JP2023150737A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯面において迅速かつ持続的にフッ化物イオンを吸着させ、つるつるとした感触をもたらすとともに、歯面への歯垢の形成を抑制することのできる口腔用組成物に関するに関する。【解決手段】次の成分(A)~(C):(A)炭素数10以上22以下の炭化水素基を有する不飽和脂肪酸(B)有機アミン、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、及びセスキ炭酸塩から選ばれる1種又は2種以上の塩基性化合物(C)含フッ素化合物を含有し、成分(A)の含有量と成分(C)のフッ素原子換算での含有量との質量比((A)/(C))が0.05以上1.9以下であり、かつ25℃におけるpHが7.0以上9.6未満である口腔用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔用組成物に関する。
従来より、種々の口腔用組成物において、脂肪酸又はその塩は、所望の作用をもたらし得る成分として知られている。例えば、特許文献1及び2には、脂肪酸を含有し、歯面に形成した歯垢を除去するとともに、歯垢形成抑制効果をも発揮する口腔用組成物が開示されている。
特開2020-083879号公報 特開2021-070657号公報
ところで、良好な使用感でありながら口腔内環境を整えることのできる有用な口腔用組成物の実現を試みるにあたっては、高い洗浄能を発揮するだけでなく、歯面の強化を有効に図りながら、良好な清掃感をもたらすことが望まれる。そして、歯面の強化を有効に図る一策として、口腔内にて安定的にフッ化物イオンを供給することによって、歯のエナメル質におけるフッ化物イオンの吸着を促進することが知られている。
しかしながら、上記特許文献に記載の組成物であると、歯面における歯垢の除去及び形成の抑制を図ることはできるものの、歯面におけるフッ化物イオンの吸着については、さらなる改善を要する。
したがって、本発明は、歯面において迅速かつ持続的にフッ化物イオンを吸着させ、つるつるとした感触をもたらすとともに、歯面への歯垢の形成を抑制することのできる口腔用組成物に関する。
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定のpH域のもと、特定の脂肪酸、特定の塩基性化合物、及び含フッ素化合物を含有しつつ、かかる脂肪酸と含フッ素化合物とを特定の質量比で含有することにより、脂肪酸と塩基性化合物とによって、含フッ素化合物由来のフッ化物イオンが包埋されたベシクル様の会合体が形成されることを見出した。そして、この形成されたベシクル様の会合体が歯面を被覆しながら、歯面にフッ化物イオンを迅速かつ持続的に吸着させることができる口腔用組成物を見出すに至った。
すなわち、本発明は、次の成分(A)~(C):
(A)炭素数10以上22以下の炭化水素基を有する不飽和脂肪酸
(B)有機アミン、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、及びセスキ炭酸塩から選ばれる1種又は2種以上の塩基性化合物
(C)含フッ素化合物
を含有し、成分(A)の含有量と成分(C)のフッ素原子換算での含有量との質量比((A)/(C))が0.05以上1.9以下であり、かつ25℃におけるpHが7.0以上9.6未満である口腔用組成物を提供するものである。
本発明の口腔用組成物によれば、口腔内に適用した直後から歯面にフッ化物イオンを素早く吸着させ、かつその吸着を有効に持続させることができる。また、歯面に歯垢が形成するのを有効に抑制しながら、歯面においてつるつるとした感触を良好に持続させることができる。
したがって、高い清掃感を実感しながら良好な口腔内環境を長期にわたり保持することが可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、歯面における「つるつるとした感触」とは、歯面を舌でふれたときに、引っかかり感なく舌をすべらせることができることから、歯面がなめらかであると感じられ、高い清掃感を実感できることを意味する。
本発明の口腔用組成物は、成分(A)として、炭素数10以上22以下の炭化水素基を有する不飽和脂肪酸を含有する。成分(A)の脂肪酸が有する炭化水素基の炭素数は、歯面へのフッ化物イオンの吸着量や持続性を高める観点、及び歯面におけるつるつるとした感触を有効かつ持続的に付与する観点から、10以上であって、好ましくは12以上であり、より好ましくは14以上であり、さらに好ましくは18以上であり、22以下であって、好ましくは20以下である。かかる炭化水素基としては、直鎖炭化水素基、分岐鎖を有する炭化水素基が挙げられ、具体的には、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、歯面へのフッ化物イオンの吸着量や持続性を高める観点から、パルミトレイン酸、オレイン酸及びリノール酸から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、オレイン酸がより好ましい。
