JP2022076398A - 口腔用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯表面へのフッ素イオン吸着量を増大させつつ、優れた口腔内バイオフィルム除去効果を発揮させることのできる口腔用組成物に関する。【解決手段】次の成分(A)~(D):(A)フッ素イオン供給化合物(B)グリセロリン酸カルシウム(C)炭素数10以上22以下の炭化水素基を有する脂肪酸又はその塩(D)カチオン性殺菌剤を含有し、かつ成分(D)のモル量と成分(C)のモル量との比((D)/(C))が0.4以上7.0以下である口腔用組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、口腔用組成物に関する。
フッ化ナトリウム等のフッ素イオン供給化合物は、口腔内においてフッ素イオンを放出して再石灰化を促進する効果を発揮することで知られており、こうしたフッ素イオンの歯表面への取り込み量を増大させるべく、種々の口腔用組成物が開発されている。
例えば、特許文献1には、フッ化ナトリウム、塩化カルシウムやグリセロリン酸カルシウム等の水溶性カルシウム塩、及び水溶性マグネシウム塩を特定の量的条件下で含有する洗口液が開示されており、初期う蝕の再石灰化の進行促進を図っている。また、特許文献2には、キシリトール、フッ素イオン供給化合物、及びグリセロリン酸カルシウムを特定の量的条件下で含有する練歯磨組成物が開示されており、組成物の安定化を確保しながら歯表面へのフッ素イオンの取り込み量を増大させている。
一方、本発明者らの知見により、オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩は、口腔内バイオフィルムの除去効果を発揮し得ることが判明している。とすれば、歯表面へのフッ素イオンの取り込み量を増大させつつ、優れた口腔内バイオフィルム除去効果を発揮させるにあたり、上記技術と本発明者による知見との併用が有効な一策ではあり得る。
しかしながら、グリセロリン酸カルシウムと脂肪酸又はその塩とが共存する組成物では、即座に脂肪酸カルシウム塩の析出が生じてしまい、期待する効果が充分に発揮されないことが、本発明者らにより判明した。
すなわち、本発明は、歯表面へのフッ素イオン吸着量を増大させつつ、優れた口腔内バイオフィルム除去効果を発揮させることのできる口腔用組成物に関する。
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、フッ素イオン供給化合物、グリセロリン酸カルシウム、及び特定の脂肪酸又はその塩を含有するなか、さらにカチオン性殺菌剤を特定のモル比で含有することにより、グリセロリン酸カルシウムと脂肪酸又はその塩とによる反応を有効に抑制して、歯表面へのフッ素イオン吸着量を有効に増大させるとともに、口腔内バイオフィルム除去効果にも優れる口腔用組成物を見出した。
したがって、本発明は、次の成分(A)~(D):
(A)フッ素イオン供給化合物
(B)グリセロリン酸カルシウム
(C)炭素数10以上22以下の炭化水素基を有する脂肪酸又はその塩
(D)カチオン性殺菌剤
を含有し、かつ成分(D)のモル量と成分(C)のモル量との比((D)/(C))が0.4以上7.0以下である口腔用組成物を提供するものである。
(A)フッ素イオン供給化合物
(B)グリセロリン酸カルシウム
(C)炭素数10以上22以下の炭化水素基を有する脂肪酸又はその塩
(D)カチオン性殺菌剤
を含有し、かつ成分(D)のモル量と成分(C)のモル量との比((D)/(C))が0.4以上7.0以下である口腔用組成物を提供するものである。
本発明の口腔用組成物によれば、歯表面へのフッ素イオン吸着量を増大させて再石灰化を有効に促進させながら、優れた口腔内バイオフィルム除去効果をも発揮する口腔用組成物を実現することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の口腔用組成物は、成分(A)として、フッ素イオン供給化合物を含有する。本発明の口腔用組成物であれば、成分(C)の脂肪酸又はその塩の存在下でありながら、口腔内において有効にフッ素イオンを供給する成分(A)と、後述する成分(B)のグリセロリン酸カルシウムとが相まって有効に作用し、歯表面へのフッ素イオン吸着量を増大させることができる。
本発明の口腔用組成物は、成分(A)として、フッ素イオン供給化合物を含有する。本発明の口腔用組成物であれば、成分(C)の脂肪酸又はその塩の存在下でありながら、口腔内において有効にフッ素イオンを供給する成分(A)と、後述する成分(B)のグリセロリン酸カルシウムとが相まって有効に作用し、歯表面へのフッ素イオン吸着量を増大させることができる。
