する。
列車位置共有器12は、A社中央装置4aおよびB社中央装置4bと接続されており、A社運行路線SAおよびB社運行路線SBの列車位置情報をA社中央装置4aとB社中央装置4bとの間で共有することを可能にする。
列車11がA社運行路線SAを走行している間、車上制御装置8は、地上子6から列車11の位置情報を入手すると、入手した列車11の位置情報および進行方向を、主無線部73および副無線部74のうち通信可能な無線部を介してA社中央装置4aに送信する。A社中央装置4aは、車上制御装置8から受信した列車11の位置情報および進行方向と、当該列車11を識別する列車情報とを、列車位置共有器12に送信する。
列車11がB社運行路線SBを走行している間、車上制御装置8は、地上子6から列車11の位置情報を入手すると、入手した列車11の位置情報および進行方向を、主無線部73および副無線部74のうち通信可能な無線部を介してB社中央装置4bに送信する。B社中央装置4bは、車上制御装置8から受信した列車11の位置情報および進行方向と、当該列車11を識別する列車情報とを、列車位置共有器12に送信する。
列車位置共有器12は、A社運行路線SAを走行する列車11の位置情報、進行方向および列車情報を、A社中央装置4aから受信し、B社中央装置4bに送信する。また、列車位置共有器12は、B社運行路線SBを走行する列車11の位置情報、進行方向および列車情報を、B社中央装置4bから受信し、A社中央装置4aに送信する。
A社中央装置4aは、A社運行路線SAを走行する列車11の位置情報および進行方向だけでなく、B社運行路線SBを走行する列車11の位置情報および進行方向も運行データに含め、A社基地局2aを介して、A社運行路線SAを走行する列車11の無線装置701に送信する。
B社中央装置4bは、B社運行路線SBを走行する列車11の位置情報および進行方向だけでなく、A社運行路線SAを走行する列車11の位置情報および進行方向も運行データに含め、B社基地局2bを介して、B社運行路線SBを走行する列車11の無線装置701に送信する。
本実施の形態の切替条件データ771は、実施の形態1で説明したデータに加え、自列車以外の列車11の位置情報データおよび進行方向を格納する。
<C-2.動作>
次に、列車無線システム1003の動作、特に列車位置共有器12による切替動作を説明する。以下の説明では複数の列車11が登場するため、制御対象の列車11を対象列車11X、対象列車11Xの前方を走行する列車11を先行列車11Lと称して区別する。
図11は、A社運行路線SAの線路Raを走行する対象列車11XがA社運行路線SAとB社運行路線SBとの境界Cに到達した時、境界C付近のB社運行路線SBを先行列車11Lが走行している状態を示している。対象列車11Xの進行方向における境界Cより前方の予め定められた位置に、第2切替地点D2が設定されている。先行列車11Lは境界Cと第2切替地点D2との間を走行しているものとする。
対象列車11Xが境界Cに到達するまでの無線装置701の動作は、実施の形態1の図3および図4で説明した通りである。
図11の状態において、無線装置701の切替比較部77は、車上制御装置8から送信された走行情報データ81と切替条件データ771を比較する際、切替条件データ771に格納している対象列車11X以外の他の列車11の位置情報データおよび進行方向に基づき、境界Cと第2切替地点D2との間に、対象列車11Xと進行方向が同一の先行列車11Lが存在するか否かを判定する。該当する先行列車11Lが存在する場合、切替比較部77は実施の形態1の図5で説明した動作を行わない。すなわち、ここで、主無線部73はA社通信方式による通信を継続し、副無線部74はB社通信方式による通信待機状態を継続する。
その後、先行列車11Lが、第2切替地点D2を通過したとき、切替比較部77は通信方式の切替を切替制御部76に指示し、実施の形態1の図5で説明した動作を行う。すなわち、切替制御部76から指示を受けた主無線部73は、無線方式データ格納部75からB社通信方式の無線設定情報を取得して通信設定を行い、B社通信方式の通信開始の待機状態になる。また、切替制御部76から指示を受けた副無線部74は、B社通信方式による通信を開始する。
<C-3.効果>
以上説明したように、実施の形態3に係る列車無線システム1003において、対象列車11Xが境界Cに到達した場合に、境界Cと境界Cから予め定められた距離だけ前方の第2切替地点D2との間に先行列車11Lが走行している場合、第1無線部である主無線部73は第1通信方式であるA社通信方式を維持し、第2無線部である副無線部74は第2通信方式であるB社通信方式での通信待機状態を維持する。また、先行列車11Lが第2切替地点D2を通過したときに、主無線部73は、通信方式をA社通信方式からB社通信方式に切り替えてB社通信方式での通信の待機状態になり、副無線部74はB社通信方式での通信を開始する。