成分(A)の含有量は、良好な洗浄能を保持しつつ、歯面へのフッ化物イオン吸着を迅速かつ持続的に図る観点、及び歯面における歯垢形成抑制効果を有効に発揮させる観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.005質量%以上であり、より好ましくは0.008質量%以上であり、さらに好ましくは0.02質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.03質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、つるつるとした感触の持続性を図る観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.3質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.15質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.1質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.005質量%以上0.3質量%以下であり、より好ましくは0.008~0.2質量%であり、さらに好ましくは0.02~0.15質量%であり、よりさらに好ましくは0.03~0.1質量%である。
本発明の口腔用組成物は、成分(B)として、有機アミン、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、及びセスキ炭酸塩から選ばれる1種又は2種以上の塩基性化合物を含有する。かかる成分(B)を含有することにより、成分(A)を組成物中に安定に存在させることができ、後述する成分(C)の含フッ素化合物由来のフッ化物イオンを包埋しながら成分(A)とベシクル様の会合体を形成して、歯面へのフッ化物イオン吸着を迅速かつ持続的に高めることができる。
有機アミンとしては、具体的には、例えば、アルギニン、リシン、及びヒスチジンから選ばれる1種又は2種以上の塩基性アミノ酸;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、及び2-アミノ-2-メチル-1-プロパノールから選ばれる1種又は2種以上のアルカノールアミン化合物が挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、及び水酸化リチウムから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
炭酸塩、重炭酸塩、及びセスキ炭酸塩としては、具体的には、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びセスキ炭酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも成分(B)としては、成分(A)とともに、成分(C)の含フッ素化合物由来のフッ化物イオンを包埋しながらベシクル様の会合体を迅速かつ持続的に形成する観点から、アルカリ金属水酸化物、及び塩基性アミノ酸から選ばれる1種又は2種以上の塩基性化合物であるのが好ましく、水酸化カリウム、アルギニン、又はリシンがより好ましい。
成分(B)の含有量は、成分(A)とともにベシクル様の会合体を迅速かつ持続的に形成する観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.003質量%以上であり、より好ましくは0.006質量%以上であり、さらに好ましくは0.01質量%以上である。また、成分(B)の含有量は、歯面におけるつるつるとした感触の持続性を有効に高める観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.4質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、またさらに好ましくは0.035質量%以下である。そして、成分(B)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.003質量%以上0.4質量%以下であり、より好ましくは0.006~0.2質量%であり、さらに好ましくは0.01~0.1質量%であり、またさらに好ましくは0.01~0.035質量%である。
成分(B)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((B)/(A))は、成分(A)を組成物中に安定に存在させ、歯面へのフッ化物イオン吸着を迅速かつ持続的に高めるとともに、歯面におけるつるつるとした感触の持続性をも有効に高める観点から、好ましくは0.05~3であり、より好ましくは0.08~3であり、さらに好ましくは0.1~2であり、またさらに好ましくは0.2~1である。
本発明の口腔用組成物は、成分(C)として、含フッ素化合物を含有する。かかる含フッ素化合物とは、分子構造中にフッ素原子を含む化合物であり、上記成分(A)と成分(B)により形成されるベシクル様の会合体に介在して、かかる会合体にフッ化物イオンを包埋させることができる。
成分(C)としては、具体的には、フッ化物イオン供給化合物、及びモノフルオロリン酸イオン供給化合物から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
フッ化物イオン供給化合物は、モノフルオロリン酸イオンを供給する化合物以外の含フッ素化合物である。かかるフッ化物イオン供給化合物としては、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、フッ化カリウム、フッ化亜鉛、フッ化ベタイン、フッ化第一スズアラニン、フルオロケイ酸ナトリウム、フッ化ヘキシルアミン等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、フッ化ナトリウム、又はフッ化第一スズが好ましい。
モノフルオロリン酸イオン供給化合物としては、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、モノフルオロリン酸マグネシウム、モノフルオロリン酸カルシウム等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、モノフルオロリン酸ナトリウムが好ましい。