成分(A)としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化錫、フッ化水素酸ヘキシルアミン、フッ化水素酸デカノールアミン、及びフッ化水素酸オクタデセニルアミンから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、優れた口腔内バイオフィルム除去効果を発揮しつつも、速やかにフッ素イオンを供給して効率的にフッ化カルシウムを形成し、歯表面におけるフッ素イオン吸着量を有効に増大させる観点から、フッ化ナトリウムが好ましい。
成分(A)の含有量は、口腔内における速やかなフッ素イオンの供給を確保する観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.02質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.16質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、歯表面においてフッ化カルシウムを効率的に形成させる観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.02~5質量%であり、より好ましくは0.1~2質量%であり、さらに好ましくは0.16~0.5質量%である。
本発明の口腔用組成物は、成分(B)として、グリセロリン酸カルシウムを含有する。かかる成分(B)は、カルシウム源として、成分(A)とともに効率よくフッ化カルシウムを形成する作用を担う。その結果、歯表面において微結晶のフッ化カルシウムが良好に形成され、歯表面へのフッ素吸着を高めることができる。
成分(B)の含有量は、成分(A)と相まって、歯表面において効率よくフッ化カルシウムを形成させる観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.08質量%以上であり、より好ましくは0.12質量%以上であり、さらに好ましくは0.25質量%以上である。また、成分(B)の含有量は、口腔内バイオフィルム除去効果をも高める観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下である。そして、成分(B)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.08~1質量%であり、より好ましくは0.12~0.8質量%であり、さらに好ましくは0.25~0.5質量%である。
本発明の口腔用組成物は、成分(C)として、炭素数10以上22以下の炭化水素基を有する脂肪酸又はその塩を含有する。本発明の口腔用組成物では、後述する成分(D)を含有させることにより、系内に成分(B)が存在しているにもかかわらず、かかる成分(C)による優れた口腔内バイオフィルム除去効果を発揮することができる。
なお、成分(C)の脂肪酸又はその塩については、本発明の口腔用組成物中において、脂肪酸とイオン化した塩とに一部又は全部遊離した形態であっても、脂肪酸塩の形態であってもよい。
なお、成分(C)の脂肪酸又はその塩については、本発明の口腔用組成物中において、脂肪酸とイオン化した塩とに一部又は全部遊離した形態であっても、脂肪酸塩の形態であってもよい。
成分(C)の脂肪酸又はその塩が有する炭化水素基の炭素数は、優れた口腔内バイオフィルム除去効果を発揮させる観点から、10以上であって、好ましくは12以上であって、より好ましくは14以上であって、よりさらに好ましくは16以上であって、さらに好ましくは18以上であり、22以下であって、好ましくは20以下である。かかる炭化水素基としては、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、直鎖炭化水素基、分岐鎖を有する炭化水素基等が挙げられ、具体的には、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸及びベヘン酸等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
成分(C)の脂肪酸又はその塩の塩としては、ナトリウム、カリウムが挙げられる。
成分(C)の脂肪酸又はその塩の塩としては、ナトリウム、カリウムが挙げられる。
また成分(C)は、好ましくは、少なくとも一部に不飽和炭化水素基を有する脂肪酸又はその塩、すなわち不飽和脂肪酸又はその塩を含む。かかる不飽和炭化水素基としては、例えば、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、歯表面へのフッ素イオン吸着量増大効果と口腔内バイオフィルム除去効果とを良好に両立させる観点から、パルミトレイン酸、オレイン酸及びリノール酸から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、オレイン酸がより好ましい。