このため、無線装置701は、境界C付近で先行列車11Lが第2切替地点D2付近のB社基地局2bと通信していることでB社基地局2bと通信できない場合でも、A社基地局2aとの通信を行うことができる。その結果、対象列車11Xの列車乗務員が地上と通信できない時間が短縮されるので、列車無線システム1003の信頼性が向上する。また、列車位置共有器12が、第2切替地点D2および境界C付近におけるA社運行路線SAおよびB社運行路線SBの列車走行状況を把握することができるため、第2切替地点D2および境界C付近を走行中の各列車11の列車乗務員に他の列車の走行情報を通知することによって、より安全な運行が可能になる。
<D.ハードウェア構成>
上述した無線装置701,702における、主無線部73、副無線部74、無線方式データ格納部75、切替制御部76および切替比較部77は、図12に示す処理回路201により実現される。すなわち、処理回路201は、主無線部73、副無線部74、無線方式データ格納部75、切替制御部76および切替比較部77(以下、主無線部73等と称する)を備える。処理回路201には、専用のハードウェアが適用されても良いし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサが適用されても良い。プロセッサは、例えば中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)等である。
処理回路201が専用のハードウェアである場合、処理回路201は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。主無線部73等の各部の機能それぞれは、複数の処理回路201で実現されてもよいし、各部の機能をまとめて一つの処理回路で実現されてもよい。
処理回路201がプロセッサである場合、主無線部73等の機能は、ソフトウェア等(ソフトウェア、ファームウェアまたはソフトウェアとファームウェア)との組み合わせにより実現される。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリに格納される。図13に示すように、処理回路201に適用されるプロセッサ202は、メモリ203に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、無線装置701,702は、処理回路201により実行されるときに、主無線部73等の処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ203を備える。換言すれば、このプログラムは、主無線部73等の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ203は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disk)及びそのドライブ装置等、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
以上、主無線部73等の各機能が、ハードウェア及びソフトウェア等のいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしこれに限ったものではなく、主無線部73等の一部を専用のハードウェアで実現し、別の一部をソフトウェア等で実現する構成であってもよい。例えば切替比較部77については専用のハードウェアとしての処理回路でその機能を実現し、それ以外についてはプロセッサ202としての処理回路201がメモリ203に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。以上のように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア等、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
なお、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
第1運行路線から前記第1運行路線に接続された第2運行路線に向かって走行する列車に搭載された無線装置と、
前記第1運行路線に沿って設けられ、前記列車が前記第1運行路線を走行中に前記無線装置と第1通信方式で無線通信する複数の第1基地局と、
前記第2運行路線に沿って設けられ、前記列車が前記第2運行路線を走行中に前記無線装置と第2通信方式で無線通信する複数の第2基地局と、を備え、
前記無線装置は、第1無線部および第2無線部を備え、
前記第1無線部は、前記列車が前記第1運行路線を走行中に前記第1通信方式で前記複数の第1基地局と無線通信し、