なかでも成分(C)としては、成分(A)と成分(B)により形成されるベシクル様の会合体に迅速にフッ化物イオンを包埋させる観点から、フッ化物イオン供給化合物であるのが好ましい。
成分(C)の含有量は、成分(A)と成分(B)により形成されるベシクル様の会合体に良好かつ迅速にフッ化物イオンを包埋させる観点から、本発明の口腔用組成物中に、フッ素原子換算で、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.03質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上である。また、成分(C)の含有量は、歯面におけるつるつるとした感触の持続性を確保する観点から、本発明の口腔用組成物中に、フッ素原子換算で、好ましくは0.3質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.15質量%以下である。そして、成分(C)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、フッ素原子換算で、好ましくは0.01質量%以上0.3質量%以下であり、より好ましくは0.03~0.2質量%であり、さらに好ましくは0.05~0.15質量%である。
成分(A)の含有量と成分(C)のフッ素原子換算での含有量との質量比((A)/(C))は、成分(A)と成分(B)により形成されるベシクル様の会合体に良好にフッ化物イオンを包埋させ、歯面において迅速かつ持続的にフッ化物イオンを吸着させる観点、及び歯面においてつるつるとした感触を良好に持続させる観点から、0.05以上であって、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.2以上であり、さらに好ましくは0.3以上であり、1.9以下であって、好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.2以下であり、さらに好ましくは1以下である。そして、成分(A)の含有量と成分(C)のフッ素原子換算での含有量との質量比((A)/(C))は、0.05以上1.9以下であって、好ましくは0.1以上1.5以下であり、より好ましくは0.2~1.2であり、さらに好ましくは0.3~1である。
本発明の口腔用組成物は、歯面へのフッ化物イオンの持続的な吸着を促進し、歯面における歯垢形成抑制効果を良好に発揮させる観点から、さらに成分(B)以外のカルシウムイオン供給化合物(D)を含有することができる。
カルシウムイオン供給化合物としては、グリセロリン酸カルシウム、グルコース-1-リン酸カルシウム、グルコース-6-リン酸カルシウム、リン酸化オリゴ糖カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、乳酸カルシウム、硝酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、イソ酪酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、及びこれらの混合物から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、塩化カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、及びグルコン酸カルシウムから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
成分(D)の含有量は、歯面へのフッ化物イオンの持続的な吸着を良好に促進する観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.08質量%以上である。また、成分(D)の含有量は、歯面におけるつるつるとした感触の持続性を確保する観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは1.5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.7質量%以下である。そして、成分(D)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.01質量%以上1.5質量%以下であり、より好ましくは0.05~1質量%であり、さらに好ましくは0.08~0.7質量%である。
成分(D)の含有量と成分(C)のフッ素原子換算での含有量との質量比((D)/(C))は、歯面へのフッ化物イオンの持続的な吸着を促進し、歯面における歯垢形成抑制効果を良好に発揮させる観点から、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは1以上であり、さらに好ましくは2以上であり、好ましくは10以下であり、より好ましくは7以下であり、さらに好ましくは6以下である。そして、成分(D)の含有量と成分(C)のフッ素原子換算での含有量との質量比((D)/(C))は、好ましくは0.5以上10以下であり、より好ましくは1~7であり、さらに好ましくは2~6である。
本発明の口腔用組成物は、水を含有する。本発明における水とは、口腔用組成物に配合した精製水等だけでなく、配合した各成分に含まれる水分をも含む、口腔用組成物中に含まれる全水分を意味する。かかる水を含有することにより、含有する上記各成分を良好に溶解又は分散させて、所望の効果を充分に発揮させることができる。