不飽和脂肪酸又はその塩の含有量は、歯表面へのフッ素イオン吸着量増大効果と口腔内バイオフィルム除去効果とを良好に両立させる観点から、成分(C)中に、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、よりさらに好ましくは25質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、よりさらに好ましくは35質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上であり、よりさらに好ましくは55質量%以上であり、よりさらに好ましくは75質量%以上であり、よりさらに好ましくは80質量%以上であり、よりさらに好ましくは90質量%以上であり、よりさらに好ましくは95質量%以上である。
成分(C)の含有量は、口腔内において優れた洗浄効果を発揮し、歯表面に固着した口腔内バイオフィルムを効果的に除去する観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.25質量%以上であり、さらに好ましくは0.35質量%以上である。また、成分(C)の含有量は、歯表面へのフッ素イオン吸着量増大効果を良好に確保しつつ、成分(B)と成分(C)とによる反応を抑制する観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。そして、成分(C)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.05~5質量%であり、より好ましくは0.1~3質量%であり、さらに好ましくは0.2~1.5質量%であり、さらに好ましくは0.25~1質量%であり、さらに好ましくは0.35~1質量%である。
なお成分(C)の含有量は、脂肪酸換算量とする。
なお成分(C)の含有量は、脂肪酸換算量とする。
また、成分(C)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、質量モル濃度で、好ましくは0.0018~0.18質量モル濃度であり、より好ましくは0.0036~0.11質量モル濃度であり、さらに好ましくは0.0071~0.053質量モル濃度であり、さらに好ましくは0.0089~0.036質量モル濃度であり、さらに好ましくは0.012~0.036質量モル濃度である。
本発明の口腔用組成物は、成分(D)として、カチオン性殺菌剤を含有する。かかる成分(D)を含有することにより、成分(B)と成分(C)とが事前に反応してしまうことによって、成分(C)の口腔内バイオフィルム除去効果が減じられることを有効に抑制できるため、歯表面へのフッ素イオン吸着量増大効果との両立が実現可能となる。
成分(D)としては、4級アンモニウムを有するカチオン性殺菌剤が好ましく、具体的には、アルキルピリジニウム塩、ベンジル長鎖アルキル短鎖ジアルキルアンモニウム塩及びその誘導体、及び長鎖アルキル短鎖トリアルキルアンモニウム塩等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。より具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリニジウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、及び塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも、成分(B)と成分(C)とによる反応を効果的に抑制して、歯表面へのフッ素イオン吸着量増大効果と口腔内バイオフィルム除去効果との両立を図る観点から、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリニジウム、及び塩化ラウリルトリメチルアンモニウムから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、塩化セチルピリニジウム、及び塩化ベンザルコニウムから選ばれる1種又は2種がより好ましい。
なかでも、成分(B)と成分(C)とによる反応を効果的に抑制して、歯表面へのフッ素イオン吸着量増大効果と口腔内バイオフィルム除去効果との両立を図る観点から、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリニジウム、及び塩化ラウリルトリメチルアンモニウムから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、塩化セチルピリニジウム、及び塩化ベンザルコニウムから選ばれる1種又は2種がより好ましい。