前記第2無線部は、前記列車が前記第1運行路線と前記第2運行路線との境界から予め定められた距離だけ手前側の第1切替地点に到達するまで、前記第1通信方式での通信の待機状態であり、前記列車が前記第1切替地点に到達した場合に、通信方式を前記第1通信方式から前記第2通信方式に切り替える、
列車無線システム。
(付記2)
前記第2無線部は、前記列車が前記第1切替地点に到達してから前記境界に到達するまでの間、前記第2通信方式での通信待機状態にある、
付記1に記載の列車無線システム。
(付記3)
前記列車が前記境界に到達した場合に、前記第1無線部は、通信方式を前記1通信方式から前記第2通信方式に切り替えて前記第2通信方式での通信の待機状態になり、前記第2無線部は前記第2通信方式での通信を開始する、
付記2に記載の列車無線システム。
(付記4)
前記列車が前記境界に到達した場合に、前記境界と前記境界から予め定められた距離だけ前方の第2切替地点との間に先行列車が走行している場合、前記第1無線部は前記第1通信方式を維持し、前記第2無線部は前記第2通信方式での通信待機状態を維持し、
前記先行列車が前記第2切替地点を通過したときに、前記第1無線部は、通信方式を前記1通信方式から前記第2通信方式に切り替えて前記第2通信方式での通信の待機状態になり、前記第2無線部は前記第2通信方式での通信を開始する、
付記3に記載の列車無線システム。
(付記5)
第1運行路線から前記第1運行路線に接続された第2運行路線に向かって走行する列車に搭載された無線装置と、
前記第1運行路線に沿って設けられ、前記列車が前記第1運行路線を走行中に前記無線装置と第1通信方式で無線通信する複数の第1基地局と、
前記第2運行路線に沿って設けられ、前記列車が前記第2運行路線を走行中に前記無線装置と第2通信方式で無線通信する複数の第2基地局と、を備え、
前記無線装置は、
第1無線部と、
第2無線部と、
前記列車の外部の電源である外部電源から前記列車に供給される電源を前記無線装置に供給する外部電源部と、
前記外部電源から前記列車への電源供給がないときに前記無線装置に電源供給するバッテリーと、を備え、
前記列車が前記第1運行路線を走行中に、前記第1無線部は前記第1通信方式で前記複数の第1基地局と無線通信し、前記第2無線部は前記第1通信方式での通信待機状態にあり、
前記列車が前記第1運行路線と前記第2運行路線との境界駅に到着し、前記列車への電源供給主体が前記外部電源から前記バッテリーに切り替わるとき、前記第2無線部は通信方式を前記第1通信方式から前記第2通信方式に切り替えて前記第2通信方式での通信待機状態になり、
前記境界駅で前記列車への電源供給主体が前記バッテリーから前記外部電源に切り替わるとき、前記第1無線部は通信方式を前記第1通信方式から前記第2通信方式に切り替えて前記第2通信方式での通信待機状態になり、前記第2無線部は前記第2通信方式での通信を開始する、
列車無線システム。
(付記6)
第1運行路線から前記第1運行路線に接続された第2運行路線に向かって走行する列車に搭載された無線装置であって、
前記列車が前記第1運行路線を走行中に、前記第1運行路線に沿って設けられた複数の第1基地局と第1通信方式で無線通信し、
前記列車が前記第2運行路線を走行中に、前記第2運行路線に沿って設けられた複数の第2基地局と第2通信方式で無線通信し、
第1無線部および第2無線部を備え、
前記第1無線部は、前記列車が前記第1運行路線を走行中に前記第1通信方式で前記複数の第1基地局と無線通信し、
前記第2無線部は、前記列車が前記第1運行路線と前記第2運行路線との境界から予め定められた距離だけ手前側の第1切替地点に到達するまで、前記第1通信方式での通信の待機状態であり、前記列車が前記第1切替地点に到達した場合に、通信方式を前記第1通信方式から前記第2通信方式に切り替える、
無線装置。
2a A社基地局、2b B社基地局、3a A社指令室、3b B社指令室、4a A社中央装置、4b B社中央装置、5a,5b 指令卓、6 地上子、8 車上制御装置、9 位置検出器、10 運転台、11 列車、11L 先行列車、11X 対象列車、12 列車位置共有器、71,72 アンテナ部、73 主無線部、74 副無線部、75 無線方式データ格納部、76 切替制御部、77 切替比較部、78 電源部、81 走行情報データ、201 処理回路、202 プロセッサ、203 メモリ、701 無線装置、702 無線装置、751 無線方式データ、771 切替条件データ、781 バッテリー、782 外部電源部、1001,1002,1003 列車無線システム、C 境界、C1 境界駅、D1 第1切替地点、D2 第2切替地点、Ra,Rb 線路、SA A社運行路線、SB B社運行路線。

Claims (6)