具体的には、本発明の口腔用組成物が洗口液や液状歯磨剤等の液体口腔用組成物である場合、かかる水の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、好ましくは99.7質量%以下であり、より好ましくは99.5質量%以下であり、さらに好ましくは99.4質量%以下である。また、本発明の口腔用組成物が洗口液や液状歯磨剤等の液体口腔用組成物である場合、かかる水の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは50~99.8質量%であり、より好ましくは70~99.5質量%であり、さらに好ましくは80質量%以上99.4質量%以下である。
さらに、本発明の口腔用組成物が練歯磨剤や粉歯磨剤等の歯磨組成物である場合、かかる水の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは55質量%以下である。また、本発明の口腔用組成物が練歯磨剤や粉歯磨剤等の歯磨組成物である場合、かかる水の含有量は、好ましくは5~60質量%であり、より好ましくは10~55質量%である。
本発明の口腔用組成物が練歯磨剤や粉歯磨剤等の歯磨組成物である場合、その水分量は、配合した水分量及び配合した成分中の水分量から計算によって算出することもできるが、例えばカールフィッシャー水分計で測定することができる。カールフィッシャー水分計としては、例えば、微量水分測定装置(平沼産業社製)を用いることができる。この装置では、歯磨組成物を5gとり、無水メタノール25gに懸濁させ、この懸濁液0.02gを分取して水分量を測定することができる。
本発明の口腔用組成物は、歯垢形成抑制効果を阻害しない観点から、遊離の2価金属イオンの含有を制限するのが好ましい。かかる遊離の2価金属イオンとしては、具体的には、カルシウムイオン、マグネシウムイオンが挙げられる。かかる遊離の2価金属イオンの含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.5質量%以下であり、より好ましくは0.25質量%以下であるのが好ましい。
なお、かかる遊離の2価金属イオンの含有量は、ICP発光分析法(ICP発光分析装置:Perkin Elmer社製 Optima 5300DV)により、遊離の2価金属イオンの合計量として測定される値である。
本発明の口腔用組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記成分のほか、例えば、成分(A)以外のその他の界面活性剤;殺菌剤;糖アルコール;湿潤剤;増粘剤;研磨剤;保存剤;薬効成分やその他の有効成分;香料;色素等を適宜含有させることができる。
本発明の口腔用組成物の25℃におけるpHは、成分(A)を組成物中に安定に存在させる観点、及び成分(C)の含フッ素化合物由来のフッ化物イオンを包埋しながらベシクル様の会合体を迅速に形成させ、歯面において持続的にフッ化物イオンを吸着させる観点から、7.0以上であって、好ましくは7.5以上であり、より好ましくは8.0以上であり、さらに好ましくは8.5以上であり、またさらに好ましくは8.6以上であり、9.6未満であって、好ましくは9.5以下であり、より好ましくは9.4以下であり、さらに好ましくは9.3以下であり、またさらに好ましくは8.9以下である。そして、本発明の口腔用組成物の25℃におけるpHは、7.0以上9.6未満であって、好ましくは7.5~9.5であり、より好ましくは8.0~9.4であり、さらに好ましくは8.5~9.3であり、またさらに好ましくは8.6~8.9である。
なお、本発明の口腔用組成物のpHは、pH電極を用いて25℃で測定した値であり、本発明の口腔用組成物が液体口腔用組成物である場合には、組成物を希釈せずに測定した値を意味し、本発明の口腔用組成物が歯磨組成物である場合には、イオン交換水又は蒸留水からなる精製水により10質量%の濃度の水溶液に調整した後に測定した値を意味する。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[実施例1~11、比較例1~6]
表1に示す処方にしたがって、口腔用組成物を調製した。得られた各口腔用組成物を用い、下記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表1に示す。
《pHの測定》
得られた各口腔用組成物20mlをpH/ION METER F53(HORIBA社製)を用いてpHを測定した。
《フッ化物イオン吸着量の測定》
適用直後のフッ化物イオン吸着量を「初期フッ化物イオン吸着量」とし、適用後水で漱いだ後のフッ化物イオン吸着量を「水すすぎ後フッ化物イオン吸着量」とした。
具体的には、「初期フッ化物イオン吸着量」は、以下の手順にて測定した。ハイドロキシアパタイト粉末(BIO-RAD社製Bio-GelHTPhydroxyapatite)10mgに各口腔用組成物1mlを2分間作用させた後、遠心分離にて上澄み溶液を廃液し、自然乾燥させた。次いで、この自然乾燥させたハイドロキシアパタイト粉末を1N塩酸1mlで1分間処理して溶解させ、さらに中和処理した後、ハイドロキシアパタイト粉末に吸着したフッ化物イオン量をフッ化物イオン電極(ionplus-Fluoride(ORION社製))を用い、イオンアナライザー(ExpandableionAnalyzerEA940(ORION社製))により定量(mg/gHAP)した。
「水すすぎ後フッ化物イオン吸着量」は、以下の手順にて測定した。ハイドロキシアパタイト粉末10mgに各口腔用組成物1mlを2分間作用させた後、遠心分離にて上澄み溶液を廃液した。次いで、ハイドロキシアパタイト粉末を水で2回すすぎ洗浄し、遠心分離にて上澄み溶液を廃液した後、上記と同様の方法にてハイドロキシアパタイト粉末に吸着したフッ化物イオン量を定量した。
次いで、「初期フッ化物イオン吸着量」及び「水すすぎ後フッ化物イオン吸着量」の値を元に、下記式にしたがってフッ化物イオン吸着持続率(%)を算出した。