成分(D)の含有量は、成分(B)と成分(C)とによる反応を有効に抑制する観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.12質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上である。また、成分(D)の含有量は、組成物中における各成分の良好な溶解性又は分散性を確保する観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは4質量%以下であり、さらに好ましくは2.5質量%以下である。そして、成分(D)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.12~5質量%であり、より好ましくは0.2~4質量%であり、さらに好ましくは0.3~2.5質量%であり、さらに好ましくは0.5~2.5質量%であり、さらに好ましくは1~2.5質量%である。
また、成分(D)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、質量モル濃度で、好ましくは0.0034~0.15質量モル濃度であり、より好ましくは0.0056~0.11質量モル濃度であり、さらに好ましくは0.0085~0.074質量モル濃度である。
成分(D)のモル量と成分(C)のモル量との比((D)/(C))は、成分(B)と成分(C)とによる反応を有効に抑制して、優れた口腔内バイオフィルム除去効果の発揮を確保する観点から、0.4以上であって、好ましくは0.7以上であり、より好ましくは1.2以上であり、さらに好ましくは2.2以上である。また、成分(D)のモル量と成分(C)のモル量との比((D)/(C))は、優れた口腔内バイオフィルム除去効果を発現させる観点及び良好な外観を得る観点から、7.0以下であって、好ましくは6.5以下であり、より好ましくは6.0以下であり、さらに好ましくは4.5以下である。そして、成分(D)のモル量と成分(C)のモル量との比((D)/(C))は、0.4以上7.0以下であって、好ましくは0.7~6.5であり、より好ましくは1.2~6.0であり、さらに好ましくは2.2~4.5である。
本発明の口腔用組成物は、好ましくは水を含有する。これにより、上記各成分を良好に溶解又は分散させつつ、口腔内への適用後における口腔用組成物の拡散性も高め、歯表面へのフッ素イオン吸着量の増大効果とともに、優れた口腔内バイオフィルム除去効果を享受することができる。
水の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上であり、さらに好ましくは35質量%以上であり、好ましくは99.7質量%以下であり、より好ましくは99.5質量%以下であり、さらに好ましくは99質量%以下であり、さらに好ましくは95質量%以下であり、さらに好ましくは90質量%以下である。
なお、本発明における水とは、口腔用組成物に直接配合した精製水等だけでなく、配合した各成分に含まれる水分をも含む、口腔用組成物中に含まれる全水分を意味する。
なお、水の含有量の測定方法は、配合した水分量及び配合した成分中の水分量から計算によって算出することもできるが、例えばカールフィッシャー水分計で測定することもできる。
なお、本発明における水とは、口腔用組成物に直接配合した精製水等だけでなく、配合した各成分に含まれる水分をも含む、口腔用組成物中に含まれる全水分を意味する。
なお、水の含有量の測定方法は、配合した水分量及び配合した成分中の水分量から計算によって算出することもできるが、例えばカールフィッシャー水分計で測定することもできる。
本発明の口腔用組成物は、成分(B)と成分(C)とによる反応の抑制作用を不当に阻害しない観点から、成分(B)以外の二価金属イオン供給化合物の含有を制限するのが好ましい。かかる二価金属イオン供給化合物とは、口腔内において二価金属イオンを放出し得る化合物であり、二価金属イオンとしては、具体的には、成分(B)も放出し得るカルシウムイオンのほか、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、銅(II)イオン、又はマンガン(II)イオンが挙げられる。
成分(B)以外の二価金属イオン供給化合物としては、具体的には、これら二価金属を含む塩化カルシウム等の塩化物、硫酸マグネシウム等の硫酸塩、或いはこれら二価金属を含む粉体が挙げられる。
成分(B)以外の二価金属イオン供給化合物の含有量は、成分(B)と成分(C)とによる反応の抑制効果が不当に減じられない観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.05質量%未満であり、より好ましくは0.02質量%未満であり、さらに好ましくは0.01質量%未満であり、或いは本発明の口腔用組成物は、成分(B)以外の二価金属イオン供給化合物を含有しないのが好ましい。
本発明の口腔用組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記成分の他、例えば、水酸化ナトリウム等のpH調整剤、界面活性剤、香料、甘味料、色素等を含有することができる。
本発明の口腔用組成物の25℃におけるpHは、歯表面へのフッ素イオン吸着量増大効果と口腔内バイオフィルム除去効果との両立を有効に図る観点から、好ましくは8.2以上であり、より好ましくは8.6以上であり、さらに好ましくは9.0以上であり、好ましくは11以下であり、より好ましくは10.8以下であり、さらに好ましくは10.6以下である。