  1. 第1運行路線から前記第1運行路線に接続された第2運行路線に向かって走行する列車に搭載された無線装置と、
    前記第1運行路線に沿って設けられ、前記列車が前記第1運行路線を走行中に前記無線装置と第1通信方式で無線通信する複数の第1基地局と、
    前記第2運行路線に沿って設けられ、前記列車が前記第2運行路線を走行中に前記無線装置と第2通信方式で無線通信する複数の第2基地局と、を備え、
    前記無線装置は、第1無線部および第2無線部を備え、
    前記第1無線部は、前記列車が前記第1運行路線を走行中に前記第1通信方式で前記複数の第1基地局と無線通信し、
    前記第2無線部は、前記列車が前記第1運行路線と前記第2運行路線との境界から予め定められた距離だけ手前側の第1切替地点に到達するまで、前記第1通信方式での通信の待機状態であり、前記列車が前記第1切替地点に到達した場合に、通信方式を前記第1通信方式から前記第2通信方式に切り替える、
    列車無線システム。
  2. 前記第2無線部は、前記列車が前記第1切替地点に到達してから前記境界に到達するまでの間、前記第2通信方式での通信待機状態にある、
    請求項1に記載の列車無線システム。
  3. 前記列車が前記境界に到達した場合に、前記第1無線部は、通信方式を前記1通信方式から前記第2通信方式に切り替えて前記第2通信方式での通信の待機状態になり、前記第2無線部は前記第2通信方式での通信を開始する、
    請求項2に記載の列車無線システム。
  4. 前記列車が前記境界に到達した場合に、前記境界と前記境界から予め定められた距離だけ前方の第2切替地点との間に先行列車が走行している場合、前記第1無線部は前記第1通信方式を維持し、前記第2無線部は前記第2通信方式での通信待機状態を維持し、
    前記先行列車が前記第2切替地点を通過したときに、前記第1無線部は、通信方式を前記1通信方式から前記第2通信方式に切り替えて前記第2通信方式での通信の待機状態になり、前記第2無線部は前記第2通信方式での通信を開始する、
    請求項3に記載の列車無線システム。
  5. 第1運行路線から前記第1運行路線に接続された第2運行路線に向かって走行する列車に搭載された無線装置と、
    前記第1運行路線に沿って設けられ、前記列車が前記第1運行路線を走行中に前記無線装置と第1通信方式で無線通信する複数の第1基地局と、
    前記第2運行路線に沿って設けられ、前記列車が前記第2運行路線を走行中に前記無線装置と第2通信方式で無線通信する複数の第2基地局と、を備え、
    前記無線装置は、
    第1無線部と、
    第2無線部と、
    前記列車の外部の電源である外部電源から前記列車に供給される電源を前記無線装置に供給する外部電源部と、
    前記外部電源から前記列車への電源供給がないときに前記無線装置に電源供給するバッテリーと、を備え、
    前記列車が前記第1運行路線を走行中に、前記第1無線部は前記第1通信方式で前記複数の第1基地局と無線通信し、前記第2無線部は前記第1通信方式での通信待機状態にあり、
    前記列車が前記第1運行路線と前記第2運行路線との境界駅に到着し、前記列車への電源供給主体が前記外部電源から前記バッテリーに切り替わるとき、前記第2無線部は通信方式を前記第1通信方式から前記第2通信方式に切り替えて前記第2通信方式での通信待機状態になり、
    前記境界駅で前記列車への電源供給主体が前記バッテリーから前記外部電源に切り替わるとき、前記第1無線部は通信方式を前記第1通信方式から前記第2通信方式に切り替えて前記第2通信方式での通信待機状態になり、前記第2無線部は前記第2通信方式での通信を開始する、
    列車無線システム。
  6. 第1運行路線から前記第1運行路線に接続された第2運行路線に向かって走行する列車に搭載された無線装置であって、
    前記列車が前記第1運行路線を走行中に、前記第1運行路線に沿って設けられた複数の第1基地局と第1通信方式で無線通信し、
    前記列車が前記第2運行路線を走行中に、前記第2運行路線に沿って設けられた複数の第2基地局と第2通信方式で無線通信し、
    第1無線部および第2無線部を備え、
    前記第1無線部は、前記列車が前記第1運行路線を走行中に前記第1通信方式で前記複数の第1基地局と無線通信し、
    前記第2無線部は、前記列車が前記第1運行路線と前記第2運行路線との境界から予め定められた距離だけ手前側の第1切替地点に到達するまで、前記第1通信方式での通信の待機状態であり、前記列車が前記第1切替地点に到達した場合に、通信方式を前記第1通信方式から前記第2通信方式に切り替える、
    無線装置。
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