なお、得られたフッ化物イオン吸着持続率の値が大きいほど、歯面へのフッ化物イオン吸着の持続性に優れることを意味する。
フッ化物イオン吸着持続率(%)
=(水すすぎ後フッ化物イオン吸着量/初期フッ化物イオン吸着量)×100
《歯面における感触の評価》
得られた口腔用組成物を用い、3名のパネラーにより評価を行い、その平均値を求めた。具体的には、各口腔用組成物10gを口腔内に適用した後、口腔内を水で数回すすぎ、30分間経過した時点において、歯面を舌で触ったときの感触を下記基準にしたがって評価し、専門パネラー3名による平均値を求めた。
なお、つるつるとする感触とは、上記のとおり、歯面を舌でふれたときに、引っかかり感なく舌をすべらせることができることから、歯面がなめらかであると感じられ、高い清掃感を実感できる感触をいう。
A:非常につるつるとする感触がある
B:ややつるつるとする感触がある
C:歯面に摩擦を感じ、引っかかり感がある
《歯垢形成抑制の評価》
1)組成物による処理
HAp基板(コスモ・バイオ社製、1cm角)の片面を40μm、12μm、3μmの研磨紙を用いて鏡面研磨した後、1N HClに1分間浸漬して酸脱灰処理を施した。処理後のHAp板をイオン交換水で洗浄して乾燥し、24穴プレートに入れ、実施例及び比較例で得られた各組成物1mL、及び人工唾液0.13mLを添加して5分間振盪した。振盪は、振盪機(BioShake iQ(ワケンビーテック社製))を用い、室温(25℃)、500rpmの条件で行った。その後、各組成物を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪した後、水を吸い取り処理基板とした。
2)刺激唾液の採取
20~30代の健常男性を対象に、デントバフ ストリップ(オーラルケア社製)に含まれているガムペレットを噛ませ、その都度口の中に溜まった唾液をファルコンチューブに吐き出させて、かかるファルコンチューブに唾液を採取した。なお、唾液中の細菌には個人差があるため、1名の健常男性の唾液により、全ての実施例と比較例について歯垢形成抑制試験を行った。
3)モデル歯垢の形成
ファルコンチューブに採取した唾液を、冷却遠心分離機(CF15RN、HITACHI社製)を用いて3000rpm/25℃/10minにて遠心分離した。分離された上澄み唾液を用い、スクロースを5質量%溶液となるように添加した後、撹拌機器(voltex、日本ジェネティクス社製)を用いて撹拌し、歯垢モデル試験液を調製した。
次に、1)にて処理を施したHAp基板に上記調製した歯垢モデル試験液を1mLずつ添加した後、これをCO2パックとともにプラスチックケースに格納して嫌気条件下とし、37℃で24時間培養した。
4)歯垢形成抑制効果の評価
減圧ポンプを用い、プレート中の唾液を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間1回振とうした。次にポンプを用いて水を吸い取り、0.1質量%クリスタルバイオレット(CV)溶液を750μL添加して15分間振盪した。
さらにポンプでCV染色液を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪し、これを2回繰り返した。次いで、水をポンプで吸い取り、エタノール500μLを添加してピペッティングした後、抽出液をイオン交換水で10倍希釈し、マイクロプレートレコーダー(TECAN社製 波長可変型吸光マイクロプレートリーダー サンライズレインボーサーモ)で吸光度OD595nmを測定した。
また、上記得られた組成物を用いることなく、イオン交換水で洗浄したのみの吸光度OD595nm(初期値)を基準とし、下記式にしたがって歯垢形成抑制率(%)を算出した。
なお、得られた歯垢形成抑制率の値が大きいほど、歯垢形成抑制効果が高いことを意味する。
歯垢形成抑制率(%)=100-{上記得られた組成物にて処理した基板のOD595nm/未処理基板のOD595nm}×100
Figure 2023150737000001
本発明の口腔用組成物の処方例を表2に示す。
Figure 2023150737000002

Claims (5)

  1. 次の成分(A)~(C):
    (A)炭素数10以上22以下の炭化水素基を有する不飽和脂肪酸
    (B)有機アミン、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、及びセスキ炭酸塩から選ばれる1種又は2種以上の塩基性化合物
    (C)含フッ素化合物
    を含有し、成分(A)の含有量と成分(C)のフッ素原子換算での含有量との質量比((A)/(C))が0.05以上1.9以下であり、かつ25℃におけるpHが7.0以上9.6未満である口腔用組成物。
  2. 成分(C)が、フッ化物イオン供給化合物、及びモノフルオロリン酸イオン供給化合物から選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. 成分(A)の含有量が、0.005質量%以上0.3質量%以下である請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
  4. さらに、成分(B)以外のカルシウムイオン供給化合物(D)を含有する請求項1~3のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  5. 成分(D)の含有量と成分(C)のフッ素原子換算での含有量との質量比((D)/(C))が、0.5以上10以下である請求項4に記載の口腔用組成物。
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