本発明の口腔用組成物の形態としては、洗口剤、マウススプレー、液状歯磨剤等の液体口腔用組成物であってもよく、粉歯磨剤、練り歯磨剤等の歯磨剤組成物であってもよい。なかでも、成分(B)と成分(C)とによる反応を効果的に抑制しつつ、歯表面へのフッ素イオン吸着量増大効果と口腔内バイオフィルム除去効果との両立を有効に図る観点から、液体口腔用組成物であるのが好ましい。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[実施例1~11、比較例1~3]
表1~2に示す処方にしたがって各口腔用組成物を調製した。次いで、得られた口腔用組成物を用い、下記方法にしたがって測定及び評価を行った。
なお、得られた口腔用組成物について、25℃におけるpHを測定したところ(測定機:堀場製作所社製 F-53)、全てpH10であった。
結果を表1~2に示す。
表1~2に示す処方にしたがって各口腔用組成物を調製した。次いで、得られた口腔用組成物を用い、下記方法にしたがって測定及び評価を行った。
なお、得られた口腔用組成物について、25℃におけるpHを測定したところ(測定機:堀場製作所社製 F-53)、全てpH10であった。
結果を表1~2に示す。
《フッ素吸着量の測定》
ハイドロキシアパタイト粉末(BIO-RAD社製Bio-Gel HTP hydroxyapatite)10mgに各口腔用組成物1mlを2分間作用させた後、遠心分離にて上澄み溶液を廃液した。さらにハイドロキシアパタイト粉末を水で3回すすぎ洗浄し、自然乾燥させた。次いで、ハイドロキシアパタイト粉末を1N塩酸1mlで1分間処理して溶解させ、さらに中和処理した後、フッ素イオン電極(ionplus20Fluoride(ORION社製))を用い、イオンアナライザー(Expandable ionAnalyzer EA 940(ORION社製))を使用してハイドロキシアパタイト粉末に吸着したフッ素量(フッ素吸着量)を定量した。
ハイドロキシアパタイト粉末(BIO-RAD社製Bio-Gel HTP hydroxyapatite)10mgに各口腔用組成物1mlを2分間作用させた後、遠心分離にて上澄み溶液を廃液した。さらにハイドロキシアパタイト粉末を水で3回すすぎ洗浄し、自然乾燥させた。次いで、ハイドロキシアパタイト粉末を1N塩酸1mlで1分間処理して溶解させ、さらに中和処理した後、フッ素イオン電極(ionplus20Fluoride(ORION社製))を用い、イオンアナライザー(Expandable ionAnalyzer EA 940(ORION社製))を使用してハイドロキシアパタイト粉末に吸着したフッ素量(フッ素吸着量)を定量した。
《バイオフィルム除去率の測定》
1)無菌唾液の採取
20~30代の健常男性を対象に、デントバフ ストリップ(オーラルケア OralCare Inc.社製)に含まれているガムペレットを噛んでもらい、その都度口の中に溜まった唾液をファルコンチューブに吐き出してもらうことにより、かかるファルコンチューブに唾液を採取した。採取した唾液を0.45μmフィルターでろ過することで、ヒト無菌唾液を得た。
1)無菌唾液の採取
20~30代の健常男性を対象に、デントバフ ストリップ(オーラルケア OralCare Inc.社製)に含まれているガムペレットを噛んでもらい、その都度口の中に溜まった唾液をファルコンチューブに吐き出してもらうことにより、かかるファルコンチューブに唾液を採取した。採取した唾液を0.45μmフィルターでろ過することで、ヒト無菌唾液を得た。
2)バイオフィルムモデルの作製
HAp基板(コスモ・バイオ製、1cm角)の片面を40μm、12μm、3μmの研磨紙を用いて鏡面研磨した後、1N HClに1分間浸漬して酸脱灰処理を施した。処理後のHAp板をイオン交換水で洗浄して乾燥し、24穴プレートに入れ、上記調製したヒト無菌唾液で2時間処理したものをバイオフィルムモデルの担体に用いた。培養液にはTSB培地(Trypticase Soy Broth、BD社製)に1%スクロースを添加した培地を用いた。ストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)(JCM5705)を培養液に懸濁し、分光光度計を用いて、600nmにおける濁度(OD600nm)が0.03になるように適宜希釈した。菌液を唾液処理HAp基板に1mLずつ添加した後、これをCO2パックとともにプラスチックケースに格納して嫌気条件下とし、37℃で24時間培養した。
HAp基板(コスモ・バイオ製、1cm角)の片面を40μm、12μm、3μmの研磨紙を用いて鏡面研磨した後、1N HClに1分間浸漬して酸脱灰処理を施した。処理後のHAp板をイオン交換水で洗浄して乾燥し、24穴プレートに入れ、上記調製したヒト無菌唾液で2時間処理したものをバイオフィルムモデルの担体に用いた。培養液にはTSB培地(Trypticase Soy Broth、BD社製)に1%スクロースを添加した培地を用いた。ストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)(JCM5705)を培養液に懸濁し、分光光度計を用いて、600nmにおける濁度(OD600nm)が0.03になるように適宜希釈した。菌液を唾液処理HAp基板に1mLずつ添加した後、これをCO2パックとともにプラスチックケースに格納して嫌気条件下とし、37℃で24時間培養した。
3)バイオフィルム除去効果の評価
減圧ポンプを用い、プレート中の菌液を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪した。次にポンプを用いて水を吸い取り、得られた各口腔用組成物1mLを添加して10分間振盪した。振盪は、振盪機(BioShake iQ(ワケンビーテック株式会社))を用い、室温(25℃)、500rpmの条件で行った。
その後、各口腔用組成物を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪し、これを2回繰り返した。次いで、水を吸い取り、0.1質量%クリスタルバイオレット(CV)溶液を750μL添加して15分間振盪した。
さらにポンプでCV溶液を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪し、これを2回繰り返した。次いで、水をポンプで吸い取り、エタノール500μLを添加してピペッティングした後、抽出液をイオン交換水で10倍希釈し、マイクロプレートレコーダー(TECAN社製 波長可変型吸光マイクロプレートリーダー サンライズレインボーサーモ)で吸光度Abs595nmを測定した。
また、上記得られた組成物を用いることなく、イオン交換水で洗浄したのみの吸光度Abs595nm(初期値)を基準とし、下記式にしたがってバイオフィルム除去率(%)を算出した。
バイオフィルム除去率(%)=100-{上記得られた組成物を用いた際のAbs595nm/イオン交換水で洗浄したのみのAbs595nm}×100
減圧ポンプを用い、プレート中の菌液を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪した。次にポンプを用いて水を吸い取り、得られた各口腔用組成物1mLを添加して10分間振盪した。振盪は、振盪機(BioShake iQ(ワケンビーテック株式会社))を用い、室温(25℃)、500rpmの条件で行った。
その後、各口腔用組成物を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪し、これを2回繰り返した。次いで、水を吸い取り、0.1質量%クリスタルバイオレット(CV)溶液を750μL添加して15分間振盪した。
さらにポンプでCV溶液を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪し、これを2回繰り返した。次いで、水をポンプで吸い取り、エタノール500μLを添加してピペッティングした後、抽出液をイオン交換水で10倍希釈し、マイクロプレートレコーダー(TECAN社製 波長可変型吸光マイクロプレートリーダー サンライズレインボーサーモ)で吸光度Abs595nmを測定した。
また、上記得られた組成物を用いることなく、イオン交換水で洗浄したのみの吸光度Abs595nm(初期値)を基準とし、下記式にしたがってバイオフィルム除去率(%)を算出した。
バイオフィルム除去率(%)=100-{上記得られた組成物を用いた際のAbs595nm/イオン交換水で洗浄したのみのAbs595nm}×100
Claims (5)
- 次の成分(A)~(D):
(A)フッ素イオン供給化合物
(B)グリセロリン酸カルシウム
(C)炭素数10以上22以下の炭化水素基を有する脂肪酸又はその塩
(D)カチオン性殺菌剤
を含有し、かつ成分(D)のモル量と成分(C)のモル量との比((D)/(C))が0.4以上7.0以下である口腔用組成物。 - 成分(D)が、4級アンモニウムを有するカチオン性殺菌剤である請求項1に記載の口腔用組成物。
- 成分(C)が有する炭化水素基の炭素数が、18以上22以下である請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
- 不飽和脂肪酸の含有量が、成分(C)中に15質量%以上である請求項1~3のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
- 成分(C)の含有量が、0.05質量%以上5質量%以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
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